(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】NRネットワーク内でのサイドリンク通信用の経路選択
(51)【国際特許分類】
H04W 40/02 20090101AFI20241003BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20241003BHJP
H04W 76/14 20180101ALI20241003BHJP
H04W 8/00 20090101ALI20241003BHJP
【FI】
H04W40/02 110
H04W88/04
H04W76/14
H04W8/00 110
(21)【出願番号】P 2022540874
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(86)【国際出願番号】 EP2020077678
(87)【国際公開番号】W WO2021139906
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-28
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】フー, チャン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, コンチ
(72)【発明者】
【氏名】コンドルチ, マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン, アンデシュ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ラーション, コニー
【審査官】中元 淳二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/112834(WO,A1)
【文献】vivo,Solution to support UE-to-UE Relay connection establishment[online],3GPP TSG SA WG2 #136 S2-1911477,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_136_Reno/Docs/S2-1911477.zip>,2019年11月08日
【文献】CATT,Solution to support UE-to-UE Relay[online],3GPP TSG SA WG2 #136 S2-1911451,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_136_Reno/Docs/S2-1911451.zip>,2019年11月08日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
D2D(device-to-device)通信用の要求側ユーザ機器(UE)(30、400、600)によって実装される方法(100)であって、前記方法(100)は、
リモートUE(30、400、600)との通信を開始するDirect Communication Requestを、1つまたは複数の近隣UEへブロードキャストすること(110)であって、前記Direct Communication Requestが、前記要求側UE(30、400、600)と前記リモートUE(30、400、600)との間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示
し、かつ、前記通信経路についての最大ホップ数をさらに示す中継インジケーションを含む、Direct Communication Requestをブロードキャストすること(110)と、
前記Direct Communication Requestに応答して、前記近隣UEのうちの1つまたは複数から応答メッセージを受信すること(120)と
前記1つまたは複数の応答メッセージに基づいて、前記要求側UE(30、400、600)と前記リモートUE(30、400、600)との間の前記D2D通信用の通信経路を判定すること(130)と
を含む、方法(100)。
【請求項2】
前記通信経路が、リモートUE(30、400、600)によって選択され、前記要求側UE(30、400、600)が、
単一応答メッセージを近隣UE(30、400、600)から受信し、
前記応答メッセージが受信された前記近隣UE(30、400、600)の識別情報に基づいて前記通信経路を判定する、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記要求側UE(30、400、600)が、中継としてサーブする近隣UE(30、400、600)から前記単一応答メッセージを受信し、前記判定された通信経路が、前記要求側UE(30、400、600)から前記リモートUE(30、400、600)への2つ以上のホップを含む、または、
前記要求側UE(30、400、600)が、前記リモートUE(30、400、600)から前記単一応答メッセージを直接受信し、前記判定された通信経路が、前記要求側UE(30、400、600)と前記リモートUE(30、400、600)との間の経路である、
請求項2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記要求側UE(30、400、600)が、
前記1つまたは複数の近隣UEのそれぞれから応答メッセージを受信し、
前記要求側UE(30、400、600)によって受信された前記1つまたは複数の応答メッセージに基づいて前記通信経路を選択する、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記
要求側UE(30、400、600)が、前記リモートUE(30、400、600)から応答メッセージを直接受信すると、前記
要求側UE(30、400、600)は前記要求側UE(30、400、600)から前記リモートUE(30、400、600)への経路を選択する、請求項4に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記要求側UE(30、400、600)が、前記1つまたは複数の応答メッセージに含まれる経路選択情報に基づいて前記通信経路を選択し、前記経路選択情報が、チャネル品質情報、負荷情報、またはデバイス能力情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記要求側UE(30、400、600)が、前記Direct Communication Requestをブロードキャストした後、予め定められた時間前に受信された前記応答メッセージのうちの1つまたは複数に基づいて前記通信経路を判定する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項8】
D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)(30、400、600)であって、前記UE(30、400、600)は、
Direct Communication Requestを、1つまたは複数の近隣UEへブロードキャストすることであって、前記Direct Communication Requestが、要求側UE(30、400、600)とリモートUE(30、400、600)との間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示
し、かつ、前記通信経路についての最大ホップ数をさらに示す中継インジケーションを含む、Direct Communication Requestをブロードキャストすることと、
前記Direct Communication Requestに応答して、前記近隣UEのうちの1つまたは複数から応答メッセージを受信することと、
前記1つまたは複数の応答メッセージに基づいて、前記要求側UE(30、400、600)と前記リモートUE(30、400、600)との間の前記D2D通信用の通信経路を判定することと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)(30、400、600)。
【請求項9】
請求項2から7のいずれか一項に記載の方法を実行するようにさらに構成される、請求項8に記載のUE(30、400、600)。
【請求項10】
無線通信ネットワーク内のユーザ機器(UE)(30、400、600)中の処理回路によって実行されると、
要求側UEとしての前記UE(30、400、600)に請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラム(670)。
【請求項11】
D2D(device-to-device)通信を中継する
中継ユーザ機器(UE)(30、400、600)によって実装される方法(150)であって、前記方法(150)は、
リモートUE(30、400、600)との通信を開始する要求側UE(30、400、600)によってブロードキャストされたDirect Communication Requestを受信すること(160)であって、前記Direct Communication Requestが、前記要求側UE(30、400、600)と前記リモートUE(30、400、600)との間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示
し、かつ、前記通信経路についての最大ホップ数をさらに示す中継インジケーションを含む、Direct Communication Requestを受信すること(160)と、
前記Direct Communication Requestを前記リモートUE(30、400、600)に向けて転送すること(170)と
を含む、方法(150)。
【請求項12】
前記Direct Communication Requestを前記リモートUE(30、400、600)に向けて転送することが、前記Direct Communication Requestを前記中継インジケーションの値に応じて転送することを含む、請求項11に記載の方法(150)。
【請求項13】
前記Direct Communication Requestを前記リモートUE(30、400、600)に向けて転送することが、前記Direct Communication RequestについてのQuality of Service(QoS)要件、前記
中継UE(30、400、600)の負荷、または前記
中継UE(30、400、600)と前記要求側UE(30、400、600)との間の通信リンクのチャネル品質のうちの少なくとも1つにさらに応じたものになる、請求項11または12に記載の方法(150)。
【請求項14】
D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)(30、400、600)であって、前記UE(30、400、600)は、
リモートUE(30、400、600)との通信を開始する要求側UE(30、400、600)によってブロードキャストされたDirect Communication Requestを受信することであって、前記Direct Communication Requestが、前記要求側UE(30、400、600)と前記リモートUE(30、400、600)との間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示
し、かつ、前記通信経路についての最大ホップ数をさらに示す中継インジケーションを含む、Direct Communication Requestを受信することと、
前記Direct Communication Requestを前記リモートUE(30、400、600)に向けて転送することと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)(30、400、600)。
【請求項15】
請求項11から13のいずれか一項に記載の方法を実行するようにさらに構成される、請求項14に記載のUE(30、400、600)。
【請求項16】
無線通信ネットワーク内のユーザ機器(UE)(30、400、600)中の処理回路によって実行されると、
中継UEとしての前記UE(30、400、600)に請求項11から13のいずれか一項に記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラム(670)。
【請求項17】
D2D(device-to-device)通信用のリモートユーザ機器(UE)(30、400、600)によって実装される方法(200)であって、前記方法(200)は、
前記リモートUE(30、400、600)との通信を開始する要求側UE(30、400、600)によってブロードキャストされたDirect Communication Requestの1つまたは複数の複製を受信すること(210)であって、前記Direct Communication Requestが、前記要求側UE(30、400、600)と前記リモートUE(30、400、600)との間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示
し、かつ、前記通信経路についての最大ホップ数をさらに示す中継インジケーションを含む、Direct Communication Requestの複製を受信すること(210)と、
前記Direct Communication Requestの前記1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、前記要求側UE(30、400、600)に、応答メッセージを、前記Direct Communication Requestが受信された前記通信経路に沿って送信すること(220)と
を含む、方法(200)。
【請求項18】
前記要求側UE(30、400、600)と前記リモートUE(30、400、600)との間のD2D通信用の通信経路を選択することをさらに含み、前記Direct Communication Requestの前記1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して前記応答メッセージを送信することが、前記選択された通信経路に沿って単一応答メッセージを送信することを含む、請求項17に記載の方法(200)。
【請求項19】
前記Direct Communication Requestの前記1つまたは複数の複製を受信すること(210)が、前記要求側UE(30、400、600)とリモートUE(30、400、600)との間の個々の通信経路に沿って前記Direct Communication Requestの複数の複製を受信することを含み、
前記Direct Communication Requestの前記1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して前記応答メッセージを送信することが、複数の応答メッセージを、前記通信経路の個々の経路に沿って前記
要求側UE(30、400、600)に送信することを含む、請求項
17に記載の方法(200)。
【請求項20】
D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)(30、400、600)であって、前記UE(30、400、600)は、
リモートUE(30、400、600)との通信を開始する要求側UE(30、400、600)によってブロードキャストされたDirect Communication Requestの1つまたは複数の複製を受信することであって、前記Direct Communication Requestが、前記要求側UE(30、400、600)と前記リモートUE(30、400、600)との間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示
し、かつ、前記通信経路についての最大ホップ数をさらに示す中継インジケーションを含む、Direct Communication Requestの複製を受信することと、
前記Direct Communication Requestの1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、前記要求側UE(30、400、600)に、応答メッセージを、前記Direct Communication Requestが受信された前記通信経路に沿って送信することと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)(30、400、600)。
【請求項21】
請求項17から19のいずれか一項に記載の方法を実行するようにさらに構成される、請求項20に記載のUE(30、400、600)。
【請求項22】
無線通信ネットワーク内のユーザ機器(UE)(30、400、600)中の処理回路によって実行されると、
リモートUEとしての前記UE(30、400、600)に請求項17から19のいずれか一項に記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラム(670)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に無線通信ネットワーク内でのD2D(device-to-device)通信に関し、より詳細にはD2D通信用の経路選択に関する。
【背景技術】
【0002】
Long-Term Evolution(LTE)規格のRelease12(Rel-12)において、第3世代パートナーシップ(3GPP)プロジェクトで導入されたサイドリンク(SL)インターフェースによって、ユーザ機器(UE)は、ネットワーク(NW)にパケットを送信することなく、ピアUEと直接通信することができる。UE-to-network中継ソリューションはまた、セルカバレッジ外のリモートUEでも中継UEを介してネットワークに到達することができるように規定される。リモートUEは、SLインターフェースを用いて中継UEと通信し、中継UEは、セルとのアップリンク接続とダウンリンク接続を有する。
【0003】
サイドリンクインターフェースの最初の仕様は、主に公共の使用事例を対象としていた。それ以降、D2D技術の恩恵を受けることが可能な使用事例を拡大する目的で、多くの拡張が導入されてきた。特に、LTE Release14(Rel-14)およびRelease15(Rel-15)では、D2Dフレームワークの拡張は、車両、歩行者およびインフラストラクチャの間の直接通信のあらゆる組合せを含むV2X(Vehicle-to-Everything)通信のサポートに焦点を当てたものであった。
【0004】
LTE V2Xは主に交通安全サービスを目的としているが、新無線(New Radio)規格におけるV2Xの実装は、基本的な安全サービスだけでなく、周囲環境の知覚の強化を目的とした車両間でのセンサ/データ共有など、非安全用途を含むより広い範囲にわたる。結果的に、車両の隊列走行、車両同士の協力的な操縦、およびリモート/自律運転などの新しい用途のセットは、強化されたサイドリンクフレームワークの恩恵を享受することができる。
【0005】
現在、NR規格は、2つのProximity Service(ProSe)ディスカバリ方法をサポートしており、UEが、ディスカバリ側のUEの近傍にある近隣UE30をディスカバリすることを可能にしている。Model Aと称される1つ目のモデルでは、Announcing(アナウンス側)UEはディスカバリメッセージを、ディスカバリする許可を有するMonitoring(モニタリング側)UE30その近傍に向けて、規定のディスカバリインターバルでブロードキャストする。ディスカバリメッセージは、Monitoring UE30が関心を持つ可能性のある情報を含む。ディスカバリメッセージが、Monitoring UEが関心を持つ情報を含む場合、Monitoring UEは応答することが可能である。オープン型および制限型の両方のディスカバリタイプが、Model Aのディスカバリ方法によってサポートされる。Model Bと称される2つ目のモデルでは、Discoverer(ディスカバリする側)UEは、その具体的な関心についての情報を含む要求を送信する。要求を受信するDiscoveree(ディスカバリされる側)UEは、Discoverer UEの関心に関する何らかの情報で応答することができる。例えば、Discoverer UEは、その要求内に、あるグループに対応するProSe Application Identityについての情報を含むことが可能であり、グループのメンバーは応答することができる。Public Safetyに使用されるModel Bディスカバリ方法は、制限される。Monitoring UE/Discoverer UEは、適当なサービスのディスカバリを実施する権限(予めプロビジョニングされたパラメータなどを通じて)を有している必要がある。
【0006】
2つのUE30間でのD2D通信は、ネットワークカバレッジの外側にあるUEからのメッセージを中継するために使用することが可能である。Model AまたはModel Bのディスカバリ方法は、その近傍にありUE-to-Network中継としてサーブするUEをディスカバリするために、Announcing(アナウンス側)/Discoverer UEによって使用することが可能である。UE-to-Network中継として機能するUEは、(既に接続されているのでなければ)ネットワークに取り付けられ、Packet Dataネットワーク(PDN)接続に接続することができ、必要な中継トラフィックを可能にしている。
【0007】
UE-to-UE中継をサポートするためのいくつかの提案が成されているが、既存のソリューションには、1つまたは複数の欠点が存在する。具体的に、既存のソリューションは、中継ディスカバリに望ましくない遅延をもたらし、限られた能力しか提供しない、またはUEが前もって中継へのユニキャストリンクを確立することを必要とする(これはさらなる遅延をもたらしリソースを無駄にし得る)可能性がある。追加的に、既存のソリューションは、リモートUEによる中継選択をサポートしない。この制限は、リモートUEの能力が中継選択において考慮されないため、問題を生じる場合がある。
【0008】
したがって、先行技術ソリューションの欠点を克服するためのソリューションの必要性が残っている。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、要求側UEとリモートUEとの間のユニキャストD2D通信リンクを、中継UEを介して確立するための方法と装置を提供する。
【0010】
本開示の第1の態様によると、中継ディスカバリを伴わない、リモートUEとのユニキャストリンク確立のための手順が提供される。要求側UEは、リモートUEと通信する必要がある場合、Direct Communication Request(直接通信要求)を要求側UEの付近にあるすべてのUE30にブロードキャストする。Direct Communication Requestには、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうか、また任意選択で複数のホップが許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。Direct Communication Requestを受信する近隣UE30は、要求に直接応答するか、要求を再ブロードキャストするかのいずれかが可能である。故に、リモートUEは、Direct Communication Requestの複数の複製を受信する可能性がある。リモートUEは、Direct Communication Requestのまたはより多くのインスタンスに応答することが可能である。要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信用の通信経路の選択は、リモートUEもしくは要求側UE、またはリモートUEと要求側UEとの組合せによって実施することが可能である。
【0011】
本開示の第2の態様によると、中継ディスカバリを伴う、リモートUEとのユニキャストリンク確立のための手順が提供される。各中継UEは、中継UEが到達可能な近隣UE30のリストを維持し、定期的にアナウンスメントをブロードキャストして、通信を中継するための利用可能性を示す。アナウンスメントには、アナウンス側UEが到達可能な他のUE30のインジケーション(例えば、到達可能近隣リスト)が含まれる。中継UEの到達範囲内のUEがブロードキャストアナウンスメントを受信すると、UEは、中継UEを使用してD2D通信を中継したいかどうかを決定することができる。中継UEを使用してD2D通信を中継したい場合、受信側UEは、中継用の到達可能近隣リストの複製を自身のローカルメモリに記憶し、中継要求を中継UEに送信する。中継要求を受信すると、中継UEは、要求側UEをその到達可能な近隣に追加して、更新されたリストを次のブロードキャストディスカバリメッセージ内で送信する。要求側UEがリモートUEと通信したい場合、要求側UEは、メモリに記憶された到達可能近隣リストのローカル複製に基づいて、Direct Communication Requestを送信する前に、リモートUEに到達することができる中継を選ぶことができる。
【0012】
本開示の第3の態様は、D2D通信用のUEによって実装される方法を含む。一実施形態では、方法は、リモートUEとの通信を開始する要求を1つまたは複数の近隣UEにブロードキャストすることを含む。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。方法は、要求に応答して、近隣UEのうちの1つまたは複数から応答メッセージを受信することと、1つまたは複数の応答メッセージに基づいて、要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信用の通信経路を判定することとをさらに含む。
【0013】
本開示の第4の態様は、D2D通信用に設定されたUEを含む。一実施形態では、UEは、リモートUEとの通信を開始する要求を1つまたは複数の近隣UEにブロードキャストするように構成される。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。UEは、要求に応答して、近隣UEのうちの1つまたは複数から応答メッセージを受信することと、1つまたは複数の応答メッセージに基づいて、要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信用の通信経路を判定することとを行うようにさらに構成される。
【0014】
本開示の第5の態様は、無線通信ネットワーク内のUE中の処理回路によって実行されると、UEに第3の態様による方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む。
【0015】
本開示の第6の態様は、第5の態様によるコンピュータプログラムを含むことを含み、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
【0016】
本開示の第7の態様は、D2D通信を中継するUEによって実装される方法を含む。一実施形態では、方法は、リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた要求を受信することを含む。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。方法は、要求をリモートUEに向けて転送することをさらに含む。
【0017】
本開示の第8の態様は、D2D通信を中継するように構成されたUEを含む。一実施形態では、UEは、リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた要求を受信するように構成される。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。UEは、要求をリモートUEに向けて転送するようにさらに構成される。
【0018】
本開示の第9の態様は、無線通信ネットワーク内のUE中の処理回路によって実行されると、UEに第7の態様による方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む。
【0019】
本開示の第10の態様は、第9の態様によるコンピュータプログラムを含むことを含み、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
【0020】
本開示の第11の態様は、D2D通信用に設定されたリモートUEによって実装される方法を含む。一実施形態では、方法は、リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた要求の1つまたは複数の複製を受信することを含む。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。方法は、要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、要求側UEに、応答メッセージを、要求が受信された通信経路に沿って送信することをさらに含む。
【0021】
本開示の第12の態様は、D2D通信用に設定されたリモートUEを含む。一実施形態では、UEは、リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた要求の1つまたは複数の複製を受信するように構成される。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。UEは、要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、要求側UEに、応答メッセージを、要求が受信された通信経路に沿って送信するようにさらに構成される。
【0022】
本開示の第13の態様は、無線通信ネットワーク内のUE中の処理回路によって実行されると、UEに第11の態様による方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む。
【0023】
本開示の第14の態様は、第13の態様によるコンピュータプログラムを含むことを含み、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
【0024】
本開示の第15の態様は、D2D通信用のUEによって実装される方法を含む。一実施形態では、方法は、1つまたは複数の中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することであって、各アナウンスメントは、中継UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む、アナウンスメントを受信することを含む。方法は、要求を、自身の近隣リストにリモートUEを有する中継UEのうち選択された中継UEに送信することであって、要求は、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む、要求を送信することをさらに含む。方法は、要求に応答して、応答メッセージを中継UEによって中継されるリモートUEから受信することをさらに含む。
【0025】
本開示の第16の態様は、D2D通信用に設定されたUEを含む。一実施形態では、UEは、1つまたは複数の中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することであって、各アナウンスメントは、中継UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む、アナウンスメントを受信することを行うように構成される。UEは、要求を、自身の近隣リストにリモートUEを有する中継UEのうち選択された中継UEに送信することであって、要求は、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む、要求を送信することを行うようにさらに構成される。UEは、要求に応答して、応答メッセージを中継UEによって中継されるリモートUEから受信するようにさらに構成される。
【0026】
本開示の第17の態様は、無線通信ネットワーク内のUE中の処理回路によって実行されると、UEに第15の態様による方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む。
【0027】
本開示の第18の態様は、第17の態様によるコンピュータプログラムを含むことを含み、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
【0028】
本開示の第19の態様は、D2D通信を中継するように構成されたUEによって実装される方法を含む。一実施形態では、方法はアナウンスメントを1つまたは複数の近隣UEにブロードキャストすることを含む。アナウンスメントは、UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む。方法は、近隣リストにあるターゲットとなるリモートUEとのD2D通信を開始する要求側UEから要求を受信することをさらに含む。要求は、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む。方法は、要求を、要求によって識別されるリモートUEに転送することさらに含む。
【0029】
本開示の第20の態様は、D2D通信を中継するように構成されたUEを含む。一実施形態では、UEは、アナウンスメントを1つまたは複数の近隣UEにブロードキャストするように構成される。アナウンスメントは、UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む。UEは、近隣リストにあるターゲットとなるリモートUEとのD2D通信を開始する要求側UEから要求を受信するようにさらに構成される。要求は、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む。UEは、要求を、要求によって識別されるリモートUEに転送するようにさらに構成される。
【0030】
本開示の第21の態様は、無線通信ネットワーク内のUE中の処理回路によって実行されると、UEに第19の態様による方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む。
【0031】
本開示の第22の態様は、第21の態様によるコンピュータプログラムを含むことを含み、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
【0032】
本開示の第23の態様は、D2D通信用に設定されたUEによって実装される方法を含む。一実施形態において、方法は、中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することと、アナウンスメントに応答して、中継UEにD2D通信用の中継としてサーブするよう要求する中継要求を、中継UEに送信することとを含む。
【0033】
本開示の第24の態様は、D2D通信用に設定されたUEを含む。一実施形態において、UEは、中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することと、アナウンスメントに応答して、中継UEにD2D通信用の中継としてサーブするよう要求する中継要求を、中継UEに送信することとを行うように構成される。
【0034】
本開示の第25の態様は、無線通信ネットワーク内のUE中の処理回路によって実行されると、UEに第23の態様による方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む。
【0035】
本開示の第26の態様は、第25の態様によるコンピュータプログラムを含むことを含み、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本明細書で説明されるようなUE-to-UE中継をサポートする無線通信ネットワークの図である。
【
図2】D2D通信用の2つのUE30間のNRユニキャストリンクの図である。
【
図3】Model A ProSeディスカバリ手順の図である。
【
図4】Model B ProSeディスカバリ手順の図である。
【
図5】ProSe UE-to-Network中継用の手順の図である。
【
図6A】Model Aを用いる緊急通報直接ディスカバリの図である。
【
図6B】Model Bを用いる緊急通報直接ディスカバリの図である。
【
図7】D2D通信用のLayer-2リンク確立手順の図である。
【
図8A】中継ディスカバリを伴わない、リモートUEとのユニキャストリンク確立のための手順の図である。
【
図8B】中継ディスカバリを伴わない、リモートUEとのユニキャストリンク確立のための別の手順の図である。
【
図8C】中継ディスカバリを伴わない、リモートUEとのユニキャストリンク確立のための別の手順の図である。
【
図9】中継ディスカバリを伴う、リモートUEとのユニキャストリンク確立のための手順の図である。
【
図10】要求側UEによって実装されるD2D通信の方法の図である。
【
図11】要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信をサポートする中継UEによって実装される方法の図である。
【
図12】要求側UEによって実装されるD2D通信の方法の図である。
【
図13】要求側UEによって実装されるD2D通信の方法の図である。
【
図14】要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信をサポートする中継UEによって実装される方法の図である。
【
図15】リモートUEによって実装されるD2D通信の方法の図である。
【
図16A】D2D通信用に設定された要求側UEの図である。
【
図16B】要求側UEと応答側UEとの間のD2D通信をサポートする中継UEの図である。
【
図16C】D2D通信用に設定されたリモートUEの図である。
【
図17A】D2D通信用に設定された要求側UEの図である。
【
図17B】要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信をサポートする中継UEの図である。
【
図17C】中継UEを介するD2D通信用に設定されたリモートUEの図である。
【
図18】中継を使用するD2D通信用に設定されたUEの図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に図面を参照して、本開示によるUE-to-UE中継技法を、NR通信規格を実装する無線通信ネットワークのコンテキストで説明する。しかしながら、当業者であれば、技法はより一般的に、サイドリンクインターフェース上でD2D通信をサポートするあらゆる無線通信ネットワークに適用可能であることを理解されよう。
【0038】
図1は、複数のUE30にコアネットワーク40への接続を提供する基地局20を示す。
図1には単一の基地局20が示されるが、当業者であれば無線通信ネットワーク10は通常多くの基地局20を含むことを理解されよう。基地局20はまた、NR規格ではエボルブドノードB(eNB)、5GノードB(gNB)または次世代eNB(ng-eNB)と称される場合もある。
【0039】
図1は、4つのUE30を示しており、それぞれUE-1~UE-4と表される。UE-1~UE-3は基地局20のカバレッジエリア内にあり、ネットワーク10とパケットデータネットワーク(PDN)接続を確立することが可能である。UE-4は、基地局20のカバレッジエリアの外側にある。
【0040】
UE-1~UE-4は、サイドリンク(例えば、PC5インターフェース)上でその近傍の他のUE30とD2D通信が可能である。UE-1は、UE-3とUE-4の近傍にあり、サイドリンクSL13上とSL14上でそれぞれUE-3とUE-4と通信することが可能である。UE-2は、UE-3の近傍にあり、サイドリンクSL23上でUE-3と通信することが可能である。UE-3は、UE-1、UE-2、およびUE-4の近傍にあり、それぞれサイドリンクSL13上、SL23上、およびSL34上でこれらと通信することが可能である。最後に、UE-4は、UE-1とUE-3の近傍にあり、サイドリンクSL14上とSL34上でそれぞれUE-1とUE-3と通信することが可能である。しかしながら、UE1およびUE-4は、UE-2の外側にあり、サイドリンク上でUE-2と直接通信を確立することはできない。UE1は、基地局20を介してUE-2と通信することが可能である。しかしながら、UE-4は、基地局20のカバレッジの外側にある。
【0041】
本開示の一態様は、D2D通信用のUE-to-UE中継を可能にするための方法を含む。
図1で示される例では、D2D通信技法により、UE-3は、UE-2とUE-4との間、またはUE-2とUE-1との間でD2D通信用の中継としてサーブすることができる。
【0042】
NRサイドリンクでは、高信頼度が要求されるサービス向けに、アクセス層でのユニキャストがサポートされる。同一のUEペア間には、複数のサイドリンクユニキャストが存在してもよく、
図2で示されるように、各ユニキャストリンクは複数のサイドリンクQuality of Service(通信品質、QoS)フロー/無線ベアラをサポートすることが可能である(3GPP TS23.287)。アクセス層では、各リンクはソースおよびデスティネーションLayer2識別情報(L2 ID)によって識別することが可能である。例えば、
図2のPC5ユニキャストリンク1は、L2 ID1(つまりアプリケーションID1に対応する)とL2 ID2(つまりアプリケーションID2に対応する)のペアによって識別することが可能である。
【0043】
UE30同士のD2D通信を可能にするためには、UE30が互いにディスカバリできるようにするためのディスカバリ方法が必要とされる。3GPP規格TS23.303、§5.3.1.2では、2つのProSe Discovery方法、すなわちModel Aディスカバリ方法(
図3)およびModel Bディスカバリ方法(
図4)が規定されている。
【0044】
Model Aは、ProSe Direct Discoveryに参加しているProSe対応UE30に2つの役割を規定する。
・Announcing UE:ディスカバリする許可を有する近傍にあるUE30によって使用され得る、特定の情報をアナウンスするUE30。
・Monitoring UE:アナウンス側UE30の近傍にある対象となる特定の情報をモニタリングするUE30。
【0045】
このモデルでは、Announcing UE30は、ディスカバリメッセージを、規定のディスカバリインターバルでブロードキャストし、これらのメッセージに関心のあるMonitoring UE30は、このメッセージを読んで処理する。Announcing UE30は、自分自身についての情報、例えばディスカバリメッセージにおける自身のProSe Application Codeをブロードキャストするため、このモデルは、「私はここにいます(I am here)」と等価である。オープン型および制限型の両方のディスカバリタイプが、Model Aによってサポートされる。
【0046】
図4には、Model Bディスカバリ方法が示されている。制限型のディスカバリタイプが使用される場合、このモデルは、ProSe Direct Discoveryに参加しているProSe対応UE30に2つの役割を規定する。
・Discoverer(ディスカバリする側)UE:ディスカバリする関心事についての特定の情報を含む要求を送信するUE3。
・Discoveree(ディスカバリされる側)UE:要求メッセージを受信し、ディスカバリする側の要求に関連する何らかの情報で応答することが可能なUE30。
【0047】
このモデルでは、DiscovererUE30による要求には、自身が通信したい他のUE30についての情報が含まれる。DiscovererUE30は、DiscovererUE30が応答を受信したい他のUE30についての情報を送信するので、これは「そこにいるのは誰/あなたはそこにいるのか(who is there/are you there)」と等価である。例えば、情報は、グループに対応するProSe Application Identityにであってもよく、グループのメンバーが応答することが可能である。Public Safetyディスカバリは、制限的であると考えられる。Monitoring UE30/Discoverer UE30は、適当なサービスのディスカバリを実施する権限(予めプロビジョニングされたパラメータなどを通じて)を有している必要がある。
【0048】
現在の規格は、ProSe UE-to-Network Relay(TS23.303、§5.4.4)を介した直接通信に対するサポートを提供する。この手順では、ProSe UE-to-Network Relay対応のUE30は、(既に接続されているのでなければ)ネットワークに取り付けられ、PDN接続に接続することができ、必要な中継トラフィックを可能にしている。
図5は、ProSe UE-to-Network Relay用の手順のコールフローを示す。この手順では、リモートUE30は、ModelA(
図6A)またはModelB(
図6B)ディスカバリを使用して、ProSe UE-to-Network Relayのディスカバリを実行する。この手順の詳細は、TS23.303、§5.3.7に記載されている。
【0049】
簡潔には、リモートUE30は、ModelA(
図6A)またはModelB(
図6B)ディスカバリを使用して、ProSe UE-to-Network Relayのディスカバリを実行する。このディスカバリ手順の詳細は、TS23.303、§5.3.7に記載されている。ProSe UE-to-Network Relayディスカバリおよび選択のための識別子は、TS23.303、§4.6.4.3において規定される。UE-to-Network Relay Discovery Announcementメッセージ(ModelA)では、次のパラメータが使用される:
・ProSe Relay UE ID:直接通信に使用され、Relay Service Codeに関連付けられるリンク層識別子。UE-to-Network Relayは、Relay Service Codeごとに異なるProSe Relay UE IDを有していなければならない。複数のPDN Connectionのサポートのために、ProSe UE-to-Network Relayは、PDN Connectionごとに異なるProSe Relay UE IDが割り当てられる。
・アナウンサ情報:アナウンス側ユーザについての情報を提供する。
・Relay Service Code:ProSe UE-to-Network RelayがPublic Safetyアプリケーションに提供する、接続サービスを識別するパラメータ。Relay Service Codeは、アドバタイズメント用のProSe UE-to-Network Relayにおいて設定される。追加的に、Relay Service Codeはまた、ProSe UE-to-Network Relayがサービスを提供する認可されたユーザを識別し、例えばRemoteUE30とProSe UE-to-Network Relayとの間での認証と認可に必要な、関連セキュリティポリシまたは情報を選択することができる(例えば、警察関係者専用の中継用Relay Service Codeは、例えばInternet Accessをサポートするために、潜在的に同一のAPNに接続を提供していても、消防隊員専用の中継用Relay Service Codeとは異なっている)。
【0050】
UE-to-Network Relay Discovery Solicitationメッセージ(Model B)では、次のパラメータが使用される:
・Discoverer Info:ディスカバリする側のユーザについての情報を提供する。
・Relay Service Code:Discoverer UE30が関心のある接続についての情報。Relay Service Codeは、関連接続サービスに関心のあるRemote UE30において設定される。
・ProSe Relay UE ID:直接通信に使用され、Relay Service Codeに関連付けられるUE-to-Network Relayのリンク層識別子。UE-to-Network Relayは、Relay Service Codeごとに異なるProSe Relay UE IDを有していなければならない。ProSe Relay UE IDは任意選択である。
【0051】
UE-to-Network Relay Discovery Responseメッセージ(ModelB)では、次のパラメータが使用される:
・ProSe Relay UE ID:直接通信に使用され、Relay Service Codeに関連付けられるリンク層識別子。UE-to-Network Relayは、Relay Service Codeごとに異なるProSe Relay UE IDを有していなければならない。
【0052】
図7は、PC5参照点上のV2X通信のユニキャストモードのためのLayer-2(L2)リンク確立手順を示す。
1.UE30は、PC5ユニキャストリンク確立の受信をシグナリングするためのデスティネーションLayer-2IDを、TS23.287、§5.6.1.4で指定される通りに判定する。デスティネーションLayer-2IDは、TS23.287、§5.1.2.1で指定される通りにUE30で設定される。
2.UE-1中のV2Xアプリケーション層は、PC5ユニキャスト通信用のアプリケーション情報を提供する。アプリケーション情報には、V2Xアプリケーションのサービスタイプ(例えば、PSIDまたはITS-AID)および要求側UEのApplication Layer IDが含まれる。ターゲットUEのApplication Layer IDは、アプリケーション情報に含まれてもよい。
・UE-1中のV2Xアプリケーション層は、このユニキャスト通信用のV2X Application Requirementを提供してもよい。UE-1は、PC5 QoSパラメータおよびPFIを、TS23.287、§5.4.1.4で指定される通りに判定する。
3.UE-1は、ユニキャスト層2リンク確立手順を開始するために、Direct Communication Requestメッセージを送信する。Direct Communication Requestメッセージは、次を含む:
・Source User Info:要求側UEのApplication Layer ID(すなわち、UE-1のApplication Layer ID)。
・ステップ2においてV2Xアプリケーション層がターゲットUEのApplication Layer IDを提供した場合、次の情報が含まれる:
〇Target User Info:ターゲットUEのApplication Layer ID(すなわち、UE-2のApplication Layer ID)。
・V2X Service Info:Layer-2リンク確立を要求するV2X Serviceについての情報(例えば、PSIDまたはITS-AID)。
・IP通信が使用されるかどうかのインジケーション。
・IP Address Configuration:IP通信では、IPアドレス設定はこのリンク用に必要とされ、次の値のうちの1つを示す:
〇「IPv6 Router」IPv6アドレス割り当てメカニズムが要求側UE30によってサポートされる場合、つまり、IPv6ルータとして機能する場合;または
〇「IPv6 address allocation not supported」IPv6アドレス割り当てメカニズムが要求側UE30によってサポートされない場合。
・Link Local IPv6 Address:UE-1がIPv6のIPアドレス割り当てメカニズムをサポートしていない場合、つまり、IP Address Configurationが「IPv6 address allocation not supported」を示す場合、RFC4862に基づいてローカルに形成されるリンク-ローカルIPv6アドレス。
・QoS Info:PC5 QoS Flowについての情報。PC5 QoS Flowごとに、PFIおよび対応するPC5QoSパラメータ(つまり、PQIおよび、条件付きでMFBR/GFBRなどの他のパラメータ)。
・Direct Communication Requestメッセージを送信するために使用されるソースLayer-2 IDおよびデスティネーションLayer-2 IDは、条項5.6.1.1および5.6.1.4で指定される通りに判定される。
・UE-1はDirect Communication Requestメッセージを、ソースLayer-2 IDおよびデスティネーションLayer-2 IDを使用してPC5ブロードキャストを介して送信する。
4.Direct Communication Acceptメッセージは、次のようにUE-1に送信される:
4a.(UE指向Layer-2リンク確立)Direct Communication RequestメッセージにTarget User Infoが含まれる場合、ターゲットUE30、すなわちUE-2はDirect Communication Acceptメッセージで応答する。
4b.(V2X Service指向Layer-2リンク確立)Target User InfoがDirect Communication Requestメッセージに含まれていない場合、アナウンスされるV2XServiceを使用することに関心があり、そのためUE-1とLayer-2リンクを確立するよう決定するUE30は、Direct Communication Acceptメッセージを送信することによって要求に応答する(
図6.3.3.1-1におけるUE-2とUE-4)。
【0053】
Direct Communication Acceptメッセージは、次を含む:
・Source User Info:Direct Communication Acceptメッセージを送信するUE30のApplication Layer ID。
・QoS Info:PC5 QoS Flowについての情報。PC5 QoS Flowごとに、UE-1によって要求されるPFIおよび対応するPC5 QoSパラメータ(つまり、PQIおよび、条件付きでMFBR/GFBRなどの他のパラメータ)。
・IP Address Configuration:IP通信では、IPアドレス設定はこのリンク用に必要とされ、次の値のうちの1つを示す:
〇「IPv6 Router」IPv6アドレス割り当てメカニズムがターゲットUE30によってサポートされる場合、つまり、IPv6ルータとして機能する場合;または
〇「IPv6 address allocation not supported」IPv6アドレス割り当てメカニズムがターゲットUE30によってサポートされない場合。
・Link Local IPv6 Address:ターゲットUE30がIPv6のIPアドレス割り当てメカニズムをサポートしていない場合、つまり、IP Address Configurationが「IPv6 address allocation not supported」を示し、UE-1がDirect Communication Requestメッセージ中にリンク-ローカルIPv6アドレスを含んでいた場合、RFC4862に基づいてローカルに形成されるリンク-ローカルIPv6アドレス。ターゲットUE30は、競合しないリンク-ローカルIPv6アドレスを含まなければならない。
・UE30(すなわち要求側UE30およびターゲットUE30の両方が、リンクローカルIPv6アドレスを使用するよう選択した場合、これらUEはRFC4862で規定される重複アドレス検出を無効にする。
注釈1:要求側UE30またはターゲットUE30のいずれかがIPv6ルータのサポートを示す場合、対応するアドレス設定手順がLayer-2リンクの確立後に行われ、リンクローカルIPv6アドレスは無視される。
・Direct Communication Acceptメッセージを送信するために使用されるソースLayer-2 IDは、条項5.6.1.1および5.6.1.4で指定される通りに判定される。デスティネーションLayer-2 IDは、受信したDirect Communication RequestメッセージのソースLayer-2 IDにセットされる。
・ピアUE30からDirect Communication Acceptメッセージを受信すると、UE-1は、将来的な通信用に、このユニキャストリンクのためのシグナリングとデータトラフィックのために、ピアUEのLayer-2IDを取得する。
・PC5ユニキャストリンクを確立したUE30のV2X層は、ユニキャストリンクに割り当てられたPC5 Link IdentifierおよびPC5ユニキャストリンク関連情報を、AS層に渡す。PC5ユニキャストリンク関連情報には、Layer-2 ID情報が含まれる(すなわち、ソースLayer-2 IDおよびデスティネーションLayer-2 ID)。これにより、AS層が、PC5 Link IdentifierをPC5ユニキャストリンク関連情報とともに維持することができる。
5.V2Xサービスデータは、確立されたユニキャストリンク上を、次のように送信される:
・PC5 Link IdentifierおよびPFIが、V2XサービスデータとともにAS層に提供される。
・UE-1は、ソースLayer-2 ID(すなわち、このユニキャストリンクについてのUE-1のLayer-2 ID)およびデスティネーションLayer-2 ID(すなわち、このユニキャストリンクについてのピアUEのLayer-2 ID)を使用してV2Xサービスデータを送信する。
注釈2:PC5ユニキャストリンクは双方向性であるため、UE-1のピアUE30は、V2Xサービスデータを、UE-1とのユニキャストリンク上でUE-1に送信することが可能である。
【0054】
本開示の一態様は、UE-to-UE中継のためのサポートを提供することである。UE-to-UE中継をサポートするためのいくつかの提案がなされているが、既存のソリューションには、1つまたは複数の欠点が存在する。具体的に、既存のソリューションは、中継ディスカバリに望ましくない遅延をもたらし、限られた能力しか提供しない、またはUE30が前もって中継へのユニキャストリンクを確立することを必要とする(これはさらなる遅延をもたらしリソースを無駄にし得る)可能性がある。追加的に、既存のソリューションは、リモートUE30による中継選択のサポートを提供しない。この制限は、リモートUE30の能力が中継選択において考慮されないため、問題を生じる場合がある。
【0055】
本明細書で説明されるソリューションは、TS23.303とTS23.287で規定されるサービスディスカバリおよびユニキャストリンク確立方法を、いくつかの変更を用いて再使用するため、相当する製品への影響は小さい。方法は、要求側UE30および本明細書ではターゲットUE30とも称されるリモートUE30の両方によって、中継選択をサポートしており、中継選択用にリモートUE30のステータスを考慮することができる。また、中継選択を行うために、中継からの要求および応答の収集のための新しいタイマが導入される。本明細書で説明される方法はまた、より複雑な中継選択手法の実装をサポートするために、潜在的な中継によって、より多くの情報を交換できるようにする。例えば、本明細書で説明される方法は、負荷分散および他の中継選択ポリシをサポートすることが可能である。
【0056】
本明細書で説明される技法の1つの目的は、要求側UE30とターゲットUE30との間での中継ディスカバリが、要求側UE30とターゲットUE30との間で中継UE30がどのようにトラフィックを転送するか、例えばL2それともL3中継か、に依存することがないよう確実にすることである。技法は、UE-to-UEディスカバリと選択とを、TS23.287の条項6.3.3で説明されるようなユニキャストリンク確立手順に統合することが可能であるという概念に依拠するものである。
【0057】
以下の説明では、リモートUE30との通信を開始するUE30を、要求側UE30または開始側UE30と称する。本明細書ではリモートUE30はまた、ターゲットUE30とも称される。UE-to-UE中継としてサーブするUE30は、中継UE30と呼ばれる。
【0058】
図8A~
図8Cは、中継ディスカバリを伴わずにリモートUE30とのユニキャストリンクを確立するための、ユニキャストリンク確立手順を図示している。要求側UE30(本明細書では、発信側UE30または開始側UE30とも称される)は、UE-1で表されており、リモートUE30(ターゲットUE30または応答側UE30とも称される)はUE-2で表される。要求側UE30(例えば、
図8A~
図8CにおけるUE-1)がリモートUE30(
図8A~
図8CにおけるUE-2)とユニキャスト通信を確立したい場合、要求側UE30は、TS23.303で規定されるようなDirect Communication RequestまたはSolicitationメッセージをブロードキャストする。Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージは、relay_indicationと呼ばれる新しいフィールドを含むように編集され、中継が通信に許可されるかどうかを示す。relay_indicationフィールドはまた、要求側UE30とリモートUE30との間の通信経路に許可される最大ホップ数を示すことが可能である。Release17では、インジケーションの値は単一ホップに制限されると想定する。
【0059】
relay_indicationフィールドの値は、0または正の整数、例えば1、2、・・・、nであることが可能である。一例では、要求側UE30は、relay_indication値を、UE30によって選ばれる0からMの間で選択し、この時Mは上限を表す。relay_indication値は、要求側UE30によって許可される中継の最大数として考えることが可能であり、つまり値0は、許可される中継がないことを意味し(中継することが認められない)、値1は1つの中継だけが許可されることを意味する(UE-relay-UE)、などである。許可される最大ホップ数は、中継の数に1をプラスしたものであり、この1は、要求側UE30とリモートUE30との間の直接通信経路である。この値は、いくつかの手法に従ってセットすることが可能である。一手法では、relay_indication値は、リンク確立が参照するアプリケーションによってセットすることが可能であり、アプリケーションのタイプによって変わることができる。別の手法では、relay_indication値は、チップセットの特徴としてセットされる場合もある。別の手法では、relay_indication値は、(例えば、SIMベースで、またはネットワークシグナリングを介して)事前設定されたか、(例えば、ネットワークシグナリングを介して)様々な用途に応じて変わる動的なポリシに従って、ネットワークによってセットすることも可能である。
【0060】
いくつかの実施形態では、relay_indicationフィールドは、中継が許可されるかどうかを示すブール値(TrueまたはFalse)であってもよい。Trueに等しいブール値は、中継が許可されることを示す。Falseに等しいブール値は、中継が許可されないことを示す。
【0061】
潜在的なUE-to-UE中継が、0より大きいrelay_indicationとともにDirect Communication RequestまたはSolicitationメッセージを受信する場合、この潜在的なUE-to-UE中継は、転送する(つまり、このメッセージをその近隣にブロードキャストする)かどうかを決定する。Direct Communication Requestを転送するか再ブロードキャストするかどうかの決定は、例えば、要求中のQoS要件、中継の現在のトラフィック負荷、要求側UE30と中継UE30との間のリンク品質(例えば、要求メッセージの受信電力を測定することによって判定される)などの要因、または何らかの他のポリシ(例えば、一部の特定のUE30にだけサーブする)に基づくことが可能である。異なる要求には異なる転送手法を使用することが可能である。要求を転送するために従う手法は、チップセットの設計により進められるか、アプリケーション決定によって進められ得る。
【0062】
潜在的な中継が要求を転送する/再ブロードキャストすると決定した場合、潜在的な中継は、relay_indication値を1減少させる。受信した要求を転送する際、潜在的な中継は、整数値が使用される場合、relay_indication値以外の受信した要求に含まれるどのパラメータも変えない。しかし潜在的な中継は、中継負荷情報、中継QoSサポートなどの追加的な情報を受信した要求に付け加えることが可能である。
【0063】
中継がDirect Communication RequestまたはSolicitationメッセージを、relay_indication値0で受信し、中継が要求のターゲットではない場合、中継はそのメッセージをドロップすることができる。中継が、既に以前転送したことのある通信要求(例えば、何らかの要求IDによって識別することが可能である)を受信する場合、中継は現在の要求をドロップすることができる。
【0064】
ターゲットUE30に到達するために複数の中継UE30を使用することができるか、ターゲットUE30がさらに、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージを要求側UE30から直接受信してもよい、複数のシナリオが存在し得る。ターゲットUE30は、信号強度、ローカルポリシ(例えば、中継UE30のトラフィック負荷)またはオペレータポリシ(例えば、常に直接通信を好ましいとするか、何らかの特定の中継UE30だけを使用する)などの要因に従って、返信するものを選んでもよい。
【0065】
要求側UE30はまた、応答メッセージを複数の中継UE30から、またさらにターゲットUE30から直接受信してもよい。この場合、ソースUE30は、信号強度、ローカルポリシ(例えば、中継UE30のトラフィック負荷)またはオペレータポリシ(例えば、常に直接通信を好ましいとするか、何らかの特定の中継UE30だけを使用する)などの要因に従って、通信経路を選ぶ。
【0066】
図8Aを参照すると、この例では、Relay-1、Relay-2およびUE-2がUE-1(要求側UE30)から直接到達可能であると想定する。Relay-1およびRelay-2は、すべてUE-1からのDirect Communication Requestメッセージを転送したがっている。UE-2(リモートUE30)はまた、Relay-1とRelay-2から到達可能である。
【0067】
ステップ1では、UE-1はUE-2とのユニキャスト通信を確立したがっており、通信は、UE-2との直接的なリンクを通じて、またはUE-to-UE中継を介してのいずれかで可能である。UE-1は、Direct Communication Requestをrelay_indication=1でブロードキャストする。Direct Communication Requestはまた、要求識別子(ID)を含んでもよい。UE-1は、Direct Communication Requestをブロードキャストする場合、任意選択でTimer1と示されるタイマを開始することが可能であり、Timer1はUE-1が応答を待機する時間に対して上限を設定する。Direct Communication Requestは、Relay-1、Relay-2およびUE-2によって受信される。UE-1はリモートUE30の識別情報を知る必要がないことに留意されたい。アプリオリな情報に基づいてUE-1がUE-2を意識する場合、要求は、任意選択でUE-2用の識別子を含んでもよいし、または意図されるターゲットについての他の情報を含んでもよい。
【0068】
ステップ2では、Relay-1とRelay-2は、UE-1からのDirect Communication Requestを転送する/ブロードキャストするよう決定する。Relay-1とRelay-2の両方は、同一のDirect Communication Requestをrelay_indication=0で、近隣UE30に再ブロードキャストする。別の中継がこのメッセージを受信した場合、このメッセージはドロップされるだけである。例えば、Relay-2が再ブロードキャストされたメッセージをRelay-1から受信すると、Relay-2は要求IDを、以前に転送された要求と一致すると認識し、メッセージをドロップする。
【0069】
ステップ3では、UE-2はDirect Communication Requestの複製を、UE-1、Relay-1およびRelay-2から直接受信する。この場合、UE-1がUE-2に到達可能な3つの経路が存在する:直接的な経路、Relay-1を介する経路、およびRelay-2を介する経路。本方法の様々な実施形態では、UE-1とUE-2との間の通信用の通信経路は、UE-2(リモートUE30)、UE-1(要求側UE30)によって、またはUE-1とUE-2との組合せによって選択することが可能である。
【0070】
リモートUE30が通信経路を選択する実施形態では、リモートUE30はDirect Communication Requestの第1の複製を受信した後、
図8AでTimer2として示されるタイマを開始する。この例では、受信された第1の複製は、直接UE-1からの要求である。タイマは、遅延に対して上限を確立する一方で、リモートUE30は異なる経路に沿って伝播するDirect Communication Requestの複製を収集する。タイマの値は、チップセット実装であってもよく、アプリケーションによってセットされるか、ネットワークによって与えられる(例えば、事前設定されるか、ネットワークシグナリングを介して提供される)。タイマが失効した後に受信した要求の複製はいずれも無視することができる。
図8Aで示される例では、Relay-2からのDirect Communication Requestの複製は、Timer2が失効した後に到達しているため、無視される。
【0071】
Timer2が終了した後、信号強度(受信した要求の強度を測定することによって判定される)、中継に対する負荷(中継UE30によって要求に加わる)、ローカルポリシ(例えば、アプリケーションまたはチップセット設計によって提供される)またはオペレータポリシ(事前設定されるか、ネットワークシグナリングを介して提供される)などの要因に基づいて、UE-2はどの要求に返信するかを決定する。選択基準の例としては、例えば、最大の信号強度を有する要求を選択すること、relay_indicationパラメータの最大値を有する要求(最も少ない回数で転送された要求であることを意味し、潜在的に最短経路であることを示している)を選択することが挙げられる。決定はまた、要因の組合せに基づいてもよい。例えば、複数の要求が同一のrelay_indication値を有する場合、最大信号強度に関連付けられる要求を選択することが可能である。
【0072】
先述のように、潜在的な中継がDirect Communication Requestを転送する場合、この中継はまた、負荷情報、QoSサポートなどのさらなる情報をメッセージに追加することが可能である。この場合、リモートUEは、その情報を使用して通信経路を選ぶことが可能である。例えば、同一のrelay_indication値を有する2つの要求が受信された場合、リモートUE30は、負荷が軽いほうの値を選択することが可能である。
【0073】
いくつかの実施形態では、リモートUE30は、要求の第1の複製を受信する経路を常に選ぶように構成することが可能である。この場合、Timer2は必要ない。むしろ、リモートUE30は、第1の受信された要求の経路を直接選び、リモートUE30が受信する同一の要求IDを有するいずれの後続の要求もドロップする。また、リモートUE30ポリシが、要求側UE30からの最小ホップ数に関連付けられた経路を常に選ぶことである場合、リモートUE30は、要求側UE30によって受信される要求を直接選択することが可能である。この場合、リモートUE30はTimer2を停止して、同一の要求IDを有する後続の要求を無視することが可能である。別の例では、リモートUE30(すなわち、UE-2)が、UE-1とUE-2との間で利用可能な良好な直接リンクを意味するDirect Communication Requestを要求側UE30(例えば、UE-1)から受信すると、UE-2は要求を受け入れてTimer2を停止してもよいが、中継UE30から転送された他の要求は処理しない。
【0074】
いくつかの実施形態では、リモートUE30は、同一の接続用に1つまたは複数の通信経路を選択するように構成することが可能である。この場合、リモートUE30は、複数のDirect Communication Requestに返信することが可能であり、これらは1つだけの要求に返信する(つまり、初めの2つの受信要求に返信する)場合と同じ方法でポリシに従って選択される。この場合、要求側UE30は、リモートUE30によって2つ以上の経路が選択されると、複数の通信経路を使用するように構成することが可能である。代替的に、要求側UE30は任意選択で、リモートUE30によって示される通信経路のセットから、単一の通信経路(または、示される通信経路のすべてより少ない経路)を選択するように構成することが可能である。
【0075】
図8Aで示される例では、UE-2がマルチリンク接続をセットアップしたがっていると想定する。したがって、ステップ4では、UE-2はUE-1から直接受信したDirect Communication Request、およびRelay-1を介して受信したDirect Communication Requestに対して、その直接通信経路上とRelay-1を介してRequest Acceptメッセージを送信することによって、返信する。Timer1が終了すると、UE-1はUE-2とのD2D通信に使用する通信経路を判定する。この例では、両方の応答がTimer1の失効より先に受信されると想定する。いくつかの実施形態では、リモートUE30が複数経路を選択してある場合、要求側UE30は、リモートUE30との通信には、常に複数の通信経路を使用するように構成することが可能である。他の実施形態では、要求側UE30は、リモートUE30によって示された複数の通信経路のうち、リモートUE30とのD2D通信にどれを使用するかを選択するように構成することが可能である。ステップ5では、UE-1とUE-2は選択された1つまたは複数の経路を使用してユニキャスト通信に関与する。
【0076】
いくつかの実施形態では、経路選択は、要求側UE30によって行われる。この実施形態では、UE-1はDirect Communication RequestをブロードキャストするときにTimer1を開始して、応答を待機する。Timer1が失効すると、UE-1は、UE-2との通信にどの通信経路を使用するかを、タイマ失効より先に受信するあらゆるRequest Acceptメッセージに基づいて判定する。
図8Aで示される例では、UE-2はステップ4でUE-1から直接受信したDirect Communication Request、およびRelay-1を介して受信されたDirect Communication Requestに対して応答する。UE-1は、Timer1の失効より先に両方の応答を、1つはUE-2から直接、およびもう1つはRelay-1を介して受信する。要求側UE30は、信号強度、中継に対する負荷(中継によってRequest Acceptメッセージに加わる)、中継によるQoSサポート(中継によってRequest Acceptメッセージに加わる)、ローカルポリシ(例えば、アプリケーションまたはチップセット設計によって提供される)またはオペレータポリシ(事前設定されるか、ネットワークシグナリングを介して提供される)などの要因に基づいて、通信経路を選択することが可能である。選択基準の例としては、例えば、最大の信号強度に関連付けられる通信経路を選択すること、中継に対する負荷が最も軽い通信経路を選択すること、利用可能であれば直接的な経路を選択することが挙げられる。決定はまた、要因の組合せに基づいてもよい。例えば、要求側UE30は、直接的な経路が最低限の信号品質基準を満たしていればその経路を選択するように、または最低限の信号品質基準を満たす最も負荷の軽い中継を選択するように構成することが可能である。
【0077】
いくつかの実施形態では、要求側UE30は、第1のRequest Acceptメッセージを受信する経路を常に選ぶように構成することが可能である。この場合、要求側UE30はTimer1を停止して、第1のメッセージの後に受信したあらゆる後続のRequest Acceptメッセージを無視することが可能である。別の例では、要求側UE30(すなわち、UE-2)が、UE-1とUE-2との間で利用可能な良好な直接リンクを意味するDirect Communication RequestをリモートUE30(例えば、UE-1)から受信すると、UE-1はTimer1が失効してTimer1を停止するのを待機せずに、ただちに直接通信経路を選択してもよい。ステップ5では、UE-1とUE-2は選択された1つまたは複数の経路を使用してユニキャスト通信に関与する。
【0078】
いくつかの実施形態では、リモートUE30が、複数の経路が通信に利用可能であると示している場合、経路選択は部分的にリモートUE30によって、また部分的に要求側UE30によって行われてもよい。この場合、リモートUE30は、1つまたは複数の好ましい経路を選択するように構成される。要求側UE30がDirect Communication Requestに応答して複数のRequest Acceptメッセージを受信する場合、要求側UE30には、リモートUE30によって示される利用可能な通信経路から選択するという選択肢がある。要求側UE30は、リモートUE30によって示される通信経路のすべて、または通信経路のすべてより少ない何らかの数を選択することが可能である。ステップ5では、UE-1とUE-2は選択された1つまたは複数の経路を使用してユニキャスト通信に関与する。
【0079】
図8Bを参照すると、この例では、Relay-1、Relay-2およびUE-2がUE-1(要求側UE30)から直接到達可能であると想定する。Relay-1およびRelay-2は、UE-1からのDirect Communication Requestを転送したがっている。UE-2(リモートUE30)はまた、Relay-1とRelay-2から到達可能である。
【0080】
ステップ0では、UE30はUE-to-UE中継によって与えられるサービスを使用するよう認可される。UE-to-UE中継は、UE30同士のトラフィックを中継するサービスを提供するよう認可される。UE/中継がネットワークに登録されると、認可を行うことが可能である。必要であればUE30と中継が互いに認可を検証できるように、セキュリティ関連パラメータがプロビジョニングされてもよい。
【0081】
ステップ1では、UE-1はUE-2とのユニキャスト通信を確立したがっており、通信は、UE-2との直接的なリンクを通じて、またはUE-to-UE中継を介してのいずれかで可能である。UE-1は、Direct Communication Requestを、relay_indicationを「有効(enabled)」に設定してブロードキャストする。Direct Communication Requestはまた、要求識別子(ID)を含んでもよい。Direct Communication Requestは、Relay-1、Relay-2によって受信される。Direct Communication Requestはまた、UE-2がUE-1の近傍にあればUE-2によって受信されてもよい。
【0082】
ステップ2では、Relay-1とRelay-2は、UE-1からのDirect Communication Requestを転送する/ブロードキャストするよう決定する。Relay-1とRelay-2の両方は、同一のDirect Communication Requestを、relay_indicationを伴わずに、近隣UE30にブロードキャストする。別の中継がこのメッセージを受信した場合、このメッセージはドロップされるだけである。例えば、Relay-2が再ブロードキャストされたメッセージをRelay-1から受信すると、Relay-2は要求IDを、以前に転送された要求と一致すると認識し、メッセージをドロップする。中継は、Direct Communication Requestを転送するとき、自身のRelay IDまたはRelay UE情報をメッセージに含める。
【0083】
ステップ3では、UE-2はDirect Communication Requestの複製を、Relay-1およびRelay-2から受信する。
【0084】
ステップ4では、UE-2はRelay-1を選び、Relay-1を介してRequest Acceptメッセージで返信する。Relay-1は、Request Acceptメッセージを転送するとき、自身のRelay IDまたはRelay UE情報をメッセージに含める。UE-2がDirect Communication RequestをUE-1から直接受信する場合、UE-2はRequest AcceptをUE-1に直接送信することによって、直接通信リンクをセットアップすることを選んでもよい。
【0085】
ステップ5では、UE-1はRelay-1からRequest Acceptを受信する。UE-1はポリシ(例えば、可能であれば常に直接的な経路を選ぶ)、信号強度などに従って、経路を選ぶ。UE-1がRequest AcceptをUE-2から直接受信する場合、UE-1は、TS23.287の条項6.3.3に説明されるように直接的なL2リンクをセットアップすることを選んでもよい。この場合、ステップ6はスキップされる。
【0086】
ステップ6では、UE-1とUE-2は、UE-to-UE中継を選んだことを通じて、通信リンクをセットアップする。リンクのセットアップ情報は、中継のタイプ、例えばL2中継か、それともL3中継か、に応じて変わることがある。
【0087】
図8Cを参照すると、Relay-1、Relay-2およびUE-2がUE-1(要求側UE30)から直接到達可能であると想定する。Relay-1およびRelay-2は、すべてUE-1からのDirect Communication Requestを転送したがっている。UE-2(リモートUE30)はまた、Relay-1とRelay-2から到達可能である。
【0088】
ステップ0では、UE30がUE-to-UE中継によって与えられるサービスを使用するよう認可される。UE-to-UE中継は、UE30同士のトラフィックを中継するサービスを提供するよう認可される。UE/中継がネットワークに登録されると、認可を行うことが可能である。セキュリティ関連パラメータは、必要であればUE30と中継が互いに認可を検証できるようにプロビジョニングされてもよい。
【0089】
ステップ1では、UE-1はUE-2とのユニキャスト通信を確立したがっており、通信は、UE-2との直接的なリンクを通じて、またはUE-to-UE中継を介してのいずれかで可能である。UE-1は、Solicitationメッセージを、relay_indicationを「有効(enabled)」に設定してブロードキャストする。Solicitationメッセージはまた、要求識別子(ID)を含んでもよい。Solicitationメッセージは、Relay-1およびRelay-2によって受信される。Solicitationメッセージは、UE-2 IDまたはUE-2のApplication User Info、UE-1 IDまたはUE-1のApplication User Infoを含む。メッセージはまた、UE-2がUE-1の近傍にあればUE-2によって受信されてもよい。
【0090】
ステップ2では、Relay-1とRelay-2は、SolicitationメッセージをUE-1から転送する/ブロードキャストするよう決定する。Relay-1とRelay-2の両方が、Solicitationメッセージを、relay_indicationを伴わずに近隣UE30にブロードキャストする。別の中継がこのメッセージを受信した場合、このメッセージはドロップされるだけである。中継は、Solicitationメッセージを転送するとき、自身のRelay IDまたはRelay UE情報をメッセージに含める。
【0091】
ステップ3では、UE-2はSolicitationメッセージの複製を、Relay-1およびRelay-2から受信する。
【0092】
ステップ4では、UE-2はRelay-1を選び、Relay-1を介してResponseメッセージで返信する。Relay-1は、Responseメッセージを転送するとき、自身のRelay IDまたはRelay UE情報をメッセージに含める。UE-2がSolicitationメッセージをUE-1から直接受信する場合、UE-2はResponseメッセージをUE-1に直接送信することによって、直接通信リンクをセットアップすることを選んでもよい。
【0093】
ステップ5では、UE-1はRelay-1からRequest Acceptを受信する。UE-1はポリシ(例えば、可能であれば常に直接的な経路を選ぶ)、信号強度などに従って、経路を選ぶ。UE-1がRequest AcceptをUE-2から直接受信する場合、UE-1は、TS23.287の条項6.3.3に説明されるように直接的なL2リンクをセットアップすることを選んでもよい。この場合、ステップ6はスキップされる。
【0094】
ステップ6では、UE-1とUE-2は、UE-to-UE中継を選んだことを通じて、通信リンクをセットアップする。リンクのセットアップ情報は、中継のタイプ、例えばL2中継か、それともL3中継か、に応じて変わることがある。
【0095】
図8A~
図8Cに示される実施形態において中継または経路選択を行うために、要求側UE30はDirect Communication Request(またはSolicitationメッセージ)を送出した後に、決定を行う前に対応するRequest Accept(またはResponse)メッセージを収集するためのタイマをセットアップすることが可能である。同様に、ターゲットUE30はまた、Direct Communication Request(またはSolicitationメッセージ)の第1の複製を受信した後に、決定を行う前に異なる経路からメッセージの複数の複製を収集するためのタイマをセットアップすることが可能である。
【0096】
要求側UE30が初めてUE-to-UE中継からメッセージを受信するときは、要求側UE30は、中継UE30がUE-to-UE中継として認可されているかどうかを検証する必要がある場合がある。同様に、UE-to-UE中継はまた、要求側UE30が中継サービスを使用するよう認可されているかどうかを検証する必要がある場合がある。検証の詳細、および2つのUE30間の通信をUE-to-UE中継を通じてどのようにセキュアにするかは、規格によって規定することが可能である。
【0097】
図9は、中継ディスカバリを伴う、リモートUE30へのユニキャストリンク確立のための手順の図である。各中継は、中継から到達可能な近隣UE30のリストを維持し、定期的にアナウンスメントをブロードキャストして、通信を中継するための利用可能性を示す(ステップ0)。アナウンスメントには、中継UE30が到達可能な他のUE30のインジケーション(例えば、到達可能近隣リスト)が含まれる。中継UE30の到達範囲内の近隣UE30がブロードキャストアナウンスメントを受信すると、中継UE30は、中継UE30を使用してD2D通信を中継したいかどうかを決定することができる。中継UE30を使用してD2D通信を中継したい場合、受信側UE30は、中継UE30用の到達可能近隣リストの複製を自身のローカルメモリに記憶し、中継要求を中継UE30に送信する。中継要求を受信すると、中継UE30は、要求側UE30をその到達可能な近隣に追加して、更新されたリストを次のブロードキャストディスカバリメッセージ内で送信する。要求側UE30がリモートUE30と通信したい場合、要求側UE30は、Direct Communication Requestを送信する前に、リモートUE30に到達することができる中継UE30を選ぶことができる。この点において、選ばれた中継UE30は選択された通信経路における第1のホップであるため、中継UE30を選ぶことは、経路を選ぶことと等価である。
【0098】
図9で示される例では、UE-1がUE-2と直接通信することができないと想定する。Relay-1およびRelay-2は、UE-1およびUE-2両方に到達可能である。ステップ0では、Relay-1およびRelay-2は、通信を中継する利用可能性が示されたアナウンスメントをブロードキャストする。UE-1がRelay-1およびRelay-2からブロードキャストされたメッセージを受信すると、UE-1は両方の中継UE30をD2D通信に使用するよう決定する。ステップ1では、UE-1は中継要求をRelay-1およびRelay-2に送信する。Relay-1およびRelay-2は、UE-1から応答を受信すると、UE-1を自身の到達可能近隣リストに追加し、更新されたリストを次のブロードキャストディスカバリ内で送信する。同じように、UE-2はRelay-2からアナウンスメントを受信して、Relay-2を使用するよう決定する。ステップ2では、UE-2は中継要求をRelay-2に送信する。Relay-2は、UE-2から応答を受信すると、UE-1およびUE-2を自身の到達可能近隣リストに追加し、更新されたリストを次のブロードキャストディスカバリメッセージ内で送信する。アナウンスメントがブロードキャストされる都度、Relay-1およびRelay-2の近隣にあるUE30は、Relay-2についての到達可能リストの自身のローカル複製を、最後のブロードキャストから変わっていれば、更新する。
【0099】
要求側UE30がリモートUE30に通信を送信する必要がある場合、要求側UE30は、通信経路を、メモリに記憶されている近隣リストの自身のローカル複製に基づいて選択する。中継の信号強度(ブロードキャストアナウンスメントを測定することによって判定される)、中継の負荷(アナウンスメントに含まれる)、中継によって与えられるQoSサポート(アナウンスメントに含まれる)など)の、追加的なメモリがさらに記憶されてもよい。利用可能な2つ以上の通信経路が存在する場合があるため、要求側UE30は、先述したように、信号強度、中継の負荷(アナウンスメントメッセージに含まれる)、中継によってサポートされるQoS(アナウンスメントメッセージに含まれる)、ローカルポリシ(例えば、アプリケーションまたはチップセット設計によって提供される)またはオペレータポリシ(事前設定されるか、ネットワークシグナリングを介して提供される)などの要因に基づいて通信経路を選択する。
図9で示される例では、UE-1はRelay-2を選択し、ステップ3において、Direct Communication RequestをRelay-2に送信する。Relay-2はDirect Communication RequestをリモートUE30に転送する。ステップ4では、リモートUE30は、Relay-2を介してRequest Acceptメッセージを要求側UE30に送信する。次いで、UE-1およびUE-2は、Relay-2を介してユニキャスト通信リンクを確立し、通信を始める。
【0100】
中継要求またはDirect Communication Requestは、中継からブロードキャストメッセージを受信した後、直接送信することが可能であるか、後で送信することも可能である。中継UE30は、ブロードキャストアナウンスメントメッセージ内にvalidity_timerパラメータを含み追加することが可能であり、このパラメータは中継UE30がどれくらい長く、応答を受け付けるかを示す。ブロードキャストアナウンスメントメッセージを送信するとき、中継UE30はvalidity_timerを開始し、このタイマの失効まで応答を処理する。UE30は、中継UE30からアナウンスメントメッセージを受信すると、その中継に関連付けられたvalidity_timerを開始する。続いてUE30が、この中継を介して到達可能なUE30とのリンクを確立する必要がある場合、UE30は、validity_timerが失効していなければ、要求メッセージを中継に送信することが可能である。
【0101】
図10は、D2D通信用の要求側UE30によって実装される例示的な方法100を図示している。要求側UE30は、リモートUE30との通信を開始する要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)を、1つまたは複数の近隣UE30にブロードキャストする(ブロック110)。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。いくつかの実施形態では、中継インジケーションは、通信経路についての最大中継数、または最大ホップ数をさらに示す場合がある。要求側UE30は、要求に応答して、応答メッセージ(例えば、Request受け入れ、またはSolicitation Responseメッセージ)を、近隣UE30のうちの1つまたは複数から、さらに受信する(ブロック120)。要求側UE30は、要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信用の通信経路を、1つまたは複数の応答メッセージに基づいて判定する(ブロック130)。
【0102】
方法100のいくつかの実施形態では、通信経路はリモートUE30によって選択される。要求側UE30は、単一応答メッセージを近隣UE30から受信し、応答メッセージが受信された近隣UE30の識別情報に基づいて通信経路を判定する。
【0103】
方法100のいくつかの実施形態では、要求側UE30は、中継としてサーブする近隣UE30から単一応答メッセージを受信し、判定された通信経路は、要求側UE30から応答側UE30への2つ以上のホップを含む。
【0104】
方法100のいくつかの実施形態では、要求側UE30は、リモートUE30から直接単一応答メッセージを受信し、判定された通信経路は、要求側UE30とリモートUE30との間の経路である。
【0105】
方法100のいくつかの実施形態では、要求側UE30は、1つまたは複数の近隣UE30のそれぞれから応答メッセージを受信し、要求側UE30によって受信された1つまたは複数の応答メッセージに基づいて通信経路を選択する。
【0106】
方法100のいくつかの実施形態では、UE30が、リモートUE30から直接応答メッセージを受信すると、UE30は要求側UE30からリモートUE30への経路を選択する。
【0107】
方法100のいくつかの実施形態では、要求側UE30は、1つまたは複数の応答メッセージに含まれる経路選択情報に基づいて通信経路を選択する。
【0108】
方法100のいくつかの実施形態では、経路選択情報は、チャネル品質情報、負荷情報、またはデバイス能力情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0109】
方法100のいくつかの実施形態では、要求側UE30は、要求をブロードキャストした後、予め定められた時間前に受信された応答メッセージのうちの1つまたは複数に基づいて通信経路を判定する。
【0110】
方法10のいくつかの実施形態は、判定された通信経路を使用してリモートUE30と通信することをさらに含む。
【0111】
方法100のいくつかの実施形態では、要求メッセージはDirect Communication Requestを含み、応答メッセージはRequest Acceptメッセージを含む。
【0112】
方法100のいくつかの実施形態では、要求メッセージはSolicitationメッセージを含み、応答メッセージはResponseメッセージを含む。
【0113】
図11は、要求側UE30とリモートUE30との間のD2D通信を中継する中継UE30によって実装される例示的な方法150を示している。中継UE30は、リモートUE30との通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)を受信する(ブロック160)。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。いくつかの実施形態では、中継インジケーションは、通信経路についての最大中継数、または最大ホップ数をさらに示す場合がある。中継UE30は、要求をリモートUEに向けてさらに転送する(ブロック170)。
【0114】
方法150のいくつかの実施形態では、要求をリモートUE30に向けて転送することは、要求を中継インジケーションの値に応じて転送することを含む。
【0115】
方法150のいくつかの実施形態では、要求をリモートUE30に向けて転送することは、要求についてのQuality of Service(QoS)要件、UE30の負荷、またはUE30と要求側UE30との間の通信リンクのチャネル品質のうちの少なくとも1つにさらに応じたものになる。
【0116】
方法150のいくつかの実施形態では、UE30は、中継インジケーションの値が予め定められた値より大きくなると、要求を転送する。
【0117】
方法150のいくつかの実施形態は、中継インジケーションが予め定められた値に等しくなると、要求を破棄することをさらに含む。
【0118】
方法150のいくつかの実施形態は、要求内の中継インジケーションの値を、要求を転送することに先立って、予め定められた分デクリメントすることをさらに含む。
【0119】
方法150のいくつかの実施形態は、要求側UE30とリモートUE30との間でD2D通信を中継することをさらに含み、リモートUE30は判定された通信経路を使用する。
【0120】
方法150のいくつかの実施形態では、要求メッセージはDirect Communication Requestを含み、応答メッセージはRequest Acceptメッセージを含む。
【0121】
方法150のいくつかの実施形態では、要求メッセージはSolicitationメッセージを含み、応答メッセージはResponseメッセージを含む。
【0122】
図12は、D2D通信用のリモートUE30によって実装される例示的な方法200を図示している。リモートUE30は、リモートUE30との通信を開始する要求側UE30によってブロードキャストされた要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)の1つまたは複数の複製を受信する(ブロック210)。要求には、要求側UE30とリモートUE30との間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。いくつかの実施形態では、中継インジケーションは、通信経路についての最大中継数、または最大ホップ数をさらに示す場合がある。リモートUE30は、要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、要求側UE30に、応答メッセージ(例えば、Request AcceptまたはSolicitation Responseメッセージ)を、要求が受信された通信経路に沿ってさらに送信する(ブロック220)。
【0123】
方法200のいくつかの実施形態は、要求側UE30とリモートUE30との間のD2D通信用の通信経路を選択することをさらに含む。
【0124】
方法200のいくつかの実施形態では、要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して応答メッセージを送信することは、選択された通信経路に沿って単一応答メッセージを送信することを含む。
【0125】
方法200のいくつかの実施形態は、要求の複数の複製を要求側UE30とリモートUE30との間の個々の通信経路に沿って受信することをさらに含み、要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して応答メッセージを送信することは、複数の応答メッセージを、通信経路の個々の経路に沿ってUE30に送信することを含む。
【0126】
方法200のいくつかの実施形態では、応答メッセージは、予め定められた時間ウィンドウ内に受信された要求に応答して送信される。
【0127】
方法200のいくつかの実施形態は、要求側UE30またはリモートUE30によって選択された通信経路のうちの1つを使用してリモートUE30と通信することをさらに含む。
【0128】
方法200のいくつかの実施形態では、要求メッセージはDirect Communication Requestを含み、応答メッセージはRequest Acceptメッセージを含む。
【0129】
方法200のいくつかの実施形態では、要求メッセージはSolicitationメッセージを含み、応答メッセージはResponseメッセージを含む。
【0130】
図13は、D2D通信用に設定された要求側UE30によって実装される例示的な方法250を図示している。要求側UE30は、1つまたは複数の中継UE30によってブロードキャストされたアナウンスメントを受信する(ブロック260)。各アナウンスメントは、中継UE30から到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む。要求側UE30は、要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)を、自身の近隣リストにリモートUE30を有する中継UE30のうち選択された中継UE30にさらに送信する(ブロック270)。要求は、ターゲットとなるリモートUE30を識別するための識別情報を含む。要求側UE30は、要求に応答して、応答メッセージ(例えば、Request Acceptメッセージ、またはSolicitation Responseメッセージ)を、中継UE30によって中継されるリモートUEから、さらに受信する(ブロック280)。
【0131】
方法250のいくつかの実施形態では、自身の近隣リストにリモートUE30を有する近隣UEの1つに要求を送信することは、要求側UE30からリモートUE30への通信経路を選択することであって、通信経路は近隣UEのうちの1つを含む、通信経路を選択することと、要求を選択された通信経路上で、近隣UE30に送信することとを含む。
【0132】
方法250のいくつかの実施形態では、要求側UE30からリモートUE30への通信経路を選択することは、UE30と近隣UEとの間のチャネル品質を示すチャネル品質情報、近隣UEについての負荷情報、または近隣UEについてのデバイス能力情報のうちの1つに少なくとも部分的に基づいている。
【0133】
方法250のいくつかの実施形態では、アナウンスメントのうちの1つまたは複数は、近隣UE30が要求を受け入れる期間を示す時間パラメータを含む。
【0134】
方法250のいくつかの実施形態では、要求を近隣UEのうちの1つに送信することは、示された期間に要求を送信することを含む。
【0135】
方法250のいくつかの実施形態は、判定された通信経路を使用してリモートUE30と通信することをさらに含む。
【0136】
図14は、要求側UE30とリモートUE30との間のD2D通信を中継する中継UE30によって実装される例示的な方法300を示している。中継UE30は、1つまたは複数の近隣UE30にアナウンスメントをブロードキャストする(ブロック310)。アナウンスメントは、中継UE30から到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUE30を識別する近隣リストを含む。アナウンスメントは、定期的にブロードキャストすることが可能である。いくつかの実施形態では、中継UE30は、中継UE30にUE-to-UE中継としてサーブするよう要求する、1つまたは複数の近隣UE30から中継要求を受信する(ブロック320)。中継UE300は、これらの近隣UE30を自身の近隣リストに追加して、更新されたリストを次のブロードキャストインターバルでブロードキャストする。中継UE30は、近隣リストにあるリモートUE30とのD2D通信を開始する要求側UEから要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)をさらに受信する(ブロック330)。要求は、ターゲットとなるリモートUE30を識別するための識別情報を含む。中継UE30は、要求によって識別されるリモートUEに向けて、要求をさらに転送する(ブロック340)。
【0137】
方法300のいくつかの実施形態は、アナウンスメントに応答して、1つまたは複数の中継要求を近隣UEのうちの異なるUEから受信することと、中継要求を送った近隣UE30を後続のアナウンスメントのために近隣リストに追加することとをさらに含む。
【0138】
方法300のいくつかの実施形態では、要求をリモートUE30に向けて転送することは、アナウンスメントに続いて予め定められた期間に受信した要求を転送することを含む。
【0139】
方法300のいくつかの実施形態は、要求に応答して、応答メッセージをリモートUE30から受信することをさらに含み、応答メッセージを要求側UE30に転送する。
【0140】
方法300のいくつかの実施形態では、アナウンスメントは、要求側UE30からの要求を受け入れるための期間を示す時間パラメータを含む。
【0141】
方法300のいくつかの実施形態は、要求側UE30とリモートUE30との間でD2D通信を中継することをさらに含む。
【0142】
図15は、D2D通信用のリモートUE30によって実装される例示的な方法350を図示している。リモートUE30は、中継UE30によってブロードキャストされたアナウンスメントを受信する(ブロック360)。リモートUE30は、アナウンスメントに応答して、中継UE30にD2D通信用の中継としてサーブするよう要求する中継要求を、中継UE30にさらに送信する(ブロック370)。いくつかの実施形態では、リモートUE30は、中継UEを介して、要求側UEから発信される要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)をさらに受信してもよい(ブロック380)。リモートUE30は、要求に応答して、応答メッセージ(例えば、Request Acceptメッセージ、またはSolicitation Responseメッセージ)を、中継UEを介して要求側UEに、さらに送信する(ブロック390)。
【0143】
方法350のいくつかの実施形態は、中継UE30を介して、要求側UE30から発信される要求を受信することと、要求に応答して、中継UE30を介して応答メッセージを要求側UE30に送信することとをさらに含む。
【0144】
方法350のいくつかの実施形態では、アナウンスメントは、中継UE30がグループに参加する要求を受け入れる期間を示す時間パラメータを含む。
【0145】
方法350のいくつかの実施形態では、中継要求を送信することは、アナウンスメントで示された期間に中継要求を送信することを含む。
【0146】
方法350のいくつかの実施形態は、要求側UE30またはリモートUE30によって選択された通信経路のうちの1つを使用して要求側UE30と通信することをさらに含む。
【0147】
装置は、あらゆる機能的手段、モジュール、ユニット、または回路網を実装することによって、本明細書で説明される方法のいずれかを実行することが可能である。一実施形態では、例えば、装置は、方法図面で示されるステップを実行するように構成された個々の回路または回路網を含む。この点において、回路または回路網は、特定の機能的な処理を実行することに特化した回路および/または1つもしくは複数のマイクロプロセッサをメモリと併せて含んでもよい。例えば、回路網は、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、ならびに他のデジタルハードウェアを含んでもよく、これらはデジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタルロジックなどを含み得る。処理回路は、メモリに記憶されたプログラムコードを実行するように設定することができ、メモリとしては、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光学記憶デバイスなどの1つまたはいくつかのタイプのメモリを挙げることができる。メモリに記憶されたプログラムコードは、1つまたは複数の通信および/またはデータ通信プロトコルを実行するためのプログラム命令、ならびにいくつかの実施形態において本明細書で説明される技法のうちの1つまたは複数を実行するための命令を含んでもよい。メモリを採用する実施形態では、メモリは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、本明細書で説明される技法を実行するプログラムコードを記憶する。
【0148】
図16A~
図16Cは、D2D通信用に設定されたUE400の例示的な実施形態を示している。
図16A~
図16Cに示される実施形態のそれぞれでは、UE400は、基地局20および他のUE400と通信するための1つまたは複数のアンテナ410を含むアンテナアレイ405を備える。UE400は、要求側UE、中継UE、リモートUE、またはそれらのあらゆる組合せとして機能するように構成することが可能である。
【0149】
図16Aは、要求側UE400の機能的コンポーネントを示している。
図16Aに示される要求側UE400は、ブロードキャスティングユニット415、受信ユニット420、および判定ユニット425を備える。様々なユニット415~425は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ハードウェア回路、ファームウェア、またはそれらの組合せによって実装されてもよい。ブロードキャスティングユニット415は、リモートUE30との通信を開始する要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)を、1つまたは複数の近隣UE30にブロードキャストするように構成される。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。いくつかの実施形態では、中継インジケーションは、通信経路についての最大中継数、または最大ホップ数をさらに示す場合がある。受信ユニット420は、要求に応答して、応答メッセージ(例えば、Request Acceptメッセージ、またはSolicitation Responseメッセージ)を、近隣UE30のうちの1つまたは複数から受信するように構成される。判定ユニット425は、要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信用の通信経路を、1つまたは複数の応答メッセージに基づいて判定するように構成される。
【0150】
図16Bは、中継UE400の機能的コンポーネントを示している。
図16Bに示される中継UE400は、受信ユニット430、および転送ユニット435をさらに備える。様々なユニット430~435は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ハードウェア回路、ファームウェア、またはそれらの組合せによって実装されてもよい。受信ユニット430は、リモートUE30との通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)を受信するように構成される。要求には、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。いくつかの実施形態では、中継インジケーションは、通信経路についての最大中継数、または最大ホップ数をさらに示す場合がある。転送ユニット435は、要求をリモートUEに向けて転送するように構成される。
【0151】
図16Cは、リモートUE400の機能的コンポーネントを示している。
図16Cに示されるリモートUE400は、受信ユニット445、および送信ユニット450をさらに備える。様々なユニット445~450は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ハードウェア回路、ファームウェア、またはそれらの組合せによって実装されてもよい。受信ユニット445は、リモートUE30との通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)の1つまたは複数の複製を受信するように構成される。要求には、要求側UE30とリモートUE30との間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションが含まれる。いくつかの実施形態では、中継インジケーションは、通信経路についての最大中継数、または最大ホップ数をさらに示す場合がある。送信ユニット450は、要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、要求側UEに、応答メッセージ(例えば、Request AcceptまたはSolicitation Responseメッセージ)を、要求が受信された通信経路に沿ってさらに送信するように構成される。
【0152】
図17A~
図17Cは、D2D通信用に設定されたUE500の例示的な実施形態を示している。
図17A~
図17Cに示される実施形態のそれぞれでは、UE500は、基地局20と通信するための1つまたは複数のアンテナ510を含むアンテナアレイ505を備える。UE500は、要求側UE、中継UE、リモートUE、またはそれらのあらゆる組合せとして機能するように構成することが可能である。
【0153】
図17Aは、要求側UE500の機能的コンポーネントを示している。
図17Aに示される要求側UE500は、第1の受信ユニット515、送信ユニット520、および第2の受信ユニット525をさらに備える。様々なユニット515~525は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ハードウェア回路、ファームウェア、またはそれらの組合せによって実装されてもよい。第1の受信ユニット515は、1つまたは複数の中継UE30によってブロードキャストされたアナウンスメントを受信するように構成される。各アナウンスメントは、中継UE30から到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む。送信ユニット520は、要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)を、自身の近隣リストにリモートUE30を有する中継UE30のうち選択された中継UE30に送信するように構成され、要求は、ターゲットとなるリモートUEを識別するための情報(例えば、UE ID)を識別することを含む。第2の受信ユニット525は、要求に応答して、応答メッセージ(例えば、Request Acceptメッセージ、またはSolicitation Responseメッセージ)を、中継UE30によって中継されたリモートUE30から受信するように構成される。
【0154】
図17Bは、中継UE500の機能的コンポーネントを示している。
図17Bに示される中継UE500は、ブロードキャストユニット530、近隣リストユニット535、第2の受信ユニット540、および転送ユニット545をさらに備える。様々なユニット530~545は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ハードウェア回路、ファームウェア、またはそれらの組合せによって実装されてもよい。ブロードキャストユニット530は、アナウンスメントを1つまたは複数の近隣UE30へブロードキャストするように構成される。アナウンスメントは、中継UE30から到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUE30を識別する近隣リストを含む。アナウンスメントは、定期的にブロードキャストすることが可能である。近隣リストユニット535を含む実施形態では、中継UE30は、中継UE30にUE-to-UE中継としてサーブするよう要求する、1つまたは複数の近隣UE30から中継要求を受信し、これらの近隣UE30をその近隣リストに追加する(ブロック320)。ブロードキャスト530は、更新されたリストを次のブロードキャストインターバルでブロードキャストする。受信ユニット540は、近隣リストにあるリモートUEとのD2D通信を開始する要求側UEから要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)を受信するように構成される。要求は、ターゲットとなるリモートUE30を識別するための識別情報(例えば、UE ID)を含む。転送ユニット545は、要求を、要求によって識別されるリモートUE30に転送するように構成される。
【0155】
図17Cは、リモートUE500の機能的コンポーネントを示している。
図17Cに示される中継UE500は、第1の受信ユニット550、第1の送信ユニット555、第2の受信ユニット560、および第2の送信ユニット565をさらに備える。様々なユニット550~565は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ハードウェア回路、ファームウェア、またはそれらの組合せによって実装されてもよい。第1の受信ユニット550は、中継UE30によってブロードキャストされたアナウンスメントを受信するように構成される。第1の送信ユニット555は、アナウンスメントに応答して、中継UE30にD2D通信用の中継としてサーブするよう要求する中継要求を、中継UE30に送信するように構成される。第2の受信ユニット560は、中継UE30を介して、要求側UE30から発信される要求(例えば、Direct Communication RequestまたはSolicitationメッセージ)を受信するように構成される。第2の送信ユニット565は、要求に応答して、応答メッセージ(例えば、Request Acceptメッセージ、またはSolicitation Responseメッセージ)を、中継UE30を介して要求側UE30に送信するように構成される。
【0156】
図18は、別の実施形態によるUE600を示す。UE600は、1つまたは複数のアンテナ615、通信回路網620、処理回路660、およびメモリ640を有するアンテナアレイ610を備える。
【0157】
通信回路網620は、アンテナ610に結合され、無線通信チャネルで信号を送受信するために必要な無線周波(RF)回路網(例えば、送信機(Tx)630および受信機(Rx)640)を備える。処理回路650は、メモリ660に記憶されたプログラム命令に従ってUE600の全体的な動作を制御する。処理回路650は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0158】
メモリ660は、コンピュータプログラムコードおよび処理回路650によって演算に必要とされるデータを記憶するための、揮発性および非揮発性の両方のメモリを含む。メモリ660は、データを記憶するための、あらゆる有形で、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよく、電子的、磁気的、光学的、電磁気的、または半導体のデータ記憶装置が挙げられる。メモリ660は、処理回路650が、本明細書で説明されるようにそれぞれ
図10~
図15による方法100、150、200、250、300、350のうちの1つまたは複数を実装するように設定する、実行可能命令を含むコンピュータプログラム670を記憶する。この点で、コンピュータプログラム670は、上述の手段またはユニットに相当する1つまたは複数のコードモジュールを含んでもよい。一般に、コンピュータプログラム命令および設定情報は、ROM、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)またはフラッシュメモリなどの非揮発性メモリに記憶される。演算中に生成される一時的なデータは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリに記憶される場合がある。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるような処理回路650を設定するためのコンピュータプログラム650は、ポータブルコンパクトディスク、ポータブルデジタルビデオディスク、または他のリムーバブル媒体などのリムーバブルメモリに記憶されてもよい。コンピュータプログラム670はまた、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体などのキャリアとして具体化されてもよい。
【0159】
当業者であれば、本明細書における実施形態は、対応するコンピュータプログラムをさらに含むことも諒解されよう。コンピュータプログラムは、装置の少なくとも1つのプロセッサで実行されると、装置に上述の個々の処理のいずれかを実行させる命令を含む。この点で、コンピュータプログラムは、上述の手段またはユニットに相当する1つまたは複数のコードモジュールを含んでもよい。
【0160】
実施形態は、そのようなコンピュータプログラムを含むキャリアをさらに含む。このキャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つを含んでもよい。
【0161】
この点において、本明細書における実施形態はまた、非一時的なコンピュータ可読(記憶または記録)媒体に記憶され、装置のプロセッサによって実行されると、装置を上述のように動作させる命令を含むコンピュータプログラム製品を含む。
【0162】
実施形態は、コンピュータプログラム製品がコンピューティングデバイスによって実行されると、本明細書における実施形態のいずれかのステップを実行するためのプログラムコード部分を含むコンピュータプログラム製品をさらに含む。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記録媒体に記憶されてもよい。
【0163】
次に追加的な実施形態を説明する。これらの実施形態の少なくとも一部は、例証的な目的で、特定のコンテキストおよび/または無線ネットワークタイプに適用可能であるとして説明される場合があるが、実施形態は、明示的に説明されない他のコンテキストおよび/または無線ネットワークタイプに同様に適用可能である。
【0164】
本開示の様々な実施形態を、以下で列挙される実施形態において説明する。実施形態は2つのグループに分けられ、Group1およびGroupと表す。リスト化された実施形態における従属関係は、同一グループにおける先行する実施形態を参照する。
【0165】
Group1-中継ディスカバリを伴わないユニキャストリンク確立
1.D2D(device-to-device)通信用の要求側ユーザ機器(UE)によって実装される方法であって、方法は、
リモートUEとの通信を開始する直接通信要求を、1つまたは複数の近隣UEへブロードキャストすることであって、直接通信要求が、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションを含む、直接通信要求をブロードキャストすることと、
直接通信要求に応答して、近隣UEのうちの1つまたは複数から要求受け入れメッセージを受信することと
1つまたは複数の要求受け入れメッセージに基づいて、要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信用の通信経路を判定することと
を含む、方法。
【0166】
2.通信経路が、リモートUEによって選択され、要求側UEが、
単一要求受け入れメッセージを近隣UEから受信し、
要求受け入れメッセージが受信された近隣UEの識別情報に基づいて通信経路を判定する、実施形態1に記載の方法。
【0167】
3.要求側UEが、中継としてサーブする近隣UEから単一要求受け入れメッセージを受信し、判定された通信経路が、要求側UEから応答側UEへの2つ以上のホップを含む、実施形態2に記載の方法。
【0168】
4.要求側UEが、リモートUEから単一要求受け入れメッセージを直接受信し、判定された通信経路が、要求側UEとリモートUEとの間の直接通信経路である、実施形態2に記載の方法。
【0169】
5.要求側UEが、
1つまたは複数の近隣UEのそれぞれから要求受け入れメッセージを受信し、
要求側UEによって受信された1つまたは複数の要求受け入れメッセージに基づいて通信経路を選択する、実施形態1に記載の方法。
【0170】
6.UEが、リモートUEから要求受け入れメッセージを直接受信すると、UEは要求側UEからリモートUEへの直接通信経路を選択する、実施形態5に記載の方法。
【0171】
7.要求側UEが、1つまたは複数の要求受け入れメッセージに含まれる経路選択情報に基づいて通信経路を選択する、実施形態5に記載の方法。
【0172】
8.経路選択情報が、チャネル品質情報、負荷情報、またはデバイス能力情報のうちの少なくとも1つを含む、実施形態7に記載の方法。
【0173】
9.要求側UEが、直接通信要求をブロードキャストした後、予め定められた時間前に受信された要求受け入れメッセージのうちの1つまたは複数に基づいて通信経路を判定する、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0174】
10.判定された通信経路を使用してリモートUEと通信することをさらに含む、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0175】
11.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
サイドリンク上で1つまたは複数の近隣UEと通信するための通信回路網と、
通信回路網に動作可能に接続された処理回路であって、
直接通信要求を、1つまたは複数の近隣UEへブロードキャストすることであって、直接通信要求が、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションを含む、直接通信要求をブロードキャストすることと、
直接通信要求に応答して、近隣UEのうちの1つまたは複数から要求受け入れメッセージを受信することと、
1つまたは複数の要求受け入れメッセージに基づいて、要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信用の通信経路を判定することと
を行うように構成される、処理回路と
を含む、ユーザ機器(UE)。
【0176】
12.処理回路が、実施形態2から10のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態11に記載のUE。
【0177】
13.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
直接通信要求を、1つまたは複数の近隣UEへブロードキャストすることであって、直接通信要求が、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションを含む、直接通信要求をブロードキャストすることと、
直接通信要求に応答して、近隣UEのうちの1つまたは複数から要求受け入れメッセージを受信することと、
1つまたは複数の要求受け入れメッセージに基づいて、要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信用の通信経路を判定することと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)。
【0178】
14.処理回路が、実施形態2から10のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態13に記載のUE。
【0179】
15.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【0180】
16.実施形態15に記載のコンピュータプログラムを含むキャリアであって、キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、コンピュータプログラムを含むキャリア。
【0181】
17.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0182】
18.D2D(device-to-device)通信を中継するユーザ機器(UE)によって実装される方法であって、方法は、
リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた直接通信要求を受信することであって、直接通信要求が、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションを含む、直接通信要求を受信することと、
直接通信要求をリモートUEに向けて転送することと
を含む、方法。
【0183】
19.直接通信要求をリモートUEに向けて転送することが、直接通信要求を中継インジケーションの値に応じて転送することを含む、実施形態18に記載の方法。
【0184】
20.直接通信要求をリモートUEに向けて転送することが、直接通信要求についてのQuality of Service(QoS)要件、UEの負荷、またはUEと要求側UEとの間の通信リンクのチャネル品質のうちの少なくとも1つにさらに応じたものになる、実施形態19、20、および22のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
21.UEが、中継インジケーションの値が予め定められた値より大きくなると、直接通信要求を転送する、実施形態19または20に記載の方法。
【0186】
22.中継インジケーションが予め定められた値に等しくなると、直接通信要求を破棄することをさらに含む、実施形態19から21のいずれか1つに記載の方法。
【0187】
23.直接通信要求内の中継インジケーションの値を、直接通信要求を転送することに先立って、予め定められた分デクリメントすることをさらに含む、実施形態19から21のいずれか1つに記載の方法。
【0188】
24.要求側UEとリモートUEとの間でD2D通信を中継することをさらに含み、リモートUEが判定された通信経路を使用する、実施形態18から23のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
25.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
サイドリンク上で1つまたは複数の近隣UEと通信するための通信回路網と、
通信回路網に動作可能に接続された処理回路であって、
リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた直接通信要求を受信することであって、直接通信要求が、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションを含む、直接通信要求を受信することと、
直接通信要求をリモートUEに向けて転送することと
を行うように構成される、処理回路と
を含む、ユーザ機器(UE)。
【0190】
26.処理回路が、実施形態19から24のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態25に記載のUE。
【0191】
27.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた直接通信要求を受信することであって、直接通信要求が、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションを含む、直接通信要求を受信することと、
直接通信要求をリモートUEに向けて転送することと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)。
【0192】
28.処理回路が、実施形態19から24のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態27に記載のUE。
【0193】
29.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態18から24のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【0194】
30.実施形態29に記載のコンピュータプログラムを含むキャリアであって、キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、コンピュータプログラムを含むキャリア。
【0195】
31.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態18から24のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0196】
32.D2D(device-to-device)通信のリモートユーザ機器(UE)によって実装される方法であって、方法は、
リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた直接通信要求の1つまたは複数の複製を受信することであって、直接通信要求が、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションを含む、要求の複製を受信することと、
直接通信要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、要求側UEに、要求受け入れメッセージを、直接通信要求が受信された通信経路に沿って送信することと
を含む、方法。
【0197】
33.要求側UEとリモートUEとの間のD2D通信用の通信経路を選択することをさらに含む、実施形態32に記載の方法。
【0198】
34.直接通信要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、要求受け入れメッセージを送信することが、選択された通信経路に沿って単一要求受け入れメッセージを送信することを含む、実施形態33に記載の方法。
【0199】
35.直接通信要求の複数の複製を要求側UEとリモートUEとの間の個々の通信経路に沿って受信すること
をさらに含み、
直接通信要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、要求受け入れメッセージを送信することが、複数の要求受け入れメッセージを、通信経路の個々の経路に沿ってUEに送信することを含む、実施形態33に記載の方法。
【0200】
36.要求受け入れメッセージが、予め定められた時間ウィンドウ内に受信された直接通信要求に応答して送信される、実施形態32から35のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
37.要求側UEまたはリモートUEによって選択された通信経路のうちの1つを使用してリモートUEと通信することをさらに含む、実施形態32から36のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
38.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
サイドリンク上で1つまたは複数の近隣UEと通信するための通信回路網と、
通信回路網に動作可能に接続された処理回路であって、
リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた直接通信要求の1つまたは複数の複製を受信することであって、直接通信要求が、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションを含む、要求の複製を受信することと、
直接通信要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、要求側UEに、要求受け入れメッセージを、直接通信要求が受信された通信経路に沿って送信することと
を行うように構成される、処理回路と
を含む、ユーザ機器(UE)。
【0203】
39.処理回路が、実施形態32から35のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態38に記載のUE。
【0204】
40.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
リモートUEとの通信を開始する要求側UEによってブロードキャストされた直接通信要求の1つまたは複数の複製を受信することであって、直接通信要求が、要求側UEとリモートUEとの間の通信経路に中継が許可されるかどうかを示す中継インジケーションを含む、要求の複製を受信することと、
直接通信要求の1つまたは複数の複製のそれぞれに応答して、要求側UEに、要求受け入れメッセージを、直接通信要求が受信された通信経路に沿って送信することと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)。
【0205】
41.処理回路が、実施形態34から37のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態40に記載のUE。
【0206】
42.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態31から37のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【0207】
43.実施形態42に記載のコンピュータプログラムを含むキャリアであって、キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、コンピュータプログラムを含むキャリア。
【0208】
44.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態31から37のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0209】
Group2-中継ディスカバリを伴うユニキャストリンク確立
1.D2D(device-to-device)通信用の発信側ユーザ機器(UE)によって実装される方法であって、方法は、
1つまたは複数の中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することであって、各アナウンスメントが、中継UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む、アナウンスメントを受信することと、
直接通信要求を、自身の近隣リストにリモートUEを有する中継UEのうち選択された中継UEに送信することであって、直接通信要求は、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む、直接通信要求を送信することと、
直接通信要求に応答して、中継UEによって中継されるリモートUEから要求受け入れメッセージを受信することと
を含む、方法。
【0210】
2.自身の近隣リストにリモートUEを有する近隣UEの1つに直接通信要求を送信することが、
要求側UEからリモートUEへの通信経路を選択することであって、通信経路が近隣UEのうちの1つを含む、通信経路を選択することと、
直接通信要求を選択された通信経路上で近隣UEに送信することと
を含む、実施形態1に記載の方法。
【0211】
3.要求側UEからリモートUEへの通信経路を選択することが、UEと近隣UEとの間のチャネル品質を示すチャネル品質情報、近隣UEについての負荷情報、または近隣UEについてのデバイス能力情報のうちの1つに少なくとも部分的に基づいている、実施形態1または2に記載の方法。
【0212】
4.アナウンスメントのうちの1つまたは複数が、近隣UEが直接通信要求を受け入れる期間を示す時間パラメータを含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
5.直接通信要求を近隣UEのうちの1つに送信することが、示された期間に直接通信要求を送信することを含む、実施形態4に記載の方法。
【0214】
6.判定された通信経路を使用してリモートUEと通信することをさらに含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
7.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
サイドリンク上で1つまたは複数の近隣UEと通信するための通信回路網と、
通信回路網に動作可能に接続された処理回路であって、
1つまたは複数の中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することであって、各アナウンスメントが、中継UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む、アナウンスメントを受信することと、
直接通信要求を、自身の近隣リストにリモートUEを有する中継UEのうち選択された中継UEに送信することであって、直接通信要求は、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む、直接通信要求を送信することと、
直接通信要求に応答して、中継UEによって中継されるリモートUEから要求受け入れメッセージを受信することと、
を行うように構成される、処理回路と
を含む、ユーザ機器(UE)。
【0216】
8.処理回路が、実施形態2から6のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態7に記載のUE。
【0217】
9.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
1つまたは複数の中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することであって、各アナウンスメントが、中継UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む、アナウンスメントを受信することと、
直接通信要求を、自身の近隣リストにリモートUEを有する中継UEのうち選択された中継UEに送信することであって、直接通信要求は、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む、直接通信要求を送信することと、
直接通信要求に応答して、中継UEによって中継されるリモートUEから要求受け入れメッセージを受信することと、
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)。
【0218】
10.処理回路が、実施形態2から6のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態9に記載のUE。
【0219】
11.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【0220】
12.実施形態11に記載のコンピュータプログラムを含むキャリアであって、キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、コンピュータプログラムを含むキャリア。
【0221】
13.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0222】
14.D2D(device-to-device)通信を中継するユーザ機器(UE)によって実装される方法であって、方法は、
アナウンスメントを1つまたは複数の近隣UEへブロードキャストすることであって、アナウンスメントが、UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む、アナウンスメントをブロードキャストすることと、
近隣リストにあるターゲットとなるリモートUEとのD2D通信を開始する要求側UEから直接通信要求を受信することであって、直接通信要求が、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む、直接通信要求を受信することと、
直接通信要求を直接通信要求によって識別されるリモートUEに転送することと
を含む、方法。
【0223】
15.
アナウンスメントに応答して、1つまたは複数の中継要求を近隣UEのうちの異なるUEから受信することと、
中継要求を送った近隣UEを後続のアナウンスメントのために近隣リストに追加することとをさらに含む、実施形態14に記載の方法。
【0224】
16.直接通信要求をリモートUEに向けて転送することが、アナウンスメントに続いて予め定められた期間に受信した直接通信要求を転送することを含む、実施形態14または15に記載の方法。
【0225】
17.
直接通信要求に応答して、リモートUEから要求受け入れメッセージを受信することと、
要求受け入れメッセージを要求側UEに転送することと
をさらに含む、実施形態14から16のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
18.アナウンスメントが、要求側UEからの直接通信要求を受け入れるための期間を示す時間パラメータを含む、実施形態14から17のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
19.要求側UEとリモートUEとの間でD2D通信を中継することをさらに含む、実施形態14から18のいずれか1つに記載の方法。
【0228】
20.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
サイドリンク上で1つまたは複数の近隣UEと通信するための通信回路網と、
通信回路網に動作可能に接続された処理回路であって、
アナウンスメントを1つまたは複数の近隣UEへブロードキャストすることであって、アナウンスメントが、UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む、アナウンスメントをブロードキャストすることと、
近隣リストにあるリモートUEとのD2D通信を開始する要求側UEから直接通信要求を受信することであって、直接通信要求が、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む、直接通信要求を受信することと、
直接通信要求を直接通信要求によって識別されるリモートUEに転送することと
を行うように構成される、処理回路と
を含む、ユーザ機器(UE)。
【0229】
21.処理回路が、実施形態15から19のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態25に記載のUE。
【0230】
22.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
アナウンスメントを1つまたは複数の近隣UEへブロードキャストすることであって、アナウンスメントが、UEから到達可能な1つまたは複数の潜在的なリモートUEを識別する近隣リストを含む、アナウンスメントをブロードキャストすることと、
近隣リストにあるリモートUEとのD2D通信を開始する要求側UEから直接通信要求を受信することであって、直接通信要求が、ターゲットとなるリモートUEを識別するための識別情報を含む、直接通信要求を受信することと、
直接通信要求を直接通信要求によって識別されるリモートUEに転送することと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)。
【0231】
23.処理回路が、実施形態15から19のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態27に記載のUE。
【0232】
24.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態14から19のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【0233】
25.実施形態24に記載のコンピュータプログラムを含むキャリアであって、キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、コンピュータプログラムを含むキャリア。
【0234】
26.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態14から19のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0235】
27.D2D(device-to-device)通信のユーザ機器(UE)によって実装される方法であって、方法は、
中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することと、
アナウンスメントに応答して、中継UEにD2D通信用の中継としてサーブするよう要求する中継要求を、中継UEに送信することと
を含む、方法。
【0236】
28.
中継UEを介して、要求側UEから発信される直接通信要求を受信することと、
直接通信要求に応答して、中継UEを介して、要求受け入れメッセージを要求側UEに送信することと
をさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0237】
29.アナウンスメントが、中継UEが直接通信グループに参加する要求を受け入れる期間を示す時間パラメータを含む、実施形態28に記載の方法。
【0238】
30.中継要求を送信することが、アナウンスメントで示された期間に中継要求を送信することを含む、実施形態29に記載の方法。
【0239】
31.要求側UEまたはリモートUEによって選択された通信経路のうちの1つを使用して要求側UEと通信することをさらに含む、実施形態27から30のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
32.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
サイドリンク上で1つまたは複数の近隣UEと通信するための通信回路網と、
通信回路網に動作可能に接続された処理回路であって、
中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することと、
アナウンスメントに応答して、中継UEにD2D通信用の中継としてサーブするよう要求する中継要求を、中継UEに送信することと
を行うように構成される、処理回路と
を含む、ユーザ機器(UE)。
【0241】
33.処理回路が、実施形態28から31のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態32に記載のUE。
【0242】
34.D2D(device-to-device)通信が可能なユーザ機器(UE)であって、UEは、
中継UEによってブロードキャストされたアナウンスメントを受信することと、
アナウンスメントに応答して、中継UEにD2D通信用の中継としてサーブするよう要求する中継要求を、中継UEに送信することと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)。
【0243】
35.処理回路が、実施形態28から31のいずれか1つに記載の方法を実行するようにさらに構成される、実施形態34に記載のUE。
【0244】
36.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態27から31のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【0245】
37.実施形態36に記載のコンピュータプログラムを含むキャリアであって、キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、コンピュータプログラムを含むキャリア。
【0246】
38.無線通信ネットワーク内のユーザ機器中の処理回路によって実行されると、ユーザ機器に実施形態27から31のいずれか1つに記載の方法を実行させる実行可能命令を含む、コンピュータプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。