(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ワイヤボンディング装置、メンテナンス方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
H01L21/60 301Z
(21)【出願番号】P 2023523727
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(86)【国際出願番号】 JP2021019624
(87)【国際公開番号】W WO2022249243
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-06-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年2月17日に、「https://www.yamaha-motor-robotics-online-expo-2021.jp」にて公開。
(73)【特許権者】
【識別番号】519294332
【氏名又は名称】株式会社新川
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】清野 勉
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-335941(JP,A)
【文献】特開2018-152481(JP,A)
【文献】特開平11-176862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物にワイヤをボンディングするワイヤボンディング装置であって、
複数のメンテナンス項目について前記ワイヤボンディング装置の動作に関する診断結果の時系列データを取得し、初期状態の前記診断結果からの変化の推移を近似した関数を算出して初期状態の前記診断結果からの変化の推移を予測する予測部と、
前記予測部により前記複数のメンテナンス項目の初期状態の前記診断結果からの変化量が第1閾値に達すると予測された時点を、前記複数のメンテナンス項目毎に前記ワイヤボンディング装置のメンテナンスを行う時点として設定する設定部と、
を備える、
ワイヤボンディング装置。
【請求項2】
前記診断結果の時系列データは、前記ワイヤボンディング装置の前回のメンテナンス時以降に取得された時系列データにより構成されている、
請求項1に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項3】
前記第1閾値は、前回のメンテナンスを実行した直後の前記ワイヤボンディング装置の診断結果に基づいて設定されている、
請求項1または
2に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項4】
前記第1閾値は、前記ワイヤボンディング装置の動作を停止させる際の前記診断結果の閾値である第2閾値よりも小さい値である、
請求項1
から3のいずれか1項に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項5】
所定の操作を受け付ける操作受付部をさらに備え、
前記設定部は、前記操作受付部を通じて前記所定の操作を受け付けたか否かに基づいて、前記予測部により初期状態の前記診断結果からの変化量が第1閾値に達した時点で、前記ワイヤボンディング装置のエラー停止を実行するか、または、前記ワイヤボンディング装置のメンテナンスに関する情報を通知するかを切り替える、
請求項1
から4のいずれか1項に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項6】
ワイヤボンディング装置のメンテナンスに関する情報を通知するメンテナンス方法であって、
複数のメンテナンス項目について前記ワイヤボンディング装置の動作に関する診断結果の時系列データを取得し、初期状態からの前記診断結果の変化の推移を近似した関数を算出して初期状態の前記診断結果からの変化の推移を予測する工程と、
複数のメンテナンス項目の初期状態の前記診断結果からの変化量が第1閾値に達すると予測された時点を、複数のメンテナンス項目毎に前記ワイヤボンディング装置のメンテナンスを行う時点として設定する工程と、
を含む、
メンテナンス方法。
【請求項7】
前記設定されたワイヤボンディング装置のメンテナンスを行う時点を通知する工程をさらに含む、
請求項
6に記載のメンテナンス方法。
【請求項8】
一又は複数のコンピュータに、
複数のメンテナンス項目についてワイヤボンディング装置の動作に関する診断結果の時系列データを取得し、初期状態からの前記診断結果の変化の推移を近似した関数を算出して初期状態の前記診断結果からの変化の推移を予測する処理と、
複数のメンテナンス項目の初期状態の前記診断結果からの変化量が第1閾値に達すると予測された時点を、複数のメンテナンス項目毎に前記ワイヤボンディング装置のメンテナンスを行う時点として設定する処理と、
を実行させる、
プログラム。
【請求項9】
前記複数のメンテナンス項目ごとに設定されたメンテナンス時点をそれぞれメンテナンス予定日として表示する表示部をさらに備える、
請求項1から
5のいずれか1項に記載のワイヤボンディング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤボンディング装置、メンテナンス方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、基板に実装された電子部品に対して金属ワイヤの一端をボンディングし、基板の端子に対して金属ワイヤの他端をボンディングすることで、電子部品と基板の端子との間に金属ワイヤを配線するワイヤボンディング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、ワイヤボンディング装置のメンテナンス方法についてなお改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、メンテナンスを好適に行うことができるワイヤボンディング装置、メンテナンス方法、および、プログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様におけるワイヤボンディング装置は、対象物にワイヤをボンディングするワイヤボンディング装置であって、ワイヤボンディング装置の動作に関する診断結果の時系列データに基づいて、初期状態の診断結果からの変化の推移を予測する予測部と、予測部により初期状態の診断結果からの変化量が第1閾値に達すると予測された時点を、ワイヤボンディング装置のメンテナンスを行う時点として設定する設定部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様におけるメンテナンス方法は、ワイヤボンディング装置のメンテナンスに関する情報を通知するメンテナンス方法であって、ワイヤボンディング装置の動作に関する診断結果の時系列データに基づいて、初期状態の診断結果からの変化の推移を予測する工程と、初期状態の診断結果からの変化量が第1閾値に達すると予測された時点を、ワイヤボンディング装置のメンテナンスを行う時点として設定する工程と、を含む。
【0008】
また、本発明の一態様におけるプログラムは、一又は複数のコンピュータに、ワイヤボンディング装置の動作に関する診断結果の時系列データに基づいて、初期状態の診断結果からの変化の推移を予測する処理と、初期状態の診断結果からの変化量が第1閾値に達すると予測された時点を、ワイヤボンディング装置のメンテナンスを行う時点として設定する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、メンテナンスを好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係るワイヤボンディング装置の構成を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るワイヤボンディング装置の制御構成を示す図である。
【
図3】初期状態の診断データからの変化の推移の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るワイヤボンディング装置におけるワイヤボンディングのメンテナンス時点の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態に係るワイヤボンディング装置におけるメンテナンス処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係るワイヤボンディング装置におけるワイヤボンディングの品質の検査結果の報知処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、一実施形態に係るワイヤボンディング装置について説明する。
【0012】
図1に示すように、ワイヤボンディング装置10は、例えば、ステージ11と、XYテーブル12と、ボンディングヘッド13と、ボンディングアーム14と、キャピラリ15(ボンディングツールの一例)と、放電電極16と、クランパ17とを備える。
【0013】
ステージ11には、半導体チップ50を実装した基板51が載置されている。ステージ11には、基板51の端子を加熱するヒータ(図示略)が内蔵されている。
【0014】
XYテーブル12は、ボンディングヘッド13に連結されている。ボンディングヘッド13は、図示しない昇降機構を介して、ボンディングアーム14に連結されている。ボンディングアーム14は、ボンディングヘッド13から水平方向に突出するアームである。ボンディングアーム14の先端にはキャピラリ15が連結されている。キャピラリ15は、XYテーブル12によるボンディングヘッド13の水平方向への移動、および、昇降機構によるボンディングアーム14の上下方向への移動に伴って、ステージ11に載置された半導体チップ50に対して水平方向および上下方向に相対移動可能に構成されている。
【0015】
ボンディングアーム14には、超音波振動子が内蔵されている。超音波振動子は、ワイヤボンディングの実行時に電圧が印加されることで、ボンディングアーム14の先端に連結されたキャピラリ15に超音波振動を付与する。
【0016】
キャピラリ15は、ステージ11に対して上下方向において対向しており、上下方向に貫通する貫通孔を有している。キャピラリ15の貫通孔には、金線などのワイヤ60が挿通されている。キャピラリ15の近傍には放電電極16が配置されている。
【0017】
放電電極16は、電圧が印加されることで、ワイヤ60の先端との間で放電を生じさせ、ワイヤ60の先端部を溶融してボール部61を形成する。
【0018】
クランパ17は、キャピラリ15の上方に設けられ、キャピラリ15の貫通孔に挿通されたワイヤ60を挟持可能に構成されている。
【0019】
そして、ワイヤボンディング装置10は、放電電極16への電圧の印加に伴ってワイヤ60の第1端に形成されたボール部61を半導体チップ50に押し付ける。そして、ワイヤボンディング装置10は、ワイヤ60の第1端を半導体チップ50に対してボンディングした後、キャピラリ15を移動してワイヤ60を湾曲させ、ワイヤ60の一部を基板51の端子に対して上下方向において対向させる。続いて、ワイヤボンディング装置10は、放電電極16への電圧の印加に伴ってワイヤ60の当該一部を基板51の端子に押し付ける。そして、ワイヤボンディング装置10は、ワイヤ60の当該一部を基板51の端子に対してボンディングした後、クランパ17によりワイヤ60を挟持した状態でキャピラリ15を上方に移動させることでワイヤ60を切断する。
【0020】
次に、ワイヤボンディング装置10の制御構成について説明する。
【0021】
図2に示すように、ワイヤボンディング装置10は、例えば、制御部110と、記憶部120とを備える。
【0022】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めワイヤボンディング装置10のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでワイヤボンディング装置10のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0023】
記憶部120は、不揮発性の記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)によって構成されている。記憶部120は、ワイヤボンディング装置10の制御や処理を実行するプログラムの他にも、制御や演算に用いられる様々なパラメータ値、関数、ルックアップテーブル等を格納している。診断データ121、第1閾値122、第2閾値123、および、メンテナンスデータ124は、制御や演算に用いられるパラメータ値の一例である。
【0024】
診断データ121は、ワイヤボンディング装置10の動作に関する診断結果の時系列データであり、ワイヤボンディング装置10を用いたボンディング毎に取得される。診断データ121のデータ項目は、例えば、XYZリサージュ、XYZ偏差、XYガイド、Z荷重、USインピーダンス、US周波数、USキャリブレーション、CL荷重を含む。XYZリサージュは、例えば、リサージュ波形のA相およびB相の平均を診断結果とする。XYZ偏差は、各軸の偏差を測定し、XYZ最適化時との差を診断結果とする。XYガイドは、各測定区間時の電流指令値の最大値から最小値を差し引いた値を診断結果とする。Z荷重は、Zキャリブレーション時におけるZ軸の釣り合い荷重を診断結果とする。USインピーダンスは、USキャリブレーション時における共振インピーダンスを診断結果とする。US周波数は、USキャリブレーション時における共振周波数を診断結果とする。USキャリブレーションは、USキャリブレーション値を診断結果とする。CL荷重は、CL荷重キャリブレーション時における開き始めの値を自己診断として使用し、キャリブレーション時の値と自己診断時の値の差を診断結果とする。第1閾値122は、ワイヤボンディング装置10のメンテナンス時点を事前に設定する際の診断データ121の閾値である。第2閾値123は、ワイヤボンディング装置10の動作を停止させる際の診断データ121の閾値である。第1閾値122は、第2閾値123よりも小さい値である。第1閾値122および第2閾値123は、例えば、前回のメンテナンスを実行した直後の診断データ121を基準データとして設定されている。メンテナンスデータ124は、第1閾値122を用いて設定されたワイヤボンディング装置10のメンテナンス時点を示す。
【0025】
制御部110は、例えば、取得部111と、診断部112と、予測部113と、設定部114と、通知部115とを備える。
【0026】
取得部111は、ワイヤボンディング装置10の動作に関する診断データ121を取得する。
【0027】
診断部112は、取得部111により取得された診断データ121に基づいて、ワイヤボンディング装置10の動作を診断する。
【0028】
予測部113は、ワイヤボンディング装置10の動作に関する診断データ121に基づいて、初期状態の診断データ121からの変化の推移を予測する。予測部113は、例えば、診断データ121に基づいて、初期状態の診断データ121からの変化の推移を近似した関数を算出する。初期状態は、例えば、ワイヤボンディング装置を導入した状態、メンテナンス後にワイヤボンディング装置を稼働した状態、または、ワイヤボンディング装置の画面上からリセットの指示があった状態を含む。
【0029】
設定部114は、予測部113により初期状態の診断データ121からの変化量が第1閾値122に達すると予測された時点を、ワイヤボンディング装置10のメンテナンスを行う時点として設定する。設定部114は、例えば、予測部113により算出された関数と第1閾値122とが交差する時点をワイヤボンディング装置10のメンテナンスを行う時点として設定する。
【0030】
設定部114は、ユーザから所定の操作を受け付けたか否かに基づいて、予測部113により初期状態の診断データ121からの変化量が第1閾値122に達した時点で、前記ワイヤボンディング装置のエラー停止を実行するか、または、ワイヤボンディング装置10のメンテナンスに関する情報を通知するかを切り替える。
【0031】
通知部115は、設定部114によりワイヤボンディング装置10のメンテナンスに関する情報を通知すると設定されていることを条件に、ワイヤボンディング装置10のメンテナンスに関する情報を通知する。
【0032】
図3は、初期状態の診断データからの変化の推移の一例を示す図である。同図に示す例では、診断データ121が定期的に取得されており、時間の経過とともに、診断データ121のデータ数が蓄積されている。予測部113は、診断データ121のデータ数が所定数以上であることを条件に、初期状態の診断データ121からの変化の推移を近似した関数を算出し、算出した関数をグラフとして表示している。この例では、診断データ121は、時間の経過とともにデータ値が増大するグラフであり、診断データ121が第1閾値122に達した時点t1が、ワイヤボンディング装置10のメンテナンスを行う時点として設定されている。
【0033】
図4は、ワイヤボンディング装置10のメンテンナンス時点の設定履歴の一例を示す図である。同図に示す例では、設定履歴のデータ項目として、例えば、メンテナンスの種別、メンテナンス項目、メンテナンスの予定日を含む。これらデータ項目に隣接する位置には、メンテナンスの開始ボタンB1および完了ボタンB2が付されている。開始ボタンB1が操作された場合、該当するメンテナンスが手動で開始される。完了ボタンB2が操作された場合、該当するメンテナンスの実行が完了する。
【0034】
次に、一実施形態に係るワイヤボンディング装置10におけるワイヤボンディングの品質の検査結果の報知処理について、
図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0035】
図5に示すように、ワイヤボンディング装置10は、診断データ121の基準データを設定する(ステップS10)。次に、ワイヤボンディング装置10は、診断データ121を取得する(ステップS11)。次に、ワイヤボンディング装置10は、初期状態の診断データ121からの変化の推移を予測する(ステップS12)。次に、ワイヤボンディング装置10は、初期状態の診断データ121からの変化量が第1閾値122に達すると予測された時点を、ワイヤボンディング装置10のメンテナンスを行う時点として設定する(ステップS13)。これにより、
図5に示すフローチャートが終了する。
【0036】
次に、一実施形態に係るワイヤボンディング装置10におけるワイヤボンディングの品質の検査結果の報知処理について、
図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
図6に示すように、ワイヤボンディング装置10は、現時点がワイヤボンディング装置10のメンテナンスを行う時点に達したか否かを判定する(ステップS20)。ワイヤボンディング装置10は、現時点がワイヤボンディング装置10のメンテナンスを行う時点に達したと判定した場合(ステップS20=YES)、初期状態の診断データ121からの変化量が第1閾値122に達した時点で、ワイヤボンディング装置10のエラー停止を実行するとの設定がなされているか否かを判定する(ステップS21)。ワイヤボンディング装置10は、ワイヤボンディング装置10のエラー停止を実行するとの設定がなされていると判定した場合(ステップS21=YES)、エラー停止を実行する(ステップS22)。次に、ワイヤボンディング装置10は、メンテナンス開始の指示があるか否かを判定する(ステップS23)。ワイヤボンディング装置10は、メンテナンス開始の指示があると判定した場合(ステップS23=YES)、メンテナンスを実行し(ステップS24)、
図6に示すフローチャートを終了する。一方、ワイヤボンディング装置10は、メンテナンス開始の指示がないと判定した場合(ステップS23=NO)、メンテナンスを実行することなく、
図6に示すフローチャートを終了する。一方、ワイヤボンディング装置10は、現時点がワイヤボンディング装置10のメンテナンスを行う時点に達したと判定した場合(ステップS20=NO)、または、ワイヤボンディング装置10のエラー停止を実行するとの設定がなされていると判定した場合(ステップS21=NO)、メンテナンスの関する情報を通知し(ステップS25)、
図6に示すフローチャートを終了する。
【0038】
なお、上記実施形態は、以下のような形態にて実施してもよい。
【0039】
上記実施形態において、第1閾値は、メンテナンスを行う前段階で予め初期値として設定されてもよい。
【0040】
上記実施形態において、ワイヤボンディング装置10の動作を停止させる際の診断データ121の閾値である第2閾値の設定を省略してもよい。
【0041】
以上、上記実施形態に係るワイヤボンディング装置10を、ワイヤ60によって半導体チップ50の端子と基板51の端子とを電気的に接続する場合を例に挙げて説明した。これに代えて、上記実施形態に係るワイヤボンディング装置を、例えば、ワイヤ60によって半導体チップ50の端子とリードフレームの端子とを電気的に接続することで半導体モジュールを構成する場合にも適用可能である。また、上記実施形態に係るワイヤボンディング装置を、例えば、ワイヤ60によって半導体チップ50の端子など、任意の電極上にバンプを形成する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
10…ワイヤボンディング装置、11…ステージ、12…XYテーブル、13…ボンディングヘッド、14…ボンディングアーム、15…キャピラリ、16…放電電極、17…クランパ、50…半導体チップ、51…基板、60…ワイヤ、61…ボール部、110…制御部、111…取得部、112…診断部、113…予測部、114…設定部、115…通知部、120…記憶部、121…診断データ、122…第1閾値、123…第2閾値、124…メンテナンスデータ。