(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】プログラム、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20241003BHJP
【FI】
G16H20/10
(21)【出願番号】P 2023107043
(22)【出願日】2023-06-29
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】515345919
【氏名又は名称】株式会社メドレー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】江藤 正都
(72)【発明者】
【氏名】有馬 慶
(72)【発明者】
【氏名】鬼鞍 信太郎
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-41363(JP,A)
【文献】特開2002-24380(JP,A)
【文献】特開2021-197059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
病院端末から、医薬品の受け取りに関する第1設定および第2設定のいずれかの受取設定を受け付ける処理と、
患者端末から、病院の予約を受け付ける処理と、
前記予約が行われた病院の前記受取設定を読み出す処理と、
前記患者端末から、医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を受け付ける処理と、
を実行させ、
前記受取設定が前記第2設定である場合は、前記受取設定が前記第1設定である場合に比べて、前記患者端末からの前記医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を制限する
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記病院の予約が変更された場合、当該変更に応じて、入力された前記受取情報の内容を変更する処理、
を実行させるプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記病院の予約と前記医薬品の受け取りとに関する入力が行われた後に、当該病院の予約を維持したまま、当該医薬品の受け取りに関して入力された内容の変更入力を前記患者端末から受け付ける処理、
を実行させるプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムにおいて、
前記病院での診療の後は、前記診療の前に比べて、前記変更入力が制限される、
プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記医薬品の受け取りを行う薬局が処方箋を受け付ける手段が2以上あり、
前記コンピュータに、
前記医薬品の受け取りに関して入力された内容の変更入力を前記患者端末から受け付ける処理を実行させ、
前記薬局が第1手段で処方箋を受け付ける場合と第2手段で処方箋を受け付ける場合とで、前記変更入力が可能な期間が異なる
プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記第1手段は、前記薬局の薬局端末から閲覧可能な電子処方箋をアップロードする手段であり、
前記第2手段は、紙の処方箋をデータ化したものを前記薬局が受信する手段であり、
前記第1手段が用いられる場合、前記第2手段が用いられる場合に比べて、前記変更入力が可能な期間が長い、
プログラム。
【請求項7】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
予め定められた時刻までに、前記病院端末において処方箋を薬局に受け付けさせるための処理がなされていない場合は、前記病院端末に督促通知を送信する処理、
を実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
病院端末に、前記医薬品の受け取りが行われる薬局に関するステータスを表示させ、
薬局端末に、前記病院で診療を受けるユーザに関するステータスを表示させる処理、
を実行させるプログラム。
【請求項9】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記病院により紙の処方箋が発行された場合、当該処方箋の写真の撮影及び当該写真の薬局への送信を、患者端末を介して指示する処理を実行させ、
前記受取設定が第1設定である場合、前記薬局の薬局端末が閲覧可能な記憶領域に、撮影された前記写真をアップロードさせることを、患者端末を介して指示する処理を実行させる、
プログラム。
【請求項10】
システムであって、
病院端末から、医薬品の受け取りに関する第1設定および第2設定のいずれかの受取設定を受付ける処理と、
患者端末から、病院の予約を受け付ける処理と、
前記予約が行われた病院の前記受取設定を読み出す処理と、
前記患者端末から、医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を受付ける処理と、
を実行し、
前記受取設定が前記第2設定である場合は、前記受取設定が前記第1設定である場合に比べて、前記患者端末からの前記医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を制限する
システム。
【請求項11】
システムを制御するコンピュータが、
病院端末から、医薬品の受け取りに関する第1設定および第2設定のいずれかの受取設定を受付ける処理と、
患者端末から、病院の予約を受け付ける処理と、
前記予約が行われた病院の前記受取設定を読み出す処理と、
前記患者端末から、医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を受付ける処理と、
を実行し、
前記受取設定が前記第2設定である場合は、前記受取設定が前記第1設定である場合に比べて、前記患者端末からの前記医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を制限する
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、病院端末と薬局端末とを連携させて、処方箋に関する情報を病院と薬局との間で共有するためのシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムのように病院端末と薬局端末を連携させる場合に、病院端末と薬局端末を一律に繋ぐと、利便性が高まる一方で、病院及び薬局それぞれのシステム及び人員配置等の状況によっては、病院側が薬局側の状況に合わせた対応を行う必要が生じるなど、病院側に負担が生じるケースがある。
そこで、病院と薬局とを連携させるシステムにおいて、利便性を確保しつつ、病院と薬局とのそれぞれの状況に合わせて柔軟に対応することが可能なプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、コンピュータに、病院端末から、医薬品の受け取りに関する第1設定および第2設定のいずれかの受取設定を受け付ける処理と、患者端末から、病院の予約を受け付ける処理と、予約が行われた病院の受取設定を読み出す処理と、患者端末から、医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を受け付ける処理と、を実行させる。受取設定が第2設定である場合は、受取設定が第1設定である場合に比べて、患者端末からの医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を制限する。
【0006】
このような態様によれば、病院と薬局とを連携させるシステムにおいて、利便性を確保しつつ、病院と薬局とのそれぞれの状況に合わせて柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】医薬連携システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】患者端末20のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】各装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】医薬連携処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図10】医薬品の受取情報の入力画面の一例を示す図である。
【
図11】病院予約の変更画面の一例を示す図である。
【
図12】表示された変更要求画面の一例を示す図である。
【
図13】表示された通知画面の一例を示す図である。
【
図14】受取情報の変更画面の一例を示す図である。
【
図15】医薬連携処理の続きの一例を示すアクティビティ図である。
【
図16】薬局向けの患者ステータス画面の一例を示す図である。
【
図17】医薬連携処理の続きの別の一例を示すアクティビティ図である。
【
図19】医薬連携システム1の全体構成を示す図である。
【
図20】医薬連携処理の別の一例を示すアクティビティ図である。
【
図21】医薬連携処理の別の一例を示すアクティビティ図である。
【
図22】受付情報の変更画面の一例を示す図である。
【
図23】医薬連携処理の別の一例を示すアクティビティ図である。
【
図25】薬局向けの患者ステータス画面の別の一例を示す図である。
【
図26】サーバ装置10の制御部11の機能構成の別の一例を示す図である。
【
図27】病院向けの薬局ステータス画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る医療用予定管理システムのハードウェア構成について説明する。
図1は、医薬連携システム1の全体構成を示す図である。
図1においては、医薬連携システム1が備える各装置、各装置を利用するユーザ及び各装置において処理される情報等の概要が示されている。各概要については、他の図も参照しながら随時説明する。
【0013】
医薬連携システム1は、医療機関である病院と薬局との連携に関する処理を実行する情報処理システムである。ここで言う病院には、患者に対して診療を行い、処方箋を発行する医療機関全般が含まれ、例えば、病院の他にも、クリニック、診療所、診察所、療養所、医院及び産院等が含まれるものとする。薬局とは、これらの病院で発行された処方箋に基づいて医薬品を調剤して患者に提供する場所のことであり、院内薬局が含まれていてもよい。
【0014】
医薬連携システム1は、通信回線2と、電子処方箋管理サーバ3と、サーバ装置10と、患者端末20と、病院端末30と、薬局端末40とを備える。なお、医薬連携システム1は、患者端末20、病院端末30及び薬局端末40をそれぞれ2つ以上備えているが、
図1では1つだけを示す。通信回線2は、インターネット等を含み、自回線に接続する装置同士のデータのやり取りを仲介する。通信回線2には、医薬連携システム1が備える各装置が有線又は無線で接続されている。
【0015】
電子処方箋管理サーバ3は、全国の電子処方箋を管理する情報処理装置である。電子処方箋とは、電子化された処方箋のことであり、電子処方箋管理サーバ3にアップロードすることで、薬局から閲覧することができるようにしたものである。なお、医薬連携システム1においては、電子処方箋だけでなく、従来からある紙の処方箋も用いられるものとする。電子処方箋及び紙の処方箋のいずれが用いられるかは、病院及び薬局の電子処方箋への対応状況及び患者の希望に基づいて決まる 。
【0016】
患者端末20は、患者(これから初診を受けようとしている者も含む)によって利用される端末であり、撮影機能を有している。病院端末30は、例えば、病院の従業員である医療関係者(医師、看護師及び事務員等)によって利用される端末である。薬局端末40は、例えば、薬局の従業員である薬剤師等によって利用される端末である。各端末は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末又はスマートフォン等の情報処理端末である。
【0017】
病院では、来院しての診療だけでなく、病院端末30を介したオンライン診療が行われる場合がある。また、薬局では、来局しての服薬指導だけでなく、薬局端末40を介したオンラインでの服薬指導が行われる場合がある。その場合は、医薬品は、郵送等の手段で患者に届けられる。ただし、薬局は、来局の場合もオンラインの場合も、処方箋の原本を受け取らなければならない 。
【0018】
電子処方箋の場合は、電子処方箋自体を原本として扱うことができる。そのため、薬局端末40が電子処方箋を電子処方箋管理サーバ3からダウンロードすることで、薬局が処方箋の原本に基づく医薬品の調剤の依頼を受け付けることができ、調剤した医薬品を患者に提供することができる。つまり、オンラインでの服薬指導が行われる場合は、電子処方箋を用いれば、患者は薬局に行かなくても医薬品を提供してもらうことができる。
【0019】
一方、紙の処方箋の場合、紙の処方箋の画像(以下「処方箋画像」と言う)が薬局端末40に送信される場合がある。処方箋画像は、例えば、患者端末20が撮影した紙の処方箋の写真又はファクシミリで読み込んだ紙の処方箋のデータ等である。これらの処方箋画像も電子化された処方箋と言えるが、処方箋の写しとして扱われるだけで、原本としては扱われないという点で、電子処方箋と異なっている。処方箋画像を予め薬局端末40に送信することは、医薬品の在庫確認や調剤の準備等を予め進めてもらい、来局したときに迅速に医薬品を提供してもらうことができるという利点がある。その場合、患者は、来局したときに紙の処方箋、すなわち処方箋の原本を薬局に渡す。
【0020】
サーバ装置10は、医薬連携に関する処理を実行する情報処理装置である。サーバ装置10は、病院DB(Data Base)と、薬局DBとを記憶する。病院DBは、病院に関する情報を格納する。薬局DBは、薬局に関する情報を格納する。また、サーバ装置10は、患者端末20、病院端末30及び薬局端末40による医薬連携に関する画面の表示を制御する。患者端末20、病院端末30及び薬局端末40がそれぞれのユーザからの操作を受け付け、サーバ装置10が、それらのユーザ操作に応じて医薬連携に関する処理を実行することで、病院と薬局の連携が行われる。
【0021】
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バス14とを備える。バス14は、サーバ装置10が備える各部を電気的に接続する。
【0022】
(制御部11)
制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)等のプロセッサを備える。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、医薬連携システム1に係る種々の機能を実現するコンピュータである。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0023】
(記憶部12)
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行される医薬連携システム1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行される医薬連携システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0024】
(通信部13)
通信部13は、サーバ装置10から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部13は、外部の構成要素からサーバ装置10への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部13がネットワーク通信機能を有し、これにより通信回線2を介して、サーバ装置10と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
【0025】
図3は、患者端末20のハードウェア構成を示す図である。患者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、バス26とを備える。バス26は、患者端末20が備える各部を電気的に接続する。制御部21、記憶部22及び通信部23は、
図2に示す制御部11、記憶部12及び通信部13と、スペック、モデル等は異なってもよいが、同様のハードウェアである。
【0026】
(入力部24)
入力部24は、キー、ボタン、タッチスクリーン及びマウス等のうちの1以上の入力インターフェースを有し、ユーザによる入力を受け付ける。また、入力部24は、入力される光に基づいて撮影を行う撮像機能(いわゆるデジタルカメラ)を有する。
(出力部25)
出力部25は、ディスプレイ及びスピーカ等の出力デバイスを有し、表示面に画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された視覚情報を表示し、音声を含む音を出力する。
【0027】
病院端末30及び薬局端末40は、患者端末20と同様のハードウェア構成を備える。病院端末30については、制御部31のみ、患者端末20の制御部21と異なる符号を付して説明する。薬局端末40は、患者端末20と同様のハードウェア構成を備える。薬局端末40については、制御部41のみ、患者端末20の制御部21と異なる符号を付して説明する。
【0028】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、各装置の記憶部に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部によって具体的に実現されることで、制御部に含まれる各機能部が実行されうる。
【0029】
図4は、各装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。サーバ装置10の制御部11は、サーバ表示部111と、記憶制御部112と、設定処理部113と、予約処理部114と、受取処理部115と、変更処理部116と、診療処理部117と、指示処理部118と、受付処理部119とを備える。患者端末20の制御部21は、第1ユーザ表示部211と、第1操作受付部212と、撮影処理部213とを備える。病院端末30の制御部31は、第2ユーザ表示部311と、第2操作受付部312と、印刷処理部313とを備える。薬局端末40の制御部41は、第3ユーザ表示部411と、第3操作受付部412と、処方箋処理部413とを備える。
【0030】
サーバ表示部111は、医薬連携システム1に関するシステム画面を各端末に表示させるための処理を実行する。サーバ表示部111は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルの生成及び送信等の処理を行い、システム画面を示すウェブページを患者端末20に表示させる。なお、サーバ表示部111は、医薬連携システム1を利用するためのアプリケーションの表示用データの生成及び送信等の処理を行ってもよい。
【0031】
記憶制御部112は、記憶部12へのデータの書き込み及び読み出しを制御する。設定処理部113は、医薬品の受け取りに関する設定(以下「受取設定」と言う)についての処理を実行する。受取設定の詳細は後述する。予約処理部114は、病院の予約に関する予約処理を実行する。受取処理部115は、医薬品の受け取りに関する処理(以下「受取処理」と言う)を実行する。
【0032】
変更処理部116は、医薬品の受け取りに関する情報である受取情報の内容を変更する変更処理を実行する。診療処理部117は、医師による患者への診療に関する診療処理を実行する。指示処理部118は、処方箋に関する作業を指示する指示処理を実行する。受付処理部119は、薬局による処方箋の受け付けに関する処理(以下「受付処理」と言う)を実行する。
【0033】
患者端末20の第1ユーザ表示部211は、患者端末20が有する表示手段であるディスプレイへの表示を制御する。第1ユーザ表示部211は、例えば、サーバ表示部111から送信されてくるウェブページ又はアプリの画面を表示手段に表示させる。第1操作受付部212は、患者端末20のユーザである患者が行う操作を受け付ける。撮影処理部213は、処方箋の撮影に関する撮影処理を実行する。
【0034】
病院端末30の第2ユーザ表示部311は、病院端末30が有する表示手段であるディスプレイへの表示を制御する。第2ユーザ表示部311は、例えば、サーバ表示部111から送信されてくるウェブページ又はアプリの画面を表示手段に表示させる。第2操作受付部312は、病院端末30のユーザである医療関係者が行う操作を受け付ける。印刷処理部313は、処方箋を紙に印刷する。
【0035】
薬局端末40の第3ユーザ表示部411は、薬局端末40が有する表示手段であるディスプレイへの表示を制御する。第3ユーザ表示部411は、例えば、サーバ表示部111から送信されてくるウェブページ又はアプリの画面を表示手段に表示させる。第3操作受付部412は、薬局端末40のユーザである薬剤師等が行う操作を受け付ける。処方箋処理部413は、処方箋に関する処理を実行する。
【0036】
3.情報処理
本節では、本実施形態において、プログラムがコンピュータに実行させる情報処理について説明する。医薬連携システム1は、処方箋を介した医薬品の提供に関する医薬連携を実現する医薬連携処理を実行する。
【0037】
図5は、医薬連携処理の一例を示すアクティビティ図である。
図5に示すアクティビティは、患者端末20、病院端末30及び薬局端末40がそれぞれ医薬連携システム1において提供されるシステム画面を表示することを契機に開始される。具体的には、サーバ装置10は、各端末においてログインの操作が行われることで、サーバ表示部111により、システム画面を示す画面データを各端末に送信して、各端末にシステム画面を表示させる。
【0038】
各端末の利用者(患者、医師、医療事務及び薬剤師等)には、予め認証情報が発行されているものとする。なお、患者が初めてログインする場合は、サーバ装置10は、患者の基本情報(氏名、年齢、性別及び保険証情報等)の入力を受け付け、患者向けの認証情報を発行する。サーバ表示部111は、ログイン時に入力された認証情報が示す各端末の利用者向けに設計された画面をシステム画面として表示させる。
【0039】
薬局端末40は、第3ユーザ表示部411により、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す薬局向け画面を表示する(A11)。次に、薬局端末40は、第3操作受付部412により、医薬品の在庫情報の入力を受け付ける(A12)。医薬品の在庫情報は、例えば、その薬局で患者に提供可能な医薬品の種類を示す情報である。なお、薬局が提供可能な場合には、医薬品の在庫量も在庫情報として入力されてよい。第3操作受付部412は、入力された在庫情報をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、記憶制御部112により、送信されてきた在庫情報を薬局DBに格納する(A13)。
【0040】
図6は、薬局DBの一例を示す図である。
図6示す薬局DBでは、薬局ID(Identification)、薬局名、在庫情報、電子処方箋、処方箋画像及び受取情報等が互いに対応付けて格納されている。在庫情報には、様々な種類の医薬品の各々について、その薬局での提供の可否及び(薬局から情報が提供されている場合には)在庫量を示す情報が格納される。電子処方箋には、病院が発行する電子処方箋が格納される。処方箋画像には、紙の処方箋を撮影した画像が格納される。受取情報には、上述した受取情報(医薬品の受け取りに関する情報)が格納される。記憶制御部112は、送信されてきた在庫情報を、送信元の薬局に対応付けて薬局DBに格納する。
【0041】
次に、病院端末30は、第2ユーザ表示部311により、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す病院向け画面を表示する(A14)。なお、ここで説明する病院端末30は、例えば、医療事務をユーザとする端末である。次に、病院端末30は、第2操作受付部312により、受取設定の入力を受け付ける(A15)。受取設定は、上述したように医薬品の受け取りに関する設定のことである。本実施形態では、患者による病院の予約に関する設定を行う設定画面で、受取設定も行われる。
【0042】
図7は、病院予約の設定画面の一例を示す図である。
図7示す設定画面G1には、病院予約に関する設定の入力欄C10が含まれている。入力欄C10には、例えば、「初診オンライン」を許可するか否か、「予約時保険証」が必要か否か、などの設定に加え、「受取設定」を「第1設定」及び「第2設定」から選択する設定C11が入力されるようになっている。「第1設定」及び「第2設定」については後ほど詳しく説明する。設定画面G1には、キャンセルボタンB11と、確定ボタンB12とが含まれている。
【0043】
キャンセルボタンB11が操作されると、設定画面G1で入力された設定がキャンセルされる。確定ボタンB12が操作されると、設定画面G1で入力された設定が確定される。第2操作受付部312は、確定ボタンB12が操作された場合、入力欄C10に入力されている設定を示す設定データをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、設定処理部113により、送信されてきた設定データが示す設定(受取設定を含む)を受け付ける(A16)。次に、サーバ装置10は、記憶制御部112により、A16で受け付けられた設定を病院DBに格納する(A17)。
【0044】
図8は、病院DBの一例を示す図である。
図8示す病院DBでは、病院ID、病院名、オンライン診療、予約情報及び受取設定等が互いに対応付けて格納されている。オンライン診療には、オンライン診療に関する情報(オンライン診療に用いるURL(Uniform Resource Locator)及びオンライン診療が可能な時間帯等)が格納されている。予約情報には、各診療科の診療の予約に関する情報(患者ID、患者名、予約ID及び予約時刻等)が格納されている。受取設定には、A17において、各病院において設定された受取設定が格納される。なお、病院DBには、これらの情報以外にも、患者の診療に関する情報(診療日時、診療結果及び処方箋情報等)が格納される。
【0045】
次に、患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す患者向け画面を表示する(A21)。A21で表示される画面は、例えば、患者向けのメニュー画面である。患者は、メニュー画面から、例えば、病院の予約用の画面に切り替えることができる。その場合、患者端末20は、第1操作受付部212により、病院の予約の入力を受け付ける(A22)。
【0046】
図9は、病院の予約画面の一例を示す図である。
図9(a)、(b)及び(c)では、患者端末20に順次表示される予約画面G21、G22及びG23が示されている。予約画面G21には、予約する病院の一覧C21が含まれている。病院の一覧C21からいずれかの病院が選択されると、第1ユーザ表示部211は、予約画面G22を表示する。予約画面G22には、選択された病院の診療科の一覧C221と、診療方法の選択画像C222とが含まれている。
【0047】
選択画像C222は、診療方法として、来院又はオンライン診療のいずれかを選択できるようになっている。診療科の一覧C221には、来院の場合は全ての診療科が含まれ、オンライン診療の場合はオンライン診療に対応する診療科のみが含まれるようにしてもよい。診療方法及び診療科が選択されると、第1ユーザ表示部211は、予約画面G23を表示する。予約画面G23には、選択された診療方法及び診療科における予約可能な日時を示すカレンダー情報C23と、予約確定ボタンB23とが含まれている。
【0048】
予約日時を選択して予約確定ボタンB23に対する操作が行われると、第1操作受付部212は、それらの操作を病院の予約操作として受け付け、予約された病院、診療方法、診療科及び日時を示す予約データをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、予約処理部114により、送信されてきた予約データが示す予約を反映させる予約処理を実行する(A23)。予約処理部114は、具体的には、予約データが示す予約情報を、病院DBに格納する処理を予約処理として実行する。
【0049】
続いて、サーバ装置10は、受取処理部115により、予約された病院の受取設定を読み出す(A24)。ここで、受取設定について説明する。医薬品の受け取りは、例えば、診療を受けて処方箋が発行されてから開いている薬局を訪れてその処方箋を渡すことで行うことができる。しかし、この方法だと、処方箋を渡してから在庫の有無の判断や調剤作業が行われるので、待ち時間が長くなりやすい。
【0050】
そこで、医薬連携システム1においては、薬局に対して予め医薬品の受け取りに関する情報を伝えておいて、在庫の有無の確認及び調剤の準備等を事前に行うことを可能にして、医薬連携を実現する。ただし、医薬連携の仕組みは、薬局の変更等があったときに煩雑な作業がどの病院でも常に同じレベルの医薬連携を行うわけではなく、病院ごとに、連携の有無の選択や連携の範囲の選択をすることができるようにもなっている。受取設定とは、この医薬連携に関する設定であり、本実施形態では、医薬連携を行う第1設定と、医薬連携を行わない第2設定とが選択できるようになっている。
【0051】
受取処理部115は、読み出した受取設定が第1設定を示す場合、患者端末20に医薬品の受取情報の入力画面を表示させるよう、サーバ表示部111に指示する。サーバ表示部111は、指示された入力画面を示す画面データを患者端末20に送信する(A25)。患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、送信されてきた画面データが示す医薬品の受取情報(医薬品の受け取りに関する情報)の入力画面を表示する(A31)。
【0052】
図10は、医薬品の受取情報の入力画面の一例を示す図である。
図10(a)、(b)及び(c)では、患者端末20に順次表示される、医薬品の受取情報の入力画面G31、G32及びG33が示されている。医薬品の受取情報とは、上述したように、医薬品の受け取りに関する情報であり、
図10の例では、医薬品の受取方法、医薬品を受け取る薬局及び医薬品の服薬指導を受ける予定日時という3つの情報のち、少なくとも医薬品の受取方法及び薬局を含む情報である。
【0053】
入力画面G31には、医薬品の受取方法を選択する選択画像C31と、次へボタンB31とが含まれている。選択画像C31では、医薬品を配送で受け取る方法と、医薬品を薬局に取りに行く方法とが選択可能になっている。選択画像C31でいずれかの受取方法が選択され、次へボタンB31への操作が行われると、第1ユーザ表示部211は、入力画面G32を表示する。
【0054】
入力画面G32には、薬局の選択画像C32と、確定ボタンB321と、次へボタンB322とが含まれている。なお、医薬品を配送で受け取る方法が選択された場合も、医薬品を調剤して発送する薬局を選択する必要があるので、薬局の選択画像C32が表示される。第1ユーザ表示部211は、例えば、予約された病院から一定の距離の範囲にある薬局を無作為な順番で並べた一覧を、薬局の選択画像C32として表示する。なお、第1ユーザ表示部211は、配送で受け取る方法が選択された場合は、病院からの距離に関係なく薬局の一覧を表示してもよい。
【0055】
選択画像C32でいずれかの薬局が選択され、次へボタンB322への操作が行われると、第1ユーザ表示部211は、入力画面G33を表示する。入力画面G33には、選択された薬局での医薬品の服薬指導を予定している日時を示すカレンダー情報C33と、入力確定ボタンB33とが含まれている。指導予定日時は、例えば、医薬品を薬局に取りに行く方法が選択された場合は、薬局を訪れて医薬品の服薬指導を受ける予定の日時を表し、医薬品を配送で受け取る方法が選択された場合は、薬局とオンラインで医薬品の服薬指導を受ける予定の日時を表すものとする 。
【0056】
指導予約日時を選択して入力確定ボタンB33に対する操作が行われると、第1操作受付部212は、それらの操作を医薬品の受取情報の入力操作として受け付け、入力された受取方法、薬局及び指導予定日時と、患者ID及び患者名とを受取情報として示す入力データをサーバ装置10に送信する(A32)。また、第1操作受付部212は、入力画面G32で確定ボタンB321が操作された場合は、それまでに入力された受取方法及び薬局と、患者ID及び患者名とを受取情報として示す入力データをサーバ装置10に送信する。このように、受取情報については、指導予定日時は入力されない場合もある。
【0057】
サーバ装置10は、受取処理部115により、送信されてきた入力データが示す医薬品の受取情報を記憶する記憶処理を実行する(A33)。受取処理部115は、具体的には、入力データが示す受取情報を、薬局DBに格納する処理を記憶処理として実行する。また、受取処理部115は、格納した受取情報を通知するための通知データを、受取情報が示す薬局の薬局端末40に送信する。薬局端末40は、第3ユーザ表示部411により、送信されてきた通知データが示す 受取情報を表示する(A34)。
【0058】
第3ユーザ表示部411は、通知データを受信した際に、例えば、新たな受取情報が表示可能になったことを示すポップアップ又はバッジ等を表示することで、通知データを受信したことに薬剤師が気づきやすいようにしてもよい。受取情報の表示画面については、後ほど詳しく説明する。この時点では、診療がまだ行われておらず医薬品の提供が確定している訳ではないが、薬剤師は、多少のキャンセルや予約変更があることを折り込むことで、調剤の依頼件数の目安を知ることができる。
【0059】
受取処理部115は、上記の通知データを、病院の病院端末30にも送信する。病院端末30は、第2ユーザ表示部311により、送信されてきた通知データが示す受取情報を表示する(A35)。第2ユーザ表示部311は、第3ユーザ表示部411と同様に、新たな受取情報が表示可能になったことを示すポップアップ又はバッジ等を表示することで、通知データを受信したことに医療従事者が気づきやすいようにしてもよい。以上のとおり病院端末30及び薬局端末40に通知及び表示が行われることで、患者によって入力された受取情報が病院及び薬局で共有される。
【0060】
上述した病院の予約及び医薬品の受取情報は、いずれも変更が可能である。医薬連携システム1においては、病院の予約が変更された場合は、その病院で発行される処方箋に基づいて提供される医薬品の受取情報も変更が必要になる。一方、医薬品の受取情報については、病院の予約の変更がなくとも、単独で変更することができる。
【0061】
まず、病院の予約の変更と、それに伴って受取情報の変更が行われる場合について説明する。患者は、A21で表示されるメニュー画面から、例えば、病院予約の変更画面に切り替えることができる。その場合、患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、病院予約の変更画面を表示し、第1操作受付部212により、病院予約の変更操作を受け付ける(A41)。
【0062】
図11は、病院予約の変更画面の一例を示す図である。
図11に示す病院予約の変更画面G4には、病院の予約情報C41、C42、C43及びC44(それぞれ予約された病院、診療科、診療方法及び予約日時を示す)が含まれている。予約情報C41、C42、C43及びC44には、それぞれ変更ボタンB41、B42、B43及びB44が対応付けて表示されている。例えば、変更ボタンB44が操作されると、第1ユーザ表示部211は、
図9に示す予約画面G23を表示して、第1操作受付部212が、予約日時の変更操作を受け付ける。
【0063】
また、変更ボタンB42又はB43が操作されると、第1ユーザ表示部211は、
図9に示す予約画面G22を表示して、第1操作受付部212が、診療科又は診療方法の変更操作を受け付ける。この場合、引き続き、第1ユーザ表示部211が予約画面G23を表示して、第1操作受付部212が予約日時の変更も受け付ける。
【0064】
また、変更ボタンB41が操作されると、第1ユーザ表示部211は、
図9に示す予約画面G21を表示して、第1操作受付部212が、病院の変更操作を受け付ける。この場合、引き続き、第1ユーザ表示部211が予約画面G22及びG23を表示して、第1操作受付部212が診療科、診療方法及び予約日時の変更も受け付ける。
【0065】
第1操作受付部212は、上記のとおり変更操作を受け付けると、変更された予約内容を示す予約変更データをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、変更処理部116により、送信されてきた予約変更データが示す病院予約の変更を受け付ける(A42)。変更処理部116は、具体的には、変更された予約の内容を病院DBに反映することで病院予約の変更を受け付ける。予約内容の反映とは、日時の変更だけなら診療科に対応付けて格納されている予約情報の更新である。
【0066】
また、診療科の変更がある場合は、診療科に対応付けて格納されている予約情報の削除及び変更後の診療科に対応付けての予約情報の格納となり、病院の変更がある場合は、病院ID、病院名及び予約情報の削除と、新たに予約された内容の病院DBへの格納となる。また、変更処理部116は、病院の予約のキャンセルがあった場合は、受取情報が示す医薬品の受取予定もキャンセルする。
【0067】
変更処理部116は、A42において、病院予約の変更を受け付けるとともに、医薬品の受取情報を変更する変更処理を実行する。変更処理には、患者の入力に基づいて受取情報を変更する第1変更処理と、患者の入力によらずにサーバ装置10が自動的に受取情報を変更する第2変更処理とがある。まず、第1変更処理について説明する。
【0068】
変更処理部116は、例えば、病院予約の日時が変更された場合、その予約に対応付けられている医薬品の受取情報の変更を患者に要求する変更要求画面を表示させるよう、サーバ表示部111に指示する処理を変更処理として実行する。患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、サーバ表示部111から送信されてきた画面データが示す変更要求画面を表示する。
【0069】
図12は、表示された変更要求画面の一例を示す図である。
図12の例では、第1ユーザ表示部211は、変更要求画面G51を表示している。変更要求画面G51には、病院予約情報C510と、受取情報C511、C512及びC513とが含まれている。受取情報C511、C512およびC513には、それぞれ変更ボタンB511、B512及びB513が対応付けて表示されている。例えば、変更ボタンB512が操作されると、第1ユーザ表示部211は、
図10に示す入力画面G32を表示して、第1操作受付部212が、薬局の変更操作を受け付ける。このような変更要求画面が表示されることで、患者は、変更した病院の予約内容を確認しながら、受取情報を変更することができる。
【0070】
次に、第2変更処理について説明する。変更処理部116は、A42において、変更された病院の予約日時に応じて医薬品の受取情報が示す薬局の予約日時を変更する処理を変更処理として実行してもよい。変更処理部116は、具体的には、例えば、病院予約の日時からN時間後(Nは自然数)が薬局の予約日時だった場合、変更後の病院予約の日時からN時間後を薬局の予約日時とする変更を行う。また、変更処理部116は、予約する病院が変更され、受取情報が医薬品を薬局に取りに行く方法を示し、且つ、受取情報が示す薬局が変更後の病院から所定の距離以上離れている場合、例えば、変更後の病院から所定の距離の範囲内にある薬局(複数存在する場合はそれらのうちから無作為に選択した薬局)を受取先の薬局として受取情報を変更する。
【0071】
変更処理部116は、以上のとおり変更処理を行うと、変更した受取情報を受取処理部115に供給する。受取処理部115は、A33において、供給された変更後の受取情報を記憶する記憶処理を実行する。また、受取処理部115は、A33において、受取情報の入力時と同様に、受取情報が変更されたことを通知する通知データを送信する。これにより、薬局へは、受取情報が変更されたことが通知される。
【0072】
上記のとおり医薬品の受取情報の変更が反映されると、サーバ表示部111は、病院予約の変更に伴い医薬品の受取情報も変更されたことを通知する画面を示す通知画面データを生成する(A43)。サーバ表示部111は、生成した通知画面データを患者端末20に送信する。患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、送信されてきた通知画面データが示す通知画面を表示する(A44)。
【0073】
図13は、表示された通知画面の一例を示す図である。
図13の例では、第1ユーザ表示部211は、受取情報が示す薬局及び予約日時が変更されたことを示す通知画面G52を表示している。通知画面G52には、変更がなかった受取方法C521と、変更前の薬局名C522と、変更後の薬局名C523と、変更前の予約日時C524と、変更後の予約日時C525とが含まれている。このように、第2変更処理が実行された場合は、通知画面が表示されることで、患者は、病院の変更に伴い受取情報が変更されたこと及びその変更の内容を知ることができる。
【0074】
通知画面G52には、変更ボタンB521が含まれている。患者は、病院の変更に伴い変更された受取情報をさらに変更したい場合は、変更ボタンB521を操作することで、それらの受取情報をさらに変更するための受取情報の変更画面に切り替えることができる。通知画面G52から受取情報の変更画面への切り替えは、病院の予約変更に伴う受取情報の変更である。
【0075】
一方、上述したように、受取情報は、病院の予約の変更がなくとも、単独で変更することができる。その場合、患者は、A21で表示されるメニュー画面において受取情報の変更画面に切り替える操作を行えばよい。いずれの場合も、患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、受取情報の変更画面を表示し、第1操作受付部212により、受取情報の変更操作を受け付ける(A45)。
【0076】
図14は、受取情報の変更画面の一例を示す図である。
図14に示す受取情報の変更画面G6には、受取情報C61、C62及びC63(それぞれ医薬品の受取方法、薬局及び予約日時を示す)が含まれている。受取情報C61、C62及びC63には、それぞれ変更ボタンB61、B62及びB63が対応付けて表示されている。例えば、変更ボタンB63が操作されると、第1ユーザ表示部211は、
図10に示す入力画面G33を表示して、第1操作受付部212が、予約日時の変更操作を受け付ける。
【0077】
また、変更ボタンB62が操作されると、第1ユーザ表示部211は、
図10に示す入力画面G32を表示して、第1操作受付部212が、薬局の変更操作を受け付ける。この場合、引き続き、第1ユーザ表示部211が入力画面G33を表示して、第1操作受付部212が予約日時の変更も受け付ける。
【0078】
また、変更ボタンB61が操作されると、第1ユーザ表示部211は、
図10に示す入力画面G31を表示して、第1操作受付部212が、医薬品の受取方法の変更操作を受け付ける。この場合、引き続き、第1ユーザ表示部211が入力画面G32及びG33を表示して、第1操作受付部212が薬局及び予約日時の変更も受け付ける。第1操作受付部212は、上記のとおり受取情報の変更操作を受け付けると、変更された受取情報を示す受取変更データをサーバ装置10に送信する。
【0079】
サーバ装置10は、変更処理部116により、送信されてきた受取変更データが示す受取情報の変更を受け付ける(A46)。変更処理部116は、具体的には、変更された受取情報を薬局DBに反映するよう受取処理部115に指示することで、受取情報の変更を受け付ける。受取処理部115は、A33において、指示された受取情報を記憶する記憶処理を実行する。受取処理部115は、A33において、受取情報の入力時と同様に、変更された受取情報を通知するための通知データを送信する。これにより、薬局へは、受取情報が変更されたこと及びその受取情報が通知される。
【0080】
以上のとおり、受取情報は、病院の予約変更に伴って変更することもできるし、病院の予約変更がなくとも単独で変更することもできる。また、病院の予約が変更されると、通常は、医薬品の受け取り場所や時間も変更される。そのため、病院の予約が変更されたのに受取情報が変更されずに残っていると、残っているそれらの受取情報がノイズになり、例えば事前に見ておくべき受取情報があったとしても気づきにくくなる。これに対し、医薬連携システム1においては、病院の予約が変更されると、上述した第1変更処理又は第2変更処理のいずれかが実行されるので、これらの変更処理が実行されない場合に比べて、病院の予約が変更されたのに受取情報が変更されずに残ってしまうという状況になることを抑制することができる。
【0081】
また、医薬連携システム1においては、受取設定が第1設定の場合は、A31からA33とA41からA46までの処理が行われ、患者が希望する医薬品の受け取りに関する受取情報がサーバ装置10に記憶される。一方、受取設定が第2設定の場合は、
図5の例では、受取処理部115が、医薬品の受取情報の入力画面を表示させる指示を行わない。そのため、A31からA33とA41からA46までの処理が行われず、受取情報がサーバ装置10に記憶されない。この場合、患者は、受取情報を入力することができない。
【0082】
続いて、病院を予約した患者が、病院に行って診療を受けたとする。病院端末30は、第2ユーザ表示部311により、病院向け画面を表示する(A51)。ここでの病院端末30は、診療を行う医師をユーザとする。病院端末30は、第2操作受付部312により、医師が患者に処方する医薬品の処方箋情報の入力を受け付ける(A52)。その際、発行される処方箋の形式を、電子処方箋及び紙の処方箋のいずれにするかが決定される。
【0083】
処方箋の形式の決定方法は、例えば、処方箋情報の入力の際に医師が決定する第1方法、病院ごとに予め決定しておく第2方法、患者の希望を聞いて決定する第3方法、又は、処方箋を発行する病院及び服薬指導が行われる薬局の電子処方箋への対応状況に応じて決定する第4方法等がある。第1方法及び第3方法は、A52において処方箋情報を入力する際に合わせて処方箋の形式が入力されればよい。第2方法は、病院DBにおいて病院に対応付けて処方箋の形式を格納しておけばよい。第4方法は、薬局DBにおいて薬局に対応付けて処方箋の形式を格納しておき、診療が行われた病院の処方箋の形式と、受取情報が示す薬局の処方箋の形式とが一致している場合に、その形式が決定されればよい。
【0084】
第2操作受付部312は、入力された処方箋情報を、決定された処方箋の形式に対応付けてサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、診療処理部117により、病院端末30から送信されてきた処方箋情報に基づいて、その処方箋情報が示す形式の処方箋を発行する(A53)。以下では、まず、電子処方箋の形式で処方箋が発行される場合の医薬連携処理について説明する。
【0085】
図15は、医薬連携処理の続きの一例を示すアクティビティ図である。サーバ装置10は、A53において、診療処理部117により、病院端末30から送信されてきた処方箋情報が電子処方箋の形式を示す場合に、その処方箋情報が示す患者に対して電子処方箋の形式で処方箋を発行する。診療処理部117は、発行した処方箋を示す電子処方箋を患者端末20に送信する。患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、送信されてきた電子処方箋が示す処方箋を表示する(A54)。患者は、表示された処方箋を見て、自分に処方された医薬品を確認することができる。
【0086】
次に、サーバ装置10は、受付処理部119により、発行された電子処方箋を
図6に示す薬局DBに格納する(A61)。続いて、サーバ装置10は、受付処理部119により、受取情報が示す薬局の薬局端末40から閲覧可能な電子処方箋をアップロードする処理を受付処理として実行する(A62)。受付処理部119は、具体的には、電子処方箋を、受取情報が示す薬局に対応付けて電子処方箋管理サーバ3にアップロードする。
【0087】
次に、サーバ装置10は、受付処理部119により、電子処方箋をアップロードしたことを通知する通知データを、その電子処方箋に対応付けた薬局の薬局端末40に送信する。薬局端末40は、第3ユーザ表示部411により、送信されてきた通知データが示す通知を表示する(A63)。医薬連携システム1においては、サーバ表示部111が、医薬連携の状況を示すステータス画面を各端末に表示させる。A63では、第3ユーザ表示部411は、薬局向けの患者のステータス画面を表示し、そのステータス画面において、上記通知を表示する。
【0088】
図16は、薬局向けの患者ステータス画面の一例を示す図である。
図16に示す薬局向けの患者ステータス画面G7には、ステータス情報一覧C71が含まれている。ステータス情報一覧C71には、希望時刻と、ステータスと、受付IDと、患者名と、対応方法と、電子処方箋状態と、処方箋画像状態とを対応付けたステータス情報C711~C720が含まれている。これらのステータス情報は、病院DBに格納されている情報に基づいて表示されており、病院側で管理されている患者の状況を薬局側で共有することができるようになっている。つまり、患者ステータス画面G7は、医薬連携を実現するUI(User Interface)の一例である。
【0089】
「希望時刻」には、患者が入力した医薬品の受け取りの希望時刻(入力されていない場合は「未確定」)が表示されている。「ステータス」には、病院における患者の状況を示す情報が表示されている。「受付ID」には、患者が病院で受け付けられた際に発行される識別情報が表示されている。「患者名」には、受取情報を入力した患者の氏名が表示されている。「対応方法」には、病院における診療の対応方法(「オンライン」又は「対面」)が表示されている。「電子処方箋状態」には、電子処方箋の状態が表示されている。「処方箋画像状態」には、後述する紙の処方箋を撮影した処方箋画像の状態が表示されている。
【0090】
ステータスとしては、「未受付」、「キャンセル」、「未会計」及び「指導待ち」が表示されている。「未受付」は、患者が予約した病院での来院の受け付けがまだ行われていない状態を示す。「キャンセル」は、患者が入力した病院の予約がキャンセルされたことを示す。「未会計」は、病院での診療が完了しているが、会計がまだ完了していない状態を示す。「指導待ち」は、病院での会計が終わり、薬局での医薬品の受け渡しとその際に行われる服薬指導とを待っている状態を示す。
【0091】
一般的に、紙の処方箋は会計時に患者に手渡されるので、「未会計」では紙の処方箋が患者にまだ手渡されておらず、「指導待ち」になると紙の処方箋が患者に手渡されていることになる。一方、電子処方電が電子処方箋管理サーバ3にアップロードされるタイミングは、特に決まっておらず、病院によって又は病院の担当者によってまちまちとなっている。
【0092】
電子処方箋状態としては、「未UL」、「DL済みボタン」及び「DLボタン」が表示されている。「未UL」は、診療が終わって電子処方箋が発行されているが、その電子処方箋がまだ電子処方箋管理サーバ3にアップロードされていないことを示す。「DL済みボタン」(
図16の例ではDL済みボタンB74)は、電子処方箋管理サーバ3にアップロードされた電子処方箋が薬局端末40にダウンロードされていることを示す。DL済みボタンB74への操作が行われると、ダウンロード済みの電子処方箋が表示される。「DLボタン」(
図16の例ではDLボタンB71)は、電子処方箋管理サーバ3に電子処方箋がアップロードされていることを示す。DLボタンB71への操作が行われると、電子処方箋が電子処方箋管理サーバ3から薬局端末40にダウンロードされる。
【0093】
処方箋画像状態としては、「未受信」及び「受信済みボタン」が表示されている。「未受信」は、診療が終わって(つまり「未会計」の状態で)紙の処方箋が発行されているが、その紙の処方箋の処方箋画像がまだ薬局端末40に送信されてきていないことを示す。受信済みボタン(
図16の例では受信済みボタンB72)は、紙の処方箋の処方箋画像を薬局端末40が既に受信していることを示す。受信済みボタンB72への操作が行われると、受信済みの処方箋画像が表示される。
【0094】
ステータス情報一覧C71では、
図5に示すA35で表示される受取情報の通知が行われている。この通知は、病院の予約及び受取情報の入力が行われた時点又は受取情報の変更が行われた時点で行われるので、ステータスが「未受付」となっているステータス情報(
図16の例ではC718、C719)が、受取情報を通知する情報として表示されている。このようにステータス情報一覧に受取情報の通知が含まれていると、近いうちに医薬品を受け取りにくる患者の人数の見込みが分かる。
【0095】
図16の例では、ステータス情報C715、C716では電子処方箋が「未UL」となっており、ステータス情報C711では電子処方箋のDLボタンB71が表示されている。薬局端末40は、DLボタンB71への操作を受け付けると、処方箋処理部413により、電子処方箋管理サーバ3から電子処方箋をダウンロードするDL処理を実行する(A64)。そして、薬局端末40は、第3ユーザ表示部411により、ダウンロードされた電子処方箋を表示する(A65)。薬剤師は、表示された電子処方箋の内容を見て、調剤を行う。ステータス情報に予定時刻も表示されている場合には、薬剤師は、その時刻に合わせて事前に調剤を行っておくことができる。
【0096】
続いて、紙の処方箋が発行される場合の医薬連携処理と、処方箋画像のフィールドに格納される情報について、
図17を参照して説明する。
図17は、医薬連携処理の続きの別の一例を示すアクティビティ図である。サーバ装置10は、A53において、診療処理部117により、病院端末30から送信されてきた処方箋情報が紙の処方箋の形式を示す場合に、その処方箋情報が示す患者に対して紙の処方箋を発行する。診療処理部117は、発行した処方箋を示す処方箋データを病院端末30(この場合は医療事務がユーザ)に送信する。
【0097】
病院端末30は、印刷処理部313により、送信されてきた電子処方箋が示す処方箋を印刷する(A55)。印刷された処方箋は、患者に手渡される。本実施形態では、患者が受け取った処方箋を薬局が受け付ける方法には2つある。1つ目は、従来どおり、患者が受け取った処方箋を薬局に持参して手渡す方法である。2つ目は、患者が患者端末20を介して処方箋をデータ化し、サーバ装置10を介して薬局端末40に送信し、薬局端末40が、送信されてきた処方箋(データ化された処方箋)を受信する方法である。
【0098】
まず、サーバ装置10は、A53での処理結果が病院により紙の処方箋が発行された患者であることを示す場合(つまり患者に対してA53で紙の処方箋が発行されている場合)には、指示処理部118により、その患者に対して、処方箋に関する作業を指示する指示処理を実行する(A71)。指示処理部118は、例えば、サーバ表示部111を制御して、処方箋の撮影と送信を指示する文字列を含む指示画面を患者端末20に表示させる処理を指示処理として実行する。サーバ表示部111は、この制御により、指示画面を示す画面データを患者端末20に送信する。患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、送信されてきた画面データが示す指示画面を表示する(A72)。
【0099】
図18は、指示画面の一例を示す図である。
図18(a)及び(b)では、患者端末20に順次表示される指示画面G81及びG82が示されている。指示画面G81には、「処方箋を撮影してください。」という文字列と、撮影範囲C81と、撮影ボタンB81とが含まれている。指示画面G82には、「処方箋の画像を送信してください。」という文字列と、撮影画像C82と、送信ボタンB82とが含まれている。
【0100】
患者が撮影範囲C81に処方箋を映して撮影ボタンB81を操作すると、患者端末20は、撮影処理部213により、処方箋を撮影する処理を撮影処理として実行する(A73)。撮影処理部213は、撮影画像C82に撮影された処方箋が表示された状態で送信ボタンB82が操作されると、撮影した処方箋画像(データ化された処方箋の一例)を薬局端末40に送信する。薬局端末40は、第3ユーザ表示部411により、送信されてきた処方箋画像を受信し、受信した旨の通知を表示する(A74)。A74では、第3ユーザ表示部411は、薬局向けのステータス画面(例えば
図16に示す患者ステータス画面G7)においてこの通知を表示する。
【0101】
図16の例では、ステータス情報C712に示すように処方箋画像状態として受信済みボタンB72を表示することで、処方箋画像を受信した旨を通知する。薬局端末40は、受信済みボタンB72への操作を受け付けると、第3ユーザ表示部411により、受信した処方箋画像を表示する(A75)。この場合も、電子処方箋の場合と同様に、薬剤師は、表示された処方箋画像の内容を見て、調剤を行う。薬局は、このようにして紙の処方箋を受け付ける。ステータス情報に予定時刻も表示されている場合には、薬剤師は、その時刻に合わせて事前に調剤を行っておくことができる。なお、この場合、薬局は、来局した患者から紙の処方箋を受け取り、原本として保管するものとする。
【0102】
以上で述べた医薬連携システム1の全体構成についてまとめて説明する。
図19は、医薬連携システム1の全体構成を示す図である。医薬連携システム1では、まず、設定処理部113が、例えば
図5に示すA16において、病院端末30から、医薬品の受け取りに関する第1設定および第2設定のいずれかの受取設定を受け付ける処理を実行する(1.受取設定)。また、予約処理部114が、例えば
図5に示すA23において、患者端末20から、病院の予約を受け付ける処理を実行する(2.病院予約)。
【0103】
また、受取処理部115が、例えば
図5に示すA24において、予約が行われた病院の受取設定を読み出す処理を実行する(3.受取情報読出)。また、受付処理部119が、例えば
図5に示すA33において、患者端末20から、医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を受け付ける処理を実行する(4.受取情報入力)。
【0104】
ここで、
図5及び
図19の例では、受取設定が第1設定である場合は、受付処理部119が受取情報の入力を受け付け、病院の予約と薬局の予約が同時に行われる。その結果、病院の予約に関する情報(予約情報)と薬局の予約に関する情報(受取情報)とが患者の情報により関連付けて病院DB及び薬局DBに格納されることになる。この関連付けにより、例えば、
図16に示すように電子処方箋状態及び処方箋画像状態を薬局で共有することができるようになっている。
【0105】
また、受取情報が入力された場合は、薬局端末40が、入力された受取情報を表示する(5.受取情報表示)。受取情報が表示されると、薬局では、病院での患者の状況及び医薬品の受け取りの見込み等を知ることができて便利である。また、薬局が受取情報に基づいて予め調剤等の準備をしておくことで、患者にとっても、医薬品の受け取りの待ち時間が短縮されやすくなり、便利である。
【0106】
一方で、受付処理部119は、受け付けられた受取設定が第2設定である場合は、受取設定が第1設定である場合に比べて、患者端末からの医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を制限する。受付処理部119は、
図5及び
図19の例では、受取設定が第2設定である場合は、受取情報の入力を受け付けないようにすることで、受取設定が第1設定である場合に比べて、受取情報の入力を制限している。
【0107】
病院と薬局の予約の両方を行うと病院・薬局間での情報の連携が行い易くなるが、連携のために病院側でインフラ整備(病院端末30の設置等)や人員配置(病院端末30の操作者のアサイン等)が必要となる。そのようなインフラ整備や人員配置は病院にとって負担となる場合があるが、病院及び薬局のそれぞれのシステムの状況や人員配置等により、病院側が薬局側の状況に合わせた対応(医薬品の在庫がない場合の対応等)をしなければならない状況が生じた場合には、さらに病院側の負担が大きくなり、そのような状況に応じて柔軟に対応することが難しいケースがある。
【0108】
また、例えば、自由診療及びカウンセリング等を主な診療行為として設定している病院では、処方箋を発行することが稀な場合がある。そのような病院で診療を受ける場合においても受取情報を入力させると、患者にとっても病院にとっても不要なオペレーションとなり、負担だけが増えることになる。
【0109】
そこで、医薬連携システム1においては、病院側で第2設定を選択して受取情報の入力を制限することができるようにして、病院側の自由度を確保している。このような態様によれば、病院と薬局との間のシステム連携において、利便性を確保しつつ、受取情報の入力が常に受け付けられる場合に比べて、受取情報の入力によるデメリットが大きい場合にはその入力を制限するというように、柔軟な対応を可能にすることができる。
【0110】
また、医薬連携システム1では、前述したように、病院の予約情報と薬局の予約に関する情報(受取情報)とが患者の情報により関連付けられていることを活用し、病院の予約が変更された場合(6.予約変更)、変更処理部116が、例えば
図5に示すA33において、その変更に応じて、入力された受取情報の内容を変更する処理を実行する(7.受取情報自動変更)。このような態様によれば、病院の予約を変更した際に受取情報を変更する操作が不要になるので、ユーザの手間を減らすことができる。また、受取情報の変更処理が実行されない場合に比べて、診療がないのに医薬品の受け取りだけ予定された状態が持続することを抑制することができる。
【0111】
また、医薬連携システム1では、病院の予約と医薬品の受け取りとに関する入力が行われた後に、変更処理部116が、例えば
図5に示すA46において、その病院の予約を維持したまま、その医薬品の受け取りに関して入力された内容の変更入力を患者端末20から受け付ける処理を実行する。このような態様によれば、受取情報だけの変更入力を受け付けない場合に比べて、ユーザの利便性を高くすることができる。
【0112】
その後、患者の診療が行われ、病院端末30が、診療結果の入力を受け付ける(9.診療結果入力)。続けて、病院端末30は、処方箋を発行する処理を実行する(10.処方箋発行)。そして、薬局端末40は、発行された処方箋を受け付ける(11.処方箋受付)。薬剤師が受け付けた処方箋に基づいて医薬品を調剤し、患者に対して服薬指導を行うことで、病院で処方された医薬品が患者に提供される。医薬連携システム1においては、上記のとおり病院の情報と薬局の情報が連携し、予約処理及び受取情報の変更処理等が実行されることで、これらの処理が実行されない場合に比べて、医薬連携を円滑に行うことができる。
【0113】
<受取情報の変更>
図5の例では、受取情報の変更入力を受け付ける処理が示されていた。この受取情報の変更入力について制限がされていてもよい。
【0114】
<診療の前後>
変更処理部116は、例えば、病院での診療の後は、診療の前に比べて、変更入力を制限してもよい。このような変更入力の制限が行われる場合の医薬連携処理について
図20を参照して説明する。
【0115】
図20は、医薬連携処理の別の一例を示すアクティビティ図である。
図20の例では、まず、患者端末20が、第1操作受付部212により、患者による受取情報の変更画面を表示させる操作を受け付ける(A81)。第1操作受付部212は、受け付けた操作を示す操作データをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、変更処理部116により、患者による受取情報の変更の可否を判断する(A82)。
【0116】
変更処理部116は、例えば、その患者のステータス状態を参照し、患者のステータスが「未受付」である場合は、診療の前であり、受取情報の変更ができると判断し、患者のステータスが「未会計」又は「指導待ち」である場合は、診療の後であり、受取情報の変更ができないと判断する。変更処理部116は、受取情報の変更ができないと判断した場合は、変更ができない旨を通知する通知データを患者端末20に送信する。患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、受取情報の変更ができない旨の通知を表示する(A83)。
【0117】
変更処理部116は、受取情報の変更ができると判断した場合は、変更ができる旨を通知する通知データを患者端末20に送信する。その場合、患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、例えば
図14に示す受取情報の変更画面G6を表示する(A84)。そして、患者端末20は、第1操作受付部212により、受取情報の変更操作を受け付け、変更された受取情報を示す受取変更データをサーバ装置10に送信する(A85)。サーバ装置10は、変更処理部116により、
図5に示すA46と同様に、送信されてきた受取変更データが示す受取情報の変更を受け付ける(A86)。
【0118】
患者のステータスが「未会計」又は「指導待ち」の状態の場合、診療が終了して処方箋が発行され、処方箋を薬局が受け付けている可能性がある。そして、処方箋を受け付けると、薬局は、医薬品の調剤の準備を始めたり調剤を実施したりする可能性もある。このように診療の後の状態では受取情報の変更を受け付けないようにすることで、診療後も変更を受け付ける場合に比べて、薬局側の煩雑さを低減することができる。
【0119】
なお、変更処理部116による変更入力の制限は、
図20の例に限らない。変更処理部116は、例えば、診療の後でも、受取情報の一部については変更を受け付けてもよい。
図21は、医薬連携処理の別の一例を示すアクティビティ図である。
図21の例では、まず、患者端末20が、第1操作受付部212により、患者による受取情報の変更画面を表示させる操作を受け付ける(A91)。第1操作受付部212は、受け付けた操作を示す操作データをサーバ装置10に送信する。
【0120】
サーバ装置10は、変更処理部116により、患者による受取情報の変更の制限の有無を判断する(A92)。変更処理部116は、例えば、その患者のステータス状態を参照し、患者のステータスが「未受付」である場合は受取情報の変更制限がないと判断し、患者のステータスが「未会計」又は「指導待ち」である場合は受取情報の変更制限があると判断する。変更処理部116は、受取情報の変更制限の有無を通知する通知データを患者端末20に送信する。
【0121】
患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、受取情報の変更制限があると通知された場合は受取情報の第1変更画面を表示し(A93)、受取情報の変更制限がないと通知された場合は受取情報の第2変更画面を表示する(A94)。
図22は、受付情報の変更画面の一例を示す図である。
図22(a)及び(b)では、受取情報の第1変更画面G9-1及び受取情報の第2変更画面G9-2が示されている。
【0122】
第1変更画面G9-1には、受取情報C91、C92及びC93(それぞれ医薬品の受取方法、薬局及び予約日時を示す)に対応付けて、変更不可ボタンB91-1及びB92-1と、変更ボタンB93-1とが表示されている。変更不可ボタンB91-1及びB92-1には、「変更できません」という文字列が表示されており、操作できない状態になっている。一方、変更ボタンB93-1には、「変更する」という文字列が表示されており、操作できる状態になっている。つまり、第1変更画面G9-1においては、予約日時を変更することができるが、医薬品の受取方法及び薬局は変更できないようになっている。
【0123】
第2変更画面G9-2には、同じ受取情報C91、C92及びC93に対応付けて、変更ボタンB91-2、B92-2及びB93-2が表示されている。これらの変更ボタンには、いずれも「変更する」という文字列が表示されており、操作できる状態になっている。つまり、第2変更画面G9-2においては、医薬品の受取方法、薬局及び予約日時のいずれも変更することができる。第1変更画面G9-1及び第2変更画面G9-2のいずれが表示された場合も、A85(受取情報の変更)及びA86(変更の受け付け)が行われて受取情報が変更される。以上のとおり変更入力を制限するだけでも、変更入力の制限がされない場合に比べて、変更される内容が少なくなるので、薬局側の煩雑さを低減することができる。
【0124】
なお、診療の前後の判断方法は、上記方法に限らない。例えば、病院の受け付けの前後を診療の前後とみなしてもよいし、診療結果の入力の前後を診療の前後とみなしてもよい。また、処方箋の発行の前後を診療の前後とみなしてもよいし、会計の前後を診療の前後とみなしてもよい。要するに、病院の受け付けから会計までの期間であれば、どの時点を診療のタイミングとみなしてもよい。いずれの場合でも、診療前に比べて診療後の方が処方箋の受け付け及びその後の作業が行われる可能性が高まるので、変更入力を制限することで、上記と同様に薬局側の煩雑さを低減することができる。
【0125】
<処方箋の受付手段>
医薬品の受け取りを行う薬局が処方箋を受け付ける手段は2以上ある。第1手段は、薬局の薬局端末40から閲覧可能な電子処方箋を電子処方箋管理サーバ3にアップロードする手段(
図15で説明した手段)である。第2手段は、紙の処方箋をデータ化したものを薬局が受信する手段(
図17で説明した手段)である。
【0126】
ここで、変更処理部116が医薬品の受け取りに関して入力された内容の変更入力を患者端末20から受け付ける処理を実行する場合に、薬局が第1手段で処方箋を受け付ける場合と第2手段で処方箋を受け付ける場合とで、変更入力が可能な期間が異なっていてもよい。例えば、変更処理部116は、第1手段が用いられる場合、第2手段が用いられる場合に比べて、変更入力が可能な期間を長くしてもよい。
【0127】
具体的には、変更処理部116は、例えば、電子処方箋の第1手段が用いられる場合は、診療の後であっても変更入力を可能とし、紙の処方箋の第2手段が用いられる場合は、診療の後は変更入力ができないようにしてもよい。なお、第1手段が用いられる場合の変更入力が可能な期間は、患者が会計を行ってから所定の期間としてもよいし、患者が薬局を訪れるまでの期間としてもよい。また、第2手段が用いられる場合の変更入力ができなくなる期間は、患者が病院の受け付けを行ったときから始まる期間としてもよいし、患者が診察を受けたとき、処方箋が発行されたとき又は会計が完了したとき等から始まる期間としてもよい。
【0128】
要は、第1手段が用いられる場合、第2手段が用いられる場合に比べて、変更入力が可能な期間が長くなっていればよい。第1手段が用いられる場合、薬局が変更されても、アップロードされた電子処方箋を閲覧可能な薬局を切り替えるだけでよいので、人の手を介すことなく、処方箋を受け付ける薬局を変更処理部116が確実に切り替えることができる。一方、第2手段が用いられる場合、薬局が変更されると、患者が再度紙の処方箋を撮影して薬局に送信する作業を行わなければならず、人の手を介すことになるので、確実にその作業が行われるかどうか分からない。
【0129】
そこで、第2手段が用いられる場合には第1手段が用いられる場合に比べて変更入力が可能な期間を短くすることで、この期間が一律である場合に比べて、薬局が処方箋を確実に受け付けることができる期間を長くして、情報連携の確実性を高めることができる。また、第1手段のように薬局の変更がより迅速に可能な手段が用いられる場合は、もう1つの手段が用いられる場合に比べて変更入力が可能な期間を長くすることで、この期間が一律である場合に比べて、患者にとっての利便性を高めることができ、また、変更が反映される前に調剤の準備が進んでしまう等の理由により発生する薬局における手戻りを抑制することができる。
【0130】
なお、医薬品の受け取りを行う薬局が処方箋を受け付ける手段には、上記の他にも、例えば、紙の処方箋を薬局に郵送する手段がある。それら2以上の手段のうち、薬局が第1手段で処方箋を受け付ける場合と第2手段で処方箋を受け付ける場合とで、変更入力が可能な期間を異ならせることで、例えば、患者が薬局を変更する可能性がある場合に変更入力が可能な期間が長い手段を選択するというように、どの手段でも変更入力が可能な期間が一定である場合に比べて、薬局が処方箋を受け付ける手段を選択する際の判断材料を増やすことができる。
【0131】
<処方箋画像のアップロード>
図18の例では、指示処理部118が、その処方箋の写真の撮影及びその写真(処方箋画像)の薬局への送信を、患者端末20を介して指示する処理を実行した。そのため、薬局を変更すると、処方箋画像を患者端末20から変更後の薬局の薬局端末40に送り直さなければならなかった。
【0132】
そこで、例えば、受取設定が第1設定である場合、指示処理部118が、薬局の薬局端末40が閲覧可能な記憶領域に、撮影された写真(処方箋画像)をアップロードさせることを、患者端末20を介して指示する処理を実行してもよい。なお、指示処理部118は、病院が電子処方箋を発行する場合及び受取設定が第2設定である場合は、このようなアップロードを指示する処理を実行しない。処方箋画像がアップロードされる場合の医薬連携処理について
図23を参照して説明する。
【0133】
図23は、医薬連携処理の別の一例を示すアクティビティ図である。まず、
図17に示すA53(処方箋の発行)及びA55(処方箋の印刷)の処理が実行される。
図23の例では、病院端末30から送信されてきた処方箋情報が紙の処方箋の形式を示し、サーバ装置10は、A53において、その処方箋情報が示す患者に対して紙の処方箋を発行したものとする。そして、サーバ装置10は、A53での処理結果が病院により紙の処方箋が発行された患者であることを示す場合(つまり患者に対してA53で紙の処方箋が発行されている場合)には、指示処理部118により、サーバ表示部111を制御して、処方箋の撮影とアップロードを指示する文字列を含む指示画面を患者端末20に表示させる処理を指示処理として実行する(A101)。サーバ表示部111は、この制御により、指示画面を示す画面データを患者端末20に送信する。患者端末20は、第1ユーザ表示部211により、送信されてきた画面データが示す指示画面を表示する(A102)。
【0134】
図24は、指示画面の一例を示す図である。
図24(a)及び(b)では、患者端末20に順次表示される指示画面G101及びG102が示されている。指示画面G101には、「処方箋を撮影してください。」という文字列と、撮影範囲C101と、撮影ボタンB101とが含まれている。指示画面G102には、「処方箋の画像をアップロードしてください。」という文字列と、撮影画像C102と、アップロードボタンB102とが含まれている。
【0135】
患者端末20は、撮影処理部213により、
図18の例と同様に撮影処理を実行する(A103)。撮影処理部213は、撮影画像C102に撮影された処方箋が表示された状態でアップロードボタンB102が操作されると、撮影した処方箋画像をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、処方箋画像が送信されてくると、受付処理部119により、受信した処方箋画像を薬局DBに格納する(A104)。受付処理部119は、処方箋画像がアップロードされた旨を通知する通知データを薬局端末40に送信する。
【0136】
薬局端末40は、第3ユーザ表示部411により、送信されてきた通知データが示す通知を表示する(A105)。第3ユーザ表示部411は、薬局向けの患者ステータス画面を表示し、そのステータス画面において、上記通知を表示する。
図25は、薬局向けの患者ステータス画面の別の一例を示す図である。
図25に示す薬局向けの患者ステータス画面G11には、ステータス情報一覧C111が含まれている。ステータス情報一覧C111の処方箋画像状態には、
図16に示す電子処方箋状態と同様に、「DLボタン」及び「DL済みボタン」が表示されている。
【0137】
「DLボタン」(
図25の例ではDLボタンB112)は、サーバ装置10に処方箋画像がアップロードされていることを示す。DLボタンB112への操作が行われると、処方箋画像がサーバ装置10から薬局端末40にダウンロードされる。「DL済みボタン」(
図25の例ではDL済みボタンB113)は、サーバ装置10にアップロードされた処方箋画像が薬局端末40にダウンロードされていることを示す。DL済みボタンB113への操作が行われると、ダウンロード済み処方箋画像が表示される。
【0138】
薬局端末40は、DLボタンB112への操作を受け付けると、処方箋処理部413により、処方箋画像をサーバ装置10に要求する処理を実行する(A106)。サーバ装置10は、受付処理部119により、要求された処方箋画像を薬局端末40に送信する(A107)。薬局端末40は、A106及びA107の処理によりダウンロードされた処方箋画像を、第3ユーザ表示部411により表示する(A108)。
【0139】
上記のように処方箋画像がサーバ装置10に一度アップロードされると、薬局を切り替える際に、サーバ装置10及び薬局端末40の間でUL通知(A105)及びDL処理(A106、A107)がされるだけとなり、患者端末20から薬局端末40に処方箋画像を送り直す場合に行われる患者の作業が不要となる。このような態様によれば、処方箋画像をアップロードすることができない場合に比べて、紙の処方箋の場合でも、薬局を変更する際の患者の手間を減らすことができる。
【0140】
なお、上述した処方箋画像をアップロードする手段は、「処方箋の受付手段」で述べた医薬品の受け取りを行う薬局が処方箋を受け付ける手段の1つとして用いることができる。
【0141】
<督促通知>
病院において処方箋が発行される際には、病院端末30における医療従事者の作業が必要である。処方箋に関する作業には、例えば、処方箋の内容を入力する操作、処方箋をアップロードする操作及び処方箋を印刷する操作等がある。それらの処方箋に関する作業が滞ると、処方箋が薬局に受け付け可能になる時期が遅延する場合がある。そのような遅延を抑制するため、病院への督促が行われてもよい。
【0142】
図26は、サーバ装置10の制御部11の機能構成の別の一例を示す図である。制御部11は、
図4に示す各部に加え、督促処理部120を備える。督促処理部120は、病院端末30に督促通知を送信する処理を実行する。具体的には、督促処理部120は、予め定められた時刻までに、病院端末30において処方箋を薬局に受け付けさせるための処理がなされていない場合は、督促通知を送信する処理を実行する。
【0143】
処方箋を薬局に受け付けさせるための処理は、例えば、電子処方箋を電子処方箋管理サーバ3にアップロードする処理である。督促処理部120は、例えば、受取情報として入力されている医薬品の受け取りの希望時刻の所定時間前の時刻までに電子処方箋をアップロードする処理がなされていない場合に、その受取情報が示す薬局の薬局端末40に督促通知を送信する。督促処理部120は、例えば、督促する内容を示す督促通知データを薬局端末40に送信する。
【0144】
薬局端末40は、第3ユーザ表示部411により、送信されてきた督促通知データが示す内容を表示する。上述したように、医薬連携システム1においては、サーバ表示部111が、医薬連携の状況を示すステータス画面を各端末に表示させる。第3ユーザ表示部411は、例えば、病院向けの薬局のステータス画面を表示し、そのステータス画面において、督促通知を表示する。
【0145】
図27は、病院向けの薬局ステータス画面の一例を示す図である。
図27に示す薬局ステータス画面G12には、ステータス情報一覧C121が含まれている。ステータス情報一覧C121には、患者IDと、患者名と、受取方法と、薬局名と、予約日時と、電子処方箋の受付状況と、処方箋画像の受付状況と、督促通知とを対応付けたステータス情報C1211~C1217が含まれている。これらのステータス情報は、薬局DBに格納されている情報に基づいて表示されており、薬局側で管理されている患者の状況を病院側で共有することができるようになっている。つまり、薬局ステータス画面G12は、医薬連携を実現するUIの一例である。
【0146】
ステータス情報C1213及びC1215には、「電子処方箋をアップロードしてください!」という督促通知が含まれている。病院の医療従事者は、この督促通知を見ることで、電子処方箋がまだアップロードされていないことに気づき、アップロードの作業を行うことができる。このような態様によれば、督促通知が送信されない場合に比べて、情報連携の確実性を高めることができる。
【0147】
なお、処方箋を薬局に受け付けさせるための処理は、電子処方箋のアップロードに限らない。例えば、患者からの要望により、病院から薬局に処方箋をファクシミリで送信する処理が、処方箋を薬局に受け付けさせるための処理として行われる場合がある。その場合、督促処理部120は、例えば、「処方箋を薬局にFAXしてください!」という督促通知を送信すればよい。また、督促通知は、薬局ステータス画面とは異なる画面において、ポップアップ表示によって行われてもよい。
【0148】
また、督促処理部120は、受取情報として希望時刻が入力されていない場合でも、例えば、
図16に示すステータスが「指導待ち」となった日の所定の時刻(薬局の業務時間に間に合わせるための時刻。例えば16時等)までに電子処方箋をアップロードする処理がなされていない場合に、その受取情報が示す薬局の薬局端末40に督促通知を送信してもよい。いずれの場合も、督促通知が送信されない場合に比べて、情報連携の確実性を高めることができる。医薬連携システム1においては、上記のとおり病院の情報と薬局の情報が連携し、予約処理及び督促処理等が実行されることで、これらの処理が実行されない場合に比べて、医薬連携を円滑に行うことができる。
【0149】
<ステータス情報>
図27の例で述べたように、サーバ表示部111は、病院端末30に、医薬品の受け取りが行われる薬局に関するステータス(例えば
図27に示すステータス情報一覧C121)を表示させる処理を実行させる。また、
図16の例で述べたように、サーバ表示部111は、薬局端末40に、病院で診療を受けるユーザに関するステータス(例えば
図16に示すステータス情報一覧C71)を表示させる処理を実行させる。
【0150】
また、サーバ表示部111が表示させるステータスは、
図16及び
図27に示すものに限らない。例えば、薬局に関するステータスとして、患者が来店したか否か、服薬指導が完了したか否か、又は、会計が完了したか否かなどの情報が表示されてもよい。また、病院で診療を受けるユーザに関するステータスとして、診療が完了したか否か、処方箋が発行されたか否か、又は、健康保険証の有無等の情報が表示されてもよい。
【0151】
このように病院端末30及び薬局端末40で相互に情報を連携することで、薬局は診療状況に合わせて服薬指導の準備が可能となる。また、病院側では、例えば紙の処方箋を発行してファクシミリで薬局に送信して医薬品を提供させた場合に、処方箋の原本を薬局に郵送するという業務があるが、この業務を、処方箋による医薬品の提供が確実になされたことを確認した後に行うことができる。また、病院では、医薬品を患者が受け取ったことを確認することができる。また、患者に処方した医薬品についての薬局からのフィードバックを受け取ることができる。
【0152】
<その他の実施形態>
上記の実施形態では、
図10に示すように、受取情報として、選択する薬局が必ず入力されたが、薬局の入力は必須ではない。受付処理部119は、例えば
図5に示すA33において、医薬品の受取方法、薬局及び指導予定日時のうちの1以上の入力を受け付ければよい。
【0153】
また、受付処理部119による受取情報の入力の制限方法は、実施形態で述べた方法に限らない。受付処理部119は、例えば、受け付けられた受取設定が第2設定である場合は、受取設定が第1設定である場合に比べて、受取情報の入力を受け付けることが可能な時間帯を制限してもよい。具体的には、受付処理部119は、第2設定である場合、第1設定である場合に比べて、受取情報の入力を受け付けることが可能な時間帯を短く制限する。
【0154】
また、受付処理部119は、受け付けられた受取設定が第2設定である場合は、受取設定が第1設定である場合に比べて、受け付けることが可能な薬局を制限してもよい。具体的には、受付処理部119は、第2設定である場合、第1設定である場合に比べて、受取情報の入力を受け付けることが可能な薬局を少なく制限する。いずれの場合も、第1設定と第2設定とで病院・薬局間での情報の連携における病院側の負担が変化する。そのため病院側で第1設定と第2設定を可能にすることで、病院側の自由度を確保する。
【0155】
また、受付処理部119は、第1設定では、病院及び薬局の両方に対する同時予約を受け付けるが、第2設定では、第1設定に比べて、そのような同時予約を制限してもよい。同時予約の制限とは、例えば、医薬品の受け取りの予約ができない又は医薬品の受け取りについては予約可能な項目(受取方法、薬局及び受取予定時刻)を少なくする制限である。
【0156】
また、
図1に示す全体構成は一例であり、これに限られない。例えば、サーバ装置10は、2台以上の装置に分散されてもよいし、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。また、
図4に示す機能構成も一例であり、これに限られない。例えば、サーバ装置10の機能が2台以上の装置に分散して実現されてもよい。また、1つの機能が行う動作を2以上の機能が分散して行ってもよいし、2以上の機能が1つの機能に統合されてもよい。要するに、医薬連携システム1の全体で
図4に示す各機能が実現されていれば、それらの機能を実現する装置はどのような構成であってもよい。
【0157】
上述した実施形態の態様は、サーバ装置10のような情報処理装置を備える医薬連携システム1のような情報処理システムであったが、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、その情報処理システムが実行する各処理のステップを備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータに、同様の情報処理システムが実行する各処理を実行させる。
【0158】
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0159】
(1)コンピュータに、病院端末から、医薬品の受け取りに関する第1設定および第2設定のいずれかの受取設定を受け付ける処理と、患者端末から、病院の予約を受け付ける処理と、前記予約が行われた病院の前記受取設定を読み出す処理と、前記患者端末から、医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を受け付ける処理と、を実行させ、前記受取設定が前記第2設定である場合は、前記受取設定が前記第1設定である場合に比べて、前記患者端末からの前記医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を制限するプログラム。
【0160】
このような態様によれば、病院と薬局との間のシステム連携において、利便性を確保しつつ、柔軟な対応を可能にすることができる。
【0161】
(2)上記(1)に記載のプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記病院の予約が変更された場合、当該変更に応じて、入力された前記受取情報の内容を変更する処理、を実行させるプログラム。
【0162】
このような態様によれば、ユーザの手間を減らしつつ、診療がないのに医薬品の受け取りだけ予定された状態が持続することを抑制することができる。
【0163】
(3)上記(1)又は(2)に記載のプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記病院の予約と前記医薬品の受け取りとに関する入力が行われた後に、当該病院の予約を維持したまま、当該医薬品の受け取りに関して入力された内容の変更入力を前記患者端末から受け付ける処理、を実行させるプログラム。
【0164】
このような態様によれば、ユーザの利便性を高くすることができる。
【0165】
(4)上記(3)に記載のプログラムにおいて、前記病院での診療の後は、前記診療の前に比べて、前記変更入力が制限される、プログラム。
【0166】
このような態様によれば、薬局側の煩雑さを低減することができる。
【0167】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載のプログラムにおいて、前記医薬品の受け取りを行う薬局が処方箋を受け付ける手段が2以上あり、前記コンピュータに、前記医薬品の受け取りに関して入力された内容の変更入力を前記患者端末から受け付ける処理を実行させ、前記薬局が第1手段で処方箋を受け付ける場合と第2手段で処方箋を受け付ける場合とで、前記変更入力が可能な期間が異なるプログラム。
【0168】
このような態様によれば、処方箋を受け付ける手段を選択する際の判断材料を増やすこと ができる。
【0169】
(6)上記(5)に記載のプログラムにおいて、前記第1手段は、前記薬局の薬局端末から閲覧可能な電子処方箋をアップロードする手段であり、前記第2手段は、紙の処方箋をデータ化したものを前記薬局が受信する手段であり、前記第1手段が用いられる場合、前記第2手段が用いられる場合に比べて、前記変更入力が可能な期間が長い、プログラム。
【0170】
このような態様によれば、薬局における手戻りを抑制すること ができる。
【0171】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載のプログラムにおいて、前記コンピュータに、予め定められた時刻までに、前記病院端末において処方箋を薬局に受け付けさせるための処理がなされていない場合は、前記病院端末に督促通知を送信する処理、を実行させるプログラム。
【0172】
このような態様によれば、情報連携の確実性を高めることができる。
【0173】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載のプログラムにおいて、前記コンピュータに、病院端末に、前記医薬品の受け取りが行われる薬局に関するステータスを表示させ、薬局端末に、前記病院で診療を受けるユーザに関するステータスを表示させる処理、を実行させるプログラム。
【0174】
このような態様によれば、診療状況に合わせて服薬指導の準備をすることができる。
【0175】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載のプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記病院により紙の処方箋が発行された場合、当該処方箋の写真の撮影及び当該写真の薬局への送信を、患者端末を介して指示する処理を実行させ、前記受取設定が第1設定である場合、前記薬局の薬局端末が閲覧可能な記憶領域に、撮影された前記写真をアップロードさせることを、患者端末を介して指示する処理を実行させる、プログラム。
【0176】
このような態様によれば、第1設定の場合に薬局を変更する際の患者の手間を減らすことができる。
【0177】
(10)システムであって、病院端末から、医薬品の受け取りに関する第1設定および第2設定のいずれかの受取設定を受付ける処理と、患者端末から、病院の予約を受け付ける処理と、前記予約が行われた病院の前記受取設定を読み出す処理と、前記患者端末から、医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を受付ける処理と、を実行し、前記受取設定が前記第2設定である場合は、前記受取設定が前記第1設定である場合に比べて、前記患者端末からの前記医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を制限するシステム。
【0178】
このような態様によれば、院と薬局との間のシステム連携において、利便性を確保しつつ、柔軟な対応を可能にすることができる。
【0179】
(11)システムを制御するコンピュータが、病院端末から、医薬品の受け取りに関する第1設定および第2設定のいずれかの受取設定を受付ける処理と、患者端末から、病院の予約を受け付ける処理と、前記予約が行われた病院の前記受取設定を読み出す処理と、前記患者端末から、医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を受付ける処理と、を実行し、前記受取設定が前記第2設定である場合は、前記受取設定が前記第1設定である場合に比べて、前記患者端末からの前記医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を制限する方法。
【0180】
このような態様によれば、院と薬局との間のシステム連携において、利便性を確保しつつ、柔軟な対応を可能にすることができる。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0181】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0182】
1 :医薬連携システム
2 :通信回線
3 :電子処方箋管理サーバ
10 :サーバ装置
11 :制御部
20 :患者端末
21 :制御部
30 :病院端末
31 :制御部
40 :薬局端末
41 :制御部
111 :サーバ表示部
112 :記憶制御部
113 :設定処理部
114 :予約処理部
115 :受取処理部
116 :変更処理部
117 :診療処理部
118 :指示処理部
119 :受付処理部
120 :督促処理部
211 :第1ユーザ表示部
212 :第1操作受付部
213 :撮影処理部
311 :第2ユーザ表示部
312 :第2操作受付部
313 :印刷処理部
411 :第3ユーザ表示部
412 :第3操作受付部
413 :処方箋処理部
【要約】 (修正有)
【課題】病院と薬局とを連携させるシステムにおいて、利便性を確保しつつ、病院と薬局とのそれぞれの状況に合わせて柔軟に対応するプログラムを提供する。
【解決手段】医薬連携システム1において、プログラムは、サーバ装置10の制御部に、病院端末から、医薬品の受け取りに関する第1設定及び第2設定のいずれかの受取設定を受け付ける処理と、患者端末から、病院の予約を受け付ける処理と、予約が行われた病院の受取設定を読み出す処理と、患者端末から、医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を受け付ける処理と、を実行させる。受取設定が第2設定である場合は、受取設定が第1設定である場合に比べて、患者端末からの医薬品の受け取りに関する受取情報の入力を制限する。
【選択図】
図19