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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q40/03
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023551853
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2022036463
(87)【国際公開番号】W WO2023054592
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】P 2021158766
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514026196
【氏名又は名称】Global Mobility Service株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大島 麿礼
(72)【発明者】
【氏名】中島 徳至
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6840346(JP,B1)
【文献】特開2020-184142(JP,A)
【文献】国際公開第2019/193665(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109377349(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの車両の稼働情報及び位置情報を取得する取得部と、
前記ユーザと所定時間と所定エリアとを関連付けて管理する管理部と、
前記車両の稼働情報及び前記位置情報に基づいて、前記ユーザが前記所定時間内に前記所定エリア内で働いている時間の積算値を算出する第1算出部と、
前記積算値に基づいて、前記ユーザのスコアを算出する第2算出部と、
前記スコアに基づいて、返済期間、返済額及び金利の少なくとも1つを変更する変更部と、を備える、サーバ
【請求項2】
前記第2算出部は、更に前記ユーザの信用情報に基づいて、前記ユーザのスコアを算出する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記第2算出部は、更に前記ユーザの運転マナーの履歴に基づいて、前記ユーザのスコアを算出する、請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記スコアに基づいて、前記ユーザに提供可能なサービスを決定する決定部を更に有する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項5】
所定条件が満たされた場合、前記積算値及び前記スコアの少なくとも一方を修正する修正部を更に有する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項6】
コンピュータを、サーバとして機能させるプログラムであって、
前記サーバは、
ユーザの車両の稼働情報及び位置情報を取得する取得部と、
前記ユーザと所定時間と所定エリアとを関連付けて管理する管理部と、
前記車両の稼働情報及び前記位置情報に基づいて、前記ユーザが前記所定時間内に前記所定エリア内で働いている時間の積算値を算出する第1算出部と、
前記積算値に基づいて、前記ユーザのスコアを算出する第2算出部と、
前記スコアに基づいて、返済期間、返済額及び金利の少なくとも1つを変更する変更部と、を備える、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生活を改善したいと考える労働者の中には、ドライバー業に就く人も多く存在する。こうしたドライバーがローンの返済を完了させる上でのリスク評価が正しく行われていないので、勤勉に働いているドライバーも勤勉に働いていないドライバーもローンの返済条件に変わりはなく、勤勉に働いているドライバーの生活が向上しないケースが多いと言われている。
【0003】
このような状況を改善するために、ドライバーが使用する車両に搭載されている車載器から収集した車両の稼働情報に基づいて、各ドライバーの与信情報を算出し、かかる与信情報に基づいてドライバーの金融機関からの借り入れを可能とする技術が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2019/193665号公報
【文献】特許6840346号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述のような技術によって算出された与信情報に基づいて実際に金融機関からの借り入れが行われた後、勤勉に働いているドライバーに対しては、かかる借り入れに対する返済条件を変更することで、更なる生活の向上を実現させることができ、各ドライバーの勤労意欲を増加させることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、かかる目的について着目するものではない。
【0007】
また、特許文献2は、上述の目的について着目しているものの、具体的に、どのようにして、かかる目的を実現するのかについて開示していない。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、勤勉に働いているドライバーの更なる生活の向上を実現させることを可能とし、各ドライバーの勤労意欲を増加させることを可能とするサーバ及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態に係るサーバは、ユーザの車両の稼働情報及び位置情報を取得する取得部と、前記ユーザと所定時間と所定エリアとを関連付けて管理する管理部と、前記車両の稼働情報及び前記位置情報に基づいて、前記ユーザが前記所定時間内に前記所定エリア内で働いている時間の積算値を算出する第1算出部と、前記積算値に基づいて、前記ユーザのスコアを算出する第2算出部と、前記スコアに基づいて、返済期間、返済額及び金利の少なくとも1つを変更する変更部と、を備えることを要旨とする。
【0010】
一実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、サーバとして機能させるプログラムであって、前記サーバは、ユーザの車両の稼働情報及び位置情報を取得する取得部と、前記ユーザと所定時間と所定エリアとを関連付けて管理する管理部と、前記車両の稼働情報及び前記位置情報に基づいて、前記ユーザが前記所定時間内に前記所定エリア内で働いている時間の積算値を算出する第1算出部と、前記積算値に基づいて、前記ユーザのスコアを算出する第2算出部と、前記スコアに基づいて、返済期間、返済額及び金利の少なくとも1つを変更する変更部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、勤勉に働いているドライバーの返済条件を変更するという目的を実現することができるサーバ及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係るサービス提供システム100の全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、一実施形態に係るサーバ10の機能ブロックの一例を示す図である。
図3図3は、一実施形態に係るサーバ10の管理部12によって管理されるデータの一例を示す図である。
図4図4は、一実施形態に係るサーバ10の管理部12によって管理されるデータの一例を示す図である。
図5図5は、一実施形態に係るサーバ10の管理部12によって管理されるデータの一例を示す図である。
図6図6は、一実施形態に係るサーバ10の管理部12によって管理されるデータの一例を示す図である。
図7図7は、一実施形態に係るサーバ10の管理部12によって管理されるデータの一例を示す図である。
図8図8は、一実施形態に係るサーバ10の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
(第1実施形態)
以下、図1図8を参照して、本発明の第1実施形態のサービス提供システム100について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係るサービス提供システム100の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るサービス提供システム100は、車両1に搭載される車載器2及び通信モジュール3と、サーバ10と、金融システム20とを備えている。
【0016】
ここで、本実施形態に係るサービス提供システム100は、クレジットやローン等の契約締結後(すなわち、返済期間中)に、ユーザ(すなわち、ドライバー)の借り入れに対する返済条件を変更することを可能とするサービス(以下、本サービス)を提供することができるように構成されている。
【0017】
なお、金融機関は、クレジットやローン等の契約締結時に、ユーザの与信情報に基づいて返済条件(返済期間や金利等)を決定しているが、返済期間中に、かかる返済条件を変更することはない。その理由としては、金融機関は、返済期間中に、ユーザの与信情報を取得することが困難であることが挙げられる。
【0018】
これに対して、本実施形態に係るサービス提供システム100では、後述するような構成を有することで、すなわち、ユーザの働き方をユーザの与信情報として考慮することで、返済期間中にユーザの返済条件を変更することを可能としている。
【0019】
また、ユーザは、上述のサービスを利用することができるようにサービス提供システム100に登録されているユーザである。
【0020】
本実施形態に係る車載器2は、車両1に設置される電子機器であり、無線ネットワークを介してサーバ10等と通信するための通信機能を備えている。
【0021】
例えば、車載器2は、1台の車両1に1個設置される。車載器2の車両1への設置場所は、車載器2による車両1の制御が可能であれば、車両1のどの場所に設置されていても構わない。
【0022】
ここで、かかる車両1は、内燃機関を有する車両であってもよいし、EV(Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)やFCV(Fuel Cell Vehicle)等の任意のタイプの車両であってもよい。さらに、車両1は、車輪のついた乗り物でありさえすれば特に限定されるものではなく、通常の四輪車両に加えて、例えば、二輪車両や三輪車両や六輪車両であってもよい。
【0023】
車載器2が後付けの場合には、インパネの内部等の設置作業が容易な場所に配置することができる。また、盗難防止の観点から、車載器2を取り外しにくい場所、例えば、エンジンルームの下部等に配置することもできる。さらには、車載器2を車両1の製造時に予め内蔵しておくこともできる。ここで、車載器2は、両面テープ等で車両1の外部に固定されていてもよい。
【0024】
車載器2は、設置されている車両1の車両情報を収集することができるように構成されている。ここで、車両情報は、車両1に関する情報であって、車両1の位置情報及び車両1の稼働情報を含むところ、車両情報に含まれる車両1の稼働情報には、例えば、外部バッテリの電源入力の情報、走行状態識別線(ACC線やIG線)からのIGN入力情報、車両1の起動状態を制御する外部リレーの情報、車両1の速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報、ドアロックの情報、イモビライザーの情報、エンジンスタートボタンの情報、アクセルペダルの踏み込み量の情報(例えば、スロットルバルブの開度の情報等も含む。以下、同様)、及び、その他車両1の稼働状況を把握できる各種情報等が含まれる。
【0025】
また、車両情報に含まれる位置情報には、例えば、GPS(Global Positioning System)から取得した情報が含まれる。
【0026】
車載器2は、収集した車両情報を、無線ネットワークを介してサーバ10に送信すると共に、サーバ10から無線ネットワークを介して制御信号を受信することができるように構成されていてもよく、かかる制御信号に基づいて、車両を制御することができるように構成されている。例えば、車載器2は、かかる制御信号に基づいて、エンジンの起動制御等を行う制御機能を備えている。
【0027】
例えば、車載器2は、リアルタイム又は一定周期で、上述の車両1の稼働情報及び位置情報を送信するように構成されていてもよいし、上述の車両1の稼働情報及び位置情報の変化が所定条件を満たす場合に、上述の車両1の稼働情報及び位置情報を送信するように構成されていてもよい。
【0028】
本実施形態において、上述の車載器2の機能の一部又は全部を通信モジュール3に持たせるように構成されていてもよい。例えば、かかる通信モジュール3は、ECU(Engine Control Unit)やECM(Engine Control Mojule)と呼ばれる電子制御装置である。
【0029】
車載器2又は通信モジュール3は、有線又は無線の車載ネットワークを介して、車両1に搭載されているGPS等から、上述の車両の位置情報を収集するように構成されていてもよい。なお、GPS等が車載器2の一部を構成してもよいことは言うまでもない。
【0030】
また、車載器2又は通信モジュール3は、有線又は無線の車載ネットワークを介して、車両1に搭載されている各種センサやOBD(On-Board Diagnostics)から、上述の車両1の稼働情報を収集するように構成されていてもよい。なお、OBDは、通信モジュール3の内部に搭載されていてもよい。
【0031】
ここで、車載ネットワークとしては、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)やFlexRayやCAN FDや100Base-T1等の規格に準拠するネットワークが用いられてもよい。
【0032】
金融システム30は、金融機関によって管理されているシステムであり、車両1のユーザ(車両1のドライバー)の信用情報を管理するように構成されているサーバを備える。
【0033】
ここで、金融機関としては、ユーザに金銭を貸与することができるエンティティ(例えば、法制上、ユーザに金銭を貸与することができるエンティティ)であれば、任意のエンティティが該当する。すなわち、かかる金融機関としては、銀行や信販会社やクレジットカード会社や消費者金融だけでなく、例えば、決済アプリの提供会社や集団投資スキーム等も含まれる。ここで、金銭には、暗号通貨や換金可能なポイント(例えば、マイルや決済アプリにおけるポイント等)が含まれる。
【0034】
また、信用情報は、クレジットやローンの契約や申し込みに関する情報のことで、客観的な取引事実を登録した個人の情報である。また、上述の金融機関が、決済アプリの提供会社である場合、信用情報には、決済アプリ等の契約や申し込みに関する情報が含まれてもよい。
【0035】
サーバ10は、図2に示すように、取得部11と、管理部12と、第1算出部13と、第2算出部14と、変更部15と、修正部16と、決定部17と、金融システムIF18と、指示部19とを備えている。
【0036】
取得部11は、ユーザの車両1に搭載されている車載器2又は通信モジュール3から、上述の車両1の稼働情報及び位置情報を取得するように構成されている。
【0037】
管理部12は、サーバとしての機能を実現するために必要な各種データを管理するように構成されている。
【0038】
図3に示すように、管理部12は、図3に示すように、かかるデータの1つとして、「ユーザID」と「所定時間」と「所定エリア」とを関連付けて管理するように構成されている。
【0039】
ここで、「ユーザID」は、ユーザを識別するための情報であり、「所定時間」は、ユーザが働くこととされている時間を示す情報であり、「所定エリア」は、ユーザが働くこととされているエリアを示す情報である。ここで、「所定時間」は、「勤務時間」や「作業時間」等と称されてもよい。また、「所定エリア」は、「勤務エリア」や「担当エリア」等と称されてもよい。
【0040】
管理部12は、各ユーザが本サービスの利用を開始する際に締結された契約事項等に基づいて、上述の所定時間及び所定エリアを管理するように構成されていてもよい。
【0041】
第1算出部13は、取得部11によって取得された車両1の稼働情報及び位置情報に基づいて、後述の積算値を算出するように構成されている。ここで、かかる積算値は、ユーザが所定時間内に所定エリア内で働いている時間を積算した値である。
【0042】
例えば、第1算出部13は、上述の車両1の位置情報に基づいて、ユーザの車両1が所定時間内で所定エリア内にいる時間を算出するように構成されていてもよい。
【0043】
また、第1算出部13は、上述の車両1の稼働情報のうちのIGN入力情報や速度情報やタコメータの情報やタコグラフの情報等に基づいて、ユーザの車両1が所定時間内で走行中である時間を算出するように構成されていてもよい。
【0044】
ここで、「車両1が走行している時間」とは、車両1の動力(例えば、エンジン等)が稼働(起動)している時間を示す。例えば、「車両1が走行している時間」には、車両1が信号や踏切や横断歩道等で一時的に停止している時間も含まれるものとする。
【0045】
そして、第1算出部13は、ユーザの車両1が所定時間内に所定エリア内で走行中である時間を積算した値を、ユーザが所定時間内に所定エリア内で働いている時間である積算値とするように構成されていてもよい。
【0046】
管理部12は、図4に示すように、上述のデータの1つとして、ユーザごとに、上述の積算値を管理するように構成されていてもよい。例えば、管理部12は、図4に示すように、各ユーザについて日ごとに積算値を管理するように構成されていてもよい。また、管理部12は、ユーザが働くことになっている日についての積算値のみを管理するように構成されていてもよい。
【0047】
なお、第1算出部13は、以下の(A)~(E)のケースに応じて、上述の積算値の算出方法を変更でき、車両1のユーザの運転行動に基づいて上述の積算値が算出するように構成されていてよい。
【0048】
(A)個人タクシーのケース
上述の車両1が個人タクシーである場合、例えば、取得部11は、上述の車両1の稼働情報として、「空車」「賃走」「回送」「迎車」の4種類の状態を示す情報を取得するように構成されていてもよい。かかる状態を示す情報は、タクシーメータからの情報であってもよいし、その他の要因によって生成された情報であってもよい。
【0049】
ここで、「回送」は、仕事が終わり車庫に帰っている状態や休憩中の状態等で乗客を乗せられない状態であり、「迎車」は、予約の乗客を迎えに行っている状態であり、「空車」は、乗客を捜している状態であり、「賃走」は、乗客を乗せている状態である。
【0050】
例えば、第1算出部13は、ユーザの車両1が所定時間内に所定エリア内で「賃走」「空車」「迎車」の状態である時間を積算した値を、上述の積算値とするように構成されていてもよい。
【0051】
(B)運送用トラックのケース
上述の車両1が運送用トラックである場合、例えば、取得部11は、上述の車両1の稼働情報として、「運送中」「積み荷中」「回送」の3種類の状態を示す情報を取得するように構成されていてもよい。
【0052】
ここで、「回送」は、仕事が終わり車庫に帰っている状態や休憩中の状態等で乗客を乗せられない状態であり、「運送中」は、積み荷を行う場所に向かっている状態や荷物を積んで走行している状態であり、「積み荷中」は、積み荷を行っている状態である。
【0053】
例えば、第1算出部13は、ユーザの車両1が所定時間内に所定エリア内で「運送中」「積み荷中」の状態である時間を積算した値を、上述の積算値とするように構成されていてもよい。
【0054】
(C)建設機械のケース
上述の車両1がショベルカーやクレーン車等の建設機械である場合、例えば、取得部11は、上述の車両1の稼働情報として、所定作業を行っている状態であるか否かについて示す情報を取得するように構成されていてもよい。
【0055】
例えば、第1算出部13は、ユーザの車両1が所定時間内に所定エリア内で所定作業を行っている状態である時間を積算した値を、上述の積算値とするように構成されていてもよい。
【0056】
(D)通勤のために車両を利用するケース
上述の車両1が通勤のために利用する車両である場合、例えば、第1算出部13は、上述の車両1の稼働情報及び位置情報に基づいて、所定ルート(例えば、自宅の駐車場から職場の駐車場までのルート)上を走行している時間を、上述の積算値とするように構成されていてもよい。
【0057】
また、第1算出部13は、所定場所(例えば、職場の駐車場)に駐車している時間を、上述の積算値に加えるように構成されていてもよい。
【0058】
(E)営業用車両のケース
上述の車両1が営業用車両である場合、例えば、第1算出部13は、上述の車両1の稼働情報及び位置情報に基づいて、所定ルート(例えば、当日の営業ルート)上を走行している時間を、上述の積算値とするように構成されていてもよい。
【0059】
第2算出部14は、第1算出部13によって算出された積算値に基づいて、ユーザのスコアを算出するように構成されている。
【0060】
例えば、第2算出部14は、所定の計算式に、かかる積算値を代入することによって、かかるスコアを算出するように構成されていてもよい。
【0061】
ここで、第2算出部14は、ユーザの業種や車両1の種類や車両1の利用形態(すなわち、上述のケース)等に応じて、異なる計算式を用いるように構成されていてもよい。
【0062】
或いは、第2算出部14は、上述の積算値が大きい順に複数のランクに分けて、ランクごとに異なる計算式を用いるように構成されていてもよい。
【0063】
或いは、第2算出部14は、上述の積算値を所定時間で割った値である(稼働率)が大きい順に複数のランクに分けて、ランクごとに異なる計算式を用いるように構成されていてもよい。
【0064】
或いは、第2算出部14は、各ランクとスコアとを関連付けておき、各ランクに属するユーザに対して、各ランクに関連付けられているスコアを割り当てるように構成されていてもよい。
【0065】
なお、第2算出部14は、第1算出部13によって算出された積算値を、かかるスコアとして用いるように構成されていてもよい。
【0066】
管理部12は、図5に示すように、上述のデータの1つとして、ユーザごとに、上述のスコアを管理するように構成されていてもよい。
【0067】
変更部15は、第2算出部14によって算出されたユーザのスコアに基づいて、返済条件を変更するように構成されていてもよい。例えば、返済条件には、返済期間、返済額及び金利等が含まれている。
【0068】
すなわち、変更部15は、第2算出部14によって算出されたユーザのスコアに基づいて、返済条件、すなわち、返済期間、返済額及び金利(利率)の少なくとも1つを変更するように構成されている。
【0069】
ここで、「返済期間」は、ユーザが借り入れた金額の返済期間を示す情報である。「返済額」は、ユーザが借り入れた金額の返済額を示す情報である。なお、返済額は、元本と利息部分とからなる。例えば、「返済額」は、返済額の残高を示す情報であってもよいし、毎月の返済額を示す情報であってもよい。「金利」は、ユーザが借り入れた金額についての金利(利率)について示す情報である。例えば、「金利」は、固定金利か変動金利かを示す情報を含む。また、「金利」は、年利について示す情報を含んでもよいし、毎月支払うべき金利の額を示す情報を含んでもよい。
【0070】
具体的には、変更部15は、かかるユーザのスコアに基づいて、一定基準をクリアしているユーザの返済期間、返済額及び金利の少なくとも1つを変更するように構成されていてもよい。例えば、一定基準には、スコアが所定値よりも大きいという基準等が含まれる。ここで、変更部15は、一定基準をクリアしているユーザのスコアに応じて、返済条件を柔軟に変更することができる。
【0071】
例えば、変更部15は、ユーザのスコアに応じて、債務の一部(例えば、利息部分の一部)を免除し、毎月の返済額を増やすことなく返済期間を短くするように構成されていてもよい。かかる場合、変換部15は、スコアごとに、免除することが可能な債務の情報を管理するように構成されていてもよい。
【0072】
また、変更部15は、ユーザのスコアに応じて、返済期間を据え置きのまま毎月の返済額(利息部分)を減らすように構成されていてもよい。かかる場合、変更部15は、スコアごとに、減らすことが可能な返済額を管理するように構成されていてもよい。
【0073】
また、変更部15は、ユーザのスコアに応じて、金利を下げるように構成されていてもよい。かかる場合、変更部15は、スコアごとに、下げることが可能な金利を管理するように構成されていてもよい。
【0074】
また、変更部15は、毎月の返済額を減らし、毎月の返済に係る負担を減らすと共に、返済期間を長くするように構成されていてもよい。
【0075】
かかる構成によれば、上述の積算値が大きくスコアが高くなっているため、勤勉に働いていると判定されたユーザに対して、返済条件を変更(緩和)することができる。その結果、ユーザの勤労意欲の向上につながる。
【0076】
なお、変更部15は、勤勉に働いていないと判定されたユーザの場合、すなわち、上述の積算値が小さくなりスコアが低くなった場合には、ユーザのスコアに応じて、返済条件を強化する、例えば、金利を上げたり返済期間を短くしたり返済額(利息部分)を増やすように構成されていてもよい。
【0077】
管理部12は、図6に示すように、上述のデータの1つとして、「ユーザID」と「返済期間」と「返済額」と「金利」とを関連付けて管理するように構成されている。
【0078】
変更部15は、第2算出部14によって算出されたユーザのスコアに基づいて、返済期間、返済額及び金利の少なくとも1つを変更した場合、管理部12は、図6に示す「返済期間」と「返済額」と「金利」について変更するように構成されている。
【0079】
また、第2算出部14は、更にユーザの信用情報に基づいて、ユーザのスコアを算出するように構成されていてもよい。
【0080】
かかる場合、管理部12は、図7に示すように、上述のデータの1つとして、ユーザごとに、ユーザの信用情報を管理するように構成されていてもよい。ここで、ユーザの信用情報は、上述の金融システム30によって管理されている信用情報である。また、ユーザの信用情報は、ユーザによってクレジットやローンの契約が申込された際に取得され得る情報を含んでいてもよい。
【0081】
例えば、第2算出部14は、ユーザの信用情報が所定基準よりも良好である場合、積算値に基づいて算出したユーザのスコアを予め決められているポイントだけ高くし、ユーザの信用情報が所定基準よりも悪い場合、積算値に基づいて算出したユーザのスコアを予め決められているポイントだけ低くするように構成されていてもよい。
【0082】
ここで、第2算出部14は、ユーザの信用情報の増減の大きさに応じて、増減させるポイントの大きさを変更するように構成されていてもよい。
【0083】
かかる構成によれば、上述の積算値が大きいことに加えて、返済をしっかりと行っており信用情報が優れているユーザの返済条件を変更することができる。その結果、上述の勤労意欲の増加に加えて、しっかりと返済をしようというモチベーションの向上にもつながる。
【0084】
また、第2算出部14は、更にユーザの運転マナーの履歴に基づいて、ユーザのスコアを算出するように構成されていてもよい。
【0085】
かかる場合、管理部12は、図7に示すように、上述のデータの1つとして、ユーザごとに、ユーザの運転マナーの履歴を管理するように構成されていてもよい。
【0086】
ここで、ユーザの運転マナーの履歴は、例えば、法定速度を超えて運転していた履歴(例えば、合計回数や合計時間等)や急加速した合計回数やクラクションを鳴らした合計回数や急ブレーキの合計回数や居眠り運転の合計回数や飲酒運転の合計回数等を示す情報等を含む情報である。
【0087】
例えば、居眠り運転の合計回数は、車両1に設けられているカメラによって撮像したユーザの顔の画像に基づいて求められ、車両1に設けられている呼気センサによって検出された呼気中のアルコール濃度のデータに基づいて求められ得る。
【0088】
例えば、第2算出部14は、ユーザの運転マナーの履歴が所定基準よりも良好である場合、積算値に基づいて算出したユーザのスコアを予め決められているポイントだけ高くし、ユーザの運転マナーの履歴が所定基準よりも悪い場合、積算値に基づいて算出したユーザのスコアを予め決められているポイントだけ低くするように構成されていてもよい。
【0089】
例えば、所定基準としては、法定速度を超えて運転していた合計回数や合計時間や急加速した合計回数やクラクションを鳴らした合計回数や急ブレーキの合計回数や居眠り運転の回数や飲酒運転の回数の少なくとも1つによって設定されてもよい。
【0090】
ここで、第2算出部14は、ユーザの運転マナーの履歴に応じて、増減させるポイントの大きさを変更するように構成されていてもよい。
【0091】
なお、かかる運転マナーの履歴は、車載器2から車両1の稼働情報として送信されてもよいし、車両1の稼働情報から第2算出部14によって生成されてもよい。
【0092】
かかる構成によれば、運転マナーの優れているユーザの返済条件を緩和することができる。その結果、ユーザの運転マナーの向上につながる。
【0093】
なお、本実施形態において、サーバ10は、第1算出部13及び第2算出部14を別々に備える代わりに、第1算出部13及び第2算出部14の機能を備える1つの算出部を備えるように構成されていてもよい。
【0094】
修正部16は、所定条件が満たされた場合、上述の積算値及びスコアの少なくとも一方を修正するように構成されている。
【0095】
例えば、所定条件は、冠婚葬祭や家族の病気等のやむを得ない理由があることをユーザによってサーバ10に通知されていることという条件を含んでいてもよい。或いは、所定条件は、サーバ10によって災害や事故等の発生を検知していることという条件を含んでいてもよい。
【0096】
例えば、修正部16は、上述のやむを得ない理由があることをユーザによってサーバ10に通知されている場合、かかるユーザの積算値を予め決められている値だけ大きくしたり、かかるユーザのスコアを予め決められているポイントだけ良くしたりするように構成されていてもよい。
【0097】
かかる構成によれば、やむを得ない理由がある場合には、上述の積算値やスコアが悪化しないようにすることができる。
【0098】
決定部17は、ユーザのスコアに基づいて、かかるユーザに提供可能なサービスを決定するように構成されていてもよい。
【0099】
例えば、決定部17は、所定値以上のスコアを有するユーザに対して、新たなローン(例えば、教育ローン等)やリースの締結を提供可能であると決定するように構成されていてもよい。
【0100】
ここで、決定部17は、スコアに応じて提供可能なサービスを事前に定義しておくように構成されていてもよい。
【0101】
かかる構成によれば、勤勉に働いているユーザに対しては、新たなサービスを提供することができる。その結果、よりユーザの勤労意欲の向上につながる。
【0102】
金融システムIF18は、金融システム30との間のインターフェイスの役割を果たすように構成されている。
【0103】
例えば、金融システムIF18は、所定タイミングで或いは金融システム30からの要請に応じて、金融システム30に対して、管理部12によって管理されているユーザのスコアや返済条件について送信するように構成されている。
【0104】
また、金融システムIF18は、金融システム30から、上述のユーザの信用情報を取得するように構成されている。
【0105】
指示部19は、ユーザの借り入れに関する返済状況を把握し、かかる返済状況に応じて、車両1の起動不可状態と起動可能状態とを切り替える制御指令を車載器2に対して送信するように構成されている。
【0106】
例えば、指示部19は、返済が滞っているユーザの車両1に搭載されている車載器2に対して、車両1の起動不可状態に切り替えるように制御する制御指令を送信するように構成されていてもよい。
【0107】
ここで、指示部19は、金融システムIFを介して、かかる返済状況を取得するように構成されていてもよい。
【0108】
なお、上述の管理部12によって管理されているデータは、図3図7に示すような形式であってもよいし、他の形式であってもよい。
【0109】
ここで、第1算出部13、第2算出部14、変更部15、修正部16及び決定部17は、例えば、CPU等のプロセッサによって実現されるように構成されていてもよい。
【0110】
また、取得部11、金融システムIF及び指示部19は、例えば、通信モジュールによって実現されるように構成されていてもよい。
【0111】
さらに、管理部12は、ハードディスクやメモリ等の記憶媒体によって実現されるように構成されていてもよいし、クラウド上に設けられている記憶媒体と協働して実現されるように構成されていてもよい。
【0112】
以下、図8を参照にして、本実施形態に係るサーバ10の動作の一例について説明する。
【0113】
図8に示すように、ステップS101において、サーバ10は、各ユーザの車両1に搭載されている車載器2から、車両1の稼働情報及び位置情報を取得する。
【0114】
ステップS102において、サーバ10は、かかる車両1の稼働情報及び位置情報に基づいて、各ユーザの積算値を算出する。
【0115】
ステップS103において、サーバ10は、各ユーザの積算値に基づいて、各ユーザのスコアを算出する。
【0116】
ステップS104において、サーバ10は、各ユーザのスコアに基づいて、一定基準をクリアしているユーザの返済期間、返済額及び金利の少なくとも1つを変更する。
【0117】
本実施形態に係るサーバ10によれば、勤勉に働いているドライバーの更なる生活の向上を実現させることを可能とし、各ドライバーの勤労意欲を増加させることを可能とすることができる。
【0118】
(変更例)
なお、上述の実施形態では、サービス提供システム100が、クレジットやローン等の契約締結後(すなわち、返済期間中)に、ユーザ(すなわち、ドライバー)の借り入れに対する返済条件を変更することを可能とするサービス(以下、本サービス)を提供するケースについて説明したが、本変更例では、サービス提供システム100は、リースの契約締結後(すなわち、契約期間中)に、支払い条件(リース料金)を変更することができるサービスを提供するように構成されている。
【0119】
本変更例では、変更部15は、上述のスコアに基づいて、支払い条件(契約内容)を変更するように構成されている。
【0120】
サーバ10が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROMやハードディスク等の記録媒体であってもよい。
【0121】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0122】
100…サービス提供システム
1…車両
2…車載器
3…通信モジュール
10…サーバ
11…取得部
12…管理部
13…第1算出部
14…第2算出部
15…変更部
16…修正部
17…決定部
18…金融システムIF
19…指示部
30…金融システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8