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特許7565658契約駐車場の時間貸サービスに係る支援装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】契約駐車場の時間貸サービスに係る支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20241004BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241004BHJP
【FI】
G08G1/14
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024093074
(22)【出願日】2024-06-07
【審査請求日】2024-06-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524156711
【氏名又は名称】株式会社LAプロデュース
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】倉重 武利
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-285172(JP,A)
【文献】特開2005-004407(JP,A)
【文献】特開2020-091563(JP,A)
【文献】特開2022-098164(JP,A)
【文献】特開2022-185438(JP,A)
【文献】特開2012-127777(JP,A)
【文献】特開2020-148576(JP,A)
【文献】特開2023-069859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
G06T 1/00
G06T 7/00- 7/90
G06T 11/60-13/80
G06T 17/05
G06T 19/00-19/20
G06V 10/00-20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐車場について、駐車情報を取得する駐車情報取得部と、
車両を撮像したデータに基づく前記車両の車両情報の認識結果を取得する車両情報認識部と、
前記車両が所望の時間帯に時間貸で利用できる駐車場を前記複数の駐車場から検索した検索結果を提供する駐車場検索部と、
を備え、
前記駐車情報取得部は、当該駐車場が有する1以上の駐車スペースに関する、時間貸で利用できる時間帯及び駐車できる車両に関する制限を含む駐車情報を取得し、かつ、当該制限は、駐車が制限される車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を有し、
前記車両情報認識部は、前記車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を含む車両情報の認識結果を取得し、
前記駐車場検索部は、前記時間貸で利用できる時間帯が前記所望の時間帯を含み、かつ、前記制限が前記車両情報によって示される車両の駐車を制限していないとの要件を満たす駐車スペースを有する駐車場を含む検索結果を提供する、
契約駐車場の時間貸サービスに係る支援装置。
【請求項2】
前記駐車場の利用状況を取得する利用状況取得部と、
少なくとも前記利用状況を含むデータに基づいて、前記駐車場における前記時間貸の料金に係る推奨料金を生成する推奨料金生成部と、
をさらに備え、
前記推奨料金生成部は、前記利用状況を説明変数として含み、前記利用状況における需要予測に対応する適切な料金を目的変数として含む学習データを用いた機械学習に基づいて、前記推奨料金を生成する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記駐車場の契約者情報、前記時間貸に係る予約者情報、及び、前記駐車場を撮像したデータから、前記駐車場の不適切な利用を検知し、当該検知に係る検知結果を提供する検知部をさらに備え、
前記検知部は、契約者の車両のナンバープレート情報を含む契約者情報と、予約者の車両のナンバープレート情報並びに時間貸に係る駐車スペース及び時間帯を含む予約者情報と、前記データに基づく検知を行い、
前記検知部は、前記データから駐車スペースに駐車している車両のナンバープレートに係る情報を画像認識によって取得し、撮像されたタイミングで当該駐車スペースを利用できる車両のナンバープレートと、画像認識によって取得されたナンバープレートに係る情報とが一致しなかった場合に、不適切な利用であるとの検知結果を提供する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記車両の移動計画に基づいて駐車推奨時間帯及び駐車推奨エリアを識別する駐車推奨識別部をさらに備え、
前記駐車場検索部は、前記時間貸で利用できる時間帯が前記駐車推奨時間帯を含み、駐車場があるエリアが前記駐車推奨エリアに該当し、かつ、前記制限が前記車両情報によって示される車両の駐車を制限していないとの要件を満たす駐車スペースを有する駐車場を含む検索結果を提供する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項5】
前記駐車場検索部は、前記車種が電気自動車である場合に、前記電気自動車の充電設備を備えるとの要件をさらに満たす駐車スペースを有する駐車場を含む検索結果を提供する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項6】
契約者が契約している駐車スペースを前記時間貸により利用する時間貸利用者が、前記契約者が契約により当該駐車スペースを利用する契約時間帯と重複する重複時間帯に当該駐車スペースを利用する場合に、前記時間貸利用者が前記駐車スペースを開放するまでの時間を前記契約者が活用する方法についての助言を生成する助言生成部をさらに備え、
前記助言生成部は、駐車スペースがあるエリア及び時間帯を説明変数として含み、かつ、当該エリア及び当該時間帯における時間を活用する方法を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた大規模言語モデルにより前記助言を生成する、
請求項1に記載の支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、契約駐車場の時間貸サービスに係る支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場が有する駐車スペースの貸出において、定期契約等に基づいて契約者に駐車スペースを貸し出す契約貸と、定期契約等を事前に締結していない一般利用者に所望の時間だけ駐車スペースを貸し出す時間貸とが行われている。ところで、契約貸が行われている駐車スペースは、通常、契約者が利
用していない空き時間を有する。そこで、契約貸が行われている駐車スペースをその空き時間に時間貸することで、そのような駐車スペースの有効利用を進める要望がある。
【0003】
従来のサービス及び従来技術等における、契約貸が行われている駐車スペースを時間貸することで駐車スペースの有効利用を進める技術等に関し、特許文献1は、定期契約者である借り主が契約した駐車スペースに入庫しようとする車のナンバーを撮像する撮像手段、この撮像手段によって撮像した車のナンバーを前記サーバに入力する入力手段、この入力手段によって入力された車のナンバーと前記サーバに予め登録された借り主の車のナンバーとを照合する照合手段、料金を算出する料金算出手段等を有し、借り主の契約した時間を侵している場合にはペナルティー料金を加算して料金を算出し、その料金の一部が当該駐車スペースの借り主に還元されるよう管理すること等を特徴とする駐車システムを開示している。
【0004】
特許文献1に記載の技術は、煩わしい手続を必要とせずに手軽でかつ簡便に、空いている駐車スペースを積極的に利用して駐車スペースを有効利用することができる駐車システムを提供し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許3831349号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、契約貸が行われている駐車スペースは、契約者以外の利用に適さない場合がある。契約者以外の利用に適さない駐車スペースは、例えば、駐車する車両に制限がある駐車スペース等である。駐車する車両に係る制限として、例えば、地下に設けられた駐車スペースにおける車高が高い車両(例えば、キャンピングカー等)が駐車できないという制限、立体駐車場に設けられた駐車スペースにおけるパレットに収まる車幅・車長を超える車両(例えば、トラック等)が駐車できないという制限等が挙げられる。上述のような制限がある駐車スペースは、制限を承知で契約を結んだ契約者の利用に適するものの、契約者以外の利用に適さない場合があり得る。
【0007】
特許文献1に記載の技術は、空いている駐車スペースについて、当該スペースが時間貸を希望する一般客(時間貸利用者)に適しているか否かを検討することなく、煩わしい手続を必要とせずに手軽でかつ簡便に当該スペースを提供し得るに留まる。よって、特許文献1に記載の技術は、空いている駐車スペースのうち、時間貸を希望する時間貸利用者の事情に適した駐車スペースを提供して当該駐車スペースのさらなる有効利用を進める点において、さらなる改良の余地がある。
【0008】
本発明の課題は、契約駐車場を時間貸利用者に貸し出す時間貸サービスにおいて、空いている駐車スペースのうち時間貸利用者の事情に適した駐車スペースを提供すること等を通じて、当該駐車スペースのさらなる有効利用を進めるよう支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、車両を撮像したデータから車種等を判別し、当該車種等の駐車が制限されていない駐車スペースを検索結果として提供すること等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明は、複数の駐車場について、駐車情報を取得する駐車情報取得部と、車両を撮像したデータから、前記車両の車両情報を認識する車両情報認識部と、前記車両が所望の時間帯に時間貸で利用できる駐車場を前記複数の駐車場から検索した検索結果を提供する駐車場検索部と、を備え、前記駐車情報取得部は、当該駐車場が有する1以上の駐車スペースに関する、時間貸で利用できる時間帯及び駐車できる車両に関する制限を含む駐車情報を取得し、かつ、当該制限は、駐車が制限される車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を有し、前記車両情報認識部は、前記車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を含む車両情報を認識し、前記駐車場検索部は、前記時間貸で利用できる時間帯が前記所望の時間帯を含み、かつ、前記制限が前記車両情報によって示される車両の駐車を制限していないとの要件を満たす駐車スペースを有する駐車場を含む検索結果を提供する、契約駐車場の時間貸サービスに係る支援装置を提供する。
【0011】
本発明は、駐車情報取得部により、駐車スペースを利用できる時間帯及び駐車に係る制限(車種、車幅、車高、又は車長)を取得する。そして、本発明は、車両情報認識部により、時間貸で駐車させたい車両が駐車できるスペースを示す車両情報(車種、車幅、車高、又は車長)を認識する。これらの情報を取得・認識するため、本発明は、駐車場検索部において、所望の時間帯に当該車両が駐車できるような駐車スペースを有する駐車場を示す検索結果を提供できる。
【0012】
これにより、契約駐車場において空いている駐車スペースの時間貸を希望する時間貸利用者は、実際に駐車場を訪れる前に、駐車させたい車両に適した駐車スペースを有する駐車場を判別できる。よって、当該時間貸利用者は、駐車させたい車両に適しておらず、実際に車両を駐車させることができない駐車場を訪れてしまう余分な手間・時間をかけることなく、自らの事情に適した駐車スペースを有する駐車場を訪れ、空いている駐車スペースを有効利用できる。
【0013】
これにより、本発明は、時間貸利用者による駐車スペースの利用率を高め、このような時間貸利用者の利用に係る利用料金に係る収入を増やすことができる。また、これにより、本発明は、何らかの特約に基づいてこのような利用料金の一部を受け取るであろう、契約駐車場の当該駐車スペースについて契約を結んだ契約者の収入増に寄与する。契約者の収入増に寄与することで、本発明は、当該契約駐車場を運営する運営者が、収入増を見込み得ることを交渉材料に、契約者が支払う利用料金を引き上げることに寄与し得る。
【0014】
その他、本発明は、複数の駐車場に係るデータを一元的に管理することで、当該データに基づく需要予測を行い、利用料金の動的な設定を支援する態様、監視カメラ等により駐車場を撮像した映像に基づいて、当該駐車場の不適切な利用を検知する態様、車両の移動計画(例えば、配送計画)に基づいて、移動計画に相応しい駐車場を示す態様、電気自動車に対して、充電設備がある駐車場を示す態様、時間貸利用者の利用が契約時間帯にかかった場合に、契約者が時間を活用する方法についての助言を生成する態様等によって例示される各種態様を取り得る。
【0015】
これらの態様は、それぞれ特有の構成を加えることによりもたらされる効果によって、契約駐車場の時間貸サービスにおいて、空いている駐車スペースのうち、時間貸を希望する時間貸利用者に適した駐車スペースを提供して当該駐車スペースのさらなる有効利用を進めるサービスを支援することに寄与する。
【発明の効果】
【0016】
以上より、本発明は、契約駐車場を時間貸利用者に貸し出す時間貸サービスにおいて、空いている駐車スペースのうち時間貸利用者の事情に適した駐車スペースを提供すること等を通じて、当該駐車スペースのさらなる有効利用を進めるよう支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、駐車場PL(第1駐車場PL1及び第2駐車場PL2)の一例を示す概略図である。
図3図3は、駐車場データベース131の一例である。
図4図4は、利用者データベース132の一例である。
図5図5は、支援処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、前図に続くフローチャートである。
図7図7は、前図に続くフローチャートである。
図8図8は、前図に続くフローチャートである。
図9図9は、前図に続くフローチャートである。
図10図10は、前図に続くフローチャートである。
図11図11は、前図に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず初めに、以下の開示、図表、及び/又は請求項等が、単独であるか、又は1つ以上の他の側面との組み合わせとして記述されていると説明されているものの、即時開示の主題はそのように限定されることを意図していない。つまり、即時開示、図表、及び請求項は、ここで記載されている様々な側面を、それぞれ単独であるか、又はお互いと1つ以上の組み合わせで包含することを意図する。例えば、即時開示が第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態を、第1実施形態が特に第2実施形態に関連して記述及び図示されるか、第2実施形態が第3実施形態に関連してのみ記述及び図示されるような方法で記述及び図示する場合でも、即時開示と図示はそのように限定されるものではなく、第1実施形態のみ、第2実施形態のみ、第3実施形態のみ、又は第1、第2及び/又は第3実施形態の1つ以上の組み合わせ、例えば第1実施形態と第2実施形態、第1実施形態と第3実施形態、第2実施形態と第3実施形態、又は第1、第2、及び第3実施形態が含まれることがある。
【0019】
本文中でのフレーズ「又は」の使用は、明示的に指定されていない限り、「排他的ではない」取り決めを意味するものとする。例えば、「項目xがA又はBである」と言う場合、次のいずれかを意味するものとする:(1)項目xがA又はBのどちらか一方のみである、(2)項目xがAとBの両方である。言い換えれば、単語「又は」は、「排他的」な取り決めを定義するために使用されない。
【0020】
また、本文中で用いられるフレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、システム又は要素と組み合わせて使用される場合、そのシステム又は要素がフレーズの後に列挙された要素の1つ以上を含むことを意味する。例えば、要素が第1要素から第3要素の3種類である場合、フレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、次のような構造的配置のいずれかとして解釈する:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0021】
本文中で「以下の少なくとも1つで使用されている」というフレーズが使用される場合も同様の解釈が意図されている。さらに、本文中で使用される「及び/又は」は、言語的な接続詞として用いられ、記載された要素や条件の1つ以上が含まれるか発生することを示すために使用されている。例えば、第1要素、第2要素、及び/又は第3要素を含むデバイスは、次の構造的配置のいずれかとして解釈される:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0022】
なお、本文中でのフレーズ「及び/又は」の使用が「排他的ではない」取り決めを意味することは、日本産業規格(JIS)の「規格票の様式及び作成方法 JIS Z 8301」にも規程されている。
【0023】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0024】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。以下は、本実施形態のシステムSの好ましい態様について、図1を用いてその一例を説明するものである。
【0025】
本実施形態のシステムSは、空いている駐車スペースのうち時間貸利用者の事情に適した駐車スペースを提供する等の支援を行う、契約駐車場の時間貸サービスに係る支援装置1を含んで構成される。なお、支援装置1は、ネットワークNを介して端末Tと通信するよう構成されることが好ましい。
【0026】
〔駐車場PL〕
支援装置1に係る駐車場PLは、車両を駐車させるよう構成された1以上の駐車スペースPSを有する。駐車場PLが有する1以上の駐車スペースPSのうち少なくとも一部は、定期契約等に基づいて契約者に利用されている。当該定期契約等は、例えば、月ごとの利用料金により駐車スペースが契約者に貸し出される月極契約等でよい。上述の駐車スペースPSの一部は、所与の時間単位(例えば、15分、30分、1時間等)で貸し出される時間貸を主たる用途としていてもよい。
【0027】
支援装置1に係る駐車場PLは、例えば、いわゆる月極駐車場等でよい。支援装置1に係る駐車場PLは、マンションの月極駐車場、社員用駐車場、高速道路のサービスエリア(SA)に設けられた駐車場、道の駅に設けられた駐車場、ショッピングモールの駐車場、又はコンビニエンスストアの駐車場等を含んでもよい。
【0028】
駐車場PLの駐車スペースPSに係る定期契約等は、契約者以外の時間貸利用者(一般客)に当該駐車スペースPSの時間貸を行い、当該時間貸利用者が支払った利用料金の一部を契約者に支払う特約を含んでいることが好ましい。当該特約に係る管理業務を適切に運営すべく、当該特約を含む契約に係る一定期間ごとの利用料金(例えば、月極料金)は、同等の駐車スペースPSの利用に係る当該特約を含まない定期契約の利用料金に、当該特約によって契約者が得ると見込まれる収入の一部と同等の金額を加えた料金であることが好ましい。
【0029】
駐車場の態様は、特に限定されない。駐車場の態様は、例えば、平面駐車場、立体駐車場、地下駐車場、機械式駐車場、屋上駐車場等でよい。契約者・予約者のいずれとも関わりない車両の進入を防ぐべく、駐車場PLは、例えば、後述するゲート装置2等によって例示される駐車場PLに係る入出場を管理する装置によって管理されることが好ましい。料金未精算のまま出庫すること等によって例示される不適切な利用を防ぐべく、駐車スペースPSは、ロック板等によって例示される、駐車中の車両の移動を制限する装置により管理されることが好ましい。
【0030】
図2は、駐車場PL(第1駐車場PL1及び第2駐車場PL2)の一例を示す概略図である。当該例において、第1駐車場PL1は、普通・小型の車両(例えば、普通乗用車又は小型乗用車等)を駐車させるよう構成された第1駐車スペースPS1その他の駐車スペースPSに加え、電気自動車用の充電設備PCを有する。また、当該例において、第1駐車場PL1の各駐車スペースPSは、フェンスを備えるゲート装置2及びカメラ3によって管理されている。
【0031】
一方、当該例において、第2駐車場PL2は、普通・小型の車両を駐車させるよう構成された第2駐車スペースPS2、大型の車両(例えば、トラックその他の普通貨物車、バスその他の普通乗合車等)を駐車させるよう構成された第3駐車スペースPS3その他の駐車スペースPSを有する。また、当該例において、第2駐車場PL2の出入口は、遮断機を備えるゲート装置2によって管理されている。また、第2駐車場PL2は、複数のカメラ3によって管理されている。
【0032】
当該例において、第1駐車スペースPS1、第2駐車スペースPS2、第3駐車スペースPS3その他の駐車スペースPSは、上述の特約を含む定期契約により、それぞれの駐車スペースPSに対応する契約者に貸し出されている。本実施形態の支援装置1が実行する支援処理により、これらの駐車スペースPSは、契約者が利用しない空き時間に時間貸される。そして、契約者及び各駐車場PLの所有者等は、時間貸によって得られた売上の一部を得ることができる。これにより、駐車スペースPSのさらなる有効利用が進められる。説明における参照先は、図1に戻る。
【0033】
〔支援装置1〕
支援装置1は、制御部11、記憶部13、及び通信部14等のハードウェア構成要素によって、図1に示す各ソフトウェア構成要素を実現する。そして、支援装置1は、各ソフトウェア構成要素により、契約駐車場の時間貸サービスに係る支援処理を実行する。支援装置1の種類は、特に限定されない。支援装置1の種類は、例えば、各種のサーバ装置、クラウドサーバ等で良い。
【0034】
[制御部11]
制御部11は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。
【0035】
制御部11は、必要に応じて記憶部13及び/又は通信部14と協働する。そして、制御部11は、支援装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、駐車情報取得部111、車両情報認識部112、駐車推奨識別部113、駐車場検索部114、予約部115、検知部116、延長受付部117、助言生成部118、精算部119、利用状況取得部120、推奨料金生成部121等を実現する。
【0036】
[記憶部13]
記憶部13は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。
【0037】
記憶部13には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、駐車場データベース131、利用者データベース132、画像認識モデル等が格納されている。大規模言語モデルによる助言等の生成を可能とすべく、記憶部13には、所定の事前学習が行われた大規模言語モデルがさらに格納されていることが好ましい。
【0038】
(駐車場データベース131)
駐車場データベース131には、駐車情報、利用状況等が格納される。駐車情報は、駐車場PL及び当該駐車場PLが有する駐車スペースPSに関する各種情報である。駐車場データベース131に係るデータは、支援装置1の記憶部13にその全てが格納される態様でもよく、各駐車場PLの管理に係る外部のサーバ又はデータベース等にその一部又は全部が格納される態様でもよい。
【0039】
複数のデータベース等に格納された駐車場の情報を支援装置1において一元的に管理すべく、各駐車場PLの管理に係る外部のサーバ又はデータベース等の数は、複数であることが好ましい。様々な管理サービスに係るデータを一元的に管理すべく、支援装置1は、API等を介して、各駐車場PLの管理に係る複数の外部管理サービスのサーバ(例えば、駐車場運営会社のサーバ等)に格納された駐車場データベース131に係る各種データを取得・更新できることが好ましい。
【0040】
以下では、駐車場データベース131に係る各種データが、各駐車場PLの管理に係る複数のデータベース等と適宜のタイミングで同期しているものとして説明するが、当業者であれば、各種データが駐車場データベース131にのみ格納されている態様その他の各種態様についても容易に想到されよう。以下では、駐車情報が駐車場PLを特定する情報と関連付けられて格納されているものとする。「駐車場PLを特定する情報」は、例えば、駐車場PLごとに固有の駐車場IDである。
【0041】
駐車情報は、各駐車スペースPSに関する、時間貸で利用できる時間帯及び駐車できる車両に関する制限を示す情報を含む。駐車できる車両に関する制限は、駐車が制限される車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を有する。
【0042】
また、駐車情報は、各駐車スペースPSに関する、契約者が利用する契約時間帯、契約時間帯以外の時間帯における時間貸料金(通常料金)の算出に係る情報、契約時間帯における時間貸料金(割増料金)の算出に係る情報等によって例示される、時間貸の利用料金に係る各種情報をさらに含むことが好ましい。
【0043】
加えて、駐車情報は、駐車場PL又は駐車スペースPSが備える各種設備に関する設備情報をさらに含むことが好ましい。電気自動車が充電できる駐車場等であるかを判別できるようにすべく、設備情報は、電気自動車の充電設備の有無・仕様等に係る充電設備情報を含むことが好ましい。給油・燃料ガス等の燃料の補給可否を判別できるようにすべく、設備情報は、燃料補給設備の有無・補給可能な燃料の種類等に係る補給設備情報を含むことが好ましい。休憩の可否を判別できるようにすべく、設備情報は、休憩所、トイレ、ベッド、レストラン等の休憩設備の有無・種類等に係る休憩設備情報を含むことが好ましい。バリアフリーであるか否かを判別できるようにすべく、設備情報は、障がい者用駐車スペース、車椅子用スロープ、車椅子対応エレベータ、手すり等の障がい者向け設備に係る障がい者向け設備情報を含むことが好ましい。
【0044】
管理に係る装置の適切な運用に活用されるべく、駐車情報は、ゲート装置2、カメラ3等によって例示される駐車場PLの管理に係る装置の装置情報をさらに含むことが好ましい。装置情報は、例えば、各装置を制御する場合における認証情報、各装置が設置された場所に係る情報、各装置の保守に関する情報等を含む。装置情報は、各装置からの通信、各装置の管理者からの連絡等により更新されることが好ましい。
【0045】
利用状況は、各駐車スペースPSに係る時間貸の予約状況、駐車状況、時間貸の開始時刻、時間貸の終了予定時刻、時間貸の終了時刻、時間貸の利用時間、利用料金の支払状況、時間貸を利用する時間貸利用者が駐車させる車両の車両情報等を含む。ナンバープレートから車両を特定できるようにすべく、車両の車両情報は、当該車両のナンバープレートに係る情報を含むことが好ましい。
【0046】
図3は、駐車場データベース131の一例である。当該例には、駐車場ID「PL001」によって特定される第1駐車場PL1、駐車場ID「PL002」によって特定される第2駐車場PL2その他の駐車場PLに係る駐車情報が格納されている。
【0047】
第1駐車場PL1に係る駐車情報は、当該駐車場が有する第1駐車スペースPS1に関する時間貸で利用できる時間帯「10:00-16:00」及び駐車できる車両に関する制限「小型乗用車又は普通乗用車、車幅:2m以下、車高:2.3m以下、車長:5.4m以下」を示す情報を含む。
【0048】
また、当該駐車情報は、第1駐車スペースPS1に係る予約状況「利用者:@Entai、予約時間:2024/06/01 12:00-16:00、利用スペース:PS1、ナンバー:△△-△△、利用開始:12:01、利用終了:-」を含む。
【0049】
加えて、当該駐車情報は、当該駐車場が電気自動車用の充電設備を有するとの設備情報「EV用充電設備:有」を含む。さらに、当該駐車情報は、上述の契約時間帯に係る情報「17:00-09:00」、上述の通常料金に係る情報「通常料金:400円/1h」、上述の割増料金に係る情報「割増料金:400円/0.25h」を含む。
【0050】
第2駐車場PL2に係る駐車情報は、当該駐車場が有する第2駐車スペースPS2に関する時間貸で利用できる時間帯び駐車できる車両に関する制限を示す情報を含む。また、当該駐車情報は、当該駐車場が有する第3駐車スペースPS3に関する時間貸で利用できる時間帯「05:00-19:00」及び駐車できる車両に関する制限を示す情報「中型トラック、車幅:2.4m以下、車高:3.9m以下、車長:8.4m以下」を含む。
【0051】
これらの情報が格納されることにより、支援装置1は、認識された車幅、車高、車長と共に普通乗用車/小型乗用車を駐車できる駐車場PLの検索を指令された場合に、第1駐車場PL1又は第2駐車場PL2のうち所望の時間帯に関する要件を満たす駐車場PLを検索結果として提供できる。また、これにより、支援装置1は、認識された車種、車幅、車高、車長が第1駐車スペースPS1、第2駐車スペースPS2に係る制限を満たさないが、第3駐車スペースPS3に係る制限を満たす中型トラックを駐車できる駐車場PLの検索を指令された場合に、第2駐車場PL2を検索結果として提供できる。さらに、これにより、支援装置1は、電気自動車の充電を行える駐車場PLの検索を指令された場合に、第1駐車場PL1を検索結果として提供できる。加えて、これにより、支援装置1は、これらの検索結果に含まれる駐車場PLに係る時間貸について、時間貸に係る料金の見積額・請求額を算出できる。
【0052】
(利用者データベース132)
利用者データベース132には、駐車場PLを契約貸又は時間貸で利用する利用者に係る各種データ(利用者情報)が格納される。利用者データベース132に係るデータは、支援装置1の記憶部13にその全てが格納される態様でもよく、各利用者が契約する駐車場PLの管理に係る外部のサーバ又はデータベース等にその一部又は全部が格納される態様でもよい。
【0053】
複数のデータベース等に格納された利用者の情報を支援装置1において一元的に管理すべく、各利用者が契約する駐車場PLの管理に係る外部のサーバ又はデータベース等の数は、複数であることが好ましい。様々な管理サービスに係るデータを一元的に管理すべく、支援装置1は、API等を介して、各駐車場PLの利用者の管理に係る複数の外部管理サービスのサーバ(例えば、駐車場運営会社のサーバ等)に格納された利用者データベース132に係る各種データを取得・更新できることが好ましい。
【0054】
以下では、利用者データベース132に係る各種データが、各利用者が契約する駐車場PLの管理に係る複数のデータベース等と適宜のタイミングで同期しているものとして説明するが、当業者であれば、各種データが利用者データベース132にのみ格納されている態様その他の各種態様についても容易に想到されよう。当該データは、利用者を特定する情報と関連付けられて格納されることが好ましい。「利用者を特定する情報」は、例えば、利用者ごとに固有の利用者IDである。
【0055】
当該データは、少なくとも、駐車場PLに駐車される車両の車両情報を含む。車両情報は、車両の諸元(車両諸元)を含む。車両諸元は、車両を撮像したデータから認識されたデータであり、かつ、車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を含む。車両情報は、車両のナンバープレートに係る情報等によって例示される、車両を特定する情報をさらに含むことが好ましい。
【0056】
利用者データベース132には、駐車場PLを契約貸で利用する利用者(契約者)について、当該契約貸に係る各種データがさらに格納されることが好ましい。当該データは、例えば、契約者が利用する駐車スペースPSを特定する情報、契約者が利用する契約時間帯、契約者が定期的に支払う利用料金、当該利用料金の支払状況、上述の特約の有無、上述の特約に係る契約条件(時間貸が行われる時間帯、時間貸の利用料金、売上から契約者に分配される金額の算出方法等)等を含む。
【0057】
また、利用者データベース132には、駐車場PLを時間貸で利用する利用者(時間貸利用者)について、当該時間貸に係る各種データがさらに格納されることが好ましい。当該データは、例えば、時間貸利用者が利用する駐車スペースPSを特定する情報、時間貸利用者が予約した予約時間帯、利用時間、時間貸利用者が支払う利用料金(時間当通常料金、時間当割増料金、総額等)、延長に係る状況、当該利用料金の支払状況等を含む。
【0058】
図4は、利用者データベース132の一例である。当該例には、利用者ID「U0001」で特定される第1利用者に関するデータと、利用者ID「U0001」で特定される第1利用者に関する第1利用者情報と、利用者ID「U0002」で特定される第2利用者に関する第2利用者情報その他の利用者情報が格納されている。
【0059】
第1利用者情報は、第1駐車場PL1が有する第1駐車スペースPS1を月極で契約している契約者に係る情報である。第1利用者情報は、当該契約者が第1駐車スペースPS1に駐車させる車両の車両諸元として、「車種:△△△社△△△△(セダン型電気自動車)、車幅:1.73m、車高:1.45m、車長:4.03m」を含む。また、第1利用者情報は、当該契約者が利用する駐車スペースを特定する情報「駐車スペース:PS1」、契約時間帯「17:00-09:00」、利用料金「月額△万円」、支払状況「△△月まで支払済」、特約の有無及びその契約条件「特約有、10:00-16:00、通常料金:400円/1h、割増料金:400円/0.25h、分配率:50%」等を含む。
【0060】
第2利用者情報は、第1駐車場PL1が有する第1駐車スペースPS1を時間貸で契約している時間貸利用者に係る情報である。第2利用者情報は、当該時間貸利用者が第1駐車スペースPS1に駐車させる車両の車両諸元として、「車種:△△△自動車△△△△(セダン型ハイブリッド車)、車幅:1.78m、車高:1.43m、車長:4.60m」を含む。また、第2利用者情報は、当該時間貸利用者が利用する駐車スペースを特定する情報「駐車スペース:PS1」、予約時間帯「△△月△△日 12:00-16:00」、利用料金「通常料金:400円/1h、割増料金:400円/0.25h」、延長に係る状況「延長:2時間」、支払状況「予約分支払済、延長分未払」等を含む。
【0061】
これらの情報が格納されることにより、支援装置1は、第1利用者が契約している第1駐車スペースPS1の空き時間「9:00-17:00」のうち、「△△月△△日 13:00-16:00」を「通常料金:400円/1h」等で時間貸できる。また、これらの情報が格納されることにより、支援装置1は、第1駐車スペースPS1を延長利用する第2利用者が延長利用することを判別し、割増料金の請求、第1利用者への助言提供等を行える。説明における参照先は、図1に戻る。
【0062】
(画像認識モデル)
画像認識モデルは、車両を撮像したデータに基づいて、当該車両の車両情報の認識結果を取得する機械学習モデルである。画像認識モデルは、車両を撮像したデータを入力とする画像解析処理により、車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を含む車両情報の認識結果を出力するよう構成される。画像認識モデルに係る学習モデルは、特に限定されない。当該学習モデルは、車両を撮像したデータを説明変数として含み、かつ、当該データに対応する車両情報を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0063】
上述の学習データは、例えば、車両を撮像したデータと、当該車両の車種(セダン、スポーツユーティリティビークル(SUV)、トラック等)、車幅、車高、及び車長とを関連付けたデータを含む。画像認識モデルは、車両の検出について、Faster Region-based-Convolutional neural network(Faster R-CNN)、You Only Look Once(YOLO)、Single-Shot Detector(SSD)等によって例示される、画像分類に係るモデルを含むことが好ましい。画像認識モデルは、車両の分類について、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、Transformer等によって例示される、深層学習アーキテクチャを利用することが好ましい。画像認識モデルは、車幅、車高、及び車長の推定について、回帰モデル、ランドマーク検出モデル等によって例示される、寸法の推定に適したモデルを利用することが好ましい。
【0064】
(大規模言語モデル)
本実施形態の大規模言語モデルは、時間貸利用者が駐車スペースPSを開放するまでの時間を活用する方法についての助言を生成するよう構成される。当該大規模言語モデルは、駐車スペースPSがあるエリア及び時間帯を説明変数として含み、かつ、当該エリア及び当該時間帯における時間を活用する方法を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0065】
これにより、当該大規模言語モデルは、当該事前学習に基づいて、契約者が契約した駐車スペースPSであり、かつ、時間貸利用者がまだ開放していない駐車スペースPSがあるエリアと、当該時間貸利用者が当該駐車スペースPSを開放するまでの時間帯とを入力とする処理によって、時間貸利用者が駐車スペースPSを開放するまでの時間を活用する方法についての助言を生成できる。
【0066】
大規模言語モデルは、記憶部13に格納される態様、外部のサーバに格納される態様のいずれでもよい。外部のサーバに格納される態様の大規模言語モデルは、例えば、API等を経由して生成されたテキスト等を支援装置1に提供する。
【0067】
[通信部14]
通信部14は、支援装置1をネットワークNに接続して端末T等と通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部14として、例えば、イーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0068】
〔ゲート装置2〕
ゲート装置2は、駐車場PL又は駐車場PLが有する各駐車スペースPSに係る入出場を管理する装置である。ゲート装置2は、例えば、駐車場PLの出入口PEの通行を妨げる遮断状態と、出入口PEの通行を妨げない通行許可状態の間で制御される遮断機・ドア・フェンス等を備える。ゲート装置2は、ネットワークN等を介して支援装置1が制御できるよう構成される。システムSがゲート装置2を備えることにより、契約者・予約者のいずれでもない者に係る車両が駐車場PL等に進入することが防がれる。
【0069】
〔カメラ3〕
カメラ3は、駐車場PLの様子を撮像する装置である。カメラ3は、例えば、静止画像を撮影するスチルカメラ、動画(映像)を撮影するビデオカメラ等である。駐車場PLに設けられるカメラ3の数は、その目的に応じて適宜選択される。カメラ3は、ネットワークN等を介して支援装置1に撮像した画像・映像を提供できるよう構成される。
【0070】
夜間の撮像を可能とすべく、カメラ3は、赤外線カメラ、暗視カメラ等によって例示される夜間の撮像に対応したカメラを含むことが好ましい。標準的な撮像範囲(画角等)のカメラのみを用いる場合より少ない台数で駐車場PL全体の様子を撮像すべく、カメラ3は、広角カメラ、超広角カメラ等によって例示される撮像範囲が広いカメラを含むことが好ましい。
【0071】
契約者・予約者等の正当な利用者のみが駐車場PLを利用しているか監視すべく、カメラ3は、駐車場PLに入場する車両及び駐車場PLから出場する車両のナンバープレートを撮像できるよう配置されることが好ましい。各駐車スペースPSが適切に利用されているか監視すべく、カメラ3は、駐車場PLが有する各駐車スペースPSの利用状況を撮像できるよう配置されることが好ましい。
【0072】
撮像されたデータに対する処理を効率的に分散処理すべく、カメラ3は、撮像範囲にある動く物体の検知、撮像範囲にある物体の認識等によって例示される、撮像されたデータに対する前処理を実行するよう構成されることが好ましい。
【0073】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、支援装置1及び端末T等を互いに通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0074】
〔端末T〕
端末Tの種類は、特に限定されない。端末Tは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、等である。車両を撮像したデータを支援装置1に提供すべく、端末Tは、車両を撮像するカメラを備えていることが好ましい。
【0075】
〔支援処理のメインフローチャート〕
図5は、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図6は、前図に続くフローチャートである。図7は、前図に続くフローチャートである。図8は、前図に続くフローチャートである。図9は、前図に続くフローチャートである。図10は、前図に続くフローチャートである。図11は、前図に続くフローチャートである。以下は、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例について、図5から図11を用いて説明するものである。
【0076】
まず、支援装置1は、利用者が当該利用者の事情に適した駐車場PLを予約できるようにすべく、利用者の車両が時間貸で駐車できる駐車場PLを検索する一連の処理を実行する。ステップS1からステップS7は、当該処理の一例である。
【0077】
[ステップS1:検索を開始するか判別]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、駐車場又は駐車スペースの検索を開始するか判別する処理を実行する(検索開始判別ステップ)。開始すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS2に移す。開始すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS8に移す。
【0078】
検索開始判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末Tから検索を開始したいとのリクエストを受信した場合に、検索を開始すると判別する手順等でよい。
【0079】
[ステップS2:駐車情報を取得]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、駐車情報取得部111を実行する。そして、制御部11は、駐車情報取得部111により、複数の駐車場について、駐車情報を取得する処理を実行する(駐車情報取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0080】
「複数の駐車場」は、例えば、本実施形態の支援装置1によりその有効利用を支援される各駐車場PLである。駐車情報は、例えば、駐車場データベース131、各駐車場PLの管理に係る外部のサーバ又はデータベース等から取得される。様々な駐車場管理システムにより管理される各駐車場PLの情報を一元的に管理すべく、駐車情報取得部111は、各駐車場PLの管理に係る外部の駐車場管理システム(例えば、駐車場運営会社のサーバ等)から駐車情報の少なくとも一部を取得することが好ましい。駐車情報取得部111は、例えば、システムSの管理者と異なる企業等により管理されるサーバ(例えば、他社の駐車場システムのサーバ)からAPI連携で駐車情報の一部又は全部を取得する。
【0081】
駐車情報取得部111により取得される駐車情報は、駐車場PLが有する1以上の駐車スペースPSに関する、時間貸で利用できる時間帯及び駐車できる車両に関する制限を含む。この「制限」は、駐車が制限される車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を有する。
【0082】
[ステップS3:車両情報を取得]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、車両情報認識部112を実行する。そして、制御部11は、駐車情報取得部111により、車両を撮像したデータに基づく当該車両の車両情報の認識結果を取得する処理を実行する(車両情報認識ステップ)。制御部11は、処理をステップS4に移す。車両情報認識ステップにおいて、車両情報認識部112が取得する認識結果に係る車両情報は、車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を含む。車両情報認識ステップにおいて、車両情報認識部112は、当該車両情報に含まれる情報の少なくとも一部が駐車情報に係る制限と対応する車両情報を取得する。
【0083】
車両情報認識部112は、例えば、端末Tから送信された車両を撮像したデータを受信し、当該データを入力とする画像認識モデルを用いた処理によって、車両情報の認識結果を取得する。車両情報認識部112は、端末Tにおける、撮像したデータを入力とする画像認識モデルを用いた処理によって生成された車両情報の一部又は全部を取得してもよい。
【0084】
支援装置1は、検索条件が車両の移動計画を含んでいる場合に、駐車場PLの検索に係る駐車推奨時間帯及び駐車推奨エリアを識別する一連の処理を含むことが好ましい。ステップS4からステップS5は、当該処理の一例である。
【0085】
[ステップS4:移動計画を含むか判別]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、駐車推奨識別部113を実行する。そして、制御部11は、駐車推奨識別部113により、検索条件が移動計画を含むか判別する処理を実行する(移動計画判別ステップ)。含んでいると判別したならば、制御部11は、処理をステップS5に移す。含んでいると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0086】
[ステップS5:駐車推奨時間帯及び駐車推奨エリアを識別]
制御部11は、駐車推奨識別部113により、車両の移動計画に基づいて駐車推奨時間帯及び駐車推奨エリアを識別する処理を実行する(駐車推奨識別ステップ)。制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0087】
駐車推奨識別ステップは、当該移動計画に基づいて休憩を要する時間帯を判別し、当該時間帯を駐車推奨時間帯とし、当該移動計画において当該時間帯に車両がいると推定されるエリアを駐車推奨エリアとする手順を含むことが好ましい。「休憩を要する時間帯」は、例えば、休憩が推奨される所与の連続運転時間等に基づいて判別される。当該移動計画が運送業に係る移動計画である場合、「所与の連続運転時間」は、運送業に係る法令又は当該運送業を行う事業主体の定めに基づいて決定されることが好ましい。「当該時間帯に車両がいると推定されるエリア」は、例えば、移動計画に基づいて推定された移動速度と、駐車推奨時間帯と、移動計画に係る道路地図とに基づいて推定される。
【0088】
駐車推奨識別ステップにおける識別により、支援装置1は、利用者が無理のないタイミングで休憩を取れるよう、識別された駐車推奨時間帯及び駐車推奨エリアにおける駐車スペースPSを予約することを可能とする。これにより、当該駐車スペースPSは、移動計画に係る利用者によって有効利用される。
【0089】
[ステップS6:駐車場を検索]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、駐車場検索部114を実行する。そして、制御部11は、駐車場検索部114により、駐車場PLを検索する処理を実行する(駐車場検索ステップ)。制御部11は、処理をステップS7に移す。駐車場検索ステップに係る「駐車場を検索する処理」は、本実施形態の支援装置1に係る複数の駐車場PLから、検索開始判別ステップに係る車両が当該ステップ等に係る所望の時間帯に時間貸で利用できる駐車場PLを検索する処理である。
【0090】
当該検索に係る検索条件は、例えば、利用する日時、駐車場PLがあるエリア、駐車場PLの種類、料金、設備等の1以上に係る条件を含む。利用者の多様なニーズに応えるべく、これらの条件は、複数を柔軟に組み合わせられることが好ましい。
【0091】
ここで言う「時間貸で利用できる駐車場」の検索は、検索結果に含まれる駐車場PLが、少なくとも以下の2要件を満たすよう実行される。第1の要件は、当該駐車場PLが有する駐車スペースPSのうち、少なくとも1の駐車スペースPSにおける時間貸で利用できる時間帯が上述の所望の時間帯を含むとの要件である。第2の要件は、時間貸で利用できる時間帯が上述の所望の時間帯を含む駐車スペースPSのうち、少なくとも1の駐車スペースPSにおける駐車できる車両に関する制限が、車両情報認識ステップに係る車両情報によって示される車両の駐車を制限していないとの要件を満たすとの要件である。すなわち、駐車場検索部114は、時間貸で利用できる時間帯が所望の時間帯を含み、かつ、制限が車両情報によって示される車両の駐車を制限していないとの要件を満たす駐車スペースPSを有する駐車場PLを含む検索結果となるよう、検索を実行する。
【0092】
駐車推奨識別ステップが実行されている場合、「時間貸で利用できる駐車場」の検索は、検索結果に含まれる駐車場PLが、上述の第2の要件に加えて、以下で述べる第3の要件及び第4の要件をさらに満たすよう実行されることが好ましい。第3の要件は、時間貸で利用できる時間帯が駐車推奨時間帯を含むとの要件である。第4の要件は、駐車場PLがあるエリアが駐車推奨エリアに該当するとの要件である。すなわち、このとき、駐車場検索部114は、時間貸で利用できる時間帯が駐車推奨時間帯を含み、駐車場PLがあるエリアが駐車推奨エリアに該当し、かつ、制限が車両情報によって示される車両の駐車を制限していないとの要件を満たす駐車スペースPSを有する駐車場PLを含む検索結果となるよう、検索を実行する。
【0093】
「時間貸で利用できる駐車場」の検索は、予約状況等によって例示される、駐車場PLの空き状況に係る情報を参照し、予約等によって利用できない駐車スペースPSを検索結果から除くことが好ましい。駐車場PLの空き状況に係る情報は、管理者等の手作業によって入力された情報でもよく、ゲート装置2・カメラ・センサ等から提供されたデータに基づいて生成された情報でもよい。
【0094】
[ステップS7:検索結果を提供]
制御部11は、駐車場検索部114により、駐車場検索ステップに係る検索結果を提供する処理を実行する(駐車場検索結果提供ステップ)。制御部11は、処理をステップS8に移す。検索結果は、現在位置からの距離、利用料金等によって駐車場PLの表示順を並べ替えられたものであることが好ましい。また、適切なサイズ等の車両により駐車スペースが有効利用されるようにすべく、検索結果は、上述の制限と車両との適合度が高い順に駐車場PLの表示順を並べ替えられたものであることが好ましい。ここで言う「適合度」は、駐車スペースPSの無駄が少なくなるような指標(例えば、普通乗用車以下のサイズの車両に制限された駐車スペースであれば、普通乗用車の方が小型乗用車より適合度が高いとするような指標)を指す。
【0095】
駐車場検索結果提供ステップは、少なくとも、駐車場PLを特定する情報を含む検索結果を提供する。検索から予約までの手順を便利にすべく、駐車場検索結果提供ステップは、当該駐車場PLを予約するためのユーザインタフェース要素を含む検索結果を提供する手順を含むことが好ましい。利用料金を踏まえて利用者が駐車場PLを選べるようにすべく、駐車場検索結果提供ステップは、利用料金を含む検索結果を提供する手順を含むことが好ましい。
【0096】
駐車場PLの場所を踏まえて利用者が駐車場を選べるようにすべく、駐車場検索結果提供ステップは、地図を添えて検索結果を提供する手順を含むことが好ましい。当該地図は、例えば、検索結果に係る1以上の駐車場PLが含まれる地図、現在位置及び検索結果に係る1以上の駐車場PLが含まれる地図等でよい。また、当該地図は、現在位置から検索結果に係る1の駐車場PLまでの経路を含むことが好ましい。また、駐車場検索結果提供ステップは、当該地図を表示させるためのデータをカーナビゲーションシステム等に提供してもよい。
【0097】
利用者が検索結果に含まれる駐車場PLのいずれかを予約できるようにすべく、支援装置1は、駐車場PLの予約に係る一連の処理を実行する。ステップS8からステップS11は、当該処理の一例である。
【0098】
[ステップS8:予約希望を受信したか判別]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、予約部115を実行する。そして、制御部11は、予約部115により、利用者からの予約希望を受信したか判別する処理を実行する(予約希望判別ステップ)。受信したと判別したならば、制御部11は、処理をステップS9に移す。受信したと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0099】
[ステップS9:駐車情報を取得]
制御部11は、駐車情報取得部111により、上述の予約希望に係る駐車場PLについて、駐車情報を取得する処理を実行する(予約希望駐車情報取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS10に移す。
【0100】
当該駐車情報は、駐車情報は、少なくとも、駐車場PLが有する1以上の駐車スペースPSに関する、時間貸で予約できる時間帯及び駐車できる車両に関する制限等によって例示される、時間貸利用者の事情に適した駐車スペースPSの予約可否の判別に係る情報を含む。この「制限」は、駐車が制限される車両の車種、車幅、車高、又は車長のうち少なくともいずれか一方を有する。
【0101】
[ステップS10:予約できるか判別]
制御部11は、予約部115により、上述の予約希望及び駐車情報に基づいて、駐車場PLの駐車スペースPSのいずれかを予約できるか判別する処理を実行する(予約可否判別ステップ)。できると判別したならば、制御部11は、処理をステップS11に移す。できると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0102】
不正な予約を防ぐべく、予約可否判別ステップは、なりすまし、同一人物による大量予約等によって例示される異常な予約パターンを検知し、当該検知があった場合に、予約できると判別しない手順を含むことが好ましい。
【0103】
[ステップS11:予約情報を登録]
制御部11は、予約部115により、予約可否判別ステップで予約できると判別された駐車場PLの駐車スペースPSに係る予約情報を登録する処理を実行する(予約ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0104】
予約ステップは、例えば、当該予約に係る予約情報を駐車場データベース131及び利用者データベース132に登録する手順を含む。複数のデータベース等に格納された駐車場の情報を支援装置1において一元的に管理すべく、予約ステップは、当該駐車場PLの管理に係る外部のサーバ又はデータベース等に予約情報を登録する手順を含むことが好ましい。
【0105】
カーナビゲーションシステムと連携し、利用者が駐車場PLまで迷わずにたどり着けるようにすべく、予約ステップは、予約された駐車場PLの位置に関する情報をカーナビゲーションシステムに提供する手順を含むことが好ましい。
【0106】
駐車場PLに契約者又は予約した時間貸利用者の車両のみが駐車できるようにする適切な管理が行われるべく、支援装置1は、車両の入庫に係る一連の処理を実行することが好ましい。ステップS12からステップS15は、当該処理の一例である。
【0107】
[ステップS12:入庫を希望されたか判別]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、検知部116を実行する。そして、制御部11は、検知部116により、入庫を希望されたか判別する処理を実行する(入庫希望判別ステップ)。希望されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS13に移す。希望されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0108】
入庫希望判別ステップにおける判別の手順は、例えば、時間貸を予約した時間貸利用者又は契約者が、端末Tを介して入庫を希望した場合に、入庫を希望されたと判別する手順等を含む。
【0109】
[ステップS13:駐車情報を取得]
制御部11は、駐車情報取得部111により、上述の入庫の希望に係る駐車場について、駐車情報を取得する処理を実行する(入庫希望駐車情報取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS14に移す。当該駐車情報は、少なくとも、駐車場PLが有する1以上の駐車スペースPSに関する、予約された時間帯を含む。
【0110】
[ステップS14:入庫できるか判別]
制御部11は、検知部116により、入庫できるか判別する処理を実行する(入庫希望判別ステップ)。できると判別したならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。できると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0111】
入庫希望判別ステップにおける判別の手順は、入庫を希望する利用者に係る当該駐車スペースPSの予約情報又は契約貸に係る情報が駐車情報に含まれている場合に、入庫できると判別する手順等を含む。
【0112】
[ステップS15:入庫を許可]
制御部11は、検知部116により、入庫を許可する処理を実行する(入庫許可ステップ)。制御部11は、処理をステップS16に移す。入庫許可ステップにおいて支援装置1は、例えば、入庫を希望する利用者の車両が駐車場PL外部から内部へ向けてゲート装置2を通過できるよう、ゲート装置2を制御する。立体駐車場、機械式駐車場においては、支援装置1は、これらの駐車場PLにおける予約された駐車スペースPSに車両が入庫できるよう、駐車スペースPSの移動機構等を制御することが好ましい。
【0113】
駐車場PLが適切に利用されるよう管理することを支援すべく、支援装置1は、駐車場PLの管理に係る一連の処理を実行することが好ましい。ステップS16からステップS20は、当該処理の一例である。
【0114】
[ステップS16:映像を取得するか判別]
制御部11は、検知部116により、カメラ3が撮像した車両の映像に係るデータを取得するか判別する処理を実行する(映像取得判別ステップ)。取得すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS17に移す。取得すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS21に移す。
【0115】
映像取得判別ステップは、例えば、駐車場PLにおける撮像範囲内で変化があった等の通知がカメラ3から送信された場合、定期的な画像取得のタイミングになった場合等によって例示される、従来技術の監視カメラから画像を取得する各種条件が満たされた場合に、当該データを取得すると判別する手順を含む。
【0116】
[ステップS17:画像認識を行う]
制御部11は、検知部116により、上述の「駐車場を撮像したデータ」に対する画像認識を行う処理を実行する(画像認識ステップ)。制御部11は、処理をステップS18に移す。
【0117】
ナンバープレートに基づく適切な利用の判別を行うべく、当該画像認識は、少なくとも、駐車スペースPSに駐車している車両のナンバープレートに係る情報を取得する画像認識を含むことが好ましい。当該画像認識に係る画像認識モデルは、車両のナンバープレート部分を撮像したデータを入力とする画像解析処理により、当該ナンバープレートの認識結果を出力するよう構成される。このとき、当該画像認識モデルは、車両のナンバープレート部分を撮像したデータを説明変数とし、当該ナンバープレートの認識結果を目的変数とする学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0118】
また、駐車場PL内での事故に係る不適切な利用の判別を行うべく、当該画像認識は、駐車場PL内での事故に係る情報を取得する画像認識を含むことが好ましい。当該画像認識に係る画像認識モデルは、車両を撮像したデータを入力とする画像解析処理により、事故の発生に係る認識結果を出力するよう構成される。このとき、当該画像認識モデルは、車両を撮像したデータを説明変数とし、事故の発生に係る認識結果を目的変数とする学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0119】
[ステップS18:適切な利用であるか判別]
制御部11は、検知部116により、駐車場PLの契約者情報、時間貸に係る予約者情報、及び上述の画像認識の結果に基づいて、適切な利用であるか判別する処理を実行する(検知ステップ)。適切な利用であると判別したならば、制御部11は、処理をステップS19に移す。適切な利用であると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS20に移す。すなわち、検知ステップにおいて検知部116は、駐車場PLの契約者情報、時間貸に係る予約者情報、及び、駐車場PLを撮像したデータから、駐車場の不適切な利用を検知する。
【0120】
検知ステップに係る判別の手順は、撮像されたタイミングで当該駐車スペースPSを利用できる車両のナンバープレートと、画像認識によって取得されたナンバープレートに係る情報とが一致しなかった場合に、不適切な利用であると判別する手順を含むことが好ましい。また、検知ステップに係る判別の手順は、事故の発生又は事故が発生した可能性があるとの画像認識結果が得られた場合に、不適切な利用であると判別する手順を含むことが好ましい。
【0121】
検知ステップにおいて、検知部116は、駐車場PLが備える各種設備の故障・異常を検知することが好ましい。これにより、支援装置1は、電子メール、SMS等を介して、各種設備の故障・異常を当該駐車場PLの管理者に通知できる。当該検知は、例えば、各種設備が備える異常報知機能との連携により実現される。
【0122】
[ステップS19:適切な利用を記録]
制御部11は、検知部116により、適切な利用を記録する処理を実行する(利用記録ステップ)。制御部11は、処理をステップS21に移す。当該記録は、例えば、駐車場データベース131又は利用者データベース132に対して行われる。
【0123】
[ステップS20:不適切な利用を報知]
制御部11は、検知部116により、不適切な利用であるとの検知結果を報知する処理を実行する(報知ステップ)。制御部11は、処理をステップS21に移す。当該報知は、例えば、駐車場PLの管理者が利用する端末Tに対して行われる。また、報知ステップは、例えば、駐車場データベース131又は利用者データベース132に不適切な利用を記録する手順を含むことが好ましい。
【0124】
時間貸で利用する時間貸利用者がやむを得ない事情等により予約時間帯を超えて利用する場合に対応すべく、支援装置1は、利用時間の延長に係る一連の処理を実行することが好ましい。ステップS21からステップS26は、当該処理の一例である。
【0125】
[ステップS21:延長を希望されたか判別]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、延長受付部117を実行する。そして、制御部11は、延長受付部117により、駐車スペースPSの利用に係る延長を希望されたか判別する処理を実行する(延長希望判別ステップ)。希望されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS22に移す。希望されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS27に移す。
【0126】
延長希望判別ステップにおける判別の手順は、例えば、時間貸により駐車スペースPSに入庫した時間貸利用者が、端末Tを介して延長を希望した場合に、延長を希望されたと判別する手順等を含む。
【0127】
[ステップS22:駐車情報を取得]
制御部11は、駐車情報取得部111により、上述の延長の希望に係る駐車場について、駐車情報を取得する処理を実行する(延長希望駐車情報取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS23に移す。当該駐車情報は、少なくとも、駐車場が有する1以上の駐車スペースに関する、予約された時間帯及び契約時間帯を含む。
【0128】
[ステップS23:重複時間帯であるか判別]
制御部11は、延長受付部117により、上述の延長の希望に係る時間帯と、駐車情報に含まれる契約時間帯とに基づいて、当該時間帯が重複時間帯であるか判別する処理を実行する(重複時間帯判別ステップ)。重複時間帯であると判別したならば、制御部11は、処理をステップS24に移す。重複時間帯であると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS26に移す。ここで言う「重複時間帯」は、契約者が契約により当該駐車スペースを利用する契約時間帯と重複する、延長の希望に係る時間帯を指す。
【0129】
[ステップS24:助言を生成]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、助言生成部118を実行する。そして、制御部11は、助言生成部118により、上述の時間貸利用者が駐車スペースPSを開放するまでの時間を契約者が活用する方法についての助言を生成する処理を実行する(助言生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS25に移す。
【0130】
助言生成ステップにおいて、助言生成部118は、駐車スペースPSがあるエリア及び時間帯を説明変数として含み、かつ、当該エリア及び当該時間帯における時間を活用する方法を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた大規模言語モデルにより上述の助言を生成することが好ましい。
【0131】
助言生成ステップにおいて生成される助言として、例えば、駐車スペースPSがあるエリア及び時間帯において一時的な駐車を行える施設(例えば、コンビニエンスストア等によって例示される、利用者用駐車場を備える商業施設)を紹介する助言が挙げられる。また、当該助言として、例えば、駐車スペースPSがあるエリア及び時間帯において催される催事を紹介する助言が挙げられる。さらに、当該助言として、例えば、駐車スペースPSがあるエリアにある代替駐車場を提案する助言が挙げられる。代替駐車場を提案する助言は、大規模言語モデルの代わりに、近隣の駐車場PLの空き状況を取得する手順によって実現されてもよい。
【0132】
[ステップS25:契約スペースの利用状況等を通知]
制御部11は、助言生成部118により、上述の助言、契約スペースの利用状況等を契約者に通知する処理を実行する(利用状況通知ステップ)。制御部11は、処理をステップS26に移す。
【0133】
上述の「開放するまでの時間」における契約者の駐車を支援すべく、利用状況通知ステップは、契約により利用する駐車スペースPSである契約スペースの代わりに、契約者の車両を駐車させることが可能な別の駐車スペースPSを手配する手順を含むことが好ましい。
【0134】
[ステップS26:延長を登録]
制御部11は、延長受付部117により、上述の延長を登録する処理を実行する(延長登録ステップ)。制御部11は、処理をステップS27に移す。延長登録ステップは、例えば、駐車場データベース131又は利用者データベース132に当該延長を登録する手順を含むことが好ましい。
【0135】
時間貸で利用した時間貸利用者から適切な対価を受け取るべく、支援装置1は、車両の出庫に係る一連の処理を実行することが好ましい。ステップS27からステップS31は、当該処理の一例である。
【0136】
[ステップS27:出庫を希望されたか判別]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、精算部119を実行する。そして、制御部11は、精算部119により、出庫を希望されたか判別する処理を実行する(出庫希望判別ステップ)。希望されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS28に移す。希望されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS32に移す。出庫希望判別ステップにおける判別の手順は、例えば、時間貸を予約した時間貸利用者が、端末Tを介して出庫を希望した場合に、出庫を希望されたと判別する手順等を含む。
【0137】
[ステップS28:駐車情報を取得]
制御部11は、駐車情報取得部111により、上述の出庫の希望に係る駐車場PLについて、駐車情報を取得する処理を実行する(出庫希望駐車情報取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS29に移す。当該駐車情報は、少なくとも、駐車場PLが有する1以上の駐車スペースPSに関する、利用時間又は利用時間を特定できる情報(時間貸の開始時刻と時間貸の終了時刻との組等)を含む。
【0138】
[ステップS29:請求を送信]
制御部11は、精算部119により、請求を送信する処理を実行する(請求送信ステップ)。制御部11は、処理をステップS30に移す。請求の送信先は、出庫の希望に係る端末T等である。請求に係る請求額は、利用時間、当該駐車スペースの利用に係る料金体系(通常料金、割増料金等)に基づいて算出される。
【0139】
[ステップS30:請求額が支払われたか判別]
制御部11は、精算部119により、請求額が支払われたか判別する処理を実行する(支払判別ステップ)。支払われたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS31に移す。支払われたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS30に戻す。
【0140】
支払判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。精算機等を介さず、アプリケーション上で駐車場PLの利用に係る手続きが完結するようにすべく、当該手順は、決済サービスを提供する外部のサーバから請求額に係る支払いがあったとの情報を受信した場合に、請求額が支払われたと判別する手順を含むことが好ましい。決済サービスは、特に限定されず、クレジットカードに係る決済サービス、電子マネーに係る決済サービス等によって例示される従来公知の決済サービスでよい。
【0141】
[ステップS31:出庫を許可]
制御部11は、精算部119により、出庫を許可する処理を実行する(出庫許可ステップ)。制御部11は、処理をステップS32に移す。出庫許可ステップにおいて支援装置1は、例えば、出庫を希望する利用者の車両が駐車場PL内部から外部へ向けてゲート装置2を通過できるよう、ゲート装置2を制御する。立体駐車場、機械式駐車場においては、支援装置1は、予約された駐車スペースPSから車両が出庫できるよう、駐車スペースPSの移動機構等を制御することが好ましい。
【0142】
需要予測・利用料金の動的な設定を実現すべく、支援装置1は、需要予測・利用料金の動的な設定に係る一連の処理を実行してもよい。ステップS32からステップS35は、当該処理の一例である。
【0143】
[ステップS32:需要予測を行うか判別]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、駐車場PLに係る需要予測等を行うか判別する処理を実行する(需要予測判別ステップ)。行うと判別したならば、制御部11は、処理をステップS33に移す。行うと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS35の処理を繰り返す。需要予測判別ステップにおける判別の手順は、例えば、駐車場PLの管理者が、端末Tを介して需要予測等を希望した場合に、需要予測等を行うと判別する手順等を含む。
【0144】
[ステップS33:利用状況を取得]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、利用状況取得部120を実行する。そして、制御部11は、利用状況取得部120により、駐車場PLの利用状況を取得する処理を実行する(利用状況取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS34に移す。
【0145】
利用状況取得ステップにおいて、利用状況取得部120は、例えば、駐車場データベース131より利用状況を取得する。様々な駐車場管理システムにより管理される各駐車場PLの情報を一元的に管理すべく、駐車情報取得部111は、各駐車場PLの管理に係る外部の駐車場管理システムから利用状況の少なくとも一部を取得することが好ましい。
【0146】
[ステップS34:推奨料金を生成]
制御部11は、記憶部13、通信部14等と協働し、推奨料金生成部121を実行する。そして、制御部11は、推奨料金生成部121により、推奨料金を生成する処理を実行する(推奨料金生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS35に移す。推奨料金生成ステップにおいて、推奨料金生成部121は、少なくとも上述の利用状況を含むデータに基づいて、当該駐車場PLにおける時間貸の料金に係る推奨料金を生成する。
【0147】
推奨料金生成ステップにおいて、推奨料金生成部121は、上述の利用状況を説明変数として含み、当該利用状況における需要予測に対応する適切な料金を目的変数として含む学習データを用いた機械学習に基づいて、上述の推奨料金を生成することが好ましい。これにより、支援装置1は、単純な多項式近似等では成し得ない高精度の需要予測を行い、当該予測に基づく推奨料金を生成できる。
【0148】
推奨料金生成ステップにおいて、推奨料金生成部121は、少なくとも上述の利用状況を説明変数として含み、当該利用状況における需要予測(過去の需要データ等)を目的変数として含む学習データを用いた機械学習に基づいて、上述の需要予測を生成することが好ましい。これにより、支援装置1は、単純な多項式近似等では成し得ない高精度の需要予測を行い、経営シミュレーションに係る資料として提供できる。
【0149】
推奨料金生成ステップにおける入力は、駐車場があるエリア、天気データ(気温、降水量等)、イベント情報(近隣の催事、祝日等)、交通量データ等をさらに含んでもよい。このとき、上述の機械学習は、追加の入力に係る特徴量を説明変数としてさらに含む学習データによる事前学習を含むことが好ましい。
【0150】
上述の需要予測は、例えば、各種の時系列モデル(ARIMA、Seasonal ARIMA、Prophet等)、各種の機械学習モデル(ランダムフォレスト、勾配ブースティング等)、深層学習モデル(LSTM、GRU等)のうち目的とする需要予測に適したものを適宜組み合わせた人工知能によって実現されてもよい。
【0151】
[ステップS35:推奨料金を含む提案を提供]
制御部11は、推奨料金生成部121により、推奨料金生成ステップにおいて生成された推奨料金を含む提案を提供する処理を実行する(推奨料金提供ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS35の処理を繰り返す。なお、推奨料金提供ステップに係る「提案」は、推奨料金等によって例示される、当該駐車場PLの経営戦略に係る提案である。
【0152】
推奨料金提供ステップは、駐車場運営データの表示を指令する手順を含むことが好ましい。これにより、支援装置1は、駐車場運営データ分析ダッシュボードを提供できる。当該手順は、従来公知のオンラインサービスの分析ダッシュボードと同様に実現される。
【0153】
[契約内容確認ステップ]
支援処理は、契約貸が行われている駐車場PLの時間貸に係る契約の契約内容を時間貸利用者に確認させ、同意させる契約内容確認ステップを含むことが好ましい。違反行為に対する抑止力を高めるべく、契約内容確認ステップは、違反行為に対して設けられた罰則規定を端末T等に表示させ、当該規定を含む契約に同意させる手順を含むことが好ましい。これにより、支援装置1は、当該契約に同意した時間貸利用者に対してのみ、時間貸に係る上述の処理によるサービスを提供することができる。当該サービスの提供対象を当該契約に同意した時間貸利用者に限定することにより、支援装置1は、駐車場PL内でのトラブル等を抑止できる。
【0154】
[評価ステップ]
支援処理は、利用者からの駐車場PLに対する評価・フィードバックを収集する評価ステップを含むことが好ましい。評価ステップは、従来公知のサービスに対する評価・フィードバックを収集する手順と同様に実現される。収集された評価等は、従来公知のサービスにおいて収集された評価・フィードバックと同様に活用(集計、分析等)される。
【0155】
[状況提供ステップ]
支援処理は、駐車場PLの状況を端末Tに提供する状況提供ステップを含むことが好ましい。状況提供ステップは、例えば、従来公知のライブカメラ配信サービスと同様に実現される。状況提供ステップは、混雑状況の予測を提供する手順を含むことが好ましい。混雑状況の予測は、例えば、天気データ、イベント情報、交通量データ等を入力とする機械学習を用いた処理によって実現される。このとき、混雑状況の予測は、天気データ、イベント情報、交通量データ等を説明変数として含み、混雑予測(過去の混雑データ等)を目的変数として含む学習データを用いた機械学習に基づいて、上述の混雑予測を生成することが好ましい。
【0156】
[ソーシャルメディア連携ステップ]
支援処理は、ソーシャルメディアと連携するソーシャルメディア連携ステップを含むことが好ましい。評価ステップは、従来公知のソーシャルメディア連携と同様に実現される。連携されたソーシャルメディアは、従来公知のソーシャルメディア連携と同様に活用(広報・需要調査等)される。
【0157】
[動的な利用料金について]
駐車場PLが有する駐車スペースPSのさらなる有効利用を進めるべく、駐車場検索結果提供ステップ等の利用料金に係る各種ステップは、利用状況取得ステップから推奨料金生成ステップまでの一連の処理と同様の手順により、時間貸に係る利用料金を動的に生成する手順を含むことが好ましい。これにより、駐車場PLが有する駐車スペースPSは、より適切な利用料金で時間貸され、有効利用される。妥当な料金範囲を逸脱しないようにすべく、動的な利用料金は、所与の上限・下限の範囲内で生成されることが好ましい。
【0158】
当該手順において、推奨料金生成部121は、少なくとも上述の利用状況を含むデータに基づいて、当該駐車場PLにおける時間貸の料金に係る推奨料金を生成する。そして、推奨料金生成部121は、この推奨料金を、動的な利用料金として時間貸利用者に提示する。このとき、推奨料金生成部121は、上述の利用状況を説明変数として含み、当該利用状況における需要予測に対応する適切な料金を目的変数として含む学習データを用いた機械学習に基づいて、上述の推奨料金を生成することが好ましい。
【0159】
[事故対応について]
報知ステップにおいて駐車場内での事故が報知された場合に備え、支援装置1の記憶部には、事故発生時の補償を確保するための保険契約に係る情報又は事故対応マニュアルが格納されていることが好ましい。
【0160】
[障害対応について]
システム障害のリスクを低減すべく、支援装置1は、従来公知のシステム運用と同様に、定期的なメンテナンス体制、バックアップ体制が整備されていることが好ましい。また、支援装置1は、従来公知のシステム運用と同様に、障害発生時の復旧手順が確立されていることが好ましい。
【0161】
[自動駐車システムとの連携について]
高精度の自動駐車システムと連携し、車両の自動駐車を支援すべく、支援処理は、自動駐車に係る自動駐車情報を自動駐車システムに提供する自動駐車連携ステップをさらに含むことが好ましい。自動駐車連携ステップにおいて、支援装置1は、対象車両に割り当てられた駐車スペースをカメラ画像認識で識別するためのデータ(例えば、駐車スペースに設けられた標識の画像データ・記載内容データ等)、カメラ3により撮像された対象車両の画像データに係るデータ(例えば、画像データそのもの、画像認識により識別された推奨される駐車位置と対象車両との位置関係・推奨される駐車動作中のコース等)、衛星測位システムに係るデータ、又は測量に係る座標値等を含む自動駐車情報を提供することが好ましい。
【0162】
衛星測位システムに係るデータは、自動駐車の誘導に寄与する高精度(例えば、リアルタイムで数センチメートル程度)で測位を行うべく、ディファレンシャル・グローバル・測位衛星システム(DGNSS)方式に係るDGPS局からの補正情報、リアルタイムキネマティック(RTK)方式に係る既知点を用いた測位計算に係るデータ、ネットワーク型RTK測位に係るデータ等によって例示される、衛星と異なる既知点に係るデータを含むことが好ましい。これらのデータは、遥か上空ではなく、地上に設けられた既知点に係るデータを用いて衛星測位システムにおける測位結果を補正するため、測位信号が衛星から車両に届くまでの伝達距離が長いことに由来する各種の誤差を消去できる。これにより、これらのデータは、自動駐車の誘導に寄与する高精度の測位に役立つ。なお、支援装置1等に係る計算負荷を抑制し、より高い精度の測位に係るデータを提供すべく、リアルタイムキネマティック(RTK)方式に係るデータは、GNSS、RTK等に係る信号に係る測位計算を外部のクラウドに行わせて得られたデータを含むことが好ましい。
【0163】
<本実施形態の支援装置1の使用例>
以下は、本実施形態の支援装置1の使用例である。
【0164】
〔各種駐車場管理サービスとの連携〕
支援装置1の管理者は、支援装置1による支援の対象となる駐車場PLそれぞれについて、当該駐車場PLの管理に用いられている各種駐車場管理サービス(例えば、駐車場運営会社がサーバを介して提供しているサービス等)と連携し、当該駐車場PLの情報を取得等できるようにする。
【0165】
〔特約を含む契約の締結〕
月極契約等に基づいて駐車スペースPSを利用する契約者は、駐車場PLの管理者等と、当該駐車スペースPSの時間貸に関する上述の特約を含む契約を締結する。管理者等は、当該契約に係るデータを支援装置1に登録する。
【0166】
〔時間貸で利用できる契約駐車場の検索〕
契約者でない一般客(時間貸利用者)は、端末Tが備えるカメラ装置等により自らの車両を撮像する。撮像されたデータは、支援装置1に提供される。支援装置1は、撮像されたデータに基づいて、車種、車幅、車高、車長等の車両情報の認識結果を取得する。一般客は、端末T等を介して支援装置1に時間貸で利用できる契約駐車場の検索を指令する。支援装置1は、車両情報及び駐車情報に基づいて、時間貸で利用できる契約駐車場の検索結果を提供する。利用者は、検索結果に含まれる駐車場PLを選択し、当該駐車場PLが備える駐車スペースPSを予約する。そして、利用者は、予約時間に入庫し、利用料金を支払って出庫する。
【0167】
〔契約時間帯での延長〕
不慮の事故等により帰還が遅れた時間貸利用者は、延長に係る入力を行う。支援装置1は、延長後の利用時間帯が契約時間帯と重複していると判別し、割増料金を請求する。また、支援装置1は、契約時間帯まで延長された駐車スペースPSの契約者に、代替駐車場の案内、近くの駐車場付商業施設の紹介等によって例示される、当該駐車スペースPSを利用できるようになるまでの時間を有効利用するための助言を提供する。
【0168】
〔契約者への分配〕
支援装置1は、記憶部13に格納されている利用料金収入、分配率等に基づいて、駐車スペースPSの時間貸に係る収入のうち、当該駐車スペースPSに係る契約者に分配される分配金を算出する。当該分配金は、例えば、契約者が支払う月極料金を近隣にある同等のスペースにおける料金の3割増である「13,000円」とする代わりに時間貸に係る収入の50%を契約者に分配する特約等に基づいて算出される。また、支援装置1は、同様に、月極料金、時間貸収入のうち、支援装置1の管理者に分配される金額等を算出する。
【0169】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0170】
S システム
1 支援装置
11 制御部
111 駐車情報取得部
112 車両情報認識部
113 駐車推奨識別部
114 駐車場検索部
115 予約部
116 検知部
117 延長受付部
118 助言生成部
119 精算部
120 利用状況取得部
121 推奨料金生成部
13 記憶部
131 駐車場データベース
132 利用者データベース
14 通信部
2 ゲート装置
3 カメラ
N ネットワーク
T 端末
PL 駐車場
PL1 第1駐車場
PL2 第2駐車場
PS 駐車スペース
PS1 第1駐車スペース
PS2 第2駐車スペース
PS3 第3駐車スペース
PC 充電設備

【要約】
【課題】契約駐車場を時間貸利用者に貸し出す時間貸サービスにおいて、空いている駐車スペースのうち時間貸利用者の事情に適した駐車スペースを提供すること等を通じて、当該駐車スペースのさらなる有効利用を進めるよう支援する。
【解決手段】本発明に係る契約駐車場の時間貸サービスに係る支援装置1は、複数の駐車場PLについて駐車情報を取得する駐車情報取得部111と、車両を撮像したデータに基づく車両の車両情報の認識結果を取得する車両情報認識部112と、車両が所望の時間帯に時間貸で利用できる駐車場PLを複数の駐車場から検索した検索結果を提供する駐車場検索部114とを備え、駐車場検索部114は、時間貸で利用できる時間帯が所望の時間帯を含み、かつ、制限が車両情報によって示される車両の駐車を制限していないとの要件を満たす駐車スペースPSを有する駐車場PLを含む検索結果を提供する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11