(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】携帯型尿収集システムおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61F 5/451 20060101AFI20241003BHJP
A61G 5/10 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61F5/451 V
A61G5/10 704
(21)【出願番号】P 2023541259
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2022011108
(87)【国際公開番号】W WO2022150290
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-09-21
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤング ジョイナー メリッサ
(72)【発明者】
【氏名】アブデラーラ デーナ アフマド
(72)【発明者】
【氏名】クルカーニ ビナヤカ
(72)【発明者】
【氏名】アーンショー オードリー
(72)【発明者】
【氏名】シャンシー パトリック ハドソン
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】実公昭49-008638(JP,Y1)
【文献】米国特許第05701612(US,A)
【文献】特開2005-334558(JP,A)
【文献】特開2008-005975(JP,A)
【文献】特開2014-012069(JP,A)
【文献】特許第6674670(JP,B1)
【文献】特開2000-104640(JP,A)
【文献】特開昭52-036862(JP,A)
【文献】特開2007-259898(JP,A)
【文献】特開2009-106692(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0225668(US,A1)
【文献】特開2006-026108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/451
A61G 5/10
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも使用者の尿道に近接して位置決めされるように構成された尿収集デバイスと、
前記尿収集デバイスと流体連通している第1の導管と、
内部領域を有する尿収集容器と、
前記尿収集デバイスから前記第1の導管を通って前記尿収集容器内へ尿を引き込むのに有効になるように、前記尿収集容器と流体連通して前記尿収集容器の前記内部領域に真空を引くように構成されたポンプと、
前記尿収集容器に固定されまたは固定可能であり、少なくとも前記尿収集容器内の前記尿の体積に関する特性を検出するように構成されたセンサと、
カバーであって、少なくとも前記ポンプを内部に保持し、少なくとも前記ポンプを前記カバーの外側の視線から隠すように構成さ
れ、前記尿収集容器に取り外し可能に固定された容器カバーを含む、カバーと、
取り外し可能に車椅子に装着されるように構成された2つの対向するトラックを有する容器支持体と、を含む携帯型尿収集システムであって、
前記尿収集容器が、前記尿収集容器と前記容器カバーとが平坦面上で概ね安定するように略平面の底部を有し、
前記容器カバーと前記尿収集容器の少なくとも一方が対向するスロットを含み、
前記対向するスロットが、前記容器カバーおよび前記尿収集容器を前記2つの対向するトラックに取り外し可能に装着することが有効になるように、前記2つの対向するトラックを内部に受け取るサイズに設定されること、
を特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型尿収集システムであって、前記尿収集容器と前記ポンプとの間に位置決めされた疎水性フィルタをさらに備えることを特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯型尿収集システムであって、前記ポンプに動作可能に結合された電源をさらに備えることを特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯型尿収集システムであって、前記ポンプが、前記ポンプから排出された空気を少なくとも部分的に濾過するように構成された排気フィルタを含むことを特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯型尿収集システムであって、前記排気フィルタに近接して前記ポンプに固定されたまたは固定可能なアロマセラピー付属物をさらに備えることを特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項6】
請求項1に記載の携帯型尿収集システムであって、前記センサと通信し、少なくとも前記センサによって検出された前記尿の前記体積に関する前記特性が、前記尿収集容器内の前記尿の前記体積が所定の体積に到達した、または所定の体積を超過したことを示すとき、電子デバイスへ警告を無線で伝送するように構成されたコントローラをさらに備えることを特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項7】
請求項1に記載の携帯型尿収集システムであって、前記容器カバーが、前記尿収集容器に固定されたとき、前記ポンプ
、電源、およ
びコントローラを少なくとも部分的に収容することを特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯型尿収集システムであって、前記容器カバー内に収容され、前記ポンプ、前記電源、および前記コントローラのうちの1つ以上を前記容器カバーに固定するポリウレタン発泡体をさらに備えることを特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項9】
請求項1に記載の携帯型尿収集システムであって、前記2つの対向するトラックが、前記車椅子の座面より下で前記車椅子に取り外し可能に取り付けられるように構成されることを特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項10】
携帯型尿収集システムを組み立てる方法であって、
2つの対向するトラックを備える容器支持体を車椅子に取り外し可能に固定することと、
尿収集アセンブリの2つの対向するスロット内へ前記2つの対向するトラックを摺動させて、前記車椅子に固定された前記容器支持体に尿収集容器を取り付けることであり、前記尿収集アセンブリが、内部領域を有する前記尿収集容器と、前記尿収集容器に取り外し可能に固定される容器カバーとを含み、前記容器カバーと前記尿収集容器の少なくとも一方が、対向するサイドスロットを含み、前記尿収集容器が、前記尿収集容器に固定され、少なくとも前記尿収集容器内の尿の体積に関する特性を検出するように構成されたセンサを
含み、前記尿収集アセンブリが、前記内部領域と流体連通して当該尿収集アセンブリに固定されるポンプを備える、取り付けることと、
使用者の尿道に近接して尿収集デバイスを位置決めすることと、
第1の導管によって前記尿収集デバイスを前記尿収集容器に流体的に結合することと、を含むこと、を特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の携帯型尿収集システムであって、前記容器カバーが前記2つの対向するスロットを含むことを特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項12】
請求項1に記載の携帯型尿収集システムであって、前記容器支持体が、
前記2つの対向するトラックのうちのトラックをそれぞれ1つずつ備える2つの案内ブラケットと、
2つ以上の取り付けブロックであって、そのうちの少なくとも1つの取り付けブロックに、前記2つの案内ブラケットの各案内ブラケットが固定される、2つ以上の取り付けブロックと、を含み、
前記2つ以上の取り付けブロックの各取り付けブロックが、車椅子フレームの一部を内部に保持できるサイズの貫通穴または口径を含むこと、
を特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項13】
携帯型尿収集システムであって、
少なくとも使用者の尿道に近接して位置決めされるように構成された尿収集デバイスと、
前記尿収集デバイスと流体連通している導管と、
内部領域を有する尿収集容器であって、さらに、平坦面上で概ね安定するように略平面の底部を有する尿収集容器と、
前記尿収集容器に取り外し可能に固定されるように構成された容器カバーであって、車椅子に取り外し可能に固定されるように構成された1つ以上の固定要素を含む、容器カバーと、
前記尿収集容器と流体連通するポンプであって、前記尿収集デバイスから前記導管を通って前記尿収集容器内へ尿を引き込むのに有効になるように、前記尿収集容器の前記内部領域を真空引きするように構成されたポンプと、を含み、
車椅子に取り外し可能に装着されるように構成された2つの対向するトラックを有する容器支持体をさらに含み、
前記容器カバーの前記1つ以上の固定要素が2つの対向するスロットを含み、
前記2つの対向するスロットは、前記容器カバーおよび前記尿収集容器を前記2つの対向するトラックに取り外し可能に装着することが有効になるように、前記2つの対向するトラックを内部に受け取るサイズに設定されること、
を特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項14】
請求項
13に記載の携帯型尿収集システムであって、前記容器支持体が、
前記2つの対向するトラックのうちのトラックをそれぞれ1つずつ備える2つの案内ブラケットと、
2つ以上の取り付けブロックであって、そのうちの少なくとも1つの取り付けブロックに、前記2つの案内ブラケットの各案内ブラケットが固定される、2つ以上の取り付けブロックと、を含み、
前記2つ以上の取り付けブロックの各取り付けブロックが、車椅子フレームの一部を内部に保持できるサイズの貫通穴または口径を含むこと、
を特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項15】
請求項13に記載の携帯型尿収集システムであって、
前記ポンプは、前記容器カバー
と前記尿収集容器との間の内部容積
の中に収容
され、
前記尿収集容器が、前記内部容積を通って前記容器カバーまで延びる入口管と、前記ポンプと流体連通する出口とを含み、前記入口管が前記導管と流体連通すること、
を特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項16】
請求項15に記載の携帯型尿収集システムであって、
前記尿収集容器の反対側で前記容器カバーに設けられたポートをさらに含み、
前記ポートは、前記導管と前記入口管との間に流体連通を提供することが有効になるように、前記導管に取り外し可能に固定されるように構成されること、
を特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項17】
請求項15に記載の携帯型尿収集システムであって、
前記出口の全体を覆うフィルタをさらに含み、
前記フィルタは、前記出口から尿が流れ出ることを防ぐと共に、前記ポンプによって前記出口から引き抜かれる空気から少なくとも一部の匂いを除去するように構成されること、
を特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項18】
請求項
14に記載の携帯型尿収集システムであって、前記ポンプに動作可能に接続されて、前記容器カバーと前記尿収集容器との間の内部容積内に配置される電池をさらに含むこと、
を特徴とする携帯型尿収集システム。
【請求項19】
請求項13に記載の携帯型尿収集システムであって、
前記尿収集容器を前記容器カバーに取り外し可能に固定するように構成された1つ以上のロックをさらに含み、前記1つ以上のロックが、圧入ロック、スナップ式ロック、ばねロック、および/またはラッチの少なくとも1つを含むこと、
を特徴とする携帯型尿収集システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示を全体として本願に引用して援用する、2021年1月6日出願の米国仮特許出願第63/134,287号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
個人の運動能力が制限され、または低下し、典型的な排尿プロセスが困難または不可能になることがある。たとえば個人は、手術を受けたり、または運動能力が低下する障害があったりすることがある。別の例では、操縦士、運転手、および危険区域での作業者が受けるように、個人の移動条件が制限されることがある。加えて、監視の目的または臨床試験のために、個人からの流体収集が必要となることがある。
【0003】
これらの状況のいくつかに対処するために、差し込み便器および尿道カテーテル、たとえばフォーリーカテーテルを使用することがある。しかし、差し込み便器および尿道カテーテルには、いくつかの問題が伴う。たとえば差し込み便器は、不快感、漏れ、および他の衛生上の問題を招きやすい。尿道カテーテルは不快であり、痛みを伴う可能性があり、尿路感染を引き起こす可能性がある。従来の尿収集デバイスはまた、患者が仰向けの姿勢でベッドに横たわるときの使用に制限されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、流体収集デバイスの使用者および製造者は、尿を収集するための新しい改善されたデバイス、システム、および方法を引き続き求めている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する実施形態は、流体収集デバイスおよび流体収集デバイスを使用する方法に関する。一実施形態では、携帯型尿収集システムは、尿収集デバイス、第1の導管、尿収集容器、ポンプ、センサ、および容器支持体を含む。尿収集デバイスは、使用者の尿道に少なくとも近接して位置決めされるように構成される。第1の導管は、尿収集デバイスと流体連通しており、尿収集容器は、内部領域を有する。ポンプは、尿収集デバイスから第1の導管を通って尿収集容器内へ尿を引き込むのに有効になるように、尿収集容器と流体連通して尿収集容器の内部領域に真空を引くように構成される。センサは、容器に固定され、少なくとも尿収集容器内の尿の体積に関する特性を検出するように構成される。カバーは、少なくともポンプを内部に保持し、少なくともカバーの外側の視線からポンプを隠すようなサイズおよび寸法である。
【0006】
一実施形態では、携帯型尿収集システムを組み立てる方法は、車椅子に容器支持体を取り外し可能に固定することを含む。この方法はまた、容器支持体に尿収集容器を取り付けることを含み、尿収集容器は、尿収集容器に固定され、少なくとも尿収集容器内の尿の体積に関する特性を検出するように構成されたセンサを含む。この方法はまた、使用者の尿道に近接して尿収集デバイスを位置決めすることを含む。この方法はまた、第1の導管によって尿収集デバイスを尿収集容器に流体的に結合することを含む。この方法はまた、車椅子にポンプを取り付けることを含み、ポンプは、尿収集デバイスから第1の導管を通って尿収集容器内へ尿を引き込むのに有効になるように、尿収集容器と流体連通して尿収集容器の内部領域に真空を引くように構成される。
【0007】
開示する実施形態のいずれかからの特徴は、限定なく互いに組み合わせて使用することができる。加えて、本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することによって、当業者には明らかになるであろう。
【0008】
図面は本開示のいくつかの実施形態を示し、図面に示される異なる図または実施形態において、同一の参照番号は同一または類似の要素または特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による携帯型尿収集システムのブロック図である。
【
図2A】一実施形態による車椅子に固定された携帯型尿収集システムの背面等角図である。
【
図2B】車椅子のない
図2Aの携帯型尿収集システムの図である。
【
図2C】一実施形態による携帯型尿収集システムのベルトの図である。
【
図3A】一実施形態による車椅子に固定された携帯型尿収集システムの前面等角図である。
【
図3B】車椅子に固定された
図3Aの携帯型尿収集システムの背面図である。
【
図3C】車椅子の座面が取り除かれた状態にある車椅子に固定された
図3Aの携帯型尿収集システムの前面等角図である。
【
図4A】一実施形態による
図3Aの携帯型尿収集システムの上面等角図である。
【
図4B】
図3Aの携帯型尿収集システムの尿収集容器および容器カバーの前面等角図である。
【
図4C】一実施形態によるテーブル上の
図3Aの携帯型尿収集システムの尿収集容器および容器カバーの前面等角図である。
【
図5A】一実施形態による
図3Aの携帯型尿収集システムの尿収集容器および容器カバーの断面図である。
【
図5B】一実施形態による
図3Aの尿収集システム内のコントローラのブロック図である。
【
図6A】一実施形態による車椅子に固定された尿収集システムの背面斜視図である。
【
図6B】一実施形態による
図6Aの尿収集システムの尿収集容器の断面図である。
【
図7】一実施形態による携帯型尿収集システムを組み立てる方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示する実施形態は、車椅子に固定可能な尿収集システムおよび関連する方法に関する。尿収集デバイスの多くの使用者は、65歳を超え運動能力が制限されており、多くの場合、主要な輸送様式として車椅子に依拠している。多くの使用者はまた、1日の相当な時間を着席または仰向けの姿勢で過ごす。そのとき使用者および介護者は、目立たず移動可能な尿収集システムから利益を得ることができ、使用者が家庭でも外出先でも尿収集システムを使用して尿を収集することが可能になる。
【0011】
本明細書に記載する実施形態の少なくとも1つ、いくつか、またはすべてにおいて、尿収集システムは小型であり、尿収集システムを車椅子に固定するまたは取り付けるという技術的効果を提供する。実施形態の少なくとも1つ、いくつか、またはすべてにおいて、尿収集システムはまた、車椅子に固定可能または取り付け可能であることに加えて、使用者付近の表面に位置決めまたは配置することができ、車椅子の有無にかかわらず使用可能な尿収集システムの技術的効果をもたらす。本明細書に記載する尿収集システムの実施形態少なくとも1つ、いくつか、またはすべては、移動可能で目立たないため、使用者の失禁について他の人たちに警告しなくても、使用者が社会活動に参加することが可能になるという技術的効果をもたらす。たとえば、尿収集システムは、少なくとも尿収集システムのポンプを内部に保持して尿収集システムの外側の視線からポンプを隠すように構成されたカバーを含むことができる。本明細書に記載する尿収集システム内に収集された尿はまた、尿収集容器内に貯蔵することができ、尿収集容器は、尿収集システムの外側の視線から隠されており、かつ/または尿収集容器内に保持された尿を隠す。
【0012】
多くの実施形態では、尿収集システムはまた、尿レベルが所定のレベルに近づいたときに尿収集容器を空にするように、電池を交換もしくは再充電するように、かつ/または尿収集システム内のポンプの真空もしくは吸引レベルを調整するように、電子デバイスと通信して使用者または介護者に警告するように構成された警告システムを含む。
【0013】
図1は、一実施形態による流体収集システム10のブロック図である。流体収集システム10は、本明細書に記載する流体収集システムの実施形態のいずれかに含むことができる。システム10は、流体(たとえば、尿)収集デバイス12(たとえば、本明細書に開示する流体収集アセンブリのいずれか)、尿収集容器14、およびポンプ16(またはポンプ)を含む。流体収集デバイス10、尿収集容器14、およびポンプ16は、1つ以上の導管17を介して互いに流体的に結合することができる。たとえば、流体収集デバイス10は、尿収集容器14またはポンプ16のうちの1つ以上に、導管17を介して動作可能に結合することができる。いくつかの実施形態では、ポンプ16は、尿収集容器14に直接固定することができる。流体収集デバイス10内に収集された流体(たとえば、尿または他の体液)は、流体収集デバイス12に固定された導管17を介して、流体収集デバイス10から除去することができる。導管17の出口に吸引(たとえば、真空)力が印加されたことに応答して、導管17の入口を介して流体収集デバイス12のチャンバ内へ吸引力を導入することができる。
【0014】
吸引力は、ポンプ16によって直接または間接的に、導管17の出口に印加することができる。吸引力は、尿収集容器14を介して間接的に印加することができる。たとえば、導管17の出口は、尿収集容器14の内部領域に配置することができ、または尿収集容器14の内部領域に流体的に結合することができ、追加の導管17が尿収集容器14からポンプ16へ延びることができる。それに応じて、ポンプ16は、尿収集容器14を介して流体収集デバイス12に吸引を印加することができる。吸引力は、ポンプ16を介して直接印加することができる。たとえば、導管17の出口は、ポンプ16内に配置することができる。追加の導管17は、ポンプ16から尿収集容器14などの流体収集デバイス12の外側の箇所まで延びることができる。そのような例では、ポンプ16は、流体収集デバイス12と尿収集容器14との間に配置することができる。
【0015】
尿収集容器14は、流体を内部に保持するようなサイズおよび形状である。尿収集容器14は、バッグ(たとえば、排液バッグ)、ボトルもしくはカップ(たとえば、収集ジャー)、または尿などの体液を貯蔵するための任意の他の密閉容器を含むことができる。いくつかの例では、導管17は、流体収集デバイス12から尿収集容器14まで延ばして、尿収集容器14内の第1の箇所に取り付けることができる。追加の導管17は、尿収集容器14の第2の点で尿収集容器14に取り付けることができ、ポンプ16まで延ばしてポンプ16に取り付けることができる。それに応じて、流体収集デバイス12を通って尿収集容器14を介して真空(たとえば、吸引)を引き込むことができる。尿などの流体は、ポンプ16を使用して流体収集デバイス12から排出することができる。
【0016】
ポンプ16は、手動真空ポンプ、および電気真空ポンプ、膜ポンプ、遠心ポンプ、容積式ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、または真空を生じさせるように構成された任意のポンプのうちの1つ以上を含むことができる。ポンプ16は、真空または吸引を提供して流体収集デバイス12から流体を除去することができる。いくつかの例では、ポンプ16は、電源コード(たとえば、電源ソケットに接続される)、1つ以上の電池、またはさらには手動の動力(たとえば、手動式真空ポンプ)のうちの1つ以上によって動力供給することができる。いくつかの例では、ポンプ16は、流体収集デバイス12の外側、上、または内側に嵌るようなサイズおよび形状とすることができる。たとえば、ポンプ16は、1つ以上の小型ポンプまたは1つ以上のマイクロポンプを含むことができる。本明細書に開示する真空源は、ポンプ16を起動するのに好適なスイッチ、ボタン、プラグ、リモート、または任意の他のデバイスのうちの1つ以上を含むことができる。
【0017】
本明細書に記載する尿収集システムの実施形態の少なくとも1つ、いくつか、またはすべては、使用者によって着用され、テーブルなどの表面上に位置決めされ、かつ/または車椅子に固定可能もしくは取り付け可能になるように構成される。
図2Aを参照すると、尿収集システム200が、車椅子250に固定されたまたは取り付けられた状態で示されている。尿収集システム200は、棚、ブラケット、ポーチ、スリングなどの
図2Aに示されていない他の支持体によって、車椅子250に取り付けることができる。尿収集システム200はまた、使用者および/または介護者が着用することができる。車椅子250に取り付けられるか、それとも使用者によって着用されるかにかかわらず、尿収集システム200の構成は、尿貯蔵システム210を内部に保持するカバー202によって、使用者が尿収集システム200を目立たず使用および/または輸送することが可能になるという技術的効果をもたらす。たとえば、カバー202は、少なくとも尿収集容器214、ポンプ216、およびセンサ215(
図2Bに示す)を内部に保持するようなサイズおよび寸法とすることができる。
【0018】
車椅子250は、複数の異なる従来の車椅子のいずれかを含むことができ、背もたれ252、2つのハンドル254、および2つのアーム256を含むことができる。尿収集システム200は、尿収集システム200の貯蔵システム210を取り外し可能に固定し、取り付け、または車椅子250から吊るして支持するように構成されたカバー202または容器支持体を含むことができる。いくつかの実施形態では、カバー202は、車椅子250の1つ以上のハンドル254から吊るすように、または車椅子250の1つ以上のハンドル254に固定されるように構成された、1つ以上のストラップ206を有するパックまたはバッグを含む。ストラップ206は、バックル、クリップ、および/またはフック、ならびにループ締結材料のうちの少なくとも1つなど、ストラップ206を車椅子250に調整可能に固定するように構成された1つ以上の締結具を含むことができる。ストラップ206は各々、リング207を含むことができ、リング207は、車椅子250のハンドル254または他の好適なデバイスをリング207に挿入するようなサイズおよび寸法である。リング207は、
図2Bに示すようにストラップ206の内面に、またはストラップ206がハンドル254にかからないようにストラップ206の外面に位置決めすることができる。リング207は、ストラップ206に可動に固定することができる。ストラップ206は、使用者または介護者がストラップ206を調整してカバー202を地面のより近くへ動かすことが可能になるような寸法とすることができる。車椅子の座面のレベルより下へカバー202を動かすことによって、尿を尿収集デバイス212から尿収集容器214内へ引き込むことを、重力によって支援することができる。いくつかの実施形態では、カバー202は、1つ以上のストラップ206を使用してバックパックとして着用されるように構成される。
【0019】
カバー202のパックまたはバッグは、少なくとも尿収集容器214を内部に保持するようなサイズおよび寸法である。カバー202のパックはまた、尿収集容器214を内部に保持するようなサイズおよび寸法のスリーブを含むことができる。カバー202のスリーブは、1つ以上の発泡部材204などによって隔離することができる。カバー202内に位置決めされた1つ以上の発泡部材204は、尿収集システム200(たとえば、
図2Bに示すポンプ216)の動作音を低減させるという技術的効果をもたらす。音を弱めることに加えて、1つ以上の発泡部材は、尿収集システム200の動作の振動を最小にするという技術的効果を提供することができる。1つ以上の発泡部材204は、ポンプ216から生じる振動および音を最小にするように、ポンプ216の少なくとも一部分の下および/または周りに位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の発泡部材204は、カバー202の内部領域の1つ以上のスリーブ内に位置決めすることができる。カバー202のパックは、ポンプ216への流体の侵入を防止するという技術的効果を提供するために、パックを垂直に保つ補強基材を含むことができる。いくつかの実施形態では、カバー202のパックは、ポンプ216の過熱を抑えるようにポンプ216の下に位置決めされたヒートシンクを含むことができる。カバー202のパックは、空気をパック内へ引き込むための1つ以上の通気孔をパックの側面または前面に含むことができる。
【0020】
図2Bを参照すると、
図2Bは、一実施形態によるカバー202から除去された尿収集システム200を示す。尿収集システム200は、尿収集デバイス212、導管217、貯蔵システム210、およびポンプ216を含むことができる。尿収集デバイス212は、少なくとも使用者の尿道に近接して位置決めされるように構成される。
図2Bに示す尿収集デバイス212は女性用尿収集デバイスを含むが、尿収集デバイス212は代わりに、男性用尿収集デバイスを含むこともできる。開示を全体として本願に引用して援用する、PCT国際出願第PCT/US2019/029616号は、たとえば、本明細書に開示する実施形態のいずれかで使用することができる男性用および女性用両方の流体収集デバイスの様々な実施形態を記載している。さらに、尿収集デバイス212は、尿収集システム200において、異なるタイプ、変種、およびサイズの男性用または女性用尿収集デバイス間で交換可能とすることができる。概して、尿収集デバイス212は、尿道に近接または隣接して位置決めされるようなサイズの表面を含むことができ、その表面は、尿または他の流体を使用者から逃がすように構成される。尿または他の流体は、表面から尿収集デバイス212内のリザーバへ逃がすことができる。
【0021】
尿収集システム200はまた、尿収集デバイス212の内部領域(たとえば、リザーバ)および尿収集容器214の内部領域と流体連通している第1の導管217aを含む。第1の導管217aは、尿収集デバイス212と尿収集容器214との間に位置決めすることができる。尿収集システム200はまた、ポンプ216と尿収集容器214の内部領域との間に流体連通を提供する第2の導管217bを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポンプ216を尿収集容器214に直接固定することができ、第2の導管217bは尿収集システム200に存在しなくてもよい。導管217a、217bは、可撓性を有する管を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の導管217aの少なくとも一部分は、実質的に不透明であり、それによって第1の導管217a内の尿が見えないようにする。
【0022】
尿収集システム200はまた、貯蔵システム210を含む。貯蔵システム210は、第1の導管217aを介して尿収集デバイス212から受け取った尿55を貯蔵する内部領域を有する尿収集容器214を含むことができる。尿収集容器214は、異なる実施形態によって不透明であっても透明であってもよく、略方形の前面または後面プロファイルを含むことができる。いくつかの実施形態では、尿収集容器214は、ハンドル219または吐出口222のうちの少なくとも1つを含む。尿収集容器214内に収集された尿55は、キャップまたはカバーを取り外した後、吐出口222を通して空にすることができる。尿収集容器214は、再利用可能かつ食器洗浄器で洗浄可能とすることができ、ポリカーボネート、プラスチック、ゴム、金属、ガラス、これらの組合せ、または任意の他の好適な材料などの略剛性を有する材料を含むことができる。尿収集容器214は、カバー202のパック内の隔離されたスリーブ内に嵌るようなサイズおよび寸法とすることができる。
【0023】
貯蔵システム210はまた、フィルタ218、コントローラ221、およびセンサ215を含むことができる。センサ215は、尿収集容器214に固定されており、少なくとも尿収集容器214の内部領域内の尿55の体積に関する特性を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、センサ215は、導管217aのための尿収集容器214の入口(の内部または外部)に配置または位置決めすることができる。センサ215は、一実施形態によれば、導管217aに沿って、かつ/または導管217a内に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、センサ215は、センサが尿55に接触しなくても、少なくとも尿55の体積に関する特性の連続的または周期的フィードバックを提供するように構成された超音波センサ、レーザセンサ、または紫外線(UV)センサを含む。センサ215は、容量センサ、誘導センサ、重量測定センサ、または機械的な浮きなどの非接触式の流体センサを含むことができる。センサ215は、センサ215の少なくとも一部分が尿収集容器214の内部領域内に位置する状態で、尿収集容器に固定することができる。いくつかの実施形態では、センサ215は、尿収集容器214の頂部に位置決めされ、尿55が尿収集容器214の内部領域に収集される下方を向いている。
【0024】
いくつかの実施形態では、センサ215は、尿収集容器214内の尿55のレベルを検出するように構成されたレベル伝送器を含む。一実施形態では、センサ215は、センサ215のレーザ伝送器から尿55の表面までの間、およびセンサ215の検出器に戻る間の距離を測定するレーザレベルセンサを含むことができる。レーザを伝送してから反射レーザを検出するまでの経過時間は、センサ215によって測定することができ、センサ215と尿55のレベルとの間の距離は、センサ215または付随するコントローラ221によって計算することができる。レーザは、尿収集容器214上の透明窓を通って伝送することができ、または少なくともセンサ215の伝送器を尿収集容器214内に位置決めすることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、センサ215は、音の速度を活用して少なくとも尿収集容器214内の尿55の体積に関する特性を検出する超音波レベルセンサを含むことができる。たとえば、センサ215は、パルスがトランスデューサから尿55の表面まで進み、センサ215のトランスデューサに戻る時間を使用して、センサ215のトランスデューサと尿収集容器214内の尿55の表面との間の距離を測定することができる。センサ215またはセンサ215に付随するコントローラ221は、センサ214と尿収集容器214内の尿55の表面との間の距離を使用して、尿収集容器214内の尿55の体積を判定することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、センサ215は、センサ215が尿収集容器214内の尿55のレベルを検出するべきときを判定するという技術的効果を提供する加速度計を含み、またはセンサ215にはそのような加速度計が付随する。センサ215が尿収集容器215内の尿55のレベルを検出するためのレーザまたは超音波パルスを伝送することができるとき、加速度計は、尿収集容器214内の尿55の実質的に定常の運動状態を検出するように構成される。たとえば、加速度計は、センサ215からの読取り値を安定させて、センサ215からの読取り値の精度を改善するために、事前決定のまたは事前選択された期間にわたって尿収集容器214が静止していることを検出または表示することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、貯蔵システム210はまた、コントローラ221を含む。コントローラ221は、有線または無線接続などによってセンサ215と通信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、センサ215は、コントローラ221を含むことができる。コントローラ221は、少なくともセンサ215によって収集されたデータの記憶のために消去可能なプログラム可能リードオンリメモリ(EPROM)を備えたプリント回路基板(PCB)を含むことができる。コントローラ221は、尿収集容器内の尿55のレベルまたは体積を計算するように構成されたプロセッサを含むことができる。コントローラ221は、他の電子デバイスへ通知または警告を送信するように構成された通信インターフェースを含むことができる。たとえば、通信インターフェースは、選択された無線周波数で、BLUETOOTH(登録商標)またはWI-FIを介して、使用者または介護者の移動電話などの別の電子デバイスへ、通知または警告を送信するように構成することができる。コントローラ221は、再充電可能な電池などの外部または内部の電池によって動力供給することができる。
図5Bは、コントローラ221を含むことができるコントローラ500の追加の詳細を提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、コントローラ221は、少なくともセンサ215によって検出された尿の体積に関する特性が、尿収集容器215内の尿55の体積が所定の体積に到達した、または所定の体積を超過したことを示すとき、使用者または介護者の電子デバイスへ警告を無線で伝送するという技術的効果を提供する。たとえば、センサ215からのデータに基づいて、コントローラ221は、尿収集デバイス内の尿55がセンサ215から所定の距離(約2.5cmなど)にあり、尿収集容器214を空にすることが推奨されるという警告を、電子デバイスへ無線で伝送することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ221は、選択された周波数、たとえば選択された時間および/または体積間隔で、警告を無線で伝送することができる。コントローラ221は、コントローラ221またはポンプ216のうちの少なくとも1つに動力供給する電池の残量が少ないとき、使用者または介護者の電子デバイスへ警告を無線で伝送することができる。コントローラ221は、尿収集システム200のフィルタ(フィルタ218など)の交換が推奨されるとき、使用者または介護者の電子デバイスへ警告を無線で伝送することができる。
【0029】
貯蔵システム210はまた、ポンプ216によって尿収集容器214の内部領域から引き込まれる空気の臭いを中和するという技術的効果を提供するフィルタ218を含むことができる。いくつかの実施形態では、空気が導管217bに入る前に、または空気が導管217bに入るとき、尿収集容器214の内部領域から引き込まれている空気が濾過されるように、少なくとも導管217bの一部分と尿収集容器214の内部領域の一部分との間にフィルタ218が位置決めされる。いくつかの実施形態では、フィルタ218は、ポンプ216上の排気孔に位置決めされる。いくつかの実施形態では、フィルタ218は、ポンプ216上の排気孔に、空気が導管217bに入る前に位置決めされる。フィルタ218は、尿収集容器214からの流体がポンプ216に引き込まれるのを防止または最小化するように構成された臭い吸収フィルタおよび/または疎水性フィルタを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、フィルタ218は、アロマセラピーパックを含むことができ、またはポンプの排気孔に近接してアロマセラピーパックを固定することができ、それによってより心地よい匂いを生じさせるという技術的効果をもたらすことができる。フィルタは、空気から臭いを除去しかつ/または心地よい香りを空気に加える重曹または他の組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、フィルタ218は存在せず、ポンプ216は、排気孔に近接してポンプ216に取り外し可能に固定されたアロマセラピーパックを含む。
【0031】
ポンプ216は、尿収集デバイス212から第1の導管217aを通って尿収集容器214内へ尿を引き込むのに有効になるように、尿収集容器214の内部領域と流体連通して、少なくとも尿収集容器214の内部領域に部分真空を引くように構成される。ポンプ216は、尿収集容器214に直接固定することができ、または導管217bが、ポンプ216を尿収集容器の内部領域に流体的に結合することができる。
【0032】
ポンプ216は、手動真空ポンプ、および電気真空ポンプ、膜ポンプ、遠心ポンプ、容積式ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、または真空を生じさせるように構成された任意のポンプのうちの1つ以上を含むことができる。たとえば、ポンプは、25ml/秒の最小圧送速度を有する空気媒体膜ポンプを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポンプ216は、可変速ポンプおよび/または連続ポンプを含む。たとえば、ポンプ216は可変速ポンプを含むことができ、可変速ポンプは、尿が導管217aを通って尿収集容器214に入るのをセンサ215または他のセンサが検出するまでは低速で動作し、次いでポンプ216は、尿収集デバイス212での尿の漏れまたは滞留を防止するためにより速い速度に調整される。ポンプ216は、流体収集デバイス212から流体を除去するための真空または吸引を提供することができる。いくつかの例では、ポンプ216は、1つ以上の電池によって動力供給することができる。いくつかの例では、ポンプ216は、カバー202内のスリーブなど、カバー202内に嵌るようなサイズおよび形状とすることができる。たとえば、真空源216は、1つ以上の小型ポンプまたは1つ以上のマイクロポンプを含むことができる。ポンプ216は、ポンプ216を起動するのに好適なスイッチ、ボタン、プラグ、リモート、または任意の他のデバイスのうちの1つ以上を含むことができる。
【0033】
図2Cを参照すると、尿収集システム200はまた、1つ以上のベルト270を含むことができる。1つ以上のベルト270は、使用者および/または車椅子250の一部分に導管217aを固定するように構成することができる。1つ以上のベルト270は、弾性材料、フック、およびループ締結材料、バックル、クリップなど、ベルトのサイズを調整することを可能にするように構成された締結具を含むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、尿収集システムの構成は、車椅子の座面の下にかつ/または平坦面に静止して、尿収集システムを取り外し可能に固定するまたは取り付けるという技術的効果をもたらす。
図3Aおよび
図3Bは、車椅子250の座面258の下に取り外し可能に固定された尿収集システム300の一部分を示す。尿収集システム300は、車椅子250に固定された容器支持体310と、尿収集容器302とを含むことができる。いくつかの実施形態では、尿収集システム300はまた、車椅子250に取り外し可能に固定されたまたは固定可能な電子デバイス360を含む。
図3Aおよび
図3Bには示されていないが、尿収集システム300はまた、尿収集システム200に関連して上述した尿収集デバイス212を含むことができる。別段の記載がない限り、尿収集システム300は、上述した尿収集システム200のいずれかの態様を含むことができる。尿収集システム300は、パック、棚、ブラケット、ポーチ、スリングなどの
図3Aに示されていない他の支持体によって、車椅子250に取り付けることもできる。
【0035】
図面の
図3Cを参照すると、
図3Cは、座面258が取り除かれた状態にある車椅子250に固定された尿収集システム300を示す。いくつかの実施形態では、容器支持体310は、車椅子250のフレーム部材262に固定されたまたは固定可能な2つの対向するトラックを含む。たとえば、容器支持体310は、車椅子250のフレーム部材262に取り付けられたまたは取り付け可能な取り付けブロック312と、取り付けブロック312に固定されたまたは固定可能な案内ブラケット314とを含むことができる。取り付けブロック312および案内ブラケット314は、鋼、金属、プラスチック、炭素繊維、またはこれらの組合せなど、1つ以上の異なる材料を含むことができる。取り付けブロック312および案内ブラケット314の構成は、アフターマーケット付属物として尿収集システムを従来の車椅子に固定するという技術的効果をもたらすことができる。
【0036】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、
図4Aおよび
図4Bは、車椅子250から取り外された尿収集システム300を示す。いくつかの実施形態では、容器支持体310は、複数の取り付けブロック312、たとえば4つの取り付けブロック312を含む。取り付けブロック312の各々は、フレーム部材262を内部に保持するようなサイズの貫通孔318または口径を含むことができる。いくつかの実施形態では、取り付けブロック312は、取り付けブロック312をフレーム部材262に固定するようにフレーム部材262の周りにともに固定された2つの部材を含む。案内ブラケット314は各々、案内ブラケット314から突出するトラック308を含むことができる。トラック318は、尿収集容器302または容器カバー304のうちの1つのスロット308内に少なくとも部分的に嵌るようなサイズである。いくつかの実施形態では、トラック318は、尿収集容器302または容器カバー304のうちの1つのスロットに対して相補形のサイズおよび形状である。いくつかの実施形態では、案内ブラケット314は、トラック318ではなくスロット308を含み、尿収集容器302または容器カバー308のうちの少なくとも1つは、トラック318を含む。いくつかの実施形態では、容器支持体310の構成は、尿収集システム300が異なるサイズの車椅子に適合可能になるという技術的効果をもたらす。たとえば、案内ブラケット314は、取り付けブロック312に調整可能に固定することができ、それにより使用者は、案内ブラケット314間に尿収集容器302および容器カバー304を嵌めて、さらに案内ブラケット314に尿収集容器302および容器カバー304を取り付けるように、案内ブラケット314間の距離を調整することが可能になる。
【0037】
尿収集システム300はまた、一実施形態による尿収集容器302および容器カバー304を含む。上述したように、尿収集容器302または容器カバー304のうちの少なくとも1つは、2つの対向するスロット308を含み、スロット308は各々、案内ブラケット314のトラック316を受け取るように構成される。
図4Aに示す尿収集システム300では、スロット308は容器カバー304に配置される。いくつかの実施形態では、スロット308は、トラック316に対して略相補形の形状であり、使用者がトラック316で尿収集容器302および容器カバー304を摺動させることを可能にするという技術的効果をもたらす。
【0038】
容器カバー304または尿収集容器302のうちの少なくとも1つは、ハンドル306、たとえば
図4Aおよび
図4Bの容器カバー304に示すハンドル306を含むことができる。多くの実施形態では、尿収集システム300は、容器カバー304または尿収集容器302のうちの少なくとも1つの前面および後面の両方にハンドル306を含むことができる。容器カバー304はまた、導管217aに接続または固定されるように構成されたポート315を含むことができる。ポート315は、導管217aと尿収集容器302の内部領域との間の流体連通を提供する。いくつかの実施形態では、ポート315は、導管217aに接続するように構成されたアダプタに接続または固定されるようなサイズおよび寸法である。いくつかの実施形態では、ポート315、アダプタ、または導管217aのうちの少なくとも1つは、導管217aおよびポート315またはアダプタをよりしっかりと嵌め合わせるように、返しを付けることができる。ポート315は、一実施形態によれば、容器カバー304の頂部に位置決めすることができる。
【0039】
図4Bを具体的に参照すると、1つ以上のロック309が、尿収集容器302を容器カバー304に取り外し可能に固定するという技術的効果提供することができる。ロック309は、圧入ロック、スナップ式ロック、ばねロック、ラッチ、または尿収集容器302を容器カバー304に取り外し可能に固定するように構成された他のロックを含むことができる。尿収集容器302はまた、使用者または介護者が尿収集容器304内に保持された尿の量を見ることを可能にするという技術的効果を提供するように位置決めされた窓305を含むことができる。
【0040】
図4Cを参照すると、いくつかの実施形態では、尿収集アセンブリ300の構成は、尿収集アセンブリが(車椅子との併用に加えて)車椅子なしでも使用されるという技術的効果をもたらす。たとえば、尿収集容器302および容器カバー304は、テーブル410、ナイトスタンド、ベッドサイドテーブルなどの他の表面に位置決めすることができる。尿収集容器302は、尿収集容器302の底部に位置決めされたゴムまたはフェルトの脚部402を含むことができる。尿収集容器302は、尿収集容器302および容器カバー304がテーブル410などの平坦面上に静止することを可能にする略平面または平坦の底部を含むことができる。いくつかの実施形態では、尿収集容器302は、湾曲したまたは平面でない底部を含むことができ、脚部402は、尿収集容器302および容器カバー304を平坦面上で保持して安定させるように、尿収集容器302の底部にサイズ設定および位置決めされる。
【0041】
図5Aを参照すると、
図5Aは、尿収集容器302および容器カバー304の断面図を示す。いくつかの実施形態では、容器カバー304を尿収集容器302に取り外し可能に固定するためのスナップ接合を形成するために、尿収集容器302は、1つ以上の突起584を含み、容器カバー304は、1つ以上の突起584に係合するように位置決めされた1つ以上のタブ582を含む。尿収集容器302は、尿収集デバイス212から受け取った尿55を内部に受け取って保持するようなサイズの内部領域586またはチャンバを含むことができる。いくつかの実施形態では、尿収集容器302は、約1リットル~約3リットル、約1リットル、約2リットル、または約3リットルの尿55を内部に保持することができる。尿収集容器302の内部領域586は、概して密閉することができる。たとえば、尿収集容器302は、尿55を保持するベイスンと、尿収集容器302内の尿がこぼれて容器カバー304内に収容された要素にはねるのを防止する頂部588とを含むことができる。
【0042】
尿収集容器302はまた、入口572および出口578を含む。入口572または出口578のうちの少なくとも一方(たとえば、両方)は、尿収集容器302の頂部588を通って延びることができる。いくつかの実施形態では、尿収集容器302は、入口572の少なくとも一部分を画定しかつ/またはポート315と尿収集容器302の内部領域586との間の流体連通を提供する管594、導管、または他の要素を含む。それに応じて、管594は、尿収集容器302の頂部588と容器カバー304の頂部との間の容器カバー304の内部を通って延びることができる。いくつかの実施形態では、管594は、尿収集容器302の頂部588に固定または一体形成することができる。いくつかの実施形態では、アダプタに固定された導管217aと尿収集容器302の入口572との間に流体連通を提供するのに有効になるように、管594が容器カバー内の開口を通って延びており、アダプタを管594に直接固定することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、出口578は、尿収集容器304の頂部588を通って延びる。尿収集デバイス302は、ポンプ580と尿収集容器302の内部領域586との間に流体連通を提供するように構成された管、導管、アダプタ、または他の要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポンプ580は、ポンプが出口578と流体連通している状態で、尿収集容器に直接固定されまたは取り付けられる。いくつかの実施形態では、導管が出口578とポンプ580との間に少なくとも部分的に延びて、出口578とポンプ580との間に流体連通を提供する。
【0044】
尿収集システム300はまた、フィルタ576を含むことができる。フィルタ576は、ポンプ580と尿収集容器302の内部領域586との間の出口576を覆うことができ、またはこの出口内に位置決めすることができる。フィルタ576の構成および位置決めは、尿収集容器302内の尿55が出口576を通過することを防止し、かつ/またはポンプ580によって尿収集容器302から引き込まれる空気の少なくともある程度の臭いを除去するという技術的効果を提供することができる。フィルタ576は、上述した尿収集システム200のフィルタ218のいずれかの態様を含むことができる。たとえば、フィルタ576は、尿55がポンプ580に入るのを防止する疎水性フィルタを含むことができる。
【0045】
尿収集システム300はまた、尿収集容器302に固定されたまたは固定可能なセンサ574を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ574は、尿収集容器302の内部領域586内に固定することができる。いくつかの実施形態では、センサ574は、尿収集容器302の内部領域586の外側に固定することができ、尿収集容器は、センサ574が尿収集容器302内の尿55を検出することを可能にするように位置決めされた窓を含むことができる。センサ574は、尿収集容器302内の尿55のレベルの連続フィードバックを提供するように構成された超音波センサなど、上述したセンサ215のいずれかの態様を含むことができる。
【0046】
尿収集システム300はまた、ポンプ580、電池590、およびコントローラ570を含むことができる。ポンプ580、電池590、およびコントローラ570のうちの少なくとも1つ(たとえば、すべて)は、容器カバー304によって少なくとも部分的に画定された内部領域または筐体内に収容することができ、成形ポリウレタン発泡体などの成形発泡体を使用して、容器カバー304の内部領域内で定位置に保持することができる。ポンプ580は、尿収集容器302の内部領域586と流体連通しており、または尿収集容器302の内部領域586と流体連通するように位置決めすることができる。上述したように、ポンプ580は、尿収集容器302に直接固定することができ、または出口とポンプ580との間に導管もしくはアダプタを嵌めることができる。
【0047】
ポンプ580は、上述した尿収集システム200のポンプ216のいずれかの態様を含むことができる。たとえば、ポンプ580は、膜ポンプを含むことができる。ポンプ580は、起動されると、尿収集デバイス212から導管217aおよび管594を通って尿収集容器302の内部領域586へ尿を引き込むのに有効になるように、尿収集容器302の内部領域586に吸引を生じる。容器カバー592はまた、空気が容器カバー304の内部領域から出ることを可能にする排気孔592を含むことができる。いくつかの実施形態では、フィルタ、臭気中和剤、またはアロマセラピーデバイスもしくはカートリッジのうちの少なくとも1つを、排気孔592に近接してまたは排気孔592を覆うように位置決めすることができる。
【0048】
電池590は、ポンプ580、センサ574、またはコントローラ570のうちの少なくとも1つ(たとえば、すべて)に電気的に結合することができ、ポンプ580、センサ574、およびコントローラ570のうちの少なくとも1つ(たとえば、すべて)に電力を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電池590は、リチウムイオン電池を含むことができる。コントローラ570は、ポンプ580を起動および停止するように構成された制御回路を有するPCBを含むことができる。コントローラ570のPCBはまた、電池590に電気的に結合された電池充電式回路と、センサ574に電気的に結合されたセンサ回路とを含むことができる。コントローラ570は、上述した尿収集システム200のコントローラ221のいずれかの態様を含むことができる。コントローラ570は、尿収集容器302内の尿55のレベルまたは体積を計算するように構成されたプロセッサを含むことができる。コントローラ570は、他の電子デバイスへ通知または警告を送信するように構成された通信インターフェースを含むことができる。たとえば、通信インターフェースは、選択された無線周波数で、BLUETOOTH(登録商標)またはWI-FIを介して、電子デバイス360および/または使用者もしくは介護者の移動電話などの別の電子デバイスへ、通知または警告を送信するように構成することができる。
図5Bは、コントローラ570を含むことができるコントローラ500の追加の詳細を提供する。
【0049】
動作の際、ポンプ580を起動すると、少なくとも部分真空を尿収集容器302の内部領域586に引き込むことができ、これにより導管217aおよび入口572を介して尿収集デバイス212に少なくとも部分真空が引き込まれる。ポンプ580によって真空が引き込まれると、尿収集デバイス212内の尿が、一時貯蔵のために導管217aおよび入口572を通って尿収集容器302の内部領域586へ引き込まれる。センサ574は、尿収集容器302の内部領域586内の尿55の体積に関する特性の周期的または連続的な読取り値を得ることができる。コントローラ570が、センサ574からの読取り値に基づいて、尿収集容器302の内部領域586内の尿55の体積が所定の閾値(内部領域586の総体積の75%または90%など)を満たした、または超過したと判定すると、コントローラ570は、電子デバイス360へ電子警告を伝送することができる。電子デバイス360は、コントローラ570から電子警告を受け取ると、振動またはビープ音を生じて、尿収集容器302を空にするように使用者または介護者に提言することができる。次いで使用者または介護者は、ポート315から導管217aを切り離し、尿収集容器302および容器カバー304を容器支持体310から取り外すことができる。容器カバー304を尿収集容器302から取り外すことができ、使用者または介護者は、吐出口として機能することができる管594を介して、尿収集容器302から尿55を空にすることができる。
【0050】
図5Bは、一実施形態による本明細書に記載するシステムおよび方法のいずれかとともに使用することができるコントローラ500の概略図である。たとえば、コントローラ221および/またはコントローラ570は、コントローラ500のいずれかの態様を含むことができる。コントローラ500は、センサ215、センサ570、電子デバイス360、他の電子デバイスとの有線もしくは無線通信、および/または尿収集容器214、302内の尿55の体積の判定など、本明細書に開示する例示的な動作またはステップのいずれかを実装するように構成することができる。
【0051】
コントローラ500は、一実施形態による少なくとも1つのコンピューティングデバイス510を含む。少なくとも1つのコンピューティングデバイス510は、上述した動作のうちの1つ以上を実行するように構成することができる例示的なコンピューティングデバイスである。コンピューティングデバイス510は、少なくとも1つのプロセッサ520、メモリ530、記憶デバイス540、入出力(「I/O」)デバイス/インターフェース550、および通信インターフェース560を備えることができる。例示的なコンピューティングデバイス510が
図5Bに示されているが、
図5Bに示す構成要素は、コントローラ500またはコンピューティングデバイス510に限定することを意図したものではない。いくつかの例では、追加または代替の構成要素を使用することができる。さらに、いくつかの例では、コントローラ500またはコンピューティングデバイス510は、
図5Bに示されているものより少ない構成要素を含むことができる。たとえば、コントローラ500は、1つ以上の追加のコンピューティングデバイス512を含まなくてもよい。いくつかの例では、少なくとも1つのコンピューティングデバイス510は、複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
図5Bに示すコンピューティングデバイス510の構成要素について、以下でさらに詳細に説明する。
【0052】
いくつかの例では、プロセッサ520は、命令(たとえば、本明細書に開示する方法のいずれかの1つ以上の部分を実施するための命令)、たとえばコンピュータプログラムを構成する命令を実行するためのハードウェアを含む。たとえば、命令を実行するために、プロセッサ520は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ530、または記憶デバイス540から命令を取り出し(またはフェッチ)、これらを復号して実行することができる。特定の例では、プロセッサ520は、体積表に関する表などのデータのための1つ以上の内部キャッシュを含むことができる。一例として、プロセッサ520は、1つ以上の命令キャッシュ、1つ以上のデータキャッシュ、および1つ以上のトランスレーションルックアサイドバッファ(TLB)を含むことができる。命令キャッシュ内の命令は、メモリ530または記憶デバイス540内の命令のコピーとすることができる。いくつかの例では、プロセッサ520は、本明細書に開示する例示的な方法のいずれかの1つ以上の部分を実施するように構成することができる(たとえば、プロセッサ520上に記憶されまたはそれによって実行されるプログラミングを含む)。
【0053】
いくつかの例では、プロセッサ520は、本明細書に開示する動作のいずれかを実行するように、またはコンピューティングデバイス510もしくはコントローラ500の1つ以上の部分に、本明細書に開示する動作のうちの少なくとも1つを実行させるように構成される。そのような構成は、少なくとも1つのプロセッサ520によって実行可能な1つ以上の動作プログラム(たとえば、コンピュータプログラム製品)を含むことができる。たとえば、プロセッサ520は、尿収集容器内の尿の体積を自動的に判定し、尿収集容器内の尿のセンサへの近接を自動的に判定し、尿収集容器内の尿の体積が所定の閾値を満たした、もしくは超過したときに警告を自動的に伝送し、フィルタの交換が提言されるときに警告を自動的に伝送し、かつ/または電池の交換もしくは再充電が提言されるときに警告を自動的に伝送するように構成することができる。
【0054】
少なくとも1つのコンピューティングデバイス510(たとえば、サーバ)は、少なくとも1つのメモリ記憶媒体(たとえば、メモリ530および/または記憶デバイス540)を含むことができる。コンピューティングデバイス510は、プロセッサ520に動作可能に結合されたメモリ530を含むことができる。メモリ530は、プロセッサ520によって実行するためのデータ、メタデータ、およびプログラムを記憶するために使用することができる。メモリ530は、揮発性および不揮発性メモリ、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ソリッドステートディスク(SSD)、フラッシュ、相変化メモリ(PCM)、または他のタイプのデータストレージのうちの1つ以上を含むことができる。メモリ530は、内部または分散メモリとすることができる。
【0055】
コンピューティングデバイス510は、データまたは命令を記憶するためのストレージを有する記憶デバイス540を含むことができる。記憶デバイス540は、少なくとも1つのプロセッサ520に動作可能に結合することができる。いくつかの例では、記憶デバイス540は、上述した媒体のいずれかなどの非一時的メモリ記憶媒体を備えることができる。記憶デバイス540(たとえば、非一時的記憶媒体)は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、またはユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、またはこれらの2つ以上の組合せを含むことができる。記憶デバイス540は、取り外し可能または取り外し不能(または固定)媒体を含むことができる。記憶デバイス540は、コンピューティングデバイス510の内部であっても外部であってもよい。いくつかの例では、記憶デバイス540は、不揮発性ソリッドステートメモリを含むことができる。いくつかの例では、記憶デバイス540は、リードオンリメモリ(ROM)を含むことができる。適当な場合、このROMは、マスクプログラムROM、プログラム可能ROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的書換え可能ROM(EAROM)、もしくはフラッシュメモリ、またはこれらの2つ以上の組合せとすることができる。いくつかの例では、メモリ530および/または記憶デバイス540(たとえば、メモリ記憶媒体)の1つ以上の部分は、1つ以上のデータベースを記憶することができる。
【0056】
いくつかの例では、尿収集容器内の尿の体積の履歴、尿収集容器内の尿の体積の傾向、フィルタ交換の履歴、および/または電池交換もしくは再充電の履歴のうちの1つ以上を、少なくとも1つのプロセッサ520(たとえば、プロセッサの内部キャッシュ)、メモリ530、または記憶デバイス540のうちの1つ以上などのメモリ記憶媒体内に記憶することができる。いくつかの例では、少なくとも1つのプロセッサ520は、メモリ530または記憶デバイス540のうちの1つ以上などのメモリ記憶媒体に(たとえば、バス570を介して)アクセスするように構成することができる。たとえば、少なくとも1つのプロセッサ520は、データ(たとえば、ルックアップテーブル)を受け取り、複数のデータ点としてメモリ記憶媒体内に記憶することができる。少なくとも1つのプロセッサ520は、メモリ記憶媒体内のデータにアクセスして、尿収集容器内の尿の体積を自動的に判定し、尿収集容器内の尿のセンサへの近接を自動的に判定し、尿収集容器内の尿の体積が所定の閾値を満たした、もしくは超過したときに警告を自動的に伝送し、フィルタの交換が提言されるときに警告を自動的に伝送し、かつ/または電池の交換もしくは再充電が提言されるときに警告を自動的に伝送するように適合された内部に記憶されているプログラミングを実行することができる。たとえば、少なくとも1つのプロセッサ520は、メモリ530または記憶デバイス540などのメモリ記憶媒体内の1つ以上のルックアップテーブルにアクセスすることができる。
【0057】
コンピューティングデバイス510はまた、使用者がコンピューティングデバイス510へ入力を提供し、コンピューティングデバイス510から出力を受け取り、かつ他の形でコンピューティングデバイス510との間でデータを伝達することを可能にするために設けられた1つ以上のI/Oデバイス/インターフェース550を含む。これらのI/Oデバイス/インターフェース550は、マウス、キーパッドもしくはキーボード、タッチスクリーン、カメラ、光学式スキャナ、ネットワークインターフェース、ウェブベースアクセス、モデム、ポート、他の周知のI/Oデバイス、またはそのようなI/Oデバイス/インターフェース550の組合せを含むことができる。タッチスクリーンは、スタイラスまたは指で起動することができる。
【0058】
I/Oデバイス/インターフェース550は、それだけに限定されるものではないが、グラフィックスエンジン、ディスプレイ(たとえば、ディスプレイスクリーンまたはモニタ)、1つ以上の出力ドライバ(たとえば、ディスプレイドライバ)、1つ以上の音声スピーカ、および1つ以上の音声ドライバを含めて、使用者に出力を提示するための1つ以上のデバイスを含むことができる。特定の例では、I/Oデバイス/インターフェース550は、使用者に提示するためにグラフィカルデータをディスプレイに提供するように構成される。グラフィカルデータは、特定の実装を実現することができる1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースおよび/または任意の他のグラフィカルコンテンツを表すことができる。
【0059】
コンピューティングデバイス510は、通信インターフェース560をさらに含むことができる。通信インターフェース560は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方を含むことができる。通信インターフェース560は、コンピューティングデバイス510と、1つ以上の追加のコンピューティングデバイス512または1つ以上のネットワークとの間の通信(たとえば、パケット通信など)のための1つ以上のインターフェースを提供することができる。たとえば、通信インターフェース560は、イーサネットもしくは他の有線ネットワークと通信するためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)もしくはネットワークアダプタ、または無線ネットワーク、たとえばWI-FIと通信するための無線NIC(WNIC)もしくは無線アダプタを含むことができる。1つ以上の追加のコンピュータデバイス512は、電子デバイス360、使用者のスマートフォン、介護者のスマートフォン、および/または医療システムのコンピュータデバイスを含むことができる。
【0060】
任意の好適なネットワークおよび任意の好適な通信インターフェース560を使用することができる。たとえば、コンピューティングデバイス510は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、またはインターネットの1つ以上の部分、あるいはこれらの2つ以上の組合せと通信することができる。これらのネットワークのうちの1つ以上の1つ以上の部分は、有線であっても無線であってもよい。一例として、コントローラ500またはコンピューティングデバイス510の1つ以上の部分は、無線PAN(WPAN)(たとえば、BLUETOOTH WPAN(登録商標)など)、WI-FIネットワーク、WI-MAXネットワーク、セルラー電話ネットワーク(たとえば、Global System for Mobile Communications(GSM)ネットワークなど)、もしくは他の好適な無線ネットワーク、またはこれらの組合せと通信することができる。コンピューティングデバイス510は、適当な場合、これらのネットワークのいずれかのための任意の好適な通信インターフェース560を含むことができる。
【0061】
コンピューティングデバイス510は、バス570を含むことができる。バス570は、コンピューティングデバイス510の構成要素を互いに結合するハードウェア、ソフトウェア、または両方を含むことができる。たとえば、バス570は、Accelerated Graphics Port(AGP)または他のグラフィックスバス、Enhanced Industry Standard Architecture(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、HYPERTRANSPORT(HT)相互接続、Industry Standard Architecture(ISA)バス、INFINIBAND相互接続、ローピンカウント(LPC)バス、メモリバス、Micro Channel Architecture(MCA)バス、Peripheral Component Interconnect(PCI)バス、PCI-Express(PCIe)バス、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)バス、Video Electronics Standards Associationローカル(VLB)バス、もしくは別の好適なバス、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0062】
図面の
図6Aおよび
図6Bをさらに参照すると、尿収集システム600のいくつかの実施形態では、容器支持体は、車椅子250のハンドル254から取り外し可能に取り付けられるまたは吊るされるように構成された2つのアーム602を含み、尿収集容器は、2つのアーム602に固定された中空棒610を含み、中空棒610は、内部領域615を有する。尿収集システム600は、棚、ブラケット、ポーチ、スリングなどの
図6Aに示されていない他の支持体によって、車椅子250に取り付けられていても、または取り付け可能であってもよい。中空管610は、略剛性を有することができ、または尿収集デバイス212および/もしくは導管217aより強い剛性を有することができる。いくつかの実施形態では、尿収集システム600は、中空管610に固定されたまたは固定可能なポリウレタングリップなどのグリップ614を含む。
【0063】
中空管610は、約25mm~約75mm、約30mm~約40mm、約40mm~約50mm、約45~約55mm、約50mm~約60mm、約60~約70mm、約30mm、約40mm、約50mm、約60mm、または約70mmの直径を含むことができる。中空管610は、約30cm~約90cm、約30~約50cm、約50cm~約70cm、約70~約90cm、約30cm、約40cm、約50cm、約60cm、約70cm、約80cm、または約90cmの長さを含むことができる。中空管610の内部領域615は、約0.5L~約2Lの尿、約0.5L~約1Lの尿、約1L~約1.5Lの尿、約1.5L~約2Lの尿、約0.5Lの尿、約0.75Lの尿、約1Lの尿、約1.25Lの尿、約1.5Lの尿、約1.75Lの尿、または約2Lの尿を保持するようなサイズとすることができる。
【0064】
導管217aは、中空棒610の内部領域615と尿収集デバイス212(図示せず)との間に流体連通を提供する。いくつかの実施形態では、尿収集システム600は、中空棒610に固定されたまたは固定可能なポートまたはアダプタ616を含む。アダプタ616は、導管217aと中空管610の内部領域615との間に流体連通を提供するのに有効になるように、導管217aに固定されるように構成される。尿収集システムはまた、ブザー612もしくは他の警告デバイスおよび/またはセンサ(図示せず)を含むことができる。センサは、少なくとも中空管610内の尿の体積に関する特性を検出するように構成することができ、上述したセンサ215、574のいずれかの態様を含むことができる。いくつかの実施形態では、ブザー612は、センサに電気的に結合され、センサによって検出された流体が尿収集システム200、300に関連して上述した閾値を満たした、または超過したとき、ブザー音、振動、またはベル音を生じるように構成される。
【0065】
いくつかの実施形態では、尿収集システム600は、中空棒610に固定されたまたは固定可能なポートまたはアダプタ618を含む。ポートまたはアダプタ618は、ポートまたはアダプタ616に対して略遠位または反対側に位置決めすることができ、たとえばポートまたはアダプタ618およびポートまたはアダプタ616は、中空棒610の両端に位置決めすることができる。ポートまたはアダプタ618は、ポンプ(図示せず)と中空棒610の内部領域615との間に流体連通を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、ポンプは、ポートまたはアダプタ618に直接固定することができる。いくつかの実施形態では、導管217bは、ポンプと中空棒610の内部領域615との間に流体連通を提供する。尿収集システム600はまた、上述したポンプ216、580のいずれかの態様を有するポンプ(図示せず)を含むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、尿収集システム600はまた、車椅子250のアーム254に取り外し可能に固定するように構成されたバッグ620またはケースなどのカバーを含む。バッグ620は、少なくともポンプを内部に収容するようなサイズおよび寸法である。いくつかの実施形態では、尿収集システム600はまた、コントローラおよび/または電池(図示せず)を含み、バッグ620は、少なくともポンプ、電池、およびコントローラを収容するようなサイズおよび寸法である。尿収集システム600のコントローラおよび/または電池は、上述したコントローラ221、500、570および電池590のいずれかの態様を含むことができる。
【0067】
図7は、一実施形態による携帯型尿収集システムを組み立てる方法700の流れ図である。方法700は、車椅子に容器支持体を取り外し可能に固定する動作710を含む。方法700はまた、容器支持体に尿収集容器を取り付ける動作720を含む。尿収集容器は、尿収集容器に固定されたセンサを含むことができ、そのようなセンサは、少なくとも尿収集容器内の尿の体積に関する特性を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、方法700はまた、少なくとも使用者の尿道に近接して尿収集デバイスを位置決めし、第1の導管によって尿収集デバイスを尿収集容器に流体的に結合することを含むことができる。この方法はまた、車椅子にポンプを取り付ける動作730を含む。動作730は、尿収集デバイスから第1の導管を通って尿収集容器内へ尿を引き込むのに有効になるように、ポンプが尿収集容器と流体連通して尿収集容器の内部領域に真空を引くように構成された状態で、車椅子にポンプを取り付けることを含むことができる。
【0068】
方法700は、本明細書に記載する尿収集システムのいずれかを組み立てることを含むことができる。たとえば、車椅子に容器支持体を取り外し可能に固定する動作710は、車椅子の1つ以上のハンドルにパックの1つ以上のストラップを固定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、容器支持体に尿収集容器を取り付ける動作720は、パック内に尿収集容器を位置決めして尿収集容器を取り付けることを含む。パック内に尿収集容器を位置決めして尿収集容器を取り付ける動作は、パックのスリーブ内に尿収集容器を位置決めすることを含む。いくつかの実施形態では、方法700は、第2の導管によって尿収集容器をポンプに流体的に結合し、かつ/または第1の導管を使用者もしくは車椅子にベルトで固定する動作をさらに含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、車椅子に容器支持体を取り外し可能に固定する動作710は、容器支持体の2つのトラックを車椅子に固定することを含むことができる。容器支持体に尿収集容器を取り付ける動作720は、2つのトラックを尿収集容器上の2つの対向するスロット内へ摺動させることを含むことができる。
【0070】
車椅子に容器支持体を取り外し可能に固定する動作710は、容器支持体の2つのアームを車椅子のハンドルから取り付けるまたは吊るすことを含むことができる。容器支持体に尿収集容器を取り付ける動作720は、尿収集容器の中空棒を容器支持体の2つのアームに固定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、車椅子にポンプを取り付ける動作730は、ポンプを収容するバッグを車椅子のアームに取り外し可能に固定することを含むことができる。
【0071】
上述した方法700の動作は、例示を目的とする。たとえば、方法700の動作は、異なる順序で実行することができ、複数の動作に分割することができ、修正し、補足し、または組み合わせることができる。一実施形態では、方法700の動作のうちの1つ以上は、方法700から省略することができる。方法700の動作のいずれかは、本明細書に開示する携帯型尿収集システムのいずれかを使用することを含むことができる。
【0072】
本明細書では、「約」または「実質的に」という用語は、「約」または「実質的に」によって修飾される用語の±10%または±5%の許容可能な分散を指す。さらに、「より小さい」、「以下」、「より大きい」、「より大きい」、または「以上」という用語は、「より小さい」、「以下」、「より大きい」、「より大きい」、または「以上」という用語によって修飾される値を端点として含む。
【0073】
様々な態様および実施形態について本明細書に開示したが、他の態様および実施形態も企図される。本明細書に開示する様々な態様および実施形態は、例示を目的とし、限定することを意図したものではない。