IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカの特許一覧

<>
  • 特許-基地局及び方法 図1
  • 特許-基地局及び方法 図2
  • 特許-基地局及び方法 図3
  • 特許-基地局及び方法 図4
  • 特許-基地局及び方法 図5
  • 特許-基地局及び方法 図6
  • 特許-基地局及び方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】基地局及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20241003BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20241003BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20241003BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04W16/28 130
H04W72/20
H04B7/06 984
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024016411
(22)【出願日】2024-02-06
(62)【分割の表示】P 2022200377の分割
【原出願日】2017-08-11
(65)【公開番号】P2024054220
(43)【公開日】2024-04-16
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バムリ アンキット
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】ワン リレイ
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106470088(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0227491(US,A1)
【文献】特表2016-527767(JP,A)
【文献】国際公開第2019/030894(WO,A1)
【文献】特表2013-509739(JP,A)
【文献】ZTE,Discussion on downlink DMRS design[online],3GPP TSG RAN WG1 NR Ad-Hoc#2 R1-1710196,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1706/Docs/R1-1710196.zip>,2017年06月27日
【文献】Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,On design of DL DM-RS for NR physical data channels[online],3GPP TSG RAN WG1 NR Ad-Hoc#2 R1-1711305,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1706/Docs/R1-1711305.zip> ,2017年06月27日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 16/28
H04W 72/20
H04B 7/06
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1-4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を送信し、
ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づくポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの受信および/または送信に適用されるべき1つの組合せを示す制御情報を、前記ユーザ装置に送信する、
回路、
を備え、
前記参照信号を伝える前記リソースが、時間領域における1つまたは複数のシンボル上に位置し、
前記マッピングが、ポートへのレイヤのマッピングの前記組合せをインデックス化することを暗黙的に含み、前記組合せが、時間領域における1個のシンボルを使用する組合せと2個以上のシンボルを使用する組合せの両方を含めて連続的にインデックス化され、
前記ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットに含まれる前記組合せのうち、前記2個以上のシンボルを使用するレイヤ数が2以上の場合の組合せは、ポート番号が連続しており、かつ、同じレイヤ数における前記セットに含まれる別な組合せとポートが重複している組合せを含む、
基地局。
【請求項2】
参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義する前記パラメータが、無線リソース制御(RRC)プロトコルを介して送信される、請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記回路が、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための前記規則を定義する前記パラメータ、をさらに設定する、請求項1に記載の基地局。
【請求項4】
前記ポートに割り当てられる前記リソースが、巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードのいずれかを含み、前記回路が、
第1のポートに適用される第1の巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードの割当てと、
前記第1の巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードとは異なる、第2のポートに適用される第2の巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードの割当てと、
をさらに設定し、
前記第1のポートを使用して前記データを受信または送信し、
前記第2のポートを使用して前記データを受信または送信する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項5】
基地局によって実行される方法であって、
参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を送信することと、
ユーザ装置および前記基地局に既知であるマッピングに基づくポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの受信および/または送信に適用されるべき1つの組合せを示す制御情報を、前記ユーザ装置に送信することと、
を含み、
前記参照信号を伝える前記リソースが、時間領域における1つまたは複数のシンボル上に位置し、
前記マッピングが、ポートへのレイヤのマッピングの前記組合せをインデックス化することを暗黙的に含み、前記組合せが、時間領域における1個のシンボルを使用する組合せと2個以上のシンボルを使用する組合せの両方を含めて連続的にインデックス化され、
前記ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットに含まれる前記組合せのうち、前記2個以上のシンボルを使用するレイヤ数が2以上の場合の組合せは、ポート番号が連続しており、かつ、同じレイヤ数における前記セットに含まれる別な組合せとポートが重複している組合せを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムのリソースにおけるデータおよび/または参照信号の送信および受信に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)は、次世代のセルラー技術(第5世代(5G)とも称される)の技術仕様の次のリリース(リリース15)に取り組んでいる。3GPPの技術仕様グループ(TSG:Technical Specification Group)の無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access network)会合#71(2016年3月、Gothenburg)において、RAN1、RAN2、RAN3、およびRAN4が関与する、5Gの最初の検討項目「Study on New Radio Access Technology(新しい無線アクセス技術に関する検討)」が承認され、5Gの最初の標準規格を定義するリリース15の作業項目になるものと予測される。
【0003】
5G NR(新無線)の1つの目的は、非特許文献1(3GPPのウェブサイト(www.3gpp.org)で入手可能であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている)に定義されているすべての使用シナリオ、要件、および配置シナリオに対処し、少なくとも、高度モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含む、単一の技術的枠組みを提供することである。例えば、eMBBの配置シナリオには、屋内のホットスポット、密集都市部、郊外、都市部、および高速が含まれうる。URLLCの配置シナリオには、産業制御システム、モバイル健康管理(遠隔モニタリング、診断、および治療)、車両のリアルタイム制御、スマートグリッドの広域監視・制御システムが含まれうる。mMTCには、スマートウェアラブルやセンサネットワークなど遅延の影響が小さいデータ伝送による多数の装置を使用するシナリオが含まれうる。
【0004】
別の目的は、上位互換性である。ロングタームエボリューション(LTE)との下位互換性は要求されず、これにより、まったく新しいシステムの設計および/または新規の特徴の導入が促進される。
【0005】
NR(新無線)の検討項目の技術報告書の1つ(非特許文献2)に要約されているように、物理層の基本的な信号波形は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に基づく。ダウンリンクおよびアップリンクの両方において、サイクリックプレフィックスを使用するOFDM(CP-OFDM)をベースとする波形がサポートされる。少なくとも、40GHzまでのeMBBのアップリンクでは、CP-OFDM波形の補助として、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transformation)拡散OFDM(DFT-S-OFDM)をベースとする波形もサポートされる。
【0006】
NRにおける設計目標の1つは、ダウンリンク、アップリンク、およびサイドリンクのための、できる限り共通の波形を模索することである。アップリンク送信のいくつかのケースでは、DFT拡散を導入する必要がないかもしれないと考えられている。用語「ダウンリンク」は、上位のノードから下位のノードへの(例えば、基地局から中継ノード、基地局からUE、中継ノードからUE、など)通信を意味する。用語「アップリンク」は、下位のノードから上位のノードへの(例えば、UEから中継ノード、UEから基地局、中継ノードから基地局、など)通信を意味する。用語「サイドリンク」は、同じレベルのノード間の通信(例えば、2基のUE間、2基の中継ノード間、または2基の基地局間)を意味する。
【0007】
用語「空間レイヤ(またはレイヤ)」は、空間多重化によって生成される複数の異なるストリームの1つを意味する。レイヤは、送信アンテナポートへのシンボルのマッピングとして説明することができる。各レイヤは、送信アンテナポートの数に等しいサイズのプリコーディングベクトルによって識別され、放射パターンに関連付けることができる。送信のランクは、送信されるレイヤの数である。コードワードは、送信機の媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層から物理層に渡される1つのトランスポートブロック(TB:Transport Block)に対応する、独立して符号化されるデータブロックであり、巡回冗長検査(CRC)によって保護される。一般的には、レイヤは送信時間間隔(TTI)ごとに割り当てられ、送信時間間隔(TTI)は、LTEではサブフレームに相当する。しかしながらNRでは、URLLCかeMBBに応じて異なるTTIを採用することができる。特に、NRでは、TTIは、スロット、ミニスロット、またはサブフレームとすることができる。レイヤ、ランク、およびコードワードについては、非特許文献3の11.2.2.2節(参照により本明細書に組み込まれている)も参照されたい。
【0008】
基地局におけるアンテナポート(またはポート)から、参照信号パターン(RS)が送信される。ポートは、1つの物理的送信アンテナとして、または複数の物理的アンテナ要素の組合せとして、送信に使用することができる。いずれの場合にも、各アンテナポートから送信された信号は、UEの受信機によってさらに分解されるようには設計されていない。所与のアンテナポートに対応する送信された参照信号パターン(RS)は、UEの観点からのアンテナポートを定義し、アンテナポートが1つの物理的アンテナからの1つの無線チャネルに相当するか、そのアンテナポートを一緒に含む多数の物理的アンテナ要素からの複合チャネルに相当するかにかかわらず、UEが、そのアンテナポート上で送信されたすべてのデータに対するチャネル推定を導くことを可能にする。ポートについては、非特許文献3の8.2節(参照により本明細書に組み込まれている)も参照されたい。
【0009】
LTEでは、UEにおけるデータの送信および受信は、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)として知られるメッセージ(UEまたはUEのグループを対象とするリソース割当ておよび他の制御情報を含む)を伝える物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)を用いて、eNBによってスケジューリングされる。一般的には、サブフレーム内でいくつかのPDCCHを送信することができる。
【0010】
制御チャネルメッセージの必要な内容は、システムの配置およびUEの設定に依拠する。例えば、インフラストラクチャがMIMOをサポートしない、またはUEが、MIMOを伴わない送信モードに設定されている場合には、MIMO送信の場合にのみ要求されるパラメータをシグナリングする必要はない。したがって、シグナリングオーバーヘッドを最小にする目的で、いくつかの異なるメッセージフォーマット(それぞれが特定のシナリオの場合に要求される最小限のペイロードを含む)が利用可能であることが望ましい。その一方で、実装およびテストが複雑すぎることを回避するため、多すぎるフォーマットを規定しないことが望ましい。以下に、LTEに規定されているDCIメッセージのフォーマットのセットを記載しておく。
【0011】
上に挙げた技術規格または非特許文献4の9.3.5節(参照により本明細書に組み込まれている)を参照されたい。
- フォーマット0: DCIフォーマット0は、アップリンク送信モード1または2におけるシングルアンテナポート送信を使用するPUSCHのためのリソースグラントの送信に使用される。
- フォーマット1: DCIフォーマット1は、単一コードワードPDSCH送信(ダウンリンク送信モード1,2,7)のためのリソース割当ての送信に使用される。
- フォーマット1A: DCIフォーマット1Aは、単一コードワードPDSCH送信のためのリソース割当てをコンパクトにシグナリングする目的と、競合のないランダムアクセスのために専用プリアンブルシグネチャ(dedicated preamble signature)を移動端末に割り当てる目的とに使用される(すべての送信モード)。
- フォーマット1B: DCIフォーマット1Bは、ランク1送信による閉ループプリコーディングを使用してのPDSCH送信(ダウンリンク送信モード6)のためのリソース割当てをコンパクトにシグナリングするために使用される。送信される情報はフォーマット1Aと同じであるが、それらに加えて、PDSCHの送信に適用されるプリコーディングベクトルのインジケータが含まれる。
- フォーマット1C: DCIフォーマット1Cは、PDSCH割当てを極めてコンパクトに送信するために使用される。フォーマット1Cが使用されるとき、PDSCH送信は、QPSK変調の使用に制約される。このフォーマットは、例えば、ページングメッセージやブロードキャストシステム情報メッセージをシグナリングするために使用される。
- フォーマット1D: DCIフォーマット1Dは、マルチユーザMIMOを使用してのPDSCH送信のためのリソース割当てをコンパクトにシグナリングするために使用される。送信される情報はフォーマット1Bの場合と同じであるが、プリコーディングベクトルのインジケータのビットのうちの1つの代わりに、データシンボルに電力オフセットが適用されるかを示すための1個のビットが存在する。この特徴は、2基のUEの間で送信電力が共有されるか否かを示すために必要である。LTEの今後のバージョンでは、この特徴は、より多くの数のUEの間で電力を共有する場合に拡張されうる。
- フォーマット2: DCIフォーマット2は、閉ループMIMO動作の場合にPDSCHのためのリソース割当てを送信するために使用される(送信モード4)。
- フォーマット2A: DCIフォーマット2Aは、開ループMIMO動作の場合にPDSCHのためのリソース割当てを送信するために使用される。送信される情報はフォーマット2の場合と同じであるが、例外として、eNodeB(LTEにおける基地局の名称)が2つの送信アンテナポートを有する場合にはプリコーディング情報が存在せず、4つのアンテナポートの場合には、送信ランクを示すために2ビットが使用される(送信モード3)。
- フォーマット2B: リリース9において導入され、デュアルレイヤ・ビームフォーミングの場合にPDSCHのためのリソース割当てを送信するために使用される(送信モード8)。
- フォーマット2C: リリース10において導入され、閉ループシングルユーザMIMO動作またはマルチユーザMIMO動作(最大8レイヤ)の場合にPDSCHのためのリソース割当てを送信するために使用される(送信モード9)。
- フォーマット2D: リリース11において導入され、最大8レイヤの送信に使用される。主としてCoMP(協調マルチポイント:Cooperative Multipoint)において使用される(送信モード10)。
- フォーマット3および3A: DCIフォーマット3および3Aは、それぞれ、2ビットまたは1ビットの電力調整を有する、PUCCHおよびPUSCHのための電力制御コマンドを送信するために使用される。これらのDCIフォーマットは、UEのグループのための個々の電力制御コマンドを含む。
- フォーマット4: DCIフォーマット4は、アップリンク送信モード2における閉ループ空間多重化送信を使用する、PUSCHのスケジューリングに使用される。
【0012】
サーチスペースは、UEが自身へのPDCCHを見つけることのできる一連のCCE位置を示す。各PDCCHは、1つのDCIを伝え、DCIに付加されたCRCにおいて暗黙的に符号化されたRNTI(無線ネットワーク一時識別子)によって識別される。UEは、設定されている(1つまたは複数の)サーチスペースのCCEを、ブラインド復号してCRCをチェックすることによって監視する。サーチスペースは、共通サーチスペースおよびUE固有サーチスペースとすることができる。UEは、共通サーチスペースとUE固有サーチスペース(これらは重なり合うことがある)の両方を監視する必要がある。共通サーチスペースは、システム情報(SI-RNTIを使用する)、ページング(P-RNTI)、PRACH応答(RA-RNTI)、またはUL TPCコマンド(TPC-PUCCH/PUSCH-RNTI)など、すべてのUEに共通であるDCIを伝える。UE固有サーチスペースは、UEに固有な割当て(UEに割り振られたC-RNTIを使用する)、セミパーシステントスケジューリング(SPS C-RNTI)、または初期割当て(一時的なC-RNTI)のためのDCIを伝える。
【0013】
このようにDCIは、UEがデータを受信または送信するためのリソースを指定する(送信および受信の設定を含む)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【文献】3GPP TSG RAN TR 38.913 v14.1.0, “Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies”, Dec. 2016
【文献】3GPP TSG TR 38.801 v2.0.0, “Study on New Radio Access Technology; Radio Access Architecture and Interfaces”, March 2017
【文献】S. Sesia, I. Toufik and M, Baker, LTE: The UMTS Long Term Evolution, Second Edition
【文献】LTE - The UMTS Long Term Evolution - From Theory to Practice, Edited by Stefanie Sesia, Issam Toufik, Matthew Baker
【文献】3GPP TSG RAN Meeting #75, RP-171485 by NTT DoCoMo, “Revised WID on New Radio Access Technology”, June 5-8, 2017
【文献】RAN1 Chairman Notes: RAN1 NR Ad-Hoc#2
【文献】3GPP TSG RAN WG1 Meeting NR Ad-Hoc#2, R1-1711784 Agenda item: 5.1.2.4.3, MediaTek et al., “WF on DMRS Design”, Qingdao, China, 27 - 30 June 27 - 30, 2017
【文献】3GPP TSG RAN WG1 Meeting NR Ad-Hoc#2 R1-1711771, Agenda Item:5.1.2.4.3, LG Electronics, ZTE, “WF on signaling DMRS configuration”, Qingdao, China, 27 - 30 June 27 - 30, 2017
【文献】3GPP TS 36.212, V14.3.0
【発明の概要】
【0015】
非限定的かつ例示的な一実施形態は、穏当なシグナリングオーバーヘッドを維持しながら、ポートへのレイヤの柔軟なマッピングと、複数の異なる前方配置DMRS(front-loaded DMRS)構成内での1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSを柔軟に設定することを促進する。
【0016】
一般的な一態様においては、本明細書に開示されている技術は、通信システムにおいて、複数のアンテナを使用して、基地局にデータを送信する、および/または、基地局からのデータを受信する、ユーザ装置であって、回路を備えており、この回路が、動作時、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を受信し、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成し、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの送信および/または受信に適用されるべき1つの組合せ、を示す制御情報を、基地局から受信する、ユーザ装置、を提供する。
【0017】
なお、一般的な実施形態または特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せとして、実施できることに留意されたい。
【0018】
開示されている実施形態のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって個別に得ることができ、ただしこのような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得るために、これらの特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1A図1Dは、前方配置復調参照信号(DMRS)の構成タイプの概略図である。
図2図2は、送信装置および受信装置の構造を示しているブロック図である。
図3図3は、DMRSポートのインデクシング、ポートへのレイヤのマッピング、および1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSの指示、の枠組み、を示しているブロック図である。
図4図4Aおよび図4Bは、例示的な1シンボルDMRS構成タイプの場合の例示的なポートのナンバリングの図である。
図5図5Aおよび図5Bは、例示的な2シンボルDMRS構成タイプの場合の例示的なポートのナンバリングの図である。
図6図6は、ユーザ装置の回路を示しているブロック図である。
図7図7は、8つの直交ポートを使用するダウンリンク復調参照信号(DMRS)を示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
第3世代パートナーシッププロジェクトの新無線(3GPP NR)では、幅広い要件およびユースケースを満たすため、参照信号が再設計されている。チャネル推定の目的に使用される復調参照信号(DMRS)も、サイクリックプレフィックス直交周波数分割多重(CP-OFDM)波形を使用するアップリンクおよびダウンリンクの両方において、均一な構造を有するように設計中である。本開示は、(データチャネルの先頭における)前方配置DMRSのポートのマッピングおよび関連するシグナリングの態様に関する。前方配置DMRSの2つの構成(直交DMRSポートの多重化方式が異なる)がサポートされることと、各構成において1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSを使用する柔軟性を有することとが、すでに合意されている。現在のLTEには、直交DMRSポートの多重化方式が1種類である固定された構成が存在し、かなり柔軟性の低い、ポートへのレイヤのマッピングが許可される。しかしながらNRでは、直交DMRSポートの複数の異なる多重化方式の恩恵を生かすために、ポートへのレイヤの柔軟なマッピングを有することが期待される。本開示では、ポートのインデクシング(indexing)を柔軟に設定し、ポートへのレイヤのマッピングを生成し、テーブルのインデックスと一緒に各構成における1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSを示す方法に関する枠組みを提供する。
【0021】
本開示は、NRの技術に関する。NRのアクセス技術に関する進行中の作業項目については、非特許文献5を参照されたい。より具体的には、本開示は、CP-OFDM波形を使用するダウンリンクおよびアップリンクの両方における前方配置DMRSの態様を扱う。RAN1 NR#2からの議長メモ(chairman notes)(非特許文献6(参照により本明細書に組み込まれている))には、DMRSに関連する最新の合意事項すべてが記録されており、本開示は、まだ検討されていないかまたはさらに検討する余地のある面のいくつかを扱う。本開示は、DMRSポートへのレイヤの柔軟なマッピングと、前方配置DMRS構成それぞれにおける1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSのシグナリング、のための枠組みを提供する。
【0022】
前述したように、3GPP NRでは、ダウンリンクおよびアップリンクの両方において復調参照信号(DMRS)が再設計される。
【0023】
最新の合意によれば、CP-OFDM波形を使用するダウンリンクおよびアップリンクにおいて、前方配置DMRSの2つの構成がサポートされ、これらは図1A図1Dに示してある。前方配置参照信号は、1シンボルDMRSが使用される場合には、TTIのうちのシグナリングセクション(シグナリングセクションは例えば2個のシンボルから成る)に隣接する最初のデータシンボルに割り当てられ、2シンボルDMRSが使用される場合には、最初の2個のデータシンボルに割り当てられる。特に、NR DMRSに関係する以下の関連する合意事項が、非特許文献7(参照により本明細書に組み込まれている)に提案されており、参照により本明細書に組み込まれている議長メモ(3GPPのウェブサイト(www.3gpp.org)で入手可能である)において更新および合意される。
【0024】
DM-RSに関してRAN1#89においてなされた想定は、CP-OFDMの場合に以下のように更新および合意されている。すなわちUEは、ダウンリンク/アップリンクにおいて前方配置DMRS構成タイプ1からのDMRSパターン、または前方配置DMRS構成タイプ2からのDMRSパターンを使用するように、上位層によって設定される。
【0025】
図1A図1Dそれぞれは、14個のシンボルと12本のサブキャリアのスロットに対応する例示的なグリッドを示している。各図における左側の最初の2個のシンボルは、スロットのシグナリングセクションに相当する。シグナリングセクションでは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)がシグナリングされる。LTEでは、サブフレームは常に2つのスロットを含む。しかしながら一般的な通信システムでは、サブフレームは、1つのスロットに対応する、または3つ以上のスロットを含むことができる。さらに本開示は、14個のシンボルおよび12本のサブキャリアを有するスロットに限定されない。
【0026】
図1Aおよび図1Bには、構成タイプ1に対応する第1の前方配置DMRS構成を示してある。この構成は、シングルユーザ多入力多出力(SU-MIMO:Single-User Multiple Input Multiple Output)またはマルチユーザ多入力多出力(MU-MIMO:Multi-User Multiple Input Multiple Output)の場合の最大8つの直交ポートのサポートを目的としている。この第1の構成は、図1Aに示したように1個のシンボルのDMRSが使用される場合、最大4つの直交ポートをサポートする。具体的には、2つのコーム(comb)および2つの巡回シフト(CS)を組み合わせて最大4つの成分セット(component set)を形成することができ、結果としての各成分セットを最大4つのポートにそれぞれ割り当てることができる。図1Bに示したように2個のシンボルのDMRSが使用される場合、2つのコームおよび2つの巡回シフトを、2つの時分割直交カバーコード(TD-OCC:time division Orthogonal Cover Codes)(特にウォルシュ-アダマール(Walsh-Hadamard)TD-OCC)({1,1}および{1,-1})とさらに組み合わせることができ、最大8つの直交ポートをサポートすることができる。しかしながら2シンボルDMRSの場合に、{1,1}および{1,-1}の両方を使用することなく最大4つのポートをスケジューリングすることも可能であるべきである。
【0027】
図1Cおよび図1Dには、構成タイプ2に対応する第2の前方配置DMRS構成を示してある。この構成は、SU-MIMOまたはMU-MIMOの場合の最大12の直交ポートのサポートを提供する。特に、周波数領域における隣り合うRE(リソースエレメント)にまたがってそれぞれ適用される2つの(ウォルシュ-アダマール)周波数分割直交カバーコード(FD-OCC)によって、6つの成分セットが形成される。図1Cおよび図1Dから理解できるように、12本のサブキャリアの場合、隣り合うRE(リソースエレメント)のペアが、3つの周波数分割多重(FDM:Frequency Division Multiplexing)グループにグループ化される。したがって、3つのFDMグループにそれぞれ適用される2つのFD-OCC({1,1}および{1,-1}の両方)から、6つの成分セットが形成される。1シンボルDMRSの場合(図1C)には、結果としての6つの各成分セットを、最大6つの直交ポートに割り当てることができる。2シンボルDMRSの場合には、これらの6つの成分セットを2つのTD-OCCとさらに組み合わせることができ、結果として、最大12の直交ポートをサポートすることが可能である(図1D)。
【0028】
図1A図1Dを参照しながら上述したように、コーム、巡回シフト、FD-OCC、FDM、およびTD-OCCが、参照信号(特に、前方配置DMRS)のリソース成分(resource component)を構成する。これらのリソース成分は、第1の前方配置DMRS構成または第2の前方配置DMRS構成に従って組み合わされ、結果としての成分セットがそれぞれ直交ポートに割り当てられる。しかしながら、低いランクの場合にも2シンボルDMRSの使用が可能であるべきである。1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSの場合における特定の構成によってサポートされる成分セットの一部のみが、ポートの割当て用に使用される必要がある。特に、2シンボルの場合にも、{1,1}および{1,-1}の両方を使用することなく最大6つのポートをスケジューリングすることが可能であるべきである。
【0029】
ユーザ機器(UE)の観点からは、周波数領域符号分割多重(CDM:code division multiplexing)によって多重化されるDMRSポートは、疑似的に同じ場所に配置されている(quasi co-located)。
【0030】
UEを対象とする前方配置DMRS構成タイプがアップリンクとダウンリンクとで異なることができるか否かについては、依然として今後さらに検討される。さらに、上の合意に伴って複雑さ/動作性能の重大な問題がある場合、縮小した選択が検討されることもありうる。
【0031】
さらには、低ランクの場合の2シンボルDMRSの使用に関連して、以下の合意もなされた(これらの合意については非特許文献8(参照により本明細書に組み込まれている)を参照されたい)。UEに割り当てられるDMRSポートの数がN(Nは、構成1の場合には4、構成2の場合には6)に等しいかまたはそれより小さいときに、前方配置DMRSシンボルの数を1または2とすることができる。1シンボルDMRSが使用されるか2シンボルDMRSが使用されるかの決定の詳細は、依然として今後さらに検討される。
【0032】
[現在のLTEのDMRS構成]
NRにおける上述したDMRS構成は、LTEとは異なり、LTEには、最大で合計8つの直交ポート/レイヤをサポートするための、図7に示したダウンリンクにおける1つの構成(ウォルシュ-アダマール直交カバーコードを用いて周波数および時間における符号分割多重を使用する)が主として存在する。図7の構成と、LTEにおけるDMRS構成に関するさらなる詳細は、非特許文献3の29.1.1節(参照により本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0033】
次の表1は、現在のLTEにおけるポートへのレイヤのマッピングのテーブル(非特許文献9(表5.3.3.1.5C-2)からの引用である)を示している。
【表1】
【0034】
現在のLTEでは、ダウンリンクにおいて最大8つの直交DMRSポートがサポートされており、これらの直交DMRSポートは、1種類の多重化方式(すなわち時間/周波数におけるOCC)を主として使用する。したがって、所与のシナリオにおける動作性能に影響を及ぼすことなく、ポートの任意の組合せを使用してレイヤをマッピングすることができる。さらには、所与のレイヤ数において、リソースの使用(DMRSオーバーヘッド)は、ポートのいずれの組合せでも同じである。
【0035】
さらに、現在のLTEでは、MU-MIMOの限られたサポートが提供される。また、固定されたDMRS構成がサポートされる。したがって、動的に設定するための追加のシグナリングは必要ない。
【0036】
さらには、表1から理解できるように、ポートへのレイヤのマッピングに許可される組合せは極めて限られている。現在のLTEでは、所与のユーザを対象とするポートへのレイヤのマッピングをシグナリングするために、長さ4のビットマップが定義されており、すなわちポートへのレイヤのマッピングにおいて最小限の数のポートの組合せがサポートされる。特に、2レイヤまでの場合、マッピングのためのポートのインデクシングは、連続的であり重複しない。3~8レイヤの場合、インデクシングは連続的であり重複せず、固定された開始点としてのインデックス0から始まる。マッピングはポートの1つの組合せに限定される。
【0037】
[NRにおけるDMRSの要件]
NRでは、次段落で説明する課題の理由で、このようなサポートは十分ではない。我々の認識によれば、主たる理由として現在の合意事項は極めて最近であるため、NRにおけるDMRSポートのマッピングおよび関連するシグナリングに関係する問題に対しては、具体的に対処する以外に利用可能な解決策は存在しない。
【0038】
NRでは、DMRS構成が、幅広いシナリオ(特に、アップリンク、ダウンリンク、さまざまなキャリア周波数、および低レイテンシを含む)をサポートすることが要求される。直交DMRSポートへのユーザのレイヤのマッピングは、以下の理由から柔軟であることが期待される。第一に、異なるポートが、異なるシナリオにおいて動作性能が変わりうる異なるタイプの多重化方式に対応することがある。第二に、ポートへのレイヤのマッピングが異なる方法で行われる場合、所与のレイヤ数におけるリソースの使用(DMRSオーバーヘッド)が異なりうる。第三に、現在のLTE(ロングタームエボリューション)におけるMU-MIMOのサポートと比較して、MU-MIMOの改良されたサポートが期待される。前方配置DMRS構成それぞれにおいて、1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSを柔軟に設定することが期待される。
【0039】
さまざまなシナリオにおける、ポートへのレイヤの柔軟なマッピングをサポートするためには、より多くのポートの組合せを許可する必要があり、結果としてシグナリングオーバーヘッドが増大する。さらに、所与の前方配置DMRS構成タイプにおいて1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSのいずれかを選択することにより、シグナリングオーバーヘッドがさらに増大する。
【0040】
これらの要件に基づき、穏当なシグナリングオーバーヘッドを可能にしながら、ポートへのレイヤの柔軟なマッピングと、複数の異なる前方配置DMRS構成内での1シンボルDMRSまたは2シンボル以上のDMRSの柔軟な設定とをサポートする必要がある。
【0041】
[実施形態の説明]
本開示は、穏当なシグナリングオーバーヘッドを可能にしながら、ポートへのレイヤの柔軟なマッピングと、複数の異なる前方配置DMRS構成内での1シンボルDMRSまたは2シンボル以上のDMRSの柔軟な設定とをサポートすることを促進する。
【0042】
例示的な一実施形態においては、図2に示したように、本開示は、通信システムにおいて、複数のアンテナを使用して、基地局260にデータを送信する、および/または、基地局260からのデータを受信する、ユーザ装置210、を提供する。本ユーザ装置は、LTEおよびNRにおける通常の呼称であるユーザ機器(UE)に相当しうる。送信および/または受信には、通常では無線チャネルが使用される。本ユーザ装置は回路230を備えており、この回路230は、参照信号用のリソースをポートに割り当てるために使用されるパラメータを受信し、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成し、これらのマッピングの組合せのうち、データの送信および/または受信に適用されるべき1つの組合せ、を示す制御情報を、基地局260から受信する、ように構成されている。
【0043】
特に、回路230は、動作時、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を受信する。ポートに割り当てられるリソースは、一般には少なくとも2つのリソース成分を含む。例えば、これらのリソース成分は、図1A図1Dに示したそれぞれの構成に従って、コーム、巡回シフト、FD-OCC、FDMに相当する。
【0044】
ユーザ装置210の回路230は、動作時、ユーザ装置210および基地局260に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成する。この場合、ポートへのレイヤのマッピングの組合せは、ユーザ装置210などの特定のユーザ端末によってデータの送信または受信に使用されるレイヤが、所与のポート構成において利用可能であるポートにどのようにマッピングされるかを、TTIごとに指定する。
【0045】
さらに、ユーザ装置210の回路230は、動作時、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、TTIごとにデータの送信および/または受信に適用されるべき、ポートへのレイヤのマッピングの1つの特定の組合せ、を示す制御情報を、基地局260から受信する。すなわち、ポートへのレイヤのマッピングの、示された組合せは、データの送信および/または受信のためにユーザ装置210によって使用されるレイヤがマッピングされるポートを定義する。この場合、TTIは、例えばスロット、ミニスロット、またはサブフレームとすることができる。
【0046】
ポートへのレイヤのマッピングの1つの組合せを示す制御情報は、例えば、PDCCHにおいてDCIの中で送信することができ、ポートへのレイヤのマッピングのその特定の組合せをデータの送信および/または受信に適用するように端末に通知する、スケジューリング設定の一部とすることができる。DCIは、一般的には、アップリンクまたはダウンリンクのデータ送信をスケジューリングする役割を果たしうる(一般には両方をスケジューリングすることも可能である)。UEは、DCIを受信すると、受信された、ポートへのレイヤのマッピングの組合せに従って、レイヤおよびポートを設定し、それに応じて、スケジューリングされたリソースにおいてデータを受信または送信する。
【0047】
図2に示したように、ユーザ装置210は、送受信機220(すなわち無線チャネルを通じて電波を送信する送信機および受信する受信機)を備えている。送受信機220は、動作時、基地局から受信された制御情報によって指示された、ポートへのレイヤのマッピングの示された組合せを適用して、データの送信および/または受信を実行する。
【0048】
ユーザ装置210の回路230の構造は、図6に示してある。ユーザ装置の回路230は、シグナリング情報受信ユニット232と、マッピング生成ユニット231とを備えている。シグナリング情報受信ユニット232は、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を受信するように構成されている。マッピング生成ユニット231は、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成するように構成されている。シグナリング情報受信ユニット232は、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの送信および/または受信に適用されるべき1つの組合せ、を示す制御情報を、基地局260から受信するようにさらに構成されている。なお、ユーザ装置210の送受信機220は、基地局260によって無線チャネルを通じて送信された電波を受信することに留意されたい。ユーザ装置の回路230は、下位層からのすでに復調されたデータおよび/または制御データを受け取る。
【0049】
ユーザ装置210に対応して、本開示は、通信システムにおいて、ユーザ装置からのデータを受信する、および/または、ユーザ装置にデータを送信する、基地局260、をさらに提供する。本基地局は、例えば、eNodeB(eNB)、またはNRにおける類似するエンティティ(現時点ではgNBと称されている)とすることができる。さらに本開示は、中継ノード(本明細書に記載されている基地局として扱われる中継ノード、または本明細書に記載されているユーザ装置として扱われる中継ノードのいずれか)にも適用可能である。基地局260(または、より具体的には基地局260に含まれている送受信機270)は、複数のアンテナを備えており、これらのアンテナは、動作時、データを送信する、または受信する。さらに、基地局260は回路280を備えており、この回路280は、動作時、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータを、送受信機270を介して送信する。さらに基地局260の回路280は、動作時、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成する。したがって基地局は、UEのスケジューリングを実行することができ、すなわち、送信または受信のためのリソースをUEに割り当てて、送信パラメータおよび受信パラメータに適用される対応する設定(DCIに関して上述した、変調、符号化、レイヤおよびポートの設定など)をUEに提供することができる。基地局は、1基または複数基のUEに対してスケジューリングを実行することができる。さらに基地局260の回路280は、動作時、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの受信および/または送信のためにユーザ装置210によって適用されるべき1つの組合せ、を示す制御情報を、送受信機270を介して送信する。制御情報は、DCIに類似したものとすることができる。基地局は、ダウンリンクにおけるUEへのデータの送信をスケジューリングする制御情報を送信した後には、ポートとレイヤの組合せを使用して、割り当てたリソースにおいてダウンリンクでデータを送信する。アップリンクにおけるUEのデータ送信をスケジューリングする制御情報を送信した後には、基地局は、割り当てたリソースにおける、ポートへのレイヤのマッピングの組合せを使用してのデータを、アップリンクでUEから受信する。
【0050】
図2に示したように、基地局260は、送受信機270(すなわち無線チャネルを通じて電波を送信する送信機および受信する受信機)を備えている。送受信機270は、動作時、ユーザ装置210(基地局から受信された制御情報によって指示された、ポートへのレイヤのマッピングの示された組合せを適用する)によって送信されたデータの受信、および/または、データの送信、を実行する。送受信機270は、基地局の複数のアンテナを備えている。
【0051】
例えば、基地局260の回路280は、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、をさらに設定する。例えば基地局260は、回路280を使用して、ポート割当ての規則を定義するパラメータを設定し、このパラメータを複数のユーザ装置に送信する。
【0052】
さらには、例えば基地局260の回路280は、ユーザ装置210または複数のユーザ装置に適用される制御情報を、ユーザ装置210または複数のユーザ装置のそれぞれのレイヤ数に従ってさらに設定することができる。したがって基地局は、例えば、各ユーザ装置にそれぞれの制御情報を送る。
【0053】
参照信号用のそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則(ポート割当て規則)は、例えば、ポートのインデクシング(具体的にはポートのインデクシング列/ナンバリング列)をさらに定義する。すなわち各ポート(したがって所与のポートに割り当てられるリソース成分の特定のセット)に対して、ポートのインデクシング列によってポート番号(インデックス)が決まる。このようなポートのインデクシング列が定義されている場合、ポートへのレイヤのマッピングの組合せが基づくマッピングにおいて、ポートをそれらのインデックスによって示すことができる。
【0054】
特に、ポート割当て規則によってポートのインデクシングが定義される場合、マッピングは、例えば以下を指定することができる。
1) ポートへのレイヤのマッピングの各組合せのレイヤは、連続的にインデックス化されたポートにマッピングされる(「連続的なマッピング」)。すなわち、ポートへのレイヤのマッピングの各組合せにおいて、ポートインデックスの間に間隔があかない。
2) 第2の構成より高いランクを有する第1の構成の各レイヤは、第2の構成の任意のレイヤがマッピングされる各ポートより小さいインデックスを有するポートにマッピングされる(ランクは構成のレイヤ数である)(「より高いランクの優先性」)。すなわち、より高いランクを有する(すなわち、ポートにマッピングされる、より多くのレイヤ(例えば少なくとも2つのレイヤ)を有する)ユーザ端末が、「最初に」(すなわち、より低いランク(例えば1つのみのレイヤ)を有する別のユーザ端末より小さいポート番号のポートに)マッピングされる。
【0055】
ポートへのレイヤのマッピングにおける柔軟性が高まるとき、上のマッピング原則1)および原則2)によって、ポートへのレイヤのマッピングの利用可能な組合せの総数が減少する。したがって、ポートへのレイヤのマッピングの組合せがインデックス化されている場合、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのインデックスの数が減少し、制御情報において、ポートへのレイヤのマッピングの組合せに対応するそれぞれのインデックスを示してシグナリングするために必要なビットがより少ない。
【0056】
ポートへのレイヤのマッピングの原則1)および原則2)の適用の例を、表2に示してある。各行において、インデックスは、ポートへのレイヤのマッピングの組合せ(すなわち、所与のユーザ装置のレイヤの数と、これらのレイヤをマッピングすることのできるポート(ポートインデックス/番号)を示す。原則1)および原則2)を通じて除外されるマッピングの組合せには、取り消し線を付してある。表2は、NR用に提案されるDMRS構成1の例えば1シンボルDMRSに対応する4つの直交ポートを示している。
【表2】
【0057】
例えば、マッピング原則1)および2)が組み合わされる。表2において、連続的なマッピング(原則1))の理由で利用できないマッピング設定には、アスタリスク(*)を付してある。原則1)に加えて原則2)(「より高いランクの優先性」)が適用される理由で利用できない設定には、ハッシュ記号(#)を付してある(原則1)かつ原則2))。
【0058】
しかしながら別の例として、上記の、ポートへのレイヤのマッピングの原則1)および原則2)のそれぞれを、単独で適用することができる。
【0059】
さらには、原則1)および原則2)の適用は、表2に示したような1シンボルDMRS構成1に限定されない。より大きいポート数の別のDMRS構成にも、原則1および原則2)を同様に適用することができ、この場合には減少効果はさらに著しく、なぜなら、合計ポート数が大きいほど、原則1および原則2)のいずれかを通じた除外の対象となる、ポートへのレイヤのマッピングの利用可能な組合せが多いためである。これと同時に、残りの利用可能なポートと、DMRS構成タイプ1およびタイプ2が利用可能であることにより提供される柔軟性の理由で、十分な柔軟性を提供することができる。
【0060】
参照信号は、例えば、前方配置参照信号(特に、前方配置DMRS)である。したがって、データを復調する前に、DMRSに基づくチャネル品質推定を実行することができ、したがって、データ復調の低レイテンシを達成することができる。しかしながら本開示は、前方配置参照信号に限定されない。データフレームの任意のシンボルにDMRSを配置することもできる。
【0061】
参照信号を伝えるリソースは、時間領域における1つまたは複数のシンボルに位置する。例えば、参照信号は、NRに関してなされた合意に従って、1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSに相当することができる。2シンボルDMRSの場合、TD-OCCが、参照信号を伝えるリソースの1つを構成する。しかしながら本開示は、1シンボルの参照信号または2シンボルの参照信号に限定されず、データセクションの最初(前方配置)または他の位置に参照信号を割り当てるための3以上のシンボル数を使用することができる。
【0062】
ユーザ装置210および基地局260に既知であるマッピングは、例えば、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのインデクシングを暗黙的に含む。表2の例では、ポートへのレイヤのマッピングの組合せの、結果としてのインデックスは、表の「インデックス」列内の数に相当する。表2の例では、ポートへのレイヤのマッピングの、15個のインデックス化された組合せが存在し、これらの組合せのすべてが1シンボルDMRSに対応する。
【0063】
しかしながら別の例では、ポートへのレイヤのマッピングの組合せが、時間領域における1個のシンボルを使用する組合せと2個以上のシンボルを使用する組合せの両方を含めて、連続的にインデックス化される。すなわち、1シンボルを使用する組合せと、2シンボルを使用する組合せの両方を通じた、共通のインデックスが形成される。例えば、最初の方の(小さい)インデックスが1シンボルの組合せを示し(例:インデックス1~15)、そのあとに、2シンボルの設定のインデックス(例:インデックス16~63)が続き、そのあとに、3シンボルの組合せ(利用可能な場合)が続く(以下同様)。1シンボルの参照信号を使用するマッピングの組合せと、2個以上のシンボルの参照信号を使用するマッピングの組合せの両方を含む、このような連続的なインデックスを有する場合、特定のマッピング設定を示すことによって、1シンボルの参照信号が存在するのか、2シンボルの参照信号が存在するのか、または任意の別の数のシンボルの参照信号が存在するのかが、暗黙的に示される。
【0064】
ポートに割り当てられるリソースは、例えば、第1のリソース成分構成または第2のリソース成分構成に従って、2つのリソース成分を含む。第1のリソース成分構成は、リソース成分として、コームおよび巡回シフトを含む。コームは、サブキャリアの区別を定義し、1つおきのサブキャリアインデックスを有するサブキャリアが、相異なるコームにグループ化される。したがって第1のコームは、奇数のサブキャリアインデックスを有するサブキャリアから成り、第2のコームは、偶数のサブキャリアインデックスを有するサブキャリアから成る。第2のリソース成分構成は、周波数分割多重および周波数分割直交カバーコード(OCC)を含む。特に、第1のリソース成分構成および第2のリソース成分構成は、上述した構成タイプ1および構成タイプ2にそれぞれ対応する。基地局260は、動作時、第1のリソース成分構成および第2のリソース成分構成のどちらが使用されるかを設定し、第1のリソース成分構成が使用されるのか第2のリソース成分構成が使用されるのかを示すインジケータ(すなわちシグナリング情報)を、ユーザ装置210に送信する。ユーザ装置210の回路230は、動作時、このインジケータをユーザ装置の送受信機220を介して受信する。リソース成分構成のインジケータは、例えば、システム情報、測定の設定および報告など複数の機能領域をカバーする無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)プロトコルを介して、送信/受信される。
【0065】
より一般的には、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータは、例えば、RRCプロトコルを介して基地局によって送信され、送信機によって受信される。
【0066】
ポートに割り当てられるリソースは、例えば、巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードのいずれかを含む。基地局260の回路280は、例えば、第1のポートに適用される第1の巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードの割当てと、この第1の巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードとは異なる、第2のポートに適用される第2の巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードの割当てと、を設定する。複数のアンテナのうちの第1のアンテナは、動作時、第1のポートを使用してデータを受信または送信し、複数のアンテナのうちの第2のアンテナは、動作時、第2のポートを使用してデータを受信または送信する。参照信号は、1シンボル参照信号または2個以上のシンボルの参照信号とすることができ、2個以上のシンボルの参照信号の場合、ポートに割り当てられるリソースは、例えば、TD-OCCをさらに含む。
【0067】
本開示の例によれば、基地局260は、ユーザ装置210による送信および/または受信用に割り当てられる1つまたは複数のキャリア周波数を決定し、どのキャリア周波数が割り当てられるかを示すインジケータを送信する。ユーザ装置210はこのインジケータを受信する。ユーザ装置210の回路230は、送信および/または受信用に割り当てられたキャリア周波数に従って、各ポートが1個のシンボルにマッピングされるのか、ポートが1個または2個のシンボルにマッピングされるのかを設定する。
【0068】
したがって、各ポートに対して1シンボルDMRSを使用するか、1シンボルDMRSおよび/または2シンボルDMRSの両方が使用可能であるかに関して、2つのバリエーションを開示する。バリエーション1では、すべての周波数において多重化方式に関する制約が指定されない。したがってポートは、1個または2個のシンボルにマッピングされる。これに対してバリエーション2では、特定のしきい値(例えば6GHz)より高いキャリア周波数の場合に2シンボルDMRS(したがってTD-OCC)が許可されない。
【0069】
例えば、基地局260が、送信/受信用に割り当てられるキャリア周波数を指定するキャリアインジケータフィールド(CIF)を送信し、ユーザ装置210がこれを受信する。したがってユーザ装置210の回路230は、動作時、上のバリエーション2に従って各ポートが1個のシンボルにマッピングされるのか、バリエーション2に従ってポートが1個または2個のシンボルにマッピングされるのかを、CIFを介してシグナリングされた周波数(または周波数間隔)に基づいて設定する。
【0070】
さらに本開示は、通信システムにおいて、複数のアンテナを使用して、ユーザ装置210によって基地局260にデータを送信する、および/または、ユーザ装置210によって基地局260からのデータを受信する、方法、を提供する。本方法は、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を受信するステップと、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成するステップと、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの送信および/または受信に適用されるべき1つの組合せを示す制御情報を、基地局から受信するステップと、を含む。
【0071】
さらに、本開示は、複数のアンテナを使用して、基地局260によってユーザ装置210からのデータを受信する、および/または、基地局260によってユーザ装置210にデータを送信する、方法であって、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を送信するステップと、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成するステップと、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの受信および/または送信に適用されるべき1つの組合せを示す制御情報を、ユーザ装置に送信するステップと、を含む、方法、を提供する。
【0072】
本開示の非限定的かつ例示的な実施形態においては、システムレベルの情報、RRCシグナリング、および/またはPDCCHシグナリングから入力パラメータを取得して、これらのパラメータを利用し、事前定義された規則/原則に基づいて、前方配置DMRSポートのインデクシング列、ポートへのレイヤのマッピング、および、所与の構成タイプにおける1シンボルの前方配置DMRSまたは2シンボルの前方配置DMRSの指示情報、を生成する、枠組み、を提案する。本開示は、以下を含む。
1. 新規のパラメータ(DMRSポートのインデクシングタイプ)の定義およびシグナリング
2. ポートへのレイヤのマッピングの柔軟な組合せを生成するための原則
3. 1シンボル前方配置DMRSまたは2シンボル前方配置DMRSを示すシグナリング
【0073】
図3は、DMRSポートのインデクシング、ポートへのレイヤのマッピング、および、前方配置DMRS構成それぞれにおける1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSの指示情報、のための例示的な枠組み、を示している。以下のステップが図3に示してある。
1. 以下のパラメータまたはより多くのパラメータの値が、送信機/受信機220,270の両方の側に(すなわち、ユーザ装置210および/または基地局260によるデータの送信および/または受信用に)示される。
a) キャリア周波数は、送信機または受信機に既知であるシステム情報を構成する。
b) 前方配置DMRS構成タイプは、RRCを介して送信機/受信機にシグナリングされる。
c) DMRSポートのインデクシングタイプは、新規のパラメータによってRRCまたはPDCCHを介して送信機/受信機にシグナリングされる。
c)による新規のパラメータがRRCを介して設定される場合、このパラメータによって、ポートへのレイヤのマッピングの組合せの数を、制御シグナリングのオーバーヘッドを増大させることなく2倍に増やすことができる。
2. 上のパラメータに基づいて、ポートのインデクシング列が定義され、それに応じて直交DMRSポートがナンバリングされる。
3. これに続いて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットをリストする、ポートへのレイヤのマッピングテーブルが、(1つまたは複数の)事前定義された規則に基づいて生成される。これらの規則は、特に、マッピング原則1)および原則2)を意味する。
これにより、特に多数の直交ポートの場合に(例えば、ポートが割り当てられるリソースが2シンボルDMRSを含むとき)、オーバーヘッドを穏当に維持しながら、従来技術と比較して増大した柔軟性を提供することができる。さらに、MU-MIMOのための直交マッピングを達成することができる。
4. テーブルのサイズに基づいて、組合せを格納するためのビットマップのサイズが定義される。
5. 次に、任意の所与のシナリオにおいて、ポートへのレイヤのインデクシング(layer-to-port indexing)をPDCCHシグナリングを使用してユーザに示す。
【0074】
図3に示したように、本開示の一態様は、DMRSポートのインデクシング列を扱う。現在のLTEでは、DMRSポートには、シナリオにかかわらず固定された番号が割り当てられる。例えば、非特許文献3の29.1.1節に示されているように、LTEのダウンリンクでは、ポート番号p7~p14のポートが直交DMRSポートに割り当てられる。しかしながら本開示によれば、NRではポート番号の割当てが柔軟であるべきであり、なぜなら異なるポートにおいて多重化方式が異なるためである。ポートインデックスを柔軟に割り当てることができることにより、ポートへのレイヤのマッピングの組合せの課題に別の次元が加わる。実際に、ポートへのレイヤのマッピングテーブルは、DMRSポートインデクシングに関するこの柔軟性に透過的である。これにより、恩恵として、RRCによって設定されるときには制御シグナリングのオーバーヘッドを増大させることなく、ポートへのレイヤのマッピングの組合せの数が2倍に増える。
【0075】
これに続いて、十分な柔軟性を維持しながら、ポートへのレイヤの組合せの数を相当に減らすための(1つまたは複数の)規則を定義することを開示する。組合せの数を減らすための単一の規則または一連の規則のいずれかを定義することができる。全般的な原則を単独で適用する、または、より厳しい規則と組み合わせて組合せの数をさらに減らすことができる。LTEでは、所与のユーザのコードワードの数に応じて、2つの個別のテーブルが定義されている。提案する全般的な原則は、このように1つまたは複数のコードワード用に個別のテーブルを有し得ることと両立して使用できるように適用される。
【0076】
以下では、所与の前方配置DMRS構成における1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSの存在を示すためのシグナリングがどのように扱われるかについて説明する。提案するメカニズムの完全な例を以下に示す。この例では、本メカニズムは、図1Cおよび図1Dに示した構成タイプ2のDMRS構成に適用される。しかしながら本開示によれば、本メカニズムは、構成タイプ1の設定にも同様に適用することができる。
【0077】
1. 最初に、RRCが、例えば以下のパラメータ値をシグナリングする。
・ キャリア周波数: 4GHz
・ 前方配置DMRS構成タイプ: 2
【0078】
これらのパラメータに基づく、前方配置DMRS構成タイプ2の場合の1シンボルDMRSおよび2シンボルDMRSそれぞれにおける2つのDMRSポートインデクシングタイプ(すなわちポートナンバリングタイプ)を、以下に示す。
図4Aに示した1シンボルDMRSポートのインデクシングタイプ1(FDM->FD-OCC)。このナンバリングタイプは、2つのポートまたは3つのポートの場合に、周波数領域における、より大きなダイバーシチを利用するために適している。
図4Bに示した1シンボルDMRSポートのインデクシングタイプ2(FD-OCC->FDM)。このナンバリングタイプは、2つのポート、3つのポート、または4つのポートの場合にデータ多重化のためのリソースを残すために適している。
図5Aに示した2シンボルDMRSポートのインデクシングタイプ1(FDM->FD-OCC+TD-OCC)。このナンバリングタイプは、2つのポートまたは3つのポートの場合に、周波数領域における、より大きなダイバーシチを利用するために適している。
図5Bに示した2シンボルDMRSポートのインデクシングタイプ2(FD-OCC+TD-OCC->FDM)。このナンバリングタイプは、4つのポートまたは8つのポートの場合に、周波数領域における、より大きなダイバーシチを利用するために適している。
【0079】
図4A図4B図5A、および図5Bにおいて、それぞれのFDMグループは、図1Cおよび図1Dにおけるそれぞれの表示内容に従って示してある。
【0080】
2. 2番目に、例えばRRCまたはPDCCHによって設定されるDMRSポートインデクシングタイプ1を選択する。インデクシングタイプ1の場合、ポートのインデクシング列は、順序FDM→FD-OCC(1シンボルDMRS)または順序FDM→FD-OCC+TD-OCC(2シンボルDMRS)に従って、生成される。例えば「FDM→FD-OCC」は、最初にポートインデックス(P1~P3)が、同じFD-OCC(例えば{1,1})を有するポートを対象にすべてのFDMグループにわたり順に値が大きくなり、次にポートインデックス(P4~P6)が、他方のFD-OCC({1,-1})を有するポートを対象に同じ順序でFDMグループにわたり再び順に値が大きくなることを意味する。同様に、FD-OCC→FDMの場合には、最初にインデックスが、例えばすべてのFDMグループを有する{1,1}ポートにわたり順に値が大きくなり、次に、FDMグループの同じ順序を維持しながらすべての{1,-1}ポートにわたり順に値が大きくなる。本開示は、FDMグループまたはFD-OCCの特定の順序に限定されず、例えばFD-OCCの順序は、上記に代えて最初に{1,-1}、2番目に{1,1}でもよい。
【0081】
3. 次に、ポートへのレイヤのマッピングを含むテーブルを生成する。原則「より高いランクが、連続するDMRSポートに最初にマッピングされ、その後に、より低いランクが連続的にマッピングされる」(すなわちポートへのレイヤのマッピングの前述した原則1)および原則2)の組合せ)に基づいて、以下のテーブルが、1シンボルDMRS(テーブル3)および2シンボルDMRS(テーブル4)の両方を対象にそれぞれ生成される。これらのテーブルにおいて、「状態」は、ポートへのレイヤのマッピング設定のインデックスを示す(表2の「インデックス」列に対応する)。
【表3】
【表4】
【0082】
表3および表4から理解できるように、1シンボルDMRSは、4ビットのフィールドによって示すことのできる15個の状態を有し、2シンボルDMRSは、6ビットのフィールドによって示すことのできる48個の状態を有する(いくつかの状態は予約される)。さらに、1シンボルDMRSおよび2シンボルDMRSの両方の状態が結合される(すなわち1シンボルマッピング設定および2シンボルマッピング設定の両方にわたり順に値が大きくなるインデックスによって連続的にインデックス化される)ならば、合計数は63であり、これは依然として6ビットのフィールドによって示すことができる。表3の1シンボルのポートへのレイヤのマッピングの組合せと、表4の2シンボルのポートへのレイヤのマッピングの組合せとを結合するインデクシング列を生成し、結合されたインデクシング列からインデックスを選択することによって、1シンボルDMRSが使用されるのか2シンボルDMRSが使用されるのかが、暗黙的に示される。したがって、1シンボルDMRSの存在または2シンボルDMRSの存在を明示的にシグナリングするための追加のビットが必要ない。そうではなく、所与の結合の1シンボルDMRSおよび2シンボルDMRSの両方について、データ送信に適用されるレイヤとポートの対応(layer-to-port)をシグナリングするために、1つのビットマップが使用される。したがって、1シンボルDMRSが存在するのか2シンボルDMRSが存在するのかを、追加のビット(例えば1シンボルDMRS/2シンボルDMRSを示すフラグ)を必要とせずに暗黙的に示す方法である。
【0083】
以下では、上のパラメータを使用する例示的なケースとして、3つのユーザ/ユーザ装置が存在するケースを考える。ユーザ1は4つのレイヤを有し、ユーザ2は6つのレイヤを有し、ユーザ3は2つのレイヤを有する。これに応じて、ユーザ2がP1~P6にマッピングされ、ユーザ1(すなわちユーザ1のレイヤ)がP7~P10にマッピングされ、ユーザ3がP11~P12にマッピングされ、以下のビットマップが各ユーザにそれぞれ送信される(1つのビットマップを使用して状態が結合されている)。
・ ユーザ1: インデックス(15+34)49->110001
・ ユーザ2: インデックス(15+41)55->110111
・ ユーザ3: インデックス(15+22)37->100101
【0084】
以下では、構成タイプおよびキャリア周波数に従ってのポートへのリソースの割当ての非限定的な例を提供する。
【0085】
センチメートル波/ミリ波の周波数帯域(すなわち6GHzより高い周波数の周波数帯域)および前方配置DMRS構成タイプ1の場合には、ポートの順序のシグナリングに応じて、TD-OCCが許可されないときには)「コーム->CS」または「CS->コーム」が選択され、許可される場合には「コーム->TD-OCC->CS」または「TD-OCC->CS->コーム」が選択され、より高いランクが、連続するDMRSポートに最初にマッピングされ、そのあとに、より低いランクが連続的にマッピングされ、シグナリングには単一のビットマップが使用される。
【0086】
センチメートル波/ミリ波の周波数帯域および前方配置DMRS構成タイプ2の場合には、ポートの順序のシグナリングに応じて、TD-OCCが許可されないときには「FDM->FD-OCC->ScID」または「FD-OCC->ScID->FDM」が選択され、許可される場合には「FDM->FD-OCC->TD-OCC」または「FD-OCC->TD-OCC->FDM」が選択され、より高いランクが、連続するDMRSポートに最初にマッピングされ、そのあとに、より低いランクが連続的にマッピングされ、シグナリングには単一のビットマップが使用される。
【0087】
センチメートル波/ミリ波の周波数帯域より低い周波数および前方配置DMRS構成タイプ1の場合には、ポートの順序のシグナリングに応じて、「コーム->TD-OCC->CS」または「TD-OCC->CS->コーム」が選択され、より高いランクが、連続するDMRSポートに最初にマッピングされ、そのあとに、より低いランクが連続的にマッピングされ、シグナリングには単一のビットマップが使用される。
【0088】
センチメートル波/ミリ波の周波数帯域より低い周波数および前方配置DMRS構成タイプ2の場合には、ポートの順序のシグナリングに応じて、「FDM->FD-OCC->TD-OCC」または「FD-OCC->TD-OCC->FDM」が選択され、より高いランクが、連続するDMRSポートに最初にマッピングされ、そのあとに、より低いランクが連続的にマッピングされ、シグナリングには単一のビットマップが使用される。
【0089】
表5および表6にも、DMRSポートのインデクシングタイプが示してある。さらなるオプションも可能であるが、必ずしも必要ではない。
【表5】
【表6】
【0090】
一般的な一態様においては、本開示は、通信システムにおいて、複数のアンテナを使用して、基地局にデータを送信する、および/または、基地局からのデータを受信する、ユーザ装置、を提供する。本ユーザ装置は回路を備えており、この回路は、動作時、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を受信し、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成し、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの送信および/または受信に適用されるべき1つの組合せ、を示す制御情報を、基地局から受信する。
【0091】
これにより、穏当なシグナリングオーバーヘッドを維持しながら、ポートへのレイヤの柔軟なマッピングと、さまざまな前方配置DMRS構成内での1シンボルDMRSまたは2シンボルDMRSを柔軟に設定することが促進される。
【0092】
例えば、規則は、ポートのインデクシング列をさらに定義し、マッピングは、各組合せのレイヤが、連続的にインデックス化されるポートにマッピングされることを指定する。
【0093】
例えば、マッピングは、第2の構成より高いランクを有する第1の構成の各レイヤが、第2の構成の任意のレイヤがマッピングされる各ポートより小さいインデックスを有するポートにマッピングされることをさらに指示し、ランクは構成のレイヤの数である。
【0094】
これらの規則は、ポートへのレイヤのマッピングの組合せの穏当な数を維持する一方で、同時に、ポートへのレイヤのマッピングの柔軟な組合せを提供することを促進する。
【0095】
いくつかの実施形態においては、参照信号を伝えるリソースは、時間領域における1つまたは複数のシンボル上に位置する。
【0096】
マッピングは、例えば、ポートへのレイヤのマッピングの組合せをインデックス化することを暗黙的に含み、これらの組合せは、時間領域における1個のシンボルを使用する組合せと2個以上のシンボルを使用する組合せの両方を含めて連続的にインデックス化される。
【0097】
これにより、1つの参照信号を使用する組合せが使用されるのか2つ以上の参照信号を使用する組合せが使用されるのかを暗黙的に伝える方法が提供される。
【0098】
いくつかの例示的な実施形態においては、ポートに割り当てられるリソースは2つのリソース成分を含み、第1のリソース成分構成が、参照信号のコームおよび巡回シフトを含み、コームは、奇数のサブキャリアインデックスを有するサブキャリアまたは偶数のサブキャリアインデックスを有するサブキャリアのいずれかから構成され、第2のリソース成分構成が、周波数分割多重および周波数分割直交カバーコード(OCC)を含み、ユーザ装置の回路は、動作時、第1のリソース成分構成が使用されるのか第2のリソース成分構成が使用されるのかを示すインジケータを、基地局からさらに受信する。
【0099】
例えば、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータは、無線リソース制御(RRC)プロトコルを介して受信される。
【0100】
これにより、ポートへのレイヤのマッピングの組合せの数を、シグナリングオーバーヘッドを増大させることなく増やすことが促進される。
【0101】
いくつかの実施形態においては、ユーザ装置の処理回路は、動作時、送信および/または受信用に割り当てられたキャリア周波数に従って、各ポートが1個のシンボルにマッピングされるのか、ポートが1個または2個のシンボルにマッピングされるのかを設定する。
【0102】
例えば、ユーザ装置の回路は、動作時、キャリア周波数を指定するキャリアインジケータフィールド(CIF)をさらに受信する。
【0103】
いくつかの実施形態においては、参照信号は、前方配置復調参照信号である。
【0104】
いくつかの実施形態においては、ユーザ装置は送受信機をさらに備えており、送受信機は、動作時、ポートへのレイヤのマッピングの示された組合せを適用して、データの送信および/または受信を実行する。
【0105】
通信システムにおいて、ユーザ装置からのデータを受信する、および/または、ユーザ装置にデータを送信する、基地局であって、動作時にデータを送信または受信する複数のアンテナと、動作時、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を送信し、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成し、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの受信および/または送信に適用されるべき1つの組合せを示す制御情報を、ユーザ装置に送信する、回路と、を備えている、基地局、をさらに提供する。
【0106】
いくつかの実施形態においては、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータは、無線リソース制御(RRC)プロトコルを介して送信される。
【0107】
さらに、いくつかの実施形態においては、基地局の回路は、動作時、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、をさらに設定する。
【0108】
例えば、ポートに割り当てられるリソースは、巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードのいずれかを含み、回路が、動作時、第1のポートに適用される第1の巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードの割当てと、この第1の巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードとは異なる、第2のポートに適用される第2の巡回シフトまたは周波数分割直交カバーコードの割当てと、をさらに設定し、複数のアンテナのうちの第1のアンテナが、動作時、第1のポートを使用してデータを受信または送信し、複数のアンテナのうちの第2のアンテナが、動作時、第2のポートを使用してデータを受信または送信する。
【0109】
一般的な別の態様によれば、通信システムにおいて、複数のアンテナを使用して、ユーザ装置によって基地局にデータを送信する、および/または、ユーザ装置によって基地局からのデータを受信する、方法であって、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を受信する方法ステップと、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成する方法ステップと、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの送信および/または受信に適用されるべき1つの組合せを示す制御情報を、基地局から受信する方法ステップと、を含む、方法、を開示する。
【0110】
複数のアンテナを使用して、基地局によってユーザ装置からのデータを受信する、および/または、基地局によってユーザ装置にデータを送信する、方法であって、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を送信するステップと、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成するステップと、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの受信および/または送信に適用されるべき1つの組合せを示す制御情報を、ユーザ装置に送信するステップと、を含む、方法、をさらに開示する。
【0111】
要約すれば、本開示は、ユーザ装置と、基地局と、ユーザ装置によってデータを送信/受信する方法と、基地局によってデータを受信/送信する方法と、を開示する。ユーザ装置は回路を備えており、この回路は、動作時、参照信号を伝えるためのそれぞれのリソースをポートに割り当てるための規則を定義するパラメータ、を受信し、ユーザ装置および基地局に既知であるマッピングに基づいて、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットを生成し、ポートへのレイヤのマッピングの組合せのセットのうち、データの送信および/または受信に適用されるべき1つの組合せ、を示す制御情報を、基地局から受信する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7