(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】はんだ付けシステムを制御するためのネットワーク、および方法
(51)【国際特許分類】
B23K 3/08 20060101AFI20241003BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20241003BHJP
G05B 19/418 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
B23K3/08
B23K1/00 A
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2023525622
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2021081694
(87)【国際公開番号】W WO2022106358
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】102020130466.8
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508075948
【氏名又は名称】エルサ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アールグリム、ティモン
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンベルガー、クラウス
【審査官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-006430(JP,A)
【文献】特開2007-220966(JP,A)
【文献】特開2014-229262(JP,A)
【文献】特開平10-118897(JP,A)
【文献】特開2001-150128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 3/08
B23K 1/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク(10)に設けられた複数のはんだ付けシステム(12)を有する前記ネットワーク(10)であって、
前記
複数のはんだ付けシステム(12)のそれぞれが電子部品をはんだ付けするための少なくとも1つのはんだ付け装置(34)を備え、
前記
複数のはんだ付けシステム(12)のそれぞれが、目標はんだ付け情報(32)をユーザ(22)に出力するためのユーザインタフェース(36)を備え、
前記
複数のはんだ付けシステム(12)のそれぞれが、実際のはんだ付け情報(39)を決定するための手段(38)を備え、
前記ネットワーク(10)が、
どの部品がどの仕様によってはんだ付けされるかについての特定の情報である複数の作業情報(26)を
それぞれ入力および/または識別するための、
複数の入力装置(14、16、18)を有し、 前記ネットワーク(10)が、制御ユニット(20)を有し、前記制御ユニット(20)が、
前記ネットワーク(10)に設けられた前記
複数のはんだ付けシステム(12)のうちの関連するはんだ付けシステム(12)を識別し
、
識別された前記
関連するはんだ付けシステム(12)に応じて、前記
複数の作業情報(26)から目標はんだ付け情報(32)を有するはんだ付け作業(28)を
それぞれ生成し、
前記関連する前記はんだ付けシステム(12)に前記はんだ付け作業(28)を
それぞれ割り当て、
前記関連するはんだ付けシステム(12)の実際のはんだ付け情報(39)を、前記関連するはんだ付けシステム(12)の関連する前記目標はんだ付け情報(32)と共に処理する、ように設計されている、ネットワーク(10)。
【請求項2】
前記制御ユニット(20)は、さらに、前記はんだ付け作業(28)の前記目標はんだ付け情報(32)と、前記はんだ付け作業(28)が割り当てられ前記はんだ付け作業(28)を実行する前記
関連するはんだ付けシステム(12)の前記実際のはんだ付け情報(39)と、のデータ評価(40)を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク(10)。
【請求項3】
前記制御ユニット(20)は、さらに、前記はんだ付け作業(28)を実行中または実行後に、前記はんだ付け作業(28)に割り当てられたデータレポート(42)を作成するよう構成されることを特徴とする請求項
2に記載のネットワーク(10)。
【請求項4】
前記制御ユニット(20)は、さらに、前記データ評価(40)が、前記はんだ付け作業(28)の前記実際のはんだ付け情報(39)と前記目標はんだ付け情報(32)との比較を含み、前記データレポート(42)が、前記比較に基づいて前記はんだ付け作業(28)に割り当てられた品質レポートおよび/または器具使用レポートを含むように構成されていることを特徴とする請求項
3に記載のネットワーク(10)。
【請求項5】
前記制御ユニット(20)は、さらに、前記
複数の入力装置(14、16、18)および/または前記ユーザインタフェース(36)の前記目標はんだ付け情報(32)と、前記実際のはんだ付け情報(39)および/または前記データレポート(42)とを提供するようさらに構成されていることを特徴とする請求項
3または4のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項6】
前記目標はんだ付け情報(32)が目標はんだ付け温度を含み、はんだ付け温度を決定するための温度センサが前記実際のはんだ付け情報(39)を決定するための手段(38)として設けられていることを特徴とする請求項
3~5のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項7】
前記目標はんだ付け情報(32)が、定義された目標はんだ付け器具の使用を含み、前記実際のはんだ付け情報(39)を決定するための手段(38)として
実際のはんだ付け器具(44)に設けられ
前記実際のはんだ付け器具
(44)を識別するコードを読み取るための読取り装置(46)が設けられていることを特徴とする請求項
3~6のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項8】
前記目標はんだ付け器具が、使用されるはんだ付け手段と、使用されるフラックスおよび/または使用されるはんだ付けチップとを含み、前記実際のはんだ付け器具が、使用される前記はんだ付け手段と、使用される前記フラックスおよび/または使用される前記はんだ付けチップとを含むことを特徴とする請求項7に記載のネットワーク(10)。
【請求項9】
関連する前記ユーザ(22)を決定又は入力するための入力手段が、前記実際のはんだ付け情報(39)を決定するための手段(38)として提供され、前記データレポート(42)が前記ユーザ(22)を含むことを特徴とする、請求項
3~8のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項10】
前記実際のはんだ付け情報(39)を決定するための手段(38)として、前記ユーザ(22)がはんだ付け作業(28)を実行するための開始、実行の終了および/または実行時間などの時間情報を生成する時間測定手段が提供され、前記データレポート(42)が時間情報を含むことを特徴とする請求項
3~9のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項11】
前記
複数の入力装置(14、16、18)が、固定端末と移動端末と製造実行システム(MES)とのうちのいずれか一つとして設計されることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項12】
前記ユーザインタフェース(36)は、前記はんだ付け作業(28)および/または前記実際のはんだ付け情報(39)を実行するための指示を前記ユーザ(22)に出力するように構成されていることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項13】
前記ユーザインタフェース(36)は双方向通信を提供し、前記制御ユニット(20)が、前記ユーザ(22)が前記
関連するはんだ付けシステム(12)に対する指示および/または質問を管理できるように構成され、前記制御ユニット(20)がフィードバックを提供し、および/または前記ユーザインタフェース(36)によって出力される応答を生成することを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項14】
前記ユーザインタフェース(36)は、音声入力装置および/または音声出力装置として構成され、および/または、前記ユーザインタフェース(36)が、前記はんだ付け装置(34)に統合されたジェスチャ入力装置として設計されていることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項15】
前記
複数の入力装置(14、16、18)は前記ユーザインタフェース(36)によって形成されることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項16】
前記制御ユニット(20)は、複数のはんだ付けレシピ(30)から前記はんだ付け作業(28)を形成するようさらに構成されていることを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項17】
前記ネットワーク(10)は、異なる作業領域(24)を含み
、前記
複数のはんだ付けシステム(12)
のそれぞれは、前記異なる作業領域(24)にそれぞれ割り当てられることを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載のネットワーク(10)。
【請求項18】
ネットワーク(10)を動作させる方法であって、特に、請求項1~17のいずれか一項に記載の前記ネットワーク(10)を動作させる方法であって、 前記ネットワーク(10)に設けられた前記
複数のはんだ付けシステム(12)
のうちの関連するはんだ付けシステム(12)が識別され
、
前記目標はんだ付け情報(32)と共に前記はんだ付け作業(28)が
、複数の識別された前記
関連するはんだ付けシステム(12)に関する前記作業情報(26)から
それぞれ生成されて
前記関連す
るはんだ付けシステム(12)に
それぞれ割り当てられ、
前記はんだ付け作業(28)の前記目標はんだ付け情報(32)と前記
関連するはんだ付けシステム(12)の前記実際のはんだ付け情報(39)とのデータ評価(40)が実行され、前記はんだ付け作業(28)が割り当てられ前記はんだ付け作業(28)を実行され、前記はんだ付け作業(28)に割り当てられたデータレポート(42)が、前記はんだ付け作業(28)を実行中又は実行後に作成される、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに設けられた1つ以上のはんだ付けシステムを有するネットワークに関する。個々のはんだ付けシステムは、それぞれ、電子部品をはんだ付けするためのはんだ付け装置を備える。例えば、EP 3 476 516 A1から、無線データ接続によって複数のはんだ付けモジュールを互いにネットワーク接続し、はんだ付け装置を形成することが知られている。
【背景技術】
【0002】
複数のはんだ付けシステムを有するネットワークと、はんだ付けシステムの遠隔保守および更新ソフトウェアのためのサーバとは、US 6 624 388 B1にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、複数のはんだ付けシステムを有し、はんだ付けプロセスを簡単な方法で制御、監視および管理することができるネットワークを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有するネットワークに設けられた1つ以上のはんだ付けシステムを有するネットワークによって達成される。
【0005】
ネットワークに設けられたはんだ付けシステムは、それぞれ、電子部品をはんだ付けするための少なくとも1つのはんだ付け装置を備える。はんだ付け装置は、特に、手動で操作可能なはんだ付け装置として、例えば、はんだごてとして、または自動または半自動はんだ付け装置として、例えば、再加工はんだ付けステーションの加熱ヘッドとして設計することができる。はんだ付けステーション、再加工はんだ付けシステム、またははんだ付けロボットのような完全に自動的に動作するシステムは、はんだ付けシステムとして適している。
【0006】
はんだ付けシステムは各々、関連するはんだ付け装置のユーザに目標とはんだ付け情報を出力するためのユーザインタフェースを備える。目標はんだ付け情報は、特に、調整されるべき目標はんだ付けパラメータ及び使用されるべき目標はんだ付け器具を含むことができる。ネットワークは、はんだ付けシステムが、はんだ付け作業の仕様または目標はんだ付け情報に従って、はんだ付け装置を少なくとも部分的に自動的に調整し、特に、はんだ付け作業を行う開始時に目標とするはんだ付け温度に従って、はんだ付け温度を調整するように設計することができる。
【0007】
さらに、はんだ付けシステムは、はんだ付けの実際の情報、すなわち、はんだ付けの実際の温度およびはんだ付けの実際の器具、すなわちはんだ付けプロセス中に実際に使用されるはんだ付け器具を決定するための手段をそれぞれ備える。実際のはんだ付け情報を決定する手段には、センサおよび数学的機能およびアルゴリズムも含まれる。
【0008】
ネットワークは、作業情報、すなわち、どの部品がどの仕様によってはんだ付けされるかについての特定の情報を入力および/または識別するための入力装置をさらに備える。ユーザインタフェースは入力装置を形成することもできるが、入力装置はユーザインタフェースからリモートで設定することもできる。
【0009】
さらに、ネットワークに提供されたはんだ付けシステムを識別し、各場合における適切なはんだ付けシステムへの作業情報を割り当て、または、識別されたはんだ付けシステムに応じて、作業情報から目標はんだ付け情報を有するはんだ付け作業を作成し、前記作業を関連はんだ付けシステムに割り当て、関連するはんだ付けシステムの実際のはんだ付け情報と、関連するはんだ付けシステムの関連する目標はんだ付け情報とを、特に、比較するように構成された制御ユニットが提供される。
【0010】
制御ユニットは、さらに、ネットワークに設けられたはんだ付けシステムを識別し、識別されたはんだ付けシステムに応じて、はんだ付けシステムに関連する目標はんだ付け情報を割り当てるように構成することができる。したがって、制御ユニットは、1つまたは複数の識別されたはんだ付けシステムの作業情報から、目標はんだ付け情報を持つはんだ付け作業を作成し、該当するはんだ付けシステムに該当する作業を割り当てることができる。その結果、制御ユニットは、どのはんだ付け作業に適しているかを認識し、関連するはんだ付けシステムにはんだ付け作業を割り当てる。さらに、制御ユニットは、特に、個々のはんだ付けシステムの利用にも気付いており、その結果、はんだ付け作業を、利用可能な、または自由なキャパシティを有するはんだ付けシステムに割り当てることができる。
【0011】
このようなネットワークは生産を増加させ、生産性を上昇させる。電子部品の効率的で機能的に信頼性の高いはんだ付けを行うことができる。
【0012】
さらに、制御ユニットは、はんだ付け作業の目標はんだ付け情報及びはんだ付け作業が割り当てられ、はんだ付け作業を実行するはんだ付けシステムの実際のはんだ付け情報のデータ評価を実行し、はんだ付け作業を実行している間又は実行後にはんだ付け作業に割り当てられたデータレポートを作成するように有利に構成される。その結果、目標はんだ付け情報および実際のはんだ付け情報のどれがはんだ付けされたかがデータレポートから理解でき、最終的に完全なデータ文書が得られる。データレポートに基づき、包括的なデータ文書化、したがってはんだ付け結果の検証が可能である。
【0013】
さらに、データ評価が、はんだ付け作業の実際のはんだ付け情報と目標はんだ付け情報との比較を行うように構成され、データレポートが、その結果に基づいてはんだ付け作業に割り当てられた品質レポートおよび/またはツール使用レポートを含む場合に有利である。結果的に、はんだ付けプロセスの品質は、品質レポートによって評価できる。目標はんだ付け情報が少なくとも実際のはんだ付け情報とほぼ一致する場合、良好な品質または非常に良好な品質を証明することができる。実際のはんだ付け情報が目標はんだ付け情報から外れるほど、はんだ付け工程の品質が低下する。
【0014】
実行されたはんだ付け作業の数および関連する実際のはんだ付け情報も、工具の摩耗または消費を推定するために使用することができる。工具は、特に、使用されるはんだ付けチップのような摩耗材料、またはフラックス材料やはんだ材料のような消耗品であってもよい。さらに、ツールは、はんだ付け装置の加熱要素であって、はんだ付け先端を加熱することができ、これらの要素はまた、熱的摩耗を受ける。その結果、工具が寿命に達する前に、良好な時間で工具使用レポートに基づいて信号を発生させることができ、それに基づいて、ユーザは関連する工具の交換を要求される。
【0015】
制御ユニットは、入力装置及び/又はユーザインタフェースの目標はんだ付け情報、実際のはんだ付け情報、及び/又はデータレポートを提供するように更に有利に構成される。例えば、目標はんだ付け情報、実際のはんだ付け情報および/またはデータレポートは、入力装置および/またはユーザインタフェースに表示または出力され得る。したがって、関連ユーザは、すでに実行されているはんだ付け作業および保留中のはんだ付け作業についての追加情報を得ることができる。
【0016】
有利には、目標はんだ付け情報は目標はんだ付け温度を含み、はんだ付け温度を決定する温度センサは、実際のはんだ付け情報を決定する手段として提供される。さらに、目標はんだ付け情報は、規定されたはんだ付け器具の使用を含むことができ、ここで、はんだ付け器具に設けられ、はんだ付け器具を識別するコードを読み取る読み取り装置が、実際のはんだ付け情報を決定する手段として提供される。その結果、コードは、特に、はんだ付け装置、例えば、はんだごて、はんだ付けチップ、はんだ付け手段、またはフラックスに設けることができる。次いで、目標はんだ付け器具は、特に、使用されるはんだ付け手段、使用されるフラックス、および/または、使用されるはんだ付けチップを含み、次いで、実際のはんだ付け器具は、特に、使用されるはんだ付け手段、使用されるフラックス、および/または、使用されるはんだ付けチップを含む。使用するすべてのはんだ付け器具にコードを付けることができ、これを読取装置で読み取ることができる。はんだ付け対象物およびはんだ付けジョブは、それぞれ識別のための読み取り可能なコードを担持することもできる。読み込まれた情報は、データ評価に利用できるようになる。
【0017】
コードは、特に、バーコードまたはQRコードの形式の2次元コードであってもよい。さらに、コードは、例えば、RFIDタグ等として設計されていることが考えられる。
【0018】
さらに、実際のはんだ付け情報を決定する手段として、関連するはんだ付け装置および/または関連ユーザを決定または入力するための入力手段が提供され、データレポートがこの情報を含むことが考えられる。これは、データレポートが、はんだ付け装置および/またはネットワークではんだ付け作業を実行する人について完了するという利点を有する。
【0019】
本発明によれば、はんだ付け装置および/またはユーザによってはんだ付け作業を実行するための開始、端部および/または期間などの時間情報を生成する時間測定手段が、実際のはんだ付け情報を決定するための手段として提供され、データレポートが時間情報を含むことがさらに考えられる。その結果、データレポートでは、はんだ付け作業が実行された時間とその時間を読み取ることができる。
【0020】
入力装置は、静止端末として、移動端末として、及び/又は製造実行システム(MES)として有利に設計することができる。ユーザPCは、例えば、固定端末と考えることができる。携帯端末として、ノートパソコン、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンが使用できる。MESは、ネットワークをカバーし、対応する保留および/または完了したはんだ付け作業をネットワークに供給するように構成することができる。
【0021】
さらに、ユーザインタフェースが、はんだ付け作業および/または状態情報、主に実際のはんだ付け情報を実行するための指示をユーザに出力するように構成されている場合に有利であることが分かっている。その結果、ユーザインタフェースは、ユーザが、特に、それによって実行されるはんだ付けプロセスに関する有益な情報を得ることを可能にする。例えば、それらは、目標はんだ付け温度を指摘することができ、特に、実際のはんだ付け温度が目標はんだ付け温度からずれている場合には指摘することができる。また、はんだ付け作業を最高に行うために、部品固有の特殊機能を指摘することも考えられる。また、はんだ付け装置の状態情報や、はんだ付け実績情報を出力することができる。ユーザは、例えば、はんだ付け温度、はんだ付け期間等のステータス情報について予め決定可能な間隔で知らせることができる。
【0022】
ユーザインタフェースは、双方向通信を提供することができ、その後、制御ユニットは、ユーザがはんだ付けシステムへの指示および/または質問を指示することができるように構成され、制御ユニットは、フィードバックを提供し、および/または、ユーザインタフェースによって出力される応答を生成することができる。これにより、ユーザがはんだ付け作業を実行している間に不確実な場合はいつでも、プロセスの信頼性が向上する。なぜなら、はんだ付けシステムに対する指示や直接質問を参照することができるからである。
【0023】
ユーザインタフェースが音声入力および/または音声出力装置として構成されている場合、および/またはユーザインタフェースがはんだ付け装置に一体化されたジェスチャ入力装置として設計されている場合、有利である。音声入力および音声出力装置を提供することは、ユーザがはんだ付け装置を置く必要なく、はんだ付けプロセス中にコミュニケーションができるという利点を有する。次に、ユーザは、はんだ付け作業を実行するための音声指示を受信する。ジェスチャ入力装置は、ユーザが所定のジェスチャによってはんだ付け装置と通信できるという利点を有する。もちろん、ユーザインタフェースは、ディスプレイとして設計することも、他の装置に加えてディスプレイを含むことも可能であることが考えられる。
【0024】
本発明によれば、ユーザインタフェースによって入力装置を形成することもできる。入力装置及びユーザインタフェースは、ラップトップ、ノートブック、スマートフォン又はタブレットのような移動端末によって形成することができる。ただし、入力装置をユーザインタフェースから分離して、リモートで配置することもできる。特に、入力装置がMESの場合、これはユーザインタフェースと同じではない。
【0025】
制御ユニットは、複数のはんだ付けレシピからはんだ付け作業を形成するようにさらに設計および構成されてもよい。はんだ付け作業は、主に何を行う必要があるかを規定することが好ましく、はんだ付けレシピは、関連するはんだ付けシステムと関連して特に何を行うべきかを規定する。したがって、はんだ付け作業は複数のはんだ付けレシピから構成することができる。
【0026】
そのようなネットワークは、異なる作業領域を含むことができ、ここで、はんだ付けシステムは、異なる作業領域に割り当てられる。はんだ付けシステムのグループは、作業領域を形成することができる。
【0027】
また、上記目的は、本発明に係るネットワークにおいて、ネットワークに設けられたはんだ付けシステムが識別され、1つ以上の識別されたはんだ付けシステムに対する作業情報からはんだ付け情報を作成し、当該はんだ付けシステムに割り当てられるはんだ付け作業、及び、はんだ付け作業の目標はんだ付け情報及び実際のはんだ付けシステムの実際のはんだ付け情報のデータ評価が行われ、このシステムがはんだ付け作業を割り当てられ、はんだ付け作業を実行することを特徴とし、はんだ付け作業を実行している間、又は、はんだ付け作業を実行した後に、はんだ付け作業に割り当てられたデータレポートが作成されることを特徴とする。本方法は、さらに、本発明によるネットワークに記載される特徴を用いて動作させることができる。
【0028】
本発明のさらなる詳細および有利な実施形態は、本発明の例示的実施形態がさらに詳細に説明および説明される以下の説明に見出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明によるネットワークの系統的な図を示す。
【
図2】
図2は、本発明によるネットワークにおける情報フローのより詳細な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、複数のはんだ付けシステム12が設けられたネットワーク10を示している。はんだ付けシステム12はそれぞれ、電子部品をはんだ付けするための少なくとも1つのはんだ付け装置を備える。
図1は、3つの異なる入力装置14、16、18を示し、ここで、入力装置14は、PCなどの固定端末であってもよい。入力装置16は、携帯端末、例えばタブレットとすることができる。入力装置18は製造実行システム(MES)とすることができる。
【0031】
入力装置14、16、18とはんだ付けシステム12との間には、制御ユニット20が設けられている。制御ユニット20は、対応するソフトウェアによってホストされるか操作されるサーバによって形成することができる。制御ユニット20または関連するサーバは、独立したシステムとすることができる。しかし、制御ユニット20が入力装置14、16、18の一方またははんだ付けシステム12に一体化されることも考えられる。
【0032】
制御ユニット20は、ネットワーク10に存在するはんだ付けシステム12を識別するように構成されている。制御ユニット20は、さらに、入力装置14、16、18から来る作業情報を処理し、はんだ付けシステム12のための目標はんだ付け情報を有するはんだ付け作業を作成し、個々のはんだ付けシステム12に前記作業を割り当てるように構成されている。
【0033】
次いで、はんだ付け作業は、はんだ付けシステム12またははんだ付けシステム12のはんだ付け装置で実行することができる。はんだ付けシステム12は、実際のはんだ付け情報を決定する手段をさらに備える。これらの手段は、実際のはんだ付け情報を決定するため、はんだ付け作業を実行する際の実際のはんだ付け情報を決定する。
【0034】
制御ユニット20は、はんだ付け作業の目標はんだ付け情報と、関連するはんだ付け作業が割り当てられ、次に関連するはんだ付け作業を実行するそのはんだ付けシステム12の実際のはんだ付け情報とのデータ評価を実行するようさらに構成される。データ評価から、はんだ付け作業を実行中または実行後にはんだ付け作業に割り当てられたデータレポートを作成することができる。
【0035】
入力装置14、16、18の作業情報は、はんだ付けシステム12から独立していてもよく、制御ユニット20は、この作業情報、または結果として生じるはんだ付け作業を、それぞれの場合に適切なはんだ付けシステム12に割り当てる。はんだ付けシステム12は、今度は、それらの実際のはんだ付け情報を制御ユニット20に連続的に通信することができる。実際のはんだ付け情報は、選択された入力装置14、16、18、及び/又はユーザインタフェース14、16を介してオペレータに表示することができる。
【0036】
図2は、本発明によるネットワークの拡大された概略図を示し、
図1に対応する構成要素は、
図2において、対応する参照番号で識別される。
【0037】
ユーザインタフェースとしても使用可能な入力装置14、16は、ユーザ22が作業情報を入力および/または識別するためのものでもある。
【0038】
はんだ付けシステム12は、作業領域24に割り当てられる。制御ユニット20は、ネットワーク10またはそれらの作業領域24に設けられたはんだ付けシステム12を識別し、それらを事実上、作業領域24´およびはんだ付けシステム12´として描写する。
【0039】
入力装置14,16,18によって識別された作業情報26は、制御ユニット20に供給される。はんだ付け作業28は、作業情報26および識別されたはんだ付けシステム12から関連するはんだ付けシステム12に対して作成される。この作業は、何らかの作業および何らかの作業を行う必要があるかを定義する。次に、ユーザ22に対する特定の取り扱い指示が、はんだ付けレシピ30として定義される。次に、はんだ付け作業28またははんだ付けレシピ30は、目標はんだ付けパラメータおよびユーザがはんだ付け作業を行うために使用する目標はんだ付け器具を特に含む目標はんだ付け情報32を生成する。目標はんだ付け情報32は、次いで、はんだ付けシステム12、または、はんだ付けシステム12のユーザインタフェース36に出力され、したがって、ユーザ22の注意を喚起される。その結果、はんだ付けシステム12及びユーザ22は、はんだ付け作業28を実行するために必要とされる目標はんだ付け情報を全て受け取る。特に、どのはんだ付け温度を使用するか、どのはんだ付けチップを使用するか、どのフラックスを使用するか、およびどのはんだ付け手段を使用するかを特定することができる。また、どの部品をどの場所ではんだ付けするかを特定することができる。
【0040】
はんだ付けシステム12は、それぞれ、電子部品をはんだ付けするための少なくとも1つのはんだ付け装置34と、実際のはんだ付け情報39および目標はんだ付け情報32をユーザ22に出力するためのユーザインタフェース36と、実際のはんだ付け情報39を決定するための手段38とを備える。実際のはんだ付け情報39は、実際のはんだ付けパラメータ、すなわち、実際のはんだ付けパラメータおよび実際に使用されたはんだ付け器具、すなわち、実際のはんだ付け器具を含む。はんだ付け作業28の実行開始時に、はんだ付け装置34は、例えば、はんだ付けシステム12からの目標はんだ付け情報32に基づいて、所定のはんだ付け温度に自動的に調整され得る。
【0041】
したがって、ユーザ22は、ユーザインタフェース36を介して特定の取り扱い指示、すなわち、はんだ付け作業28を実行するための目標はんだ付け情報32を受け取る。この場合、はんだ付けシステム12は、目標はんだ付け情報32の仕様に従って、はんだ付け装置34を自動的に調整することができる。はんだ付け作業28がユーザ22によって実行されている間、実際のはんだ付け情報39は手段38によって決定される。この実際のはんだ付け情報39が制御ユニット20に通信される。制御ユニット20は、目標はんだ付け情報32と、手段38を用いて生成された実際のはんだ付け情報39とのデータ評価40を行い、データ評価40からデータレポート42を作成する。
【0042】
使用されたはんだ付け器具44を識別するために、はんだ付け器具に設けられたコード、すなわちはんだ付けチップ、フラックス及び/又ははんだを読み取ることができる読取り装置46が設けられている。読取り装置46は、はんだ付けシステム12の一部とすることができ、特に、実際のはんだ付け情報を決定するための手段によって形成される。読取り装置46で読み取られた実際の器具48は、最終的にこれらの実際の器具からデータ評価40およびデータレポート42を作成するためにも、制御ユニット20に利用可能にされる。
【0043】
データレポート42は、特に、ユーザインタフェース36または入力装置14、16、およびMESに対して使用可能にすることができ、または、そこでさらに処理および/または出力することができる。
【0044】
実際のはんだ付け情報を決定するための手段38を介して、特に、どの人がはんだ付け作業28を最終的に完了したかを理解できるように、ユーザ22のユーザ識別を入力することもできる。
【0045】
さらに、品質レポートおよびツール使用レポートは、データレポート42から作成することができる。品質レポートでは、特に、目標はんだ付け情報32を実際のはんだ付け情報39で評価することが可能であり、目標はんだ付け情報32から実際のはんだ付け情報32のより大きな偏差は、はんだ付けプロセスのより低い品質を示す。実際のはんだ付け情報39は、特に、器具使用レポートが導き出され得るはんだ付け器具44を使用する期間および方法を推論するために用いられ得る。重要な使用限界又は重要な摩耗に達する前に、ユーザ22は、ユーザインタフェース36を介して、対応する部品又ははんだ付け器具を交換するよう要求されることが考えられる。
【0046】
実際のはんだ付け情報39を決定するための手段38は、様々な手段、特にはんだ付け温度を決定するための温度センサ、関連ユーザを決定するための入力手段、開始、終了、およびはんだ付け作業を実行するための時間情報を生成するための時間測定手段を備えることができる。
【0047】
ユーザインタフェース36は、特に、音声入出力装置として設計することができる。次に、ユーザ22は、はんだ付け作業28を実行するための音声指示を得ることができる。ユーザインタフェース36は、さらに詳しい情報を出力するためのディスプレイを提供することもできる。ユーザインタフェース36の設計は、ユーザ22が、はんだ付けシステム12への指示または質問を指示できるように、さらに、制御ユニット20またはネットワーク10が、フィードバックを提供するか、または関連するユーザインタフェース36に出力される応答を生成するようになっている。
【0048】
したがって、はんだ付けプロセスの定性的評価が可能である。その結果、データレポートを作成することで、関連するはんだ付けパラメータおよびはんだ付け器具に伴うはんだ付けプロセス全体を記録することができる。特に、実際のはんだ付け情報39が目標はんだ付け情報32から著しく逸脱した場合には、欠陥のあるはんだ付けプロセスを過去データの追跡で識別することも可能である。さらに、制御ユニット20によって、複数のはんだ付けシステム12および関連する作業領域24を集中的に管理することができる。最後に、データレポート42を用いて、はんだ付け品質を決定することができる。全体として、それによって品質を確保し、品質を高めることができる。ユーザ22、はんだ付けシステム12、関連する作業領域24、使用されるはんだ付け器具44、実際のはんだ付け情報39およびはんだ付け作業28、ならびに関連するレシピを記録することによって、関連するはんだ付け作業28が実際に実行された条件を最終的に示すことができる。それにより、品質保証と品質改善の向上が達成できる。