(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】切替開閉器内蔵盤
(51)【国際特許分類】
H02B 1/42 20060101AFI20241004BHJP
H02B 1/40 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H02B1/42
H02B1/40 B
(21)【出願番号】P 2021097878
(22)【出願日】2021-06-11
【審査請求日】2024-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000109598
【氏名又は名称】テンパール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松本 雄多
(72)【発明者】
【氏名】濱田 翼
(72)【発明者】
【氏名】今川 誠
(72)【発明者】
【氏名】松本 一馬
(72)【発明者】
【氏名】加治屋 周策
(72)【発明者】
【氏名】馬場 隆
(72)【発明者】
【氏名】吉川 良
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 悠磨
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-39755(JP,A)
【文献】特開2020-89246(JP,A)
【文献】特開2017-123296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00 - 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に対して電気を供給する電源を第1の電源系統又は第2の電源系統に切り替える切替開閉器と、
前記負荷を備える負荷系統に電気的に接続される負荷電気機器を備える負荷回路部と、
前記切替開閉器と前記負荷回路部とを収容する筐体とを備え、
前記切替開閉器と前記負荷電気機器とは、前記切替開閉器が前記筐体における前後方向に直交する第一方向と前記前後方向及び前記第一方向に直交する第二方向とのうち一方の方向の一方側に配置され、前記負荷電気機器が前記一方の方向の他方側に配置され、
前記筐体には、前記負荷電気機器の前記一方の方向の他方側に前記負荷電気機器に電気的に接続される負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通する負荷導体挿通部が形成され、
前記負荷導体挿通部は、前記第一方向と前記第二方向とのうち他方の方向の一方側及び他方側の少なくとも一方に延びるように構成されることを特徴とする切替開閉器内蔵盤。
【請求項2】
前記筐体内に収容され、前記第2の電源系統に電気的に接続される第二電気機器を備える第二回路部を備え、
前記第二電気機器と前記負荷電気機器とは、前記他方の方向に並んで配置され、
前記筐体には、前記第二電気機器の前記一方の方向の他方側に前記第二電気機器に電気的に接続される第二導体が前記筐体の外側と内側に挿通する第二導体挿通部が形成され、
前記第二導体挿通部と前記負荷導体挿通部とは兼用されていることを特徴とする請求項1に記載の切替開閉器内蔵盤。
【請求項3】
負荷に対して電気を供給する電源を第1の電源系統又は第2の電源系統に切り替える切替開閉器と、
前記負荷を備える負荷系統に電気的に接続される負荷電気機器を備える負荷回路部と、
前記切替開閉器と前記負荷回路部とを収容する筐体とを備え、
前記切替開閉器と前記負荷電気機器とは、前記切替開閉器が前記筐体における前後方向に直交する第一方向と前記前後方向及び前記第一方向に直交する第二方向とのうち一方の方向の一方側に配置され、前記負荷電気機器が前記一方の方向の他方側に配置され、
前記筐体には、前記負荷電気機器の前記第一方向と前記第二方向とのうち他方の方向の一方側に前記負荷電気機器に電気的に接続される負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通する負荷導体挿通部が形成され、
前記負荷導体挿通部は、前記一方の方向の一方側及び他方側の少なくとも一方に延びるように構成される切替開閉器内蔵盤。
【請求項4】
前記筐体内に収容され、前記第2の電源系統に電気的に接続される第二電気機器を備える第二回路部を備え、
前記切替開閉器と前記第二電気機器と前記負荷電気機器とは、前記一方の方向に並んで配置され、
前記筐体には、前記第二電気機器の前記他方の方向の一方側に前記第二電気機器に電気的に接続される第二導体が前記筐体の外側と内側に挿通する第二導体挿通部が形成され、
前記第二導体挿通部と前記負荷導体挿通部とは兼用されていることを特徴とする請求項3に記載の切替開閉器内蔵盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切替開閉器を内蔵する切替開閉器内蔵盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の切替開閉器内蔵盤である電源切替装置として特許文献1に記載されたものが存在する。この電源切替装置の入力側は商用電源からの商用電源入力ラインと発電機電源からの発電機電源入力ラインに接続されており、出力側はまとめて負荷に接続されている。
【0003】
前記商用電源に繋がる商用電源供給ライン側では、電源側にライン開閉器が介挿され、負荷側に遅延用開閉器が介挿され、前記ライン開閉器は接点部とコイルから構成され、前記接点部は常に閉に付勢されており、前記コイルに電源が供給されると励磁されて閉から開に切り替わり、前記遅延用開閉器は接点部とコイルから構成され、前記接点部は常に開に付勢されており、前記コイルに電源が供給されると励磁されて開から閉に切り替わり、前記ライン開閉器の前記接点部の出力端は前記遅延用開閉器の前記接点部の入力端に接続されている。
【0004】
前記発電機電源に繋がる発電機電源供給ライン側では、漏電対策のために漏電ブレーカーが介挿され、電源側にライン開閉器が介挿され、負荷側に遅延用開閉器が介挿され、前記ライン開閉器は接点部とコイルから構成され、前記接点部は常に閉に付勢されており、前記コイルに電源が供給されると励磁されて閉から開に切り替わり、前記遅延用開閉器は接点部とコイルから構成され、前記接点部は常に開に付勢されており、前記コイルに電源が供給されると励磁されて開から閉に切り替わり、前記ライン開閉器の前記接点部の出力端は前記遅延開閉器の前記接点部の入力端に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記特許文献1記載の電源切替装置では、前記ライン開閉器や前記遅延用開閉器といった各種開閉器が盤用キャビネットに収容されている。そのため、前記電源切替装置の出力側をまとめて負荷に接続するためには、前記盤用キャビネット内に、前記商用電源供給ラインと前記発電機電源供給ラインとを挿通する必要がある。ここで、前記盤用キャビネット内に挿通される前記商用電源供給ラインや前記発電機電源供給ラインは、一般的に複数の金属製の母線を束ねて構成されている。よって、前記電源切替装置の出力側と接続するためには、前記商用電源供給ラインや前記発電機電源供給ラインを前記各種の開閉器の向きに合わせて曲げるなどする必要があった。
【0007】
しかし、前記商用電源供給ラインや前記発電機電源供給ラインを曲げるのには力を要する。また、前記盤用キャビネット内に挿通された前記商用電源供給ラインや前記発電機電源供給ラインについて、曲げ半径や前記盤用キャビネット内に収容される各種開閉器の位置などを考慮しつつ、曲げることは難しい。したがって、上記特許文献1記載の電源切替装置では、前記商用電源供給ラインと前記発電機電源供給ラインとを前記電源切替装置の出力側に接続するといった配線作業は難しかった。
【0008】
そこで、本発明は、負荷導体の配線作業がしやすい切替開閉器内蔵盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、負荷に対して電気を供給する電源を第1の電源系統又は第2の電源系統に切り替える切替開閉器と、前記負荷を備える負荷系統に電気的に接続される負荷電気機器を備える負荷回路部と、前記切替開閉器と前記負荷回路部とを収容する筐体とを備え、前記切替開閉器と前記負荷電気機器とは、前記切替開閉器が前記筐体における前後方向に直交する第一方向と前記前後方向及び前記第一方向に直交する第二方向とのうち一方の方向の一方側に配置され、前記負荷電気機器が前記一方の方向の他方側に配置され、前記筐体には、前記負荷電気機器の前記一方の方向の他方側に前記負荷電気機器に電気的に接続される負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通する負荷導体挿通部が形成され、前記負荷導体挿通部は、前記第一方向と前記第二方向とのうち他方の方向の一方側及び他方側の少なくとも一方に延びるように構成されることを特徴とする切替開閉器内蔵盤である。
【0010】
前記構成によれば、前記切替開閉器が前記一方の方向の一方側に配置され、前記負荷電気機器が前記一方の方向の他方側に配置され、前記筐体には、前記負荷電気機器の前記一方の方向の他方側に負荷導体挿通部が形成されているため、前記切替開閉器と前記負荷電気機器とが並んで配置される方向に形成される前記負荷導体挿通部から前記負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通でき、また、前記負荷導体挿通部が前記他方の方向の一方側及び他方側の少なくとも一方に延びることにより、前記筐体の外側と内側に前記負荷導体を挿通するスペースを確保でき、前記負荷導体における曲げ半径を考慮しつつ、前記負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通できる。
【0011】
また、本発明は、前記筐体内に収容され、前記第2の電源系統に電気的に接続される第二電気機器を備える第二回路部を備え、前記第二電気機器と前記負荷電気機器とは、前記他方の方向に並んで配置され、前記筐体には、前記第二電気機器の前記一方の方向の他方側に前記第二電気機器に電気的に接続される第二導体が前記筐体の外側と内側に挿通する第二導体挿通部が形成され、前記第二導体挿通部と前記負荷導体挿通部とは兼用されていてもよい。
【0012】
前記構成によれば、前記第二電気機器と前記負荷電気機器とが前記他方の方向で並んで配置され、前記筐体には前記第二電気機器の前記一方の方向の他方側に前記第二導体挿通部が形成されているため、前記他方の方向で並ぶ前記第二電気機器と前記負荷電気機器の前記一方の方向の他方側の前記第二導体挿通部と前記負荷導体挿通部それぞれから前記第二導体と前記負荷導体を前記筐体の内側に挿通でき、また、前記第二導体挿通部と前記負荷導体挿通部とは兼用されているため、例えば、前記負荷導体を前記筐体の内側と外側に挿通する際には、前記第二導体の曲げ半径や配置などを考慮しつつ、前記負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通できる。
【0013】
また、本発明は、負荷に対して電気を供給する電源を第1の電源系統又は第2の電源系統に切り替える切替開閉器と、前記負荷を備える負荷系統に電気的に接続される負荷電気機器を備える負荷回路部と、前記切替開閉器と前記負荷回路部とを収容する筐体とを備え、前記切替開閉器と前記負荷電気機器とは、前記切替開閉器が前記筐体における前後方向に直交する第一方向と前記前後方向及び前記第一方向に直交する第二方向とのうち一方の方向の一方側に配置され、前記負荷電気機器が前記一方の方向の他方側に配置され、前記筐体には、前記負荷電気機器の前記第一方向と前記第二方向とのうち他方の方向の一方側に前記負荷電気機器に電気的に接続される負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通する負荷導体挿通部が形成され、前記負荷導体挿通部は、前記一方の方向の一方側及び他方側の少なくとも一方に延びるように構成されていてもよい。
【0014】
前記構成によれば、前記切替開閉器が前記一方の方向の一方側に配置され、前記負荷電気機器が前記一方の方向の他方側に配置され、前記筐体には、前記負荷電気機器の他方の方向の一方側に負荷導体挿通部が形成されているため、前記切替開閉器と前記負荷電気機器とが並んで配置される方向と直交する方向に形成される前記負荷導体挿通部から前記負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通でき、また、前記負荷導体挿通部が前記一方の方向の一方側及び他方側の少なくとも一方に延びることにより、前記筐体の外側と内側に前記負荷導体を挿通するスペースを確保でき、前記負荷導体における曲げ半径や前記負荷電気機器と前記切替開閉器の位置などを考慮しつつ、前記負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通できる。
【0015】
また、本発明は、前記筐体内に収容され、前記第2の電源系統に電気的に接続される第二電気機器を備える第二回路部を備え、前記切替開閉器と前記第二電気機器と前記負荷電気機器とは、前記一方の方向に並んで配置され、前記筐体には、前記第二電気機器の前記他方の方向の一方側に前記第二電気機器に電気的に接続される第二導体が前記筐体の外側と内側に挿通する第二導体挿通部が形成され、前記第二導体挿通部と前記負荷導体挿通部とは兼用されていてもよい。
【0016】
前記構成によれば、前記切替開閉器と前記第二電気機器と前記負荷電気機器とが前記一方の方向で並んで配置され、前記筐体には前記第二電気機器の前記他方の方向の一方側に前記第二導体挿通部が形成されているため、前記一方の方向で並ぶ前記第二電気機器と前記負荷電気機器の前記他方の方向の一方側の前記第二導体挿通部と前記負荷導体挿通部それぞれから前記第二導体と前記負荷導体を前記筐体の内側に挿通でき、また、前記第二導体挿通部と前記負荷導体挿通部とは兼用されているため、例えば、前記負荷導体を前記筐体の内側と外側に挿通する際には、前記第二導体の曲げ半径や配置を考慮しつつ、前記負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通できる。
【発明の効果】
【0017】
以上、本発明によれば、前記筐体の内側に前記負荷導体を挿通するスペースを確保でき、曲げ半径などを考慮しながら前記負荷導体を前記筐体の外側と内側に挿通できるため、前記負荷導体の配線作業がしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の第一実施形態に係る切替開閉器内蔵盤を含む電源系統の切替システムの概略図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の外観図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の内部の正面図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の第一回路部の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の第一回路部の拡大斜視図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の第一回路部の拡大斜視図であって、第1相の第一導電接続部を外した状態での拡大斜視図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の筐体の収容部の説明図である。
【
図8】
図8は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤のカバー構造の説明図である。
【
図9】
図9は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の第一カバー部と第二カバー部の説明図であって、第一カバー部と第二カバー部の両方が取り付けられている状態の説明図である。
【
図10】
図10は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の第一カバー部と第二カバー部の説明図であって、第一カバー部のみが取り外された状態の説明図である。
【
図11】
図11は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の第三カバー部が取り付けられている状態の説明図である。
【
図12】
図12は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の動作の説明図であって、第1の電源系統と負荷を接続している状態の説明図である。
【
図13】
図13は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の動作の説明図であって、第2の電源系統と負荷を接続している状態の説明図である。
【
図14】
図14は、本発明の第二実施形態に係る切替開閉器内蔵盤を含む電源系統の切替システムの概略図である。
【
図15】
図15は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の内部の正面図である。
【
図16】
図16は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の筐体の収容部の説明図である。
【
図17】
図17は、本発明の第三実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の内部の正面図である。
【
図18】
図18は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の第一回路部の分解斜視図である。
【
図19】
図19は、本発明の上記実施形態以外の実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の第一回路部の説明図である。
【
図20】
図20は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の第一電気機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第一実施形態にかかる切替開閉器内蔵盤について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0020】
切替開閉器内蔵盤は、複数の電源系統と負荷の間に設置され、複数の電源系統と負荷との接続状態を切り替えるように構成されている。
【0021】
例えば、
図1に示すように、切替開閉器内蔵盤が住宅に設置される場合は、商用電力が流れる第1の電源系統P1と、分散電源を含む第2の電源系統P2と、負荷W10を含む負荷系統W1とが切替開閉器内蔵盤1に対して電気的に接続される。
【0022】
まず、第1の電源系統P1と、第2の電源系統P2の構成を説明する。
【0023】
本実施形態の第1の電源系統P1は、商用電力が流れる電源系統である。第1の電源系統P1は、商用電源(発電設備等)である第一電源P10と、第一電源P10に電気的に接続される第一配電路P11と、を備えている。
【0024】
第2の電源系統P2は、分散電源が含まれる電源系統である。
【0025】
第2の電源系統P2は、分散電源である第二電源P20と、第二電源P20の一次側に電気的に接続される一次側外部電路(本実施形態では中継配電路と称する)P21と、第二電源P20の二次側に電気的に接続される二次側外部電路(本実施形態では第二配電路と称する)P22と、を備えている。
【0026】
本実施形態の第二電源P20は、蓄電池によって構成されている。すなわち、第2の電源系統P2は、第二電源P20の充放電が可能な電源系統である。
【0027】
本実施形態の第二電源P20は、ソーラーパネルが接続されており、太陽電池で発電した電力を受けて充電されるように構成されている。
【0028】
中継配電路P21は、第二電源P20に供給する電力が流れる電路である。なお、第二電源P20がいわゆる、パワーコンディショナーと蓄電池とで構成されている場合、中継配電路P21にはパワーコンディショナーを作動させるための電力が流れる。そして、第二配電路P22は、第二電源P20から放出した電力が流れる電路である。
【0029】
負荷系統W1は、負荷W10と、負荷W10に電気的に接続される負荷配電路W11と、を有する。本実施形態では、負荷W10は分電盤である。具体的には、分電盤は、主幹開閉器と母線と分岐開閉器と分電筐体とを有する。
【0030】
切替開閉器内蔵盤1は、
図3に示すように、第1の電源系統P1に電気的に接続される第一回路部2と、第2の電源系統P2に電気的に接続される第二回路部3と、負荷系統W1が接続される負荷回路部4と、負荷系統W1に対して電気を供給する電源を第1の電源系統P1又は第2の電源系統P2に切り替える切替開閉器5と、第一回路部2と第2の電源系統P2に電気的に接続される中継回路部6と、第一回路部2、第二回路部3、中継回路部6、切替開閉器5、負荷回路部4を収容する筐体7(
図2参照)と、筐体7内で充電部を覆うカバー構造8(
図8参照)と、を備えている。
【0031】
なお、本実施形態では、切替開閉器内蔵盤1の正面と背面が並ぶ方向を前後方向、前後方向に直交する一方向を第一方向、前後方向と第一方向とに直交する方向を第二方向と称する。
【0032】
具体的に、前後方向に直交し、互いに直交する第一方向及び第二方向のうち、一方の方向を第一方向とし、他方の方向を第二方向とする。また、前記第一方向と前記第二方向とで形成される面の面方向を盤面方向と称する。
【0033】
本実施形態において、第一方向は、設置状態の切替開閉器内蔵盤1を正面から見た状態での左右方向に対応する方向であり、第一方向の一方側とは左方側、第一方向の他方側とは右方側のことである。
【0034】
また、第二方向は、設置状態の切替開閉器内蔵盤1を正面から見た状態での上下方向に対応する方向であり、第二方向の一方側とは上方側のことであり、第二方向の他方側とは下方側のことである。
【0035】
第一回路部2は、第1の電源系統P1と切替開閉器5とに電気的に接続されている。第一回路部2は、切替開閉器5よりも第一方向の一方側に配置されている。
【0036】
本実施形態の第一回路部2は、第1の電源系統P1に電気的に接続される第一一次端子部20と、切替開閉器5(後述する第一側端子部500)及び中継回路部6に電気的に接続される第一二次端子部(採番しない)と、を有する。なお、本実施形態の第一回路部2では、第一一次端子部20が第一二次端子部を兼ねている。
【0037】
第一回路部2では、第一一次端子部20が第二方向の一方側へ向けて配置されており、第一電源P10(本実施形態では第一配電路P11)と第一一次端子部20とに接続される第一導体P110を第一一次端子部20から第二方向の一方側へ延出する向きで第一一次端子部20に接続可能となっている。
【0038】
第一回路部2は、第一電気機器22と、第一導体P110と導通するように第一電気機器22に固定される第一導電接続部23と、第一導電接続部23の短絡を防止するための仕切部材24と、を有する。
【0039】
第一電気機器22は、端子台である。また、第一電気機器22は、第1の電源系統P1に電気的に接続される第一一次端子部20を備える端子台であり、第一一次端子部20に第一配電路P11(第一配電路P11が有する第一導体P110)が固定されるようになっている。
【0040】
本実施形態の第一電気機器22は、切替開閉器5よりも第一方向の一方側に配置されている。この第一電気機器22は、第一方向において切替開閉器5から離間した位置に配置されている。
【0041】
第一電気機器22は、第一導体P110を固定可能な機器一次端子部220と、第一導電接続部23を固定可能な機器二次端子部(採番しない)と、を備えている。なお、第一電気機器22では、機器一次端子部220が機器二次端子部を兼ねている。
【0042】
第一回路部2の第一一次端子部20は第一電気機器22の機器一次端子部220により構成され、第一二次端子部は第一電気機器22の機器二次端子部により構成されていればよいが、本実施形態の第一回路部2は、機器一次端子部220が第一二次端子部を兼ねているため、第一電気機器22の機器一次端子部220によって第一一次端子部20と第一二次端子部とが構成されている。
【0043】
また、第一電気機器22は、機器一次端子部220に第一導体P110と第一導電接続部23とが固定されると、該第一導体P110と第一導電接続部23とが互いに導通した状態になるように構成されている。本実施形態の機器一次端子部220は、ねじによって第一導体P110と第一導電接続部23が固定できるように構成されている。
【0044】
また、機器一次端子部220は、第一導体P110と第一導電接続部23とを直接的に接触させることによって互いを導通させるように構成されていてもよいし、間接的に接触させることによって互いを導通させるように構成されていてもよい。
【0045】
本実施形態の第一電気機器22の機器一次端子部220は、第1相用の機器一次端子部220(第一相端子部220a)、第2相用の機器一次端子部220(第二相端子部220b)、第3相用の機器一次端子部220(第三相端子部220c)を含む。本実施形態では、第一相端子部220a、第二相端子部220b、第三相端子部220cが、第一方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0046】
なお、切替開閉器内蔵盤1は、単相3線式で電力を送ることを前提としており、本実施形態では、L2相を第1相と称し、N相を第2相と称し、L1相を第3相と称する。
【0047】
第一電気機器22において、第三相端子部220cは、第一方向において最も一方側に配置され、第一相端子部220aは、第一方向において最も他方側に配置され、第二相端子部220bは、第一方向において第一相端子部220aと第三相端子部220cの間に配置されている。
【0048】
第一導電接続部23は、
図4に示すように、端子台に固定される接続固定部230と、接続固定部230に対して第一方向(本実施形態では第一方向における他方側)に向かって延出する第一導電部231と、接続固定部230に対して第二方向(本実施形態では第二方向における他方側)に向かって延出する第二導電部232と、を有する。
【0049】
接続固定部230と第一導電部231と第二導電部232とは、一体的に形成されているため、第一導電接続部23は、接続固定部230を基端とした場合の先端側が第二方向における他方側と第一方向における他方側とに分岐した形状になっている。なお、本実施形態の第一導電接続部23は、導電性を有する板材によって構成されている。
【0050】
第一導電部231は、切替開閉器5の後述する第一側端子部500に固定される先端部2310と、該先端部2310と第二導電部232(第二導電部232の後述する中間部2321)とに連続する中間部2311と、を有する。
【0051】
第一導電部231の中間部2311は、第二導電部232と第一導電部231の先端部2310の間に介在している部分である。本実施形態の第一導電部231の中間部2311には、第一電気機器22と中継回路部6の間(第一電気機器22よりも第二方向における他方側)に配置される基端側導電部2311aと、第一電気機器22と切替開閉器5の間(第一電気機器22よりも第一方向における他方側)に配置される先端側導電部2311bと、先端側導電部2311bの前面(前後方向における前方側に向けて配置される一面)に付された識別表示2311cと、が含まれている。識別表示2311cは、第一導電部231の中間部2311に対して、直接刻印することにより掘り込み形成してもよいし、レーザーなどで表面に印字することにより形成してもよい。
【0052】
識別表示2311cは、第一導電接続部23の種別を示すものである。本実施形態の識別表示2311cは、L1相であることを示す「L1」、N相であることを示す「N」、L2相であることを示す「L2」の文字によって構成されている。
【0053】
第二導電部232は、中継回路部6の後述する中継一次端子部(中継機器一次端子部)に固定される先端部2320と、該先端部2320と接続固定部230とに連設される中間部2321と、を有する。
【0054】
ここで、第一回路部2は、機器一次端子部220の数に合わせて3つの第一導電接続部23を有している。この3つの第一導電接続部23は、それぞれ、第1相用の第一導電接続部23(第一相導電接続部23a)、第2相用の第一導電接続部23(第二相導電接続部23b)、第3相用の第一導電接続部23(第三相導電接続部23c)である。
【0055】
3つの第一導電接続部23は、正面視においてそれぞれの第二導電部232が第一方向で一列に並ぶように配置されている。
【0056】
第二導電部232の中間部2321は、
図5に示すように、第一方向における他方側において隣に並ぶ中間部2321よりも前後方向における前方側(手前側)に配置されている。
【0057】
また、第一方向において最も一方側に配置されている第3相用の第二導電部232の中間部2321が、前後方向において最も前方側に配置され、第一方向において最も他方側に配置されている第1相用の第二導電部232の中間部2321が、前後方向において最も後方側に配置されている。
【0058】
さらに、第三相導電接続部23cの第二導電部232と第二相導電接続部23bの第二導電部232とは、接続固定部230と自身の先端部2320とに対して中間部2321が前後方向における前方側に向かって凸となるように山なりに形成されている。そして、第三相導電接続部23cの中間部2321の高さ(前後方向において、接続固定部230と先端部2320の位置を基準とした場合における中間部2321の頂部の高さ)は、第二相導電接続部23bの中間部2321の高さ(前後方向において、接続固定部230と先端部2320の位置を基準とした場合における中間部2321の頂部の高さ)よりも大きくなっている。
【0059】
第一相導電接続部23aは、接続固定部230と中間部2321との境目に段差ができるように形成されており、先端部2320が接続固定部230よりも前後方向における後方側に配置されるように形成されている。なお、第一相導電接続部23aでは、中間部2321と先端部2320との境目には段差が形成されておらず、接続固定部230と中間部2321との境目から先端にかけては平らに形成されている。
【0060】
本実施形態では、第一相導電接続部23aの接続固定部230、第二相導電接続部23bの接続固定部230、第三相導電接続部23cの接続固定部230の前後方向における位置がそれぞれ同じ位置に設定されており、また、第一相導電接続部23aの第二導電部232の先端部2320、第二相導電接続部23bの第二導電部232の先端部2320、第三相導電接続部23cの第二導電部232の先端部2320の前後方向における位置がそれぞれ同じ位置に設定されている。
【0061】
そのため、第一相導電接続部23a、第二相導電接続部23b、第三相導電接続部23cは、何れも、第二導電部232の先端部2320が接続固定部230よりも前後方向における後方側に配置されている。
【0062】
一方で、第一相導電接続部23a、第二相導電接続部23b、第三相導電接続部23cは、それぞれの第二導電部232の中間部2321の前後方向での配置位置が異なっているため、各第二導電部232から分岐する基端側導電部2311aの前後方向での配置位置も互いに異なっている。そのため、3つの基端側導電部2311aは、第二導電部232の中間部2321から同じ方向に向かって分岐(延出)しているが、互いに干渉しないようになっている。
【0063】
3つの基端側導電部2311aは、前後方向において互いの間に間隔を空けた状態で一列に並べて配置されている。また、3つの基端側導電部2311aは、第一方向において最も一方側に位置する第二導電部232から延出するものから順に前後方向における前方側から後方側に並ぶように配置されている。
【0064】
そのため、切替開閉器内蔵盤1を正面から見ると、第一相導電接続部23aに含まれる基端側導電部2311aと、第二相導電接続部23bに含まれる基端側導電部2311aは、第三相導電接続部23cに含まれる基端側導電部2311aの後方側に隠れるようになっている。
【0065】
3つの先端側導電部2311bもまた、前後方向における配置位置が互いに異なっているため、互いに干渉しないようになっている。
【0066】
3つの先端側導電部2311bは、正面視において、それぞれの先端(第一導電部231の先端部2310との境目)が第二方向で並ぶように構成されている。そして、3つの先端側導電部2311bは、先端部2310が第二方向において最も一方側に位置するものから順に前後方向における後方側から前方側に並べて配置されている。
【0067】
なお、本実施形態では、第三相導電接続部23c(L1相用の導電接続部23)に含まれる先端側導電部2311bが前後方向において最も前方側に配置されており、第二相導電接続部23b(N相用の導電接続部23)に含まれる先端側導電部2311bが第三相導電接続部23cに含まれる先端側導電部2311bに対して前後方向における後方且つ第二方向における一方側に配置され、第一相導電接続部23a(L2相用の導電接続部23)に含まれる先端側導電部2311bが第二相導電接続部23bと第三相導電接続部23cとに含まれる先端側導電部2311bに対して前後方向における後方且つ第二方向における一方側に配置されている。
【0068】
そのため、第一相導電接続部23aに含まれる先端側導電部2311bと、第二相導電接続部23bに含まれる先端側導電部2311bと、第三相導電接続部23cに含まれる先端側導電部2311bは、正面視において、何れも前後方向における正面側に露出している。これに伴い、各先端側導電部2311bに付されている識別表示2311cも前後方向における正面側に露出している。
【0069】
仕切部材24は、第一導電接続部23同士の短絡を防止するためのものである。
【0070】
本実施形態では、正面視において、第三相導電接続部23cに含まれる第一導電部231と第二相導電接続部23bに含まれる第一導電部231が、第一相導電接続部23aに含まれる接続固定部230の下方側(第二方向における他方側)の領域を横切り、さらに、第三相導電接続部23cに含まれる第一導電部231は、第二相導電接続部23bに含まれる接続固定部230の下方側(第二方向における他方側)の領域も横切るように配置されている。
【0071】
そのため、仕切部材24は、第一相導電接続部23aに含まれる接続固定部230と第二相導電接続部23bに含まれる第一導電部231及び第三相導電接続部23cに含まれる第一導電部231との間と、第二相導電接続部23bに含まれる接続固定部230と、第三相導電接続部23cに含まれる第一導電部231の間を絶縁するように構成されている。
【0072】
より具体的に説明すると、仕切部材24は、
図6に示すように、第一相導電接続部23aに含まれる接続固定部230と第二相導電接続部23bに含まれる第一導電部231及び第三相導電接続部23cに含まれる第一導電部231の間に配置される第一仕切部240と、第二相導電接続部23bに含まれる接続固定部230と、第三相導電接続部23cに含まれる第一導電部231の間との間に配置される第二仕切部241と、第一仕切部240と第二仕切部241とに連設されている連設部242と、を有する。
【0073】
第一仕切部240、第二仕切部241、連設部242は何れも絶縁性を有している。
【0074】
第二回路部3は、
図3に示すように、第2の電源系統P2と切替開閉器5とに電気的に接続されている。また、第二回路部3は、切替開閉器5よりも第一方向の他方側に配置されている。
【0075】
第二回路部3は、第2の電源系統P2に電気的に接続される第二一次端子部30と、切替開閉器5(後述する第二側端子部501)に電気的に接続される第二二次端子部31と、を有する。
【0076】
第二回路部3では、第二一次端子部30が第一方向の他方側へ向けて配置され、第二電源P20(本実施形態では第二配電路P22)と、第二一次端子部30とに接続される第二導体P220を第二一次端子部30から第一方向の他方側へ延出する向きで第二一次端子部30に接続可能となっている。
【0077】
本実施形態の第二回路部3は、第2の電源系統P2から電力を受ける第二電気機器32と、第二電気機器32と切替開閉器5の後述する第二側端子部501とを電気的に接続する第二導電接続部33と、を有する。
【0078】
本実施形態の第二電気機器32は、切替開閉器5よりも第一方向の他方側に配置されている。この第二電気機器32は、第一方向において切替開閉器5から離間した位置に配置されている。
【0079】
第二電気機器32は、第2の電源系統P2に電気的に接続される機器一次端子部320と、第二導電接続部33を介して切替開閉器5の後述する第二側端子部501に電気的に接続される機器二次端子部321と、第二機能部(採番しない)と、を有する。
【0080】
機器一次端子部320と機器二次端子部321は、第一方向で並ぶように配置されており、機器一次端子部320の第二方向での配置位置と、機器二次端子部321の第二方向での配置位置は、同じである。さらに、本実施形態では、第二電気機器32は、機器一次端子部320が第一方向の他方側に向き、機器二次端子部321が第一方向の一方側に向くように配置されている。
【0081】
また、本実施形態の第二電気機器32では、機器一次端子部320が第二一次端子部30を構成し、機器二次端子部321が第二二次端子部31を構成している。そして、第二電気機器32の機器二次端子部321は、第二二次端子部31として切替開閉器5の後述する第二側端子部501に電気的に接続されている。
【0082】
機器一次端子部320には、第二配電路P22の第二導体P220が固定される。機器二次端子部321には、第二導電接続部33が固定される。本実施形態の機器二次端子部321は、いわゆるねじ式の端子部であり、ねじによって第二導電接続部33が固定できるように構成されている。また、機器一次端子部320も同様に、ねじで第二導体P220が固定される。
【0083】
本実施形態の第二電気機器32の機器一次端子部320には、第1相用の機器一次端子部320(第一相端子部320a)、第2相用の機器一次端子部320(第二相端子部320b)、第3相用の機器一次端子部320(第三相端子部320c)が含まれる。
【0084】
また、第二電気機器32の機器二次端子部321には、第1相用の機器二次端子部321(第一相端子部321a)、第2相用の機器二次端子部321(第二相端子部321b)、第3相用の機器二次端子部321(第三相端子部321c)が含まれる。
【0085】
機器一次端子部320の第一相端子部320aと、第二相端子部320bと、第三相端子部320cは、互いに第二方向で並ぶように(整列するように)配置され、機器二次端子部321の第一相端子部321aと、第二相端子部321bと、第三相端子部321cも互いに第二方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0086】
第二導電接続部33は、第一方向に沿って延びるように形成されている(すなわち、直線形状に形成されている)。そして、機器二次端子部321には、第二導電接続部33の長手方向における一端部が固定されている。
【0087】
第二回路部3は、機器二次端子部321の数に合わせて3つの第二導電接続部33を有している。この3つの第二導電接続部33も、それぞれ、第1相用の第二導電接続部33(第一相導電接続部33a)、第2相用の第二導電接続部33(第二相導電接続部33b)、第3相用の第二導電接続部33(第三相導電接続部33c)である。
【0088】
上述のように、機器二次端子部321の第一相端子部321aと、第二相端子部321bと、第三相端子部321cは、第二方向に沿って並ぶように配置されているため、3つの第二導電接続部33も、それぞれが第一相端子部321aと、第二相端子部321bと、第三相端子部321cに固定された状態においては第二方向に沿って並ぶようになっている。
【0089】
本実施形態の第二電気機器は遮断器である。そのため、第二機能部は、機器一次端子部320に第二導体P220が固定され、且つ機器二次端子部321に第二導電接続部33が固定されている状態において、第二配電路P22と第二導電接続部33とを電気的に接続した状態(閉状態)と、第二配電路P22と第二導電接続部33とを電気的に切り離した状態(開状態)とに切替可能となるように構成されている。
【0090】
このように、第二電気機器32は、第2の電源系統P2と切替開閉器5とを電気的に接続した状態と、第2の電源系統P2と切替開閉器5とを電気的に切り離した状態とに切り替えることができるようになっている。
【0091】
負荷回路部4は、前記負荷W10と前記切替開閉器5とに電気的に接続されている。また、負荷回路部4は、切替開閉器5(後述する負荷側端子部502)に電気的に接続される負荷一次端子部40と、負荷W10に電気的に接続される負荷二次端子部41と、を有する。
【0092】
本実施形態の負荷回路部4は、切替開閉器5から電力を受ける負荷電気機器42と、切替開閉器5と負荷電気機器42とに電気的に接続される負荷導電接続部43と、を有する。
【0093】
本実施形態の負荷電気機器42は、切替開閉器5よりも第一方向の他方側に配置されている。この負荷電気機器42は、第一方向で、切替開閉器5と離間して配置されている。
【0094】
負荷電気機器42は、切替開閉器5の後述する負荷側端子部502に対して電気的に接続される負荷機器一次端子部420と、負荷W10に電気的に接続される負荷機器二次端子部421と、負荷機能部(採番しない)と、を有する。
【0095】
本実施形態の負荷電気機器42では、負荷電気機器42の負荷機器一次端子部420によって負荷一次端子部40が構成され、負荷電気機器42の負荷機器二次端子部421によって負荷二次端子部41が構成されている。そして、負荷電気機器42の負荷機器一次端子部420は、負荷一次端子部40として切替開閉器5の後述する負荷側端子部502に電気的に接続されている。
【0096】
負荷機器一次端子部420と負荷機器二次端子部421とは、第一方向で並ぶように配置されており、負荷機器一次端子部420は第一方向における負荷電気機器42の一方側の端部に設けられ、負荷機器二次端子部421は第一方向における負荷電気機器42の他方側の端部に設けられている。
【0097】
負荷機器一次端子部420には、負荷導電接続部43が固定される。負荷機器二次端子部421には、負荷配電路W11につながる負荷導体W110が固定される。本実施形態の負荷機器二次端子部421は、いわゆるねじ式の端子部であり、ねじによって負荷導体W110が固定できるように構成されている。また、負荷機器一次端子部420も同様に、ねじで負荷導電接続部43が固定される。
【0098】
負荷電気機器42は、第二回路部3に対して第二方向における他方側に並べて配置されており、負荷電気機器42の負荷機器一次端子部420と第二電気機器32の機器二次端子部321とが第二方向で並び、負荷電気機器42の負荷機器二次端子部421と第二電気機器32の機器一次端子部320とが第二方向で並んでいる。本実施形態では、負荷電気機器42は、第二方向において第二電気機器32から離間した位置に配置されている。
【0099】
本実施形態の負荷電気機器42の負荷機器一次端子部420には、第1相用の負荷機器一次端子部420(第一相端子部420a)、第2相用の負荷機器一次端子部420(第二相端子部420b)、第3相用の負荷機器一次端子部420(第三相端子部420c)が含まれる。
【0100】
また、負荷電気機器42の負荷機器二次端子部421には、第1相用の負荷機器二次端子部421(第一相端子部421a)、第2相用の負荷機器二次端子部421(第二相端子部421b)、第3相用の負荷機器二次端子部421(第三相端子部421c)が含まれる。
【0101】
さらに、負荷電気機器42において、負荷機器一次端子部420の第一相端子部420a、第二相端子部420b、第三相端子部420cは第二方向で並ぶように(整列するように)配置され、負荷機器二次端子部421の第一相端子部421a、第二相端子部421b、第三相端子部421cもまた第二方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0102】
負荷導電接続部43は、第一方向に沿って延びるように形成されており(すなわち、直線形状であり)、長手方向における一端部が負荷一次端子部40に固定されている。
【0103】
負荷回路部4は、第一相端子部420a、第二相端子部420b、第三相端子部420cの数に合わせて3つの負荷導電接続部43を有している。この3つの負荷導電接続部43も、それぞれ、第1相用の負荷導電接続部43(第一相導電接続部43a)、第2相用の負荷導電接続部43(第二相導電接続部43b)、第3相用の負荷導電接続部43(第三相導電接続部43c)である。
【0104】
上述のように、負荷機器一次端子部420の第一相端子部420a、第二相端子部420b、第三相端子部420cは第二方向に沿って並ぶように配置されているため、3つの負荷導電接続部43は、それぞれが第一相端子部420a、第二相端子部420b、第三相端子部420cに固定された状態においては第二方向に沿って並ぶようになっている。
【0105】
本実施形態の負荷電気機器42は遮断器である。そのため、負荷機能部は、負荷機器一次端子部420に負荷導電接続部43が固定され、且つ負荷機器二次端子部421に負荷導体W110が固定されている状態において、負荷導電接続部43と負荷導体W110とを電気的に接続した状態(閉状態)と、負荷導電接続部43と負荷導体W110とを電気的に切り離した状態(開状態)とに切替可能となるように構成されている。
【0106】
このように、負荷電気機器42は、切替開閉器5と負荷系統W1とを電気的に接続した状態と、切替開閉器5と負荷系統W1とを電気的に切り離した状態とに切り替えることができるようになっている。
【0107】
切替開閉器5は、第一回路部2及び第二回路部3と負荷回路部4との電気的な接続状態を切り替える切替本体部50と、切替本体部50を作動させる切替制御部51と、を有する。
【0108】
切替本体部50は、第一導電接続部23を介して第一回路部2に電気的に接続される第一側端子部500と、第二導電接続部33を介して第二回路部3に電気的に接続される第二側端子部501と、負荷導電接続部43を介して負荷系統W1に電気的に接続される負荷側端子部502と、を有する。
【0109】
本実施形態の第一側端子部500、第二側端子部501、負荷側端子部502は、いわゆるねじ式の端子部であり、ねじによって第一導電接続部23、第二導電接続部33、負荷導電接続部43のそれぞれが固定できるように構成されている。
【0110】
本実施形態の切替開閉器5の第一側端子部500は、第1相用の第一側端子部500(第一相端子部500a)、第2相用の第一側端子部500(第二相端子部500b)、第3相用の第一側端子部500(第三相端子部500c)を含む。そして、第一相端子部500a、第二相端子部500b、第三相端子部500cは、第二方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0111】
本実施形態の切替開閉器5の第二側端子部501は、第1相用の第二側端子部501(第一相端子部501a)、第2相用の第二側端子部501(第二相端子部501b)、第3相用の第二側端子部501(第三相端子部501c)を含む。そして、第一相端子部501a、第二相端子部501b、第三相端子部501cは、第二方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0112】
本実施形態の切替開閉器5の負荷側端子部502は、第1相用の負荷側端子部502(第一相端子部502a)、第2相用の負荷側端子部502(第二相端子部502b)、第3相用の負荷側端子部502(第三相端子部502c)を含む。そして、第一相端子部502a、第二相端子部502b、第三相端子部502cは、第二方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0113】
なお、第一側端子部500と、第二側端子部501及び負荷側端子部502は、切替開閉器5の第一方向における別々の端部に設けられている。また、本実施形態の切替開閉器5では、第一側端子部500と第二側端子部501とが第一方向で反対の方向に向けて第一方向に並んで(整列するように)配置されている。
【0114】
より具体的に説明すると、第一側端子部500は、第一方向の一方側へ向けて配置され、第二側端子部501は、第一方向の他方側へ向けて配置され、さらに、第二側端子部501は第二二次端子部31と第一方向で対向している。そのため、第一側端子部500は、機器一次端子部220に向かって配置されている。
【0115】
さらに、第二側端子部501と負荷側端子部502とは、第一方向で同じ方向に向けた状態で第二方向に並べて配置され、第二側端子部501と第二二次端子部31とは第一方向で対向し、負荷側端子部502と負荷一次端子部40とは第一方向で対向している。
【0116】
本実施形態では、第二側端子部501が第二方向の一方側に配置され、負荷側端子部502が第二方向の他方側に配置されている。さらに、本実施形態の第二側端子部501の第一方向での配置位置と、負荷側端子部502の第一方向での配置位置は、互いに異なっている。より具体的に説明すると、第二側端子部501は、負荷側端子部502よりも第一方向において一方側に位置するように配置されている。
【0117】
また、第一相端子部500a、501aは、第一方向において接続方向が互いに反対向きの状態で一直線上又は略一直線上(第一方向における一直線上又は略一直線上)で並ぶように配置され、第二相端子部500b、501bも、第一方向において接続方向が互いに反対向きの状態で一直線上又は略一直線上(第一方向における一直線上又は略一直線上)に並ぶように配置され、第三相端子部500c、501cも第一方向において接続方向が互いに反対向きの状態で一直線上又は略一直線上(第一方向における一直線上又は略一直線上)に並ぶように配置されている。
【0118】
また、第二側端子部501だけでなく、第二電気機器32の機器二次端子部321、負荷側端子部502、負荷電気機器42の負荷機器一次端子部420の各々においても、第一相端子部321a、502a、420aと、第二相端子部321b、502b、420bと、第三相端子部321c、502c、420cは、第二方向で並ぶように配置されている。
【0119】
さらに、第二側端子部501と第二電気機器32の機器二次端子部321とは、互いの第一相端子部501a、321aが第一方向で対向し、互いの第二相端子部501b、321bが第一方向で対向し、互いの第三相端子部501c、321cが第一方向で対向するように構成されている。なお、第二側端子部501と第二電気機器32の機器二次端子部321との対向は、それぞれが正対する位置関係であってもよいし、完全には正対せず略対向する位置関係であってもよい。
【0120】
そして、負荷側端子部502と負荷電気機器42の負荷機器一次端子部420とは、互いの第一相端子部502a、420aが第一方向で対向し、互いの第二相端子部502b、420bが第一方向で対向し、互いの第三相端子部502c、420cが第一方向で対向するように構成されている。なお、負荷側端子部502と負荷電気機器42の負荷機器一次端子部420との対向は、それぞれが正対する位置関係であってもよいし、完全には正対せず略対向する位置関係であってもよい。
【0121】
さらに、第二方向において、第一側端子部500の第一相端子部500a及び第二側端子部501の第一相端子部501aから第一側端子部500の第三相端子部500c及び第二側端子部501の第三相端子部501cまでを含む範囲で且つ第一方向に広がる帯状エリアA内において、第一二次端子部(本実施形態では第一二次端子部を兼ねている第一一次端子部20)は第一側端子部500よりも第一方向の一方側に配置され、第二二次端子部31は第二側端子部501よりも第一方向の他方側に配置されている。
【0122】
そのため、本実施形態の切替開閉器5は、第一方向において、第一回路部2と第二回路部3との間に配置されている。具体的には、
図3に示すように、第一方向に広がる帯状エリアA内に配置されることで、第二方向で同じ位置に配置される第一回路部2と第二回路部3との間に、切替開閉器5が配置されている。
【0123】
また、本実施形態では、負荷電気機器42が切替開閉器5の第一方向の他方側に配置されているため、切替開閉器5は、第一方向において、第一回路部2と負荷回路部4の間にも配置されている。
【0124】
切替本体部50は、
図12に示すように、第一側端子部500と負荷側端子部502とを電気的に接続し且つ第二側端子部501と負荷側端子部502とを電気的に切り離している状態(第一給電状態)と、
図13に示すように、第一側端子部500と負荷側端子部502とを電気的に切り離し且つ第二側端子部501と負荷側端子部502とを電気的に接続している状態(第二給電状態)とに切替可能であり、切替制御部51は、切替本体部50を作動させることによって第一給電状態と第二給電状態を切り替えるように構成されている。
【0125】
なお、切替制御部51は、切替本体部50の第一給電状態と第二給電状態とを各々の給電状態に応じて自動的に切り替えるように構成されていればよいが、手動で第一給電状態と第二給電状態とを切り替えるように構成したり、外部からの遠隔操作で第一給電状態と第二給電状態とを切り替えるように構成したりしてもよい。
【0126】
本実施形態では、
図3に示すように、切替本体部50が第二方向の一方側に配置され、切替制御部51が第二方向の他方側に配置されている。
【0127】
中継回路部6は、第一導電接続部23を介して第一回路部2に電気的に接続される中継一次端子部60と、中継導体P210を介して第2の電源系統P2に電気的に接続される中継二次端子部61と、を有する。
【0128】
本実施形態の中継回路部6は、第一回路部2を介して第1の電源系統P1から電力を受ける中継電気機器62を有する。なお、中継電気機器62は、第1の電源系統P1へ送電する場合、商用電力に加えるようにして切替開閉器5に電力供給するように構成されていてもよい。
【0129】
中継電気機器62は、第一導電接続部23が固定される機器一次端子部620と、中継導体P210が固定される機器二次端子部621と、中継機能部(採番しない)と、を有する。
【0130】
本実施形態の中継回路部6では、中継電気機器62の機器一次端子部620が中継一次端子部60を構成し、中継電気機器62の機器二次端子部621が中継二次端子部61を構成している。
【0131】
また、中継電気機器62の機器一次端子部620には、第一導電接続部23の第二導電部232(第二導電部232の先端部2320)が固定され、中継電気機器62の機器二次端子部621には中継導体P210が固定される。本実施形態の機器二次端子部621は、ねじによって中継導体P210が固定できるように構成されている。また、機器一次端子部620も同様に、ねじで第一導電接続部23の先端部2320が固定される。
【0132】
さらに、中継電気機器62では、機器一次端子部620と機器二次端子部621が第二方向で並ぶように配置されている。また、中継電気機器62の機器一次端子部620は、第一電気機器22の機器一次端子部220と第二方向で向かい合うように配置されている。
【0133】
本実施形態の中継電気機器62の機器一次端子部620には、第1相用の機器一次端子部620(第一相端子部620a)、第2相用の機器一次端子部620(第二相端子部620b)、第3相用の機器一次端子部620(第三相端子部620c)が含まれる。
【0134】
本実施形態の中継電気機器62の機器二次端子部621は、第1相用の機器二次端子部621(第一相端子部621a)、第2相用の機器二次端子部621(第二相端子部621b)、第3相用の機器二次端子部621(第三相端子部621c)を含む。
【0135】
本実施形態の中継電気機器62は遮断器である。そのため、中継機能部は、機器一次端子部620に第一導電接続部23が固定され、且つ機器二次端子部621に中継配電路P21につながる中継導体P210が固定されている状態において、第一導電接続部23と中継導体P210とを接続した状態(閉状態)と、第一導電接続部23と中継導体P210とを電気的に切り離した状態(開状態)とに切替可能となるように構成されている。
【0136】
このように、中継機能部は、第一回路部2と第2の電源系統P2とを電気的に接続した状態と、第一回路部2と第2の電源系統P2とを電気的に切り離した状態とに切り替えることができるようになっている。
【0137】
なお、切替開閉器5、第二回路部3、負荷回路部4は、第二方向において第一回路部2の第一一次端子部20(第一電気機器22の機器一次端子部220)から中継回路部6の中継二次端子部61(中継電気機器62の機器二次端子部321)までを含む範囲(幅寸法)であり、且つ第一方向に広がる帯状エリアB内に収まるように配置されている。
【0138】
筐体7は、
図7に示すように、内部に第一回路部2、第二回路部3、負荷回路部4、切替開閉器5、中継回路部6を収容可能な収容部70と、収容部70の前面に取り付けられる中蓋部71(
図2参照)と、を有する。なお、
図7において図示していないが、筐体7は、収容部70の前面に取り付けられている中蓋部71を覆う外蓋部を備えている。
【0139】
収容部70は、周環状の枠部700と、枠部700内に位置する背面部701と、背面部701に配置する機器を位置決めするための位置決構造702と、を有する。
【0140】
本実施形態の枠部700は、正面視において矩形状(長方形状)となるように形成されている。また、枠部700は、筐体7の前後方向において前方側に向けて配置される前面が、背面部701よりも筐体7の前後方向において前方側に位置するように形成されているため、背面部701の前方に長方形状(正面視において長方形状)の閉領域を形成している。なお、筐体7の前後方向は、切替開閉器内蔵盤1の前記前後方向に対応している。
【0141】
切替開閉器内蔵盤1は、背面部701が背面側から壁面に固定されることにより設置される。また、背面部701は、盤面方向に広がる面状に形成されたものである。
【0142】
背面部701には、前後方向に貫通する導体挿通部7010が設けられている。本実施形態の背面部701には、複数の導体挿通部7010が設けられている。
【0143】
この複数の導体挿通部7010には、第一導体P110を筐体7の内外に亘って挿通可能な第一導体挿通部7010aと、第二導体P220を筐体7の内外に亘って挿通可能な第二導体挿通部7010bと、負荷導体W110を筐体7の内外に亘って挿通可能な負荷導体挿通部7010cと、中継導体P210を筐体7の内外に亘って挿通可能な中継導体挿通部7010dと、が含まれている。
【0144】
第一導体挿通部7010aは、第一電気機器22の第一一次端子部20と切替開閉器5よりも第二方向の一方側に設けられている。そのため、第一導体挿通部7010aは、第一電気機器22の第一一次端子部20と切替開閉器5よりも第二方向の一方側で第一導体P110を筐体7の内外に挿通させることができるようになっている。
【0145】
本実施形態の第一導体挿通部7010aは、第一方向において、一方側に配置される第一側第一導体挿通部7010aaと、他方側に配置される切替側第一導体挿通部7010abとを備える。具体的には、第一導体挿通部7010aは、第一方向で離間する第一電気機器22と切替開閉器5との第一方向の間を通る第二方向の仮想の直線に沿う背面部701の一部を境界として、第一側第一導体挿通部7010aaと、切替側第一導体挿通部7010abとに区画されている。そして、第一側第一導体挿通部7010aaは、第一電気機器22の直上に配置され、切替側第一導体挿通部7010abは、切替開閉器5と第二電気機器32の直上(第二方向の一方側)とに亘って配置されている。そのため、切替側第一導体挿通部7010abは、負荷電気機器42の第二方向の一方側に形成されている。よって、本実施形態の切替側第一導体挿通部7010abは、切替開閉器5と第二電気機器32との第一方向における全体の長さに対応するように形成されている。なお、本実施形態では、
図3に示すように、第一側第一導体挿通部7010aaを介して、筐体7の内側に第一導体P110が挿入されている。
【0146】
第一側第一導体挿通部7010aaは、第一電気機器22の第一方向における全域に亘るように形成されている。切替側第一導体挿通部7010abは、切替開閉器5の第一方向における全域に亘るように形成されている。また、切替側第一導体挿通部7010abは、第二電気機器32の第一方向における全域に亘るようにも形成されている。したがって、本実施形態の第一導体挿通部7010aは、第一電気機器22と切替開閉器5と第二電気機器32との第一方向における全体の長さに対応するように形成されている。
【0147】
第二導体挿通部7010bは、第二電気機器32の機器一次端子部320よりも第一方向の他方側に設けられている。そのため、第二導体挿通部7010bは、第二電気機器32の機器一次端子部320よりも第一方向の他方側で第二導体P220を筐体7の内外に挿通させることができるようになっている。
【0148】
また、第二導体挿通部7010bは、帯状エリアA内において、第二電気機器32よりも第一方向の他方側に配置されており、第二方向での配置位置が第二電気機器32の第二方向での配置位置と同じ位置になっている。そして、第二導体挿通部7010bは、帯状エリアAよりも第二方向の一方側で、第一導体挿通部7010aの第二方向での配置位置と同じ配置位置まで延びるように形成されている。
【0149】
本実施形態の第二導体挿通部7010bは、第二電気機器32よりも第二方向の一方側に延びている。また、第二導体挿通部7010bは、第二電気機器32よりも第二方向の他方側にも延びている。そして、第二導体挿通部7010bのうち、第二電気機器32よりも第二方向の他方側に延びている部分は、後述する負荷導体挿通部7010cと共通する部分となっている。したがって、本実施形態の第二導体挿通部7010bは、第二方向において、第二電気機器32の長さよりも長く形成されている。
【0150】
負荷導体挿通部7010cは、負荷電気機器42の負荷機器二次端子部421よりも第一方向の他方側に設けられている。そのため、負荷導体挿通部7010cは、負荷電気機器42の負荷機器二次端子部421よりも第一方向の他方側で負荷導体W110を筐体7の内外に挿通させることができるようになっている。また、負荷導体挿通部7010cは、後述する中継導体挿通部7010dの第二方向での配置位置と同じ配置位置まで延びるように形成されている。
【0151】
本実施形態の負荷導体挿通部7010cは、負荷電気機器42よりも第二方向の一方側に延びている。また、負荷導体挿通部7010cは、負荷電気機器42よりも第二方向の他方側にも延びている。そして、負荷導体挿通部7010cのうち、負荷電気機器42よりも第二方向の一方側に延びている部分は、第二導体挿通部7010bと共通する部分となっている。したがって、本実施形態の第二導体挿通部7010bは、第二方向において、第二電気機器32の長さよりも長く形成されている。
【0152】
また、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとは第二方向で並ぶ位置に形成されており、互いに連続するように形成されている。そのため、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bが兼用されている。よって、例えば、第二導体挿通部7010bと兼用する負荷導体挿通部7010cから第二導体P220を筐体7の内外に挿通できる。さらに、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとは、第二方向の一方側及び他方側に延びるように形成されている。
【0153】
第二導体挿通部7010bと負荷導体挿通部7010cとを合わせることにより、二次挿通部(採番しない)が形成される。この二次挿通部は、第二方向に並べて配置される第二電気機器32と負荷電気機器42との第二方向における全域に対応するように形成されている。具体的には、二次挿通部は、第二方向において、第二電気機器32よりも一方側の位置から負荷電気機器42よりも他方側の位置に亘るように形成されている。
【0154】
中継導体挿通部7010dは、中継電気機器62の機器二次端子部621よりも第二方向の他方側に設けられている。そのため、中継導体挿通部7010dは、中継電気機器62の機器二次端子部621よりも第二方向の他方側で中継導体P210を筐体7の内外に挿通させることができるようになっている。本実施形態の中継導体挿通部7010dは、中継電気機器62の第一方向における全域に亘るように形成されている。
【0155】
切替開閉器5と負荷電気機器42の第二方向の他方側には、筐体7の内側と外側を連通する連通部72が形成されている。この連通部72は、中継導体挿通部7010dの第一方向の他方側に配置されている。また、本実施形態の連通部72は、切替開閉器5の直下に配置される切替連通部720と、負荷電気機器42の直下に配置される負荷連通部721とを備える。
【0156】
切替連通部720は、切替開閉器5の第一方向における全域に亘るように形成され、負荷連通部721は、負荷電気機器42の第一方向における全域に亘るように形成されている。また、切替連通部720と負荷連通部721とは、第一方向で互いに連続するように形成されている。
【0157】
したがって、本実施形態では、第一回路部2と切替開閉器5と第二回路部3と負荷回路部4とは、第一導体挿通部7010aと第二導体挿通部7010bと連通部72と中継導体挿通部7010dとで三方が囲まれている。
【0158】
位置決構造702は、第二回路部3を背面部701に対して位置決めするための第二回路部用位置決部7020と、負荷回路部4を背面部701に対して位置決めするための負荷回路部用位置決部7021と、切替開閉器5を背面部701に対して位置決めするための切替開閉器用位置決部7022と、第一回路部2を背面部701に対して位置決めするための第一回路部用位置決部7023と、中継回路部6を背面部701に対して位置決めするための中継回路部用位置決部7024と、を有する。
【0159】
本実施形態の第二回路部用位置決部7020は、第二電気機器32を位置決めするように構成されている。
【0160】
また、第二回路部用位置決部7020は、第二電気機器32の交差する2つの側面に当接するように構成されている。より具体的に説明すると、第二回路部用位置決部7020は、背面部701から前後方向における前方側に突出し且つ第二電気機器32の第一方向における一方側の側面に当接する第一当接部7020aと、背面部701から前後方向における前方側に突出し且つ第二電気機器32の第二方向における一方側の側面に当接する第二当接部7020bと、を有する。
【0161】
本実施形態の負荷回路部用位置決部7021は、負荷電気機器42を位置決めするように構成されている。
【0162】
また、負荷回路部用位置決部7021は、負荷電気機器42の交差する2つの側面に当接するように構成されている。より具体的に説明すると、負荷回路部用位置決部7021は、背面部701から前後方向における前方側に突出し且つ負荷電気機器42の第一方向における一方側の側面に当接する第一当接部7021aと、背面部701から前後方向における前方側に突出し且つ負荷電気機器42の第二方向における一方側の側面に当接する第二当接部7021bと、を有する。
【0163】
切替開閉器用位置決部7022は、切替開閉器5の交差する2つの側面に当接するように構成されている。より具体的に説明すると、切替開閉器用位置決部7022は、背面部701から前後方向における前方側に突出し且つ切替開閉器5の第一方向における一方側の側面に当接する第一当接部7022aと、背面部701から前後方向における前方側に突出し且つ切替開閉器5の第二方向における一方側の側面に当接する第二当接部7022bと、を有する。
【0164】
第一回路部用位置決部7023は、背面部701から前後方向における前方側に突出し且つ第一電気機器22の第二方向における他方側の側面に当接する第二当接部7023bを有する。
【0165】
中継回路部用位置決部7024は、背面部701から前後方向における前方側に突出し且つ中継電気機器62の第一方向における一方側の側面に当接する第一当接部7024aと、背面部701から前後方向における前方側に突出し且つ中継電気機器62の第二方向における一方側の側面に当接する第二当接部7024bとを有する。
【0166】
中蓋部71は、収容部70に取り付けられた状態で、第一回路部2、第二回路部3、負荷回路部4、切替開閉器5、中継回路部6の前面を覆うように構成されている。また、本実施形態の中蓋部71には、第二回路部3の非充電部(具体的には第二電気機器32の操作部分)、負荷回路部4の非充電部(具体的には負荷電気機器42の操作部分)、中継回路部6の非充電部(具体的には中継電気機器62の操作部分)の位置に合わせて窓部710が形成されている。
【0167】
第二電気機器32、負荷電気機器42は、操作部分の操作方向が第一方向に合わせた状態で配置されており、中継電気機器62は、操作部分の操作方向が第二方向に合わせた状態で配置されている。このように、互いに近接する位置に配置されている第二電気機器32、負荷電気機器42は、操作部分の操作方向が同じ向きとなるように配置されており、第二電気機器32と負荷電気機器42から離れた位置に配置されている中継電気機器62は、操作部分の操作方向が第二電気機器32及び負荷電気機器42の操作部分の操作方向とは異なる向きとなるように配置されている。
【0168】
カバー構造8は、
図8に示すように、第一導電接続部23を覆う第一カバー部80と、第二導電接続部33を覆う第二カバー部81と、負荷導電接続部43を覆う第三カバー部82と、を有する。
【0169】
第一カバー部80は、第一導電部231の基端部を覆う第一保護部800と、第一導電部231の基端部よりも先端側と第二導電部232とを覆う第二保護部801と、を有する。
【0170】
第一保護部800と第二保護部801とは別々に着脱可能となっており、第二保護部801が第一導電部231の基端部よりも先端側と第二導電部232とを前方側から覆っている状態で、第一保護部800が第一導電部231の基端部を前方側から覆う閉状態と、第一保護部800が第一導電部231の基端部の前方を開放する開状態とに切替可能に構成される(
図9、
図10参照)。
【0171】
また、第一保護部800と第二保護部801とが何れも設置されている状態においては、第一保護部800は第二保護部801よりも前後方向における前方側に配置され、第一保護部の外周縁部と第二保護部801の外周縁部とが部分的に重なった状態になる。
【0172】
第二カバー部81と第三カバー部82とは一つの部材により一体的に形成され、これらカバーの取付固定を確実化するために、第1相用の第二側端子部501(第一相端子部501a)、第2相用の第二側端子部501(第二相端子部501b)、第3相用の第二側端子部501(第三相端子部501c)のそれぞれの相間の絶縁を保つための絶縁壁と係合する係合部を備えて形成される。該係合部は、それぞれの相の第二側端子部501に対応するように第二方向に沿って並設されており、かつ、第一方向に向けて先端部が延設形成される。また先端部には、該先端部を第二方向に分割するスリットが設けられ絶縁壁に係合しやすくなっている。なお、第二カバー部81と第三カバー部82に設ける係合部は、第1相用の負荷側端子部502(第一相端子部502a)、第2相用の負荷側端子部502(第二相端子部502b)、第3相用の負荷側端子部502(第三相端子部502c)それぞれの相間の絶縁を保つための絶縁壁と係合する係合部を備えて形成してもよい。第二カバー部81と第三カバー部82は一体的に形成されているが、第二カバー部81と第三カバー部82は別体であってもよい(
図11参照)。
【0173】
本実施形態では、機器一次端子部220に向かって配置される第一側端子部500は、第一方向に延出する第一導電部231の先端部2310と第一方向に沿って接続できるため、第一電気機器22と切替開閉器5の第二方向の一方側には、筐体7の内外に第一導体P110を挿通するためのスペースを確保できる。特に、
図3、7に示すように、第一導体P110が線状のもの(例えば、複数の金属線を束ねて構成されるもの)である場合には、第一電気機器22と切替開閉器5の第二方向の一方側に、第一導体P110の曲げを行うためのスペースを確保できる。
【0174】
また、機器一次端子部220が第二方向の一方側に向けて配置されているため、第一導体挿通部7010aから筐体7の内側に挿通された第一導体P110の曲げ半径や第一電気機器22と切替開閉器5の位置を考慮しつつ、第一電気機器22と切替開閉器5の第二方向の一方側のスペースを利用して、第一導体P110と機器一次端子部220とを接続できる。
【0175】
また、第二方向の一方側に向けて配置される機器一次端子部220が、第二方向で第一導体P110に接続され、第一側端子部500が第一導電部231の先端部2310と第一方向に沿って接続されることにより、筐体7の外側からの電力の流れは第二方向で行われ、筐体7の内側での第一電気機器22と切替開閉器5との電気的な接続は第一方向で行うことができる。よって、第一導体P110と第一回路部2、第一回路部2と切替開閉器5それぞれにおける電気的な接続を視覚的に区分けすることができる。
【0176】
また、第二電気機器32と負荷電気機器42の第二方向の一方側に切替側第一導体挿通部7010abが形成されているため、前記切替側第一導体挿通部7010abを介して筐体の7の外側から内側に第一導体P110を挿通できる。
【0177】
さらに、第一方向で並んで配置される第一電気機器22と切替開閉器5と第二電気機器32の第二方向の一方側に第一導体挿通部7010aが形成されていることにより、第一導体P110を筐体7の外側から内側に挿通しやすい。
【0178】
また、切替側第一導体挿通部7010abが、切替開閉器5と第二電気機器32との直上とに亘って配置されているため、切替側第一導体挿通部7010abは第一方向で幅広に形成され、第一導体P110を筐体7の内側に挿通しやすい。
【0179】
また、第一側第一導体挿通部7010aaが、第二方向で、中継導体挿通部7010dよりも幅が広く形成されているため、第一側第一導体挿通部7010aaを介して、筐体7の内側に第一導体P110を挿通しやすい。
【0180】
また、機器一次端子部320と負荷機器二次端子部421それぞれの第一方向の他方側に形成される第二導体挿通部7010bと負荷導体挿通部7010cを介して、筐体7の内側に挿通した第二導体P220と負荷導体W110を機器一次端子部320と負荷機器二次端子部421それぞれに接続しやすい。
【0181】
さらに、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bが第二方向の一方側及び他方側に延びるように形成されているため、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bそれぞれを介して、第二導体P220と負荷導体W110を筐体7の外側から内側に挿通する際には、第二導体P220と負荷導体W110の曲げ半径や各電気機器の位置などに考慮しつつ、第二導体P220と負荷導体W110のそれぞれを筐体7の外側から内側に挿通できるため、配線作業がしやすい。
【0182】
以上、本実施形態によれば、切替開閉器5又は第一電気機器22の第二方向の一方側の第一導体挿通部7010aを介して第一導体P110を筐体7の外側と内側に挿通でき、第一導体P110の曲げ半径や第一電気機器22と切替開閉器5の位置などを考慮しつつ、機器一次端子部220に接続できるため、第一導体P110の配線作業がしやすい。
【0183】
また、本実施形態では、切替開閉器5が第一方向の一方側に配置され、負荷電気機器42が第一方向の他方側に配置され、筐体7には、負荷電気機器42の第一方向の他方側に負荷導体挿通部7010cが形成されているため、切替開閉器5と負荷電気機器42とが並んで配置される第一方向に形成される負荷導体挿通部7010cから負荷導体W110を筐体7の外側と内側に挿通できる。
【0184】
また、負荷導体挿通部7010cが第二方向の一方側及び他方側に延びることにより、筐体7の外側と内側に負荷導体W110を挿通するスペースを確保でき、負荷導体W110の曲げ半径を考慮して、負荷導体W110を筐体7の外側から内側に挿通できる。
【0185】
また、本実施形態では、第二電気機器32と負荷電気機器42とが第二方向で並んで配置され、筐体7には第二電気機器32の第一方向の他方側に第二導体挿通部7010bが形成されているため、第二方向で並ぶ第二電気機器32と負荷電気機器42の第一方向の他方側の第二導体挿通部7010bと負荷導体挿通部7010cそれぞれから第二導体P220と負荷導体W110を筐体7の内側に挿通できる。
【0186】
また、第二導体挿通部7010bと負荷導体挿通部7010cとは兼用されているため、第二導体P220の曲げ半径や配置を考慮しつつ、負荷導体W110を筐体7の外側から内側に挿通できる。
【0187】
以上、本実施形態では、筐体7の内側に負荷導体W110を挿通するスペースを確保でき、負荷導体W110の曲げ半径を考慮して、負荷導体W110を筐体7の外側から内側に挿通できるため、負荷導体W110の配線作業がしやすい。
【0188】
続いて、本発明の第二実施形態に係る切替開閉器内蔵盤1について、
図14~16を参照して説明する。なお、第二実施形態に係る切替開閉器内蔵盤1を説明するに際しては、上記一の実施形態に係る切替開閉器内蔵盤1と異なる構成や作用について説明し、同一の構成、作用については説明を省略する。
【0189】
第二実施形態の第二回路部3では、機器一次端子部320と機器二次端子部321が、第二方向で並ぶように配置され、機器一次端子部320の第一方向での配置位置と、機器二次端子部321の第一方向での配置位置は同じである。また、第二実施形態では、機器一次端子部320が第二方向の他方側に向き、機器二次端子部321が第二方向の一方側に向くように配置されている。さらに、第二実施形態の第二電気機器32が第一方向で、切替制御部51の他方側に配置されている。
【0190】
第二実施形態において、機器一次端子部320の第一相端子部320aと、第二相端子部320bと、第三相端子部320cは、互いに第一方向で並ぶように(整列するように)配置されている。また、機器二次端子部321の第一相端子部321aと、第二相端子部321bと、第三相端子部321cも互いに第一方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0191】
第二実施形態の第二導電接続部33は、第一方向と第二方向に延びるため、第一実施形態とは異なる形状である。この第二導電接続部33は、第二側端子部501に接続される一端部330と、該一端部330から第二方向に延びる第二導電部331と、該第二導電部331と連続して第一方向に延びる第一導電部332と、機器二次端子部321に接続される他端部333とを備える。
【0192】
具体的には、
図15に示すように、第二導電部331が、第一方向に延びる一端部330から第二方向の一方側に延び、第一導電部332が、第二導電部331から第一方向の他方側に延び、他端部333が、第一導電部332から第二方向の他方側に延びる。
【0193】
第二実施形態の第二回路部3も、3つの第二導電接続部33(採番しないが、第一相導電接続部33a、第二相導電接続部33b、第三相導電接続部33c)を有している。また、3つの第二導電接続部33において、一端部330同士が第二方向に沿って並び、第二導電部331同士が第一方向に沿って並び、第一導電部332同士が第二方向に沿って並び、他端部333同士が第一方向に沿って並ぶ。
【0194】
第二実施形態の負荷回路部4では、負荷機器一次端子部420と負荷機器二次端子部421とが第二方向で並ぶように配置され、負荷機器一次端子部420の第一方向での配置位置と、負荷機器二次端子部421の第一方向での配置位置は同じである。また、第二実施形態では、負荷機器一次端子部420が負荷電気機器42における第二方向の一方側の端部に設けられ、負荷機器二次端子部421が負荷電気機器42における第二方向の他方側の端部に設けられている。さらに、第二実施形態の負荷電気機器42が第一方向で、切替制御部51の他方側に配置されている。
【0195】
第二実施形態の負荷電気機器42は、第二電気機器32から第一方向の一方側に離間した位置に並ぶように配置されている。この負荷電気機器42は、切替開閉器5よりも第一方向の他方側に配置されている。また、負荷機器一次端子部420と第二電気機器32の機器二次端子部321とは第一方向で並び、負荷機器二次端子部421と第二電気機器32の機器一次端子部320とが第一方向で並んでいる。
【0196】
また、第二実施形態では、負荷機器一次端子部420の第一相端子部420a、第二相端子部420b、第三相端子部420cが互いに第一方向で並ぶように(整列するように)配置されている。そして、負荷機器二次端子部421の第一相端子部421a、第二相端子部421b、第三相端子部421cも第一方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0197】
第二実施形態の負荷導電接続部43は、第一方向と第二方向に延びるため、第一実施形態とは異なる形状である。
図15に示すように、この負荷導電接続部43は、負荷側端子部502に接続される一端部430と、該一端部430から第二方向に延びる第二導電部431と、該第二導電部431から第一方向に延びる第一導電部432と、負荷機器一次端子部420に接続される他端部433とを備える。
【0198】
具体的には、第二導電部431が、第一方向に延びる一端部430から第二方向の一方側に延び、第一導電部432が、第二導電部431から第一方向の他方側に延び、他端部433が、第一導電部432から第二方向の他方側に延びる。
【0199】
第二実施形態の負荷回路部4も、3つの負荷導電接続部43(第一相導電接続部43a、第二相導電接続部43b、第三相導電接続部43c)を有している。また、3つの負荷導電接続部43において、一端部430同士が第二方向に沿って並び、第二導電部431同士が第一方向に沿って並び、第一導電部432同士が第二方向に沿って並び、他端部433同士が第一方向に沿って並ぶ。
【0200】
図15に示すように、第二実施形態の負荷導電接続部43は、筐体7内における前後方向において、第二導電接続部33の前方に配置されている。そのため、筐体7内を正面視した状態で、負荷導電接続部43と第二導電接続部33とが前後方向で重なっている。
【0201】
第二実施形態の切替開閉器5では、負荷側端子部502が、第一実施形態よりも第二方向の一方側の端部に配置されている。ここで、
図15に示すように、負荷側端子部502は、第二相端子部502bと第三相端子部502cとが、帯状エリアA内に配置されている。そのため、第二実施形態の負荷側端子部502は、第二方向で、第二側端子部501と略同一の位置に配置されている。具体的に、第二方向において、第三相端子部502cが、第二相端子部501bと第三相端子部501cとの間に配置され、第二相端子部502bが、第一相端子部501aと第二相端子部501bとの間に配置され、第一相端子部502aが第一相端子部501aよりも一方側に配置されている。
【0202】
第二実施形態の負荷側端子部502は、第二側端子部501よりも第一方向の一方側に配置される。また、負荷側端子部502は、第二側端子部501よりも前後方向の前方に配置されている。そのため、
図15に示すように、第二実施形態では、前後方向において、第二側端子部501に接続される一端部430が後方に配置され、負荷側端子部502に接続される一端部430が前方に配置される。
【0203】
第二実施形態の第二側端子部501と負荷側端子部502とは、第一方向で同じ方向に向けた状態で配置されている。また、第二実施形態では、第一実施形態とは異なり、第二側端子部501と負荷側端子部502が第一方向の他方側に向き、第二二次端子部31と負荷一次端子部40が第二方向の一方側に向いて配置されている。
【0204】
図14に示すように、第二実施形態の切替制御部51は、第一実施形態と同様で、切替本体部50を作動させることにより、切替本体部50を第一給電状態と第二給電状態とに切り替えるように構成されている。
【0205】
第二実施形態の切替側第一導体挿通部7010abは、切替開閉器5と負荷電気機器42と第二電気機器32の直上とに亘って配置されている。また、切替側第一導体挿通部7010abは第一実施形態と同様に、切替開閉器5と第二電気機器32の第一方向における全域に亘るようにも形成されている。ここで、第二実施形態の切替側第一導体挿通部7010abは、負荷電気機器42の第一方向における全域に亘るように形成されている。よって、第二実施形態の切替側第一導体挿通部7010abは、切替開閉器5と第二電気機器32と負荷電気機器42の第一方向における全体の長さに対応するように形成されている。
【0206】
第二実施形態の第二導体挿通部7010bは、帯状エリアAと第二電気機器32の機器一次端子部320よりも第二方向の他方側に設けられている。また、第二導体挿通部7010bは、第一方向に延びるように形成されている。そのため、第二実施形態では、第二導体挿通部7010bを介して、第二方向の他方側で第二導体P220を筐体7の内外に挿通できる。
【0207】
第二実施形態の負荷導体挿通部7010cは、負荷電気機器42の負荷機器二次端子部421よりも第二方向の他方側に設けられている。そして、負荷導体挿通部7010cは、第一方向延びるように形成されている。そのため、第二実施形態では、負荷導体挿通部7010cを介して、第二方向の他方側で負荷導体W110を筐体7の内外に挿通できる。
【0208】
第二実施形態の負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとは、第一方向で並ぶように形成され、互いに連続している。また、第二実施形態の負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとは、切替開閉器5と負荷電気機器42と第二電気機器32の直下とに亘って配置されている。そのため、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとが、第一方向の一方側及び他方側に延びるように形成されている。さらに、第二実施形態の負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとは、第一方向で、切替側第一導体挿通部7010abと略同一の長さに形成されている。
【0209】
よって、第二実施形態の第二導体挿通部7010bは、第二電気機器32よりも第一方向の一方側に延び、負荷導体挿通部7010cは、負荷電気機器42よりも第一方向の一方側及び他方側に延びている。具体的に、第二導体挿通部7010bと負荷導体挿通部7010cは、第二電気機器32の第二方向の他方側から切替開閉器5の第二方向の他方側まで延びている。なお、負荷導体挿通部7010cは、負荷電気機器42の第二方向の他方側から切替開閉器5の第二方向の他方側まで延びるように構成されていてもよい。
【0210】
加えて、第二実施形態の負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとは、第二方向で、切替側第一導体挿通部7010abよりも大きく形成されている。
【0211】
第二実施形態の連続挿通部(採番しない)は第一実施形態とは異なり、第一方向に並べて配置される第二電気機器32と負荷電気機器42との第一方向における全域に対応するように形成されている。具体的には、連続挿通部は、第一方向において、第二電気機器32の直下の位置から負荷電気機器42の直下に亘るように形成される。
【0212】
図16に示すように、第二実施形態の位置決構造702は、第一回路部用位置決部7023と、中継回路部用位置決部7024と、を有する。なお、
図16では、第二回路部用位置決部7020、負荷回路部用位置決部7021、切替開閉器用位置決部7022を省略しているが、位置決構造702が第二回路部用位置決部7020と、負荷回路部用位置決部7021と、切替開閉器用位置決部7022とを有していてもよい。
【0213】
第二実施形態では、第二電気機器32と負荷電気機器42とは、操作部分の操作方向が第二方向に合わせた状態で配置されている。そのため、第二実施形態では、第二電気機器32と負荷電気機器42と中継電気機器62とは、操作部分の操作方向が同一の向きで配置されている。
【0214】
第二実施形態では、負荷電気機器42と第二電気機器32とが第一方向で並んで配置されている。そのため、第二実施形態の負荷連通部と第二連通部とは第一方向で並んで配置されている。
【0215】
第二実施形態では、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとが、第二方向で、切替側第一導体挿通部7010abよりも大きく形成されているため、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bのそれぞれから、第二導体P220と負荷導体W110を筐体7の外側から内側に挿通しやすい。
【0216】
また、第二実施形態では、第二方向において、第三相端子部502cが、第二相端子部501bと第三相端子部501cとの間に配置され、第二相端子部502bが、第一相端子部501aと第二相端子部501bとの間に配置され、第一相端子部502aが第一相端子部501aよりも一方側に配置されている。また、負荷側端子部502は、第二側端子部501よりも前後方向の前方に配置されている。そのため、第二方向で略同一の位置に配置される負荷側端子部502と第二側端子部501との間で絶縁距離を確保できる。
【0217】
切替開閉器5が第一方向の一方側に配置され、負荷電気機器42が第一方向の他方側に配置され、筐体7には、負荷電気機器42の第二方向の他方側に負荷導体挿通部7010cが形成されているため、切替開閉器5と負荷電気機器42とが並んで配置される第一方向と直交する第二方向に形成される負荷導体挿通部7010cから負荷導体W110を筐体7の外側と内側に挿通できる。
【0218】
また、負荷導体挿通部7010cが第一方向の一方側及び他方側に延びることにより、筐体7の外側と内側に負荷導体W110を挿通するスペースを確保でき、負荷導体W110の曲げ半径を考慮して、負荷導体W110を筐体7の外側から内側に挿通できる。
【0219】
また、切替開閉器5と第二電気機器32と負荷電気機器42とが第一方向で並んで配置され、筐体7には第二電気機器32の第二方向の他方側に第二導体挿通部7010bが形成されているため、第一方向で並ぶ第二電気機器32と負荷電気機器42の第二方向の他方側の第二導体挿通部7010bと負荷導体挿通部7010cそれぞれから第二導体P220と負荷導体W110を筐体7の内側に挿通できる。
【0220】
また、第二導体挿通部7010bと負荷導体挿通部7010cとが兼用しているため、負荷導体挿通部7010cから負荷導体W110を筐体7の外側と内側に挿通する際には、負荷導体W110が損傷することがないように、負荷導体W110の曲げに余裕を持たせつつ、負荷導体W110を筐体7の外側から内側に挿通できる。
【0221】
次に、本発明の第三実施形態に係る切替開閉器内蔵盤1について説明する。なお、第三実施形態に係る切替開閉器内蔵盤1を説明するに際しては、上記一及び第二実施形態に係る切替開閉器内蔵盤1と異なる構成や作用について説明し、同一の構成や作用については説明を省略する。
【0222】
図18に示すように、第三実施形態の第一導電接続部23は、第一実施形態と第二実施形態とは形状が異なる。具体的に、先端部2310は、第一実施形態と第二実施形態よりも第一方向に長く形成されている。また、先端側導電部2311bは、第一実施形態と第二実施形態と異なり、第二方向に長く形成されている。
【0223】
第三実施形態の第二回路部3では、第二実施形態と同様に、機器一次端子部320と機器二次端子部321が、第二方向で並ぶように配置されている。また、機器一次端子部320が第二方向の他方側に向き、機器二次端子部321が第二方向の一方側に向くように配置されている。
【0224】
また、第三実施形態では、機器二次端子部321が切替開閉器5の第二側端子部501501よりも第二方向の他方側に配置されるように、第二電気機器32が配置されている。具体的には、第二電気機器32が、切替制御部51の第一方向の他方側に配置されている。
【0225】
第三実施形態の第二導電接続部33は、第一実施形態と第二実施形態とは異なる形状である。この第二導電接続部33は、第二側端子部501に接続される一端部330と、機器二次端子部321に接続される他端部331とを備える。
図17に示すように、一端部330が第一方向に延び、他端部331が第二方向に延びる。第二導電接続部33は、一端部330と他端部331とが連続して形成されている。
【0226】
第三実施形態の第二回路部3も、3つの第二導電接続部33(採番しないが、第一相導電接続部33a、第二相導電接続部33b、第三相導電接続部33c)を有している。また、3つの第二導電接続部33において、一端部330同士が第二方向に沿って並び、他端部331同士が第一方向に沿って並ぶ。
【0227】
第三実施形態の負荷回路部4では、第二実施形態と同様に、負荷機器一次端子部420と負荷機器二次端子部421とが第二方向で並ぶように配置されている。また、負荷機器一次端子部420が第二方向の一方側に向き、負荷機器二次端子部421が第二方向の他方側に向いて配置されている。
【0228】
第三実施形態の負荷回路部4は、第一方向において、切替開閉器5よりも一方側に配置されている。具体的には、
図17に示すように、負荷電気機器42は、第一方向で、中継電気機器62と切替制御部51との間に配置されている。そのため、第三実施形態では、負荷電気機器42は、切替開閉器5をはさんで、第二電気機器32よりも第一方向の一方側に離間して配置されている。さらに、負荷機器一次端子部420が切替開閉器5の負荷側端子部502よりも第二方向の他方側に配置されるように、負荷電気機器42が配置されている。
【0229】
また、第三実施形態では、負荷機器一次端子部420と第二電気機器32の機器二次端子部321とは第一方向で並び、負荷機器二次端子部421と第二電気機器32の機器一次端子部320とが第一方向で並んでいる。
【0230】
第三実施形態の負荷導電接続部43は、第一実施形態と第二実施形態とは異なる形状である。この負荷導電接続部43は、負荷側端子部502に接続される一端部430と、負荷機器一次端子部420に接続される他端部431とを備える。
図17に示すように、一端部430が第一方向に延び、他端部431が第二方向に延びる。負荷導電接続部43は、一端部430と他端部431とが連続して形成されている。
【0231】
図17に示すように、第三実施形態の負荷導電接続部43は、筐体7内における前後方向において、第一導電接続部23の前方に配置されている。そのため、筐体7内を正面視した状態で、負荷導電接続部43と第一導電接続部23とが前後方向で重なっている。
【0232】
第三実施形態の切替開閉器5では、第二実施形態とは異なり、第二側端子部501と、負荷側端子部502とは、切替開閉器5の第一方向における別々の端部に設けられている。具体的には、負荷側端子部502が、第二側端子部501よりも第一方向の一方側で、第一方向の一方側に向くように配置されている。
【0233】
また、第三実施形態では、第一側端子部500と第二側端子部501とが、第二方向で異なる位置に配置されている。ここで、負荷側端子部502と第二側端子部501とが第一方向に並んで(整列するように)配置されている。そのため、第二方向で、第三相端子部502cが、第二相端子部500bと第三相端子部500cとの間に配置され、第二相端子部502bが、第一相端子部500aと第二相端子部500bとの間に配置され、第一相端子部502aが第一相端子部500aよりも一方側に配置されている。
【0234】
さらに、第三実施形態では、負荷側端子部502は、第一側端子部500よりも前後方向の前方に配置されている。そのため、
図17に示すように、第三実施形態では、前後方向において、第一側端子部500に接続される先端部2310が後方に配置され、負荷側端子部502に接続される一端部430が前方に配置されている。
【0235】
第三実施形態の切替側第一導体挿通部7010abは、第二実施形態と同様に、切替開閉器5と負荷電気機器42と第二電気機器32の直上とに亘って配置されている。
【0236】
第三実施形態の第二導体挿通部7010bは、第二実施形態と同様に、第二電気機器32の機器一次端子部320よりも第二方向の他方側に設けられている。また、この第二導体挿通部7010bは、第一方向の一方側に延びるように形成されている。第三実施形態の第二導体挿通部7010bは、第二電気機器32の第二方向の他方側から切替開閉器5の第二方向の他方側を介して、負荷電気機器42の第二方向の他方側まで延びている。
【0237】
第三実施形態の負荷導体挿通部7010cは、第二実施形態と同様に、負荷電気機器42の負荷機器二次端子部421よりも第二方向の他方側に設けられている。そして、負荷導体挿通部7010cは、第一方向の他方側に延びるように形成されている。この負荷導体挿通部7010cは、負荷電気機器42の第二方向の他方側から切替開閉器5の第二方向の他方側を介して、第二電気機器32の第二方向の他方側まで延びている。さらに、負荷導体挿通部7010cは、中継電気機器62と負荷電気機器42との第一方向の間を通る第二方向の仮想の直線に沿う背面部701の一部を境界として、中継導体挿通部7010dよりも第一方向の他方側に形成されている。
【0238】
第三実施形態の負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとは、第二実施形態と同様に、第一方向で並ぶように形成され、互いに連続している。また、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとは、第一方向で、切替側第一導体挿通部7010abと略同一の長さに形成されている。
【0239】
第三実施形態の連続挿通部(採番しない)は第二実施形態と同様に、第二電気機器32の直下から負荷電気機器42の直下に亘るように形成されている。ここで、第三実施形態では、負荷回路部4と第二回路部3との間に、切替開閉器5が配置されている。そのため、第三実施形態の連続挿通部は第二実施形態とは異なり、第二電気機器32と切替開閉器5と負荷電気機器42との直下に亘るように形成される。
【0240】
第三実施形態では、機器二次端子部321が切替開閉器5の第二側端子部501501よりも第二方向の他方側に配置されるように、第二電気機器32が配置され、負荷機器一次端子部420が切替開閉器5の負荷側端子部502よりも第二方向の他方側に配置されるように、負荷電気機器42が配置されている。そのため、
図17に示すように第二導電接続部33と負荷導電接続部43を、第一方向に延びる一端部330、430と、第二方向に延びる331,431とから構成されるシンプルな形状にできる。
【0241】
なお、本発明の切替開閉器内蔵盤1は、第一実施形態と第二実施形態と第三実施形態(以下、上記実施形態と称する)に限定されるものではなく、種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0242】
上記実施形態では、第1の電源系統P1が商用電源系統であり、第2の電源系統P2が分散電源を含む電源系統であることを一例に挙げて説明をしたが、第1の電源系統P1が商用電源系統以外の種類の電源系統であってもよいし、第2の電源系統P2が分散電源を含む電源系統以外の種類の電源系統であってもよい。例えば、第1の電源系統P1および第2の電源系統P2の電源特性が異なる電源構成であってもよく、即ち、第1の電源系統P1が直流電源であり、第2の電源系統P2が交流電源であってもよいし、第1の電源系統P1および第2の電源系統P2がともに直流であってもよい。これにより接続する負荷に応じて特性の異なる電源を接続、切替することができ、多様な電源を負荷に対して供給することができる。
【0243】
上記実施形態において、第2の電源系統P2は、第二電源P20に太陽電池が接続されたもの(太陽光発電システム)であったが、この構成に限定されない。例えば、第2の電源系統P2は、第二電源P20を電気自動車に搭載されている蓄電池で構成したものであってもよい。
【0244】
上記実施形態において、第2の電源系統P2は、第二電源P20が充電可能である充電式の電源系統であったが、この構成に限定されない。第2の電源系統P2は、例えば、第二電源P20が発電機能のみを持ったものであってもよい。
【0245】
上記実施形態では、切替開閉器内蔵盤1が住宅に設置されることを一例に挙げていたが、例えば、切替開閉器内蔵盤1は、工場等に設置されていてもよい。また、建物の内部に設置される場合に限らず、建物の外部に設置されていてもよい。
【0246】
また、上記実施形態の中継回路部6には、第一回路部2から出力された電力が流れることのみを説明したが、例えば、第一回路部2に向かう電力が流れるようになっていてもよい。
【0247】
上記実施形態において、第二電気機器32は、遮断器であったが、この構成に限定されない。例えば、第二電気機器32は、他の種類の電気機器であってもよい。中継電気機器62、負荷電気機器42も同様である。また、第一電気機器22は端子台であったが、例えば、遮断器等の電気機器によって構成されていてもよい。
【0248】
第一電気機器22の機器一次端子部220は、ねじによって第一導電接続部23を固定できるように構成されていたが、例えば、ねじ以外の手段によって第一導電接続部23を固定できるように構成されていてもよい。すなわち、第一電気機器22の機器一次端子部220は、ネジ式の端子部に代えて、プラグイン接続等のねじ止め以外の端子部により構成してもよい。なお、第二電気機器32の機器一次端子部320と機器二次端子部321、負荷電気機器42の負荷機器一次端子部420と負荷機器二次端子部421、切替開閉器5の第一側端子部500、第二側端子部501、負荷側端子部502、中継電気機器62の機器一次端子部620と機器二次端子部621も同様である。
【0249】
上記実施形態において、第一電気機器22の機器一次端子部220が、第一相端子部220aと、第二相端子部220bと、第三相端子部220cとを有するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、第一相端子部220aのみを有する場合、第一相端子部220aと、第二相端子部220bとを有する場合の他、第一相端子部220aと、第二相端子部220bと、第三相端子部220cとに加えて、第四相端子部とを有する場合でもよい。すなわち、機器一次端子部220には、少なくとも第一相端子部220aが含まれていればよい。
【0250】
上記実施形態において、第一導電接続部23において、第一導電部231と第二導電部232は、一体的に形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、第一導電部231と第二導電部232は、別体で形成したものを組み合わせることによって構成されていてもよい。
【0251】
上記実施形態において、第一導電接続部23は導電性を有する板材によって構成されていたが、この構成に限定されない。第一導電接続部23は線材によって構成されていてもよい。
【0252】
また、第二導電部232は、上記実施形態のように第一導電部231と一体的に形成されていてもよいし、第一導電部231に対して別体として取り付けた構成とされていてもよい。
【0253】
上記実施形態において、第一回路部2は、3つの第一導電接続部23を有するように構成されていたが、この構成に限定されない、例えば、第一回路部2は、第一導電接続部23を1つ有するように構成されていてもよいし、第一導電接続部23を2つ、又は4つ以上有するように構成されていてもよい。すなわち、第一回路部2は、少なくとも1つの第一導電接続部23を有するように構成されていればよい。
【0254】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、切替開閉器5は、第一給電状態と第二給電状態とに加えて、負荷回路部4が第1の電源系統P1にも第2の電源系統P2にも電気的に接続していない中立状態にも切り替えることができるようになっていてもよい。これにより、負荷回路部4は、第1の電源系統P1および第2の電源系統P2から電気的に切り離された状態を設けることができ、負荷回路部4に接続された負荷機器などの点検をする場合などの電気的安全性をより向上させることができる。
【0255】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、第一導電接続部23は、第二導電部232も第一電気機器22にねじ止めされるように構成されていてもよい。このようにする場合、例えば、第一電気機器22には、
図14、
図15に示すように、ねじ孔が形成された固定台部25が形成されていればよい。
【0256】
上記実施形態では、切替開閉器5が第一回路部2に対して第一方向で並び、中継回路部6が第一回路部2に対して第二方向で並ぶように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、切替開閉器5が第一回路部2に対して第二方向で並び、中継回路部6が第一回路部2に対して第一方向で並ぶように構成されていてもよい。
【0257】
すなわち、切替開閉器5及び中継回路部6は、何れか一方が第一回路部2に対して第一方向で並び、何れか他方が第一回路に対して第二方向で並ぶように配置されていればよい。
【0258】
切替開閉器5は、第一回路部2に対して第一方向で並ぶように配置される場合、上記実施形態のように第一回路部2よりも第一方向における他方側に配置されていてもよいし、第一回路部2よりも第一方向における一方側に配置されていてもよい。また、切替開閉器5は、第一回路部2に対して第二方向で並ぶように配置される場合、第一回路部2よりも第二方向における一方側に配置されていてもよいし、第一回路部2よりも第二方向における他方側に配置されていてもよい。
【0259】
中継回路部6は、第一回路部2に対して第二方向で並ぶように配置される場合、上記実施形態のように第一回路部2よりも第二方向における他方側に配置されていてもよいし、第一回路部2よりも第二方向における一方側に配置されていてもよい。また、中継回路部6は、第一回路部2に対して第一方向で並ぶ場合ように配置される場合、第一回路部2よりも第一方向における一方側に配置されていてもよいし、第一回路部2よりも第一方向における他方側に配置されていてもよい。
【0260】
さらに、上記実施形態の第一導電接続部23は、第一導電部231が接続固定部230に対して第一方向に延出し、第二導電部232が接続固定部230に対して第二方向に延出していたが、第一導電部231や第二導電部232が接続固定部230に対して延出する方向は、第一回路部2に対する切替開閉器5や中継回路部6の配置に応じて変更してもよい。
【0261】
より具体的に説明すると、上記実施形態において、第一導電部231は、接続固定部230に対して第一方向における他方側に延出していたが、この構成に限定されない。第一導電部231は、例えば、接続固定部230に対して第一方向における一方側に延出していてもよい。
【0262】
上記実施形態において、第二導電部232は、接続固定部230に対して第二方向に沿って延出するように構成されていたが、この構成に限定されない。第二導電部232は、例えば、接続固定部230に対して第一方向に沿って延出するように構成されていてもよい。
【0263】
この場合、第二導電部232は、接続固定部230に対して第一方向おける一方側に延出していてもよいし、接続固定部230に対して第一方向おける他方側に延出していてもよい。
【0264】
また、第一導電部231は接続固定部230に対して第二方向に延出することになるが、第一導電部231が接続固定部230に対して延出する方向は、第二方向における一方側であってもよいし、第二方向における他方側であってもよい。
【0265】
また、上記実施形態では、第一側端子部500と第二側端子部501とが第一方向において直線上に並び且つ第二方向での配置位置が同じ位置になるように配置されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、第一側端子部500と第二側端子部501の第二方向での配置位置が互いに異なっていてもよい。
【0266】
上記実施形態では、第二電気機器32と負荷電気機器42が、切替開閉器5の第一方向の他方側に配置されていた。しかし、これに限らず、例えば、第二電気機器32と負荷電気機器42とが、切替開閉器5の第二方向の一方側に配置されていてもよい。
【0267】
上記実施形態では、第二側端子部501と負荷側端子部502の第二方向での配置について、第二側端子部501が第二方向の一方側に配置され、負荷側端子部502が第二方向の他方側に配置されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、第二側端子部501が第二方向の他方側に配置され、負荷側端子部502が第二方向の一方側に配置されていてもよい。この場合、第二回路部3が第二方向の他方側に配置され、負荷回路部4が第二方向の一方側に配置されることが考えられる。
【0268】
上記実施形態の帯状エリアAの説明においては、第二方向における第一側端子部500の配置位置と第二側端子部501の配置位置が同じである場合を一例挙げていたが、例えば、第二方向における第一側端子部500の配置位置と第二側端子部501の配置位置が互いに異なっている場合においても、第二方向において、第一側端子部500の第一相端子部500a及び第二側端子部501の第一相端子部501aから第一側端子部500の第三相端子部500c及び第二側端子部501の第三相端子部501cまでを含む範囲で且つ第一方向に広がるエリアを帯状エリアAとすればよい。
【0269】
上記実施形態では、切替開閉器内蔵盤1が負荷回路部4を備える場合について説明したが、これに限らず、例えば、切替開閉器内蔵盤1が負荷回路部4を備えていなくてもよい。この場合、切替開閉器5の負荷側端子部502には負荷導体W110が接続されていてもよい。
【0270】
上記実施形態の負荷電気機器42では、負荷機器一次端子部420が第一方向の一方側の端部に設けられ、負荷機器二次端子部421が第一方向の他方側の端部に設けられていた。しかし、これに限らず、例えば、負荷電気機器42では、負荷機器一次端子部420が第一方向の他方側の端部に設けられ、負荷機器二次端子部421が第一方向の一方側の端部に設けられていてもよい。
【0271】
また、切替開閉器5は、第一方向の一方側の端部に第一側端子部500と負荷側端子部502とを備えていてもよい。この場合、第一側端子部500と負荷側端子部502とは、第一方向で同じ方向に向けた状態で、且つ第二方向で並ぶように配置されていてもよい。また、負荷回路部4は、第一方向において、切替開閉器5の一方側に配置されていればよい。
【0272】
上記実施形態では、第二電気機器32の機器一次端子部320と機器二次端子部321の第二方向における配置位置が同じ位置であった。しかし、これに限らず、例えば、第二電気機器32の機器一次端子部320と機器二次端子部321の第二方向における配置位置は、互いに異なる位置であってもよい。
【0273】
上記実施形態では、背面部701に導体挿通部7010が形成されている場合について説明した。しかし、これに限らず、枠部700に導体挿通部7010が設けられていてもよい。すなわち、枠部700において、第一方向又は第二方向に貫通するように導体挿通部7010が設けられている。そのため、例えば、第二導体挿通部7010bが、第二方向の一方側又は他方側の枠部700、或いは第一方向の他方側の枠部700を貫通することで形成されていてもよい。
【0274】
上記実施形態では、第一導体挿通部7010aは、第一一次端子部20又は切替開閉器5の第二方向の一方側に設けられている場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、第一導体挿通部7010aは、第一一次端子部20の第一方向の一方側に配置されていてもよい。
【0275】
上記実施形態では、第一一次端子部20が第二方向の一方側に向けて配置されている場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、第一一次端子部20が第一方向の一方側又は他方側に向かって配置されていてもよい。
【0276】
上記実施形態では、第一導体挿通部7010aは、第一側第一導体挿通部7010aaと、切替側第一導体挿通部7010abとを備える場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、第一導体挿通部7010aは、第一一次端子部20と切替開閉器5との直上に配置され、かつ、第一方向で連続するように形成されていてもよい。
【0277】
第一導体挿通部7010aは、第二方向において、第一一次端子部20の一方側の直上にだけ、又は切替開閉器5の一方側の直上にだけ設けられていてもよい。
【0278】
上記実施形態では、
図3に示すように、第二側端子部501と負荷側端子部502の第一方向における配置位置は互いに異なる位置になっていた。しかし、例えば、第二側端子部501と負荷側端子部502は、第一方向における配置位置が同じ位置になるように(すなわち、第二方向に延びる仮想の直線上に沿って並ぶように)配置されていてもよい。
【0279】
上記実施形態の第一電気機器22では、機器一次端子部320の第一相端子部320a、第二相端子部320b、第三相端子部320cが第一方向で並ぶように配置されていたが、この構成に限定されない。例えば、第一電気機器22では、第一相端子部320a、第二相端子部320b、第三相端子部320cが第二方向で並ぶように配置されていてもよい。この場合、第一方向における第一相端子部320a、第二相端子部320b、第三相端子部320cの配置位置は、同じ(すなわち、第一相端子部320a、第二相端子部320b、第三相端子部320cが第二方向で整列した状態)であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0280】
上記実施形態では、機器一次端子部320と機器二次端子部321の配置位置は、第二方向における配置位置が同じであった。しかし、これに限らず、例えば、第二電気機器32の機器一次端子部320と機器二次端子部321は第二方向における配置位置が互いに異なっていてもよい。
【0281】
上記実施形態では、負荷回路部4が遮断器としての負荷電気機器42を有する場合について説明したが、これに限らず、負荷回路部4が分電回路部を含むように構成することができる。具体的には、負荷回路部4が切替開閉器5の負荷側端子部502に接続される主幹開閉器と、該主幹開閉器の二次側において母線を介して接続される複数の分岐開閉器とを有するように構成することもできる。この場合、筐体7は、分電回路部をも収容できる大きさとする。
【0282】
上記実施形態では、機器一次端子部220が機器二次端子部を兼ねていることから、機器二次端子部が第二方向に向かうように配置されていたが、これに限らず、例えば、機器一次端子部220と機器二次端子部が別々のものとして構成され、機器二次端子部と第一側端子部500が第一方向で対向するように構成されていてもよい。
【0283】
上記実施形態では、第二回路部3が、第一方向において、第一回路部2と切替開閉器5よりも他方側に配置されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、第二回路部3が、第一方向において、第一回路部2と切替開閉器5よりも一方側に配置されていてもよい。なお、負荷回路部4についても同様で、負荷回路部4が、第一方向において、第一回路部2と切替開閉器5よりも一方側に配置されていてもよい。
【0284】
上記第三実施形態では、第二回路部3が第一方向において、切替開閉器5よりも他方側に配置され、負荷回路部4が、第一方向において、切替開閉器5よりも一方側に配置されている場合について説明したが、これに限らず、第二回路部3が第一方向において、切替開閉器5よりも一方側に配置され、負荷回路部4が、第一方向において、切替開閉器5よりも他方側に配置されていてもよい。
【0285】
上記第一実施形態では、負荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとは、第二方向の一方側及び他方側に延びるように形成されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、荷導体挿通部7010cと第二導体挿通部7010bとが、第二方向の一方側又は他方側に延びるように形成されていてもよい。
【0286】
上記実施形態では、切替側第一導体挿通部7010abが、切替開閉器5と第二電気機器32の直上に亘って配置されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、切替側第一導体挿通部7010abは、切替開閉器5と第二電気機器との第一方向の間を通る第二方向の仮想の直線に沿う第二方向の一部を境界として第一方向の一方側と他方側に区画されていてもよい。
【0287】
上記第一実施形態では、負荷導体挿通部7010cは、第二方向の一方側及び他方側に延びるように形成されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、負荷導体挿通部7010cは、第二方向の一方側又は他方側に延びるように構成されていてもよい。
【0288】
上記第二実施形態の負荷電気機器42は、第二電気機器32から第一方向の一方側に離間した位置に並ぶように配置されている場合について説明したが、負荷電気機器42が第一方向の一方側、第二電気機器32から第一方向の他方側に配置されていてもよい。なお、この場合、第二側端子部501が前後方向の前方に配置され、負荷側端子部502が前後方向の後方に配置されていてもよい。
【0289】
上記第二実施形態では、機器一次端子部320が第二方向の他方側、機器二次端子部321が第二方向の一方側に配置されている場合について説明したが、機器一次端子部320が第二方向の一方側、機器二次端子部321が第二方向の他方側にあってもよい。また、負荷機器二次端子部421が第二方向の一方側、負荷機器一次端子部420が第二方向の他方側に配置されていてもよい。この場合、例えば、機器一次端子部320と負荷機器二次端子部421が帯状エリアAよりも第二方向の一方側に配置されることが考えられる。
【0290】
上記実施形態では、切替本体部50が第二方向の一方側に配置され、切替制御部51が第二方向の他方側に配置されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、切替本体部50と切替制御部51とが第一方向で並ぶように、また、切替本体部50と切替制御部51とが前後方向に並ぶように、配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0291】
1…切替開閉器内蔵盤、2…第一回路部、3…第二回路部、4…荷回路部、5…切替開閉器、6…中継回路部、7…筐体、8…カバー構造