(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】端末装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20241004BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2020081596
(22)【出願日】2020-05-01
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】520131598
【氏名又は名称】株式会社REXEV
(74)【代理人】
【識別番号】230121016
【氏名又は名称】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】盛次 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】渡部 健
(72)【発明者】
【氏名】藤井 崇史
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/044597(WO,A1)
【文献】特開2013-069226(JP,A)
【文献】特開2014-032459(JP,A)
【文献】特開2013-148982(JP,A)
【文献】特開2014-039388(JP,A)
【文献】特開2008-052663(JP,A)
【文献】特開2016-130944(JP,A)
【文献】特開2013-061789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイに対して所定の情報の表示を行うための表示処理と、
前記表示処理により充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに充電された電力を用いて走行する車両の走行予約をするための画面を前記ディスプレイに表示させた際、利用者の入力を受け付ける入力処理と、
前記入力処理において受け付けた入力情報に基づいて抽出された車両において将来予定される一又は複数の走行予約の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を取得するターゲット残充電量取得処理と、を実行するプログラムであって、
前記表示処理は、前記ターゲット残充電量取得処理により取得された前記ターゲット残充電量に基づく情報を表示
し、
前記複数の走行予約のうちの一の走行予約についての前記ターゲット残充電量は、前記一の走行予約よりも後の走行予約の前記ターゲット残充電量に基づいて算出する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記表示処理は、前記ターゲット残充電量取得処理により前記ターゲット残充電量を取得した際、前記ターゲット残充電量に基づく情報を表示することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示処理、前記入力処理、及びネットワークを介して接続された管理装置と通信するための通信処理を備え、前記利用者が操作する端末装置で実行される端末側プログラムと、
前記ターゲット残充電量取得
処理及びネットワークを介して接続された前記端末装置と通信するための通信処理を備え、前記管理装置で実行される管理側プログラムと、を含み、
前記管理側プログラムは、前記ターゲット残充電量に基づく情報を前記端末装置へと送信する処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記車両において将来予定される一又は複数の走行予約の開始時までの消費電力の想定情報を算出する消費電力算出処理と、
前記車両において将来予定される一又は複数の走行予約の開始時までの充電電力の想定情報を算出する充電電力算出処理と、を備え、
前記ターゲット残充電量取得処理により取得される前記ターゲット残充電量は、前記消費電力の想定情報と前記充電電力の想定情報とに基づいて算出される、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記消費電力算出処理は、前記車両の電費情報、および、前記車両の予約スケジュール情報に基づいて前記消費電力の想定情報を算出し、
前記充電電力算出処理は、前記車両が接続された充電ステーションの充電能力を示す情報、および、前記車両の予約スケジュール情報に基づいて前記充電電力の想定情報を算出する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記ターゲット残充電量に基づく情報は、前記ターゲット残充電量に基づいて前記車両の新たな走行予約が可能であることを示す情報を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記ターゲット残充電量に基づく情報は、前記ターゲット残充電量に基づいて当該走行予約において走行可能な距離を示す走行可能距離情報を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記利用者の指示入力により特定された時刻における残充電量の予測値を、前記ターゲット残充電量に基づいて予測する予測処理を備え、
前記走行可能距離情報は、前記残充電量の予測値から残充電量が0になるまでに前記車両が走行可能な距離を示す情報を含む、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記利用者の指示入力により特定された時刻における残充電量の予測値を、前記ターゲット残充電量に基づいて予測する予測処理を備え、
前記走行可能距離情報は、前記残充電量の予測値から残充電量が次の予約開始時刻における前記ターゲット残充電量になるまでに前記車両が走行可能な距離を示す情報を含む、請求項7または8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記表示処理は、前記車両が再生可能エネルギー源から充電のための電力の供給を受けた電力量に基づく情報を前記ディスプレイに出力する、請求項1から9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記表示処理は、前記車両が特定の再生可能エネルギー源から充電のための電力の供給を受けたことを示す情報を前記ディスプレイに出力する、請求項1から10のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記表示処理は、前記ターゲット残充電量に基づく情報とともに、他の利用者が入力した前記車両の評価情報を前記ディスプレイに出力する、請求項1から11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記利用者が前記車両の利用を終了する場合には、前記入力処理により前記車両の評価情報の入力が受け付けられたことに基づいて、前記車両の利用終了を可能にする、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記車両の利用終了を可能にすることは前記車両の施錠を可能にすることである、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
利用者の指示入力を受け付けて、充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに充電された電力を用いて走行する車両の走行予約をするために、利用者の指示入力を受け付けるように構成された入力インターフェイスと、
ネットワークを介して接続された管理装置と通信するための通信インターフェイスと、
所定の情報の表示を行うように構成されたディスプレイと、
前記入力インターフェイスにおいて前記利用者の指示入力を受け付けると前記通信インターフェイスを介して利用者情報を送信し、前記利用者情報に基づいて抽出された車両において将来予定される一又は複数の走行予約の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を示す情報を含む車両情報を取得し、取得したターゲット残充電量に基づく情報を前記ディスプレイに出力するように構成されたプロセッサと、
を含
み、
前記複数の走行予約のうちの一の走行予約についての前記ターゲット残充電量を、前記一の走行予約よりも後の走行予約の前記ターゲット残充電量に基づいて算出する前記管理装置から、前記通信インターフェイスを介して、前記ターゲット残充電量を受信する端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに充電された電力を用いて走行する車両の走行予約をするための端末装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、いわゆる電気自動車などのカーシェアリングにおいて、各車両の充電状況などを管理する運用システムが知られていた。例えば、特許文献1には、ステーションの蓄電設備に蓄えられている電力量と、当該ステーションに停車している全ての電気自動車に蓄えられている電力量と、の合計であるステーション電力量を取得する電力量取得部を備え、当該ステーション電力量に基づいて料金等の運用を管理するシステムが記載されている。しかし、このようなシステムにおいては、将来の利用状況などが全く考慮されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、上記のような技術を踏まえ、本開示では、将来の各車両の残充電量を予測の予測に基づいた走行予約を可能にするための端末装置、方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、「ディスプレイに対して所定の情報の表示を行うための表示処理と、前記表示処理により充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに充電された電力を用いて走行する車両の走行予約をするための画面を前記ディスプレイに表示させた際、利用者の入力を受け付ける入力処理と、前記入力処理において受け付けた入力情報に基づいて抽出された車両において将来予定される一又は複数の走行予約の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を取得するターゲット残充電量取得処理と、を実行するプログラムであって、前記表示処理は、前記ターゲット残充電量取得処理により取得された前記ターゲット残充電量に基づく情報を表示し、前記複数の走行予約のうちの一の走行予約についての前記ターゲット残充電量は、前記一の走行予約よりも後の走行予約の前記ターゲット残充電量に基づいて算出することを特徴とするプログラム」が提供される。
【0006】
本開示の一態様によれば、「利用者の指示入力を受け付けて、充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに充電された電力を用いて走行する車両の走行予約をするために、利用者の指示入力を受け付けるように構成された入力インターフェイスと、ネットワークを介して接続された管理装置と通信するための通信インターフェイスと、所定の情報の表示を行うように構成されたディスプレイと、前記入力インターフェイスにおいて前記利用者の指示入力を受け付けると前記通信インターフェイスを介して利用者情報を送信し、前記利用者情報に基づいて抽出された車両において将来予定される一又は複数の走行予約の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を示す情報を含む車両情報を取得し、取得したターゲット残充電量に基づく情報を前記ディスプレイに出力するように構成されたプロセッサと、を含み、前記複数の走行予約のうちの一の走行予約についての前記ターゲット残充電量を、前記一の走行予約よりも後の走行予約の前記ターゲット残充電量に基づいて算出する前記管理装置から、前記通信インターフェイスを介して、前記ターゲット残充電量を受信する端末装置」が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、将来の各車両の残充電量を予測の予測に基づいた走行予約を可能にするための端末装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【0009】
なお、上記効果は説明の便宜のための例示的なものであるにすぎず、限定的なものではない。上記効果に加えて、または上記効果に代えて、本開示中に記載されたいかなる効果や当業者であれば明らかな効果を奏することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示に係るシステムによって実行されるアプリケーションの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示に係るシステム1の構成を概略的に示す概念図である。
【
図3】
図3は、本開示に係る端末装置100の構成の例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示に係る充電管理装置400の構成の例を示すブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示に係る充電管理装置400に記憶される車両情報テーブルを概念的に示す図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示に係る充電管理装置400に記憶されるステーション情報テーブルを概念的に示す図である。
【
図5C】
図5Cは、本開示に係る充電管理装置400に記憶される予測残充電量情報テーブルを概念的に示す図である。
【
図5D】
図5Dは、本開示に係る充電管理装置400に記憶される予約情報テーブルである。
【
図6】
図5は、本開示の第1実施形態に係る充電管理装置100の機能うぃ示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、本開示に係る充電管理装置400において実行される処理フローを示す図である。
【
図8】
図8は、本開示に係る残充電量の予測の概要を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示に係る充電管理装置400において実行される処理フローを示す図である。
【
図10】
図10は、本開示に係る端末装置100において実行される処理フローを示す図である。
【
図11A】
図11Aは、本開示に係る端末装置100に表示される画面の例を示す図である。
【
図11B】
図11Bは、本開示に係る端末装置100に表示される画面の例を示す図である。
【
図11C】
図11Cは、本開示に係る端末装置100に表示される画面の例を示す図である。
【
図12】
図12は、本開示に係る端末装置100において実行される処理フローを示す図である。
【
図13A】
図13Aは、本開示に係る端末装置100に表示される画面の例を示す図である。
【
図13B】
図13Bは、本開示に係る端末装置100に表示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して本開示の様々な実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0012】
<本開示に係るシステムの概要>
本開示の様々な実施形態に係るシステムでは、充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに電力を充電する充電状態と、当該バッテリに充電された電力を用いて走行する走行状態を有する車両の状況を管理する。特に、本システムでは、車両の現在の残充電量に関する情報と、充電ステーションの充電能力に関する情報とに基づいて、将来予定される走行予約の走行前に必要とされる残充電量であるターゲット残充電量を算出する。そして、端末装置において車両の新たな走行予約をする際に、この算出されたターゲット残充電量を示す情報に基づいて、利用者に車両の新たな走行予約が可能であることを示す。
【0013】
図1は、本開示に係るシステムによって実行されるアプリケーションの概要を示す図である。具体的には、
図1は、本開示に係る走行予約アプリケーションを端末装置で起動したのちに表示される予約詳細画面の一例を示す。
図1によれば、端末装置のディスプレイ111に、走行予約の候補となる車両の写真11とともに、車両の様々な情報が表示される。表示される情報の一例としては、車両の基本情報12が表示される。この基本情報12には、車両の利用単価や車両の基本スペックに関する情報に加えて、他の利用者等が行った当該車両に対する評価情報13が表示される。また、表示される情報の一例としては、今回の予約で予定される走行距離を示す情報15と、今回の予約において走行可能な距離を示す情報16とが表示される。今回の予約で予定される走行距離を示す情報15は、予約された時間とあらかじめ車両ごとに記憶された走行時の平均時速に基づいて算出された距離の情報である。今回の予約において走行可能な距離を示す情報16は、充電管理装置において算出された今回の走行予約の開始時におけるターゲット残充電量に基づく情報である。なお、ターゲット残充電量は将来予定される走行予約の走行時のターゲットとなる残充電量である(詳しくは後述する。)。また、表示される情報の一例としては、当該車両のバッテリに充電される電力のうち、いわゆる再生可能エネルギー源を供給元とする電力の割合を示す情報18が表示される。このような表示を行うことで利用者は環境に配慮した予約をすることが可能となる。また、表示される情報の一例としては、上記の車両を予約することを確定する予約確定アイコン17が表示される。
【0014】
なお、本開示において、車両とは充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに電力を充電する充電状態と、当該バッテリに充電された電力を用いて走行する走行状態を有するものであればいずれでもよい。以下の実施形態においては、車両としていわゆる電気自動車の例について説明するが、当然これのみには限られない。例えば、自転車やバイクなどの二輪車、電車、バス、トラック、船舶、航空機など、電力を利用して走行可能な車両であればいずれでも本開示に係るシステムを好適に適用することができる。
【0015】
また、本開示において、走行予約アプリケーションとは車両の走行予約が可能なアプリケーションのことを意味するにとどまり、車両の走行予約専用のアプリケーションである必要はない。すなわち、走行予約アプリケーションを実行することによって、走行予約機能以外にも、車両以外のホテル等の走行予約機能や地図機能、広告表示機能など様々な機能を実行できるようにしてもよい。
【0016】
1.本開示に係るシステム1の構成
図2は、本開示の第1実施形態に係るシステム1の構成を概略的に示す概念図である。
図2を参照すると、システム1は、端末装置100と、予約管理装置200と、車両300と、充電管理装置400とを少なくとも含み、各々が直接又は間接的にネットワーク500を介して互いに通信可能に接続されている。
【0017】
なお、ネットワーク500は、無線通信により構成されていてもよいし、有線通信により構成されていてもよいし、それらを組み合わせて構成されていてもよい。また、
図2の例では、端末装置100、予約管理装置200及び充電管理装置400はそれぞれ1台しか記載されていないが、当然2台以上の装置によって構成することも可能である。例えば、充電管理装置400は、その各構成要素及び処理を複数の管理装置に分配することも可能である。また、当該システム1には、必要に応じて各種データベースに接続し、これらとともに各処理を実行することが可能である。
【0018】
充電管理装置400は、充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに電力を充電する充電状態と、当該バッテリに充電された電力を用いて走行する走行状態を有する車両300の状況を管理する装置である。予約管理装置200は、充電管理装置400との間でターゲット残充電量情報などを受信し、車両300の予約を管理する装置である。車両300は、車載器に搭載された通信インターフェイスによって、予約管理装置200を介して、車両情報等を充電管理装置400に送信する。端末装置100は、車両の走行予約などを行うとともに車両300の評価等を行う装置であり、入力された走行予約に関する情報などを予約管理装置200に送信する。なお、
図2において車両300と端末装置100は説明の便宜のため1台ずつの記載となっているが、充電管理装置400と予約管理装置200は、当然複数の車両と端末装置と接続することが可能である。また、車両情報等は、車両300から予約管理装置200を介して充電管理装置100に送信されるようにしたが、予約管理装置200を介することなく、直接車両300から充電管理装置100に送信されてもよい。
【0019】
2.端末装置100の構成
図3は、本開示に係る端末装置100の構成の例を示すブロック図である。端末装置100は、
図3に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0020】
端末装置100は、一例としては、スマートフォンに代表される無線通信可能な携帯型の端末装置が挙げられる。しかし、それ以外にも、フィーチャーフォン、携帯情報端末、PDA、ラップトップパソコン、デスクトップパソコンなど、本開示に係るアプリケーションを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。
【0021】
図3によると、端末装置100は、ディスプレイ111、プロセッサ112、GPSセンサ114を含むセンサ113、通信処理回路116及びアンテナを含む通信インターフェイス115、RAM、ROM、又は不揮発性メモリ(場合によっては、HDD)等を含むメモリ117、タッチパネル119及びハードキー120を含む入力インターフェイス118を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0022】
ディスプレイ111は、プロセッサ112の指示に応じて、メモリ117に記憶された画像情報を読み出して、本開示に係る走行予約アプリケーションの実行によって生成される各種表示(例えば、
図11A~
図11C及び
図13A、
図13B)を行う表示部として機能する。ディスプレイ111は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイから構成される。
【0023】
入力インターフェイス118は、タッチパネル119及び/又はハードキー120等から構成され、利用者からの走行予約アプリケーションの起動や予約に係る指示入力を受け付ける。タッチパネル119は、ディスプレイ111を被覆するように配置され、ディスプレイ111の表示する画像データに対応する位置座標の情報をプロセッサ112に出力する。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式など、公知の方式を利用することができる。本実施形態においては、タッチパネル119は、指示体によりなされたスワイプ操作やタップ操作を検出する。
【0024】
プロセッサ112は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ117に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ112は、本実施形態に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ117から読み出して実行する。本実施形態においては、特に、プロセッサ112は、入力インターフェイス118において利用者の指示入力を受け付けると通信インターフェイス115を介して利用者情報を送信する処理、利用者情報に基づいて抽出された車両において将来予定される走行予約の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を示す情報を含む車両情報を受信する処理、利用者情報に基づいて抽出された車両の将来予定される走行の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を示す情報、車両の予約スケジュール情報及び評価情報を含む車両情報を受信する処理、受信したターゲット残充電量に基づいて車両の新たな走行予約が可能であることを示す表示をディスプレイ111に出力する処理、受信した予約スケジュール情報に基づいて車両の走行予約の可否を示す表示を前記ディスプレイ111に出力する処理、ターゲット残充電量に基づいて当該走行予約において走行可能な距離を示す情報をディスプレイ111に出力する処理、車両が再生可能エネルギー源から充電のための電力の供給を受けた電力量を示す情報をディスプレイ111に出力する処理等を実行する。なお、プロセッサ112は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUで構成しても良い。
【0025】
メモリ117は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本実施形態に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ112により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられるメモリである。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。本実施形態においては、特に、メモリ117には、入力インターフェイス118において利用者の指示入力を受け付けると通信インターフェイス115を介して利用者情報を送信する処理、利用者情報に基づいて抽出された車両において将来予定される走行予約の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を示す情報を含む車両情報を受信する処理、利用者情報に基づいて抽出された車両の将来予定される走行の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を示す情報、車両の予約スケジュール情報及び評価情報を含む車両情報を受信する処理、受信したターゲット残充電量に基づいて車両の新たな走行予約が可能であることを示す表示をディスプレイ111に出力する処理、受信した予約スケジュール情報に基づいて車両の走行予約の可否を示す表示を前記ディスプレイ111に出力する処理、ターゲット残充電量に基づいて当該走行予約において走行可能な距離を示す情報をディスプレイ111に出力する処理、車両が再生可能エネルギー源から充電のための電力の供給を受けた電力量を示す情報をディスプレイ111に出力する処理等のためのプログラムが記憶される
【0026】
通信インターフェイス115は、通信処理回路116及びアンテナを介して、遠隔に設置された予約管理装置200、充電管理装置400及び車両300との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路116は、本実施形態に係る走行予約アプリケーションを実行するためのプログラムや、当該アプリケーションにおいて利用される各種情報等を、当該アプリケーションの進行に応じて、予約管理装置200、充電管理装置400及び車両300から受信するための処理をする。また、当該アプリケーションの実行の結果を予約管理装置200や充電管理装置400に送信するための処理をする。
【0027】
通信処理回路116は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、または加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0028】
センサ113は、GPSセンサ114を含む。GPSセンサ114は、複数の衛星との通信によって端末装置100の現在位置情報を検出する。現在地情報の検出は、所定間隔(例えば、3分毎)で実行することが可能である。なお、本実施形態において、センサ113で検出される現在地情報は、現実空間における緯度・経度等の座標情報であったり、現実空間に形成されたエリア(例えば市区町村や都道府県など)を特定する情報であってもよい。また、本実施形態においてはセンサ113の例としてGPSセンサ114等を挙げたが、これに限らず、wifiのアクセスポイントや広帯域無線通信の基地局の情報等も現在地情報として利用することが可能であり、これらの情報を取得可能な通信処理ユニットなどもセンサ113として利用し得る。
【0029】
3.充電管理装置400の構成
図4は、本開示に係る充電管理装置400の構成の例を示すブロック図である。充電管理装置400は、
図4に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0030】
図4によると、充電管理装置400は、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ、HDD等を含むメモリ411、CPU等から構成されるプロセッサ412、出力インターフェイス413、及び通信インターフェイス414を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0031】
メモリ411は、RAM、ROM、不揮発性メモリ、HDDを含み、記憶部として機能する。当該メモリ411は、本実施形態に係る各処理のための指示命令やOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。このようなプログラムは、プロセッサ412によってロードされ実行される。また、メモリ411は、
図5Aに示された車両情報テーブル、
図5Bに示されたステーション情報テーブル、
図5Cに示された予測残充電量情報テーブル、及び予約情報テーブルなどの様々な情報を記憶する。また、本実施形態においては、メモリ411は、所定の単位電力量あたりで走行可能な距離を示す電費情報、充電能力を示す情報及びスケジュール情報に基づいて一又は複数の走行予約における走行前のターゲットとなる残充電量であるターゲット残充電量を算出する処理、供給される電力量に余剰がある時間帯に充電する時間枠を設定するよう指示する処理等を実行するためのプログラムを記憶する。
【0032】
プロセッサ412は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ411に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御するための制御部として機能する。本実施形態においては、特に、プロセッサ412は、所定の単位電力量あたりで走行可能な距離を示す電費情報、充電能力を示す情報及びスケジュール情報に基づいて一又は複数の走行予約における走行前のターゲットとなる残充電量であるターゲット残充電量を算出する処理、供給される電力量に余剰がある時間帯に充電する時間枠を設定するよう指示する処理等を実行する。プロセッサ412は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUで構成しても良い。
【0033】
通信インターフェイス414は、一例として、予約管理装置200、車両300及び/又は端末装置100とネットワーク500を介して、本実施形態に係るプログラム、各種情報等を送受信するために、変調や復調などの処理を行う。通信インターフェイス414は、公知の無線通信方式や公知の有線通信方式にしたがって、上記の各装置と通信する。本実施形態においては、特に車両300から車両情報を受信したり、予約管理装置200から車両の走行予約状況を示すスケジュール情報等を受信するとともに、各装置にターゲット残充電量に関する情報や更新されたスケジュール情報を送信する。
【0034】
出力インターフェイス213は、特に図示はしていないが、プリンタやディスプレイ等の様々な外部機器との間で情報の入出力をするための情報入出力部として機能する。出力インターフェイス213は、シリアルポート、パラレルポート、USB等、所望に応じて公知の接続形式を採用することが可能である。
【0035】
4.各メモリに記憶される情報
図5Aは、本開示の第1実施形態に係る充電管理装置400に記憶される車両情報テーブルを概念的に示す図である。当該車両情報テーブルに記憶される情報は、車両300から処理の進行に応じて随時受信され、更新してメモリ411に記憶される。
【0036】
図5Aによると、車両情報テーブルには、車両ID情報に対応付けて、ステーションID情報、現在の残充電量情報、電費情報、再エネ比率情報、評価情報がそれぞれ記憶されている。「車両ID情報」は、車両ごとに付与された固有の情報で各車両を特定する情報である。「ステーションID情報」は、車両が充電ステーションに接続されると充電ステーションから送信される情報で、当該車両が接続された充電ステーションを特定する情報である。当該車両が現在充電ステーションに接続されている場合に送信される。「現在の残充電量情報」は、各車両の現在の残充電量を示す情報である。「電費情報は」は、所定の単位電力量(例えば、1kWh)あたりで走行可能な距離を示す情報である「再エネ比率情報」は、当該車両に対して将来の走行予約に充電される電力量のうち再生可能エネルギー源から供給を受ける電力量の割合を示す情報である。「評価情報」は、端末装置100の各利用者が車両を利用した際に入力した評価情報に基づいて、当該車両を評価した結果を示す情報である。
【0037】
図5Bは、本開示の第1実施形態に係る充電管理装置400に記憶されるステーション情報テーブルを概念的に示す図である。当該ステーション情報テーブルに記憶される情報は、あらかじめメモリ411に記憶される。
【0038】
図5Bによると、ステーション情報テーブルには、ステーションID情報に対応付けて充電量情報が記憶されている。「ステーションID情報」は、充電ステーションごとに付与された固有の情報で各充電ステーションを特定する情報である。「充電量情報」は、各充電ステーションの充電能力を関連する情報である。一例としては、単位時間当たりの充電量(例えば、40kW)が用いられる。当該充電量情報は、ターゲット残充電量を算出するのに主に用いられる。
【0039】
図5Cは、本開示の第1実施形態に係る充電管理装置400に記憶される予測残充電量情報テーブルを概念的に示す図である。当該予測残充電量情報テーブルに記憶される情報は、充電管理装置400により各値が算出されるごとに更新して記憶される。
【0040】
図5Cによると、予測残充電量情報テーブルは、各車両、すなわち各車両IDごとに一つのテーブルが生成される。そして、所定時間ごとに、ターゲット残充電量情報が記憶される。「ターゲット残充電量情報」は、将来予定される走行予約の走行開始時において最低限必要とされる残充電量を示す情報である。なお、ターゲット残充電量情報は、一例としては、2週間を所定間隔で分割して分割された期間ごとに算出される。
【0041】
図5Dは、本開示の第1実施形態に係る充電管理装置400に記憶される予約情報テーブルを概念的に示す図である。当該予約情報テーブルに記憶される情報は、予約管理装置200から受信され、充電管理装置400により更新されたのち、再び予約管理装置200に送信され管理される。
【0042】
図5Dによると、予約情報テーブルは、車両ごとの予約スケジュールを示す情報で、各車両ID情報に対応付けて、時間ごとに走行状態すなわち走行予約の有無が記憶されたテーブルである。当該予約情報テーブルは、端末装置100で受け付けられた車両利用者からの入力に基づいて、走行予約が入力され、予約管理装置200において管理される。その後、充電管理装置400に送信され、将来の残充電量の予測に基づいて当該予約情報テーブルに充電として確保すべき期間が更新して記憶され、再び予約管理装置200に送信される。充電として確保すべき期間が記憶された時間については、利用者が当該車両の予約ができない時間となる。
【0043】
5.充電管理装置400の機能
図6は、本開示の第1実施形態に係る充電管理装置400の機能を示す機能ブロック図である。具体的には、
図6は、
図4に示された構成を有する充電管理装置400が、予約管理装置200等と連携して行う各機能を示す図である。
【0044】
図6によると、充電管理装置400は、記憶部411、通信部414、出力部413、及び制御部412の各機能ブロックを有する。このうち、記憶部411、通信部414及び出力部413は、
図4で示すメモリ411、通信インターフェイス414及び出力インターフェイス413に対応して、各構成が有する機能をそれぞれ実行する。例えば、通信部414は、予約管理装置200から車両状況情報、車両を特定する情報(車両ID情報)を含む車両情報、予約スケジュール情報、予約処理情報等を受信する。ここで、車両状況情報は、予約管理装置200において受信された各車両300から車両ID情報とともに車両の現在の状況に関する情報であり、車両が現在走行状態にあるのか又は充電状態にあるのかを示す情報である。また、予約スケジュール情報は、予約管理装置200において、各端末装置100の利用者からの入力に基づいて各車両の利用予約時間枠が確保された予約情報テーブルに記憶された情報である。予約処理情報は、各端末装置100において予約アプリケーション等を介して受け付けられた車両の利用予約に係る情報である。そして、記憶部411は、通信部414が受信した車両状況情報、車両情報、予約スケジュール情報、予約処理情報等を記憶する。
【0045】
次に、
図6によれば、制御部412は、残充電量予測部412a、予約スケジュール更新部412b及び充電時間シフト部412cの各機能ブロックを有する。このうち、残充電量予測部412aは、予約管理装置200から受信した上記情報に基づいて、車両の新規の利用予約を入れるタイミング(例えば、利用者が端末装置100において特定の車両を選択した選択情報を受信したタイミング)、新規の利用予約が入ったタイミング、残充電量の実測値とターゲット残充電量との乖離が大きいと判断されたタイミングでターゲット残充電量の再計算が必要であると判断する。
【0046】
そして、残充電量予測部412aは、通信部414で予約管理装置200から受信した車両情報及び予約スケジュール情報に基づいてターゲット残充電量の予測処理を行う。ここで、車両情報には、接続された各車両300に車両ID情報、現在の残充電量及びステーションID情報が少なくとも含まれ、各車両から所定のタイミングで予約管理装置が受信する。
【0047】
予約スケジュール更新部412bは、予測されたターゲット残充電量に基づいて、充電時間として確保すべき時間を、記憶部411に記憶された予約スケジュール情報に更新して記憶する。充電時間シフト部412cは、スケジューリングされていた車両300への充電時間を、予約スケジュール更新部412bによって算出されたターゲット残充電量に基づいて、例えば再生可能エネルギー源からの供給がより大きいなどの理由により、供給される電力量に余剰がある時間帯(余剰電力発生期間)にシフトさせる処理を行う。
【0048】
6.充電管理装置400で行われる処理フロー(ターゲット残充電量の予測処理)
図7は、本開示の第1実施形態に係る充電管理装置400において実行される処理フローを示す図である。具体的には、主に
図6の残充電量予測部412a及び予約スケジュール部412bによって行われる機能を示す。当該処理フローは、所定周期(例えば15分毎)で、主にプロセッサ412がメモリ411に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって行われる。
【0049】
図7によると、プロセッサ112は、予約管理装置200から受信してメモリ411に記憶された情報を読み出す処理を行う。具体的には、プロセッサ412は、
図5Dの予約情報テーブルを参照して、車両V1の予約スケジュール情報を読み出す(S101)。次に、プロセッサ412は、
図5Aの車両情報テーブルを参照して、車両V1に対応付けられた電費情報を読み出す(S102)。さらに、プロセッサ412は、
図5Aの車両情報テーブル及び
図5Bのステーション情報テーブルを参照して、車両V1が接続されているステーションIDに対応付けられた充電量情報を読み出す(S103)。
【0050】
S101~S103においてターゲット残充電量の算出に必要な情報を読み出すと、プロセッサ412は予約スケジュール情報に登録された各予約の終了時に必要なターゲット残充電量を算出する(S104)。例えば、予約スケジュール情報において最後の予約である予約3が時間t7~t8でスケジュールされている。このとき、プロセッサ412は、当該予約の終了時のターゲット残充電量を「0」として算出する。次に、プロセッサ412は、各予約の開始時に必要なターゲット残充電量を算出する(S105)。例えば、予約スケジュール情報において最後の予約である予約3が時間t7~t8でスケジュールされている。このとき、プロセッサ412は、この予約3において消費される電力量を予約されている時間と電費情報に基づいて算出し、S104で算出された終了時のターゲット残充電量に算出された消費電力量を加算することで、走行予約開始時に必要とされるターゲット残充電量を算出する。
【0051】
プロセッサ412は、最後の予約(つまり、予約3)について各ターゲット残充電量が算出されると、その一つ前の予約(たとえば、予約2)について、走行予約終了時のターゲット残充電量と、走行予約開始時のターゲット残充電量を算出する。まず、プロセッサ412は、この予約(つまり、予約2)と一つ後の予約(つまり、予約3)との間の空き時間と充電ステーションの充電量(充電能力)とに基づいて空き時間に充電可能な電力量を算出し、一つ後の予約(つまり、予約3)の走行開始時のターゲット残充電量から算出された充電可能な電力量を減算することで、走行予約終了時のターゲット残充電量を算出する。次に、プロセッサ412は、この予約2において消費される電力量を予約されている時間と電費情報に基づいて算出し、算出された予約2の終了時のターゲット残充電量に算出された消費電力量を加算することで、予約2の走行予約開始時に必要とされるターゲット残充電量を算出する。
【0052】
プロセッサ412は、同様の方法で、すべての走行予約について、終了時のターゲット残充電量と開始時のターゲット残充電量を算出する。そして、プロセッサ412は、算出された各走行予約の開始時及び終了時のターゲット残充電量を、メモリ411の予測残充電量情報テーブルに記憶する。このように、例えば最初の予約である予約1に着目すると、この予約1の開始時のターゲット残充電量は、予約3の予約時間で消費される電力量と、予約2の予約時間で消費される電力量と、予約1の予約時間で消費される電力量の全てに基づいて算出される。
【0053】
プロセッサ412は、上記S104及びS105において、各走行予約の開始時のターゲット残充電量と終了時のターゲット残充電量の算出が終了すると、各走行予約の開始時のターゲット残充電量を確保するのに必要な充電時間を算出する(S106)。具体的には、プロセッサ412は、ある走行予約(例えば、予約3)の開始時のターゲット残充電量から一つ前の走行予約(例えば、予約2)の終了時のターゲット残充電量とに基づいて、走行予約開始時までに充電すべき電力量を算出し、その電力量を充電能力で割ることによって充電時間を算出する。そして、プロセッサ412は、両走行予約(例えば、予約3と予約2)の間の空き時間の中から算出された充電時間分を充電枠として設定し、スケジュール情報テーブルに充電枠として記憶する(S107)。また、プロセッサ412は、設定された充電枠において、充電開始時のターゲット残充電量として前の走行予約の終了時のターゲット残充電量を、充電終了時のターゲット残充電量として次の走行予約の開始時のターゲット残充電量を、それぞれメモリ411の予測残充電量情報テーブルに記憶する。
【0054】
以上の処理によって、将来予定される前記走行前のターゲットとなる残充電量であるターゲット残充電量が算出される。なお、S105において電費情報を利用して予約開始時のターゲット残充電量を算出したが、この情報に加えて、又は変えて車両の平均時速などの情報を用いることも可能である。
【0055】
7.充電管理装置400で行われる処理フロー(予約スケジュールの更新処理)
図8は、
図7の処理フローに従って、車両ID情報「V1」の将来の時間t0~t9においてスケジュールされた予約1、予約2及び予約3の開始時及び終了時のターゲット残充電量が示されている。
【0056】
図8のターゲット残充電量曲線K1に着目すると、例えば予約2の終了時はターゲット残充電量がゼロとなる。したがって、プロセッサ412は、予約スケジュール情報には次の期間である時間t6~t7は必ず充電状態となるように「充電」を入力するよう更新する。また、予約2の開始時(t3)のターゲット残充電量はバッテリの略全量である。他方、直前の予約1の終了時(t2)のターゲット残充電量は略半分の量である。したがって、プロセッサ412は、直前の予約1の終了時では次の予約2において必要とされる充電量が確保できないため、予約1の終了後の時間t2~t3は充電場となるように「充電」を入力するよう予約スケジュール情報を更新する。
【0057】
なお、例えば、予約1の終了後のターゲット残充電量が次の予約2の開始時のターゲット残充電量を超える場合には、その間の時間t2~t3は充電時間として確保する必要はない。したがって、このような場合は、プロセッサ412は、充電時間としてではなく、その余剰分に相当する時間だけ引き続き走行予約が可能な時間として確保する。このように、算出されたターゲット残充電量に基づいて、予約スケジュール情報の充電状態と走行予約の可否が決定される。
【0058】
8.充電管理装置400で行われる処理フロー(充電時間シフト処理)
図9は、本開示の第1実施形態に係る充電管理装置400において実行される処理フローを示す図である。ここで、近年環境意識の高まりなどから、充電ステーションに供給される太陽光などの再生可能エネルギー源は、原子力エネルギー源や、石炭・石油などの炭素エネルギー源等のエネルギー源と比較して、非常に注目度が高まっている。そして、多くの家屋やオフィスビルなどで再生可能エネルギーによる発電設備が完備され、そこで発電された電力を併設のバッテリなどで蓄電する技術・サービスが発展している。その結果、充電ステーションは、通常は石炭・石油や原子力などを利用して発電された発電所からエネルギーの供給を受けるが、これとは別に家屋やオフィスビルなどに設置された再生可能エネルギー源により発電された電力を蓄電したバッテリから電力の供給を受けることも可能である。そこで、
図9においては、当初スケジューリングされていた車両300への充電時間を、算出されたターゲット残充電量に基づいて、例えば再生可能エネルギー源からの供給がより大きいなどの理由により、供給される電力量に余剰がある時間帯(余剰電力発生期間)にシフトするように指示可能にした。すなわち、充電時間シフト処理は、例えば再生可能エネルギー源からの電力の供給があるなど、供給される電力量に余剰がある時間帯(余剰電力発生期間)に充電時間をシフトする処理のことである。
【0059】
図9は、
図6で示した充電源の切り替え処理において充電管理装置400によって行われる処理フローである。当該処理フローは、所定周期(例えば15分毎)で、主にプロセッサ412がメモリ411に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって行われる。
【0060】
まず、プロセッサ412は、充電ステーションに電気的に接続された構造体(例えば、家屋やオフィスビルなど)に設置されたバッテリの余剰電力量の予測が記憶された余剰電力量情報テーブルを外部から受信し記憶する。そして、充電する車両300が接続された充電ステーションのステーションID情報が紐づけられたバッテリにおいて、余剰電力の発生期間の有無を判断する(S201)。
【0061】
次に、プロセッサ412は、余剰電力発生期間がある場合には、その余剰電力を消費する車両間の優先順位を決定する(S202)。具体的には、車両ごとにあらかじめ登録された充電量(単位時間あたりに充電可能な電力量:通常は
図5Aの車両情報テーブル等に記憶される。)と、余剰電力発生期間内における各車両の充電可能時間(つまり、ターゲット残充電量に基づいて更新された各車両の予約スケジュール情報のうち非走行状態となっている期間)の長さとに基づいて、余剰電力発生期間内に充電可能な量が多い車両に優先的に再生可能エネルギー源を割り当てるように、車両ごとの優先順位を決定する。
【0062】
次に、プロセッサ412は、決定された優先順位に従って、余剰電力発生期間に電力を供給するようスケジュールを割り当てる(S203)。そして、プロセッサ412は、再び
図7に記載した処理フローで、割り当てられた期間については再生可能エネルギー源を利用する前提で、再度ターゲット残充電量の算出を行う(S204)。その結果、割り当てられた余剰電力発生期間の全てを再生可能エネルギー源による充電を行わなくても、次の予約開始時のターゲット残充電量を確保できると判断される場合には、プロセッサ412は、その余りとなる充電量分を次の優先順位の車両に割り当てるよう予約スケジュールを補正する(S205)。プロセッサ412は、余剰電力発生期間にシフトして充電される車両の充電スケジュールを決定し、その決定された充電スケジュールで充電するよう充電ステーションに指示する(S206)。
【0063】
次に、プロセッサ412は、決定した再生可能エネルギー源の割り当てに基づいて、各車両において将来の走行予約に充電される電力量のうち再生可能エネルギー源から供給を受ける電力量の割合が算出される。例えば、決定した再生可能エネルギー源の割り当ての結果、
図8に示された時間t6~t7の間に再生可能エネルギー源による充電が割り当てられたとする。その場合、予約3開始時において、充電量×再生可能エネルギー源による充電時間(時間t6~t7)を算出することで再生可能エネルギー源の充電量が算出される。そして、予約3開始時のターゲット残充電量に対する再生可能エネルギー源の充電量の割合が算出される。そして算出された割合は、予約3開始時の割合として
図5Aに示す車両情報テーブルに記憶される。
【0064】
このように、充電ステーションにおいて余剰電力発生期間がある場合には、ターゲット残充電量に基づいて、余剰電力供給期間以外に本来であれば行われる充電を、余剰電力供給期間内にお行われるように、充電する時間をシフトすることも可能になる。なお、上記においては、環境を考慮していわゆる再生可能エネルギー源の割合が多い余剰電力供給期間内に充電時間をシフトする場合を例に挙げたが、例えば費用や充電効率などの観点から充電する時間をシフトさせるようにしてもよい。
【0065】
9.端末装置100で行われる処理フロー(車両の走行予約に係る処理)
図10は、本開示に係る端末装置100において実行される処理フローを示す図である。具体的には、
図10は、利用者が端末装置100において走行予約アプリケーションを起動したのちに行われる処理フローを示す。当該処理フローは、所定周期で、主にプロセッサ112がメモリ117に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって行われる。
【0066】
まず、プロセッサ112は、入力インターフェイス118において利用者による走行予約アプリケーションの起動の指示入力が受け付けられ、当該アプリケーションが起動されたか否かを判断する(S301)。走行予約アプリケーションの起動は、一例としては、タッチパネル119を介して端末装置100の待ち受け画面で当該アプリケーションの起動アイコンをクリックすることにより行われる。走行予約アプリケーションの起動がされた場合には、プロセッサ112は、当該アプリケーションに初期登録された利用者の利用者ID情報や、GPSセンサ114などにより検出された端末装置100の現在地情報を含む利用者情報を予約管理装置200に送信する(S302)。
【0067】
そして、特に図示はしていないが、利用者情報を受信した予約管理装置200は、受信した現在地情報に基づいて、例えば半径5km以内に存在する充電ステーションで充電されている車両を抽出する。そして、予約管理装置200は、充電管理装置400においてターゲット残充電量に基づいて充電枠が確保されたのちの各車両の予約スケジュール情報をあらかじめ受信して格納し、その中から抽出された車両の車両ID情報に対応する予約スケジュール情報を抽出する。また、予約管理装置200は、充電管理装置400から再エネ比率情報や評価情報が更新されたのちの車両情報テーブルを受信して格納し、その中から抽出された車両の車両ID情報に対応する再エネ比率情報と評価情報を抽出する。さらに、予約管理装置200は、充電管理装置400から各車両において算出された予測残充電量情報テーブルを受信して格納し、その中から抽出された車両の車両ID情報に対応するターゲット残充電量情報を抽出する。そして、予約管理装置200は、抽出されたこれらの情報を、抽出車両情報として端末装置100に送信する。
【0068】
端末装置100のプロセッサ112は、上記のとおり抽出された抽出車両情報を、通信インターフェイス115を介して受信するよう制御する(S303)。受信した抽出車両情報は、各車両ID情報に対応付けて、メモリ117に記憶される。そして、プロセッサ112は、記憶された情報に基づいて、利用者が視認可能なように、抽出された車両の情報を利用可能な車両リストとしてディスプレイに表示するよう制御する(S304)。
【0069】
ここで、
図11Aは、本開示に係る端末装置100に表示される画面の例を示す図である。具体的には、
図11Aは、利用可能な車両として抽出された車両のリスト画面の例を示す図である。
図11Aによれば、予約管理装置200において位置情報に基づいて抽出された車両の情報が含まれた車両パネル24がリスト状にディスプレイ111に表示されている。車両パネル24には、車両の利用単価や車両の基本スペックに関する情報に加えて、他の利用者等が行った当該車両に対する評価情報が表示され、利用者が簡易に所望の車両を選択できるようになっている。
【0070】
なお、各車両の評価情報は、当該車両の利用者が入力した評価情報(評価情報の入力に係る処理の詳細は後述する。)に基づいて算出される情報である。例えば、各利用者が入力した各項目別の評価結果の合計ポイントを算出し、すべての合計ポイントの平均値を求め、その平均値から「汚い」、「少し汚い」、「ふつう」、「きれい」、「すごくきれい」の5段階に分類することによって行われる。当該方法や表示される車両の評価情報の例は、いずれも一例であるにすぎず、他の方法で算出された評価情報であってもよい。
【0071】
また、
図11Aの例では、車両パネル24が3個表示される場合について説明したが、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、ディスプレイ111上に一度に表示できない場合には、入力インターフェイス118でスクロースの指示入力を受け付けることで順次表示できるようにしてもよい。また、抽出された抽出車両情報は必ずしもリスト状に表示する必要はなく、例えば端末装置100の現在地を中心とするマップ上に各車両の配置位置をプロットしたマップ表示であってもよい。
【0072】
再び
図10に戻り、プロセッサ112は、
図11Aに示された車両リストの中から所望の車両の選択に係る指示入力を入力インターフェイス118が受け付けると、予約希望車両の選択を確定するための一連の表示を行うようディスプレイ111を制御する(S305)。
【0073】
図11B及び
図11Cは、本開示に係る端末装置100に表示される画面の例を示す図である。具体的には、
図11Bは、
図11Aに表示された車両リストの中から所望の車両を選択したのち、当該車両の走行予約時間を入力するための画面である。また、
図11Cは、
図11Bの画面で走行予約時間の入力等を行ったのちに表示される予約詳細情報を表示する画面である。
【0074】
図11Bによれば、ディスプレイ111には、抽出車両情報に含まれる予約スケジュール情報に基づいて、予約状況表示26がなされている。当該予約状況表示26には、すでに予約されている枠と、算出されたターゲット残充電量に基づいて確保された充電枠と、算出されたターゲット残充電量に基づいて割り当てられた予約可能枠とが区別可能に表示されている。また、ディスプレイ111には、利用希望時間の入力ボックス27が表示されている。当該入力ボックス27には、入力インターフェイス118が利用者の指示入力を受け付けることによって、利用開始希望時間と利用終了希望時間がそれぞれ入力される。さらに、ディスプレイ111には、利用者による予約希望を受け付ける予約アイコン28が表示されている。
【0075】
ここで、プロセッサ112は、ターゲット残充電量に基づいて更新された予約スケジュールを参照し、入力ボックス27に入力された利用希望時間が予約可能枠に含まれるか否かを判断し、含まれる場合のみ予約アイコン28を活性化させる。具体的には、プロセッサ112は、入力された利用希望時間が予約可能枠に含まれない場合には、予約アイコン28を例えばグレーにハイライト表示し利用者が予約できないことを視認可能に表示する。他方、プロセッサ112は、入力された利用希望時間が予約可能枠に含まれる場合には、予約アイコン28を例えばブルーにハイライト表示し利用者が予約できることを視認可能に表示する。そして、活性化された予約アイコン28に対する利用者の指示入力を入力インターフェイス118が受け付けると、プロセッサ112はディスプレイ111に
図11Cに示す画面を表示するよう制御する。
【0076】
図11Cによれば、ディスプレイ111には予約詳細画面が表示されている。具体的には、ディスプレイ111に、走行予約の候補となる車両の写真11とともに、車両の基本情報12が表示される。この基本情報12は、抽出車両情報に含まれる評価情報や、車両の利用単価、車両の基本スペックに関する情報などが表示される。当該画面に表示される評価情報は、
図11Aに示された画面において表示される評価情報と同様である。また、ディスプレイ111には、今回の予約で予定される走行距離を示す情報15と、今回の予約において走行可能な距離を示す情報16とが表示される。今回の予約で予定される走行距離を示す情報15は、予約された時間とあらかじめ車両ごとに記憶された走行時の平均時速に基づいて算出された距離の情報である。今回の予約において走行可能な距離を示す情報16は、今回の走行予約の開始時におけるターゲット残充電量に基づく情報である。また、ディスプレイ111には、抽出車両情報に含まれる再エネ比率情報に基づいて、再生可能エネルギー源を供給元とする電力の割合を示す情報18が表示される。このような表示を行うことで利用者は環境に配慮した予約をすることが可能となる。また、ディスプレイ111には、上記の車両を予約することを確定する予約確定アイコン17が表示される。当該予約確定アイコン17に対する利用者の指示入力を入力インターフェイス118が受け付けることによって、プロセッサ112は以降の処理に移行する。
【0077】
再び
図10に戻り、プロセッサ112は、
図11Cに示された画面において予約確定アイコン17に対する利用者の指示入力を入力インターフェイス118が受け付けると、予約管理装置200に予約希望車両情報を送信する(S306)。当該予約希望車両情報には、
図11Aで選択された車両の車両ID情報と、
図11Bで入力された利用希望時間情報とが含まれる。そして、予約管理装置200では、受信した予約希望車両情報に基づいて予約確定可能か否かを判断し、可能である場合には、端末装置100に予約確定情報を送信する。
【0078】
端末装置100のプロセッサ112は、予約確定情報を受信すると(S307)、ディスプレイ111に予約が確定した旨の表示を行う(S308)。当該表示は特に図示はしないが、ディスプレイ111上にポップアップ表示させてもよいし、メール等で通知し当該メール画面を介して表示させるようにしてもよい。以上により、端末装置100のプロセッサ112が行う走行予約に係る処理が終了する。
【0079】
10.端末装置100で行われる処理フロー(評価情報等の入力処理)
本開示においては、上記のとおり、予約時に表示される画面に各車両の評価情報が表示される。そして、当該評価情報は、上記のとおり各利用者が車両の利用を終了するときに入力された項目ごとの評価情報に基づいて算出される。
図12は、本開示に係る端末装置100において実行される処理フローを示す図である。具体的には、
図12は、利用者が車両の利用を終了し評価情報を入力する際に端末装置100において行われる処理フローを示す。当該処理フローは、所定周期で、主にプロセッサ112がメモリ117に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって行われる。
【0080】
まず、プロセッサ112は、入力インターフェイス118において利用者による走行予約アプリケーションの起動の指示入力が受け付けられ、当該アプリケーションが起動されたか否かを判断する(S301)。走行予約アプリケーションの起動がされた場合には、プロセッサ112は、施錠アイコンの選択を入力インターフェイス118が受け付けたか否かを判断する(S402)。そして、施錠アイコンの選択を受け付けたと判断された場合には、車両評価項目及び返却チェック項目の表示を行う(S403)。そして、プロセッサ112は、入力インターフェイス118を介して、表示された車両評価項目及び返却チェック項目に対する利用者の評価情報の入力を受け付ける(S404)。
【0081】
図13A及び
図13Bは、本開示に係る端末装置100に表示される画面の例を示す図である。具体的には、
図13Aは、車両評価項目を表示して各項目の評価を入力する画面の例を示す。
図13Aによると、ディスプレイ111には、「1.乗車前の車両のキレイ度合いは?」、「返却時の車両のキレイ度合いは?」などの各評価項目に関する質問文20が表示される。当該質問文は、あらかじめ予約管理装置200から利用した車両の車両ID情報に紐づいた質問文を受信することによって生成される。また、各質問文20の下部には、その質問文に対する利用者の評価を入力する入力エリア19が表示される。
図13Aの例では、利用者が入力インターフェイス118を介して星アイコンを反転表示させることで、5段階の評価を入力できるようになっている。また、ディスプレイ111には、入力した評価情報を予約管理装置200に送信するための送信アイコン21が表示される。このとき、プロセッサ112は、評価情報がすべて入力されるまでは送信アイコン21を例えばグレーにハイライト表示し、利用者がまだ送信できないことを視認可能に表示する。
【0082】
また、
図13Bによると、ディスプレイ111には、「車内に忘れ物はありませんか?」、「車内の清掃はお済ですか?」などの利用者に対する各返却チェック項目22が表示される。そして、各チェック項目22の下部にはチェック結果を入力するチェック結果入力アイコン23が表示される。
図13Bの例では、「はい」か「いいえ」のいずれかのチェック結果入力アイコンに利用者が入力インターフェイス118を介してタップ操作を入力することで、チェック結果を選択できるようになっている。そして、
図13Aに示す車両評価項目に対する評価情報及び
図13Bに示す返却チェック項目に対するチェック結果のすべて入力されると、送信アイコン21を例えばブルーにハイライト表示し利用者が予約できることを視認可能に表示する。
【0083】
再び
図12に戻り、利用者の送信アイコン21に対する指示入力を入力インターフェイス118が受け付けることにより、プロセッサ112は予約管理装置200に対し通信インターフェイス115を介して評価情報及びチェック結果を送信するよう制御する(S405)。
【0084】
次に、プロセッサ112は、評価情報及びチェック結果の送信がなされたことに基づいて、車両の利用終了処理に移行する。具体的には、利用した車両のドアの施錠を行う処理をするため、プロセッサ112は、通信インターフェイス115を介して車両300に対して施錠指示情報を送信する。そして、車両300から施錠完了情報を受信するまでの間、プロセッサ112はディスプレイ111に施錠中表示をするよう制御する。プロセッサ112は、車両300から施錠完了情報を受信すると、利用が完了した旨を示す利用完了情報を予約管理装置200に送信するよう制御する。以上により、評価情報の入力に係る処理が終了する。
【0085】
このように、本開示においては、評価情報の入力がなければ車両の施錠ができず利用を完了することができないようにした。そのため、多くの評価情報を収集することが可能となる。なお、評価情報の入力は任意にして評価情報の入力をスキップして施錠処理をすることも可能である。また、この評価情報の入力の際に、車両返却時の返却チェック項目に対する入力も受け付けるようにした。これによって、利用者が返却チェック項目で示された事項について忘れて返却するのを防止するとともに、これによるトラブルを未然に防止することが可能である。
【0086】
11.その他
上記において、ターゲット残充電量の算出において、予約スケジュール情報や電費情報などが使用される場合について説明した。しかし、これらの各情報は、上記において具体的に挙げた方法に限らず、様々な方法・手順によって生成することが可能である。例えば、予約スケジュール情報は、あらかじめ利用者が入力した利用予約に加えて、車両ごとの過去の利用履歴を参照し、当該利用履歴から将来の所定期間における利用予測も加味して予約スケジュールを作成することも可能である。具体的には、充電管理装置400は、予約管理装置200から受信した将来の所定期間の予約スケジュール情報に加えて、車両ごとの過去の一定期間(例えば、過去10年間の同じ時期)の車両の予約スケジュール情報を参照する。そして、過去10年間の同時期にはある一定確率以上で入力されていた利用実績については、予約管理装置200から受信した予約スケジュール情報には登録されていなくても、「予約」として当該予約スケジュール情報に登録する。このように更新された予約スケジュール情報に従って、ターゲット残充電量を算出する。さらに、過去の利用履歴や利用された日の曜日、天気などを学習データとして機械学習させた学習器を利用して予約スケジュール情報を更新することも可能である。
【0087】
さらに、電費情報に代えて、又は電費情報に加えて、過去の走行履歴を参照し、当該走行履歴から走行予約されている間に減少が見込まれる電力量を算出することも可能である。具体的には、充電管理装置400は、各利用者ごとに過去の一定期間(例えば、過去10年間)に利用した車両の走行履歴情報を記憶する。走行履歴情報の一例としては、利用時の平均時速、天気、外気温、走行時間、加減速の程度等の情報が含まれる。そして、これらの情報に基づいて、電費情報を重みづけし、重みづけ後の電費情報に基づいてターゲット残充電量を算出する。また、上記走行履歴情報を学習データとして機械学習させた学習器を利用してターゲット残充電量を算出するようにしてもよい。
【0088】
以上、本実施形態においては、将来の各車両の残充電量を予測の予測に基づいた走行予約を可能にするため、利用者にとってより利便性の高い予約システムを実現することが可能となる。
【0089】
本明細書で説明される処理及び手順は、実施形態において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能である。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、端末装置やサーバー装置を含む各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0090】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、
モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複
数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュール
によって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明される各種情報が
単一のメモリや記憶部に格納される旨が説明されたとしても、そのような情報は、単一の
装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散
して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウ
ェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より
多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)
利用者の指示入力を受け付けて、充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに充電された電力を用いて走行する車両の走行予約をするために、利用者の指示入力を受け付けるように構成された入力インターフェイスと、
ネットワークを介して接続された管理装置と通信するための通信インターフェイスと、
所定の指示命令が記憶されるように構成されたメモリと、
所定の情報の表示を行うように構成されたディスプレイと、
前記入力インターフェイスにおいて前記利用者の指示入力を受け付けると前記通信インターフェイスを介して利用者情報を送信し、前記利用者情報に基づいて抽出された車両において将来予定される一又は複数の走行予約の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を示す情報を含む車両情報を受信し、受信したターゲット残充電量に基づいて前記車両の新たな走行予約が可能であることを示す表示を前記ディスプレイに出力するように構成されたプロセッサと、
を含む端末装置。
(付記2)
前記ターゲット残充電量は、前記車両の電費情報、前記車両が接続された充電ステーションの充電能力を示す情報、及び前記車両の予約スケジュール情報とに基づいて算出される、付記1に記載の端末装置。
(付記3)
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを介して前記車両の予約スケジュール情報を受信し、受信した予約スケジュール情報に基づいて前記車両の走行予約の可否を示す表示を前記ディスプレイに出力するように構成された、付記1又は2に記載の端末装置。
(付記4)
前記プロセッサは、前記車両の走行予約が可能であることを示す表示とともに、前記ターゲット残充電量に基づいて当該走行予約において走行可能な距離を示す情報を前記ディスプレイに出力するように構成された、付記1~3のいずれかに記載の端末装置。
(付記5)
前記プロセッサは、前記車両が再生可能エネルギー源から充電のための電力の供給を受けた電力量を示す情報を前記ディスプレイに出力するように構成された、付記1~4のいずれかに記載の端末装置。
(付記6)
前記車両情報は、他の利用者が入力した前記車両の評価情報を含み、
前記プロセッサは、前記車両の走行予約が可能であることを示す表示とともに、前記車両の評価情報を前記ディスプレイに出力するように構成された、
付記1~5のいずれかに記載の端末装置。
(付記7)
前記利用者が前記車両の利用を終了する場合には、前記入力インターフェイスが前記車両の評価情報の入力を受け付けたことに基づいて、前記車両の利用終了を可能にする、付記1~6のいずれかに記載の端末装置。
(付記8)
前記車両の利用終了を可能にすることは前記車両の施錠を可能にすることである、付記7に記載の端末装置。
(付記9)
利用者の指示入力を受け付けて、充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに充電された電力を用いて走行する車両の走行予約をするために、利用者の指示入力を受け付けるように構成された入力インターフェイスと、ネットワークを介して接続された管理装置と通信するための通信インターフェイスと、所定の指示命令が記憶されるように構成されたメモリと、所定の情報の表示を行うように構成されたディスプレイと、を含むコンピュータにおいて、プロセッサが前記指示命令を実行することによりなされる方法であって、
前記入力インターフェイスにおいて前記利用者の指示入力を受け付けると前記通信インターフェイスを介して利用者情報を送信する段階と、
前記利用者情報に基づいて抽出された車両において将来予定される一又は複数の走行予約の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を示す情報を含む車両情報を受信する段階と、
受信したターゲット残充電量に基づいて前記車両の新たな走行予約が可能であることを示す表示を前記ディスプレイに出力する段階と、
を含む方法。
(付記10)
利用者の指示入力を受け付けて、充電ステーションにおいて電気的に接続されてバッテリに充電された電力を用いて走行する車両の走行予約をするために、利用者の指示入力を受け付けるように構成された入力インターフェイスと、ネットワークを介して接続された管理装置と通信するための通信インターフェイスと、メモリと、所定の情報の表示を行うように構成されたディスプレイと、を含むコンピュータを、
前記入力インターフェイスにおいて前記利用者の指示入力を受け付けると前記通信インターフェイスを介して利用者情報を送信し、
前記利用者情報に基づいて抽出された車両において将来予定される一又は複数の走行予約の開始時のターゲットとなるターゲット残充電量を示す情報を含む車両情報を受信し、
受信したターゲット残充電量に基づいて前記車両の新たな走行予約が可能であることを示す表示を前記ディスプレイに出力する、
ように構成されたプロセッサとして機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0091】
100 端末装置
200 予約管理装置
300 車両
400 充電管理装置端末装置
500 ネットワーク