(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
A63F5/04 650
(21)【出願番号】P 2020157859
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】503106797
【氏名又は名称】株式会社エンターライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100127203
【氏名又は名称】奈良 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-167993(JP,A)
【文献】特開2018-166722(JP,A)
【文献】特開2004-089735(JP,A)
【文献】特開2018-187179(JP,A)
【文献】特開2015-016372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04、7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関する操作を受け付けることが可能な遊技機であって、
所定の開始条件が成立したことに基づいて内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記内部抽せん部の抽せん結果に基づいて、遊技媒体の払い出しを行うことが可能な払い出し制御部と、
複数の演出の情報が少なくとも記憶されている記憶部と、
所定タイミングに前記演出の抽せんをし、前記演出の情報を少なくとも1つ選択する演出制御部と、
選択された前記演出の情報を報知可能な報知部と、
前記演出制御部が前記演出の情報を少なくとも1つ選択したことに基づいて、選択された前記演出の情報を、解放済みの演出(以下、解放済み演出)の情報として管理する管理部と、
前記解放済み演出の情報の数に応じて特典を決定し、前記特典を付与する特典付与部と、
を備え
、
前記演出の情報は、複数の属性に分類されるものであり、
前記管理部は、前記演出の情報を前記属性ごとに分類して管理しており、
前記特典付与部は、前記属性ごとに、前記演出の情報の全体数に対する前記解放済み演出の情報の数の割合に応じて特典を決定し、前記特典を付与する、
遊技機。
【請求項2】
遊技に関する操作を受け付けることが可能な遊技機であって、
所定の開始条件が成立したことに基づいて内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記内部抽せん部の抽せん結果に基づいて、遊技媒体の払い出しを行うことが可能な払い出し制御部と、
複数の演出の情報が少なくとも記憶されている記憶部と、
所定タイミングに前記演出の抽せんをし、前記演出の情報を少なくとも1つ選択する演出制御部と、
選択された前記演出の情報を報知可能な報知部と、
前記演出制御部が前記演出の情報を少なくとも1つ選択したことに基づいて、選択された前記演出の情報を、解放済みの演出(以下、解放済み演出)の情報として管理する管理部と、
前記解放済み演出の情報の数に応じて特典を決定し、前記特典を付与する特典付与部と、
を備え、
前記管理部は、どの程度の前記演出が解放されたかを示す解放割合の情報を管理しており、
前記演出制御部は、遊技者の操作に応じて、前記管理部によって管理されている前記解放割合の情報のうち、前記遊技者の前記操作をした時の解放割合に対応する識別情報を発行し、
前記管理部は、入力された前記識別情報に基づいて、前記特典付与部において用いる解放割合を前記識別情報に対応する解放割合とし、
前記特典付与部は、前記解放割合に基づいて、前記特典を決定する、
遊技機。
【請求項3】
遊技に関する操作を受け付けることが可能な遊技機であって、
所定の開始条件が成立したことに基づいて内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記内部抽せん部の抽せん結果に基づいて、遊技媒体の払い出しを行うことが可能な払い出し制御部と、
複数の演出の情報が少なくとも記憶されている記憶部と、
所定タイミングに前記演出の抽せんをし、前記演出の情報を少なくとも1つ選択する演出制御部と、
選択された前記演出の情報を報知可能な報知部と、
前記演出制御部が前記演出の情報を少なくとも1つ選択したことに基づいて、選択された前記演出の情報を、解放済みの演出(以下、解放済み演出)の情報として管理する管理部と、
前記解放済み演出の情報の数に応じて複数の特典を決定し、前記複数の特典の中から遊技者の操作に応じて選択された前記特典を付与する特典付与部と、
を備えている遊技機。
【請求項4】
遊技に関する操作を受け付けることが可能な遊技機であって、
所定の開始条件が成立したことに基づいて内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記内部抽せん部の抽せん結果に基づいて、遊技媒体の払い出しを行うことが可能な払い出し制御部と、
複数の演出の情報が少なくとも記憶されている記憶部と、
所定タイミングに前記演出の抽せんをし、前記演出の情報を少なくとも1つ選択する演出制御部と、
選択された前記演出の情報を報知可能な報知部と、
前記演出制御部が前記演出の情報を少なくとも1つ選択したことに基づいて、選択された前記演出の情報を、解放済みの演出(以下、解放済み演出)の情報として管理する管理部と、
前記解放済み演出の情報の数に応じて特典を決定し、前記特典を付与する特典付与部と、
を備え、
前記管理部は、
どの程度の前記演出が解放されたかを示す解放割合の情報を管理しており、
前記解放割合の情報のうち、店舗スタッフまたは遊技者の操作に応じて選択された前記解放割合の情報に基づいて、前記特典付与部において用いる解放割合を設定し、
前記特典付与部は、前記管理部により設定された前記解放割合に基づいて、前記特典を決定し、前記特典を付与する、
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機、詳しくはスロットマシンまたはパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、遊技者にとっての有利度(例えば、出玉率)を規定する設定値が設けられている。この設定値は、例えば1~6のいずれかであり、遊技機ごとに店舗が設定することができる。そして、設定値1は遊技者にとって最も不利であり、設定値6は遊技者にとって最も有利である。
【0003】
また、従来の遊技機においては、所定条件を満たした場合の特典として、その遊技機の設定値がいくつであるかを示唆するための演出である設定示唆演出が行われる場合がある(例えば、特許文献1)。この設定示唆演出において、高設定(例えば、設定値が4~6)である旨の設定示唆演出が行われた場合には、遊技者にとって高設定の期待度が高まる、あるいは、高設定が確定する。
【0004】
また、従来の遊技機においては、前述の設定示唆演出の代わりの特典として、特別画像の表示、特別動画の表示、特別音声の発声などの演出が行われることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の遊技機では、ゲーム数と設定値とに基づいて設定示唆演出を行うものであるが、この設定示唆演出は、有利区間終了後において通常区間に戻ったあとの所定の区間において必ずされるものであり、遊技者にとっては有益なものである。しかしながら、有利区間終了後、必ず設定示唆があることが遊技者にとって自明であることから、遊技者の興趣を損なうことがあった。したがって、最近では、遊技者の興趣を損なうことなく、より遊技の幅を広げる特典の付与を行うことができる遊技機が求められている。たとえば、有利区間でない区間中において、出玉に直接関わらないが遊技者にとって興味深い特典の付与を、興趣を損なうことなく行うことなどが望まれる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、従来よりも遊技の幅を広げる特典の付与を行うことが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、
遊技に関する操作を受け付けることが可能な遊技機であって、
所定の開始条件が成立したことに基づいて内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記内部抽せん部の抽せん結果に基づいて、遊技媒体の払い出しを行うことが可能な払い出し制御部と、
複数の演出の情報が少なくとも記憶されている記憶部と、
所定タイミングに前記演出の抽せんをし、前記演出の情報を少なくとも1つ選択する演出制御部と、
選択された前記演出の情報を報知可能な報知部と、
前記演出制御部が前記演出の情報を少なくとも1つ選択したことに基づいて、選択された前記演出の情報を、解放済みの演出(以下、解放済み演出)の情報として管理する管理部と、
前記解放済み演出の情報の数に応じて特典を決定し、前記特典を付与する特典付与部と、
を備えている遊技機である。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記演出の情報は、複数の属性に分類されるものであり、
前記管理部は、前記演出の情報を前記属性ごとに分類して管理しており、
前記特典付与部は、前記属性ごとに、前記演出の情報の全体数に対する前記解放済み演出の情報の数の割合に応じて特典を決定し、前記特典を付与することが好ましい。
【0010】
また、第3の発明は、第2の発明において、前記属性は、前記演出の情報のそれぞれに関連づけされている前記遊技の様態の種類に関する情報であり、
前記管理部は、前記演出の情報を前記遊技の様態の種類ごとに分類して管理することが好ましい。
【0011】
また、第4の発明は、第2の発明において、前記属性は、前記演出に登場するオブジェクトの種類であり、
前記管理部は、前記演出の情報を前記オブジェクトの種類ごとに分類して管理するものであってもよい。
【0012】
また、第5の発明は、第1~第4の発明において、前記特典付与部は、前記特典を複数の特典の中から抽せんによって選択決定することが好ましい。
【0013】
また、第6の発明は、第1~第5の発明において、前記特典付与部は、前記特典を複数付与した場合、付与された前記特典の数に応じた特殊特典を付与することが好ましい。
【0014】
また、第7の発明は、第1~第6の発明において、前記管理部は、前記解放済み演出の情報および/または解放済み演出の情報の数を、所定条件が満たされた場合に初期化することが好ましい。
【0015】
また、第8の発明は、第1~第7の発明において、
前記特典付与部は、
前記解放済み演出の情報の数が特典付与条件を満たしているか否かに応じて、前記特典を付与し、
前記特典付与条件の内容を、変更条件が満たされた場合に変更可能に構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来よりも遊技の幅を広げる特典の付与を行うことが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態における、スロットマシンの正面図である。
【
図2】
図1のスロットマシンの機能的ブロック図である。
【
図3】
図1のスロットマシンにおける回転リールの図柄の配列を示す図である。
【
図4】
図1のスロットマシンのRT状態の遷移を説明するための図である。
【
図5】
図1のスロットマシンにおける超高確モードAのART抽せんテーブルを説明するための図である。
【
図6】
図1のスロットマシンにおける高確モードBのART抽せんテーブルを説明するための図である。
【
図7】
図1のスロットマシンにおける通常モードCのART抽せんテーブルを説明するための図である。
【
図8】
図1のスロットマシンにおける高確モードaの上乗せ抽せんテーブルを説明するための図である。
【
図9】
図1のスロットマシンにおける通常モードbの上乗せ抽せんテーブルを説明するための図である。
【
図10】
図1のスロットマシンの内部抽せんテーブルT1におけるRT状態ごとに成立する役のフラグを説明するための図である。
【
図11】
図1のスロットマシンの内部抽せんテーブルT1における押し順ごとの入賞可能役を説明するための図である。
【
図12】
図1のスロットマシンにおける区間移行抽せんテーブルを説明するための図である。
【
図13】
図1のスロットマシンにおける管理テーブルの一例を示す図である。
【
図14】
図1のスロットマシンにおける特典テーブルの一例を示す図である。
【
図15】
図1のスロットマシンにおける演出管理処理を示すフローチャートである。
【
図16】
図1のスロットマシンにおける特典付与処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態]
以下に、本発明の遊技機の実施形態としてのスロットマシンを説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明の実施形態を適宜変更することができる。
【0019】
<スロットマシンの筐体の説明>
図1は、スロットマシン1の筐体10を示す図である。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
【0020】
前面扉100は、その中央部分に透光性のリール窓200を備える。遊技者は、このリール窓200から、後述する各回転リール20の表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
【0021】
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、電飾部(図示略)、および、スピーカ(図示略)が設けられている。液晶画面3、電飾部およびスピーカは、報知部に相当する。
【0022】
液晶画面3は、遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
【0023】
電飾部は、所定の条件(例えば、期待度の高い演出画面が表示されている場合、あるいは、特定の役が入賞した場合)が満たされた場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
【0024】
スピーカは、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)およびSE(サウンドエフェクト)を出力する。
【0025】
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、ストップスイッチ40、投入口41、ベットスイッチ42、レバー43、精算スイッチ(図示略)、および貯留メダル表示部(図示略)等を備える。
【0026】
投入口41には、遊技媒体の一例としてのメダルが投入される。また、投入口41にはメダルセンサ(図示略)が設けられている。メダルセンサは、遊技者による投入口41へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
【0027】
ベットスイッチ42は、遊技者がメダルをベットする際に用いられる。
【0028】
レバー43は、各回転リール20を回転させるスタートスイッチとして機能する。
【0029】
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられ、遊技者が回転中の各回転リール20を停止する際に用いられる。
【0030】
これらの操作部4の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。
【0031】
さらに、操作部4の下部には、メダルを払い出すための払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。
【0032】
これらに加えて、
図2のとおり、スロットマシン1は回転リールユニット2および制御部6を備える。回転リールユニット2および制御部6は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示略)等とともに、筐体10の内部に配置されている。
【0033】
回転リールユニット2は、
図3のとおり図柄の配列を備える3つの回転リール20と、これらをそれぞれ駆動する3つのステッピングモータ21とを備える。この回転リールユニット2は、筐体10の内部の中央付近に配置されている。
【0034】
本実施形態におけるステッピングモータ21は、ストップスイッチ40が操作されてから、190m秒以内に回転リール20の回転を停止させる。また、ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リールは80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
【0035】
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、後述の回転開始制御部611および回転停止制御部612によって、その回転および停止が制御される。
【0036】
<遊技の流れの説明>
遊技者は、まず、投入口41からメダルを投入して、あるいは、ベットスイッチ42を操作することにより貯留しているメダル(クレジット)を使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定の枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち、遊技の開始が可能となる。
【0037】
図1のとおり、本実施形態の有効ラインLは、右下がりライン1本で構成されている。本実施形態では、Max Bet(マックスベット)となる3枚掛けをした場合に、1本のライン(右下がりライン)が有効化され、有効ラインLとなる。
【0038】
なお、以下では、ベル、スイカ等のメダルの払い出しのある役が入賞する場合だけではなく、リプレイ、RT移行リプに対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも入賞と表現する。
【0039】
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、遊技の結果(メダルの払い出し処理を含む。)を得る一連の動作をいう。
【0040】
具体的には、遊技が開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインL上に揃った(入賞した)図柄の組み合わせに応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
【0041】
<RT状態の説明>
スロットマシン1は、
図4のとおり、RT状態として、RT0~RT6を備える。なお、これらの複数のRT状態のそれぞれには、ART当せん確率および上乗せ当せん確率が当せんした役ごとにあらかじめ定められている。
【0042】
RT0は、制御部6に設けられたRAMのクリア時、あるいは、RT5またはRT6から移行するRT状態である。RT0のリプレイ確率は1/7.3である。本明細書において、このリプレイ確率は、リプレイのほか、RT移行リプ等の再遊技役すべてを含めた再遊技役合成当せん確率である。前ゲームにおいて再遊技役に当せんした場合には、遊技者はメダルをベットすることなく次ゲームを遊技することができる。
【0043】
また、RT0は、ART当せん確率が超高確率に設定されたRT状態である。すなわち、RT0では超高確モードAでART抽せんが行われる。
【0044】
超高確モードAのART抽せんでは、
図5のとおり、一般遊技状態においてチェリーが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は70%、ARTが当せんする確率は30%である。スイカが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は30%、ARTが当せんする確率は70%である。
【0045】
また、
図5のとおり、チャンス目が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は0%、ARTが当せんする確率は100%である。さらに、チェリー、スイカ、チャンス目のいずれでもない役(以下、「その他の役」という。)が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は95%、ARTが当せんする確率は5%である。
【0046】
RT1は、RT状態がRT0あるいはRT4のときに、RT1移行リプのフラグが成立し、かつ、RT1移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT1のリプレイ確率は1/7.3である。
【0047】
また、RT1は、ART当せん確率が高確率に設定されたRT状態である。すなわち、RT1では高確モードBでART抽せんが行われる。
【0048】
高確モードBのART抽せんでは、
図6のとおり、チェリーが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は80%、ARTが当せんする確率は20%である。スイカが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は50%、ARTが当せんする確率は50%である。
【0049】
また、
図6のとおり、チャンス目が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は20%、ARTが当せんする確率は80%である。なお、その他の役が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は100%、ARTが当せんする確率は0%である。
【0050】
RT2は、RT状態がRT1のときに、RT2移行リプのフラグが成立し、かつ、RT2移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT2のリプレイ確率は1/7.3である。
【0051】
また、RT2は、ART当せん確率が通常確率に設定されたRT状態である。すなわち、RT2では通常モードCでART抽せんが行われる。
【0052】
通常モードCのART抽せんでは、
図7のとおり、チェリーが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は90%、ARTが当せんする確率は10%である。スイカが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は70%、ARTが当せんする確率は30%である。
【0053】
また、
図7のとおり、チャンス目が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は50%、ARTが当せんする確率は50%である。なお、その他の役が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は100%、ARTが当せんする確率は0%である。
【0054】
RT3は、RT状態がRT2のときに、RT3移行リプのフラグが成立し、かつ、RT3移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT3のリプレイ確率は1/7.3である。なお、RT3においても通常モードCでART抽せんが行われる。
【0055】
RT4は、RT状態がRT3のときに、RT4移行リプのフラグが成立し、かつ、RT4移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT4のリプレイ確率は1/7.3である。なお、RT4においても通常モードCでART抽せんが行われる。
【0056】
RT5は、RT状態がRT1~4あるいはRT6のときに、RT5移行リプのフラグが成立し、かつ、RT5移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT5のリプレイ確率は1/1.4である。なお、RT5においても通常モードCでART抽せんが行われる。
【0057】
一方、RT5は、遊技状態がARTである場合にはARTの継続ゲーム数を増加させる上乗せ当せん確率が高確率に設定されたRT状態である。すなわち、RT5では高確モードaで上乗せ抽せんが行われる。高確モードaの上乗せ抽せんでは、
図8のとおり、チャンス目が当せんした場合には、チャンス目以外の役が当せんした場合と異なり、必ず20ゲーム以上の上乗せが行われる。特に、20ゲームが付与される確率は、チャンス目が当せんした場合には70%ときわめて高い。
【0058】
RT6は、RT状態がRT5のときに、RT6移行リプのフラグが成立し、かつ、RT6移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT6のリプレイ確率は1/1.4である。なお、RT6においても通常モードCでART抽せんが行われる。
【0059】
RT6においても、遊技状態がARTである場合には上乗せ抽せんが行われる。ただし、ART中のRT6では、ART中のRT5よりも上乗せ当せん確率が低い通常確率で上乗せ抽せんが行われる。すなわち、RT6では通常モードbで上乗せ抽せんが行われる。
【0060】
図9のとおり、ART中のRT6の場合には、10ゲームが上乗せされる確率は、チャンス目の場合には50%である。また、ART中のRT6のときにチャンス目が当せんした場合に20ゲームが上乗せされる確率は30%であって、ART中のRT5のときにチャンス目が当せんした場合に比べて上乗せ当せん確率が全体的に低い。
【0061】
なお、ART中にRT0~RT4のいずれかに移行した場合であっても、上乗せ抽せんが行われる。この場合には、通常モードbで上乗せ抽せんが行われる。
【0062】
ARTは、RT状態がRT5またはRT6の場合に実行される。ART抽せんに当せんしたのち、いったん遊技状態がARTに移行すると、ARTで遊技可能な遊技期間(ARTゲーム数)が経過してARTが終了するまで、正解押し順を報知するアシストが継続する。押し順役フラグが成立した際、その押し順役を入賞させるためには、当該押し順に対して規定されている所定手順に従ってストップスイッチ40を押す必要があり、正解押し順とは、その所定手順を言う。アシストでは、1つの押し順役フラグにおいて押し順ごとに規定された複数の押し順役のうちの特定の押し順役を入賞させるための押し順が報知される。
【0063】
なお、遊技状態がART(RT状態はRT5あるいはRT6)に移行したのち、例えばRT0移行リプの入賞によりRT状態がRT0に移行したとしても、アシストは継続する。この場合には、例えば、RT1が入賞するためのアシストがなされたのち、RT5移行リプが入賞するためのアシストがなされる。そして、RT状態がRT5へ移行することによって、高リプレイ確率状態(1/1.4)へと復帰する。
【0064】
また、本実施形態ではRT5およびRT6でARTが実行される例が記載されているが、ART中ではないRT5およびRT6もありうる。具体的には、ARTへの移行が決定されていないRT1中に、RT5移行リプが入賞することにより、例えばRT状態がRT1からRT5へと移行する場合である。
【0065】
これらのRT0~RT6の切り替えは、後述のRT状態制御部617によって行われる。
【0066】
また、以下の説明において、一般遊技状態とは、RT0~RT6のいずれかのRT状態ではあるが特別遊技状態であるCZ(チャンスゾーン)およびARTのいずれでもない遊技状態のことをいう。後述の例では、特別遊技状態はARTである。これらの一般遊技状態と有利遊技状態との切り替えは、後述の遊技状態制御部618によって行われる。
【0067】
<制御部6の説明>
制御部6は、
図2のとおり、主に、メイン制御部61およびサブ制御部62で構成される。メイン制御部61およびサブ制御部62はそれぞれ、演算に用いられるCPU(Central Processing Unit)、ならびに、遊技進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される記憶部を備える(図示略)。
【0068】
<メイン制御部61の説明>
メイン制御部61は、内部抽せん、回転リール20の制御等、遊技を進行させるための制御を行う。メイン制御部61は、遊技者による、ベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40への操作に基づいて、ステッピングモータ21の制御、および、回転リール20の回転開始または停止の制御を行う。
【0069】
メイン制御部61は、
図2のとおり、内部抽せん部610、回転開始制御部611、回転停止制御部612、遊技結果判定部613、ホッパー制御部614、設定値制御部615、区間制御部616、RT状態制御部617、遊技状態制御部618、および、カウント部619を備える。
【0070】
<内部抽せん部610の説明>
内部抽せん部610は、レバー43の操作信号が出力されたときに取得される乱数と内部抽せん部610が備える内部抽せんテーブルT1とに基づいて内部抽せんを行う。そして、内部抽せんの結果を受けて、内部抽せん結果信号が生成される。この内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転開始制御部611、回転停止制御部612、カウント部619、および、演出制御部620を備えるサブ制御部62等へと送信される。
【0071】
ベットスイッチ42の操作信号は、所定の枚数のメダルが貯留されており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ42の操作が行われた場合(ベットスイッチ42がオンされた場合)に出力される。
【0072】
各スイッチの操作信号が出力されたか否かの判定は、1ゲームごとに行われる。また、本実施形態において、各スイッチへの操作は、各スイッチの操作信号が出力される操作を意味する。
【0073】
図10、
図11は、内部抽せんテーブルT1の説明図である。内部抽せんテーブルT1は、
図10に示されるような各RT状態における当せんの可能性がある役の情報、および、
図11のとおり役のフラグおよび押し順に対応する入賞可能役の情報を含む。また、図示されていないが、内部抽せんテーブルT1は、乱数に対応する役が記憶されている複数の領域を備える。
【0074】
以下に、内部抽せんテーブルT1を詳細に説明する。
内部抽せんテーブルT1は、当せんの可能性がある役の情報(成立する可能性のある役のフラグの情報)を備える。内部抽せんテーブルT1において、RT状態ごとに「○」となっている欄が成立する可能性のある役のフラグであり、空欄となっている欄が成立する可能性のない役のフラグである。
【0075】
例えば、
図10の「純はずれ」の欄から、役のフラグ「純はずれ」は、RT0~RT4では成立する可能性があるが、RT5およびRT6では成立しないことがわかる。なお、「純はずれ」とは、
図10におけるリプレイ以降の役すべてが非当せんの状態である。
【0076】
図11のとおり、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役のフラグには、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞する押し順役フラグ、および押し順に関係なく入賞可能な押し順不問役フラグが含まれる。
【0077】
本実施形態において押し順役フラグは、
図10、
図11のとおり、RT0~6移行リプ1~3、および、押し順ベル1~12に関する役のフラグである。これらの役のフラグに含まれる押し順役は、正解押し順でストップスイッチ40が操作された場合には対応する図柄停止パターンが回転リール20に必ず揃って入賞する役であるが、正解押し順が報知されなければ、対応する図柄停止パターンを回転リール20に揃えることが難しくなる役である。
【0078】
RT0~6移行リプは、これらを含む役のフラグが当せんフラグとして成立し、かつ、入賞することにより、RT状態の移行を可能にする移行役である。
【0079】
小役は、リプレイおよびRT移行リプレイを除く役であり、入賞した場合に一定枚数のメダルの払い出しが行われる役である。また、リプレイおよびRT移行リプ等は、入賞した場合にメダルをベットすることなく次の遊技が可能となる再遊技役である。小役、リプレイおよびRT移行リプレイそれぞれには、図柄の組み合わせが規定されており、入賞時には、この図柄の組み合わせが図柄停止パターンとして回転リール20上に停止する。
【0080】
また、
図11のとおり、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役の情報には、役のフラグごとに設定されている1以上の入賞可能役の情報が含まれる。例えば、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞可能な役である押し順役の情報には、設定されている押し順役の情報(役の名称など)、および、対応するストップスイッチ40の押し順(正解押し順)に関する情報が含まれる。
【0081】
なお、
図11では、押し順役の正解押し順が、テーブルの上部の3つの文字で示されている。例えば、「左中右」は、左のストップスイッチ40a、中のストップスイッチ40b、右のストップスイッチ40cの順にストップスイッチ40が操作された状態であることを示している。押し順役の正解押し順は、所定の条件が満たされた場合(例えば、遊技状態がARTとなった場合)に、アシストされる。以下では、押し順役が入賞するように正解押し順をアシストする機能を指示機能という。
【0082】
本実施形態では、役のフラグに設定されている入賞可能役のうち複数の役が、同時に当せんする場合がある。例えば、内部抽せんの結果、役のフラグ「RT1移行リプ1」が成立した(当せんフラグが「RT1移行リプ1」である)場合、RT1移行リプおよび通常リプが同時に当せんしている。そしてこの場合に、RT1移行リプを入賞させるための押し順(「左中右」あるいは「左右中」)どおりに遊技者がストップスイッチ40を押したときにのみ、RT1移行リプが入賞する。
【0083】
押し順ベル1~6は、1通りのストップスイッチ40の押し順によって9枚のメダルが払い出される中段ベルと、1枚のメダルが払い出されるベルこぼし目とで構成される。
【0084】
また、押し順ベル7~12は、5通りのストップスイッチ40の押し順によって9枚のメダルが払い出される中段ベルと、1枚のメダルが払い出されるベルこぼし目とで構成される。
【0085】
<回転開始制御部611の説明>
回転開始制御部611は、レバー43の操作信号に基づいて、ステッピングモータ21を制御して回転リール20を回転させる。なお、回転開始制御部611は、回転リール20が、例えば、80回転/分の速度で回転するように、ステッピングモータ21を制御する。また、回転開始制御部611は、前遊技における回転リール20の回転開始から一定時間(いわゆるウェイト時間である4.1秒間)が経過している場合に、遊技者によるレバー43の操作に基づいて回転リール20の回転を開始する。
【0086】
<回転停止制御部612の説明>
回転停止制御部612は、回転リール検出部612a、図柄テーブルT2、図柄判定部612b、および、押し順判定部612cを備える。回転停止制御部612は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と遊技者によるストップスイッチ40の操作信号と図柄テーブルT2とに基づいて、ステッピングモータ21を制御する。これにより、遊技者がストップスイッチ40を操作したのち、190m秒以内に、対応する回転リール20の回転が停止する。
【0087】
回転リール検出部612aは、回転中の回転リール20の位置を検出する。具体的には、回転リール検出部612aは、回転リール20の回転が開始されたのち、各回転リール20の基準点(図示略)の通過を検出する。各回転リール20の基準点の通過が検出されると、回転リール検出部612aは、各回転リール20の基準点が通過したことを表す検出信号を出力する。本実施形態のスロットマシン1では、各回転リール20の中段ラインがスロットマシン1の絶対的な位置である検出位置である。
【0088】
検出信号は、各回転リール20の基準点がこの検出位置を通過するたびに検出される。回転リール検出部612aは、回転リール20の基準点が有効ラインLを通過したことを示す検出信号を受信するたびに(回転リール20が1回転するたびに)、各ステッピングモータ21のステップの計測値を初期化(ゼロクリア)し、再びゼロからステップを計測する。これにより、回転リール検出部612aは、ステップを計測する。
【0089】
また、回転リール検出部612aは、計測されたステップに基づいて、スロットマシン1における絶対的な位置である検出位置からの各回転リール20の基準点のステップを検出する。この検出された基準点のステップから、回転リール20の位置が検出される。検出された回転リール20の位置は、回転リール検出部612aによって、回転リール位置検出信号として出力される。出力された回転リール位置検出信号は、回転リール検出部612aから回転停止制御部612等へと送信される。
【0090】
また、回転リール検出部612aは、遊技者がストップスイッチ40を操作したときの回転リール20の位置の情報、および、回転リール20が停止したときの回転リール20の位置の情報を停止信号として出力する。出力された停止信号は、回転リール検出部612aから図柄判定部612b等へと送信される。
【0091】
図柄判定部612bは、回転リール検出部612aにより出力された停止信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、すべての回転リール20が停止したときの有効ラインL上の図柄を判定する。これにより、各回転リール20の有効ラインL上の図柄が判定される。この判定結果は、図柄判定信号として図柄判定部612bから遊技結果判定部613等へと送信される。
【0092】
押し順判定部612cは、遊技者が3つのストップスイッチ40のうちのいずれのストップスイッチ40をどのようなタイミングで操作したかを判定する。この判定結果は、押し順判定信号として押し順判定部612cから遊技結果判定部613等へと送信される。
【0093】
なお、押し順判定信号は、前記とは異なり、6通りの押し順に関する情報であってもよいし、遊技者がストップスイッチ40を操作した際の、対応するステッピングモータ21のステップに関する情報であってもよい。
【0094】
図柄テーブルT2は、当せんフラグとストップスイッチ40の操作信号が出力されたときの有効ラインL上の図柄とに応じて定められている回転リール20の停止位置の情報をも備える。この情報には、押し順と、当せんフラグに対応する入賞可能役と、ストップスイッチ40が操作されたときの回転リール20の位置とに応じて、ストップスイッチ40が操作されてから回転リール20が停止するまでのステップの情報(図柄の滑りコマ数)が含まれる。
【0095】
回転停止制御部612は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と、回転リール検出部612aにより出力された回転リール位置検出信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、回転リール20の回転停止制御を行う。例えば、回転停止制御部612は、入賞可能役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うように回転リール20の引き込み制御を行い、入賞可能ではない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように回転リール20の蹴飛ばし制御を行う。
【0096】
<遊技結果判定部613の説明>
遊技結果判定部613は、内部抽せん部610から出力された内部抽せん結果信号と、図柄判定部612bから出力された図柄判定信号とに基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果は、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かによって判定される。
【0097】
具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、あらかじめ定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、当せん役が入賞したと判定される。この判定結果は、遊技結果判定信号として遊技結果判定部613からホッパー制御部614およびサブ制御部62へと送信される。
【0098】
<ホッパー制御部614の説明>
ホッパー制御部614は、遊技結果判定部613により出力された遊技結果判定信号、あるいは操作部4の精算スイッチ(図示略)を操作することにより出力される操作信号に基づいて、ホッパーユニット(図示略)を制御する。
【0099】
遊技結果判定信号に基づいて払い出されたメダル(入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。メダルが貯留された結果、クレジットの上限(例えば50枚)を超える場合には、ホッパー制御部614によりホッパーユニットが制御される。すなわち、クレジットの上限を超えた分のメダルがホッパーユニットから払い出される。
【0100】
また、1枚以上の貯留メダルがある場合(クレジットが1以上の場合)、または1枚以上のメダルがBETされている場合であって、精算スイッチ(図示略)が操作された場合には、ホッパー制御部614によりホッパーユニットが制御される。これにより、貯留されているメダルがホッパーユニットから払い出される。
【0101】
<設定値制御部615の説明>
設定値制御部615は、店舗の操作者の操作に基づいて、複数種類の設定値(例えば、1~6)のうちいずれか1つの設定値を用いて遊技進行を実行する。この設定値は、スロットマシン1ごとに設定される。設定値制御部615によって設定された設定値の情報は、内部抽せん部610のほか、後述する演出制御部620などに送信される。
【0102】
<区間制御部616の説明>
区間制御部616は、遊技区間を、所定の処理を行うことができる有利区間、および、所定の処理を行うことができない通常区間のいずれにするかを決定する。具体的には、区間制御部616は、遊技区間を、出玉に影響する操作を遊技者に指示する指示機能に係る処理を行うことができる一般遊技状態または出玉に影響する操作を遊技者に指示する指示機能に係る処理を行うことができる特別遊技状態で遊技を進行する有利区間、および、指示機能に係る処理を行うことができない一般遊技状態で遊技を進行する通常区間のいずれにするかを決定する。このように、本実施形態において有利区間とは、指示機能にかかる性能を発揮することができる区間のことをいう。すなわち、所定の処理とは指示機能を発揮させる(アシストを行う)か否かの抽せん処理、および、指示機能を発揮させる処理を示す。したがって、遊技区間が有利区間でなければ、スロットマシン1はCZ抽せん処理、および、ART抽せん処理(上乗せ抽せん処理を含む。)を行うことができない。
【0103】
なお、区間制御部616は、所定の条件が満たされた場合に有利区間を強制的に終了させる。所定の条件としては、有利区間の継続ゲーム数が1500ゲームとなった場合、あるいは、前記有利区間中のメダルの差枚数の最大値と最小値との差が2400枚である場合である。なお、前記所定の条件は、これらに限られず、適宜設定することができる。
【0104】
図12のとおり、区間制御部616は遊技区間が通常区間であるときに区間移行抽せんを行う。具体的には、区間制御部616は当せん役によって通常区間のままとするか有利区間に移行するかを決定し、決定した結果の情報を後述する演出制御部620などに送信する。本実施形態では、内部抽せんによりレア役が当せんした場合にのみ、区間移行抽せんが行われる。レア役には、チェリー、スイカ、チャンス目が含まれる。レア役は、遊技者にとって有利な遊技状態(CZ(チャンスゾーン)、ARTなど)への移行抽せん役などとなるため、遊技者が有利な遊技を展開できる遊技状態への移行契機役、ということができる。
【0105】
具体的には、
図12のとおり、遊技区間が通常区間のときにチェリーが当せんした場合には遊技区間が通常区間のままとなる確率は50%、有利区間が当せんする確率は50%である。スイカが当せんした場合には遊技区間が通常区間のままとなる確率は70%、有利区間が当せんする確率は30%である。
【0106】
また、
図12のとおり、チャンス目が当せんした場合には遊技区間が通常区間のままとなる確率は0%、有利区間が当せんする確率は100%である。また、その他の役が当せんした場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は100%、有利区間が当せんする確率は0%である。
【0107】
また、遊技区間が有利区間に移行した場合であって特定の条件が満たされている場合には、例えば、後述の報知制御部621が、不図示の表示部において遊技区間が有利区間であることを表示する。例えば、貯留メダル表示部(図示略)のクレジット数の右下に「.(ドット)」を表示することで遊技区間が有利区間であることを示す。なお、特定の条件とは、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物(RB、CT)および役物連続作動装置(1種BB、2種BB)を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超えることである。
【0108】
また、本実施形態においては、遊技区間が有利区間へ移行する確率は設定値によって差が設けられている。また、設定値によって当せん確率が異なる当せん役によって区間移行抽せんが行われる。さらに、有利区間中の特別遊技状態への移行抽せん、特別遊技状態の延長抽せん、および、特別遊技状態の継続抽せんなどの指示機能にかかる抽せんについて、その当せん確率は設定値によって差が設けられている。ただし、本実施形態においては、説明の便宜上、ある特定の設定値(例えば、設定値1)の例のみが記載されている。
【0109】
<RT状態制御部617の説明>
RT状態制御部617は、複数のRT状態のうちの1つのRT状態を用いて遊技進行を行う。複数のRT状態には、前述のとおり、リプレイのフラグが当せんフラグとして成立する確率(リプレイ確率)がそれぞれあらかじめ定められている。
【0110】
また、RT状態制御部617は、入賞した役など遊技進行の状況に応じて、RT状態を遷移させる。各RT状態から他のRT状態へ移行するための契機は、
図4のとおり、あらかじめ定められている。
【0111】
また、現在の遊技状態が一般遊技状態であり、現在の遊技区間が有利区間であり、かつ、現在のRT状態がRT1~4である場合において、後述の遊技状態制御部618が遊技状態を特別遊技状態に移行させることを決定した場合には、後述の報知制御部621は、RT5移行リプが当せんした場合に、RT5移行リプが入賞するよう押し順をアシストする。そして、RT状態制御部617は、RT5移行リプが入賞した場合に、RT状態をRT1~4よりもリプレイ確率が高いRT5へ移行させる。
【0112】
また、RT状態制御部617は、現在のRT状態を示す情報を内部抽せん部610のほか、演出制御部620、報知制御部621等へと送信する。
【0113】
<遊技状態制御部618の説明>
遊技状態制御部618は、遊技状態を、一般遊技状態と特別遊技状態との間で切り替える。具体的には、遊技状態制御部618は、遊技状態を一般遊技状態から特別遊技状態へと移行させるか否かの移行抽せんを行う。
【0114】
本実施形態では特に、遊技状態制御部618は、遊技状態が一般遊技状態である場合に、遊技区間が通常区間および有利区間のいずれであるか、ならびに、RT状態がRT0~RT6のいずれであるかに基づいて、遊技状態を一般遊技状態および特別遊技状態のいずれにするかを決定する。
【0115】
具体的には、遊技状態制御部618は、現在の遊技区間が有利区間、かつ、現在の遊技状態が一般遊技状態であって、第1の条件が満たされた場合に、現在のRT状態に定められた移行当せん確率に基づいて移行抽せんを行う。本実施形態において第1の条件は、特定の役(チェリー、スイカ、チャンス目)が当せんすることであって、後述する「通常時(レア役)」の遊技の様態が相当する。なお、後述する「通常時」の遊技の様態とは、現在の遊技区間が通常区間、かつ、現在の遊技状態が一般遊技状態にある遊技の様態のことをいう。
【0116】
遊技状態制御部618は、遊技状態を一般遊技状態からARTに移行させることを決定した場合には、遊技状態をARTに移行させることを示す情報、およびART中に付与されるゲーム数をART移行信号として生成する。このART移行信号は、遊技状態制御部618から演出制御部620等へと送信される。
【0117】
また、遊技状態制御部618は、現在の遊技区間が有利区間、かつ、現在の遊技状態が特別遊技状態であって、第2の条件が満たされた場合に、現在のRT状態に定められた上乗せ当せん確率に基づいて上乗せ抽せんを行う。本実施形態において第2の条件は、特定の役(チェリー、スイカ、チャンス目)が当せんすることである。すなわち、本実施形態において第1の条件と第2の条件とは同じである。
【0118】
遊技状態制御部618は、遊技状態がARTであるときに、特定役に当せんしたことを表す内部抽せん結果信号を受信した場合、ARTの継続ゲーム数を増加させるか否かを決定するための上乗せ抽せんを行う。この抽せんの結果は、ART上乗せ抽せん結果信号として遊技状態制御部618から演出制御部620および報知制御部621へと送信される。
【0119】
また、遊技状態制御部618は、遊技状態を一般遊技状態からCZに移行させるためのCZ抽せんに当せんした場合には、遊技状態をCZに移行させることを示す情報、およびCZ中に付与されるゲーム数をCZ移行信号として生成する。このCZ移行信号は、演出制御部620へと送信される。
【0120】
遊技状態制御部618は、遊技状態を特別遊技状態であるART(あるいはCZ)から一般遊技状態へと移行させる場合には、通常遊技状態移行信号を生成する。この通常遊技状態移行信号は、遊技状態制御部618から演出制御部620および報知制御部621へと送信される。
【0121】
また、遊技状態制御部618は、これらの状態移行信号を生成したのち、現在の遊技状態から他の遊技状態へと遊技状態を移行させる。これにより、遊技状態制御部618は、遊技状態を、一般遊技状態と特別遊技状態との間で切り替える。
【0122】
カウント部619は、遊技者の遊技数(ゲーム数)と、有利区間中の一般遊技状態におけるゲーム数、または、有利区間中の一般遊技状態におけるゲーム数および有利区間中の特別遊技状態におけるゲーム数と、設定値が決定されてからのゲーム数と、をカウントするものである。たとえば、カウント部619は、レバー43の操作、または、内部抽せん部610によって実行された内部抽せんなど、一遊技に関する操作または制御のいずれか一つを契機として、ゲーム数を一つカウントする。
【0123】
<サブ制御部62の説明>
サブ制御部62は、
図2のとおり、演出制御部620、および、報知制御部621を備える。また、サブ制御部62は、メイン制御部61から送信された信号に基づいて演出内容を決定する。具体的には、サブ制御部62は、演出制御部620、報知制御部621、電飾部、およびスピーカの制御、ならびに、決定された演出内容の出力といった制御を行う。
【0124】
<演出制御部620の説明>
演出制御部620は、例えば、内部抽せん結果信号、CZ移行信号、ART移行信号、ART終了信号、および、通常遊技状態移行信号等に応じて、1ゲームごとに、現在の遊技の様態に基づいて、演出テーブルT3に含まれる複数の演出の情報(たとえば、演出データ1~20)の中から少なくとも1つの演出情報を選択し、選択した演出の情報(演出データ)に基づいて演出パターンを実行する。なお、複数の演出が同時並行で実行されてもよいし、1の演出が複数回実行されてもよい。
【0125】
なお、演出データ1~20それぞれは、個々に異なった演出を実行するためのデータである。一例として、演出データ1,2,3それぞれを例示すると、キャラクタが巨大魚を釣り上げる演出、キャラクタがキャンプをする演出、キャラクタが別のキャラクタと対戦する演出、が挙げられる。
【0126】
演出パターンの選択は、当せんフラグ、遊技機の設定示唆、および/または、遊技状態等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(演出テーブルT3)に基づいて行われる。演出制御部620は、選択された演出パターンに基づいて、液晶画面3、報知制御部621、電飾部、およびスピーカを制御して、演出を出力する。
【0127】
また、演出テーブルT3は、例えば、所定の役のフラグが成立した場合、または、遊技状態の移行抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含む。前兆演出テーブルとは、演出テーブルT3に記憶されている領域の1つであって、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される。また、前兆演出とは、遊技状態が特別遊技状態に移行する期待度を示唆する演出の1つである。
【0128】
また、演出制御部620は、演出テーブルT3から演出の情報を選択するごとに、どの演出の情報を選択したかの情報を管理部622に送信する。
【0129】
また、演出制御部620は、たとえば、特典付与部623によって特典として設定示唆演出を行う選択がされた場合、すでに設定値制御部615から受信している遊技機の設定値の情報に基づいて設定示唆の演出パターンを選択する。具体的には、演出制御部620内の記憶部(図示せず)には、個々の設定値に対応する設定示唆演出の情報(設定示唆演出パターンの情報)が予め記憶されている。演出制御部620は、当該設定示唆演出の情報の中から、特典付与部623によって特典テーブルT5(後述)から選択された特典の情報に応じた情報を選択し、選択した情報を用いて設定示唆演出を行う。
【0130】
なお、設定示唆演出は、実際の設定値がいくつであるかを遊技者に推測してもらうための材料として、実際の設定値の傾向(奇数設定または偶数設定、設定値が4~6である可能性が高いなど)または実際の設定値を知らせるための示唆演出である。本実施形態では、設定示唆演出が、液晶画面3に表示可能な、演出データ1~20のような動画像、および/または一枚の静止画像である場合を例示する。
【0131】
<報知制御部621の説明>
報知制御部621は、例えば、ART抽せんに当せんしたことによって移行したART(RT5あるいはRT6)中に、押し順ベルなどの押し順役フラグが当せんフラグとして成立した場合、メイン制御部61から送信された信号に従って、その押し順役を入賞させるための正解押し順をアシストする。複数の押し順役が重複して当せんした場合、報知制御部621は、メイン制御部61から送信された信号に従って、当該複数の押し順役のうちの特定の押し順役を入賞させるための正解押し順をアシストする。
【0132】
また、押し順ベル7~12では、中段ベルが入賞する正解押し順が複数パターン存在する。そこで、報知制御部621は、現在の遊技区間が有利区間、かつ、現在の遊技状態が一般遊技状態であって、内部抽せんによって押し順ベル7~12のいずれかの役のフラグが成立した場合には、中段ベルを入賞させるための正解押し順の1つを少なくとも1回報知する。例えば、有利区間、かつ、一般遊技状態において、内部抽せんによって押し順ベル7が成立した場合には、正解押し順としてあらかじめ定められている押し順である「左右中」が報知される。
【0133】
一方、報知制御部621は、有利区間、かつ、一般遊技状態であって、内部抽せんによって押し順ベル1~6のいずれかの役のフラグが成立した場合には、中段ベルを入賞させるための正解押し順を報知しない。
【0134】
<管理部622の説明>
管理部622は、前記選択した演出情報(演出データ)を遊技の様態の種類ごとに分類して、管理テーブルT4を更新・管理する。なお、
図13に示すように、管理テーブルT4において、選択した演出情報(演出データ)ごとに、「遊技の様態(属性)」の情報、その「演出の選択確率」の情報、「解放フラグ(その演出が解放されたか否か)」の情報、その「演出の実行回数(その演出が何回選択されて実行されたか)」の情報、「解放割合A」の情報、「解放割合B」の情報、「解放割合C」の情報、が管理される。以下、各情報について具体例を用いて説明する。
【0135】
管理テーブルT4における「遊技の様態(属性)」の情報は、具体的にどのような遊技状態での遊技かを具体的に表す情報で、「通常時」「CZ中」などのように複数種類設定されている。なお、演出の情報(演出データ)には、それぞれ対応する遊技の様態が関連付けされている。たとえば、
図13に示したように、「通常時」、「通常時(レア役)」、「CZ中」、「CZ終了」、「AT中」、「AT終了画面」のうちいずれか1つの遊技の様態が関連付けされている。すなわち、
図13の例では、演出データ1~7は通常時に実行される演出、演出データ8~10は通常遊技中でレア役が当せんした時に実行される演出、演出データ11~13はCZ中に実行される演出、演出データ14、15はCZ終了において実行される演出、演出データ16~18はAT中に実行される演出、演出データ19、20はAT終了時にAT終了画面において実行される演出、である。
【0136】
「演出の選択確率」の情報は、演出の属性(すなわち、演出態様の具体的種類)ごとに、その演出が抽せんで選択される確率の値(あらかじめ設定されている値)を示す情報である。すなわち、
図13の例の場合、たとえば、遊技の様態(属性)が「通常時」の場合においては、演出制御部620によって、演出データ1~3のそれぞれが20%の確率で選択され、演出データ4~7のそれぞれが10%の確率で選択される。また、遊技の様態(属性)が「通常時(レア役)」の場合においては、演出制御部620によって、演出データ8が50%の確率で選択され、演出データ9が30%の確率で選択され、演出データ10が20%の確率で選択される。
【0137】
また、遊技の様態(属性)が「CZ中」の場合においては、演出制御部620によって、演出データ11が45%の確率で選択され、演出データ12が45%の確率で選択され、演出データ13が10%の確率で選択される。また、遊技の様態(属性)が「CZ終了」の場合においては、演出制御部620によって、演出データ14が99%の確率で選択され、演出データ13が1%の確率で選択される。
【0138】
また、遊技の様態(属性)が「ART中」の場合においては、演出制御部620によって、演出データ16が45%の確率で選択され、演出データ17が45%の確率で選択され、演出データ18が10%の確率で選択される。また、技の状態(属性)が「ART終了」の場合においては、演出制御部620によって、演出データ19が60%の確率で選択され、演出データ13が40%の確率で選択される。
【0139】
「解放フラグ(その演出が解放されたか否か)」の情報は、「演出の実行回数」が「1」以上である場合に「1」と更新され、「演出の実行回数」が「0」の場合は「0」(初期状態)のままとなる。
【0140】
「演出の実行回数」の情報は、演出制御部620から送信された情報に基づいて、管理部622が各演出の選択回数をカウントし、更新した情報である。
【0141】
なお、演出の実行途中や、演出が実行開始されようとしている状態においても、遊技者は、レバー43やストップスイッチ40を操作することができる。このような状態下においてレバー43やストップスイッチ40が操作された場合、液晶画面3やスピーカ等では、当該演出の報知はキャンセルされ、次の演出の報知が行われる。そこで、このような状況に鑑み、本実施形態では、演出の報知指示に関する信号が制御部6内にて出力された時点で、解放フラグの情報の更新および演出の実行回数のカウントがなされる。
【0142】
解放割合とは、“(演出制御部620によって選択された演出の種類の数=解放フラグが「1」となった数)/(演出制御部620によって選択可能な演出の種類の数=解放フラグが「1」となることができる最大数(本実施形態では最大で20))×100”の数式によって算出される数値のことである。なお、演出制御部620によって選択可能な演出の種類の数は、どのように演出の種類を分類するかで変化する。たとえば、「解放割合A」は、管理部622によって、演出データ1~10(「通常時」および「通常時(レア役)」)、演出データ11~13(「CZ中」)、演出データ14、15(「CZ終了」)、演出データ16~18(「ART中」)、演出データ19、20(「ART終了」)、に分類され管理されている情報である。
【0143】
具体的には、
図13の管理テーブルの「解放割合A」の情報は、管理部622によって、演出データ1~10までの演出の解放割合、演出データ11~13までの演出の解放割合、演出データ14、15の演出の解放割合、演出データ16~18までの演出の解放割合、演出データ19、20の演出の解放割合、を上述の数式に基づいてそれぞれ算出し、更新した情報である。具体的には、たとえば、演出データ1~10までの演出の解放割合は、8つの演出について解放フラグがオン(「1」)となっており、解放フラグが「1」となることができる最大数が10であるので、上述の数式に基づいて、“(8/10)×100=80(%)”と算出される。
【0144】
同様に、「解放割合B」の情報は、管理部622によって、演出データ1~7までの演出の解放割合、演出データ8~10までの演出の解放割合、演出データ11~15までの演出の解放割合、演出データ16~20までの演出の解放割合、を上述の数式に基づいてそれぞれ算出し、更新した情報である。
【0145】
同様に、「解放割合C」の情報は、管理部622によって、演出データ1~20までの演出の解放割合を上述の数式に基づいて算出し、更新した情報である。
【0146】
また、管理部622は、管理テーブルT4を更新した場合、管理テーブルT4における各解放割合の情報を特典付与部623に送信する。
【0147】
また、管理部622は、特典付与部623によって特典が付与された場合、
図13の管理テーブルT4における解放フラグ、演出の実行回数、解放割合A~Cのそれぞれを「0」に更新(初期化)し、管理部622内の記憶部に記憶する。
【0148】
<特典付与部623の説明>
特典付与部623は、あらかじめ選択された管理テーブルT4の「解放割合A」、「解放割合B」、「解放割合C」のいずれか1つの欄の情報に基づいて、特典テーブルT5の中から特典を付与する。なお、「解放割合A」、「解放割合B」、「解放割合C」の欄のうちいずれが特典付与のための情報として用いられるかは、特典付与部623によって、スロットマシン1の電源オン時または設定変更時に無作為にあらかじめ選択され、特典付与部623によって特典が付与されるまで維持される。特典付与部623によって特典が付与されると、特典付与部623は、再度、「解放割合A」、「解放割合B」、「解放割合C」のうちいずれかを無作為に選択し、選択された解放割合欄の情報に基づいて、特典を付与する。
【0149】
ここで、特典テーブルT5の一例である
図14について説明する。特典「a」では、管理部622から送信された解放割合欄の情報のうち、特典付与部623があらかじめ選択した解放割合(たとえば、「解放割合A」、「解放割合B」、「解放割合C」のうちいずれか1つが選択されている)を読み出し、読みだした解放割合のうち現在の遊技の様態(属性)に対応する解放割合が70%以上80%未満となっている場合(解放割合条件が成立した場合)、スロットマシン1の現在の設定値を50%の確率(信頼度50%)で正確に示す「設定示唆(信頼度低)の画像」を液晶画面3に表示することを特典とするものである。ここで、設定示唆(信頼度低)とは、後述する設定示唆(信頼度中)よりも設定示唆の信頼度が低いことであり、例えば設定されている設定値を信頼度50%にて示唆することが挙げられる。
【0150】
特典「b」では、管理部622から送信された解放割合欄の情報のうち、特典付与部623があらかじめ選択した解放割合(たとえば、「解放割合A」、「解放割合B」、「解放割合C」のうちいずれか1つが選択されている)を読み出し、読みだした解放割合のうち現在の遊技の様態(属性)に対応する解放割合が80%以上90%未満となっている場合(解放割合条件が成立した場合)、スロットマシン1の現在の設定値を70%の確率(信頼度70%)で正確に示す「設定示唆(信頼度中)の画像」を液晶画面3に表示することを特典とするものである。ここで、設定示唆(信頼度中)とは、設定示唆(信頼度低)よりも設定示唆の信頼度が高く、かつ、後述する設定示唆(信頼度高)よりも設定示唆の信頼度が低いことであり、例えば設定されている設定値を信頼度70%にて示唆することが挙げられる。
【0151】
特典「c」では、管理部622から送信された解放割合欄の情報のうち、特典付与部623があらかじめ選択した解放割合(たとえば、「解放割合A」、「解放割合B」、「解放割合C」のうちいずれか1つが選択されている)を読み出し、読みだした解放割合のうち現在の遊技の様態(属性)に対応する解放割合が90%以上100%未満となっている場合(解放割合条件が成立した場合)、スロットマシン1の現在の設定値を90%の確率(信頼度90%)で正確に示す「設定示唆(信頼度高)の画像」を液晶画面3に表示することを特典とするものである。ここで、設定示唆(信頼度高)とは、設定示唆(信頼度中)よりも設定示唆の信頼度が高く、かつ、後述する設定確定よりも設定示唆の信頼度が低いことであり、例えば設定されている設定値を信頼度90%にて示唆することが挙げられる。
【0152】
特典「d」では、管理部622から送信された解放割合欄の情報のうち、特典付与部623があらかじめ選択した解放割合(たとえば、「解放割合A」、「解放割合B」、「解放割合C」のうちいずれか1つが選択されている)を読み出し、読みだした解放割合のうち現在の遊技の様態(属性)に対応する解放割合が100%となっている場合(解放割合条件が成立した場合)、スロットマシン1の現在の設定値を示す「設定確定画像」を液晶画面3に表示することを特典とするものである。ここで、設定確定画像とは、スロットマシン1に設定されている設定値を、100%の信頼度で表した画像である。
【0153】
ここで、「解放割合条件」は、特典の付与にあたり解放割合A~Cが満たされるべき条件を示すものであって、特典付与条件に相当する。なお、上記では、特典a~dがいずれも設定示唆画面である場合を例示したが、特典a~dの少なくとも1つは、設定示唆を対応する信頼度にて知らせる音声(効果音やセリフ)、設定示唆画面と音との組み合わせ、であってもよい。
【0154】
ここで、たとえば、特典付与部623によって、
図13の管理テーブルT4の「解放割合A」が特典付与のための情報として選択されていた場合を例として、付与する特典a~dの選択について説明する。
【0155】
たとえば、現在の遊技の様態が「通常時」または「通常時(レア役)」である場合、解放割合Aは80%であるので、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典「b」が選択される。そして、この選択結果に基づいて、演出制御部620は、演出(ここでは、信頼度70%での設定示唆演出)を実行する。
【0156】
また、たとえば、現在の遊技の様態が「CZ中」である場合、解放割合Aは100%であるので、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典「d」が選択される。そして、特典付与部623が抽せんを実行し、演出の実行に当せんした場合、演出制御部620は、演出(ここでは、信頼度100%での設定示唆演出)を実行する。
【0157】
また、たとえば、現在の遊技の様態が「CZ終了」である場合、解放割合Aは50%であり、特典テーブルT5のいずれかの解放割合条件を満たすことができていないので、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典a~dはいずれも選択されない。したがって、演出制御部620は、演出を実行しない。
【0158】
また、たとえば、現在の遊技の様態が「ART中」である場合、解放割合Aは33%であり、特典テーブルT5のいずれかの解放割合条件を満たすことができていないので、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典a~dはいずれも選択されない。したがって、演出制御部620は、演出を実行しない。
【0159】
また、たとえば、現在の遊技の様態が「ART終了」である場合、解放割合Aは50%であり、特典テーブルT5のいずれかの解放割合条件を満たすことができていないので、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典a~dはいずれも選択されない。したがって、演出制御部620は、演出を実行しない。
【0160】
次に、たとえば、特典付与部623によって、
図13の管理テーブルT4の「解放割合B」が特典付与のための情報として選択されていた場合を例として、付与する特典の選択について説明する。たとえば、現在の遊技の様態が「通常時」である場合、解放割合Bは86%であるため、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典「b」が選択される。そして、特典付与部623が抽せんを実行し、演出の実行に当せんした場合、演出制御部620は、演出(ここでは、信頼度70%での設定示唆演出)を実行する。
【0161】
また、たとえば、現在の遊技の様態が「通常時(レア役)」である場合、解放割合Bは66%であり、特典テーブルT5のいずれかの解放割合条件を満たすことができていないので、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典a~dはいずれも選択されない。したがって、演出制御部620は、演出を実行しない。
【0162】
また、たとえば、現在の遊技の様態が「CZ中」または「CZ終了」である場合、解放割合Bは83%であるため、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典「b」が選択される。そして、特典付与部623が抽せんを実行し、演出の実行に当せんした場合、演出制御部620は、演出(ここでは、信頼度70%での設定示唆演出)を実行する。
【0163】
また、たとえば、現在の遊技の様態が「ART中」または「ART終了」である場合、解放割合Bは40%であり、特典テーブルT5のいずれかの解放割合条件を満たすことができていないので、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典a~dはいずれも選択されない。したがって、演出制御部620は、演出を実行しない。
【0164】
次に、たとえば、特典付与部623によって、
図13の管理テーブルT4の「解放割合C」が特典付与のための情報として選択されていた場合を例として、付与する特典の選択について説明する。現在の遊技の様態がいずれであるかに関わらず、解放割合Cは70%であるため、特典付与部623によって特典テーブルT5の特典「a」が選択される。そして、特典付与部623が抽せんを実行し、演出の実行に当せんした場合、演出制御部620は、演出(ここでは、信頼度50%での設定示唆演出)を実行する。
【0165】
<演出管理処理の説明>
次に、本発明の演出管理処理の一例について説明する。なお、ここでは、
図15を参照しつつ、設定示唆演出を特典とした場合の特典付与処理について説明する。また、以下に説明される処理の順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。
【0166】
まず、投入口41にメダル投入がされてレバー43が操作された場合(ステップS1)、当せんフラグを決定する内部抽せんが実行される(ステップS2)。
【0167】
次に、内部抽せんの結果に基づいて、演出制御部620により、演出の抽せんが実行されるとともに、演出の抽せん結果が管理部622に送信される(ステップS3)。具体的には、演出制御部620は、現在の遊技の様態に基づいて、演出テーブルT3に含まれる複数の演出の情報(管理テーブルT4に示す演出データ1~20と同様)の中から少なくとも1つの演出情報を選択し、選択した演出の情報(演出データ)に基づいて演出を実行する。このとき、演出制御部620は、どの演出の情報を選択したかの情報を管理部622に送信する。
【0168】
続いて、演出制御部620から選択した演出の情報を受信した管理部622は、管理テーブルT4の解放フラグをオンにする(ステップS4)。具体的には、
図13に示した管理テーブルT4の「演出の実行回数」をカウント(インクリメント)するとともに、「解放フラグ」が「0」であった場合はこれを「1」とする。なお、すでに「解放フラグ」が「1」の場合、管理部622は、「1」を維持する(あるいは「1」として更新する)。
【0169】
次に、管理部622は、管理テーブルT4の「解放フラグ」の情報に基づいて、分類された属性(遊技態様の具体的種類)ごとに、解放割合A~Cを算出する(ステップS5)。具体的には、たとえば、現在の遊技の様態が「通常時」である場合、
図13の管理テーブルT4の「解放割合A」における演出データ1~10までの演出の解放割合は、8つの演出について解放フラグがオン(「1」)となっているので、“{8/(演出制御部620によって選択可能な演出の種類の数である10)}×100=80(%)”と算出される。
【0170】
管理部622は、管理テーブルT4を更新し、管理部622内の記憶部(図示せず)に記憶させ、本処理を終了する(ステップS6)。以上の手順により、本発明の演出管理処理は実行される。
【0171】
なお、管理部622は、前記演出管理処理を1ゲームごとに実行しつつ、管理テーブルT4を更新し、管理部622内の記憶部(図示せず)に記憶させる。
【0172】
<特典付与処理の説明>
図16を参照して、本発明の特典付与処理の一例について説明する。なお、はじめに、管理テーブルT4の「解放割合A」が、特典付与処理のための情報として特典付与部623により無作為で選択されているとする。
【0173】
特典付与部623は、管理部622によって管理テーブルT4の更新がされた場合、管理部622から管理テーブルT4の各解放割合A~Cの欄の情報を受信する(ステップS11)。但し、「解放割合A」が特典付与処理のための情報として設定されているため、特典付与部623は、「解放割合A」の情報を以下の処理で用いる。
【0174】
次に、特典付与部623は、「解放割合A」の情報について、特典「a」~「d」のうちいずれかの解放割合条件が成立しているか否か判定する(ステップS12)。
【0175】
具体的には、特典付与部623は、遊技の態様(属性)に応じて分類された「解放割合A」の欄の情報のうち、現在の遊技の様態(遊技状態)に当てはまる分類に対応した解放割合Aを参照し、その解放割合Aの値が70%以上80%未満となっているか否かによって、「解放割合A」について特典「a」の解放割合条件が成立しているか否かを判定する。
【0176】
また、特典付与部623は、現在の遊技の様態(遊技状態)に当てはまる分類に対応した解放割合Aの値が、80%以上90%未満となっているか否かによって、特典「b」の解放割合条件が成立しているか否かを判定する。
【0177】
また、特典付与部623は、現在の遊技の様態(遊技状態)に当てはまる分類に対応した解放割合Aの値が、90%以上100%未満となっているか否かによって、特典「c」の解放割合条件が成立しているか否かを判定する。
【0178】
また、特典付与部623は、現在の遊技の様態(遊技状態)に当てはまる分類に対応した解放割合Aの値が、100%となっているか否かによって、特典「d」の解放割合条件が成立しているか否かを判定する。
【0179】
なお、たとえば、現在の遊技の様態(属性、すなわち遊技状態の具体的種類)が「通常時」であった場合、
図13の管理テーブルT4の「通常時」の解放割合Aの値は80%であるため、特典付与部623によって、特典「b」の解放割合条件が成立したと判定される。また、たとえば、現在の遊技の様態(属性)が「CZ中」であった場合、
図13の管理テーブルT4の「解放割合A」は100%であるため、特典付与部623によって、特典「d」の解放割合条件が成立したと判定される。
【0180】
これに対して、たとえば、現在の遊技の様態(属性、すなわち遊技状態の具体的種類)が「CZ終了」、「ART中」、または「ART終了」であった場合、
図13の管理テーブルT4の「CZ終了」、「ART中」、または「ART終了」の解放割合Aの値はいずれも70%未満であるため、特典付与部623によって、特典「a」の解放割合条件を含めどの特典の解放条件も成立していないと判定される。
【0181】
特典付与部623によって、特典「a」~「d」のうちいずれかの解放割合条件が成立していると判定されなかった場合(ステップS12:NO)、本処理は終了する。
【0182】
一方、特典付与部623は、特典「a」~「d」のうちいずれかの解放割合条件が成立していると判定した場合(ステップS12:YES)、解放割合条件が成立している特典を決定し、その特典を付与する(ステップS13)。なお、本実施形態において、遊技者への特典「b」付与の処理が行われるタイミングは、演出の実行可否を決定するための抽せんに当せんした場合である。
【0183】
具体的には、たとえば、ステップS12において、
図13の管理テーブルT4の「解放割合A」に基づいて、特典付与部623によって特典「b」の解放割合条件が成立していると判定された場合、ステップS13において、解放割合条件が成立している特典を「b」と決定し、特典「b」を付与する。すなわち、液晶画面3において、スロットマシン1の現在の設定値を70%の確率(信頼度70%)で正確に示す「設定示唆(信頼度中)の画像」を液晶画面3に表示する。
【0184】
次に、ステップS13において特典が付与された場合、管理部622は、管理テーブルT4における解放フラグ、演出の実行回数、解放割合のそれぞれを「0」に更新(初期化)し、管理部622内の記憶部に記憶する(ステップS14)。そして、特典付与部623は、次の特典付与処理において、管理テーブルT4の「解放割合A」、「解放割合B」、「解放割合C」のうちいずれの解放割合欄の情報を用いるかを、無作為に選択して決定し、特典付与部623内の記憶部に記憶する(ステップS15)。
【0185】
以上の手順により、本発明の特典付与処理は実行される。これにより、特典が付与されたときには、遊技者は、表示された設定示唆演出の内容によって、設定値の予測を行うことができる。
【0186】
なお、特典付与部623は、前記特典付与処理を1ゲームごとに実行する。また、ステップS15で決定された解放割合A~Cにより、ステップS11以降の動作が繰り返される。
【0187】
以上をまとめると、本発明の実施形態にかかるスロットマシン1は、
遊技に関する操作(たとえばレバー43の操作、ストップスイッチ40の操作など)を受け付けることが可能な遊技機であって、
所定の開始条件が成立した(たとえば遊技者によるレバー43の操作された)ことに基づいて内部抽せんを行う内部抽せん部610と、
複数の演出の情報(演出テーブルT3内の個々の演出データ)が少なくとも記憶されている記憶部(たとえば演出制御部620内の記憶部)と、
所定タイミング(たとえば遊技者によるレバー43操作)に基づいて前記演出の抽せんをし、前記演出の情報を少なくとも1つ選択する演出制御部620と、
選択された前記演出の情報を報知可能な報知部(たとえば液晶画面3)と、
前記演出制御部が前記演出の情報を少なくとも1つ選択したことに基づいて、選択された前記演出の情報を、解放済みの演出(以下、解放済み演出)の情報として管理する管理部622と、
前記解放済み演出の情報の数に応じて特典を決定し、前記特典を付与する特典付与部623と、
を備えている。
【0188】
<作用効果>
本発明によれば、従来よりも遊技の幅を広げる特典の付与を行うことが可能な遊技機を提供することができる。
【0189】
[他の実施形態]
前記実施形態においては、管理テーブルT4における演出の属性の情報は、遊技中の状態の種類ごとに分類されるものであったが、これに限られない。たとえば、管理テーブルT4における演出の属性の情報は、演出に登場するオブジェクト(キャラクタ)の種類ごとに分類されるものであってもよい。
【0190】
また、前記実施形態において、特典は設定示唆演出であったが、これに限られない。たとえば、特殊な画像(キャラクタの原案を作成した作家の書き下ろし絵の画像など)、特殊なオリジナル動画(スロットマシン1のためだけに制作した動画など)、特殊なオリジナルBGM(スロットマシン1のためだけに制作したBGMなど)の音声演出、特殊なオリジナル台詞(スロットマシン1のためだけに制作した台詞など)の音声演出、キャラクタの特殊演出(特典付与時のみ表示される画像など)、電飾部を特殊な色やタイミングなどの態様で発光させる演出、画像と音声と電飾部のうち少なくとも2つの組み合わせ、フリーズ演出、であることができる。フリーズ演出とは、レバー43を押下した際にストップスイッチ40の操作が一定時間受け付けられなくなる演出を言う。また、特典が示唆演出であるとした場合、示唆対象は、設定値に代えて、または設定値に加えて、CZ突入期待値を示唆する画像、ART当選期待値を示唆する画像などであってもよい。また、特典は、何かを示唆する演出ではなく、CZ直撃抽せん、CZ当選、ART直撃抽せん、ART当選、ART中上乗せ、ART中上乗せ抽せん、などであってもよい。
【0191】
なお、特典が演出の動画または画像である場合、キャラクタなどの画像だけでなく、QRコード(登録商標)が含まれていてもよく、スマートフォンなどでQRコード(登録商標)を読み取って通信することにより画像ダウンロードをすることができるようにしてもよい。また、特典が演出の動画または画像である場合、ART中上乗せ画像(たとえば、+10ゲーム~+1000ゲームのうちいずれかの数値を示す画像など)を含んでもよい。
【0192】
また、スロットマシン1は、液晶画面3に表示させることのできるキャラクタを遊技者が選択できる仕様であってもよい。この場合、特典は、デフォルトでは選択できないキャラクタが選択可能に解放されること、キャラクタの容姿を変更するアイテムが選択可能に解放されること、液晶画面3に表示される既存のアイテムを進化させたり別のアイテムに入れ替えたりすること、であってもよい。
【0193】
また、特典は、管理テーブルT4の演出データ1~20とは全く別の、これまでに存在していなかった新たな演出のデータが追加されることであってもよい。この場合、追加された新たな演出データが、管理テーブルT4に追加され、その新たな演出データについても解放割合の算出対象となることができてもよい。その際、新たな演出データに対応する遊技の態様(属性)は、その演出データの解放時(即ちその演出データを特典として付与した処理時)に用いられていた解放割合に基づいて、当該解放割合が属する分類に含まれるように設定されてもよいし、どの分類に属するかを抽せんで設定されてもよい。
【0194】
また、複数の特典候補が準備されており、その特典候補の中から、付与されるべき特典が遊技者の操作に応じて選択されてもよい。その際、特典の付与の前後において、複数の特典候補の内容や数は不変であってもよいし、特典候補の数が増加または減少するように変更されてもよい。特典候補の数が減少する際、付与された特典が特典候補から削除されることができ、また、削除された後に別の特典が付与されてもよい。
【0195】
遊技者によっては、特典付与のコンプリートを目指して遊技を行う場合もある。そこで、演出制御部620は、遊技者の操作に応じて識別情報の発行、および、遊技者により識別情報が入力された場合はこれを認証する機能を有していてもよい。この場合、入力された識別情報ごとに、管理テーブルT4および特典テーブルT5の少なくとも1つが管理されていることが望ましい。これにより、遊技者は、他の遊技台に移ったとしても、識別情報を入力することで、解放割合A~Cの各値を、前回の続きの状態から遊技することができる。
【0196】
また、記憶される演出データのすべてを本発明に適用する必要はなく、あらかじめ解放フラグの対象となる演出データを設定してもよいし、除外してもよい。
【0197】
また、特典は、解放割合ごとに設定された特典テーブルに含まれる複数の特典の中から抽選で選択されるものであってもよい。
【0198】
また、複数の特典をどれだけ付与(解放)させたかを示す特典解放フラグを設定し、更なる特殊特典が付与されてもよい。具体的には、たとえば、3つの特典を解放させた場合はCZ直撃抽せん、5つの特典を解放させた場合はART直撃抽せん、などの特殊特典を付与してもよい。また、全特典のうち何%の特典が付与(解放)されたか算出し、その算出した割合に応じて、特殊特典を付与してもよい。
【0199】
また、遊技者が液晶画面3において確認できる画像リストがあり、どの画像を解放させたかを液晶画面3において表示することができるようにしてもよい。
【0200】
また、スロットマシン1の電源リセットまたは設定変更を行うことで、解放フラグがリセットされるようにしてもよい。
【0201】
また、前記実施形態の管理テーブルT4において「解放割合A」、「解放割合B」、「解放割合C」があらかじめ設定され、いずれの情報を用いるかを特典付与部623が決定するものであったが、これに限られない。たとえば、管理テーブルT4において「解放割合A」の1つだけがあらかじめ設定されている(「解放割合B」、「解放割合C」は設定されていない)ものであってもよい。
【0202】
また、前記実施形態の管理テーブルT4において遊技の様態は、「通常時」、「通常時(レア役)」、「CZ中」、「CZ終了」、「AT中」、「AT終了画面」としたが、これらに限られない。たとえば、この遊技の様態には、一般遊技状態中、特別遊技状態中、有利区間中、通常区間中、などがあってもよい。
【0203】
解放割合A~Cのうち、どの割合を特典付与のための情報として用いるかは、無作為に選択されるのではなく、店舗スタッフや遊技者による選択操作に基づいて設定されてもよい。
【0204】
前記実施形態では、3つの解放割合A~Cのうち1つの解放割合が、特典付与処理にて用いられると説明したが、同時に複数の解放割合A~Cが用いられてもよい。これにより、解放割合条件との比較対象となる解放割合A~Cが複数になるため、特典付与処理に用いられる解放割合が1つである場合に比して、より特典が付与されやすくなる。従って、遊技者の遊技により面白みが増す。
【0205】
前記実施形態では、特典テーブルT5の解放割合条件が固定である場合を例示した。しかし、解放割合条件は、設定値に応じて変更されてもよいし、スロットマシン1が滞在するモードに応じて、変更されてもよい。モードは、ARTが当せんする天井ゲーム数やCZが到来するゲーム数のゾーンを規定したものであって、複数存在することができる。この複数のモードのうち、どのモードが選択されるかの傾向が、実際の設定値に応じて異なっていてもよい。これにより、スロットマシン1の遊技状態の挙動に加えて特典解放の挙動により、遊技者は、設定値の推測を行う機会をより得ることができる。
【0206】
また、解放割合条件の変更に作用する上記“モード”は、遊技状態の挙動とは無関係であって、単に特典の付与のされ易さ(され難さ)を表したモード、であってもよい。
【0207】
また、「解放割合条件の変更」を指示するための操作を遊技者から受け付けた場合に、特典付与部623は、複数の解放割合条件の候補となる中から抽せんで1つを選択することで、選択した解放割合条件を設定してもよい。この抽せんは、解放割合条件の候補の数および内容が常に一定の状態にて行われてもよいし、解放割合条件の候補の数や内容が適宜変更してもよい。解放割合条件の候補の数と内容は、設定された設定値に応じて変更されてもよいし、スロットマシン1の滞在するモードに応じて変更されてもよい。
【0208】
また、解放割合条件の候補の中から抽せんで1つが選択された場合、選択された解放割合条件が候補の中から消去されることで、解放割合条件の数や内容が減少していってもよい。なお、減少された解放割合条件の数や内容は、消化された総遊技数が所定遊技数に達したタイミング、スロットマシン1の電源リセットのタイミング、設定変更のタイミング、有利区間リセットのタイミングなどによりデフォルトの状態に戻ることができる。
【0209】
また、解放割合条件は、遊技者が把握可能なように液晶画面3などに報知されてもよいし、報知割合条件を示唆する演出が特典などとは別途、報知されてもよい。これに代えて、報知割合条件の報知や示唆演出自体が、特典に含まれてもよい。
【0210】
前記実施形態では、特典が付与された場合、解放フラグ、演出の実行回数、解放割合A~Cのそれぞれが初期化されると説明した。しかし、初期化対象となるものは、特典付与のための情報として用いられた解放割合(つまり、解放割合A~Cのうちの一部)であってもよい。
【0211】
また、解放フラグ、演出の実行回数、解放割合A~Cの少なくとも1つの初期化処理は、特典の付与を契機としてではなく、または、特典の付与を契機に加えて、遊技区間のリセットを契機として行われてもよいし、総遊技回数が所定回数(例えば5000ゲーム数、滞在モードの天井ゲーム数)に到達したことを契機として行われてもよい。
【0212】
また、解放フラグ、演出の実行回数、解放割合A~Cのそれぞれの初期化処理を行うか否かが、遊技者によって選択可能であってもよい。この場合、全ての解放割合A~Cを100%に近づけることも可能となる。全ての解放割合A~Cが100%となることにより、特典テーブルT5に表された特典とは別の特殊な特典が付与されてもよい。特殊な特典は、比較的継続率の高いARTが当せんすることや、以降に押し順役が当せんした際に押し順ナビが報知される確率がそれまでよりも高くなること、以降に設定値の示唆ではなく設定値を確定させる演出のみが出現するように、出玉に関係する特典であることができる。また、特殊な特典は、出玉には関係しないが、店舗などを通じてスロットマシン1に関するノベルティ品を得ることができる権利の付与などであってもよい。
【0213】
また、解放フラグ、演出の実行回数、解放割合A~Cの少なくとも1つの初期化処理は、設定値の変更または打ち直しを契機として行われてもよいし、全ての解放割合A~Cが100%となったことを契機として行われてもよい。
【0214】
また、当該初期化処理は、設定値の変更または打ち直しが行われても、実行されなくてもよい。
【0215】
また、解放フラグ、演出の実行回数、解放割合A~Cの少なくとも1つの初期化処理が行われたことを契機として、別途特典が解放されてもよい。この特典としては、解放割合条件が満たされた場合に付与される設定示唆演出のうちの1つであってもよいし、設定示唆演出などでは登場し得なかったキャラクタが所定期間画面上に現われる演出の報知であってもよいし、CZ抽選や有利区間リセットなどが挙げられる。
【0216】
前記実施形態では、解放フラグが「1」である演出データの数を元に解放割合A~Cの各値が演算される場合を例示した。しかし、解放割合A~Cの各値は、演出の実行回数に基づく重みを考慮して演算されてもよい。
【0217】
前記実施形態では、どの程度演出が解放されたかを示す解放割合を、解放割合条件が合致するか否かの対象としていたが、解放割合を算出せずに、解放済みの演出の数に応じて特典を付与すべきか否かが判断されてもよい。
【0218】
管理テーブルT4の各演出データ1~20には、設定値によって出現確率が異なっている演出データが含まれていてもよい。この場合、実際の設定値によっては出現しにくい演出が存在することになるため、演出の出現の有無(つまり解放フラグ)のみによって解放割合が算出されると、解放割合の値が上昇し難い現象が生じてしまう。そこで、“演出データ1~20のうち所定の演出の実行回数が所定値以上(例えば150回)に達すれば設定示唆演出を報知する”との解放条件が、解放割合条件とは別途設けられてもよい。
【0219】
また、前記実施形態においては、ARTタイプのスロットマシン1について説明したが、これに限られない。本発明は、ATタイプのスロットマシンにも適用可能である。
【0220】
また、本発明においては、パチンコ店のホールに設置されている遊技機(パチンコ遊技機も含む)だけでなく、カジノ施設またはアミューズメント施設などに設置されている遊技機(パチンコ遊技機も含む)に用いてもよい。
【0221】
ここで、パチンコ遊技機とは、遊技球が発射装置によって遊技領域に発射されるものであって、始動入賞装置と特別電動役物とを備えており、大当り遊技状態を発生させるか否かの当否判定に用いる当否判定情報は、遊技球が前記始動入賞装置に入賞した際に取得されるようになっている。また、前記当否判定情報は、保留情報として所定の上限個数まで所定の記憶領域に保持されるようになっている。また、前記保留情報は、予め定められた始動条件が成立するごとに1個ずつ前記当否判定に用いられるようになっており、前記当否判定に用いられた前記保留情報は、前記記憶領域から消去されるようになっている。
【0222】
また、前記パチンコ遊技機は、前記当否判定の結果が当りである場合には、前記当否判定が行われてから所定時間の経過後に当り動作を開始するようになっている。前記当り動作には、前記当り動作を開始する旨を報知するためのオープニング演出を行う動作、および、前記遊技領域に設けられた大入賞口の入口を塞いでいた前記特別電動役物が前記入口の大きさを拡大させるような形態に可変させる動作などの複数の動作が設定されている。
【符号の説明】
【0223】
1 スロットマシン
10 筐体
100 前面扉
2 回転リールユニット
20(20a、20b、20c) 回転リール
200 リール窓
3 液晶画面
4 操作部
40(40a、40b、40c) ストップスイッチ
41 投入口
42 ベットスイッチ
43 レバー(スタートスイッチ)
51 払出口
52 下皿
6 制御部
61 メイン制御部
610 内部抽せん部
611 回転開始制御部
612 回転停止制御部
612a 回転リール検出部
612b 図柄判定部
612c 押し順判定部
613 遊技結果判定部
614 ホッパー制御部(払い出し制御部)
615 設定値制御部
616 区間制御部
617 RT状態制御部
618 遊技状態制御部
619 カウント部
62 サブ制御部
620 演出制御部
621 報知制御部
622 管理部
623 特典付与部
T1 内部抽せんテーブル
T2 図柄テーブル
T3 演出テーブル
T4 管理テーブル
T5 特典テーブル