(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】適合特徴部を有する吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/537 20060101AFI20241003BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20241003BHJP
A61F 13/511 20060101ALI20241003BHJP
A61F 13/532 20060101ALI20241003BHJP
A61F 13/535 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61F13/537 310
A61F13/53 300
A61F13/511 300
A61F13/511 100
A61F13/532 200
A61F13/535 200
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023019873
(22)【出願日】2023-02-13
(62)【分割の表示】P 2020523260の分割
【原出願日】2018-11-06
【審査請求日】2023-03-10
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー、フィリップ、ビュイックソンタグ
(72)【発明者】
【氏名】シャーディッシュ、プーンドル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、リー、ハモンズ
(72)【発明者】
【氏名】ケリン、アン、アローラ
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-515972(JP,A)
【文献】特表2013-518701(JP,A)
【文献】特開2015-198798(JP,A)
【文献】特開2017-012439(JP,A)
【文献】特開2003-291234(JP,A)
【文献】特許第6029715(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て吸収性物品(1510、1700)であって、長手方向中心線及び横方向中心線と、前記吸収性物品の一方の端部に配置された第1の領域(1520)と、前記吸収性物品の反対側の端部に配置された第2の領域(1540)と、前記第1の領域と前記第2の領域との間に配置された標的領域(1530)と、を有し、前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記標的領域のそれぞれは、前記使い捨て吸収性物品を横切って横方向に延在しており、前記吸収性物品は、吸収性物品の別の部分とは異なる視覚パターン、トポグラフィー、吸収速度又は特性、曲げパラメータ、圧縮弾性率、弾力性、伸張パラメータ、又はこれらの組み合わせのいずれかのうちの1つを呈する領域であるゾーンを含み、前記使い捨て吸収性物品は更に、
トップシート(1217、1317、1714、1924)と、
バックシート(1716、1925)と、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コア(1219、1319、1718、1928)と、
前記トップシートと前記吸収性コアとの間に配置された流体管理層と、
少なくとも前記標的領域内に配置された前記ゾーンである標的ゾーン(1535)であって、前記標的ゾーンは、前記吸収性コアと前記トップシート又は前記流体管理層のうち少なくとも1つとの組み合わせに、第1の複数の適合特徴部(1215、1315、1415、1615)を含む、標的ゾーンと
、
前記吸収性コア、前記トップシート、前記流体管理層、又は前記吸収性コアと前記流体管理層若しくは前記トップシートのうち少なくとも1つとの組み合わせのうち、少なくとも1つが含む長繊維ネットワークと、を含み、
前記長繊維ネットワークは、6mmより長い繊維を含み、
前記複数の適合特徴部は、エンボス加工によって形成されたものでなく、
前記適合特徴部において、前記吸収性コアと前記トップシート及び前記流体管理層のうち少なくとも1つとが混合している、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記適合特徴部は、隣接する支柱間に形成された凹部であり、
前記長繊維ネットワークを形成する繊維は、前記凹部に広がり、前記凹部の底部を支持している、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性コアは、前記トップシート、前記バックシート及び前記流体管理層のいずれよりも多い体積を有する、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
第2の複数の適合特徴部を更に含み、前記第2の複数の適合特徴部が、形状、深さ、長さ、隣接する特徴部間の距離、1平方cm当たりの特徴部の密度、又は前記特徴部の向きのうち少なくとも1つにおいて、前記第1の複数の適合特徴部とは異なる、請求項1~3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記第2の複数の適合特徴部を、前記ゾーンである第1のゾーン及び/又は第2のゾーンが含んでいる、請求項4に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性物品が、前記第1のゾーンと、前記第2のゾーンと、を含み、前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンが、前記標的領域内の前記標的ゾーンの横方向及び/又は長手方向外側に配置されている、請求項5に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性コアが複数のセルロース繊維を含み、前記吸収性コアが前記長繊維ネットワークを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収性コアが、複数のセルロース繊維及び複数の結合性繊維を含むエアレイド吸収性コアであり、前記結合性繊維が、前記吸収性コアの少なくとも15重量%を構成する、請求項1~7のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記結合性繊維がステープル長である、請求項8に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記結合性繊維が連続性である、請求項8に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項11】
前記長繊維ネットワークを、前記吸収性コアと前記流体管理層の組み合わせが含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項12】
前記吸収性コアが第1の坪量を含み、前記流体管理層が第2の坪量を含み、前記第2の坪量が前記第1の坪量の少なくとも25パーセントである、請求項11に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項13】
前記流体管理層がステープル長繊維を含む、請求項12に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項14】
前記流体管理層が流体交絡又はニードルパンチされている、請求項11~13のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項15】
前記流体管理層がセルロース繊維及び複数の結合性繊維を含み、前記吸収性コアが第1の坪量を含み、前記結合性繊維が第2の坪量を含み、前記第2の坪量が前記第1の坪量の少なくとも25パーセントである、請求項11~14のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項16】
前記長繊維ネットワークを、前記吸収性コアと前記トップシートの組み合わせが含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項17】
前記長繊維ネットワークを、前記吸収性コア、前記流体管理層、及び前記トップシートの組み合わせが含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項18】
前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンのそれぞれが、前記第1
の領域から前記第2
の領域まで延在している、請求項6に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項19】
前記標的ゾーンが、前記第1の領域から前記第2の領域まで延在している、請求項18に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項20】
前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンのそれぞれが、前記標的ゾーンの長手方向外側に配置されている、請求項18~19のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項21】
前記標的ゾーンが、本特許請求の範囲と共に提出された明細書に開示される3点曲げ試験によって測定するとき、前記第1のゾーン及び/又は前記第2のゾーンよりも低い曲げ弾性率及び/又は曲げ剛性を有する、請求項6に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項22】
前記吸収性物品が、本特許請求の範囲と共に提出された明細書に開示されるブロット試験、キャリパー試験、及び3点曲げ試験によって測定するとき、11未満のブロット対キャリパー比、及び/又は、4以下の剛性対キャリパー比を有する、請求項6に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項23】
前記トップシートが、少なくとも20gsmの坪量を有する疎水性不織布を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適合特徴部を有する吸収性物品、及び、吸収性物品に適合特徴部を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品、例えば、おむつ、トレーニングパンツ、婦人用パッド、成人用失禁パッドなどは、消費者の間で広く使用されている。一般に、これらのような吸収性物品は、トップシートとバックシートと、を含み、それらの間に配置される吸収性コアを有する。一部のものは、トップシートと吸収性コアとの間、又はバックシートと吸収性コアとの間に追加の層を含み、更なる流体管理特性を提供し得る。
【0003】
一般に、吸収性物品は、液体侵襲を吸収し、トップシート上の侵襲点から吸収性コアへと液体を移動させることが期待される。また、液体侵襲が吸収されると、吸収性物品は、吸収性コアから流出し、トップシートを再度濡らす液体の量を制限することが期待される。妥当な時間内で液体侵襲を捕捉するため、吸収性コア又はトップシートとコアとの間の追加の層は、トップシートと液体接触し、トップシートから液体侵襲を適切に排出させなければならない。
【0004】
しかしながら、捕捉速度に影響を及ぼす不確定要素は、再湿潤性能と正反対であり得る。例えば、いくつかの従来のトップシートは、毛管現象と透過性と再湿潤特性との間のトレードオフを必要とする。そのため、流体が迅速に通過するようにトップシートを親水性にすることによって良好な液体捕捉を達成することができるが、そのときトップシートは、典型的には、不十分な再湿潤性能に悩まされる。逆もまた真である。疎水性トップシートは、より良好な再湿潤性能を提供し得るが、トップシートの疎水性により、流体捕捉時間が長くなる可能性が高い。
【0005】
加えて、吸収性物品は、流体捕捉及び再湿潤性能に加えて、快適な感触をユーザーに提供することが期待される。特に婦人用衛生物品又は成人女性用失禁物品の文脈において、これは、実際の課題であり得る。複雑な女性の解剖学的構造に対する高い適合性を提供するいくつかの物品が製造されている場合があるが、そのような適合性は、吸収性物品の構造的一体性を低下し得る。物品の構造的一体性が低下すると、使用中にバンチ化し、また物品の元の形態への回復を抑制し得る。残念ながら、物品のバンチ化により、着用者の不快感と使用中の漏れをもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、快適な適合性及び弾力性、並びに良好な流体動態を提供するもののトレードオフに対処する、改善された吸収性物品を有することが有益であろう。また、吸収性物品の漏れ性能を犠牲にすることなく、かかる物品を作製するための方法を提供することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、層間の改善された流体移送速度及び予想外に改善された機械的適合性、及び身体に対する快適な適合性を有する吸収性物品、並びにその製造方法に関する。
【0008】
本開示の使い捨て吸収性物品は、一緒に組み立てられて完成した物品を形成する複数の層を含む。例えば、本開示の使い捨て吸収性物品は、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアと、を含む。流体管理層、例えば、二次トップシート又は捕捉層は、トップシートと吸収性コアとの間に配置されてもよい。追加の層は、吸収性コアとバックシートとの間、及び/又は、吸収性コアとトップシートとの間に位置付けられてもよい。
【0009】
使い捨て吸収性物品は、長手方向中心線及び横方向中心線を有し、第1の領域と、第2の領域と、第1の領域と第2の領域との間に配置された標的領域と、を更に含んでもよい。第1領域、第2領域、及び標的領域のそれぞれは、使い捨て吸収性物品を横切って横方向に延在する。使い捨て吸収性物品は、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアと、トップシートと吸収性コアとの間に配置された流体管理層と、標的領域内に配置された標的ゾーンであって、少なくとも吸収性コア内、又は、吸収性コアとトップシート若しくは流体管理層のうちの少なくとも1つとの組み合わせに、第1の複数の適合特徴部を含む、標的ゾーンと、吸収性コア、トップシート、流体管理層、又は、吸収性コアと流体管理層又はトップシートのうちの少なくとも1つとの組み合わせのうち、少なくとも1つが含む長繊維ネットワークと、を更に含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】従来の積層技術によって接合された2つの材料の積層体を示す断面図である。
【
図1B】従来の積層技術によって接合された2つの材料の積層体を示す断面図である。
【
図2A】本開示による、トップシート及び二次トップシートの断面図である。
【
図2B】従来の加工の積層体と本開示の材料との間の流体管理データを示すグラフである。
【
図2C】本開示による、トップシート及び吸収性コアの断面図である。
【
図3A】本開示のウェブ間/ウェブ内に密着を作り出すプロセスを示す概略図である。
【
図3B】本開示のウェブ間/ウェブ内に密着を作り出すプロセスを示す概略図である。
【
図3C】本開示のウェブ間/ウェブ内に密着を作り出すプロセスを示す概略図である。
【
図3D】本開示のウェブ間/ウェブ内に密着を作り出すプロセスを示す概略図である。
【
図3E】本開示のウェブ間/ウェブ内に密着を作り出すプロセスを示す概略図である。
【
図3F】本開示のウェブ間/ウェブ内に密着を作り出すプロセスを示す概略図である。
【
図4】トップシートウェブの上部に描かれている別個の捕捉/分配ウェブ部分を有するトップシート及び捕捉/分配積層体ウェブの概略図である。
【
図5】突出部を含むトップシート及び捕捉積層体ウェブの概略図である。
【
図6A】本開示の積層体ウェブに突出部を形成することができる、一対のロールの図である。
【
図6B】
図6Aに示される装置で利用され得る例示的なロールパターンを示す写真である。
【
図7A】本開示のウェブに突出部を形成することができる、別の対のロールの図である。
【
図7B】本開示のウェブに突出部を形成することができる、別の対のロールの図である。
【
図7C】本開示のウェブに突出部を形成することができる、別の対のロールの図である。
【
図7D】本開示のウェブに突出部を形成することができる、別の対のロールの図である。
【
図8A】トップシート及び捕捉/分配積層体ウェブ中に孔及び突出部の両方を形成することができる、別の対のロール又は他の要素の図である。
【
図8B】トップシート及び捕捉/分配積層体ウェブ中に孔及び突出部の両方を形成することができる、別の対のロール又は他の要素の図である。
【
図8C】トップシート及び捕捉/分配積層体ウェブ中に孔及び突出部の両方を形成することができる、別の対のロール又は他の要素の図である。
【
図8D】トップシート及び捕捉/分配積層体ウェブ中に孔及び突出部の両方を形成することができる、別の対のロール又は他の要素の図である。
【
図9A】本開示のウェブに孔を形成することができる、別の対のロールの図である。
【
図9B】本開示のウェブに孔を形成することができる、別の対のロールの図である。
【
図10】本開示のウェブ内のゾーンに孔及び突出部を形成することができる装置の図である。
【
図11A】物品の処理領域を含む吸収性物品の概略図である。
【
図11B】物品の処理領域を含む吸収性物品の概略図である。
【
図11C】本開示による吸収性物品の追加の形態を示す長手方向に沿った概略断面図である。
【
図11D】本開示による吸収性物品の追加の形態を示す長手方向に沿った概略断面図である。
【
図11E】本開示による吸収性物品の追加の形態を示す長手方向に沿った概略断面図である。
【
図12A】本開示によって構築されたウェブの平面図を示す写真である。
【
図13A】本開示によって構築された別のウェブの平面図を示す写真である。
【
図14】可視化を容易にするために誇張された特徴部を示す、本開示のウェブの概略断面図である。
【
図15A】本開示の長繊維ネットワークを欠く材料から構築されたウェブの平面図を示す写真である。
【
図16】可視化を容易にするために誇張された特徴部を示す、本開示のウェブの概略断面図である。
【
図17A】本開示によって構築された吸収性物品の平面図を示す写真である。
【
図17B】本開示のウェブの他の可能性のあるパターン配置を示す概略図である。
【
図18】吸収性物品の作製のための部分的例示的プロセスの概略である。
【
図19】本開示に従って構築された婦人用衛生物品、すなわち生理用ナプキンの上面図である。
【
図20】本開示による、いくつかの層を部分的に取り除いた吸収性物品の平面図である。
【
図21】本明細書に記載される適合特徴部を作製するための細工部を示す写真である。
【
図22】本明細書に記載される孔パターンを含む不織布ウェブの写真である。
【
図23】本明細書に記載されるNMR mouse試験法のための装置の概略図である。
【
図25】本明細書に記載されるバンチ圧縮試験法のための装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用するとき、「使い捨て吸収性物品」又は「吸収性物品」は、それぞれ使用後の廃棄が意図される、おむつ、トレーニングパンツ、おむつパンツ、再締結可能なパンツ、成人用失禁パッド、成人用失禁パンツ、婦人用衛生パッド、タンポン、ペッサリーデバイス、クリーニングパッドなどの物品について使用されるものとする。
【0012】
本明細書で使用するとき、「親水性」及び「疎水性」は、材料表面上の水の接触角に対して当該技術分野において十分確立された意味を有する。したがって、約90度を超える水接触角を有する材料は、疎水性と見なされ、約90度未満の液体接触角を有する材料は、親水性と見なされる。疎水性である組成物は、材料の表面上での水の接触角を増大させる一方、親水性である組成物は、材料の表面上での水の接触角を縮小させることとなる。
上記にかかわらず、材料と組成物間、2つの材料間、及び/又は、2つの組成物間の相対疎水性又は親水性への言及は、その材料又は組成物が疎水性又は親水性であることを意味しない。例えば、組成物は、材料よりも疎水性であってよい。この場合、組成物及び材料がいずれも疎水性でなくてもよい。しかし、組成物が呈する接触角は、材料のそれよりも大きい。別の例として、組成物は、材料よりも親水性であってよい。この場合、組成物及び材料がいずれも親水性でなくてもよい。しかし、組成物が呈する接触角は、材料が呈するものよりも小さい。
【0013】
「フィラメント」という用語は、紡糸プロセス、メルトブローンプロセス、メルトフィブリル化若しくはフィルムフィブリル化プロセス、又は電界紡糸生産プロセス、あるいはフィラメントを製造するための任意の他の好適なプロセスによって生産される、任意の種類の連続化学繊維を指す。フィラメントの文脈内の用語「連続」は、ステープル長繊維が特定の標的とする長さに切断されているステープル長繊維とは区別できる。対照的に、「連続フィラメント」は、所定の長さに切断されず、代わりに、ランダムな長さで破断することができるが、通常、ステープル長繊維よりもはるかに長い。
【0014】
本明細書で使用するとき、「機械方向」とは、ウェブが吸収性物品加工プロセスを経て流れる方向を指す。簡潔にするために、「MD」と呼ぶことができる。
【0015】
本明細書で使用するとき、「機械横断方向」とは、MDに垂直な方向を指す。簡潔にするために、「CD」と呼ぶことができる。
【0016】
本開示の吸収性物品は、改善された流体処理、適合性、及び回復性を提供することができる。各ユーザーの固有の解剖学的形状、及びユーザーが着用中に吸収系を変形させる方法に基づいて屈曲可能かつ成形可能である、従来のマイクロスケール及び/又はマクロスケールに対してメソスケールでの屈曲様式の繰り返しパターンを利用することにより、吸収性製品とユーザーとの間の改善された接触を有することができる吸収性構造体を作製できることが見出された。
【0017】
発明者は、驚くべきことに、吸収性物品の層間に密着を形成すると、改善された機械的適合と共に改善された流体動態が達成され得ることを見出した。発明者はまた、正確に実装されない場合、そのような層間の密着は、対応する吸収性物品において漏れの問題を生じ得ることを見出した。加えて、一体化の規模に応じて、発明者は、驚くべきことに、いくつかの一体化プロセスが、流体動態の利益に加えて、ユーザーの身体の複雑な輪郭への適合性という更なる利益を提供できることを見出した。
【0018】
密着していない、従来のように加工されたトップシート及び二次トップシートの組み合わせの断面図を
図1A及び1Bに示す。
図1Aでは、二次トップシートに溶融結合されたトップシートが横断面で示されている。層は共に接合されているが、それらは密着していない。例えば、トップシートと二次トップシートとの間に開口部7が示されている。加えて、溶融結合領域9は、トップシート及び二次トップシートの構成材料をほぼ間違いなく一体化しているが、構成材料の形態を破壊し、その代わりに液体が通過しないフィルム様領域を形成する。したがって、溶融結合したトップシート及び二次トップシートは、本明細書に記載される密着を欠く。
【0019】
図1Bでは、接着剤によって接合されたトップシート及び二次トップシートの断面図が示されている。
図1Aのトップシート及び二次トップシート構成と同様に、
図1Bに示される構成もまた、トップシートと二次トップシートとの間に開口部7を含む。したがって、溶融結合構成と同様に、接着構成は、本明細書で所望され、説明されるトップシートと二次トップシートとの間の密着を提供しない。
【0020】
層間の接触を促進する別の従来の方法は、真空の利用を伴う。形成中、基材、例えば不織布を真空コンベヤーに曝露させることができる。追加の材料、例えば繊維を基材上に堆積させることができる。基材と繊維との間の境界面において、真空は、ある程度の材料の一体化を引き起こすことができるが、これは、本明細書に開示される一体化によって作り出される密着ではなく、表面現象であると考えられる。
【0021】
更に、エンボス加工は、ほぼ間違いなく隣接する層間に密着を生じさせるが、エンボス加工は、圧縮による高密度化された領域を作り出す傾向がある。また、前述したように、領域の高密度化は、局所的な剛性を作り出すことがあり、適合性の問題が生じ得、使用中の消費者の快適性に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、本明細書の隣接する層間の所望の密着には、エンボス加工を含まない。
【0022】
図1A及び1Bに示される従来の構成とは対照的に、
図2Aには、本開示のトップシート及び二次トップシートの断面図が示されている。
図2Aは、二次トップシートと水流交絡されたトップシートの断面図を示す。図示されるように、トップシートの構成材料及び二次トップシートの構成材料は、Z方向に一体化されている。このZ方向の一体化は、トップシートと二次トップシートとの間の断面全体で、トップシートと二次トップシートとの間に密着を作り出すことができ、トップシートと二次トップシートとの間に開口部がないか、又は開口部の数が減少する。
【0023】
本明細書で使用するとき、「密着」は、吸収性物品の層の一体化を指す。この一体化は、下層の構成材料が上層を介してより容易にアクセス可能であるように、層の構成材料を接触させる。例えば、層間の構成材料の統合によって、下層の構成材料は、上層を介してより容易にアクセス可能である。また、前述したように、層間の密着は、エンボス加工及び結合について説明したように流体移送を阻止するのではなく、上層から下層へのより効率的な流体移送を可能にする。例えば、1つの層のフィラメント及び/又は繊維は、隣接する層に入り込むと考えられる。このフィラメント及び/又は繊維の貫入は、1つの層と別の層との間の境界面を横切る架橋部を提供すると考えられる。更に、この架橋部は、1つの層から別の層への流体移送を容易にすると考えられる。前述した従来のプロセスとは異なり、本明細書に記載されるプロセスによって作り出される密着は、表面のみではなく、隣接する層中のミリメートル単位の深さにおいて、材料層の一体化を作り出すことができる。加えて、本明細書に記載されるように、隣接する層間に密着を作り出すことによって、得られる吸収性物品は、層を一緒に保持するために、接着剤に依存しなくてよい。接着剤は剛性を増加させる傾向があり、適合性に悪影響を及ぼす得、場合によっては、流体の移動を阻止し得る。最後に、本明細書に記載される密着は、本開示に記載されるプロセスを介する密着がもたらし得る点で真空形成によって作られる表面相互作用(二次元)とは異なり、下にある層、例えば吸収性コアの材料に三次元アクセスを提供する。
【0024】
水流交絡されたトップシート/二次トップシートの組み合わせの流体捕捉速度を示すデータを
図2Bに示す。
図2Bに示されるように、吸収性コアと連結された水流交絡されたトップシート及び二次トップシートは、曲線201によって表され、従来処理されたトップシート、二次トップシート、及び吸収性コアは曲線200によって示される。図示されるように、水流交絡されたトップシート及び二次トップシートを有する試料は、曲線200に対する曲線201の勾配によって示されるように、より迅速な流体捕捉を示す。加えて、経時的に、水流交絡されたトップシート及び二次トップシートを有する試料は、従来処理されたトップシート、二次トップシート、及び吸収性コアの組み合わせよりも、トップシートの表面から流体をより迅速に移動させる。
図2Bに示されるデータは、NMR-Mouse法、例えば、Magritek Inc.(San Diego,CA)から入手可能なProfile NMR-MOUSE model PM25 with High-Precision Liftによって取得した。NMR-Mouse法は、
図2Bに示されるトップシート、二次トップシート、及び吸収性コア試料の上部200マイクロメートルにある液体量を測定した。
【0025】
図2Cは、吸収性コアとZ方向に密着するトップシートの断面図である。トップシート及び二次トップシートとほぼ同様に、トップシートと吸収性コアとの間に明らかな開口部は存在しない。トップシート及び吸収性コアは、本明細書に記載されるように、メソスケールプロセスを受けた。図示されているように、複数のピーク部及び凹部が存在する。トップシートと吸収性コアとの間の密着により、トップシート/吸収性コア積層体のこのような構成は、流体捕捉及び再湿潤を改善すると考えられる。
【0026】
本開示の使い捨て吸収性物品は、少なくとも1つの密着領域を含み、そこでは、トップシート、二次トップシート、吸収性コア、トップシートとバックシートとの間の追加の層、又はそれらの任意の組み合わせが密着部を含む。層間の密着を形成することは、隣接する層の構成材料を機械的に処理する操作を必要とする。例えば、隣接する層の構成材料は、
図2A及び
図2Bに関連して上述したように、水流交絡によって処理されてもよく、又は、
図2Cに関して言及したように、メソスケールプロセスを受けてもよい。これらのプロセスは、吸収性物品の隣接する層の間に密着を作り出すことができる。吸収性物品内の層間の密着を作り出すための更なるプロセスが、本明細書に開示される。また、プロセスの組み合わせが利用されてもよい。例えば、いくつかの層は水流交絡/ニードルパンチされてもよく、一方、他の層は水流交絡/ニードルパンチではない別のプロセスを介して一体化されてもよい。あるいは、水流交絡/ニードルパンチ層は、水流交絡/ニードルパンチとは異なるプロセスを介して別の層と組み合わされてもよい。又は、いくつかの層は、水流交絡/ニードルパンチされることなく、メソスケールプロセスを介して一体化されてもよい。
【0027】
水流交絡に加えて、不織布などの材料のロフティングに利用されると教示されているいくつかのプロセスはまた、層間にある程度の密着を提供し得ると考えられる点は注目すべきである。これらのプロセスは、一般に、材料の繊維を移動させるために熱風噴射を利用する。このプロセスは、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第8,720,021号に詳細に記載されている。水流交絡又はニードルパンチの提供が言及される場合、熱風噴射の提供も利用され得る。
【0028】
更に、不織布(繊維性)材料が
図2A及び
図2Cに示されているが、密着は、本明細書に記載されるように多種多様な材料で確立され得る。例えば、フィルムを、本明細書に記載される不織布(繊維状材料)と併せて利用してもよい。驚くべきことに、トップシート、二次トップシート、及び吸収性コアを一体化する形成手段を使用すると、繊維性ネットワークを提供することにより、(バンチ圧縮によって測定される)パッドの柔軟性が改善されることも見出された。これは、溶接、接着剤、エンボス加工によって、又は高密度化による毛管現象を改善するときに、より剛性になる従来のシステムとは異なる。
【0029】
以下の開示を簡単に紹介し、かつ明確にするために、トップシートは、吸収性物品の着用者にとって一般には柔らかな感触である。更に、トップシートは、着用者が乾いた感触を保つために、液体侵襲を容易に受容するように構成されるべきである。トップシートについては、以下で更に詳細に説明する。
【0030】
流体管理層、簡潔には「FM」層は、一般にはトップシートの直下に配置され、トップシートに対する液体侵襲を迅速に捕捉し、液体侵襲を吸収性コアに分配するように構成されるべきである。FM層は、ある程度液体侵襲を吸収及び保持する能力を有し得るが、主にトップシートを迅速に排水し、液体を吸収性コアに移送するように設計され得る。FM層についても、本明細書で更に説明する。
【0031】
吸収性コアは、使い捨て吸収性物品の主な格納要素である。吸収性コアは、トップシートに対する液体侵襲を受容し、格納する。吸収性コアは、一般的に、FM層の下に配置されるか、又はトップシートの下に配置されてもよい。加えて、吸収性コアは、吸収性物品の他の構成要素よりも多くの関連する体積を有する傾向があり、したがって、吸収性物品の機械的特性も支配する傾向がある。例えば、可撓性、適合性、及び成形性、すなわち、製品が着用されている間に想定される形状などの機械的特性は、吸収性コアの特性によって主に影響され得る。吸収性コアについては、以下で更に詳細に説明する。
【0032】
プロセス
本開示のプロセスは、吸収性物品の構成要素間の密着領域を有する吸収性物品を提供することができ、これにより、捕捉速度の改善と共に、漏れの可能性の低減することができる。また、本明細書で論じられるように、本開示のプロセスは、改善された捕捉速度と共に、従来の対応物よりもはるかに複雑な表面に適合する能力を、吸収性物品を提供することができる。
【0033】
トップシートとFM層、FM層と吸収性コア、トップシートと吸収性コア、又は、トップシート、FM層、及び吸収性コアとの間の密着は、トップシート、FM層、及び吸収性コアのうち少なくとも2つを機械的操作することによって達成することができる。しかしながら、前述のように、FM層及び吸収性コアは、一般に、トップシートから液体侵襲を迅速に受容し、及び/又は液体侵襲を格納するように構成される。したがって、FM層及び吸収性コアの両方は、典型的には、トップシートよりも更に吸収性である。FM層及び/又は吸収性コアを前処理しないと、FM層及び/又は吸収性コアがトップシートと同一の広がりを持つリスクがあり、これにより、最終製品のFM層及び/又は吸収性コアから液体侵襲が漏れる原因となり得る。また、トップシートと接合した後のFM層及び/又は吸収性コアのトリミングは、妥当ではあるが、ひいき目に見ても高速製造には困難であることがわかる。
【0034】
発明者は、トップシートと同一の広がりを持つFM層及び/又は吸収性コアの機構による漏れの恐れを大幅に低減するプロセスを発見した。FM層及び/又は吸収性コアを前処理することにより、FM層及び/又は吸収性コアの周辺部がトップシートの周辺部の内側に配置されるように、例えば幅など、サイズを縮小することができる。このプロセスについては、以下で更に詳細に説明する。
【0035】
図3A及び
図4に示されるように、トップシートウェブ10(ロールとして示される)は、切断及び配置動作30のキャリアとして提供され得る。FMウェブ20(ロールとして示される)は、同様に切断及び配置動作30に提供され得る。切断及び配置動作30は、FMウェブ20を複数の別個の部分20Aに切断することができる。
【0036】
トップシートウェブ10は、吸収性物品加工プロセスの一部として作製されてもよく、又は好適なトップシート材料の製造業者から得ることもできる。同様に、FM層は、吸収性物品加工プロセスの一部として作製されてもよく、又は流体管理材料の製造業者から得ることもできる。吸収性コアウェブは、吸収性物品加工ラインの一部として同様に作製されてもよく、又は好適な吸収性コア材料の製造業者から得ることもできる。
【0037】
更に
図3A及び
図4を参照すると、別個の部分20Aは、対向する長手方向側部24と、対向する長手方向側部24を連結する横方向端部26とを有する。トップシートウェブ10は、別個の部分20Aの長手方向側部24の外側にある長手方向側部14を含む。トップシートウェブ10の横方向側面は、後続の処理中に画定することができる。別個の部分20Aが、トップシートウェブ10と長手方向に同一の広がりを持たないことが望ましい場合、切断後のトップシートウェブ10の横方向側面は、別個の部分20Aの横方向端部26の外側にあるべきである。更に、長手方向側部24が、トップシートウェブ10の長手方向側部14の内側に確実にあることが重要である。いくつかの形態では、長手方向側部24は、2mm長内側、3mm超内側、4mm超内側、5mm長内側、又は約6mm内側、具体的には、これらの範囲内の全ての値及びそれによって作られる任意の範囲内に配設することができる。長手方向側部14と長手方向側部24との間の距離は、最終製品の封止部が作製されるときに有益であり得る。より大きい距離は、トップシートとバックシート及び/又は最終吸収性製品中の別の層との間の堅牢な封止を確実にすることができる。
【0038】
一般に、漏れにつながる可能性があるため、親和性層を有利にはトリミングし、確実に親和性層が物品の縁部封止部の一部としない場合があることに留意されたい。例えば、トップシートは、複数層の不織布材料を含んでもよい。着用者に面する層は疎水性であってもよく、下層は親水性であってもよい。このような構成では、下層の長手方向縁部が疎水性層の縁部の内側になるように、下層を切断することができる。加えて、下層の長手方向縁部は、横方向外側に延在するウィングの内側に離間配置されてもよい。このような構成では、疎水性層は、ウィング内に延在してもよく、一方、親水性層は、ウィングの内側及び/又は吸収性物品の縁部封止部の内側で終端してもよい。
【0039】
FMウェブ20Aの別個の部分は、トップシートウェブ10上に配置され、それによって、トップシート及びFM層積層体ウェブ35、以後、「TFM積層体ウェブ」を形成する。図示されるように、TFM積層体ウェブ35は、第1の単位動作40に供されてもよい。第1の単位動作40は、TFM積層体ウェブ35を機械的に操作して、トップシートウェブ10とFMウェブ20Aの別個の部分との間に密着を生じさせ、それによって最終ウェブ58を形成することができる。トップシートとFM層との間に密着を作製できる様々な機械的操作が以下に記載される。好適な機械的操作については、以下で更に詳細に説明する。
【0040】
更に
図3A及び
図4を参照すると、切断及び配置動作30は、FMウェブ20を任意の好適な形状に切断することができる。例えば、FMウェブ20Aの別個の部分は、ドッグボーン形(2つの球状の端部と球状端部を連結する狭い中間部)であってもよい。別の例として、別個の部分20Aは、物品の折り畳みを容易にするために、第1の端部及び/又は第2の端部においてテーパ状であってもよい。更に別の実施例では、別個の部分20Aは、別個の部分が配置される物品の特定の向きを伝える形状を含んでもよい。例えば、別個の部分20Aの前端部は、別個の部分20Aの反対側の後端部よりも狭い場合がある。
別の例として、前端部は、小さい半径を有する複数の波形部を含んでもよく、このとき後端部は大きな半径を有する。これらの形態のそれぞれは、別個の部分20Aが配置される物品の適切な向きを着用者に伝えることができる。FM層が設けられない場合、
図3A及び4のFMウェブ20は、吸収性コアウェブによって置き換えられてもよい。又は、FM層及び吸収性コアウェブは、切断及び配置動作30に提供され、その後、本明細書に記載されるように処理されてもよい。
【0041】
最終ウェブ58の形態は、関与する単位動作及び対応するウェブが加工される方法に応じて大きく変化し得る。
図3B~
図3Fは、異なる最終ウェブ58をもたらす追加の加工選択肢を開示する。ここで
図3B及び
図4を参照すると、TFM積層体ウェブ35は、2つ以上の単位動作に供され得る。例えば、第1の単位動作40を通過した後、TFM積層体ウェブ35は中間ウェブ48になり得る。中間ウェブ48はその後、第2の単位動作50に供されてもよい。第1の単位動作40と同様に、第2の単位動作50は、トップシートウェブ10とFMウェブ20Aの別個の部分との間に更なる密着を提供することができる。第2の単位動作50を通過した後、中間ウェブ48は最終ウェブ58になる。
【0042】
TFM積層体ウェブ35は、ニードルパンチ又はスパンレース(水流交絡)動作に加えて1つ以上の単位動作に供され得る。いくつかの例示的な単位動作に関して、更に詳細が以下に提供される。これらのプロセスの動作順序は、特に明記しない限り、入れ替えられてもよい。例えば、TFM積層体ウェブ35は、本明細書に記載されるような別個の単位動作に供される前に、ニードルパンチ及び/又は水流交絡に供されてもよく、又はその逆でもよい。FM層が提供されない場合、
図3B及び
図4のFMウェブ20は、吸収性コアウェブによって置き換えられてもよい。又は、FM層及び吸収性コアウェブは、切断及び配置動作30に提供され、その後、本明細書に記載されるように処理されてもよい。
【0043】
ここで
図3C及び
図4を参照すると、トップシートウェブ10(ロールとして示される)は、切断及び配置動作30に供給される前に、第1の単位動作40を通過してもよい。
第1の単位動作40は、本明細書に記載されるように、トップシートウェブ10を機械的に操作することができる。第1の単位動作40による機械的操作後、トップシートウェブ10は、中間トップシートウェブ11になる。
【0044】
第1の単位動作40の下流で、中間トップシートウェブ11及びFMウェブ20は、切断及び配置動作30に提供されてもよい。前述したように、切断及び配置動作30は、FMウェブ20を別個の部分20Aに切断することができる。次いで、これらの別個の部分を中間トップシート11上に配置し、それによって中間トップシート及びFM層積層体、つまり「iTFM積層体」148を形成してもよい。次いで、iTFM積層体148は、中間トップシート11とFMウェブ20の別個の部分20Aとの間に密着を提供する第2の単位動作50に提供されてもよい。第2の単位動作50による処理後、iTFM積層体148が最終ウェブ58になる。第2の単位動作50は、iTFM積層体148の層を一体化し、それによって最終ウェブ58を形成するための水流交絡又はニードルパンチ動作を含んでもよい。iTFM積層体148の更なる機械的操作を提供するために、上記のプロセスで追加の単位動作を提供することができる。
【0045】
トップシートウェブ10及びFMウェブ20が、プロセス内で場所を入れ替えてもよいことは注目すべきである。例えば、FMウェブ20は、第1の単位動作40に提供され、その後、切断及び配置動作30に提供されてもよい。操作されていないトップシートは、改良FMウェブ20と共に切断及び配置動作30に提供されてもよい。プロセスの残りは、本明細書に記載するものであってよい。加えて、トップシートウェブ10は、第1の単位動作40を通過してもよく、FMウェブ20は、別個の単位動作を通過してもよい。次いで、中間トップシート11及び改良FMウェブ20は、切断及び配置動作30に提供されてもよい。プロセスの残りは、本明細書に記載するものであってよい。FM層が提供されない場合、
図3C及び
図4のFMウェブ20は、吸収性コアウェブによって置き換えられてもよい。又は、FM層及び吸収性コアウェブは、FM層20で置換され、その後、本明細書に記載されるように処理されてもよい。
【0046】
図3D及び
図4を参照すると、トップシートウェブ10及びFMウェブ20は、
図3Aに関して先に説明したように、切断及び配置動作30に提供されてもよい。次いで、得られたTFM積層体35を第1の単位動作40に露出させることができる。第1の単位動作40は、トップシートとFMの別個の部分20Aとを一体化し、それによって中間ウェブ48を作成することができる。第1の単位動作40の下流で、中間ウェブ48は、第2の切断及び位置操作31に提供され得る。中間ウェブ48と共に、吸収性コアウェブ18が第2の切断及び配置動作31に提供されてもよい。第2の切断及び配置動作31は、吸収性コアウェブ18から複数の別個の吸収性コアを作成できる。別個のFM部分と同様に、別個の吸収性コアは、トップシートと同一の広がりを持たなくてよい。例えば、別個の吸収性コアの長手方向に延在する側縁部は、トップシートウェブ10の長手方向に延在する縁部14の横方向内側に配置されるべきである。別個の吸収性コアは、別個のFM部分20Aよりも大きい場合、別個のFM部分20Aよりも小さい場合、又は別個のFM部分20Aと同じサイズの場合がある。
【0047】
複数の別個の吸収性コア及び中間ウェブ48は、第2の切断及び配置動作31において組み合わされてもよく、それによって、中間積層体及び吸収性コアウェブ積層体37、以後「TFMAC積層体」を作製することができる。次いで、TFMAC積層体37は、第2の単位動作50によって更に処理され、それによって最終ウェブ58を生成することができる。別個の吸収性コアの追加後、TFMAC積層体37の更なる操作が生じない場合がある。その場合、TFMAC積層体37が最終ウェブ58であり得る。
【0048】
第1の単位動作は、トップシートの層及びTFM積層体35のFM層を一体化する水流交絡/ニードルパンチプロセスを含んでもよい。第2の単位動作50は、TFMAC積層体37の層を一体化する、本明細書に記載の機械的操作プロセスを含み得る。
【0049】
加えて、トップシートウェブ10及び/又はFMウェブ20は、切断及び配置動作30に提供される前に個別の単位動作に供されてもよい。これらと併せて又はそれとは独立して、吸収性コアウェブ18は、第2の切断及び配置動作31に提供される前に、単位動作に提供されてもよい。
【0050】
図3E及び
図4を参照すると、トップシートウェブ10は、トップシートウェブ10を機械的に操作し、それによって中間トップシートウェブ11を形成する第1の単位動作40に提供されてもよい。吸収性コアウェブ18及びFMウェブ20は、吸収性コアウェブ18とFMウェブ20を機械的に操作し、それらの間に密着を生成する第2の単位動作50に提供されてもよく、それによって、吸収性コア及びFMウェブ積層体、以下、「FMAC」積層体ウェブ49を形成する。次いで、中間トップシートウェブ11及びFMAC積層体ウェブ49は、切断及び配置動作30に提供されてもよい。切断及び配置動作30は、FMAC積層体ウェブ49から別個の部分を切断することができる。切断及び配置動作30は、中間トップシート11ウェブとFMAC積層体ウェブ49の別個の部分とを組み合わせて、iTFMAC積層体137を作製することができる。次いで、iTFMAC積層体ウェブ137は、iTFMAC積層体ウェブ137の層を一体化する第3の単位動作に提供されてもよい。
【0051】
図3F及び
図4を参照すると、示されるように、トップシートウェブ10を、操作されていない状態、すなわち、第1の単位動作40なしで、切断及び配置動作30に提供することができる。切断及びスリップ操作30の後、FMAC積層体ウェブ49の別個の部分をトップシートと組み合わせて、TFMAC積層体37を作製する。いくつかの形態では、TFMAC積層体ウェブ37は、TFMAC積層体ウェブ37から吸収性物品を作製するために必要とされる処理以外の操作を更に受けなくてよい。その場合、TFMAC積層体ウェブ37が最終ウェブ58でもあり得る。加えて、FMウェブ20及び吸収性コアウェブ18は、切断及び配置動作30に提供される前に別個の単位動作に供されてもよい。
【0052】
ここで
図3E及び
図3Fを参照すると、吸収性コアウェブ18は、切断及び配置動作に供され、複数の別個の吸収性コアにおいてFM層ウェブ20に接合されてもよい。吸収性コアウェブ18を、FM層ウェブ20と接合する前に切断及び配置動作に提供する利点は、切断及び配置動作が、所望されるように別個の吸収性コアを成形できることである。対照的に、FM層ウェブ20及び吸収性コアウェブ18を併せて切断及び配置動作に提供される場合、別個のFM部分及び別個の吸収性コアの形状は、同じである可能性が高い。そのため、吸収性物品の設計柔軟性を最大にするには、吸収性コアウェブ18を切断及び配置動作に提供し、次いで別個の吸収性コアをFM層ウェブ20に接合することが有利であり得る。
【0053】
本開示の単位動作は、単位動作に供されるウェブに様々な異なる特徴部/構造部を付与することができる。以下、単位動作を介して形成され得る、隣接する吸収性物品層の間に密着を作り出すためのいくつかの好適な構造部/特徴部について論じる。以下で論じられるように、密着特徴部は適合特徴部を含むが、全ての密着特徴部が適合特徴部を含まないため、適合特徴部は密着特徴部のより小さい部分集合である。
【0054】
好適な特徴部/構造部に関する考察では、特に断りのない限り、一般用語「改質ウェブ」は、中間トップシート11、中間ウェブ48、iTFM積層体ウェブ148、TFMAC積層体ウェブ37、iTFMAC積層体ウェブ137、FMAC積層体ウェブ49、及び最終ウェブ58、又は単位動作によって機械的に操作されている任意のウェブの代わりに利用されるものとする。したがって、以下に記載される特徴部/構造部は、本明細書に記載されるウェブに適用され得る。用語「前駆体ウェブ」は、特に断りのない限り、単位動作によって改良されていない(機械的に操作されていない)ウェブ、例えば、トップシートウェブ10、FMウェブ20、吸収性コアウェブ18、これらの組み合わせ、及びTFM積層体35、又は、2つの隣接するウェブ若しくはその部分間に密着を作製する1つ以上の単位動作の上流にあるこれらのウェブを指すために利用されるものとする。
【0055】
単位動作
吸収性物品の隣接する層間に密着を作り出すために利用され得るいくつかの単位動作が存在する。一部の例について、以下により詳細に説明する。
【0056】
スパンレース
層間に密着を作り出すためのプロセスの一例は、水流交絡、つまりスパンレースである。スパンレース単位動作では、前駆体ウェブ又は改質ウェブは、不織布ウェブのフィラメント及び/又は繊維を相互係合させる高速水噴流に供される。スパンレースプロセスは、得られる積層体に構造的一体性を提供することに加えて、不織布ウェブのフィラメント及び/又は繊維のZ方向の一体化を作り出すことによって不織布ウェブ間に密着を生じさせることができる。スパンレースプロセスは、一般に当該技術分野において既知である。本明細書に記載される任意の単位動作又は複数のその動作は、スパンレースプロセスを含み得る。
【0057】
ニードルパンチ
別の例は、ニードルパンチである。スパンレースと同様に、ニードルパンチプロセスは、不織布ウェブのフィラメント及び/又は繊維のZ方向の一体化を作り出すことによって、層間に密着を作り出すことができる。ニードルパンチは、スパンボンドされた、カーディングされた、又は織物のウェブのフィラメント及び/又は繊維の機械的相互係合を伴う。ニードルパンチプロセスでは、複数の有棘針が、前駆体ウェブ又は改質ウェブを繰り返し通過し、ウェブのフィラメント及び/又は繊維を正及び/又は負のZ方向に押す。ニードルパンチプロセスは、一般に当該技術分野において周知である。本明細書に記載される任意の単位動作又は複数のその動作は、ニードルパンチプロセスを含み得る。
【0058】
突出部/凹部
吸収性物品の層間の密着を形成するための好適な単位動作のいくつかの例としては、前駆体ウェブに突出部を形成できる単位動作が挙げられる。
図5に関して、本明細書に記載されるいくつかの単位動作は、正及び/又は負のZ方向に突出部460を含む改質ウェブ335を製造することができる。負のZ方向の突出部は、凹部とも称され得る。一般に、突出部460は、遠位端462と、遠位端をベース部450に接続する側壁466と、を含む。ベース部450は、側壁466を、改質ウェブ335の第1の表面60又は対向する第2の表面62に接続する。本開示の突出部は、外側タフト、トンネルタフト、中実タフト、入れ子式タフト、隆起部及び溝部、並びに波形部を含んでもよい。
【0059】
比較的狭い隙間の2つの(対向する突出部及び溝部を有する)ロールの間に前駆体ウェブを通すことで、材料にある程度の剪断力及び圧縮力が印加される傾向にあることは注目すべきである。しかしながら、このプロセスは、歯、つまり雄部材が前駆体ウェブを対向するロール、つまり雌要素の底部に対して押し付け、それにより材料が圧縮された領域の密度を増加させる、エンボス加工プロセスとは異なる。その代わりに、本明細書に記載されるプロセスは、材料を変位させ、密度変化は生じるが、エンボス加工によって作り出される密度変化と比較して、無視できるほどの変化である。
【0060】
図6Aを参照すると、単位動作40、50、及び60(
図3A~
図3Fに示される)は、改質ウェブ335にタフトを形成する装置500を含んでもよい。装置500は、各々が軸Aを中心として回転する一対の噛合ロール502及び504を具備し、これら軸Aは平行かつ同一平面内にある。ロール502は、ロール502の円周全体にとぎれずに延出する複数個の隆起部506と、対応する溝部508とを具備する。
【0061】
係合深さ(DOE)は、ロール502及び504の噛み合いのレベルの尺度である。DOEは、所望の構造を提供するように選択されるべきである。流体管理の目的のために、DOEは、操作される層の構成材料に対し、確実に十分な密着を提供するように選択されるべきである。加えて、隆起部と溝部との間の隙間は、操作される材料のキャリパーに大きく依存する。例えば、トップシート、FM層、及び吸収性コア層が操作されている場合、隆起部と溝部との間の隙間は、トップシート及びFM層のみの場合よりも大きい必要があり得る。隙間が小さすぎると、ウェブが裂ける可能性がある。
【0062】
ロール504はロール502に類似しているが、円周全体にとぎれずに延出する隆起部を有さず、ロール504は、ロール504の少なくとも一部分の周りに離間した関係で延出する、周囲方向に離間した歯510の列となるように修正された、周囲方向に延出する複数個の隆起部の列を具備する。ロール504の個々の歯列510は、対応する溝部512によって分離されている。動作中、ロール502及び504は、ロール502の隆起部506が、ロール504の溝部512内へと延び、ロール504の歯510が、ロール502の溝部508内へと延びるように噛み合う。ニップ516は、逆回転の噛合ロール502と504との間に形成される。ロール502及び504の両方又はいずれかは、熱油を充填したローラー又は電気的に加熱されたローラーを使用するなどの、当該技術分野において既知の手段により加熱され得る。
【0063】
装置500は、1つのパターン付きロール、例えば、ロール504、及び1つのパターンなし溝部付きロール502を有する構成で示される。しかしながら、それぞれのロールの同一の、又は異なる対応区域において、同一の、又は異なるパターンを有するロール504に類似した2つのパターン付きロールを使用することが好ましいこともある。そのような装置は、改質ウェブ335の両側から突出するタフト、すなわち正のZ方向に延在するタフト、及び負のZ方向に延在するタフトを有する改質ウェブ335を製造することができる。また、異なるパターン付き領域を有する異なるロールを利用して、異なる流体処理及び/又は異なる機械的特性及び性能を有する異なる操作ゾーンを作り出すことができる。このような構成を以下に記載する。
【0064】
本開示の改質ウェブ335は、
図6Aに示す装置によって加工する前に、概ね平面状かつ二次元であると記載され得る前駆体ウェブ100を機械的に変形することによって作製することができる。「平面状」及び「二次元」は、タフト570の形成によって、別個の面外のZ方向の三次元性を有する、改質ウェブ335に対して、概して平坦な状態で前駆体ウェブ100がプロセスを開始し得るということを単に意味する。「平面的」及び「二次元的」は、何らかの平坦性、平滑性又は次元性を意味するものではない。噛合ロール502及び504は、ロール504が第2の表面62又は第1の表面60(
図5に示す)に係合するかによって、前駆体ウェブ100の材料を正のZ方向又は負のZ方向に付勢することができる。
【0065】
ここで
図3A~
図6Aを参照すると、
図6Aに関して説明されるプロセスは、様々なタフト、例えばトンネルタフト、中実タフト、外側タフトを提供することができる。例えば、トンネルタフトは、局限された範囲内の前駆体ウェブ100の材料が、改質ウェブ335の第1の表面60に向かって付勢されるように、前駆体ウェブ100の構成材料の局限された範囲が正のZ方向に付勢されるときに、作製され得る。局限された範囲は、第1の表面60のすぐ上に配置され得る。
図3A~
図5に示されるウェブは、複数の層、例えば、トップシートウェブ10及びFMウェブ20の別個の部分20Aを含むことに注目すべきである。そのため、前駆体ウェブ100の構成材料が正のZ方向に付勢される場合、トンネルタフトは、例として、FMウェブ20の別個の部分20Aの構成材料を含んでもよく、トップシートウェブ10は、例として、外側タフトを形成してもよい。
【0066】
対照的に、前駆体ウェブ100の構成材料の局限された範囲が負のZ方向に付勢される場合、局限された範囲内の前駆体ウェブ100の材料は、第2の表面62に向かって付勢され得る。構成材料は、改質ウェブ335の第2の表面62の下に配置されてもよい。前駆体ウェブ100の構成材料が負のZ方向に付勢される場合、トンネルタフトは、例として、トップシートウェブ10によって形成され、外側タフトは、例として、FMウェブ20の別個の部分20Aによって形成されてもよい。
【0067】
装置500と共に使用するための好適なロールの写真を
図6Bに示す。示されるように、ロールは、歯510及び複数の開放領域511を含む。開放領域511のそれぞれは、それらの間に配置された歯510によって分離される。歯510及び開放領域511のパターンは、
図12A~
図12C、
図13A~
図13C、及び15A~
図15Cのそれぞれの凹部及びノード部に対応する。
【0068】
これまで説明したタフトに加えて、又はそれとは独立して、改質ウェブ335は中実タフトを含んでもよい。中実タフトは、前駆体ウェブ100が捲縮フィラメントを含むときに生じ得る。本発明の前駆体ウェブ100が捲縮フィラメントを含む場合、前駆体ウェブ100は所与の坪量に対してより高いキャリパーを有する。続いて、このより高いキャリパーは、クッションのような柔らかさによる快適さの消費者効果、より高い透過率によるより急速な吸収性、及び改善されたマスキングを提供できる。更なる効果としては、赤い染みの減少、より高い通気性、及び弾力性などが挙げられ得る。捲縮フィラメントは、吸収性物品の様々な層で利用されてもよい。例えば、トップシートウェブ10が捲縮フィラメントを含んでもよく、FMウェブ20が捲縮フィラメントを含んでもよく、及び/又は、吸収性コアが捲縮フィラメントを含んでもよい。
【0069】
中実タフトとトンネルタフトとの間の差異は、一般に中実タフトがフィラメントで充填されることである。捲縮フィラメントの性質のために、機械的操作は、フィラメントを単純にある程度ほどく傾向がある。対照的に、非捲縮フィラメントは、機械的操作中に伸張され、薄化され得る。この伸張及び薄化は、一般に、これらの結果得られるタフトが、その内部空間内に有する繊維がより少ないため、トンネルのように見えることを意味する。
トンネルタフト、外側タフト、及び中実タフトを作製する方法は、米国特許第7,172,801号、同第7,838,099号、同第7,754,050号、同第7,682,686号、同第7,410,683号、同第7,507,459号、同第7,553,532号、同第7,718,243号、同第7,648,752号、同第7,732,657号、同第7,789,994号、同第8,728,049号、及び同第8,153,226号に更に詳述されている。中実タフト及び対応する外側タフトは、米国特許出願第2016/0166443号に更に詳述されている。
【0070】
再度
図3A~6Aを参照すると、前駆体ウェブ100内にタフトを形成するための装置500は、第1の単位動作40、第2の単位動作50、及び/又は第3の単位動作60であってもよい。いくつかの形態では、装置500は、切断及び配置動作30及び31を除き、前駆体ウェブ100の層間の密着を提供する唯一の動作であってもよい。加えて、タフト、例えばトンネル、外側、及び/又は中実タフトが、改質ウェブ335上に正のZ及び負のZ方向で提供される形態が想到される。
【0071】
本開示の改質ウェブ335に好適な更に別の形態の突出部は、入れ子式タフトを含む。
図7A~7Dは、本開示による単位動作として使用するのに好適な装置600を示す。示されるように、前駆体ウェブ100は、装置600に供されてもよい。装置600は、その間にニップ606を形成する非変形型の噛み合い式逆回転ロールの形態であり得る、成形部材602及び604を含んでよい。前駆体ウェブ100は、ロール602と604との間のニップ606の中に供給され得る。ロール602と604との間の空隙は、本明細書においてニップとして記述されるが、下記に詳しく述べるように、いくつかの場合では、前駆体ウェブ100の圧縮を可能な限り避けることが望ましい場合がある。
【0072】
第1の成形部材(「雄ロール」など)602は、別個の離間された雄成形要素612を含む複数の第1の成形要素を備える表面を有する。これらの雄形成要素は、機械方向及び機械横方向において離間されている。用語「分離した」は、例えば、波形ロール(又は「リングロール」)上の稜線及び溝のような、連続性又は非分離性の形成エレメントを含まない。そのような波形ロールは、機械方向と機械横方向の一方で離間し得る稜線を有するが、両方向では離間していない。
【0073】
図7Bに示されるように、雄成形要素612は、第1の成形部材602に接合されている(この場合においては一体形成されている)基部616と、基部から離間している頂面618と、雄成形要素の基部616と頂面618との間に延在する側壁(又は「側面」)620とを有する。成形要素612はまた、平面外周及び高さH
1(後者は、基部616から頂部618までで測定される)も有する。
【0074】
図7A~
図7Dを再度参照すると、第2の成形部材(「雌ロール」など)604は、複数のキャビティ又は陥凹部614を有する表面624を有する。陥凹部614は、雄成形要素612をその中に受容するように整列及び構成される。したがって、雄成形要素612は、単一の雄成形要素612が単一の陥凹部614の外周内に、並びにZ方向において少なくとも部分的に陥凹部614内にフィットするように、陥凹部614と嵌合する。陥凹部614は、雄要素612の平面外周よりも大きい平面外周626を有する。その結果、ロール602と604が噛み合ったとき、雌ロール604上の陥凹部614は、雄成形要素612を完全に包含できる。
図7Cに示されるように、陥凹部614は、いくつかの形態では雄成形要素612の高さH1より大きい場合がある、深さD1を有する。陥凹部614は、平面構成と、側壁628と、側壁628が第2の成形部材604の表面624と合する、陥凹部の上部の周囲の頂縁若しくはリム634と、側壁628が陥凹部の底部632と合する、陥凹部の底部632の周囲の底縁630と、を有する。
【0075】
上述のように、陥凹部614は成形要素612の高さH1よりも深くてよく、これによって、前駆体ウェブ100は可能な限り、雄成形要素と陥凹部との間で挟み切られる(又は圧縮される)ことがない。
【0076】
係合深さ(DOE)は、形成部材の噛み合いのレベルの尺度である。
図7Cに示されるように、DOEは、雄要素612の頂部618から、雌成形部材614(例えば、陥凹部を有するロール)の(最も外側の)表面624までで測定される。DOEは、伸縮性不織布材料と組み合わせたとき、入れ子式タフトを作成するために十分に高くなければならない。
【0077】
図7Cを続けて参照すると、成形要素612の側面620と陥凹部614の側面(又は側壁)628との間には、隙間Cがある。隙間及びDOEは、隙間がより大きければ、より深いDOEが使用され得るという関係性を持つ。雄ロールと雌ロールの間の隙間Cは、成形要素612の外周にわたって同じであってよく、又は変化してもよい。例えば、成形部材は、成形要素612の側面と、陥凹部614の隣接する側壁628との間の隙間が、雄要素612の端部における側壁と、陥凹部614の隣接する側壁との間の隙間よりも狭いように設計され得る。他の場合では、成形部材は、雄要素612の側壁620と、陥凹部614の隣接する側壁628との間の隙間が、雄要素612の端部における側壁と、陥凹部の隣接する側壁との間の隙間よりも広いように設計され得る。更に他の場合では、雄要素612の一方の側面における側壁と、陥凹部614の隣接する側壁との間の隙間が、同じ雄要素612の反対の側面における側壁と、陥陥凹部の隣接する側壁との間の隙間よりも広くてもよい。例えば、成形要素612の各端部において異なる隙間が存在してもよく、かつ/又は雄要素612の各側面において異なる隙間が存在してもよい。
【0078】
前述の成形要素612の構成のうちの一部のみで、又は第2の成形要素604及び/若しくは陥凹部614の構成と併せることで、追加的な利点を提供することができる。これは、雄要素612上において前駆体ウェブ335をより着実に固定することによるものであり得、これによって、前駆体ウェブ335におけるより均一かつ制御されたひずみがもたらされ得る。装置600は、米国特許出願第2016/0074252号に更に説明されている。
【0079】
図7Dに示されるように、前駆体ウェブ100は、第1のロール602と第2のロール604との間のニップ606に供されてよい。前駆体ウェブ100がニップ606を通過するとき、成形部材612は前駆体ウェブ100の第2の表面62(
図5に示す)と係合し、前駆体ウェブ100の構成材料を陥凹部614内に付勢する。このプロセスは、平坦な第1の表面と、改質ウェブ335の第1の表面60(
図5に示す)から外側に延在する複数の一体に形成された入れ子式タフトとを有する、改質ウェブ335を形成する(無論、改質ウェブ335の第2の表面62が、第2の成形部材604と接触して配置される場合、入れ子式タフトは改質ウェブ335の第2の表面62から外向きに延在することになり、開口部は改質ウェブ335の第1の表面60において形成されることになる)。
【0080】
ここで
図3A~
図4及び
図7Aを参照すると、改質ウェブ335内に入れ子式タフトを形成するための装置600は、第1の単位動作40、第2の単位動作50、又は第3の単位動作60であってもよい。装置600は、切断及び配置動作30及び31を除き、トップシートウェブ10、FM層ウェブ20の別個の部分20A、及び/又は吸収性コアウェブ18の別個の部分の間の密着を提供する唯一の動作であってもよい。本明細書に記載される入れ子式タフトを作製するためのプロセス及び装置は、米国特許出願公開第2016/0074256号及び同第2016/0074252(A1)号に更に記載されている。
【0081】
本開示の改質ウェブ335に含まれ得る他の好適な突出部は、隆起部及び溝部又は波形部を含む。
図8A~
図8Dを参照すると、装置2200を利用して前駆体ウェブに波形部を作成することができる。装置2200は、間に単一のニップNを形成する一対の逆回転する噛合ロール2202、2204を含む。
図8A及び
図8Bに示されるように、第1のロール2202は、複数の溝部2210及び隆起部2220、並びに隆起部2220の上面2222から外側に延びる複数の千鳥状の離間した歯2230を含む。ロール2202の構成は、隆起部2220の上面2222が、方向的にロールの軸Aに対して、歯2230の遠位端2234と溝部2210の下面2212との間に配置されるようなものである。
【0082】
示されるように、第2のロール2204は、複数の溝部2240及び隆起部2250を含む。溝部2240は下面2242を有し、隆起部2250は上面2252を有する。ここでは、隆起部2250の上面2252と溝部2240の下面2242との距離は、ロールの円周部周囲で実質的に同一である。第1のロール2202の歯2230及び隆起部2220は、第2のロール2204の軸Aに向かって延び、第2のロール2204上の隆起部2250の少なくともいくつかの上面2252を越える深さまで係合する。
【0083】
このプロセスに好適な歯は、ウェブの穿孔に寄与し得る。ロール上の歯は、任意の好適な構成を有してもよい。所与の歯は、同じ平面視長さ及び幅寸法を有し得る(円形又は正方形の平面視を有する歯など)。あるいは、歯は、その幅よりも大きい長さを有してもよく(矩形の平面視を有する歯など)、その場合、歯は、その幅に対するその長さの任意の好適な縦横比を有し得る。歯の好適な構成として、三角形、四角形、つまり矩形の側面、円柱状、角錐状の側面を有する歯、円形、楕円形、砂時計形、星形、多角形などを含む平面構成を有する歯、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。多角形形状としては、矩形、三角形、五角形、六角形、又は台形が挙げられるが、これらに限定されない。歯の側壁は、基部から先端部にかけて一定の角度で先細になっていてもよく、又は角度が変化してもよい。歯は、
図8Aに示される歯のように、歯の先端の一点に向かって先細になっていてもよい。歯は、丸形の、平坦な、又はとがった先を形成する、先端部を有することができる。いくつかの形態では、歯の遠位端は、歯の少なくとも1つの垂直壁(例えば、歯の前端及び後端での垂直壁)を有するとがった頂点を形成してもよく、したがって歯はウェブを開口又は穿刺する。いくつかの形態では、各歯は、各歯の前端に1つ、後端に1つの、2つの孔を形成してもよい。
【0084】
装置2200は、前駆体ウェブを変形でき、それによって、大きい厚さと小さい厚さが交互にある領域と、大きい坪量と小さい坪量が交互にある領域が生じ、厚さが大きく坪量が大きい領域は隆起部の頂部及び溝部の底部に位置し、厚さが小さく坪量が小さい領域は中間の側壁に位置する。不織布の場合も、伸張領域で坪量が減少し、同様に坪量が大きい領域と小さい領域とが交互にある改質ウェブを生じ、坪量が大きい領域は隆起部の頂部及び溝の底部に位置し、坪量が小さい領域は中間の側壁に位置する。
【0085】
ここで
図3A~
図4及び
図8Aを参照すると、前駆体ウェブ内に隆起部及び溝部を形成するための装置2200は、第1の単位動作40、第2の単位動作50、又は第3の単位動作60であってもよい。装置2200は、切断及び配置動作30及び31を除き、トップシートウェブ10、FM層ウェブ20の別個の部分20A、及び/又は吸収性コアウェブ18の別個の部分の間の密着を提供する唯一の動作であってもよい。
【0086】
隆起部及び溝部を形成するための任意の好適なプロセスを利用することができる。ウェブ内に隆起部及び溝部を作成するためのいくつかの追加のプロセスは、米国特許第6,458,447号、同第7,270,861号、同第8,502,013号、同第7,954,213号、同第7,625,363号、同第8,450,557号、同第7,741,235号、米国特許出願公開第2003/018741号、同第2009/0240222号、同第2012/0045620号、同第20120141742号、同第20120196091号、同第20120321839号、同第2013/0022784号、同第2013/0017370号、同第2013/013732号、同第2013/0165883号、同第2013/0158497号、同第2013/0280481号、同第2013/0184665号、同第2013/0178815号、同第2013/0236700号、国際公開第2008/156075号、同第2010/055699号、同第2011/125893号、同第2012/137553号、同第2013/018846号、同第2013/047890号、及び同第2013/157365号に詳述されている。
【0087】
前述のように、突出部は、正のZ方向又は負のZ方向を向いていてよい。正のZ方向では、突出部は、突出部を取り囲む構成材料がないと仮定すれば、それらに関連するいくつかの形状を有し得る。しかしながら、負のZ方向を向く場合、これらの突出部/凹部は、それらに対するものはそれほどなく、単に側壁及び底部を含み得る。周囲構成材料の圧縮力は、負のZ方向に向いたとき、これらの凹部に非常に類似した形状を与えることを余儀なくさせ得る。
【0088】
スパンレース及びニードルパンチ操作は、典型的には、ウェブ内に完全性を作り出すために主に利用されることは注目すべきである。しかしながら、上述のように、スパンレース及びニードルパンチプロセスの両方はまた、隣接する層間にある程度の密着を提供することができる。これらのプロセスは、マイクロスケールで操作される。換言すれば、それらは、ウェブ上の複数の位置において少量の構成材料を移動させる。
【0089】
これに対し、理論に束縛されるものではないが、適合特徴部を形成する操作は、ニードルパンチ及びスパンレースを超える更なる利益を提供できると考えられる。マイクロスケールで操作するのではなく、適合特徴部のためのプロセスは、メソスケールで操作される。これらのメソスケールプロセスは、より大量の構成材料の移動を伴う。例えば、ニードルパンチは、1~10本の繊維の移動を伴い得るが、一方で、メソスケールの機械的プロセスは、10本を超え最大100本、又はそれ以上の繊維を含み得る。対照的に、本明細書に記載されるメソスケールプロセスの細工部は、例として、約3mm~11mmの範囲の長さを有することができる。より長い歯を利用できるパターン、及び、より短いものを利用できるパターンがある。しかしながら、約1mmの長さは、恐らくメソプロセスに関して期待され得る最小程度である。
【0090】
したがって、スパンレース及び/又はニードルパンチプロセスが利用され得るが、メソスケールの機械的プロセスはまた、追加の利益、例えば、適合性及び/又は弾力性を実現するように、前駆体ウェブに提供されてもよい。また、メソスケールプロセスはエンボス加工とは異なることを想起されたい。エンボス加工は、構成材料が圧縮されている高密度化底面を与えるが、メソスケールプロセスによって作り出される底面内のあらゆる高密度化は、比較的小さい。加えて、メソスケールプロセスによって作製された適合特徴部は、観察者が1.0(20/20)以上の矯正又は裸眼視力を有すると仮定して、顕微鏡を使用せずに、適切な距離、例えば30cmから一般に裸眼で視認可能である。メソスケールプロセスに供される層に応じて、適合特徴部を見るためには、トップシート及び/又は二次トップシートを物品から除去する必要がある場合がある。対照的に、マイクロスケールプロセスは、その存在を判定するために顕微鏡の使用を必要とする場合がある。適合特徴部のいくつかの好適な例としては、突出部、隆起部、溝部、凹部、タフトなどが挙げられる。
【0091】
追加プロセス
孔
流体管理においてある程度の利益をもたらす好適な単位動作としては、孔が挙げられる。しかしながら、本開示の目的のために、孔は、適合特徴部であるとは見なされない。
図3A~
図3F及び
図9A~
図9Bを参照すると、第1の単位動作40又は第2の単位動作は、開口プロセスを含んでもよい。例えば、本明細書に記載される単位動作は、薄化ローラー構成108と、漸増延伸システム132と、を含んでよい。前駆体ウェブ100は、ローラー110及び112によって形成される薄化ローラー(又は強結合)構成108のニップ106を通過することによって、複数の別個の高密度化薄化領域で前駆体ウェブ100を薄化し、それによって、薄化前駆体ウェブ100’を形成できる。ニップ106通過後の薄化前駆体ウェブ100は、強結合部のパターン又は高密度化薄化領域を有する。
これらの強接合部の少なくとも一部又は全部が、本開示のウェブに孔を形成するために用いられる。したがって、強結合部のパターンは本開示のウェブに形成される孔のパターンと概ね相関し得る。
【0092】
特に
図9Aを参照すると、薄化ローラー構成108は、パターン付きカレンダーローラー110と、滑らかなアンビルローラー112と、を含んでよい。パターン付きカレンダーローラー110及び滑らかなアンビルローラー112の一方又は両方を加熱してよく、これらの2つのローラー間の圧力を調節して、所望の温度(該当する場合)や、複数の箇所202で前駆体材ウェブ100を同時に薄化及び溶融安定化(すなわち、強結合)するための圧力を提供してよい。後に詳述するように、前駆体ウェブ100が薄化ローラー構成108を通過した後、薄化した前駆体ウェブ100を横方向引張力によりCD又は略CDに引き延ばし、複数の薄化溶融安定化箇所202を少なくとも部分的に又は完全に破断してよい。
【0093】
パターン付きカレンダーローラー110は、円筒形表面114と、円筒形表面114から外向きに延びている複数個の突出部又はパターン要素116とを有する構成にする。パターン要素116は、パターン付きカレンダーローラー110の簡略的な例として図示されているが、より詳細なパターン付きカレンダーローラーが企図され、後述される。突出部116は、所定のパターンで配置されてよく、各突出部116は、薄化した前駆体材料102内に薄化溶融安定化箇所を発生させ、薄化溶融安定化箇所202の所定のパターンを実現するように構成され、かつ配置される。突出部116は、薄化した前駆体材料102中の溶融安定化箇所のパターンに一対一で対応してもよい。
図9Aに示されるように、パターン付きカレンダーロール110は、表面114の外周全体の周りに延びる突出部116の反復パターンを有することができる。あるいは、突出部116は、表面114の外周の一部、又は複数の部分の周りで延びていてもよい。更に、単一のパターン付きカレンダーローラーは、各種ゾーンに複数のパターンを有してもよい(すなわち、第1のゾーン、第1のパターン、第2のゾーン、第2のパターンなど)。突出部116は、表面114から径方向外側に延出し、先端表面117を有してもよい。アンビルローラー112は、鋼、ゴム、その他材料製の、表面の滑らかな円柱であってよい。アンビルローラー112とパターン付きカレンダーローラー110は位置を交換してもよく(すなわち、アンビルが上になる)、これによっても同様の結果が得られる。
【0094】
図9A及び
図9Bを参照すると、薄化ローラー構成108から、薄化した薄化前駆体ウェブ100は、少なくともある程度相補的である三次元表面を有する対向圧力付加器を用いる漸増延伸システム132によって形成されたニップ130を通過する。薄化前駆体ウェブ100’がニップ130を通過した後、薄化前駆体ウェブ100’は、改質ウェブ335になる。
【0095】
漸増延伸システム132は、2つの漸増延伸ローラー134及び136を備える。漸増延伸ローラー134は、ローラー134の全円周の周りに配置された複数の歯160と、対応する溝161とを含んでもよい。漸増延伸ローラー136は、複数の歯162及び複数の対応する溝163を含んでもよい。ローラー134の歯160は、ローラー136の溝163と噛み合うか、係合してもよく、ローラー136の歯162は、ローラー134の溝161と噛み合うか、係合してもよい。薄化溶融安定化箇所202を有する薄化前駆体ウェブ100’が漸増延伸システム132を通る際、薄化前駆体ウェブ100’にCDの張力が加えられ、薄化前駆体ウェブ100’をCD又は略CDに延ばす(又は活性化する)。更に、薄化前駆体ウェブ100’はMD又は略MDに張力がかけられてもよい。薄化前駆体ウェブ100’へのCD張力は、薄化溶融安定化箇所202が少なくとも部分的に、又は完全に破断して、改質ウェブ335の薄化溶融安定化箇所202に対して揃った複数の部分的に形成された、又は形成された孔204が形成されるよう調整される。溶融安定化箇所202は、孔204の周囲を画定する溶融リップ部を形成する。しかし、薄化前駆体ウェブ100’の結合部(非強結合領域内)は、多くが張力の付加中に破裂しないほど十分に強靭であり、それによって、薄化し、溶融安定化した箇所が破断しても、薄化前駆体ウェブ100’を一体状態に維持する。ただし、張力印加中に結合部が一部断裂することが望ましい場合もある。
【0096】
孔204は、任意の好適な寸法であってよい。例えば、孔204は、約0.1mm2~約15mm2、約0.3mm2~約14mm2、約0.4mm2~約12mm2、約1.0mm2~約5mm2の範囲の有効開口面積を有してよく、具体的には、特定した範囲内の全ての0.05mm2の増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を含む。
全ての有効開口面積の百分率は、本明細書で説明する開口試験を用いて決定する。有効開口面積は、米国特許出願第2016/0167334号、同第2016/0278986号、及び同第2016/0129661号に更に詳述されている。孔がより小さいと、吸収性物品のユーザーに対してより審美的魅力があり得るが、孔がより小さいと、流体捕捉速度に悪影響を与え得る。
【0097】
図9A及び
図9Bに記載されたプロセスは、孔を形成するための1つの好適なプロセスを例示する。ウェブに孔を開けるためのいくつかの追加のプロセスは、米国特許第8,679,391号、及び同第8,158,043号、並びに米国特許出願公開第2001/0024940号、及び同第2012/0282436号に記載されている。ウェブを穿孔するための他の方法は、米国特許第3,566,726号、同第4,634,440号、及び同第4,780,352号に提供されている。加えて、孔は、本開示の改質ウェブにパターンで提供されてもよい。孔パターンを形成するためのプロセス及びいくつかの好適な孔パターンは、米国特許出願公開第2016/0167334号、同第2016/0278986号、及び同第2016/0129661号に開示されている。
【0098】
ゾーン
本明細書に記載される単位動作及びそれによって提供される特徴部は、ゾーン構成で吸収性物品に提供されてもよい。ゾーンは、吸収性物品の別の部分とは異なる視覚パターン、トポグラフィー、吸収速度又は特性、曲げパラメータ、圧縮弾性率、弾力性、伸張パラメータ、又はこれらの組み合わせのいずれかのうちの1つを呈する領域である。視覚パターンは、目で見え、人の心で考え出され得る任意の既知の幾何学的形状又はパターンを含んでもよい。トポグラフィーは、測定可能であり、人の心で考え出され得る任意の既知のパターンであってもよい。ゾーンは、反復されても別個であってもよい。ゾーンは、視覚的外観を提供する直交する形状及び連続部であってもよい。
【0099】
ゾーンの使用は、パッドの、及びパッド内の流体処理及び機械的特性の調整を可能にする。一体化された吸収性構造体は、一体化された層の長手方向軸又は横方向軸のいずれか一方に沿ったゾーンを含む1つ以上の視覚パターンを有し得る。一体化された層は、1つ以上の視覚パターンを含む2つ以上のゾーンを有してもよい。2つ以上のゾーンは、境界によって分離されてもよい。境界は、境界が吸収性コア構造体の高密度化部ではないとき、トポグラフィー境界、機械的境界、視覚的境界、流体処理特性の境界、又はこれらの組み合わせであってもよい。境界特性は、境界に隣接する2つのゾーンとは異なり得る。吸収性構造体は、1つ以上の隣接するゾーンとは異なる特性を境界線に示す周辺境界を有してもよい。
【0100】
ゾーンを提供することができるプロセスの1つの具体例を
図10に示す。示されるように、漸増延伸システム832は、ロール834及び836を含んでもよい。示されるように、前駆体ウェブ100は、ニップ816に入る前に、複数の溶融安定化位置722を備えてもよい。溶融安定化位置722は、薄化前駆体ウェブ100’上のゾーンに提供され得ることを想起されたい(
図9A及び9Bに示す)。漸増延伸システム832の場合、溶融安定化位置722は、中央ゾーン813に提供されてもよい。
【0101】
領域813に対応する装置832の一部でCDに延伸されると、溶融安定化位置722は破裂して孔を形成する。ここでも、溶融安定化位置722は、改質ウェブ335の中央領域に限定され得る。しかしながら、溶融安定化位置722が前駆体ウェブ100全体に提供される場合、孔2214が領域813内に形成され、一方、突出部と孔との組み合わせが領域811内に形成されてもよい。
【0102】
示されるように、装置832は、それぞれ平行軸線Aを中心に回転する一対のロール834及び836を備える。ロール834は、ロール502(
図6Aに示す)に関して説明されるように構成されてもよい。すなわち、ロール834は、溝761によって分離された複数の円周方向に延在する隆起部760を含んでもよい。第2の噛み合いロール836は、本質的に一致するロール834を有し、溝763によって分離された隆起部762を有する中央領域813を含む。ロール834及び836の噛み合う隆起部760、762及び溝761、763は、中間ウェブ48を漸増的に伸張させて、孔2214を形成する。領域813に加えて、ロール836は、内部に形成された歯810を有する隆起部を備え、歯付き隆起部は溝812によって分離されている、2つの領域811を有する。ロール834の隆起部760は、ロール836の溝812と噛み合い、本明細書に記載されるタフトを形成する。両方を1つの装置に組み合わせることにより、前駆体ウェブ100内に孔2212及びタフト230の両方を形成する。
【0103】
歯付き隆起部と溝との係合深さは、ロールの円周にわたって変化し得る。この場合、様々な高さ及び幅を有する突出部が形成され得る。例えば、吸収性物品の前側領域における係合深さは、物品の中央部における係合深さよりも小さくなり得る。中央部の係合深さが高いほど、吸収性物品の液体捕捉を容易にする突出部が形成され得る。
【0104】
本開示の改質ウェブ335は、様々なゾーンを含んでもよい。例えば、改質ウェブ335は、改善された適合性及び流体動態を提供するゾーンを含んでもよく、一方、他のゾーンは、構造的一体性の増大と共に、ユーザーに柔らかな感触を提供し得る。上述したように、吸収性物品のゾーンは、吸収性物品の様々な層も同様に含み得る。そのため、1つのゾーンは、密着特徴部を含んでもよく、一方、別のゾーンは、適合特徴部、適合特徴部と密着特徴部との組み合わせ、適合特徴部の異なる配置などを含んでもよい。
【0105】
1つの特定例では、1つ以上のゾーンは、突出部/凹部、例えば、トンネルタフト、中実タフト、入れ子式タフト、又は隆起部及び溝に沿って孔を備えてもよい。1つの特定の形態では、突出部(トンネル、中実、又は入れ子式)の第1の部分は、正のZ方向に向いていてよく、一方、第2の部分は負のZ方向に向いてよい。別の特定の形態では、1つのゾーンは、トンネル、中実、又は入れ子式タフトの組み合わせを含んでもよい。そのような形態では、第1の部分は正のZ方向に向いていてよく、第2の部分は負のZ方向に向いていてよい。又は、改質ウェブ335の少なくとも1つのゾーンが、正及び/又は負のZ方向のいずれかに孔及び突出部の両方を含む形態が想到される。
【0106】
更なるゾーン構成が想到される。例えば、ゾーンは、吸収性物品の長さに沿って個別に位置付けられてもよい。例示の吸収性物品1510を
図11Aに示す。吸収性物品1510が、婦人用衛生パッドの形態で示されているが、本明細書で説明されるゾーンは、所望に応じて吸収性物品に適用されてもよい。吸収性物品1510は、パッドを横切って横方向に延在するゾーンを含んでもよい。例えば、吸収性物品は、吸収性物品1510の一方の端部に配置された第1の外側領域1520と、吸収性物品1510の反対側の端部に配置された対向する第2の外側領域1540と、を含んでもよい。第1の外側領域1520と第2の外側領域1540との間は、標的領域1530である。
図11Aに示される破線は仮想であり、隣接する領域間の例示的な輪郭を示す。
【0107】
標的領域1530は、第1の外側領域1520及び第2の外側領域1540と共にそれぞれ、吸収性物品の長さの約3分の1を含んでもよい。上述の領域のそれぞれに、ユーザーにとって異なる利益を提供するために、異なる処理を施すことができる。例えば、第1の外側領域1520は、パッドの前部と関連付けられてもよく、第1のゾーン1525を含んでもよい。第1のゾーン1525は、この領域の外側に位置付けられた突出部と比較して、スケールが小さい突出部を含んでもよい。より小さいスケールの突出部は、吸収性物品1510の着用者に柔らかくクッション性のある感触をもたらすために提供されてもよい。パッドの前部は、ユーザーの恥骨症状領域と関連付けられ得るため、より柔らかく、よりクッション性の高い感触が有益であり得る。加えて、第1のゾーン1525は、標的ゾーン1535よりも多い突出部を備えてもよく、逆であってもよく、又は同じ数を有してもよい。第1のゾーン1525が矩形の形態で示されているが、任意の好適な形状が利用されてもよい。例えば、第1のゾーン1525は、ハート形、月形、星形、蹄鉄形、雲形、花形などの形態であってもよい。いくつかの形態では、複数の別個の突出部は、前述の形状を形成してもよい。第1のゾーン1525が第1の外側領域1520と関連付けられる一方で、第1のゾーン1525は、必ずしも第1の外側領域1520に限定されなくてもよいことは注目すべきである。代わりに、第1のゾーン1525は、標的領域1530内にある程度まで、及び/又は第2の外側領域1540内にある程度まで延在してもよい。標的ゾーン1535及び第2のゾーン1545は、同様に構成されてもよく、例えば、それらは、隣接する領域内にある程度まで延在してもよい。あるいは、ゾーンは、吸収性物品の全長に延在してもよい。
【0108】
別の例として、標的領域1530は、標的領ゾーン1535を含み得る。標的ゾーン1535は、体からの液体侵襲を受容することが予想される吸収性物品1510の領域に対応してもよい。例えば、婦人用衛生パッドの場合、標的ゾーン1535は、使用中に膣口に対応する物品の領域内に配置され得る。成人用失禁品の場合、標的ゾーン1535は、尿道口に対応する物品の領域内に配置され得る。
【0109】
標的ゾーン1535は体からの液体侵襲を受容し得るため、液体侵襲が迅速に捕捉され、物品の吸収性コアに分配されるように、標的ゾーン1535を加工してもよい。したがって、標的ゾーン1535には、迅速な流体捕捉を可能にするために、本明細書に記載されるような孔を備えてもよい。いくつかの形態では、標的ゾーン1535には、液体捕捉を促進する、第1のゾーン1525よりも大きい突出部が設けられてもよい。いくつかの形態では、標的ゾーン1535には、第1のゾーン1525内に孔と共に提供されるものよりも大きい突出部が設けられてもよい。いくつかの形態では、標的ゾーン1535には、第1のゾーン1525内の突出部と同様の寸法の突出部が孔と共に設けられてもよい。
【0110】
第1のゾーン1525と同様に、標的ゾーン1535は矩形の形状で示されているが、任意の好適な形状が用いられてもよい。例えば、標的ゾーン1535は、ハート形、星形、蹄鉄形、雲形、花形などの形態であってもよい。標的ゾーン1535内に存在する孔がパターンで配置される形態が想到される。好適なパターン及びパターンの孔を作製する方法は、前述されている。同様に、標的ゾーン1535内の別個の突出部が、標的ゾーン1535の形状によって示されるようなパターンで配置される形態が想到される。
【0111】
吸収性物品の標的領域1530及び標的ゾーン1535は、吸収性物品の機能性において重要な役割を果たすことができる。例えば、標的領域1530及び標的ゾーン1535は、液体侵襲の供給源に近い、安定しているが適合可能な吸収性物品の中央部を提供すべきである。いくつかの特定の形態では、トップシート、FM層、及び吸収性コアは、それらの間に密着を形成するように機械的に操作される。このような形態では、負のZ方向に向いている突出部は、捕捉速度を改善し、吸収性を改善するのに有益であり得る。
【0112】
また、別の例として、第2の外側領域1540は、第2のゾーン1545を含んでもよい。第2のゾーン1545は、着用者の殿溝に対応する物品の領域に対応してもよい。そのような形態では、第2のゾーン1545を特別に処理して、第2のゾーン1545が殿溝に適合することを可能にし、それによって着用者に対する物品のより良好なフィットを可能にすることが有益であり得る。第2のゾーン1545には、第2のゾーン1545の可撓性を増加させる突出部が設けられてもよく、これにより、物品1510を、突出部を有さないものよりも容易に曲げることができる。第2のゾーン1545は、第2のゾーン1545内の可撓性/適合性を増大させる、本明細書に記載されるような適合特徴部を備えてもよい。1つの特定の例では、第2のゾーン1545は、正のZ方向に向いている突出部を含んでもよく、これは、本体から流体を拭き取るための補助を提供し得る。
【0113】
典型的には、吸収性物品の最も剛性が高い部分は、トップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コアである。コアの柔軟性を高めるために利用されるいくつかの従来の方法は、追加の可撓性が必要とされるコア材料を除去する(切り抜く)ことである。しかしながら、吸収性コア材料が典型的には除去後に廃棄されるため、コストを増加させる場合がある。対照的に、本開示の場合、第2のゾーン1545内の吸収性コアは、第2のゾーン1545内の吸収性コアの可撓性を増加させる適合特徴部を含んでもよい。いくつかの形態では、吸収性コアに加えて、トップシート及び/又はFM層は、第2のゾーン1545の可撓性を増加させるための適合特徴部を含んでもよい。第2のゾーン1545は、前述の領域と同様に三角形として示されているが、第2のゾーン1545は、任意の好適な形状を含んでもよい。いくつかの例としては、ハート形、虹形、星形、雲形、動物形などが挙げられる。いくつかの形態では、適合特徴部などは、前述の形状のパターンで配置されてもよい。
【0114】
第1のゾーン1525、第2のゾーン1545、及び標的ゾーン1535が、それぞれ適合特徴部を含むように同様に処理される本開示の形態が想到される。そのような形態は、全てのゾーンが同じサイズの特徴部を含むため、位置合わせする必要性をある程度排除することができる。第1のゾーン1525、第2のゾーン1545、及び標的ゾーン1535が同様に処理されるが、それらの対応するゾーン内に様々な層を含む形態が想到される。例えば、いくつかの形態では、第1のゾーン1525及び第2のゾーン1545は、FM層及び吸収性コア、例えば、第1の層の組み合わせの、機械的操作、例えば適合特徴部を含み得る。しかしながら、標的ゾーン1535は、トップシート、FM層、及び吸収性コア、例えば、第2の層の組み合わせの、機械的操作、例えば適合特徴部を含んでもよい。そのような構成により、吸収性物品は、第1のゾーン1525及び第2のゾーン1545が吸収性物品の快適性及びフィットに焦点を当てる一方で、標的ゾーン1535が流体捕捉及び再湿潤の低減に焦点を当てているような設計を可能にし得る。又は、ゾーンは、異なる密着特徴部及び/又は適合特徴部を含んでもよい。例えば、第1のゾーン及び/又は第2のゾーンは、第1の複数の密着特徴部及び/又は適合特徴部を含んでもよく、標的ゾーンは、第2の複数の密着特徴部及び/又は適合特徴部を含んでもよく、第1の複数部は、隣接する密着特徴部及び/又は適合特徴部間の形状、密度(平方cm当たりの数)、深さ、長さ、形状、及び/又は間隔(特徴部の最も近い縁部から隣接する特徴部の最も近い縁部)のうちの少なくとも1つにおいて、第2の複数部と異なる。
【0115】
前述したように、領域内の様々なゾーンの形状は、所望に応じて構成されてもよい。例えば、ゾーンは、物品の全幅をX方向に延在してもよい。
図11A及び
図11Bに示される領域内のゾーンの形状にかかわらず、未改質又は異なる改質を受けた材料の第1の距離1570が、第1のゾーン1525と標的ゾーン1535との間に配置されてよい。
【0116】
異なる改質を受けた材料及び/又は未改質材料の決定は、前述した適合特徴部の識別と同様の材料の目視検査によって決定されてもよい。すなわち、未改質材料は、本明細書に記載のメソプロセスに供されていない。明確にするために、隣接するゾーン間の未改質材料は、水流交絡及びニードルパンチなどのマイクロプロセスに供されていてもよい。加えて、異なる改質を受けた材料は、本明細書に記載されるメソスケールのプロセスに供されていてもよいが、異なる改質を受けた材料が隣接するゾーンとは異なる適合特徴部を有し得る。
【0117】
同様に、未改質材料又は異なる改質を受けた材料の第2の距離1575は、標的ゾーン1535と第2のゾーン1545との間に配置されてもよい。いくつかの形態では、第1の距離1570は、第2の距離1575より大きくてもよい。未改質材料又は異なる改質を受けた材料の領域は、吸収性物品1510の構造を保つのに役立ち得る。これにより、物品1510が、所望のゾーン内で物品による適合性を促進し、圧縮抵抗を提供する、ある程度の構造的一体性の維持を確実にすることができる。いくつかの形態では、第1の距離1570は、約5mm~約10mm以上であってもよい。いくつかの形態では、第2の距離1575は、同様に約5mm~約10mm以上であってもよい。例えば、第1の距離及び/又は第2の距離は、約5mm~約30mm、約7mm~約20mm、又は約9mm~約15mmであってもよい。第1の距離及び第2の距離は、第1のゾーンと標的ゾーンとの間、又は標的ゾーンと第2のゾーンとの間の最短直線距離を表す。
【0118】
本明細書に記載されるゾーンは、任意の好適な方法で吸収性物品1510に提供されてもよい。例えば、物品1510は、本明細書に記載される改質ウェブを含んでもよく、
図11A及び11Bに関して上述したようなゾーンで構成されてもよい。例えば、改質ウェブは、第1のゾーン1525、第2のゾーン1545、及び標的ゾーン1535を含んでもよい。更なるゾーン構成が想到される。
【0119】
ゾーン構成に加えて、前述のプロセス説明に基づいて、吸収性物品上のゾーンに関して達成され得る多くの可能な組み合わせが存在する。可能な組み合わせのうちのいくつかは、関連する利益と共に以下に記載される。例えば、ゾーンが、複数の層全体に、個々の層のみに全体に、又は層の様々な組み合わせ全体に均一に提供される形態が想到される。具体的には、第1のゾーン1525又は第2のゾーン1545のうちの少なくとも1つは、トップシート、FM層、又は吸収性コアのうちの少なくとも2つに適用される密着特徴部及び/若しくは適合特徴部を含んでもよい。標的ゾーン1535は、トップシート、FM層、又は吸収性コアのうちの少なくとも2つに適用される密着特徴部及び/又は適合特徴部を含んでもよく、標的ゾーン1535の層の組み合わせは、第1のゾーン1525とは異なる。又はこれらの組み合わせは、これらのゾーンにおいて同じであってもよい。トップシートとバックシートとの間に配置された追加の材料層を含む更なる形態が想到される。追加の材料層は、本明細書に記載されるように、1つ以上のゾーンで処理することができる。
【0120】
ここで
図3A、
図3B、
図3D、
図11A、及び
図11Bを参照すると、いくつかの例では、任意の単位動作前に、トップシートウェブ10及びFM層ウェブ20は、切断及び配置動作30で接合され、それによってTFM積層体35を形成することができる。このような形態では、TFM積層体35に提供される任意の操作が、トップシート及びFM層の両方に提供される。このような形態では、第1の単位動作40は、第1のゾーン1525、標的ゾーン1535、及び/又は第2のゾーン1545に対応するTFM積層体に、特徴部を付与することができる。また、前述のように、これらの特徴部は、トップシートとFM層との間の密着を作り出すのに役立ち得る。特徴部が設けられていないゾーンのうちのいずれかに関して、これらのゾーンは、改質されないままであってもよい。
【0121】
対照的に、
図3Cでは、トップシートウェブ10は、切断及び配置動作30においてFM層ウェブ20に接合される前に、第1の単位動作40で機械的に操作されてもよい。第1の単位動作40は、第1のゾーン1525及び標的ゾーン1535に対応するトップシートウェブ10に、特徴部を提供してもよい。前述と併せて又は独立して、第1の単位動作は、第2のゾーン1545に対応する適合特徴部を同様に提供することができる。特徴部が設けられていないゾーンのうちのいずれかに関して、これらのゾーンは、改質されないままであってもよい。
【0122】
FM層ウェブ20は、切断及び配置動作30においてトップシートウェブ10に接合される前に、第1の単位動作40に供されてもよい。このような形態では、第1の単位動作40は、第1のゾーン1525、標的ゾーン1535、及び/又は第2のゾーン1545に対応するFM層ウェブ20に、特徴部を提供することができる。このような形態では、トップシートウェブ10は、切断及び配置動作30に未改質で提供されてもよい。特徴部が設けられていないゾーンのうちのいずれかに関して、これらのゾーンは、改質されないままであってもよい。
【0123】
いくつかの形態では、トップシートウェブ10及びFM層ウェブ20は、切断及びスリップ動作30で接合される前に別個の単位動作に供されてもよい。別個の単位動作は、第1のゾーン1525、標的ゾーン1535及び/若しくは第2のゾーン1545、又はそれらの任意の組み合わせに対応するトップシートウェブ10及び/又はFM層ウェブ20に、特徴部を付与することができる。
【0124】
図3D、
図11A、及び
図11Bを参照すると、いくつかの形態では、吸収性コアは、中間積層体48と共に切断及び配置動作31に提供されてもよい。次いで、得られたTFMAC積層体37は、第2の単位動作50に提供されてもよい。第2の単位動作50は、第1のゾーン1525、標的ゾーン1535、及び/又は第2のゾーン1545に対応するTFMAC積層体37に、特徴部を付与することができる。また、前述のように、TFMAC積層体37に提供される特徴部は、トップシート、FM層、及びAC層の間に密着を作り出すことができる。特徴部が設けられていないゾーンのうちのいずれかに関して、これらのゾーンは、改質されないままであってもよい。
【0125】
図3E、
図11A、及び
図11Bを参照すると、いくつかの形態では、FM層ウェブ20及び吸収性コアウェブ18は、FMAC積層体ウェブ49に特徴部を付与する第2の単位動作50に提供されてもよい。このような形態では、FMAC積層体ウェブ49に提供される特徴部は、吸収性コアウェブ18及びFM層ウェブ20の両方に提供される。いくつかの形態では、第2の単位動作50は、第1のゾーン1525、標的ゾーン1535、及び/又は第2のゾーン1545に対応する本明細書に記載される特徴部を付与することができる。前述したように、吸収性コアは典型的には吸収性物品の最も剛性が高い部分であるため、いくつかの特定の形態では、第2の単位動作50は、第2のゾーン1545に対応する適合特徴部などを、FMAC積層体ウェブ49に付与することができる。
【0126】
吸収性コアウェブ18及びFM層ウェブ20が別個の単位動作に供される形態も想到される。このような形態では、特徴部は、第1のゾーン1525、標的ゾーン1535、及び/又は第2のゾーン1545に対応するFM層に付与されてもよい。同様に、特徴部は、第1のゾーン1525、標的ゾーン1535、及び/又は第2のゾーン1545に対応する吸収性コアウェブ18に提供されてもよい。いくつかの特定の形態では、吸収性コアウェブは、第2のゾーン1545のみに適合特徴部を備えてもよい。又は、吸収性コアウェブは、FM層ウェブ20とは異なるゾーンに対応する適合特徴部を備えてもよい。
【0127】
図3E、
図3F、
図9A、及び
図9Bを参照すると、トップシートウェブ10は、いくつかの形態では、第1の単位動作40に供されてもよく、又は切断及び配置動作30に未改質で提供されてもよい。トップシートウェブ10が第1の単位動作40に供され得る形態では、トップシートウェブ10に付与される特徴部は、第1のゾーン1525、標的ゾーン1535、及び/又は第2のゾーン1545に対応し得る。
【0128】
ゾーンは、非境界材料を作製することによって更に向上させることができる。例えば、吸収性コアウェブの長さが、FM層の長さよりも短い形態が想到される。このような構成は、吸収性物品に利用される吸収性コアウェブの量を低減することができる。これにより、材料コストを節約することができる。非境界構成の例が、
図11Cに示される。示されるように、いくつかの形態では、FM層20及び吸収性コア層18は、トップシートウェブ10とバックシートウェブ1716との間に挟まれ得る。前述のように、FM層20は、トップシート10及びバックシート1716よりも短い長さを有してもよい。しかしながら、いくつかの形態では、吸収性コア18は、FM層20よりも短い長さを有し得る。
例えば、示されるように、吸収性コア18は、標的領域1530内に配置されてもよく、第1の領域1520及び第2の領域1540内にわずかな長さ、例えば、第1の領域及び/又は第2の領域の長さの50%未満の長さの分延在してもよい。いくつかの形態では、吸収性コア18は、標的領域1530内にのみに配置されてもよい。このような形態では、吸収性物品1510の端部に隣接する吸収性コア18がない場合、物品1510の端部のより高い可撓性を可能にすることができる。このような形態は、本明細書に記載される切断及び配置動作を介して達成され得る。
【0129】
加えて、このような形態では、漏れの可能性を低減するために追加の材料層を追加することができる。例えば、
図11Dに示されるように、吸収性コア18とバックシート1716との間に補助吸収層19を追加することができる。示されるように、補助吸収層19は、主に第2のゾーン1540内に配置され、標的領域1530内の吸収性コア18と重なり合ってよい。
【0130】
1つの特定例では、
図11Eに示されるように、吸収性物品1510は、それぞれが吸収性物品1510の長手方向側縁部に隣接して配置される突出部1571及び1572を含んでもよい。突出部1571及び1572は、標的領域1530内にのみ配置されてもよい。あるいは、いくつかの形態では、突出部1571及び1572は、それぞれの長手方向側縁部の全長に沿って配置されてもよい。いくつかの形態では、突出部1571及び1572は、本明細書に記載されるタフト、例えば、トンネルタフト、外側タフト、中実タフト、入れ子式タフト、隆起部及び溝部を含んでもよく、又は本明細書に記載される波形部を含んでもよい。これらの形態では、突出部1571及び1572がタフトを含む場合、複数のタフトは、吸収性物品1510の長手方向側縁部の長さに長手方向に隣接して配置されてもよい。波形部を含むこれらの形態に関して、複数の隆起部及び溝部は、同様に、吸収性物品1510の長手方向側縁部に沿って長手方向に配置されてもよい。又はいくつかの形態では、単一の隆起部及び溝部は、長手方向側縁部の長さに沿って長手方向に配置されてもよい。
【0131】
突出部1571及び1572を組み込む形態は、バリアとして作用することによって、追加の漏れ防止性を提供することができる。更なる構成が想到される。例えば、本開示の吸収性物品は、互いに横方向に離間された複数列の突出部を含んでもよい。このような構成は、漏れに対するバリアを提供することができ、また、ユーザーに柔軟性効果を提供することができる。いくつかの形態では、突出部1571及び1572は、吸収性物品のトップシートに形成されてもよい。他の形態では、突出部1571及び1572は、トップシート及び吸収性コア又はトップシート及びFM層に形成されてもよい。これらの形態では、突出部1571及び1572は、ある程度吸収性であり得る。
【0132】
第1の領域、標的領域、及び/又は第2の領域が2つ以上のゾーンを含む形態が想到される。例えば、
図11Eに示される形態に関して、標的領域は、突出部1571及び1572が配置される外側ゾーンを含んでもよい。外側ゾーンは、標的ゾーンの外側に配置されてもよい。第1の領域及び/又は第2の領域が突出部を含むこれらの形態については、突出部は、それぞれ第1のゾーン及び/又は第2のゾーンの外側にある外側ゾーンに配置されてもよい。
【0133】
前述の機械的操作及びゾーンの形成に加えて、本明細書に記載される機械的操作による密着に加えて、化学的不均質性によってゾーンを作成又は強化できる本開示の形態が想到される。例えば、突出部が吸収性物品に提供される場合、突出部の遠位端には組成物が提供されてもよい。又は隣接する突出部間のランド領域には、組成物が提供されてもよい。
1つの特定の例では、突出部が正のZ方向に向いている場合、突出部の遠位端には疎水性組成物が提供されてもよい。別の特定の例では、突出部が負のZ方向に向いている場合、突出部の遠位端には親水性組成物が提供されてもよい。好適な組成物及び組成物をウェブに適用するための方法は、米国特許出願公開第2017/0225449(A1)号、同第2017/0120260(A1)号、及び同第2017/0258650(A1)号に詳述されている。
【0134】
適合性改質ウェブ
発明者らは、驚くべきことに、流体管理に有益であるが、それ自体で製品の適合性に十分でない場合がある、密着部を見出した。例えば、ニードルパンチ及びスパンレース加工されたウェブは、隣接する層の間に密着を提供することによって、良好な流体処理特性を提供する一方で、それ自体に必要とされる適合性のレベルを提供することができない。むしろ、本明細書に記載されるメソスケールプロセスは、本明細書に記載されるように、改質ウェブ内に適合特徴部を形成するために、適切な間隔で利用されてもよい。
【0135】
本開示の吸収性物品は、良好な流体管理に加えて、着用者の身体に良好な適合性を提供することができる。しかしながら、良好な流体管理は、マイクロスケールプロセス及びメソスケールプロセスによって生成され得る密着から由来し得るが、良好な適合性は、本明細書に記載されるメソスケールプロセス、又はマイクロスケールとメソスケールプロセスとの組み合わせによってのみ達成され得る。
【0136】
従来の繊維性吸収性コア材料、例えば厚く(又は高密度セルロース綿毛)又は吸収性のエアレイド材料は、本質的に弱い機械的構造を形成する短い(~2.5mm)セルロース繊維から主に構成される。これらの従来の構造は、乾燥状態で大きな身体運動の間、それらの一体性及び形状を維持するのに苦労する。湿潤状態では、濡れたセルロース繊維が可塑化し、柔らかく、柔軟になり、崩壊するために、一体性及び製品維持形状は更に劣化する。歴史的に、セルロース系の機械的性能の改善には、次の2つのアプローチが採用されており、高密度化(典型的な綿毛のコアは、未高密度時の0.04g/cm3から高密度化時の約0.2g/cm3の範囲)、エアレイドの場合、高密度化に加えて、熱結合性2成分繊維(典型的には長さ6mm未満)又はラテックス系バインダーを含む(エアレイドは典型的には0.08~0.15g/cm3である)。
【0137】
セルロース系短繊維吸収性コアシステムの高密度化の問題は、これらが吸収性コアシステムを著しく硬くする傾向があることである。残念ながら、高密度化は、快適性、及び剛化された吸収性システムの身体形状への直接的適合能の両方に、悪影響を及ぼし得る。デリケートゾーン領域は、比較的短い(センチメートル未満)長さスケール上の顕著なトポグラフィー的変化によって特徴付けられる。この複雑な形状は、高密度化に起因して適合することが困難となり得る。すなわち、吸収性システムが高密度化されると、それらの曲げ弾性率(曲げの容易さ)及び曲げ剛性が劇的に増大し、陰唇(大陰唇及び突出している小陰唇)表面への密接な適合を非常に困難にする。また、記載されるように、これらの短繊維セルロース繊維構造体は、乾燥状態から湿潤状態へと著しく崩壊する。
【0138】
吸収性物品の使用中の適合能は、一般に、吸収性物品内の最も硬い層によって支配される。着用者の身体に良好な適合性を提供できる吸収性物品を作製するために、吸収性物品の最も硬い層は、本明細書に記載されるように機械的に操作され、より適合した構造を作り出すべきである。いくつかの形態では、これは、本明細書に記載されるように、トップシート、任意のFM層、及び吸収性コアを、吸収性物品全体に、又はゾーンにおいてのいずれかでの機械的操作を含んでもよい。前述したように、これらの層のこのような操作は、本明細書に記載されるように、吸収性物品全体又はゾーン内で生じ得る。また、適合性の向上の利点と共に、密着の利益、したがって良好な流体管理も実現することができる。
【0139】
図12A~
図12B及び
図13A~
図13Cでは、支柱、ノード、及び凹部のパターンが示されている。ノードは、凹部を介して互いに離間された支柱を介し、互いに相互接続される。ノードは、改質ウェブの本質的に改質されていない材料であり、一方、支柱及び凹部に関連する材料は機械的に歪ませられている。隣接するノードを接続する少なくとも1つの支柱が存在してもよい。又は隣接するノード間に複数の支柱が存在してもよい。例えば、支柱の数は、約2~約10であってよい。又は、10個を超える支柱が利用されてもよい。
【0140】
図12A~
図12Bは、本明細書に記載されるタフト生成プロセスを利用して吸収性コアと一体化したトップシートの、それぞれ平面図及び断面図を示す。タフトは、負のZ方向に向いていた。示されるように、良好な流体管理効果を提供するだけでなく、身体に対する良好な適合性を提供する、トップシート1217及び吸収性コア1219複合体1200は、複数のノード1211と、隣接するノード間の複数の支柱1213と、を含む。
隣接する支柱1213の間には、負のZ方向に延在する凹部1215がある。凹部1215は、記載される細工部(例えば、本明細書の突出部に関する
図6B参照)がトップシート及び吸収性コアウェブに衝突するときに、形成され得る。示されるように、トップシート1217の繊維は吸収性コア1219の繊維と共に、凹部1215内に配置されている。
【0141】
図12A~
図12Bの試料は、28gsmのカレンダー結合、2成分、スパンボンド繊維トップシート1217を含んでいた。30%連続、例えば、ステープルファイバーよりも長い、約5~約10マイクロメートル、又はそれ以上のポリプロピレン繊維を含む、吸収性コア1219が共形成された。凹部1215を形成した細工部は、タフトに関して記載されたとおりであった。細工部のDOEは、1.9mmであった。
【0142】
図13A~
図13Cは、吸収性コア1319と一体化されたトップシート1317の、それぞれ平面図及び断面図を示す。タフトは、負のZ方向に向いていた。示されるように、トップシート1317及び吸収性コア1319の複合ウェブ1300は、ノード1311及び支柱1313を含む。隣接する支柱1313の間には、負のZ方向に延在する凹部1315がある。凹部1315は、本明細書の突出部に関して記載される細工部がトップシート及び吸収性コアウェブに衝突するときに、形成され得る。示されるように、トップシート1317の繊維は吸収性コア1319の繊維と共に、凹部1315内に配置されている。
図13A~
図13Cの試料は、28gsmのカレンダー結合、2成分、スパンボンド繊維トップシート1317を含んでいた。吸収性コア1219は、38mmの繊維長を有する水流交絡不織布であった。凹部1215を形成した細工部は、トンネルタフトに関して記載されたとおりであった。細工部のDOEは、1.9mmであった。
【0143】
図12A~
図12B及び
図13A~
図13Cの両方の試料について、トップシートが隣接する支柱の中へ及び隣接する支柱の間に移動することに注目すべきである。前述したように、同じ、例えばニードルパンチ又はスパンレースのマイクロスケール加工は、各凹部内でトップシートの少量の繊維のみを移動させる。対照的に、本明細書に記載されるメソスケールプロセスは、はるかに大量のトップシートの構成材料を吸収性コア内に移動させることにより、結果として得られる特徴部が吸収性物品の適合性の利益提供を可能にし得る。更に、メソスケールプロセスによって、トップシート及び吸収性コアは、良好な流体管理特性を提供するために互いに密着している。
【0144】
図14は、トップシート及び吸収性コア複合体1400を示す概略的な拡大断面図を示す。示されるように、凹部1415(可視化を容易にするために誇張されている)は、複合体の厚さ全体に延在しておらず、むしろ、トップシート及び/又は吸収性コアの構成材料を再配列している。つまり換言すれば、凹部は底部1421を有する。示されるように、凹部底部1421は、複合体1400の第1の表面と第2の表面との間に配置されてもよい。又は、少なくとも1つの凹部の底部1421は、複合体1400の第2の層の下に配置されてもよい。例えば、
図6A又は6Bに記載されているロールの歯が、トップシート及び/又は吸収性コアの構成材料と係合するとき、構成材料の一部は、延在して薄くなる場合があり、一部は更に破断する場合がある。不織布材料の場合、不織布の繊維がより薄くなる場合があり、一部の繊維は破断する場合がある。同様に、吸収性コアにおいて、構成材料の一部が破断するか、吸収性コアの構成材料に付着しなくなる場合がある。したがって、ある意味では、凹部1415は、隣接する支柱1413間に薄化領域を形成する。材料の量が低減することにより、薄化領域は、支柱1413が互いから多少独立して移動、屈曲、及び/又は回転することを可能にできる。しかしながら、底部1421は、吸収性コアがある程度の構造的重要性を依然として保持するように、隣接する支柱1413をつなぎ合わせている。
【0145】
隣接する支柱1413をつなぎ合わせることに加えて、底部1421はまた、隣接する支柱1413間に架橋部を形成する。この架橋部は、架橋部が存在しない場合とは対照的に、吸収性コアのより多くの材料を利用するのを助けることができる流体輸送経路として機能することができる。
【0146】
加えて、トップシート及び吸収性コアの材料を負のZ方向に付勢することにより、トップシート及び吸収性コアの材料は、凹部の側壁及び凹部の底部に沿ってある程度まで混合すると考えられる。したがって、凹部は、より速い流体捕捉によって流体管理効果を提供することができる。対照的に、エンボス加工は、トップシートと吸収性コアとの間の材料の混合をある程度提供し得るが、エンボス加工によって形成される領域の高密度化は、高密度化領域における流体捕捉速度を増加させない。
【0147】
凹部1415のそれぞれは、その長軸に対して概ね平行に延在する長さを有する。
図12A~
図12C及び
図13A~
図13Cに示されるように、凹部の長さは変化し得る。示されるように、長軸は、吸収性物品の長手方向軸に平行な方向に概ね向いていてよい。しかしながら、凹部1415は、吸収性物品の横軸に概ね平行な長軸を有することができる。凹部1415は、吸収性物品の長手方向軸に対してある角度をなす長軸を有してもよい。例えば、凹部1415の第1の部分は、長手方向軸に概ね平行な長軸を有してもよく、凹部1415の第2の部分は、横軸に概ね平行な長軸を有してもよい。凹部1415の第3の部分は、長手方向軸に対して概ねある角度をなす長軸を有してもよい。第3の部分の凹部1415は、長手方向軸に対して様々な角度をなしている長軸を有する凹部を含んでもよい。例として、凹部1415の一部は、MDに対して第1の角度をなす長軸を有してもよく、凹部1415の一部は、MDに対して第2の角度をなす長軸を有してもよい。凹部の長軸の一部は第3の角度をなしてよく、凹部の長軸の一部は第4の角度などをなしてもよい。
【0148】
凹部の長軸に対して概ね垂直な隣接する凹部間の間隔は、任意の好適な距離であってよく、関連するロール上の形成要素の間隔に依存する。間隔に関するロールに関して機械的限界が存在し得るため、そのような制限は、隣接する凹部間の間隔に影響を及ぼし得る。
加えて、一体化されている層のキャリパーは、同様に凹部間の間隔付けに関連し得る。例えば、より厚いキャリパーの材料は、隣接する歯間により高い間隔を必要とする場合がある。一体化されている材料に応じて、歯間の間隔がより近いと、層の解砕/引き裂きを引き起こす可能性がある。いくつかの特定の形態では、凹部は、CDに約1mm超、MDに約2mm超離間していてもよい。
【0149】
いくつかの形態では、底部1421は、加熱された歯又は他の好適な機構によって結合されてもよい。結合された底部1421は、ウェブに更なる安定性を提供し、トップシートの吸収性コアへのしっかりとした固定を確実にできる。好適なプロセスは、米国特許第7,682,686号に更に詳細に記載されている。
【0150】
図12A~
図12B及び
図13A~
図13Cに関して説明した複合体は、トップシート及び吸収性コアを含むが、トップシート及びFM層複合体が形成されてもよい。又は複合体は、FM層及び吸収性コアを含んでもよい。又は複合体は、トップシート、FM層、及び吸収性コアを含んでもよい。
【0151】
前述したように、いくつかのセルロース系材料は、本明細書に記載されるメソスケールプロセスに曝されたとき、ある程度引き裂かれ、破れ、及び/又は細断される場合がある。本明細書に記載されるメソスケールプロセスに供された場合に、一部の材料に起こる例を、
図15A~
図15Cに示す。示されるように、
図15Aの平面図より、トップシート及び吸収性コア複合体1500は、複合体1200及び1300(それぞれ
図12A~
図12B及び
図13A~
図13Cに示される)と全く異なるようには見えない。複合体1500は、ノード1511と、複数の支柱1513A及び1513Bと、を含む。各支柱は、凹部1515の側壁部分を互いに反対側に形成する。しかしながら、
図15B及び
図15Cに示されるように、凹部1515は、複合体1500全体に延在し、隣接する支柱間のスリットのように働く。機械的観点から、凹部1515は、隣接する支柱に結合することなく、支柱1513A及び1513Bが互いに対して移動することを可能にし得る。これは、最初は高い適合性を可能にし得る。しかしながら、示されているように、
図14に関して記載した隣接する支柱間の接続がないと(
図12A~
図12B及び
図13A~
図13C中に存在する)、支柱1513は、利用可能な動きの程度において、過度に可撓性を有し得る。例えば、示されるように、第1の支柱1513Aの一部は、第2の支柱1513Bの一部の下に配置される。そのため、吸収性コアの任意の動きは、支柱1513A及び1513Bの互いに対する摺動を克服するのに十分なエネルギーを必要とする。また、コア内の潜在的エネルギーとして蓄積されるのではなく、移動のエネルギーは、摩擦損失と同様に、一方の支柱の他方に対する相対的な動きの克服において消散される。失われたエネルギーのため、一旦変形すると、
図14に記載される接続領域がない場合、支柱1513A及び1513Bは、非変形状態に回復するために必要なエネルギーを有することができない。したがって、複合体1500は、物品が着用される間に生成される機械的応力に耐えるのに十分な完全性を欠いており、最終的にバンチされた状態へと折り畳まれる。
これにより、着用者に対する不快感も生じ得る。そのため、適合性が過度に高くなると、十分な適合性が得られないのと同様に、着用中の快適性の問題につながる可能性がある。
【0152】
対照的に、本開示に従って選択される材料は、別の支柱の下に配置された1つの支柱の一部の摩擦損失を低減することができる。ここで
図15Cを参照すると、隣接する支柱は、大幅に重なり合っている。本開示に従って材料が選択されるとき、重なり距離1503は、約0.75mm未満、約0.5mm未満、又は約0.2mm未満、又は約0mmであってもよい。重なり距離試験は、本明細書で更に詳細に説明される。
【0153】
図15A~
図15Cの試料に利用される材料は、28gsmの2成分80パーセントポリプロピレン及び20パーセントポリエチレンのスパンボンドトップシートと、180gsmの4.9パーセント、長さ3mm、1.7dtexの2成分繊維、14.7パーセントのAGM粒子、及び約80パーセントの短いセルロース繊維を含むエアレイド吸収性コアであった。
【0154】
前述したように、従来の繊維状吸収性コア材料は、短いセルロース繊維を含む。繊維の長さが、例えば短いと、本明細書に記載されるメソスケールプロセスに耐え得る実質的な繊維ネットワークを形成することができないと考えられる。これらの短繊維の機械的操作により、そのような加工が典型的に材料の引き裂きをもたらす程度まで、これらの短繊維材料が変形及び伸張される(例えば、歯の周りを流れるとき)と考えられる。材料の引き裂きは、ユーザーが日常の動作を行いながら着用されている間に変形される際の、その形状を回復する構造体の能力を弱める。例えば、
図15A~
図15Cに示されるように、繊維が短すぎる場合、スリット及び裂けが生じ得る。
【0155】
前述したように、良好な適合性をもたらすために、最も高い剛性を提供する吸収性物品の層は、本明細書に記載される適合特徴部の形成のための良好な候補である可能性が高い。したがって、例として、トップシートと吸収性コアとの間に配置されたFM層は、本明細書に記載されるメソスケールプロセスに耐えるように設計される必要がない場合がある。そのような形態では、吸収性コアが吸収性物品の最も剛性が高い部分である場合、FM層の構成材料の破断は、吸収性物品の一体性に悪影響を与えない場合がある。逆もまた適用可能である。吸収性物品が、その吸収性コアの対応する部分よりも硬いFM層を含む場合、FM層は、本明細書に記載されるメソスケールプロセスに耐えるように設計され得る。しかしながら、このような形態の吸収性コアは、かかるプロセスに耐えるように設計される必要がない場合がある。又は、場合によっては、本明細書に記載されるメソスケールプロセスに耐えるようにシステムを設計することが有益であり得る。
【0156】
そのため、材料選択は、本開示の改質ウェブの適合性の程度に影響を及ぼし得る。発明者らは、驚くべきことに、例えば6mmより長い長繊維ネットワークを支持することにより、所望の機械的特性と共に流体力学的利益を提供する吸収性物品において、適合特徴部が形成され得ることを見出した。これらの長繊維ネットワークは、吸収性コア、FM層、及び/又はトップシート、又はこれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。しかしながら、長繊維ネットワークを作製するために十分な量の長繊維/フィラメントを利用すべきであることは注目すべきである。支柱間の薄化領域を達成するための適切な材料は、以下に更に詳細に記載される。
【0157】
前述のように、細工部間のDOEは、1つの層が別の層と係合するレベルに影響を及ぼす。例えば、小さいDOEについて
図16に示されるように、凹部の底部1621Bは、吸収性コアの着用者に面する表面に近接して配置されてもよい。対照的に、大きいDOEでは、凹部の底部1621Aは、底部1621Bよりも遠位に配置されてもよい。様々な係合深さが利用される形態が想到される。このような場合、DOEが大きい凹部は、DOEがそれほど大きくない凹部よりも深い場合がある。
【0158】
理論に束縛されるものではないが、長繊維ネットワークは、吸収性コアの解砕又は吸収性物品の可撓性を支配する層の解砕の可能性を低減することができると考えられる。吸収性コア、FM層、及び/又はトップシート内の繊維は、約6mmを超えるべきであると考えられる。更に、より長い熱可塑性繊維は凹部に広がり、隣接する支柱を接続する凹部の底部を支持することができると考えられる。また、機械的操作中に、より短い繊維、例えばセルロースは、吸収性システムの繊維ネットワーク内で結合するのに十分な長さを有さないため、互いに分離する傾向があるとも考えられる。本明細書で言及される細工部の係合深さがより高い場合、より長い繊維が必要とされ得ることが注目される。反対に、係合深さがより低いとより短い繊維が利用されてもよいが、例えば、5mm未満のより低い係合深さは、吸収性物品の適合性に悪影響を及ぼし得ると考えられる。いくつかの形態では、細工部長さ、例えば歯510の長さ(
図6Aに示す)より長い繊維長は、メソスケールプロセスに耐えることができる長繊維ネットワークを作り出すのに十分であり得る。そのため、凹部の深さは、吸収性システム、例えば、FM層及び/又は吸収性コアにおける熱可塑性繊維の平均長さよりも短くてもよい。
【0159】
長繊維ネットワークは、その層の構成材料が、メソスケールプロセスに利用される細工部の周囲でより容易に流動することを可能にすると考えられる。このように構成材料を流動させることにより、構成材料は、繊維の著しい破損を伴わずに、加工後に完全な状態で留まることが可能になる。更に、延伸性材料及び/又は捲縮繊維は、長繊維ネットワークがその構造的一体性を維持するのを助けることができると考えられる。
【0160】
繊維の長さに加えて、繊維が一緒につなぎ合わされる方法もまた、繊維ネットワークに影響を及ぼし得ると考えられる。例えば、カレンダー結合を介した結合部位の密度(平方cm当たりの結合部位数)は、長繊維ネットワークに影響を及ぼし得ると考えられる。例えば、結合密度が高い場合、隣接する結合部位の間隔により、長繊維を効果的に短くすることができる。対照的に、エアスルー結合は、これらのタイプの結合が加工中により容易に破壊されると考えられるため、長繊維ネットワークに有益に影響し得ると考えられる。
別の例として、これらの層の繊維の超音波結合及び/又は熱結合を利用して、長繊維ネットワークを支援することができる繊維ネットワークを構築することができる。更なる例としては、スパンレース及びニードルパンチが挙げられる。結合間隔、スパンレース、及び/又はニードルパンチは、長繊維ネットワークが屈曲/移動し、その後回復することを可能にし得る。適切な結合間隔は、有効繊維長が約6mm以上であることを確実にするであろう。十分な繊維ネットワークのいくつかの特定の例を表1~4に記載する。
【0161】
本開示の吸収性物品では、主層、すなわち、物品の可撓性に最も影響を及ぼす層(一般に最も厚い材料)は、長繊維ネットワークを含むことから利益を得ることができる。長繊維ネットワークの「長い」フィラメント又は繊維は、繊維構造内のフィラメント及び/又は繊維の15重量%~50重量%、繊維構造内の繊維の17%~40%、又は繊維性構造内の繊維の20%~30%、具体的にはこれらの範囲内の全ての値及びそれによって作られる任意の範囲を構成する。例えば、長い、すなわち6mmより長い繊維は、吸収性コア内にあってもよい。吸収性コアが本明細書に記載されるメソスケールプロセスに耐えるために、長繊維の坪量は、吸収性コアの坪量の少なくとも15パーセントであるべきと考えられる。しかしながら、吸収性コアが必要な長繊維パーセントを含まない場合、吸収性コアに隣接する材料の層、例えば、流体管理層及び/又はトップシートは、長繊維ネットワークに寄与し得る。しかし、吸収性コアが必要な長繊維パーセントを欠く場合、隣接する層から15パーセントを超える割合が必要とされ得ると考えられる。例えば、流体管理層及び吸収性コアに適合特徴部が提供されると仮定すると、吸収性コアが少なくとも25パーセントの長繊維を含まない場合、流体管理層の長繊維もまた評価されるべきである。そのような例では、長繊維の累積坪量を、流体管理層及び吸収性コアの累積坪量に対して評価して、長繊維の適切な割合を決定するべきである。
【0162】
長繊維ネットワークのフィラメント及び/又は繊維は、例えば熱可塑性繊維などの他のフィラメント及び/又は繊維と相互連結又は結合することができる。長繊維ネットワークのフィラメント及び/又は繊維は、吸収性メッシュ内の平均支柱高さよりも長い、及び/又は平均凹部深さよりも長い平均長さを有するべきである。長繊維ネットワークの繊維の平均長さは、約6mm~約100mmであってよい。又は、長繊維ネットワークは、連続フィラメント、例えばメルトブロウン、スパンメルト、スパンボンドなどを含んでもよい。更に、長繊維ネットワークは、連続フィラメント並びに繊維を含んでもよい。
【0163】
長繊維ネットワークを形成するために使用されるフィラメント及び/又は繊維は、フィラメント及び/又は繊維の束であってもよい。例えば、10~100本の繊維は、少なくとも5%のフィラメント及び/又は繊維が一緒に結合するように、束の形態であってもよい。フィラメント及び/又は繊維を一緒に束ねることにより、フィラメント及び/又は繊維が、望ましい透過性を維持しながら繊維ネットワークを形成することを可能にする。
【0164】
本開示に従って作製された例示的な吸収性物品1700を
図17Aに示す。示される物品は、標的領域1530内に良好な流体捕捉を提供するように改質されている。示されるように、8の字形状を有する標的ゾーン1535は、標的ゾーン1535内のFM層と吸収性コアとの間の密着を含み得る。更に、いくつかの形態では、標的ゾーン1535は、トップシートを通って、又はトップシート及びFM層を通って延在する孔を含んでもよい。
【0165】
加えて、吸収性物品1700は標的領域1530にも適合特徴部を備え、吸収性物品1700が着用者の外側陰唇構造に適合することを可能にし得る。同様に、第1の領域1520及び第2の領域1540は、吸収性物品1700のそれらの部分がユーザーの複雑な表面に適合することを可能にする適合特徴部を含んでもよい。しかしながら、第1の領域1520及び第2の領域1530で利用されるパターンは、吸収性物品に対してより多くの構造的一体性を提供することができ、一方、標的ゾーン1535内のパターンは、本体により、より高い適合性を提供し得る。同様に、標的ゾーン1535の外側で、標的領域1530は、第1の領域1520及び/又は第2の領域1540のパターンを含んでもよく、又は標的ゾーン1535よりも更なる構造的一体性を提供するパターンを含んでもよい。
【0166】
示されるように、第1の領域1520及び第2の領域1540は、概ね菱形状であり、繰り返しパターンを有する適合特徴部を含んでもよい。菱形状のそれぞれの内部には、様々な長さの複数の凹部が存在する。示されるように、凹部は一般に、吸収性物品1700の長軸に対して概ね平行に向けられている。しかしながら、凹部は、それに対してある角度で向けられてよく、又は吸収性物品の横方向軸と概ね平行に向けられてもよい。又は、パターン内の菱形の一部は、一方向に向く凹部を含んでもよく、一方、パターン内の他の菱形は、別の方向に向く凹部を含んでもよい。パターン内の単位の形状、例えば菱形、円などにかかわらず、同様である。更なる好適な形状が以下に開示される。
【0167】
また、示されるように、標的領域1530はその一部で、列方向及び互い違いの行方向に概ね向けられた適合特徴部を含んでもよく、列は、吸収性物品1700の長軸に対して概ね平行である。凹部は、菱形の凹部よりも長くてもよく、又は菱形パターン内の凹部の少なくとも一部より長くてもよい。
【0168】
本開示のウェブに利用され得る追加のパターンは、
図17Bに関して提供される。示されるように、ノードは、任意の好適な形状、例えば、楕円形、六角形、菱形、半円、ハート形、ドーナツ形、虹形などであってもよい。更なる形状としては、月形、クローバー形、バルーン形、星形、又はこれらの組み合わせが挙げられる。示されるように、複数の支柱は、各ノードの間に延在する。
【0169】
吸収性物品
トップシート、FM層、吸収性コア、又はこれらの任意の組み合わせが、密着特徴部及び/又は適合特徴部を備えた後、改質ウェブを更に変換して吸収性物品を製造することができる。
図18に示されるように、最終ウェブ1058(本明細書に記載される最終ウェブを含む)は、その後、
図18に関して説明されるように加工され、複数の吸収性物品1039を作製することができる。
【0170】
例えば、吸収性コアが事前に提供されなかったこれらの形態に関しては、吸収性コアウェブ1718A(ロールとして示される)が、吸収性コアウェブ1718Aを切断し、そこから複数の別個の吸収性コアを作成する切断及び配置動作1030に提供されてもよい。複数の別個の吸収性コアは、複数の別個のFM部分20A(
図4に示される)上に配置され、それによってTFMAC積層体ウェブ37を形成してもよい。続いて、バックシート1716A(ロールとして示される)をTFMAC積層体ウェブ37上に配置し、それによって吸収性物品積層体ウェブ1073を形成することができる。接合動作1031は、バックシートをTFMAC積層体ウェブ37と接合するために利用され得る。続いて、吸収性物品積層体ウェブ1073は、吸収性物品積層体ウェブ1037を複数の別個の吸収性物品1039に切断する切断動作1032に供されてもよい。切断動作、並びに切断及び配置動作は、使い捨て吸収性物品の製造の技術分野において既知である。
【0171】
使い捨て吸収性物品のトップシートは、物品の着用者に面する面である。本開示の吸収性物品は着用者の皮膚に対して適合し、柔らかな感触であり、刺激がないものなど、いずれか既知の、又は他の有効なトップシートを含んでもよい。好適なトップシート材料は、着用者の体の方に向けられて体に接触し、排泄物が急速に浸透することを可能にし、トップシートを通って着用者の皮膚へ流体を逆流させない透水性材料を含む。
【0172】
好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、有孔プラスチックフィルム、織布材料、不織布材料、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維又はフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは2成分PE/PP繊維、又はこれらの混合物)、あるいは天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布材料又は不織布材料などの、幅広い範囲の材料から製造されてもよい。追加の繊維又はフィラメントとしては、メルトブロウン、ナノ、スパンボンド、カーディングなどが挙げられる。トップシートは、1つ以上の層、例えばスパンボンド-メルトブロウン-スパンボンド材料を有し得る。トップシートの任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又は他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。トップシートは、親水性又は疎水性であってよく、あるいは、親水性部分及び/又は疎水性部分を有していてもよい。トップシートが疎水性である場合、身体排泄物がトップシートを通過し得るように、典型的には孔が存在することになる。
【0173】
トップシートが、例えば、適合特徴部の形成のために機械的に操作されることが望ましい場合、トップシートは、延伸性材料、又は捲縮繊維/フィラメントを含む材料を含んでもよい。非延伸性材料が適合特徴部の形成に利用される場合、トップシートは破断又は裂ける可能性がある。延伸性繊維/フィラメントを有する不織布ウェブの更なる詳細は、米国特許出願公開第2014/0170367号に提供されている。また、捲縮繊維を有する不織布ウェブの詳細は、米国特許出願公開第2016/0166443号に提供されている。
【0174】
更に、いくつかの形態では、密着の概念をトップシートに適用することができる。例えば、トップシートは、フィルム基材及び不織布基材を含んでもよい。そのような形態では、不織布基材は、フィルム基材が押し出され得るキャリア材料であってもよい。押し出されたフィルムは半溶融状態であるため、得られる複合材料は、同じ構成材料のフィルム及び不織布積層体の上に密着と性能効果をもたらすと考えられる。フィルム/不織布複合体は、続いて、本明細書に記載されるように加工されてもよく、例えば、流体捕捉能を提供するための孔の追加、及び適合特徴部の提供が、かかるフィルム/不織布複合体上で実施されてもよい。このようなフィルム/不織布複合体及びその加工は、米国特許出願公開第2009/0026651号、国際出願PCT/CN2017/089550号、同PCT/CN2017/089553号、及び同PCT/CN2017/089554号に詳述されている。
【0175】
いくつかの形態では、トップシートは、不織布材料の複合体を含んでもよい。例えば、第1の不織布基材は、第1のスピンビームによって形成されてもよく、第2の不織布基材は、第2のスピンビームによって形成されてもよい。いくつかの形態では、第2のスピンビームは、第1のスピンビームのフィラメント上にフィラメントを形成してもよい。このように複合不織布を作製すると、第1のウェブを第2のウェブに積層して作製する場合とは対照的に、トップシートの基材間に密着を作り出すことができると考えられる。このような不織布ウェブ及びこのようなウェブを形成するためのプロセスは、米国特許出願公開第2017/0258651(A1)号に記載されている。
【0176】
いくつかの形態では、FM層及び吸収性コアは、任意の好適な材料を含んでもよい。例えば、FM層が吸収性物品の最も硬い層ではない場合、FM層は、トップシートから液体侵襲を迅速に吸収し、続いて液体侵襲を吸収性コアに移動させることができる任意の好適な材料を含んでもよい。同様に、吸収性コアが吸収性物品の最も硬い層ではない場合、吸収性コアは、FM層(存在する場合)又はトップシートから液体侵襲を吸収し、保持することができる任意の好適な材料を含んでもよい。従来の材料を利用するできる場合、FM層及び吸収性コアに対する多くの市販の可変品が存在する。
【0177】
しかしながら、FM層又は吸収性コアが吸収性物品の最も硬い層である場合、FM層又は吸収性コアの材料は慎重に選択されるべきである。いくつかの形態では、FM層及び吸収性コアは、例えば、長繊維ネットワークを含む、本明細書に記載されるメソスケールプロセスに耐えるように設計され得ることに留意されたい。
【0178】
吸収性システム、FM層及び/又は吸収性コアのいずれかは、例えば、不織布、繊維状構造体、熱可塑性長フィラメント及び又は繊維強化エアレイドウェブ、高ロフト不織布、ニードルパンチウェブ、水流交絡ウェブ、繊維トウウェブ、織物ウェブ、ニットウェブ、フロック加工されたウェブ、スパンボンドウェブ、層状のスパンボンド/メルトブロウンウェブ、カード繊維ウェブ、セルロース繊維及びメルトブロウン又はスパンメルト繊維のコフォームウェブ、ステープルファイバー及びメルトブロウン又はスパンメルト繊維のコフォームウェブ、並びにこれらの層状の組み合わせである層状ウェブなどのウェブであり得る。
【0179】
吸収性システムの構成フィラメント及び/又は繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びこれらのブレンドなどのポリマーからなり得る。フィラメントは、スパンボンドであってもよい。フィラメントは、メルトブロウンであってもよい。フィラメント及び/又は繊維は、セルロース、レーヨン、綿、又は他の天然材料若しくはポリマーと天然材料とのブレンドを含むことができる。フィラメント及び/又は繊維はまた、ポリアクリレートなどの超吸収性材料、又は好適な材料の任意の組み合わせも含み得る。フィラメント及び/又は繊維は、単一成分、2成分、及び/若しくは2構成成分、丸くない形状(例えば、毛管チャネル繊維)であり得、0.1~500マイクロメートルの範囲の主要断面寸法(例えば、円形繊維の直径)を有することができる。吸収性システムの構成フィラメント及び/又は繊維は、化学(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、(単及び2)成分、dtex(マイクロdtex及び>20dtex)、形状(すなわち、毛管及び円形)などの特徴の点で異なる、異なる繊維型の混合物でもあり得る。構成フィラメント及び/又は繊維は、約0.1dtex~約100dtexの範囲であり得る。
【0180】
好適な熱可塑性フィラメント及び/又は繊維は、単一ポリマーから作製することができ(単一成分繊維)、又は1種類を超えるポリマーから作製することもできる(例えば、2成分繊維)。シースを含むポリマーは、コアを構成するポリマーとは異なる、典型的にはより低い温度で溶融することが多い。結果として、これらの2成分フィラメント及び/又は繊維は、シースポリマーの溶融に起因して熱的接合をもたらし、一方でコアポリマーの望ましい強度特性を保持する。
【0181】
本発明で使用するのに適した2成分フィラメント及び/又は繊維としては、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルなどのポリマーの組み合わせを有するシース/コア繊維を挙げることができる。本明細書で使用するのに特に適した2成分熱可塑性フィラメント及び/又は繊維は、ポリプロピレン又はポリエステルのコアと、より低い温度で溶融するコポリエステル、ポリエチルビニルアセテート又はポリエチレンのシースと、を有するもの(例えば、DANAKLON.RTM、CELBOND.RTM、又はCHISSO.RTM.2成分繊維)である。これらの2成分フィラメント及び/又は繊維は、同心であっても偏心であってもよい。本明細書で使用するとき、「同心」及び「偏心」という用語は、シースが、2成分繊維の断面積を通じて、均一又は不均一な厚さを有するか否かを指す。偏心の2成分フィラメント及び/又は繊維は、より薄い繊維厚さでより高い圧縮強さを提供する上で望ましい場合がある。本明細書で使用するのに適した2成分フィラメント及び/又は繊維は、捲縮していない(すなわち、曲がっていない)又は捲縮している(すなわち、曲がっている)のいずれかとすることができる。2成分繊維は、主に二次元の、すなわち「平面的」な捲縮を達成するために、典型的な紡織手段、例えばスタッフィングボックス法又はギアクリンプ法によって捲縮させることができる。
【0182】
2成分繊維の長さは、繊維及びウェブ形成プロセスに所望される特定の特性に応じて様々であってもよい。理想的には、長繊維強化エアレイドウェブなどのエア形成ウェブにおいて、これらの熱可塑性繊維は、長さ約6mm~約15mm、好ましくは長さ約6mm超~長さ約12mmを有する。これらの熱可塑性繊維の特性はまた、繊維の直径(キャリパー)を変化させることによって調整することもできる。これらの熱可塑性繊維の直径は、典型的に、デニール(9000メートル当たりのグラム)又はデシテックス(10,000メートル当たりのグラム)に関して定義される。エアレイド製造機械、例えばDanWeb機で使用されるとき、好適な熱可塑性2成分繊維は、約1.0~約16デシテックス、好ましくは約1.4~約10デシテックス、最も好ましくは約1.7~約7デシテックスの範囲のデシテックスを有し得る。
【0183】
理論に束縛されるものではないが、良好な長繊維ネットワークを有するFM層及び/又は吸収性コアは、メソスケールプロセスに耐えることができると考えられる。また、前述したように、トップシートは、長繊維ネットワークにもある程度寄与し得る。6mm以上の長さの繊維を利用して、良好な長繊維ネットワークを提供するのを助けることができると考えられる。例えば、共形成は、6mmをはるかに上回る連続フィラメントを利用する。更に、熱可塑性結合性フィラメント及び/又は繊維は、ラテックス結合よりも利用することがより有利であると考えられる。
【0184】
FM層及び吸収性コアを含む吸収性システムの形態に関して、FM層及び/又は吸収性コアは、本明細書に記載されるように構築されてもよい。1つの特定例では、吸収性コアは、超吸収性ポリマー材料を含む基材を含んでもよい。例えば、ティッシュウェブは、ティッシュウェブ上に配置された吸収性ゲル化材料顆粒又は繊維を含んでもよい。
【0185】
バックシートは、一般には、吸収性コアの衣類に面する面に近接して配置された吸収性物品の部分である。バックシートは、当業者に知られている任意の取り付け方法によって、トップシート、吸収性コア、及び/又は吸収性物品の任意の他の層の一部分に接合されてもよい。バックシートは、吸収性コアに吸収されて閉じ込められた身体排泄物が、ベッドシーツ、下着、及び/又は衣服などの物品を汚すことを防止するか、又は少なくとも抑制する。バックシートは典型的には、液体不透過性であるか、又は少なくとも実質的に不透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムとするか、又はこれを含んでもよい。他の適切なバックシート材料は、吸収性物品から蒸気を逃がすことを可能にする一方で尚、身体排泄物がバックシートを通過することを防止するか、又は少なくとも抑制する通気性材料を含んでもよい。
【0186】
本発明の例示的な吸収性物品には、おむつ及び/又は婦人用パッドが含まれる。
図19を参照すると、本明細書に記載する前駆体ウェブを利用できる吸収性物品1710は、生理用ナプキン、婦人用衛生パッドであってもよい。示されるとおり、生理用ナプキン1710は、液体透過性トップシート1714、液体不透過性、又は実質的に液体不透過性のバックシート1716、及びトップシート1714とバックシート1716との中間に配置された吸収性コア1718を含み得る。生理用ナプキン1710は、生理用ナプキン1710の長手方向軸1780に関して外向きに延在する羽根1720を含んでもよい。生理用ナプキン1710はまた、横方向軸1790を有することができる。羽根1720は、トップシート1714、バックシート1716、及び/又は吸収性コア1718に接合することができる。生理用ナプキン1710は、また、前縁部1722と、前縁部1722に長手方向に対向する後縁部1724と、第1の側縁部1726と、第1の側縁部1726に横方向に対向する第2の側縁部1728とを含み得る。長手方向軸1780は、前縁部1722の中点から後縁部1724の中点まで延在し得る。横方向軸1790は、第1の側縁部1726の中点から第2の側縁部1728の中点まで延在し得る。生理用ナプキン1710はまた、当該技術分野では周知のように、生理用ナプキンに一般的に見出される追加の形成要素を備えてもよい。本発明のいくつかの形態では、米国特許第5,972,806号に記載されるように、羽根は伸張性ゾーンを備えてもよい。
【0187】
吸収性物品1710は、トップシート1714と吸収性コア1718との間に配置されるFM層を更に備えてもよい。FM層は本明細書に記載するように構成され得る。同様に、吸収性コアは本明細書に記載するように構成され得る。
【0188】
バックシートに好適な1つの材料は、約0.012mm(0.50ミル)~約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有し、例えばポリエチレン又はポリプロピレンを含む、液体不透過性熱可塑性フィルムであり得る。典型的には、バックシートは、約5g/m2~約35g/m2の坪量を有することができる。しかしながら、その他の可撓性の液体不透過性材料をバックシートとして使用してもよいことに留意されたい。本明細書における「可撓性」とは、適合性があり、着用者の身体全体の形状及び輪郭に容易に適応する材料を指す。
【0189】
バックシートは、一般に吸収性コアの外側表面に隣接して配置してよく、また、当該技術分野において既知の任意の好適な取り付け手段によって吸収性コアの外側表面に接合してよい。例えば、バックシートは、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン層、又は接着剤の別個の線、螺旋、若しくは点の配列によって、吸収性コアに固着されてもよい。例示的であるが非限定的な接着剤としては、H.B.Fuller Company(St.Paul,Minn.,U.S.A.)によって製造され、HL-1358Jとして市販されている接着剤が挙げられる。結合剤のフィラメントの開放パターン網を含む好適な取り付け手段の一例は、1986年3月4日にミネトーラ(Minetola)らに発行された米国特許第4,573,986号、名称「Disposable Waste-Containment Garment」に開示される。螺旋状パターンに巻かれた結合剤フィラメントのいくつかの線を含む別の好適な取り付け手段が、1975年10月7日にSprague,Jr.に発行された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にZieckerらに発行された米国特許第4,785,996号、及び1989年6月27日にWereniczに発行された米国特許第4,842,666号に示される装置及び方法に例示されている。あるいは、取り付け手段は、熱結合、熱融着、圧力結合、超音波結合、動的機械的結合、若しくは任意の他の好適な取り付け手段、又はこれらの取り付け手段の組み合わせを含み得る。バックシートは、上記のうち任意の取り付け手段/方法によってトップシートに更に固定されてもよい。
【0190】
本発明の前駆体ウェブを利用できる使い捨て吸収性物品の更に別の例は、再締結不可能なパンツ、再締結可能なパンツ、及び/又は再締結可能なおむつなどのおむつである。おむつは、生理用ナプキンの構造と同様の構造を有し得る。例示的なおむつを以下で説明する。
【0191】
図20を参照すると、おむつ1900の構造をより明瞭に示すために構造の一部が切り取られ、その着用者側表面が閲覧者に向かっている、平らに広げられた未収縮状態の(すなわち弾性によって生じる収縮が取り除かれた)おむつ1900である例示的な吸収性物品の平面図。本開示は、多種多様なおむつ及び他の吸収性物品を製造するために使用され得るため、このおむつは例示目的のみで示される。
【0192】
吸収性物品は、液体透過性のトップシート1924、液体不透過性のバックシート1925、トップシート1924とバックシート1925との間に少なくとも部分的に配置される吸収性コア1928、及びバリアレッグカフ1934を備え得る。また、吸収性物品は、分配層1954及び捕捉層1952を含むことができ、これらの両方については以下に更に詳細に記述する。様々な形態では、捕捉層1952は、代わりに、身体排出物を分配することができ、また、分配層1954は、代わりに、身体排出物を捕捉することができるか、又はいずれの層も、身体排出物の分配及び/又は捕捉が可能である。また、吸収性物品は、典型的には、トップシート及び/又はバックシートを通して吸収性物品のシャーシと接合し、おむつのシャーシに実質的に平面である弾性ガスケットカフ1932を含んでもよい。
【0193】
図面はまた、吸収性物品1900の後縁部に向かって取り付けられ、かつ吸収性物品1900の前方で、ランディングゾーンと協働する、結合タブ1942又はその他の機械的締結具を備える締結システムのような、テープ付きおむつの典型的な構成要素を示す。吸収性物品は、例えば、後側弾性腰部機構、及び前側弾性腰部機構など、図示されていないその他の典型的な要素を更に備え得る。
【0194】
吸収性物品1900は、前側腰部縁部1910、前側腰部縁部1910と長手方向の反対側の後側腰部縁部1912、第1の側縁部1903、及び第1の側縁部1903と横方向の反対側の第2の側縁部1904を有し得る。前側腰部縁部1910は、着用されるときにユーザーの前方に向かって置かれるように想定された吸収性物品1900の縁部であり、後側腰部縁部1912はその反対側の縁部である。着用者が吸収性物品1900を着用すると、前側腰部縁部1910及び後側腰部縁部は共に腰部孔を形成する。吸収性物品1900は、
図20で例示されるように物品を平らに配置して着用者側表面から見た場合に、吸収性物品1900の前側腰部縁部1910の横方向中点から後側腰部縁部1912の横方向中点まで延在して、吸収性物品1900を、長手方向軸線1980を中心に実質的に対称的な2つの半体に分割する長手方向軸線1980を有し得る。吸収性物品はまた、第1の側縁部1903の長手方向中点から第2の側縁部1904の長手方向中点まで延在する横方向軸線1990を有し得る。吸収性物品1900の長さLは、長手方向軸1980に沿って、前側腰部縁部1910から後側腰部縁部1912まで測定され得る。吸収性物品1900の股幅は、第1の側縁部1903から第2の側縁部1904へと横軸線1990に沿って測定され得る。吸収性物品1900は、前側腰部領域1905、後側腰部領域1906、及び股部領域1907を備え得る。前側腰部領域、後側腰部領域及び股部領域は、それぞれ、吸収性物品の長手方向の長さの1/3を画定する。更に、前側及び後側部分も、横方向軸線1990の両側で画定され得る。
【0195】
バックシート1925は、当業者に既知の任意の取り付け方法によって、トップシート1924、吸収性コア1928、及び/又は吸収性物品1900の任意の他の要素に接合され得る。好適な取付方法が、トップシート1924を吸収性物品1900の他の要素に接合するための方法に関して、上記で説明されている。
【0196】
吸収性物品1900は、一対のバリアレッグカフ1934を備え得る。それぞれのバリアレッグカフは、吸収性物品の内面から上方に延びて、着用者の胴体と脚部との接合部付近で液体及びその他の身体滲出物の収容性を改善し得るように、吸収性物品に結合された一片の材料によって形成され得る。バリアレッグカフ1934は、トップシート1924及び/又はバックシート1925に直接又は間接的に接合された近位縁部1964と、着用者の皮膚と接触して着用者の皮膚と封止部を形成するように想定された自由末端縁部1966と、によって範囲を定められている。バリアレッグカフ1934は、長手方向軸1980の両側で吸収性物品の前側腰部縁部1910と後側腰部縁部1912との間に少なくとも部分的に延び、かつ少なくとも股部領域1907内に存在する。バリアレッグカフ1934は、糊剤結合、溶融結合、又はその他の好適な結合プロセスの組み合わせにより製造され得る結合部1965によって、近位縁部1964で吸収性物品のシャーシと接合され得る。近位縁部64での結合部1965は、連続的であっても断続的であってもよい。レッグカフ1934の隆起区間に最も近い結合部1965が、レッグカフ1934の立ち上がり区間の近位縁部1964の範囲を定める。
【0197】
バリアレッグカフ1934は、トップシート1924若しくはバックシート1925と一体であるか、又は、吸収性物品のシャーシに接合された別個の材料であってもよい。バリアレッグカフ1934の材料は、おむつの全長を通して延び得るが、これらの区間においてバリアレッグカフ材料がトップシート1924と同一平面上のままであるように、物品の前側腰部縁部1910及び後側腰部縁部1912に向かってトップシート1924に「タック結合」され得る。
【0198】
それぞれのバリアレッグカフ1934は、この自由末端縁部1966に近接して、フィルム1935の1つ、2つ、又は3つ以上の弾性ストランド又はストリップ部を含み得るが、それにより、より効果的な封止をすることが可能となる。
【0199】
吸収性物品は、バリアレッグカフ1934に加えて、ガスケットカフ1932を備えていてよく、このガスケットカフは、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート1924及び/又はバックシート1925に接合されており、かつバリアレッグカフ1934に対して外側に配置される。ガスケットカフ1932は、着用者の大腿の周りにより効果的な封止をもたらすことができる。各ガスケットレッグカフは、1つ又はそれ以上の弾性ストリング1933又は弾性要素を、吸収性物品のシャーシ内の脚部孔領域内のトップシート1924とバックシート1925との間に含み得る。バリアレッグ及び/又はガスケットカフの全て又は一部分を、ローション又はスキンケア組成物で処理してもよい。バリアレッグカフは、米国特許出願公開第2012/0277713号に記載されるものを含む、数多くの異なる構成で作製され得る。
【0200】
ある形態では、吸収性物品は、前部耳部1946及び後部耳部1940を含んでよい。
耳部は、サイドパネルとして、トップシート1924及び/又はバックシート1925から形成されるなど、シャーシの一体部分とすることができる。あるいは、
図19に示されるように、耳部(1946、1940)は、糊剤結合、熱エンボス加工、及び/又は圧着により取り付けられる、別体の要素であってよい。タブ1942をランディング区域1944に容易に取り付け、テープ付きおむつを着用者の腰部周りの定位置に保つために、後耳部1940は伸縮可能であってよい。後側耳部1940はまた、弾性のある耳部によって吸収性物品の側部が伸縮し得るため、最初に吸収性物品を着用者に対して適合するようにフィットさせ、続いて吸収性物品が排出物で充填されてからかなりの時間が経過した後も着用期間全体を通してこのフィットを維持することによって、より快適で、体に巻き付くようなフィット感を付与するように、弾性又は伸張性であってもよい。
【0201】
様々な試料に関するデータを以下の表に記載する。試料の説明は、全てのデータテーブルの記載後に提供される。表1では、改質(試料6a~8c)及び未改質試料(適合特徴部なし-試料1~5)の機械的特性に関するデータが提供される。表1に列挙される試料は、吸収性コア試料のみである。また、表1に列挙される機械的特性の値は、本明細書に記載される3点曲げ試験及び本明細書に記載されるバンチ圧縮試験に関するものである。
3点曲げ試験は、複雑な解剖学的特徴部に適合する材料又は製品の能力に関する、基本的な曲げ特性及び剛性を測定する。数値が小さいほど、より適合性のある材料であることを示す。対照的に、バンチ圧縮試験は、特に湿潤時に測定されるとき、圧縮後にその元の形状又は形態を回復する材料の能力の尺度である。このデータについては、高い値は、湿潤時であっても、材料がその初期形状に回復する能力があることを示す。高い数値は、液体が侵襲した後であっても、材料の適合性を示すことができる。
【0202】
【0203】
表2は、本明細書に開示される3点曲げ試験及びバンチ圧縮試験に関するデータを含む。表2の試料は、吸収性コアと、本明細書に記載される適合特徴部を含む流体管理層とを含む。データは、一部の試料が、初期使用中に高い適合性、例えば、低い曲げ弾性率、低い曲げ剛性を示す一方で、それらの使用中の状態は、同じ効果を示さないことを示す。例えば、これらの同じ試料は、非常に低い回復エネルギーを示す場合があり、これは、使用中にこれらの製品が崩壊し、実際に漏れの問題をもたらし得ることを示唆する。しかしながら、使用における潜在的な問題に関して追加の検討を行わないと、「愚者の金」にだまされる可能性もあり、単に製品の初期適合性に依存する。
【0204】
【0205】
表2のデータは、流体管理層の追加が、回復エネルギー及び回復率に関する値を増加させることを示す。流体管理層の追加はまた、曲げ弾性率及び曲げ剛性の値を増加させることも注目される。しかしながら、回復エネルギー及び回復率と比較して曲げ弾性率及び曲げ剛性の増加は、1対1ではない。
【0206】
表3は、本明細書に開示される3点曲げ試験及びバンチ圧縮試験について、トップシート、流体管理層、及び吸収性コアの一体化に関するデータを含む。各試料において、トップシート、流体管理層、及び吸収性コアは、3つの層全てを一体化した適合特徴部を含む。更に、同様に試験した現在市販されている製品のいくつかの試料も存在する。
【0207】
【0208】
比1は、曲げ剛性と回復エネルギーとの間のものである。試料12a~14dでは、試料は、ほとんどの場合、エンボス加工のみ施された試料が、許容可能な回復エネルギーをもたらすための高い剛性を有することを示している。一方、適合特徴部を含む試料では、許容可能な回復エネルギーは、より低い剛性レベルで達成される。加えて、「剛性/回復エネルギー」の比は、適合特徴部を含む試料について、ほぼ50%以上減少している。したがって、これらの適合特徴部を含む試料は、バンチ状態から回復することができ、これを行うために合成に依存することなく、パッド形状をより快適かつ適合可能に維持できると考えられる。0.4mJ未満の湿潤時回復エネルギーは、湿潤時にその形状を回復することができないため、吸収性物品は、使用中に適合性及び可能性のある性能問題を有し得ると考えられる。
【0209】
17未満の曲げ剛性対湿潤時回復エネルギー比は、吸収性システムの種類にかかわらず、データによって示されるように達成され得る。具体的には、吸収性コアが連続フィラメントを有する共形成された吸収性コア(試料2)を含む場合、4未満の曲げ剛性対湿潤時回復エネルギー比、より好ましくは3未満が達成された。エアレイドタイプの吸収性コア、例えば試料3及び4では、はるかに低い曲げ剛性対湿潤時回復エネルギー比が達成された。例えば、試料3に関して、本明細書に記載される適合特徴部を利用することによって、曲げ剛性対湿潤時エネルギー回復比は17未満であり、より好ましくは15未満、最も好ましくは10未満であった。試料4に関して、本明細書に記載される適合特徴部を利用することによって、曲げ剛性対湿潤時回復比は13未満であり、より好ましくは10未満、最も好ましくは8未満であった。
【0210】
比2は、曲げ剛性とキャリパーとの間のものである。データが示すように、エンボス加工されたものと比較して、適合特徴部を含む製品の剛性の大幅な低下が存在する。試料がより高いキャリパーを有し、理論的には剛性を増加させる場合であっても、適合特徴部を有する試料の多くは、エンボス加工された試料よりも剛性の50%低下を示す。
【0211】
データによって実証されるように、4以下の剛性対キャリパー比を達成できる。具体的には、吸収性コアが連続フィラメントを有する共形成された吸収性コア(試料2)を含む場合、4以下の剛性対キャリパー比、より好ましくは2未満が達成された。エアレイドタイプの吸収性コア、例えば試料3及び4では、はるかに低い剛性対キャリパー比が達成された。例えば、試料3に関して、本明細書に記載される適合特徴部を利用することによって、剛性対キャリパー比は、5未満、より好ましくは4未満であった。試料4に関して、本明細書に記載される適合特徴部を利用することによって、剛性対キャリパー比は15未満であり、より好ましくは10未満、最も好ましくは5未満であった。
【0212】
加えて、データは、ユーザーの固有の解剖学的形状に対するカスタマイズ可能なフィットを可能にするために、物品に提供される適合特徴部に基づいて、曲げ剛性及び曲げ弾性率が影響され得るという事実を示す。加えて、データは、吸収性物品内のゾーンの配置が、曲げ剛性及び曲げ弾性率に同様に影響して、身体に最も快適な適合性を提供できることを示す。回復エネルギー及び回復率についても同様である。
【0213】
曲げ剛性に関して、本明細書に記載される適合特徴部を含む吸収性物品は、従来の対応物よりも低い曲げ剛性を示した。例えば、試料2の吸収性コアを含む製品の場合、曲げ剛性は12未満、より好ましくは8未満、最も好ましくは5未満であった。試料3については、曲げ剛性は15未満、より好ましくは12未満であった。試料4については、曲げ剛性は40未満、より好ましくは20未満、最も好ましくは15未満であった。
【0214】
表3に列挙される試料の流体動態に関するデータを、以下の表4に記載する。データは、本明細書に記載されるNMR mouse法、自由流体捕捉試験、及びブロット試験由来である。NMR試験は、製品が身体に最も近い領域から流体を排出する能力を測定する。この試験の低値は、ユーザーが乾いた感触を経験し得ることを示唆している。加えて、NMR試験における低値は、物品が次の侵襲のために間隙容積を再生成できることを示唆する。自由流体捕捉試験は、トップシートへの流体侵襲の吸収速度を測定する。より少ない数値は、物品が液体侵襲を迅速に吸収できることを示唆する。ブロット試験は、身体上に残存する残留流体量、並びにどの程度の製品面積が染みになり得るかを測定する。
【0215】
【0216】
比3は、ブロット残留量対キャリパーの間のものである。試料12a~14dでは、適合特徴部を含む試料は、エンボスのみと比較して、少なくとも50%の残留流体の減少をもたらす。したがって、我々は、皮膚類似物上の流体を少なくするだけでなく、これを薄く、より適合し、快適な吸収性物品で達成することができる。
【0217】
11未満のブロット対キャリパー比は、吸収性システムの種類にかかわらず、データによって示されるように達成され得る。具体的には、吸収性コアが連続フィラメントを有する共形成された吸収性コア(試料2)を含む場合、12未満のブロット対キャリパー比、より好ましくは11未満、最も好ましくは8未満が達成された。エアレイドタイプの吸収性コア、例えば試料3及び4では、はるかに低いブロット対キャリパー比が達成された。
例えば、試料3に関して、本明細書に記載される適合特徴部を利用することによって、ブロット対キャリパー比は19未満であり、より好ましくは15未満、最も好ましくは10未満であった。試料4に関して、本明細書に記載される適合特徴部を利用することによって、ブロット対キャリパー比は20未満であり、より好ましくは15未満、最も好ましくは10未満であった。
【0218】
加えて、データは、残留流体(NMR)、自由流体捕捉時間、ブロット残留量、及びブロット染みサイズが、物品に提供される適合特徴部に基づいて、従来の層付着法よりも又はエンボス加工によって示されるものよりも、改善され得るという事実を示す。例えば、試料4の吸収性コアに関するNMRデータは、本開示の適合特徴部を含まない吸収性物品について測定されたものよりも、200μL未満、より好ましくは100μL未満、最も好ましくは50μL未満はるかに低かった。同様に、試料3の吸収性コアでは、NMRデータは、適合特徴部を提供することにより低下を示し、すなわち20μL未満、より好ましくは17μL未満であった。試料2の吸収性コアを含む製品に関して、約7μL未満のNMRデータを示す一方で、100秒未満の自由流体捕捉時間も有していた。
【0219】
ブロット試験に関して、データはまた、適合特徴部を含む製品が、従来の対応物よりも低い値を一貫して有したことを示す。例えば、試料2の吸収性コアを利用するこれらの製品では、ブロット残留値は、30mg未満、より好ましくは20mg未満、最も好ましくは18mg未満であった。試料3及び4のそれぞれについて、ブロット残留値は、50mg未満、より好ましくは40mg未満、最も好ましくは30mg未満であった。
【0220】
加えて、データは、吸収性物品内のゾーンの配置が、曲げ剛性及び曲げ弾性率に同様に影響し得ることを示す。回復エネルギー及び回復率についても同様である。
【0221】
試料:
試料1:224gsmの全坪量を有する共形成された吸収性コア。共形成された吸収性コアは、121.8gsmのセルロース繊維、52.2gsmの3.0マイクロメートルの連続ポリプロピレン繊維、及び50gsmの超吸収性ポリマー(AGM)を含んでいた。これらの材料を均質にブレンドした。
【0222】
試料2:186gsmの全坪量を有する共形成された吸収性コア。共形成された吸収性コアは、105gsmのセルロース、45gsmの3.0マイクロメートルの連続ポリプロピレン繊維を、36gsmのAGMと共に含んでいた。これらの材料を均質にブレンドした。
【0223】
試料3:カード不織布材料上の150gsmのエアレイド吸収体。材料は、4mmのポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート繊維、セルロース繊維、及びラテックス結合剤材料を含んでいた。この材料は超吸収性ポリマーを含まなかった。
【0224】
試料4:160gsmの坪量を有する一体型エアレイド吸収性コア。吸収性コアは、セルロース繊維及び超吸収性ポリマーを含み、低い割合の結合性繊維を含む。Gladfelter GmbH(Falkenhagen Germany)から入手可能。繊維状超吸水性ポリマーもまた利用されてよい。
【0225】
試料5:21.8パーセントのビスコースレーヨン、35.4パーセントの2成分繊維(ポリエチレンテレフタレート及びコポリエチレンテレフタレート)、及び42.9パーセントのポリエチレンテレフタレート単一成分繊維を含む、140gsmの坪量を有するカードスパンレース(38~40mmの繊維長)材料。
【0226】
試料6a~14dに関して、多くは、以下のパターンに従って負のZ方向に向く適合特徴部を提供した。菱形-
図17Aの、第1のゾーン1520及び第2のゾーン1540に示されている。菱形パターンの細工部は、異なる長さの歯を含む。細工部の係合深さは2.54mmであり、歯間の間隔は2.03mmであった。中央部-
図17A(8の字に見える領域内)の、標的領域1530の一部に示されている。中央部パターンの歯は互い違いになっている。細工部の係合深さは2.54mmであり、歯間の間隔は2.03mmであった。ALT-このパターンは、
図21に示す歯7000によって形成される。示されるように、歯は、列方向及び互い違いの行方向に提供される。係合深さは2.54mmであり、歯間の間隔は2.54mmであった。
【0227】
試料6a、6b、及び6c:6aに菱形パターン、6bに中央部パターン、及び6cにALTパターンを含む適合特徴部を備えた、試料2の材料が提供された。
【0228】
試料7a、7b、及び7c:7aに菱形パターン、7bに中央部パターン、及び7cにALTパターンを含む適合特徴部を備えた、試料3の材料が提供された。
【0229】
試料8a、8b、及び8c:8aに菱形パターン、8bに中央部パターン、及び8cにALTパターンを含む適合特徴部を備えた、試料4の材料が提供された。
【0230】
試料9a、9b、及び9c:9aに菱形パターン、9bに中央部パターン、及び9cにALTパターンを含む適合特徴部を備えた、24gsmの親水性カード不織布及び試料2の材料が提供された。24gsmの不織布を、これらの試料中の流体管理層として利用し、吸収性コアのすぐ上に配置した。
【0231】
試料10a、10b、及び10c:10aに菱形パターン、10bに中央部パターン、及び10cにALTパターンを含む適合特徴部を備えた、試料3の材料及び35gsmのAGMとティッシュ層を含む積層体材料が提供された。
【0232】
試料11a、11b、及び11c:11aに菱形パターン、11bに中央部パターン、及び11cにALTパターンを含む適合特徴部を備えた、35.9パーセントのビスコース、34.1パーセントのポリエチレンテレフタレート、及び30パーセントのポリエチレンテレフタレート/コポリエチレンテレフタレート2成分繊維を含む、110gsmのカードスパンレース(38~40mmの繊維長)材料及び試料4の材料が提供された。
【0233】
試料12a~14dのそれぞれは、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートを有する2成分繊維を有する、疎水性の24gsmのカード通気結合した不織布と、下部層の、ポリエチレン及びポリプロピレン成分を有する2成分繊維を含む25gsmのスパンボンドウェブと、を含み、下部層は、0.45重量%で界面活性剤処理された。上部層及び下部層には、
図9A及び9Bに記載される強結合プロセスを介して孔を形成し、
図22に示される孔パターンを含んでいた。この材料は総じて、試料の残りの説明においてトップシートと称される。
【0234】
加えて、試料のうちのいくつか、すなわち12a、13a、及び14aには、前述のように、本開示において適合特徴部と見なされないエンボス加工が提供された。このデータの確認を容易にするために、用語「エンボス」、「DIA」(菱形について)、「CEN」(中央部について)、又は「ALT」は、試料12a~14dに関する表に利用される。
【0235】
試料12a、12b、12c、及び12d:12aにエンボス、12bに菱形パターン、12cに中央部パターン、及び12dにALTパターンを含む、トップシート及び試料9a、9b、及び9cに記載される材料が提供された。
【0236】
試料13a、13b、13c、及び13d:13aにエンボス、13bに菱形パターン、13cに中央部パターン、及び13dにALTパターンを含む、トップシート及び試料10a、10b、及び10cに記載される材料が提供された。
【0237】
試料14a、14b、14c、及び14d:14aにエンボス、14bに菱形パターン、14cに中央部パターン、及び14dにALTパターンを含む、トップシート及び試料11a、11b、及び11cに記載される材料が提供された。
【0238】
従来試料1-西欧の市場で入手可能なAlways Ultra Thinサイズ1。
【0239】
従来試料2-西欧の市場で入手可能なSCA Bodyformサイズ1。
【0240】
試験法
対象とする層
物品の全ての構成層が試験されない以下の方法のいずれに対しても、対象とする層は、試験されない層から必要に応じてクライオスプレーを使用して分離してよい。
【0241】
AMF(人工月経流体)
人工月経流体(AMF)は、脱線維ヒツジ血液、リン酸緩衝生理食塩水、及び粘液成分の混合物から構成される。AMFは、23℃で7.15~8.65センチストークスの粘度を有するように調製される。
【0242】
AMFの粘度は、低粘度回転粘度計(好適な機器は、ULアダプター(Cannon Instrument Co.(State College,US))又は同等品を備えるCannon LV-2020 Rotary Viscometerである)を使用して実施される。粘度範囲のための適切なサイズのスピンドルが選択され、計器は、製造業者に従って操作及び較正される。測定は、23℃±1℃及び60rpmで行われる。
結果は、0.01センチストークス単位で報告される。
【0243】
AMF調製に必要な試薬としては、38%以上のヘマトクリット値を有する脱線維ヒツジ血液(無菌条件下で採取、Cleveland Scientific,Inc.(Bath,OH)から入手可能、又は同等品)、2%水溶液として調製されるとき、3~4センチストークスの標的粘度を有する胃粘素(粗形態、Sterilized American Laboratories,Inc.(Omaha,NE)から入手可能、又は同等品)、10%v/v乳酸水溶液、10%w/v水酸化カリウム水溶液、リン酸ナトリウム二塩基性無水物(試薬グレード)、塩化ナトリウム(試薬グレード)、リン酸ナトリウム一塩基性一水和物(試薬グレード)及び蒸留水(それぞれVWR International又は同等の供給源から入手可能)が挙げられる。
【0244】
リン酸緩衝生理食塩水溶液は、2つの個々に調製された溶液(溶液A及び溶液B)からなる。1Lの溶液Aを調製するために、1.38±0.005gのリン酸ナトリウム一塩基性一水和物及び8.50±0.005gの塩化ナトリウムを1000mLのメスフラスコに添加し、蒸留水を容器容積まで添加する。完全に混合する。1Lの溶液Bを調製するために、1.42±0.005gのリン酸ナトリウム二塩基性無水物及び8.50±0.005gの塩化ナトリウムを1000mLのメスフラスコに添加し、蒸留水を容器容積まで添加する。完全に混合する。リン酸緩衝生理食塩水を調製するために、450±10mLの溶液Bを1000mLビーカーに加え、撹拌プレート上で低速で撹拌する。較正されたpHプローブ(0.1までの精度)を溶液Bのビーカーに挿入し、撹拌しながら十分な溶液Aを添加して、pHを7.2±0.1にする。
【0245】
粘液構成成分は、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水酸化カリウム水溶液、胃粘素、及び乳酸水溶液の混合物である。粘液構成成分に添加する胃粘素の量は、調製したAMFの最終粘度に直接影響する。目標粘度範囲(23℃で7.15~8.65センチストークス)内のAMFを得るために必要とされる胃粘素の量を決定するために、粘液成分中に様々な量の胃粘素を有する3バッチのAMFを調製し、次いで、3つの点を通る最小2乗法で線形フィットを行い、濃度対粘度曲線から必要とされる正確な量を内挿する。胃粘素の良い範囲は、通常38~50グラムである。
【0246】
約500mLの粘液構成成分を調製するために、460±10mLの事前に調製したリン酸緩衝生理水溶液及び7.5±0.5mLの10%w/v水酸化カリウム水溶液を、1000mLの丈夫なガラスビーカーに添加する。このビーカーを撹拌ホットプレート上に配置し、撹拌しながら、温度を45℃±5℃にする。所定量の胃粘素(±0.50g)を秤量し、45℃にされた既に調製された液体に、凝集せずにゆっくりと振り入れる。ビーカーを覆い、混合を継続する。15分にわたって、この混合物の温度を50℃超に、ただし80℃以下にする。この温度範囲を維持しながら、穏やかに撹拌しながら2.5時間加熱し続ける。2.5時間経過後、ビーカーをホットプレートから外し、40℃未満まで冷却する。次に、1.8±0.2mLの10%v/v乳酸水溶液を添加し、十分に混合する。粘液構成成分混合物を121℃で15分間オートクレーブし、5分間冷却させる。粘液構成成分の混合物をオートクレーブから取り出し、温度が23℃±1℃に達するまで撹拌する。
【0247】
ヒツジ血液及び粘液構成成分の温度を23℃±1℃にさせる。500mLのメスシリンダを使用して、事前に調製した粘液構成成分のバッチ全体の体積を測定し、その体積を1200mLのビーカーに添加する。等量のヒツジ血液をビーカーに添加し、十分に混合する。前述の粘度法を使用して、AMFの粘度が7.15~8.65センチストークスであることを確認する。そうでない場合は、バッチが廃棄され、別のバッチが作製され、必要に応じて粘液構成成分を調節する。
【0248】
認定されたAMFは、即時使用を意図しない限り、4℃で冷蔵する必要がある。AMFは、調製後4℃で最大48時間、気密容器内に貯蔵され得る。試験前に、AMFは、23℃±1℃にする必要がある。試験が完了した後に、任意の未使用部分が廃棄される。
【0249】
ブロット試験
ブロット試験は、吸取シートから物品に移動したAMFの量を(吸取シート上に残った残留AMFとして)測定し、物品の表面で測定されるとき、染みのサイズを測定する。このブロットを、合計5回同じ試験片で繰り返し、各ブロット後、吸取シート上の累積ブロット寸法及び個々の残留量を記録した。吸い取りシート(Apollo Plain Paper Copier Transparency Film、ACCOブランド(Ronkonkoma,NY)して入手可能、又は同等品)をブロット面として使用する。
ASTM D7490-13によって決定される吸取シートの表面エネルギーは、約50mJ/m2であるべきである。試験のために、吸い取りシートを長さ76mm×幅63mmの寸法に切断する。長さ76mm×幅63mm×厚さ3mmのナイロン板を重しと合わせて、試験片上に0.69KPaの封圧を提供する合計質量を有する。本明細書に記載されるAMFを、試験流体として使用する。
【0250】
切断ダイ(長さ76mm×幅63mm)を使用して、物品の長手方向及び横方向中点から試験片を切断する。剥離紙を取り除き、タルクを軽くはたいて粘着性を低減する。1枚の吸取シートの質量を測定し、0.0001g単位で記録する。シートをベンチトップ上に配置する。1.00mLのAMFを吸取シートの中心にピペットを用いて乗せる。シートの縁部を有する試験片を揃え、その試験片を、身体に面する側面を下にして吸取シート上に置く。ナイロンプレートと重りを試験片の上に置き、15分間待つ。その後、プレートと重りを取り除いた後、試験片を取り出す。試験片の身体側をベンチ上に上向きに置く。吸取シート及び残留AMFの質量を測定し、0.0001g単位で記録する。総質量から吸取シートの元の質量を引き、残留AMFとして0.0001g単位で報告する。較正された定規を使用して、試験片の上面から観察された染みを取り囲む境界ボックス(矩形)を測定し、CD方向の長さ及びMD方向の長さとして記録する。上面から観察した染み領域(CD×MD)を計算して記録し、1mm2単位で記録する。試験片を裏返し、試験片の底面から観察された染みを取り囲む境界ボックス(矩形)を測定し、CD方向の長さ及びMD方向の長さとして記録する。底面から観察した染み領域(CD×MD)を計算して記録し、1mm2単位で記録する。
【0251】
同様の方法で、同じ吸取シート及び試験片を使用して、各サイクルにつき1.00mLのアリコートを使用して、更に4回試験片を乗せる。各サイクルについて、吸取シートの残留AMF量、及び試験片の上部及び底部の両方から見たときの染み領域を報告する。
【0252】
バンチ圧縮
試料のバンチ圧縮特性を、測定した力がセルの限界の10%~90%以内となるロードセルを使用した定速の延伸引張試験機(好適な計器は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,MN)から入手可能な、Testworks4.0Softwareを使用したMTS Alliance、又は同等品である)で測定する。
全ての試験は、23℃±3℃で、50%±2%の相対湿度に調整された室内で行う。試験は湿潤状態又は乾燥状態で実施することができる。
【0253】
図25~
図27Bを参照して、底部静置器具3000は、2つの合致する試料クランプ3001を備え、これらはそれぞれ幅100mmで、それぞれ固有の可動性プラットフォーム3002a、3002bに取り付けられている。クランプには長さ110mmの「ナイフエッジ」3009があり、これが厚さ1mmの硬質ゴム面3008を把持する。閉じたときに、クランプはそれぞれのプラットフォームの内側と面一になる。クランプは、束になっていない試料を水平に、かつ引張試験機の引張軸に対して直角に保持するように整列される。プラットフォームはレール3003上に取り付けられ、これにより、左右に水平に動かし、定位置にロックすることができるようになる。レールには引張試験機に適合するアダプター3004があり、これは、プラットフォームを水平に、かつ引張試験機の引張軸に対して直角に固定することができる。上固定具2000は、全長70mm、直径25.0mmの円筒形プランジャ2001である。接触表面2002は、平らであり湾曲がない。プランジャ2001には、ロードセルの取り付けに適合するアダプター2003があり、これは、プランジャを引張試験機の引張軸に対して直角に固定することができる。
【0254】
試験前に、試料を23℃±3℃、及び50%±2%の相対湿度で少なくとも2時間状態調整する。物品全体を試験するときは、物品の衣類に面する側にあるパンティ固定接着剤から剥離紙を除去する。接着剤にタルク粉末を軽く塗布して、べたつき感を軽減する。カフがある場合ははさみで切除し、製品のトップシートに影響しないようにする。物品の身体に面する表面を上にして、ベンチ上に置く。物品上で、長手方向中心線と横方向中心線の交点を特定する。長方形の切断ダイを使用して、中心線の交点を中心として、試料を長手方向100mm、横方向80mmに切断する。物品の吸収性部分だけを試験する場合は、ベンチ上にその吸収性部分を置き、物品内に組み込まれる際と同じ向きにする(すなわち、身体に面する表面と、横方向軸及び長手方向軸を特定する)。長方形の切断ダイを使用して、中心線の交点を中心として、試料を長手方向100mm、横方向80mmに切断する。
【0255】
試料は、湿潤時と乾燥時の両方で分析することができる。乾燥試料には、更なる調製は不要である。湿潤試験片には、7.00mL±0.01mLの10%w/v生理食塩水溶液(100.0gのNaClを1Lの脱イオン水に希釈)を加える。投与量は目盛り付きのエッペンドルフ型ピペットを用いて添加しながら、約3秒以内に流体を試験片の身体に面する表面全体に広げる。湿潤時の試験片は、投与量の適用後に15.0分±0.1分間試験する。
【0256】
引張試験機のプログラミングによりロードセルのゼロ点調整を行い、次に上側器具を2.00mm/secで下げて、プランジャの接触表面が試料に触れ、ロードセルの読み取りが0.02Nとなるようにする。クロスヘッドをゼロにする。システムのプログラミングによりクロスヘッドを2.00mm/secの速度で15.00mm下げ、すぐにクロスヘッドを2.00mm/secの速度で15.00mm上げる。このサイクルを、サイクル間に遅延なく、合計5サイクル繰り返す。全ての圧縮/圧縮解除サイクル中のデータを100Hzで収集する。
【0257】
左側プラットフォーム3002aを、上側プランジャの側面から2.5mmの位置に配置する(距離3005)。左側プラットフォームを位置に固定する。このプラットフォーム3002aは実験中、静止したままである。右側プラットフォーム3002bを、静止クランプから50.0mmの位置に整列させる(距離3006)。上側プローブ2001を上げて、試料の搭載の妨げにならないようにする。両方のクランプを開く。試験片を長手方向の縁(すなわち、長さ100mmの縁)に合わせてクランプ内に固定する。試料の横方向の中心を合わせて、両側の縁をしっかり固定する。右プラットフォーム3002bを固定プラットフォーム3002aに向かって20.0mmの距離だけ動かす。可動プラットフォームが位置付けられるとき、試験片を上方向に曲げる。プローブ2001を手動で、下側表面が、屈曲した試料の上面から約1cmのところにくるまで下げる。
【0258】
試験を開始し、5回のサイクル全てについて、変位(mm)対力(N)のデータを収集する。力(N)対変位(mm)のグラフを、全てのサイクルについて個別に作成する。代表的な曲線を
図27Aに示す。曲線から、各サイクルについての最大圧縮力を0.01N単位で記録する。第1サイクルと第2サイクルとの間の回復%を(TD-E2)/(TD-E1)×100として計算する(式中、TDは合計偏位であり、E2は第0.02Nを超える2圧縮曲線における延伸である)。0.01%単位で記録する。同様の様式で、第1サイクルと他のサイクルとの間の回復%を、(TD-E
i)/(TD-E1)
*100として算出し、0.01%単位で報告する。
図27Bを参照して、圧縮曲線の下の面積(すなわち領域A+B)としてサイクル1の圧縮エネルギーを計算し、0.1mJ単位で記録する。圧縮曲線と圧縮解除曲線の間の面積(すなわち領域A)として、サイクル1のエネルギー損失を計算し、0.1mJ単位で記録する。圧縮解除曲線の下の面積(すなわち領域B)として、サイクル1の回復エネルギーを計算し、0.1mJ単位で記録する。同様に、他のサイクルそれぞれについて圧縮エネルギー(mJ)、エネルギー損失(mJ)、及び回復エネルギー(mJ)を計算し、0.1mJ単位で記録する。
【0259】
各試料について、合計5回の複製を分析し、各パラメータの相加平均を報告する。全ての結果は、試験流体(0.9%又は10%)を含め、乾燥又は湿潤について具体的に報告される。
【0260】
キャリパー
0.69KPaでのキャリパー測定は、製品全体又は対象とする特定の層上で実施することができる。対象とする層は、必要に応じてクライオスプレーを使用して分離される。
試験前に、23℃±3℃、及び50%±2%の相対湿度で2時間、試料を状態調整する。
別段の指定がない限り、キャリパー測定は、視覚的に識別可能なゾーンの中心で行われる。
【0261】
試料のキャリパーは、直径24.2mmの脚部に、試験片を平らに置くことができる十分な大きさのアンビルを備えた、較正済みのデジタルリニアキャリパー(例えば、Ono Sokki GS-503又は同等品)を使用して測定される。脚部によって、試験片に対して、0.69kPaの封圧を印加する。アンビルに対してキャリパー脚部のゼロ点合わせを行う。脚部を持ち上げ、身体に面する側面を上向きにして試験片をアンビルに対して平らに挿入し、対象とする部位を脚部の中心に置く。脚部を約5mm/秒で試験片上に下ろす。脚部を試験片上に置いて5.0秒後にキャリパー(mm)を読み取り、0.01mm単位で記録する。
【0262】
長繊維坪量
長繊維坪量は、物品のトップシート、二次トップシート、及びコアに見られる6.0mmより長い繊維の坪量を決定する。トップシート又は流体管理層として使用されるスパンレース、スパンボンド、又はフィルム積層体などの不織布は、長繊維として扱われる。
【0263】
切断ダイを使用して、物品全体を通して物品の長手方向及び横方向中心において25.4mm×25.4mmの試験片を切り出す。試験片の縁部は、物品の長手方向軸及び横方向軸に平行かつ垂直に切り出される。次いで、切り出した試験片からバックシートを外し、残りの試験片の質量を0.0001g単位で測定し、記録する。試験片の坪量を計算し、0.01gsm単位で記録する。トップシート、二次トップシート、及びコアを、試験される個々の試験片に分離する。各層の質量を0.0001g単位で測定し、それぞれTS1、STS1及びC1として記録する。各層を検査して、セルロース繊維を含有するかどうかを判定する。
【0264】
セルロース繊維を含有する層を以下のように分析する。水酸化銅(II)を水酸化アンモニウム(%50v/v)に1:4w/wの比で溶解することによって、Schweizerストック試薬を調製する。試験片中のセルロース各1g当たり30gを超える量の試薬量に、試験片を浸漬する。混合物をオービタルシェーカー上に置き、16時間消化させる。その後、ポリマー繊維を混合物から回収し、50mLの水に入れる。青色の試薬が繊維から除去されるまで洗浄工程を繰り返す。繊維を風袋測定したペトリ皿に移し、実体顕微鏡を用いて、繊維の長さが6.0mmより長いかどうかを判定する。6.0mmより長い繊維を乾燥させ、その質量を0.001g単位で測定し、記録する。
【0265】
セルロース繊維を含有しない層の坪量を計算し、0.01gsm単位で記録する。セルロースを含有する層については、6.0mmより長い繊維の坪量を計算し、0.001gsm単位で記録する。各層の坪量を合計して、6.0mmを超える繊維の全体坪量を決定し、0.01gsm単位で報告する。
【0266】
3点曲げ
試料の曲げ特性を、測定した力がセルの限界の2%~90%以内となるロードセルを使用した定速の延伸引張試験機(好適な計器は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,MN)から入手可能な、Testworks4.0Softwareを使用したMTS Insight HSELである)で測定する。全ての試験は、23℃±3℃で、50%±2%の相対湿度に調整された室内で行う。
【0267】
研磨ステンレス鋼製で直径3.175mm、長さ60mmの2つのバーからなる底部の固定具を、それら自体の縦型フォーク上にそれぞれ設置する。これら2つのバーは、水平に取り付けられて、前後側を揃えて互いに対して平行にされ、バーの頂部半径を垂直方向に位置合わせされる。更に固定具は、2つのバーが軌道上を互いから離れるように水平に移動するのを可能にし、その結果、バーの向きを維持しつつその間に距離が定められ得る。頂部可動固定具は、縦型フォーク上に取り付けられた研磨ステンレス鋼製で直径3.175mm、長さ60mmの第3のバーからなる。定位置にあるとき、頂部固定具のバーは、底部固定具のバーと平行であり、かつ前後に位置合わせされる。固定具はいずれも、引張試験機上のそれぞれの位置に嵌合し、所定の位置に固定するのに適切な一体型のアダプターを含み、その結果、バーを引張試験機のクロスビームの動きと直交する。
【0268】
下部固定具のバー間の距離を25mm±0.05mm(バーの中心部からバーの中心部まで)に設定し、上部バーを下部バーの間の中点に中心を合わせる。ゲージ(上部バーの底部から下部バーの頂部まで)を1.0cmに設定する。
【0269】
試験前に、23℃±3℃、及び50%±2%の相対湿度で2時間、試料を状態調整する。オーバーラップを外し、剥離紙をパッドから除去した。バックシート及び存在する場合はウィング上の露出した接着剤表面に、タルク粉末を施して、接着性を除く。表面から過剰のタルクを除去する。パッドを平らに、上部シートをラボベンチ上に上向きにして置き、製品の長手方向中心線に印を付ける。次に、ウィングの長手方向中心線を使用して、製品全体の横方向線の印を付ける。ウィングが存在しない場合、コアの中点に横方向線の印を付ける。前方(ゾーンA)、中間部(ゾーンB)及び後方(ゾーンC)から矩形の試験片を取り出す。各試験片は、試料の長手方向軸に沿って中心にあり、長手方向50.8mm×横方向30mmであり、製品の厚さ全体である。ゾーンAの試験片は、製品の前縁部から45.4mm中心にある。ゾーンBは、試料上の横方向の印の中心にある。ゾーンCは、製品の後側から45.4mm中心にある。各試験において、記載されるようにその中央部でキャリパーを測定し、0.01mm単位で記録する。
【0270】
圧縮試験用に引張試験機をプログラムして、速度1.0mm/秒で25mmクロスヘッドを下ろし、50Hzで力(N)及び変位(m)データを収集してからクロスヘッドを元のゲージに戻す。2つの下部バーにまたがり、上部バーの下に中心が置かれるように、検体を装着する。CD曲げとは、パッドの長手方向軸(バーに平行な長手方向)に沿った曲げを指し、MD曲げは、パッドの横方向軸(バーに平行な横方向)に沿った曲げを指す。
クロスヘッド及びロードセルをゼロ点調整する。実験を開始してデータを収集する。
【0271】
力(N)対変位(mm)のグラフを作成する。グラフから最大ピーク力を読み取り、試験片の幅(m)で割る。ピーク力/幅を0.1N/m単位で記録する。曲線から、曲線にフィットさせた線形セグメントの最大勾配として勾配を計算し、このときセグメントの長さは曲線の20%を組み込み、次いで、試料の幅によって除算し、0.1N/mm単位で報告する。勾配から以下を計算する。
弾性率(N/mm2)=勾配*[253/(4*試料幅*キャリパー3)]
慣性モーメント(mm4)=(試料幅*キャリパー3)/12
曲げ剛性(N*mm2)=弾性率*慣性モーメント
このとき、キャリパー及び試料幅の単位はmmである。
【0272】
10個のMD及び10個のCD試験片について同様の様式で測定を繰り返し、10個の値のそれぞれに対して、弾性率については0.01N/m2の単位で、曲げ剛性については0.01N*mm2の単位で平均を個別に報告する。
【0273】
NMR MOUSE
NMR-MOUSE(Mobile Universal Surface Explorer)は、スキャナ表面に垂直な非常に均一な勾配を生成する永久磁石ジオメトリーを備えた携帯型開放NMRセンサーである。
図23及び
図24を参照すると、水平平面1006を有するフレーム1007は、試験片を支持し、試験中に静止したままである。試験片の平坦有効容積は、試験片への最大貫入深さを画定する位置で、磁石1010の上に配置された表面rfコイル1012によって励起され、検出される。高精度のリフト1008を用いて、試験片全体に有効なスライスを再配置することにより、スキャナは、高い空間分解能で試験片の構造の一次元プロファイルを生成することができる。
【0274】
例示的な機器は、Magritek Inc.(San Diego,CA)から入手可能なHigh-Precision Liftを有するProfile NMR-MOUSE model PM25である。NMR-MOUSEに対する要件は、z方向分解能が100μm、測定周波数が13.5MHz、最大測定深さが25mm、静的勾配が8T/m、及び有効容積(x-y寸法)が40×40mm2である。機器を使用可能にする前に、製造業者の指示に従って、位相調整を実行し、共振周波数を確認し、外部ノイズレベルを確認する。試験流体を1mL/分~5mL/分±0.01mL/分の範囲で送達可能なシリンジポンプを使用して、試験片に注入する。全ての測定は、23℃±0.5℃、及び50%±2%の相対湿度に制御された室内で行われる。
【0275】
試験溶液は、1000gの蒸留水中、15gのカルボキシメチルセルロース、10gのNaCl、4gのNaHCO3、80gグリセロール(全てSigmaAldrichから入手可能)として調製されたPaper Industry Fluid(PIF)である。2mM/Lのジエチレントリアミン五酢酸ガドリニウム(III)二水素塩(SigmaAldrichから入手可能)をそれぞれに添加する。添加後、振盪器を用いて160rpmで溶液を1時間撹拌する。その後、溶液を確認して、確実に目に見える未溶解結晶が残っていないようにする。溶液は、使用10時間前に調製される。
【0276】
試験前に、23℃±0.5℃、及び50%±2%の相対湿度で2時間、試験用製品を状態調整する。製品の横方向中心線と長手方向中心線との交点を特定する。その交点を中心とし、切断縁部を製品の長手方向軸に平行かつ垂直にして、製品から40.0mm×40.0mmの試験片を切り出す。試験片1003の衣類に面する面を、50mm×50mm×0.30mmのスライドガラス1001上に、40.0mm×40.0mmの両面テープ1002を使用して取り付ける(テープは、NMR振幅信号を提供するのに適していなければならない)。2枚の50mm×50mm×0.30mmのスライドガラス1001を、40mm×40mmの両面テープ1002を使用して接着することによって、上部キャップ1004を調製する。次いで、キャップを試験片の上に置く。2枚のテープ層を機能性マーカーとして使用して、機器による試験片の寸法を画定する。
【0277】
最初に、試験片の1-D乾燥分布プロファイルを収集する。調製された試験片を、コイルの上に位置合わせした機器上に配置する。以下の条件を使用して、90xパルス後180yリフォーカスパルスからなるCarr-Purcell-Meiboom-Gill(CPMG)パルス系列についてNMR-MOUSEをプログラムする。
繰り返し時間=500ms
スキャン数=8
エコー数=8
分解能=100μm
ステップサイズ=-100μm
【0278】
試験片の深さ全体の高精度リフト工程として、NMR振幅データ(任意単位、a.u.)対深さ(μm)を収集する。
【0279】
第2の測定は、試験流体を試験片の上にゆっくりと添加するときに、有効NMR容積を通って移動する試験流体の速度実験である。較正されたディスペンサーピペットを使用して、「ぽたぽた」と乗せた後、「一気」に添加する。以下の条件を使用して、CPMGパルス系列についてNMR-MOUSEをプログラムする。
測定深さ=5mm
繰り返し時間=200ms
90°振幅=-7dB
180°振幅=0dB
パルス長=5μsエコー時間=90μs
エコー数=128
エコーシフト=1μs
トリガー前実験=50
トリガー後実験=2000
Rxゲイン=31dB
捕捉時間=8μs
スキャン数=1
【0280】
ベンダーによって記載されるように、Rx相を位相調整中に決定する。我々の実験では、230°の値が典型的であった。パルス長は、ここでは5mmである測定深さに依存する。必要に応じて、スペーサ1011を使用して深さを調整することができる。
【0281】
精密リフトを使用して、所望の標的領域が機器の有効容積と整列するように、試験片の高さを調整する。標的領域は、SEM断面に基づいて選択することができる。シリンジポンプをプログラムして、PIF試験流体の場合は1.00mL/分±0.01mLで1.00分間、又は0.9%生理食塩液試験流体の場合は5.00mL/分±0.01mLで1.00分間送達する。測定を開始し、流体を流す前に、50回の実験でNMR振幅(a.u.)を収集し信号のベースラインを得る。シリンジポンプの出口管を試験片の中央部上に配置し、液体を試料表面全体に適用している間に移動させるが、試料の境界に触れることはない。システムを始動し、NMR振幅データの収集を継続し、同時に60秒にわたって1mLの流体を流し始める。始動300秒後に、較正されたエッペンドルフピペットによって0.50mLの試験流体を、約0.5mL/秒で試験片の中央部に加える。2番目の「一気」添加量を加えた後、生成されたNMR振幅対時間のグラフを使用して、「一気」添加量後のピークからの振幅信号が、例えば、20%、30%、50%、75%又は100%低下するのに必要な時間として、信号振幅対時間の変化%を同様に決定することができる。信号振幅の低下は、流体が予め設定されたNMR視野範囲を超えて吸収及び分散される際に生じる。
【0282】
第3の測定は、1-D湿潤分布プロファイルである。速度測定が完了した直後に、試験片上のキャップを交換する。湿潤分布は、先立って行われた上述の乾燥分布と同じ実験条件下で実行される。
【0283】
速度信号に対するNMR振幅の較正は、適当な流体でガラスバイアル(外径8mm、少なくとも高さ50mmによる規定内径)を充填することによって行うことができる。速度実験に関して記載されるように、機器条件を設定する。較正曲線は、機器上のバイアル瓶の数を増加させることによって構築され(バイアルは、40mm×40mmの測定領域にわたって等しく配置されるべきである)、速度測定を行う。容積は、存在するバイアルの合計断面積×z-分解能として計算され、ここで分解能(mm)は、1/捕捉時間(s)÷機器の勾配強度(Hz/mm)として計算される。分布プロファイルに対するNMR振幅の較正は、乾燥及び湿潤プロファイルに基づいて内部較正として行われる。この手順では、湿潤及び乾燥プロファイルの下の領域を計算し、それらを減算した後、総面積(マーカーを除く)を得た。この総面積は、適用された液体の量(ここでは1.5mL)と相関する。次いで、100μm工程当たりの液体量(μL)を計算することができる。1-D湿潤分布プロファイルから、試料の上部0.5mmの容積を計算し、マイクロリットルで(0.1マイクロリットル単位)報告する。
【0284】
自由流体捕捉
本明細書に記載されるように調製された人工月経流体(AMF)を、物品の表面上に適用する。全ての測定は、一定温度(23℃±2℃)及び相対湿度(50%±2%)で実施される。
【0285】
試験前に、吸収性物品試料を、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で2時間調整される。製品のトップシートが上向きになるように、試料物品を平らに置く。物品の吸収性コアの中心(長手方向及び横方向中点)の約1cm上に機械的ピペットの先端部を配置し、1.00mL±0.05mLのAMFを表面上に正確にピペットで移す。流体を、2秒以内に跳ね飛ばさずに分注する。流体が試験試料と接触するとすぐに、0.01秒の精度のタイマーを開始する。流体が捕捉された後(表面に残った流体が溜まっていない)、タイマーを停止し、捕捉時間を0.01秒単位で記録する。2分間待つ。同様に、2回目及び3回目のAMFを試験試料に適用し、捕捉時間を0.01秒単位で記録する。
【0286】
この手順全体を、5つの実質的に同様の複製物品上で繰り返す。報告された値は、0.01秒単位の自由流体捕捉時間(1回目、2回目及び3回目)について、5つの個々の記録された測定値の平均である。
【0287】
重なり距離試験
走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、凹部が意図的に作製されている吸収性物品の断面の画像を得る。この画像から、凹部に直接隣接する繊維塊の重なり量が測定される。
全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験片は、試験前に少なくとも2時間、この環境で調整される。
【0288】
必要に応じて、吸収性物品から対象とする層を切除することによって試験片を得る。個々の層(又は複数の層)を切除するとき、プロセス中に試験領域にいかなる汚染又は歪みも付与しないように注意を払う。試験領域は、凹部が意図的に作製されている領域を含む。カミソリ刃(例えば、VWR Scientific(Radnor,PA,USA)から入手可能なVWR Single Edge Industrial、0.009インチ厚の外科用炭素鋼、又は同等品)を使用して、試験片を切除する。カミソリ刃を使用して、凹部の横断面を撮像することができるように、その長手方向中点において凹部の横軸に沿って切断される。次いで、両面Cuテープを使用して試験片をマウントに接着し、断面面を上にし、スパッタAUをコーティングする。
【0289】
試験片の断面の二次電子(SE)画像を、高真空モードで稼働するSEM(例えば、FEI Company(Hillsboro,OR,USA)から入手可能なFEI Quanta 450、又は同等品)用い、3~5kVの加速電圧及び約12~18mmの作動距離を用いて得る。この方法は、分析者がSEMの操作に熟練しており、分析に十分なコントラストの画像が得られることを前提としている。機器は、正確な距離スケールを確保するために、使用前に製造業者の仕様に従って較正される。
【0290】
試験片を、凹部の各側面上の繊維塊と共に凹部の全深さの明確な可視化が可能になる倍率で観察し、画像を取得する。次いで、画像を分析して、繊維塊の重なりを決定する。再び
図15Cを参照すると、最初に、試験片のz方向(厚さ)に平行に走る中心線1507を描き、凹部の中心(例えば、繊維塊が合流する場所)と交差させる。凹部の基部で試験片のx-y方向に平行に走るベース線1509を、画像上で引く。凹部に最も近い縁部に沿った繊維塊の輪郭に沿って、繊維塊縁部がベース線に到達し、「OD」としてマークする場所を決定する(線1505)。中心線と位置「OD」との間の距離1503を0.01mm単位で測定し、重なり距離として記録する。同様の方法で、合計5回繰り返した。
重なる距離の相加平均を計算し、0.01mm単位で報告する。
【0291】
表面エネルギー/接触角法
基材上の接触角は、本明細書に記載された仕様により改変されたASTM D7490-13を使用し、No.27の丸い先端を有するステンレス鋼ニードルを有する容量1mLの気密性シリンジに適合した角度計及び好適な画像解析ソフトウェア(好適な機器は、FTA200(First Ten Angstroms(Portsmouth,VA)製又は同等品)を使用して判定される。2つの試験流体:ASTM仕様D1193-99に従ったII型試薬水(蒸留水)及び99+%純度のジヨードメタン(両方ともSigma Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能)を使用する。これら2つの試験流体からの接触角を更に使用して、Owens-Wendt-Kaeble等式に基づいて表面エネルギーを算出することができる。全ての試験は、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で行うものとする。
【0292】
角度計を振動隔離テーブルに設置し、製造業者の説明書に従ってステージを水平にする。ビデオ撮像装置は、試験片の表面に液滴が当たった時点から試験片の表面から解像できなくなる時点まで、少なくとも10~20枚の画像を撮像可能な取得速度を有する必要がある。典型的な撮像速度は、900枚の画像/秒である。試験片の疎水性/親水性に応じて、液滴は、不織布試料の表面を急速に濡らしてもよいし、又は濡らさなくてもよい。取得が遅い場合には、液滴の体積の2%が試験片内に吸収されるまで、画像を取得しなければならない。取得が極端に速い場合には、2番目の画像が2%超の体積減少を示す場合、第1の解像画像を使用しなければならない。
【0293】
試験片を角度計のステージに置き、皮下注射針を製造業者の説明書で推奨される表面からの距離(典型的には3mm)に調整する。必要に応じて、試験片の位置を針の先端の下の目的の部位に置くように調整する。試験片の表面上の液滴の鮮明な画像を撮像することができるように、ビデオ装置の焦点を合わせる。画像取得を開始する。5μL±0.1μLの液滴を試験片に載せる。移動による液滴の形状の視認できる変形が存在する場合には、異なるが同等の目的位置で繰り返す。2%の液滴の体積減少が存在する画像から、液滴における2回の角度測定(各液滴縁部について1回)を行う。2つの縁部における接触角が4°超異なる場合には、その値を除外するものとし、試験を試験片上の同等の位置で繰り返す。試験片上の5つの更なる同等の箇所を特定し、合計6回の測定(12個の角度)を繰り返す。試験片のこの面についての相加平均を算出し、0.01°単位で報告する。
同様の様式で、6個の液滴(12個の角度)についての試験片の反対面における接触角を測定し、0.01°単位で別々に報告する。
【0294】
表面エネルギーを算出するために、水及びジヨードメタンの両方についての接触角を、上述されたように試験するものとする。次いで、試験流体毎の値を、Owens-Wendt-Kaelble等式の2つの別個の式(流体毎に1つ)に代入する。これにより、2つの等式及び2つの未知数がもたらされる。次いで、未知数を、表面張力の分散及び極性成分に分解する。
【0295】
Owens-Wendt-Kaelbleの等式:
【0296】
【数1】
式中、
θ=試験片上での試験液についての平均接触角
γ
l及びγ
s=試験液及び試験片それぞれの表面張力(dyn/cm)
γ
d及びγ
p=それぞれ表面張力の分散及び極性成分(dyn/cm)
【0297】
【0298】
極性成分がゼロであるので、分散性溶媒、例えば、ジヨードメタンを使用する場合、Owens-Wendt-Kaelble等式を以下のとおり簡易化する。
【0299】
【0300】
ジヨードメタンについての表からの値及びθ(測定値)を使用して、等式を、表面エネルギーの分散性成分(γd
s)について解くことができる。ここで、水についての表からの値及びθ(測定値)、並びに算出値(γd
s)を使用して、Owens-Wendt-Kaelble等式を、表面エネルギーの極性成分(γp
s)について解くことができる。γd
s+γp
sの合計は、総固体表面張力であり、0.1dyn/cm単位で報告する。
【0301】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0302】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0303】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。