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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/14 20060101AFI20241004BHJP
   A47F 3/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F25D21/14 S
A47F3/04 Q
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021002122
(22)【出願日】2021-01-08
(65)【公開番号】P2022107274
(43)【公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝口 仁也
(72)【発明者】
【氏名】三原 一彦
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-272159(JP,A)
【文献】特開平07-071863(JP,A)
【文献】実開昭49-040861(JP,U)
【文献】特開2002-221385(JP,A)
【文献】特開2000-111235(JP,A)
【文献】実公昭61-17329(JP,Y2)
【文献】実開昭61-076285(JP,U)
【文献】特開2008-025888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 21/14
A47F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を収納する陳列室と、
前記陳列室の下部に設けられた機械室と、
前記機械室内部の背面側に配設された圧縮機と、
前記機械室の内部に設けられた凝縮器と、
前記機械室の内部に外気を導入する送風機と、
前記機械室の内部に設けられ前記陳列室で発生した水を受けるドレンパンと、
前記ドレンパンを通過した空気が前記凝縮器に当たるように形成された空気流路と、
を備え、
前記空気流路は、前記送風機、前記圧縮機、前記凝縮器、前記ドレンパン、前記凝縮器の順に空気が流れる流路である、
ことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記空気流路には、前記ドレンパンを通過した空気を前記凝縮器に向けて送風する第2送風機が配設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
前記機械室の背面側には、前記送風機の近傍にのみ外気取入れ部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のショーケース。
【請求項4】
前記機械室の前記凝縮器の下流には、空気を排出する排気口が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のショーケース。
【請求項5】
前記機械室の内部には、電装箱が配設されており、
前記空気流路は、前記電装箱が前記機械室内部を仕切ることにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースに係り、特に、陳列室内に商品を陳列するショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンビニエンスストアのカウンタなどに設置される小型の低温ショーケースが知られている。
従来、このようなショーケースとして、透明壁を備えた陳列室と、この陳列室の下方に構成された機械室と、この機械室内に配設された圧縮機、凝縮器、凝縮器用ファンなどからなる冷却ユニットとを備えるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、コンビニエンスストアのカウンタなどに設置される小型のショーケースにおいては、一般的に、送風機によって外部から機械室に取り込んだ空気を最初に凝縮器に当て、凝縮器を冷却するのに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-025888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなショーケースでは、圧縮機の配置構造によっては、外部から取り込んだ空気が最初に圧縮機に当たり、圧縮機の熱により加温された空気が凝縮器に送られる構造となる場合がある。
そのため、圧縮機により加温された空気が凝縮器に送られると、凝縮器の冷却効率が低下してしまい、凝縮器による熱交換効率が低下してしまうという課題があった。
【0005】
本開示は、凝縮器における冷却効率を高めることのできるショーケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本開示のショーケースは、商品を収納する陳列室と、前記陳列室の下部に設けられた機械室と、前記機械室内部の背面側に配設された圧縮機と、前記機械室の内部に設けられた凝縮器と、前記機械室の内部に外気を導入する送風機と、前記機械室の内部に設けられ前記陳列室で発生した水を受けるドレンパンと、前記ドレンパンを通過した空気が前記凝縮器に当たるように形成された空気流路と、を備え、前記空気流路は、前記送風機、前記圧縮機、前記凝縮器、前記ドレンパン、前記凝縮器の順に空気が流れる流路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、空気流路を流れドレンパンにより冷却された空気を、凝縮器に当てることができる。そのため、凝縮器おける冷却効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1のショーケースを示す正面図
図2】実施の形態1のショーケースの背面図
図3】実施の形態1のショーケースの側面図
図4】実施の形態1のショーケースの側面断面図
図5】実施の形態1の機械室部分の平面図
図6】実施の形態2の機械室部分の平面図
図7】実施の形態3の機械室部分の平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、透明壁を備えた陳列室と、この陳列室の下方に構成された機械室と、この機械室内に配設された圧縮機、凝縮器、凝縮器用ファンなどからなる冷却ユニットとを備えたショーケースにおいて、送風機によって外部から機械室に取り込んだ空気を最初に凝縮器に当て、凝縮器を冷却するのに用いる技術があった。
しかしながら、このようなショーケースでは、圧縮機の配置構造によっては、外部から取り込んだ空気が最初に圧縮機に当たり、圧縮機の熱により加温された空気が凝縮器に送られる構造となる場合がある。
【0010】
そのため、圧縮機により加温された空気が凝縮器に送られると、凝縮器の冷却効率が低下してしまい、凝縮器による熱交換効率が低下してしまうという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、凝縮器における冷却効率を高めることのできるショーケースを提供する。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、図1から図5を用いて、実施の形態1について説明する。
図1は、本発明に係るショーケースの実施の形態1を示す正面図である。図2は、実施の形態1のショーケースの背面図である。図3は、実施の形態1のショーケースの側面図である。図4は、実施の形態1のショーケースの側面断面図である。図5は、実施の形態1のショーケースの機械室部分の平面図である。
【0013】
[1-1.構成]
本実施の形態のショーケース1は、コンビニエンスストアなどの店舗内におけるカウンタなどに据え付けられる小型の低温ショーケースである。
図1から図5に示すように、ショーケース1は、ショーケース1を支持する基台10と、この基台10の上方に設置されるケース部11とから構成されている。
基台10は、箱型に形成されており、前面パネル12と、左右両側の側面パネル13と、背面パネル14とから構成されている。基台10の上面には、基台10の内部とケース部11とを仕切るデッキパン15が配置されている。
【0014】
ケース部11は、その角部にそれぞれ立設された支柱20を備えており、各支柱20の上端部には、天板21が設けられている。ケース部11は、各支柱20により支持された前面ガラス22と、左右両側の側面ガラス23とを備えており、ケース部11の背面には、開口24が形成されている。
図2に示すように、開口24には、2枚の扉25が設けられている。扉25は、四角枠状に形成された扉枠26を備え、扉枠26の内側には、背面ガラス29がはめ込まれている。各扉25は、天板21の後面およびデッキパン15の後面のそれぞれ両側部分に蝶番27を介して取り付けられており、各扉25は、蝶番27を軸として観音開き式に開閉自在とされている。各扉25の互いに近接する扉枠26には、取っ手28が設けられている。
【0015】
ケース部11の内部は、商品を陳列する陳列室30とされている。ケース部11に内側後方には、上下方向に延在する棚支柱31が設けられている。棚支柱31の前面には、多数の係合孔が上下方向に所定間隔で配列されている。
棚板32は、棚支柱31に取り付けられる一対の支持部材33を備えている。支持部材33は、図示しないフックを棚支柱31に形成された係合孔(図示せず)に係合させことで、棚板32を任意の高さに固定することができるように構成されている。
本実施の形態においては、3段の棚板32が設けられており、これら各棚板32およびデッキパン15の上面に、商品が陳列される構成とされている。
図3に示すように、側面ガラス23の後方には、上下方向に延在する化粧板34が設けられており、棚板32の後方部分を外部から被覆するように構成されている。
【0016】
図4に示すように、基台10の内部には、基台10の内部空間を上下に仕切る仕切り板40が配置されている。仕切り板40は、略平面状の平面部41と、後端部に位置する立ち上げ部42とを備えている。仕切り板40の下方の空間は、機械室43とされ、仕切り板40の上方の空間は、ダクト44とされている。
ダクト44の後方には、仕切り板40の立ち上げ部42とデッキパン15との間の空間は、庫内吹出口46とされており、ダクト44の前方は、庫内吸込口47とされている。
なお、庫内吹出口46と庫内吸込口47の位置関係を入れ替えてもよい。この場合、ダクト44の内部を流れる空気は、庫内吸込口47から陳列室30に吹き出され、陳列室30の内部を循環し、庫内吹出口46からダクト44の内部に吸い込まれる。
【0017】
図4に示すように、機械室43の内部後方であって立ち上げ部42に対応する位置には、圧縮機50が収容されている。
圧縮機50は、機械室43の一側(本実施の形態においては、背面側から見て左側)に配置されており、機械室43の内部であって圧縮機50の近傍には、凝縮器51が配置されている。
【0018】
機械室43の背面には、送風機52が設けられている。背面パネル14の送風機52に対応する位置には、送風機52に外気を導入するための外気取入れ部53が設けられている。すなわち、本実施の形態においては、機械室43の背面パネル14には、送風機52の近傍にのみ外気取入れ部53が形成されている。
そして、送風機52を駆動することにより、外気取入れ部53を介して機械室43の内部に外気を導入し、圧縮機50の冷却および凝縮器51による熱交換を促進するように構成されている。
【0019】
機械室43の他側(本実施の形態においては、背面側から見て右側)には、下部ドレンパン54が配置されている。下部ドレンパン54には、多数の蒸発板が配列された蒸発装置54aが設けられている。
機械室43の凝縮器51と下部ドレンパン54との間には、電装箱55が設置されている。
また、本実施の形態においては、送風機52の一側部(基台10の端部側)から凝縮器51の一側部を結ぶガイド板70が設けられている。
【0020】
凝縮器51の前面側(空気の流れの下流側)における底板43aには、排気口56が設けられている。排気口56は、複数の開口57を配列することで構成されている。
機械室43には、送風機52からガイド板70を介して凝縮器51に至り、その後、凝縮器51を通過した空気が電装箱55と前面パネルとの間の前側空気流路71、下部ドレンパン54、電装箱55と背面パネル14との間の後側空気流路72を順次流れる空気流路73が形成される。
【0021】
後側空気流路72の出口側には、第2送風機58が配置されている。第2送風機58は、凝縮器51に向けて指向されており、後側空気流路72を流れる空気を凝縮器51に向けて吹き出すことができるように構成されている。
すなわち、送風機52により、凝縮器51を通過して前側空気流路71を通った空気は、下部ドレンパン54を通ることで、冷却される。そして、この冷却された空気が後側空気流路72を介して第2送風機58により凝縮器51に吹き出される。
【0022】
送風機52により機械室43の内部に取り入れられた空気は、圧縮機50の近傍を通過するため、圧縮機50の熱により暖められる。
しかしながら、第2送風機58により下部ドレンパン54により冷却された空気を凝縮器51に送ることができるので、凝縮器51に冷却された空気を送ることができ、凝縮器51の冷却効率を高めることが可能となる。
【0023】
図4に示すように、ダクト44の内部には、蒸発器60が設置されている。前述の圧縮機50、凝縮器51および蒸発器60は、冷媒配管(図示せず)を介して接続されており、圧縮機50から凝縮器51および蒸発器60を循環して圧縮機50に戻る冷凍サイクルを構成している。
ダクト44の庫内吹出口46の近傍には、庫内送風機62が配置されている。庫内送風機62は、デッキパン15と立ち上げ部42の基部との間に傾斜して配置されており、庫内送風機62による空気の吹き出し方向が上斜め後方となるように配置されている。
【0024】
そして、圧縮機50、送風機52、第2送風機58および庫内送風機62をそれぞれ駆動することにより、圧縮機50から吐出された冷媒が凝縮器51で熱交換され、その後、蒸発器60で熱交換されることで、ダクト44の内部を流れる空気を冷却し、庫内吹出口46から陳列室30に吹き出させる。この冷却空気は、陳列室30の内部を循環し、庫内吸込口47からダクト44の内部に吸い込まれる。この動作が連続して行われることで、陳列室30の内部を冷却することが可能となる。
【0025】
なお、仕切り板40には、蒸発器60に結露した水を回収して貯留する上部ドレンパン(図示せず)が設けられている。
上部ドレンパンの底面には、ドレン抜き(図示せず)が設けられている。ドレン抜きは、下部ドレンパン54の上方に対応する位置に設けられており、ドレン抜きにより上部ドレンパンから流れるドレンは、下部ドレンパン54に貯留されるように構成されている。
【0026】
[1-2.作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態のショーケース1においては、圧縮機50、庫内送風機62、送風機52および第2送風機58を駆動することにより、圧縮機50から凝縮器51に冷媒が送られ、この冷媒は、凝縮器51で送風機52により取り入れられた外部空気と熱交換される。熱交換後の冷媒は、蒸発器60に送られ、蒸発器60において、ダクト44の内部を流れる空気と熱交換される。
【0027】
蒸発器60で熱交換され冷却された空気は、庫内吹出口46を介して陳列室30に吹き出される。これにより、陳列室30の内部が所定温度に冷却される。
また、陳列室30の内部空気は、陳列室30の内部を循環した後、庫内吸込口47を介してダクト44の内部に取り込まれ、再び、蒸発器60と熱交換が行われる。
【0028】
一方、凝縮器51において、冷媒と熱交換された空気は、電装箱55と前面パネルとの間の前側空気流路71、下部ドレンパン54、電装箱55と背面パネル14との間の後側空気流路72を順次流れる。
この場合に、前側空気流路71を通った空気は、下部ドレンパン54を通ることで、下部ドレンパン54におけるドレン水の蒸発によって蒸発熱として奪われるため、下部ドレンパン54を流れる空気は、冷却される。
そして、この冷却された空気が後側空気流路72を介して第2送風機58により凝縮器51に吹き出される。
【0029】
送風機52により機械室43の内部に取り入れられた空気は、圧縮機50の近傍を通過するため、圧縮機50の熱により加温される。
しかしながら、第2送風機58により下部ドレンパン54により冷却された空気を凝縮器51に送ることができるので、凝縮器51に冷却された空気を当てることができ、凝縮器51における冷却効率を高めることが可能となる。さらに、第2送風機58により送られる空気により、圧縮機50の冷却も行うことができる。
また、送風機52および第2送風機58を設けることで、空気流路73において効率よく空気を循環させることができる。
【0030】
そして、凝縮器51を通過した空気の一部は、排気口56から機械室43の外部に排出される。
下部ドレンパン54を通過した空気は、冷却されるものの比較的湿度が高い状態となっているため、その一部を排気口56から外部に排出することにより、機械室43を循環する空気の湿度を下げることが可能となる。
【0031】
[1-3.効果等]
以上述べたように、本実施の形態においては、商品を収納する陳列室30と、陳列室30の下部に設けられた機械室43と、機械室43内部の背面側に配設された圧縮機50と、機械室43の内部に設けられた凝縮器51と、機械室43の内部に外気を導入する送風機52と、機械室43の内部に設けられ陳列室30で発生した水を受ける下部ドレンパン54(ドレンパン)と、下部ドレンパン54を通過した空気が凝縮器51に当たるように形成された空気流路73と、を備えている。
これにより、空気流路73を流れ下部ドレンパン54により冷却された空気を、凝縮器51に当てることができる。そのため、凝縮器51おける冷却効率を高めることができる。
【0032】
また、本実施の形態においては、空気流路73には、下部ドレンパン54を通過した空気を凝縮器51に向けて送風する第2送風機58が配設されている。
これにより、第2送風機58により、より効率よく凝縮器51に冷却された空気を送ることができる。そのため、より効率よく凝縮器51の冷却効率を高めることができる。
【0033】
また、本実施の形態においては、機械室43の背面側には、送風機52の近傍にのみ外気取入れ部53が形成されている。
これにより、下部ドレンパン54を通過した空気が外部に流出してしまうことを抑制することができる。そのため、下部ドレンパン54により冷却された空気を凝縮器51に効率よく当てることができ、冷却効率を高めることができる。
【0034】
また、本実施の形態においては、機械室43の凝縮器51の下流には、空気を排出する排気口56が設けられている。
これにより、水蒸気が多く含まれた空気の一部を機械室43の外部に排出できるので、空気流路73を通過する空気の湿度を下げることができる。そのため、下部ドレンパン54に溜まった水の更なる蒸発を促進できるため、凝縮器51を効率よく冷却することができる。
【0035】
また、本実施の形態においては、空気流路73は、送風機52、圧縮機50、凝縮器51、下部ドレンパン54(ドレンパン)、凝縮器51、排気口56の順に空気が流れる流路である。
これにより、下部ドレンパン54により冷却された空気を効率よく凝縮器51に当てることができる。そのため、凝縮器51の冷却効率を高めることができる。
【0036】
また、本実施の形態においては、機械室43の内部には、電装箱55が配設されており、空気流路73は、電装箱55が機械室43内部を仕切ることにより形成されている。
これにより、従来のショーケースに追加の空気流路73を構成するための構成部品を追加することなく、容易に空気流路73を形成することができる。そのため、製造コストの増加を抑制しつつ、凝縮器51を効率よく冷却することができる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態2を示すショーケースの機械室部分の平面図である。
【0038】
[2-1.構成]
図6に示すように、本実施の形態においては、排気口56の周囲に、排気仕切板74を設けるようにしたものである。
排気仕切板74は、凝縮器51の空気の流れの下流側と排気口56とを仕切る第1排気仕切部75と、排気口56の前側空気流路71側を付けて仕切る第2排気仕切部76と、から構成されている。
【0039】
また、本実施の形態においては、第2送風機58は、第2送風機58により送られる空気が、排気仕切板74により囲まれた排気口56に向かうように、送風方向が凝縮器51に対して略直交する方向となるように配置されている。
その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
[2-2.作用]
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、凝縮器51において冷媒と熱交換された空気は、前側空気流路71、下部ドレンパン54、後側空気流路72で構成される空気流路73を順次流れる。
そして、下部ドレンパン54を通った空気は冷却され、第2送風機58により凝縮器51に吹き出される。
これにより、凝縮器51における冷却効率を高めることができる。
【0041】
このとき、第2送風機58により送られる冷却された空気は、凝縮器51に送られた後、第1排気仕切部75と、第2排気仕切部76とにより、遮られるので、半ば強制的に排気口56から機械室43の外部に排出される。
そのため、空気流路73を1回循環して湿度の高い空気を効率よく排気口56から排出することができる。
【0042】
[2-3.効果等]
以上述べたように、本実施の形態においては、凝縮器51の下流側であって凝縮器51から下部ドレンパン54(ドレンパン)に流れる空気と、排気口56に流れる空気とを仕切る排気仕切板74が設けられている。
これにより、下部ドレンパン54により冷却された空気は、凝縮器51に送られた後、排気仕切板74により遮られるので、半ば強制的に排気口56から機械室43の外部に排出することができる。そのため、空気流路73を1回循環して湿度の高い空気を効率よく排気口56から排出することができる。
【0043】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について、図7を参照して説明する。
図7は、本発明の実施の形態3を示すショーケースの機械室部分の平面図である。
[3-1.構成]
図7に示すように、本実施の形態においては、電装箱55は、機械室43の一端側に配置されている。電装箱55の一側には、ドレンパンとしての下部ドレンパン54が配置されている。下部ドレンパン54と凝縮器51および排気口56との間には、流路仕切板77が設けられている。
【0044】
本実施の形態における空気流路73は、凝縮器51の空気の流れの下流側から、流路仕切板77と機械室43の前端面との間を通り、下部ドレンパン54、流路仕切板77と機械室43の後端面との間を通るように形成されている。
すなわち、空気流路73は、実施の形態1および実施の形態2で設けられていた前側空気流路71および後側空気流路72が省略された構成となっている。
そして、流路仕切板77と機械室43の後端面との間には、第2送風機58が配置されている。
【0045】
なお、流路仕切板77を設ける代わりに、下部ドレンパン54における凝縮器51および排気口56に近い側の板金を上向きに延伸して形成させてもよい。即ち、下部ドレンパン54における凝縮器51および排気口56に近い側の板金が、機械室43を区切って空気流路73を形成するように構成されてもよい。
その他の構成は、実施の形態1および実施の形態2と同様であるため、同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
[3-2.作用]
本実施の形態においても、実施の形態1および実施の形態2と同様に、凝縮器51において冷媒と熱交換された空気は、下部ドレンパン54を通過することで冷却され、第2送風機58により凝縮器51に吹き出される。
これにより、凝縮器51における冷却効率を高めることができる。
【0047】
[3-3.効果等]
以上述べたように、本実施の形態においては、空気流路73は、凝縮器51および排気口56と、下部ドレンパン54(ドレンパン)とを仕切る流路仕切板77により形成されている。
これにより、流路仕切板77により形成された空気流路73を流れ下部ドレンパン54により冷却された空気を、凝縮器51に当てることができる。そのため、凝縮器51おける冷却効率を高めることができる。
【0048】
なお、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1から実施の形態3を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1から実施の形態3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本開示は、ドレンパンにより冷却された空気を凝縮器に送ることで、凝縮器における冷却効率を高めることのできるショーケースとして好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ショーケース
10 基台
11 ケース部
15 デッキパン
25 扉
29 背面ガラス
30 陳列室
32 棚板
43 機械室
43a 底板
44 ダクト
50 圧縮機
51 凝縮器
52 送風機
53 外気取入れ部
54 下部ドレンパン
55 電装箱
56 排気口
58 第2送風機
60 蒸発器
62 庫内送風機
70 ガイド板
71 前側空気流路
72 後側空気流路
73 空気流路
74 排気仕切板
75 第1排気仕切部
76 第2排気仕切部
77 流路仕切板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7