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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20241004BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20241004BHJP
   B60K 35/233 20240101ALI20241004BHJP
【FI】
G02B27/01
B60R11/02 C
B60K35/233
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022524873
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(86)【国際出願番号】 JP2020048252
(87)【国際公開番号】W WO2021234993
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2020088969
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】南 和博
(72)【発明者】
【氏名】岡山 裕昭
【審査官】河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第03060774(FR,A1)
【文献】国際公開第2016/136573(WO,A1)
【文献】特開2019-217790(JP,A)
【文献】国際公開第2018/142457(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/203371(WO,A1)
【文献】特開2015-182672(JP,A)
【文献】特開2017-003946(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0278765(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓部を介して視認可能な実景に虚像を重ねて表示するヘッドアップディスプレイシステムであって、
前記虚像として観察者に視認される光束を出射する表示部と、
前記光束を前記窓部へ導く光学系と、
前記光学系と前記窓部との間の光路上に設置され、前記表示部からの光束が透過する透明部材と、
前記透明部材で反射して前記窓部に入射する光を出射する光源部と、
前記虚像の縦方向の位置を調整するための操作部と、
前記観察者による前記操作部の操作に応じて前記表示部の表示領域を制御する制御部と、を備え、
前記表示部から出射された光束は、前記窓部で反射されて観察者が前記虚像を視認可能な視認領域に到達し、
前記光源部から出射された光は、前記光束が前記窓部で反射される領域内で反射して前記視認領域に到達し、
前記虚像と前記光源部からの前記光とを重ねて視認可能である、
ヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項2】
前記光源部は前記窓部と前記透明部材の間の壁部に設けられている、
請求項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項3】
前記表示部は、キャリブレーション用のキャリブレーション画像を表示する、
請求項1または2に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項4】
前記キャリブレーション画像は、前記光源部からの光を合わせるための基準点を有する、請求項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項5】
前記制御部は、キャリブレーションモードにおいて、前記表示部に表示している表示画像を前記キャリブレーション画像に切り替える、
請求項またはに記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項6】
前記制御部は、キャリブレーションモードにおいて、前記表示部の表示可能領域の中でキャリブレーション画像または表示画像を移動させる、
請求項1からのいずれか1つに記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項7】
前記制御部は、前記キャリブレーション画像または表示画像を前記表示可能領域の中で移動させると共に前記虚像の歪みを補正する、
請求項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項8】
前記制御部は、前記表示部における、キャリブレーションが完了したキャリブレーション画像の表示領域を記憶部に記憶させ、表示画像を前記表示部におけるこの記憶した表示領域に表示させる、
請求項からのいずれか1つに記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項9】
前記制御部は、キャリブレーションモードにおいて、前記光源部を収容位置からキャリブレーション位置へ移動制御する、
請求項1からのいずれか1つに記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項10】
前記窓部は、移動体のウインドシールドである、
請求項1からのいずれか1つに記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項11】
前記光源部は複数の光源と、
前記複数の光源の各々から出射された光の射出方向と発散角をそれぞれ異ならせるように制限する筒部とを有する、
請求項1から10のいずれか1つに記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項12】
窓部を介して視認可能な実景に虚像を重ねて表示するヘッドアップディスプレイシステムであって、
前記虚像として観察者に視認される光束を出射する表示部と、
前記光束を前記窓部へ導く光学系と、
光を出射する光源部と、
前記虚像の縦方向の位置を調整するための操作部と、
前記観察者による前記操作部の操作に応じて前記表示部の表示領域を制御する制御部と、を備え、
前記表示部から出射された光束は、前記窓部で反射されて観察者が前記虚像を視認可能な視認領域に到達し、
前記光源部から出射された光は、前記光束が前記窓部で反射される領域内で反射して前記視認領域に到達し、
前記虚像と前記光源部からの前記光とを重ねて視認可能であり、
前記制御部は、キャリブレーションモードにおいて、前記光源部を収容位置からキャリブレーション位置へ移動制御する、
ッドアップディスプレイシステム。
【請求項13】
窓部を介して視認可能な実景に虚像を重ねて表示するヘッドアップディスプレイシステムであって、
前記虚像として観察者に視認される光束を出射する表示部と、
前記光束を前記窓部へ導く光学系と、
光を出射する光源部と、
前記虚像の縦方向の位置を調整するための操作部と、
前記観察者による前記操作部の操作に応じて前記表示部の表示領域を制御する制御部と、を備え、
前記表示部から出射された光束は、前記窓部で反射されて観察者が前記虚像を視認可能な視認領域に到達し、
前記光源部から出射された光は、前記光束が前記窓部で反射される領域内で反射して前記視認領域に到達し、
前記虚像と前記光源部からの前記光とを重ねて視認可能であり、
前記光源部は複数の光源と、
前記複数の光源の各々から出射された光の射出方向と発散角をそれぞれ異ならせるように制限する筒部とを有する、
ッドアップディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、虚像を表示するヘッドアップディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ヘッドアップディスプレイ装置を用いて、拡張現実(AR)表示を行う車両情報投影システムを開示している。ヘッドアップディスプレイ装置は、車両のウインドシールドに虚像を表す光を投影することで、運転者に、車両の外界の実景とともに虚像を視認させている。運転者の眼の位置を検出し、運転者の眼の位置に応じて虚像を重畳表示する重畳表示領域を変更することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/224922号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、重畳領域を変更するために、表示部が表示する画像をウインドシールドへ反射する反射ミラーのチルト角度を調節している。反射ミラーを回転させると、虚像の俯角が変わり、外界の実景と虚像との重畳にズレが生じる場合がある。
【0005】
本開示は、観察者の眼の高さに応じて虚像の位置を調整可能で、外界の実景と虚像との重畳ズレを低減した、ヘッドアップディスプレイシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のヘッドアップディスプレイシステムは、窓部を介して視認可能な実景に虚像を重ねて表示するヘッドアップディスプレイシステムであって、虚像として観察者に視認される光束を出射する表示部と、光束を窓部へ導く光学系と、光を出射する光源部と、虚像の縦方向の位置を調整するための操作部と、観察者による操作部の操作に応じて表示部の表示領域を制御する制御部と、を備え、表示部から出射された光束は、窓部で反射されて観察者が虚像を視認可能な視認領域に到達し、光源部から出射された光は、光束が窓部で反射される領域内で反射して視認領域に到達し、虚像と光源部からの光とを重ねて視認可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示のヘッドアップディスプレイシステムによれば、観察者の眼の高さに応じて虚像の位置を調整可能で、外界の実景と虚像との重畳ズレを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ヘッドアップディスプレイシステムを説明するための図
図2A】第1実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステムの構成を示す模式図
図2B】光源部から出射される光の光路を示す説明図
図3】表示部の表示可能領域と表示される画像の例を示す説明図
図4】画像を重畳したい範囲と虚像の表示可能な範囲を示す説明図
図5】キャリブレーション画像と光源部の輝点とを示す説明図
図6】キャリブレーション画像と光源部の輝点とを示す説明図
図7】第1実施形態における虚像表示のキャリブレーションの流れを示す説明図
図8】第2実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステムの構成を示す模式図
図9】第3実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステムの構成を示す模式図
図10】第4実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステムの構成を示す模式図
図11】第5実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステムの構成を示す模式図
図12】第6実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステムの構成を示す模式図
図13】第6実施形態における光源部の構成を示す模式図
図14】第6実施形態の変形例における光源部の構成を示す模式図
図15】第6実施形態の変形例における光源部の構成を示す模式図
図16】第1実施形態の変形例におけるヘッドアップディスプレイシステムを説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図1~7を参照して、第1実施形態を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.ヘッドアップディスプレイシステムの全体構成]
本開示のヘッドアップディスプレイシステム1の具体的な実施の形態及び実施例を説明する。図1は、本開示に係るヘッドアップディスプレイシステム1を搭載した車両3の断面を示す図である。図1に示すように、車両3のウインドシールド5の下方のダッシュボード7の内部に、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置と称す)9が配置されている。観察者Dは、HUD装置9から投射される画像を虚像Ivとして認識する。このようにして、ヘッドアップディスプレイシステム1は、ウインドシールド5を介して視認可能な実景に虚像Ivを重ねて表示する。また、ダッシュボード7から上方に延びる壁部13が設けられている。壁部13は、例えば、板状の部材である。
【0010】
図2Aは、本実施の形態に係るHUD装置9の構成を示す模式図である。図2Bは、光源部15から出射される光Lgの光路を示す説明図である。
【0011】
図2Aに示すように、HUD装置9は、表示部21と、投射光学系22と、制御部23と、これらを収容するケース24と、ケース24の開口24aに設けられた透明部材25と、を備える。ケース24の開口24aは、例えば、ダッシュボード7の上面に設けられた開口の位置に合わせて配置される。
【0012】
HUD装置9は、表示部21が拡散特性を有する光学部材となっており、表示部21に表示する画像の光束をウインドシールド5に投射する。投射された光束は、窓部としてのウインドシールド5において反射され、観察者Dの視認領域Acに導かれる。これにより、HUD装置9は、観察者Dに虚像Ivを視認させる。視認領域Acとは、観察者Dが虚像Ivを欠けることなく視認可能な領域である。
【0013】
ここで、本開示において、前方とは、観察者Dから見て車両3のウインドシールド5のある方向である。後方とは、前方の反対の方向である。また、下方とは車両3が走行する地面の方向である。上方とは、下方の反対の方向である。縦方向とは、上下方向である。
【0014】
ここで、図2Aに示すように、表示部21から出射する光線のうち、視認領域Acに到達する光線を光線Lcとする。
【0015】
表示部21は、制御部23による制御に基づき、画像を表示する。表示部21には、例えば、バックライト付きの液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode)、プラズマディスプレイなどを用いることができる。また、表示部21として、光を拡散または反射するスクリーンと、プロジェクタや走査型レーザを用いて画像を生成してもよい。
【0016】
表示部21は、例えば、道路進行案内表示や、前方車両までの距離、車のバッテリー残量、現在の車速など、各種の情報を表示することができる。表示部21は、投射光学系22で発生する色収差に応じて、あらかじめ複数波長の表示画素を表示位置毎にずらして表示することで、観察者Dに良好な虚像Ivを視認させることができる。
【0017】
図3に示すように、表示部21は、表示する画像Pcよりも上下方向に大きな表示可能領域21aを有する。制御部23により発光させる画素を制御することで、画像Pcの表示位置を上下方向に調整することができる。図3には、画像Pcの一例として行き先を案内する矢印が示されている。
【0018】
図2A及び図2Bに示すように、投射光学系22は、例えば、集光作用を有するレンズ31とミラー33を備える。投射光学系22は、表示部21に表示された画像を拡大して、ウインドシールド5に投射する。したがって、表示部21のスクリーンのサイズを小型化できる。また、ミラー33は、表示部21から投射される画像を全て反射するのに十分な大きさを有する。
【0019】
ケース24の上部には開口24aが形成されている。透明部材25は、この開口24aを蓋する部材である。透明部材25は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)等の樹脂製である。透明部材25の透過率は50%~90%程度であり、反射率は10~50%程度である。透明部材25は、投射光学系22とウインドシールド5との間の光路上に配置されている。ミラー33を反射した光は、透明部材25を通過してウインドシールド5に到達する。ウインドシールド5において、表示部21の画像が投射されて反射される領域を反射領域Raとする。透明部材25は、入射した光の一部を透過し、光の一部を反射する。透明部材25は予め定められた曲率を有する。
【0020】
壁部13には、光源部15が設置されている。光源部15は、制御部23により発光が制御される。光源部15は、例えばLEDであり、発散角を有する光学素子である。発散角は、透明部材25とウインドシールド5の曲率によって光源部15からの光束が絞られた結果、光源部15からの光束の範囲が視認領域Acより広ければよいので、例えば、60°程度の大きさである。
【0021】
光源部15から出射した光Lgは、視認領域Ac内から所望の位置の虚像を見たときの俯角に相当する光線になるように透明部材25で反射して、ウインドシールド5に到達する。ウインドシールド5に到達した光Lgは、ウインドシールド5の反射領域Ra内で反射して視認領域Acに到達する。このように、光源部15から出射した光Lgが透明部材25及びウインドシールド5で反射して視認領域Acに到達するように、ウインドシールド5の形状に対応して透明部材25の形状と光源部15の位置とが設計されている。図2Bに示すように、光源部15からの光Lgは、観察者Dのそれぞれの眼の高さに到達する。これらの光Lgの輝点は、観察者Dにとって虚像Ivの位置のキャリブレーションの基準となる。
【0022】
操作部11は、観察者Dからの操作指示を入力する部材である。観察者Dの操作量に応じた操作信号が操作部11から制御部23へ送信される。操作部11は、例えば、ボタン、カーソルキー、リモートコントローラ、または、タッチパネル等である。
【0023】
制御部23は、半導体素子などで実現可能である。制御部23は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、またはASICで構成することができる。制御部23は、内蔵する記憶部23aに格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、予め定められた機能を実現する。
【0024】
記憶部23aは、制御部23の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。記憶部23aは、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0025】
記憶部23aには、虚像Ivを表す複数の画像データが格納されている。制御部23は、外部から取得する車両関連情報に基づいて、表示する虚像Ivを決定する。制御部23は、決定した虚像Ivの画像データを記憶部23aから読み出して、表示部21に出力する。
【0026】
[1-1-2.虚像位置のキャリブレーション]
次に、従来と本開示のヘッドアップディスプレイシステムの違いを説明する。従来のヘッドアップディスプレイシステムは、観察者Dの眼の高さに応じて、視認領域Acの高さを上下方向に調整する必要がある。従来のヘッドアップディスプレイシステムは、ミラー33を回転させることで、視認領域Acを変位させていた。しかしながら、ミラー33を回転させると、観察者Dから見た虚像Ivの俯角が変わるので、外界と画像との重畳にズレが発生し、観察者Dの眼の高さによって、虚像Ivの位置がズレることがあった。
【0027】
第1実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1は、ミラー33のチルト角度を調整するのではなく、表示部21の表示領域を大きくすることで、視認領域Acの高さ方向の幅を大きくしている。これにより、図4に示すように、どの眼の高さでも同じ位置に虚像Ivを見ることができるが、画像を図3に示す表示部21の表示可能領域21aのどの領域に表示させるかをキャリブレーションする必要がある。例えば、図4に示すように、車両3から任意の距離離れた走路面51上に画像を重畳したい範囲Apを設定した場合、虚像表示可能範囲19及び視認領域Acが広いので観察者Dの眼の高さに虚像Ivの位置が上下方向にずれている場合がある。
【0028】
そこで、図5に示すようなキャリブレーション画像Pgを表示部21から表示させると共に、図2A及び2Bに示すように壁部13に設けられた光源部15を点灯させることで、キャリブレーション画像Pgの基準点Prに光源部15からの光を合わせることで、重畳したい範囲の中心に映像を一致させることができる。
【0029】
図5に示す状態の場合、観察者Dが見る光源部15からの輝点15cとキャリブレーション画像Pgの中心である基準点Prとがズレている。輝点15cは、キャリブレーションの基準光となる。これを、図6に示すように、観察者Dは操作部11からの指示により表示部21の表示可能領域21aにおいて画像を表示する領域を調整し、キャリブレーション画像Pgが移動して、光源部15からの輝点15cに基準点Prが合わさる。
【0030】
次に、図7を参照して、虚像表示のキャリブレーションの流れを説明する。
【0031】
観察者Dが操作部11から操作指示することで、虚像Ivのキャリブレーションを開始する。
【0032】
ステップS1において、制御部23は、操作部11からキャリブレーション開始の指示を受けると、キャリブレーションモードに移行し、光源部15を点灯させて光Lgを出射させる。光源部15から出射した光Lgは、透明部材25で反射されてウインドシールド5に到達し、ウインドシールド5の反射領域5a内で反射して視認領域Acへ到達する。
【0033】
ステップS2において、制御部23は、キャリブレーションモードにおいて、表示部21において表示している表示画像をキャリブレーション画像Pgに切り替えて表示させる。表示部21は、表示可能領域21aの一部の領域にキャリブレーション画像Pgを表示する。表示されたキャリブレーション画像Pgは、レンズ31で拡大され、ミラー33でウインドシールド5に向けて反射され、ウインドシールド5の反射領域5a内で反射して視認領域Acへ到達する。
【0034】
ステップS3において、観察者Dは、光源部15からの光Lgの輝点15cとキャリブレーション画像Pgの基準点Prとが一致しているか否かを判断する。図5に示すように、観察者Dが光源部15からの光Lgによる輝点15cとキャリブレーション画像Pgの基準点Prとが一致していないと判断すると(S3のNo)、ステップS4において、観察者Dは操作部11を操作して、キャリブレーション画像Pgの基準点Prを輝点15cに合わせるようにキャリブレーション画像Pgの上下位置を調整する。この操作部11の操作信号に応じて、制御部23が表示部21の表示領域を変位させることで、キャリブレーション画像Pgを上下方向に移動することができる。
【0035】
この操作により、観察者Dが光源部15からの光Lgによる輝点15cとキャリブレーション画像Pgの基準点Prとが一致していると判断すると(S3のYes)、ステップS5において、観察者Dは、キャリブレーション完了指示を操作部11に入力する。
【0036】
制御部23は、操作部11からキャリブレーション完了指示を示す信号を受信すると、ステップS6において、光源部15を消灯させて光Lgの出射を停止する。
【0037】
ステップS7において、制御部23は、表示部21におけるキャリブレーション画像Pgの表示領域を記憶部23aに記憶させし、キャリブレーションモードを終了し、虚像Ivとなる画像Pcを表示部21におけるこの表示領域に表示させる。
【0038】
[1-2.効果等]
本開示のヘッドアップディスプレイシステム1は、虚像Ivとして観察者Dに視認される光束を出射する表示部21と、光束をウインドシールド5へ導く投射光学系22と、光を出射する光源部15と、虚像Ivの縦方向の位置を調整するための操作部11と、観察者による操作部11の操作に応じて表示部21の表示領域を制御する制御部23と、を備える。表示部21から出射された光束は、ウインドシールド5で反射されて観察者Dが虚像Ivを視認可能な視認領域Acに到達する。光源部15から出射された光は、光束がウインドシールド5の反射領域Ra内で反射して視認領域Acに到達する。虚像と光源部15からの光Lgとを重ねて視認可能である。
【0039】
虚像となる表示部21からの画像が反射されるウインドシールド5の反射領域Raで、表示部21とは別の光源である光源部15から出射された、虚像Ivの位置のキャリブレーションの基準となる光Lgが反射される。この光Lgは、視認領域Ac内から所望の位置の虚像Ivを見たときの俯角に相当する光線になるように補正されている。これにより、観察者Dの眼の位置が上下方向に変わっても、光源部15からの光Lgを基準に表示部21の表示領域を調整することができるので、虚像Ivとウインドシールド5からの外界の光景との位置関係が所望の位置関係となるように調整することができる。したがって、観察者Dの眼の高さに応じて虚像Ivの位置を調整可能で、外界の実景と虚像Ivとの重畳ズレを低減することができる。
【0040】
なお、壁部13は、板状部材に限らずボックス状の部材でもよい。この場合、光源部15が壁部13の内部に収容され、光源部15から出射した光Lgは、壁部13の面に設けられた貫通孔を通して透明部材25に向かってもよい。また、光源部15は、板状の壁部13に埋め込まれて固定されてもよい。
【0041】
また、光源部15は、壁部13ではなく透明部材25に配置されてもよい。透明部材25に配置された光源部15から出射した光Lgはウインドシールド5の反射領域Raで反射して視認領域Acへ向かう。
【0042】
また、制御部23は、キャリブレーションモードにおいて、表示部21にキャリブレーション画像Pgを表示させる代わりに画像Pcを表示させて、観察者Dの操作量に応じて表示部21の表示可能領域21aの中で画像Pcを移動させることで、光源部15の輝点15cに対して画像Pcの虚像Ivの位置を調節してもよい。画像Pcまたはキャリブレーション画像Pgの位置を調整する際、画像Pcまたはキャリブレーション画像Pgの表示位置に応じて、画像Pcまたはキャリブレーション画像Pgを構成する光線Lcが透過・反射する光学部材及びウインドシールド5での位置が変わるので、画像Pcまたはキャリブレーション画像Pgが投射された虚像Ivが歪む場合がある。この歪みは、画像Pcまたはキャリブレーション画像Pgの表示位置に応じて予測することができるので、記憶部23aに補正パラメータを記憶させておいてもよい。制御部23は、画像Pcまたはキャリブレーション画像Pgの表示位置に応じて虚像Ivの歪みを補正するために、記憶部23aに記憶されている補正パラメータを取得して、画像Pcまたはキャリブレーション画像Pgの画像補正をしてもよい。
【0043】
(第2実施形態)
第1実施形態では、光源部15が壁部13に配置されていた。第2実施形態では、光源部15がHUD装置9A内に配置されている。この点および以下に説明する点以外の構成については、第1実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1及びHUD装置9と第2実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1A及びHUD装置9Aとはそれぞれ共通である。
【0044】
図8は、第2実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステム1Aの構成を示す模式図である。
【0045】
第2実施形態では、光源部15がHUD装置9A内に配置され、光源部15からの光Lgが投射光学系22内で反射されている。例えば、光源部15から出射した光Lgは、レンズ31でミラー33に向けて反射し、さらにミラー33で反射した光Lgは透明部材25を透過してウインドシールド5の反射領域Ra内で反射して視認領域Acに到達する。このように、光源部15から出射した光Lgが投射光学系22内で反射され、ウインドシールド5で反射して視認領域Acに到達するように、ウインドシールド5の形状に対応して投射光学系22に対する光源部15の位置が設計されている。
【0046】
このように、光源部15がHUD装置9A内に配置され、光源部15からの光Lgが投射光学系22内で反射されて視認領域Acに到達する構成であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
(第3実施形態)
第2実施形態では、光源部15からの光Lgが投射光学系22内で反射されていた。第3実施形態では、光源部15からの光Lgが表示部21で反射されている。この点及び以下に説明する点以外の構成については、第2実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1A及びHUD装置9Aと第3実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1B及びHUD装置9Bとはそれぞれ共通である。
【0048】
図9は、第3実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステム1Bの構成を示す模式図である。
【0049】
第3実施形態では、光源部15がHUD装置9B内に配置され、光源部15からの光Lgが表示部21で反射されている。光源部15から出射した光Lgは、表示部21で反射してレンズ31を透過し、さらにミラー33で反射して透明部材25を透過した後にウインドシールド5の反射領域Ra内で反射して視認領域Acに到達する。
【0050】
このように、光源部15がHUD装置9B内に配置され、光源部15からの光Lgが表示部21で反射されて視認領域Acに到達する構成であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(第4実施形態)
第4実施形態は、第2実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1Aにおいて、光源部15と投射光学系22との間に光学素子41を配置した構成である。この点及び以下に説明する点以外の構成については、第4実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1C及びHUD装置9Cと第2実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1A及びHUD装置9Aとはそれぞれ共通である。
【0052】
図10は、第4実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステム1Cの構成を示す模式図である。
【0053】
第4実施形態では、光源部15及び光学素子41がHUD装置9C内に配置され、光源部15から出射した光Lgが光学素子41を通過して、レンズ31で反射されている。光学素子41は、例えば、集光作用のあるレンズである。光学素子41は必要に応じてレンズやミラー等の複数または1つの光学部材で構成される。光源部15から出射した光Lgは、光学素子41を透過し、レンズ31で反射し、さらにミラー33で反射する。ミラー33で反射した光Lgは、透明部材25を透過した後にウインドシールド5の反射領域Ra内で反射して視認領域Acに到達する。なお、光源部15から出射した光Lgが光学素子41を通過してレンズ31で反射させる代わりに、光学素子41を通過して表示部21で反射させてもよい。
【0054】
このように、光源部15と投射光学系22との間に光学素子41が配置されているので、光源部15の光を補正することができる。つまり設計自由度が向上するので、虚像Ivの品質を高めながら、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
(第5実施形態)
第5実施形態は、第1実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1において、光源部15が移動可能な構成である。この点及び以下に説明する点以外の構成については、第5実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1Dと第1実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1とは共通である。
【0056】
図11は、第5実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステム1Dの構成を示す模式図である。光源部15は、透明部材25に向けて変位可能に壁部13に取り付けられている。光源部15と透明部材25との間の光路上には、光学素子41が配置されている。光源部15は、虚像Ivのキャリブレーション時に制御部23により、例えば、モータ及びラックピニオン機構を用いて、壁部13の、破線で示す収容位置Ps1からキャリブレーションに適したキャリブレーション位置Ps2に移動制御される。したがって、虚像Ivのキャリブレーションが終了すると、壁部13の収容位置Ps1に戻される。これにより、壁部13の位置や透明部材25の形状に関係なく、キャリブレーションを適切に行うことができる。
【0057】
なお、光源部15が変位可能な代わりに、光学素子41が変位可能であってもよい。また、光源部15が変位可能な場合は、光学素子41を省略してもよい。
【0058】
(第6実施形態)
第6実施形態は、第1実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1において、光源部15が複数の光学素子を備える構成である。この点及び以下に説明する点以外の構成については、第6実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1Eと第1実施形態のヘッドアップディスプレイシステム1とは共通である。
【0059】
図12は、第6実施形態におけるヘッドアップディスプレイシステム1Eの構成を示す模式図である。図13は、光源部15Eの拡大図である。
【0060】
光源部15Eは複数の光学素子15aを有する。各光学素子15aは指向性のある光を射出する。光学素子15aは、例えば、レーザ素子である。各光学素子15aは、光の照射方向が異なる。これにより、観察者Dの眼の高さに応じて見える光学素子15aを変えることができる。このように、各光学素子15aの位置と投射方向とを適切に設計することで、観察者Dは眼の高さに応じたキャリブレーションの基準光を視認することができるので、適切な位置に虚像Ivを調整することができる。
【0061】
また、各光学素子15aから出射される光に指向性を持たすために、図14に示すように、壁部13Fは、各光学素子15aの出射方向に沿って延びる筒部13aを有してもよい。筒部13aは筒形状を有する。光源部15Fの各光学素子15bから照射されるそれぞれの光が筒部13aによって制限された結果、指向性を有するので、観察者Dの眼の高さに応じて見える光学素子15bを変えることができる。これにより、観察者Dは眼の高さに応じたキャリブレーションの基準光を視認することができるので、適切な位置に虚像Ivを調整することができる。また、筒部13aが設けられているので、光学素子15bは、指向性を有していなくてもよく、大きな拡散角を有していなくてもよい。
【0062】
また、光学素子15bから出射される光に指向性を持たせる部材は、図15に示すような形態でもよい。壁部13Fは、複数の光学素子15bを支持する支持板13cと、それぞれの光学素子15bが異なる出射方向に進行するように形成された貫通孔13baを有する遮光板13bと、を備える。この構成によっても、光源部15Fの光学素子15bから照射されるそれぞれの光が貫通孔13baによって制限された結果、指向性を有するので、観察者Dの眼の高さに応じて見える光学素子15bを変えることができる。これにより、観察者Dは眼の高さに応じたキャリブレーションの基準光を視認することができるので、適切な位置に虚像を調整することができる。
【0063】
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
【0064】
上記実施形態では、ヘッドアップディスプレイシステム1を自動車などの車両3に適用した場合について説明した。しかしながら、ヘッドアップディスプレイシステム1を適用する対象物は車両3に限らない。ヘッドアップディスプレイシステム1を適用する対象物は、例えば、列車、オートバイ、船舶、又は航空機であってもよいし、移動を伴わないアミューズメント機でもよい。アミューズメント機の場合、ウインドシールド5の代わりに表示部21から出射された光束を反射する窓部としての透明曲板に表示部21からの光束と光源部15からの光が反射される。また、ユーザが透明曲板を介して視認可能な実景は、別の映像表示装置から表示される映像であってもよい。すなわち、別の映像表示装置から表示される映像にヘッドアップディスプレイシステム1による虚像を重ねて表示してもよい。
【0065】
上記実施形態では、ダッシュボード7の上面に沿ってHUD9の開口24aが配置されていたが、これに限られない。図16に示すように、HUD9は、ダッシュボード7の上面7aより下方に配置されてもよい。ダッシュボード7の上面には、HUD9及び光源部15からの光Lc及び光Lgが通過するための孔7bが設けられている。なお、HUD9の上面から壁部13が上方に延び、光源部15が壁部13に取り付けられている。壁部13及び光源部15もダッシュボード7の上面7aより下方に配置されている。
【0066】
(実施形態の概要)
(1)本開示のヘッドアップディスプレイシステムは、窓部を介して視認可能な実景に虚像を重ねて表示するヘッドアップディスプレイシステムであって、虚像として観察者に視認される光束を出射する表示部と、光束を窓部へ導く光学系と、光を出射する光源部と、虚像の縦方向の位置を調整するための操作部と、観察者による操作部の操作に応じて表示部の表示領域を制御する制御部と、を備え、表示部から出射された光束は、窓部で反射されて観察者が虚像を視認可能な視認領域に到達し、光源部から出射された光は、光束が窓部で反射される領域内で反射して視認領域に到達し、虚像と光源部からの光とを重ねて視認可能である。
【0067】
これにより、観察者の眼の位置が上下方向に変わっても、光源部からの光を基準に表示部の表示領域を調整することができるので、像と窓部からの外界の光景との位置関係が所望の位置関係となるように調整することができる。したがって、観察者の眼の高さに応じて虚像の位置を調整可能で、外界の実景と虚像との重畳ズレを低減することができる。
【0068】
(2)(1)のヘッドアップディスプレイシステムにおいて、光学系と窓部との間の光路上に設置され、表示部からの光束が透過する透明部材を備え、光源部からの光は、透明部材を透過して窓部に入射する。
【0069】
(3)(1)のヘッドアップディスプレイシステムにおいて、光学系と窓部との間の光路上に設置され、表示部からの光束が透過する透明部材を備え、光源部からの光は、透明部材で反射して窓部に入射する。
【0070】
(4)(3)のヘッドアップディスプレイシステムにおいて、光源部は窓部と透明部材の間の壁部に設けられている。
【0071】
(5)(1)から(4)のいずれか1つのヘッドアップディスプレイシステムにおいて、表示部は、キャリブレーション用のキャリブレーション画像を表示する。
【0072】
(6)(5)のヘッドアップディスプレイシステムにおいて、キャリブレーション画像は、光源部からの光を合わせるための基準点を有する。
【0073】
(7)(5)または(6)のヘッドアップディスプレイシステムにおいて、制御部は、キャリブレーションモードにおいて、表示部に表示している表示画像をキャリブレーション画像に切り替える。
【0074】
(8)(1)から(7)のいずれか1つのヘッドアップディスプレイシステムにおいて、制御部は、キャリブレーションモードにおいて、表示部の表示可能領域の中でキャリブレーション画像または表示画像を移動させる。
【0075】
(9)(8)のヘッドアップディスプレイシステムにおいて、制御部は、キャリブレーション画像または表示画像を表示可能領域の中で移動させると共に虚像の歪みを補正する。
【0076】
(10)(5)から(9)のいずれか1つのヘッドアップディスプレイシステムにおいて、制御部は、表示部における、キャリブレーションが完了したキャリブレーション画像の表示領域を記憶部に記憶させ、表示画像を表示部におけるこの記憶した表示領域に表示させる。
【0077】
(11)(1)から(10)のいずれか1つのヘッドアップディスプレイシステムにおいて、制御部は、キャリブレーションモードにおいて、光源部を収容位置からキャリブレーション位置へ移動制御する。
【0078】
(12)(1)から(11)のいずれか1つのヘッドアップディスプレイシステムにおいて、窓部は、移動体のウインドシールドである。このように、移動体のヘッドアップディスプレイシステムとして適用することができる。
【0079】
(13)(1)から(12)のいずれか1つのヘッドアップディスプレイシステムにおいて、光源部は複数の光源と、複数の光源の各々から出射された光の射出方向と発散角をそれぞれ異ならせるように制限する筒部とを有する。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本開示は、虚像を窓部の前方に表示するヘッドアップディスプレイシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1、1A、1B、1C、1D、1E ヘッドアップディスプレイシステム
3 車両
5 ウインドシールド
7 ダッシュボード
9、9A、9B、9C ヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置)
11 操作部
13、13F 壁部
13a 筒部
13b 遮光板
13ba 貫通孔
13c 支持板
15、15E、15F 光源部
15a、15b 光学素子
15c 輝点
19 虚像表示可能範囲
21 表示部
21a 表示可能領域
22 投射光学系
23 制御部
23a 記憶部
24 ケース
24a 開口
25 透明部材
31 レンズ
33 ミラー
41 光学素子
Ac 視認領域
I 虚像
Pc 画像
Pg キャリブレーション画像
Ra 反射領域
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16