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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 620
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021012884
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022116620
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】谷川 義和
(72)【発明者】
【氏名】河江 大輔
(72)【発明者】
【氏名】森山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】土屋 諒
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-064675(JP,A)
【文献】特開2017-158710(JP,A)
【文献】特開2017-113240(JP,A)
【文献】特開2020-005862(JP,A)
【文献】特開2020-072802(JP,A)
【文献】特開2017-108849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
通常状態と、前記通常状態よりも遊技者に有利な第1状態および第2状態とを含む複数種類の状態の間で状態を移行させる状態制御手段と、
変数値に基づいて第1外部信号および第2外部信号の出力を制御する外部信号制御手段と、
を備え、
前記第1外部信号および前記第2外部信号は、遊技者に有利な状態についての情報を外部の装置に伝える信号であり、
前記外部信号制御手段は、
前記第1状態において、前記変数値を更新前の値に応じた値に更新する更新処理を行い、
前記第2状態において、前記変数値を更新前の値を参照せずに所定の値に設定する設定処理を行い、
前記第1状態において、前記更新処理を毎遊技行うことで、前記第2外部信号が出力され前記第1外部信号が出力されていない状態、前記第1外部信号と前記第2外部信号との両方が出力されていない状態、前記第1外部信号が出力され前記第2外部信号が出力されていない状態の順に、信号の状態を遷移させる
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバー、およびストップボタン等を備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技媒体(メダル)がベットされた後、スタートレバーに対する遊技開始操作がされると複数のリールの回転が開始される。また、各リールに対応して設けられたストップボタンに対する停止操作がされると、当該ストップボタンに対応するリールの回転が停止される。
【0003】
スロットマシン等の遊技機では、遊技機の状態を知らせる外部信号を外部装置に出力することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2018-64675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機においては、プログラムを記憶する記憶手段(メモリ)の記憶容量に厳しく制限がかけられている。このため、プログラムのデータ量を削減することが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、プログラムのデータ量を削減できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
第1状態と第2状態とを含む複数種類の状態の間で状態を移行させる状態制御手段と、
変数値に基づいて外部信号の出力を制御する外部信号制御手段と、
を備え、
前記外部信号制御手段は、
前記第1状態において、前記変数値を更新前の値に応じた値に更新することと、
前記第2状態において、前記変数値を更新前の値を参照せずに所定の値にすることと、を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1状態において変数値を更新前の値に応じた値に更新する処理を複数回行うことで所望の信号遷移を実現できる。したがって、簡易な処理によって所望の信号遷移が実現でき、所望の信号遷移の実現に係るプログラムのデータ量を削減できる。
【0009】
また、本発明の前記構成において、
前記外部信号には、第1外部信号と第2外部信号とがあり、
前記変数値に応じた前記外部信号の状態には、前記第1外部信号と前記第2外部信号とのうちの一方が出力されていない状態と、前記第1外部信号と前記第2外部信号との両方が出力されていない状態と、があることとしてもよい。
【0010】
外部信号を受信する外部装置では、第1外部信号と第2外部信号とのうちの一方が出力されている状態から他方が出力されている状態に切り替える際に、両方が出力されていない状態を挟まずに切り替えると外部信号を正常に取得(認識)できないことがある。本発明では、第1外部信号と第2外部信号とのうちの一方が出力されない変数値と、両方が出力されない変数値とがあるので、変数値に基づく信号遷移について、両方が出力されない状態を挟んだ信号遷移を実現することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プログラムのデータ量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
図2】同、リールの図柄配列を示す図である。
図3】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
図4】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
図5】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
図6】同、遊技状態の状態遷移図である。
図7】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
図8】同、(a)は外部信号変数と外部信号の状態との関係を説明するための図であり、(b)は外部信号変数更新テーブルを説明するための図である。
図9】同、信号更新処理を説明するためのフローチャートである。
図10】同、外部信号の状態遷移を説明するための図である。
図11】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、(a)は外部信号変数と外部信号の状態との関係を説明するための図であり、(b)は外部信号変数更新テーブルを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機に適用されてもよい。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0014】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0015】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの上段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0016】
各リール20a~20cの外周面には、図2に示すように、特殊図柄A「SPA」、ブドウ図柄「GR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、特殊図柄B「SPB」、BAR図柄「BAR」、黒7図柄「黒7」、特殊図柄C「SPC」およびハート図柄「HE」の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0017】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0018】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0019】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図3参照)が設けられている。
【0020】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0021】
図3に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0022】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0023】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、外部信号制御手段200と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0024】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0025】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0026】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0027】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0028】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0029】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、図4に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0030】
図4に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役37が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「ベルALL」、「1枚ALL」、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」、「共通ベル」、「強ベル1」、「強ベル2」、「チャンス目」および「1枚役」が用意されている。また、小役1~小役6は入賞すると7枚のメダルが払い出される7枚役となっており、小役7は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっており、小役8は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっており、小役9~小役37は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」をまとめて打順ベルと呼ぶこととする。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」をまとめて打順チャンス役と呼ぶこととする。
【0031】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役37)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「ベルALL」は、小役1~小役6および小役37が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役9~小役32および小役35~小役37が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」は、7枚役のうちいずれか1種類と、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、7枚役のうちいずれか1種類と、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」は、15枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通ベル」は、小役1~小役6が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強ベル1」は、7枚役(小役4)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強ベル2」は、7枚役(小役5)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目」は、3枚役(小役8)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚役」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0032】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ14が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「弱チャンリプ」、「上段ブドウリプ」、「中段ブドウリプ」、「上段ブドウチャンリプ」、「中段ブドウチャンリプ」、「ハート煽りチャンリプ1」、「ハート煽りチャンリプ2」、「ハート揃いリプ1」、「ハート揃いリプ2」、「リプレイ1」、「リプレイ2」および「リプレイ3」が用意されている。
【0033】
当選エリア「弱チャンリプ」、「上段ブドウリプ」、「中段ブドウリプ」、「上段ブドウチャンリプ」、「中段ブドウチャンリプ」、「ハート煽りチャンリプ1」、「ハート煽りチャンリプ2」、「ハート揃いリプ1」、「ハート揃いリプ2」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」は、それぞれ複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0034】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナスが用意されている。
また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「1枚役」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「1枚役」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようにとなっている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0035】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0036】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図4では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。
また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」、「共通ベル」、「強ベル1」、「強ベル2」、「チャンス目」、「弱チャンリプ」、「上段ブドウリプ」、「中段ブドウリプ」、「上段ブドウチャンリプ」、「中段ブドウチャンリプ」、「ハート煽りチャンリプ1」、「ハート煽りチャンリプ2」、「ハート揃いリプ1」、「ハート揃いリプ2」、「リプレイ1」、「リプレイ2」および「1枚役」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。
また、当選エリア「リプレイ3」は、RBB内部中状態の場合に当選し、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態の場合には当選しないようになっている。
また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0037】
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
【0038】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0039】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0040】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0041】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0042】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0043】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0044】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0045】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0046】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0047】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0048】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
【0049】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0050】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0051】
図5に示すように、打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。なお、図5は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
打順ベルの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると7枚役が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~6を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役9~小役32を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0052】
各打順ベルの正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は互いに異なる打順が正解打順に設定されている。
【0053】
なお、図5における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。また、「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0054】
当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、正解打順で操作がされると、7枚役が入賞するようになっている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0055】
当選エリア「打順チャンス役1」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順3、打順4、打順5または打順6のいずれかの打順で停止操作がされると15枚役が入賞し、打順1または打順2のいずれかの打順で停止操作がされると、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
当選エリア「打順チャンス役2」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順1、打順2、打順5または打順6のうちのいずれかで停止操作がされると15枚役が入賞し、打順3または打順4のいずれかで停止操作がされると、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
当選エリア「打順チャンス役3」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順1、打順2、打順3または打順4のうちのいずれかで停止操作がされると15枚役が入賞し、打順5または打順6のいずれかで停止操作がされると、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
なお、打順チャンス役の各当選エリアは、一般中状態において当選した場合、RBB内部中状態であれば15枚役が入賞する打順で停止操作がされたとしても、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
【0056】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、上述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0057】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0058】
本実施形態の遊技機では、小役1~小役6に入賞すると7枚のメダルが払い出され、小役7に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役8に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役9~小役37に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0059】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0060】
遊技状態制御手段49は、図6に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0061】
また上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0062】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」、「1枚ALL」および「リプレイ3」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0063】
RBB内部中状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0064】
RBB作動中状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば22枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0065】
図7に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば打順ベルが当選した場合に、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0066】
遊技区間制御手段80は、図7に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0067】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0068】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0069】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0070】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0071】
演出状態制御手段81は、図7に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、CZ演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。また、AT演出状態には、通常AT演出状態(通常指示演出状態)、特別AT準備中演出状態、特別AT演出状態、第1継続判定演出状態および第2継続判定演出状態が含まれる。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0072】
(非有利区間演出状態)
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選に当選し有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態へ移行させる。
【0073】
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。通常演出状態は、CZ演出状態およびAT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。換言すると、通常演出状態は、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0074】
演出状態制御手段81は、通常演出状態における所定の契機で演出状態をCZ演出状態に移行させる。例えば、通常演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、CZ演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行い、CZ抽選に当選した場合に演出状態制御手段81が演出状態をCZ演出状態へ移行させることとしてもよい。また、例えば、通常演出状態における遊技の回数に上限(いわゆる天井)を設定し、通常演出状態において所定回数(例えば、500回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81が、演出状態をCZ演出状態へ移行させることとしてもよい。
【0075】
(CZ演出状態)
CZ演出状態は、通常演出状態よりもAT演出状態への移行の期待度が高い演出状態となっている。換言すると、CZ演出状態は、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。なお、CZ演出状態は、AT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。
【0076】
CZ演出状態において、所定の条件が達成されると、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の権利を付与するようになっている。そして、AT演出状態への移行の権利が付与されると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。すなわち、演出状態制御手段81は、CZ演出状態における所定の契機で演出状態をAT演出状態に移行させる。具体的には、例えば、CZ演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行い、AT抽選に当選した場合にAT演出状態への移行の権利を付与することとしてもよい。
【0077】
(AT演出状態)
AT演出状態においては、演出制御手段100は、打順ベルが当選すると、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、打順ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず7枚役が入賞して7枚のメダルを獲得することができるようになっている。
【0078】
また、AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ66とストックカウンタ67とに基づいて管理されている。また、AT終了判定カウンタ66は、AT演出状態において獲得可能なメダルの枚数を管理するカウンタである。ストックカウンタ67は、AT演出状態のストック数を管理するカウンタである。本実施形態の遊技機では、AT終了判定カウンタ66およびストックカウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達した場合にAT演出状態が終了し得るようになっているが、詳しくは後述する。
【0079】
AT演出状態への移行の権利が付与され、AT演出状態が開始される際に、演出状態制御手段81は、演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。
【0080】
(通常AT演出状態)
通常AT演出状態は、AT演出状態が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、AT演出状態の開始時については、通常AT演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。なお、「通常AT演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高い」とは、AT演出状態が開始される際に、必ず通常AT演出状態へ移行する場合を含む。本実施形態では、AT演出状態が開始される際に、演出状態制御手段81は、演出状態を通常AT演出状態または特別AT準備中演出状態へ移行させる。
【0081】
通常AT演出状態には、上乗せ演出状態と消化演出状態とが含まれる。上乗せ演出状態は、AT終了判定カウンタ66の記憶値を増加(上乗せ)させる区間となっている。また、消化演出状態は、AT終了判定カウンタ66の記憶値を減少(消化)させる区間となっている。通常AT演出状態は、上乗せ演出状態から開始され、上乗せ演出状態において所定回数の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態を消化演出状態へ移行させる。そして、消化演出状態においてAT終了判定カウンタ66の記憶値がしきい値「0」に達すると1セットの通常AT演出状態が終了する。すなわち、通常AT演出状態は、上乗せ演出状態において継続期間を決定し、決定された継続期間を消化演出状態において消化する演出状態となっている。なお、上乗せ演出状態の遊技回数は、変動するものであってもよく、固定であってもよい。
なお、上乗せ演出状態を介さずに消化演出状態が開始されることがあってもよい。換言すると、後述するように、本実施形態では、第1継続判定演出状態や第2継続判定演出状態から通常AT演出状態へ移行し得るようになっているが、第1継続判定演出状態や第2継続判定演出状態等から直接消化演出状態へ移行する場合があってもよく、上乗せ演出状態以外の演出状態を介して消化演出状態へ移行する場合があってもよい。
【0082】
上乗せ演出状態では、特典付与手段82は、上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、AT終了判定カウンタ66の記憶値(AT演出状態(消化演出状態)の継続期間)を増加させるか否かを決定する抽選である。上乗せ抽選では、所定の乱数値を取得し、取得した乱数値を記憶手段60のROMに記憶された上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて上乗せ抽選の当選の有無およびAT終了判定カウンタ66の記憶値の増加数を決定する。そして、上乗せ抽選に当選すると、決定された増加数分、AT終了判定カウンタの記憶値を増加させる。上乗せ演出状態は、消化演出状態に比べ、AT終了判定カウンタの記憶値(AT演出状態の継続期間)が増加しやすい演出状態となっており、上乗せ特化区間ともいえる。
【0083】
また、消化演出状態では、演出状態制御手段81は、遊技が行われるごとに、AT終了判定カウンタ66の記憶値から当該遊技の差枚数に相当する値を減算する処理を行う。当該遊技(1回の遊技)の差枚数は、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から、遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して求められる。そして、AT終了判定カウンタ66の記憶値がしきい値「0」に達すると、演出状態制御手段81は、演出状態を第1継続判定演出状態へ移行させる。
【0084】
(第1継続判定演出状態)
第1継続判定演出状態では、ストックカウンタ67の記憶値が「1」以上の場合、演出状態制御手段81は、ストックカウンタ67の記憶値から「1」を減算するとともに、演出状態を通常AT演出状態(上乗せ演出状態)へ移行させる。
【0085】
また、第1継続判定演出状態では、ストックカウンタ67の記憶値が「0」の場合、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT演出状態を継続させるか否かを決定する抽選(第1継続抽選)を行う。そして、第1継続判定演出状態において第1継続抽選に当選すると(AT演出状態の継続が決定されると)、演出状態制御手段81は、演出状態を第1継続判定演出状態から通常AT演出状態(上乗せ演出状態)へ移行させる。すなわち、第1継続抽選は、通常AT演出状態へ移行(復帰)させるか否かを決定する抽選ともいえる。
【0086】
また、第1継続判定演出状態は、実行される遊技の回数が5回に設定されており、第1継続判定演出状態において、ストックカウンタ67の記憶値が「0」であり、かつ第1継続抽選に当選することなく(AT演出状態の継続が決定されることなく)5回の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態を第2継続判定演出状態へ移行させる。
【0087】
(第2継続判定演出状態)
第2継続判定演出状態では、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT演出状態を継続させるか否かを決定する抽選(第2継続抽選)を行う。そして、第2継続判定演出状態において第2継続抽選に当選すると(AT演出状態の継続が決定されると)、演出状態制御手段81は、演出状態を通常AT演出状態(上乗せ演出状態)へ移行させる。すなわち、第2継続抽選は、通常AT演出状態へ移行(復帰)させるか否かを決定する抽選ともいえる。
【0088】
また、第2継続判定演出状態は、実行される遊技の回数が10回に設定されており、第2継続判定演出状態において、第2継続抽選に当選することなく(AT演出状態の継続が決定されることなく)10回の遊技が実行されると、AT演出状態が終了される。換言すると、演出状態制御手段81が演出状態を非有利区間演出状態へ移行させ、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、AT演出状態の終了時に有利区間の終了条件が成立していない場合に、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させずに通常演出状態へと移行させ、有利区間が継続されることがあってもよい。
【0089】
(特別AT演出状態)
上述のように、1セットの通常AT演出状態では、上乗せ演出状態においてAT終了判定カウンタ66の記憶値を増加(上乗せ)させ、消化演出状態においてAT終了判定カウンタ66の記憶値を減少(消化)させるという1セットの遊技が実行されるようになっている。また、1セットの通常AT演出状態は、AT終了判定カウンタ66の記憶値がしきい値「0」に達すると終了し、演出状態が第1継続判定演出状態に移行するようになっている。特典付与手段82は、記憶手段60のRAMに設けられたセット数カウンタ68において、通常AT演出状態(消化演出状態)が何セット行われたかをカウントしており、セット数カウンタ68の記憶値が所定値「3」に達すると(3セットの通常AT演出状態が行われると)、特別AT演出状態への移行の権利を付与する。そして、演出状態制御手段81は、特別AT演出状態への移行の権利が付与された状態において通常AT演出状態が終了すると(AT終了判定カウンタ66の記憶値が「0」に達すると)演出状態を特別AT演出状態へ移行させる。すなわち、通常AT演出状態が3セット繰り返されると、演出状態制御手段81は、演出状態を特別AT演出状態へ移行させる。換言すると、消化演出状態が3セット繰り返されると、演出状態制御手段81は、演出状態を特別AT演出状態へ移行させる。
【0090】
また、本実施形態では、特別AT演出状態へ移行する際には、(必ず)特別AT準備中演出状態を介して移行するようになっている。すなわち、特別AT演出状態への移行の権利が付与された状態において通常AT演出状態が終了すると(AT終了判定カウンタ66の記憶値が「0」に達すると)、演出状態制御手段81は、演出状態を特別AT準備中演出状態へ移行させ、特別AT準備中演出状態において特別AT演出状態への移行条件が成立したことに基づいて(例えば、内部抽選で所定の結果が得られたこと(あるいは有効ライン上に所定の図柄組合せが表示されたこと)に基づいて)演出状態を特別AT演出状態へ移行させる。
【0091】
特別AT演出状態では、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、ストックカウンタ67の記憶値(AT演出状態(通常AT演出状態)のストック数)を増加させるか否かを決定する抽選(ストック抽選)を行う。そして、特別AT演出状態においてストック抽選に当選すると、特典付与手段82は、ストックカウンタ67の記憶値を「1」増加させる。
なお、消化演出状態等の他の演出状態においても、特典付与手段82は、ストックカウンタ67の記憶値を増加させるか否かを決定する抽選(ストック抽選)を行うこととしてもよい。また、特別AT演出状態は、消化演出状態等に比べ、ストックカウンタ67の記憶値(AT演出状態のストック数)が増加する確率が高い演出状態としてもよい。
【0092】
また、特別AT演出状態では、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、第1継続判定演出状態における第1継続抽選の当選確率を上昇させるか否かを決定する抽選を実行してもよい。換言すると、特別AT演出状態では、特典付与手段82は、通常AT演出状態が繰り返される確率(上乗せ演出状態、消化演出状態および第1継続判定演出状態がループする確率)を上昇させるか否かを決定する抽選を実行してもよい。
【0093】
また、特別AT演出状態は、実行される遊技の回数が20回に設定されており、特別AT演出状態において20回の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態を第1継続判定演出状態へ移行させる。
【0094】
なお、上乗せ演出状態、第1継続判定演出状態、第2継続判定演出状態、特別AT準備中演出状態または特別AT演出状態等のそれぞれは、打順ベルが当選した場合の打順ナビ演出が実行されないこととしてもよく、実行されることとしてもよい。換言すると、これらそれぞれの演出状態について、打順ナビ演出が実行される頻度を消化演出状態よりも低くしてもよい。
【0095】
また、非有利区間演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあってもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、CZ演出状態に移行させるか、通常演出状態へ移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。また、通常演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)AT抽選を行い、AT抽選の当選によりAT演出状態への移行を決定すること等があるようにしてもよい(通常演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあるようにしてもよい)。その場合、CZ演出状態よりも通常演出状態の方が、AT抽選に当選する期待度が低く設定されていてもよい。
【0096】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、差枚数カウンタ64、有利区間遊技数カウンタ65、AT終了判定カウンタ66、ストックカウンタ67およびセット数カウンタ68等の記憶値や、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようにされている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0097】
なお、本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態である場合には、指示機能に係る抽選(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行に関する抽選)や、指示演出に関する特典(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態である場合には、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。また、本実施形態では、基本的に遊技者はRBB内部中状態において遊技を行うようにされている。
【0098】
外部信号制御手段200は、複数種類の外部信号を外部装置に出力する。ここで、外部信号は、スロットマシン10の状態を知らせる信号である。また、外部装置300は、例えば、ホールコンピュータ302(遊技場に設置されている遊技機を集中管理するコンピュータ)や、データカウンタ304(遊技機に個別に接続され、遊技機の遊技履歴に関する情報を表示する機器)等であり、スロットマシン10とは別体の装置である(図3参照)。外部信号制御手段200は、スロットマシン10の状態を知らせるために、筐体11内部の上方に設けられた外部集中端子板を介して、外部装置300に外部信号を送信する。また、外部装置300では、外部信号に基づいて各種当りの回数を集計・管理したりする。また、外部装置300では、外部信号に基づいて各種当りの回数等の表示(表示の更新等)がされる。
【0099】
外部信号制御手段200は、AT演出状態が開始される場合(AT演出状態に初当りした場合)に、第1外部信号(BB信号)および第2外部信号(RB信号)を外部装置300に出力する。具体的には、外部信号制御手段200は、例えば有利区間が開始されてから最初にAT演出状態に移行する場合に、第1外部信号(BB信号)および第2外部信号(RB信号)を所定の順序で外部装置300に出力する。また、外部信号制御手段200は、通常AT演出状態または特別AT演出状態が開始(再開)される毎に第1外部信号(BB信号)を外部装置300に出力する。
【0100】
また、外部装置300(ホールコンピュータ302、データカウンタ304等)では、第1外部信号を受信した回数の表示と、第2外部信号を受信した回数の表示とがされる。すなわち、外部装置300では、第2外部信号に基づいて、いわゆる初当り(初当りの回数)の報知(遊技者等への報知)が実行される。また、外部装置300では、第1外部信号に基づいて、通常AT演出状態および特別AT演出状態への移行回数(連荘回数)の報知(遊技者等への報知)が実行される。
【0101】
すなわち、第1外部信号および第2外部信号は、遊技者に有利な所定の状態についての情報を外部装置300に伝える信号となっている。なお、本実施形態では、第1外部信号および第2外部信号は、所定の演出状態についての情報を外部装置300に伝える信号となっているが、所定の遊技状態(ボーナスの入賞(作動))等についての情報を外部装置300に伝えるものであってもよい。すなわち、第1外部信号と第2外部信号とは、遊技機の状態を外部に知らせるものであればよく、第1外部信号と第2外部信号とが互いに異なる情報を伝達可能であればよい。
【0102】
なお、第1外部信号および第2外部信号について、「外部信号を出力する」とは、信号をON状態にするともいえ、「外部信号を出力しない」とは、信号をOFF状態にするともいえる。
【0103】
外部信号制御手段200は、外部信号に関する変数(外部信号変数)に基づいて、外部信号(第1外部信号および第2外部信号)のON状態およびOFF状態を切り替える。すなわち、本実施形態では、外部信号(第1外部信号および第2外部信号)の状態を示す変数として外部信号変数が定義されている。また、本実施形態では、外部信号変数として、「0」~「4」の5種類の値が設定可能とされている。また、外部信号変数は、記憶手段60のRAMに設けられた変数記憶手段250で管理される。すなわち、変数記憶手段250の記憶値が外部信号変数の値となっている。ただし、変数記憶手段250の記憶値そのものが外部信号変数の値となっていなくてもよい。
【0104】
外部信号変数と外部信号の状態との対応関係を図8(a)に示す。
外部信号制御手段200は、外部信号変数が「0」の場合、第1外部信号および第2外部信号をOFF状態(非出力状態)とする。換言すると、外部信号変数が「0」のときは、第1外部信号および第2外部信号がOFF状態となっている。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「1」の場合、第1外部信号および第2外部信号をOFF状態(非出力状態)とする。換言すると、外部信号変数が「1」のときは、第1外部信号および第2外部信号がOFF状態となっている。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「2」の場合、第1外部信号をON状態(出力状態)とする。なお、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「2」の場合、第2外部信号をOFF状態とする。換言すると、外部信号変数が「2」のときは、第1外部信号がON状態、第2外部信号がOFF状態となっている。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「3」の場合、第1外部信号および第2外部信号をOFF状態(非出力状態)とする。換言すると、外部信号変数が「3」のときは、第1外部信号および第2外部信号がOFF状態となっている。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「4」の場合、第2外部信号をON状態(出力状態)とする。なお、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「4」の場合、第1外部信号をOFF状態(非出力状態)とする。換言すると、外部信号変数が「4」のときは、第1外部信号がOFF状態、第2外部信号がON状態となっている。このように、本実施形態では、各外部信号変数について第1外部信号および第2外部信号の状態が定義されている。また、本実施形態では、第1外部信号と第2外部信号とが同時にON状態とならないようにされている。
【0105】
また、外部信号変数が「0」とされているのは、通常演出状態およびCZ演出状態等の第1外部信号および第2外部信号をOFF状態としておくときとなっている。したがって、外部信号変数「0」は、外部信号を非出力としておくことを示すものとして定義された変数ともいえる。換言すると、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「0」に変更されると、第1外部信号および第2外部信号をOFF状態にする。また、外部信号変数が他の値から「1」に変更される前には、第1外部信号はON状態となっている。したがって、外部信号変数「1」は、第1外部信号をOFF状態とすることを示すものとして定義された変数ともいえる。換言すると、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「1」に変更されると、第1外部信号をOFF状態にする。また、外部信号が他の値から「2」に変更される前には、第1外部信号はOFF状態となっている。したがって、外部信号変数「2」は、第1外部信号をON状態とすることを示すものとして定義された変数ともいえる。換言すると、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「2」に変更されると、第1外部信号をON状態にする。また、外部信号が他の値から「3」に変更される前には、第2外部信号はON状態となっている。したがって、外部信号変数「3」は、第2外部信号をOFF状態とすることを示すものとして定義された変数ともいえる。換言すると、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「3」に変更されると、第2外部信号をOFF状態にする。また、外部信号が他の値から「4」に変更される前には、第2外部信号はOFF状態となっている。したがって、外部信号変数「4」は、第2外部信号をON状態とすることを示すものとして定義された変数ともいえる。換言すると、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「4」に変更されると、第2外部信号をON状態にする。
【0106】
外部信号制御手段200は、外部信号の状態を更新する信号更新処理と外部信号の状態を所定状態に設定する信号設定処理とを実行する。信号更新処理は、外部信号変数(変数記憶手段250の記憶値)を更新する処理であり、変数更新処理ともいえる。また、信号設定処理は、外部信号変数(変数記憶手段250の記憶値)を所定値に設定する処理であり、変数設定処理ともいえる。
【0107】
外部信号制御手段200は、通常AT演出状態(上乗せ演出状態および消化演出状態)ならびに特別AT演出状態において、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、信号更新処理を実行する。換言すると、外部信号制御手段200は、通常AT演出状態(上乗せ演出状態および消化演出状態)ならびに特別AT演出状態において、毎遊技、信号更新処理を実行する。
【0108】
各信号更新処理では、更新前の外部信号変数(変数記憶手段250の記憶値)に応じて、更新後の外部信号変数(変数記憶手段250の記憶値)が決定される。すなわち、各信号更新処理では、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数に応じた値に外部信号変数を更新する。ここで、信号更新処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。本実施形態では、図9で示すような信号更新処理がモジュール化されており、上乗せ演出状態、消化演出状態および特別AT演出状態のいずれの演出状態においても、このモジュール化された1つの信号更新処理を呼び出して実行する。
【0109】
信号更新処理においては、外部信号制御手段200は、まず、更新前(現在)の外部信号変数を取得する(ステップS1)。
【0110】
次いで、外部信号制御手段200は、図8(b)に示す外部信号変数更新テーブルを参照し、更新前の外部信号変数に応じて更新後の外部信号変数を決定する(ステップS2)。ここで、外部信号変数更新テーブルは、更新前の外部信号変数と更新後の外部信号変数との対応関係が記憶されたものであり、記憶手段60のROMに設けられた外部信号変数更新テーブル記憶領域251に格納されている。本実施形態では、更新前の外部信号変数と更新後の外部信号変数とが1対1で対応付けられており、外部信号変数更新テーブルを参照することで、更新前の外部信号変数に応じて更新後の外部信号変数を決定することが可能となっている。
【0111】
次いで、外部信号制御手段200は、ステップS2で決定された更新後の外部信号変数に外部信号変数を更新する(ステップS3)。
【0112】
なお、図9に示すフローチャートはあくまで信号更新処理の一例であり、本実施形態における信号更新処理は、外部信号変数について、更新前の外部信号変数が「0」の場合、更新後の外部信号変数が「4」となり、更新前の外部信号変数が「1」の場合、更新後の外部信号変数が「2」となり、更新前の外部信号変数が「2」の場合、更新後の外部信号変数が「2」となり、更新前の外部信号変数が「3」の場合、更新後の外部信号変数が「2」となり、更新前の外部信号変数が「4」の場合、更新後の外部信号変数が「3」となるものであればよい。例えば、外部信号変数更新テーブルを用意せずに、信号更新処理を以下のようにすること等もできる。まず、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数が「0」か否かを判定し、更新前の外部信号変数が「0」の場合、外部信号変数を「4」に更新する。また、更新前の外部信号変数が「0」でない場合、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「4」か否か判定する。そして、更新前の外部信号変数が「4」の場合、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「3」に更新する。また、更新前の外部信号変数が「4」でない場合、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「2」に更新する。なお、本発明は、外部信号変数の値と外部信号の状態との対応関係を本実施形態で説明するものと異ならせて適用することも可能である。
【0113】
外部信号制御手段200は、特別AT準備中演出状態および第1継続判定演出状態において、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、信号設定処理を実行する。換言すると、外部信号制御手段200は、特別AT準備中演出状態および第1継続判定演出状態において、毎遊技、信号設定処理を実行する。
【0114】
各信号設定処理では、外部信号変数(変数記憶手段250の記憶値)が所定値「1」に設定される。すなわち、各信号設定処理では、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数の値に関わらず、外部信号変数を所定値「1」に設定する。換言すると、各信号設定処理では、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数を参照(使用)せずに、外部信号変数を所定値「1」に設定する。
【0115】
また、AT演出状態が終了すると(有利区間が終了すると)、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数の値に関わらず、外部信号変数を所定値「0」に設定(リセット)する。具体的には、例えば、AT演出状態の継続(通常AT演出状態への移行)が決定されることなく第2継続判定演出状態が終了すると、外部信号制御手段200は、外部信号変数を所定値「0」に設定(リセット)する。すなわち、AT演出状態が開始される際(いわゆる初当り時)には、外部信号変数が「0」となるようにされている。
【0116】
ここで、外部信号の状態遷移の一例について図10を参照しながら説明する。なお、ここでは信号更新処理および信号設定処理は、遊技開始操作を契機として実行され、外部信号変数の値に基づく第1外部信号および第2外部信号の状態の切り替えは、第3停止操作を契機として(全てのリール20a~20cの停止後、例えば、払出処理の終了後)に行われることとする。ただし、信号更新処理、信号設定処理および外部信号変数の値に基づく第1外部信号または第2外部信号の切り替えは、本実施形態で説明する契機以外の契機で実行してもよい。例えば、遊技開始操作を契機として外部信号のON状態/OFF状態を切り替えてもよく、第3停止操作を契機として(外部信号のON状態/OFF状態とが切り替わったことに基づいて)外部信号変数を更新(設定)してもよい。
【0117】
まず、CZ演出状態または通常演出状態からAT演出状態へ移行する際の外部信号の状態遷移について、図10(a)を参照しながら説明する。ここで、CZ演出状態および通常演出状態をまとめて非AT演出状態と呼ぶこととする。
【0118】
非AT演出状態においては、外部信号変数が「0」に設定されている。また、外部信号変数が「0」に設定されているため、外部信号制御手段200は、第1外部信号および第2外部信号をOFF状態としている。そして、非AT演出状態等においてAT演出状態への移行の権利が付与され、AT演出状態が開始されると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態、具体的には通常AT演出状態(上乗せ演出状態)へ移行させる。
【0119】
通常AT演出状態では、外部信号制御手段200は、信号更新処理を実行する。ここで、現在(通常AT演出状態(AT演出状態)開始時)の外部信号変数は「0」であるため、外部信号変数は「4」に更新される。すなわち、最初の通常AT演出状態における1回目の遊技(AT演出状態開始後の1回目の遊技)では、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「0」から「4」に更新する。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「4」に更新されたことに基づいて、第2外部信号をON状態とする。また、最初の通常AT演出状態における2回目の遊技(AT演出状態開始後の2回目の遊技)では、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「4」から「3」に更新する。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「3」に更新されたことに基づいて、第2外部信号をOFF状態とする。また、最初の通常AT演出状態における3回目の遊技(AT演出状態開始後の3回目の遊技)では、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「3」から「2」に更新する。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「2」に更新されたことに基づいて、第1外部信号をON状態とする。また、最初の通常AT演出状態における4回目以降の遊技(AT演出状態開始後の4回目以降の遊技)では、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「2」のままとする。すなわち、外部信号制御手段200は、通常AT演出状態において第1外部信号がON状態となると、通常AT演出状態に滞在している間は第1外部信号をON状態のまま保ち続ける。
【0120】
なお、通常AT演出状態は、少なくとも3回以上の遊技が続くようになっている。具体的には、上乗せ演出状態は、少なくとも3回以上の遊技が続くようになっている。換言すると、通常AT演出状態(上乗せ演出状態)では、少なくとも3回以上の信号更新処理が実行されるようになっている。すなわち、通常AT演出状態(上乗せ演出状態)は、外部信号変数が「2」となるまでは続くようになっている。
【0121】
すなわち、AT演出状態の初当り時には、(1)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がOFF状態→(2)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がON状態→(3)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がOFF状態→(4)第1外部信号がON状態で、第2外部信号がOFF状態、という外部信号の状態遷移が実現される。換言すると、本実施形態では、第1外部信号または第2外部信号がON状態となる前に、必ず両信号がOFF状態となるようにされている。さらに換言すると、本実施形態では、第1外部信号および第2外部信号の一方がON状態となっている状態から、他方がON状態となっている状態に切り替える際に、両信号がOFF状態となっている状態を挟むようにされている。
【0122】
次に、AT演出状態に初当りし、通常AT演出状態において外部信号変数が「2」に更新された後の外部信号の状態遷移について、図10(b)を参照しながら説明する。
【0123】
消化演出状態においてAT終了判定カウンタ66の記憶値がしきい値「0」に達すると(通常AT演出状態の終了条件(所定の演出状態への移行条件)が成立すると)、演出状態制御手段81は、演出状態を特別AT準備中演出状態または第1継続判定演出状態へ移行させる。
【0124】
特別AT準備中演出状態および第1継続判定演出状態では、外部信号制御手段200は、信号設定処理を実行する。すなわち、特別AT準備中演出状態または第1継続判定演出状態における1回目の遊技において、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「2」から「1」に設定する。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「1」に設定されたことに基づいて、第1外部信号をOFF状態とする。また、特別AT準備中演出状態または第1継続判定演出状態における2回目以降の遊技では、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「1」のままとする。すなわち、外部信号制御手段200は、特別AT準備中演出状態または第1継続判定演出状態において第1外部信号がOFF状態となると、第1外部信号をOFF状態のまま保ち続ける。
【0125】
また、特別AT準備中演出状態において特別AT演出状態への移行条件が成立すると、演出状態制御手段81は、演出状態を特別AT演出状態へ移行させる。
【0126】
特別AT演出状態では、外部信号制御手段200は、信号更新処理を実行する。ここで、特別AT演出状態開始時の外部信号変数は「1」であるため、外部信号変数は「2」に更新される。すなわち、特別AT演出状態における1回目の遊技では、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「1」から「2」に更新する。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「2」に更新されたことに基づいて、第1外部信号をON状態とする。また、特別AT演出状態における2回目以降の遊技では、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「2」のままとする。すなわち、外部信号制御手段200は、特別AT演出状態において第1外部信号がON状態となると、第1外部信号をON状態のまま保ち続ける。
【0127】
また、第1継続判定演出状態において通常AT演出状態への移行条件が成立した場合(AT演出状態の継続が決定された場合)、または、第1継続判定演出状態から第2継続判定演出状態へ移行し、第2継続判定演出状態において通常AT演出状態への移行条件が成立した場合(AT演出状態の継続が決定された場合)、演出状態制御手段81は、演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。
なお、第1継続判定演出状態から第2継続判定演出状態へ移行した場合、第2継続判定演出状態では、信号更新処理および信号設定処理が実行されないので、外部信号変数は「1」のまま保持され、外部信号制御手段200は、第1外部信号をOFF状態のまま保ち続ける。
【0128】
再開される通常AT演出状態(2セット目以降の通常AT演出状態)、すなわち第1継続判定演出状態または第2継続判定演出状態から移行する通常AT演出状態では、外部信号制御手段200は、信号更新処理を実行する。ここで、2セット目以降の通常AT演出状態開始時の外部信号変数は「1」であるため、外部信号変数は「2」に更新される。すなわち、2セット目以降の通常AT演出状態における1回目の遊技では、外部信号制御手段200は、外部信号変数を「1」から「2」に更新する。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「2」に更新されたことに基づいて、第1外部信号をON状態とする。そして、外部信号制御手段200は、通常AT演出状態に滞在している間、第1外部信号をON状態のまま保ち続ける。
【0129】
すなわち、通常AT演出状態または特別AT演出状態が終了し、再度通常AT演出状態または特別AT演出状態へ移行する場合には、(1)第1外部信号がON状態で、第2外部信号がOFF状態→(2)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がOFF状態→(3)第1外部信号がON状態で、第2外部信号がOFF状態、という外部信号の状態遷移が実現される。
【0130】
本実施形態の遊技機は、第1状態(例えば、通常AT演出状態)と第2状態(例えば、第1継続判定演出状態)とを含む複数種類の状態の間で状態を移行させる状態制御手段(遊技状態制御手段49、演出状態制御手段81)と、変数値(外部信号変数の値)に基づいて外部信号の出力を制御する外部信号制御手段200と、を備え、外部信号制御手段200は、第1状態において、変数値を更新前の値に応じた値に更新する信号更新処理を行い、第2状態において、変数値を更新前の値を参照せずに所定の値にする信号設定処理を行う。
本実施形態によれば、第1状態において変数値を更新前の値に応じた値に更新する信号更新処理を複数回行うことで所望の信号遷移を実現できる。したがって、簡易な処理によって所望の信号遷移が実現でき、所望の信号遷移の実現に係るプログラムのデータ量を削減できる。
【0131】
また、本実施形態の遊技機において、外部信号には、第1外部信号と第2外部信号とがあり、変数値に応じた外部信号の状態には、第1外部信号と第2外部信号とのうちの一方が出力されていない状態(一方がOFFの状態)と、第1外部信号と第2外部信号との両方が出力されていない状態(両方がOFFの状態)と、がある。
また、本実施形態の遊技機において、外部信号制御手段200は、外部信号変数の更新前の値が第1の値(例えば「4」)であることに応じて外部信号変数を第2の値(例えば「3」)に更新することと、外部信号変数の更新前の値が第2の値であることに応じて外部信号変数を第3の値(例えば「2」)に更新することと、を行い、外部信号変数が第1の値の場合に、第1外部信号をOFF状態、第2外部信号をON状態とし、外部信号変数が第2の値の場合に、第1外部信号をOFF状態、第2外部信号をOFF状態とし、外部信号変数が第3の値の場合に、第1外部信号をON状態、第2外部信号をOFF状態とする。
外部信号を受信する外部装置300では、第1外部信号と第2外部信号とのうちの一方がON状態となっている状態から他方がON状態となっている状態に切り替える際に、両方がOFF状態となっている状態を挟まずに切り替えると外部信号を正常に取得(認識)できないことがある。本実施形態によれば、外部信号変数の更新前の値に応じた値に外部信号変数を更新する信号更新処理を複数回行うことで第2外部信号がON状態、第1外部信号と第2外部信号との両方がOFF状態、第1外部信号がON状態、という信号遷移を実現できる。このため、第1外部信号と第2外部信号とのうちの一方がON状態となっている状態から、両方がOFF状態となっている状態を挟んで、他方がON状態となっている状態とする信号遷移を簡易な処理によって実現できる。したがって、所望の信号遷移の実現に係るプログラムのデータ量を削減できる。
【0132】
また、本実施形態によれば、1つの信号更新処理によって、AT演出状態の初当り時とそれ以外(例えば、AT演出状態の継続時等)とで異なる信号遷移を実現できる。また、本実施形態によれば、初当り時にのみ第2外部信号を出力するといった仕様を、分岐処理等を用いることなく実現することができる。なお、本実施形態において、初当り時以外にも第2外部信号を出力することがあってもよい。
【0133】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態のスロットマシン10が、第1の実施の形態のスロットマシン10と主に異なる点は、外部信号の出力に係る部分(外部信号変数についての定義および外部信号制御手段200による処理等)なので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0134】
本実施形態では、外部信号変数として、「0」~「3」の4種類の値が設定可能とされている。
【0135】
外部信号変数と外部信号の状態との対応関係を図11(a)に示す。
外部信号制御手段200は、外部信号変数が「0」の場合、第1外部信号および第2外部信号をOFF状態(非出力状態)とする。換言すると、外部信号変数が「0」のときは、第1外部信号および第2外部信号がOFF状態となっている。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「1」の場合、第2外部信号をON状態(出力状態)とする。なお、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「1」の場合、第1外部信号をOFF状態(非出力状態)とする。換言すると、外部信号変数が「1」のときは、第1外部信号がOFF状態、第2外部信号がON状態となっている。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「2」の場合、第1外部信号をON状態(出力状態)とする。なお、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「2」の場合、第2外部信号をOFF状態(非出力状態)とする。換言すると、外部信号変数が「2」のときは、第1外部信号がON状態、第2外部信号がOFF状態となっている。また、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「3」の場合、第1外部信号および第2外部信号をOFF状態(非出力状態)とする。換言すると、外部信号変数が「3」のときは、第1外部信号および第2外部信号がOFF状態となっている。このように、本実施形態では、各外部信号変数について第1外部信号および第2外部信号の状態が定義されている。
【0136】
また、外部信号変数が「0」とされているのは、通常演出状態およびCZ演出状態等の第1外部信号および第2外部信号をOFF状態としておくときとなっている。したがって、外部信号変数「0」は、外部信号を非出力としておくことを示すものとして定義された変数ともいえる。換言すると、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「0」に変更されると、第1外部信号および第2外部信号をOFF状態にする。また、外部信号変数が他の値から「1」に変更される前には、第2外部信号はOFF状態となっている。したがって、外部信号変数「1」は、第2外部信号をON状態とすることを示すものとして定義された変数ともいえる。換言すると、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「1」に変更されると、第2外部信号をON状態にする。また、外部信号が他の値から「2」に変更される前には、第1外部信号はOFF状態となっている。したがって、外部信号変数「2」は、第1外部信号をON状態とすることを示すものとして定義された変数ともいえる。換言すると、外部信号制御手段200は、外部信号変数が「2」に変更されると、第1外部信号をON状態にする。また、外部信号が他の値から「3」に変更されるのは、AT演出状態が開始される際(初当り時)となっている。したがって、外部信号変数「3」は、AT演出状態の初当りを示す変数ともいえる。
【0137】
外部信号制御手段200は、AT演出状態(例えば通常AT演出状態や特別AT演出状態等)において、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、信号更新処理を実行する。
【0138】
信号更新処理では、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数に応じた値に外部信号変数を更新する。具体的には、外部信号制御手段200は、図11(b)に示す外部信号変数更新テーブルを参照し、更新前の外部信号変数に応じて更新後の外部信号変数を決定する。そして、決定された更新後の外部信号変数に外部信号変数を更新する。本実施形態の信号更新処理では、外部信号変数について、更新前の外部信号変数が「0」の場合、更新後の外部信号変数が「2」となり、更新前の外部信号変数が「1」の場合、更新後の外部信号変数が「0」となり、更新前の外部信号変数が「2」の場合、更新後の外部信号変数が「2」となり、更新前の外部信号変数が「3」の場合、更新後の外部信号変数が「1」となるように外部信号変数が更新される。
【0139】
また、外部信号制御手段200は、CZ演出状態においてスタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、信号設定処理を実行する。また、外部信号制御手段200は、AT演出状態の初当りが確定した場合(例えば、AT演出状態への移行の権利が付与されている状態における非AT演出状態での最後の遊技)において、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、信号設定処理を実行する。また、外部信号制御手段200は、AT演出状態において所定のイベントが発生する毎(例えば、特別演出状態への移行や通常AT演出状態への移行(復帰)が決定される毎)に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、信号設定処理を実行する。なお、当該イベント毎の信号設定処理は、イベントの発生に合わせて実行されるものであればよく、例えば、特別演出状態への移行というイベントの発生が確定している特別AT準備中演出状態において実行されてもよく、通常AT演出状態への移行の権利が付与されている第1継続判定演出状態または第2継続判定演出状態における最後の遊技において実行されてもよく、第1継続判定演出状態において実行されてもよい。
【0140】
CZ演出状態における信号設定処理では、外部信号変数(変数記憶手段250の記憶値)が所定値「2」に設定される。すなわち、当該信号設定処理では、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数の値に関わらず、外部信号変数を所定値「2」に設定する。換言すると、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数を参照(使用)せずに、外部信号変数を所定値「2」に設定する。なお、AT演出状態への移行が確定されずにCZ演出状態が終了する場合、外部信号制御手段200は、外部信号変数を所定値「0」に設定(クリア)する。
【0141】
また、AT演出状態の初当りが確定した場合における信号設定処理では、外部信号変数(変数記憶手段250の記憶値)が所定値「3」に設定される。すなわち、当該信号設定処理では、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数の値に関わらず、外部信号変数を所定値「3」に設定する。換言すると、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数を参照(使用)せずに、外部信号変数を所定値「3」に設定する。
【0142】
また、所定のイベント毎における信号設定処理では、外部信号変数(変数記憶手段250の記憶値)が所定値「0」に設定される。すなわち、当該信号設定処理では、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数の値に関わらず、外部信号変数を所定値「0」に設定する。換言すると、外部信号制御手段200は、更新前の外部信号変数を参照(使用)せずに、外部信号変数を所定値「0」に設定する。
【0143】
本実施形態によれば、CZ演出状態に移行し、AT演出状態への移行が確定されずにCZ演出状態が終了する場合に、(1)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がOFF状態→(2)第1外部信号がON状態で、第2外部信号がOFF状態→(3)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がOFF状態という外部信号の状態遷移が実現される。
【0144】
また、本実施形態によれば、CZ演出状態からAT演出状態に初当りした場合に、(1)第1外部信号がON状態で、第2外部信号がOFF状態→(2)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がOFF状態→(3)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がON状態→(4)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がOFF状態→(5)第1外部信号がON状態で、第2外部信号がOFF状態、という外部信号の状態遷移が実現される。
【0145】
また、本実施形態によれば、AT演出状態において所定のイベントが発生する毎に、(1)第1外部信号がON状態で、第2外部信号がOFF状態→(2)第1外部信号がOFF状態で、第2外部信号がOFF状態→(3)第1外部信号がON状態で、第2外部信号がOFF状態、という外部信号の状態遷移が実現される。
【0146】
本実施形態によれば、1つの信号更新処理によって、AT演出状態の初当り時とそれ以外(例えば、AT演出状態の継続時等)とで異なる信号遷移を実現できる。また、本実施形態によれば、初当り時にのみ第2外部信号を出力するといった仕様を、分岐処理等を用いることなく実現することができる。なお、本実施形態において、初当り時以外にも第2外部信号を出力することがあってもよい。また、本実施形態によれば、第1の実施の形態に比べ、用意する外部信号変数の種類を少なくすることができる。
【0147】
上述した各実施形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。
【0148】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0149】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0150】
20a,20b,20c リール
42 内部抽選手段
43 リール制御手段
81 演出状態制御手段
200 外部信号制御手段
250 変数記憶手段
300 外部装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11