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特許7565662コンテンツ関心度判定システム、コンテンツ関心度判定方法及びコンテンツ関心度判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】コンテンツ関心度判定システム、コンテンツ関心度判定方法及びコンテンツ関心度判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/435 20110101AFI20241004BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20241004BHJP
   H04N 21/4728 20110101ALI20241004BHJP
   G09F 27/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H04N21/435
H04N21/442
H04N21/4728
G09F27/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024134060
(22)【出願日】2024-08-09
(62)【分割の表示】P 2024037375の分割
【原出願日】2024-03-11
【審査請求日】2024-08-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519344969
【氏名又は名称】株式会社PocketRD
(74)【代理人】
【識別番号】230112911
【弁護士】
【氏名又は名称】三和 圭二郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃宏
(72)【発明者】
【氏名】内田 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】籾倉 宏哉
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-227720(JP,A)
【文献】特開2013-109537(JP,A)
【文献】特開2019-144622(JP,A)
【文献】特開2019-165495(JP,A)
【文献】特表2008-521315(JP,A)
【文献】特表2010-532539(JP,A)
【文献】特表2022-531046(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0199230(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0270527(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0111460(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0351270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
G09F 19/00 -27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生されたコンテンツに対する利用者の関心度を判定するコンテンツ関心度判定システムであって、
コンテンツ再生手段により再生されるコンテンツの中から関心度判定の対象である部分コンテンツを選択する部分コンテンツ選択手段と、
前記コンテンツ再生手段における前記部分コンテンツの再生態様に関する情報である再生態様情報を生成する再生態様情報生成手段と、
前記コンテンツ再生手段による前記部分コンテンツ再生時におけるコンテンツ利用者の行動態様に関する情報である行動態様情報を生成する行動態様情報生成手段と、
前記再生態様情報及び前記行動態様情報に基づき前記コンテンツ利用者の前記部分コンテンツに対する関心度に関する情報である関心情報を生成する関心情報生成手段と、
前記部分コンテンツ選択手段にて選択される前記部分コンテンツとは異なる部分コンテンツである比較コンテンツを選択する比較コンテンツ選択手段と、
前記コンテンツ再生手段において前記比較コンテンツが再生されたか否かを判定する比較コンテンツ再生判定手段と、
を備え、
前記関心情報生成手段は、前記比較コンテンツ再生判定手段にて前記比較コンテンツが再生されたと判定された場合に、前記比較コンテンツと関連付けて前記関心情報の生成を行うことを特徴とするコンテンツ関心度判定システム。
【請求項2】
再生されたコンテンツに対する利用者の関心度を判定するコンテンツ関心度判定方法であって、
コンテンツ再生手段により再生されるコンテンツの中から関心度判定の対象である部分コンテンツを選択する部分コンテンツ選択ステップと、
前記コンテンツ再生手段における前記部分コンテンツの再生態様に関する情報である再生態様情報を生成する再生態様情報生成ステップと、
前記コンテンツ再生手段による前記部分コンテンツ再生時におけるコンテンツ利用者の行動態様に関する情報である行動態様情報を生成する行動態様情報生成ステップと、
前記再生態様情報及び前記行動態様情報に基づき前記コンテンツ利用者の前記部分コンテンツに対する関心度に関する情報である関心情報を生成する関心情報生成ステップと、
前記部分コンテンツ選択ステップにて選択される前記部分コンテンツとは異なる部分コンテンツである比較コンテンツを選択する比較コンテンツ選択ステップと、
前記コンテンツ再生手段において前記比較コンテンツが再生されたか否かを判定する比較コンテンツ再生判定ステップと、
を含み、
前記関心情報生成ステップにおいて、前記比較コンテンツ再生判定ステップにて前記比較コンテンツが再生されたと判定された場合に、前記比較コンテンツと関連付けて前記関心情報の生成を行うことを特徴とするコンテンツ関心度判定方法。
【請求項3】
再生されたコンテンツに対する利用者の関心度をコンピュータに判定させるコンテンツ関心度判定プログラムであって、
前記コンピュータに対し、
コンテンツ再生手段により再生されるコンテンツの中から関心度判定の対象である部分コンテンツを選択する部分コンテンツ選択機能と、
前記コンテンツ再生手段における前記部分コンテンツの再生態様に関する情報である再生態様情報を生成する再生態様情報生成機能と、
前記コンテンツ再生手段による前記部分コンテンツ再生時におけるコンテンツ利用者の行動態様に関する情報である行動態様情報を生成する行動態様情報生成機能と、
前記再生態様情報及び前記行動態様情報に基づき前記コンテンツ利用者の前記部分コンテンツに対する関心度に関する情報である関心情報を生成する関心情報生成機能と、
前記部分コンテンツ選択機能にて選択される前記部分コンテンツとは異なる部分コンテンツである比較コンテンツを選択する比較コンテンツ選択機能と、
前記コンテンツ再生手段において前記比較コンテンツが再生されたか否かを判定する比較コンテンツ再生判定機能と、
を実行させ、
前記関心情報生成機能において、前記比較コンテンツ再生判定機能にて前記比較コンテンツが再生されたと判定された場合に、前記比較コンテンツと関連付けて前記関心情報の生成処理を実行させることを特徴とするコンテンツ関心度判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信サービスにて配信される広告や特定の言語、楽曲等を含むコンテンツに対するユーザーの関心度を判定する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットの発展と携帯型情報端末の普及により、かつてはテレビ、ラジオ等の専用の大型の受信装置を用いて視聴していた映像・音楽等のコンテンツが、近年では携帯型情報端末を用いていつでも、どこでも気軽に楽しめるようになっている。かつては家族が集まる居室あるいは街頭に設置されたラジオ、テレビの前に番組視聴のために集まった人々が熱心に番組を視聴していたものが、現在は、各々が保有する小型の携帯型情報端末にてどこでも気軽に、他の作業をしながらでも視聴できる状況となっている。携帯型情報端末を用いたコンテンツ視聴については、視聴自体に料金を発生させる課金方式の他、テレビ・ラジオ放送と同様に番組の前後・途中に広告コンテンツを流すことによってコンテンツ作成・配信費用を賄う扱いとするコンテンツ配信サービスも多い。
【0003】
たとえば特許文献1は、閲覧動画の再生中にコンテンツの閲覧履歴に基づきインストリーム広告を選定・再生し、所定時間にわたりインストリーム広告を再生した後にスキップボタンを表示することで、広告をスキップして閲覧動画を再生する技術を開示している。また、特許文献2は、電子コンテンツの提供中に所定の条件が満たされた場合に、電子コンテンツの提供を一時的に中止しユーザー操作に基づき定まる広告情報を配信すると共に、当該広告情報に関する質問への回答が正しければ広告情報の配信を終了し電子コンテンツの提供を再開する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-129375号公報
【文献】特開2023-073187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
広告配信を伴うコンテンツ配信サービスでは広告主から徴収する広告料にてコンテンツ作成・配信費用を賄う方式であるところ、広告料を定めるにあたっては広告効果がどの程度見込めるかを広告主に示す必要がある。
【0006】
しかしながら、携帯型情報端末を用いたコンテンツ配信において広告効果を正確に見積もることは難しく、特許文献1、2においてもそのことに関する技術は開示されていない。携帯型情報端末は軽量かつ高強度の筐体を有することから利用者は気軽に持ち運ぶことが可能であり、したがって、コンテンツ配信サービスについても何時いかなる場所においても利用することが可能である。他方で、気軽に利用できることと関係してユーザーが配信コンテンツに寄せる関心度は、コンテンツの視聴状況に応じて様々なものとなる。たとえば、家事などの作業を行っている間にコンテンツを視聴した場合や、仕事における業務遂行の傍らコンテンツを視聴する場合は、いわばBGM的に利用するのみでコンテンツそのものに関心を寄せていない場合も多い。また、自宅でくつろいだ状態であればコンテンツに集中した状態で視聴している可能性が高い一方、外出先であれば周囲環境に気を取られてコンテンツへの集中度はそれほどでもない場合もある。
【0007】
このことは広告以外のコンテンツについても同様である。たとえばコンテンツ配信サービスにて公共団体による情報提供を実施する場合、提供した情報がどの程度周知されるかを把握することは重要であるが、上述した広告の場合と同様に、情報周知の効果がどの程度生じたかを把握することは難しい。配信対象であるコンテンツ自体に対するユーザーの関心度についても同様である。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、コンテンツ配信サービスにて配信される広告や特定の言語、楽曲等を含むコンテンツに対するユーザーの関心度を判定する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかるコンテンツ関心度判定システムは、再生されたコンテンツに対する利用者の関心度を判定するコンテンツ関心度判定システムであって、コンテンツ再生手段により再生されるコンテンツの中から関心度判定の対象である部分コンテンツを選択する部分コンテンツ選択手段と、前記コンテンツ再生手段における前記部分コンテンツの再生態様に関する情報である再生態様情報を生成する再生態様情報生成手段と、前記コンテンツ再生手段による前記部分コンテンツ再生時におけるコンテンツ利用者の行動態様に関する情報である行動態様情報を生成する行動態様情報生成手段と、前記再生態様情報及び前記行動態様情報に基づき前記コンテンツ利用者の前記部分コンテンツに対する関心度に関する情報である関心情報を生成する関心情報生成手段と、前記部分コンテンツ選択手段にて選択される前記部分コンテンツとは異なる部分コンテンツである比較コンテンツを選択する比較コンテンツ選択手段と、前記コンテンツ再生手段において前記比較コンテンツが再生されたか否かを判定する比較コンテンツ再生判定手段とを備え、前記関心情報生成手段は、前記比較コンテンツ再生判定手段にて前記比較コンテンツが再生されたと判定された場合に、前記比較コンテンツと関連付けて前記関心情報の生成を行うことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、請求項2にかかるコンテンツ関心度判定方法は、再生されたコンテンツに対する利用者の関心度を判定するコンテンツ関心度判定方法であって、コンテンツ再生手段により再生されるコンテンツの中から関心度判定の対象である部分コンテンツを選択する部分コンテンツ選択ステップと、前記コンテンツ再生手段における前記部分コンテンツの再生態様に関する情報である再生態様情報を生成する再生態様情報生成ステップと、前記コンテンツ再生手段による前記部分コンテンツ再生時におけるコンテンツ利用者の行動態様に関する情報である行動態様情報を生成する行動態様情報生成ステップと、前記再生態様情報及び前記行動態様情報に基づき前記コンテンツ利用者の前記部分コンテンツに対する関心度に関する情報である関心情報を生成する関心情報生成ステップと、前記部分コンテンツ選択ステップにて選択される前記部分コンテンツとは異なる部分コンテンツである比較コンテンツを選択する比較コンテンツ選択ステップと、前記コンテンツ再生手段において前記比較コンテンツが再生されたか否かを判定する比較コンテンツ再生判定ステップと、を含み、前記関心情報生成ステップにおいて、前記比較コンテンツ再生判定ステップにて前記比較コンテンツが再生されたと判定された場合に、前記比較コンテンツと関連付けて前記関心情報の生成を行うことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、請求項3にかかるコンテンツ関心度判定プログラムは、再生されたコンテンツに対する利用者の関心度をコンピュータに判定させるコンテンツ関心度判定プログラムであって、前記コンピュータに対し、コンテンツ再生手段により再生されるコンテンツの中から関心度判定の対象である部分コンテンツを選択する部分コンテンツ選択機能と、前記コンテンツ再生手段における前記部分コンテンツの再生態様に関する情報である再生態様情報を生成する再生態様情報生成機能と、前記コンテンツ再生手段による前記部分コンテンツ再生時におけるコンテンツ利用者の行動態様に関する情報である行動態様情報を生成する行動態様情報生成機能と、前記再生態様情報及び前記行動態様情報に基づき前記コンテンツ利用者の前記部分コンテンツに対する関心度に関する情報である関心情報を生成する関心情報生成機能と、前記部分コンテンツ選択機能にて選択される前記部分コンテンツとは異なる部分コンテンツである比較コンテンツを選択する比較コンテンツ選択機能と、前記コンテンツ再生手段において前記比較コンテンツが再生されたか否かを判定する比較コンテンツ再生判定機能とを実行させ、前記関心情報生成機能において、前記比較コンテンツ再生判定機能にて前記比較コンテンツが再生されたと判定された場合に、前記比較コンテンツと関連付けて前記関心情報の生成処理をを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンテンツ配信サービスにて配信される広告や特定の言語、楽曲等を含むコンテンツに対するユーザーの関心度を判定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムの構成を示す模式図である。
図2】実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムにおける関心情報の生成処理を示すフローチャートである。
図3】実施の形態2にかかるコンテンツ関心度判定システムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、本発明の実施の形態として最も適切と考えられる例について記載するものであり、当然のことながら、本発明の内容を本実施の形態にて示された具体例に限定して解すべきではない。同様の作用・効果を奏する構成であれば、実施の形態にて示す具体的構成以外のものであっても、本発明の技術的範囲に含まれることは勿論である。
【0015】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムについて説明する。図1に示すとおり、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムは、映像又は/及び音声等からなるコンテンツを再生するコンテンツ再生部1と、コンテンツに含まれる言語に関する情報である言語情報を抽出する言語情報抽出部2と、コンテンツに含まれる楽曲に関する情報である楽曲情報を抽出する楽曲情報抽出部3と、再生されるコンテンツの中から関心度の判定対象となる部分コンテンツを選択する部分コンテンツ選択部4と、部分コンテンツの再生態様に関する情報である再生態様情報を生成する再生態様情報生成部5と、部分コンテンツ再生時における利用者の挙動に関する情報である挙動情報を生成する挙動情報生成部6と、部分コンテンツ再生時に利用者が置かれた環境に関する情報である環境情報を生成する環境情報生成部7と、環境情報及び/又は挙動情報に基づき再生時における利用者の行動態様に関する情報である行動態様情報を生成する行動態様情報生成部8と、判定対象である部分コンテンツに対する利用者の関心度に関する情報である関心情報を生成する関心情報生成部9と、利用者と対応関係にある非代替性トークンである利用者トークンを生成するトークン生成部10と、利用者トークンの保有者に関する情報及び関心情報を含む情報として、利用者トークンに対応した分散型台帳内のブロックに格納されるトランザクションを生成するトランザクション生成部11と、トランザクションに含まれる情報の生成・出力が利用者トークンの保有者の意向に従ったものであることを証明するデータである電子署名を生成する電子署名生成部12と、トランザクション及び電子署名を利用者トークンと関連付けられた分散型ネットワークに出力するよう指示する出力部13と、利用者トークンに関する情報であるトークン情報を保存するトークン情報保存部14と、分散型ネットワークにアクセスしてトランザクションに含まれる関心情報を取得する関心情報取得部15と、取得した関心情報を外部に提供する関心情報提供部16とを備える。
【0016】
コンテンツ再生部1は、関心度判定の対象となる部分コンテンツを含むコンテンツを再生するためのものである。具体的には、コンテンツ再生部1は、たとえばスマートフォン等の携帯型情報端末に内蔵されたアプリ等によって構成され、インターネット回線を通じて提供された電子データに基づき映像データ及び/又は音声データからなるコンテンツを再生する機能を有する。もっとも、コンテンツ再生部1の構成としてはインターネット回線を経由せずにコンテンツが記録された記録媒体(CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリ等)を再生するものとしてもよいし、AM(Amplitude Modulation)放送、FM(Frequency Modulation)放送、地上デジタル放送及び衛星放送等の受信設備を備え、当該放送にて供給されるコンテンツを再生する構成としてもよい。
【0017】
言語情報抽出部2は、コンテンツ再生部1にて再生されるコンテンツに含まれる言語に関する情報である言語情報を抽出するためのものである。具体的には、言語情報抽出部2は、コンテンツの音声部分につき音声認識技術を用いて発話内容から言語情報を抽出する機能を有する。また、言語情報抽出部2は、コンテンツの映像部分につき映像として表示された文字を文字認識技術により抽出するととともに、映像中に表示される人物、物体等につき画像認識技術により内容を特定し、特定した人物、物体等の名称を言語情報として抽出する機能を有する。なお本実施の形態1において言語情報抽出部2は、言語情報が特定のコンテンツ中でいつ再生されたかに関する情報についても抽出する機能を有するものとする。
【0018】
楽曲情報抽出部3は、コンテンツ再生部1にて再生されるコンテンツに含まれる楽曲に関する情報である楽曲情報を抽出するためのものである。具体的には、楽曲情報抽出部3は、コンテンツの音声部分にて再生される楽曲を抽出し、当該楽曲の曲名等の楽曲情報を出力する機能を有する。楽曲情報の内容としては少なくとも当該楽曲の曲名を含むものとし、好ましくは当該楽曲が属する音楽ジャンル、当該楽曲の作曲者、歌唱者、演奏者等の関係者の氏名等を含むものとする。
【0019】
部分コンテンツ選択部4は、コンテンツ再生部1にて再生されるコンテンツのうち、関心度の判定対象となる部分コンテンツを選択するためのものである。部分コンテンツは、コンテンツ再生部1にて再生されるコンテンツの少なくとも一部をいい、特定のコンテンツにおいて再生開始時を0秒として「t秒後からt秒後の期間」のように指定することも可能であるし、内容(広告動画、等)に応じて選択することも可能である。さらに、本実施の形態1における部分コンテンツ選択部4は、コンテンツ全体のうち言語情報抽出部2によって抽出された特定の言語が発話・表示された部分を含む一定時間の部分を部分コンテンツとして選択することが可能であり、また、楽曲情報抽出部3によって抽出された楽曲が再生された部分を含む一定時間の部分を部分コンテンツとして選択することも可能である。さらに、部分コンテンツ選択部4は、複数のコンテンツにおける同一内容部分(たとえば特定の商品に関する複数種類の広告、同一の言語情報にかかる言語が発話された複数の部分コンテンツ)をまとめて一つの部分コンテンツとして選択することも可能である。
【0020】
再生態様情報生成部5は、部分コンテンツ選択部4にて選択された部分コンテンツの再生態様に関する情報である再生態様情報を生成するためのものである。再生態様情報としては、少なくとも部分コンテンツの再生回数、各再生において再生が開始された時刻、再生継続時間及び複数回再生された場合は前回の再生終了から次回の再生開始までに要した時間を含むことが望ましい。また、再生態様情報として、再生時における音量の大小、映像の輝度の大小、再生速度(等速、倍速等)に関する情報を含めることとしてもよい。
【0021】
挙動情報生成部6は、部分コンテンツ選択部4にて選択された部分コンテンツ再生時における利用者の挙動に関する情報である挙動情報を生成し行動態様情報生成部8に対し出力するためのものである。挙動情報生成部6は、具体的にはコンテンツ再生部1にてコンテンツを再生する利用者が何をしているかを示す挙動情報を生成するためのものであり、本実施の形態1においては、利用者が保持する携帯型情報端末に備わる3軸加速度センサにて部分コンテンツ再生時における利用者の姿勢・行動及び/又はそれらの変化を検出し、検出結果から利用者の挙動を推測する構成としている。挙動情報生成部6は、利用者の姿勢・行動としてたとえば、静止している、歩行している、手作業をしている、激しく振動している等と推測する機能を有することが望ましい。
【0022】
なお、挙動情報生成部6は、コンテンツ再生部1等の他の構成要素を具備する携帯型情報端末に備わる3軸加速度センサを利用して、コンテンツ再生部1による部分コンテンツ再生時における利用者の動作時に生ずる加速度に関する情報を取得することが好ましい。かかる機能実現のために挙動情報生成部6において当該携帯型情報端末とは別に構成された3軸加速度センサを用いることとしてもよいし、3軸ではなく2軸、単軸の加速度センサを用いてもよい。また、挙動情報生成部6の構成として加速度センサの測定結果に基づき利用者の挙動を推測するのではなく、たとえば監視カメラを設置し当該カメラにて撮影される利用者の映像から挙動分析を行う等の構成を採用してもよい。さらに、加速度センサを用いる構成の場合において、具体的な挙動を推測せず加速度センサの測定結果自体を挙動情報として生成する構成としてもよい。
【0023】
環境情報生成部7は、部分コンテンツ選択部4にて選択された部分コンテンツ再生時における利用者が置かれた環境に関する情報である環境情報を生成し行動態様情報生成部8に出力するためのものである。具体的には、環境情報生成部7は、部分コンテンツ再生時における利用者の位置及び/又は位置変化を検出し、当該位置がいかなる場所であるかを判定した上で、部分コンテンツ再生時に利用者が置かれた環境について把握する機能を有する。より具体的には、環境情報生成部7は、利用者が保持する携帯型情報端末に備わるGPS(Global Positioning System)受信機能、Bluetooth(登録商標)通信機能等を利用した測位システムによって利用者の位置・位置変化を検出し、当該位置等に対応した地図情報等によって利用者がいる場所がいかなる環境であるかを把握する。これにより環境情報生成部7は、部分コンテンツ再生時に利用者が自宅、職場、病院、売店、飲食店、トレーニングジムに滞在している、あるいは路上を移動中である、電車を用いて移動中である等と把握し、把握した利用者の環境について環境情報として生成する。
【0024】
なお、環境情報生成部7の具体的構成としては携帯型情報端末に備わるGPS受信機能等を利用する他、たとえばカメラ機能により利用者の周囲を撮影し画像認識技術を用いて分析することを通じて環境情報を生成することとしてもよい。また、GPS受信機能等を使用する場合でも、コンテンツ再生部1を具備した携帯型情報端末とは別のウェアラブルデバイス等の情報端末や専用装置に備わるGPS受信機能等を用いることとしてもよい。また、環境情報の具体的内容についても単に位置情報のみから構成することとしてもよいし、具体的な場所までは特定せずコンテンツ再生に適した環境(たとえば自宅)、コンテンツ再生に適さない環境(たとえば職場)のように単純化した情報によって構成することとしてもよい。
【0025】
行動態様情報生成部8は、挙動情報生成部6にて生成された利用者の挙動情報及び/又は環境情報生成部7によって生成された利用者の環境情報に基づき、部分コンテンツ再生時における利用者の行動態様である行動態様情報を生成するためのものである。具体的には、行動態様情報生成部8は、挙動情報に基づき利用者の動作について把握し、当該動作と利用者の位置する場所ないし位置の変化態様を考慮した上で部分コンテンツ再生時に利用者がいかなる行動を行っているか判定した上で行動態様情報を生成する機能を有する。なお、行動態様情報生成部8が生成する行動態様情報としては、自宅でリラックスしている、職場で業務を遂行している、トレーニングジムでトレーニングしているあるいは休憩している等具体的な行動内容を含むこととしてもよいし、より簡易には、部分コンテンツを集中して鑑賞可能な行動か否かのみに関する情報を含むこととしてもよい。
【0026】
また、行動態様情報生成部8は、簡易な構成として利用者の行動態様情報を生成する際に、原則として挙動情報のみから情報生成を行い、位置ないし位置変化が特徴的な場合にのみ環境情報を考慮した情報生成を行うこととしてもよい。利用者の行動態様情報の生成は部分コンテンツを集中して鑑賞できる状況か否かの観点から行われるものであるため、たとえば、挙動情報にて利用者の動きがほとんどないと判断される場合は原則として「部分コンテンツを集中して鑑賞可能な行動」との内容からなる行動態様情報(文字情報そのものでもよいが、文字情報の意味内容に対応した数値情報とすることが好ましい。以下も同様。)を生成し、利用者の位置が職場である場合は会議参加等の可能性が生じるため例外的に「部分コンテンツを集中して鑑賞できない行動」との内容からなる行動態様情報を生成することも有効である。同様に、挙動情報における加速度の絶対値が大きい場合は何らかの大がかりな作業を行っていて「部分コンテンツを集中して鑑賞できない行動」との内容からなる行動態様情報を生成するのが原則である一方、位置変化が高速である場合はタクシー、バス、鉄道、航空機等に搭乗した状態で移動しており加速度の絶対値が大きいのはタクシー等の振動に起因する場合があり、そのような場合は例外的に「部分コンテンツを集中して鑑賞可能な行動」との内容からなる行動態様情報を生成することが適切である。
【0027】
関心情報生成部9は、再生態様情報生成部5にて生成された再生態様情報と、行動態様情報生成部8にて判定された部分コンテンツ再生時における利用者の行動内容に関する行動態様情報に基づき、利用者の部分コンテンツに対する関心度を示す情報である関心情報を生成するためのものである。具体的には、関心情報生成部9は、再生態様情報に関して、対象となる部分コンテンツの再生回数が多い/少ないほど利用者の関心度が高く/低く、総再生時間が長い/短いほど利用者の関心度が高く/低く、前回の再生終了から次回の再生開始までに要した時間が短い/長いほど利用者の関心度が高い/低い値となるよう関心情報を生成する。
【0028】
また、関心情報生成部9は、部分コンテンツ再生時における利用者の行動が「部分コンテンツを集中して鑑賞可能な行動」と判定された場合に利用者の関心度が高い値となるよう関心情報を生成し、「部分コンテンツを集中して鑑賞できない行動」と判定された場合に利用者の関心度が低い値となるよう関心情報を生成する。なお、行動態様情報については、より好ましくは挙動情報における加速度の絶対値(スカラー量)が小さい場合は原則的に「部分コンテンツを集中して鑑賞可能な行動」と扱い、利用者の位置する場所の環境によっては例外的に「部分コンテンツを集中して鑑賞できない行動」と扱う。逆に、挙動情報における加速度の絶対値(スカラー量)が大きい場合は原則的に部分コンテンツを集中して鑑賞できない行動」と扱い、たとえば利用者の位置変動が一定速度以上の場合(タクシー、バス等に乗車していると推測される場合)は例外的に「部分コンテンツを集中して鑑賞可能な行動」と扱うことが好ましい。かかる関心情報生成の際には、「部分コンテンツを集中して鑑賞可能な行動」、「部分コンテンツを集中して鑑賞できない行動」のそれぞれを数値化した上で情報生成を行うことが好ましい。もちろん、単純な2値化して関心情報生成する場合のみならず、行動態様情報の具体的内容に応じて3以上の段階に分類してそれぞれ数値化することとしてもよい。
【0029】
さらに好ましい態様としては、関心情報生成部9は、関心情報Iについて、部分コンテンツの再生回数をN、部分コンテンツのn回目の再生の開始時刻をtbn、終了時刻をten(ただしte0=tb1-1とする)、時刻tにおける利用者の加速度の絶対値(スカラー量)をa(t)、時刻tにおける利用者の位置・位置変動速度に応じて定まる係数をb(t)、正の実数mを用いて以下の数式により導出する。

I =

かかる数式に従って関心情報Iを導出することにより、加速度の絶対値a(t)が小さいほど/大きいほど関心情報が大きな値(=関心度高)/小さな値(関心度低)となり、前回の再生終了から次回の再生開始までに要した時間(tbn―te(n-1))が小さいほど/大きいほど関心情報が大きな値/小さな値となり、総再生時間が長いほど/短いほど関心情報が大きな値/小さな値となり、各再生回における再生時間が長いほど/短いほど関心情報が大きな値/小さな値となる。なお、実数mは加速度の絶対値が0となった際に値が発散するのを避けるための係数であり、b(t)は、たとえば利用者の位置が職場の場合は大きな値(=関心情報が小さい値になるような値)となり、高速移動中の場合は小さな値(=関心情報が大きな値となるような値)となるよう設定することが好ましい。なお、上述の数式において、より簡易に計算するためにa(t)=a(n回目の再生ごとに定まる一定値。たとえばtbn≦t≦tenにおけるa(t)の平均値)としてもよい。
【0030】
トークン生成部10は、コンテンツ再生部1によってコンテンツを鑑賞する利用者と対応関係にある非代替性トークンである利用者トークンを生成するためのものである。「非代替性トークン」とはいわゆるNFT(Non-Fungible Token)、すなわち固有のデータを備えることで他のトークンと代替不能な性質を有するトークンを意味し、たとえばEthereum(登録商標)の規格であるERC721に基づいて発行されるものである。本実施の形態1にける利用者トークンは、ERC721またはその他の所定の規格に基づき発行されるものであり、対応する利用者に関する情報及び当該利用者による部分コンテンツに対する関心情報等の情報がブロックチェーン上に保存される構成となっている。
【0031】
「ブロックチェーン」とは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータ間において暗号技術を活用しつつデータ同期を行う技術である。具体的には、合意された取引記録等のトークンに関する情報の集合体と、他のブロックと接続させるための情報(前のブロックの情報)により各ブロックが構成され、当該各ブロックが複数連結されることによってブロックチェーンが構成される。複数のコンピュータの一部でデータ改ざんが行われても他のコンピュータとの間で多数決によって正しいデータが選択されるため、データの破壊・改ざんが極めて難しいという特徴を有している。
【0032】
利用者トークンと利用者の対応関係としては、利用者トークンの識別子と利用者の識別情報(利用者の識別情報としては利用者の氏名でもよいし、利用者と関連付けた何らかの文字列等でもよい。)とを1対1で紐づける形式とする。より直接的に、利用者トークンの識別子と利用者の識別情報を同一内容とすることとしてもよいし、それぞれ異なる文字列等によって構成したものについて対応関係を設定する態様でも問題ない。また、利用者に関するデータが保存されているインターネット空間上のURL情報と紐づける形式としてもよい。
【0033】
また、本実施の形態1において、生成された利用者トークンと対応関係にある分散型台帳を構成するブロックには、利用者トークンの保有名義の移転に関する取引記録の他、当該利用者に関する部分コンテンツに対する関心情報等に関する情報が記録されるものとする。これらの情報については、トランザクション生成部11によって分散型ネットワークに対し出力される情報であるトランザクションに変換される。
【0034】
なお、利用者トークンの生成については、トークン生成部10が自ら行う態様でもよいし、トークン生成部10と直接的または間接的に接続された外部システムに対し所定の指令を行うことによって、外部システムが生成する態様としてもよい。また、利用者トークンの具体的形式についても、Ethereum(登録商標)の規格であるERC721に準拠したものに限定されず、非代替性の性質を有し、取引履歴がブロックチェーン上に保存されるものであれば任意の形式のものとしてよい。
【0035】
トランザクション生成部11は、分散型台帳内のブロックに格納されるトランザクションを生成する機能を有し、特許請求の範囲における情報生成手段の一例に相当するものである。具体的には、トランザクション生成部11は、トランザクションの内容として、利用者トークンの保有名義の変更に関する情報に加え、関心情報生成部9にて生成した、対応する利用者における各部分コンテンツに対する関心情報を含む情報を生成するものとする。より好ましくは、トランザクション生成部11は、関心情報に加え、関心情報の生成に用いられた行動態様情報及び再生態様情報をも含む情報からなるトランザクションを生成することとしてもよいし、さらに、対応する利用者の属性情報(性別、国籍、民族、年齢、学歴、職歴等)を含む情報からなるトランザクションを生成することとしてもよい。
【0036】
電子署名生成部12は、トランザクションに含まれる情報の作成・出力が利用者トークンの保有者の意向に従ったものであることを証明するデータである電子署名を生成する機能を有する。具体的には、電子署名生成部12は、トランザクション生成部11によって生成されたトランザクションのハッシュ値を生成し、利用者トークンの保有者が保有する秘密鍵にて当該ハッシュ値を暗号化することにより電子署名を生成する機能を有する。なお、「ハッシュ値」とは元データに対し一定計算手順を施すことにより得られた固定長の値である。当該計算手順が不可逆なものであるため、ハッシュ値から元データを復元することは不可能とされている。また、「秘密鍵」とは暗号化処理に用いられる数列であって、対応関係にある「公開鍵」により復号することが可能な構成となっている。なお、本実施の形態1においてはトランザクション生成部11及び電子署名生成部12は、保有名義変更情報の一態様であるトランザクション及び電子署名の作成まで自ら行う構成としているがこれに限定する必要はなく、トランザクション生成部11及び電子署名生成部12が外部の所定機器に対しトランザクション及び電子署名の作成を指示するのみの機能を有することとしてもよい。
【0037】
出力部13は、トランザクション生成部11にて生成されたトランザクション及び電子署名生成部12にて生成された電子署名を、利用者トークンと関連付けられた分散型ネットワークに対し出力するよう指示するためのものでありる。出力部13は特許請求の範囲における出力指示手段の一態様として機能するものであり、本実施の形態では直接的にトランザクション及び電子署名を出力する構成としているが、他の構成要素(コンテンツ関心度判定システムの外部に設けられたものでもよい。)に対しトランザクションを出力するよう指示するのみとした構成でもよい。なお本実施の形態1において出力部13は分散型ネットワークに対し直接的または間接的に接続されており、分散型ネットワークに対し所定のデータを出力可能な態様にて構成されている。分散型ネットワークは、出力されたトランザクションのハッシュ値を生成するとともに、電子署名を公開鍵にて復号したデータ(=トランザクションのハッシュ値)と対比し、両者が異なる値となる場合はトークン保有者等による適正なトランザクションではないと判定して登録を拒否し、両者が一致する場合は適正なトランザクションと判定し、トランザクションにより構成される情報を、分散型台帳を構成するブロックに格納する。出力部13が出力するトランザクションには保有名義の変更に関する情報が含まれており、トランザクションが分散型ネットワークに対し出力されることにより、これらの情報が分散型ネットワーク上に設けられた分散型台帳を構成するブロックに格納される。
【0038】
トークン情報保存部14は、分散型台帳内のブロックに格納された利用者トークンに関するトランザクションへのアクセスに必要な情報を保存するためのものである。トークン情報保存部14の具体的構成に関しては、たとえばEthereum(登録商標)をはじめとする仮想通貨(暗号資産)の取引に使用されるウォレットと同様の構成を有することが望ましい。ウォレットと同様の構成とした場合における構造としてはインターネットに常時接続されたいわゆる「ホットウォレット」でも、必要なときのみインターネットに接続可能な「コールドウォレット」でもよい。「利用者トークンのトランザクションへのアクセスに必要な情報」とは、たとえば利用者トークンを特定するためのアカウント情報や、利用者トークンに対応した公開鍵に関する情報をいう。
【0039】
関心情報取得部15は、分散型ネットワークにアクセスしてトランザクションに含まれる関心情報を取得するためのものである。具体的には、関心情報取得部15は、トークン情報保存部14に保存された情報を利用して分散型台帳内のブロックに格納された利用者トークンに対応したトランザクションにアクセスし、トランザクションに含まれる特定の部分コンテンツに関する利用者の関心情報を取得する機能を有する。利用者トークンのトランザクションへのアクセスに必要な情報をトークン情報保存部14にて管理することにより、無関係の第三者がトランザクションにアクセスして情報を取得することを抑制し、これにより利用者のプライバシー等を保護することとしている。
【0040】
関心情報提供部16は、関心情報取得部15にて取得した関心情報を外部に提供するためのものである。具体的には、関心情報提供部16は、たとえば自身の関心事項を把握したいと考える利用者本人や、広告等の特定の部分コンテンツに対する関心度を調査している当該部分コンテンツの制作者に対し、対応する部分コンテンツに関する関心情報を出力する機能を有する。関心情報提供部16から提供される関心情報の具体的態様としては、関心情報取得部15にて取得された情報そのままでもよいし、当該情報に基づき理解容易化のために関心度を高・中・低の3段階にて示す内容に加工等したものでもよい。
【0041】
次に、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムにおける関心情報生成処理について説明する。図2に示すとおり、部分コンテンツ選択部4にて関心度判定の対象となる再生コンテンツを選択する(ステップS101)。次に再生態様情報生成部5にてコンテンツ再生部1にて再生された部分コンテンツの再生態様に応じた再生態様情報を生成し(ステップS102)、挙動情報生成部6にて部分コンテンツ再生時におけるコンテンツ利用者の挙動に応じた挙動情報を生成し(ステップS103)、環境情報生成部7にて部分コンテンツ再生時におけるコンテンツ利用者のおかれた環境に応じた環境情報を生成する(ステップS104)。その後、行動態様情報生成部8にて挙動情報及び/又は環境情報を用いて部分コンテンツ再生時におけるコンテンツ利用者の行動態様に関する情報である行動態様情報を生成し(ステップS105)、環境情報生成部7にて、再生態様情報及び行動態様情報に基づき、部分コンテンツに対するコンテンツ利用者の関心度を示す関心情報が生成される(ステップS106)。
【0042】
次に、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムの利点について説明する。まず、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムは、コンテンツ再生部1によって再生される様々なコンテンツの一部である部分コンテンツの関心度を判定することとしている。部分コンテンツには、特定のコンテンツ全体、コンテンツの一部(たとえば特定の広告部分)及び様々なコンテンツのうち特定の文字列及び/又は特定の楽曲を含む部分が含まれることから、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムを利用することで、コンテンツ作成者が自身の創作コンテンツに対する利用者の関心度を把握すること、広告を出稿した企業等が自社あるいは自社製品・サービスに対する利用者の関心度を把握すること、さらには音楽関係者が自ら関与する楽曲に対する利用者の関心度を把握すること、公共機関等が発信した情報に対する利用者の関心度を把握することができるという利点を有する。
【0043】
また、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムは、対象となる部分コンテンツの再生時間、再生間隔等に加えて、コンテンツ再生時における利用者の行動態様に基づき部分コンテンツに対する関心度を判定する構成を採用している。かかる構成を採用することにより、部分コンテンツ再生時における利用者の集中度を考慮した関心度判定が可能となり、より正確な関心情報生成を実現できるという利点を有する。
【0044】
さらに、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムは、利用者の行動態様の判断指標として部分コンテンツ再生時における利用者の挙動に関する挙動情報及び利用者の位置・位置変動に関する環境情報を用いることとしている。3軸加速度センサ、GPS受信機等の計測機器を使用することで客観的な数値に基づく行動態様情報の生成が可能となり、部分コンテンツ再生時における利用者の集中度を「より正確に」考慮した関心度判定が可能となる利点を有する。
【0045】
また、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムは、生成した部分コンテンツに関する利用者の関心情報について、トランザクションに含める態様にて分散型台帳内のブロックに記録することとしている。ブロックチェーン技術を利用することにより、記録内容を第三者が改竄されることを防止できるため、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムは、関心情報を正確に記録できるという利点を有する。
【0046】
さらに、本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムは、利用者トークンに関するトランザクション等にアクセスするためのトークン情報を保存するためのウォレット等により構成されるトークン情報保存部を有する。本実施の形態1にかかるコンテンツ関心度判定システムでは、トークン情報を一元的に管理することにより第三者によるトランザクション等へのアクセスを抑制でき、これにより利用者のプライバシー等を保護できるという利点を有する。
【0047】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかるコンテンツ関心度判定システムについて説明する。実施の形態2において、実施の形態1と同一名称かつ同一符号を付した構成要素に関しては、特に言及しない限り、実施の形態1における構成要素と同一の機能を発揮するものとする。
【0048】
実施の形態2にかかるコンテンツ関心度判定システムは、実施の形態1と同様に部分コンテンツに対する利用者の関心度を示す情報である関心情報を生成する機能を有すると共に、複数の部分コンテンツ間における関心情報の相関関係を生成する構成を採用している。図3は、実施の形態2にかかるコンテンツ関心度判定システムの構成を示す模式図である。図3に示すとおり、関心情報生成の対象となる部分コンテンツと組み合わせる部分コンテンツを選択する比較コンテンツ選択部21と、選択された比較コンテンツがコンテンツ再生部1にて実際に再生されたか否かを判定する比較コンテンツ再生判定部22と、比較コンテンツ再生判定部22にて比較コンテンツが一定量判定されたものと判定された場合に対象となる部分コンテンツの関心情報を生成する関心情報生成部23と、部分コンテンツの関心情報と関連付けて比較コンテンツに関する情報をも含むトランザクションを生成するトランザクション生成部24と、トランザクションに含まれる部分コンテンツの関心情報及び当該部分コンテンツと関連付けられた比較コンテンツに関する情報を取得する関心情報取得部25と、比較コンテンツと関連づけた形式にて部分コンテンツに関する利用者の関心情報を提供する関心情報提供部26とを備える。
【0049】
比較コンテンツ選択部21は、コンテンツ再生部1にて再生されるコンテンツのうち、関心情報生成の対象となる部分コンテンツとは異なる部分コンテンツである比較コンテンツを選択するためのものである。比較コンテンツ選択部21による比較コンテンツの選択態様としては、何らかの入力手段を用いて比較コンテンツとすべき部分コンテンツを特定する情報を入力する構成としてもよいし、過去に再生された部分コンテンツあるいは今後再生される可能性のある部分コンテンツを候補として示した上でユーザー等に選択させる、あるいはランダムに自動選択する構成としてもよい。
【0050】
比較コンテンツ再生判定部22は、比較コンテンツ選択部21によって選択された比較コンテンツが、コンテンツ再生部1にて実際に再生されたか否かを判定するためのものである。比較コンテンツ選択部21における判定基準としては、比較コンテンツが1回あるいは比較コンテンツの一部が再生された場合でも「実際に再生された」と判定することとしてもよいが、より好ましくは、再生回数が一定の閾値を超えた(たとえば5回以上再生された、等)、あるいは総再生時間が一定の閾値を超えた場合にのみ「実際に再生された」と判定する。一定の閾値以上再生された場合に限定することで、比較コンテンツと関心情報の相関関係をより正確に導出できるためである。
【0051】
関心情報生成部23は、比較コンテンツ再生判定部22が「比較コンテンツは実際に再生された」と判定したした場合に、前記比較コンテンツと関連付けた状態にて部分コンテンツの関心情報を生成する。関心情報生成部23は、関心情報そのもの及び比較コンテンツを特定するために必要な情報をトランザクション生成部24に出力し、トランザクション生成部24は、トランザクションの内容として、利用者トークンの保有名義の変更に関する情報に加え、関心情報生成部23にて生成した、対応する利用者における部分コンテンツに対する関心情報と、関心情報と比較コンテンツを関連付けた情報を含む情報を生成する。関心情報取得部25は部分コンテンツに関する関心情報及び比較コンテンツに関する情報を取得し、関心情報提供部26はこれらの情報を外部に提供する。
【0052】
次に、本実施の形態2にかかるコンテンツ関心度判定システムの利点について説明する。本実施の形態2にかかるコンテンツ関心度判定システムは、関心情報生成の対象となる部分コンテンツとは異なる比較コンテンツを設定し、当該比較コンテンツがコンテンツ再生部1にて実際に再生されたと判定した場合に関心情報を生成する構成を採用している。かかる構成を採用することにより、本実施の形態2にかかるコンテンツ関心度判定システムでは、コンテンツ再生部1において(より正確にはコンテンツ再生部1にてコンテンツを鑑賞した利用者において)、部分コンテンツと相関性の高い/低い比較コンテンツを明らかにできるという利点が生ずる。
【0053】
たとえば比較コンテンツとして特定の楽曲が選択され、部分コンテンツとして特定の広告コンテンツが選択された場合において、当該広告コンテンツに対する関心度が高い旨の関心情報が生成された場合には、当該楽曲と広告コンテンツの相関性が高い、すなわち当該楽曲が流されるコンテンツが再生される場合に当該広告コンテンツを出稿することが有効である。逆に、比較コンテンツとして特定の言葉が選択され、部分コンテンツとして特定の広告コンテンツが選択された場合において、当該広告コンテンツに対する関心度が低い旨の関心情報が生成された場合には、当該特定の言葉が使用されるコンテンツが再生される場合に当該広告コンテンツを出稿することは有効でない。このように、本実施の形態2にかかるコンテンツ関心度判定システムでは、比較コンテンツが再生されたコンテンツ再生部1(ないし比較コンテンツを鑑賞した利用者)における部分コンテンツの関心度を判定することによって、比較コンテンツと部分コンテンツの相関関係に関する情報を提供できるという利点が生ずる。
【0054】
以上、実施の形態1、2にわたり本発明の内容について説明したが、もとより本発明の技術的範囲は実施の形態に記載した具体的構成に限定して解釈されるべきではない。本発明の機能を実現できるものであれば、上記実施の形態に対する様々な変形例、応用例についても、本発明の技術的範囲に属することはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、コンテンツ配信サービスにて配信される広告や特定の言語、楽曲等を含むコンテンツに対するユーザーの関心度を判定する技術として利用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 コンテンツ再生部
2 言語情報抽出部
3 楽曲情報抽出部
4 部分コンテンツ選択部
5 再生態様情報生成部
6 挙動情報生成部
7 環境情報生成部
8 行動態様情報生成部
9、23 関心情報生成部
10 トークン生成部
11、24 トランザクション生成部
12 電子署名生成部
13 出力部
14 トークン情報保存部
15、25 関心情報取得部
16、26 関心情報提供部
21 比較コンテンツ選択部
22 比較コンテンツ再生判定部
【要約】
【課題】コンテンツ配信サービスにて配信される広告や特定の言語、楽曲等を含むコンテンツに対するユーザーの関心度を判定する技術を提供する。
【解決手段】映像又は/及び音声等からなるコンテンツを再生するコンテンツ再生部1と、コンテンツに含まれる言語に関する情報である言語情報を抽出する言語情報抽出部2と、コンテンツに含まれる楽曲に関する情報である楽曲情報を抽出する楽曲情報抽出部3と、再生されるコンテンツの中から関心度の判定対象となる部分コンテンツを選択する部分コンテンツ選択部4と、部分コンテンツの再生態様に関する情報である再生態様情報を生成する再生態様情報生成部5と、部分コンテンツ再生時における利用者の挙動に関する情報である挙動情報を生成する挙動情報生成部6と、部分コンテンツ再生時に利用者が置かれた環境に関する情報である環境情報を生成する環境情報生成部7と備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3