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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】精算システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241004BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q20/40
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020213533
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099644
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 孝治
(72)【発明者】
【氏名】田中 義照
(72)【発明者】
【氏名】冨田 裕人
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-332150(JP,A)
【文献】特開2001-357202(JP,A)
【文献】特開2003-217010(JP,A)
【文献】特開2008-234081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のコンピュータにより実現される精算システムであって、
購入対象となる商品を検知する商品検知部と、
検知された1つ以上の前記商品に免許品が含まれるか否かを検知する判定部と、
顧客による決済方法の指定操作を受け付け可能な入力部と、
前記決済方法に対応する決済媒体から精算に必要な決済情報を読み取り可能な読取部と、
前記決済方法に対応して前記顧客の年齢情報を取得する取得部と、
前記判定部により前記免許品が検知された場合に、前記決済方法に対応して前記取得部による前記年齢情報の取得可否に基づいて、前記顧客が前記免許品購入可能な年齢であるか否かを判定するプロセスを決定するプロセッサと、を備える、
精算システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記年齢情報を取得可能である場合、
前記顧客の前記年齢情報を取得するステップと、
取得された前記年齢情報に基づいて、前記顧客による前記免許品の購入可否を判定するステップと、
を含む前記プロセスを決定する、
請求項1に記載の精算システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記年齢情報を取得可能でない場合、
前記顧客の顔画像に基づいて、前記顧客の年齢を推定するステップと、
推定された前記顧客の推定年齢に基づいて、前記顧客による前記免許品の購入可否を判定するステップと、
を含む前記プロセスを決定する、
請求項1に記載の精算システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
推定された前記顧客の前記推定年齢に基づいて、前記顧客による前記免許品の購入が可能でないと判定した場合、
前記顧客の年齢情報が記載された証明書の提示を要求するステップと、
提示された前記証明書から前記年齢情報の読み取りを実行させるステップと、
読み取られた前記年齢情報に基づいて、前記免許品の購入可否を判定するステップと、
を含む前記プロセスを決定する、
請求項3に記載の精算システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記決済媒体に対応付けられた前記年齢情報と推定された前記顧客の前記推定年齢との年齢差が所定値以上と判定した場合、
前記顧客の年齢情報が記載された証明書の提示を要求するステップと、
提示された前記証明書から前記年齢情報の読み取りを実行させるステップと、
読み取られた前記年齢情報に基づいて、前記免許品の購入可否を判定するステップと、
を含む前記プロセスを決定する、
請求項3に記載の精算システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記決済媒体に対応付けられた前記年齢情報と推定された前記顧客の前記推定年齢との年齢差が所定値以上と判定した場合、前記決済媒体の不正利用を通知するアラートを出力する、
請求項5に記載の精算システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
指定された前記決済方法が生体決済である場合、前記年齢情報の取得可否を判定する、
請求項1に記載の精算システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
指定された前記決済方法がキャッシュレス決済である場合、前記年齢情報を取得可能でないと判定する、
請求項1に記載の精算システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
指定された前記決済方法がキャッシュ決済である場合、前記年齢情報を取得可能でないと判定する、
請求項1に記載の精算システム。
【請求項10】
顧客により指定された決済方法の指定操作を受け付け可能な入力部と、
前記決済方法に対応する決済媒体から精算に必要な決済情報を読み取り可能な読取部と、
前記決済方法に対応して前記顧客の年齢情報を取得する取得部と、の間で通信可能である精算装置であって、
前記顧客による購入対象となる商品を検知する商品検知部と、
検知された1つ以上の前記商品に免許品が含まれるか否かを検知する判定部と、
前記判定部により前記免許品が検知された場合に、前記決済方法に対応して前記取得部による前記年齢情報の取得可否に基づいて、前記顧客が前記免許品を購入可能な年齢であるか否かを判定するプロセスを決定するプロセッサと、を備える、
精算装置。
【請求項11】
1つ以上のコンピュータにより実現されるシステムが行う精算方法であって、
購入対象となる商品を検知し、
検知された1つ以上の前記商品に免許品が含まれるか否かを検知し、
顧客による決済方法の指定操作を受け付けて、前記決済方法に対応する決済媒体から精算に必要な決済情報を読み取って取得し、
前記決済方法に対応して前記顧客の年齢情報を取得し、
前記免許品が検知された場合、前記年齢情報の取得可否に基づいて、前記顧客が前記免許品を購入可能な年齢であるか否かを判定するプロセスを決定する、
精算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、精算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、顧客の顔画像を生成して、顔画像に基づいて顧客の年齢を推定し、顧客による商品登録を受け付けて免許品の登録を検出した場合、推定された顧客の年齢が年齢条件を満たすか否かを判定する精算システムが開示されている。精算システムは、年齢条件を満たすと判定した場合には、登録された商品の精算処理を行い、年齢条件を満たさないと判定した場合には、登録された商品の登録情報または顧客の年齢を推定するための顧客情報を他の装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-168762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、精算システム(例えば、レジスタ、セルフレジスタ等)は、利用可能な決済方法が増えており、例えばキャッシュ決済、生体認証による生体決済、クレジットカードあるいはスマートフォン等を用いたキャッシュレス決済等がある。精算システムは、顧客により指定されたいずれかの決済方法で精算を行うが、事前に顧客の年齢情報が登録されている決済方法を用いる場合には、必ずしも顔画像に基づく顧客の年齢を推定する必要がなかった。しかし、従来の精算システムでは、顧客により指定された決済方法に応じて年齢を推定する必要があるか否かを判別することができなかった。
【0005】
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、顧客が指定する決済方法に応じた購入処理を適応的に行い、顧客による免許品の精算を支援する精算システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、1つ以上のコンピュータにより実現される精算システムであって、購入対象となる商品を検知する商品検知部と、検知された1つ以上の前記商品に免許品が含まれるか否かを検知する判定部と、顧客による決済方法の指定操作を受け付け可能な入力部と、前記決済方法に対応する決済媒体から精算に必要な決済情報を読み取り可能な読取部と、前記決済方法に対応して前記顧客の年齢情報を取得する取得部と、前記判定部により前記免許品が検知された場合に、前記決済方法に対応して前記取得部による前記年齢情報の取得可否に基づいて、前記免許品の購入可否プロセスを決定するプロセッサと、を備える精算システムを提供する。
また、本開示は、顧客により指定された決済方法の指定操作を受け付け可能な入力部と、前記決済方法に対応する決済媒体から精算に必要な決済情報を読み取り可能な読取部と、前記決済方法に対応して前記顧客の年齢情報を取得する取得部と、の間で通信可能である精算装置であって、前記顧客による購入対象となる商品を検知する商品検知部と、検知された1つ以上の前記商品に免許品が含まれるか否かを検知する判定部と、前記判定部により前記免許品が検知された場合に、前記決済方法に対応して前記取得部による前記年齢情報の取得可否に基づいて、前記顧客が前記免許品を購入可能な年齢であるか否かを判定するプロセスを決定するプロセッサと、を備える、精算装置を提供する。
また、本開示は、1つ以上のコンピュータにより実現されるシステムが行う精算方法であって、購入対象となる商品を検知し、検知された1つ以上の前記商品に免許品が含まれるか否かを検知し、顧客による決済方法の指定操作を受け付けて、前記決済方法に対応する決済媒体から精算に必要な決済情報を読み取って取得し、前記決済方法に対応して前記顧客の年齢情報を取得し、前記免許品が検知された場合、前記年齢情報の取得可否に基づいて、前記顧客が前記免許品を購入可能な年齢であるか否かを判定するプロセスを決定する、精算方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、顧客が指定する決済方法に応じた購入処理を適応的に行い、顧客による免許品の精算を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る精算システムのユースケースの一例を示す図
図2】実施の形態1に係る精算システムの内部構成例を示すブロック図
図3】実施の形態1に係る店員確認用システムの内部構成例を示すブロック図
図4】未成年判定条件の一例を示すテーブル
図5】推定時間の一例を示すテーブル
図6A】実施の形態1に係る精算システムの第1の動作手順例(生体決済)を示すフローチャート
図6B】実施の形態1に係る精算システムの第2の動作手順例(生体決済)を示すフローチャート
図6C】実施の形態1に係る精算システムの第3の動作手順例(生体決済)を示すフローチャート
図7A】実施の形態1に係る精算システムの第4の動作手順例(キャッシュレス決済)を示すフローチャート
図7B】実施の形態1に係る精算システムの第5の動作手順例(キャッシュレス決済)を示すフローチャート
図8】実施の形態1に係る精算システムの第6の動作手順例(キャッシュ決済)を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示に至る経緯)
近年、精算システム(例えば、レジスタ、セルフレジスタ等)は、利用可能な決済方法が増えており、例えばキャッシュ決済、生体認証による生体決済、クレジットカードあるいはスマートフォン等を用いたキャッシュレス決済等がある。精算システムは、顧客により指定されたいずれかの決済方法で精算を行うが、事前に顧客の年齢情報が登録されている決済方法を用いる場合には、必ずしも顔画像に基づく顧客の年齢を推定する必要がなかった。しかし、従来の精算システムでは、顧客により指定された決済方法に応じて年齢を推定する必要があるか否かを判別することができなかった。
【0010】
また、精算システムの運用において、精算システムあるいはカメラが設置された環境が、年齢推定に用いる顔画像の撮像に適していないことがある。このような環境で撮像された顔画像は、例えば店舗内の照明によって顧客の顔が逆光状態となったり、西日によって顧客の顔が白飛びしたりする等の画質の劣化が生じる可能性があった。精算システムはこのような画質が劣化した顔画像を用いて年齢推定を実行した場合、年齢推定精度が低下し、顧客が免許品を購入可能であると誤判定する可能性があった。
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る精算システムの構成および作用を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
まず、図1を参照して、実施の形態1に係る精算システムP1のユースケースについて説明する。図1は、実施の形態1に係る精算システムP1のユースケースの一例を示す図である。なお、図1に示す精算システムP1は一例であり、これに限定されなくてもよい。例えば、精算システムP1は、店員確認用システムCSと一体的に構成されてもよいし、顧客情報データベースDBを含んで構成されるサーバS1と一体的に構成されてもよい。さらに、精算システムP1は、店員確認用システムCSおよびサーバS1と一体的に構成されてもよい。
【0013】
精算システムP1は、所謂レジスタ、セルフレジスタ等であって、例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア、小売店、商業施設等の店舗に設置される。精算システムP1は、1つ以上のコンピュータによる実現され、顧客C1により購入される1つ以上の商品のそれぞれの精算および決済を可能にする。精算システムP1は、例えば生体決済、キャッシュレス決済、キャッシュ決済等の複数種類の決済方法による精算処理を実行可能であり、顧客C1によって指定(選択)されたいずれか決済方法に基づいて、精算処理を実行する。精算システムP1は、店員確認用システムCSおよびサーバS1との間で有線通信または無線通信可能に接続されて、データの送受信を実行する。なお、ここでいう無線通信は、例えばWi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)を介した通信である。また、精算システムP1は、同一店舗内に設置された他の端末装置(例えば、商品の購入、クーポン券の発行、チケットの予約または支払い等が可能なチケットぴあ(登録商標)、Loppi(登録商標)等)との間でデータ通信可能に接続され、店舗を利用する顧客に関する情報(例えば、年齢情報等)を取得可能であってもよい。
【0014】
精算システムP1は、商品を精算する顧客C1の顔を撮像可能な位置に設置されたカメラCMと、2次元バーコードあるいはQRコード(登録商標)等から商品の情報を読み取るためのバーコードリーダ等の読取部13(図2参照)と、精算および決済に関する画面を表示可能な表示部14(図2参照)と、顧客C1による入力操作を受け付け可能な入力部15(図2参照)等を備える。
【0015】
また、精算システムP1は、顧客C1により購入される1つ以上の商品のそれぞれのうち購入可能な年齢に制限がある商品(例えば、酒、煙草等)(以降、「免許品」と表記)を検出した場合、顧客C1が免許品を購入可能であるか否かを判定する。具体的に、精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法に基づいて、顧客C1が免許品を購入可能な年齢であるか否かを判定するための購入可否プロセスを決定する。精算システムP1は、決定された購入可否プロセスに基づく処理を実行することで、顧客C1が免許品を購入可能な年齢であるか否かを判定し、顧客C1が免許品を購入可能な年齢であると判定した場合、精算された1つ以上の商品の精算処理に移行する。
【0016】
なお、ここでいう購入可否プロセスは、顧客C1により指定された決済方法と、この決済方法に基づいて、顧客C1の年齢情報が取得可能であるか否かの判定結果により決定される未成年判定処理で実行するためのプロセスである。購入可否プロセスは、決済方法と顧客C1の年齢情報が取得でない可能であるか否かの判定結果とに基づいて、顧客C1が免許品を購入可能な年齢であるか否かを判定するための処理として、例えば、カメラCMにより撮像された顧客C1の顔画像に基づく年齢推定処理、顧客C1の年齢情報、あるいは生年月日の情報が記載された証明書(例えば、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証等)を対象とする光学文字認識処理(OCR:Optical Character Recognition/Reader)、店員による目視確認要求処理等の複数の処理のうちいずれかの処理を含んで決定される。
【0017】
また、精算システムP1は、顧客C1が免許品を購入可能であるか否かを判定するための判定条件(以降、「未成年判定条件」と表記)を決定したり、顧客C1の顔画像に基づいて、顧客C1の年齢を推定する年齢推定処理の推定時間を決定したりする。なお、未成年判定条件および推定時間は、精算システムP1が設置された設置条件と、店舗を利用する顧客に関する条件(以降、「店舗の利用条件」と表記)と、に基づいて決定される。未成年判定条件および推定時間は、後述する図4および図5のそれぞれで詳細に説明する。
【0018】
店員確認用システムCSは、精算システムP1が設置された店舗の店員あるいは管理者により操作され、1つ以上のコンピュータによる実現される。店員確認用システムCSは、精算システムP1およびサーバS1との間で有線通信または無線通信可能に接続されて、データの送受信を実行する。店員確認用システムCSは、顧客C1により購入された商品のそれぞれの商品情報(例えば、商品の価格情報、商品名、免許品であるか否かを示す情報等)、年齢確認結果に関する情報等を表示する。なお、ここでいう年齢確認結果は、顧客C1の年齢情報、または推定された顧客C1の推定年齢の情報(以降、「推定年齢情報」と表記)等である。また、店員確認用システムCSは、同一店舗内に設置された他の端末装置(例えば、商品の購入、クーポン券の発行、チケットの予約または支払い等が可能なチケットぴあ(登録商標)、Loppi(登録商標)等)との間でデータ通信可能に接続され、店舗を利用する顧客に関する情報(例えば、年齢情報等)を取得可能であってもよい。
【0019】
サーバS1は、精算システムP1および店員確認用システムCSとの間で有線通信または無線通信可能に接続されて、データの送受信を実行する。サーバS1は、決済で使用される決済媒体(例えば、顧客C1の体(顔、指、手、虹彩等)、ICカード、スマートフォン、クレジットカード、デビットカード等)を識別可能なID(Identification)と、顧客C1の顧客情報とを紐付けて、顧客情報データベースDBに格納(登録)する。なお、ここでいう顧客C1の顧客情報は、例えば顧客C1の顔画像、顧客C1の生年月日の情報、年齢情報、顧客C1の生体認証用の生体情報(具体的に顧客C1の顔、指紋、静脈、虹彩に基づく生体情報)等のうちいずれかの情報である。サーバS1は、精算システムP1あるいは店員確認用システムCSから送信された決済媒体のIDと、顧客情報を要求する制御指令とに基づいて、この媒体のIDと紐付けられた顧客情報を抽出して、精算システムP1あるいは店員確認用システムCSに送信する。
【0020】
なお、本実施の形態1では説明を簡単にするために、サーバS1は、1つの顧客情報データベースDBを含んで構成される例を示すが、これに限定されない。サーバS1は、複数の顧客情報データベースのそれぞれを含んで構成されてもよいし、顧客情報データベースDBと別体で構成されてもよい。また、サーバS1および顧客情報データベースDBは、1つに限定されず、複数であってよい。例えば、サーバS1および顧客情報データベースDBは、決済媒体を管理する会社ごとに設けられてよい。
【0021】
次に、図2を参照して、実施の形態1に係る精算システムP1の内部構成について説明する。図2は、実施の形態1に係る精算システムP1の内部構成例を示すブロック図である。
【0022】
精算システムP1は、通信部10と、プロセッサ11と、メモリ12と、読取部13と、表示部14と、入力部15と、精算部16と、カメラCMと、を含んで構成される。なお、読取部13、表示部14、入力部15、精算部16あるいはカメラCMは、それぞれ精算システムP1と一体的に構成されず、別体として構成されてもよい。
【0023】
取得部の一例としての通信部10は、店員確認用システムCSにおける通信部20およびサーバS1における通信部(不図示)との間で有線通信または無線通信可能に接続され、データの送受信を実行する。
【0024】
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成されて、メモリ12と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11はメモリ12に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。ここでいう各部は、例えば、商品検知部11A、および判定部11B等である。
【0025】
検知部の一例としての商品検知部11Aは、読取部13により読み取られた商品に関する情報(例えば、価格情報、商品名等)を表示部14に出力して表示させる。商品検知部11Aは、読取部13により読み取られた商品の識別情報に基づいて、メモリ12を参照して商品情報を取得し、顧客C1により購入される1つ以上の商品のそれぞれに免許品が含まれているか否かを検知する。
【0026】
年齢推定部の一例としての判定部11Bは、商品検知部11Aによって免許品が検知された場合、顧客C1により指定された決済方法に基づいて、購入可否プロセスを決定する。判定部11Bは、決定された購入可否プロセスに基づいて、免許品の購入可否を判定し、顧客C1により指定された決済方法で精算処理を実行する。判定部11Bは、決定された購入可否プロセスに基づいて、読取部13、表示部14、入力部15、精算部16、あるいはカメラCMのそれぞれの制御に必要な制御指令を生成して出力する。
【0027】
また、判定部11Bは、顧客C1により購入された1つ以上の商品のそれぞれの商品情報と、購入可否プロセスの実行により得られた年齢確認結果とを紐付けて、通信部10を介して店員確認用システムCSに送信する。
【0028】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等による半導体メモリと、SSD(Solid State Drive)あるいはHDD等によるストレージデバイスのうちいずれかと、を含む記憶デバイスを有する。メモリ12は、精算システムP1が設置された店舗等で販売されているすべての商品のそれぞれの商品情報を記憶する。
【0029】
なお、メモリ12は、すべての商品のそれぞれの商品情報を記憶していなくてもよい。このような場合、精算システムP1における商品検知部11Aは、読取部13により読み取られた商品の商品情報の送信を要求する制御指令を生成して、店員確認用システムCSに送信する。商品検知部11Aは、店員確認用システムCSから送信された商品の商品情報を表示部14に表示する。
【0030】
読取部13は、商品に付与された2次元バーコード、QRコード(登録商標)等をスキャンして、商品の識別情報を読み取る。読取部13は、読み取られた商品の識別情報を商品検知部11Aに出力する。
【0031】
また、読取部13は、決済に使用される決済媒体のIDを読み取る。読取部13は、この決済媒体の所有者の情報(つまり、顧客C1の顧客情報)を要求する制御指令を生成し、生成された制御指令と読み取られた決済媒体のIDとを紐付けて、通信部10を介してサーバS1に送信する。読取部13は、サーバS1から送信された決済媒体の所有者の情報(つまり、顧客C1の顧客情報)を判定部11Bに出力する。
【0032】
表示部14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)等のディスプレイを用いて構成される。表示部14は、プロセッサ11から出力された商品情報、精算情報、決済方法の一覧等を表示する。
【0033】
入力部15は、例えばタッチパネル、ボタン等を用いて構成されたユーザインタフェースである。入力部15は、受け付けられた顧客C1操作を電気信号(制御指令)に変換して、プロセッサ11に出力する。なお、入力部15がタッチパネルを用いて構成される場合、入力部15は、表示部14と一体的に構成される。
【0034】
精算部16は、読取部13により読み取られたすべての商品の精算処理を実行し、顧客C1により指定された決済方法に基づく精算処理を実行する。
【0035】
取得部の一例としてのカメラCMは、例えばCCD(Charged-Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。
【0036】
インターフェースIF1は、精算システムP1を構成する各部および各機能的構成を互いに通信可能に接続して、各種データの入出力を行う。
【0037】
次に、図3を参照して、店員確認用システムCSの内部構成について説明する。図3は、実施の形態1に係る店員確認用システムCSの内部構成例を示すブロック図である。
【0038】
なお、図3に示す店員確認用システムCSは、購入可否プロセスの決定処理、購入可否プロセスに基づく顧客C1による免許品の購入可否を判定する判定処理、および精算処理を実行可能な例について説明する。このような場合、店員確認用システムCSは、精算システムP1の通信部10を介して、精算システムP1におけるプロセッサ11、読取部13、精算部16、およびカメラCMのそれぞれとの間でデータを送受信可能に接続される。店員確認用システムCSは、通信部20と、プロセッサ21と、メモリ22と、表示部23と、入力部24と、を含んで構成される。
【0039】
取得部の一例としての通信部20は、精算システムP1における通信部10およびサーバS1における通信部(不図示)との間で有線通信または無線通信可能に接続され、データの送受信を実行する。
【0040】
プロセッサ21は、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成されて、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ21はメモリ22に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。ここでいう各部は、例えば、判定部21Aである。
【0041】
判定部21Aは、精算システムP1における商品検知部11Aから免許品が検知された旨の制御指令を取得した場合、顧客C1により指定された決済方法に基づいて、購入可否プロセスを決定する。判定部21Aは、決定された購入可否プロセスに基づいて、免許品の購入可否を判定し、顧客C1により指定された決済方法で精算処理を実行する。判定部21Aは、決定された購入可否プロセスに基づいて、精算システムP1、表示部23、あるいは入力部24の制御に必要な制御指令を生成して出力する。
【0042】
また、判定部21Aは、精算システムP1から送信された1つ以上の商品情報と、購入可否プロセスの実行により得られた年齢確認結果とを紐付けてメモリ22に記憶するとともに、表示部23に出力して表示させる。
【0043】
メモリ22は、RAM等による半導体メモリと、SSDあるいはHDD等によるストレージデバイスのうちいずれかと、を含む記憶デバイスを有する。メモリ22は、精算システムP1が設置された店舗等で販売されているすべての商品のそれぞれの商品情報を記憶する。
【0044】
表示部23は、例えばLCDまたは有機EL等のディスプレイを用いて構成される。表示部23は、プロセッサ21から出力された商品情報、精算情報、あるいは年齢確認結果等を表示する。
【0045】
入力部24は、例えばタッチパネル、ボタン、キーボード等を用いて構成されたユーザインタフェースである。入力部24は、受け付けられた店員あるいは顧客C1操作を電気信号(制御指令)に変換して、プロセッサ21に出力する。なお、入力部24がタッチパネルを用いて構成される場合、入力部24は、表示部23と一体的に構成される。
【0046】
インターフェースIF2は、店員確認用システムCSを構成する各部および各機能的構成を互いに通信可能に接続して、各種データの入出力を行う。
【0047】
図4を参照して、未成年判定条件について説明する。図4は、未成年判定条件の一例を示すテーブルTB1である。なお、以下の説明では、精算システムP1による未成年判定条件の決定方法について説明するが、未成年判定条件は、店員確認用システムCSによって決定されてもよいことは言うまでもない。また、図4の説明では、精算システムP1が設置されるべき所定の設置条件、および店舗の利用条件(つまり、店舗を利用する顧客層における未成年の割合の所定値)についての説明を省略し、後述する。
【0048】
図4に示す未成年判定条件は、推定された顧客C1の推定年齢情報に基づいて、この顧客C1が未成年であるか否かを判定するための推定年齢の閾値であって、精算システムP1の設置条件と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて決定される。未成年判定条件は、精算システムP1または店員確認用システムCSのいずれかにより設定される。また、未成年判定条件は、顧客ごとに都度決定されてもよいし、所定期間(例えば、1日、1週間、1か月等)ごとに決定されてもよいし、精算システムP1または店員確認用システムCSにおける入力部を介した店員操作により任意のタイミングで指定されてもよい。
【0049】
テーブルTB1に示すように、精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たさず、かつ、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層に占める未成年の割合が所定値未満であると判定した場合には、未成年判定条件を閾値H1に決定する。
【0050】
精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たし、かつ、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層に占める未成年の割合が所定値未満であると判定した場合には、未成年判定条件を閾値H1に決定する。
【0051】
精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たさず、かつ、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層に占める未成年の割合が所定値以上であると判定した場合には、未成年判定条件を閾値H3または閾値H4のいずれかに決定する。具体的に、精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たさず、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層に占める未成年の割合が所定値以上と判定し、かつ、現在の未成年判定条件が閾値H1または閾値H2であると判定した場合には、未成年判定条件を閾値H3に決定し、現在の未成年判定条件が閾値H3である場合には、閾値H3よりも高い閾値H4に決定する。
【0052】
精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たし、かつ、精算システムP1が設置された店舗を利用する未成年の割合が所定値以上であると判定した場合には、未成年判定条件を閾値H2に決定する。
【0053】
閾値H1~H4のそれぞれは、閾値H1≦閾値H2≦閾値H3≦閾値H4という大小関係を有する任意の推定年齢であって、店員により設定されてよい。例えば、閾値H1~H4のそれぞれは、閾値H1=25歳、閾値H2=30歳、閾値H3=30歳、閾値H4=35歳のように設定される。閾値H1は、免許品を未成年に販売することをより確実に防止するために20歳よりも大きい年齢が設定されることが望ましいが、20歳以上であればよい。また、上述した未成年判定条件は、一例として閾値H2=閾値H3である例を示したが、異なる値であってよい。さらに、未成年判定条件は、上限値(例えば40歳、45歳等)が設定されていてもよい。
【0054】
精算システムP1は、決定された未成年判定条件(閾値)に基づいて、推定された顧客C1の推定年齢が未成年判定条件として決定された閾値以上であると判定した場合には、顧客C1を成人であると判定する。一方、精算システムP1は、推定された顧客C1の推定年齢が未成年判定条件として決定された閾値以上でないと判定した場合には、顧客C1を未成年であると判定する。
【0055】
さらに、精算システムP1は、撮像された複数の顧客のそれぞれの顔画像に基づいて、マスクの着用が増加していると判定した場合には、精算システムP1の設置条件を満たすか否かによらず、一律に未成年判定条件を閾値H4に決定してもよい。これにより、精算システムP1は、マスクで顔の一部が隠れた顔画像を用いて顧客C1の年齢推定処理を実行する場合であっても、未成年判定条件をより高い推定年齢(閾値)に決定できるため、未成年による免許品の購入をより確実に防止できる。
【0056】
なお、本実施の形態1に示す例では、未成年判定条件として決定される閾値は4種類であるが、5種類以上であってもよい。例えば、精算システムP1は、精算システムP1の設置条件を満たさず、精算システムP1が設置された店舗を利用する未成年の割合が所定値以上と判定し、かつ、現在の未成年判定条件が閾値H4である場合には、閾値H4よりもさらに高い推定年齢の閾値H5を未成年判定条件として決定してもよい。これにより、精算システムP1は、未成年による免許品の購入をより確実に防止できる。
【0057】
図5を参照して、年齢推定処理における推定時間について説明する。図5は、推定時間の一例を示すテーブルTB2である。なお、図5に示す推定時間は、一例であってこれに限定されない。なお、以下の説明では、精算システムP1による推定時間の決定方法について説明するが、推定時間は、店員確認用システムCSにより決定されてもよいことは言うまでもない。また、図5の説明では、精算システムP1が設置されるべき所定の設置条件、および店舗の利用条件(つまり、店舗を利用する顧客層における未成年の割合の所定値)についての説明を省略し、後述する。
【0058】
図5に示す推定時間は、顧客C1が未成年であるか否かを判定する未成年判定処理において年齢推定処理を実行する時間(以降、「推定時間」と表記)であって、精算システムP1の設置条件と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件と、に基づいて決定される。推定時間は、精算システムP1または店員確認用システムCSのいずれかにより決定される。また、推定時間は、顧客ごとに変更されてもよいし、所定期間(例えば、1日、1週間、1か月等)ごとに変更されてもよいし、精算システムP1または店員確認用システムCSにおける入力部を介した店員操作により任意のタイミングで変更されてもよい。
【0059】
なお、本実施の形態1における推定時間は、顧客1人当たりの年齢推定処理の処理時間であってもよいし、顧客1人当たりの年齢推定処理を実行する顔画像の枚数(つまり、顧客1人当たりの年齢推定処理の実行回数)であってもよい。なお、図5の説明では、推定時間が顧客1人当たりの年齢推定処理を実行する顔画像の枚数の例について説明するが、推定時間は、顧客1人当たりの年齢推定処理の時間であってもよいことは言うまでもない。
【0060】
テーブルTB2に示すように、精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たさず、かつ、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層において未成年の割合が所定値未満と判定した場合には、推定時間として推定時間T1を決定する。
【0061】
精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たし、かつ、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層において未成年の割合が所定値未満と判定した場合には、推定時間T1を決定する。
【0062】
精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たさず、かつ、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層において未成年の割合が所定値以上と判定した場合には、推定時間T3または推定時間T4のいずれかを決定する。具体的に、精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たさず、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層において未成年の割合が所定値以上と判定し、かつ、現在の推定時間が推定時間T1または推定時間T2である場合には、推定時間T3を決定し、現在の推定時間が推定時間T3である場合には、推定時間T3よりも長い推定時間T4に決定する。
【0063】
精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たし、かつ、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層において未成年の割合が所定値以上と判定した場合には、推定時間T2を決定する。
【0064】
推定時間T1~T4のそれぞれは、推定時間T1≦推定時間T2≦推定時間T3≦推定時間T4という大小関係を有する任意の値であって、店員により決定されてよい。例えば、推定時間T1~T4のそれぞれは、推定時間T1=顔画像1枚分の年齢推定処理時間、推定時間T2=顔画像2枚分の年齢推定処理時間、推定時間T3=顔画像3枚分の年齢推定処理時間、推定時間T4=顔画像4枚分の年齢推定処理時間のように決定される。なお、推定時間T1は、顔画像1枚分の年齢推定処理時間以上であればよい。また、推定時間は、上限値(例えば顔画像5枚分の年齢推定処理時間、顔画像6枚分の年齢推定処理時間等)が決定されていてもよい。以上により、精算システムP1は、決定された推定時間に基づいて、年齢推定処理を実行することにより、年齢推定精度を向上させることができる。
【0065】
精算システムP1は、決定された推定時間に基づいて、カメラCMにより撮像される顧客C1の顔画像の枚数を増減させたり、撮像された複数枚の顔画像のうち年齢推定処理を行う顔画像を選択したり、顔画像1枚当たりの年齢推定処理時間を調整したりする。また、精算システムP1は、2枚以上の顔画像のそれぞれを用いて年齢推定処理を実行する場合、各年齢推定結果のそれぞれが示す推定年齢情報の平均値、中央値、最大値、最小値あるいは最頻値等を算出して、この顧客C1の年齢推定結果として出力する。これにより、精算システムP1は、年齢推定精度を向上させることができる。
【0066】
なお、本実施の形態1に示す例では、推定時間は、5つ以上の推定時間が設定されていてもよい。例えば、精算システムP1は、精算システムP1の設置条件が所定の設置条件を満たさず、精算システムP1が設置された店舗を利用する顧客層において未成年の割合が所定値以上と判定し、かつ、現在の推定年齢が推定時間T4である場合には、推定時間T4よりもさらに長い推定時間T5を決定してもよい。これにより、精算システムP1は、未成年による免許品の購入をより確実に防止できる。
【0067】
さらに、精算システムP1は、撮像された複数の顧客のそれぞれの顔画像に基づいて、マスクの着用が増加していると判定した場合には、精算システムP1の設置条件を満たすか否かによらず、一律に年齢推定処理時間を推定時間T4に決定してもよい。これにより、精算システムP1は、マスクで顔の一部が隠れた顔画像を用いて顧客C1の年齢推定処理を実行する場合であっても、年齢推定処理の時間を増加させることで、年齢推定精度を向上させることができる。
【0068】
また、以上により、精算システムP1は、例えば店舗の利用条件として、この店舗の顧客層において未成年の割合が所定値以上と判定した場合には、2回以上年齢推定処理を実行したり、またはより長い時間をかけて年齢推定処理を実行したりする。これにより、精算システムP1は、年齢推定処理を複数回、またはより長い時間をかけて年齢推定処理を実行することで年齢推定精度をより向上させて、未成年による免許品の購入をより確実に防止できる。
【0069】
ここで、未成年判定条件(閾値)および推定時間を決定するための精算システムP1の設置条件、および店舗の利用条件について説明する。
【0070】
まず、精算システムP1の設置条件について説明する。ここでいう精算システムP1の設置条件は、言い換えるとカメラCMが設置された環境に関する条件、あるいはカメラCMにより撮像された顔画像に基づいて、顧客C1の年齢推定処理に適しているか否かを判定するための条件である。精算システムP1は、カメラCMにより撮像された顔画像を解析し、顔画像の画質、顔画像に映る顧客C1の顔の向き等を解析する。精算システムP1は、精算システムP1の設置条件を満たさない場合に設置条件が悪いと判定し、精算システムP1の設置条件を満たす場合に設置条件が良いと判定する。
【0071】
具体的に、精算システムP1は、顔画像を解析して、顔画像が逆光である、顔画像に白飛びが生じている、あるいは顔画像が暗すぎる等の画質の劣化があるか否かを判定する。精算システムP1は、顔画像の解析結果に基づいて、顔画像が逆光である、顔画像に白飛びが生じている、あるいは顔画像が暗すぎる等画質の劣化があると判定した場合、精算システムP1の設置条件を満たさないと判定する。これにより、精算システムP1は、顔画像の画質に基づいて、未成年判定条件、あるいは年齢推定処理の推定時間を決定できる。
【0072】
したがって、精算システムP1は、画質が劣化した(つまり、年齢推定処理に適さない)顔画像を用いた年齢推定処理により、実際の顧客C1の年齢よりも高い年齢を推定した場合であっても、決定された未成年判定条件により、未成年の免許品の購入をより確実に防止できる。また、精算システムP1は、顧客C1の顔画像の解析結果に基づいて、例えば顔画像が暗すぎる等、顔画像が年齢推定処理により適していない(つまり、精算システムP1の設置条件を満たさない)と判定した場合には、年齢推定処理を複数回、またはより長い時間をかけて年齢推定処理を実行する。これにより、精算システムP1は、顔画像が年齢推定処理により適していない場合であっても、年齢推定精度をより向上できる。
【0073】
また、精算システムP1は、顔画像を解析して、顧客C1の顔の向きが正面であるか否かを判定する。精算システムP1は、顔画像の解析結果に基づいて、顧客C1の顔の向きが正面以外であると判定した場合、精算システムP1の設置条件を満たさないと判定する。これにより、精算システムP1は、顔画像に映る顧客C1の顔の向きに基づいて、未成年判定条件、あるいは年齢推定処理の推定時間を決定できる。
【0074】
したがって、精算システムP1は、カメラCMの取付角度、あるいは取付位置(高さ)によって、顧客C1の顔の向きが正面以外を向いている(つまり、年齢推定処理に適さない)顔画像を用いた年齢推定処理により、実際の顧客C1の年齢よりも高い年齢を推定した場合であっても、決定された未成年判定条件により、未成年の免許品の購入をより確実に防止できる。また、精算システムP1は、顧客C1の顔画像の解析結果に基づいて、顧客C1の顔の向きが正面でなく、顔画像が年齢推定処理により適していない(つまり、精算システムP1の設置条件を満たさない)と判定した場合には、年齢推定処理を複数回、またはより長い時間をかけて年齢推定処理を実行する。これにより、精算システムP1は、顔画像が年齢推定処理により適していない場合であっても、年齢推定精度をより向上できる。
【0075】
なお、精算システムP1は、現在の日時に基づいて、店舗内に強い屋外光が射し込む時間帯あるいは季節(例えば、1日のうち店舗内に西日が射し込む時間帯、夏の西日が射し込む時間帯等)に、精算システムP1の設置条件を満たさないと判定してもよい。これにより、精算システムP1は、カメラCMにより撮像された顔画像の画質が周囲の環境(例えば、屋外光等)により画質の劣化が想定される時間帯あるいは季節であると判定した場合、未成年判定条件、あるいは年齢推定処理の推定時間を変更できるため、未成年の免許品の購入をより確実に防止できる。
【0076】
また、精算システムP1は、現在の日時に基づいて、例えば、所定の花粉が多く飛散する季節または期間、あるいは風邪、インフルエンザ等の季節性ウイルスが流行する季節または期間(つまり、マスクの着用が増加する所定の季節または期間である)と判定した場合、精算システムP1の設置条件を満たさないと判定してもよい。精算システムP1は、ネットワーク(不図示)を介してデータ通信可能に接続された他のサーバから取得された情報(例えば、インフルエンザが流行している旨の情報、所定の花粉が多く飛散する所定の季節または期間である旨の情報等)を取得した場合には、精算システムP1の設置条件を満たさないと判定してもよい。さらに、精算システムP1は、撮像された複数の顧客のそれぞれの顔画像を解析した解析結果に基づいて、マスクの着用が増加していると判定した場合、精算システムP1の設置条件を満たさないと判定してもよい。
【0077】
これにより、精算システムP1は、顧客C1がマスク等の顔を覆う所定の季節または期間であり、顧客C1の顔全体を撮像できないことが想定される場合、未成年判定条件をより高い推定年齢の閾値に決定できるため、未成年の免許品の購入をより確実に防止できる。また、精算システムP1は、顧客C1の顔画像の解析結果に基づいて、顧客C1がマスクをしており、顔画像が年齢推定処理により適していない(つまり、精算システムP1の設置条件を満たさない)と判定した場合には、年齢推定処理を複数回、またはより長い時間をかけて年齢推定処理を実行する。これにより、精算システムP1は、顔画像が年齢推定処理により適していない場合であっても、年齢推定精度をより向上できる。
【0078】
次に、未成年判定条件あるいは年齢推定処理の推定時間を決定するための店舗の利用条件について説明する。店舗の利用条件は、店舗を利用する顧客層、店舗の周辺情報、あるいは店舗の周辺のイベント情報等に基づく店舗の顧客層であって、顧客層に占める未成年の割合が所定の割合(所定値)より多いか否かを判定するための条件である。なお、ここでいう所定値は、例えば、25%、30%、40%、50%等、店員により任意の値(割合)が設定されてよい。精算システムP1は、顧客層に占める未成年の割合が所定の割合(所定値)より多い場合には未成年が多いと判定し、顧客層に占める未成年の割合が所定の割合(所定値)未満の場合には未成年が少ない(つまり、成人が多い)と判定する。
【0079】
精算システムP1は、店員確認用システムCSにこの店舗を利用する顧客の年代分布情報を要求する。精算システムP1は、店員確認用システムCSから送信された顧客層の年代分布情報に基づいて、店舗を利用する顧客層に占める未成年の割合が所定値以上であるか否かを判定する。なお、精算システムP1は、取得された顧客層の年代分布情報を時間帯ごと(例えば、1時間ごと、昼間あるいは夜間等)に区分し、各時間帯における未成年の割合を算出し、算出された未成年の割合が所定値以上であるか否かを判定してもよい。これにより、精算システムP1は、時間帯ごとの顧客層の変化に基づいて、未成年判定条件あるいは年齢推定処理の推定時間をより適応的に決定(変更)できるため、未成年による免許品の購入をより確実に防止できる。
【0080】
また、精算システムP1は、店舗の位置および店舗周辺の施設情報に基づいて、店舗の利用条件を判定してもよい。精算システムP1は、例えばビジネス街あるいは繁華街等の成人が多く利用する場所に位置する店舗、IR(Integrated Resort)施設、カジノ、競馬場、あるいはパチンコ屋等の成人が利用する施設に近い場所に位置する店舗であって、かつ、夜間である場合には、店舗の顧客層において未成年の割合が所定値未満であると判定してもよい。一方、精算システムP1は、例えば幼稚園、学校、学習塾、遊園地あるいはスポーツクラブ等の未成年が利用する施設に近い場所であって、かつ、早朝~昼間の時間帯である場合には、店舗の顧客層において未成年の割合が所定値以上であると判定してもよい。
【0081】
これにより、精算システムP1は、店舗の位置および店舗周辺の施設情報等の店舗の周辺環境に基づいて、未成年判定条件あるいは年齢推定処理の推定時間をより適応的に決定(変更)できるため、未成年による免許品の購入をより確実に防止できる。また、精算システムP1は、店員確認用システムCSから顧客層の年代分布情報が取得できない場合であっても、店舗の位置および店舗周辺の施設情報に基づいて、店舗の利用条件を判定して未成年判定条件あるいは年齢推定処理の推定時間を決定でき、未成年による免許品の購入をより確実に防止できる。なお、このような場合、精算システムP1は、ネットワーク(不図示)を介して他のサーバ(例えば、地図情報を提供可能なサーバ)との間でデータ通信可能に接続されてよく、他のサーバから店舗の位置および店舗周辺の施設の情報を取得してもよい。
【0082】
精算システムP1は、同一店舗内に設置された他の端末装置(例えば、商品の購入、クーポン券の発行、チケットの予約または支払い等が可能なチケットぴあ(登録商標)、Loppi(登録商標)等)から店舗の周辺で開催されるイベント情報を取得し、このイベント情報の種類、イベントの対象年齢等に基づいて、この店舗を利用する顧客層において未成年の割合が所定値以上であると判定してもよい。例えば、精算システムP1は、店舗の周辺でお祭り、子供向けヒーローショー等の未成年向けのイベント情報を取得した場合には、顧客層において未成年の割合が所定値以上であると判定する。一方、例えば、精算システムP1は、店舗の周辺でライブイベント、プロ野球の試合等の成人向けのイベント情報を取得した場合には、顧客層において未成年の割合が所定値未満であると判定する。さらに、精算システムP1は、イベントの開催時刻情報に基づいて、イベントの開催時刻の前後の時間を含む時間帯に限定して、この店舗を利用する顧客層における未成年の割合が所定値以上であるか否かを判定してもよい。
【0083】
これにより、精算システムP1は、顧客層の年代分布情報の収集および解析結果によらず、取得されたイベント情報に基づいて、店舗の利用条件を判定し、未成年判定条件あるいは年齢推定処理の推定時間を決定できるため、未成年による免許品の購入をより確実に防止できる。
【0084】
また、精算システムP1は、店舗の利用条件について店員による入力部15への入力操作を受け付けてもよい。例えば、精算システムP1は、店舗の店員によって顧客層に一時的に未成年が増加すると考えられる場合(例えば、店舗近くの学校で運動会がある、子供向けのイベントがある等)に、店員による入力操作に基づいて、店舗の利用条件(つまり、未成年の割合が所定値以上であるか否か)を判定する。
【0085】
これにより、店員は、ネットワーク(不図示)を介してデータ通信可能に接続された他のサーバから取得できない情報(例えば、店舗近くの学校で運動会がある、子供向けのイベントがある等)があっても、未成年判定条件あるいは年齢推定処理の推定時間を事前に決定できるため、未成年による免許品の購入をより確実に防止できる。
【0086】
以上により、精算システムP1は、精算システムP1の環境条件と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて、未成年判定条件あるいは年齢推定処理の推定時間をより適切に決定(変更)できる。
【0087】
また、精算システムP1は、精算システムP1の環境条件と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて、未成年判定条件を決定することで、顧客C1の顔画像に基づく年齢推定処理で実際の年齢よりも若い年齢が推定された場合であっても、未成年による免許品の購入をより効率的に抑制できる。一方、精算システムP1は、例えば店舗がビジネス街にある場合には、未成年判定条件が示す推定年齢の閾値を下げることで、店舗が混雑する時間帯であっても未成年判定処理に要する時間をより削減できる。
【0088】
さらに、精算システムP1は、精算システムP1の環境条件と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて、年齢推定処理の推定時間を決定することで、年齢推定処理に用いられる顔画像が年齢推定処理に適さない画像であっても、年齢推定精度を向上させることができる。
【0089】
次に、図6Aを参照して、実施の形態1に係る精算システムP1の第1の動作手順例について説明する。図6Aは、実施の形態1に係る精算システムP1の第1の動作手順例(生体決済)を示すフローチャートである。第1の動作手順における精算システムP1は、顧客C1の年齢情報をサーバS1から取得可能であって、年齢推定処理を実行しない。
【0090】
なお、図6A図6Cに示す第1~第3の動作手順では、顧客C1の顔画像に基づく生体認証を用いた生体決済の例を示すが、生体決済は、顔認証に限定されなくてよい。例えば、生体決済は、例えば指紋、静脈、あるいは虹彩等を用いた生体認証であってもよい。
【0091】
また、図6A図6Cに示す第1~第3の動作手順は、精算システムP1により精算処理、購入可否プロセス、および未成年判定処理のそれぞれが実行される例を示すが、店員確認用システムCSにより実行されてもよいし、精算システムP1および店員確認用システムCSにより実行されてもよいし、精算システムP1、店員確認用システムCSおよびサーバS1のそれぞれにより実行されてもよい。また、第1~第3の動作手順で説明する精算システムP1は、セルフレジスタである例を示すが、店員により操作される従来のレジスタであってもよい。
【0092】
精算システムP1は、入力部15への顧客C1操作に基づいて、決済方法の選択を受け付ける(St101)。なお、図6Aに示す第1の動作手順例において、顧客C1は、顔認証による生体決済を選択する。精算システムP1は、ステップSt102~St110のそれぞれの処理を含む購入可否プロセスを決定する。
【0093】
精算システムP1は、読取部13によりスキャンされた商品に関する情報(例えば、価格情報、商品名等)を表示部14に出力して表示させる。精算システムP1は、読取部13により読み取られた商品の識別情報に基づいて、メモリ12を参照して商品情報を取得する(St102)。
【0094】
精算システムP1は、顧客C1の顔画像に基づく生体認証を実行する(St103)。具体的に、精算システムP1は、カメラCMにより顧客C1を撮像し、撮像された顔画像と、この顧客C1の生体認証(ここでは、顔認証)を要求する制御指令とを対応付けて、この生体決済サービスを提供するサーバS1に送信する。サーバS1は、精算システムP1から送信された制御指令に基づいて、顧客情報データベースDBに登録された複数の顧客のそれぞれの顔画像と、顧客情報データベースDBにこの制御指令に対応付けられた顧客C1の顔画像とを照合する。サーバS1は、照合の結果、顧客情報データベースDBに顧客C1の顔画像と類似あるいは一致する顔画像があると判定した場合には、顧客C1の顔認証の認証結果(つまり、生体認証結果)が合格である旨を通知する通知情報を生成して、精算システムP1に送信する。一方、サーバS1は、照合の結果、顧客情報データベースDBに顧客C1の顔画像と類似あるいは一致する顔画像がないと判定した場合には、顧客C1の顔認証の認証結果(つまり、生体認証結果)が不合格である旨を通知する通知情報を生成して、精算システムP1に送信する。以上により、精算システムP1は、サーバS1から送信された認証結果を取得する。
【0095】
精算システムP1は、サーバS1から送信された通知情報に基づいて、顧客C1の生体認証結果が合格(つまり、「OK」)であるか否かを判定する(St104)。精算システムP1は、ステップSt104の処理において、顧客C1の生体認証結果が合格(つまり、「OK」)であると判定した場合(St104,YES)、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知したか否かを判定する(St105)。
【0096】
一方、精算システムP1は、ステップSt104の処理において、顧客C1の生体認証結果が合格(つまり、「OK」)でないと判定した場合(St104,NO)、精算処理を中止する(St106)。なお、精算システムP1は、ステップSt106の処理の後、ステップSt101の処理に戻って、顧客C1による決済方法の選択処理に移行してもよい。このような場合、精算システムP1は、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれの商品情報を保持して、ステップSt102の処理を省略してもよい。
【0097】
精算システムP1は、ステップSt105の処理において、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知したと判定した場合(St105,YES)、サーバS1における顧客情報データベースDBに登録された顧客C1の年齢情報を取得する(St107)。具体的に、精算システムP1は、顧客C1の年齢情報の送信を要求する制御指令を生成してサーバS1に送信する。サーバS1は、精算システムP1から送信された制御指令に基づいて、顧客情報データベースDBに登録された顧客C1の年齢情報を抽出して、精算システムP1に送信する。以上により、精算システムP1は、サーバS1から送信された顧客C1の年齢情報を取得する。なお、ステップSt104の処理において、サーバS1が生体認証結果と顧客C1の年齢情報とを対応付けて精算システムP1に送信する場合、ステップSt107の処理は省略されてもよい。
【0098】
一方、精算システムP1は、ステップSt105の処理において、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知していないと判定した場合(St105,NO)、顧客C1により指定された決済方法で1つ以上の商品の精算処理を実行する(St108)。具体的に、精算システムP1は、1つ以上のそれぞれの商品情報(例えば、商品名、商品の価格情報等)と、商品の決済要求とを対応付けてサーバS1に送信する。精算システムP1は、サーバS1から送信された商品の決済要求に対する決済完了通知を受信すると、精算処理を完了する。
【0099】
精算システムP1は、取得された顧客C1の年齢情報に基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する(St109)。精算システムP1は、ステップSt109の処理において、顧客C1が未成年であると判定した場合(St109,YES)、精算処理を中止する(St110)。一方、精算システムP1は、ステップSt109の処理において、顧客C1が未成年でないと判定した場合(St109,NO)、顧客C1により指定された決済方法で1つ以上の商品の精算処理を実行する(St108)。
【0100】
以上により、実施の形態1に係る精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法(図6Aに示す例では、顔認証による生体決済)に基づいて、決済方法に対応する購入可否プロセスを決定する。これにより、精算システムP1は、決済方法により適した未成年判定処理を実行し、未成年判定処理により顧客C1が未成年でないと判定した場合に精算処理を実行できる。
【0101】
次に、図6Bを参照して、実施の形態1に係る精算システムP1の第2の動作手順例について説明する。図6Bは、実施の形態1に係る精算システムP1の第2の動作手順例(生体決済)を示すフローチャートである。第2の動作手順における精算システムP1は、顧客C1の年齢情報をサーバS1から取得できない場合を示し、顧客C1の顔画像に基づく年齢推定処理を実行する。なお、図6Bに示すステップSt101~St106の処理は、図6Aに示すステップSt101~St106の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
精算システムP1は、ステップSt101の処理の後、図6Bに示すステップSt102~St106,St108,St111~St118のそれぞれの処理を含む購入可否プロセスを決定する。なお、図6Bに示す第2の動作手順例における精算システムP1は、サーバS1から顧客C1の年齢情報を取得可能でない場合に決定される購入可否プロセスを示す。
【0103】
なお、精算システムP1は、サーバS1から顧客C1の年齢情報を取得可能であるか否かが事前に判別できない場合には、図6Aに示した購入可否プロセスまたは図6Cに示す購入可否プロセスのいずれかを選択してもよい。
【0104】
第2の動作手順における精算システムP1は、ステップSt105の処理において、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知したと判定した場合(St105,YES)、精算システムP1は、精算システムP1の設置条件と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて、未成年判定条件(つまり、閾値)を決定する(St111)。なお、未成年判定条件は、事前に店員により設定された閾値が用いられてもよい。このような場合、精算システムP1は、ステップSt111の処理を省略する。
【0105】
精算システムP1は、カメラCMにより顧客C1の顔を1回以上撮像する(St112)。精算システムP1は、撮像された1枚以上の顧客C1の顔画像の画像解析結果(つまり、精算システムP1の設置条件)と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて、推定時間を決定し、顧客C1の年齢推定処理を実行する(St113)。なお、精算システムP1は、ステップSt103の処理で撮像された顔画像に基づいて、顧客C1の年齢推定処理を実行してもよい。このような場合、ステップSt112の処理は、省略されてもよい。さらに、精算システムP1は、ステップSt113の処理(顧客C1の年齢推定処理)を、ステップSt103で実行してもよい。このような場合、ステップSt112~St113の処理は、省略されてもよい。
【0106】
精算システムP1は、推定された顧客C1の推定年齢情報と、決定された未成年判定条件とに基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する(St114)。
【0107】
精算システムP1は、ステップSt114の処理において、顧客C1が未成年である(つまり、顧客C1の推定年齢情報が閾値以上でない)と判定した場合(St114,YES)、顧客C1の年齢情報あるいは生年月日の情報等を含む証明書(例えば、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証等)の提示を顧客C1に要求する画面を生成し、表示部14に出力して表示させる(St115)。なお、証明書の提示要求は、スピーカ(不図示)による音声出力により行われてもよい。
【0108】
一方、精算システムP1は、ステップSt114の処理において、顧客C1が未成年でない(つまり、顧客C1の推定年齢情報が閾値以上である)と判定した場合(St114,NO)、顧客C1により指定された決済方法で1つ以上の商品の精算処理を実行する(St108)。具体的に、精算システムP1は、1つ以上のそれぞれの商品情報(例えば、商品名、商品の価格情報等)と、商品の決済要求とを対応付けてサーバS1に送信する。精算システムP1は、サーバS1から送信された商品の決済要求に対する決済完了通知を受信すると、精算処理を完了する。
【0109】
精算システムP1は、顧客C1により提示された証明書をカメラCMで撮像する。精算システムP1は、撮像された撮像画像に光学文字認識処理(OCR)を実行して、顧客C1の年齢情報を取得する(St116)。なお、証明書に基づく顧客C1の年齢の確認は、店員により行われてもよい。例えば、精算システムP1は、ステップSt115の処理において、「店員を呼ぶ」等の店員による目視確認を要求する旨のボタンを含む証明書の提示を要求する画面を生成する。精算システムP1は、顧客C1によりこのボタンの選択(押下)操作を受け付けた場合に、店員の呼び出しを行い、証明書に記載された顧客C1の年齢の目視確認(つまり、未成年でないことの確認)を要求してもよい。
【0110】
精算システムP1は、取得された顧客C1の年齢情報と、決定された未成年判定条件(判定条件)とに基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する(St117)。なお、店員による目視確認が行われる場合、精算システムP1は、店員による入力操作に基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する。
【0111】
精算システムP1は、ステップSt117の処理において、顧客C1が未成年であると判定した場合(St117,YES)、精算処理を中止する(St118)。
【0112】
一方、精算システムP1は、ステップSt117の処理において、顧客C1が未成年でないと判定した場合(St117,NO)、顧客C1により指定された決済方法で1つ以上の商品の精算処理を実行する(St108)。
【0113】
なお、図6Bに示す第2の動作手順におけるステップSt113の年齢推定処理で使用される顧客C1の顔画像は、ステップSt103の処理によって撮像された顧客C1の顔画像であってもよい。これにより、精算システムP1は、ステップSt112の処理を省略して、購入可否プロセスをより効率的に実行できる。
【0114】
また、図6Bに示す第2の動作手順におけるステップSt116の処理において、証明書に顧客C1の顔画像が印刷されている場合、精算システムP1は、証明書に映る顧客C1の顔画像と、ステップSt113の年齢推定処理で使用された顧客C1の顔画像とを用いて、ステップSt104の顔認証処理を再度実行してもよい。これにより、精算システムP1は、顧客C1の本人確認精度を向上させて、他者によるなりすまし行為をより効果的に防止できる。
【0115】
以上により、実施の形態1に係る精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法(図6Bに示す例では、顔認証による生体決済)に基づいて、決済方法に対応する購入可否プロセスを決定する。精算システムP1は、サーバS1から顧客C1の年齢情報が取得できない場合であっても、決済方法により適した年齢推定処理、あるいは証明書に基づく年齢情報の取得することで、顧客C1の免許品の購入可否をより正確に判定できる。
【0116】
次に、図6Cを参照して、実施の形態1に係る精算システムP1の第3の動作手順例について説明する。図6Cは、実施の形態1に係る精算システムP1の第3の動作手順例(生体決済)を示すフローチャートである。第3の動作手順における精算システムP1は、顧客C1の年齢情報をサーバS1から取得できない場合、かつ、パスワード認証を実行する場合を示し、顧客C1の顔画像に基づく年齢推定処理を実行する。なお、図6Cに示すステップSt102、ステップSt105~St106、およびステップSt111~ステップSt118のそれぞれの処理は、図6Aおよび図6Bに示す各処理と同様であるため、説明を省略する。
【0117】
精算システムP1は、入力部15への顧客C1操作に基づいて、決済方法の選択を受け付ける(St121)。なお、図6Cに示す第1の動作手順例において、顧客C1は、顔認証およびパスワード認証による生体決済を選択する。
【0118】
精算システムP1は、指定された決済方法(ここでは、顔認証およびパスワード認証による生体決済)に基づいて、ステップSt102,St106,St108,St111~St118,St121~St123のそれぞれの処理を含む購入可否プロセスを決定する。
【0119】
なお、精算システムP1は、サーバS1から顧客C1の年齢情報を取得可能であるか否かを事前に判別できない場合には、図6Aに示した購入可否プロセスまたは図6Bに示す購入可否プロセスのいずれかを選択してもよい。
【0120】
精算システムP1は、読取部13によりスキャンされた商品に関する情報(例えば、価格情報、商品名等)を表示部14に出力して表示させる。精算システムP1は、読取部13により読み取られた商品の識別情報に基づいて、メモリ12を参照して商品情報を取得する(St102)。
【0121】
精算システムP1は、顧客C1の顔画像に基づく生体認証とパスワード認証とを実行する(St122)。具体的に、精算システムP1は、顧客C1に入力部15へのパスワードの入力操作を要求する画面を生成して、表示部14に出力して表示させる。なお、パスワードの入力操作は、スピーカ(不図示)による音声出力により行われてもよい。精算システムP1は、顧客C1により入力されたパスワードと、カメラCMにより顧客C1を撮像し、撮像された顔画像と、この顧客C1の生体認証(ここでは、顔認証)およびパスワード認証を要求する制御指令とを対応付けて、この生体決済サービスを提供するサーバS1に送信する。
【0122】
サーバS1は、精算システムP1から送信された制御指令に基づいて、顧客情報データベースDBに登録された複数の顧客のそれぞれのパスワードと、顧客情報データベースDBにこの制御指令に対応付けられた顧客C1のパスワードとを照合する。サーバS1は、照合の結果、顧客情報データベースDBに登録された顧客C1のパスワードと、精算システムP1から送信された入力されたパスワードとが一致すると判定した場合には、顧客C1のパスワード認証の認証結果が合格であると判定する。
【0123】
また、サーバS1は、顧客情報データベースDBに登録された複数の顧客のそれぞれの顔画像と、顧客情報データベースDBにこの制御指令に対応付けられた顧客C1の顔画像とを照合する。サーバS1は、照合の結果、顧客情報データベースDBに顧客C1の顔画像と類似あるいは一致する顔画像があると判定した場合には、顧客C1の顔認証の認証結果(つまり、生体認証結果)が合格であると判定する。
【0124】
サーバS1は、パスワード認証の認証結果、および生体認証の認証結果がともに合格であると判定した場合、パスワード認証および生体認証の認証結果が合格である旨を通知する通知情報を生成して、精算システムP1に送信する。一方、サーバS1は、パスワード認証の認証結果と、生体認証の認証結果と、がともに合格でないと判定した場合、パスワード認証および生体認証の認証結果が不合格である旨を通知する通知情報を生成して、精算システムP1に送信する。精算システムP1は、サーバS1から送信された認証結果を取得する。
【0125】
精算システムP1は、サーバS1から送信された通知情報に基づいて、顧客C1の生体認証結果およびパスワード認証結果が合格(つまり、「OK」)であるか否かを判定する(St123)。精算システムP1は、ステップSt123の処理において、顧客C1の生体認証結果が合格(つまり、「OK」)であると判定した場合(St123,YES)、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知したか否かを判定する(St105)。
【0126】
一方、精算システムP1は、ステップSt123の処理において、顧客C1の生体認証結果が合格(つまり、「OK」)でないと判定した場合(St123,NO)、精算処理を中止する(St106)。なお、精算システムP1は、ステップSt106の処理の後、ステップSt101の処理に戻って、顧客C1による決済方法の選択処理、あるいはステップSt122の顧客C1によるパスワード入力操作に移行してもよい。このような場合、精算システムP1は、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれの商品情報を保持して、ステップSt102の処理を省略してもよい。
【0127】
以上により、実施の形態1に係る精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法(図6Cに示す例では、顔認証による生体認証およびパスワード認証)に基づいて、決済方法に対応する購入可否プロセスを決定する。これにより、精算システムP1は、決済方法により適した未成年判定処理を実行し、未成年判定処理により顧客C1が未成年でないと判定した場合にのみ、1つ以上の商品のそれぞれの精算処理を実行できる。
【0128】
次に、図7Aを参照して、実施の形態1に係る精算システムP1の第4の動作手順例について説明する。図7Aは、実施の形態1に係る精算システムP1の第4の動作手順例(キャッシュレス決済)を示すフローチャートである。第4の動作手順における精算システムP1は、顧客C1の年齢情報をサーバS1から取得可能であって、選択的に年齢推定処理を実行する。
【0129】
また、図7A図7Bに示す第4~第5の動作手順は、精算システムP1により精算処理、購入可否プロセス、および未成年判定処理のそれぞれが実行される例を示すが、店員確認用システムCSにより実行されてもよいし、精算システムP1および店員確認用システムCSにより実行されてもよいし、精算システムP1、店員確認用システムCSおよびサーバS1のそれぞれにより実行されてもよい。また、第4~第5の動作手順で説明する精算システムP1は、セルフレジスタである例を示すが、店員により操作される従来のレジスタであってもよい。
【0130】
精算システムP1は、入力部15への顧客C1操作に基づいて、決済方法の選択を受け付ける(St201)。なお、図7Aに示す第4の動作手順例において、顧客C1は、任意の決済媒体を使用したキャッシュレス決済を選択する。精算システムP1は、指定された決済方法(ここでは、キャッシュレス決済)に基づいて、ステップSt202~St217のそれぞれの処理を含む購入可否プロセスを決定する。
【0131】
精算システムP1は、読取部13によりスキャンされた商品に関する情報(例えば、価格情報、商品名等)を表示部14に出力して表示させる。精算システムP1は、読取部13により読み取られた商品の識別情報に基づいて、メモリ12を参照して商品情報を取得する(St202)。
【0132】
精算システムP1は、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知したか否かを判定する(St203)。
【0133】
精算システムP1は、ステップSt203の処理において、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知したと判定した場合(St203,YES)、顧客C1に決済媒体(例えば、クレジットカード、デビットカード、スマートフォンの画面等)の提示を要求する画面を生成し、表示部14に出力して表示させる。精算システムP1は、読取部13に提示された決済媒体のIDを読み取る(St204)。
【0134】
一方、精算システムP1は、ステップSt203の処理において、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知していないと判定した場合(St203,NO)、顧客C1に決済媒体(例えば、クレジットカード、デビットカード、スマートフォンの画面等)の提示を要求する画面を生成し、表示部14に出力して表示させる。精算システムP1は、読取部13に提示された決済媒体のIDを読み取り(St205)、読み取られた決済媒体のIDに基づいて、精算処理を実行する(St206)。具体的に、精算システムP1は、決済媒体のIDと、1つ以上のそれぞれの商品情報(例えば、商品名、商品の価格情報等)と、商品の決済要求とを対応付けてサーバS1に送信する。精算システムP1は、サーバS1から送信された商品の決済要求に対する決済完了通知を受信すると、精算処理を完了する。
【0135】
精算システムP1は、サーバS1における顧客情報データベースDBに登録された顧客C1の年齢情報を取得する(St207)。具体的に、精算システムP1は、読み取られた決済媒体のIDと、このIDが示す顧客C1の年齢情報を要求する制御指令とを対応付けて、この決済媒体を用いたキャッシュレス決済サービスを提供するサーバS1に送信する。サーバS1は、精算システムP1から送信された制御指令に基づいて、顧客情報データベースDBを参照し、精算システムP1から送信された決済媒体のIDと同一のIDが紐付けられた顧客C1の年齢情報を抽出して、精算システムP1に送信する。これにより、精算システムP1は、サーバS1から送信された顧客C1の年齢情報を取得する。
【0136】
精算システムP1は、年齢推定処理を実行するか否かを判定する(St208)。なお、精算システムP1は、年齢推定処理を実行するか否かの判定を、精算システムP1が設置された店舗の利用条件に基づいて実行してもよい。例えば、精算システムP1は、店舗の利用条件として、この店舗の顧客層において未成年の割合が所定値以上であると判定した場合は年齢推定処理を実行すると判定してもよいし、顧客層において未成年の割合が所定値以上となる時間帯である場合には年齢推定処理を実行すると判定してもよい。また、精算システムP1は、事前に店員により年齢推定処理の実行することが設定されている場合に、年齢推定処理を実行すると判定してもよいし、決済媒体の種類に応じて年齢推定処理を実行すると判定してもよい。例えば、精算システムP1は、決済媒体がスマートフォンあるいはクレジットカードである場合に年齢推定処理を実行すると判定してもよいし、決済媒体の管理会社、あるいは決済媒体のアプリケーションの提供元である会社が事前に年齢推定処理の実行を推奨している場合に年齢推定処理を実行すると判定してもよい。さらに、上述した年齢推定処理を実行するか否かの判定方法は、一例であってこれに限定されなくてもよい。
【0137】
精算システムP1は、ステップSt208の処理において、年齢推定処理を実行すると判定した場合(St208,YES)、精算システムP1の設置条件と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて、未成年判定条件(閾値)を決定する(St209)。さらに、未成年判定条件は、事前に店員により設定された閾値が用いられてもよい。このような場合、精算システムP1は、ステップSt209の処理を省略してもよい。
【0138】
一方、精算システムP1は、ステップSt208の処理において、年齢推定処理を実行しないと判定した場合(St208,NO)、サーバS1から取得された顧客C1の年齢情報が未成年であるか否かを判定する(St210)。精算システムP1は、ステップSt210の処理において、顧客C1が未成年であると判定した場合(St210,YES)、精算処理を中止する(St211)。一方、精算システムP1は、ステップSt210の処理において、顧客C1が未成年でないと判定した場合(St210,NO)、顧客C1により指定された決済方法で1つ以上の商品の精算処理を実行する(St206)。
【0139】
精算システムP1は、カメラCMで顧客C1の顔を1回以上撮像する(St212)。精算システムP1は、撮像された1枚以上の顧客C1の顔画像の画像解析結果(つまり、精算システムP1の設置条件)と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて、推定時間を決定し、顧客C1の年齢推定処理を実行する(St213)。
【0140】
精算システムP1は、推定された顧客C1の推定年齢情報と、決定された未成年判定条件とに基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する(St214)。
【0141】
精算システムP1は、ステップSt214の処理において、顧客C1が未成年である(つまり、顧客C1の推定年齢情報が閾値以上でない)と判定した場合(St214,YES)、顧客C1の年齢情報あるいは生年月日の情報等を含む証明書(例えば、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証等)の提示を顧客C1に要求する画面を生成し、表示部14に出力して表示させる(St215)。なお、証明書の提示要求は、スピーカ(不図示)による音声出力により行われてもよい。
【0142】
一方、精算システムP1は、ステップSt214の処理において、顧客C1が未成年でない(つまり、顧客C1の推定年齢情報が閾値以上である)と判定した場合(St214,NO)、顧客C1により指定された決済方法で1つ以上の商品の精算処理を実行する(St211)。
【0143】
精算システムP1は、顧客C1により提示された証明書をカメラCMで撮像する。精算システムP1は、撮像された撮像画像に光学文字認識処理(OCR)を実行して、顧客C1の年齢情報を取得する(St216)。なお、証明書に基づく顧客C1の年齢の確認は、店員により行われてもよい。例えば、精算システムP1は、ステップSt215の処理において、「店員を呼ぶ」等の店員による目視確認を要求する旨のボタンを含む証明書の提示を要求する画面を生成する。精算システムP1は、顧客C1によるこのボタンの選択(押下)操作を受け付けた場合に、店員の呼び出しを行い、証明書に記載された顧客C1の年齢の目視確認(つまり、未成年でないことの確認)を要求してもよい。
【0144】
精算システムP1は、取得された顧客C1の年齢情報と、決定された未成年判定条件(閾値)とに基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する(St217)。なお、店員による目視確認が行われる場合、精算システムP1は、店員による入力操作に基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する。
【0145】
精算システムP1は、ステップSt217の処理において、顧客C1が未成年であると判定した場合(St217,YES)、精算処理を中止する(St211)。
【0146】
一方、精算システムP1は、ステップSt217の処理において、顧客C1が未成年でないと判定した場合(St217,NO)、顧客C1により指定された決済方法で1つ以上の商品の精算処理を実行する(St206)。
【0147】
なお、図7Aに示す第4の動作手順におけるステップSt215~St217で実行される証明書に基づく年齢情報取得処理および未成年判定処理は、ステップSt207でサーバS1から取得された顧客C1の年齢情報と、ステップSt213で推定された顧客C1の推定年齢情報との年齢差が所定値(例えば5歳以上、10歳以上等)である場合にのみ実行されてもよい。
【0148】
このような場合、精算システムP1は、ステップSt214の処理の後に、サーバS1から取得された顧客C1の年齢情報と、顧客C1の推定年齢情報との年齢差が所定値(例えば5歳以上、10歳以上等)であるか否かの判定処理を実行してもよい。さらに、精算システムP1は、証明書に顧客C1の顔画像がある場合には、この証明書の顔画像と、ステップSt212で撮像された顔画像とを画像処理により比較して、本人確認を実行してもよい。精算システムP1は、顧客C1の推定年齢情報との年齢差が所定値(例えば5歳以上、10歳以上等)でないと判定した場合には、ステップSt215の処理に移行し、顧客C1の推定年齢情報との年齢差が所定値(例えば5歳以上、10歳以上等)であると判定した場合には、ステップSt211の処理に移行してもよいし、他者によるなりすまし行為の疑いがある旨を通知するアラートを生成して店員確認用システムCSあるいは他の有人レジスタに送信してもよい。これにより、精算システムP1は、他者による決済媒体の不正利用、なりすまし行為等があった場合に、商品の精算を中止できる。また、精算システムP1は、他者によるなりすまし行為の疑いがある旨を店員に通知できる。
【0149】
また、図7Aに示す第4の動作手順におけるステップSt215~St217で実行される証明書に基づく年齢情報取得処理および未成年判定処理は、ステップSt207の処理でサーバS1から取得された顧客C1の年齢情報が成人であることを示し、かつ、ステップSt213の処理で推定された顧客C1の推定年齢情報が未成年である場合に実行されてもよい。これにより、精算システムP1は、推定された顧客C1の推定年齢情報が誤っていても、顧客C1の年齢情報を含む証明書によって顧客C1の年齢情報を取得できるため精算処理を実行できる。
【0150】
さらに、図7Aに示す第4の動作手順におけるステップSt215~St217で実行される証明書に基づく年齢情報取得処理および未成年判定処理は、ステップSt207の処理でサーバS1から取得された顧客C1の年齢情報が成人であることを示し、かつ、ステップSt214の処理で顧客C1の推定年齢情報が未成年であると判定された場合に実行されてもよい。これにより、精算システムP1は、より厳しい未成年判定条件(つまり、より高い閾値)が決定された時に、顧客C1の推定年齢情報が未成年であると誤判定された場合であっても、顧客C1の年齢情報を含む証明書に基づいて取得された顧客C1の年齢情報により、1つ以上の商品のそれぞれの精算処理を実行できる。
【0151】
以上により、実施の形態1に係る精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法(図7Aに示す例では、キャッシュレス決済)に基づいて、決済方法に対応する購入可否プロセスを決定する。これにより、精算システムP1は、決済方法により適した未成年判定処理を実行し、未成年判定処理により顧客C1が未成年でないと判定した場合に精算処理を実行できる。
【0152】
次に、図7Bを参照して、実施の形態1に係る精算システムP1の第5の動作手順例について説明する。図7Bは、実施の形態1に係る精算システムP1の第5の動作手順例(キャッシュレス決済)を示すフローチャートである。第5の動作手順における精算システムP1は、顧客C1の年齢情報をサーバS1から取得不可であって、年齢推定処理を実行する。
【0153】
なお、図7Bに示す第5の動作手順は、図7Aに示す第4の動作手順におけるステップSt207~St208およびステップSt210に示す各処理を省略した動作手順であるため、ステップSt203~St209についてのみ説明する。
【0154】
図7Bに示す例において、精算システムP1は、指定された決済方法(ここでは、キャッシュレス決済)に基づいて、ステップSt202~St206,St209,St211~217のそれぞれの処理を含む購入可否プロセスを決定する。
【0155】
精算システムP1は、ステップSt203の処理において、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知したと判定した場合(St203,YES)、顧客C1に決済媒体(例えば、クレジットカード、デビットカード、スマートフォンの画面等)の提示を要求する画面を生成し、表示部14に出力して表示させる。精算システムP1は、読取部13に提示された決済媒体のIDを読み取る(St204)。精算システムP1は、ステップSt204の処理の後、未成年判定処理に用いられる未成年判定条件(閾値)を決定する(St209)。
【0156】
一方、精算システムP1は、ステップSt203の処理において、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知していないと判定した場合(St203,NO)、顧客C1に決済媒体(例えば、クレジットカード、デビットカード、スマートフォンの画面等)の提示を要求する画面を生成し、表示部14に出力して表示させる。精算システムP1は、読取部13に提示された決済媒体のIDを読み取り(St205)、読み取られた決済媒体のIDに基づいて、精算処理を実行する(St206)。具体的に、精算システムP1は、決済媒体のIDと、1つ以上のそれぞれの商品情報(例えば、商品名、商品の価格情報等)と、商品の決済要求とを対応付けてサーバS1に送信する。精算システムP1は、サーバS1から送信された商品の決済要求に対する決済完了通知を受信すると、精算処理を完了する。
【0157】
以上により、実施の形態1に係る精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法に基づいて、決済方法に対応する購入可否プロセスを決定する。これにより、精算システムP1は、決済方法により適した未成年判定処理を実行し、未成年判定処理により顧客C1が未成年でないと判定した場合に精算処理を実行できる。
【0158】
次に、図8を参照して、実施の形態1に係る精算システムP1の第6の動作手順例について説明する。図8は、実施の形態1に係る精算システムP1の第6の動作手順例(キャッシュ決済)を示すフローチャートである。第6の動作手順における精算システムP1は、年齢推定処理を実行する。
【0159】
また、図8に示す第6の動作手順は、精算システムP1により精算処理、購入可否プロセス、および未成年判定処理のそれぞれが実行される例を示すが、店員確認用システムCSにより実行されてもよいし、精算システムP1および店員確認用システムCSにより実行されてもよいし、精算システムP1、店員確認用システムCSおよびサーバS1のそれぞれにより実行されてもよい。また、第6の動作手順で説明する精算システムP1は、セルフレジスタである例を示すが、店員により操作される従来のレジスタであってもよい。
【0160】
精算システムP1は、入力部15への顧客C1操作に基づいて、決済方法の選択を受け付ける(St301)。なお、図8に示す第6の動作手順例において、顧客C1は、キャッシュ決済を選択する。精算システムP1は、指定された決済方法(ここでは、キャッシュ決済)に基づいて、ステップStSt302~St312のそれぞれの処理を含む購入可否プロセスを決定する。
【0161】
精算システムP1は、読取部13によりスキャンされた商品に関する情報(例えば、価格情報、商品名等)を表示部14に出力して表示させる。精算システムP1は、読取部13により読み取られた商品の識別情報に基づいて、メモリ12を参照して商品情報を取得する(St302)。
【0162】
精算システムP1は、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知したか否かを判定する(St303)。
【0163】
精算システムP1は、ステップSt303の処理において、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知したと判定した場合(St303,YES)、精算システムP1の設置条件と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて、未成年判定条件(閾値)を決定する(St304)。さらに、未成年判定条件は、事前に店員により設定された閾値が用いられてもよい。このような場合、精算システムP1は、ステップSt304の処理を省略してもよい。
【0164】
一方、精算システムP1は、ステップSt303の処理において、読取部13によりスキャンされた1つ以上の商品のそれぞれのうち1つ以上の免許品を検知していないと判定した場合(St303,NO)、キャッシュによる精算処理を実行する(St305)。具体的に、精算システムP1は、顧客C1に対して精算対象となるすべての商品の合計代金の入金を要求する画面を表示部14に表示する。精算システムP1は、精算部16に入金された現金の合計金額をカウントし、精算対象となるすべての商品の合計代金が入金されたと判定すると、顧客C1により購入されたすべての商品情報と入金情報とを対応付けて記憶し、精算処理を完了する。なお、精算システムP1は、顧客C1により購入されたすべての商品情報と、入金情報と、推定された顧客C1の推定年齢情報あるいは証明書から読み取られた顧客C1の年齢情報とを対応付けて店員確認用システムCSに送信してよい。
【0165】
精算システムP1は、カメラCMで顧客C1の顔を1回以上撮像する(St306)。精算システムP1は、撮像された1枚以上の顧客C1の顔画像の画像解析結果(つまり、精算システムP1の設置条件)と、精算システムP1が設置された店舗の利用条件とに基づいて、推定時間を決定し、顧客C1の年齢推定処理を実行する(St307)。
【0166】
精算システムP1は、推定された顧客C1の推定年齢情報と、決定された未成年判定条件とに基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する(St308)。
【0167】
精算システムP1は、ステップSt308の処理において、顧客C1が未成年である(つまり、顧客C1の推定年齢情報が閾値以上でない)と判定した場合(St308,YES)、顧客C1の年齢情報あるいは生年月日の情報等を含む証明書(例えば、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証等)の提示を顧客C1に要求する画面を生成し、表示部14に出力して表示させる(St309)。なお、証明書の提示要求は、スピーカ(不図示)による音声出力により行われてもよい。
【0168】
一方、精算システムP1は、ステップSt308の処理において、顧客C1が未成年でない(つまり、顧客C1の推定年齢情報が閾値以上である)と判定した場合(St308,NO)、キャッシュによる1つ以上の商品の精算処理を実行する(St305)。
【0169】
精算システムP1は、顧客C1により提示された証明書をカメラCMで撮像する。精算システムP1は、撮像された撮像画像に光学文字認識処理(OCR)を実行して、顧客C1の年齢情報を取得する(St310)。なお、証明書に基づく顧客C1の年齢の確認は、店員により行われてもよい。例えば、精算システムP1は、ステップSt309の処理において、「店員を呼ぶ」等の店員による目視確認を要求する旨のボタンを含む証明書の提示を要求する画面を生成する。精算システムP1は、顧客C1によるこのボタンの選択(押下)操作を受け付けた場合に、店員の呼び出しを行い、証明書に記載された顧客C1の年齢の目視確認(つまり、未成年でないことの確認)を要求してもよい。
【0170】
精算システムP1は、取得された顧客C1の年齢情報と、決定された未成年判定条件(判定条件)とに基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する(St311)。なお、店員による目視確認が行われる場合、精算システムP1は、店員による入力操作に基づいて、顧客C1が未成年であるか否かを判定する。
【0171】
精算システムP1は、ステップSt311の処理において、顧客C1が未成年であると判定した場合(St311,YES)、精算処理を中止する(St312)。
【0172】
一方、精算システムP1は、ステップSt311の処理において、顧客C1が未成年でないと判定した場合(St311,NO)、顧客C1により指定された決済方法で1つ以上の商品の精算処理を実行する(St305)。
【0173】
以上により、実施の形態1に係る精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法(図8に示す例では、キャッシュ決済)に基づいて、決済方法に対応する購入可否プロセスを決定する。これにより、精算システムP1は、決済方法により適した未成年判定処理を実行し、未成年判定処理により顧客C1が未成年でないと判定した場合に、1つ以上の商品のそれぞれの精算処理を実行できる。
【0174】
以上により、実施の形態1に係る精算システムP1は、1つ以上のコンピュータにより実現され、購入対象となる商品を検知する商品検知部11Aと、検知された1つ以上の商品に免許品が含まれるか否かを検知する判定部11Bと、顧客による決済方法の指定操作を受け付け可能な入力部15と、決済方法に対応する決済媒体(例えば、クレジットカード、デビットカード、スマートフォンの画面、顧客C1の手、指、あるいは目等)から精算に必要な決済情報を読み取り可能な読取部13と、決済方法に対応して顧客C1の年齢情報を取得する通信部10またはカメラCM(取得部の一例)と、判定部11Bにより免許品が検知された場合に、決済方法に対応して通信部10による年齢情報の取得可否に基づいて、免許品の購入可否プロセスを決定するプロセッサ11と、を備える。
【0175】
これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法により適応的な免許品の購入プロセス顧客を決定することで、顧客C1または店員による免許品の精算処理が効率的に行われるように支援できる。
【0176】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1におけるプロセッサ11は、年齢情報を取得可能である場合、顧客C1の年齢情報を取得するステップ(例えば、図6Aに示すステップSt107、または図7Aに示すステップSt207)と、取得された年齢情報に基づいて、顧客による免許品の購入可否を判定するステップ(例えば、図6Aに示すステップSt109、または図7Aに示すステップSt210)と、を含む購入可否プロセスを決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、決済サービスを提供可能なサーバS1から生体認証(例えば、顔認証、指紋認証、虹彩認証等)あるいは決算のIDと対応付けられた顧客C1の年齢情報を取得可能である場合、顔画像に基づく年齢推定処理を省略した購入可否プロセスを決定できる。したがって、精算システムP1は、年齢推定処理が不要である場合、顧客C1の顔画像の撮像から年齢推定処理および未成年判定処理に要する時間を削減できるため、顧客1人当たりの精算処理に要する時間を短縮できる。また、精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法に基づいて、購入可否プロセスを自動で決定できるため、顧客C1および店員により行われる精算処理をより効率的に支援できる。
【0177】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1におけるプロセッサ11は、年齢情報を取得可能でない場合、顧客C1の顔画像に基づいて、顧客の年齢を推定するステップ(例えば、図6Bおよび図6Cに示すステップSt113、図7A図7Bに示すステップSt213、または図8に示すステップSt307)と、推定された顧客C1の推定年齢に基づいて、顧客による免許品の購入可否を判定するステップ(例えば、図6Bおよび図6Cに示すステップSt114、図7A図7Bに示すステップSt214、または図8に示すステップSt308)と、を含む購入可否プロセスを決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、年齢推定処理が必要である場合、顧客C1により指定された決済方法に基づいて、顧客C1の顔画像の撮像から年齢推定処理および未成年判定処理を含む購入可否プロセスを自動で決定できるため、顧客C1および店員により行われる精算処理をより効率的に支援できる。
【0178】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1におけるプロセッサ11は、推定された顧客の推定年齢に基づいて、顧客による免許品の購入が可能でないと判定した場合、顧客の年齢情報が記載された証明書の提示を要求するステップ(例えば、図6Bおよび図6Cに示すステップSt115、図7A図7Bに示すステップSt215、または図8に示すステップSt309)と、提示された証明書から年齢情報の読み取りを実行させるステップ(例えば、図6Bおよび図6Cに示すステップSt116、図7A図7Bに示すステップSt216、または図8に示すステップSt310)と、読み取られた年齢情報に基づいて、免許品の購入可否を判定するステップ(例えば、図6Bおよび図6Cに示すステップSt117、図7A図7Bに示すステップSt217、または図8に示すステップSt311)と、を含む購入可否プロセスを決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、顧客C1により指定された決済方法に基づいて、顧客C1の顔画像の撮像から年齢推定処理および未成年判定処理を含む購入可否プロセスを自動で決定できる。また、精算システムP1は、推定された顧客C1の推定年齢情報に基づく未成年判定処理により、顧客C1が未成年であると判定された場合であっても、証明書(例えば、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証等)に記載された顧客C1の年齢情報または生年月日の情報等を読み取って、顧客C1の未成年判定処理を実行できるため、顧客C1および店員により行われる精算処理をより効率的に支援できる。
【0179】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1におけるプロセッサ11は、決済媒体(例えば、クレジットカード、デビットカード、スマートフォンのID、あるいは生体認証に使用される生体情報等)に対応付けられた年齢情報と推定された顧客の推定年齢との年齢差が所定値以上と判定した場合、顧客の年齢情報が記載された証明書の提示を要求するステップ(例えば、図6Bおよび図6Cに示すステップSt115、図7A図7Bに示すステップSt215、または図8に示すステップSt309)と、提示された証明書から年齢情報の読み取りを実行させるステップ(例えば、図6Bおよび図6Cに示すステップSt116、図7A図7Bに示すステップSt216、または図8に示すステップSt310)と、読み取られた年齢情報に基づいて、免許品の購入可否を判定するステップと、(例えば、図6Bおよび図6Cに示すステップSt117、図7A図7Bに示すステップSt217、または図8に示すステップSt311)と、を含む購入可否プロセスを決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、決済媒体(に対応付けられた年齢情報と推定された顧客の推定年齢との年齢差が所定値以上である場合、証明書を用いた未成年判定処理を実行することで、他人による決済媒体の不正利用、あるいはなりすまし行為等をより効果的に防止できる。
【0180】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1におけるプロセッサ11は、決済媒体(例えば、クレジットカード、デビットカード、スマートフォンのID、あるいは生体認証に使用される生体情報等)に対応付けられた年齢情報と推定された顧客C1の推定年齢との年齢差が所定値以上と判定した場合、決済媒体の不正利用を通知するアラートを出力する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、他人による決済媒体の不正利用、あるいはなりすまし行為等をより効果的に防止できるとともに、証明書(例えば、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証等)を用いて店員に本人確認等を要求できる。
【0181】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1におけるプロセッサ11は、指定された決済方法が生体決済である場合、年齢情報の取得可否を判定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、決済媒体として、なりすまし行為の可能性がより低い生体認証において、生体認証に使用される生体情報と対応付けられた年齢情報があるか否かに基づいて、顔画像に基づく年齢推定処理が必要であるか否かを判定できる。
【0182】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1におけるプロセッサ11は、指定された決済方法がキャッシュレス決済である場合、年齢情報を取得可能でないと判定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、不正利用あるいはなりすまし行為等がより行われやすいキャッシュレス決済において、顔画像に基づく年齢推定処理が必要であると判定できる。さらに、精算システムP1は、未成年の子供が親の決済媒体を使用して免許品を購入しようとした場合であっても、顔画像に基づく年齢推定処理によって、未成年の子供による免許品の購入を効率的に防止できる。
【0183】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1におけるプロセッサ11は、指定された決済方法がキャッシュ決済である場合、年齢情報を取得可能でないと判定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、顔画像に基づく年齢推定処理により、顧客C1が免許品を購入可能であるか否かを判定できる。
【0184】
以上により、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗に設置され、1つ以上のコンピュータにより実現され、購入対象となる商品を検知する商品検知部11Aと、検知された1つ以上の商品に免許品が含まれるか否かを検知する商品検知部11A(検知部の一例)と、判定部11Bにより免許品が検知された場合に、顧客C1の顔画像を少なくとも1枚撮像するカメラCMと、カメラCMにより撮像された顔画像に基づいて、顧客C1の年齢推定処理を行う判定部11B(年齢推定部の一例)と、推定された推定年齢に基づいて、顧客C1による免許品の購入可否を判定する判定部11Bと、を備える。判定部11Bは、店舗の利用条件またはカメラCMの設置条件に基づいて、免許品の購入可否を判定するための推定年齢の閾値(つまり、未成年判定条件)を決定する。
【0185】
これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗を利用する顧客層、カメラCMの設置条件に基づいて、より適した推定年齢の閾値(つまり、未成年判定条件)を決定できる。
【0186】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、推定された推定年齢が閾値以上であると判定した場合に、顧客が免許品を購入可能であると判定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗を利用する顧客層を占める未成年の割合、あるいはカメラCMの設置条件により適した未成年判定処理を実行できる。
【0187】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、店舗の利用条件に基づいて、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上であるか否かを判定し、未成年の割合が所定値以上でないと判定した場合には第1の閾値(例えば、図4に示す閾値H1)に決定し、未成年の割合が所定値以上であると判定した場合には第1の閾値よりも高い第2の閾値(例えば、図4に示す閾値H2~H4のいずれか)に決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、未成年の割合が所定値以上である場合には、未成年判定条件としての閾値をより高い推定年齢に決定し、未成年による免許品の購入をより効果的に防止できる。また、精算システムP1は、年齢推定処理の結果、顧客C1の年齢が実際の顧客C1の年齢より高く推定された場合であっても、閾値をより高い推定年齢に決定することで、未成年による免許品の購入をより効率的に防止できる。
【0188】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすか否かを判定し、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすと判定した場合には第1の閾値(例えば、図4に示す閾値H1)に決定し、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たさないと判定した場合には第1の閾値よりも高い第2の閾値(例えば、図4に示す閾値H2~H4のいずれか)に決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、カメラCMにより撮像された顔画像が年齢推定処理に適さず、年齢推定処理の精度が低下することで顧客C1の年齢が実際の顧客C1の年齢より高く推定された場合であっても、未成年による免許品の購入をより効率的に防止できる。
【0189】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上であるか否かの判定とカメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすか否かの判定とを実行し、未成年の割合が所定値以上でないと判定した場合には第1の閾値(例えば、図4に示す閾値H1)に決定し、未成年の割合が所定値以上、かつ、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすと判定した場合には、第1の閾値よりも高い第2の閾値(例えば、図4に示す閾値H2)に決定し、未成年の割合が所定値以上、かつ、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たさないと判定した場合には、第2の閾値よりも高い第3の閾値(例えば、図4に示す閾値H3または閾値H4)に決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗の利用条件が未成年の割合が所定値以上である場合には、未成年による免許品の購入をより効率的に防止するために、より高い推定年齢の閾値に決定できる。また、精算システムP1は、カメラCMの設置条件によって撮像された顔画像年齢推定処理に適さず、年齢推定処理の精度が低下する場合であっても、未成年による免許品の購入をより効率的に防止するために、より高い推定年齢の閾値に決定できる。したがって、精算システムP1は、未成年判定条件として、店舗の利用条件およびカメラCMの設置条件により適した閾値を決定できる。
【0190】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、店舗の利用条件またはカメラCMの設置条件に基づいて、判定部11Bによる顧客C1の年齢推定処理の処理時間(つまり、推定時間)を決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗の利用条件またはカメラCMの設置条件に基づいて推定時間を適応的に決定することにより、顔画像に基づく顧客C1の年齢推定精度をより効果的に調整できる。
【0191】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、店舗の利用条件に基づいて、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上であるか否かを判定し、未成年の割合が所定値以上でないと判定した場合には処理時間を第1の処理時間(例えば、図5に示す推定時間T1)に決定し、未成年の割合が所定値以上であると判定した場合には第1の処理時間よりも長い第2の処理時間(例えば、図5に示す推定時間T2~T4のいずれか)に決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上である場合には、年齢推定処理の推定時間をより長い時間に決定し、顔画像に基づく顧客C1の年齢推定処理の精度を向上させて未成年による免許品の購入をより効果的に防止できる。
【0192】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすか否かを判定し、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすと判定した場合には第1の処理時間(例えば、図5に示す推定時間T1)に決定し、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たさないと判定した場合には第1の処理時間よりも長い第2の処理時間(例えば、図5に示す推定時間T2~T4のいずれか)に決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たさず、年齢推定処理に適していない顔画像に基づいて年齢推定を実行した場合であっても、年齢推定処理の推定時間をより長い時間に決定することで、顔画像に基づく顧客C1の年齢推定処理の精度を向上させることができる。
【0193】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上であるか否かの判定とカメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすか否かの判定とを実行し、未成年の割合が所定値以上でないと判定した場合には第1の処理時間(例えば、図5に示す推定時間T1)に決定し、未成年の割合が所定値以上、かつ、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすと判定した場合には、第1の処理時間よりも長い第2の処理時間(例えば、図5に示す推定時間T2)に決定し、未成年の割合が所定値以上、かつ、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たさないと判定した場合には、第2の処理時間よりも長い第3の処理時間(例えば、図5に示す推定時間T3または推定時間T4)に決定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上である場合には、年齢推定処理の推定時間をより長い時間に決定し、顔画像に基づく顧客C1の年齢推定処理の精度を向上させて未成年による免許品の購入をより効果的に防止できる。また、精算システムP1は、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たさず、年齢推定処理に適していない顔画像に基づいて年齢推定を実行した場合であっても、年齢推定処理の推定時間をより長い時間に決定することで、顔画像に基づく顧客C1の年齢推定処理の精度を向上させることができる。
【0194】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗の周辺情報を取得可能な通信部10(取得部の一例)、をさらに備える。判定部11Bは、通信部10により取得された店舗の周辺情報に基づいて、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上であるか否かを判定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗を利用する実際の未成年の割合によらず、店舗の周辺情報に基づいて、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上であるか否かを判定できる。
【0195】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における通信部10は、店舗の周辺で開催されるイベントの情報を取得する。判定部11Bは、通信部10により取得されたイベントの情報に基づいて、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上であるかを判定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、店舗を利用する実際の未成年の割合によらず、店舗の周辺で開催されるイベントの情報に基づいて、店舗を利用する未成年の割合が所定値以上であるか否かを事前に判定できる。
【0196】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、顔画像の画質に基づいて、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすか否かを判定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、カメラCMによって撮像された顔画像の画質の劣化により、年齢推定処理の精度が低下する可能性があるか否かを判定できる。
【0197】
また、以上により、実施の形態1に係る精算システムP1における判定部11Bは、顔画像に映る顧客の顔の向きに基づいて、カメラCMの設置条件が所定の設置条件を満たすか否かを判定する。これにより、実施の形態1に係る精算システムP1は、カメラCMによって撮像された顔画像に映る顧客C1の顔の向きが正面以外であるか否かに基づいて、年齢推定処理の精度が低下する可能性があるか否かを判定できる。
【0198】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本開示は、顧客が指定する決済方法に応じた購入処理を適応的に行い、顧客による免許品の精算を支援する精算システムとして有用である。
【符号の説明】
【0200】
10,20 通信部
11,21 プロセッサ
11A 商品検知部
11B,21A 判定部
12,22 メモリ
13 読取部
14,23 表示部
15,24 入力部
16 精算部
C1 顧客
CM カメラ
CS 店員確認用システム
DB 顧客情報データベース
P1 精算システム
S1 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8