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特許7565609アスパラギンエンドペプチダーゼ(AEP)阻害剤、それに関連する組成物および使用
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  • 特許-アスパラギンエンドペプチダーゼ(AEP)阻害剤、それに関連する組成物および使用 図1A
  • 特許-アスパラギンエンドペプチダーゼ(AEP)阻害剤、それに関連する組成物および使用 図1B
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  • 特許-アスパラギンエンドペプチダーゼ(AEP)阻害剤、それに関連する組成物および使用 図8
  • 特許-アスパラギンエンドペプチダーゼ(AEP)阻害剤、それに関連する組成物および使用 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】アスパラギンエンドペプチダーゼ(AEP)阻害剤、それに関連する組成物および使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/12 20060101AFI20241004BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241004BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20241004BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20241004BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20241004BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
C07D417/12 CSP
A61K9/06
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/5377
A61K47/02
A61K47/04
A61K47/06
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/20
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/34
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/44
A61P25/28
A61P35/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021569397
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 US2020034193
(87)【国際公開番号】W WO2020242933
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】62/852,548
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504391260
【氏名又は名称】エモリー ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】イェ, ケチャン
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/157382(WO,A1)
【文献】Eduardo H. G. da Cruz et al.,Design, synthesis and application of fluorescent 2,1,3-benzothiadiazole-triazole-linked biologically active lapachone derivatives,New Journal of Vhemistry,2014年,38巻,2569-2580頁
【文献】Inhibition of delta-secretase improves cognitive functions in mouse models of Alzheimer's disease,Nature Communications ,2017年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K 31/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)を有する化合物、
【化39】

またはその塩
[式中、
Xは、OまたはSであり、
は、任意1つまたは複数の同じまたは異なるR10で置換されたヘテロ環基であり、
10は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R10は任意1つまたは複数の同じまたは異なるR11で置換され、
11は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意1つまたは複数の同じまたは異なるR20で置換され、
20は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R20は任意1つまたは複数の同じまたは異なるR21で置換され、
21は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、1つまたは複数の同じまたは異なるR 40 で置換された1,3,4-チアジアゾール-2-イルで置換されたアミノ基であり
40アミノ基およびメルカプト基ら選ばれ、ただし、R40は任意1つまたは複数の同じまたは異なるR41で置換され、
41は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。]
【請求項2】
は、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基または4-アルキルピペラジニル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
(7-((5-(メチルアミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ)-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イル)メタノールまたはその塩である化合物。
【請求項4】
前記化合物が、N -メチル-N -(7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジアミンもしくはその塩、または5-((7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)アミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオールもしくはその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬物組成物。
【請求項6】
錠剤、丸剤、カプセル、ゲル、ゲルカプセルまたはクリームの形態である、請求項に記載の薬物組成物。
【請求項7】
その形態が無菌pH生理食塩水緩衝液またはpH6~10の生理食塩水リン酸塩緩衝液または等張リン酸塩緩衝液であり、任意糖類または多糖類を含む、請求項に記載の薬物組成物。
【請求項8】
腸溶性コーティングで包まれた固形物である、請求項に記載の薬物組成物。
【請求項9】
前記腸溶性コーティングは、アクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、メタクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体またはそれらの組み合わせを含む、請求項に記載の薬物組成物。
【請求項10】
前記薬学的に許容可能な賦形剤は、乳糖、ショ糖、マンニトール、クエン酸トリエチル、デキストロース、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース、ナトリウム、ポリビニルN-ピロリドン、クロスポビドン、エチルセルロース、ポビドン、アクリル酸メチル-アクリル酸エチル共重合体、ポリエチレングリコール、ソルビトール脂肪酸エステル、ラウリル硫酸塩、ゼラチン、グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、タルク、コーンスターチ、カルナウバロウ、ステアリン酸、ソルビン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ヒマシ油、鉱油、リン酸カルシウム、でんぷん、でんぷんのカルボキシメチルエーテル、酸化鉄、トリアセチン、アカシアガム、そのエステルまたは塩から選ばれる、請求項に記載の薬物組成物。
【請求項11】
癌を治療するための薬剤としての使用のための、請求項1~いずれか1項に記載の化合物を含む、組成物。
【請求項12】
認知障害を治療するための薬剤としての使用のための、請求項1~いずれか1項に記載の化合物を含む、組成物。
【請求項13】
癌を治療するための薬剤としての使用のための、請求項5~10いずれか1項に記載の薬物組成物。
【請求項14】
認知障害を治療するための薬剤としての使用のための、請求項5~10いずれか1項に記載の薬物組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本願は、2019年5月24日に提出された米国仮出願第62/852548号の権益を主張する。本願のすべての内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれている。
連邦政府の資金による研究または開発に関する声明
本発明は、政府の支援を受けて、国立衛生研究所(the National Institutes of Health)によって付与されたAG051538に基づいて完成される。政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
Legumainとも呼ばれるアスパラギンエンドペプチダーゼ(AEP)は、C末端でペプチド結合をアスパラギン残基に切断するリソソームシステインプロテアーゼである。AEPは、抗原加工、他のリソソーム酵素の溶解および破骨細胞の形成を含む様々な細胞イベントに関与する。哺乳類では、AEPは腎臓で高度に発現している。AEPを欠くマウスは、近位尿細管細胞のエンドソームとリソソームに様々なタンパク質を蓄積するため、過形成、線維症および糸球体嚢胞からなる病理につながる。AEPヌルマウスは血球貪食性リンパ組織球症と同様の症状を示し、該酵素がこの疾患の病態生理学に関与することを示している。生化学的には、該酵素はアスパラギン残基とpHに対する特異性によって高度に制御されている。調節不全のAEP活性は、癌と神経変性を含む様々な疾患に関連している。
【0003】
AEPは、N末端プロペプチドをタンパク質分解で除去することによってMMP-2(プレゲラチナーゼA)を活性化する。正常組織では限られた量のAEPのみ検出し、該酵素は固形腫瘍の細胞表面と細胞質小胞で過剰発現する。AEPのエンドプロテアーゼ活性はいくつかの癌(乳癌、前立腺癌、結腸直腸癌および胃癌を含む)の浸潤性および攻撃性の増加に関連している。WO2015157376;Gawendaら、Legumain expression as a prognostic factor in breast cancer patients,Breast Cancer Res Treat,2007,102,1-6;Ohnoら,Association of legumain expression pattern with prostate cancer invasiveness and aggressiveness,World J Urol,2013,31,359-364;Liら,Effects of legumain as a potential prognostic factor ongastric cancers,Med Oncol,2013,30,621;およびHaugenら,Nuclear legumain activity in colorectal cancer, PLoS One,2013,8,e52980を参照する。
【0004】
Zhangらは、Asparagine endopeptidase is a therapeutic target for neurodegenerative diseases.Expert Opin Ther Targets,2016,20(10):1237-45が報告される。さらに、WO2015157382を参照する。
【0005】
Basurto-Islasらは、Activation of asparaginyl endopeptidase leads to tau hyperphosphorylation in Alzheimer disease,J Biol Chem,288,2013,17495-17507が報告される。さらに、Chanら,Mice lacking asparaginyl endopeptidase develop disorders resembling hemophagocytic syndrome,Proc Natl Acad Sci USA,2009,106,468-473およびHerskowitzら,Asparaginyl endopeptidase cleaves TDP-43 in brain,Proteomics,2012,12,2455-2463を参照する。
【0006】
本明細書で引用されている参考文献は、従来技術に対するの承認ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2015/157376号
【文献】国際公開第2015/157382号
【非特許文献】
【0008】
【文献】Gawendaら、Legumain expression as a prognostic factor in breast cancer patients,Breast Cancer Res Treat,2007,102,1-6
【文献】Ohnoら,Association of legumain expression pattern with prostate cancer invasiveness and aggressiveness,World J Urol,2013,31,359-364
【文献】Liら,Effects of legumain as a potential prognostic factor ongastric cancers,Med Oncol,2013,30,621
【文献】Haugenら,Nuclear legumain activity in colorectal cancer, PLoS One,2013,8,e52980
【文献】Asparagine endopeptidase is a therapeutic target for neurodegenerative diseases.Expert Opin Ther Targets,2016,20(10):1237-45
【文献】Activation of asparaginyl endopeptidase leads to tau hyperphosphorylation in Alzheimer disease,J Biol Chem,288,2013,17495-17507
【文献】Chanら,Mice lacking asparaginyl endopeptidase develop disorders resembling hemophagocytic syndrome,Proc Natl Acad Sci USA,2009,106,468-473
【文献】Herskowitzら,Asparaginyl endopeptidase cleaves TDP-43 in brain,Proteomics,2012,12,2455-2463
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、アスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤、それに関連する組成物および使用に関する。特定の実施形態において、前記アスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤は、記憶力の改善、癌、神経変性疾患および認知障害の治療または予防に適用される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示されるアスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤および薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬物組成物に関する。特定の実施形態において、本開示は、必要としている被験者に本明細書により開示されるアスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤を含む有效量の薬物組成物を投与することを含む、癌または神経変性疾患の治療または予防の方法に関する。
【0010】
特定の実施形態において、本開示は式(I)を有する化合物、
【化1】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、ただし、置換基は本明細書に記載のとおりである。
【0011】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により報道される化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬物組成物に関する。特定の実施形態において、薬物組成物は錠剤、丸剤、カプセル、ゲル、ゲルカプセルまたはクリームの形態である。特定の実施形態において、薬物組成物の形態は無菌pH生理食塩水緩衝液またはpH6~10の生理食塩水リン酸塩緩衝液または等張リン酸塩緩衝液であり、任意選択で糖類または多糖類を含む。特定の実施形態において、薬物組成物は腸溶性コーティングで包まれた固形物である。特定の実施形態において、腸溶性コーティングはアクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(PVAP)、メタクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体またはそれらの組み合わせを含む。
【0012】
特定の実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、乳糖、ショ糖、マンニトール、クエン酸トリエチル、デキストロース、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース、ナトリウム、ポリビニルN-ピロリドン、クロスポビドン、エチルセルロース、ポビドン、アクリル酸メチル-アクリル酸エチル共重合体、ポリエチレングリコール、ソルビトール脂肪酸エステル、ラウリル硫酸塩、ゼラチン、グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、タルク、コーンスターチ、カルナウバロウ、ステアリン酸、ソルビン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ヒマシ油、鉱油、リン酸カルシウム、でんぷん、でんぷんのカルボキシメチルエーテル、酸化鉄、トリアセチン、アカシアガム、そのエステルまたは塩から選ばれる。
【0013】
特定の実施形態において、本開示は、必要としている被験者に本明細書により報道される有効量の化合物を投与することを含む、癌の治療法に関する。特定の実施形態において、被験者は、癌のリスクがあるか、癌の症状を示しているか、または癌と診断されている。
【0014】
特定の実施形態において、本開示は、必要としている被験者に本明細書により報道される有效量の化合物を投与することを含む、認知障害または記憶喪失の治療または予防の方法に関する。特定の実施形態において、被験者は、認知障害のリスクがあるか、認知障害の症状を示しているか、または認知障害と診断されている。
【0015】
特定の実施形態において、本開示は、必要としている被験者に本明細書により報道される有效量の化合物を投与することを含む、記憶力の改善方法に関する。特定の実施形態において、被験者は、認知障害のリスクがあるか、認知障害の症状を示しているか、または認知障害のリスクまたは発症と診断されている。特定の実施形態において、認知障害はアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症またはALSである。
【0016】
特定の実施形態において、本開示は、前記化合物を形成する条件下で出発材料を試薬と混合することを含む、本明細書により報道される化合物の製造方法に関する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式(I)を有する化合物、
【化39】

そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩。
[式中、
Xは、OまたはSであり、
は、任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR 10 で置換されたヘテロ環基であり、
10 は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R 10 は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR 11 で置換され、
11 は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR 20 で置換され、
20 は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R 20 は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR 21 で置換され、
21 は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR 30 で置換され、
30 は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R 30 は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR 31 で置換され、
31 は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、ヘテロ環基で置換されたアミノ基であり、前記ヘテロ環基は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR 40 で置換され、
40 は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R 40 は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR 41 で置換され、
41 は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。]
(項目2)
は、5員ヘテロ環基で置換されたアミノ基であり、前記5員ヘテロ環基は任意選択で1つまたは複数のR 40 で置換される、項目1に記載の化合物。
(項目3)
は、1,3,4-チアジアゾール-2-イルで置換されたアミノ基であり、前記1,3,4-チアジアゾール-2-イルは任意選択で1つまたは複数のR 40 で置換される、項目1に記載の化合物。
(項目4)
は、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基または4-アルキルピペラジニル基である、項目1に記載の化合物。
(項目5)
(7-((5-(メチルアミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ)-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イル)メタノールまたはその塩である化合物。
(項目6)
項目1~5のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬物組成物。
(項目7)
錠剤、丸剤、カプセル、ゲル、ゲルカプセルまたはクリームの形態である、項目6に記載の薬物組成物。
(項目8)
その形態が無菌pH生理食塩水緩衝液またはpH6~10の生理食塩水リン酸塩緩衝液または等張リン酸塩緩衝液であり、任意選択で糖類または多糖類を含む、項目6に記載の薬物組成物。
(項目9)
腸溶性コーティングで包まれた固形物である、項目6に記載の薬物組成物。
(項目10)
前記腸溶性コーティングは、アクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、メタクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体またはそれらの組み合わせを含む、項目9に記載の薬物組成物。
(項目11)
前記薬学的に許容可能な賦形剤は、乳糖、ショ糖、マンニトール、クエン酸トリエチル、デキストロース、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース、ナトリウム、ポリビニルN-ピロリドン、クロスポビドン、エチルセルロース、ポビドン、アクリル酸メチル-アクリル酸エチル共重合体、ポリエチレングリコール、ソルビトール脂肪酸エステル、ラウリル硫酸塩、ゼラチン、グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、タルク、コーンスターチ、カルナウバロウ、ステアリン酸、ソルビン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ヒマシ油、鉱油、リン酸カルシウム、でんぷん、でんぷんのカルボキシメチルエーテル、酸化鉄、トリアセチン、アカシアガム、そのエステルまたは塩から選ばれる、項目6に記載の薬物組成物。
(項目12)
必要としている被験者に有効量の項目1~5のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、癌の治療法。
(項目13)
必要としている被験者に有効量の項目1~5のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、認知障害の治療法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本開示の化合物を説明する。
図1B図1Aに示された化合物のデータを示す。
図2A】本開示の化合物を説明する。
図2B図2Aに示された化合物のデータを示す。
図3A】本開示の化合物を説明する。
図3B図3Aに示された化合物のデータを示す。
図4】N-(5-クロロ-7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)-N-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジアミンの製造を説明する。
図5】N-メチル-N-(5-メチル-7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジアミンの製造を説明する。
図6】N-メチル-N-(7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジアミンの合成を説明する。
図7】本開示の実施形態の合成を説明する。試薬と条件:(a)モルホリン、KPO、室温で、一晩放置する;(b)濃HCl、Fe、室温で、一晩放置する;(c)2-ブロモ-[1,3,4]チアジアゾール、PTSA、イソプロパノール、80℃、一晩放置する;(d)2-ブロモ-5-メチル-[1,3,4]チアジアゾール、PTSA、イソプロパノール、105℃、24時間;(e)2-クロロ-5-トリフルオロメチル-[1,3,4]チアジアゾール、PTSA、イソプロパノール、105℃、24h。
図8】本開示の実施形態の合成を説明する。試薬と条件:(a)HBr/Br/NaNO、0℃、一晩放置する;(b)化合物3/PTSA/イソプロパノール、100℃、24h;(c)濃HCl、60℃、2日。
図9】本開示の実施形態の合成を説明する。試薬と条件:(a)モルホリン、KCO、EtOH、室温;(b)NBS、CHCN、60℃;(c)Fe、HCl、MeOH、室温;(d)BocO、DMAP、THF、室温;(e)CO、TEA、MeOH、Pd(dppf)Cl、85℃;(f)TFA、DCM、室温;(g)(5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)(メチル)タートブチルカルバメート、Pd(dba)、Xantphos、CsCO、ジオキサン、100℃;(h)DIBAL-H,DCM、-78℃;(i)TFA、DCM、室温。
図10】本開示の実施形態の合成を説明する。試薬と条件:(a)Zn(CN)、dppf、Pd(dba)、NMP、100℃;(b)TFA、DCM、室温;(c)5-ブロモ-N-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン、PTSA、NMP、マイクロ波、150℃。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示をより詳細に説明する前、本開示は、記載された特定の実施形態に限定されず、それ自体も変化可能であることを理解すべきである。本開示の範囲は、添付された特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用された用語は具体的な実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解すべきである。
【0019】
特に明記しない限り、本明細書で使用されたすべての技術用語および科学用語は、本開示に属される当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法や材料と類似または同等の任意の方法や材料を使用して本開示を実施または試験することもできるが、次に好ましい方法や材料について説明する。
【0020】
各開示または特許が参照により組まれることは具体的かつ個別に示され、引用された開示に関連する方法および/または材料を開示および説明するために参照により本明細書に組み込まれるように、本明細書で引用されるすべての開示および特許は参照により本明細書に組み込まれる。任意の開示の引用は提出日の前に内容を開示するためであり、この開示は以前の発明のため、これらの開示に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。また、提供される公開日は実際の公開日と異なる場合があるため、別途確認が必要になる場合がある。
【0021】
当業者は、本開示を読む時、本明細書中に記載および説明された様々な実施形態が、範囲から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態の特徴と容易に分離または組み合わせることができる別個の構成要素および特徴を有することを理解すべきである。記載されている方法は、いずれも記載されているイベントの順序、または論理的に可能なその他の順序で実施できる。
【0022】
特に明記しない限り、本開示の実施形態は、医学、有機化学、生化学、分子生物学、薬理学など、当該技術分野の技術的範囲内の他の技術を使用する。これらの技術は文献で完全に解釈されている。
【0023】
本明細書および添付された特許請求の範囲で使用されるように、文脈が特に明記しない限り、単数形「1つ」、「1種」および「該」は複数の指示対象を含むことに注意すべきである。
【0024】
本明細書で使用されるように、他の治療との投与を説明するために使用される場合、「との組み合わせ」という用語は、薬剤が他の治療の前に、他の治療とともに、他の治療の後に、または組み合わせて投与され得ることを意味する。
【0025】
本明細書で使用されるように、「誘導体」という用語は、同定された類似体の十分な機能的属性を保持する構造的に類似する化合物を指す。誘導体は、1つまたは複数の原子を欠いている、置換されている、塩である、異なる水和/酸化状態にある、または分子内の1つまたは複数の原子が変換されているため、構造が類似する可能性がある。例えば、硫黄原子で酸素原子を置換するか、または、ヒドロキシル基でアミノ基をヒドロキシルするが、これらに限定されない。予想される誘導体は、ヘテロ環による炭素環、芳香族環またはフェニル環への変換、または、一般的に同じ環サイズを有する炭素環、芳香族環またはフェニル環によるヘテロ環への変換が含まれる。誘導体は、合成または有機化学の教科書で提供されるあらゆる種類の合成方法または適切な変更によって製造することができる。例えば、March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, Wiley,第6版(2007)Michael B. SmithまたはDomino Reactions in Organic Synthesis, Wiley(2006)Lutz F. Tietzeで提供される方法、前記文献はいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
「置換される」という用語は、少なくとも1つの水素原子が置換基により取り換えられる分子を指す。置換される場合、1つまたは複数のグループが「置換基」になる。分子は多重置換されてもよい。オキソ置換基(「=O」)の場合、2つの水素原子が置換される。この場合、例示的な置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ、カルボシクリル基、カルボシクロアルキル基、ヘテロカルボシクリル基、ヘテロカルボシクロアルキル、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、-NRaRb、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)NRaNRb、-NRaC(=O)ORb、-NRaSORb、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRb、-OC(=O)NRaRb、-ORa、-SRa、-SORa、-S(=O)Ra、-OS(=O)Raおよび-S(=O)ORaを含んでもよい。この場合、RaとRbは同じであっても異なってもよく、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボシクリル基、カルボシクロアルキル基、ヘテロカルボシクリル基、ヘテロカルボシクロアルキル、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基である。
【0027】
本明細書で使用されるように、「アルキル基」1~10個の炭素原子を含むものなどの非環式直鎖または分枝鎖不飽和または飽和炭化水素を指す。代表的な飽和直鎖アルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基等を含む。飽和分岐鎖アルキル基は、イソプロピル、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソアミル基などを含む。不飽和アルキル基は、隣接する炭素原子間に少なくとも1つの二重結合または三重結合(それぞれ「アルケニル基」または「アルキニル基」と呼ばれる)を含む。代表的な直鎖と分岐鎖アルケニル基は、ビニール基、アクリル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、イソブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、2,3-ジメチル-2-ブテニル基などを含む。代表的な直鎖と分岐鎖アルキニル基は、エチニル基、プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-メチル-1-ブチニル基などを含む。
【0028】
本明細書では、非芳香族単環式または多環式アルキル基は、「炭素環」または「炭素環基」グループと呼ばれる。代表的な飽和炭素環は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを含む。不飽和炭素環は、シクロペンテニル基およびシクロヘキセン基などを含む。
「ヘテロカルボシクリル」または「ヘテロカルボシクリル基」は、窒素、酸素および硫黄から独立して選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む炭素環であり、飽和または不飽和(ただし、芳香族ではない)、単環式または多環式であってもよく、窒素と硫黄ヘテロ原子は任意選択で酸化され、窒素ヘテロ原子は任意選択で四級化されてもよい。ヘテロ炭素環は、モルホリニル基、ピロリドン基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ヒダントイン基、バレロラクタム基、オキシラニル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロピリジニル基、テトラヒドロピリミジニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロピリミジニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロチオピラニル基などを含む。
【0029】
「アリール基」は、フェニル基またはナフタレン基など、芳香族炭素環式単環または多環を指す。多環式システムは、環の1つが芳香族環である限り、1つまたは複数の非芳香族環を含んでもよいが、必ずしも含む必要がない。
【0030】
本明細書で使用されるように、「ヘテロアリール基」または「ヘテロ芳香族」は、窒素、酸素および硫黄から選ばれるヘテロ原子を有し、単環式システムと多環式システムを含む少なくとも1つの炭素原子を含む芳香族ヘテロ炭素環を指す。多環式システムは、環の1つが芳香族環である限り、1つまたは複数の非芳香族環を含んでもよいが、必ずしも含む必要がない。代表的なヘテロアリール基は、フラニル基、ベンゾフラニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピロリル基、インドリル基、イソインドリル基、ヘテロインドリル基、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピラゾリニル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、シノリニル基、フタラジニル基およびキナゾリニル基である。「ヘテロアリール基」という用語の使用は、1-メチルイミダゾール-5-イル置換基など、N-アルキル化誘導体を含むと予想される。
【0031】
本明細書で使用されるように、「ヘテロ環」または「ヘテロ環基」は、窒素、酸素および硫黄から選ばれる1~4個のヘテロ原子を有し、少なくとも1つの炭素原子を含む単環式と多環式システムを指す。単環式と多環式システムは、芳香族環、非芳香族環または芳香族環と非芳香族環の混合物であってもよい。ヘテロ環はヘテロカルボシクリル、ヘテロアリール基などを含む。
【0032】
「アルキルチオ基」は、硫黄架橋によって接続された上記で定義されたアルキル基を指す。アルキルチオ基の例はメチルチオ基(即ち、-S-CH)である。
【0033】
「アルコキシ基」は、酸素架橋によって接続された上記で定義されたアルキル基を指す。アルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシおよびsec-ペントキシを含むが、これらに限定されない。好ましいアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基およびtert-ブトキシ基である。
【0034】
「アルキルアミノ基」は、アミノ架橋によって接続された上記で定義されたアルキル基を指す。アルキルアミノ基の例はメチルアミノ基(即ち、-NH-CH)である。
【0035】
「アルカノイル基」は、カルボニル架橋によって接続された上記で定義されたアルキル基(即ち、-(C=O)アルキル)を指す。
【0036】
「アルキルスルホニル基」は、スルホニル架橋によって接続された上記で定義されたアルキル基(即ち、-S(=O)アルキル基)を指す。例えば、メタンスルホニル基などである。「アリールスルホニル基」は、スルホニル架橋によって接続されたアリール基(即ち、-S(=O)アリール基)を指す。
【0037】
「アルキルスルファミル基」は、スルファミル架橋によって接続された上記で定義されたアルキル基(即ち、-S(=O)NHアルキル基)を指す。「アリールスルファミル基」は、スルファミル架橋によって接続されたアルキル基(即ち、-S(=O)NHアリール基)を指す。
【0038】
「アルキルスルフィニル」は、スルフィニル架橋によって接続された特定の数の炭素原子を有する上記で定義されたアルキル基(即ち、-S(=O)アルキル基)を指す。
【0039】
「ハロゲン」および「ハロゲン化」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0040】
「アロイル基」という用語は、カルボニル基に接続されたアリール基(上記のように任意選択で置換可能である)(例えば、-C(O)-アリール基)を指す。
【0041】
「スルファミル基」という用語は、スルホン酸アミド(即ち、-S(=O)2NRR’)を指す。
【0042】
明細書全体において、安定的な部分および化合物を提供するために、グループおよびその置換基を選ぶことができる。
【0043】
・ アスパラギンエンドペプチダーゼを遮断して癌の転移が抑制される
癌細胞および腫瘍関連マクロファージの表面でのAEPの異常な発現は、腫瘍の発生や転移における該酵素の関与に関連している。Linらは、Selective ablation of tumor-associatedmacrophages suppressesmetastasis and angiogenesis.Cancer Sci,2013,104,1217-1225が報告されている。AEPが実行可能な創薬ターゲットであり、様々な癌の診断と進行のためのバイオマーカーであるという証拠がある。最近の研究では、Legumainの発現は、結腸直腸癌、乳癌および卵巣癌の患者の予後因子である可能性があり、腫瘍治療の潜在的な標的である可能性があることが示されている。
【0044】
ペプチドベースのAEP不活性化剤は、ナノ粒子および任意選択の別の抗癌化合物(例えば、ドキソルビシン(doxorubicin))に結合させて、癌細胞を標的とし、全身毒性を低減することができる。AEP阻害剤は、AEPが腫瘍および腫瘍微小環境で細胞外発現を行うという事実を利用することにより、抗癌剤を癌細胞に特異的に標的化するための標的分子として使用することができる。Liuら,Targeting cell surface alpha(v)beta(3)integrin increases therapeutic efficacies of a legumain protease-activated auristatin prodrug,2012,Mol Pharm 9,168-175およびLiaoら,Synthetic enzyme inhibitor:a novel targeting ligand for nanotherapeutic drug delivery inhibiting tumorgrowth without systemic toxicity,Nanomedicine,2011,7,665-673。
【0045】
本開示の特定の実施形態は、任意の特定のメカニズムによって制限されることを意図していないが、AEP阻害剤は、MMP-2の切断および活性化を阻害することによって効果を奏する可能性がある。マトリックスメタロプロテイナーゼはAEPの既知の基質であり、AEPはMMP-2のN末端からプロペプチドを切断し、酵素が細胞外マトリックスを分解し、より攻撃性と浸潤性を有する腫瘍増殖を促進できるようにする。ほとんどのヒトの癌ではMMPが過剰発現しており、これらの酵素を過剰発現している患者は生存率が低い傾向があるため、攻撃性および転移性の行動の増加と全体的な予後不良に関連している。さらに、胃癌では、任意の他のMMPと比較して、MMP-2発現の増加は予後不良と最も強い相関関係がある。
【0046】
MDA-MB-231細胞および乳房組織におけるMMP-2の切断は、AEP阻害剤によって用量依存的に阻害され、AEP阻害剤がMMP-2の活性を正常に調節したことを示している。Legumainは、細胞外マトリックスの主成分であるフィブロネクチンを分解することができる。阻害剤によるAEPの阻害は、マウスの胸部および肺転移を効果的に予防できると考えられている。したがって、乳房腫瘍の転移を予防する1つの方法は、AEPを阻害することによってMMP-2の活性化を阻害し、それによりMMP-2の活性を低下させる。
【0047】
・ アスパラギンエンドペプチダーゼの阻害は神経保護効果があり、認知記憶力を改善する
老化はアルツハイマー病(AD)の最大の危険因子である。老化の過程で、脳のpH値は徐々に低下する。AEPはマウスの脳で徐々にアップレギュレーションされ、老齢のマウスで活性化される。さらに、通常のコントロールと比較して、AEPはヒトAD脳においても上昇し、活性化される。活性化されたAEPはAPP(アミロイド前駆体タンパク質)とTauを切断し、これは両方ともADの2つの主要な病原性因子である。APPのAEP処理は、BACE1によるAPPの分解を促進し、β-アミロイドのアップレギュレーションをもたらす。AD遺伝子組み換えマウスモデルからのAEPのノックアウトは、5XFADおよびAPP/PS1マウスの病理学的事象を逆転させ、認知障害を改善する。一方、活性化されたAEPは、タンパク質分解によってtauを加水分解し、その微小管組立機能を排除し、tauの凝集を誘発し、神経変性を引き起こす。さらに、AEPはtau P301s遺伝子組み換えマウスとヒトAD脳で活性化され、NFTにおけるtau の切断を引き起こす。tau P301S遺伝子組み換えマウスからAEPを除去すると、NFTの蓄積が大幅に減少し、シナプスの喪失が減少し、損傷した海馬のシナプス可塑性と認知障害が救われる。AEPは、主にSETの切断(切断後のPP2A阻害剤)によるtauの過剰リン酸化に関与し、それによってtauホスファターゼ活性の70%に関与する酵素であるプロテインホスファターゼ-2A(PP2A)を阻害する。AEPは、ADの発生と進行において仲介的な役割を果たす。AEPの阻害は、ADを含む神経変性疾患の治療に対して治療的に有用である。
【0048】
AEPは、老化した正常な脳とヒトのアルツハイマー病(AD)の脳でアップレギュレーションされて活性化されるため、ADの病態生理を仲介する上で重要な役割を果たす。本明細書は、ADマウスモデルにおける老人斑の形成を減少させて認知障害を軽減する脳透過性および経口生物学的に活性化されたAEP阻害剤を開示している。ハイスループットスクリーニングを実施した。効果的な阻害活性を有する化合物のいくつかの構造ファミリーが発見された。非毒性で特異的なAEP阻害剤は、AEPを選択的に遮断できることが確認されているが、他の関連するシステインプロテアーゼは遮断されない。該阻害剤の経口投与による5XFADマウスの慢性治療は、シナプス喪失を改善し、長期増強(LTP)を強化し、それによってADの記憶喪失を保護する。したがって、これらの発見は、これらのAEP阻害剤が効果的な臨床治療薬になり得ることを示している。
【0049】
脳卒中、発作および頭部外傷はすべて脳組織虚血の原因であり、脳組織虚血は脳組織のアポトーシスおよび壊死のプロセスをアップレギュレートする可能性があり、これらがヒト神経変性の主な原因であることを示している。脳への血液供給の剥奪は興奮毒性作用を引き起こす可能性があり、この作用は不完全に理解されたメカニズムを通じて神経細胞死を引き起こす。興奮毒性の主な特徴の1つはアシドーシスである。この現象は、興奮性アミノ酸であるグルタミン酸の細胞濃度の増加によって引き起こされ、緩衝脳間質のpHが7.3から6.0に変化する。興奮性アシドーシスによって引き起こされた頭蓋内pHの低下に応答して、AEPが活性化され、その基質の1つであるSET(DNase酵素阻害剤)の異常な活性を示している。SETはリンタンパク質であり、主に細胞核に位置し、SETはヒストンテールとの相互作用によって転写と調節に関与する。SETは、グランザイムAを介した細胞死経路におけるDNAニッキングを阻害することにより、アポトーシスのメディエーターとしても機能する。AEPは、虚血とアシドーシスの誘発後に活性化され、タンパク質の加水分解によってSETを切断し、それにより神経細胞死を引き起こしているが、SETはAEP欠損マウスでは無傷のままであり、神経細胞死は無視できる。この観察結果は、AEP阻害が、脳卒中、発作または頭部外傷後の神経変性を防止する方法を提供することを示唆している。
【0050】
AEPは、主にSETの切断によるtauの過剰リン酸化に関与し、それによってtauホスファターゼ活性の70%に関与する酵素であるプロテインホスファターゼ-2A(PP2A)を阻害する。活性化されたAEPとSETのN末端とC末端の切断フラグメントのレベルは、AD患者の脳で上昇する。さらに、アシドーシスは、それぞれリソソームと細胞核の細胞質からAEPとSETの移行を引き起こすことが分かっている。この発見は、AEPがアルツハイマー病の病因に関与しているように見えることを示唆している。
【0051】
ADは最も一般的な神経変性疾患である。Aβと不溶性tauの蓄積がその特徴である。AEPはAD脳のAPPとtauを切断する。全長APPと比較して、AEPによって生成されたAPPフラグメントは、β-セクレターゼのより良い基質であり、それによってAβの生成を増加させる。tauのAEP切断は、その蓄積を促進できるいくつかのフラグメントを生成する。さらに、SETのAEP切断は、虚血によって誘発される神経細胞死を促進し、tauのリン酸化を促進する。これらすべての観察結果は、AEP阻害剤によってADの進行性神経変性が救われることを示している。
【0052】
・ アスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤
本開示は、アスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤に関する。特定の実施形態において、アスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤は、置換されたベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール誘導体である。例えば、式(I)の化合物:
【化2】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩であり、式中、
Xは、OまたはSであり、
は、任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR10で置換されたヘテロ環基であり、
10は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R10は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR11で置換され、
11は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR20で置換され、
20は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R20は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR21で置換され、
21は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR40で置換されたヘテロ環基で置換されたアミノ基であり、
40は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R40は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR41で置換され、
41は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。
【0053】
特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rはヘテロ環基である。
【0054】
特定の実施形態において、Rは、任意選択で1つまたは複数のR40で置換された5員ヘテロ環基置換のアミノ基である。
【0055】
特定の実施形態において、Rは、任意選択で1つまたは複数のR40で置換された1,3,4-チアジアゾール-2-イルで置換されたアミノ基である。
【0056】
特定の実施形態において、Rは、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基または4-アルキルピペラジニル基である。
【0057】
特定の実施形態において、前記化合物は、任意選択で1つまたは複数の置換基で置換された5-((7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)アミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオールまたはその塩である。
【0058】
特定の実施形態において、前記化合物は、任意選択で1つまたは複数の置換基で置換されたN-メチル-N-(7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジアミンまたはその塩である。
【0059】
特定の実施形態において、前記化合物は、任意選択で1つまたは複数の置換基で置換された(7-((5-(メチルアミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ)-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イル)メタノールまたはその塩である。
【0060】
特定の実施形態において、本開示は、式(I)を有する化合物、
【化3】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、ただし、置換基は本明細書に記載のとおりである。特定の実施形態において、Rは、任意選択で1つまたは複数のR40で置換された5員ヘテロ環基置換のアミノ基である。特定の実施形態において、Rは、任意選択で1つまたは複数のR40で置換された1,3,4-チアジアゾール-2-イルで置換されたアミノ基である。特定の実施形態において、Rは、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基または4-アルキルピペラジニル基である。特定の実施形態において、Xは酸素である。特定の実施形態において、RとRはそれぞれ独立した水素または任意選択で1つまたは複数の置換基で置換されたアルキル基である。
【0061】
特定の実施形態において、本開示は、式(IA)の化合物、
【化4】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、式中、
Qは、O、S、CHまたはNRであり、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR40で置換され、
40は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R40は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR41で置換され、
41は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR60で置換され、
60は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R60は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR61で置換され、
61は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR70で置換され、
70は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R70は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR71で置換され、
71は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。
【0062】
特定の実施形態において、Rは、任意選択で1つまたは複数のR40で置換された5員ヘテロ環基で置換されたアミノ基である。特定の実施形態において、Rは、任意選択で1つまたは複数のR40で置換された1,3,4-チアジアゾール-2-イルで置換されたアミノ基である。
【0063】
特定の実施形態において、本開示は、式(IB)の化合物、
【化5】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、式中、
Qは、O、S、CHまたはNRであり、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR10で置換され、
10は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R10は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR11で置換され、
11は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR50で置換され、
50は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R50は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR51で置換され、
51は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR70で置換され、
70は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R70は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR71で置換され、
71は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。
【0064】
特定の実施形態において、本開示は、式(II)の化合物、
【化6】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、式中、
Uは、NまたはCHであり、
Vは、NまたはCRであり、
Wは、NまたはCRであり、
Xは、OまたはSであり、
Yは、O、SまたはNHであり、
Zは、NまたはCHであり、
は、任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR10で置換されたヘテロ環基であり、
10は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R10は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR11で置換され、
11は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR20で置換され、
20は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R20は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR21で置換され、
21は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR50で置換され、
50は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R50は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR51で置換され、
51は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。
【0065】
特定の実施形態において、本開示は、式(II)の化合物、
【化7】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、ただし、置換基は本明細書に記載のとおりである。特定の実施形態において、Rは、任意選択で1つまたは複数の置換基で置換されたメルカプタン、ハロゲン、アルキル基またはアミノアルキル基である。特定の実施形態において、Rはアミノアルキル基である。特定の実施形態において、Xは酸素である。特定の実施形態において、VとWは、任意選択で1つまたは複数の置換基で置換されたCHである。特定の実施形態において、Rは、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基または4-アルキルピペラジニル基である。特定の実施形態において、Yは硫黄であり、ZとUは窒素である。特定の実施形態において、前記化合物は、任意選択で1つまたは複数の置換基で置換された5-((7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)アミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-メルカプタンまたはその塩である。
【0066】
特定の実施形態において、本開示は、式(IIA)の化合物、
【化8】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、式中、
UはNまたはCHであり、
Qは、O、S、CHまたはNRであり、
Xは、OまたはSであり、
Yは、O、SまたはNHであり、
Zは、NまたはCHであり、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR20で置換され、
20は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R20は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR21で置換され、
21は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR50で置換され、
50は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R50は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR51で置換され、
51は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR60で置換され、
60は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R60は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR61で置換され、
61は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。
【0067】
特定の実施形態において、本開示は、式(IIB)の化合物、
【化9】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、式中、
Qは、O、S、CHまたはNRであり、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR20で置換され、
20は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R20は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR21で置換され、
21は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR50で置換され、
50は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R50は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR51で置換され、
51は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR60で置換され、
60は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R60は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR61で置換され、
61は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。
【0068】
特定の実施形態において、本開示は、式(IIC)の化合物、
【化10】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、式中、
Qは、O、S、CHまたはNRであり、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR50で置換され、
50は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R50は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR51で置換され、
51は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR60で置換され、
60は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R60は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR61で置換され、
61は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR70で置換され、
70は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R70は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR71で置換され、
71は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。
【0069】
特定の実施形態において、本開示は、式(III)の化合物、
【化11】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、式中、
Qは、現れるたびにそれぞれ独立してO、S、CHまたはNRであり、
Xは、NまたはCHであり、
Vは、NまたはCRであり、
Wは、NまたはCRであり、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR20で置換され、
20は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R20は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR21で置換され、
21は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR40で置換されたアミノ基であり、
40は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R40は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR41で置換され、
41は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR60で置換され、
60は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R60は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR61で置換され、
61は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。
【0070】
特定の実施形態において、本開示は、式(III)を有する化合物、
【化12】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、ただし、置換基は本明細書に記載のとおりである。特定の実施形態において、QはOである。特定の実施形態において、Rはアミノ基である。特定の実施形態において、X、VおよびWはCHである。特定の実施形態において、前記化合物は、任意選択で1つまたは複数の置換基で置換された2,4-ジモルホリニルアニリンまたはその塩である。
【0071】
特定の実施形態において、本開示は、式(IV)の化合物、
【化13】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、式中、
Qは、現れるたびにそれぞれ独立してO、S、CHまたはNRであり、
Uは、NまたはCHであり、
Vは、NまたはCRであり、
Wは、NまたはCRであり、
Xは、NまたはCHであり、
Yは、O、SまたはNHであり、
Zは、NまたはCHであり、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR20で置換され、
20は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R20は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR21で置換され、
21は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR30で置換され、
30は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R30は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR31で置換され、
31は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR50で置換され、
50は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R50は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR51で置換され、
51は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、Rは任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR60で置換され、
60は、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれ、ただし、R60は任意選択で1つまたは複数の同じまたは異なるR61で置換され、
61は、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、カルボシクリル基、アリール基およびヘテロ環基から選ばれる。
【0072】
特定の実施形態において、本開示は、式(IV)を有する化合物、
【化14】
そのプロドラッグ、エステル、誘導体または塩に関し、ただし、置換基は本明細書に記載のとおりである。特定の実施形態において、Rはアミノアルキル基である。特定の実施形態において、X、VとWはCHである。特定の実施形態において、前記化合物は、任意選択で1つまたは複数の置換基で置換されたN-(2,4-モルホリニルフェニル)-N-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジアミンまたはその塩である。
【0073】
・ 薬物組成物
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬物組成物に関する。特定の実施形態において、薬物組成物は丸剤、カプセル、錠剤または生理食塩水緩衝液の形態である。
【0074】
特定の実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、糖類、二糖類、ショ糖、乳糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、多糖類、デンプン、セルロース、微結晶性セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、炭酸マグネシウム、シリカ、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、パルミチン酸レチニル、セレン、システイン、メチオニン、クエン酸およびクエン酸ナトリウム、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピルおよびそれらの組み合わせから選ばれる。
【0075】
本明細書により開示される薬物組成物は、以下に一般的に記載されるように、薬学的に許容可能な塩の形態であってもよい。適切な薬学的に許容可能な有機酸および/または無機酸のいくつかの好ましいが非限定的なの例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、酢酸およびクエン酸、およびそれ自体が酸として知られている他の薬学的に許容可能な酸である(これらについて、以下に引用されている参考文献を参照)。
【0076】
本開示の化合物が酸性基および塩基性基を含む場合、本開示の化合物はまた、内部塩を形成することができ、そのような化合物も本開示の範囲内に含まれている。本開示の化合物が水素供与性ヘテロ原子(例えば、NH)を含む場合、本開示は、前記水素原子を分子内の塩基性基または原子へ移転することによって形成される塩および/または異性体が含まれる。
【0077】
化合物の薬学的に許容可能な塩にはその酸付加塩および塩基性塩が含まれる。適切な酸付加塩は非毒性の塩を形成する酸から形成される。例としては、アセテート、、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、エチルスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトネート、グルコネート、グルクロネート、ヘキサフルオロホスフェート、海安息香酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオネート、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸メチル塩、ナフトエ酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロテート、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、ベシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシナホ酸塩(xinofoate)が含まれる。適切な塩基性塩は非毒性の塩を形成する塩基から形成される。例として、アルミニウム、アルギニン、ベンザチンペニシリン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、エタノールアミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛塩が含まれる。また、半硫酸塩および半カルシウム塩などの酸と塩基の半塩を形成することもできる。適切な塩の概要について、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,StahlとWermuth(Wiley-VCH,2002)を参照し、この文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
本明細書に記載の化合物はプロドラッグの形態で投与可能である。プロドラッグは、哺乳類対象に投与された時に活性な親薬物を放出する共有結合された担体が含まれる。プロドラッグは、化合物に存在する官能基を修飾することによって製造することができ、修飾によって従来の操作またはインビボで親化合物に切断される。プロドラッグには、例えば、ヒドロキシル基と任意のグループに結合された化合物が含まれ、前記グループはプロドラッグが哺乳類対象に投与された時に切断されて遊離ヒドロキシル基が形成される。プロドラッグの例として、化合物内のアルコール官能基の酢酸エステル、ギ酸エステルおよび安息香酸エステル誘導体が含まれるが、これらに限定されない。化合物をプロドラッグに構築する方法は、TestaとMayerによる著書Hydrolysis in Drug and ProdrugMetabolism,Wiley(2006)を参照する。典型的なプロドラッグは、加水分解酵素によって変換される。アミド、ラクタム、ペプチド、カルボキシレート、エポキシドの加水分解または無機酸エステルの切断によって活性代謝物が形成される。当技術分野の一般的な技術範囲内にあるのは、遊離ヒドロキシル基のアセチルエステルなどのエステルプロドラッグの製造である。エステルプロドラッグはインビボで容易に分解され、対応するアルコールを放出することはよく知られている。例えばImai,DrugMetab Pharmacokinet.(2006)21(3):173-85,タイトル「Human carboxylesterase isozymes: catalytic properties and rational drug design」を参照する。
【0079】
本開示で使用される薬物組成物には、一般的に、有效量の化合物および適切な薬学的に許容可能な担体が含まれる。製剤は、それ自体が既知の方法で製造することができ、通常、本開示による少なくとも1つの化合物と1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体との混合が含まれ、必要に応じて無菌条件下で他の薬学的に活性な化合物と組み合わせる。米国特許第6372778号、米国特許第6369086号、米国特許第6369087号、米国特許第6372733号および上記の他の参考文献、ならびに最新版のRemington’s Pharmaceutical Sciencesなどの標準マニュアルを参照してください。
【0080】
一般的に、医薬用途の場合、化合物は、少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤および/またはアジュバント、ならびに任意選択で1つまたは複数の他の薬学的に活性な化合物を含む薬物製剤として調製することができる。
【0081】
本開示の薬物製剤は、好ましくは単位剤形であり、例えば箱、ブリスター、バイアル、ボトル、小袋、アンプルまたは任意の他の適切な単回投与または複数回投与のリテーナまたは容器に適切に包装することができる(正しくラベル付けすることができる)。オプションとして、製品情報および/または使用説明書を含む1つまたは複数のリーフレットを添付してもよい。一般的に、このような単位用量は、1~1000mg、通常5~500mgの少なくとも1つの本開示の化合物を含み、例えば単位用量あたり約10、25、50、100、200、300または400mgである。
【0082】
化合物は、使用される特定の製剤に応じて、経口、眼、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内または鼻腔内経路を含む様々な経路によって投与することができる。化合物は、一般的に「有效量」で投与され、適切な投与後に化合物が投与される対象において所望の治療または予防効果を達成するのに十分な任意の量の化合物を意味する。一般的に、予防または治療される状態や投与経路に応じて、該有效量は通常、1日あたり、患者の体重1キロあたり、0.01~1000mgの間であり、より多くの場合、1日あたり、患者の体重1キロあたり、0.1~500mgの間である。例えば、1~250mgの間、例えば、約5、10、20、50、100、150、200または250mgであり、1日1回の投与量で投与することができ、1日1回または複数回の投与に分割することができる。投与量、投与経路およびさらなる治療方法は、患者の年齢、性別および全身状態、ならびに疾患の性質と重症度/治療される症状などの要因に応じて、治療する臨床医によって決定することができる。米国特許第6372778号、米国特許第6369086号、米国特許第6369087号、米国特許第6372733号および上記の他の参考文献、ならびに最新版のRemington’s Pharmaceutical Sciencesなどの標準マニュアルを参照してください。
【0083】
経口投与形態の場合、化合物は、賦形剤、安定剤または不活性希釈剤などの適切な添加剤と混合され、錠剤、コーティング錠、ハードカプセル、水溶液、アルコール溶液または油性溶液などの従来の方法によって適切な投与形態に調製することができる。適切な不活性担体の例として、アラビアゴム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、乳糖、ブドウ糖またはデンプン、特にコーンスターチである。この場合、調製は、乾式顆粒または湿式顆粒のいずれかとして実施することができる。適切な油性の賦形剤または溶媒は、ひまわり油またはタラ肝油などの植物油または動物油である。水溶液またはアルコール溶液に適した溶媒は、水、エタノール、糖溶液またはそれらの混合物である。ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールは、他の投与形態のさらなる助剤としても使用できる。即時放出錠剤として、これらの組成物は、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムと乳糖および/または当技術分野で知られている他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および潤滑剤を含むことができる。
【0084】
経鼻エアロゾルまたは吸入によって投与される場合、組成物は、製剤分野でよく知られている技術に従って調製することができ、ベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを改善するための吸収促進剤、フルオロカーボンおよび/または当技術分野で知られている他の可溶化剤または分散剤を使用して生理食塩水として調製することができる。エアロゾルまたはスプレーの形態による投与に適した製剤は、例えば、本開示の化合物またはその生理学的に許容可能な塩の、薬学的に許容可能な溶媒(例えば、エタノールまたは水)または混合物中のこれらの溶媒の溶液、懸濁液または乳濁液である。必要に応じて、製剤は、界面活性剤、乳化剤、安定剤および推進剤などの他の薬物助剤を含むことができる。
【0085】
皮下または静脈内投与の場合、必要に応じて、化合物を可溶化剤、乳化剤または他の助剤などの一般的に使用される物質とともに、溶液、懸濁液または乳濁液に調製することができる。化合物を凍結乾燥させ、得られた凍結乾燥生成物を例えば注射または注入製剤に使用可能である。適切な溶媒は、例えば水、生理食塩水またはアルコール(例えば、エタノール、プロパノール、グリセリン)、糖溶液(例えば、ブドウ糖またはマンニトール溶液)、または上記様々な溶媒の混合物である。既知の技術によって、適切な非毒性で非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒(例えば、マンニトール、1,3-ブタンジオール、水、リンゲル液または等張塩化ナトリウム溶液)、またはまたは湿潤剤および懸濁剤(合成モノグリセリドまたはジグリセリドおよびオレイン酸を含む脂肪酸を含む無菌で、穏やかな固定油)を使用し、注射可能な溶液または懸濁液を調製することができる。
【0086】
坐剤形態で直腸投与する場合、化合物を、適切な非刺激性賦形剤(例えば、カカオバター、合成グリセリドまたはポリエチレングリコール)と混合することによって製剤を調製することができる。この賦形剤は、常温で固体であるが、直腸腔内で液化および/または溶解して薬物を放出する。
【0087】
特定の実施形態において、これらの組成物は徐放性製剤であってもよいことが予期される。典型的な徐放性製剤は腸溶性コーティングを使用する。一般的に、消化器系での薬物が吸収される位置を制御するために、バリアは経口薬に適用される。腸溶性コーティングは、小腸に到達する前に薬物が放出されることを防止することができる。腸溶性コーティングは、マルトデキストリン、キサンタンガム、スクレログルカン、デキストラン、デンプン、アルギン酸塩、プルラン多糖類(pullulan)、ヒアルロン酸、キチン、キトサン糖などの多糖類ポリマー、タンパク質(アルブミン、ゼラチンなど)、ポリ-L-リジンなどの他の天然ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)(例:ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート))、カルボキシポリメチレン(例えばCarbopolTM)、カルボマー、ポリビニルピロリドン、グアーガム、アラビアゴム、カリヤガム、ガッティガム、イナゴ豆ガム、タマリンドガム、ノットコールドガム、トラガカンス、寒天、ペクチン、グルテンなどのガム、ポリ(ビニルアルコール)、エチレンビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、およびヒドロキシメチルセルロース(HMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、カルボキシエチルセルロース(CEC))、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)およびカルボキシメチルナトリウムセルロース(Na CMC)などのセルロースエーテル、および上記ポリマーの任意の共重合体および/または(単純な)混合物を含むことができる。前述の特定のポリマーは、標準的な技術によってさらに架橋することができる。
【0088】
ポリマーの選択は、本発明の組成物で使用される有効成分/薬物の性質および所望の放出速度に依存する。特に、当業者は、例えばHPMCの場合、より高分子量が一般的に組成物からのより遅い薬物放出速度を提供することを理解すべきである。さらに、HPMCの場合、メトキシ基とヒドロキシプロポキシ基の置換度が異なると、組成物からの薬物放出速度が変化する。これに関して、前述のとおり、コーティングの形態で本発明の組成物を提供することが必要であり、ここで、ポリマー担体は、異なる分子量の2つ以上のポリマーのブレンドの形態で提供され、それにより必要または所望の特定の放出曲線を作成する。
【0089】
ポリラクチド、ポリグリコリドおよびそれらの共重合体であるポリ(ラクチド-コ-グリコリド)のミクロスフェアを使用して、徐放性タンパク質または化合物送達システムを形成することができる。タンパク質および/または化合物は、水ベースのタンパク質および有機溶媒ベースのポリマーを有する油中水型乳濁液の形成(乳濁液法)、固体タンパク質が溶媒ベースのポリマー溶液に分散されている油中固体懸濁液の形成(懸濁液法)、または溶媒ベースのポリマー溶液にタンパク質を溶解すること(溶解法)を含む様々な方法によって、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)ミクロスフェアリザーバーに埋め込むことができる。ポリ(エチレングリコール)をタンパク質に結合(ポリエチレングリコール化)して、循環する治療用タンパク質インビボ半減期を延長し、免疫応答の可能性を減らすことができる。
【0090】
・ 使用方法
本開示は、転移、腫瘍増殖および/または癌を治療または予防するためのアスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤に関する。特定の実施形態において、本開示は、必要としている被験者に本明細書により開示される化合物を含む有效量の薬物組成物を投与することを含む癌の治療法に関する。特定の実施形態において、被験者は、乳癌、前立腺癌、結腸直腸癌、胃癌、肺癌、皮膚癌、膀胱癌、脳癌、腎臓癌、子宮内膜癌、膵臓癌および甲状腺癌のリスクがあるか、これらの癌の症状を示しているか、またはこれらの癌と診断されている。
【0091】
「癌」は、細胞増殖を特徴とする悪性腫瘍を伴う様々な細胞疾患のいずれかを指す。病気の細胞が実際に周囲の組織に侵入して新しい体の部分に移動しなければならないという意味ではない。癌は体内のあらゆる組織に発生する可能性があり、体の各部分には様々な形態がある。特定の実施形態において、当業者に知られている様々な診断方法を使用して、腫瘍塊のサイズまたは数の減少または癌細胞アポトーシスの増加を観察することを含むがこれらに限定されない、「癌が減少するかどうか」を特定することができる。例えば、サンプル化合物を含まない対照物と比較して、この化合物の癌細胞アポトーシスが5%を超えると観察されたかどうかである。また、関連するバイオマーカーまたは遺伝子発現プロファイルの変化によって癌が減少されるかどうかを特定することもできる。例えば、前立腺癌の場合はPSA、乳癌の場合はHER2などである。
【0092】
本開示の文脈において、治療される癌には、任意のタイプの癌または腫瘍であってもよい。これらの腫瘍または癌は、造血とリンパ組織の腫瘍または造血とリンパ悪性腫瘍、血液、骨髓、リンパおよびリンパ系に影響を与える腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。血液悪性腫瘍は、骨髓細胞株とリンパ球株の2つの主な血球系のいずれかに起因する可能性がある。骨髓細胞株は通常、顆粒球、赤血球、血小板、マクロファージおよび肥満細胞を産生する。リンパ球株は、B細胞、T細胞、NK細胞および形質細胞を産生する。リンパ腫、リンパ性白血病および骨髓腫はリンパ系に由来し、急性おおび慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および骨髄異形成疾患は骨髄系に由来する。
【0093】
また、結腸、腹部、骨、乳房、消化器系、肝臓、膵臓、腹膜、内分泌腺(副腎、副甲状腺、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、目、頭頸部、神経系(中枢および末梢)、リンパ系、骨盤、皮膚、軟組織、脾臓、胸線および泌尿生殖器の悪性腫瘍も考えられる。より具体的には、小児急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、成人(原発性)肝細胞癌、成人(原発性)肝癌、成人急性リンパ性白血病、成人急性骨髄性白血病、成人ホジキン病、成人ホジキンリンパ腫、成人リンパ性白血病、成人非ホジキンリンパ腫、成人原発性肝癌、成人軟組織肉腫、AIDS関連リンパ腫、AIDS関連悪性腫瘍、肛門癌、星状細胞腫、胆道癌、膀胱癌、骨癌、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳癌、腎骨盤および尿管癌、原発性中枢神経系リンパ腫、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞腫、脳星状細胞腫、子宮頸癌、小児(原発性)肝細胞癌、小児(原発性)肝癌、小児急性リンパ芽球性白血病、小児急性骨髄性白血病、小児脳幹神経膠腫、小児小脳星状細胞腫、小児脳星状細胞腫、小児頭蓋外胚細胞腫瘍、小児ホジキン病、小児ホジキンリンパ腫、小児視覚経路および視床下部神経膠腫、小児リンパ芽球性白血病、小児髄芽細胞腫、小児非ホジキンリンパ腫、小児テント上原始神経外胚葉および松果体腫瘍、小児原発性肝癌、小児横紋筋肉腫、小児軟組織肉腫、小児視覚経路および視床下部神経膠腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、内分泌膵島細胞癌、子宮内膜癌、表皮腫、上皮癌、食道癌、ユーイング肉腫および関連腫瘍、外分泌膵臓癌、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚芽細胞腫瘍、肝外胆道癌、眼癌、女性乳癌、ゴーチャー病(Gaucher’s disease)、胆嚢癌、胃癌、胃腸癌腫瘍、胃腸腫瘍、生殖細胞腫瘍、妊娠性栄養芽細胞腫瘍、毛細胞白血病(tricoleukemia)、頭頸部癌、肝細胞癌、ホジキン病、ホジキンリンパ腫、高ガンマグロブリン血症、下咽頭癌、腸癌、眼内黒色腫、膵島細胞癌、膵島細胞膵臓癌、カポジ肉腫(Kaposi’s sarcoma)、腎臓癌、喉頭癌、唇および口癌、肝臓癌、肺癌、リンパ過形成疾患、マクログロブリン血症、男性乳癌、悪性中皮腫、悪性胸腺腫、髄芽細胞腫、メラノーマ、中皮腫、潜在性原発性転移性扁平上皮癌、原発性転移性扁平上皮癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞腫、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、骨髄細胞性白血病、骨髄異形成疾患、傍鼻および傍鼻洞癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、妊娠中の非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌、潜在性原発性転移性扁平上皮癌、口腔咽頭癌、悪性線維性組織球腫、悪性線維性骨肉腫/骨組織球腫、上皮性卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、パラプロテイン血症、紫斑病、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫/多発性骨髄腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性肝癌、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、腎骨盤および尿管癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、サルコイドーシス、肉腫、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌、松果体およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎骨盤および尿管移行細胞癌、腎骨盤および尿管移行細胞癌、栄養芽細胞腫瘍、腎骨盤および尿管細胞癌、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、膣癌、視覚経路および視床下部神経膠腫、外陰癌、ウォルデンストロムのマクログロブリン血症(Waldenstrom’smacroglobulinemia)、ウィルムス腫瘍Wilms’ tumor)および他の過剰増殖性疾患、および前述の器官系に位置する腫瘍。
【0094】
特定の実施形態において、本明細書により開示される化合物は、別の抗癌剤と組み合わせる。特定の実施形態において、前記抗癌剤は、アベシリ(abemaciclib)、アビラテロンアセテート(abiraterone)、メトトレキサート(methotrexate)、パクリタキセル(paclitaxel)、アドリアマイシン(paclitaxel)、アカチニブ(acalabrutinib)、ベンツキシマブビドチン(brentuximab vedotin)、エンメトラスツズマブ(ado-trastuzumab emtansine)、アフリベルセプト(aflibercept)、アファチニブ(afatinib)、ネットピタント(netupitant)、パロノセトロン(palonosetron)、イミキモド(imiquimod)、アルデスロイキン(aldesleukin)、アレティニブ(alectinib)、アレムツズマブ(alemtuzumab)、ペメトレキセド二ナトリウム(pemetrexed disodium)、クパニシ(copanlisib)、メルファラン(melphalan)、ブリグチニブ(brigatinib)、クロラムブシル、アミホスチン(amifostine)、アミノレブリン酸、アナストロゾール(anastrozole)、アパルタミド(apalutamide)、アプレピタント(aprepitant)、パミドロネート二ナトリウム(pamidronate disodium)、エキセメスタン(exemestane)、ネララビン(nelarabine)、三酸化ヒ素、オファツムマブ(ofatumumab)、エゾリズマブ(atezolizumab)、ベバシズマブ(bevacizumab)、アベロツマブ(avelumab)、アキレス(axicabtagene ciloleucel)、アキシチニブ(axitinib)、アザシチジン(azacitidine)、カルムスチン(carmustine)、ベリスタット(belinostat)、ベンダムスチン(bendamustine)、イノリズマブオゾガマイシン(inotuzumab ozogamicin)、ベバシズマブ、ベキサロチン(bexarotene)、ビカルタミド(bicalutamide)、ブレオマイシン(bleomycin)、ボナツムマブ(blinatumomab)、ボルテゾミブ(bortezomib)、ボスチニブ(bosutinib)、ベンツキシマブビドチン、ブリグチニブ、ブスルファン(busulfan)、イリノテカン(irinotecan)、カペシタビン(capecitabine)、フルオロウラシル、カルボプラチン、カーフィルゾミ(carfilzomib)、セリチニブ(ceritinib)、ダウノルビシン(daunorubicin)、セツキシマブ(cetuximab)、シスプラチン、クラドリビン(cladribine)、シクロホスファミド、クロファラビン(clofarabine)、コビチニブ(cobimetinib)、カボチニブ-S-リンゴ酸塩、ダクチノマイシン(dactinomycin)、クリゾチニブ(crizotinib)、イソシクロホスファミド、ラモロルマブ(ramucirumab)、シタラビン、ダラフェニブ(dabrafenib)、ダカルバジン(dacarbazine)、デシタビン(decitabine)、ダトゥムマブ(daratumumab)、ダサチニブ(dasatinib)、デフィブロニド、デガレリックス(degarelix)、ディニインターロイキン(denileukin diftitox)、デノスマブ(denosumab)、デキサメタゾン(dexamethasone)、デクスラゾキサン(dexrazoxane)、デルビキシマブ(dinutuximab)、ドセタキセル(docetaxel)、ドキソルビシン、デュバルズマブ(durvalumab)、ラビュラーゼ(rasburicase)、エピルビシン(epirubicin)、イロリズマブ(elotuzumab)、オキサリプラチン(oxaliplatin)、エルトロポパ(eltrombopag olamine)、エンナシーニ(enasidenib)、エンザルタミド(enzalutamide)、エリブリン(eribulin)、ビスモデギブ(vismodegib)、エルロチニブ(erlotinib)、エトポシド(etoposide)、エベロリムス(everolimus)、ラロキシフェン(raloxifene)、トレミフェン(toremifene)、パビススタット(panobinostat)、フルベストラント(fulvestrant)、レトロゾール(letrozole)、フィルグラスチム(filgrastim)、フルダラビン(fludarabine)、フルタミド(flutamide)、プラトロザ(pralatrexate)、オルビズマブ(obinutuzumab)、ゲフィチニブ(gefitinib)、ゲムシタビン(gemcitabine)、ゲムツズマブオゾガマイシン(gemtuzumab ozogamicin)、グルカピアーゼ(glucarpidase)、ゴセレリン(goserelin)、プロプラノロール(propranolol)、トラスツズマブ、トポテカン(topotecan)、パボシーニ(palbociclib)、イブリトマブ(ibritumomab tiuxetan)、イブルチニブ(ibrutinib)、プラナチニブ(ponatinib)、イダビシン(idarubicin)、アデラリス(idelalisib)、イマチニブ(imatinib)、テリモジ(talimogene laherparepvec)、イピリムマブ(ipilimumab)、ロミデプシン(romidepsin)、イキサベピロン(ixabepilone)、イサゾミ(ixazomib)、ルクソチニブ(ruxolitinib)、カバジタキセル(cabazitaxel)、パリブミン(palifermin)、ペロズマブ(pembrolizumab)、リボシーニ(ribociclib)、テサギリン(tisagenlecleucel)、ランレオチド(lanreotide)、ラパチニブ(lapatinib)、オラリズマブ(olaratumab)、レナリミド(lenalidomide)、レバチニブ(lenvatinib)、フォリン酸、リュープロリド(leuprolide)、ロムスチン(lomustine)、トリフルリジン(trifluridine)、オラパニ(olaparib)、ビンクリスチン(vincristine)、プロカルバジン(procarbazine)、窒素マスタード(mechlorethamine)、メゲストロール(megestrol)、トラメチニブ(trametinib)、テモゾロミド(temozolomide)、臭化メチルナルトレキソン、ミドトリン(midostaurin)、マイトマイシンC、ミトキサントロン(mitoxantrone)、プレリキサフォル(plerixafor)、ビノレルビン(vinorelbine)、ラトゥムマブ(necitumumab)、レナチニブ(neratinib)、ソラフェニブ(sorafenib)、ニルタミド(nilutamide)、ニロチニブ(nilotinib)、ニラパリ(niraparib)、ニビズマブ(nivolumab)、タモキシフェン(tamoxifen)、ロミスティン(romiplostim)、ソニーデジ(sonidegib)、ホモハリントンニン(omacetaxine)、ペガスパラーゼ(pegaspargase)、オンダンセトロン(ondansetron)、オシメルチニブ(osimertinib)、パニツムマブ(panitumumab)、パゾパニブ(pazopanib)、インターフェロンα-2b、ペルツズマブ(pertuzumab)、ポマリドマイド(pomalidomide)、メルカプトプリン、レゴフィニル(regorafenib)、リツキシマブ(rituximab)、ロラピタン(rolapitant)、ルカパニー(rucaparib)、スタキシマブ(siltuximab)、スニチニブ(sunitinib)、チオグアニン、テムシロリムス(temsirolimus)、サリドマイド(thalidomide)、チオテパ(thiotepa)、トラベクテジン(trabectedin)、バルビシン(valrubicin)、ヴァンデタニ(vandetanib)、ビンブラスチン(vinblastine)、ビルモフィニル(vemurafenib)、ボリノスタット(vorinostat)、ゾレドロン酸、または、シクロホスファミド・メトトレキサート・5-フルオロウラシル(CMF)、ドキソルビシン・シクロホスファミド(AC)、窒素マスタード・ビンクリスチン・プロカルバジン・プレドニゾロン(prednisolone)(MOPP)、シュマイシン(sdriamycin)・ブレオマイシン・ビンブラスチン・ダカルバジン(ABVD)、シクロホスファミド・ドキソルビシン・ビンクリスチン・プレドニゾロン(CHOP)、リツキシマブ・シクロホスファミド・ドキソルビシン・ビンクリスチン・プレドニゾロン(RCHOP)、ブレオマイシン・エトポシド・シスプラチン(BEP)、エピルビシン・シスプラチン・5-フルオロウラシル(ECF)、エピルビシン・シスプラチン・カペシタビン(ECX)、メトトレキサート・ビンクリスチン・ドキソルビシン・シスプラチン(MVAC)などのそれらの組み合わせから選ばれる。
【0095】
特定の実施形態において、抗癌剤は、抗PD-1、抗CTLA4抗体またはそれらの組み合わせであり、例えば抗CTLA4(イピリムマブ、トリリムマブ(tremelimumab)など)と抗PD1(ニビズマブ、ペロズマブ、エゾリズマブ、アベロツマブ、デュバルズマブなど)である。特定の実施形態において、リンパ球除去環境のある被験者に投与される。特定の実施形態において、リンパスカベンジ剤(シクロホスファミドとフルダラビン)を投与する。
【0096】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物および1つまたは複数の他の抗癌剤を使用して乳癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびトラスツズマブおよび/またはラパチニブを使用して乳癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびドセタキセルとシクロホスファミドを使用して乳癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびドセタキセル、カルボプラチンおよびトラスツズマブを使用して乳癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびシクロホスファミド、ドキソルビシンおよび5-フルオロウラシル(5-FU)を使用して乳癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびドセタキセル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドを使用して乳癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびドキソルビシンとシクロホスファミドを使用した後、パクリタキセルまたはドセタキセルを使用して乳癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物および5-FU、エピルビシンおよびシクロホスファミドを使用した後、ドセタキセルまたはパクリタキセルを使用して乳癌を治療または予防することが予期される。
【0097】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物および1つまたは複数の他の抗癌剤を使用して前立腺癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびリュープロリド、ゴセレリンまたはブセレリンを使用して前立腺癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびフルタミド、ビカルタミド、エンザルタミドまたはニルタミドを使用して前立腺癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびケトコナゾールまたはアンモニアグルタチオンを使用して前立腺癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびアビトロン、ビカルタミド、カバジタキセル、ビカルタミド、デガレリックス、デノスマブ、ドセタキセル、エンザルタミド、カバジタキセル、リュープロリド、プレドニゾン、デノスマブ、シプリューセル-T(sipuleucel-T)または二塩化ラジウム223およびそれらの組み合わせを使用して前立腺癌を治療または予防することが予期される。
【0098】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物および1つまたは複数の他の抗癌剤を使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物および5-FU、フォリン酸またはカペシタビンまたはそれらの組み合わせを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびカペシタビンとオキサリプラチンを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物および5-FU、フォリン酸およびオキサリプラチンを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびフォリン酸、5-FUおよびイリノテカンを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびフォリン酸、5-FU、オキサリプラチンおよびイリノテカンを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。
【0099】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびベバシズマブまたはセツキシマブを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物および5-FUとフォリン酸と任意選択的なベバシズマブとの組み合わせを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびカペシタビンと任意選択的なベバシズマブとの組み合わせを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、使用本明細書により開示される化合物およびイリノテカンと任意選択的なセツキシマブとの組み合わせを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびセツキシマブを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびパニツムマブを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。特定の実施形態において、本開示は、使用本明細書により開示される化合物およびレグフィニルを使用して結腸癌を治療または予防することが予期される。
【0100】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物を使用して肺癌を治療または予防することが予期される。化学療法薬は、ビノレルビン、エトポシド、マイトマイシンC、ゲムシタビン、イリノテカン、ペメトレキセド、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、クリゾチニブおよびビンカアルカロイドまたはそれらの組み合わせから選ばれる。特定の実施形態において、ビンカアルカロイドは、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンまたはビノレルビンである。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物を使用して肺癌を治療または予防することが予期される。化学療法薬は、ベバシズマブ、パニツムマブ、ザトリムマブ(zalutumumab)、ニツズマブ(nimotuzumab)、マツズマブ(matuzumab)またはセツキシマブである。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物およびプラチナベースの薬剤および/またはタキサン(パクリタキセルとドセタキセルなど)またはそれらの組み合わせを使用して肺癌を治療または予防することが予期される。
【0101】
特定の実施形態において、本開示は、7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-アミンまたは任意選択で置換された誘導体または塩などの本明細書により開示される化合物の必要としている被験者への投与を含むことなど、脳癌、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、原始神経外胚葉性腫瘍、上衣腫および神経膠腫の治療または予防が予期される。特定の実施形態において、化合物は、任意選択でテモゾロミド、プロカルバジン、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ビンクリスチンおよびそれらの組み合わせと併用して投与する。特定の実施形態において、プロカルバジン、ロムスチン(CCNU)およびビンクリスチンを組み合わせる。特定の実施形態において、化合物は、任意選択でイリノテカン、シスプラチン、カルボプラチン、メトトレキサート、エトポシド、ブレオマイシン、ビンブラスチン、アクチノマイシン(ダクチノマイシン)、シクロホスファミドまたはイソシクロホスファミドと組み合わせて投与する。
【0102】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物とテモゾロミドとの組み合わせが予期される。膠芽腫の治療には、放射線療法中と放射線療法後の化学療法が含まれる。
【0103】
特定の実施形態において、本開示は、脳内の癌または腫瘍を管理するための対流増強送達(CED)による本明細書に開示される組成物の投与に関与する。CEDは、カテーテルに配置された後、流体圧力勾配を脳の間質腔に直接注入することによって組成物を投与する方法である。
【0104】
本明細書により開示される癌の治療は、唯一の療法として適用されるか、または、従来の手術または放射線療法または化学療法が含まれる。このような化学療法には、以下のカテゴリの抗腫瘍剤の1つまたは複数が含まれる。
(i)アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンおよびニトロソウレア)、代謝拮抗薬(例えば、5-フルオロウラシルとゲムシタビン、テガフール(tegafur)、ラルティトレックス(raltitrexed)、メトトレキサート、シトシンシタラビンおよびヒドロキシ尿素などのフルオロピリミジン系の葉酸拮抗薬)、抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダビシン、マイトマイシン-C、ダクチノマイシンおよびミトマイシンなどのアントラサイクリン)、有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンなどのビンカアルカロイド、および、パクリタキセルとテキソテ(taxotere)などのタキサン系)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドとテニポシド、アムサクリン(amsacrine)、トポテカンとカンプトテシンなどのエピポドフィロトキシン)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ[Velcade(R)])、薬剤アナグレリド(anegrilide)[Agrylin(R)]および薬剤α-インターフェロンなどの、腫瘍学医学で使用される抗増殖/抗腫瘍薬およびそれらの組み合わせ。
(ii)抗エストロゲン薬(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)およびイオキシフェン(iodoxyfene))、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えば、フルベストラント)、抗アンドロゲン薬(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRH拮抗薬またはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロリドおよびブセレリン)、プロゲステロン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボプラゾール(vorazole)およびエキセメスタン)、および、フィナステリド(finasteride)などの5α-レダクターゼ阻害剤などの、細胞阻害剤。
(iii)癌細胞の浸潤を阻害する薬剤(例えば、マリマスタット(marimastat)などの金属プロテアーゼ阻害剤、および、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター受容体機能の阻害剤)。
(iv)成長因子抗体、成長因子受容体抗体(例えば、抗Her2抗体であるトラスツズマブおよび抗表皮成長因子受容体(EGFR)抗体であるセツキシマブ)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、例えば表皮成長因子ファミリーの阻害剤、例えばN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリニルプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(ゲフィチニブ)、N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(エルロチニブ)および6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリニルプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(CI 1033)などのEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えば血小板源性成長因子ファミリーの阻害剤、例えば肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤、例えばホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)の阻害剤、例えばマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK1/2)の阻害剤、例えばプロテインキナーゼB(PKB/Akt)の阻害剤、例えばSrcチロシンキナーゼファミリーおよび/またはAbelson(AbI)チロシンキナーゼファミリーの阻害剤、例えばダサチニブ(BMS-354825)とメシル酸イマチニブ(GleevecTM)を含む成長因子機能阻害剤、および、STAT信号の伝達を変える任意の薬剤。
(v)血管内皮増殖因子の効果を阻害する薬剤(例えば、抗血管内皮細胞成長因子抗体であるベバシズマブ[AvastinTM])および他のメカニズムによって機能する化合物(例えば、リノールアミド(linomide)、インテグリンocvβ3機能阻害剤およびアンギオスタチン)などの、抗血管新生剤。
(vi)コンブレタスタチン(Combretastatin)A4などの血管損傷剤。
(vii)抗RASアンチセンス療法のような上記標的に対する療法などの、アンチセンス療法。
(viii)被験者の腫瘍細胞の免疫原性を高めるインビトロとインビボの方法(例えば、インターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子などの細胞因子によるトランスフェクション)、T-細胞の非反応性を減らす方法、免疫細胞のトランスフェクション方法(細胞因子による樹状細胞のトランスフェクションなど)を使用する方法、細胞因子で腫瘍細胞をトランスフェクションする方法と抗イディオタイプ抗体を使用する方法、および、免疫調節薬であるサリドマイドとレナリミド[Revlimid(R)]を使用する方法などを含む免疫治療方法。
【0105】
併用療法はまた、第2治療薬または化学治療薬の代替物または補充物として、開示される薬物組成物と放射線療法または手術とを併用して投与することが考えられえる。
【0106】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物および白血病(CLL)の化学療法計画を使用して白血病を治療または予防することが予期される。典型的な慢性リンパ球白血病(CLL)の化学療法計画には、クロラムブシルまたはシクロホスファミドと、プレドニゾンまたはプレドニゾロンなどのコルチコステロイドとの併用化学療法が含まれる。コルチコステロイドの使用には、いくつかの関連する自己免疫疾患(例えば、免疫溶血性貧血または免疫介在性血小板減少症)を抑制する追加の利点がある。薬剤耐性の場合、ヌクレオシド薬(例えば、フルダラビン、ペントスタチンまたはクラドリビン)による単剤治療が成功する可能性がある。患者は同種または自家骨髄移植を検討することができる。特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物と、クロラムブシル、シクロホスファミド、プレドニゾン、プレドニゾロン、フルダラビン、ペントスタチンおよび/またはクラドリビンまたはそれらの組み合わせとを組み合わせる併用治療が予期される。急性リンパ芽球性白血病の治療には通常、骨髄寛解を達成するための化学治療が含まれる。典型的な方法には、プレドニゾン、ビンクリスチンとアントラサイクリン、L-アスパラギナーゼまたはシクロホスファミドが含まれる。他のオプションには、プレドニゾン、L-アスパラギナーゼおよびビンクリスチンが含まれる。残存白血病を排除するための任意の強化療法または集中療法には、メトトレキサートおよび6-メルカプトプリン(6-MP)などの代謝拮抗薬が含まれる。
【0107】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物と、COP、CHOP、R-CHOP、イマチニブ、アレムツズマブ、ビンクリスチン、L-アスパラギナーゼまたはシクロホスファミド、メトトレキサートおよび/または6-メルカプトプリン(6-MP)とを組み合わせる併用治療が予期される。COPは、リンパ腫を治療するためのシクロホスファミド、ビンクリスチンとプレドニゾンまたはプレドニゾロンおよび任意選択的なヒドロキシダウノルビシン(CHOP)と任意選択的なリツキシマブ(R-CHOP)の化学療法である。
【0108】
特定の実施形態において、アスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤は、神経変性疾患およびアルツハイマー病などの認知障害の治療または予防に適用可能である。特定の実施形態において、本開示は、アスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤および薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬物組成物に関する。特定の実施形態において、本開示は、必要としている被験者への本明細書により開示される有效量のアスパラギンエンドペプチダーゼ阻害剤の薬物組成物の投与を含む神経変性疾患を治療または予防する方法に関する。
【0109】
特定の実施形態において、被験者は、ADのリスクがあるか、または、ADの症状を示す。
【0110】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物を、フロルベタピル(florbetapir)(18F)などの造影剤、および/または、ADの1つまたは複数の症状の治療または改善に関連する治療薬と組み合わせて投与することが予期される。
【0111】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物を、記憶力喪失に使用される薬物と、行動変化に使用される治療、睡眠変化に使用される治療と組み合わせて投与することが予期される。
【0112】
特定の実施形態において、本開示は、アルツハイマー病の認知症状(記憶力喪失、混乱、思考と推論の問題)を治療するために、本明細書により開示される化合物を、ドネペジル(donepezil)、リバスチグミン(rivastigmine)、ガランタミン(galantamine)およびタクリン(tacrine)などのコリンエステラーゼ阻害剤、および/または、メマンチン(memantine)などのNMDA受容体遮断薬から選ばれる薬物と組み合わせて投与することが予期される。
【0113】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物を、ビタミンEと組み合わせて投与することが予期される。
【0114】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物を、抗刺激剤、抗不安剤、抗精神病薬、抗不眠剤および抗うつ剤などの薬物と組み合わせて投与することが予期される。
【0115】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物を、ソラヌゼマブ(solanuzemab)、ガンテネルマブ(gantenerumab)およびバピネウズマブ(bapineuzumab)を含むがこれらに限定されないモノクローナル抗体ワクチンと組み合わせてアミロイドタンパク質に投与することが予期される。
【0116】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物を、脳卒中または外傷性脳損傷に使用される薬物と組み合わせて投与することが予期される。
【0117】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書により開示される化合物を、組み換え組織プラスミノーゲン活性化剤(rtPA)と組み合わせて投与することが予期される。
【0118】
特定の実施形態において、本明細書により開示される化合物は、神経変性障害、虚血性損傷、後天性免疫不全症候群(AIDS)および骨粗鬆症を含むアポトーシス関連の様々な疾患の治療に適用可能である。アポトーシスには、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病および脊髄性筋萎縮症が含まれる。多発性硬化症(MS)において、オリゴデンドロサイトの死はアポトーシスによるグリア変性の重要な例である。
【0119】
特定の実施形態において、本明細書により開示される化合物は、ハンチントン病、および、歯状核赤核淡蒼球リューイ体萎縮症(DRPLA)、脊髄小脳萎縮症3型(SCA-3)および脊髄球根筋萎縮症(SBMA)などの他の神経変性疾患の治療に適用できる。
【0120】
神経細胞のアポトーシスは、脳卒中、外傷および虚血などの急性損傷の後にも見られる。アポトーシスは、脳卒中の動物モデルの線条体および皮質ニューロンで観察された。
【実施例
【0121】
・ 実験
様々な濃度の化合物をAEP反応緩衝液(50mMのクエン酸ナトリウムpH5.5,0.1%のCHAPS,60mMのNaHPO,1mMのEDTA,最終的にpHが6.0)およびペプチド基質10MのCbz-AAN-AMCとともにインキュベートする。50nMのAEPを添加した後に反応を開始し、15分以内に蛍光生成物の形成を監視する。IC50値は次の式で計算する:酵素活性の割合=1/(1+([I]/IC50))、ただし[I]=阻害剤の濃度、IC50=最大活性の半分を生成する阻害剤の濃度。GraFitバージョン5.0.11のソフトウェアパッケージを使用してデータを分析する。
【0122】
(7-((5-(メチルアミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ)-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イル)メタノール
【化15】
【表1】
本明細書により開示される化合物は、本明細書に概説される手順を使用して適切な出発材料を置換することによって製造することができる。
【0123】
(7-((5-(メチルアミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ)-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イル)メタノールの合成
【化16】
エタノール(50mL)中の化合物1(5.00g,25.0mmol)とKCO(690mg,5.0mmol)の混合物を室温で10分間撹拌し、次にモルホリン(3.3g,37.6mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌する。反応混合物をろ過し、水(20mL)とエタノール(40mL)で固形ろ過ケーキを洗浄し、赤色固形化合物2(6.15g,収率98.0%)を得る。MS(ESI)m/z251.1[M+H]
【0124】
5-ブロモ-4-モルホリニル-7-ニトロベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール(3)の合成
【化17】
0℃で、アセトニトリル(100mL)中の化合物2(6.15g,24.6mmol)の混合物にNBS(5.25g,29.5mmol)を添加する。得られた混合物を60℃で3時間撹拌する。反応完了後、混合物をろ過し、減圧下でろ液を濃縮し、赤色固形化合物3(7.30g,収率90%)を得る。MS(ESI)m/z328.9,330.9[M+H]
【0125】
6-ブロモ-7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-アミン(4)の合成
【化18】
DCM(10mL)/メタノール(5mL)中の化合物3(1.00g,3.00mmol)とFe(1.70g,30.4mmol)の溶液に濃HCl(2mL)を添加する。室温で反応混合物を一晩撹拌する。珪藻土で反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、赤色固形粗化合物4(820mg,収率90%)を得る。MS(ESI)m/z299.0,301.0[M+H]
【0126】
(6-ブロモ-7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)タートブチルカルバメート(5)の合成
【化19】
化合物4(900mg,3.0mmol)のTHF(10mL)溶液に(Boc)O(1.38g,6.3mmol)とDMAP(34mg,0.3mmol)を添加する。室温で反応混合物を一晩撹拌する。真空で反応混合物を濃縮して残留物を提供し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)によって精製し、赤色固形化合物5(1.1g,収率73%)を得る。MS(ESI)m/z343.0[M-156+H]
【0127】
7-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-カルボン酸メチル(6)
【化20】
化合物5(3.00g,6.01mmol)のMeOH(60mL)溶液にPd(dppf)Cl(439mg,0.60mmol)とTEA(1.50g,15.9mmol)を添加する。反応混合物を85℃およびCO(1MPa)下で16時間撹拌する。室温に冷却した後、溶媒を除去する。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1)によって残留物を精製し、赤色固形化合物6と6aの混合物(2.30g,粗生成物)を得る。MS(ESI)m/z479.2と379.1[M+H]
【0128】
7-アミノ-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-カルボン酸メチル(7)
【化21】
0℃で、DCM(10mL)中の化合物6と6a(2.30g,粗生成物)の混合物にTFA(5mL)を徐々に添加する。室温で反応混合物を2時間撹拌する。溶媒を除去した後、分取HPLC(10-95%のCHCNのHO溶液,0.5%のアンモニア)によって残留物を精製し、赤色固形ターゲット化合物(1.14g,収率68%,2ステップ後)を得る。MS(ESI)m/z279.1[M+H]
【0129】
7-((5-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ)-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-カルボン酸メチル(8)
【化22】
化合物7(1.14g,4.10mmol)と(5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)(メチル)タートブチルカルバメート(2.40g,8.16mmol)のジオキサン(10mL)溶液)にPd2(dba)(376mg,0.40mmol)、Xantphos(237mg,0.40mmol)およびCsCO(2.70g,8.28mmol)を添加する。反応混合物を100℃とN下で3時間撹拌する。溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1)によって残留物を精製し、赤色固形化合物8(1.12g,粗生成物)を得る。MS(ESI)m/z492.2[M+H]
【0130】
(5-((6-(ヒドロキシメチル)-7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)アミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)(メチル)タートブチルカルバメート(9)
【化23】
-78℃で、化合物8(1.12g,粗生成物)のDCM(50mL)溶液にDIBAL-H(5.4mL,8.12mmol,1.5Mトルエン溶液)をドロップごとに添加する。得られた混合物を-78℃で1時間撹拌する。NHCl(水溶液)で反応をクエンチし、次に溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)によって残留物を精製し、赤色固形化合物9(550mg,粗生成物)を得る。MS(ESI)m/z464.2[M+H]
【0131】
(7-((5-(メチルアミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ)-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イル)メタノール
【化24】
0℃で、化合物9(550mg,粗生成物)のDCM(3mL)溶液にTFA(1.5mL)を徐々に添加する。室温で反応混合物を2時間撹拌する。溶媒を除去した後、分取HPLC(10-70%のCHCNのHO溶液,0.5%のアンモニア)によって残留物を精製し、黄色固形ターゲット化合物(125mg,収率8%,3ステップ後)を得る。H NMR(DMSO-d,400MHz):δ(ppm)9.67(brs,1H),8.10(s,1H),5.47(brs,1H),4.69(s,2H),3.77-3.75(m,4H),3.69(s,3H),3.15-3.13(m,4H)。MS(ESI)m/z364.1[M+H]
【0132】
(6-シアン-7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)タートブチルカルバメート(10)
【化25】
化合物5(3.00g,6.01mmol)のNMP(10mL)溶液にZn(CN)(1.40g,12.0mmol)、dppf(665mg,1.20mmol)およびPd(dba)(550mg,0.60mmol)を添加する。Nの保護下で、反応混合物を100℃で3時間撹拌する。室温に冷却した後、EtOAcと水を添加する。分離した有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)によって得られた残留物を精製し、赤色固形化合物6(1.93g,収率72%)を得る。MS(M-100+H)m/z346.1。
【0133】
7-アミノ-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-フォルモニトリル(11)
【化26】
0℃で、化合物10(1.93g,4.33mmol)のDCM(4mL)溶液にTFA(2mL)を徐々に添加する。室温で反応混合物を2時間撹拌する。溶媒を除去した後、分取HPLC(10-70%のCHCNのHO溶液,0.5%のアンモニア)によって残留物を精製し、赤色固形ターゲット化合物(980mg,収率92%)を得る。MS(ESI)m/z246.1[M+H]
【0134】
7-((5-(メチルアミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ)-4-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-フォルモニトリル
【化27】
NMP(5mL)中の化合物7(500mg,2.0mmol)と5-ブロモ-N-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン11(786mg,2.0mmol)、PTSA(422mg,2.5mmol)の混合物を150℃とマイクロ波照射下で8時間撹拌する。分取HPLC(10-95%のCHCN水溶液)を反応混合物を直接精製し、赤色固形の必要としている生成物(106mg,収率14%)を得る。H NMR(DMSO-d,400MHz):δ(ppm)10.56(brs,1H),8.07(s,1H),7.20-7.17(m,1H),3.80-3.72(s,8H),2.83(d,J=4.4Hz,3H)。MS(ESI)m/z359.1[M+H]
【0135】
-メチル-N-(7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジアミンの合成
【化28】
室温とAr下で、無水1,4-ジオキサン(90mL)中の化合物B-1(3g,15mmol)とモルホリン-3-ケトン(1.8g,18mmol)の混合物にCsCO(9.72g,30mmol)、XantPhos(868mg,1.5mmol)およびPd(OAc)(337mg,1.5mmol)を添加する。70℃とAr下で3時間撹拌して反応させる。LC-MSにより一部のB-1が残留し、主な生成物として必要としている生成物を形成することが示されている。冷却された反応混合物をろ過し、DCMでろ過ケーキを清洗する。真空で合併されたろ液を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出剤:6:1~1:1のPE/EtOAc)によって残留物を精製し、黒色固形の必要としている生成物(1.3g,収率20%,H NMRにより確認)を得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.55(d,J=8.0Hz,1H),7.88(d,J=8.0Hz,1H),4.49(s,2H),4.28(t,J=5.0Hz,2H),4.17(t,J=4.8Hz,2H)。
【0136】
【化29】
DCM/MeOH(20mL/4mL)中の化合物L-1(1.3g,4.9mmol)の撹拌混合物にFe(1.37g,24.6mmol)と濃HCl(3mL)を添加する。室温で反応混合物を2時間撹拌する。TLC(PE:EA=1:1)により反応が完了したことが示されている。pHが8になるまで、NaCO水溶液で反応混合物を塩基化する。得られたものをDCMで抽出する。真空で合併された有機抽出物を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出剤:2:1~1:3のPE:EtOAc)によって残留物を精製し、赤色固形のターゲットL-2(1g,収率88%,H NMRとLC-MSにより確認)を得る。LC-MS純度:83%@254nm;[M+H]=235.1,R.T.=0.90min。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ7.28(d,J=7.6Hz,1H),6.72(s,2H),6.29(d,J=7.6Hz,1H),4.24(s,2H),4.00(t,J=5.0Hz,4H),3.73(t,J=4.8Hz,4H)。
【0137】
【化30】
室温とAr下で、無水1,4-ジオキサン(100mL)中の化合物L-2(1.0g,4.27mmol)と(5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)(メチル)タートブチルカルバメート(1.88g,6.4mmol)の混合物にCsCO(2.77g,8.45mmol)、XantPhos(247mg,0.47mmol)およびPd(dba)(391mg,0.427mmol)を添加する。100℃とAr下で3時間撹拌して反応させる。
【0138】
TLC(PE:EA=1:1)により反応が完了したことが示されている。反応混合物を室温に冷却し、ろ過し、DCMでろ過ケーキを清洗する。真空で合併されたろ液を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出剤:5:1~1:1のPE:EtOAc)によって残留物を精製し、不純物を含有する赤色固形の必要としている生成物(600mg,収率:約31%)を得る。
【0139】
【化31】
L-3(600mg,1.34mmol)のDCM(40mL)溶液にTFA(3.04g,13.4mmol)を添加する。室温で反応混合物を2時間撹拌する。TLC(PE:EA=1:2)により反応が完了したことが示されている。NaHCO水溶液で反応混合物を洗浄し、真空で蒸発させる。分取HPLCで残留物を精製し、赤色固形の必要としている生成物(90mg,収率20%,H NMR、HPLCおよびLC-MSにより確認)を得る。HPLC純度:99%@254nm;97%@214nm。LC-MS:[M+H]=348.2,R.T.=0.90min。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.84(s,1H),8.05(s,1H),7.53(d,J=7.2Hz,1H),7.19(s,1H),4.03(t,J=4.8Hz,4H),3.81(t,J=4.6Hz,4H),2.84(t,J=4.8Hz,3H)。
【0140】
-(5-クロロ-7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)-N-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジアミンの合成
【化32】
MeCN(15mL)中の化合物B-1(3.5g,17.5mmol)、モルホリン(3.0g,34.5mmol)およびCsCO(17.0g,52.1mmol)の溶液を室温で2時間撹拌する。TLCにより反応が完了したことが示されている。反応混合物にEtOAc(500mL)と水(200mL)を添加し、赤色固形が沈殿する。混合物をろ過する。ろ過ケーキを収集して乾燥させ、必要としている生成物の最初の部分を得る。ろ液の有機層を分離し、生理食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過して濃縮し、必要としている生成物の2番目の部分(合計4.4g,収率:約100%,H NMRにより確認)を得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.46(d,J=8.8Hz,1H),6.34(d,J=8.8Hz,1H),4.09(t,J=4.8Hz,2H),3.97(t,J=4.8Hz,2H)。
【0141】
【化33】
室温で、DCM(370mL)とMeOH(180mL)中の化合物B-2(4.7g,18.8mmol)の撹拌混合物に濃HCl(36.5重量%,19mL)とFe(8.0g,142mmol)を添加する。得られた混合物を室温で30分間撹拌する。pHが8になるまで、反応混合物に飽和NaHCO水溶液を添加する。有機層を分離し、生理食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過して濃縮し、赤色固形の必要としている生成物(4.0g,収率:97%,H NMRとLC-MSにより確認)を得る。LC-MS:[M+H]=221.4,R.T.=1.60min。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ6.49(d,J=8.0Hz,1H),6.26(d,J=7.6Hz,1H),5.76(brs,2H),3.78(t,J=4.6Hz,4H),3.17(t,J=4.4Hz,4H)。
【0142】
【化34】
120℃とマイクロ波照射下で、i-PrOH(10mL)中のB-3(1.0g,4.5mmol)、(5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)(メチル)タートブチルカルバメート(1.5g,5.1mmol)とTsOHO(960mg,5.0mmol)の混合物を5時間撹拌する。pHが8になるまで、冷却した反応混合物に飽和NaHCO水溶液を添加する。DCM(200mL)を添加し、混合物を10分間撹拌する。有機層を分離し、生理食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過して濃縮する。逆相クロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、不純物を含有する褐色固形の必要としている生成物(650mg,収率43%,LC-MSにより確認)を得る。LC-MS純度:68%@254nm。LC-MS:[M+H]=334.1,R.T.=1.34min。
【0143】
【化35】
0℃で、トルエン(10mL)中の化合物B-4a(400mg,1.2mmol)の撹拌溶液にSOCl(1.6g,12mmol)を添加する。0℃で30分間撹拌して反応させる。LC-MSにより反応が完了し,必要としている生成物および大量の副生成物が形成されたことが示されている。反応混合物にPEを添加し、ろ過によって沈殿した黄色固形を収集する。分取HPLCによって黄色固形(低い純度)を精製し、褐色固形の必要としている生成物(9.4mg,バイアルに入れ,収率2.1%,H NMR、HPLCおよびLC-MSにより確認)を得る。HPLC純度:91%@254nm;91%@214nm。LC-MS:[M+H]=368.0,R.T.=5.14min。1H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.14(s,1H),7.21(d,J=4.4Hz,1H),3.76(t,J=4.4Hz,4H),3.24(t,J=4.6Hz,4H),2.84(d,J=4.8Hz,3H)。
【0144】
-メチル-N-(5-メチル-7-モルホリノベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジアミン
【化36】
0℃で、MeCN(10mL)中の化合物B-3(500mg,2.3mmol)の撹拌溶液にピリジニウム三臭化物(950mg,2.95mmol)を添加する。0℃で30分間撹拌して反応させる。LC-MSにより反応が完了したことが示されている。反応混合物に水(100mL)と酢酸エチル(300mL)を添加する。有機層を分離し、生理食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮して粗必要としている生成物を得て、逆相クロマトグラフィーによって該生成物を精製し、赤色固形の必要としている生成物(400mg,収率58%,H NMRとLC-MSにより確認)を得る。
【0145】
【化37】
DMF(12mL)中の化合物C-1(370mg,1.2mmol)、メチルホウ酸(450mg,7.4mmol)、KCO(510mg,3.7mmol)およびPd(PPh(140mg,0.12mmol)の混合物を120℃とアルゴンガス下で一晩撹拌する。逆相クロマトグラフィーによって冷却した反応混合物を直接精製し、必要としている生成物(150mg,収率53%,H NMRにより確認)(備考:2D NMRによりメチル基の位置を特定)を得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ6.25(s,1H),4.10(brs,2H),3.93(t,J=4.6Hz,4H),3.33(s,4H),2.18(s,3H)。
【0146】
【化38】
120℃とマイクロ波照射下で、化合物C-2(130mg,0.56mmol)、(5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)(メチル)タートブチルカルバメート(250mg,1.83mmol)およびTsOHO(160mg,0.83mmol)の溶液を5時間撹拌する。TLCにより大量の出発材料が残留することが示されている。分取TLCによって冷却した反応混合物を精製して必要としている生成物(20mg,純度80%)を得て、分取HPLCによってさらに精製し、必要としている生成物(5.0mg,バイアルに入れ,収率2.6%,H NMR、HPLCとLC-MSにより確認)を得る。
HPLC純度:98%@254nm;95%@214nm。LC-MS:[M+H]=348.1,R.T.=4.04min。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.93(brs,1H),6.90(d,J=4.8Hz,1H),6.52(s,1H),3.82(t,J=4.4Hz,4H),3.47(t,J=4.4Hz,4H),2.75,2.74(sX2,3H),2.25(s,3H)。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10