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特許7565498充電管理システム、充電システム、充電管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】充電管理システム、充電システム、充電管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241004BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241004BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20241004BHJP
   B60L 53/68 20190101ALI20241004BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241004BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241004BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/10
H02J7/00 301B
B60L53/14
B60L53/68
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/30
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020186085
(22)【出願日】2020-11-06
(65)【公開番号】P2022075352
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 悠斗
(72)【発明者】
【氏名】大島 章義
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-158087(JP,A)
【文献】特開2003-223501(JP,A)
【文献】特開2010-165157(JP,A)
【文献】特開2018-018250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 7/00
B60L 53/14
B60L 53/68
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器の充電コネクタが電動車両の受電部に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記接続状態情報が前記充電コネクタが前記受電部に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する判定部と、を備え、
前記取得部は、前記ユーザが前記電動車両を返却したことを示す返却情報を取得し、
前記判定部は、前記取得部が前記返却情報を取得した場合に、前記取得部が取得した前記接続状態情報に基づいて、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する、
充電管理システム。
【請求項2】
前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していないと前記判定部が判定した場合、前記充電コネクタが前記受電部に接続されていないことを知らせる返却未完了通知を、前記ユーザの端末装置に送信するための処理を行う通知部を備える、
請求項1に記載の充電管理システム。
【請求項3】
充電器の充電コネクタが電動車両の受電部に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記接続状態情報が前記充電コネクタが前記受電部に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する判定部と、
前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していないと前記判定部が判定した場合、前記充電コネクタが前記受電部に接続されていないことを知らせる返却未完了通知を、前記ユーザの端末装置に送信するための処理を行う通知部と、を備え、
前記通知部は、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していないと前記判定部が判定した場合、前記充電コネクタを前記受電部に接続することを依頼する接続依頼通知を、前記電動車両を共同で使用する共同使用者のうち、前記ユーザとは別のユーザの端末装置に送信するための処理を行う、
充電管理システム。
【請求項4】
前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していると前記判定部が判定した場合、充電スケジュールに従って、前記電動車両を充電するように前記充電器を制御する制御部を備える、
請求項1~3の何れか1項に充電管理システム。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の充電管理システムと、
前記充電器と、を備える、
充電システム。
【請求項6】
充電器の充電コネクタが電動車両の受電部に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した前記接続状態情報が前記充電コネクタが前記受電部に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する判定工程と、を有し、
前記取得工程では、前記ユーザが前記電動車両を返却したことを示す返却情報を取得し、
前記判定工程では、前記取得工程で前記返却情報を取得した場合に、前記取得工程で取得した前記接続状態情報に基づいて、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する、
充電管理方法。
【請求項7】
充電器の充電コネクタが電動車両の受電部に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した前記接続状態情報が前記充電コネクタが前記受電部に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する判定工程と、
前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していないと前記判定工程で判定した場合、前記充電コネクタが前記受電部に接続されていないことを知らせる返却未完了通知を、前記ユーザの端末装置に送信するための処理を行う通知工程と、を有し、
前記通知工程では、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していないと前記判定工程で判定した場合、前記充電コネクタを前記受電部に接続することを依頼する接続依頼通知を、前記電動車両を共同で使用する共同使用者のうち、前記ユーザとは別のユーザの端末装置に送信するための処理を行う、
充電管理方法。
【請求項8】
1つ以上のプロセッサに、請求項6又は7に記載の充電管理方法を実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電管理システム、充電システム、充電管理方法、及びプログラムに関する。特に、本開示は、電動車両の充電を管理する充電管理システム、充電システム、充電管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、利用者(ユーザ)の希望に応じて電気自動車(電動車両)を一時的に貸し出すカーシェアリングサービスのための運用システムを開示する。運用システムは、利用者からの利用予約を受け付ける機能や、その利用予約に電気自動車を割り当てる機能等を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-18250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の運用システムにおいて、利用者から返却された電動車両の充電を管理することが望まれている。この場合、利用者から電動車両が返却されたとき、返却された電動車両の受電部に充電器の充電コネクタが接続されているか否かの接続状態を管理する必要がある。
【0005】
本開示の目的は、ユーザから返却された電動車両の受電部に充電器の充電コネクタが接続されているか否かの接続状態を管理することができる充電管理システム、充電システム、充電管理方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の充電管理システムは、取得部と、判定部と、を備える。前記取得部は、充電器の充電コネクタが電動車両の受電部に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する。前記判定部は、前記取得部が取得した前記接続状態情報が前記充電コネクタが前記受電部に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する。前記取得部は、前記ユーザが前記電動車両を返却したことを示す返却情報を取得する。前記判定部は、前記取得部が前記返却情報を取得した場合に、前記取得部が取得した前記接続状態情報に基づいて、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する。
本開示の一態様の充電管理システムは、取得部と、判定部と、通知部と、を備える。前記取得部は、充電器の充電コネクタが電動車両の受電部に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する。前記判定部は、前記取得部が取得した前記接続状態情報が前記充電コネクタが前記受電部に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する。前記通知部は、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していないと前記判定部が判定した場合、前記充電コネクタが前記受電部に接続されていないことを知らせる返却未完了通知を、前記ユーザの端末装置に送信するための処理を行う。前記通知部は、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していないと前記判定部が判定した場合、前記充電コネクタを前記受電部に接続することを依頼する接続依頼通知を、前記電動車両を共同で使用する共同使用者のうち、前記ユーザとは別のユーザの端末装置に送信するための処理を行う。
【0007】
本開示の一態様の充電システムは、前記充電管理システムと、前記充電器と、を備える。
【0008】
本開示の一態様の充電管理方法は、取得工程と、判定工程と、を有する。前記取得工程は、充電器の充電コネクタが電動車両の受電部に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する。前記判定工程は、前記取得工程で取得した前記接続状態情報が前記充電コネクタが前記受電部に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する。前記取得工程では、前記ユーザが前記電動車両を返却したことを示す返却情報を取得する。前記判定工程では、前記取得工程で前記返却情報を取得した場合に、前記取得工程で取得した前記接続状態情報に基づいて、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する。
本開示の一態様の充電管理方法は、取得工程と、判定工程と、通知工程と、を有する。前記取得工程では、充電器の充電コネクタが電動車両の受電部に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する。前記判定工程では、前記取得工程で取得した前記接続状態情報が前記充電コネクタが前記受電部に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの前記電動車両の返却が完了したか否かを判定する。前記通知工程では、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していないと前記判定工程で判定した場合、前記充電コネクタが前記受電部に接続されていないことを知らせる返却未完了通知を、前記ユーザの端末装置に送信するための処理を行う。前記通知工程では、前記ユーザからの前記電動車両の返却が完了していないと前記判定工程で判定した場合、前記充電コネクタを前記受電部に接続することを依頼する接続依頼通知を、前記電動車両を共同で使用する共同使用者のうち、前記ユーザとは別のユーザの端末装置に送信するための処理を行う。
【0009】
本開示の一態様のプログラムは、1以上のプロセッサに、前記充電管理方法を実行させるための、プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ユーザから返却された電動車両の受電部に充電器の充電コネクタが接続されているか否かの接続状態を管理することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一の実施形態の管理システムの構成概略図である。
図2図2は、同上の管理システムの動作のシーケンス図である。
図3図3は、同上の管理システムに含まれる充電管理システムのブロック図である。
図4図4は、同上の管理システムに含まれる端末装置のブロック図である。
図5図5は、同上の管理システムに含まれる電力供給システムのブロック図である。
図6図6は、同上の管理システムに含まれる充電器のブロック図である。
図7図7は、同上の管理システムに含まれる使用管理システムのブロック図である。
図8図8は、同上の管理システムの使用スケジュールの一例の説明図である。
図9図9は、同上の管理システムの充電スケジュールの一例の説明図である。
図10図10は、充電管理システムの別の動作のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)実施形態
(1-1)概要
図1は、一実施形態の管理システム10を示す。管理システム10は、1以上のユーザによる1以上の移動体100の使用の管理をするシステムである。特に、本実施形態では、管理システム10が、複数のユーザによる複数の移動体100(100A~100D)の使用の管理をするシステムである場合を想定する。管理システム10は、ユーザが、ユーザの使用要求(要望、希望)に合う移動体100を使用できるように、移動体100の管理を行う。なお、ここでいう「使用」は、料金の支払いを必要としない使用と、料金の支払いを必要とする使用とを含み得る。例えば、複数の移動体100が企業の所有物であり、当該企業の従業員であるユーザが移動体100を使用する場合には、料金の支払いは必要とされない。一方、企業が、当該企業の従業員ではないユーザに移動体100の使用を許諾する、つまり、移動体100を貸し出す場合、企業の従業員ではないユーザは移動体100の使用に対する対価を支払う。
【0013】
本実施形態において、移動体100は、蓄電池110と受電部111とを有する(図1参照)。蓄電池110は、充放電可能な2次電池(例えばバッテリ)である。蓄電池110は、移動体100の動力源として用いられる。つまり、蓄電池110は、移動体100の駆動装置(例えばモータ)を駆動させるために用いられる。受電部111は、充電器41の充電コネクタ411と着脱可能に接続する部分である。受電部111は、充電器41の充電コネクタ411が接続された状態で充電器41からの電力を受電し、受電した電力を蓄電池110に充電する。移動体100は、一例として、蓄電池110に蓄積された電気エネルギを用いて走行する電動車両である。電動車両の例としては、電動機の出力によって走行する電気自動車、又はエンジンの出力と電動機の出力とを組み合わせて走行するプラグインハイブリッド車が挙げられる。つまり、電動車両は、電気を動力源の全部又は一部として用いる自動車を意味し得る。移動体100は、四輪車に限定されず、二輪車(電動バイク)、三輪車又は電動自転車であってもよい。以下では、説明を分かりやすくするために、移動体100が電気自動車であるとし、必要に応じて、移動体100を電気自動車100という。
【0014】
管理システム10は、一例として、カーシェアリングサービスやレンタカーサービスに適用され得る。特に、本実施形態では、管理システム10は、企業等の法人が保有する車両をユーザに貸し出すサービスの提供に利用され得る。この場合、ユーザは、当該法人に属する人物(従業員等)に限らず、法人に属さない人物も含み得る。つまり、管理システム10は、当該法人に属する人物(従業員等)の使用予定がない車両を、法人に属さない人物に貸し出すサービスにも適用され得る。
【0015】
管理システム10は、図1に示すように、充電管理システム20と、使用管理システム30と、電力供給システム40と、端末装置50と、を含む。充電管理システム20と、使用管理システム30と、電力供給システム40と、端末装置50とは、通信ネットワーク60に接続可能である。電力供給システム40は、充電器41を含む。本実施形態では、充電管理システム20と充電器41は、充電システムを構成している。
【0016】
端末装置50は、ユーザが電気自動車100の使用に関する要求を移動体管理システム11に与えるための装置である。
【0017】
使用管理システム30は、1以上のユーザによる1以上の電気自動車100の使用を管理するシステムである。一例として、使用管理システム30は、ユーザからの要求に応じて、複数の電気自動車100からユーザの使用要求に合致する電気自動車100を選択し、ユーザに割り当てる。具体的には、使用管理システム30は、ユーザからの要求に基づいて、複数の電気自動車100について使用スケジュールを決定し、使用スケジュールを参照して、電気自動車100のユーザへの割り当てを行う。
【0018】
充電管理システム20は、電力供給システム40による1以上の電気自動車100の充電を管理するシステムである。一例として、充電管理システム20は、1以上の電気自動車100の充電を適切に制御することで、電気自動車100の使用が必要とされる際に電気自動車100の蓄電池110の残量が不足する可能性を低減する。具体的には、充電管理システム20は、使用管理システム30から与えられる使用スケジュールを参照して複数の電気自動車100について充電スケジュールを決定し、充電スケジュールに従って電力供給システム40の制御を実行する。
【0019】
電力供給システム40は、電気自動車100の充電に利用される1以上の充電器41(41A~41D)を備える。各充電器41は、商用交流電源や分散型電源(太陽電池、蓄電池、燃料電池、風力発電機等)等の電源からの電力を利用して、電気自動車100の充電が可能である。電力供給システム40では、各充電器41の充電コネクタ411が電気自動車100の受電部111に接続された状態で、各充電器41が充電管理システム20からの指示に従って電気自動車100の充電を実行する。これによって、1以上の電気自動車100が充電スケジュール通りに充電される。
【0020】
充電管理システム20と使用管理システム30とは、通信ネットワーク60に接続され、移動体管理システム11を構築している。移動体管理システム11は、1以上の電気自動車100の使用スケジュール及び充電スケジュールを含むスケジュール情報を管理し、スケジュール情報とユーザからの要求とに基づいて、ユーザにその要求に合った電気自動車100の割り当てを実行する。
【0021】
図2は、管理システム10の動作の一例を示す。ユーザは、端末装置50を用いて、電気自動車100の使用の要求(使用要求)を行う(M11)。ユーザからの使用要求は、端末装置50から使用管理システム30に送られ、使用管理システム30は、ユーザからの使用要求に従って、要求情報を充電管理システム20に与える(M12)。要求情報は、一例として、電気自動車100の使用の要求期間を含む。要求期間とは、ユーザが要求する、電気自動車100の使用期間である。充電管理システム20は、複数の電気自動車100についての使用スケジュールと要求情報とから得られる電気自動車100の要求期間における蓄電池110の利用可能電力量に基づいて、判定用情報を生成する(S11)。判定用情報は、複数の電気自動車100に要求期間に使用可能な電気自動車100があるか否かを判定するための情報である。充電管理システム20は、判定用情報を使用管理システム30に与える(M13)。使用管理システム30は、ユーザからの使用要求と判定用情報とを参照して、電気自動車100の使用可否の判定(つまり、ユーザからの使用要求に合致する電気自動車100があるか否かの判定)を行う(S12)。そして、使用管理システム30は、使用可能な電気自動車100があれば、使用可能な電気自動車100についての情報を端末装置50に送信し、使用可能な電気自動車100をユーザに提示する(M14)。ユーザが、使用可能な電気自動車100から使用を希望する電気自動車100を端末装置50にて選択すると、ユーザが選択した電気自動車100の情報が使用管理システム30に送られる(M15)。これに応答して、使用管理システム30は、ユーザが選択した電気自動車100の使用を確定し、電気自動車100の使用が確定したことを端末装置50と充電管理システム20とに通知する(M16,M17)。そして、使用管理システム30は、複数の電気自動車100についての使用スケジュールを更新する(S13)。また、充電管理システム20は、複数の電気自動車100についての充電スケジュールを更新する(S14)。そして、充電管理システム20は、電力供給システム40を制御することで(M18)、充電スケジュールに従って、各充電器41に接続されている電気自動車100を充電する(S15)。
【0022】
また、ユーザは、使用した電気自動車100を返却するときは、端末装置50を用いて、使用した電気自動車100を返却した事を知らせる返却通知を行う(M19)。返却通知は、ユーザID及び返却場所情報を含む。ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報である。返却場所情報は、ユーザが電気自動車100を返却した場所を識別(すなわち特定)する情報である。本実施形態では、ユーザは、使用した電気自動車100を返却するとき、予め指定された複数の返却場所から1つの返却場所を選択し、選択した返却場所に電気自動車100を駐車(すなわち返却)する。そして、ユーザは、当該返却場所に設置された充電器41の充電コネクタ411を、返却した電気自動車100の受電部111に接続する。そして、ユーザは、端末装置50を用いて、上記の返却通知として、自分のユーザIDと、選択した返却場所の返却場所情報とを含む返却情報を使用管理システム30に送信する。なお、上記の予め指定された複数の返却場所にはそれぞれ、予め決められた返却場所情報が与えられている。ユーザは、返却通知を送信するときは、その予め決められた返却場所情報を送信する。
【0023】
ユーザからの返却通知は、端末装置50から使用管理システム30に送られ、使用管理システム30は、返却通知に含まれるユーザID及び返却場所情報を充電管理システム20に送信する(M20)。そして、充電管理システム20は、当該返却場所情報で特定される返却場所に設置された充電器41の接続状態情報の要求を、電力供給システム40に送信する(M21)。そして、電力供給システム40は、当該充電器41の接続状態情報を充電管理システム20に送信する(M22)。接続状態情報は、充電器41の充電コネクタ411が電気自動車100の受電部111に接続されているか否かを示す情報である。充電管理システム20は、当該接続状態情報に基づいて、当該充電器41の充電コネクタ411が電気自動車100の受電部111に接続されているか否かの判定を行う。そして、充電管理システム20は、充電コネクタ411が受電部111に接続されていれば、ユーザからの電気自動車100の返却が完了したと判定する(S16)。そして、充電管理システム20は、ユーザからの電気自動車100の返却が完了すると、返却された電気自動車100の充電を含むように複数の電気自動車100についての充電スケジュールを更新する(S17)。そして、充電管理システム20は、電力供給システム40を制御することで(M23)、充電スケジュールに従って、各充電器41に接続されている電気自動車100を充電する(S18)。
【0024】
本実施形態の管理システム10では、このようにして、ユーザへの電気自動車100の割り当てが実行される。そして、管理システム10において、充電管理システム20は、ユーザから電気自動車100が返却されたとき、返却された電気自動車100に充電器41の充電コネクタ411が接続されていることを確認する接続確認システムを有する。この接続確認システム(充電管理システム20)は、取得部231と判定部236とで実現される(図3参照)。つまり、接続確認システムは、取得部231と判定部236とを備える。取得部231は、充電器41の充電コネクタ411が電気自動車100の受電部111に接続されているか否かを示す接続状態情報を充電器41から取得する。判定部236は、取得部231が取得した接続状態情報が充電コネクタ411が受電部111に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの電気自動車100の返却が完了したか否かを判定する。
【0025】
このような接続確認システム(充電管理システム20)によれば、ユーザから返却された電気自動車100の受電部111に充電器41の充電コネクタ411が接続されているか否かを管理することができる。
【0026】
(1-2)詳細
以下、本実施形態の管理システム10について更に詳細に説明する。図1に示すように、管理システム10は、充電管理システム20と、使用管理システム30と、電力供給システム40と、端末装置50と、を含む。充電管理システム20と、使用管理システム30と、電力供給システム40と、端末装置50とは、通信ネットワーク60に接続可能である。特に、充電管理システム20と使用管理システム30とは、通信ネットワーク60に接続され、移動体管理システム11を構築している。また、電力供給システム40は、充電器41を備えており、充電管理システム20と充電器41は、充電システムを構成している。
【0027】
通信ネットワーク60は、インターネットを含み得る。通信ネットワーク60は、単一の通信プロトコルに準拠したネットワークだけではなく、異なる通信プロトコルに準拠した複数のネットワークで構成され得る。通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。図1では簡略化されているが、通信ネットワーク60は、リピータハブ、スイッチングハブ、ブリッジ、ゲートウェイ、ルータ等のデータ通信機器を含み得る。
【0028】
端末装置50は、移動体管理システム11への情報の入力、及び、移動体管理システム11からの情報の表示に利用される。端末装置50は、図4に示すように、入出力部51と、通信部52と、処理部53と、を備える。端末装置50は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等)により実現され得る。本実施形態では、端末装置50は、スマートフォンである。
【0029】
入出力部51は、端末装置50を操作するための入力装置を備える。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド等を含み得る。また、入出力部51は、情報を表示するための画像表示装置を備える。画像表示装置は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の薄型のディスプレイ装置を含み得る。
【0030】
通信部52は、通信インターフェースである。通信部52は、通信ネットワーク60に接続可能であり、通信ネットワーク60を通じた通信を行う機能を有する。通信部52は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
【0031】
処理部53は、端末装置50の全体的な制御、すなわち、入出力部51及び通信部52を制御するように構成される。処理部53は、入出力部51の操作に応じてユーザにより入力された情報を、通信部52から移動体管理システム11に通信ネットワーク60を通じて送信する機能を有している。また、処理部53は、通信ネットワーク60を通じて通信部52で受信した移動体管理システム11からの情報を、入出力部51によりユーザに提示する機能を有している。
【0032】
処理部53は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上の(コンピュータ)プログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部53として機能する。プログラムは、ここでは処理部53のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0033】
電力供給システム40は、電気自動車100の動力源として用いられる蓄電池110の充電のためのシステムである。電力供給システム40は、図1に示すように、施設400に設置される。施設400は、電気自動車100の駐車場410と、駐車場410に付設された建物420とを含み得る。なお、施設400の例としては、住宅(例えば、戸建住宅、集合住宅)、非住宅(例えば、工場、商業施設、アミューズメント施設、病院、事務所、ビル)が挙げられる。
【0034】
図5に示すように、電力供給システム40は、電気自動車100の充電に利用される複数の充電器41(41A~41D)と、電源設備42と、複数の電流センサ43と、ゲートウェイ44と、管理装置45と、を備える。
【0035】
駐車場410は、複数の個別駐車スペース416(416A~416D)を有する(図1参照)。複数の個別駐車スペース416はそれぞれ、電気自動車100が1台駐車可能なスペースである。個別駐車スペース416は、電気自動車100を充電する充電場所である。また、個別駐車スペース416は、ユーザに貸し出された電気自動車100が返却される返却場所である。個別駐車スペース416の周囲には、当該個別駐車スペース416に対応する充電器41が1つ設置されている。すなわち、複数の個別駐車スペース416(416A~416D)には、複数の充電器41(41A~41D)が一対一に対応するように設置されている。各個別駐車スペース416に駐車された電気自動車100は、当該個別駐車スペース416に対応する充電器41を用いて充電される。
【0036】
充電器41は、電源設備42に接続される。充電器41は、電源設備42から得られる電力によって、充電器41に接続されている電気自動車100の蓄電池110の充電が可能である。充電器41は、対応する個別駐車スペース416に駐車されている電気自動車100と接続可能である。充電器41には、大別して、普通充電と急速充電との2種類の充電設備が利用可能である。本実施形態では、200V(又は100V)の単相交流の供給を受けて、蓄電池110の充電を行う普通充電用の充電設備が充電器41に利用される。また、普通充電のモードは、充電制御方式によって、「Mode1」、「Mode2」及び「Mode3」に分類される(IEC61851-1)。「Mode1」は、制御回路を持たない充電設備から電気自動車に電力供給を行う方式である。「Mode2」は、充電ケーブルに制御回路を内蔵している方式である。「Mode3」は、充電設備に制御回路を内蔵している方式である。充電器41は、「Mode3」の方式を採用していることとする。
【0037】
充電器41は、図6に示すように、充電コネクタ411と、通信部412と、処理部415とを備える。
【0038】
充電コネクタ411は、電気自動車100の受電部111に着脱可能に接続される部分であり、ケーブルを介して充電器41の筐体に接続されている。充電コネクタ411は、電源設備42から充電器41に供給された電力を、充電コネクタ411と接続された電気自動車100に供給する。充電コネクタ411は、複数の接続端子を有する。複数の接続端子は、電気自動車100の受電部111に設けられた複数の接続端子と接続する。充電コネクタ411側の複数の接続端子と受電部111側の複数の接続端子は、互いに対応している。充電コネクタ411側の複数の接続端子は、給電端子と信号端子とを含む。給電端子は、電力を出力する端子であり、受電部111側の複数の接続端子のうちの対応する接続端子(給電端子)と接続する。信号端子は、充電器41と電気自動車100との間で接続状態信号(例えばCPLT(コントロールパイロット)信号)の送受を行う端子であり、受電部111側の複数の接続端子のうちの対応する接続端子(信号端子)と接続される。接続状態信号とは、充電コネクタ411と電気自動車100の受電部111との接続状態(例えば接続及び未接続)を表す信号である。
【0039】
通信部412は、ゲートウェイ44と接続されており、管理装置45及び充電管理システム20とゲートウェイ44を介して通信を行う。
【0040】
処理部415は、充電器41の動作を制御する制御回路である。処理部415は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上の(コンピュータ)プログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部415として機能する。プログラムは、ここでは処理部415のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0041】
処理部415は、接続状態検出部413と制御部414とを備える。
【0042】
接続状態検出部413は、充電コネクタ411が電気自動車100の受電部111に接続されているか否かを検出し、その検出結果を接続状態情報として取得する。より詳細には、接続状態検出部413は、充電コネクタ411側の信号端子を介して、電気自動車100の充電回路との間で、充電コネクタ411と電気自動車100の受電部111との接続状態を確認するための信号(接続状態信号(CPLT信号))を送受する。本実施形態では、接続状態検出部413は、CPLT(コントロールパイロット)機能を有し、CPLT機能を用いて電気自動車100の充電回路との間で接続状態信号(CPLT信号)を送受する。なお、CPLT機能とは、CPLT信号の送受を利用して充電器41の充電コネクタ411と電気自動車100の受電部111とが確実に接続されたことを確認して、電気自動車100の充電を開始する機能である。
【0043】
接続状態検出部413は、充電コネクタ411側の信号端子から得られる接続状態信号の電圧レベルに基づいて、充電コネクタ411が受電部111に接続されているか否かを検出する。接続状態信号の電圧レベルは、充電コネクタ411と受電部111とが未接続の状態では、第1電圧レベル(例えば12V)である。また、接続状態信号の電圧レベルは、充電コネクタ411と受電部111とが接続された状態では、第1電圧レベルよりも低い第2電圧レベル(例えば6V又は9V)である。従って、接続状態検出部413は、接続状態信号の電圧レベルが第1電圧レベルである場合は、充電コネクタ411は受電部111に未接続であることを検出する。また、接続状態検出部413は、接続状態信号の電圧レベルが第2電圧レベルである場合は、充電コネクタ411は受電部111に接続されていることを検出する。
【0044】
制御部414は、管理装置45からの指示に従って、接続状態検出部413の検出結果(接続状態情報)を管理装置45に出力し、また、充電コネクタ411からの電力の供給の開始及び停止を制御する。
【0045】
電源設備42は、電力系統200に接続され、商用交流電源210から電力を得ることが可能である。また、電源設備42は、分散型電源300に接続され、分散型電源300への給電又は分散型電源300から電力供給を受けることが可能である。分散型電源300は、交流電源又は直流電源である。交流電源の例としては、風力発電システム等の交流発電システムが挙げられる。直流電源の例としては、太陽電池、燃料電池、及び二次電池(蓄電池)が挙げられる。二次電池の例としては、例えば、ニッケル水素電池、及びリチウムイオン電池が挙げられる。電源設備42は、商用交流電源210や分散型電源300から受け取った電力を、各充電器41に分配することが可能である。なお、電源設備42には、従来周知の構成を採用できるため、本実施形態では詳細に説明しない。
【0046】
複数の電流センサ43は、第1電流センサ431と、複数の第2電流センサ432A~432Dを含む。第1電流センサ431は、電力系統200と電源設備42との間の電路に設置され、電力系統200から電源設備42に供給される電流の計測が可能である。第2電流センサ432A432Dは、電源設備42と充電器41A~41Dの間の電路に設置され、電源設備42から充電器41A~41Dに供給される電流の計測が可能である。なお、電流センサ43には、従来周知の構成を採用できるため、本実施形態では詳細に説明しない。
【0047】
管理装置45は、複数の充電器41を制御可能である。具体的には、管理装置45は、図5に示すように、ゲートウェイ44に接続されており、複数の充電器41及び複数の電流センサ43とゲートウェイ44を介して通信する。これにより、管理装置45は、各充電器41を制御したり、電力供給システム40の動作状態を示す動作状態情報を取得したり、充電器41の充電コネクタ411と電気自動車100の受電部111との接続状態を示す接続状態情報を取得することが可能である。本実施形態では、電力供給システム40の動作状態は、複数の電流センサ43(第1電流センサ431、複数の第2電流センサ432A~432D)による電流測定の結果で表される。管理装置45は、ゲートウェイ44を介して通信ネットワーク60に接続されており、ゲートウェイ44及び通信ネットワーク60を介して充電管理システム20と通信可能である。管理装置45は、充電管理システム20からの指示に従って、各充電器41から充電コネクタ411の接続状態情報を取得し、取得した接続状態情報を充電管理システム20に送信可能である。また、管理装置45は、充電管理システム20からの指示に従って、各充電器41を制御する。これによって、電気自動車100を充電スケジュール通りに充電することが可能となる。
【0048】
使用管理システム30は、1以上のユーザによる1以上の電気自動車100の使用を管理するシステムである。本実施形態では、使用管理システム30は、複数の電気自動車100について使用スケジュールを決定し、使用スケジュールを参照して、電気自動車100の使用を管理する。
【0049】
図8は、使用スケジュールの一例を示す。図8では、使用スケジュールは、複数(ここでは4)の電気自動車100A~100Dの指定期間内の使用予定期間を示す。図8では、指定期間は一日である。なお指定期間は、一日である必要はなく、一週間、一か月、一年等であってもよく、管理システム10の運用状況に合わせて適宜設定され得る。使用予定期間は、電気自動車100のユーザによる使用が予定されている期間である。使用予定期間は、電気自動車100をユーザが保有する期間である。換言すれば、使用予定期間は、ユーザが電気自動車100を使用する権利を専有する期間である。よって、ユーザは、使用予定期間の間は、予め定めた契約の範囲内で電気自動車100を自由に使用できる。例えば、ユーザは、使用予定期間の間は、電気自動車100で移動したり、電気自動車100を駐車場に止めて食事や買い物をしたりしてよい。
【0050】
図8では、電気自動車100Aについては、08:00~12:00の使用予定期間U11、及び、14:00~18:00の使用予定期間U12が設定されている。電気自動車100Bについては、08:00~10:00の使用予定期間U21、及び、16:00~18:00の使用予定期間U22が設定されている。電気自動車100Cについては、08:00~12:00の使用予定期間U31、及び、14:00~16:00の使用予定期間U32が設定されている。電気自動車100Dについては、08:00~18:00の使用予定期間U41が設定されている。
【0051】
また、使用管理システム30は、使用スケジュールに含まれる使用予定期間のそれぞれについて、使用予定量を保持している。使用予定量は、使用予定期間の電気自動車100の使用による蓄電池110の残量の減少量に対応する。なお、使用予定量は、必ずしも使用予定期間のあいだ電気自動車100を所定速度で移動させるのに必要な電力量である必要はなく、電気自動車100の属性情報等の種々の条件を考慮して、設定され得る。例えば、電気自動車100の属性情報は、種類、用途、初期位置、目的地、移動予定距離、移動予定人数、及び使用態様の少なくとも一つを含み得る。一例として、電気自動車100の属性情報の用途が買い物であれば、使用予定量は、使用予定期間のあいだ電気自動車100を所定速度で移動させるのに必要な電力量の50%に設定され得る。
【0052】
使用管理システム30は、図7に示すように、通信部31と、記憶部32と、処理部33と、を備える。使用管理システム30は、サーバにより実現され得る。
【0053】
通信部31は、通信インターフェースである。通信部31は、通信ネットワーク60に接続可能であり、通信ネットワーク60を通じた通信を行う機能を有する。通信部31は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
【0054】
記憶部32は、処理部33が利用する情報を記憶するために用いられる。一例として、記憶部32には、使用スケジュールが記憶される。また、使用スケジュールとともに、使用スケジュールに含まれる使用予定期間それぞれの使用予定量が記憶される。記憶部32は、1以上の記憶装置を含む。記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。
【0055】
処理部33は、使用管理システム30の動作を制御する制御回路である。処理部33は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上の(コンピュータ)プログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部33として機能する。プログラムは、ここでは処理部33のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0056】
処理部33は、図7に示すように、受付部331と、判定部332と、通知部333と、更新部334とを備える。図7において、受付部331と、判定部332と、通知部333と、更新部334とは実体のある構成を示しているわけではなく、処理部33によって実現される機能を示している。受付部331と、判定部332と、通知部333と、更新部334とについては、後に説明する。
【0057】
充電管理システム20は、1以上の電気自動車100の充電を管理するシステムである。本実施形態では、充電管理システム20は、複数の電気自動車100の充電に、電力供給システム40を利用する。電気自動車100の充電は、基本的には、使用予定期間外で行う。そのため、充電管理システム20は、使用管理システム30が生成する使用スケジュールを参照して充電スケジュールを決定する。そして、充電管理システム20は、決定した充電スケジュールに従い、電気自動車100の充電を制御する。
【0058】
図9は、図8の使用スケジュールを参照して決定された充電スケジュールの一例を示す。なお、図9では、使用スケジュールも示されている。図9では、充電スケジュールは、複数(ここでは4)の電気自動車100A~100Dの指定期間内の充電予定期間を示す。図9では、指定期間は一日である。なお指定期間は、一日である必要はなく、一週間、一か月、一年等であってもよく、管理システム10の運用状況に合わせて適宜設定され得る。充電予定期間は、電気自動車100の充電が予定されている期間である。充電予定期間は、指定期間において、使用予定期間と重複しないように設定される。
【0059】
図9では、電気自動車100Aについては、00:00~02:00の充電予定期間C11、12:00~14:00の充電予定期間C12、及び20:00~00:00の充電予定期間C13が設定されている。電気自動車100Bについては、00:00~04:00の充電予定期間C21、10:00~16:00の充電予定期間C22、18:00~20:00の充電予定期間C23、及び22:00~00:00の充電予定期間C24が設定されている。電気自動車100Cについては、00:00~06:00の充電予定期間C31、12:00~14:00の充電予定期間C32、及び16:00~22:00の充電予定期間C33が設定されている。電気自動車100Dについては、02:00~08:00の充電予定期間C41、及び18:00~00:00の充電予定期間C42が設定されている。
【0060】
充電管理システム20は、図3に示すように、通信部21と、記憶部22と、処理部23と、を備える。充電管理システム20は、サーバにより実現され得る。
【0061】
通信部21は、通信インターフェースである。通信部21は、通信ネットワーク60に接続可能であり、通信ネットワーク60を通じた通信を行う機能を有する。通信部21は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
【0062】
記憶部22は、処理部23が利用する情報を記憶するために用いられる。一例として、記憶部22には、充電スケジュールが記憶される。また、記憶部22には、使用管理システム30から取得した使用スケジュールが記憶される。記憶部22は、1以上の記憶装置を含む。記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。
【0063】
処理部23は、充電管理システム20の動作を制御する制御回路である。処理部23は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上の(コンピュータ)プログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部23として機能する。プログラムは、ここでは処理部23のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0064】
処理部23は、図3に示すように、取得部231と、提示部232と、決定部233と、制御部234と、通知部235と、判定部236とを備える。図3において、取得部231と、提示部232と、決定部233と、制御部234と、通知部235と、判定部236とは実体のある構成を示しているわけではなく、処理部23によって実現される機能を示している。
【0065】
以下、充電管理システム20の構成要素(取得部231、提示部232、決定部233、制御部234、通知部235、及び判定部236)と、使用管理システム30の構成要素(受付部331、判定部332、通知部333、更新部334)について説明する。図2に示すように、充電管理システム20と使用管理システム30とは相互に情報の送受信を行う。そのため、以下では、説明の分かりやすさを優先して、充電管理システム20と使用管理システム30の動作の流れに従って、充電管理システム20及び使用管理システム30の各々の構成要素について説明する。
【0066】
まず、図2図7を参照して、ユーザが電気自動車100を借りる場合の動作の流れに従って、充電管理システム20及び使用管理システム30の各々の構成要素について説明する。
【0067】
使用管理システム30の受付部331は、端末装置50から移動体100に関するユーザの使用の要求(使用要求)を受け付ける(M11)。電気自動車100に関するユーザの使用要求は、少なくとも、電気自動車100の使用の要求期間を含む。要求期間は、ユーザが電気自動車100の使用を要求する期間である。電気自動車100に関するユーザの使用要求は、ユーザの属性情報、電気自動車100の属性情報を含み得る。ユーザの属性情報は、ユーザが法人に属するか否かについての情報であり得る。また、電気自動車100の属性情報は、種類、用途、初期位置、目的地、移動予定距離、移動予定人数、及び使用態様の少なくとも一つを含み得る。
【0068】
使用管理システム30の判定部332は、受付部331が受け付けた使用要求(すなわち電気自動車100に関するユーザの使用要求)に合致する電気自動車100があるか否かを判定する(S12)。本実施形態では、判定部332は、複数の電気自動車100からユーザの使用要求に合致する電気自動車100を選択する。判定部332は、複数の電気自動車100からユーザの使用要求に合致する電気自動車100を選択するにあたって、充電管理システム20から得られる判定用情報を参照する。判定部332は、充電管理システム20から判定用情報を得るために、充電管理システム20に要求情報を与える(M12)。要求情報は、電気自動車100の使用の要求期間を含む。本実施形態では、要求情報は、電気自動車100を要求期間の間利用するのに必要な必要電力量を含む。
【0069】
ここで、電気自動車100に関するユーザの使用要求は、ユーザの属性情報、電気自動車100の属性情報を含み得る。電気自動車100の属性情報は、種類、用途、初期位置、目的地、移動予定距離、移動予定人数、及び使用態様の少なくとも一つを含み得る。種類の例としては、電気自動車100の車種や、電気自動車100の種別(普通自動車、軽自動車等)が挙げられる。用途の例としては、旅行や、買い物、送迎、配達等が挙げられる。初期位置の例としては、使用予定期間の開始時に電気自動車100が配置されている場所が挙げられる。この場所は、電気自動車100の充電場所であってもよい。目的地の例としては、ユーザが電気自動車100を利用して訪れる場所が挙げられる。例えば、ユーザが電気自動車100を買い物に利用する場合には、ユーザが訪れる店舗が目的地となる。また、ユーザが電気自動車100を旅行に利用する場合には、ユーザが訪れる観光地や宿泊施設が目的地となる。移動予定距離は、ユーザが電気自動車100により移動する予定の距離である。例えば、初期位置と目的地との往復に必要な距離が、移動予定距離となる。移動予定人数は、電気自動車100により移動する予定の人数である。一例として、移動予定人数は、電気自動車100に乗る予定の人数である。使用態様は、電気自動車100の使用の態様である。ここでは、使用態様としては、企業の従業員が使用する態様(業務内の使用)や、企業の従業員以外が利用する態様(業務外の使用、カーシェアリングやレンタカー)を想定している。
【0070】
判定部332は、電気自動車100の属性情報から、必要電力量を求めてよい。例えば、電気自動車100の属性情報が移動予定距離を含んでいれば、移動予定距離から、必要電力量を推定することが可能である。また、移動予定距離は、初期位置や目的地から推定されてもよい。例えば、電気自動車100の種類や移動予定人数は、電気自動車100の電費に影響し得る。電費は、必要電力量に影響し得る。よって、必要電力量は、移動体(電気自動車100)の種類に応じて変更されてよい。また、必要電力量は、移動体(電気自動車100)の用途に応じて変更されてよい。電気自動車100の用途の例としては、旅行や、買い物等が挙げられる。旅行は買い物よりも長距離の移動が想定されるため、用途が旅行であれば用途が買い物である場合よりも、必要電力量が多く設定され得る。また、要求情報は、電気自動車100に関するユーザの使用要求に含まれる、ユーザの属性情報、電気自動車100の属性情報を含んでいてもよい。つまり、必要電力量は、必ずしも要求期間のあいだ電気自動車100を動作(走行)させるのに必要な電力量である必要はなく、電気自動車100の属性情報等の種々の条件を考慮して、設定され得る。
【0071】
充電管理システム20の取得部231は、それぞれ動力源として用いられる蓄電池110を備える複数の電気自動車100の使用を管理する使用管理システム30から電気自動車100の使用の要求期間を含む要求情報を取得する(M12)。本実施形態では、使用管理システム30の判定部332が要求情報を充電管理システム20に送信し、充電管理システム20の取得部231が通信ネットワーク60を通じて、要求情報を受け取る。また、取得部231は、使用管理システム30から電気自動車100の使用スケジュールを取得する。このとき、取得部231は、使用スケジュールに含まれる使用予定期間の使用予定量も使用管理システム30から取得する。
【0072】
充電管理システム20の提示部232は、判定用情報を使用管理システム30に提示する(M13)。判定用情報は、要求期間に電気自動車100が使用可能であるか否かを判定するための情報である。提示部232は、電気自動車100の要求期間における蓄電池110の利用可能電力量に基づいて判定用情報を生成する(S11)。本実施形態では、判定用情報は、基本情報を含む。基本情報は、電気自動車100の要求期間における利用可能電力量(第1利用可能電力量)を示す情報を含む。また、判定用情報は、必要に応じて影響情報を含む。影響情報は、要求期間における蓄電池110の利用可能電力量(第1利用可能電力量)を確保した際の1以上の使用予定期間での電気自動車100の使用への影響を表す情報である。特に、影響情報は、要求期間における蓄電池110の利用可能電力量(第1利用可能電力量)を確保した場合の1以上の使用予定期間における蓄電池110の利用可能電力量(第2利用可能電力量)を示す情報を含む。このように、提示部232は、基本情報と影響情報とを判定用情報に含めて使用管理システム30に提示し得る。
【0073】
使用管理システム30の判定部332は、充電管理システム20の提示部232から得た判定用情報を利用して、電気自動車100に関するユーザの使用要求に合致する電気自動車100があるか否か(すなわち要求期間に使用可能な電気自動車100があるか否か)を判定する(S12)。判定部332は、電気自動車100の利用可能電力量(第1利用可能電力量)が電気自動車100を要求期間の間利用するのに必要な必要電力量以上である電気自動車100を、要求期間に使用可能な移動体(電気自動車)100の候補として選択する。ただし、第1利用可能電力量が必要電力量以上であっても、第2利用可能電力量が使用予定量未満になる場合には、要求期間に電気自動車100が使用可能としないほうがよい。よって、判定部332は、要求期間の後の使用予定期間の第2利用可能電力量が使用予定量未満となる移動体(電気自動車)100は、要求期間に使用可能な移動体(電気自動車)100の候補から除外する。
【0074】
なお、判定部332は、要求期間の後の使用予定期間の第2利用可能電力量が使用予定量未満となる移動体(電気自動車)100であっても、ユーザに提示する付帯条件付きで、要求期間に使用可能な移動体(電気自動車)100の候補としてよい。付帯条件は、ユーザが移動体100の第2利用可能電力量が使用予定量未満となることを了承することである。これは、ユーザが自身で移動体100を充電することを了承することであるともいえる。この場合、使用管理システム30は、ユーザが移動体100の第2利用可能電力量が使用予定量未満であることを了承するメリットとして、移動体100の使用に必要な料金のディスカウントを提示することができる。
【0075】
このようにして、本実施形態では、判定部332は、判定用情報に基づいて、要求期間に使用可能な移動体(電気自動車)100を、電気自動車100に関するユーザの使用要求に合致する電気自動車100として選択する。
【0076】
使用管理システム30の通知部333は、判定部332が選択したユーザの使用要求に合致する電気自動車100(すなわち要求期間に使用可能な電気自動車100)をユーザに通知するための通知情報を、端末装置50に送信する(M14)。これによって、端末装置50は、判定部332が選択したユーザの使用要求に合致する電気自動車100の情報を、入出力部51によりユーザに提示する。ユーザは、入出力部51を用いて、入出力部51に提示された電気自動車100から所望の電気自動車100を選択可能である。端末装置50は、ユーザが選択した電気自動車100の情報を、使用管理システム30に送信する(M15)。なお、ユーザの使用要求に合致する電気自動車100がない場合には、ユーザの使用要求に合致する電気自動車100がない旨の通知がされてよい。
【0077】
使用管理システム30の更新部334は、ユーザが選択した電気自動車100の情報を、端末装置50から受け取る(M15)。更新部334は、ユーザが選択した電気自動車100で使用予定期間を確定することを、端末装置50及び充電管理システム20に通知する(M16,M17)。更新部334は、使用スケジュールを変更して、ユーザが選択した電気自動車100について、要求期間に対応する期間を使用予定期間として設定する。このように、更新部334は、使用スケジュールを、ユーザの使用要求に合わせて変更(更新)する(S13)。更に、更新部334は、要求期間の必要電力量を、設定した使用予定期間の使用予定量として設定する。
【0078】
充電管理システム20の決定部233は、ユーザが選択した電気自動車100で使用予定期間を確定することを更新部334から通知されると、この使用予定期間の確定に合わせた使用スケジュールの変更に伴い、充電スケジュールを決定(更新)する(S14)。つまり、使用スケジュールに新たな使用予定期間が増えることによって必要とされる際に電気自動車100の蓄電池110の残量が不足する可能性を低減するために、充電スケジュールの再設定(更新)を行う。一例として、使用スケジュールの終了時の蓄電池110の残量の減少分を補うように充電スケジュールを変更してよい。このように、決定部233は、充電スケジュールを、使用スケジュールの変更(更新)に合わせて、変更(更新)する。
【0079】
充電管理システム20の制御部234は、電力供給システム40の制御を行う(M18)。より詳細には、制御部234は、更新された充電スケジュールに従って電力供給システム40の制御を実行する。つまり、制御部234は、更新された充電スケジュールに従って複数の電気自動車100の蓄電池110の少なくとも一つの充電を制御する。具体的には、制御部234は、充電スケジュールの各充電予定期間において、対応する充電器41にて電気自動車100の充電を実行させる。これによって、電力供給システム40が、充電スケジュールに従って、電気自動車100の充電を実行することになる(S15)。
【0080】
次に、図2図4及び図10を参照して、ユーザが、使用した電気自動車100を返却する場合の動作の流れに従って、充電管理システム20及び使用管理システム30の各々の構成要素について説明する。
【0081】
使用管理システム30の受付部331は、端末装置50から、移動体100を返却場所に返却したことを知らせる返却通知を通信部31を介して受け付ける(M19)。なお、返却通知は、ユーザIDと返却場所情報を含む。ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報である。返却場所情報は、ユーザが電気自動車100を返却した場所を識別(特定)する情報である。そして、受付部331は、受け付けた返却情報を通信部31を介して充電管理システム20に送信する(M20)。本実施形態では、ユーザは、使用した電気自動車100を返却する場合、空いている個別駐車スペース416の中から1つ個別駐車スペース(例えば416A)を選択し、選択した個別駐車スペース416Aに電気自動車100を駐車(すなわち返却)する。複数の個別駐車スペース416にはそれぞれ、その場所を識別(特定)する場所情報が割り当てられている。ユーザは、選択した個別駐車スペース416Aを返却場所(以後、返却場所416Aとも記載する。)とし、その個別駐車スペース416Aの場所情報を返却場所情報として、使用した電気自動車100を選択した個別駐車スペース416Aに返却する。そして、ユーザは、選択した個別駐車スペース416Aに設置された充電器41Aの充電コネクタ411を、選択した個別駐車スペース416Aに返却した電気自動車100の受電部111に接続する。そして、ユーザは、端末装置50を用いて、上記の返却通知として、自分のユーザIDと、選択した返却場所416Aの返却場所情報とを含む返却情報を、使用管理システム30に送信する。そして、使用管理システム30の受付部331が、端末装置50からの返却情報を通信部31を介して受け付ける。
【0082】
充電管理システム20の取得部231は、使用管理システム30からの返却情報(すなわちユーザIDと返却場所情報)を通信部21を介して取得する(M20)。取得部231は、使用管理システム30から返却情報を取得すると、返却情報に含まれる返却場所情報で特定される返却場所416Aに設置された充電器41Aの接続状態情報の要求を、通信部21を介して電力供給システム40に送信する(M21)。なお、接続状態情報の要求は、返却情報に含まれる返却場所情報を含む。
【0083】
電力供給システム40の管理装置45は、充電管理システム20からの接続状態情報の要求をゲートウェイ44を介して取得する(M21)。そして、管理装置45は、取得した接続状態情報の要求に含まれる返却場所情報で特定される返却場所416Aに設置された充電器41Aから接続状態情報を取得し、取得した接続状態情報をゲートウェイ44を介して充電管理システム20に送信する(M22)。
【0084】
充電管理システム20の取得部231は、電力供給システム40からの接続状態情報を通信部21を介して取得する(M22)。そして、充電管理システム20の判定部236は、取得部231が取得した接続状態情報に基づいて、ユーザからの電気自動車100の返却が完了したか否かを判定する。すなわち、判定部236は、接続状態情報が充電器41Aの充電コネクタ411が電気自動車100の受電部111に接続されていることを示す場合は、ユーザからの電気自動車100の返却は完了した(すなわち返却完了)と判定する(S16)。他方、判定部236は、接続状態情報が充電器41Aの充電コネクタ411が電気自動車100の受電部111に未接続であることを示す場合は、ユーザからの電気自動車100の返却は完了していない(すなわち返却未完了)と判定する(S19)。
【0085】
充電管理システム20の決定部233は、判定部236が返却完了と判定すると(S16)、この返却完了に伴い、充電スケジュールを更新する(S17)。つまり、返却完了した電気自動車100の蓄電池110を充電するために、充電スケジュールの再設定(更新)を行う。このように、決定部233は、返却完了した電気自動車100を充電するように、充電スケジュールを変更(更新)する。そして、充電管理システム20の制御部234は、更新した充電スケジュールに従って電力供給システム40の制御を実行する(M23)。これによって、電力供給システム40が、更新された充電スケジュールに従って、電気自動車100の充電を実行する(S18)。
【0086】
充電管理システム20の通知部235は、判定部236が返却未完了と判定する(S19)と、返却未完了通知を端末装置50(すなわち返却場所416Aに電気自動車100を返却したユーザの端末装置)に送信するための処理を行う(M24)。より詳細には、通知部235は、端末装置50に返却未完了通知を送信する要求(通知送信要求)を、使用管理システム30に送信する。なお、返却未完了通知は、返却場所416Aの充電器41Aの充電コネクタ411が電気自動車100の受電部111に接続されていないことを知らせる通知である。
【0087】
使用管理システム30の通知部333は、充電管理システム20からの通知送信要求を通信部31を介して受信する(M24)と、返却未完了通知を、通信部31を介して端末装置50に送信する(M25)。
【0088】
端末装置50は、通信部52が使用管理システム30からの返却未完了通知を受信すると(M25)、その返却未完了通知の内容(返却場所416Aの充電器41Aの充電コネクタ411が電気自動車100の受電部111に接続されていないこと)を入出力部51を介してユーザに知らせる。これにより、ユーザに、返却場所416Aに返却した電気自動車100の受電部111に充電器41Aの充電コネクタ411を接続することを促すことができる。
【0089】
そして、ユーザは、端末装置50で返却未完了通知の内容を確認すると、返却場所416Aに返却した電気自動車100の受電部111に充電器41Aの充電コネクタ411を接続する。そして、ユーザは、端末装置50を用いて返却情報を使用管理システム30に再度送信する(M26)。これにより、使用管理システム30、充電管理システム20及び電力供給システム40の間で上記の処理(M19~M22)の流れと同じ処理(M26~M29)の流れが行われて、今度は、充電管理システム20の判定部236は返却完了と判定する(S20)。そして、上述の処理(S18,M23,S18)の流れと同様に、充電管理システム20の決定部233が、返却された電気自動車100の充電を含めるように充電スケジュールを更新する(S21)。そして、充電管理システム20の制御部234が、更新した充電スケジュールに従って電力供給システム40の制御を実行する(M30)。これにより、電力供給システム40が、更新した充電スケジュールに従って複数の電気自動車100を充電する(S22)。
【0090】
(1-3)まとめ
以上述べたように、充電管理システム20は、取得部231と判定部236とを備える。取得部231は、充電器41の充電コネクタ411が電気自動車100(電動車両)の受電部111に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する。判定部236は、取得部231が取得した接続状態情報が充電コネクタ411が受電部111に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの電気自動車100の返却が完了したか否かを判定する。このような充電管理システム20によれば、ユーザから返却された電気自動車100の受電部111に充電器41の充電コネクタ411が接続されているか否かを管理することができる。
【0091】
(1-4)システム以外の態様
充電管理システム20は、充電管理方法を実行することで実現されてもよい。上記の充電管理方法は、取得工程と判定工程とを備える。取得工程は、充電器41の充電コネクタ411が電気自動車100(電動車両)の受電部111に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する工程である。判定工程は、取得部231が取得した接続状態情報が充電コネクタ411が受電部111に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの電気自動車100の返却が完了したか否かを判定する工程である。この充電管理方法によれば、ユーザから返却された電気自動車100の受電部111に充電器41の充電コネクタ411が接続されているか否かを管理することができる。
【0092】
また、充電管理システム20は、コンピュータシステムを利用して実現されてもよい。つまり、充電管理システム20が実行する方法(充電管理方法)は、コンピュータシステムがプログラムを実行することにより実現され得る。このプログラムは、1以上のプロセッサに、充電管理方法を実行させるためのコンピュータプログラムである。このようなプログラムによれば、充電管理システムと同様に、ユーザから返却された電気自動車100の受電部111に充電器41の充電コネクタ411が接続されているか否かを管理することができる。
【0093】
また、充電管理システム20は、コンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0094】
(2)変形例
本開示の実施形態は、上記の実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0095】
(2-1)変形例1
上記の実施形態では、充電管理システム20の判定部236が返却未完了と判定した場合、充電管理システム20の通知部235は、ユーザ(返却場所416Aに電気自動車100を返却したユーザ)の端末装置50に返却未完了通知を送信するための処理を行う。上記の返却未完了とは、返却場所416Aの充電器41Aの充電コネクタ411が返却場所416Aに返却された電気自動車100の受電部111に未接続であるために、電気自動車100の返却が完了していないことである。
【0096】
ただし、充電管理システム20の判定部236が返却未完了と判定した場合、充電管理システム20の通知部235は、接続依頼通知を、電気自動車100を共同で使用する共同使用者のうち、上記のユーザとは別のユーザの端末装置50に送信するための処理を行ってもよい。上記の接続依頼通知とは、返却場所416Aの充電器41Aの充電コネクタ411を、返却場所416Aに返却された電気自動車100の受電部111に接続することを依頼する通知である。つまり、電気自動車100が返却未完了である場合、上記のユーザの代わりに別のユーザの端末装置50に接続依頼通知を送信することで、上記のユーザの代わりに別のユーザに充電コネクタ411を電気自動車100に接続してもらう。
【0097】
より詳細には、充電管理システム20の通知部235は、接続依頼通知の要求を使用管理システム30の通知部333に送信し、通知部333が、その要求を受けて、上記の別のユーザの端末装置50に接続依頼通知を送信する。なお、使用管理システム30の記憶部32は、上記の共同使用者の全員の端末装置50の通信アドレスを管理しており、通知部333は、記憶部32に記憶された通信アドレスに基づいて、上記の別のユーザの端末装置50に接続依頼通知を送信する。
【0098】
なお、充電管理システム20の通知部235は、使用管理システム30を介さずに、上記の別のユーザの端末装置50に接続依頼通知を送信してもよい。この場合は、充電管理システム20の記憶部22は、上記の共同使用者の全員の端末装置50の通信アドレスを管理しており、通知部235は、記憶部22に記憶された通信アドレスに基づいて、上記の別のユーザの端末装置50に接続依頼通知を送信する。
【0099】
(2-2)変形例2
上記の実施形態では、充電管理システム20の通知部235は、判定部236が返却未完了と判定した場合、通知送信要求を使用管理システム30に送信する(M24)。そして、使用管理システム30の通知部333が、上記の通知送信要求を受けて、ユーザの端末装置50に返却完了通知を送信する(M25)。ただし、充電管理システム20の通知部235は、返却未完了通知を、使用管理システム30を介さずに、ユーザの端末装置50に送信してもよい。
【0100】
(2-3)変形例3
上記の実施形態では、充電管理システム20の取得部231は、接続状態情報の要求を電力供給システム40の管理装置45に送信する(M28)。そして、管理装置45が、上記の要求を受けて充電器41から接続状態情報を取得し、取得した接続状態情報を取得部231に送信する(M29)。ただし、取得部231は、接続状態情報の要求を、管理装置45を介さずに充電器41に送信し、充電器41が、上記の要求を受けて接続状態情報を取得部231に送信してもよい。
【0101】
(2-4)変形例4
上記の実施形態では、充電管理システム20の制御部234は、電力供給システム40の管理装置45を介して複数の充電器41を制御するが、管理装置45を介さずに複数の充電器41を制御してもよい。
【0102】
(3)態様
以上説明した実施形態から明らかなように、以下の態様を取り得る。
【0103】
第1の態様の充電管理システム(20)は、取得部(231)と、判定部(236)と、を備える。取得部(231)は、充電器(41)の充電コネクタ(411)が電動車両(100)の受電部(111)に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する。判定部(236)は、取得部(231)が取得した接続状態情報が充電コネクタ(411)が受電部(111)に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの電動車両(100)の返却が完了したか否かを判定する。
【0104】
この構成によれば、ユーザから返却された電動車両(100)の受電部(111)に充電器(41)の充電コネクタ(411)が接続されているか否かを管理することができる。これにより、電動車両(100)の充電を適切に行うことができる。
【0105】
第2の態様の充電管理システム(20)では、第1の態様において、取得部(231)は、ユーザが電動車両(100)を返却したことを示す返却情報を取得する。判定部(236)は、取得部(231)が返却情報を取得した場合に、取得部(231)が取得した接続状態情報に基づいて、ユーザからの電動車両(100)の返却が完了したか否かを判定する。
【0106】
この構成によれば、ユーザが電動車両(100)を返却したタイミングで、ユーザからの電動車両(100)の返却が完了したか否かを判定することができる。
【0107】
第3の態様の充電管理システム(20)は、第1又は第2の態様において、通知部(235)を備える。通知部(235)は、ユーザからの電動車両(100)の返却が完了し
ていないと判定部(236)が判定した場合、返却未完了通知を、ユーザの端末装置(50)に送信するための処理を行う。返却未完了通知は、充電コネクタ(411)が受電部(111)に接続されていないことを知らせる通知である。
【0108】
この構成によれば、充電器(41)の充電コネクタ(411)が電動車両(100)の受電部(111)に接続されていないことを、電動車両(100)を返却したユーザに知らせることができる。
【0109】
第4の態様の充電管理システム(20)では、第3の態様において、通知部(235)は、ユーザからの電動車両(100)の返却が完了していないと判定部(236)が判定した場合、接続依頼通知を、電動車両(100)を共同で使用する共同使用者のうち、ユーザとは別のユーザの端末装置(50)に送信するための処理を行う。接続依頼通知は、充電コネクタ(411)を受電部(111)に接続することを依頼する通知である。
【0110】
この構成によれば、充電器(41)の充電コネクタ(411)が電動車両(100)の受電部(111)に接続されていない場合に、充電コネクタ(411)を電動車両(100)に接続することを、電動車両(100)を共同で使用する共同使用者のうち、電動車両(100)を返却したユーザとは別のユーザに依頼することができる。
【0111】
第5の態様の充電管理システム(20)は、第1~第4の態様の何れか1つにおいて、制御部(234)を備える。制御部(234)は、ユーザからの電動車両(100)の返却が完了していると判定部(236)が判定した場合、充電スケジュールに従って、電動車両(100)を充電するように充電器(41)を制御する。
【0112】
この構成によれば、電動車両(100)の返却が完了したという判定(すなわち充電コネクタ(411)が電動車両(100)に接続されているという判定)を得てから電動車両(100)の充電が行われる。このため、電動車両(100)に対する充電コネクタ(411)の接続し忘れによる電動車両(100)の充電の仕損ないを防止できる。
【0113】
第6の態様の充電システムは、第1~第5の態様の何れか1つにおいて、第1~第5の態様の何れか1つの充電管理システム(20)と、充電器(41)と、を備える。
【0114】
この構成によれば、上記の充電管理システム(20)と充電器(41)とを備える充電システムを提供することができる。
【0115】
第7の態様の充電管理方法は、取得工程と、判定工程と、を有する。取得工程は、充電器(41)の充電コネクタ(411)が電動車両(100)の受電部(111)に接続されているか否かを示す接続状態情報を取得する。判定工程は、取得工程で取得した接続状態情報が充電コネクタ(411)が受電部(111)に接続されていることを示すか否かに基づいて、ユーザからの電動車両(100)の返却が完了したか否かを判定する。
【0116】
この構成によれば、ユーザから返却された電動車両(100)が充電器(41)に接続されているか否かの接続状態を管理することができる。これにより、電動車両(100)の充電を効率的に行うことができる。
【0117】
第8の態様のプログラムは、1つ以上のプロセッサに、第7の態様の充電管理方法を実行させる。
【0118】
この構成によれば、1つ以上のプロセッサに上記の充電管理方法を実行するためのプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0119】
20 充電管理システム
41 充電器
50 端末装置
100 電気自動車(電動車両)
111 受電部
231 取得部
234 制御部
236 判定部
411 充電コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10