(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】在不在判定装置、換気システム、全館空調システム、監視システム
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20241004BHJP
F24F 11/77 20180101ALI20241004BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20241004BHJP
F24F 11/58 20180101ALI20241004BHJP
F24F 110/70 20180101ALN20241004BHJP
F24F 120/10 20180101ALN20241004BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F11/77
F24F11/74
F24F11/58
F24F110:70
F24F120:10
(21)【出願番号】P 2020197833
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康浩
(72)【発明者】
【氏名】木下 剛
(72)【発明者】
【氏名】藤園 崇
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 純
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-369338(JP,A)
【文献】特開2008-304124(JP,A)
【文献】特開2010-019484(JP,A)
【文献】国際公開第2015/173842(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/007
F24F 11/77
F24F 11/74
F24F 11/58
F24F 110/70
F24F 120/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略密閉空間となり、かつ空気が循環されている領域内のCO2濃度を計測するCO2センサと、
前記CO2センサの出力するCO2濃度計測値を時系列に並べた時系列CO2濃度データを蓄積する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶した時系列CO2濃度データのうちの第1時刻のCO2濃度計測値をもとに、
前記CO2濃度の変化の遅延に相当する時間分だけ前記第1時刻よりも前の時刻である第2時刻における前記領域内の人の有無を判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、
在室人数も算出し、
前記第1時刻の前後にわたるCO2濃度計測値の変化をもとに、前記第2時刻と前記第1時刻との間での前記領域内の人数の変化を算出する在不在判定装置。
【請求項2】
前記判定部における在不在情報を出力する出力部をさらに備え、
前記出力部は、前記判定部において算出した前記在室人数も出力する請求項
1に記載の在不在判定装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の在不在判定装置と、
前記領域に対する換気を実行する換気装置とを備え、
前記在不在判定装置から出力された前記在室人数が多くなるほど、前記換気装置における換気風量が増加する換気システム。
【請求項4】
請求項
2記載の在不在判定装置と、
前記在不在判定装置に接続される空気調和装置とを備え、
前記空気調和装置は、前記領域の空気を吸い込んで空気調和処理を行った後、前記領域内に吹き出して循環させる循環風路を有し、
前記在不在判定装置から出力された前記在室人数が多くなるほど、前記循環風路を通過する循環風量が増加する全館空調システム。
【請求項5】
請求項1
または2のいずれか1項に記載の在不在判定装置と、
前記在不在判定装置にネットワークを介して接続される監視装置と、
前記監視装置にネットワークを介して接続される端末装置とを備え、
前記監視装置は、前記在不在判定装置から在不在情報を受信し、
前記端末装置は、前記領域における在不在情報を前記監視装置に要求し、
前記監視装置は、前記端末装置からの前記要求を受信すると、前記在不在情報を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記監視装置からの前記在不在情報を受信する監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定技術に関し、特に人の有無を判定する在不在判定装置、換気システム、全館空調システム、監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数個の居室を備えた高断熱・高気密家屋における空調システムでは、独立して設けられた少なくとも1つの空調室内の空調が制御され、空調された空気が空調室から各居室に搬送される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような空調制御がなされた施設に人が存在するか否を検出できれば、さらなるサービスを提供可能である。例えば、人の有無に応じて空調をさらに制御することが可能になる。また、不審者の侵入を居住者の端末装置に知らせることも可能になる。領域に人が存在するか否を検出するために、カメラあるいは人感センサを設置する場合、セキュリティに関する問題が発生するおそれがある。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、人の有無を安全に検出する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の在不在判定装置は、略密閉空間となり、かつ空気が循環されている領域内のCO2濃度を計測するCO2センサと、CO2センサの出力するCO2濃度計測値を時系列に並べた時系列CO2濃度データを蓄積する記憶装置と、記憶装置に記憶した時系列CO2濃度データのうちの第1時刻のCO2濃度計測値をもとに、前記CO2濃度の変化の遅延に相当する時間分だけ前記第1時刻よりも前の時刻である第2時刻における前記領域内の人の有無を判定する判定部と、を備え、判定部は、
在室人数も算出し、第1時刻の前後にわたるCO2濃度計測値の変化をもとに、第2時刻と第1時刻との間での領域内の人数の変化を算出する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、人の有無を安全に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】
図1の記憶部に記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。
【
図4】
図1の記憶部に記憶される別のテーブルのデータ構造を示す図である。
【
図5】
図1の制御装置を含む監視システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、住宅等の施設に設けられ、施設に対する全館空調を実行する空調システムに関する。前述のごとく、施設に人が存在するか否を検出できれば、さらなるサービスを提供可能である。サービスとは、例えば、人の有無に応じて空調をさらに制御すること、不審者の侵入を居住者の端末装置に知らせる不審者の侵入通知、居住者の行動パターンを把握する居住者のスケジュール学習、宅配業者等への通知サービスなどである。しかしながら、プライバシーあるいは個人情報の観点から、カメラや人感センサによって直接的に人の有無を検出してほしくないという要望も存在する。そのため、人の有無を安全に検出することが望まれる。
【0011】
本実施例では、空調システムにより空調が制御されている施設内ではCO2濃度が低く抑えられていることを利用して、CO2濃度の変化をもとに人が存在するか否かを検出する。ここで、空調が制御されている施設内では、人の出入りによるCO2濃度の変化が約2分遅延して現れるといわれる。以下の説明において、風量とは、単位時間、例えば1時間あたりの風量を示す。
【0012】
以下に説明する実施例は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示す。よって、以下の実施例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。したがって、以下の実施例における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
図1は、住宅100の構成を示す。住宅100には、換気装置20、空気調和装置30、制御装置40を含む空調システムが配置される。空調システムは換気制御システム、換気システム、全館空調システムとも呼ばれる。住宅100は、領域10と総称される第1領域10a、第2領域10bを含む。領域10は、例えば、部屋、リビングルーム、ダイニングルーム、キッチンである。住宅100に含まれる領域10の数は「2」に限定されず、住宅100は非住宅を含む施設であってもよい。
【0014】
住宅100の外壁には外気導入口(図示せず)が設置される。外気導入口から住宅100の内部に向かって外気風路50が延びる。外気風路50は外気導入ダクトとも呼ばれる。外気風路50は、換気装置20に接続される。換気装置20には、外気導入ファン(図示せず)が設置され、外気導入ファンの回転により、外気導入口から外気60が取り込まれ、外気60が外気風路50を通って換気装置20に流入される。外気風路50は、換気装置20からさらに延びて、第1循環風路54aに接続され、換気装置20からの外気60を第1循環風路54aに流入させる。
【0015】
換気装置20には、排気風路52も接続される。排気風路52は排気ダクトとも呼ばれる。排気風路52は、各領域10から換気装置20を経由して住宅100の外壁に向かって延びる。住宅100の外壁には排気口(図示せず)が設置され、排気口には排気風路52が接続される。換気装置20は、排気ファン(図示せず)の回転により、排気風路52を通って排気口から排気62を排出する。このように排気風路52は、第1領域10aと第2領域10bからの排気62を集合させ、1つの排気口から屋外へ排気62を排出する。その結果、換気装置20により、互いに異なった第1領域10aと第2領域10bに対する換気がなされ、領域10の内外の空気が入れかえられる。換気装置20において熱交換がなされてもよい。
【0016】
住宅100の内部には、各領域10から空気調和装置30に延びる第1循環風路54aと、空気調和装置30から各領域10に延びる第2循環風路54bとが設置される。第1循環風路54aは還気ダクトとも呼ばれ、第2循環風路54bは給気ダクトとも呼ばれる。第1循環風路54aと第2循環風路54bとを接続した風路は環状に構成される。第1循環風路54a、第2循環風路54bは循環風路54と総称される。第1循環風路54aには、各領域10からの還気64が流入される。前述のごとく、第1循環風路54aは外気風路50に接続されるので、還気64には外気60が混合される。
【0017】
空気調和装置30には、還気64と外気60の混合空気が第1循環風路54aから流入される。空気調和装置30のエアコンディショナ32は、還気64と外気60の混合空気に対して、空調を制御する。エアコンディショナ32は、空気の温度が設定された目標温度となるように、還気64と外気60の混合空気を冷却または加熱する。目標温度は、制御装置40により設定される。エアコンディショナ32は、加湿および除湿機能を有してもよい。
【0018】
エアコンディショナ32からの空気はHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air)34に流入される。HEPAフィルタ34は、エアフィルタであり、エアコンディショナ32において空調がなされた空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄された空気を出力する。HEPAフィルタ34を通過した空気は、空気調和装置30からの空気として、空気調和装置30に含まれる送風機(図示せず)により出力される。送風機の風量は後述の制御装置40により制御可能である。
【0019】
空気調和装置30が第1領域10aと第2領域10bにおける温度を制御するために、空気調和装置30には、第2循環風路54bが接続される。第2循環風路54bは第1領域10aと第2領域10bまで延びる。第1領域10aと第2領域10bのそれぞれには吹出口(図示せず)が設けられ、各吹出口は第2循環風路54bに接続される。空気調和装置30から出力される給気66は、第2循環風路54bを通って、吹出口から領域10に吹き出す。第1領域10aの吹出口には第1ダンパ12aが設置され、第2領域10bの吹出口には第2ダンパ12bが設置される。第1ダンパ12a、第2ダンパ12bはダンパ12と総称され、ダンパ12は開度を調節することによって、吹出口から領域10に吹き出される給気66の風量を調節する。第1ダンパ12aと第2ダンパ12bの開度の調節は制御装置40により制御される。
【0020】
第1領域10aと第2領域10bのそれぞれには吸込口(図示せず)が設けられ、各吸込口は第1循環風路54aに接続される。空気調和装置30の動作により、各領域10からの還気64は、吸込口から第1循環風路54aに流入する。これに続いて、還気64は、前述のごとく、第1循環風路54aを通って空気調和装置30に吸い込まれる。つまり、循環風路54は、空気調和装置30が領域10内の空気を吸い込んでHEPAフィルタ34によって浄化した後、領域10内に吹き出して循環させる。
【0021】
第1領域10aには第1CO2センサ72aが設置される。第1CO2センサ72aは、略密閉空間となり、かつ空気が循環されている第1領域10aのCO2濃度を検出するためのセンサである。略密閉空間とは完全な密閉空間でなく、ある程度密閉した空間であるという意味である。第1温度センサ74aは、無線通信等の通信機能を有し、検出したCO2濃度(以下、「第1CO2濃度計測値」という)を制御装置40に送信する。第2領域10bには第2CO2センサ72bが設置される。第2CO2センサ72bは、第2領域10bのCO2濃度を検出するためのセンサである。第2CO2センサ72bは、無線通信等の通信機能を有し、検出したCO2濃度(以下、「第2CO2濃度計測値」という)を制御装置40に送信する。第1CO2センサ72a、第2CO2センサ72bは、CO2センサ72と総称され、第1CO2濃度計測値、第2CO2濃度計測値はCO2濃度計測値と総称される。
【0022】
制御装置40は、空調システム全体を制御するシステムコントローラである。制御装置40は、IF部42、制御部44、記憶部46を含む。IF部42は、ダンパ12、換気装置20、空気調和装置30、CO2センサ72と、無線通信により通信可能に接続される。無線通信で接続されることにより、複雑な配線工事が不要になる。しかしながら、これらのうちの少なくとも一部が有線通信により通信可能に接続されてもよい。IF部42は、第1CO2センサ72aから第1CO2濃度計測値を受信し、第2CO2センサ72bから第2CO2濃度計測値を受信する。
【0023】
制御部44は、第1CO2濃度計測値と第2CO2濃度計測値を記憶部46に記憶させる。記憶部46は、第1CO2濃度計測値を時系列に並べた第1時系列CO2濃度データと、第2CO2濃度計測値を時系列に並べた第2時系列時系列CO2濃度データとを蓄積する。
【0024】
図2は、制御部44の構成を示す。制御部44は判定部220を含む。判定部220、記憶部46、CO
2センサ72の組合せは、在不在判定装置とも呼ばれる。判定部220は、第1時系列CO
2濃度データに含まれた複数の第1CO
2濃度計測値のうち、しきい値以上の第1CO
2濃度計測値の検出時刻よりも一定期間、例えば2分間前の時刻に第1領域10aに人が存在することを判定する。一方、判定部220は、第1時系列CO
2濃度データに含まれた複数の第1CO
2濃度計測値のうち、しきい値よりも小さい第1CO
2濃度計測値の検出時刻よりも一定期間前の時刻に第1領域10aに人が存在しないことを判定する。
【0025】
検出時刻を「第1時刻」と呼ぶ場合、第1時刻よりも一定期間前の時刻は「第2時刻」と呼ばれる。このように、判定部220は、記憶部46に記憶した第1時系列CO2濃度データのうちの第1時刻の第1CO2濃度計測値をもとに、第1時刻よりも前の第2時刻における第1領域10a内の人の有無を判定する。また、判定部220は、記憶部46に記憶した第2時系列CO2濃度データに対しても同様の処理を実行することによって、第1時刻よりも前の第2時刻における第2領域10b内の人の有無を判定する。
【0026】
さらに、判定部220は、記憶部46に記憶したテーブルを参照することによって、各領域10の在室人数も算出する。
図3は、記憶部46に記憶されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、CO
2濃度計測値の範囲のそれぞれに対応するように在室人数が示される。ここで、CO
2濃度計測値が大きくなるほど、在室人数は多くされる。
図2に戻る。判定部220は、各領域10の在室人数が変化するタイミングにおいて、当該領域10の人の入退室を判定してもよい。これは、第1時刻の前後にわたるCO
2濃度計測値の変化をもとに、第2時刻の前後における領域10の人の入退室を判定することに相当する。
【0027】
判定部220(出力部)は、各領域10における在不在情報、在室人数の情報を制御部44に出力する。制御装置40は、記憶部46に記憶した別のテーブルを参照することによって、換気風量、循環風量を決定する。換気風量は、換気装置20の風量あるいは外気60の風量あるいは排気62の風量であり、循環風量は、循環風路54の風量あるいは還気64の風量あるいは給気66の風量である。
図4は、記憶部46に記憶される別のテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、在室人数に対応するように換気風量、循環風量が示される。ここで、在室人数が多くなるほど、換気風量と循環風量は大きくされる。
図1に戻る。制御部44は、在不在情報が在室を示す場合に、各領域10の在室人数の積算値を時刻ごとに算出する。制御部44は、在室人数の積算値に対応した換気風量と循環風量とを別のテーブルから取得する。そのため、在室人数が変化する時刻(第2時刻)において換気風量と循環風量も変化する。ここで、制御部44は、各領域10の在室人数のうちの最大値を選択し、選択した在室人数に対応した循環風量を取得してもよい。さらに、制御部44は、循環風量に対応した各ダンパ12の開度を特定する。循環風量とダンパ12の開度とは1対1で予め対応づけられていればよい。
【0028】
制御部44は、各ダンパ12の開度を指示するための制御信号(以下、「第1制御信号」という)をIF部42に出力する。制御部44は、換気装置20の風量を指示するための制御信号(以下、「第2制御信号」という)をIF部42に出力する。IF部42は、第1制御信号を各ダンパ12に送信し、第2制御信号を換気装置20に送信する。その結果、在室人数が多くなるほど、換気装置20における換気風量が増加し、在室人数が多くなるほど、循環風路54を通過する循環風量が増加する。
【0029】
制御部44は、判定部220から受けつけた在不在情報、在室人数の情報を空調システムの外部に出力してもよい。
図5は、制御装置40を含む監視システム1000の構成を示す。監視システム1000は、制御装置40、ネットワーク300、監視装置400、端末装置500を含む。制御装置40のIF部42は、通信機能を有し、ネットワーク300に接続される。ネットワーク300は、有線あるいは無線のネットワークであり、インターネットである。制御装置40のIF部42は、在不在情報、在室人数の情報をネットワーク300経由で監視装置400に送信する。その際、制御装置40を識別するための識別情報も含まれる。
【0030】
監視装置400は、監視装置400にネットワーク300を介して接続され、監視装置400から在不在情報、在室人数の情報を受信する。監視装置400は、制御装置40の識別情報とともに在不在情報、在室人数の情報を記憶する。端末装置500は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PCであり、通信機能を有する。端末装置500は、ネットワーク300を介して監視装置400に接続される。端末装置500は、例えば、制御装置40が設置された住宅100の居住者により使用される。
【0031】
端末装置500は、居住者の操作に応じて、領域10における在不在情報、在室人数の情報のうちの少なくとも1つを監視装置400に要求するための信号(以下、「要求信号」という)を送信する。監視装置400は、ネットワーク300を介して端末装置500からの要求信号を受信する。端末装置500は、在不在情報、在室人数の情報のうちの少なくとも1つをネットワーク300経由で端末装置500に送信する。端末装置500は、監視装置400からの在不在情報、在室人数の情報のうちの少なくとも1つを受信する。端末装置500は、在不在情報、在室人数の情報のうちの少なくとも1つを表示する。
【0032】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0033】
本実施例によれば、記憶した時系列CO2濃度データのうちの第1時刻のCO2濃度計測値をもとに、第1時刻よりも前の第2時刻における領域10内の人の有無を判定するので、人の有無を安全に検出できる。また、第1時刻の前後にわたるCO2濃度計測値の変化をもとに、第2時刻の前後における領域10の人の入退室を判定するので、入退室を安全に検出できる。また、在室人数も算出するので、詳細な情報を生成できる。また、在室人数が多くなるほど、換気装置20における換気風量が増加するので、在室人数に応じて換気風量を制御できる。また、在室人数が多くなるほど、循環風路54を通過する循環風量が増加するので、在室人数に応じて空調を制御できる。また、在不在情報を監視装置400経由で端末装置500に送信するので、在不在情報を居住者に知らせることができる。
【0034】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の在不在判定装置(220、46、72)は、略密閉空間となり、かつ空気が循環されている領域(10)内のCO2濃度を計測するCO2センサ(72)と、CO2センサ(72)の出力するCO2濃度計測値を時系列に並べた時系列CO2濃度データを蓄積する記憶装置(46)と、記憶装置(46)に記憶した時系列CO2濃度データのうちの第1時刻のCO2濃度計測値をもとに、第1時刻よりも前の第2時刻における領域(10)内の人の有無を判定する判定部(220)と、を備える。
【0035】
判定部(220)は、第1時刻の前後にわたるCO2濃度計測値の変化をもとに、第2時刻の前後における領域(10)の人の入退室を判定してもよい。
【0036】
判定部(220)における在不在情報を出力する出力部をさらに備えてもよい。判定部(220)は、在室人数も算出し、出力部は、判定部(220)において算出した在室人数も出力してもよい。
【0037】
在不在判定装置(220、46、72)と、領域(10)に対する換気を実行する換気装置(20)とを備えてもよい。在不在判定装置(220、46、72)から出力された在室人数が多くなるほど、換気装置(20)における換気風量が増加してもよい。
【0038】
在不在判定装置(220、46、72)と、在不在判定装置(220、46、72)に接続される空気調和装置(30)とを備えてもよい。空気調和装置(30)は、領域(10)の空気を吸い込んで空気調和処理を行った後、領域(10)内に吹き出して循環させる循環風路(54)を有してもよい。在不在判定装置(220、46、72)から出力された在室人数が多くなるほど、循環風路(54)を通過する循環風量が増加してもよい。
【0039】
在不在判定装置(220、46、72)と、在不在判定装置(220、46、72)にネットワーク(300)を介して接続される監視装置(400)と、監視装置(400)にネットワーク(300)を介して接続される端末装置(500)とを備えてもよい。監視装置(400)は、在不在判定装置(220、46、72)から在不在情報を受信し、端末装置(500)は、領域(10)における在不在情報を監視装置(400)に要求し、監視装置(400)は、端末装置(500)からの要求を受信すると、在不在情報を端末装置(500)に送信し、端末装置(500)は、監視装置(400)からの在不在情報を受信してもよい。
【0040】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0041】
実施例における記憶部46は制御装置40に含まれる。しかしながらこれに限らず例えば、記憶部46は記憶装置として制御装置40に接続されてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0042】
10 領域、 12 ダンパ、 20 換気装置、 30 空気調和装置、 32 エアコンディショナ、 34 HEPAフィルタ、 40 制御装置、 42 IF部、 44 制御部、 46 記憶部、 50 外気風路、 52 排気風路、 54 循環風路、 60 外気、 62 排気、 64 還気、 66 給気、 72 CO2センサ(72)、 100 住宅、 220 判定部、 300 ネットワーク、 400 監視装置、 500 端末装置、 1000 監視システム。