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特許7565649機械-電気-液圧式複合伝動装置及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】機械-電気-液圧式複合伝動装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/20 20160101AFI20241004BHJP
   B60K 17/12 20060101ALI20241004BHJP
   B60K 17/10 20060101ALI20241004BHJP
   B60K 6/445 20071001ALI20241004BHJP
   B60K 6/543 20071001ALI20241004BHJP
   B60K 6/387 20071001ALI20241004BHJP
   B60K 6/26 20071001ALI20241004BHJP
   B60K 6/365 20071001ALI20241004BHJP
   F16H 61/42 20100101ALI20241004BHJP
【FI】
B60W20/20
B60K17/12 ZHV
B60K17/10 G
B60K6/445
B60K6/543
B60K6/387
B60K6/26
B60K6/365
F16H61/42
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023551746
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2022097759
(87)【国際公開番号】W WO2023236127
(87)【国際公開日】2023-12-14
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】202210635240.3
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517405840
【氏名又は名称】江▲蘇▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱 鎮
(72)【発明者】
【氏名】盛 杰
(72)【発明者】
【氏名】蔡 英鳳
(72)【発明者】
【氏名】陳 龍
(72)【発明者】
【氏名】夏 長高
(72)【発明者】
【氏名】江 浩斌
(72)【発明者】
【氏名】田 翔
(72)【発明者】
【氏名】韓 江義
(72)【発明者】
【氏名】朱 建国
(72)【発明者】
【氏名】曽 発林
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111946792(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114001139(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103660910(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第03002146(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第110953318(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113137462(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0088290(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109185417(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 20/20
B60K 17/12
B60K 17/10
B60K 6/445
B60K 6/543
B60K 6/387
B60K 6/26
B60K 6/365
F16H 61/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸(11)と第1のクラッチC(12)とを含む入力軸部品(1)、
パワー分路部品の入力軸(21)、第1の歯車対(22)、第2のクラッチC(23)、パワー分路部品のリングギア(24)、パワー分路部品の遊星キャリア(25)、及びパワー分路部品の太陽歯車(26)を含み、前記のパワー分路部品のリングギア(24)はパワー分路部品の入力軸(21)に接続され、前記のパワー分路部品の入力軸(21)は第1のクラッチC(12)を介して入力軸(11)に接続され、前記のパワー分路部品のリングギア(24)は第2のクラッチC(23)を介してパワー分路部品の遊星キャリア(25)に接続されるパワー分路部品(2)、
第3のクラッチC(31)、可変ポンプ(32)、液圧管(33)、定量モーター(34)、第2の歯車対(35)、第4のクラッチC(36)を含み、前記の液圧式伝動部品(3)の入力端は前記のパワー分路部品の太陽歯車(26)に接続され、前記の液圧式伝動部品(3)の入力端は第3のクラッチC(31)を介して可変ポンプ(32)に接続され、前記の可変ポンプ(32)は液圧管(33)を介して定量モーター(34)に高圧油液を出力し、前記の第2の歯車対(35)は第4のクラッチC(36)を介して定量モーター(34)の出力軸に接続される液圧式伝動部品(3)、
第5のクラッチC(41)、第3の歯車対(42)、電気式無段変速機の入力軸(43)、電気式無段変速機(44)、電気式無段変速機の出力軸(45)を含み、前記のパワー分路部品の遊星キャリア(25)は第5のクラッチC(41)を介して電気式無段変速機の入力軸(43)に接続される電気式無段変速機の伝動部品(4)、
第4の歯車対(51)、第6のクラッチC(52)、ブレーキB(53)、機械式伝動部品の入力軸(54)、第5の歯車対(55)、第7のクラッチC(56)、機械式伝動部品のリングギア(57)、機械式伝動部品の太陽歯車(58)、第8のクラッチC(59)、機械式伝動部品の遊星キャリア(510)、機械式伝動部品の出力軸(511)を含み、前記の電気式無段変速機の出力軸(45)は第6のクラッチC(52)を介して機械式伝動部品の太陽歯車(58)に接続され、前記のブレーキB(53)は機械式伝動部品の太陽歯車(58)に接続され、前記のパワー分路部品の遊星キャリア(25)は第7のクラッチC(56)を介して機械式伝動部品のリングギア(57)に接続され、前記の機械式伝動部品の太陽歯車(58)は第8のクラッチC(59)を介して機械式伝動部品の遊星キャリア(510)に接続される機械式伝動部品(5)、
パワー合流部品のリングギア(61)、パワー合流部品の太陽歯車(62)、パワー合流部品の遊星キャリア(63)、第9のクラッチC(64)を含み、前記のパワー合流部品のリングギア(61)は機械式伝動部品の出力軸(511)に固定接続され、前記のパワー合流部品のリングギア(61)は第9のクラッチC(64)を介してパワー合流部品の遊星キャリア(63)に接続され、前記のパワー合流部品の太陽歯車(62)は液圧式伝動部品(3)の出力端に接続されるパワー合流部品(6)、及び
パワー合流部品の遊星キャリア(63)に接続される出力軸(7)が含まれる
ことを特徴とする、機械-電気-液圧式複合伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動装置及びその制御方法に関し、特に機械、液圧、及び電気の3種類の伝動モードが複合する機械-電気-液圧式複合伝動装置及びその制御方法を提供し、変速伝動装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
中国は、石油資源に乏しいエネルギー大消費国であり、石油の大半が自動車に消費されており、省エネルギーや排出削減への関心が高まる中、農業機械の省燃費化も注目されている。農業機械は、作業中に道路車両よりも過酷な条件で動作し、しばしば抵抗の急増に遭うことがある。これらの極限状態を克服するために、低出力の農業機械は、一定の運転効率を犠牲にしなければならず、燃料消費量が増加することが多く、高出力の農業機械は、コストが高く、容積が大きいなどの問題があり、比較的良好な運転条件の下で、余剰電力の問題がある。
【0003】
現在、工作機械に適用されている変速伝動のモードは、一般的に、歯車のシングルフロー伝動、液圧のシングルフロー伝動、液圧-歯車の複合伝動がある。歯車のシングルフロー伝動は、効率が高いが、ギア比が固定されており、操作中で頻繁なギアシフトが必要である。液圧のシングルフロー伝動は、無段階速度調整を便利に実現でき、伝達のトルクが大きいが、伝動効率が低い。液圧-歯車の複合伝動は、液圧パワーフローと機械パワーフローがパラレルに接続された伝動方式の1つであり、歯車伝動の効率が高く、液圧伝動のトルクが大きいが、可変液圧ポンプ、定量液圧モーター、及び液圧システムに対する要件が高い。ハイブリッド電気無段変速機は、パワーカップリングの要件を満たすだけでなく、ブレーキフィードバック、無段変速、電力補償などの複数の機能を実現することもできる。又、異なる回転数とトルクを出力でき、様々なエネルギー間の相互変換を柔軟に実現できる。
【0004】
従来の技術は、シングルフロー伝動装置と2つのシングルフロー伝動装置のパラレル複合伝動装置の設計のみがあり、建設機械の異なる作動状態でのマルチモード伝動装置、特に複数の複合モードの設計要件を完全に満たすことができない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の不足に対して、機械-電気-液圧式複合伝動装置及びその制御方法を提供することにあり、本発明は、クラッチ部品とブレーキ部品とを切り替えることにより、液圧式伝動、機械式伝動、電気式無段変速機伝動、機械-電気合流伝動、液圧-機械分路伝動、液圧-電気式分路伝動、液圧-機械-電気式分路伝動、液圧-機械合流伝動、液圧-電気合流伝動、機械-液圧-電気合流伝動の複数のモードの切り替えを実現し、建設機械の異なる作動状態でのマルチモード伝動装置のニーズを満たすことができる。
【0006】
本発明の技術的方案は、
入力軸と第1のクラッチCとを含む入力軸部品、
パワー分路部品の入力軸、第1の歯車対、第2のクラッチC、パワー分路部品のリングギア、パワー分路部品の遊星キャリア、及びパワー分路部品の太陽歯車を含み、上記のパワー分路部品のリングギアはパワー分路部品の入力軸に接続され、上記のパワー分路部品の入力軸は第1のクラッチCを介して入力軸に接続され、上記のパワー分路部品のリングギアは第2のクラッチCを介してパワー分路部品の遊星キャリアに接続されるパワー分路部品、
第3のクラッチC、可変ポンプ、液圧管、定量モーター、第2の歯車対、第4のクラッチCを含み、上記の液圧式伝動部品の入力端は上記のパワー分路部品の太陽歯車に接続され、上記の液圧式伝動部品の入力端は第3のクラッチCを介して可変ポンプに接続され、上記の可変ポンプは液圧管を介して定量モーターに高圧油液を出力し、上記の第2の歯車対は第4のクラッチCを介して定量モーターの出力軸に接続される液圧式伝動部品、
第5のクラッチC、第3の歯車対、電気式無段変速機の入力軸、電気式無段変速機、電気式無段変速機の出力軸を含み、上記のパワー分路部品の遊星キャリアは第5のクラッチCを介して電気式無段変速機の入力軸に接続される電気式無段変速機の伝動部品、
第4の歯車対、第6のクラッチC、ブレーキB、機械式伝動部品の入力軸、第5の歯車対、第7のクラッチC、機械式伝動部品のリングギア、機械式伝動部品の太陽歯車、第8のクラッチC、機械式伝動部品の遊星キャリア、機械式伝動部品の出力軸を含み、上記の電気式無段変速機の出力軸は第6のクラッチCを介して機械式伝動部品の太陽歯車に接続され、上記のブレーキBは機械式伝動部品の太陽歯車に接続され、上記のパワー分路部品の遊星キャリアは第7のクラッチCを介して機械式伝動部品のリングギアに接続され、上記の機械式伝動部品の太陽歯車は第8のクラッチCを介して機械式伝動部品の遊星キャリアに接続される機械式伝動部品、
パワー合流部品のリングギア、パワー合流部品の太陽歯車、パワー合流部品の遊星キャリア、第9のクラッチCを含み、上記のパワー合流部品のリングギアは機械式伝動部品の出力軸に固定接続され、上記のパワー合流部品のリングギアは第9のクラッチCを介してパワー合流部品の遊星キャリアに接続され、上記のパワー合流部品の太陽歯車は液圧式伝動部品の出力端に接続されるパワー合流部品、及び
パワー合流部品の遊星キャリアに接続される出力軸が含まれる
機械-電気-液圧式複合伝動装置である。
【0007】
本発明は、クラッチ部品とブレーキ部品とを切り替えることにより、液圧式伝動、機械式伝動、電気式無段変速機伝動、機械-電気合流伝動、液圧-機械分路伝動、液圧-電気式分路伝動、液圧-機械-電気式分路伝動、液圧-機械合流伝動、液圧-電気合流伝動、機械-液圧-電気合流伝動の複数のモードの切り替えを実現し、建設機械の異なる作動状態でのマルチモード伝動装置のニーズを満たすことができ、エンジンパワーの利用率を改善し、省燃費性を向上させると共に、ギアシフトの衝撃を効果的に軽減し、速度比調整の範囲を拡大し、液圧式伝動は、始動が速く、スムーズに作動し、迅速で衝撃のない変速と方向転換を実現しやすく、電気式無段変速機は、ギア比の変化過程が連続的であり、使用中の機構への衝撃が極めて小さい。速度調整範囲を効果的に拡大し、広範囲の非線形無段階速度調整の要件を満たすことができ、液圧-電気複合伝動、機械-液圧-電気複合伝動方式は、システムの伝動効率が向上し、領域内の高効率の無段階速度調整の要件を満たすことができる。
【0008】
機械-電気-液圧式複合伝動装置の制御方法は、クラッチとブレーキBとの間の接合の切り替えを制御することにより、単一伝動モード、パワー分路複合伝動モード、パワー合流複合伝動モードの3種類の伝動モードを実現し、単一の伝動モードは液圧式伝動モード、機械式伝動モード、電気式無段変速機伝動モードが含まれ、パワー分路複合伝動モードは液圧-機械式分路伝動モード、液圧-電気式分路伝動モード、液圧-機械-電気式分路伝動モードが含まれ、パワー合流複合伝動モードは機械-電気合流伝動モード、液圧-機械合流伝動モード、液圧-電気合流伝動モード、機械-液圧-電気合流伝動モードが含まれる。
【0009】
表1に示されるように、各伝動モードの接合素子は、具体的に次の通りである。
【表1-1】
【0010】
好ましくは、上記の単一の伝動モードの制御方法において、
液圧式伝動モードでは、第1のクラッチC、第2のクラッチC、第3のクラッチC、第4のクラッチC、及び第9のクラッチCが結合すると共に、第5のクラッチC、第6のクラッチC、第7のクラッチC、第8のクラッチC、及びブレーキBが離間し、動力が入力軸から第1の歯車対を介して可変ポンプを駆動して作動させ、上記の可変ポンプが高圧油液を出力して定量モーターを駆動して回転させ、上記の定量モーターの出力端から出力された動力が第2の歯車対を介して出力軸に伝達されて出力され、
機械式伝動モードでは、第1のクラッチC、第2のクラッチC、第7のクラッチC、第9のクラッチC、及びブレーキBが結合すると共に、第3のクラッチC、第4のクラッチC、第5のクラッチC、第6のクラッチC、第8のクラッチCが離間し、動力が入力軸から第1のクラッチC、第2のクラッチC、第7のクラッチCを順次介して機械式伝動部品のリングギアを駆動して作動させ、上記の機械式伝動部品のリングギアから出力された動力が機械式伝動部品の遊星キャリアを介して出力軸に伝達されて出力され、
電気式無段変速機伝動モードでは、第1のクラッチC、第2のクラッチC、第5のクラッチC、第6のクラッチC、第8のクラッチC、及び第9のクラッチCが結合すると共に、第3のクラッチC、第4のクラッチC、第7のクラッチC、及びブレーキBが離間し、パワー分路部品とパワー合流部品はそれぞれ一体に固定接続され、動力が入力軸からパワー分路部品、電気式無段変速機の伝動部品、パワー合流部品を介して出力軸に伝達されて出力される。
【0011】
好ましくは、上記のパワー分路複合伝動モードの制御方法において、
液圧-機械式分路伝動モードでは、第1のクラッチC、第3のクラッチC、第4のクラッチC、第7のクラッチC、第9のクラッチC、及びブレーキBが結合すると共に、第2のクラッチC、第5のクラッチC、第6のクラッチC、及び第8のクラッチCが離間し、動力が入力軸からパワー分路部品の入力軸を介してパワー分路部品のリングギアに伝達されて分路し、一つの分路の動力がパワー分路部品の太陽歯車、液圧式伝動部品を介してパワー合流部品の太陽歯車に伝達され、もう一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリア、機械式伝動部品のリングギア、機械式伝動部品の遊星キャリアを介してパワー合流部品のリングギアに伝達され、パワー合流部品は一体に固定接続され、パワー合流部品の太陽歯車に伝達された動力とパワー合流部品のリングギアに伝達された動力がパワー合流部品を介して出力軸に伝達されて出力され、
液圧-電気式分路伝動モードでは、第1のクラッチC、第3のクラッチC、第4のクラッチC、第5のクラッチC、第6のクラッチC、第8のクラッチC、及び第9のクラッチCが結合すると共に、第2のクラッチC、第7のクラッチC、及びブレーキBが離間し、動力が入力軸からパワー分路部品の入力軸を介してパワー分路部品のリングギアに伝達されて分路し、一つの分路の動力がパワー分路部品の太陽歯車、液圧式伝動部品を介してパワー合流部品の太陽歯車に伝達され、もう一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリアを介して電気式無段変速機の入力軸に伝達され、上記の電気式無段変速機の入力軸は電気式無段変速機を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸を介してパワー合流部品のリングギアに伝達され、パワー合流部品は一体に固定接続され、パワー合流部品の太陽歯車に伝達された動力とパワー合流部品のリングギアに伝達された動力がパワー合流部品を介して出力軸に伝達されて出力され、
液圧-機械-電気式分路伝動モードでは、第1のクラッチC、第3のクラッチC、第4のクラッチC、第5のクラッチC、第6のクラッチC、第7のクラッチC、及び第9のクラッチCが結合すると共に、第2のクラッチC、第8のクラッチC、及びブレーキBが離間し、動力が入力軸からパワー分路部品の入力軸を介してパワー分路部品のリングギアに伝達されて分路し、一つの分路の動力がパワー分路部品の太陽歯車、液圧式伝動部品を介してパワー合流部品の太陽歯車に伝達され、一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリアを介して再び分路し、一つの分路の動力が第5のクラッチCを介して電気式無段変速機の入力軸に伝達され、上記の電気式無段変速機の入力軸は電気式無段変速機を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸を介して機械式伝動部品の太陽歯車に伝達され、もう一つの分路の動力が第7のクラッチCを介して機械式伝動部品のリングギアに伝達され、2つの分路の動力が機械式伝動部品の遊星キャリアで合流し、合流した動力がパワー合流部品のリングギアに伝達され、パワー合流部品は一体に固定接続され、パワー合流部品の太陽歯車に伝達された動力とパワー合流部品のリングギアに伝達された動力がパワー合流部品を介して出力軸に伝達されて出力される。
【0012】
好ましくは、上記のパワー合流複合伝動モードの制御方法において、
機械-電気合流伝動モードでは、第1のクラッチC、第2のクラッチC、第5のクラッチC、第6のクラッチC、第7のクラッチC、及び第9のクラッチCが結合すると共に、第3のクラッチC、第4のクラッチC、第8のクラッチC、及びブレーキBが離間し、パワー分路部品とパワー合流部品はそれぞれ一体に固定接続され、動力が入力軸からパワー分路部品を介して分路し、一つの分路の動力が第5のクラッチCを介して電気式無段変速機の入力軸に伝達され、上記の電気式無段変速機の入力軸は電気式無段変速機を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸を介して機械式伝動部品の太陽歯車に伝達され、もう一つの分路の動力が第7のクラッチCを介して機械式伝動部品のリングギアに伝達され、2つの分路の動力が機械式伝動部品の遊星キャリアで合流し、合流した動力がパワー合流部品を介して出力軸に伝達されて出力され、
液圧-機械合流伝動モードでは、第1のクラッチC、第2のクラッチC、第3のクラッチC、第4のクラッチC、第7のクラッチC、及びブレーキBが結合すると共に、第5のクラッチC、第6のクラッチC、及び第9のクラッチCが離間し、パワー分路部品は一体に固定接続され、動力が入力軸からパワー分路部品を介して分路し、一つの分路の動力が液圧式伝動部品を介してパワー合流部品の太陽歯車に伝達され、もう一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリア、機械式伝動部品のリングギア、機械式伝動部品の遊星キャリアを介してパワー合流部品のリングギアに伝達され、パワー合流部品の太陽歯車に伝達された動力とパワー合流部品のリングギアに伝達された動力がパワー合流部品の遊星キャリアで合流してから出力軸に伝達されて出力され、
液圧-電気合流伝動モードでは、第1のクラッチC、第2のクラッチC、第3のクラッチC、第4のクラッチC、第5のクラッチC、第6のクラッチC、及び第8のクラッチCが結合すると共に、第7のクラッチC、第9のクラッチC、及びブレーキBが離間し、パワー分路部品は一体に固定接続され、動力が入力軸からパワー分路部品を介して分路し、一つの分路の動力が液圧式伝動部品を介してパワー合流部品の太陽歯車に伝達され、もう一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリアを介して電気式無段変速機の入力軸に伝達され、上記の電気式無段変速機の入力軸は電気式無段変速機を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸を介してパワー合流部品のリングギアに伝達され、パワー合流部品の太陽歯車に伝達された動力とパワー合流部品のリングギアに伝達された動力がパワー合流部品の遊星キャリアで合流してから出力軸に伝達されて出力され、
機械-液圧-電気合流伝動モードでは、第1のクラッチC、第2のクラッチC、第3のクラッチC、第4のクラッチC、第5のクラッチC、第6のクラッチC、及び第7のクラッチCが結合すると共に、第8のクラッチC、第9のクラッチC、及びブレーキBが離間し、パワー分路部品は一体に固定接続され、動力が入力軸からパワー分路部品を介して分路し、一つの分路の動力が液圧式伝動部品を介してパワー合流部品の太陽歯車に伝達され、一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリアを介して再び分路し、一つの分路の動力が第5のクラッチCを介して電気式無段変速機の入力軸に伝達され、上記の電気式無段変速機の入力軸は電気式無段変速機を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸を介して機械式伝動部品の太陽歯車に伝達され、もう一つの分路の動力が第7のクラッチCを介して機械式伝動部品のリングギアに伝達され、2つの分路の動力が機械式伝動部品の遊星キャリアで合流し、合流した動力がパワー合流部品のリングギアに伝達され、パワー合流部品の太陽歯車に伝達された動力とパワー合流部品のリングギアに伝達された動力がパワー合流部品の遊星キャリアで合流してから出力軸に伝達されて出力される。
【0013】
好ましくは、上記の単一の伝動モードの出力軸の回転数nの計算方法において、
液圧式伝動モードでは、
【数1】
であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、eは液圧式伝動部品の排気量比であり、iは第1の歯車対のギア比であり、iは第2の歯車対のギア比であり、
機械式伝動モードでは、
【数2】
であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、iは第5の歯車対のギア比であり、kは機械式伝動部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、
電気式無段変速機伝動モードでは、
【数3】

であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、iは第3の歯車対のギア比であり、iは第4の歯車対のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品のギア比である。
【0014】
好ましくは、上記のパワー分路複合伝動モードの出力軸の回転数nの計算方法において、
液圧-機械式分路伝動モードでは、
【数4】
であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、kはパワー分路部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、kは機械式伝動部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対のギア比であり、iは第2の歯車対のギア比であり、iは第5の歯車対のギア比であり、eは液圧式伝動部品の排気量比であり、
液圧-電気式分路伝動モードでは、
【数5】
であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、kはパワー分路部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対のギア比であり、iは第2の歯車対のギア比であり、iは第3の歯車対のギア比であり、iは第4の歯車対のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品のギア比であり、eは液圧式伝動部品の排気量比であり、
液圧-機械-電気式分路伝動モードでは、
【数6】
であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、kはパワー分路部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、kは機械式伝動部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対のギア比であり、iは第2の歯車対のギア比であり、iは第3の歯車対のギア比であり、iは第4の歯車対のギア比であり、iは第5の歯車対のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品のギア比であり、eは液圧式伝動部品の排気量比である。
【0015】
好ましくは、上記のパワー合流複合伝動モードの出力軸の回転数nの計算方法において、
機械-電気合流伝動モードでは、
【数7】
であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、kは機械式伝動部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第3の歯車対のギア比であり、iは第4の歯車対のギア比であり、iは第5の歯車対のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品のギア比であり、
液圧-機械合流伝動モードでは、
【数8】
であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、kは機械式伝動部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、kはパワー合流部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対のギア比であり、iは第2の歯車対のギア比であり、eは液圧式伝動部品の排気量比であり、
液圧-電気合流伝動モードでは、
【数9】
であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、kはパワー合流部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対のギア比であり、iは第2の歯車対のギア比であり、iは第3の歯車対のギア比であり、iは第4の歯車対のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品のギア比であり、eは液圧式伝動部品の排気量比であり、
機械-液圧-電気合流伝動モードでは、
【数10】
であり、式中、nは出力軸の回転数であり、nは入力軸の回転数であり、kは機械式伝動部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、kはパワー合流部品の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対のギア比であり、iは第2の歯車対のギア比であり、iは第3の歯車対のギア比であり、iは第4の歯車対のギア比であり、iは第5の歯車対のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品のギア比であり、eは液圧式伝動部品の排気量比である。
【0016】
好ましくは、液圧式伝動モードと電気式無段変速機伝動モードとの間の切り替えを実現するために、液圧式伝動部品の排気量比を調整すること、電気式無段変速機の伝動部品のギア比を調整すること、クラッチとブレーキBとの間の接合を制御することにより、複数の伝動モードの間の無段階速度調整の切り替えを実現する。
【0017】
好ましくは、上記の複数の伝動モードの間の無段階速度調整の切り替えに関連する伝動モードは、
「液圧式伝動モード」-「液圧-電気合流伝動モード」-「機械-液圧-電気合流伝動モード又は液圧式伝動モード」-「機械式伝動モード」-「液圧-機械合流伝動モード」、
「液圧式伝動モード」-「機械-電気合流伝動モード」-「電気式無段変速機伝動モード」-「液圧-電気式分路伝動モード」、
「液圧式伝動モード」-「液圧-機械-電気式分路伝動モード」、及び
「液圧式伝動モード」-「液圧-機械式分路伝動モード」である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、クラッチ部品とブレーキ部品とを切り替えることにより、液圧式伝動、機械式伝動、電気式無段変速機伝動、機械-電気合流伝動、液圧-機械分路伝動、液圧-電気式分路伝動、液圧-機械-電気式分路伝動、液圧-機械合流伝動、液圧-電気合流伝動、機械-液圧-電気合流伝動の複数のモードの切り替えを実現し、建設機械の異なる作動状態でのマルチモード伝動装置のニーズを満たすことができ、エンジンパワーの利用率を改善し、省燃費性を向上させ。同時ギアシフトの衝撃を効果的に軽減し、速度比調整の範囲を拡大し、液圧式伝動は、始動が速く、スムーズに作動し、迅速で衝撃のない変速と方向転換を実現しやすく、電気式無段変速機は、ギア比の変化過程が連続的であり、使用中の機構への衝撃が極めて小さい。本発明の機械-電気-液圧式複合伝動装置は、複数のモードがあり、速度調整範囲を効果的に拡大し、広範囲の非線形無段階速度調整の要件を満たすことができ、液圧-電気複合伝動、機械-液圧-電気複合伝動方式は、システムの伝動効率が向上し、領域内の高効率の無段階速度調整の要件を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、本発明又は従来技術の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明し、以下の説明は、本発明の実施例に過ぎず、当業者は、創造的な作業なしに提供された図面に従って他の図面を取得することもできる。
【0020】
図1】本発明の構造原理図である。
図2】本発明の液圧式伝動モードのパワーフローの模式図である。
図3】本発明の機械式伝動モードのパワーフローの模式図である。
図4】本発明の電気式無段変速機伝動モードのパワーフローの模式図である。
図5】本発明の液圧-機械式分路伝動モードのパワーフローの模式図である。
図6】本発明の液圧-電気式分路伝動モードのパワーフローの模式図である。
図7】本発明の液圧-機械-電気式分路伝動モードのパワーフローの模式図である。
図8】本発明の機械-電気合流伝動モードのパワーフローの模式図である。
図9】本発明の液圧-機械合流伝動モードのパワーフローの模式図である。
図10】本発明の液圧-電気合流伝動モードのパワーフローの模式図である。
図11】本発明の機械-液圧-電気合流伝動モードのパワーフローの模式図である。
図12】本発明のマルチモードの切り替えである「液圧式伝動モード」-「液圧-電気合流伝動モード」-「機械-液圧-電気合流伝動モード又は液圧式伝動モード」-「機械式伝動モード」-「液圧-機械合流伝動モード」の出力回転数と入力回転数の関係図である。
図13】本発明のマルチモードの切り替えである「液圧式伝動モード」-「機械-電気合流伝動モード」-「電気式無段変速機伝動モード」-「液圧-電気式分路伝動モード」の出力回転数と入力回転数の関係図である。
図14】本発明のマルチモードの切り替えである「液圧式伝動モード」-「液圧-機械-電気式分路伝動モード」の出力回転数と入力回転数の関係図である。
図15】本発明のマルチモードの切り替えである「液圧式伝動モード」-「液圧-機械式分路伝動モード」の出力回転数と入力回転数の関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の実施例中の添付の図面を参照して、本発明の実施例における技術的手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、本発明のすべての実施例ではなく、いくつかの実施例にすぎない。本発明の実施例に基づいて、業者が創造的な努力をすることなく得た他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0022】
本発明の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利に又は簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は示唆するものではないため、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0023】
本発明では、他に明確に指定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触するのを含むことができ、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触していないことも含むことができる。又、それらの間の別の特徴的な接触を通じて.さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含み、又は単に第1の特徴の水平方向の高さが第2の特徴よりも高いことを意味する。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含み、単に第1の特徴の水平方向の高さが第2の特徴より低いことを意味する。
【0024】
図1に示されるように、機械-電気-液圧式複合伝動装置は、
入力軸11と第1のクラッチC12とを含む入力軸部品1、
パワー分路部品の入力軸21、第1の歯車対22、第2のクラッチC23、パワー分路部品のリングギア24、パワー分路部品の遊星キャリア25、及びパワー分路部品の太陽歯車26を含み、上記のパワー分路部品のリングギア24はパワー分路部品の入力軸21に接続され、上記のパワー分路部品の入力軸21は第1のクラッチC12を介して入力軸11に接続され、上記のパワー分路部品のリングギア24は第2のクラッチC23を介してパワー分路部品の遊星キャリア25に接続されるパワー分路部品2、
第3のクラッチC31、可変ポンプ32、液圧管33、定量モーター34、第2の歯車対35、第4のクラッチC36を含み、上記の液圧式伝動部品3の入力端は上記のパワー分路部品の太陽歯車26に接続され、上記の液圧式伝動部品3の入力端は第3のクラッチC31を介して可変ポンプ32に接続され、上記の可変ポンプ32は液圧管33を介して定量モーター34に高圧油液を出力し、上記の第2の歯車対35は第4のクラッチC36を介して定量モーター34の出力軸に接続される液圧式伝動部品3、
第5のクラッチC41、第3の歯車対42、電気式無段変速機の入力軸43、電気式無段変速機44、電気式無段変速機の出力軸45を含み、上記のパワー分路部品の遊星キャリア25は第5のクラッチC41を介して電気式無段変速機の入力軸43に接続される電気式無段変速機の伝動部品4、
第4の歯車対51、第6のクラッチC52、ブレーキB53、機械式伝動部品の入力軸54、第5の歯車対55、第7のクラッチC56、機械式伝動部品のリングギア57、機械式伝動部品の太陽歯車58、第8のクラッチC59、機械式伝動部品の遊星キャリア510、機械式伝動部品の出力軸511を含み、上記の電気式無段変速機の出力軸45は第6のクラッチC52を介して機械式伝動部品の太陽歯車58に接続され、上記のブレーキB53は機械式伝動部品の太陽歯車58に接続され、上記のパワー分路部品の遊星キャリア25は第7のクラッチC56を介して機械式伝動部品のリングギア57に接続され、上記の機械式伝動部品の太陽歯車58は第8のクラッチC59を介して機械式伝動部品の遊星キャリア510に接続される機械式伝動部品5、
パワー合流部品のリングギア61、パワー合流部品の太陽歯車62、パワー合流部品の遊星キャリア63、第9のクラッチC64を含み、上記のパワー合流部品のリングギア61は機械式伝動部品の出力軸511に固定接続され、上記のパワー合流部品のリングギア61は第9のクラッチC64を介してパワー合流部品の遊星キャリア63に接続され、上記のパワー合流部品の太陽歯車62は液圧式伝動部品3の出力端に接続されるパワー合流部品6、及び
パワー合流部品の遊星キャリア63に接続される出力軸7が含まれる。
【0025】
本発明は、クラッチ部品とブレーキ部品とを切り替えることにより、液圧式伝動、機械式伝動、電気式無段変速機伝動、機械-電気合流伝動、液圧-機械分路伝動、液圧-電気式分路伝動、液圧-機械-電気式分路伝動、液圧-機械合流伝動、液圧-電気合流伝動、機械-液圧-電気合流伝動の複数のモードの切り替えを実現し、建設機械の異なる作動状態でのマルチモード伝動装置のニーズを満たすことができ、エンジンパワーの利用率を改善し、省燃費性を向上させる。同時に、ギアシフトの衝撃を効果的に軽減し、速度比調整の範囲を拡大し、液圧式伝動は、始動が速く、スムーズに作動し、迅速で衝撃のない変速と方向転換を実現しやすく、電気式無段変速機は、ギア比の変化過程が連続的であり、使用中の機構への衝撃が極めて小さい。速度調整範囲を効果的に拡大し、広範囲の非線形無段階速度調整の要件を満たすことができ、液圧-電気複合伝動、機械-液圧-電気複合伝動方式は、システムの伝動効率が向上し、領域内の高効率の無段階速度調整の要件を満たすことができる。
【0026】
機械-電気-液圧式複合伝動装置の制御方法は、クラッチとブレーキB53との間の接合の切り替えを制御することにより、単一伝動モード、パワー分路複合伝動モード、パワー合流複合伝動モードの3種類の伝動モードを実現し、単一の伝動モードは、液圧式伝動モード、機械式伝動モード、電気式無段変速機伝動モードが含まれ、パワー分路複合伝動モードは、液圧-機械式分路伝動モード、液圧-電気式分路伝動モード、液圧-機械-電気式分路伝動モードが含まれ、パワー合流複合伝動モードは、機械-電気合流伝動モード、液圧-機械合流伝動モード、液圧-電気合流伝動モード、機械-液圧-電気合流伝動モードが含まれる。
【0027】
表1に示されるように、各伝動モードの接合素子は、具体的に次の通りである。
【表1-2】
【0028】
図2に示されるように、液圧式伝動モードの制御方法において、
第1のクラッチC12、第2のクラッチC23、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、及び第9のクラッチC64が結合すると共に、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、第7のクラッチC56、第8のクラッチC59、及びブレーキB53が離間し、動力が入力軸11から第1の歯車対22を介して可変ポンプ32を駆動して作動させ、上記の可変ポンプ32が高圧油液を出力して定量モーター34を駆動して回転させ、上記の定量モーター34の出力端から出力された動力が第2の歯車対35を介して出力軸7に伝達されて出力される。
【0029】
液圧式伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数11】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、eは液圧式伝動部品3の排気量比であり、iは第1の歯車対22のギア比であり、iは第2の歯車対35のギア比である。
【0030】
図3に示されるように、機械式伝動モードの制御方法において、
第1のクラッチC12、第2のクラッチC23、第7のクラッチC56、第9のクラッチC64、及びブレーキB53が結合すると共に、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、第8のクラッチC59が離間し、動力が入力軸11から第1のクラッチC12、第2のクラッチC23、第7のクラッチC56を順次介して機械式伝動部品のリングギア57を駆動して作動させ、上記の機械式伝動部品のリングギア57から出力された動力が機械式伝動部品の遊星キャリア510を介して出力軸7に伝達されて出力される。
【0031】
機械式伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数12】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、iは第5の歯車対55のギア比であり、kは機械式伝動部品5の遊星歯車の特性パラメーターである。
【0032】
図4に示されるように、電気式無段変速機伝動モードの制御方法において、
第1のクラッチC12、第2のクラッチC23、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、第8のクラッチC59、及び第9のクラッチC64が結合すると共に、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、第7のクラッチC56、及びブレーキB53が離間し、パワー分路部品2とパワー合流部品6はそれぞれ一体に固定接続され、動力が入力軸11からパワー分路部品2、電気式無段変速機の伝動部品4、パワー合流部品6を介して出力軸7に伝達されて出力される。
【0033】
電気式無段変速機伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数13】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、iは第3の歯車対42のギア比であり、iは第4の歯車対51のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品4のギア比である。
【0034】
図5に示されるように、液圧-機械式分路伝動モードの制御方法において、
第1のクラッチC12、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、第7のクラッチC56、第9のクラッチC64、及びブレーキB53が結合すると共に、第2のクラッチC23、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、及び第8のクラッチC59が離間し、動力が入力軸11からパワー分路部品の入力軸21を介してパワー分路部品のリングギア24に伝達されて分路し、一つの分路の動力がパワー分路部品の太陽歯車26、液圧式伝動部品3を介してパワー合流部品の太陽歯車62に伝達され、もう一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリア25、機械式伝動部品のリングギア57、機械式伝動部品の遊星キャリア510を介してパワー合流部品のリングギア61に伝達され、パワー合流部品6は一体に固定接続され、パワー合流部品の太陽歯車62に伝達された動力とパワー合流部品のリングギア61に伝達された動力がパワー合流部品6を介して出力軸7に伝達されて出力される。
【0035】
液圧-機械式分路伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数14】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、kはパワー分路部品2の遊星歯車の特性パラメーターであり、kは機械式伝動部品5の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対22のギア比であり、iは第2の歯車対35のギア比であり、iは第5の歯車対55のギア比であり、eは液圧式伝動部品3の排気量比である。
【0036】
図6に示されるように、液圧-電気式分路伝動モードの制御方法において、
第1のクラッチC12、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、第8のクラッチC59、及び第9のクラッチC64が結合すると共に、第2のクラッチC23、第7のクラッチC56、及びブレーキB53が離間し、動力が入力軸11からパワー分路部品の入力軸21を介してパワー分路部品のリングギア24に伝達されて分路し、一つの分路の動力がパワー分路部品の太陽歯車26、液圧式伝動部品3を介してパワー合流部品の太陽歯車62に伝達され、もう一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリア25を介して電気式無段変速機の入力軸43に伝達され、上記の電気式無段変速機の入力軸43は電気式無段変速機44を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機44から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸45を介してパワー合流部品のリングギア61に伝達され、パワー合流部品6は一体に固定接続され、パワー合流部品の太陽歯車62に伝達された動力とパワー合流部品のリングギア61に伝達された動力がパワー合流部品6を介して出力軸7に伝達されて出力される。
【0037】
液圧-電気式分路伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数15】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、kはパワー分路部品2の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対22のギア比であり、iは第2の歯車対35のギア比であり、iは第3の歯車対42のギア比であり、iは第4の歯車対51のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品4のギア比であり、eは液圧式伝動部品3の排気量比である。
【0038】
図7に示されるように、液圧-機械-電気式分路伝動モードの制御方法において、
液圧-機械-電気式分路伝動モードでは、第1のクラッチC12、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、第7のクラッチC56、及び第9のクラッチC64が結合すると共に、第2のクラッチC23、第8のクラッチC59、及びブレーキB53が離間し、動力が入力軸11からパワー分路部品の入力軸21を介してパワー分路部品のリングギア24に伝達されて分路し、一つの分路の動力がパワー分路部品の太陽歯車26、液圧式伝動部品3を介してパワー合流部品の太陽歯車62に伝達され、一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリア25を介して再び分路し、一つの分路の動力が第5のクラッチC41を介して電気式無段変速機の入力軸43に伝達され、上記の電気式無段変速機の入力軸43は電気式無段変速機44を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機44から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸45を介して機械式伝動部品の太陽歯車58に伝達され、もう一つの分路の動力が第7のクラッチC56を介して機械式伝動部品のリングギア57に伝達され、2つの分路の動力が機械式伝動部品の遊星キャリア510で合流し、合流した動力がパワー合流部品のリングギア61に伝達され、パワー合流部品6は一体に固定接続され、パワー合流部品の太陽歯車62に伝達された動力とパワー合流部品のリングギア61に伝達された動力がパワー合流部品6を介して出力軸7に伝達されて出力される。
【0039】
液圧-機械-電気式分路伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数16】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、kはパワー分路部品2の遊星歯車の特性パラメーターであり、kは機械式伝動部品5の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対22のギア比であり、iは第2の歯車対35のギア比であり、iは第3の歯車対42のギア比であり、iは第4の歯車対51のギア比であり、iは第5の歯車対55のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品4のギア比であり、eは液圧式伝動部品3の排気量比である。
【0040】
図8に示されるように、機械-電気合流伝動モードの制御方法において、
機械-電気合流伝動モードでは、第1のクラッチC12、第2のクラッチC23、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、第7のクラッチC56、及び第9のクラッチC64が結合すると共に、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、第8のクラッチC59、及びブレーキB53が離間し、パワー分路部品2とパワー合流部品6はそれぞれ一体に固定接続され、動力が入力軸11からパワー分路部品2を介して分路し、一つの分路の動力が第5のクラッチC41を介して電気式無段変速機の入力軸43に伝達されて、上記の電気式無段変速機の入力軸43は電気式無段変速機44を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機44から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸45を介して機械式伝動部品の太陽歯車58に伝達され、もう一つの分路の動力が第7のクラッチC56を介して機械式伝動部品のリングギア57に伝達され、2つの分路の動力が機械式伝動部品の遊星キャリア510で合流し、合流した動力がパワー合流部品6を介して出力軸7に伝達されて出力される。
【0041】
機械-電気合流伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数17】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、kは機械式伝動部品5の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第3の歯車対42のギア比であり、iは第4の歯車対51のギア比であり、iは第5の歯車対55のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品4のギア比である。
【0042】
図9に示されるように、液圧-機械合流伝動モードの制御方法において、
第1のクラッチC12、第2のクラッチC23、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、第7のクラッチC56、及びブレーキB53が結合すると共に、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、及び第9のクラッチC64が離間し、パワー分路部品2は一体に固定接続され、動力が入力軸11からパワー分路部品2を介して分路し、一つの分路の動力が液圧式伝動部品3を介してパワー合流部品の太陽歯車62に伝達され、もう一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリア25、機械式伝動部品のリングギア57、機械式伝動部品の遊星キャリア510を介してパワー合流部品のリングギア61に伝達され、パワー合流部品の太陽歯車62に伝達された動力とパワー合流部品のリングギア61に伝達された動力がパワー合流部品の遊星キャリア63で合流してから出力軸7に伝達されて出力される。
【0043】
液圧-機械合流伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数18】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、kは機械式伝動部品5の遊星歯車の特性パラメーターであり、kはパワー合流部品6の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対22のギア比であり、iは第2の歯車対35のギア比であり、eは液圧式伝動部品3の排気量比である。
【0044】
図10に示されるように、液圧-電気合流伝動モードの制御方法において、
液圧-電気合流伝動モードでは、第1のクラッチC12、第2のクラッチC23、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、及び第8のクラッチC59が結合すると共に、第7のクラッチC56、第9のクラッチC64、及びブレーキB53が離間し、パワー分路部品2は一体に固定接続され、動力が入力軸11からパワー分路部品2を介して分路し、一つの分路の動力が液圧式伝動部品3を介してパワー合流部品の太陽歯車62に伝達され、もう一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリア25を介して電気式無段変速機の入力軸43に伝達され、上記の電気式無段変速機の入力軸43は電気式無段変速機44を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機44から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸45を介してパワー合流部品のリングギア61に伝達され、パワー合流部品の太陽歯車62に伝達された動力とパワー合流部品のリングギア61に伝達された動力がパワー合流部品の遊星キャリア63で合流してから出力軸7に伝達されて出力される。
【0045】
液圧-電気合流伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数19】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、kはパワー合流部品6の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対22のギア比であり、iは第2の歯車対35のギア比であり、iは第3の歯車対42のギア比であり、iは第4の歯車対51のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品4のギア比であり、eは液圧式伝動部品3の排気量比である。
【0046】
図11に示されるように、機械-液圧-電気合流伝動モードの制御方法において、
機械-液圧-電気合流伝動モードでは、第1のクラッチC12、第2のクラッチC23、第3のクラッチC31、第4のクラッチC36、第5のクラッチC41、第6のクラッチC52、及び第7のクラッチC56が結合すると共に、第8のクラッチC59、第9のクラッチC64、及びブレーキB53が離間し、パワー分路部品2は一体に固定接続され、動力が入力軸11からパワー分路部品2を介して分路し、一つの分路の動力が液圧式伝動部品3を介してパワー合流部品の太陽歯車62に伝達され、一つの分路の動力がパワー分路部品の遊星キャリア25を介して再び分路し、一つの分路の動力が第5のクラッチC41を介して電気式無段変速機の入力軸43に伝達されて、上記の電気式無段変速機の入力軸43は電気式無段変速機44を駆動して作動させ、上記の電気式無段変速機44から出力された動力が電気式無段変速機の出力軸45を介して機械式伝動部品の太陽歯車58に伝達され、もう一つの分路の動力が第7のクラッチC56を介して機械式伝動部品のリングギア57に伝達され、2つの分路の動力が機械式伝動部品の遊星キャリア510で合流し、合流した動力がパワー合流部品のリングギア61に伝達され、パワー合流部品の太陽歯車62に伝達された動力とパワー合流部品のリングギア61に伝達された動力がパワー合流部品の遊星キャリア63で合流してから出力軸7に伝達されて出力される。
【0047】
液圧-電気合流伝動モードの出力軸7の回転数の計算方法において、
【数20】
であり、式中、nは出力軸7の回転数であり、nは入力軸11の回転数であり、kは機械式伝動部品5の遊星歯車の特性パラメーターであり、kはパワー合流部品6の遊星歯車の特性パラメーターであり、iは第1の歯車対22のギア比であり、iは第2の歯車対35のギア比であり、iは第3の歯車対42のギア比であり、iは第4の歯車対51のギア比であり、iは第5の歯車対55のギア比であり、iは電気式無段変速機の伝動部品4のギア比であり、eは液圧式伝動部品3の排気量比である。
【0048】
液圧式伝動モードと電気式無段変速機伝動モードとの間の切り替えを実現するために、液圧式伝動部品の排気量比を調整すること、電気式無段変速機の伝動部品のギア比を調整すること、クラッチとブレーキBとの間の接合を制御することにより、複数の伝動モードの間の無段階速度調整の切り替えを実現する。
【0049】
上記の複数の伝動モードの間の無段階速度調整の切り替えに関連する伝動モードは、
「液圧式伝動モード」-「液圧-電気合流伝動モード」-「機械-液圧-電気合流伝動モード又は液圧式伝動モード」-「機械式伝動モード」-「液圧-機械合流伝動モード」、
「液圧式伝動モード」-「機械-電気合流伝動モード」-「電気式無段変速機伝動モード」-「液圧-電気式分路伝動モード」、
「液圧式伝動モード」-「液圧-機械-電気式分路伝動モード」、及び
「液圧式伝動モード」-「液圧-機械式分路伝動モード」である。
【0050】
例としては、
主なパラメーターが
【数21】
であることが挙げられる。
伝動モード切り替えのプロセス1は、「液圧式伝動モード」-「液圧-電気合流伝動モード」-「機械-液圧-電気合流伝動モード又は液圧式伝動モード」-「機械式伝動モード」-「液圧-機械合流伝動モード」である。
【0051】
液圧式伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数22】
であり、
液圧-電気合流伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数23】
であり、
機械-液圧-電気合流伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数24】
であり、
機械式伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数25】
であり、
液圧-機械合流伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数26】
である。
【0052】
図12に示されるように、液圧式伝動モードで始動すると、出力回転数は、液圧式伝動機構の排気量比eの増加につれて直線的に増加し、e=0.5である場合、液圧式伝動モードは、正の0.5nになり、
【数27】
の4つの条件が同時に満たされた場合、液圧式伝動モード、液圧-電気合流伝動モード、機械-液圧-電気合流伝動モードの3つのモードは、互いに切り替える。機械-液圧-電気合流伝動モードを同期的に切り替えると、e=0.5である場合、iは3.69から0.74に変化し、機械-液圧-電気合流伝動モードでの出力軸の回転数nは0.44nから0.71nに非直線的に増加し、液圧-電気合流伝動モードに同期的に切り替えると、i=2.0を満たす場合、eは0から1に変化し、液圧-電気合流伝動モードでの出力軸の回転数nは0.375nから0.625nに非直線的に増加し、或いは液圧式伝動モードで始動し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加につれて直線的に増加し、e=0.33である場合、機械式伝動モード又は液圧-機械合流伝動モードを同期的に切り替え得る。
【0053】
伝動モード切り替えのプロセス2は、「液圧式伝動モード」-「機械-電気合流伝動モード」-「電気式無段変速機伝動モード」-「液圧-電気式分路伝動モード」である。
【0054】
液圧式伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数28】
であり、
機械-電気合流伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数29】
であり、
電気式無段変速機伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数30】
であり、
液圧-電気式分路伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数31】
である。
【0055】
図13に示されるように、液圧式伝動モードで始動し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加につれて直線的に増加し、e=1である場合、液圧式伝動モードは、正のnになり、e=0.5である場合、液圧式伝動モード機械-電気合流伝動モード、電気式無段変速機伝動モード、液圧-電気式分路伝動モードを同期的に切り替え得る。
【0056】
伝動モード切り替えのプロセス3は、「液圧式伝動モード」-「液圧-機械-電気式分路伝動モード」である。
【0057】
液圧式伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数32】
であり、
液圧-機械-電気式分路伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数33】
である。
図14に示されるように、液圧式伝動モードで始動し、出力回転数は、液圧式伝動機構の排気量比eの増加につれて直線的に増加し、e=1である場合、液圧式伝動モードは、正のnになり、e=0.5かつi=0.5である場合、液圧式伝動モードは、液圧-機械-電気式分路伝動モードを同期的に切り替え得る。
【0058】
伝動モード切り替えのプロセス4は、「液圧式伝動モード」-「液圧-機械式分路伝動モード」である。
【0059】
液圧式伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数34】
であり、
液圧-機械式分路伝動モードの出力-入力回転数の関係は、
【数35】
である。
【0060】
図15に示されるように、液圧式伝動モードで始動し、出力回転数は、液圧式伝動機構の排気量比eの増加につれて直線的に増加し、e=0.33である場合、液圧式伝動モードは、正の0.33nになり、液圧式伝動モードは、液圧-機械式分路伝動モードを同期的に切り替え得る。
【0061】
本明細書の各実施例は段階的に説明され、各実施例は他の実施例との相違点に焦点を当てており、各実施例の同一及び類似の部分は互いに参照することができる。実施例で開示される装置に関しては、実施例で開示される方法に対応するため、説明は比較的簡単であり、関わる内容は方法に対する説明を参照してもよい。
開示された実施例に対する上記の説明は、当業者が本発明を作成又は使用できるようにするために提供されている。これらの実施例に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施例で実施され得る。従って、本発明は、本明細書に示される実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15