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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】コンパクトな6軸位置決めシステム
(51)【国際特許分類】
   F16H 21/46 20060101AFI20241003BHJP
   B23Q 1/44 20060101ALI20241003BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F16H21/46
B23Q1/44 A
B25J11/00 D
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022550769
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2021054492
(87)【国際公開番号】W WO2021170604
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】102020104731.2
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505257752
【氏名又は名称】フィジック インストゥルメント(ピーアイ)ゲーエムベーハー アンド ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザンデル,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】グレス,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ,クリスティアン
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特表平5-500337(JP,A)
【文献】米国特許第6330837(US,B1)
【文献】特表2019-509790(JP,A)
【文献】特表2006-513380(JP,A)
【文献】米国特許第6240799(US,B1)
【文献】特開2001-208157(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107134209(CN,A)
【文献】ROBERT S STOUGHTON; ET AL,A MODIFIED STEWART PLATFORM MANIPULATOR WITH IMPROVED DEXTERITY,IEEE TRANSACTIONS ON ROBOTICS AND AUTOMATION,米国,IEEE INC,1993年04月,VOL:9, NR:2,PAGE(S):166 - 173,http://dx.doi.org/10.1109/70.238280
【文献】JIANTAO YAO; ET AL,SPATIALLY ISOTROPIC CONFIGURATION OF STEWART PLATFORM-BASED FORCE SENSOR,MECHANISM AND MACHINE THEORY,NL,PERGAMON,2011年02月,VOL:46, NR:2,PAGE(S):142 - 155,https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0094114X10001758
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 21/46
B23Q 1/44
B25J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(2)と、可動ユニット(3)と、6つの可変長アクチュエータ(5.1、5.2、5.3;7.1、7.2、7.3)とを備え、各アクチュエータの一端(8、12)が前記ベース(2)に接続され、各アクチュエータの他端(9、14)が前記可動ユニット(3)に接続され、前記6つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3;7.1、7.2、7.3)は、各々が3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3;7.1、7.2、7.3)を有する2つのグループ(4、6)に分割され、前記第1のグループ(4)の前記アクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、前記第2のグループ(6)の前記アクチュエータ(7.1、7.2、7.3)によって囲まれた領域内で前記ベース(2)上に配置され、前記第1のグループ(4)の前記アクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、前記第2のグループ(6)の前記アクチュエータ(7.1、7.2、7.3)によって囲まれた領域内で前記可動ユニット(3)上に配置され、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の各々の下端および上端は、それぞれの枢動締結システムによって前記ベース(2)および前記可動ユニット(3)にそれぞれ接続され、前記第1のグループの前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の各々の前記上端は、枢動締結システムによって前記可動ユニット(3)に接続され、前記第1のグループの前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の各々の前記下端は、6軸位置決めシステム(1)の調整動作中に枢動することができる枢動締結システムによって前記ベース(2)に接続され、
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、長さが可変であり、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の各々が、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して最大±30°の角度範囲で移動可能に配置されるように、前記ベース(2)および前記可動ユニット(3)に枢動可能に接続され、
前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2および7.3)は、長さが可変であり、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2および7.3)の各々が、水平または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する平行(P)に対して0°以上最大45°の角度範囲で移動可能に配置されるように、前記ベース(2)および前記可動ユニット(3)に枢動可能に接続される、6軸位置決めシステム(1)。
【請求項2】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、長さが可変であり、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の各々が、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して最大±15°の角度範囲で移動可能に配置されるように、前記ベース(2)および前記可動ユニット(3)に枢動可能に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項3】
前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2および7.3)は、長さが可変であり、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2および7.3)の各々が、水平または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する平行(P)に対して0°以上最大30°の角度範囲で移動可能に配置されるように、前記ベース(2)および前記可動ユニット(3)に枢動可能に接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項4】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、基本位置において同じ長さを有し、この基本位置において、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の主軸(Ai)は、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して平行に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項5】
前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2および7.3)は、長さが可変であり、前記基本位置を維持しながら、前記第1のグループの前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の最小から最大ストローク位置までのストローク移動中に、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2および7.3)の各々が、水平または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する平行(P)に対して0°以上30°以下の角度範囲で移動可能に配置されるように、前記ベース(2)および前記可動ユニット(3)に枢動可能に接続されることを特徴とする、請求項4に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項6】
前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2および7.3)は、長さが可変であり、前記基本位置を維持しながら、前記第1のグループの前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の最小から最大ストローク位置までのストローク移動中に、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2および7.3)の各々が、水平または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する平行(P)に対して0°以上15°以下の角度範囲で移動可能に配置されるように、前記ベース(2)および前記可動ユニット(3)に枢動可能に接続されることを特徴とする、請求項4に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項7】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)が、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)よりも高い負荷容量を有する重負荷アクチュエータとして構成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項8】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の前記枢動締結システムの中心は、前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の第1の円形線(18)上にあり、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の前記枢動締結システムの中心は、前記ベース(2)および/または可動ユニット(3)上の対応する第2の円形線(19)上にあり、前記第1の円形線(18)は、前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の対応する関連する前記第2の円形線(19)内にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項9】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の前記枢動締結システムの中心は、前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の第1の円形線(18)上にあり、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の前記枢動締結システムの中心は、前記ベース(2)および/または可動ユニット(3)上の対応する第2の円形線(19)上にあり、前記第1の円形線(18)は、前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の対応する関連する前記第2の円形線(19)内にあり、前記第1の円形線(18)は、前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の対応する関連する前記第2の円形線(19)と同心に配置されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項10】
前記第1の円形線(18)によって境界付けられた前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の領域の少なくとも2倍の面積は、対応して関連付けられた前記第2の円形線(19)によって境界付けられた前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の領域の面積より小さいことを特徴とする、請求項8または9に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項11】
前記第1の円形線(18)によって境界付けられた前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の領域の少なくとも3倍の面積は、対応して関連付けられた前記第2の円形線(19)によって境界付けられた前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の領域の面積より小さいことを特徴とする、請求項8または9に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項12】
前記第1の円形線(18)によって境界付けられた前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の領域の少なくとも4倍の面積は、対応して関連付けられた前記第2の円形線(19)によって境界付けられた前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)上の領域の面積より小さいことを特徴とする、請求項8または9に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項13】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、基本位置において同じ長さを有し、前記基本位置において、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の主軸(Ai)は、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して平行に配置され、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は前記基本位置にあるときに、前記第2のグループ(6)のアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の長さが、前記第1のグループ(4)のアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の長さよりも少なくとも1.5倍大きいことを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項14】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、基本位置において同じ長さを有し、前記基本位置において、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の主軸(Ai)は、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して平行に配置され、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は前記基本位置にあるときに、前記第2のグループ(6)のアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の長さが、前記第1のグループ(4)のアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の長さよりも少なくとも2倍大きいことを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項15】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、基本位置において同じ長さを有し、前記基本位置において、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の主軸(Ai)は、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して平行に配置され、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は前記基本位置にあるときに、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の、または前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)への少なくとも1つの構成要素またはアタッチメントが挿入される凹部(23)または窓を有することを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項16】
前記第2のグループ(6)のアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の最大調整経路が、前記第1のグループ(4)のアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の最大調整経路よりも少なくとも1.5倍大きいことを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項17】
前記第2のグループ(6)のアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の最大調整経路が、前記第1のグループ(4)のアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の最大調整経路よりも少なくとも2倍大きいことを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項18】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の前記枢動締結システムの中心の接続線の各々が、前記ベース(2)上および前記可動ユニット(3)上に三角形(20)を形成し、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の前記枢動締結システムの中心の接続線の各々が、前記ベース(2)上および前記可動ユニット(3)上に三角形(21)を形成し、前記ベース(2)上および前記可動ユニット(3)上の対応して関連付けられる三角形(20、21)は、それらの角の同一の向きを有するか、または互いに対して45°の最大角度だけ回転されることを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項19】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の前記枢動締結システムの中心の接続線の各々が、前記ベース(2)上および前記可動ユニット(3)上に三角形(20)を形成し、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の前記枢動締結システムの中心の接続線の各々が、前記ベース(2)上および前記可動ユニット(3)上に三角形(21)を形成し、前記ベース(2)上および前記可動ユニット(3)上の対応して関連付けられる三角形(20、21)は、それらの角の同一の向きを有するか、または互いに対して30°の最大角度だけ回転されることを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項20】
前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)が、角を有する三角形形状を有することを特徴とする、請求項1から19のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項21】
前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)が、丸みを帯びた角を有する三角形形状を有することを特徴とする、請求項1から19のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項22】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、基本位置において同じ長さを有し、前記基本位置において、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の主軸(Ai)は、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して平行に配置され、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は前記基本位置にあるときに、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の主軸(A)の各々は、前記それぞれ関連付けられつながる三角形(21)の隣接する側縁ならびに/または前記ベース(2)および/もしくは前記可動ユニット(3)の前記三角形形状の隣接する側縁に対して、最大±15°の角度βを有して傾斜していることを特徴とする、請求項18から21のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項23】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、基本位置において同じ長さを有し、前記基本位置において、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の主軸(Ai)は、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して平行に配置され、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は前記基本位置にあるときに、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の主軸(A)の各々は、前記それぞれ関連付けられつながる三角形(21)の隣接する側縁ならびに/または前記ベース(2)および/もしくは前記可動ユニット(3)の前記三角形形状の隣接する側縁に対して平行であることを特徴とする、請求項18から21のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項24】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、基本位置において同じ長さを有し、前記基本位置において、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の主軸(Ai)は、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して平行に配置され、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は前記基本位置にあるときに、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の主軸(A)の各々は、前記対応するつながる三角形(21)の隣接する側縁および/または前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)の前記三角形形状の隣接する側縁に対して、15°から45°の範囲の角度βを有して傾斜して配置されることを特徴とする、請求項18から21のいずれか1項に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【請求項25】
前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は、基本位置において同じ長さを有し、前記基本位置において、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)の主軸(Ai)は、鉛直または前記ベース(2)が及ぶ平面に対する垂直に対して平行に配置され、前記第1のグループ(4)の前記3つのアクチュエータ(5.1、5.2、5.3)は前記基本位置にあるときに、前記第2のグループ(6)の前記3つのアクチュエータ(7.1、7.2、7.3)の主軸(A)の各々は、前記対応するつながる三角形(21)の隣接する側縁および/または前記ベース(2)および/または前記可動ユニット(3)の前記三角形形状の隣接する側縁に対して、30°の角度βを有して傾斜して配置されることを特徴とする、請求項18から21に記載の6軸位置決めシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースと、可動ユニットと、6つの可変長アクチュエータとを備える6軸位置決めシステムに関する。各アクチュエータの一端はベースに接続され、各アクチュエータの他端は可動ユニットに接続されている。6つのアクチュエータは、各々3つのアクチュエータを有する2つのグループに分けられる。第1のグループのアクチュエータは、第2のグループのアクチュエータによって囲まれた領域内のベース上に配置され、第1のグループのアクチュエータは、第2のグループのアクチュエータによって囲まれた領域内の可動ユニット上に配置される。第2のグループの3つのアクチュエータの各々の下端および上端は、それぞれの枢動締結システムによってベースおよび可動ユニットにそれぞれ接続される。第1のグループの3つのアクチュエータの各々の上端は、枢動締結システムによって可動ユニットに接続される。
【背景技術】
【0002】
このような6軸位置決めシステムはヘキサポッドとも呼ばれ、コンパクトな空間で6自由度の動きを提供する。可動ユニットは、通常、アクチュエータの上端に接続されたプラットフォーム(可動ユニット)から構成され、その上に、位置決めされる要素またはアタッチメントが配置される。6軸位置決めシステムは、様々なサイズで広範囲の用途に利用可能である。工業生産プロセスにおける部品として、ヘキサポッドは、サブマイクロメートル精度で高負荷を位置決めすることができる。産業用途では、複雑な運動プロファイルであっても便利に実行できるようにする絶対測定位置センサ、適切なソフトウェアおよび運動コントローラの組み合わせがある。アクチュエータの好ましい駆動装置は、ブレーキを備えたブラシレスDCモータである。そのような6軸位置決めシステムの作業空間は、アクチュエータの展開長さ(「伸縮式」)に大きく依存する。特に、この点での制限は、重負荷6軸位置決めシステムに生じ、同様に高荷重用途のために拡張された作業空間を有するコンパクトな6軸位置決めシステムを提供するための努力が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的な位置決めシステムは、中国特許出願公開第107 134 209号明細書に記載されている。この位置決めシステムは、高荷重に耐える位置決めシステムとして設計されており、ベースプレートと、負荷プラットフォームと、6つの外部アクチュエータと、中心に配置された3つの負荷分散装置とを含む。負荷分散装置は、その下端ベースプレートに間接的に接続された斜めに配置された油圧シリンダを備え、その上端に、ローラブロックが配置されたスライドが設けられている。一端に固定された一対のロープは、このプーリブロック上を案内され、他端で別のスライドに取り付けられている。両方のスライドは、斜めに配置されたスライドレールに沿って動く。下側スライド上には、支持アームの下端がヒンジ式に配置されており、支持アームの上端は、負荷プラットフォームに接続されている。油圧シリンダを後退または延長することによって、上側スライド、およびケーブルプルを介して下側スライドが、支持アームと共に動く。ケーブルプルのおかげで、縮小が可能である。
【0004】
独国特許出願公開第100 60 032号明細書は、微細位置決め作業のための6自由度の平行機構に関する。構造は、ベースプラットフォームと、可動プラットフォームと、その間に配置された3つの外部リンクおよび内部リンクとを含む。リンクはアクチュエータとして設計されている。特に独国特許出願公開第100 60 032号明細書の図4から分かるように、外側リンクの下端は、内側リンクの下端によって囲まれた領域内に配置されている。内部リンクの上端は、共通の球状継手によって、プラットフォームの下方に離れて、中心で互いに接続されている。球状継手の内側部分は、プラットフォームに接続されている。この配置により、外側リンクは、内側リンクよりも直立した基本位置を有する。
【0005】
中国特許出願公開第107 538 231号明細書は、下側プラットフォームと、上側プラットフォームと、6つの斜めに配置されたアクチュエータと、中心に配置された3つの支持柱とを備える多軸位置決め装置に関する。負荷は、支持柱によって主に吸収される。支持柱は、中国特許出願公開第107 538 231号明細書の図3により詳細に示されており、その上端に上側プラットフォームに接続されたヒンジ装置であるリニアガイドを備える。リニアベアリングは、加圧ばねによってベース上に支持される。6つのアクチュエータは、精密な制御を提供する。したがって、本発明の課題は、コンパクトな設計、特により平坦な設計のための前述のタイプの6軸位置決めシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題は、請求項1に記載の特徴を有する6軸位置決めシステムによって解決される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明による6軸位置決めシステムでは、この点において、6つのアクチュエータは、各々が3つのアクチュエータを有する2つのグループに分割される。好ましくは、異なるグループのアクチュエータも異なるように構成される。第1のグループのアクチュエータは、第2のグループのアクチュエータによって囲まれた領域内のベース上に配置され、第1のグループのアクチュエータは、第2のグループのアクチュエータによって囲まれた領域内の可動ユニット上に配置される。第2のグループの3つのアクチュエータの各々の下端および上端は、それぞれの枢動締結システムによって、好ましくは少なくとも2つの枢動軸を用いて、ベースおよび可動ユニットにそれぞれ接続される。第1のグループの3つのアクチュエータの各々の上端は、好ましくは少なくとも2つの枢動軸を有する枢動締結システムによって、可動ユニットに接続される。第1のグループの3つのアクチュエータの各々の下端は、6軸位置決めシステムの調整動作中に、好ましくは少なくとも2つの枢動軸を用いて枢動することができる枢動締結システムによって、それぞれベースに接続される。さらに、作業空間が拡張された可動ユニットは、可動ユニットに取り付けられた第1のグループのアクチュエータの端部の周りを移動することができる。このようにして、第1のグループのこれら3つのアクチュエータを、第2のグループの3つのアクチュエータよりも短く構成することができ、必要に応じてより多くの持ち上げ力を提供することができる。したがって、第1のグループのアクチュエータと第2のグループのアクチュエータとの間の作業の一種の分割が可能であり、全体として、拡張された作業空間を有するよりコンパクトな、特により平坦な設計をもたらす。これは、両方のグループのアクチュエータが、可動ユニットの正確な調整および正確な位置決めに能動的に、かつ共同して関与することを意味する。対照的に、中国特許出願公開第107 134 209号明細書および中国特許出願公開第107 538 231号明細書の両方において、より正確に動作する6つの外部アクチュエータは、正確な調整および正確な位置決めを担当するが、内部負荷分散装置または支持柱は、純粋に負荷を支持する役割を果たす。したがって、本発明の好ましい変形例では、第1のグループの正確に3つのアクチュエータおよび第2のグループの正確に3つのアクチュエータも存在し、その精度は特に等しく良好である。
【0008】
この場合、動作として、またアクチュエータとして、電気信号を機械的運動または物理量の変化に変換し、したがって制御または調整されたプロセスに能動的に介入する駆動ユニットを意味する。
【0009】
好ましくは、可動ユニット上の第1のグループの3つのアクチュエータの枢動締結システムおよび/またはベース上の第1のグループの3つのアクチュエータの枢動締結システムは、各々互いに別々に構成することができ、すなわち、第1のグループの各アクチュエータは、他の枢動締結システムから離間して、可動ユニット上および/またはベース上に別個の枢動締結システムを有する。さらに、可動ユニット上の第2のグループの3つのアクチュエータの枢動締結システムおよび/またはベース上の第2のグループの3つのアクチュエータの枢動締結システムは、各々互いに別々に構成することができ、すなわち、第2のグループの各アクチュエータは、可動ユニット上および/またはベース上に、他の旋回マウントから離間した別個の枢動締結システムを有する。
【0010】
第1のグループの3つのアクチュエータが可能な限り大きなストローク荷重を吸収できるようにするために、一実施形態によれば、それらは長さが可変であるように構成され、第1のグループの3つのアクチュエータが各々、鉛直またはベースが及ぶ平面に対する垂直に対して、最大±30°、好ましくは最大±15°の角度範囲で可動であるように配置されるように、ベースおよび可動ユニットに枢動可能に接続される。基本位置では、ベースおよび可動ユニットは、鉛直線に対する角度基準が生じるように、それぞれ一般に水平に配置される。しかしながら、原理的には、6軸位置決めシステムは、それ自体異なる角度位置をとることができ、すなわち、例えば、ベースを水平から傾斜させることができるため、鉛直に対する参照が有利である。ベースが及ぶ平面は、例えば、グループの3つのアクチュエータの継手の中心を含む平面によって与えられる。
【0011】
好ましくは、第2のグループの3つのアクチュエータは、長さが可変であり得、第2のグループの3つのアクチュエータの各々が水平線に対して、またはベースが及ぶ平面に対する平行に対して、0°以上最大45°、好ましくは0°以上最大30°の角度範囲に配置されるようにベースおよび可動ユニットに枢動可能に接続され得る。したがって、第2のグループの3つのアクチュエータは、一般に、第1のグループの3つのアクチュエータよりもはるかに平坦に配置される。そのような構成では、第2のグループの3つのアクチュエータは、より高い位置決め経路を必要とする。これは、これらの3つのアクチュエータが第1のグループの3つのアクチュエータを越えて横方向に移動される場合にのみ可能である。
【0012】
第1のグループの3つのアクチュエータは、特に、一実施形態によれば、それらが基本位置において同じ長さを有し、かつ、この基本位置において第1のグループの3つのアクチュエータの主軸が、鉛直またはベースが及ぶ平面に対する垂直に対して平行に配置される場合、主に耐荷重アクチュエータとして構成することができる。この基本位置では、第1のグループのこれら3つのアクチュエータは、ほぼ全体の負荷を単独で受けることができるが、第2のグループの3つのアクチュエータは、主に位置決めに使用される。アクチュエータの長さが対応して変化すると、比率は変化し、メインリフト荷重は依然として第1のグループの3つのアクチュエータによって運ばれる。
【0013】
さらなる実施形態によれば、第2のグループの3つのアクチュエータは、長さが可変であり、基本位置を維持しながら、第1のグループの3つのアクチュエータの最小から最大ストローク位置までのストローク移動中に、第2のグループの3つのアクチュエータの各々が、水平またはベースが及ぶ平面に対する平行に対して0°以上15°以下、好ましくは0°以上30°以下の角度範囲で移動可能に配置されるように、ベースおよび可動ユニットに枢動可能に接続されることが提供される。したがって、その極限において、第2のグループの3つのアクチュエータは、最小ストローク位置では平坦または水平に、最大ストローク位置では鋭角に配置することができる。全体として、これは非常に平坦でコンパクトな設計をもたらす。
【0014】
標準的な部品および同一の部品も使用することができるが、第1のグループの3つのアクチュエータと第2のグループの3つのアクチュエータとが異なるように構成されることが好ましい。好ましい実施形態によれば、第1のグループの3つのアクチュエータは、第2のグループの3つのアクチュエータよりも大きい負荷容量を有する重負荷アクチュエータとして設計される。好ましくは、第1のグループの3つのアクチュエータは、第2のグループのアクチュエータの負荷容量の少なくとも2倍を有する。特に偏心的に作用する負荷の場合、第1のグループのアクチュエータが第2のグループのアクチュエータの少なくとも5倍の負荷を運ぶことができれば有利である。
【0015】
さらに、第1のグループの3つのアクチュエータは、ベースおよび可動ユニット上の第2のグループのアクチュエータによって境界付けられた領域内に配置されるため、これが特定の予測可能な方法で達成される場合が好ましく、したがって、必要に応じてより良好な負荷分散も得ることができる。一実施形態によれば、第1のグループの3つのアクチュエータの枢動締結システムの中心は、ベースおよび/または可動ユニット上の第1の円形線上にあり、第2のグループの3つのアクチュエータの枢動締結システムの中心は、可動ベースおよび/または可動ユニット上の対応する第2の円形線上にあり、第1の円形線は、ベースおよび/または可動ユニット上の対応する関連する第2の円形線内にあり、好ましくは、第1の円形線は、ベースおよび/または可動ユニット上の対応する関連する第2の円形線と同心に配置されることが提供される。ベース上の2つの円形線または可動ユニット上の2つの円形線のみが比較される。
【0016】
これに関連して、第1の円形線によって境界付けられたベースおよび/または可動ユニット上の領域は、対応して関連付けられた第2の円形線によって境界付けられたベースおよび/または可動ユニット上の領域の少なくとも2倍小さく、好ましくは少なくとも3倍小さく、さらに好ましくは少なくとも4倍小さいことがさらに提供され得る。このようにして、第1のグループの3つのアクチュエータが6軸位置決めシステム上で可能な限りコンパクトかつ中心にグループ化され、中心に配置された3つのアクチュエータとさらに外側に配置されたアクチュエータの両方の対応する構成に十分な空間が利用可能であることが保証される。
【0017】
アクチュエータの作業分布によれば、さらなる実施形態では、第2のグループの3つのアクチュエータの長さは、第1のグループのアクチュエータが中心位置にあるときに、第1のグループの3つのアクチュエータの長さの少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍大きいことが提供される。
【0018】
さらに、別の実施形態による6軸位置決めシステムは、可動ユニットが、第2のグループの3つのアクチュエータの、または第2のグループの3つのアクチュエータへの少なくとも1つの構成要素またはアタッチメントが、第1のグループの3つのアクチュエータの完全に後退した位置に挿入される凹部または窓を有するように構成されてもよい。可能な構成要素(例えば、ブラシレスDCモータまたはギアボックス)またはアタッチメントにもかかわらず、例えば、第2のグループのアクチュエータの完全に水平な配置がこの位置で可能であり、これは、障害になる構成要素が可動ユニットと衝突せず、凹部または窓に収容できるためである。これは、さらなるコンパクトさに大きく寄与する。
【0019】
アクチュエータのグループ化は、他の配置形態を可能にする。好ましくは、ベース上および可動ユニット上の第1のグループの3つのアクチュエータの枢動締結システムの中心点の接続線は、それぞれ三角形につながり、ベース上および可動ユニット上の第2のグループの3つのアクチュエータの枢動締結システムの中心点の接続線は、それぞれ三角形につながり、ベース上および可動ユニット上の対応して関連付けられた三角形は、それらの角の同じ向きを有するか、または互いに45°の最大角度だけ回転されることが提供される。ベース上の2つの三角形または可動ユニット上の2つの三角形のみが比較される。
【0020】
アクチュエータのグループ化はまた、ベースおよび/または可動ユニットの異なる構成を可能にする。有利な実施形態によれば、ベースおよび/または可動ユニットは、好ましくは丸みを帯びた角を有する三角形形状を有してもよく、または有しなくてもよい。これらの要素は、必要な寸法のみをとる。
【0021】
特に、標準的な構成要素を利用する実施形態は、有利には、第1のグループの3つのアクチュエータの完全な後退位置において、第2のグループの3つのアクチュエータの主軸の各々が、それぞれの関連付けられつながる三角形の隣接する側縁部および/またはベースおよび/もしくは可動ユニットの三角形形状の隣接する側縁部に対して最大±15°、好ましくは平行に傾斜するように構成される。特に、第2のグループの3つのアクチュエータが平行に配置される場合、ベースおよび可動ユニットの三角形形状は、同じように整列され、最良の場合には一致して互いに平行に整列される。
【0022】
別の実施形態では、有利には、第1および第2のグループの3つのアクチュエータの完全な後退位置において、第2のグループの3つのアクチュエータの主軸は各々、関連付けられつながる三角形の隣接する側縁部および/またはベースおよび/もしくは可動ユニットの三角形形状の隣接する側縁部に対して15°から45°、好ましくは約30°の範囲で傾斜して配置されることが提供される。これは、第2のグループの3つのアクチュエータの調整効果が増大し、また、第1のグループの3つのアクチュエータの配置のためにより多くのスペースが達成されるという事実につながる。これにより、特別に構成されたアクチュエータのための空間が与えられる。好ましい実施形態では、30°の角度を使用して、ベースおよび可動ユニットの三角形形状は、それに対応して互いに対して30°回転し得る。この場合、第2のグループのアクチュエータのための取り付け点を、対応してさらに外側に、特に関連する三角形形状の角に移動させることが可能である。
【0023】
第1および/または第2のグループのためにこの場合に使用されるアクチュエータは、可動調整装置(例えば、調整ピストン)を伸縮可能に伸縮させることができる受け取り装置を有する駆動ユニットであり、受け取り装置はベースに取り付けられ、可動調整装置は可動ユニットに取り付けられ、または受け取り装置は可動ユニットに取り付けられ、可動調整装置はベースに取り付けられる。実際の制御されたまたは調整された駆動ユニットは、好ましくは、受け取り装置内および/または受け取り装置上に配置される。
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による6軸位置決めシステムの第1の実施形態の斜視図である。
図2図1に示す6軸位置決めシステムの上面図であり、明確にするために可動ユニットは省略されている。
図3】本発明による6軸位置決めシステムの第2の実施形態の斜視図である。
図4図3の6軸位置決めシステムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1および図2に示す6軸位置決めシステム1の第1の実施形態は、三角形プラットフォームの形態のベース2と、やはり三角形プラットフォームの形態の可動ユニット3と、それらの間に配置されたアクチュエータとを有し、これらはより詳細に説明される。ベース2および可動ユニット3の各々は、実質的に均一な厚さの、鋼など、好ましくは金属のプレートによって形成される。ベース2と可動ユニット3との間に配置されたアクチュエータは、アクチュエータ5.1、5.2および5.3を含む第1のグループ4と、アクチュエータ7.1、7.2および7.3を含む第2のグループ6とにグループ化される。アクチュエータ5.1、5.2および5.3は、アクチュエータ7.1、7.2および7.3とは機能および構成が異なり、それぞれのグループ4または6のアクチュエータは同じ構成を有する。第1のグループ4のアクチュエータ5.1、5.2および5.3は、それらの下端8がベース2上にあり、それらの上端9が可動ユニット3上にある状態で枢動可能に配置される。枢動可能な構成は、2つの軸を中心とした枢動運動が可能であるように、自在継手(カルダン継手)の形態である。よりコンパクトな配置のために、ベース2は、自在継手の軸が窓凹部10内に取り付けられるように、アクチュエータ5.1、5.2および5.3の各々の下端8を取り付けるための窓凹部10を有する。同様に、可動ユニット3には、アクチュエータ5.1、5.2および5.3の上端9を枢動可能に配置するための3つの窓凹部11が設けられている。ここでも、対応する自在継手の軸が窓凹部11内に固定されている。
【0027】
アクチュエータ7.1、7.2および7.3の下端は、ベース2上に配置されたそれぞれの軸受ブロック13上に枢動可能に配置されている。枢動可能な構成では、2つの軸を中心に枢動するために自在継手が再び使用される。同様に、アクチュエータ7.1、7.2および7.3の上端14は、可動ユニット3に取り付けられた軸受ブロック15によって配置される。また、上端14において、枢動配置は、2つの軸を中心に枢動するための自在継手によって作られる。
【0028】
選択された配置により、第1のグループ4のアクチュエータ5.1、5.2および5.3は、第2のグループ6のアクチュエータ7.1、7.2および7.3よりも直立して配置される。このような配置には、窓凹部10および11ならびに2つの軸受ブロック13および15も有用である。窓凹部10および11の各々は、それぞれ対応する軸受ブロック13または15と比較して、ベース2または可動ユニット3のさらに内側に位置する。これにより、第1のグループ4のアクチュエータ5.1、5.2、5.3は、ベース2または可動ユニット3上の第2のグループ6のアクチュエータ7.1、7.2、7.3によって囲まれた領域内に配置される。また、可動ユニット3を介して上方から負荷がかかるため、アクチュエータ5.1,5.2,5.3によって主負荷を吸収することも可能である。したがって、これらは、第2のグループ6の3つのアクチュエータ7.1、7.2、7.3よりもはるかに高い負荷容量を有する、高荷重に耐えるアクチュエータとして構成される。6つのアクチュエータはすべて長さ調整可能(伸縮式)であり、ブラシレスDCモータによって駆動される。制御は、コネクタプラットフォーム16およびコネクタ17によって実行される。このようにして、電流および電圧供給が提供される。センサ(変位センサなど)は、図面に示されていない。しかしながら、6軸位置決めシステムの基本的な動作および制御はそれ自体既知であり、そのためここでは詳細に説明されない。いずれの場合も、可動ユニット3は、ベース2に対して上昇、下降、またはシフトすることができ、3つの空間軸すべての周りで傾斜することができる。アクチュエータ5.1、5.2、5.3および7.1、7.2および7.3の調整可能性、ならびにそれらの配置は、可能な作業空間を決定する。使用される駆動技術により、重負荷の本領域においてさえ、非常に正確な制御および位置決めが可能である。
【0029】
図1および図2では、6軸位置決めシステムは、ベース2と可動ユニット3とが互いに平行に整列される基本位置に示されており、すなわち、第1のグループ4のアクチュエータ5.1、5.2および5.3は同じ長さを有し、第2のグループ6のアクチュエータ7.1、7.2および7.3は同じ長さを有する。さらに、アクチュエータ5.1、5.2および5.3はそれらの中心位置にあり、これがアクチュエータ7.1、7.2および7.3もそれらの中心位置をとる理由である。この基本位置では、アクチュエータ5.1、5.2および5.3は、それらの主軸Aと正確に鉛直に整列され、すなわち、それらはベース2が及ぶ平面に対して垂直である。この位置では、アクチュエータ7.1、7.2および7.3は、水平またはベース2が及ぶ平面に対する平行Pに対して、約20°の角度αを有する。
【0030】
図1および図2に示す実施形態の利点は、既知のアクチュエータをここで使用することができ、工事が必要とされないことである。それにもかかわらず、これは、6軸位置決めシステムの非常にコンパクトで平坦な設計をもたらす。
【0031】
図2から、可動ユニット3におけるアクチュエータ5.1,5.2,5.3の接続中心(自在継手の交点)が、円形線18上に配置されていることが分かる。ベース2上の下端8における接続中心の配置についても同様である。アクチュエータ7.1,7.2,7.3の接続中心(例えば、自在継手の交差点)は、円形線19において可動ユニット3上に位置している。同様に、下端12の接続点も、円形線19上に位置している。ベース2に属する円形線18,19と可動ユニット3に属する円形線18,19とは互いに対して同心円状に配置されている。円形線18で囲まれた領域は、円形線19で囲まれた領域よりも実質的に小さい(少なくとも2倍小さい、好ましくは3倍小さい、さらに好ましくは少なくとも4倍小さい)。これは、とりわけ、アクチュエータ5.1、5.2および5.3の小さなストロークであっても比較的大きな枢動が起こり得ることを保証するコンパクトなグループ化をもたらす。それにもかかわらず、アクチュエータ5.1、5.2、5.3および7.1、7.2、7.3の相互作用において正確な位置決めが可能である。
【0032】
図1および図2に示すアクチュエータ5.1、5.2および5.3の中心位置では、第2のグループ6のアクチュエータ7.1、7.2および7.3は、第1のグループ4のアクチュエータよりもかなり長い(少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍大きい)。したがって、第2のグループ6のアクチュエータ7.1、7.2および7.3の最大調整経路は、第1のグループ4のアクチュエータ5.1、5.2および5.3の最大調整経路よりも実質的に大きい(少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍大きい)。
【0033】
さらに、図2から、第1のグループ4の3つのアクチュエータ5.1、5.2および5.3の枢動締結システムの中心の各々が、ベース2上および可動ユニット3上の三角形20につながることが分かる。ベース2上および可動ユニット3上の第2のグループ6の3つのアクチュエータ7.1、7.2および7.3の枢動締結システムの中心の接続線もまた、三角形21につながる。示されている基本位置では、三角形20および21は同じ向きを有し、これは付随してベース2および可動ユニット3の三角形形状の向きにも対応する。したがって、第2のグループ6の3つのアクチュエータ7.1、7.2および7.3の主軸Aは各々、基本位置において、これらのつながる三角形20、21の側縁、またはベース2および可動ユニット3の三角形形状に平行に延びる。
【0034】
以下では、先行する実施形態の動作モードおよび動作をより詳細に説明する。
アクチュエータ5.1、5.2および5.3ならびに7.1、7.2および7.3の駆動の目標制御は、ベース2に対する可動ユニット3の目標位置決めをもたらす。所与の作業空間内の所望の6軸位置決めが可能である。主負荷は、昇降時に第1のグループ4のアクチュエータ5.1,5.2,5.3によって担われる。したがって、これらは相当な負荷を移動させることができるように、対応する重負荷アクチュエータとして構成される。第1のグループ4のアクチュエータ5.1、5.2および5.3は、鉛直またはベース2が及ぶ平面に対する垂直に対して限定された角度範囲だけ枢動する(最大±30°、好ましくは最大±15°)。アクチュエータ7.1、7.2および7.3はまた、水平線またはベース2が及ぶ平面に対する平行線Pに対して限られた角度範囲(約20°から最大45°、好ましくは約20°から最大30°)だけ枢動するように適合されている。
【0035】
例えば、第2のグループ6のアクチュエータ7.1、7.2および7.3を短くするかまたは伸縮させ、それに対応して第1のグループ4のアクチュエータ5.1、5.2および5.3を枢動させて長くすることによって、可動ユニット3を、必ずしも距離を変えることなく、ベース2に対して回転させることができる。全体として、アクチュエータ7.1、7.2および7.3の必要経路は、アクチュエータ5.1、5.2および5.3の経路よりも大きい。
【0036】
概して、結果は、コンパクトで、特に平坦で、重負荷を運ぶことができる6軸位置決めシステムである。これは、アクチュエータの2つのグループの機能をそれに応じてグループ化および分割することによって達成される。
【0037】
図3および図4を参照して、本発明による6軸位置決めシステム1の第2の実施形態をより詳細に説明する。以下では、前の実施形態との主な違いのみを説明する。したがって、同様の構成要素について同じ参照番号を使用して、補足として上記の説明を参照し、本質的な違いのみに集中する。
【0038】
図3および図4に示す6軸位置決めシステム1は、ここでも、特別に適合されたアクチュエータを使用して特別に構成されている。アクチュエータ5.1、5.2および5.3は、後退位置においてさらにコンパクトであり、すなわち、長さがより短く、アクチュエータ7.1、7.2および7.3は、それらの主軸Aがアクチュエータ5.1、5.2および5.3の完全な後退位置においてベース2が及ぶ平面に対して水平または平行になるように配置することができる(特に図3を参照されたい)。これにより、6軸位置決めシステム1のさらにコンパクトな、特により平坦な構成が得られる。
【0039】
別の重要な違いは、アクチュエータグループ4および6の互いに対する位置決め、すなわちグループ化である。図4から、まず、三角形のベース2と三角形の可動ユニット3とが基本位置において互いに対して30°回転して配置されていることが分かる。この目的のために、軸受ブロック13および15ならびに対応するアクチュエータ7.1、7.2および7.3は、ベース2上にある角度で、また基本位置において可動ユニット3に対してある角度で配置される。すなわち、第1および第2のグループ4および6の3つのアクチュエータ5.1、5.2および5.3の完全な後退位置では、第2のグループ6の3つのアクチュエータ7.1、7.2および7.3の主軸Aは、対応するつながる三角形21の側縁および/またはベース2および可動ユニット3の三角形形状の側縁に対してそれぞれ約30°に配置される。これはまた、アクチュエータ7.1、7.2および7.3の主軸Aが、示されている基本位置(図4)において三角形20の側縁に平行であることを意味する。したがって、ベース2および可動ユニット3上の窓凹部10および11または取り付け点も、ベース2または可動ユニット3のそれぞれの三角形形状に対して30°回転して対応して配置される。対応する軸受ブロック13および15もまた、結果としてより安定にすることができ、逆U字形を有することができる。
【0040】
アクチュエータ7.1、7.2および7.3は、アタッチメント22を有する。これは、例えば、アクチュエータ7.1、7.2および7.3の中心により近く移動されるブラシレスDCモータとすることができる。このアタッチメント22は、可動ユニット3の方向に突出している。図3に示すアクチュエータ7.1、7.2、7.3の敷設された平坦な位置では、各々が可動ユニット3と衝突する。したがって、可動ユニット3は、これらの領域の各々に、アタッチメント22が収容される凹部23を有する。凹部23は、アタッチメント22と可動ユニット3との衝突を引き起こすことなく、可動ユニット3の適切な動き(すなわちベース2に対する回転を含む)を可能にするのに十分な大きさになるように選択される。
【0041】
アクチュエータ7.1、7.2および7.3はまた、図3および図4に示す基本位置においてそれらの中心位置にある。この基本位置から開始して、これらは、水平線またはベース2が及ぶ平面に対する平行線Pに対して鋭角α(0°以上最大45°、好ましくは0°以上最大30°)の角度範囲で枢動することができる。
【0042】
アクチュエータグループ4および6のグループ化および特殊化により、高負荷6軸位置決めシステムの前記平坦で非常にコンパクトな構成が得られる。このようにして、適切な寸法の6軸位置決めシステムを用いて最大2t以上の荷重を移動させ、提供される作業空間内に正確に位置決めすることができる。
【0043】
明確にするために、図3および図4はコネクタプラットフォーム16およびコネクタ17を示していないことにも留意されたい。最初に述べた実施形態によれば、図示の6軸位置決めシステム1は、6つのアクチュエータの相互作用によって作動および制御される。
【0044】
参照符号のリスト
1 6軸位置決めシステム
2 ベース
3 可動ユニット
4 第1のグループ
5.1,5.2,5.3 アクチュエータ
6 第2のグループ
7.1,7.2,7.3 アクチュエータ
8 下端
9 上端
10 窓凹部
11 窓凹部
12 下端
13 軸受ブロック
14 上端
15 軸受ブロック
16 コネクタプラットフォーム
17 コネクタ
18 円形線
19 円形線
20 三角形
21 三角形
22 アタッチメント
23 凹部
α 角度
主軸7.1、7.2、7.3
主軸5.1、5.2、5.3
P 平行線
図1
図2
図3
図4