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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】自律走行型掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20241004BHJP
   A47L 9/04 20060101ALI20241004BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A47L9/00 101
A47L9/00 F
A47L9/04 A
A47L9/28 E
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021187786
(22)【出願日】2021-11-18
(62)【分割の表示】P 2017161804の分割
【原出願日】2017-08-25
(65)【公開番号】P2022010391
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-11-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】谷地 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】恩田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】土田 英也
(72)【発明者】
【氏名】加幡 久志
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】窪田 治彦
【審判官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-144027(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0107991(KR,A)
【文献】特開平4-54930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディと、
当該ボディの底面に設けられ、ごみを前記ボディの内部に吸引するための吸込口と、
前記吸込口に配置される回転ブラシと、
前記回転ブラシの上部を覆うように配置されるブラシカバーと、
前記ボディの、前記ブラシカバーの上方に位置する部分に配された開閉自在のカバーと、を有し、
前記ブラシカバーの上方は開放空間となっており、前記カバーを開けることにより、前記ブラシカバーを、前記開放空間を介して本体上方へ取り外し、前記回転ブラシのメンテナンスを行うことが可能な自律走行型掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行型掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自律走行型掃除機は、各種の構成要素を搭載するボディと、ボディに形成される吸込み口に配置され清掃面上に存在するごみを集める回転ブラシと、ごみを捕集する集じん室および、回転ブラシから集じん室へ繋がる接続パイプを備えている。回転ブラシは、駆動輪後方の本体後部端に配置され、回転ブラシの修理・メンテナンスを行う際は、本体の後方部底近傍から回転ブラシを着脱する構成になっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-125861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来の自律走行型掃除機の構成では、回転ブラシを交換する場合、回転ブラシ上方には集じん室や集じん室に繋がる接続パイプが配置されているため回転ブラシを容易に取り外すことはできず、本体底面近傍で低姿勢の状態になって取り外し作業を行う必要があり、メンテナンス性が非常に悪いという課題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、回転ブラシを本体上方から取り外し可能な構造にすることで、修理・メンテナンス性を向上させた自律走行型掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ボディと、当該ボディの底面に設けられ、ごみを前記ボディの内部に吸引するための吸込口と、前記吸込口に配置される回転ブラシと、前記回転ブラシの上部を覆うように配置されるブラシカバーと、前記ボディの、前記ブラシカバーの上方に位置する部分に配された開閉自在のカバーと、を有し、前記ブラシカバーの上方は開放空間となっており、前記カバーを開けることにより、前記ブラシカバーを、前記開放空間を介して本体上方へ取り外し、前記回転ブラシのメンテナンスを行うことが可能な自律走行型掃除機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自律走行型掃除機は、本体上方から回転ブラシの修理・メンテナンスを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1における自律走行型掃除機の右側面図
図2】同自律走行型掃除機の底面図
図3】同自律走行型掃除機の斜視図
図4図2のA-A断面図
図5】同自律走行型掃除機の構造展開図
図6】同自律走行型掃除機の第一集じんユニットの構造を示す展開図
図7】同自律走行型掃除機の第二集じんユニットの構造展開図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における自律走行型掃除機の右側面図、図2は、同自律走行型掃除機の底面図、図3は、同自律走行型掃除機の斜視図、図4は、図2のA-A断面図、図5は、同自律走行型掃除機の構造展開図、図6は、同自律走行型掃除機の第一集じんユニットの構造を示す展開図、図7は、同自律走行型掃除機の第二集じんユニットの構造展開図である。
【0011】
以下では、本実施の形態における自律走行型掃除機1およびその構成要素(構成部品)の説明に関し、便宜上、図1における左側を正面(先端)側、右側を背面(後端)側、上側を上面(上)側、下側を底面(下)側、手前を右側、奥を左側として説明する。
【0012】
図1に示すように、自律走行型掃除機1は対象領域の清掃面上を自律的に走行し、清掃面上に存在するごみを吸引するロボット型の掃除機であり、複数の構造的な機能ブロックを備える。対象領域の一例は部屋であり、清掃面の一例は部屋の床面である。
【0013】
自律走行型掃除機は、バッテリーを電源として走行し、集じんする。ビルや商業施設等で稼動させ、大きい面積を清掃するには走行モーター、集じんの吸引モーター、ブラシモーターを省電力で稼動させる必要がある。そのため、異物等を含めて吸引風のみで集じん部へ搬送させることができず、ブラシのかき上げ、跳ね上げ作用で回収する第一集じん部と、埃を回収、蓄積する第二集じん部に分離する構成が優れている。
【0014】
以下に、図1~7を用いて本実施の形態における自律走行型掃除機について詳述する。
【0015】
本実施の形態における自律走行型掃除機1は、各種の構成要素を搭載するボディ10と、対象領域に存在するごみを集める清掃ユニット20と、ごみをボディ10の内部に吸引する吸引ユニット45を備えている。自律走行型掃除機1はさらに、吸引ユニット45により吸引されたごみを捕集する第一集じんユニット35と、第一集じんユニット35、清掃ユニット20、後述する駆動ユニット30、吸引ユニット45を制御する制御ユニット25および、各、清掃ユニット20、制御ユニット25、駆動ユニット30、吸引ユニット45等に電力を供給する電源バッテリー32を備える。
【0016】
一対の駆動ユニット30は、ボディ10の幅方向の中心に対して右側に配置される右側の駆動ユニット30、および、ボディ10の幅方向の中心に対して左側に配置される左側の駆動ユニット30である。なお、一方の駆動ユニット30が第1の駆動ユニットであり、他方の駆動ユニット30が第2の駆動ユニットである。また、自律走行型掃除機1の幅方向である左右方向は自律走行型掃除機1の前進方向を基準に規定される。
【0017】
自律走行型掃除機1の駆動方式は対向二輪型であり、右側の駆動ユニット30と左側の駆動ユニット30とがボディ10の幅方向において対向して配置される。
【0018】
ボディ10は本体前方および後方に前方キャスター14、後方キャスター12を備える。駆動ユニット30が旋回運動する際は前方キャスター14、後方キャスター12も連動し回転する。
【0019】
図2に示されるとおり、ボディ10は、ごみをボディ10の内部に吸引するための吸込
口50をさらに備える。吸込口50は、フロントボディ2の底面に形成される。
【0020】
吸込口50の長手方向の寸法である吸込口50の幅は、右側の駆動ユニット30と左側の駆動ユニット30との内側の間隔よりも広い。この幅の設定形態は、より広い吸込口50の幅を確保し、清掃ユニット20により吸引されるごみの量を増加させることに寄与する。
【0021】
図4に示されるとおり、清掃ユニット20は、フロントボディ2の内部および外部に配置され、複数の要素を備える。一例によれば清掃ユニット20は、フロントボディ2の内部に配置される回転ブラシ駆動モーター36およびタイミングベルト37、および、フロントボディ2の吸込口50に配置される回転ブラシ21を備える。
【0022】
タイミングベルト37は、回転ブラシ駆動モーター36の出力軸(図示せず)および回転ブラシ21に接続され、回転ブラシ駆動モーター36のトルクを回転ブラシ21に伝達する。
【0023】
回転ブラシ21は、吸込口50の長手方向の寸法とおおよそ同じ長さを有し、フロントボディ2に対して回転できるように軸受部(図示せず)により支持され、例えばごみをボディ10の前方側に回転する。
【0024】
自律走行型掃除機1のフロントボディ2の前方底面にはサイドブラシ3が配置され、この構成によれば、対象領域の角部に存在するごみがフロントボディ2の吸込口50に集められる。このため、自律走行型掃除機1の角清掃能力がより高められる。
【0025】
図5に示される電源バッテリー32は、ボディ10の前後方向の中心よりも後方側に配置され、さらに吸引ユニット45よりも前方側に配置される。
【0026】
電源バッテリー32は、第一集じんユニット35と第二集じんユニット40の間に施錠により固定され、解錠することで着脱可能となる。
【0027】
図6に示されるとおり、第一集じんユニット35はフロントボディ2の内部において回転ブラシ21の後方側かつ吸引ユニット45の前方側に配置され、さらに一対の駆動ユニット30の間に配置される。
【0028】
図6に示されるとおり、第一集じんユニット35はフロントボディ2の内部に配置され、上面方向に取り外し可能な着脱構造を備える。第一集じんユニット35と、ブラシカバー22は、着脱により一体化することができ、第一集じんユニット35に捕集されたごみを廃棄する際は、本体上面方向に抜き出して行い、同時に、ブラシカバー22の開口面から回転ブラシ21のメンテナンスを行うことができる。
【0029】
本実施の形態では、図4、5に示すようにボディ10のブラシカバー22の上方に位置する部分に開閉自在のカバー4が設けられている。
【0030】
ブラシカバー22は回転ブラシ21の上部を覆うように配置されると共に、回転ブラシ21の回転軸(図示せず)を回転自在に支持する。
【0031】
ブラシカバー22の上部には構造物が配置されず、開放空間となっている。このため、カバー4を開けることによりブラシカバー22を本体上方へ容易に取り外すことができる。ブラシカバー22は、フロントボディ2の上部にストッパー34により固定され配置している。ストッパー34を外すことでブラシカバー22は着脱可能となり、回転ブラシ2
1のメンテナンスを本体上面から行うことができる。
【0032】
図7に示されるとおり、吸引ユニット45はボディ10の内部に配置され、複数の要素を備える。一例によれば吸引ユニット45は、第二集じんボックス41の上方側に配置され、第二集じんボックス41に取り付けられるファンケース47および、ファンカバー48の内部に配置される。
【0033】
吸引ユニット45は、第二集じんユニット40および、第一集じんユニット35の内部の空気を吸引し、吸引ユニット45の周方向の外方に空気を吐出する。吸引ユニット45から吐出された空気は、ファンカバー48内部の空間を通過し、ボディ10の外部に排気される。
【0034】
第二集じんユニット40は、前方に第一集じんユニット35を配置し、接続パイプ28によって第一集じんユニット35と連結される。第二集じんユニット40の役割は、吸引ユニット45の吸引によって集めたごみを第二集じんボックス41に捕集することである。
【0035】
第二集じんユニット40の内部には、紙パック(図示せず)等が配置され、吸引したごみの捕集を行う。内部に配置された紙パック等は、背面のリアカバー39を取り外すことで着脱が可能となる。
【0036】
また、フロントボディ2に搭載されている全ての構造物を本体上方に取り外せるようにしておけば、回転ブラシ21のメンテナンスをより容易に行えることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る自律走行型掃除機は、本体上方から回転ブラシの修理・メンテナンスを極めて容易に行うことができるもので、自律走行型掃除機に限らず、下方に回転ブラシを有する各種機器に適用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 自律走行型掃除機
2 フロントボディ
3 サイドブラシ
4 カバー
10 ボディ
12 後方キャスター
14 前方キャスター
20 清掃ユニット
21 回転ブラシ
22 ブラシカバー
25 制御ユニット
28 接続パイプ
30 駆動ユニット
32 電源バッテリー
34 ストッパー
35 第一集じんユニット
36 回転ブラシ駆動モーター
37 タイミングベルト
39 リアカバー
40 第二集じんユニット
41 第二集じんボックス
45 吸引ユニット
47 ファンケース
48 ファンカバー
50 吸込口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7