IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特許7565496機器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ
<>
  • 特許-機器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ 図1
  • 特許-機器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ 図2
  • 特許-機器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ 図3
  • 特許-機器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ 図4
  • 特許-機器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ 図5
  • 特許-機器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】機器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20241004BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20241004BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20241004BHJP
   H05B 47/13 20200101ALI20241004BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20241004BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H05B47/19
H05B47/125
H05B47/13
E05B49/00 Z
H04M11/00 301
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020176910
(22)【出願日】2020-10-21
(65)【公開番号】P2022068007
(43)【公開日】2022-05-09
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 晋一
(72)【発明者】
【氏名】木戸 正二郎
(72)【発明者】
【氏名】関 圭介
(72)【発明者】
【氏名】重松 大輝
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-072558(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0321637(US,A1)
【文献】特開2017-049867(JP,A)
【文献】特開2016-173642(JP,A)
【文献】特開2018-151808(JP,A)
【文献】特開2017-199519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B1/00-85/28
F24F11/00-11/89
110/00
120/00
130/00
140/00
G08B13/00-15/02
19/00-31/00
H03J9/00-9/06
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q9/00-9/16
H05B39/00-39/10
45/00-45/59
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活動モニタシステムと、
人が活動する場所に設置され、前記場所を照明する照明器具を含む1つ以上の機器と、
を備え、
前記活動モニタシステムは、
1つ以上のセンサ装置と、
1つ以上の通信装置と、
1つ以上のネットワークを介して前記通信装置と通信するサーバと、
1つ以上の検知装置と、
を備え、
前記センサ装置は、前記場所に設置され、前記人の活動に関連した物理量を電気信号に変換するように構成され、
前記通信装置は、前記センサ装置から取得する前記電気信号の情報を前記ネットワークを介して前記サーバに送信するように構成され、
前記サーバは、前記通信装置から受信する前記情報に基づいて所定の処理を行うように構成され、
前記検知装置は、前記情報を処理することによって、前記人が移動する向きを検知するように構成され
前記所定の処理は、前記検知装置が検知する前記人の移動する向きに応じて、前記照明器具の照明光を調色する処理を含む、
機器制御システム
【請求項2】
前記センサ装置は、前記人が活動する場所から到来する電磁波を前記電気信号に変換する光電変換素子を有している、
請求項1記載の機器制御システム
【請求項3】
前記センサ装置は、前記光電変換素子としてイメージセンサを有している、
請求項2記載の機器制御システム
【請求項4】
前記検知装置は、前記人の活動として、前記人が意識的に行う身振り及び手振りの少なくとも一方を検知する、
請求項1-3のいずれか1項に記載の機器制御システム
【請求項5】
前記検知装置は、前記人の活動として、前記人が活動する場所における前記人の密集度合を検知する、
請求項1-4のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項6】
前記検知装置は、前記人の活動として、前記人の体温を検知する、
請求項1-5のいずれか1項に記載の機器制御システム
【請求項7】
前記検知装置は、前記人の活動として、前記人の特定の部位の表面温度に基づいて前記体温を検知する、
請求項記載の機器制御システム
【請求項8】
前記検知装置は、前記サーバが学習済みモデルを用いて決定した規則に基づいて、前記人の活動を検知する、
請求項4-7のいずれか1項に記載の機器制御システム
【請求項9】
前記サーバは、前記検知装置を有している、
請求項1-8のいずれか1項に記載の機器制御システム
【請求項10】
前記通信装置は、電波を媒体として通信する、
請求項1-9のいずれか1項に記載の機器制御システム
【請求項11】
前記通信装置から受信する前記情報に基づいて前記サーバが前記処理を行う頻度を管理する管理サーバを更に備える、
請求項1-10のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項12】
前記機器は、前記人が活動する場所の出入口に設けられた扉の錠を施錠及び解錠する電気錠を含む、
請求項1-11のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項13】
前記検知装置は、前記人が意識的に行う身振り及び手振りの少なくとも一方を検知し、
前記サーバは、前記身振り及び前記手振りが所定の条件を満たす場合に、前記電気錠を解錠させる、
請求項12記載の機器制御システム。
【請求項14】
前記検知装置は、前記人が活動する場所における前記人の密集度合を検知し、
前記サーバは、前記人の密集度合が上限値を超えている場合、前記人が活動する場所の換気を行うように前記機器を制御する、
請求項1-13のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項15】
前記検知装置は、プログラムを実行することで前記人の活動を検知するように構成されたコンピュータを有し、
前記コンピュータは、前記プログラムの少なくとも一部を書換可能である、
請求項1-14のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項16】
前記機器は、前記検知装置を有している、
請求項1-15のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項17】
請求項1-16のいずれかの機器制御システムに用いられ、
前記人が活動する場所に設置されて前記人の活動に関連した物理量を前記電気信号に変換するように構成される、
センサ装置
【請求項18】
請求項17の前記センサ装置を備え、
前記サーバから制御されて少なくとも照明光の調色を行う、
照明器具
【請求項19】
前記検知装置を更に備える、
請求項18記載の照明器具
【請求項20】
請求項1-16のいずれかの機器制御システムに用いられ、
前記通信装置から受信する前記情報に基づいて前記所定の処理を行うように構成される、
サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ関する。より詳細には、本開示は、活動場所における人の活動をモニタする活動モニタシステム有して機器を制御する機器制御システム、当該機器制御モニタシステムに使用されるセンサ装置、照明器具及びサーバ関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1記載の存否提示システムを例示する。特許文献1記載の存否提示システム(活動モニタシステム)は、人を検知し、その検知結果を無線送信するセンサ装置と、センサ装置との間で無線通信を行い、センサ装置が人を検知したときに光源を発光させる発光装置とを備えている。すなわち、特許文献1記載の従来例は、部屋(活動場所)に人がいるか否か(人の活動状態)をセンサ装置でモニタし、そのモニタ結果を部屋の外に設置された発光装置の発光によって提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-91930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、人の活動のモニタ結果を、部屋(人の活動場所)における人の在不在の提示以外にも応用したいという要望がある。
【0005】
本開示の目的は、人の活動のモニタ結果を応用可能な範囲の拡大を図ることができる器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る機器制御システムは、活動モニタシステムと、人が活動する場所に設置され、前記場所を照明する照明器具を含む1つ以上の機器と、を備える。前記活動モニタシステムは、1つ以上のセンサ装置と、1つ以上の通信装置と、1つ以上のネットワークを介して前記通信装置と通信するサーバと、1つ以上の検知装置とを備える。前記センサ装置は、前記場所に設置され、前記人の活動に関連した物理量を電気信号に変換するように構成される。前記通信装置は、前記センサ装置から取得する前記電気信号の情報を前記ネットワークを介して前記サーバに送信するように構成される。前記サーバは、前記通信装置から受信する前記情報に基づいて所定の処理を行うように構成される。前記検知装置は、前記情報を処理することによって、前記人が活動する向きを検知するように構成される。前記所定の処理は、前記検知装置が検知する前記人の移動する向きに応じて、前記照明器具の照明光を調色する処理を含む。
【0008】
本開示の一態様に係るセンサ装置は、記機器制御システムに用いられ、人が活動する場所に設置されて前記人の活動に関連した物理量を前記電気信号に変換するように構成される。
【0009】
本開示の一態様に係る照明器具は、前記センサ装置を備え、前記サーバから制御されて少なくとも点滅動作を行う。
【0010】
本開示の一態様に係るサーバは、記機器制御システムに用いられ、前記通信装置から受信する前記情報に基づいて前記所定の処理を行うように構成される。
【発明の効果】
【0012】
本開示の器制御システム、センサ装置、照明器具及びサーバ、人の活動のモニタ結果を応用可能な範囲の拡大を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の実施形態に係る活動モニタシステム及び機器制御システムのシステム構成図である。
図2図2は、同上の活動モニタシステム及び機器制御システムにおけるセンサ装置及び通信装置のブロック図である。
図3図3は、同上の活動モニタシステム及び機器制御システムによる第1のシーンの動作説明図である。
図4図4は、同上の活動モニタシステム及び機器制御システムによる第2のシーンの動作説明図である。
図5図5は、同上の活動モニタシステム及び機器制御システムによる第3のシーンの動作説明図である。
図6図6は、同上の活動モニタシステム及び機器制御システムによる第4のシーンの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態に係る活動モニタシステム、機器制御システム、センサ装置、照明器具、サーバ及びプログラムについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0015】
(1)本開示の実施形態の概要
(1-1)実施形態に係る活動モニタシステムの概要
実施形態に係る活動モニタシステムA1は、1つ以上のセンサ装置1と、1つ以上の通信装置2と、1つ以上のネットワーク(インターネットN1)を介して通信装置2と通信するサーバ3と、1つ以上の検知装置4とを備える(図1参照)。
【0016】
センサ装置1は、1人以上の人が活動する場所(以下、活動場所と略す。)に設置される。センサ装置1は、人の活動に関連した物理量を電気信号に変換するように構成される。通信装置2は、センサ装置1から取得する電気信号の情報をインターネットN1を介してサーバ3に送信するように構成される。サーバ3は、通信装置2から受信する情報に基づいて所定の処理を行うように構成される。検知装置4は、(電気信号の)情報を処理することによって、人の活動を検知するように構成される。なお、サーバ3が検知装置4を備えてもよい。あるいは、センサ装置1が検知装置4を備えてもよい。
【0017】
本実施形態において、検知装置4が検知する人の活動は、人の身振り、人の手振り、人の移動、人の体温などを含む。また、本実施形態において、人の活動に関する情報は、人の複数種類の身振りの組合せ、人の複数種類の手振りの組合せ、人の移動の向き、人の密集度合、人の一部の部位(例えば、顔)の表面温度などを含む。さらに、本実施形態において、人の活動に関する情報は、人の姿勢(仰向け、うつ伏せ、直立姿勢、椅子に座った姿勢、転倒など)、脈拍、睡眠状態、睡眠時間、表情(喜怒哀楽の表情、顔色、人が感じるストレスなど)、音声、食事内容などを含んでもよい。
【0018】
サーバ3が行う所定の処理は、例えば、人の複数種類の身振りの組合せ、又は人の複数種類の手振りの組合せを、登録されている正規の組合せと照合する処理を含む。また、サーバ3が行う所定の処理は、例えば、人の密集度合を、登録されているしきい値(上限値)と比較する処理を含む。さらに、サーバ3が行う所定の処理は、例えば、登録されている情報に基づいて人を特定し、特定した人の顔の表面温度をその人の体温(の計測値)として記録する処理を含む。
【0019】
しかして、実施形態に係る活動モニタシステムA1は、検知装置4が検知する人の活動に関する情報に基づいてサーバ3が所定の処理を行うことにより、人の活動のモニタ結果を応用可能な範囲の拡大を図ることができる。例えば、人の複数種類の身振りの組合せ、又は人の複数種類の手振りの組合せを、登録されている正規の組合せと照合する処理をサーバ3が行う場合、人の活動のモニタ結果を人の認証に応用することができる。また、人の密集度合を登録されているしきい値と比較する処理をサーバ3が行う場合、人の密集度合がしきい値以上のときに活動場所の換気装置を動作させることにより、人の活動のモニタ結果を活動場所の環境改善に応用することができる。さらに、登録されている情報に基づいて人を特定し、特定した人の体温(の計測値)、睡眠状態、睡眠時間、表情、姿勢、脈拍などを記録する処理をサーバ3が行う場合、人の活動のモニタ結果を人の体調管理に応用することができる。
【0020】
(1-2)実施形態に係る機器制御システムの概要
実施形態に係る機器制御システムB1は、実施形態に係る活動モニタシステムA1と、活動場所に設置される1つ以上の機器5とを備える(図1参照)。サーバ3は、人の活動に応じて機器5を制御する処理を行う。
【0021】
機器5は、例えば、活動場所に設置される照明器具5Aを含む。また、機器5は、活動場所の出入口に設けられた扉の錠を施錠及び解錠する電気錠5Bを含んでもよい。さらに、機器5は、活動場所に設置される換気装置5Cを含んでもよい。
【0022】
しかして、実施形態に係る機器制御システムB1は、例えば、検知装置4が人の移動の向きを検知し、サーバ3が、人の移動の向きに応じて、照明器具5Aを制御(点滅及び調光)してもよい。この場合、実施形態に係る機器制御システムB1は、人の活動のモニタ結果を照明器具5Aの制御に応用することができる。また、実施形態に係る機器制御システムB1は、人が意識的に行う身振り及び手振りの少なくとも一方を検知装置4が検知し、身振り及び手振りが所定の条件を満たす場合に、サーバ3が電気錠5Bを解錠させてもよい。この場合、実施形態に係る機器制御システムB1は、人の活動のモニタ結果を電気錠5Bの鍵の代わりに使用することができる。さらに、実施形態に係る機器制御システムB1は、検知装置4が活動場所における人の密集度合を検知し、人の密集度合が上限値を超えている場合、サーバ3が活動場所の換気を行うように換気装置5Cを制御してもよい。この場合、実施形態に係る機器制御システムB1は、人の活動のモニタ結果を活動場所の環境改善に利用することができる。
【0023】
(2)本開示の実施形態の詳細な構成
(2-1)実施形態に係る活動モニタシステム及び機器制御システム
実施形態に係る活動モニタシステムA1(以下、活動モニタシステムA1と略す。)は、複数のセンサ装置1、それら複数のセンサ装置1と一対一に対応した複数の通信装置2、サーバ3及び検知装置4を備える(図1参照)。なお、図1にはセンサ装置1及び通信装置2を各々3つずつ図示しているが、センサ装置1及び通信装置2の数は、2つ以下又は4つ以上であっても構わない。また、本実施形態においては、人の活動場所として住宅及び旅館などの宿泊施設を想定している。ただし、住宅と宿泊施設を総称して、建物と呼ぶ場合がある。
【0024】
実施形態に係る機器制御システムB1(以下、機器制御システムB1と略す。)は、活動モニタシステムA1と、1つ以上の機器5とを備える。機器5は、建物の屋内又は屋側に設置される照明器具5A、建物の玄関の扉を施解錠する電気錠5B、屋内を換気する換気装置5Cを含む。ただし、機器5は、照明器具5A、電気錠5B及び換気装置5C以外の機器、例えば、無線通信によって受け取った音響データに応じた音を再生するワイヤレススピーカなどを含んでもよい。また、図1には3つの機器5を図示しているが、機器5の数は、2つ以下又は4つ以上であっても構わない。
【0025】
(2-2)センサ装置
センサ装置1は、図2に示すように、センシングデバイス10と、信号処理回路11とを有している。センシングデバイス10は、人の活動場所から到来する電磁波(可視光及び赤外光)を電気信号に変換する光電変換素子、例えば、CMOSイメージセンサを有している。ただし、センシングデバイス10は、CMOSイメージセンサの代わりに、例えば、CCDイメージセンサ、赤外線アレイセンサなどを有しても構わない。
【0026】
信号処理回路11は、センシングデバイス10から出力されるアナログの画像信号をディジタルの画像信号(画像データ)に変換する。さらに、信号処理回路11は、変換後のディジタルの画像信号を、伝送路L1を介して通信装置2に伝送する。
【0027】
(2-3)通信装置
通信装置2は、図2に示すように、エンコーダ(圧縮符号化)回路20と、送信回路21とを有している。エンコーダ回路20は、例えば、MPEG方式の圧縮符号化技術を利用し、伝送路L1を介してセンサ装置1から伝送されるディジタルの画像信号をエンコード(圧縮符号化)する。ただし、エンコーダ回路20による圧縮符号化方式は、MPEG方式以外の方式であっても構わない。
【0028】
送信回路21は、エンコーダ回路20から取得するディジタルの画像信号(画像データ)を含む送信フレームを生成する。さらに、送信回路21は、生成した送信フレームを、所定の無線通信プロトコルに準拠した無線信号として送信する。送信回路21が準拠する無線通信プロトコルは、例えば、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Z-wave(登録商標)などの規格化された無線通信プロトコルである。なお、本実施形態における送信回路21は、Bluetooth(登録商標)の無線通信プロトコルに準拠した無線通信を行っている。
【0029】
(2-4)ゲートウェイ及びセンサゲートウェイ
活動モニタシステムA1(機器制御システムB1)は、図1に示すように、ゲートウェイG1及びセンサゲートウェイG2を更に備える。
【0030】
センサゲートウェイG2は、通信装置2から送信されるBluetooth(登録商標)の無線信号を受信する。さらに、センサゲートウェイG2は、受信した無線信号に含まれる送信フレームを、例えば、100BASE-T又は1000BASE-Tなどの有線LANの規格に準拠したフレーム(イーサネットフレーム)にカプセル化してゲートウェイG1に送信する。
【0031】
ゲートウェイG1は、インターネットN1に接続するためのネットワーク装置(例えば、光回線終端装置)と、無線LANの機能を搭載したブロードバンドルータの2つの装置で構成される。ただし、ゲートウェイG1は、ネットワーク装置を統合したブロードバンドルータ単体で構成されても構わない。
【0032】
ゲートウェイG1は、センサゲートウェイG2から受信するイーサネットフレームを光ファイバ通信用のフレームにカプセル化し、インターネットN1を通じてサーバ3に送信する。
【0033】
また、ゲートウェイG1は、無線LANにより、幾つかの機器5(例えば、照明器具5A)及び携帯通信端末6と無線通信することができる。携帯通信端末6は、例えば、活動場所で活動する人が携帯するスマートフォン、タブレットコンピュータ(タブレット端末)、スマートウォッチなどのウェラブルコンピュータ(ウェラブル端末)である。
【0034】
(2-5)サーバ及び検知装置
サーバ3は、コンピュータと、サーバ用のプログラムとを有している。サーバ3は、インターネットN1を通じて、通信装置2、機器5、携帯通信端末6と直接的又は間接的にデータ通信することができる。例えば、サーバ3は、ゲートウェイG1から送信される光ファイバ通信用のフレームを受信し、受信したフレームから、通信装置2が送信した無線信号の送信フレームを取得することにより、通信装置2と間接的にデータ通信することができる。
【0035】
検知装置4は、コンピュータを主構成要素として備えている。ただし、検知装置4は、サーバ3が有するコンピュータを共用しても構わない。あるいは、検知装置4は、マイクロコントローラのような組込型のコンピュータを主構成要素として備えても構わない。検知装置4は、コンピュータに、本開示の実施形態に係るプログラムを実行させることによって、以下に説明する様々な機能を実現している。なお、検知装置4が備えるコンピュータにおいて、プログラムの一部又は全部は、例えば、サーバ3からインターネットN1を通じて書換可能であることが好ましい。
【0036】
検知装置4は、通信装置2を介してセンサ装置1から取得する画像データに対して、画像処理を行うことによって人の活動を検知する。例えば、検知装置4は、画像処理によって、センサ装置1が撮像した複数フレームの画像にそれぞれ写っている人の手の形を抽出し、それぞれのフレーム(画像)から抽出した人の手の形を時系列で比較することにより、人の手振りを検知することができる。ここで、検知装置4が検知する人の手振りは、例えば、じゃんけんにおける3種類の手の形(いわゆる、グー、チョキ、パーの手の形)を含んでいる。
【0037】
サーバ3は、検知装置4が検知する人の活動の情報、具体的には、人が連続して行った複数回(例えば、3回)のじゃんけんの手の形の組合せを、事前に登録されている正規の組合せと照合する。サーバ3は、検知装置4が検知したじゃんけんの手の形の組合せが、登録されている正規の組合せと一致すれば、センサ装置1で撮像された人を正規の登録者であると認証する。そして、サーバ3は、センサ装置1で撮像された人を正規の登録者であると認証すると、センサ装置1が設置されている建物の電気錠5Bを解錠する指令を含む光ファイバ通信用のフレームを生成して送信する。
【0038】
しかして、サーバ3から送信された光ファイバ通信用のフレームがインターネットN1を通じてゲートウェイG1に受信される。ゲートウェイG1は、光ファイバ通信用のフレームから取得した指令を含むフレームを生成し、無線LANの無線信号によって電気錠5Bにフレームを送信する。ただし、ゲートウェイG1は、生成したフレームをセンサゲートウェイG2に送信し、センサゲートウェイG2からBluetoothの無線信号によって電気錠5Bに送信させても構わない。
【0039】
そして、ゲートウェイG1(又はセンサゲートウェイG2)から無線信号を受信した電気錠5Bは、受信した無線信号のフレームに含まれる指令に従って解錠する。
【0040】
(3)本開示の実施形態の詳細な動作説明
次に、幾つかのシーンを想定し、シーンごとの活動モニタシステムA1又は機器制御システムB1の詳細な動作を説明する。
【0041】
(3-1)第1のシーン
第1のシーンでは、建物H1の外玄関に、センサ装置と通信装置と検知装置を内蔵した第1照明器具5AAが設置され、建物H1の内玄関に、通信装置を内蔵した第2照明器具5AB、スピーカを内蔵した第3照明器具5ACが設置され、建物H1の玄関ドアM1に電気錠5Bが設置されている(図3参照)。なお、建物H1は、戸建ての住宅である。
【0042】
第1照明器具5AAは、照明光を照射するLEDモジュール、LEDモジュールを点灯させる点灯回路、点灯回路を制御する制御回路などをセンサ装置、通信装置及び検知装置とともに器具本体に内蔵している。なお、第1照明器具5AAは、外玄関の屋側に設置されている。
【0043】
第2照明器具5ABは、照明光を照射するLEDモジュール、LEDモジュールを点灯させる点灯回路、点灯回路を制御する制御回路、及びサーバ3との間でデータ通信を行う第1通信回路などを器具本体に内蔵している。また、第2照明器具5ABは、第3照明器具5ACとの間で無線通信を行う第2通信回路を更に備えている。なお、第2照明器具5ABは、内玄関の天井に設置されている。
【0044】
第3照明器具5ACは、照明光を照射するLEDモジュール、LEDモジュールを点灯させる点灯回路、点灯回路を制御する制御回路、制御回路に制御されて音楽等を出力するスピーカ、及び第2照明器具5ABとの間で無線通信を行う第3通信回路などを器具本体に内蔵している。第3照明器具5ACは、内玄関につながる廊下の天井に設置されている。
【0045】
まず、建物H1(住宅)の住人は、携帯通信端末6(例えば、自己所有のスマートフォン)でサーバ3にアクセスし、認証用の条件をサーバ3に登録する。認証用の条件は、人が連続して行う複数回(例えば、3回)のじゃんけんの手の形の組合せ、例えば、1番目がグーの手の形、2番目がチョキの手の形、3番目がパーの手の形である。また、認証を有効とする日時(例えば、月曜日から金曜日の午後3時から午後5時の時間帯)を認証用の条件の一部としてサーバ3に登録しても構わない。ただし、この条件は一例であり、別の条件を認証用の条件としてサーバ3に登録しても構わない。
【0046】
第1照明器具5AAの検知装置は、センサ装置が撮像した複数フレームの画像に対して画像処理を行い、各フレームに写っている人X1の手の形を抽出し、それぞれのフレーム(画像)から抽出した人X1の手の形を時系列で比較することにより、人X1の手振りを検知する。そして、検知装置は、人X1の手振り(3回のじゃんけんの手の形の組合せ)を検知した場合、検知した組合せの情報(以下、手振り情報と呼ぶ。)を通信装置からサーバ3に送信させる(図3における処理(1)参照)。なお、図3においては、ゲートウェイ及びセンサゲートウェイの図示を省略している。
【0047】
サーバ3は、第1照明器具5AAの通信装置から受信した手振り情報と、登録済みの認証用の条件を照合する。サーバ3は、手振り情報が認証用の条件に一致すれば、電気錠5Bの解錠を指示する指令及び音楽データを第2照明器具5ABの通信装置に宛てて送信する(図3における処理(2)参照)。また、サーバ3は、手振り情報が認証用の条件に一致しなければ、電気錠5Bの解錠を指示する指令の代わりに、認証不可であることを報知する指令を第1照明器具5AAの通信装置に宛てて送信する。
【0048】
第2照明器具5ABの通信装置は、サーバ3から受信した解錠指示の指令を、無線通信(無線LAN又はBluetooth(登録商標))によって電気錠5Bに送信する(図3における処理(3)参照)。電気錠5Bは、通信装置から解錠指示の指令を受信すると解錠する。その結果、人X1は、玄関ドアM1を開けて建物H1の中に入る(帰宅する)ことができる。
【0049】
また、第2照明器具5ABは、サーバ3から受信した音楽データを、第3照明器具5ACに対して、第2通信回路から無線通信によって送信する(図3における処理(4)参照)。第3照明器具5ACは、第2照明器具5ABの第2通信回路から第3通信回路で受信する音楽データを再生してスピーカから音楽を出力する。なお、スピーカから出力される音楽は、帰宅した人X1を迎えるための音楽であることが好ましい。
【0050】
一方、第1照明器具5AAの通信装置が認証不可であることを報知する指令を受信すると、制御回路に指示して、LEDモジュールを周期的に点滅させるように点灯回路を制御させる。つまり、人X1は、第1照明器具5AAのLEDモジュールが周期的に点滅することにより、自らが行った手振りがサーバ3で認証されなかったことを知ることができる。
【0051】
第1のシーンでは、例えば、両親が共働きの家庭の子供が自宅の鍵を持たずに登校した場合において、事前に教えられた手振りを外玄関のセンサ装置の撮像領域で行うことにより、玄関ドアM1の電気錠5Bを解錠して建物H1(自宅)に入ることができる。なお、第1のシーンにおいて、サーバ3が検知装置を備えてもよい。
【0052】
(3-2)第2のシーン
第2のシーンでは、建物H2の外玄関に、通信装置を内蔵した第1照明器具5AAが設置され、建物H2の内玄関及び内玄関につながる廊下のそれぞれに、センサ装置と通信装置と検知装置を内蔵した第2照明器具5AB及び第3照明器具5ACが設置されている(図4参照)。なお、建物H2は、旅館などの宿泊施設である。
【0053】
第1照明器具5AAは、照明光の光色が可変であるLEDモジュール、LEDモジュールを調光及び調色して点灯させる点灯回路、点灯回路を制御する制御回路などをセンサ装置、通信装置及び検知装置とともに器具本体に内蔵している。第1照明器具5AAは、外玄関の屋側に設置されている。
【0054】
第2照明器具5AB及び第3照明器具5ACはそれぞれ、照明光を照射するLEDモジュール、LEDモジュールを点灯させる点灯回路、点灯回路を制御する制御回路などをセンサ装置、通信装置及び検知装置とともに器具本体に内蔵している。第2照明器具5ABは、内玄関に設置されている。第3照明器具5ACは、内玄関につながる廊下の天井に設置されている。
【0055】
まず、建物H2(宿泊施設)の従業員は、携帯通信端末6(例えば、業務用のタブレット端末)でサーバ3にアクセスし、お見送り用の機器制御モード(以下、お見送りモードと呼ぶ。)を開始する条件(以下、開始条件という。)及び機器の制御内容をサーバ3に登録する。
【0056】
開始条件は、人(宿泊客X2)が内玄関に向かって廊下を移動することである。また、開始条件を有効とする時間帯(例えば、夕方から夜間の時間帯)を開始条件の一部としてサーバ3に登録しても構わない。ただし、この条件は一例であり、別の条件を開始条件としてサーバ3に登録しても構わない。
【0057】
機器の制御内容は、例えば、第1照明器具5AAを、外出する宿泊客X2のお見送りに適した照明演出、例えば、照明光の色を暖色系の色(低い色温度)に調色することである。また、第1照明器具5AA(又は第2照明器具5AB)にスピーカを内蔵し、スピーカから音楽を出力させても構わない。
【0058】
第3照明器具5ACの検知装置は、センサ装置が撮像した複数フレームの画像に対して画像処理を行い、各フレームに写っている宿泊客X2の姿(輪郭)を抽出し、それぞれのフレーム(画像)から抽出した宿泊客X2の姿を時系列で比較することにより、宿泊客X2の移動方向を検知する。そして、検知装置は、宿泊客X2が内玄関に向かって移動していることを検知した場合、その検知情報を通信装置からサーバ3に送信させる(図4における処理(1)参照)。なお、図4においては、ゲートウェイ及びセンサゲートウェイの図示を省略している。
【0059】
また、第2照明器具5ABの検知装置は、センサ装置が撮像した複数フレームの画像に対して画像処理を行い、各フレームに写っている宿泊客X2の姿(輪郭)を抽出し、それぞれのフレーム(画像)から抽出した宿泊客X2の姿を時系列で比較することにより、宿泊客X2の移動方向を検知する。そして、検知装置は、宿泊客X2が内玄関を玄関ドアM1に向かって移動していることを検知した場合、その検知情報を通信装置からサーバ3に送信させる(図4における処理(2)参照)。
【0060】
サーバ3は、第2照明器具5AB及び第3照明器具5ACのそれぞれの通信装置から受信した検知情報と、登録済みの開始条件を照合する。サーバ3は、検知情報(宿泊客X2の移動方向)が開始条件に一致すれば、登録済みの制御内容に従って機器(第1照明器具5AA)を制御する。すなわち、サーバ3は、暖色系の色に調色された照明光の照射を指示する指令を第1照明器具5AAの通信装置に宛てて送信する(図4における処理(3)参照)。なお、サーバ3は、検知情報が開始条件に一致しなければ、何も行わない。
【0061】
第1照明器具5AAの通信装置は、サーバ3から受信した指令を制御回路に与える。制御回路は、通信装置から受け取った指令に基づき、LEDモジュールの照明光を暖色系の色に調色するように点灯回路を制御する。その結果、宿泊客X2が玄関ドアM1から建物H2の外に出たとき、外玄関の照明光が暖色系の色に調色されるという演出が自動的に行われる。
【0062】
しかして、機器制御システムB1によれば、従業員が手動で照明器具の照明光を調色してお見送り用の演出を行う場合に比べて、宿泊客X2が建物H2の外に出るタイミングとお見送り用の演出が実行されるタイミングのずれが少なくなるという利点がある。なお、第2のシーンにおいて、サーバ3が検知装置を備えてもよい。
【0063】
(3-3)第3のシーン
第3のシーンでは、建物H3の室内の天井に、それぞれセンサ装置と通信装置と検知装置を内蔵した第4照明器具5AD及び第5照明器具5AEが設置され、建物H3の室内の壁に、通信装置を内蔵した換気装置5Cが設置されている(図5参照)。なお、建物H3は、居酒屋などの飲食店である。
【0064】
第4照明器具5AD及び第5照明器具5AEはそれぞれ、照明光を照射するLEDモジュール、LEDモジュールを点灯させる点灯回路、点灯回路を制御する制御回路などをセンサ装置、通信装置及び検知装置とともに器具本体に内蔵している。第4照明器具5AD及び第5照明器具5AEはそれぞれ、建物H3の室内の天井に設置されている。
【0065】
換気装置5Cは、ファン、ファンを回転させるモータ、モータを制御する制御回路などを通信装置とともに筐体に内蔵している。換気装置5Cは、建物H3の室内の壁に設置され、室内の空気を屋外に排出することで室内を換気する。
【0066】
まず、建物H3(飲食店)の店員は、携帯通信端末6(例えば、業務用のタブレット端末)でサーバ3にアクセスし、換気装置5Cの制御モード(以下、換気制御モードと呼ぶ。)を開始する条件(以下、開始条件という。)及び換気装置5Cの制御内容をサーバ3に登録する。
【0067】
開始条件は、建物H3の内部(店内)における人(客X3)の密集度合が上限値を超える状態が所定時間(例えば、30分)以上継続することである。また、開始条件を有効とする時間帯(例えば、夕方から夜間の時間帯)を開始条件の一部としてサーバ3に登録しても構わない。ただし、この条件は一例であり、別の条件を開始条件としてサーバ3に登録しても構わない。
【0068】
換気制御モードの制御内容は、換気装置5Cに強制的に換気動作を行わせることである。
【0069】
第4照明器具5AD及び第5照明器具5AEの各検知装置は、センサ装置が撮像した複数フレームの画像に対して画像処理を行い、各フレームに写っている客X3の姿(輪郭)を抽出する。さらに、各検知装置は、それぞれのフレーム(画像)から抽出した客X3の姿を計数することにより、室内における客X3の密集度合を時系列で検知する。そして、各検知装置は、客X3の密集度合の検知情報を通信装置からサーバ3に送信させる(図5における処理(1)参照)。なお、図5においては、ゲートウェイ及びセンサゲートウェイの図示を省略している。
【0070】
サーバ3は、第4照明器具5AD及び第5照明器具5AEのそれぞれの通信装置から受信した検知情報と、登録済みの開始条件を照合する。サーバ3は、検知情報に含まれる密集度合が上限値を超える状態の計測時間が開始条件(例えば、30分以上)に一致すれば、登録済みの制御内容に従って機器(換気装置5C)を制御する。すなわち、サーバ3は、換気動作を行うように指示する指令を換気装置5Cの通信装置に宛てて送信する(図5における処理(2)参照)。なお、サーバ3は、検知情報が開始条件に一致しなければ、何も行わない。
【0071】
換気装置5Cの通信装置は、サーバ3から受信した指令を制御回路に与える。制御回路は、モータを制御してファンを高い回転数で回転させる。その結果、客X3の密集度合が高くなっている室内の空気を換気装置5Cによって強制的に換気することができる。
【0072】
しかして、機器制御システムB1によれば、店員が手動で換気装置5Cを動作させて換気を行う場合に比べて、客X3の密集度合が高い状態が継続したときに自動的かつ強制的に換気装置5Cが換気を行って室内の環境改善を確実に図ることができる。なお、第3のシーンにおいて、サーバ3が検知装置を備えてもよい。
【0073】
(3-4)第4のシーン
第4のシーンでは、建物H4の室内の天井に、センサ装置と通信装置を内蔵した第6照明器具5AFが設置されている(図6参照)。なお、建物H4は、住宅である。
【0074】
第6照明器具5AFは、照明光を照射するLEDモジュール、LEDモジュールを点灯させる点灯回路、点灯回路を制御する制御回路などをセンサ装置と通信装置を器具本体に内蔵している。第6照明器具5AFは、建物H4の室内の天井に設置されている。
【0075】
まず、建物H4(住宅)の住民H5は、携帯通信端末6(例えば、自己が所有するスマートフォン)でサーバ3にアクセスし、体温の計測対象とする人(別の住民X4)の顔及び身体のそれぞれの特徴点をサーバ3に登録する。
【0076】
第6照明器具5AFは、センサ装置で撮像した複数フレームの画像のデータ(画像データ)を通信装置からサーバ3に宛てて送信させる(図6における処理(1)参照)。なお、図6においては、ゲートウェイ及びセンサゲートウェイの図示を省略している。
【0077】
サーバ3は、第6照明器具5AFの通信装置から受信した画像データを検知装置4に渡す。検知装置4は、受け取った画像データに対して画像処理を行うことにより、画像に写っている人の顔及び身体のそれぞれの特徴点を抽出し、抽出した特徴点と登録済みの特徴点を照合する。検知装置4は、抽出した特徴点と登録済みの特徴点が一致すれば、体温の計測処理を開始し、抽出した特徴点と登録済みの特徴点が一致しなければ、何もしない。
【0078】
検知装置4は、体温の計測処理を開始すると、抽出した特徴点に基づいて、画像における人(住民X4)の顔の位置を特定し、当該位置に対応した画素値に基づいて、住民X4の顔の表面温度(体温)を計測する。
【0079】
続いて、サーバ3は、検知装置4が検知した住民X4の体温(顔の表面温度)の計測値を、住民X5の携帯通信端末6に宛てて送信する(図6における処理(2)参照)。
【0080】
携帯通信端末6は、サーバ3から受信する住民X4の体温の計測値を画面に表示する。住民X5は、携帯通信端末6の画面に表示される情報を見て、建物H4から離れた場所にいながら、在宅している住民X4の体温をモニタすることができる。
【0081】
しかして、活動モニタシステムA1によれば、遠隔地から人(住民X4)の体温を監視して当該人(住民X4)の体調管理を補助することができる。なお、第4のシーンにおいて、第5照明器具5AE及び第6照明器具5AFが検知装置を備えてもよい。
【0082】
(4)変形例
実施形態に係る活動モニタシステムA1及び機器制御システムB1の幾つかの変形例を説明する。
【0083】
(4-1)変形例1
変形例1において、サーバ3は、携帯通信端末6を通して開始条件が登録される代わりに、学習済みモデルを用いて自ら開始条件を決定してもよい。
【0084】
サーバ3は、学習済みモデルを用いて、検知装置4から取得される検知情報を入力として開始条件を設定する。学習済みモデルは、各検知装置4から取得される検知情報を訓練データとして、機械学習により生成される。なお、機械学習のアルゴリズムは、一例として、XGB(eXtreme Gradient Boosting)回帰である。ただし、機械学習のアルゴリズムは、XGB回帰に限らず、ニューラルネットワーク(Neural Network)、ランダムフォレスト(Randam Forest)、決定木(decision tree)、ロジスティック回帰(Logistic Regression)、サポートベクトルマシン(SVM:Support vector machine)、単純ベイズ(Naive Bayes)分類器、又はk近傍法(k-nearest neighbors)等であってもよい。さらに、機械学習のアルゴリズムは、混合ガウスモデル(GMM:Gaussian Mixture Model)、又はk平均法(k-means clustering)等であってもよい。また、サーバ3で利用する機械学習の学習方法は、教師あり学習及び教師なし学習及び強化学習のいずれであってもよい。
【0085】
しかして、変形例1の活動モニタシステムA1及び機器制御システムB1は、サーバ3が学習済みモデルを用いて決定した規則(開始条件)に基づいて、検知装置4が人の活動を検知することにより、人の活動の検知精度の向上を図ることができる。
【0086】
(4-2)変形例2
変形例2の活動モニタシステムA1(機器制御システムB1)は、通信装置2から受信する情報に基づいてサーバ3が処理を行う頻度を管理する管理サーバを更に備える。
【0087】
管理サーバは、コンピュータと、管理サーバ用のプログラムとを有している。管理サーバは、サーバ3と同様に、インターネットN1を通じて、通信装置2と直接的又は間接的にデータ通信することができる。ただし、管理サーバは、サーバ3とコンピュータを共用しても構わない。
【0088】
管理サーバは、上述した第1~第4のシーンにおいて、サーバ3が種々の処理を行う頻度(例えば、1日当たりに処理を行った回数)を利用者のアカウントごとにカウントし、そのカウント値を利用者のアカウントに関連付けて記憶している。ここで、サーバ3の利用者とは、活動モニタシステムA1(機器制御システムB1)が設置されている建物H1-H4を所有又は使用している者、具体的には、住宅の住人、宿泊施設の運営者、飲食店の経営者などである。利用者には、固有のアカウントが割り当てられている。サーバ3及び管理サーバは、アカウントによって個々の利用者を認証し、認証した利用者(アカウント)に対してサービスを提供する。
【0089】
サーバ3を運営する運営者は、サービスを提供する利用者に対して課金している。なお、運営者が利用者に課金する方法として、従量制と定額制のいずれか一方又は両方を組み合わせた方法がある。そして、課金方法に従量制が含まれている場合、管理サーバが管理する情報(利用者に対してサーバ3が種々の処理を行う頻度)に基づいて、利用者に対する課金の金額が決定される。
【0090】
しかして、変形例2の活動モニタシステムA1(機器制御システムB1)は、通信装置2から受信する情報に基づいてサーバ3が処理を行う頻度を管理する管理サーバを更に備える。そのため、変形例2の活動モニタシステムA1(機器制御システムB1)は、例えば、管理サーバが管理する頻度に応じて利用者に課金することができる。
【0091】
(5)まとめ
本開示の第1の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、1つ以上のセンサ装置(1)と、1つ以上の通信装置(2)と、1つ以上のネットワーク(インターネットN1)を介して通信装置(2)と通信するサーバ(3)と、1つ以上の検知装置(4)とを備える。センサ装置(1)は、1人以上の人(X1-X4)が活動する場所に設置され、人(X1-X4)の活動に関連した物理量を電気信号に変換するように構成される。通信装置(2)は、センサ装置(1)から取得する電気信号の情報をネットワークを介してサーバ(3)に送信するように構成される。サーバ(3)は、通信装置(2)から受信する情報に基づいて所定の処理を行うように構成される。検知装置(4)は、情報を処理することによって、人(X1-X4)の活動を検知するように構成される。
【0092】
第1の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、検知装置(4)が検知する人の活動に関する情報に基づいてサーバ(3)が所定の処理を行うことにより、人の活動のモニタ結果を応用可能な範囲の拡大を図ることができる。
【0093】
本開示の第2の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、センサ装置(1)は、人(X1-X4)が活動する場所から到来する電磁波を電気信号に変換する光電変換素子を有していることが好ましい。
【0094】
第2の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、光電変換素子を有するセンサ装置(1)によって、人(X1-X4)の活動を非接触で検知することができる。
【0095】
本開示の第3の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、センサ装置(1)は、光電変換素子としてイメージセンサを有していることが好ましい。
【0096】
第3の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、センサ装置(1)が有するイメージセンサで人(X1-X4)の活動を撮像することにより、人(X1-X4)の活動をより詳しく検知することができる。
【0097】
本開示の第4の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、検知装置(4)は、人(X1)の活動として、人(X1)が意識的に行う身振り及び手振りの少なくとも一方を検知することが好ましい。
【0098】
第4の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、例えば、人(X1)が意識的に行う身振り及び手振り(ジェスチャ)を利用して人(X1)の認証を行うことにより、人の活動のモニタ結果を応用可能な範囲の更なる拡大を図ることができる。
【0099】
本開示の第5の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、検知装置(4)は、人(X3)の活動として、人(X3)が活動する場所における人(X3)の密集度合を検知することが好ましい。
【0100】
第5の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、例えば、人(X3)の密集度合の高い状態が継続した場合、人(X3)が活動する場所を換気するように促して、人が活動する場所の環境改善を図ることができる。
【0101】
本開示の第6の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第1-第5のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、検知装置(4)は、人(X2)の活動として、人(X2)が移動する方向を検知することが好ましい。
【0102】
第6の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、検知装置(4)によって人(X2)が移動する方向を検知するので、例えば、人(X2)が移動する方向の照明を自動的に制御すれば、人の活動のモニタ結果を応用可能な範囲の更なる拡大を図ることができる。
【0103】
本開示の第7の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第1-第6のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、検知装置(4)は、人(X4)の活動として、人(X4)の体温を検知することが好ましい。
【0104】
第7の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、人の活動のモニタ結果を人の体調管理に応用することができる。
【0105】
本開示の第8の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第7の態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、検知装置(4)は、人(X4)の活動として、人(X4)の特定の部位の表面温度に基づいて体温を検知することが好ましい。
【0106】
第8の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、人(X4)の体温を非接触で検知(計測)することができる。
【0107】
本開示の第9の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第4-第8の態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、検知装置(4)は、サーバ(3)が学習済みモデルを用いて決定した規則に基づいて、人(X1-X4)の活動を検知することが好ましい。
【0108】
第9の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、人(X1-X4)の活動の検知精度の向上を図ることができる。
【0109】
本開示の第10の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第1-第9のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第10の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、サーバ(3)が、検知装置(4)を有していることが好ましい。
【0110】
第10の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、サーバ(3)が検知装置(4)を有しているので、複数のセンサ装置(1)から取得する電気信号の情報を、1つの検知装置(4)でまとめて処理することができる。
【0111】
本開示の第11の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第1-第10のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第11の態様に係る活動モニタシステム(A1)において、通信装置(2)は、電波を媒体として通信することが好ましい。
【0112】
第11の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、通信装置(2)が電波を媒体として通信することにより、通信用の配線を不要として導入費用の削減を図ることができる。
【0113】
本開示の第12の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、第1-第11のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第12の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、通信装置(2)から受信する情報に基づいてサーバ(3)が処理を行う頻度を管理する管理サーバ(サーバ3)を更に備えることが好ましい。
【0114】
第12の態様に係る活動モニタシステム(A1)は、例えば、管理サーバが管理する頻度に応じて利用者に課金することができる。
【0115】
本開示の第13の態様に係る機器制御システム(B1)は、第1-第12のいずれかの態様に係る活動モニタシステム(A1)と、人が活動する場所に設置される1つ以上の機器(5)とを備える。サーバ(3)は、処理として、人の活動に応じて機器(5)を制御する処理を行う。
【0116】
第13の態様に係る機器制御システム(B1)は、検知装置(4)が検知する人の活動に関する情報に基づき、人の活動に応じて機器(5)を制御する処理をサーバ(3)が行うことにより、人の活動のモニタ結果を応用可能な範囲の拡大を図ることができる。
【0117】
本開示の第14の態様に係る機器制御システム(B1)は、第13の態様との組合せにより実現され得る。第14の態様に係る機器制御システム(B1)において、機器(5)は、人が活動する場所を照明する照明器具(5A)を含むことが好ましい。
【0118】
第14の態様に係る機器制御システム(B1)は、例えば、人が活動する場所の照明を調整して演出効果を奏することができる。
【0119】
本開示の第15の態様に係る機器制御システム(B1)は、第13又は第14の態様との組合せにより実現され得る。第15の態様に係る機器制御システム(B1)において、機器(5)は、人が活動する場所の出入口に設けられた扉(玄関ドアM1)の錠を施錠及び解錠する電気錠(5B)を含むことが好ましい。
【0120】
第15の態様に係る機器制御システム(B1)は、人の活動の検知結果に応じて電気錠(5B)を施錠又は解錠させることができる。
【0121】
本開示の第16の態様に係る機器制御システム(B1)は、第14の態様との組合せにより実現され得る。第16の態様に係る機器制御システム(B1)において、検知装置(4)は、人の移動の向きを検知することが好ましい。サーバ(3)は、人の移動の向きに応じて、照明器具(第1照明器具5AA)を制御することが好ましい。
【0122】
第16の態様に係る機器制御システム(B1)は、例えば、外出しようとする人(宿泊客X2)に先回りして照明器具を制御することにより、手動で照明器具を制御する場合に比べて、人(宿泊客X2)が外出するタイミングと照明器具の制御のタイミングのずれを少なくすることができる。
【0123】
本開示の第17の態様に係る機器制御システム(B1)は、第15の態様との組合せにより実現され得る。第17の態様に係る機器制御システム(B1)において、検知装置(4)は、人が意識的に行う身振り及び手振りの少なくとも一方を検知することが好ましい。サーバ(3)は、身振り及び手振りが所定の条件を満たす場合に、電気錠(5B)を解錠させることが好ましい。
【0124】
第17の態様に係る機器制御システム(B1)は、人の手振り及び身振りの少なくとも一方に応じて認証を行い、人が認証されたときに電気錠(5B)を解錠させることによって、鍵を忘れた人が電気錠(5B)を解錠することができる。
【0125】
本開示の第18の態様に係る機器制御システム(B1)は、第13-第17のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第18の態様に係る機器制御システム(B1)において、検知装置(4)は、人が活動する場所における人の密集度合を検知することが好ましい。サーバ(3)は、人の密集度合が上限値を超えている場合、人が活動する場所の換気を行うように機器(換気装置5C)を制御することが好ましい。
【0126】
第18の態様に係る機器制御システム(B1)は、人の密集度合が上限値を超えている場合に自動的かつ強制的に機器を制御して換気を行うことにより、室内の環境改善を図ることができる。
【0127】
本開示の第19の態様に係る機器制御システム(B1)は、第13-第18のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第19の態様に係る機器制御システム(B1)において、検知装置(4)は、プログラムを実行することで人の活動を検知するように構成されたコンピュータを有することが好ましい。コンピュータは、プログラムの少なくとも一部を書換可能であることが好ましい。
【0128】
第19の態様に係る機器制御システム(B1)は、プログラムの少なくとも一部が書換可能であるので、検知装置(4)で検知可能な人の活動の種類等を増やすことができる。
【0129】
本開示の第20の態様に係る機器制御システム(B1)は、第13-第19のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第20の態様に係る機器制御システム(B1)において、機器(5)が、検知装置(4)を有していることが好ましい。
【0130】
第20の態様に係る機器制御システム(B1)は、機器(5)が検知装置(4)を有することによって、検知装置(4)の設置作業の簡素化を図ることができる。
【0131】
本開示の第21の態様に係るセンサ装置(1)は、第1-第12のいずれかの態様に係る活動モニタシステム(A1)及び第13-第20のいずれかの態様に係る機器制御システム(B1)に用いられる。第21の態様に係るセンサ装置(1)は、人が活動する場所に設置されて人の活動に関連した物理量を電気信号に変換するように構成される。
【0132】
第21の態様に係るセンサ装置(1)は、人の活動を妨げずに人の活動を検知するために必要な情報(人の活動に関連した物理量)を取得することができる。
【0133】
本開示の第22の態様に係る照明器具(第1照明器具5AA)は、第21の態様に係るセンサ装置(1)を備える。第22の態様に係る照明器具は、サーバ(3)から制御されて少なくとも点滅動作を行う。
【0134】
第22の態様に係る照明器具は、センサ装置(1)を備えることにより、人の活動する場所を適切に照明することができる。
【0135】
本開示の第23の態様に係る照明器具(第1照明器具5AA)は、第22の態様との組合せにより実現され得る。第23の態様に係る照明器具は、検知装置(4)を更に備えることが好ましい。
【0136】
第23の態様に係る照明器具は、検知装置(4)を備えることによって、検知装置(4)の設置作業の簡素化を図ることができる。
【0137】
本開示の第24の態様に係るサーバ(3)は、第1-第12のいずれかの態様に係る活動モニタシステム(A1)及び第13-第20のいずれかの態様に係る機器制御システム(B1)に用いられる。第24の態様に係るサーバ(3)は、通信装置(2)から受信する情報に基づいて所定の処理を行うように構成される。
【0138】
第24の態様に係るサーバ(3)は、通信装置(2)から受信する情報に基づいて所定の処理を行うことにより、人の活動のモニタ結果を応用可能な範囲の拡大を図ることができる。
【0139】
本開示の第25の態様に係るプログラムは、コンピュータに、1人以上の人が活動する場所において、人の活動に関連した物理量から変換された電気信号の情報を処理し、人の活動を検知する処理を実行させる。
【0140】
第25の態様に係るプログラムは、人の活動のモニタ結果を応用可能な範囲の拡大を図ることができる。
【符号の説明】
【0141】
A1 活動モニタシステム
B1 機器制御システム
1 センサ装置
2 通信装置
3 サーバ(管理サーバ)
4 検知装置
5 機器
5A 照明器具
5AA 第1照明器具
5B 電気錠
5C 換気装置
M1 玄関ドア(扉)
図1
図2
図3
図4
図5
図6