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特許7565472情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q20/24
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024109829
(22)【出願日】2024-07-08
【審査請求日】2024-07-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】石川 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】中本 敬大
(72)【発明者】
【氏名】白土 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】井上 陽介
(72)【発明者】
【氏名】小菅 みどり
(72)【発明者】
【氏名】爲本 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】小林 慧一
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-006658(JP,A)
【文献】特開2017-162205(JP,A)
【文献】[Googleウォレット]クレジットカードの表示名を変更する方法,online,2024年02月13日,1-4ページ,[検索日:2024年7月24日], <URL:https://blog-and-destroy.com/51575>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジットカードの発行依頼を取得する取得部と、
前記発行依頼に基づき、前記クレジットカードのカード番号を発行する発行部と、
利用者の一つのアカウントに対して複数の前記カード番号が発行される場合、前記利用者からの指示に基づき、複数の前記カード番号に対応する複数の前記クレジットカードごとに異なる任意の名称を付与する名称付与部と、
を備える情報処理装置と、
前記利用者が操作する利用者端末装置にインストールされた、コード情報を用いて電子決済を行う電子決済サービスを利用するためのアプリケーションプログラムと、
を備える情報処理システムであって、
前記アプリケーションプログラムは、前記利用者端末装置に、
前記電子決済サービスにおけるクレジット払いの際に、前記クレジットカードに付与された前記任意の名称を表示させ、
前記クレジットカードの親会員と家族会員との間で、前記家族会員の前記クレジットカードに対する前記任意の名称の付与を個別に受け付けさせ、
前記家族会員によって前記家族会員の前記クレジットカードに付与された前記任意の名称を、前記親会員が確認または変更するのを禁止させる、
情報処理システム
【請求項2】
前記利用者からの指示に基づき、前記クレジットカードに付与された前記任意の名称を変更する名称変更部を更に備える、
請求項1記載の情報処理システム
【請求項3】
前記カード番号を、電子決済サービスにおいてコード情報を用いて電子決済を行う決済サーバに提供することで、前記電子決済において前記クレジットカードを利用可能にするカード情報提供部を更に備える、
請求項1記載の情報処理システム
【請求項4】
前記任意の名称を前記クレジットカードに印字するための印字データを、前記クレジットカードを製造する製造会社のカード製造サーバに提供する印字データ提供部を更に備える、
請求項1記載の情報処理システム
【請求項5】
前記アプリケーションプログラムは、前記利用者端末装置に、
前記クレジットカードの請求金額を、前記任意の名称に対応付けて表示させる、
請求項記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記アプリケーションプログラムは、前記利用者端末装置に、
前記電子決済サービスの取引履歴画面において、決済金額、決済日時、および前記電子決済が行われた店舗を、前記任意の名称に対応付けて表示させる、
請求項記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記アプリケーションプログラムは、前記利用者端末装置に、
前記電子決済サービスのホーム画面において、前記コード情報を、前記任意の名称に対応付けて表示させる、
請求項記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記アプリケーションプログラムは、前記利用者端末装置に、
前記ホーム画面に表示される前記コード情報の背景画像を、前記利用者からの指示に基づき選択させる、
請求項記載の情報処理システム。
【請求項9】
情報処理装置が、
クレジットカードの発行依頼を取得し、
前記発行依頼に基づき、前記クレジットカードのカード番号を発行し、
利用者の一つのアカウントに対して複数の前記カード番号が発行される場合、前記利用者からの指示に基づき、複数の前記カード番号に対応する複数の前記クレジットカードごとに異なる任意の名称を付与し、
前記利用者によって操作され、コード情報を用いて電子決済を行う電子決済サービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされた利用者端末装置が、
前記電子決済サービスにおけるクレジット払いの際に、前記クレジットカードに付与された前記任意の名称を表示し、
前記クレジットカードの親会員と家族会員との間で、前記家族会員の前記クレジットカードに対する前記任意の名称の付与を個別に受け付け、
前記家族会員によって前記家族会員の前記クレジットカードに付与された前記任意の名称を、前記親会員が確認または変更するのを禁止する、
情報処理方法。
【請求項10】
利用者が操作する利用者端末装置にインストールされた、コード情報を用いて電子決済を行う電子決済サービスを利用するためのアプリケーションプログラムであって、
前記アプリケーションプログラムは、前記利用者端末装置に、
前記電子決済サービスにおけるクレジット払いの際に、クレジットカードに付与された任意の名称を表示させ、
前記クレジットカードの親会員と家族会員との間で、前記家族会員の前記クレジットカードに対する前記任意の名称の付与を個別に受け付けさせ、
前記家族会員によって前記家族会員の前記クレジットカードに付与された前記任意の名称を、前記親会員が確認または変更するのを禁止させる、
アプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の所有する利用者端末装置にコード情報を表示させ、このコード情報を店舗に設置された店舗端末装置に読み取らせることで、電子決済を実行する電子決済サービスが知られている。また、特許文献1には、電子決済サービスで利用可能なクレジットカードを決済サーバに登録する電子決済システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7311726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電子決済システムでは、利用者の一つのアカウントに対して複数のクレジットカードを登録した場合、利用者にとってクレジットカードを判別するのが難しい場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者の一つのアカウントに対して複数のクレジットカードを登録した場合であっても、利用者にとってクレジットカードを容易に判別することができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、クレジットカードの発行依頼を取得する取得部と、前記発行依頼に基づき、前記クレジットカードのカード番号を発行する発行部と、利用者の一つのアカウントに対して複数の前記カード番号が発行される場合、前記利用者からの指示に基づき、複数の前記カード番号に対応する複数の前記クレジットカードごとに異なる任意の名称を付与する名称付与部と、を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、利用者の一つのアカウントに対して複数のクレジットカードを登録した場合であっても、利用者にとってクレジットカードを容易に判別することができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(パターン1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(パターン2)である。
図4】決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図7】利用者端末装置200の構成図である。
図8】提携クレジットカード会社サーバ300の構成図である。
図9】カード情報372の内容の一例を示す図である。
図10】端末決済とカード決済のそれぞれの処理を概念的に示す図である。
図11】第1実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第1例を示すシーケンス図である。
図12】第1実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第2例を示すシーケンス図である。
図13】第1実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第3例を示すシーケンス図である。
図14】提携カード57のカード詳細画面の一例を示す図である。
図15】提携カード57を選択するためのハーフシートSH1の一例を示す図である。
図16】提携カード57のカード詳細画面の他の例を示す図である。
図17】提携カード57の表示名の変更画面の一例を示す図である。
図18】決済アプリ20のホーム画面の一例を示す図である。
図19】決済アプリ20の支払画面の一例を示す図である。
図20】決済アプリ20のウォレット画面の一例を示す図である。
図21】第2実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第1例を示すシーケンス図である。
図22】第2実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第2例を示すシーケンス図である。
図23】第2実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第3例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。アプリケーションプログラムと決済サーバおよび提携クレジットカード会社サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
<第1実施形態>
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置200、一以上の第1店舗端末装置50、一以上のクレジット処理端末55、一以上の第2店舗端末装置70、提携クレジットカード会社サーバ300、およびショッピングサーバ400のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
利用者端末装置200は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置200は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置200では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置200にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
クレジット処理端末55は、第1店舗端末装置50と同様に、店舗に設置される。クレジット処理端末55は、例えば、クレジット決済端末(クレジットカードリーダー)と、POS装置を含む。クレジット決済端末は、挿入され又は翳されたクレジットカード(提携カード57を含む)からPIN(Personal Identification Number)を読み取って利用者により入力されたPINと照合したり、クレジットカードから読み取ったBIN(Bank Identification Number)コード等を、POS装置を介して提携クレジットカード会社サーバ300に送信したりする。POS装置は、クレジット決済端末と協働して決済額等の情報を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する。クレジット処理端末55と提携クレジットカード会社サーバ300の間に、立替払取次業者サーバ(acquirer)が介在してもよい。以下では説明を簡略化するために、立替払取次業者サーバについての記述を省略する。提携カード57は、例えば、一般的に普及しているクレジットカードと同様の態様のものであり、通信チップがカード基材に埋め込まれたものである。通信チップはPINを記憶した記憶媒体を内蔵し、コンタクタ(或いは無線アンテナ)を介して外部装置と通信する。これに代えて、提携カード57は磁気カードであってもよい。
【0014】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置200が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0015】
決済サーバ100は、利用者端末装置200または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0016】
提携クレジットカード会社サーバ300は、電子決済サービスの一部である提携クレジットカード決済を管理する。提携クレジットカード会社サーバ300は、例えば、決済サーバ100のグループ会社(提携クレジットカード会社)によって運営される。提携クレジットカード会社は、チャージ残高にチャージするファンドソース(資金源)としてのクレジットカードを提供する外部クレジットカード会社とは別事業者であってよい。
【0017】
ショッピングサーバ400は、インターネットを通じて商品を購入するためのサービスを提供するサーバである。ショッピングサーバ400は、提携クレジットカード会社のグループ会社(ショッピング会社)によって運営される。例えば、ショッピングサーバ400は、インターネットを介してショッピングサイトを提供し、利用者端末装置200からの要求に応じて商品の購入処理を行ってもよい。また、ショッピングサーバ400は、インターネットを介してオークションサイトを提供してもよい。
【0018】
カード製造サーバ500は、提携カード57を製造する製造会社のサーバである。例えば、カード製造サーバ500は、物理カードに印字することで提携カード57を製造する印字装置に接続されており、提携クレジットカード会社サーバ300から印字データ(カード番号、氏名、有効期限、表示名等)を受信し、受信した印字データに基づいて印字装置を制御する。
【0019】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0020】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置200が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置200に入力する(S5)。そして、利用者端末装置200は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0021】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置200の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0022】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0023】
[決済サーバ]
図4は、決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、記憶部170とを備える。決済コンテンツ提供部120、決済処理部130、および情報管理部140は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0024】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176などの情報が格納される。
【0025】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0026】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置200に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置200に提供する。利用者端末装置200は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0027】
決済処理部130は、利用者端末装置200または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0028】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、クレジット払い設定、クレジット払い枠、クレジット払い利用額、クレジット払い利用可能額、決済方法設定、提携カード番号、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、および利用者IDなどの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0029】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。クレジット払い設定は、クレジット払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。クレジット払い枠は月ごとに利用可能なクレジット払いの限度額であり、クレジット払い利用額は、当月に既に利用されたクレジット払いの金額であり、クレジット払い利用可能額は、クレジット払い枠からクレジット払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能なクレジット払いの金額である。図ではクレジット払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方がクレジット払い枠に設定されてよい。クレジット払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、クレジット払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。提携カード番号は、提携カード57の番号(例えばPAN(Primary Account Number))である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。このクレジットカード番号は、提携カード57とは別のクレジットカードの番号である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。利用者IDは、提携クレジットカード会社サーバ300において利用者を識別するための識別情報である。なお、決済サーバ100と提携クレジットカード会社サーバ300との間でアカウント連携がされていない利用者については、利用者IDの欄が空欄となる。
【0030】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0031】
情報管理部140は、利用者端末装置200や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0032】
[利用者端末装置]
図7は、利用者端末装置200の構成図である。利用者端末装置200は、例えば、通信部210と、表示部220と、入力部230と、制御部240と、記憶部250とを備える。通信部210は、ネットワークNWを介して通信するための通信インターフェースである。表示部220および入力部230は、例えばタッチパネルディスプレイにより実現される。
【0033】
制御部240は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部を含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0034】
記憶部250は、HDD、フラッシュメモリ、またはRAM等である。記憶部250は、利用者端末装置200がネットワークを介してアクセス可能なNAS装置であってもよい。記憶部250には、利用者情報252および決済アプリ20等が格納される。利用者情報252は、図5に示される利用者情報172のうち、利用者端末装置200を所有する利用者に対応するレコードの一部または全部の情報である。決済アプリ20は、利用者端末装置200内のハードウェアプロセッサ(CPU等)によって読み取られ、実行される。
【0035】
[提携クレジットカード会社サーバ]
図8は、提携クレジットカード会社サーバ300の構成図である。提携クレジットカード会社サーバ300は、例えば、通信部310と、受付部315と、本人確認情報取得部320と、カード情報提供部325と、認証部330と、確認部335と、発行依頼取得部340と、発行部345と、名称付与部350と、名称変更部355と、印字データ提供部360と、記憶部370とを備える。通信部310は、ネットワークNWを介して通信するための通信インターフェースである。
【0036】
受付部315、本人確認情報取得部320、カード情報提供部325、認証部330、確認部335、発行依頼取得部340、発行部345、名称付与部350、名称変更部355、および印字データ提供部360は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部を含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0037】
記憶部370は、HDD、フラッシュメモリ、またはRAM等である。記憶部370は、提携クレジットカード会社サーバ300がネットワークを介してアクセス可能なNAS装置であってもよい。記憶部370には、カード情報372等が格納される。
【0038】
図9は、カード情報372の内容の一例を示す図である。カード情報372は、例えば、提携カード番号、利用者ID、電話番号、氏名・住所・生年月日、銀行口座、表示名、決済方法設定、およびアカウントIDなどの情報が対応付けられたものである。提携カード番号は、提携カード57の番号(例えばPAN)である。利用者IDは、提携クレジットカード会社サーバ300において利用者を識別するための識別情報である。電話番号および氏名・住所・生年月日は、後述する本人確認処理で利用される情報であり、利用者の電話番号および氏名・住所・生年月日である。銀行口座は、提携カード57の使用によって発生した請求金額の引き落とし先の銀行口座に関する情報である。表示名は、利用者が提携カード57に対して任意に設定できるニックネームである。決済方法設定およびアカウントIDは、図5の利用者情報172に含まれるものと同じ情報であり、決済サーバ100との間で同期連携がなされている。なお、決済サーバ100と提携クレジットカード会社サーバ300との間でアカウント連携がされていない利用者については、決済方法設定およびアカウントIDの欄が空欄となる。また、カード情報372は、提携カード57の有効期限およびセキュリティコード等の情報を含んでいてもよい。
【0039】
ここで、端末決済とカード決済について説明する。図10は、端末決済とカード決済のそれぞれの処理を概念的に示す図である。以下に説明するように、電子決済サービスは、(1)端末決済/チャージ残高による支払い、(2)端末決済/クレジット払いによる支払い、(3)カード決済/チャージ残高による支払い、(4)カード決済/クレジット払いによる支払いの4パターンの電子決済を行うことができる。
【0040】
[端末決済]
(1)決済サーバ100(決済処理部130)が、利用者端末装置200または第1店舗端末装置50から決済情報を取得すると、端末決済が開始される。決済サーバ100は、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済サーバ100は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、自身の処理によって電子決済を行う。この場合、決済処理部130が、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0041】
(2)端末決済において決済サーバ100は、「決済方法設定」が「クレジット払い」に設定されている利用者に関して、利用者情報172を参照して得られる当該利用者の提携カード番号と共に、決済情報を提携クレジットカード会社サーバ300に転送する。提携クレジットカード会社サーバ300は、決済情報の示す決済額の累計が当月の上限を超えていないかどうかを確認し、上限を超えていない場合は取得した決済額を当該利用者の決済額の累計に加算するなどの処理を行う。決済額の累計金額は、例えば、一か月分まとめて翌月の支払日に銀行口座からの引き落とし等によって決済される。
【0042】
[カード決済]
(3)提携クレジットカード会社サーバ300がクレジット処理端末55から決済情報を取得すると、提携カード57を用いた電子決済(カード決済)が開始される。提携クレジットカード会社サーバ300は、記憶部370に記憶されているカード情報372を参照する。提携クレジットカード会社サーバ300は、「カード決済方法」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、カード情報372を参照して得られる当該利用者のアカウントIDと共に、決済情報を決済サーバ100に転送する。決済サーバ100は、取得した決済情報に基づいて、端末決済において「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている場合と同様の処理を行う。
【0043】
(4)カード決済において、提携クレジットカード会社サーバ300は、「カード決済方法」が「クレジット払い」に設定されている利用者に関して、自身の処理によって電子決済を行う。この場合、提携クレジットカード会社サーバ300は、端末決済において「決済方法設定」が「クレジット払い」に設定されている場合と同様の処理を行う。
【0044】
[カード発行/カード登録]
次に、カード発行処理およびカード登録処理について説明する。カード発行処理は、利用者端末装置200からのカード発行依頼に応じて、提携カード57を発行する処理である。カード登録処理は、発行された提携カード57を決済サーバ100に登録する処理である。
【0045】
従来の電子決済システムでは、利用者のアカウントIDに紐づけて提携カード57を決済サーバ100に登録する場合、利用者がわざわざ提携カード57の情報を入力する必要があるため、利用者にとって入力作業が面倒な場合があった。これに対し、本実施形態では、利用者が提携カード57の情報を入力する必要なく、提携カード57を決済サーバ100に登録することを可能とする。これによって、利用者のアカウントに対して提携カード57(クレジットカード)を容易に登録することができる。以下、本実施形態のカード発行処理およびカード登録処理について詳細に説明する。
【0046】
[シーケンス図]
図11は、第1実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第1例を示すシーケンス図である。図11に示されるシーケンス図は、決済サーバ100が利用者の本人確認情報を保持している場合の処理を示す。
【0047】
カード発行を依頼する前に、利用者は提携クレジットカード会社サーバ300のサービスを利用するために必要な利用者IDを取得しておく必要がある。利用者IDは、カード情報372(図9)に含まれる利用者IDと同じ情報である。利用者は、利用者端末装置200を用いて提携クレジットカード会社サーバ300のサイトにアクセスし、提携カード57の発行をWeb経由で申し込む。
【0048】
まず、利用者端末装置200は、Web経由でカード発行依頼を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S101)。カード発行依頼には、利用者端末装置200を操作する利用者の個人情報(氏名、住所、生年月日、電話番号、銀行口座、勤務先、年収、借入状況等)および利用者IDが含まれる。
【0049】
次に、提携クレジットカード会社サーバ300の発行依頼取得部340が利用者端末装置200からカード発行依頼を取得すると、提携クレジットカード会社内で利用者の個人情報(特に、勤務先、年収、借入状況等)に基づいて審査が行われる。審査に通過できなかった場合、提携クレジットカード会社サーバ300は、提携カード57を発行できない旨を利用者端末装置200に通知する。
【0050】
一方、審査に通過した場合、発行部345は、カード発行依頼に基づき、提携カード57の発行処理を行う(S102)。具体的に、発行部345は、審査を通過した利用者に対して提携カード番号、有効期限、およびセキュリティコード等を発行する。
【0051】
また、発行部345は、カード情報372を更新する(S103)。具体的に、発行部345は、発行した提携カード番号を、利用者端末装置200から受信した利用者ID、電話番号、氏名、住所、生年月日、および銀行口座に紐づけてカード情報372(図9)に記録する。また、決済サーバ100と提携クレジットカード会社サーバ300との間でアカウント連携が行われている場合には、決済方法設定やアカウントIDについてもカード情報372に記録される。なお、図9では図示していないが、提携カード57の有効期限およびセキュリティコードについてもカード情報372に記録される。その後、発行部345は、通信部310を制御することにより、発行完了通知を利用者端末装置200に送信する(S104)。
【0052】
利用者端末装置200は、提携クレジットカード会社サーバ300から発行完了通知を受信すると、表示部220に発行完了画面を表示する。発行完了画面には、今回発行された提携カード57に関する情報(提携カード番号等)が表示される。これによって、利用者は提携カード57が発行されたことを把握することができる。
【0053】
提携カード57の発行後、利用者は、発行された提携カード57を決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することを望む場合がある。提携カード57の登録の際に、提携カード57の情報を利用者に入力させることとすると、利用者にとって面倒な入力作業を強いることとなる。そこで、本実施形態では、提携カード57の情報を利用者に入力させることなく、提携カード57を決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することを可能とする。以下、提携カード57の登録処理の流れについて説明する。
【0054】
利用者は、利用者端末装置200を用いて提携クレジットカード会社サーバ300のサイトにアクセスし、提携カード57を決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することをWeb経由で指示する。このとき、利用者端末装置200は、Web経由でカード登録要求を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S105)。カード登録要求には、利用者端末装置200を操作する利用者の利用者IDが含まれる。
【0055】
次に、提携クレジットカード会社サーバ300の受付部315は、利用者端末装置200から送信されたカード登録要求を受け付ける。また、確認部335は、決済サーバ100と提携クレジットカード会社サーバ300との間でアカウント連携が行われているか否かを確認する。例えば、確認部335は、カード情報372において利用者の利用者IDにアカウントIDが紐づけられている場合には、アカウント連携が行われていると判定する。
【0056】
本人確認情報取得部320は、確認部335によってアカウント連携が行われていると判定された場合、カード登録要求に含まれる利用者IDと紐づけられたアカウントIDをカード情報372から取得する。その後、本人確認情報取得部320は、通信部310を制御することにより、カード情報372から取得したアカウントIDを決済サーバ100に送信する(S106)。
【0057】
決済サーバ100の情報管理部140は、提携クレジットカード会社サーバ300から送信されたアカウントIDを取得すると、取得したアカウントIDに紐づけられた利用者の電話番号および本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)を利用者情報172から取得する。その後、情報管理部140は、通信部110を制御することにより、利用者情報172から取得した電話番号および本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S107)。
【0058】
提携クレジットカード会社サーバ300の本人確認情報取得部320は、利用者のアカウントIDに紐づけられた本人確認情報をカード情報372から取得する。また、本人確認情報取得部320は、S107で決済サーバ100から送信された電話番号および本人確認情報を取得する。その後、認証部330は、カード情報372から取得した本人確認情報と、決済サーバ100から取得した本人確認情報とが一致するか否かを判定する(S108)。認証部330は、カード情報372から取得した本人確認情報と、決済サーバ100から取得した本人確認情報とが一致する場合、本人認証が成功したと判定する。なお、認証部330は、S108では電話番号を用いて本人認証を行わないが、決済サーバ100から本人確認情報が得られない場合には、電話番号を用いて本人認証を行う場合がある。この点についての詳細は後述する。
【0059】
カード情報提供部325は、認証部330による本人認証が成功した場合、通信部310を制御することにより、提携カード57に関する情報(アカウントIDおよび提携カード番号)を決済サーバ100に送信する(S109)。
【0060】
一方、カード情報提供部325は、認証部330による本人認証が成功しなかった場合、通信部310を制御することにより、本人認証ができないため提携カード57を登録できない旨を示す通知を利用者端末装置200に送信する。これによって、他人による「なりすまし」等の不正利用を防止することができる。
【0061】
決済サーバ100の情報管理部140は、提携クレジットカード会社サーバ300から送信された提携カード57に関する情報(アカウントIDおよび提携カード番号)を取得すると、利用者情報172を更新する(S110)。具体的に、情報管理部140は、取得したアカウントIDに紐づけて提携カード番号を利用者情報172に記録する。これによって、発行された提携カード57を決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することができる。
【0062】
情報管理部140は、利用者情報172の更新を完了すると、通信部110を制御することにより、登録完了通知を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S111)。提携クレジットカード会社サーバ300は、決済サーバ100から登録完了通知を受信すると、登録完了通知を利用者端末装置200に送信する(S112)。
【0063】
利用者端末装置200は、提携クレジットカード会社サーバ300から登録完了通知を受信すると、表示部220に登録完了画面を表示する。登録完了画面には、決済サーバ100に登録された提携カード57に関する情報(提携カード番号等)が表示される。これによって、利用者は、提携カード57が決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録されたことを把握することができる。
【0064】
上記の説明では、利用者に対して1枚の提携カード57が発行される場合について説明したが、実際には利用者に対して複数の提携カード57が発行される場合がある。例えば、利用者が利用用途(例えば、食費、プライベート費等)毎に提携カード57を使い分けることを望む場合や、ブランドの異なる複数枚の提携カード57を所有したい場合がある。このような場合、本実施形態の提携クレジットカード会社サーバ300は、利用者からのカード発行依頼に応じて2枚目以降の提携カード57を発行する。複数の提携カード57として、例えば、1枚のゴールドカードと、複数枚のレギュラーカード(ブランド違い)とを発行することが考えられる。
【0065】
複数の提携カード57が発行された場合、本実施形態の提携クレジットカード会社サーバ300は、複数の提携カード57の情報を利用者に入力させることなく、複数の提携カード57を決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することを可能とする。例えば、図11のS109において、カード情報提供部325は、利用者に対して複数の提携カード57が発行されており、且つ認証部330による本人認証が成功した場合、複数の提携カード57に関する情報(アカウントIDおよび提携カード番号)を決済サーバ100に提供してよい。また、図11のS110おいて、決済サーバ100の情報管理部140は、提携クレジットカード会社サーバ300から受信した複数の提携カード57に関する情報(アカウントIDおよび提携カード番号)に基づき、利用者情報172を更新してよい。これによって、発行された複数の提携カード57の全てを、決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することができる。
【0066】
なお、図11のS109において、カード情報提供部325は、利用者に対して複数の提携カード57が発行されており、且つ認証部330による本人認証が成功した場合、複数の提携カード57のうち、利用者によって選択された提携カード57に関する情報を決済サーバ100に提供してよい。また、図11のS110おいて、決済サーバ100の情報管理部140は、提携クレジットカード会社サーバ300から受信した、利用者によって選択された提携カード57に関する情報(アカウントIDおよび提携カード番号)に基づき、利用者情報172を更新してよい。これによって、発行された複数の提携カード57のうち、利用者によって選択された提携カード57を、決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することができる。
【0067】
図12は、第1実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第2例を示すシーケンス図である。図12に示されるシーケンス図は、決済サーバ100が利用者の本人確認情報を保持しておらず、且つ利用者が1枚目の提携カード57の登録要求を行う場合の処理を示す。なお、図12におけるS201~S206の処理は、図11におけるS101~S106と同様であるため、説明を省略する。
【0068】
決済サーバ100において、例えばeKYCによる利用者の本人確認が行われていない場合、利用者の本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)は利用者情報172に記録されていないこととなる。この場合、決済サーバ100の情報管理部140は、S206において提携クレジットカード会社サーバ300から送信されたアカウントIDを取得すると、取得したアカウントIDに紐づけられた利用者の電話番号を利用者情報172から取得する。一方、情報管理部140は、本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)については取得できない。このため、情報管理部140は、通信部110を制御することにより、利用者情報172から取得した電話番号のみを提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S207)。
【0069】
提携クレジットカード会社サーバ300の認証部330は、決済サーバ100から利用者の本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)を取得できなかった場合、利用者の本人認証を行う。具体的に、認証部330は、本人認証として3DS(3-D Secure)認証のための処理を行う(S208)。3DS認証では、ワンタイムパスワードまたは生体認証等を利用して本人認証が行われる。認証部330は、3DS認証が成功した場合、本人認証が成功したと判定する。
【0070】
カード情報提供部325は、認証部330による本人認証(3DS認証)が成功した場合、通信部310を制御することにより、提携カード57に関する情報(アカウントIDおよび提携カード番号)を決済サーバ100に送信する(S209)。
【0071】
一方、カード情報提供部325は、認証部330による本人認証(3DS認証)が成功しなかった場合、通信部310を制御することにより、本人認証ができないため提携カード57を登録できない旨を示す通知を利用者端末装置200に送信する。これによって、他人による「なりすまし」等の不正利用を防止することができる。なお、図12におけるS210~S212の処理は、図11におけるS110~S112と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
図13は、第1実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第3例を示すシーケンス図である。図13に示されるシーケンス図は、決済サーバ100が利用者の本人確認情報を保持しておらず、且つ利用者が2枚目以降の提携カード57の登録要求を行う場合の処理を示す。なお、図13におけるS301~S306の処理は、図11におけるS101~S106と同様であるため、説明を省略する。
【0073】
決済サーバ100において、例えばeKYCによる利用者の本人確認が行われていない場合、利用者の本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)は利用者情報172に記録されていないこととなる。この場合、決済サーバ100の情報管理部140は、S306において提携クレジットカード会社サーバ300から送信されたアカウントIDを取得すると、取得したアカウントIDに紐づけられた利用者の電話番号を利用者情報172から取得する。一方、情報管理部140は、本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)については取得できない。このため、情報管理部140は、通信部110を制御することにより、利用者情報172から取得した電話番号のみを提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S307)。
【0074】
提携クレジットカード会社サーバ300の認証部330は、決済サーバ100から利用者の本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)を取得できなかった場合、利用者の本人認証を行う。具体的に、認証部330は、本人認証としてSMS(Short Message Service)認証のための処理を行う(S308)。SMS認証において、認証部330は、利用者の電話番号宛に一時的な認証コードが記載されたショートメッセージを送信し、その後利用者によって入力される認証コードに基づいて本人認証を行う。前述の3DS認証は、提携クレジットカード番号を指定して認証を行うため、複数の提携カード57が発行されている場合には適切でない。このため、複数の提携カード57が発行されている場合には、SMS認証を行うこととしている。認証部330は、SMS認証が成功した場合、本人認証が成功したと判定する。
【0075】
カード情報提供部325は、認証部330による本人認証(SMS認証)が成功した場合、通信部310を制御することにより、提携カード57に関する情報(アカウントIDおよび提携カード番号)を決済サーバ100に送信する(S309)。
【0076】
一方、カード情報提供部325は、認証部330による本人認証(SMS認証)が成功しなかった場合、通信部310を制御することにより、本人認証ができないため提携カード57を登録できない旨を示す通知を利用者端末装置200に送信する。これによって、他人による「なりすまし」等の不正利用を防止することができる。なお、図13におけるS310~S312の処理は、図11におけるS110~S112と同様であるため、説明を省略する。
【0077】
[表示名の付与]
提携クレジットカード会社サーバ300の名称付与部350は、利用者の一つのアカウントに対して複数の提携カード番号が発行される場合、利用者からの指示に基づき、複数の提携カード番号に対応する複数の提携カード57ごとに異なる表示名(任意の名称)を付与する。表示名は、例えば、おうち用、食費用、趣味用、またはプライベート用といった、利用者が提携カード57に対して任意に設定できるニックネームである。なお、利用者は、決済アプリ20からミニアプリを起動し、ミニアプリ上で提携カード57の表示名を設定することができる。
【0078】
図14は、提携カード57のカード詳細画面の一例を示す図である。図14に示されるカード詳細画面は、決済アプリ20から提携カード57のミニアプリを起動することで、利用者端末装置200の表示部220に表示される。カード詳細画面には、複数の領域261および262と、複数のボタン263および264とが表示される。
【0079】
領域261には、利用者の提携カード57の画像が表示される。具体的に、領域261には、提携カード番号、利用者の氏名、有効期限、およびセキュリティコード等が表示される。なお、提携カード57の種類(レギュラー、ゴールド等)に応じて提携カード57の画像を変更してもよい。
【0080】
領域262には、利用者の提携カード57の表示名(ニックネーム)が表示される。具体的に、領域262には、領域261に表示された提携カード57の表示名として「食費用」が表示されている。このため、図14に示される例では、領域261に表示された提携カード57が食費用のカードであることが分かる。
【0081】
ボタン263は、利用者の提携カード57を切り替えるためのボタンである。利用者がボタン263を選択(タップ)すると、後述するハーフシートSH1(図15)が利用者端末装置200の表示部220に表示される。
【0082】
ボタン264は、提携カード57の表示名の変更を指示するためのボタンである。利用者がボタン264を選択(タップ)すると、後述する表示名の変更画面(図17)が表示される。
【0083】
図15は、提携カード57を選択するためのハーフシートSH1の一例を示す図である。例えば、利用者が図14におけるボタン263を選択(タップ)すると、図15に示されるハーフシートSH1が利用者端末装置200の表示部220に表示される。図15に示されるように、ハーフシートSH1には、複数の領域265~268が表示される。複数の領域265~268の各々には、利用者の所有する提携カード57が表示される。図15に示される例では、利用者は4枚の提携カード57を所有していることとなる。
【0084】
具体的に、領域265には、利用者の1枚目の提携カード57(表示名:おうち用)が表示されている。領域266には、利用者の2枚目の提携カード57(表示名:食費用)が表示されている。領域267には、利用者の3枚目の提携カード57(表示名:趣味用)が表示されている。領域268には、利用者の2枚目の提携カード57(表示名:プライベート用)が表示されている。
【0085】
利用者が領域265~268の何れかを選択(タップ)することで、提携カード57を選択することができる。図15に示される例では、利用者は2枚目の提携カード57(表示名:食費用)を選択しているため、領域266にチェックマークが表示されている。利用者が領域265を選択(タップ)すると、1枚目の提携カード57(表示名:おうち用)が選択されることとなる。利用者が領域267を選択(タップ)すると、3枚目の提携カード57(表示名:趣味用)が選択されることとなる。利用者が領域268を選択(タップ)すると、4枚目の提携カード57(表示名:プライベート用)が選択されることとなる。
【0086】
図16は、提携カード57のカード詳細画面の他の例を示す図である。例えば、利用者が図15における領域265を選択(タップ)すると、図16に示されるカード詳細画面が利用者端末装置200の表示部220に表示される。領域261には、利用者によって選択された1枚目の提携カード57の画像が表示される。領域262には、領域261に表示された提携カード57の表示名(ニックネーム)として「おうち用」が表示されている。
【0087】
このように、利用者端末装置200は、提携カード57の情報(提携カード番号、利用者の氏名、有効期限、およびセキュリティコード等)が表示されるカード詳細画面において、提携カード57の表示名(ニックネーム)を表示する。これによって、利用者の一つのアカウントに対して複数の提携カード57を登録した場合であっても、利用者にとって提携カード57を容易に判別することができるようになる。
【0088】
図17は、提携カード57の表示名の変更画面の一例を示す図である。例えば、利用者が図14におけるボタン264を選択(タップ)すると、図17に示される表示名の変更画面が利用者端末装置200の表示部220に表示される。
【0089】
表示名の変更画面には、表示名入力領域269と、キーパッド270とが表示される。利用者がキーパッド270を用いて表示名を入力すると、入力された表示名が表示名入力領域269に表示される。利用者端末装置200は、入力された表示名および提携カード番号を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する。提携クレジットカード会社サーバ300の名称変更部355は、利用者端末装置200から受信した表示名および提携カード番号を紐づけてカード情報372に記録する。これによって、名称変更部355は、提携カード57に付与された表示名(任意の名称)を変更することができる。
【0090】
図18は、決済アプリ20のホーム画面の一例を示す図である。図18に示されるように、決済アプリ20のホーム画面には、領域A1、領域A2、領域A3、ボタン271、およびボタン272が含まれる。
【0091】
領域A1には、スマホ決済に使用されるバーコードやQRコード(登録商標)等のコード情報が表示されるとともに、クレジット払いに関する情報(表示名、提携カード番号)が表示される。このように、決済アプリ20は、電子決済サービスのホーム画面において、コード情報(バーコードやQRコード(登録商標)等)を、提携カード57の表示名(任意の名称)に対応付けて利用者端末装置200の表示部220に表示させる。これによって、利用者は、領域A1に表示されたコード情報がどの提携カード57に対応するものなのかを容易に把握することができる。
【0092】
なお、決済アプリ20は、電子決済サービスのホーム画面に表示されるコード情報の背景画像を、利用者からの指示に基づき選択させてもよい。また、決済アプリ20は、選択された背景画像を領域A1に表示してもよい。これによって、利用者は、領域A1に表示されたコード情報がどの提携カード57に対応するものなのかを、より容易に把握することができる。
【0093】
また、利用者が領域A1を左右にスワイプすると、電子決済サービスの決済方法を他の決済方法に切り替えることができる。例えば、利用者が領域A1を右にスワイプすると、決済アプリ20は電子マネー残高による決済方法に切り替える。また、利用者が領域A1を左にスワイプすると、決済アプリ20は他の提携カード57(表示名:プライベート用)による決済方法に切り替える。これによって、利用者は、電子決済サービスの決済方法を容易に切り替えることができる。
【0094】
領域A2には、スキャン、送金、ポイント、利用履歴、およびカード等のスマホ決済における主要な動作を指示するためのアイコンが表示される。
【0095】
領域A3には、決済アプリ20で実行可能な様々なミニアプリを起動するための各種アイコンが表示される。具体的に、領域A3には、12個のアイコンが表示される。これらのアイコンのうち、アイコンIC1は、提携カード57のミニアプリを起動するためのアイコンである。利用者がアイコンIC1を選択(タップ)すると、決済アプリ20は、提携カード57のミニアプリを起動する。これによって、例えば図14に示されるカード詳細画面が利用者端末装置200の表示部220に表示されることとなる。
【0096】
ボタン271は、支払画面の表示を指示するためのボタンである。利用者がボタン271を選択(タップ)すると、後述する支払画面(図19)が表示される。
【0097】
ボタン272は、ウォレット画面の表示を指示するためのボタンである。利用者がボタン272を選択(タップ)すると、後述するウォレット画面(図20)が表示される。
【0098】
図19は、決済アプリ20の支払画面の一例を示す図である。例えば、利用者が図18におけるボタン271を選択(タップ)すると、図19に示される支払画面が利用者端末装置200の表示部220に表示される。
【0099】
支払画面には、スマホ決済に使用されるバーコードやQRコード(登録商標)等のコード情報が表示される。支払画面において、利用者が支払方法の選択ボタン(不図示)を選択(タップ)すると、ハーフシートSH2が表示される。ハーフシートSH2には、支払方法として、電子マネー残高による支払方法と、提携カード57による支払方法とが表示される。図19に示される例では、利用者は電子マネー残高による支払方法を選択しているため、電子マネー残高の欄にチェックマークが表示されている。
【0100】
また、図19に示される例では、表示名が「おうち用」の提携カード57と、表示名が「プライベート用」の提携カード57とが表示されている。これらの提携カード57を示す欄の何れかを利用者が選択(タップ)することで、選択した提携カード57によるクレジット払いを選択することができる。
【0101】
このように、決済アプリ20は、電子決済サービスにおけるクレジット払いの際に、提携カード57に付与された表示名(任意の名称)を利用者端末装置200の表示部220に表示させる。これによって、利用者は、クレジット払いに使用しようとする提携カード57を容易に把握することができる。
【0102】
図20は、決済アプリ20のウォレット画面の一例を示す図である。例えば、利用者が図18におけるボタン272を選択(タップ)すると、図20に示されるウォレット画面が利用者端末装置200の表示部220に表示される。ウォレット画面には、領域A4および領域A5が表示される。
【0103】
領域A4には、利用者が所有する複数の提携カード57の各々についての請求に関する情報が表示される。具体的に、領域A4には、提携カード57の表示名と、提携クレジットカード番号と、請求金額と、使用金額と、使用可能な金額とが表示される。このように、決済アプリ20は、提携カード57の請求金額を、提携カード57の表示名(任意の名称)に対応付けて利用者端末装置200の表示部220に表示させる。これによって、利用者は、提携カード57毎の請求金額を容易に把握することができる。
【0104】
また、利用者が領域A4を左右にスワイプすると、他の提携カード57に切り替えることができる。これによって、利用者は、請求に関する情報を表示しようとする提携カード57を容易に切り替えることができる。
【0105】
領域A5には、利用者の資産に関する情報が表示される。具体的に、領域A5には、電子マネー残高と、使えるポイントと、資産運用の評価損益と、銀行の預金残高とが表示される。このように、決済アプリ20は、提携カード57の請求に関する情報と、利用者の資産に関する情報とを並べて利用者端末装置200の表示部220に表示させる。これによって、利用者は、支出と資産との関係を容易に把握することができる。
【0106】
以上の説明では、提携カード57の表示名(任意の名称)は様々な場所に表示されることとしたが、提携カード57の表示名の表示される場所は、図14図20に示される場所に限られない。例えば、決済アプリ20は、電子決済サービスの取引履歴画面において、決済金額、決済日時、および電子決済が行われた店舗を、提携カード57の表示名(任意の名称)に対応付けて利用者端末装置200の表示部220に表示させてもよい。これによって、利用者は、電子決済サービスの取引に用いられた提携カード57を容易に把握することができる。
【0107】
また、決済アプリ20は、提携カード57の親会員と家族会員との間で、家族会員の提携カード57に対する表示名(任意の名称)の付与を個別に受け付けてもよい。これによって、親会員と家族会員とで、別々の表示名を提携カード57に付与することができる。
【0108】
また、決済アプリ20は、家族会員によって家族会員の提携カード57に付与された表示名(任意の名称)を、親会員が確認または変更するのを禁止してもよい。これによって、家族会員のプライバシーを確保することができる。
【0109】
なお、提携クレジットカード会社サーバ300の印字データ提供部360は、表示名(任意の名称)を提携カード57に印字するための印字データを、カード製造サーバ500に提供する。印字データには、表示名の他、提携カード番号、氏名、および有効期限等の情報も含まれる。カード製造サーバ500は、提携クレジットカード会社サーバ300から受信した印字データに基づき、物理カードに印字することで提携カード57を製造する印字装置を制御する。例えば、表示名(任意の名称)は、提携カード57のメモ欄に印字される。これによって、提携カード57に表示名(任意の名称)を印字することができ、利用者は提携カード57を容易に判別することができる。
【0110】
<第2実施形態>
前述の第1実施形態では、決済サーバ100と提携クレジットカード会社サーバ300との間でアカウント連携が行われることとした。これに対し、第2実施形態では、決済サーバ100とショッピングサーバ400との間でアカウント連携が行われることとする。具体的には、クレジットカード会社とショッピングサービスの運営会社がグループ会社であり、クレジットカードの発行にショッピングサーバ400において利用者を識別するための利用者IDが必要な場合がある。この場合、決済サーバ100とショッピングサーバ400との間でアカウント連携が行われることで、ショッピングサーバ400において利用者を識別するための利用者IDを、ショッピングサーバ400と決済サーバ100との間で共有することが考えられる。以下、第2実施形態の詳細について説明する。
【0111】
[シーケンス図]
図21は、第2実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第1例を示すシーケンス図である。図21に示されるシーケンス図は、決済サーバ100が利用者の本人確認情報を保持している場合の処理を示す。
【0112】
カード発行を依頼する前に、利用者はショッピングサーバ400のサービスを利用するために必要な利用者IDを取得しておく必要がある。利用者は、利用者端末装置200を用いて提携クレジットカード会社サーバ300のサイトにアクセスし、提携カード57の発行をWeb経由で申し込む。
【0113】
まず、利用者端末装置200は、Web経由でカード発行依頼を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S401)。カード発行依頼には、利用者端末装置200を操作する利用者の個人情報(氏名、住所、生年月日、電話番号、銀行口座、勤務先、年収、借入状況等)および利用者IDが含まれる。
【0114】
次に、提携クレジットカード会社サーバ300の発行依頼取得部340が利用者端末装置200からカード発行依頼を取得すると、提携クレジットカード会社内で利用者の個人情報(特に、勤務先、年収、借入状況等)に基づいて審査が行われる。審査に通過できなかった場合、提携クレジットカード会社サーバ300は、提携カード57を発行できない旨を利用者端末装置200に通知する。
【0115】
一方、審査に通過した場合、発行部345は、カード発行依頼に基づき、提携カード57の発行処理を行う(S402)。具体的に、発行部345は、審査を通過した利用者に対して提携カード番号、有効期限、およびセキュリティコード等を発行する。
【0116】
また、発行部345は、カード情報372を更新する(S403)。具体的に、発行部345は、発行した提携カード番号を、利用者端末装置200から受信した利用者ID、電話番号、氏名、住所、生年月日、および銀行口座に紐づけてカード情報372(図9)に記録する。その後、発行部345は、通信部310を制御することにより、発行完了通知を利用者端末装置200に送信する(S404)。
【0117】
利用者端末装置200は、提携クレジットカード会社サーバ300から発行完了通知を受信すると、表示部220に発行完了画面を表示する。発行完了画面には、今回発行された提携カード57に関する情報(提携カード番号等)が表示される。これによって、利用者は提携カード57が発行されたことを把握することができる。
【0118】
提携カード57の発行後、利用者は、発行された提携カード57を決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することを望む場合がある。提携カード57の登録の際に、提携カード57の情報を利用者に入力させることとすると、利用者にとって面倒な入力作業を強いることとなる。そこで、本実施形態では、提携カード57の情報を利用者に入力させることなく、提携カード57を決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することを可能とする。以下、提携カード57の登録処理の流れについて説明する。
【0119】
利用者は、利用者端末装置200を用いて提携クレジットカード会社サーバ300のサイトにアクセスし、提携カード57を決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することをWeb経由で指示する。このとき、利用者端末装置200は、Web経由でカード登録要求を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S405)。カード登録要求には、利用者端末装置200を操作する利用者の利用者IDが含まれる。
【0120】
次に、提携クレジットカード会社サーバ300の受付部315は、利用者端末装置200から送信されたカード登録要求を受け付ける。また、確認部335は、ショッピングサーバ400と決済サーバ100との間でアカウント連携が行われているか否かを確認する。具体的に、確認部335は、通信部310を制御して、利用者IDをショッピングサーバ400に送信する(S406)。ショッピングサーバ400は、提携クレジットカード会社サーバ300から受信した利用者IDについて、ショッピングサーバ400と決済サーバ100との間でアカウント連携が行われているか否かを示すアカウント連携情報を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S407)。確認部335は、ショッピングサーバ400から受信したアカウント連携情報に基づき、アカウント連携の有無を判定する。
【0121】
本人確認情報取得部320は、確認部335によってアカウント連携が行われていると判定された場合、通信部310を制御することにより、カード登録要求に含まれる利用者IDを決済サーバ100に送信する(S408)。
【0122】
決済サーバ100の情報管理部140は、提携クレジットカード会社サーバ300から送信された利用者IDを取得すると、取得した利用者IDに紐づけられた利用者の電話番号および本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)を利用者情報172から取得する。その後、情報管理部140は、通信部110を制御することにより、利用者情報172から取得した電話番号および本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S409)。
【0123】
提携クレジットカード会社サーバ300の本人確認情報取得部320は、利用者の利用者IDに紐づけられた本人確認情報をカード情報372から取得する。また、本人確認情報取得部320は、S409で決済サーバ100から送信された電話番号および本人確認情報を取得する。その後、認証部330は、カード情報372から取得した本人確認情報と、決済サーバ100から取得した本人確認情報とが一致するか否かを判定する(S4010)。認証部330は、カード情報372から取得した本人確認情報と、決済サーバ100から取得した本人確認情報とが一致する場合、本人認証が成功したと判定する。なお、認証部330は、S410では電話番号を用いて本人認証を行わないが、決済サーバ100から本人確認情報が得られない場合には、電話番号を用いて本人認証を行う場合がある。この点についての詳細は後述する。
【0124】
カード情報提供部325は、認証部330による本人認証が成功した場合、通信部310を制御することにより、提携カード57に関する情報(利用者IDおよび提携カード番号)を決済サーバ100に送信する(S411)。
【0125】
一方、カード情報提供部325は、認証部330による本人認証が成功しなかった場合、通信部310を制御することにより、本人認証ができないため提携カード57を登録できない旨を示す通知を利用者端末装置200に送信する。これによって、他人による「なりすまし」等の不正利用を防止することができる。
【0126】
決済サーバ100の情報管理部140は、提携クレジットカード会社サーバ300から送信された提携カード57に関する情報(利用者IDおよび提携カード番号)を取得すると、利用者情報172を更新する(S412)。具体的に、情報管理部140は、取得した利用者IDに紐づけて提携カード番号を利用者情報172に記録する。これによって、発行された提携カード57を決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録することができる。
【0127】
情報管理部140は、利用者情報172の更新を完了すると、通信部110を制御することにより、登録完了通知を提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S413)。提携クレジットカード会社サーバ300は、決済サーバ100から登録完了通知を受信すると、登録完了通知を利用者端末装置200に送信する(S414)。
【0128】
利用者端末装置200は、提携クレジットカード会社サーバ300から登録完了通知を受信すると、表示部220に登録完了画面を表示する。登録完了画面には、決済サーバ100に登録された提携カード57に関する情報(提携カード番号等)が表示される。これによって、利用者は、提携カード57が決済サーバ100のクレジット払い用のカードとして登録されたことを把握することができる。
【0129】
図22は、第2実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第2例を示すシーケンス図である。図22に示されるシーケンス図は、決済サーバ100が利用者の本人確認情報を保持しておらず、且つ利用者が1枚目の提携カード57の登録要求を行う場合の処理を示す。なお、図22におけるS501~S508の処理は、図21におけるS401~S408と同様であるため、説明を省略する。
【0130】
決済サーバ100において、例えばeKYCによる利用者の本人確認が行われていない場合、利用者の本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)は利用者情報172に記録されていないこととなる。この場合、決済サーバ100の情報管理部140は、S508において提携クレジットカード会社サーバ300から送信された利用者IDを取得すると、取得した利用者IDに紐づけられた利用者の電話番号を利用者情報172から取得する。一方、情報管理部140は、本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)については取得できない。このため、情報管理部140は、通信部110を制御することにより、利用者情報172から取得した電話番号のみを提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S509)。
【0131】
提携クレジットカード会社サーバ300の認証部330は、決済サーバ100から利用者の本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)を取得できなかった場合、利用者の本人認証を行う。具体的に、認証部330は、本人認証として3DS認証のための処理を行う(S510)。3DS認証では、ワンタイムパスワードまたは生体認証等を利用して本人認証が行われる。認証部330は、3DS認証が成功した場合、本人認証が成功したと判定する。
【0132】
カード情報提供部325は、認証部330による本人認証(3DS認証)が成功した場合、通信部310を制御することにより、提携カード57に関する情報(利用者IDおよび提携カード番号)を決済サーバ100に送信する(S511)。
【0133】
一方、カード情報提供部325は、認証部330による本人認証(3DS認証)が成功しなかった場合、通信部310を制御することにより、本人認証ができないため提携カード57を登録できない旨を示す通知を利用者端末装置200に送信する。これによって、他人による「なりすまし」等の不正利用を防止することができる。なお、図22におけるS512~S514の処理は、図21におけるS412~S414と同様であるため、説明を省略する。
【0134】
図23は、第2実施形態に係るカード発行/カード登録に関する処理の第3例を示すシーケンス図である。図23に示されるシーケンス図は、決済サーバ100が利用者の本人確認情報を保持しておらず、且つ利用者が2枚目以降の提携カード57の登録要求を行う場合の処理を示す。なお、図23におけるS601~S608の処理は、図21におけるS401~S408と同様であるため、説明を省略する。
【0135】
決済サーバ100において、例えばeKYCによる利用者の本人確認が行われていない場合、利用者の本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)は利用者情報172に記録されていないこととなる。この場合、決済サーバ100の情報管理部140は、S608において提携クレジットカード会社サーバ300から送信された利用者IDを取得すると、取得した利用者IDに紐づけられた利用者の電話番号を利用者情報172から取得する。一方、情報管理部140は、本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)については取得できない。このため、情報管理部140は、通信部110を制御することにより、利用者情報172から取得した電話番号のみを提携クレジットカード会社サーバ300に送信する(S609)。
【0136】
提携クレジットカード会社サーバ300の認証部330は、決済サーバ100から利用者の本人確認情報(例えば、氏名および生年月日)を取得できなかった場合、利用者の本人認証を行う。具体的に、認証部330は、本人認証としてSMS認証のための処理を行う(S610)。SMS認証において、認証部330は、利用者の電話番号宛に一時的な認証コードが記載されたショートメッセージを送信し、その後利用者によって入力される認証コードに基づいて本人認証を行う。前述の3DS認証は、提携クレジットカード番号を指定して認証を行うため、複数の提携カード57が発行されている場合には適切でない。このため、複数の提携カード57が発行されている場合には、SMS認証を行うこととしている。認証部330は、SMS認証が成功した場合、本人認証が成功したと判定する。
【0137】
カード情報提供部325は、認証部330による本人認証(SMS認証)が成功した場合、通信部310を制御することにより、提携カード57に関する情報(利用者IDおよび提携カード番号)を決済サーバ100に送信する(S611)。
【0138】
一方、カード情報提供部325は、認証部330による本人認証(SMS認証)が成功しなかった場合、通信部310を制御することにより、本人認証ができないため提携カード57を登録できない旨を示す通知を利用者端末装置200に送信する。これによって、他人による「なりすまし」等の不正利用を防止することができる。なお、図23におけるS612~S614の処理は、図21におけるS412~S414と同様であるため、説明を省略する。
【0139】
以上説明したように、実施形態の提携クレジットカード会社サーバ300(情報処理装置)は、発行依頼取得部340と、発行部345と、名称付与部350とを備える。発行依頼取得部340は、提携カード57(クレジットカード)の発行依頼を取得する。発行部345は、発行依頼に基づき、提携カード57の提携カード番号を発行する。名称付与部350は、利用者の一つのアカウントに対して複数の提携カード番号が発行される場合、利用者からの指示に基づき、複数の提携カード番号に対応する複数の提携カード57ごとに異なる表示名(任意の名称)を付与する。これによって、利用者の一つのアカウントに対して複数の提携カード57を登録した場合であっても、利用者にとって提携カード57を容易に判別することができる。
【0140】
また、実施形態の情報処理システムは、提携クレジットカード会社サーバ300(情報処理装置)と、決済アプリ20とを備える。決済アプリ20は、利用者が操作する利用者端末装置200にインストールされた、コード情報を用いて電子決済を行う電子決済サービスを利用するためのアプリケーションプログラムである。決済アプリ20は、利用者端末装置200に、電子決済サービスにおけるクレジット払いの際に、提携カード57に付与された表示名(任意の名称)を表示させる。これによって、利用者の一つのアカウントに対して複数の提携カード57を登録した場合であっても、利用者にとって電子決済に用いられる提携カード57を容易に判別することができる。
【0141】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0142】
20 決済アプリ
50 第1店舗端末装置
55 クレジット処理端末
57 提携カード
100 決済サーバ
110 通信部
120 決済コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
170 記憶部
172 利用者情報
200 利用者端末装置
210 通信部
220 表示部
230 入力部
240 制御部
250 記憶部
300 提携クレジットカード会社サーバ
310 通信部
315 受付部
320 本人確認情報取得部
325 カード情報提供部
330 認証部
335 確認部
340 発行依頼取得部
345 発行部
350 名称付与部
355 名称変更部
360 印字データ提供部
370 記憶部
372 カード情報
【要約】
【課題】利用者の一つのアカウントに対して複数のクレジットカードを登録した場合であっても、利用者にとってクレジットカードを容易に判別することができるようにすること。
【解決手段】クレジットカードの発行依頼を取得する取得部と、前記発行依頼に基づき、前記クレジットカードのカード番号を発行する発行部と、利用者の一つのアカウントに対して複数の前記カード番号が発行される場合、前記利用者からの指示に基づき、複数の前記カード番号に対応する複数の前記クレジットカードごとに異なる任意の名称を付与する名称付与部と、を備える情報処理装置。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23