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特許7565513住宅プラン提案システム、及び、住宅プラン提案方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】住宅プラン提案システム、及び、住宅プラン提案方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0282 20230101AFI20241004BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20241004BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q30/0282
G06Q30/015
G06Q50/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020093233
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021189657
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小川 健一
(72)【発明者】
【氏名】逢坂 健次
(72)【発明者】
【氏名】小泉 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】荒田 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】阿尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】徂徠 友紀
(72)【発明者】
【氏名】栗田 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】花園 京子
(72)【発明者】
【氏名】元山 健
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 恵理子
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-242923(JP,A)
【文献】特開2003-345860(JP,A)
【文献】特開2003-150655(JP,A)
【文献】特開2016-133864(JP,A)
【文献】特開2008-204255(JP,A)
【文献】特開平10-162050(JP,A)
【文献】特開平08-077218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末を介してユーザに住宅の提案を行うための住宅プラン提案システムであって、
ゾーニングコンセプトが互いに異なる複数の住宅プランデータが記憶される記憶部と、
前記ユーザが前記情報端末に入力するデータに基づいて前記複数の住宅プランデータの中から決定される対象住宅プランデータを提案するための提案情報を前記情報端末へ出力する出力部とを備え、
前記複数の住宅プランデータのそれぞれは、接地形状、及び、開口部が位置する方角の少なくとも一方が異なる複数の間取りデータを含む
住宅プラン提案システム。
【請求項2】
前記ゾーニングコンセプトは、リビング、ダイニング、及び、キッチンの少なくとも1
つを含む共用空間と他の空間との位置関係に基づいて定められる
請求項1に記載の住宅プラン提案システム。
【請求項3】
前記ゾーニングコンセプトは、階段の位置、及び、階段の種類の少なくとも一方に基づいて定められる
請求項1または2に記載の住宅プラン提案システム。
【請求項4】
前記ゾーニングコンセプトは、キッチンの位置、及び、キッチンの種類の少なくとも一方に基づいて定められる
請求項1~3のいずれか1項に記載の住宅プラン提案システム。
【請求項5】
コンピュータによって実行される住宅プラン提案方法であり、情報端末を介してユーザに住宅の提案を行うための住宅プラン提案方法であって、
前記ユーザが前記情報端末に入力するデータに基づいて、ゾーニングコンセプトが互いに異なる複数の住宅プランデータの中から決定される対象住宅プランデータを提案するための提案情報を前記情報端末へ出力する出力ステップを含み、
前記複数の住宅プランデータのそれぞれは、接地形状、及び、開口部が位置する方角の少なくとも一方が異なる複数の間取りデータを含む
住宅プラン提案方法。
【請求項6】
請求項5に記載の住宅プラン提案方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅プラン提案システム、及び、住宅プラン提案方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の建築を予定しているユーザの要望に応じて住宅プランを提供する技術が提案されている。特許文献1には、膨大な数の住宅プランの中から、建築主の要望に沿った住宅プランを効率良く選び出すことができる住宅プランの検索システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-24241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的には、住宅を建築する際には土地を選んでから選んだ土地に合わせて住宅プランを検討する。
【0005】
本発明は、住宅プランを決定してから住宅プランに合った土地を探すような家づくりを実現することができる住宅プラン提案システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る住宅プラン提案システムは、情報端末を介してユーザに住宅の提案を行うための住宅プラン提案システムであって、ゾーニングコンセプトが互いに異なる複数の住宅プランデータが記憶される記憶部と、前記ユーザが前記情報端末に入力するデータに基づいて前記複数の住宅プランデータの中から決定される対象住宅プランデータを提案するための提案情報を前記情報端末へ出力する出力部とを備え、前記複数の住宅プランデータのそれぞれは、接地形状、及び、開口部が位置する方角の少なくとも一方が異なる複数の間取りデータを含む。
【0007】
本発明の一態様に係る住宅プラン提案方法は、情報端末を介してユーザに住宅の提案を行うための住宅プラン提案方法であって、前記ユーザが前記情報端末に入力するデータに基づいて、ゾーニングコンセプトが互いに異なる複数の住宅プランデータの中から決定される対象住宅プランデータを提案するための提案情報を前記情報端末へ出力する出力ステップを含み、前記複数の住宅プランデータのそれぞれは、接地形状、及び、開口部が位置する方角の少なくとも一方が異なる複数の間取りデータを含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記住宅プラン提案方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の住宅プラン提案システム等は、住宅プランを決定してから住宅プランに合った土地を探すような家づくりを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る住宅プラン提案システムの概要を示す図である。
図2図2は、実施の形態に係る住宅プラン提案システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、複数の住宅プランデータの一例を示す図である。
図4図4は、複数の間取りデータの土地への適用例を示す図である。
図5図5は、実施の形態に係る住宅プラン提案システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、住宅プランデータを提案するための表示画面の一例を示す図である。
図7図7は、住宅プランデータの決定方法のフローチャートである。
図8図8は、ユーザに設問を提供するための表示画面の一例を示す図である。
図9図9は、複数の設問に対して定められたニーズ算出係数の一例を示す図である。
図10図10は、住宅プランデータに対して定められた充足度の一例を示す図である。
図11図11は、インテリアパターンの決定方法のフローチャートである。
図12図12は、ユーザに2者択一の設問を提供するための表示画面の一例を示す図である。
図13図13は、インテリア嗜好タイプの判定ツリーの一例を示す図である。
図14図14は、インテリア嗜好タイプを示す点、及び、インテリアパターンを示す点がプロットされた2次元座標空間を示す図である。
図15図15は、インテリアパターンを提案するための表示画面の一例を示す図である。
図16図16は、外観デザインを提案するための表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態1)
[概要]
まず、実施の形態に係る住宅プラン提案システムの概要について説明する。図1は、実施の形態に係る住宅プラン提案システムの概要を示す図である。
【0014】
住宅プラン提案システム100は、これから住宅の建築を予定しているユーザが自身の好みに合った住宅プランの提供を受けることができるシステムである。図1に示されるように、住宅プラン提案システム100は、ユーザが使用する第1情報端末10と、住宅供給事業者が使用する第2情報端末20と、住宅供給事業者と異なる他の事業者が使用する第3情報端末30とを備える。
【0015】
住宅供給事業者とは、具体的には、ハウスメーカまたは工務店などである。一般的には、住宅の建築を希望するユーザは、自身で情報収集を行って住宅供給事業者を選択し、選択した住宅供給事業者と住宅プランの概略を決定した上で契約を行う。このような方法では、住宅プランの詳細(建築にかかる費用の総額、及び、工事日程など)が決定されるのは契約後であることから、ユーザは、契約後に思っていた通りの間取りが実現できないことがわかるなど、自由に住宅の間取りなどを決定できないといったトラブルが発生する可能性がある。
【0016】
これに対し、住宅プラン提案システム100においては、ユーザは第1情報端末10を操作することにより住宅供給事業者と異なる他の事業者のWEBサイト(第3情報端末30)にアクセスし、非対面で詳細な部分まで作りこまれた住宅プランの提案を受ける(S11)。そして、ユーザは、提案された住宅プランに十分に同意した場合にのみ、他の事業者に対して契約意思を表明し(S12)、他の事業者は、住宅プランを実現できる住宅供給事業者の選定(マッチング)を行う(S13)。
【0017】
ユーザは、住宅プランと選定された住宅供給事業者との両方に同意した場合にのみ、その住宅プランの実現が可能な住宅供給事業者と契約を結ぶ(S14)。つまり、住宅プラン提案システム100によれば、ユーザは、住宅プラン、建築にかかる費用の総額、及び、工事日程などがほぼ固まった状態で所望の住宅供給事業者と契約を結ぶことができ、上記のようなトラブルの発生を抑制することができる。
【0018】
また、住宅プラン提案システム100においては、ユーザは、住宅供給事業者を決定する前に、住宅プランの検討及び決定を行うことができ、ユーザが契約意思を表明するまでは住宅供給事業者にユーザの個人情報などは提供されない。したがって、ユーザが住宅供給事業者から過度な営業を受けることが抑制され、ユーザは、自分のペースで住宅プランの検討に取り組むことができる。一方、住宅供給事業者は、営業活動を行わずに他の事業者から顧客(ユーザ)の提供を受けることができる。つまり、住宅供給事業者は、営業活動を省力化することができる。
【0019】
なお、他の事業者は、例えば、住宅の供給事業を行ってない事業者である。このような第三者的立場の他の事業者が住宅プラン提案システム100を運営することにより、ユーザは安心して住宅プランの検討を行うことができ、また、住宅供給事業者を自由に選定することができる。
【0020】
[構成]
以下、このような住宅プラン提案システム100の構成について説明する。図2は、住宅プラン提案システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0021】
図2に示されるように、住宅プラン提案システム100は、第1情報端末10と、複数の第2情報端末20と、第3情報端末30とを備える。なお、住宅プラン提案システム100は、第2情報端末20を少なくとも1つ備えていればよい。つまり、住宅供給事業者は、あらかじめ1社に絞り込まれていてもよい。
【0022】
第1情報端末10は、ユーザが使用する情報端末である。第1情報端末10は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。第1情報端末10は、入力受付部11と、表示部12とを備える。
【0023】
入力受付部11は、ユーザの入力(入力操作)を受け付ける。入力受付部11は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、マウス及びキーボードなどによって実現されてもよい。
【0024】
表示部12は、ユーザに住宅プランを提案するための画像を表示する。表示部12は、例えば、液晶パネルによって実現されるが、有機EL(Electro Luminescence)パネルによって実現されてもよい。
【0025】
第2情報端末20は、住宅供給事業者が使用する情報端末である。第2情報端末20は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。
【0026】
第3情報端末30は、他の事業者が使用する情報端末である。第3情報端末30は、例えば、サーバ装置(クラウドサーバ)である。第3情報端末30は、具体的には、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33とを備える。
【0027】
通信部31は、第3情報端末30が第1情報端末10及び第2情報端末20とインターネットなどの広域通信ネットワーク40を介して通信するための通信回路(通信モジュール)である。通信部31によって行われる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信部31によって行われる通信の通信規格は、特に限定されない。
【0028】
情報処理部32は、住宅プランの提案に関する情報処理を行う。情報処理部32は、具体的には、マイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現される。情報処理部32は、具体的には、取得部34と、決定部35と、出力部36とを備える。これらの構成要素が実行する具体的な処理については後述する。
【0029】
記憶部33は、住宅プランの提案に使用される各種情報、及び、情報処理部32によって実行されるコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部33は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0030】
[住宅プランデータ]
記憶部33には、複数の住宅プランデータがあらかじめ記憶される。図3は、記憶部33に記憶される複数の住宅プランデータの一例を示す図である。
【0031】
図3に示されるマトリクスにおいて、住宅プランデータとは、縦の1列分の間取りデータのグループを意味する。つまり、複数の住宅プランデータは、各々が複数(または1つ)の間取りデータを含む。複数の住宅プランデータは、互いにコンセプトが異なるものである。言い換えれば、1つの住宅プランデータに含まれる複数の間取りデータは、ゾーニングコンセプトが共通である。ここでのゾーニングコンセプトとは、例えば、「リビングとダイニングキッチンがセパレート」「家事動線重視」といったコンセプトである。図3のマトリクスの横の列は、接地形状が類似し、かつ、開口部(玄関など)が位置する方角が同じものである。
【0032】
ゾーニングコンセプトは、例えば、リビング、ダイニング、及び、キッチンの少なくとも1つを含む共用空間と他の空間との位置関係に基づいて定められる。例えば、複数の住宅プランデータの中には、家事動線を重視した住宅プランデータが含まれ、この住宅プランデータに含まれる複数の間取りデータは、いずれもキッチンから玄関までの距離が所定値以下となるように設計されていてもよい。また、複数の住宅プランデータの中には、玄関とリビングとが長い土間によって接続される複数の間取りデータを含む住宅プランデータなども含まれてもよい。
【0033】
また、ゾーニングコンセプトは、階段の位置、及び、階段の種類の少なくとも一方に基づいて定められてもよい。例えば、複数の住宅プランデータの中には、ゾーニングコンセプトとして階段の位置が共通化(必ずリビングに階段が設けられているなど)された住宅プランデータが含まれてもよい。
【0034】
階段の種類としては、「リビングオープン階段」、「独立階段」、及び、「リビング階段」などが例示される。複数の住宅プランデータの中には、ゾーニングコンセプトとして階段の種類が共通化された住宅プランデータが含まれてもよい。
【0035】
また、ゾーニングコンセプトは、キッチンの位置、及び、キッチンの種類の少なくとも一方に基づいて定められてもよい。上述の家事動線を重視した住宅プランデータは、キッチンの位置に基づいて定められたゾーニングコンセプトを有しているといえる。
【0036】
また、キッチンの種類としては、「I型」、「L型」、「壁付対面・ペニンシュラ型」、「II型」、及び、「アイランド型」などが例示される。複数の住宅プランデータの中には、ゾーニングコンセプトとしてキッチンの種類が共通化された住宅プランデータが含まれてもよい。
【0037】
1つの住宅プランデータに含まれる複数の間取りデータは、具体的には、接地形状、及び、開口部が位置する方角(玄関扉の接道方角など)の少なくとも一方が異なる。住宅プラン提案システム100は、土地に住宅プランデータ合わせるのではなく、住宅プランデータに土地を合わせる、という思想に基づいて構築されたシステムであり、1つの住宅プランデータに含まれる複数の間取りデータは、土地の選択肢を広げるために準備されている。図4は、複数の間取りデータの土地への適用例を示す図であり、図4に示されるような接地形状が異なる2種類の間取りデータが準備されていれば、土地に住宅プランデータを合わせやすくすることができる。なお、接地形状とは、住宅のうち、土地に接する部分の形状を意味する。
【0038】
また、複数の住宅プランデータのそれぞれには、3つのインテリアパターンが準備されている。ユーザは、1つの住宅プランデータに含まれる複数の間取りデータのそれぞれに対して3つのインテリアパターンのいずれかを選択可能である。なお、インテリアとは、壁紙、床材、天井材などの内装材の意味であるが、埋め込み型の照明(ダウンライト)などの設備が含まれる場合もある。
【0039】
以上説明した複数の住宅プランデータのそれぞれは、あらかじめ専門家の監修のもと作成されたものであり、一定の品質が確保されたものとなっている。複数の住宅プランデータのそれぞれは、具体的には、BIM(Building Information Modeling)データを含む。BIMデータは、構造材の仕様(寸法、材質、価格など。以下同様)、設備の仕様、内装材の仕様、外装材の仕様などの様々な属性情報が含まれる、建築物(住宅)の3次元CADデータである。
【0040】
BIMデータを含む住宅プランデータ(後述の最終住宅プランデータなど)は、住宅供給事業者がユーザの住宅を建築する際には、他の事業者から住宅供給事業者へ提供される。住宅供給事業者は、BIMデータを活用することで、住宅の各種申請、材料調達、工程管理、工事管理などを効率的に行うことができる。つまり、住宅プラン提案システム100は、BIMデータを含む住宅プランデータを住宅供給事業者に提供することで、住宅供給事業者が、住宅の各種申請、材料調達、工程管理、工事管理などを効率的に行うことを支援することができる。
【0041】
[動作例]
次に、住宅プラン提案システム100の動作例について説明する。図5は、住宅プラン提案システム100の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0042】
第1情報端末10の入力受付部11は、ユーザの嗜好性に関するデータの入力を受け付ける(S21)。データの入力結果は、例えば、ユーザの暮らしに対するニーズを示す暮らしニーズデータ、及び、ユーザの住宅インテリアに対する嗜好を示すインテリア嗜好データとして第1情報端末10から第3情報端末30へ送信される。
【0043】
第3情報端末30の取得部34は、暮らしニーズデータ、及び、インテリア嗜好データを通信部31を介して取得する(S22)。決定部35は、取得された暮らしニーズデータ、及び、取得されたインテリア嗜好データに基づいて、ユーザに提案する住宅プランデータの決定処理を行う(S23)。決定処理において、ユーザに提案される住宅プランデータは、上記図3に示される複数の住宅プランデータの中から決定される。なお、暮らしニーズデータ、及び、インテリア嗜好データに基づいて、ユーザに提案する住宅プランデータがどのように決定されるかの詳細については後述する。
【0044】
出力部36は、決定された住宅プランデータを提案するための提案情報を通信部31を介して第1情報端末10へ出力する(S24)。この結果、表示部12には、図6のような表示画面が表示される。つまり、提案情報の内容が可視化される。図6は、住宅プランデータを提案するための表示画面の一例を示す図である。なお、住宅プランデータは少なくとも1つ提案されればよく、複数提案されてもよい。
【0045】
ユーザは、第1情報端末10によって可視化された提案情報の内容を確認する。ユーザは、提案された住宅プランデータの中に気に入ったものがあり、住宅の建築に関する契約意思がある場合には、第1情報端末10に住宅プランデータを選択するためのデータ入力を行い、入力受付部11は、このデータ入力を受け付ける(S25)。データの入力結果は、ユーザが選択した住宅プランデータを示す選択プラン情報として第1情報端末10から第3情報端末30へ送信される。なお、ステップS25においては、ユーザは、住宅プランデータだけでなく、インテリアパターンも選択する。
【0046】
第3情報端末30の取得部34は、選択プラン情報を通信部31を介して取得する(S26)。決定部35は、取得された選択プラン情報に基づいて、ユーザによって選択された住宅プランデータを最終住宅プランデータとして決定する(S27)。出力部36は、最終住宅プランデータが決定された後に、最終住宅プランデータを含む検討依頼情報を通信部31を介して複数の第2情報端末20のそれぞれへ出力する(S28)。
【0047】
複数の第2情報端末20のそれぞれは、最終住宅プランデータを含む検討依頼情報を受信する。複数の第2情報端末20に対応する複数の住宅供給事業者のそれぞれは、最終住宅プランデータに含まれる複数の住宅(複数の間取りデータに対応)のいずれかを建築するための土地を探す。複数の第2情報端末20のそれぞれは、住宅供給事業者のデータ入力等に基づいて、住宅供給事業者が探し出した土地の土地データと、最終住宅プランデータに含まれる複数の間取りデータのうち接地形状が土地データに適した間取りデータを指定する指定情報とを含む応答情報を第3情報端末30に送信する。なお、このとき、複数の第2情報端末20のうちの一部は応答情報を送信しない場合がある。つまり、複数の住宅供給事業者の中には検討依頼情報に応答しない住宅供給事業者が含まれてもよい。
【0048】
第3情報端末30の取得部34は、通信部31を介して、複数の第2情報端末20のそれぞれから応答情報(土地データ及び指定情報)を取得し(S29)、出力部36は、取得された複数の応答情報(複数組の土地データ及び指定情報)を通信部31を介して第1情報端末10へ出力する(S30)。
【0049】
ユーザは、第1情報端末10によって可視化された複数の応答情報(複数組の土地データ及び指定情報)の内容を確認する。応答情報の内容は、言い換えれば、土地と住宅の組み合わせである。ユーザは、土地と住宅の組み合わせの中に気に入ったものがあり、住宅の建築に関する契約意思がある場合には、第1情報端末10に土地と住宅の組み合わせを選択するためのデータ入力を行い、入力受付部11は、このデータ入力を受け付ける(S31)。データの入力結果は、ユーザが選択した応答情報(土地データ及び指定情報の組。つまり、土地と住宅の組み合わせ)を示す選択結果情報として第1情報端末10から第3情報端末30へ送信される。
【0050】
第3情報端末30の取得部34は、選択結果情報を通信部31を介して取得する(S32)。出力部36は、ユーザの住宅を建築する事業者の決定を通知するための決定通知情報を、通信部31を介して、ユーザによって選択された応答情報(土地データ及び指定情報の組)の送信元の第2情報端末20へ出力する(S33)。
【0051】
その後、取得部34は、第1情報端末10及び第2情報端末20のそれぞれから、ユーザと住宅供給事業者とが契約を交わすための契約情報を取得する(S34)。例えば、取得部34は、選択結果情報が取得されて以降のタイミングにユーザの個人情報を第1情報端末10から取得し、出力部36は、取得された個人情報を、ユーザによって選択された応答情報の送信元の第2情報端末20に出力する。
【0052】
なお、第1情報端末10から第3情報端末30へ送信される契約情報(個人情報など)は、ステップS32において選択結果情報と合わせて送信されてもよい。また、ユーザと住宅供給事業者との契約については住宅プラン提案システム100を使用せずに対面で行われる場合も想定される。この場合、ステップS34は省略され、住宅供給事業者がユーザと連絡を取るためのユーザの個人情報のみが第2情報端末20へ送信されればよい。
【0053】
以上説明したように、住宅プラン提案システム100は、最終住宅プランデータが決定された後に、最終住宅プランデータを住宅供給事業者の第2情報端末20へ出力し、最終住宅プランデータが決定される前には、第2情報端末20へ住宅プランデータを出力しない。つまり、最終住宅プランデータ決定されるまで(住宅の間取り等が決まるまで)の間、ユーザと住宅供給事業者との間で住宅プランに関する情報のやり取りが発生しない。最終住宅プランデータが決定されるまでの間は非対面のやり取りとなるため、ユーザは、住宅プランを納得いくまで熟考することができる。つまり、住宅プラン提案システム100は、ユーザが自分のペースで住宅プランを検討することを支援することができる。
【0054】
なお、上記動作例において、検討依頼情報に含まれる最終住宅プランデータは、完全なものでなくてもよい。最終住宅プランデータは、最終的には住宅の建築に用いられるが、当初は住宅供給事業者が最終住宅プランデータに適した土地を探すために使用される。そこで、出力部36は、最終住宅プランデータに含まれる複数の間取りデータの情報量を減らして第2情報端末20に出力してもよい。情報量が減らされた複数の間取りデータは、少なくとも接地形状を示す情報を含んでいればよい。これにより、最終的に住宅を建築しない住宅供給事業者等に不必要に最終住宅プランデータの詳細が知られてしまうことが抑制される。また、検討依頼情報を送信する際の通信量(情報量)が削減される。
【0055】
[住宅プランデータの決定方法]
次に、ユーザに提案される住宅プランデータ(対象住宅プランデータとも記載される)の決定方法の詳細(図5のステップS21~S23の処理の詳細)について説明する。図7は、住宅プランデータの決定方法のフローチャートである。なお、ユーザに提案されるインテリアパターンの決定方法については別途説明される。
【0056】
まず、決定部35は、図8のような表示画面を第1情報端末10に表示させることによりユーザに設問を提供する(S41)。図8は、ユーザに設問を提供するための表示画面の一例を示す図である。図8のような表示画面が順次表示されることにより、ユーザには複数の設問が提供される。図8に示されるように、設問は、例えば、ユーザに暮らしかたを問いかけるものであり、回答は、ユーザが問いかけられた暮らしかたにどの程度あてはまるかを複数段階で(例えば、5段階で)示すものである。
【0057】
取得部34は、複数の設問に対してユーザが入力受付部11に入力した回答データを暮らしニーズデータとして取得する(S42)。
【0058】
ユーザに提供される複数の設問には、ニーズ算出係数が定められている。図9は、ニーズ算出係数の一例を示す図である。ニーズ算出係数は、複数の暮らしニーズ項目に対して定められており、ユーザが設問にどのように回答するかによって数値が異なる。なお、ニーズ算出係数は、設問が提供される順序(設問の表示順)を考慮して定められてもよい。
【0059】
決定部35は、暮らしニーズデータ(回答データ)に基づいて、複数の暮らしニーズ項目のそれぞれについて、ニーズ算出係数を合計し、合計したニーズ算出係数にさらに暮らしニーズ項目ごとに定まるニーズ初期値(図示せず)を加算することにより得られる、暮らしニーズの重視度を算出する(S43)。
【0060】
次に、決定部35は、算出された重視度のそれぞれを0以上1以下の値に正規化する(S44)。例えば、ある暮らしニーズ項目の重視度が、ユーザの回答に応じて最大値Nmax、最小値Nmaxとなる可能性があり、ステップS43において得られた実際の重視度がNsumである場合、正規化後の暮らしニーズスコアNnormは、Nnorm=(Nsum-Nmin)/(Nmax-Nmin)となる。
【0061】
次に、決定部35は、算出された正規化後の重視度が最も大きいものから順に所定数(例えば、5つ)の項目を抽出する(S45)。
【0062】
ここで、複数の住宅プランデータのそれぞれには、複数の暮らしニーズ項目ごとに、充足度が定められている。図10は、充足度の一例を示す図である。決定部35は、ステップS45で抽出された5つの重視度、及び、この5つの重視度に対応する5つの充足度に基づいて、k個の住宅プランデータのそれぞれの適合度を算出する(S46)。例えば、ステップS45で抽出された5つの重視度をNi(i=1,2,3,4,5)とし、k個の住宅プランデータのそれぞれにおいて、5つの重視度に対応する5つの充足度をNFki(i=1,2,3,4,5)とすると、k番目の住宅プランの適合度は、Mk=1-√{(N1-NFk1)^2+(N2-NFk2)^2+……+(N5-NFk5)^2}の式に基づいて算出される。
【0063】
そして、決定部35は、適合度の高いものから順に所定数の住宅プランデータを、ユーザに提案される住宅プランデータとして決定する(S47)。決定された住宅プランデータは、例えば、第1情報端末10の表示部12に上記図6のような表示画面が表示されることにより、ユーザに提案される。
【0064】
このように、住宅プラン提案システム100は、暮らしニーズデータに基づいてユーザに提案される住宅プランデータを決定することができる。
【0065】
[インテリアパターンの決定方法]
次に、ユーザに提案されるインテリアパターン(対象インテリアパターンとも記載される)の決定方法の詳細について説明する。図11は、インテリアパターンの決定方法のフローチャートである。以下の説明では、インテリアパターンは、インテリアパターン(1)~(8)の8種類が準備されているものとして説明が行われる。
【0066】
まず、決定部35は、図12のような表示画面を第1情報端末10に表示させることによりユーザに2者択一の設問を提供する(S51)。図12は、ユーザに2者択一の設問を提供するための表示画面の一例を示す図である。図12に示されるように、2者択一の設問は、2つのインテリア画像のいずれかの選択を要求する設問である。
【0067】
図12のような表示画面が順次表示されることにより、ユーザには複数の2者択一の設問が提供される。取得部34は、複数の設問に対してユーザが入力受付部11に入力した回答データをインテリア嗜好データとして取得する(S52)。
【0068】
決定部35は、取得されたインテリア嗜好データに基づいて、ユーザのインテリア嗜好タイプを決定する(S53)。決定部35は、例えば、図13の判定ツリーに基づいて設問の提供及び回答の取得を繰り返すことにより、ユーザのインテリア嗜好タイプが、インテリア嗜好タイプA~Eのいずれであるかを決定する。図13は、インテリア嗜好タイプの判定ツリーの一例を示す図である。なお、インテリア嗜好タイプの総数は5つであり、インテリアパターンの総数(8つ)、及び、1つの住宅プランデータにおいて選択可能なインテリアパターンの数(3つ)とは異なる。
【0069】
ここで、インテリア嗜好タイプA~Eには、2種類のインテリア嗜好スコア(例えば、2種類の感性評価値)が対応付けられており、インテリア嗜好タイプA~Eのそれぞれは、2種類のインテリア嗜好スコアを示す2軸を有する2次元座標空間にプロットされる点(言い換えれば、2次元ベクトル)として表現することができる。同様に、インテリアパターン(1)~(8)についても2種類のインテリア嗜好スコアが対応付けられており、インテリアパターン(1)~(8)のそれぞれは、インテリア嗜好タイプA~Eと同一の2次元座標空間にプロットされる点(言い換えれば、2次元ベクトル)として表現することができる。図14は、インテリア嗜好タイプA~Eを示す点(白い四角印)、及び、インテリアパターン(1)~(8)を示す点(黒い丸印)がプロットされた2次元座標空間を示す図である。なお、図14の例では、インテリア嗜好タイプCを示す点と、インテリアパターン(3)を示す点とは重なっている。
【0070】
決定部35は、ステップS53において決定されたインテリア嗜好タイプに基づいて、ユーザに提案されるインテリアパターンを決定する(S54)。決定部35は、具体的には、ステップS47で決定された住宅プランデータにおいて選択可能な3つのインテリアパターンのうち、図14の座標空間上で、ステップS53において決定されたインテリア嗜好タイプに最も距離が近いインテリアパターンをユーザに提案されるインテリアパターンとして決定する。言い換えれば、決定部35は、ステップS53において決定されたインテリア嗜好タイプに、インテリア嗜好スコアが最も類似するインテリアパターンをユーザに提案されるインテリアパターンとして決定する。
【0071】
決定されたインテリアパターンは、例えば、第1情報端末10の表示部12に図15のような表示画面が表示されることにより、ユーザに提案される。図15は、インテリアパターンを提案するための表示画面の一例を示す図である。このような表示画面は、第3情報端末30から第1情報端末10へ出力される提案情報に基づいて表示される。
【0072】
ここで、第3情報端末30から第1情報端末10へ出力される提案情報には、インテリアパターンを示す情報だけでなく、外観デザインを示す情報も含まれる。外観デザインは、例えば、決定されたインテリアパターンに応じて定まる。つまり、インテリアパターンがインテリアパターン(1)~(8)のいずれかに決定されると、これに連動して外観デザインも自ずと決定される。
【0073】
決定されたインテリアパターンは、例えば、第1情報端末10の表示部12に図16のような表示画面が表示されることにより、ユーザに提案される。図16は、外観デザインを提案するための表示画面の一例を示す図である。
【0074】
このように、住宅プラン提案システム100は、インテリアニーズデータに基づいてユーザに提案されるインテリアパターン及び外観デザインを決定することができる。
【0075】
なお、外観デザインは、インテリアパターンとは独立して決定されてもよい。外観デザインは、例えば、2つの外観デザインの画像のいずれかの選択を要求する2者択一の設問を提供した結果得られる外観デザインニーズデータに基づいて決定されてもよい。
【0076】
[変形例1]
実施の形態では、最終住宅プランデータに含まれる間取りデータと土地データとのマッチング(つまり、住宅と土地のマッチング)は、住宅供給事業者によって行われたが、他の事業者によって行われてもよい。つまり、住宅供給事業者ではなく他の事業者によって土地探しが行われる場合も考えられる。この場合、ユーザは、建築にかかる費用の総額、及び、工事日程などの情報を考慮して、複数の住宅供給事業者の中から所望の住宅供給事業者を選択する。
【0077】
[変形例2]
実施の形態では、住宅プランデータに対して、複数の暮らしニーズ項目ごとの充足度が1つ定められているが、住宅プランデータが複数の間取りデータを含む場合、複数の暮らしニーズ項目ごとの充足度が、同じ住宅プランデータ内の間取りデータごとに異なる値に設定されていてもよい。この場合、住宅プランデータの複数の間取りデータからいずれか1つの間取りデータを代表値として定め、その住宅プランデータの複数の暮らしニーズ項目ごとの充足度とする。代表値の設定は、接地形状、及び、開口部が位置する方角が同じ(マトリクスの横の列が同じ)であるものを選択することが好ましい。
【0078】
[効果等]
以上説明したように、住宅プラン提案システム100は、第1情報端末10を介してユーザに住宅の提案を行うための住宅プラン提案システム100である。住宅プラン提案システム100は、ゾーニングコンセプトが互いに異なる複数の住宅プランデータが記憶される記憶部33と、ユーザが第1情報端末10に入力するデータに基づいて複数の住宅プランデータの中から決定される対象住宅プランデータを提案するための提案情報を第1情報端末10へ出力する出力部とを備える。複数の住宅プランデータのそれぞれは、接地形状、及び、開口部が位置する方角の少なくとも一方が異なる複数の間取りデータを含む。
【0079】
このような住宅プラン提案システム100によれば、決定された対象住宅プランデータの中に接地形状、及び、開口部が位置する方角の少なくとも一方が異なる複数の間取りデータが含まれるので、土地に住宅プランデータを合わせやすくすることができる。つまり、住宅プラン提案システム100は、住宅プランを決定してから住宅プランに合った土地を探すような家づくりを実現することができる。
【0080】
また、例えば、ゾーニングコンセプトは、リビング、ダイニング、及び、キッチンの少なくとも1つを含む共用空間と他の空間との位置関係に基づいて定められる。
【0081】
このような住宅プラン提案システム100によれば、ユーザは、共用空間と他の空間との位置関係が共通化された複数の間取りデータを含む住宅プランデータの提案を受けることができる。
【0082】
また、例えば、ゾーニングコンセプトは、階段の位置、及び、階段の種類の少なくとも一方に基づいて定められる。
【0083】
このような住宅プラン提案システム100によれば、ユーザは、階段の位置、及び、階段の種類の少なくとも一方のコンセプトが共通化された複数の間取りデータを含む住宅プランデータの提案を受けることができる。
【0084】
また、例えば、ゾーニングコンセプトは、キッチンの位置、及び、キッチンの種類の少なくとも一方に基づいて定められる。
【0085】
このような住宅プラン提案システム100によれば、ユーザは、キッチンの位置、及び、キッチンの種類の少なくとも一方が共通化された複数の間取りデータを含む住宅プランデータの提案を受けることができる。
【0086】
また、住宅プラン提案システム100などのコンピュータが実行する住宅プラン提案方法は、第1情報端末10を介してユーザに住宅の提案を行うための住宅プラン提案方法である。住宅プラン提案方法は、ユーザが第1情報端末10に入力するデータに基づいて、ゾーニングコンセプトが互いに異なる複数の住宅プランデータの中から決定される対象住宅プランデータを提案するための提案情報を第1情報端末10へ出力する出力ステップS24を含む。複数の住宅プランデータのそれぞれは、接地形状、及び、開口部が位置する方角の少なくとも一方が異なる複数の間取りデータを含む。
【0087】
このような住宅プラン提案システム方法によれば、決定された対象住宅プランデータの中に接地形状、及び、開口部が位置する方角の少なくとも一方が異なる複数の間取りデータが含まれるので、土地に住宅プランデータを合わせやすくすることができる。つまり、住宅プラン提案方法は、住宅プランを決定してから住宅プランに合った土地を探すような家づくりを実現することができる。
【0088】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0089】
例えば、上記実施の形態では、住宅プランデータの提案は、WEBサイトを通じて行われたが、ネイティブアプリがインストールされた第1情報端末によって行われてもよい。この場合、本発明は、上記ネイティブアプリがインストールされた第1情報端末として実現されてもよいし、上記ネイティブアプリとして実現されてもよい。
【0090】
また、上記実施の形態における住宅プランデータの決定方法、及び、インテリアパターンの決定方法は一例である。住宅プランデータは、ユーザの暮らしに対するニーズを示す暮らしニーズデータに基づいて決定されるのであれば、どのような方法で決定されてもよい。同様に、インテリアパターンは、ユーザの住宅インテリアに対する嗜好を示すインテリア嗜好データに基づいて決定されるのであれば、どのような方法で決定されてもよい。
【0091】
また、上記実施の形態では、住宅プラン提案システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、住宅プラン提案システムは、第3情報端末に相当する単一の装置として実現されてもよい。住宅プラン提案システムが複数の装置によって実現される場合、住宅プラン提案システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0092】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(ブロードバンドルータなど含む)が介在してもよい。
【0093】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、上記実施の形態において、各動作例は、任意に組み合わされてよい。
【0094】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0095】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0096】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0097】
例えば、本発明は、住宅プラン提案システムなどのコンピュータが実行する住宅プラン提案方法として実現されてもよいし、このような住宅プラン提案方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0098】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
10 第1情報端末(情報端末)
33 記憶部
36 出力部
100 住宅プラン提案システム
図1
図2
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図5
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図10
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