(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】無人車両の制御システム及び無人車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
F15B 21/0427 20190101AFI20241004BHJP
B62D 5/065 20060101ALI20241004BHJP
B62D 5/07 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F15B21/0427
B62D5/065 B
B62D5/07
(21)【出願番号】P 2019017391
(22)【出願日】2019-02-01
【審査請求日】2022-01-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻原 正紀
(72)【発明者】
【氏名】前田 実里
(72)【発明者】
【氏名】粟森 克生
【合議体】
【審判長】中屋 裕一郎
【審判官】小川 恭司
【審判官】横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-102057(JP,A)
【文献】特開2018-49573(JP,A)
【文献】特開2012-116467(JP,A)
【文献】特開2018-49571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人車両に配置され作動油により作動する油圧アクチュエータに供給される作動油データに基づいて、前記作動油の加温要求を出力するか否かを判定する判定部と、
前記加温要求に基づいて生成された前記作動油の加温指令を受信する車両受信部と、
前記加温指令に基づいて、前記作動油の加温処理を実行する加温処理部と、
作業現場において前記無人車両を停車させる特定位置を決定する特定位置決定部と、を備え
、
前記加温処理部は、前記無人車両が前記特定位置に停車した状態で、前記加温処理を実行する、
無人車両の制御システム。
【請求項2】
前記作動油データは、前記作動油の温度、及び前記作動油の流通が停止している時間を示す待機時間の少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の無人車両の制御システム。
【請求項3】
前記特定位置決定部は、作業現場において稼働する他車両の稼働状況データに基づいて、前記特定位置を決定する、
請求項
1又は請求項2に記載の無人車両の制御システム。
【請求項4】
前記無人車両の目標走行経路を含む走行コースデータを生成する走行コースデータ生成部を備え、
前記走行コースデータ生成部は、前記加温指令が出力される場合に、前記無人車両が前記特定位置に移動するように前記走行コースデータを変更する、
請求項
1から請求項
3のいずれか一項に記載の無人車両の制御システム。
【請求項5】
前記無人車両の走行を制御する走行指令部を備え、
前記走行指令部は、前記加温指令が出力されない場合に、前記無人車両が前記走行コースデータに従って走行し、前記加温指令が出力される場合に、無人車両が変更後の前記走行コースデータに従って走行するように制御する、
請求項
4に記載の無人車両の制御システム。
【請求項6】
作業現場において稼働する他車両の稼働状況データに基づいて、前記無人車両を前記特定位置に停車させるか否かを判定する管理判定部を備える、
請求項
1から請求項
5のいずれか一項に記載の無人車両の制御システム。
【請求項7】
前記加温処理を停止させる加温停止指令を出力する加温キャンセル部を備える、
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の無人車両の制御システム。
【請求項8】
無人車両に配置され作動油により作動する油圧アクチュエータに供給される作動油データに基づいて、前記作動油の加温要求を出力するか否かを判定する判定部と、
前記加温要求に基づいて生成された前記作動油の加温指令を受信する車両受信部と、
前記加温指令に基づいて、前記作動油の加温処理を実行する加温処理部と、
前記加温処理を停止させる加温停止指令を出力する加温キャンセル部と、を備え
、
前記加温キャンセル部は、作業現場において稼働する他車両の稼働状況データに基づいて、加温停止指令を出力する、
無人車両の制御システム。
【請求項9】
前記加温処理が実行される前記無人車両を示す加温実行車両データを表示装置に表示させる表示制御部を有する、
請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の無人車両の制御システム。
【請求項10】
無人車両に配置され作動油により作動する油圧アクチュエータに供給される作動油データに基づいて、前記作動油の加温要求を出力するか否かを判定することと、
前記加温要求に基づいて生成された前記作動油の加温指令を受信することと、
前記加温指令に基づいて、前記作動油の加温処理を実行することと、
作業現場において前記無人車両を停車させる特定位置を決定することと、を含
み、
前記無人車両が前記特定位置に停車した状態で、前記加温処理を実行する、
無人車両の制御方法。
【請求項11】
無人車両に配置され作動油により作動する油圧アクチュエータに供給される作動油データに基づいて、前記作動油の加温要求を出力するか否かを判定することと、
前記加温要求に基づいて生成された前記作動油の加温指令を受信することと、
前記加温指令に基づいて、前記作動油の加温処理を実行することと、
前記加温処理を停止させる加温停止指令を出力することと、を含
み、
作業現場において稼働する他車両の稼働状況データに基づいて、加温停止指令を出力する、
無人車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人車両の制御システム及び無人車両の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山のような広域の作業現場において無人車両が使用される場合がある。作業現場において無人車両の走行コースが設定される。無人車両は走行コースに従って走行するように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場が寒冷地である場合、油圧装置を作動する作動油の温度が低下する。温度の低下に伴って作動油の粘度が上昇すると、油圧装置の応答性が低下する可能性がある。例えば、無人車両の操舵装置が油圧により作動する場合、作動油の温度が低下し、作動油の粘度が上昇すると、操舵装置の操舵応答性が低下する可能性がある。操舵装置の操舵応答性が低下すると、走行コースに従って走行する無人車両の追従性能が低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様に従えば、無人車両に配置され作動油により作動する油圧アクチュエータに供給される作動油データに基づいて、前記作動油の加温要求を出力するか否かを判定する判定部と、前記加温要求に基づいて生成された前記作動油の加温指令を受信する車両受信部と、前記加温指令に基づいて、前記作動油の加温処理を実行する加温処理部と、を備える無人車両の制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の態様によれば、走行コースに従って走行する無人車両の追従性能の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る管制システム及び無人車両の一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る無人車両の一例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る無人車両が稼働する作業現場の一例を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る管理装置及び制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る作動油の加温方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る作動油の加温方法を説明するための図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る無人車両の制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る無人車両の制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係る無人車両の制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0009】
<第1実施形態>
[管制システム]
図1は、本実施形態に係る管制システム1及び無人車両2の一例を模式的に示す図である。無人車両2とは、運転者による運転操作によらずに、無人で走行する車両をいう。無人車両2は、作業現場において稼働する。
【0010】
管制システム1は、無人車両2と、管理装置3と、通信システム4とを備える。管理装置3は、コンピュータシステムを含み、例えば鉱山の管制施設5に設置される。通信システム4は、管理装置3と無人車両2との間で通信を実施する。管理装置3に無線通信機6が接続される。通信システム4は、無線通信機6を含む。管理装置3と無人車両2とは、通信システム4を介して無線通信する。無人車両2は、管理装置3からの走行コースデータに基づいて、作業現場を走行する。
【0011】
[無人車両]
無人車両2は、走行装置21と、走行装置21に支持される車両本体22と、車両本体22に支持されるダンプボディ23と、制御装置30とを備える。
【0012】
走行装置21は、走行装置21を駆動する駆動装置24と、走行装置21を制動するブレーキ装置25と、走行方向を調整する操舵装置26と、車輪27とを有する。
【0013】
車輪27が回転することにより、無人車両2は自走する。車輪27は、前輪27Fと後輪27Rとを含む。車輪27にタイヤが装着される。
【0014】
駆動装置24は、無人車両2を加速させるための駆動力を発生する。駆動装置24は、ディーゼルエンジンのような内燃機関を含む。なお、駆動装置24は、電動機を含んでもよい。駆動装置24で発生した動力が後輪27Rに伝達される。ブレーキ装置25は、無人車両2を減速又は停止させるための制動力を発生する。操舵装置26は、無人車両2の走行方向を調整可能である。無人車両2の走行方向は、車両本体22の前部の向きを含む。操舵装置26は、前輪27Fを操舵することによって、無人車両2の走行方向を調整する。
【0015】
制御装置30は、無人車両2に配置される。制御装置30は、無人車両2の外部の管理装置3と通信可能である。制御装置30は、駆動装置24を作動するためのアクセル指令、ブレーキ装置25を作動するためのブレーキ指令、及び操舵装置26を作動するためのステアリング指令を出力する。駆動装置24は、制御装置30から出力されたアクセル指令に基づいて、無人車両2を加速させるための駆動力を発生する。駆動装置24の出力が調整されることにより、無人車両2の走行速度が調整される。ブレーキ装置25は、制御装置30から出力されたブレーキ指令に基づいて、無人車両2を減速させるための制動力を発生する。操舵装置26は、制御装置30から出力されたステアリング指令に基づいて、無人車両2を直進又は旋回させるために前輪27Fの向きを変えるための力を発生する。
【0016】
また、無人車両2は、無人車両2の位置を検出する位置検出装置28を備える。無人車両2の位置が、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定される無人車両2の絶対位置を検出する。全地球航法衛星システムにより、グローバル座標系において規定される無人車両2の位置が検出される。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。位置検出装置28は、GNSS受信機を含み、無人車両2の絶対位置(座標)を検出する。
【0017】
また、無人車両2は、無線通信機29を備える。通信システム4は、無線通信機29を含む。無線通信機29は、管理装置3と無線通信可能である。
【0018】
[油圧システム]
図2は、本実施形態に係る無人車両2の一例を模式的に示す図である。
図2に示すように、無人車両2は、油圧システム10を有する。
【0019】
油圧システム10は、駆動装置24で発生した駆動力により作動する油圧ポンプ11と、流路を介して油圧ポンプ11と接続されるバルブ装置12と、油圧ポンプ11から供給された作動油により作動する第1油圧アクチュエータ13と、油圧ポンプ11から供給された作動油により作動する第2油圧アクチュエータ14と、作動油を収容する作動油タンク15とを有する。
【0020】
駆動装置24は、油圧ポンプ11の動力源である。油圧ポンプ11は、第1油圧アクチュエータ13の動力源及び第2油圧アクチュエータ14の動力源である。油圧ポンプ11は、駆動装置24の出力軸と接続され、駆動装置24で発生した駆動力により作動する。油圧ポンプ11は、作動油タンク15に収容されている作動油を吸引して、吐出口から吐出する。
【0021】
第1油圧アクチュエータ13は、操舵装置26を作動する。操舵装置26は、第1油圧アクチュエータ13で発生した動力により作動する。第1油圧アクチュエータ13は、油圧シリンダである。第1油圧アクチュエータ13は、作動油の流量に基づいて伸縮する。第1油圧アクチュエータ13が伸縮することにより、第1油圧アクチュエータ13に連結されている操舵装置26が作動する。
【0022】
油圧ポンプ11から吐出された作動油は、流路16A、バルブ装置12、及び流路16Bを介して、第1油圧アクチュエータ13に供給される。第1油圧アクチュエータ13から流出した作動油は、流路16B、バルブ装置12、及び流路16Dを介して、作動油タンク15に戻される。
【0023】
以下の説明においては、第1油圧アクチュエータ13を適宜、ステアリングシリンダ13、と称する。
【0024】
ステアリングシリンダ13は、ボトムを有するシリンダチューブ131と、シリンダチューブ131の内部空間をボトム室13Bとヘッド室13Hとに区画するピストン132と、ピストン132に連結されるロッド133とを備える。ボトム室13Bに流路16Bbが接続される。ヘッド室13Hに流路16Bhが接続される。
【0025】
油圧ポンプ11から吐出された作動油は、流路16A、バルブ装置12、及び流路16Bbを介して、ボトム室13Bに供給される。ボトム室13Bに作動油が供給されると、ステアリングシリンダ13は伸びる。
【0026】
また、油圧ポンプ11から吐出された作動油は、流路16A、バルブ装置12、及び流路16Bhを介して、ヘッド室13Hに供給される。ヘッド室13Hに作動油が供給されると、ステアリングシリンダ13は縮む。
【0027】
左側の前輪27Fと右側の前輪27Fとはリンク機構を介して連結される。本実施形態において、ステアリングシリンダ13は、ステアリングシリンダ13L及びステアリングシリンダ13Rを含む。ステアリングシリンダ13L及びステアリングシリンダ13Rの作動により、リンク機構を介して連結されている左側の前輪27Fと右側の前輪27Fとは、同期して作動する。なお、ステアリングシリンダ13は1つでもよい。
【0028】
第2油圧アクチュエータ14は、ダンプボディ23を作動する。ダンプボディ23は、第2油圧アクチュエータ14で発生した動力により作動する。第2油圧アクチュエータ14は、油圧シリンダである。第2油圧アクチュエータ14は、作動油に基づいて伸縮する。第2油圧アクチュエータ14が伸縮することにより、第2油圧アクチュエータ14に連結されているダンプボディ23が上下方向に移動する。
【0029】
油圧ポンプ11から吐出された作動油は、流路16A、バルブ装置12、及び流路16Cを介して、第2油圧アクチュエータ14に供給される。第2油圧アクチュエータ14から流出した作動油は、流路16C、バルブ装置12、及び流路16Dを介して作動油タンク15に戻される。
【0030】
以下の説明においては、第2油圧アクチュエータ14を適宜、ホイストシリンダ14、と称する。
【0031】
バルブ装置12は、制御装置30からの動作指令に基づいて作動する。バルブ装置12は、ステアリングシリンダ13及びホイストシリンダ14のそれぞれに接続される油圧回路16における作動油の流通状態を調整可能である。バルブ装置12は、ステアリングシリンダ13に供給される作動油の流量及び方向を調整可能な第1の流量調整弁と、ホイストシリンダ14に供給される作動油の流量及び方向とを調整可能な第2の流量調整弁とを含む。
【0032】
また、油圧回路16には、ステアリングシリンダ13に供給される作動油の温度を検出する温度センサ17が設けられる。温度センサ17は、ステアリングシリンダ13に接続されている流路16Bにおける作動油の温度を検出する温度センサ17Aと、作動油タンク15における作動油の温度を検出する温度センサ17Bとを含む。
【0033】
また、操舵装置26には、操舵装置26の操舵角を検出する操舵角センサ18が設けられる。操舵角センサ18は、例えばポテンショメータを含む。
【0034】
[作業現場]
図3は、本実施形態に係る無人車両2が稼働する作業現場の一例を模式的に示す図である。本実施形態において、作業現場は鉱山又は採石場であり、無人車両2は作業現場を走行して積荷を運搬するダンプトラックである。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。無人車両2に運搬される積荷として、鉱山又は採石場において掘削された鉱石又は土砂が例示される。
【0035】
無人車両2は、鉱山の作業場PA及び作業場PAに通じる走行路HLの少なくとも一部を走行する。作業場PAは、積込場LPA及び排土場DPAの少なくとも一方を含む。走行路HLは、交差点ISを含む。
【0036】
積込場LPAとは、無人車両2に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積込場LPAにおいて、油圧ショベルのような積込機7が稼働する。排土場DPAとは、無人車両2から積荷が排出される排出作業が実施されるエリアをいう。排土場DPAには、例えば破砕機8が設けられる。
【0037】
無人車両2は、無人車両2の走行条件を示す走行コースデータに基づいて、作業現場を走行する。
図3に示すように、走行コースデータは、間隔をあけて設定された複数のコース点CPを含む。コース点CPは、無人車両2の目標位置を規定する。複数のコース点CPのそれぞれに、無人車両2の目標走行速度及び目標走行方位が設定される。また、走行コースデータは、無人車両2の目標走行経路を示す走行コースCrを含む。走行コースCrは、複数のコース点CPを結ぶ線によって規定される。
【0038】
走行コースCrは、走行路HL及び作業場PAに設定される。無人車両2は、走行コースCrに従って、走行路HLを走行する。走行コースCrは、走行コースCr1と、走行コースCr2とを含む。例えば、無人車両2は、走行コースCr1に従って積込場LPAから排土場DPAに走行し、走行コースCr2に従って排土場DPAから積込場LPAに走行する。
【0039】
走行コースデータは、管理装置3において生成される。管理装置3は、生成した走行コースデータを、通信システム4を介して無人車両2の制御装置30に送信する。制御装置30は、走行コースデータに基づいて、無人車両2が走行コースCrに従って走行し、複数のコース点CPのそれぞれに設定されている目標走行速度及び目標走行方位に従って走行するように、走行装置21を制御する。
【0040】
[管理装置及び制御装置]
図4は、本実施形態に係る管理装置3及び制御装置30の一例を示す機能ブロック図である。制御装置30は、通信システム4を介して管理装置3と通信可能である。
【0041】
管理装置3は、表示装置41及び入力装置42のそれぞれと接続される。管制施設5に管理者が存在する。表示装置41は、管理者に表示データを提供する。入力装置42は、管理者に操作される。表示装置41として、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)又は有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display:OELD)のようなフラットパネルディスプレイが例示される。管理装置3は、表示装置41を制御する。管理者は、表示装置41の表示画面を見ることができる。入力装置42として、コンピュータ用キーボード、ボタン、スイッチ、及びタッチパネルの少なくとも一つが例示される。管理者は、入力装置42を操作することができる。入力装置42は、管理者に操作されることにより、入力データを生成する。入力装置42により生成された入力データは、管理装置3に出力される。
【0042】
本開示において、管理装置3及び制御装置30のそれぞれは、通信システム4を介して、他車両と通信する。作業現場においては、複数の無人車両2が稼働する。また、作業現場においては、積込機7のような、無人車両2とは別の作業車両も稼働する。また、作業現場においては、運転者の運転により稼働する有人車両が稼働する。本開示においては、他車両が、他の無人車両2、積込機7、及び有人車両の少なくとも一つであることとする。管理装置3は、複数の無人車両2のそれぞれと通信する。管理装置3は、積込機7と通信する。管理装置3は、有人車両と通信する。無人車両2の制御装置30は、制御装置30が搭載されている無人車両2とは別の無人車両2(他の無人車両2)と通信する。制御装置30は、積込機7と通信する。制御装置30は、有人車両と通信する。
【0043】
管理装置3は、管理受信部3Aと、管理送信部3Bと、加温指令部3Cと、表示制御部3Dと、管理判定部3Eと、入力データ取得部3Fと、稼働状況データ取得部3Gと、走行コースデータ生成部3Hと、加温キャンセル部3Iと、特定位置決定部3Jとを有する。
【0044】
管理受信部3Aは、通信システム4を介して制御装置30から送信されたデータを受信する。また、管理受信部3Aは、通信システム4を介して他車両から送信されたデータを受信する。
【0045】
管理受信部3Aは、ステアリングシリンダ13に供給される作動油データを制御装置30から受信する。本開示において、作動油データは、作動油の温度、及び作動油の流通が停止している時間を示す待機時間の少なくとも一方を含む。以下の説明においては、作動油データが作動油の温度であることとする。
【0046】
ステアリングシリンダ13に供給される作動油の温度は、温度センサ17により検出される。管理受信部3Aは、温度センサ17により検出された作動油の温度を制御装置30から受信する。
【0047】
また、管理受信部3Aは、ステアリングシリンダ13に供給される作動油の加温要求を制御装置30から受信する。制御装置30は、温度センサ17により検出された作動油の温度に基づいて、作動油の加温要求を出力する。管理受信部3Aは、制御装置30から送信された加温要求を受信する。
【0048】
管理送信部3Bは、通信システム4を介して制御装置30にデータを送信する。また、管理送信部3Bは、通信システム4を介して他車両にデータを送信する。
【0049】
管理送信部3Bは、ステアリングシリンダ13に供給される作動油の加温指令を制御装置30に送信する。
【0050】
加温指令部3Cは、加温要求に基づいて、作動油の加温指令を出力する。
【0051】
表示制御部3Dは、加温要求を出力した無人車両2を示す加温要求車両データを表示装置41に表示させる。上述のように、無人車両2は、位置検出装置28を有する。位置検出装置28で検出された無人車両2の位置データは、管理装置3に送信される。管理装置3は、作業現場で稼動する複数の無人車両2のそれぞれと通信する。複数の無人車両2のそれぞれの位置データが、管理装置3に送信される。表示制御部3Dは、複数の無人車両2のそれぞれの位置データに基づいて、複数の無人車両2のそれぞれの位置データを示す画像データを表示装置41に表示させる。無人車両2の位置データは、例えば無人車両2のキャラクタ画像を含む。無人車両2の位置が変化すると、無人車両2の位置の変化に伴って、表示装置41の表示画面において、無人車両2のキャラクタ画像が移動する。管理者は、キャラクタ画像を見て、作業現場における無人車両2の位置を、視覚を通じて認識することができる。
【0052】
表示制御部3Dは、加温要求を出力した無人車両2と、加温要求を出力していない無人車両2とを異なる表示形態で表示させる。本開示において、表示制御部3Dは、加温要求を出力していない無人車両2を示す加温未要求車両データとして、その無人車両2のキャラクタ画像を第1の色で表示させる。表示制御部3Dは、加温要求を出力した無人車両2を示す加温要求車両データとして、その無人車両2のキャラクタ画像を第1の色とは異なる第2の色で表示させる。これにより、管理者は、表示装置41を見て、作業現場において稼働する複数の無人車両2のうち、加温要求を出力した無人車両2を、視覚を通じて認識することができる。
【0053】
また、表示制御部3Dは、加温指令部3Cから出力された加温指令に基づいて作動油の加温処理を実行する無人車両2を示す加温実行車両データを表示装置41に表示させる。加温指令部3Cは、作動油の加温要求に基づいて、作業現場において稼働する複数の無人車両2のうち、作動油の加温要求を出力した特定の無人車両2に、加温指令を出力する。表示制御部3Dは、加温指令が出力され、加温指令に基づいて加温処理を実行している特定の無人車両2を示す加温実行車両データを表示装置41に表示させる。表示制御部3Dは、加温処理を実行している無人車両2と、加温処理を実行していない無人車両2とを異なる表示形態で表示させる。本開示において、表示制御部3Dは、加温処理を実行してない無人車両2を示す加温不実行車両データとして、その無人車両2のキャラクタ画像を第3の色で表示させる。表示制御部3Dは、加温処理を実行している無人車両2を示す加温実行車両データとして、その無人車両2のキャラクタ画像を第3の色とは異なる第4の色で表示させる。これにより、管理者は、表示装置41を見て、作業現場において稼働する複数の無人車両2のうち、加温処理を実行している無人車両2を、視覚を通じて認識することができる。
【0054】
なお、表示制御部3Dは、加温処理を実行している無人車両2と加温処理を実行していない無人車両2とを管理者が認識することができる表示データを表示装置41に表示させればよい。表示制御部3Dは、加温処理を実行している無人車両2を第1の形状のキャラクタ画像で表示装置41に表示させ、加温処理を実行していない無人車両2を第1の形状とは異なる第2の形状のキャラクタ画像で表示装置41に表示させてもよい。
【0055】
管理判定部3Eは、ステアリングシリンダ13に供給される作動油の加温処理の要否を判定する。加温指令部3Cは、作動油の加温処理が必要であると管理判定部3Eにより判定されたときに、加温指令を出力する。
【0056】
入力データ取得部3Fは、入力装置42が操作されることにより生成された入力データを取得する。管理判定部3Eは、入力データ取得部3Fにより取得された入力データに基づいて、加温処理の要否を判定する。例えば、加温要求を出力した無人車両2を示す加温要求車両データが表示装置41に表示されている場合、管理者は、表示装置41を見て、加温要求を出力した無人車両2に加温指令が送信されるように、入力装置42を操作する。管理判定部3Eは、入力データ取得部3Fにより取得された入力データに基づいて、加温処理が必要であると判定することができる。このように、管理判定部3Eは、管理者の意思に基づいて、加温処理の要否を判定することができる。
【0057】
稼働状況データ取得部3Gは、作業現場において稼働する他車両の稼働状況データを取得する。上述のように、他車両は、他の無人車両2、積込機7、及び有人車両の少なくとも一つを含む。他車両の稼働状況データは、他車両の位置、無人車両2と他車両との距離、及び他車両の走行状態の少なくとも一つを含む。稼働状況データ取得部3Gは、通信システム4を介して、他車両の稼働状況データを取得する。
【0058】
管理判定部3Eは、稼働状況データ取得部3Gにより取得された他車両の稼働状況データに基づいて、作動油の加温処理のために無人車両2を作業現場の特定位置に停車させるか否かを判定する。無人車両2は、停車した状態で加温処理を実行する。無人車両2の近くに他車両が存在する場合、加温処理のために無人車両2が停車すると、他車両の走行の妨げになる可能性がある。一方、無人車両2の近くに他車両が存在しない場合、無人車両2は、加温処理のために停車しても差し支えない可能性が高い。管理判定部3Eは、他車両の稼働状況データに基づいて、無人車両2の停車の適否を判定する。管理判定部3Eは、作業現場の生産性の低下を抑制するために、他車両の稼働状況データに基づいて、無人車両2の停車の適否を判定する。
【0059】
走行コースデータ生成部3Hは、走行コースCrを含む走行コースデータを生成する。走行コースCrは、無人車両2の目標走行経路を示す。また、走行コースデータは、走行コースに間隔をあけて設定された複数のコース点CPのそれぞれにおける目標走行速度及び目標走行方位を含む。複数のコース点CPのそれぞれは、無人車両2の目標位置を示す。走行コースCrは、複数のコース点CPのそれぞれを結ぶ線によって規定される。走行コースデータ生成部3Hは、生成した走行コースデータを管理送信部3Bに出力する。管理送信部3Bは、走行コースデータを無人車両2の制御装置30に送信する。
【0060】
また、走行コースデータ生成部3Hは、加温指令部3Cから加温指令が出力される場合に、無人車両2を作業現場の特定位置に移動するように、走行コースデータを変更する。上述のように、無人車両2は、停車した状態で加温処理を実行する。例えば、加温処理のために、無人車両2が走行路HLにおいて停車すると、他車両の走行の妨げになる可能性が高い。本開示においては、加温処理の実行に適した特定位置が作業現場に設定されている。特定位置として、例えば走行路HLの路肩又は駐機場のような他車両の走行を妨げない場所が例示される。走行コースデータ生成部3Hは、加温指令部3Cから特定の無人車両2に加温指令が出力された場合に、加温指令が出力された無人車両2が作業現場の特定位置に移動した後に停車するように、走行コースデータを変更する。変更後の走行コースデータは、管理送信部3Bから無人車両2の制御装置30に送信される。
【0061】
加温キャンセル部3Iは、加温処理を実行している無人車両2に加温処理を停止させる加温停止指令を出力する。
【0062】
加温キャンセル部3Iは、稼働状況データ取得部3Gにより取得された他車両の稼働状況データに基づいて、加温停止指令を出力する。例えば、無人車両2が積込場LPAに向かう途中で加温処理のために停車している場合、他の無人車両2が例えば障害物の存在のために停車してしまった場合、積込場LPAに向かう無人車両2が無くなってしまう又は少なくなってしまう。このような場合、加温キャンセル部3Iは、他の無人車両2の稼働状況データに基づいて、加温処理している無人車両2の加温処理を中断させ、その無人車両2の走行を開始させる。無人車両2は、積込場LPAに向かって走行する。これにより、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【0063】
なお、加温キャンセル部3Iは、入力装置42により生成される入力データに基づいて、加温停止指令を出力してもよい。管理者は、表示装置41に表示される複数の無人車両2の位置データに基づいて、稼働状況データを知ることができる。管理者は、表示装置41を見て、他の無人車両2が例えば障害物の存在ために停車してしまっていると判定した場合、加温処理のために停車している無人車両2の加温処理を中断させ、その無人車両2の走行を開始させるために、入力装置42を操作することができる。
【0064】
特定位置決定部3Jは、作業現場において加温処理のために無人車両2を停車させる特定位置を決定する。上述のように、加温処理は、無人車両2が加温処理の実行に適した特定位置に停車した状態で実行される。特定位置決定部3Jは、他車両の稼働状況データに基づいて、特定位置を決定する。特定位置決定部37は、他車両の走行の妨げにならないように、他車両の稼働状況データに基づいて、特定位置を決定する。
【0065】
制御装置30は、車両送信部31と、車両受信部32と、温度データ取得部33と、判定部34と、加温処理部35と、走行コースデータ取得部36と、走行指令部37とを有する。
【0066】
車両送信部31は、通信システム4を介して管理装置3にデータを送信する。また、車両送信部31は、通信システム4を介して他車両にデータを送信する。
【0067】
車両送信部31は、温度センサ17により検出されたステアリングシリンダ13に供給される供給される作動油の温度を示す温度データを管理装置3に送信する。
【0068】
また、車両送信部31は、ステアリングシリンダ13に供給される作動油の温度に基づいて、作動油の加温要求を管理装置3に送信する。
【0069】
車両受信部32は、通信システム4を介して制御装置30から送信されたデータを受信する。また、車両受信部32は、通信システム4を介して他車両から送信されたデータを受信する。
【0070】
車両受信部32は、加温要求に基づいて管理装置3において生成された作動油の加温指令を管理装置3から受信する。
【0071】
温度データ取得部33は、温度センサ17により検出されたステアリングシリンダ13に供給される作動油の温度を示す温度データを取得する。
【0072】
判定部34は、温度データ取得部33により取得された作動油の温度に基づいて、作動油の加温要求を出力するか否かを判定する。判定部34は、予め定められた温度閾値と温度センサ17により検出された作動油の温度とを比較して、温度センサ17により検出された作動油の温度が温度閾値以下であると判定したとき、作動油の加温要求を出力する。
【0073】
加温処理部35は、管理装置3から出力された加温指令に基づいて、作動油の加温処理を実行する。加温処理部35は、無人車両2が特定位置に停車した状態で、加温処理を実行する。
【0074】
走行コースデータ取得部36は、無人車両2の走行コースデータを、管理装置3から車両受信部32を介して取得する。
【0075】
走行指令部37は、無人車両2の走行を制御する。走行指令部37は、加温処理が実行される特定位置が決定された後、無人車両2を特定位置に移動させた後に停車させる。加温処理部35は、無人車両2が作業現場の特定位置に停車した後、加温処理を実行する。
【0076】
上述のように、走行コースデータ生成部3Hは、加温指令部3Cから加温指令が出力される場合に、無人車両2を作業現場の特定位置に移動するように、走行コースデータを変更する。走行指令部37は、加温指令が出力されない場合に、無人車両2が変更前の走行コースデータに従って走行するように走行を制御する。走行指令部37は、加温指令が出力される場合に、無人車両2が変更後の走行コースデータに従って走行するように走行を制御する。
【0077】
[加温処理]
図5は、本実施形態に係る作動油の加温処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、本実施形態に係る作動油の加温処理を説明するための図である。
【0078】
加温処理は、無人車両2が停車した状態で実行される。無人車両2の車輪27の回転が停止している状態において、加温処理部35は、ホイストシリンダ14に供給される作動油が流れる油圧回路16の少なくとも一部において作動油を循環させる。本実施形態において、加温処理部35は、ダンプボディ23を下げた状態で、油圧ポンプ11から作動油を吐出して、流路16Cを含む油圧回路16の少なくとも一部において作動油を循環させる。作動油は、流路16Cを含む油圧回路16の少なくとも一部において流通する。
【0079】
図6に示すように、ホイストシリンダ14は、ボトムを有するシリンダチューブ141と、シリンダチューブ141の内部空間をボトム室14Bとヘッド室14Hとに区画するピストン142と、ピストン142に連結されるロッド143とを備える。
【0080】
ボトム室14Bに流路16Cbが接続される。ヘッド室14Hに流路16Chが接続される。バルブ装置12は、流路16Cb及び流路16Chに接続される流量調整弁121(第2の流量調整弁)と、リリーフ弁122とを有する。流路16Aは、油圧ポンプ11と接続される。流路16Daは、流量調整弁121に接続される。流路16Dbは、流路16Aに接続される。リリーフ弁122は、流路16Dbに配置される。
【0081】
流量調整弁121は、加温処理部35からの制御指令に基づいて作動する。流量調整弁121は、方向制御弁を含む。加温処理部35は、油圧ポンプ11から吐出された作動油がボトム室14B及びヘッド室14Hの一方に供給されるように、流量調整弁121を制御する。
【0082】
油圧ポンプ11から吐出された作動油は、流路16A、流量調整弁121、及び流路16Cbを介して、ボトム室14Bに供給される。ボトム室14Bに作動油が供給されると、ホイストシリンダ14は伸び、ダンプボディ23は上がり、ダンプ動作する。
【0083】
また、油圧ポンプ11から吐出された作動油は、流路16A、流量調整弁121、及び流路16Chを介して、ヘッド室14Hに供給される。ヘッド室14Hに作動油が供給されると、ホイストシリンダ14は縮み、ダンプボディ23は下がる。
【0084】
本実施形態において、加温処理部35は、油圧ポンプ11の作動及びバルブ装置12の作動を制御する。作動油の温度を上昇させるとき、加温処理部35は、ダンプボディ23を下げた状態で、油圧ポンプ11を作動し続ける。ダンプボディ23を下げた状態は、ピストン142がシリンダチューブ141のボトム側の端部(ストロークエンド)に移動した状態を含む。ダンプボディ23を下げた状態で、油圧ポンプ11が作動し続けると、作動油がホイストシリンダ14を流通し、ヘッド室14Hの圧力が上昇する。ヘッド室14Hの圧力が閾値以上に上昇すると、リリーフ弁122が開放される。これにより、油圧ポンプ11から吐出され、流路16Aを流れた作動油は、リリーフ弁122及び流路16Dbを介して、作動油タンク15に戻される。すなわち、ダンプボディ23を下げた状態で、油圧ポンプ11を作動し続けると、油圧ポンプ11から吐出された作動油は、流路16A、リリーフ弁122、流路16Db、及び作動油タンク15を含む油圧回路16の一部の循環経路において循環する(ステップSD1)。
【0085】
作動油が循環するように流通することにより、流路との摩擦抵抗によって、作動油の温度は上昇する。これにより、作動油タンク15に収容される作動油の温度が上昇する。
【0086】
ホイストシリンダ14に供給される作動油が流れる流路16Aを含む油圧回路16の少なくとも一部において作動油を循環させて作動油タンク15の作動油の温度を上昇させた後、加温処理部35は、無人車両2が停車した状態で、ステアリングシリンダ13が作動するようにバルブ装置12を制御する(ステップSD2)。
【0087】
無人車両2が停車している状態で、ステアリングシリンダ13が作動することにより、前輪27Fに装着されているタイヤと地面とが接触した状態で、タイヤの向きが切り換えられる。すなわち、すえ切り動作が実施される。ステアリングシリンダ13が作動するように油圧ポンプ11からステアリングシリンダ13に作動油が供給されることにより、温度が上昇している作動油タンク15の作動油がステアリングシリンダ13に供給されることとなる。
【0088】
温度が上昇している作動油がステアリングシリンダ13に供給された状態で、無人車両2の走行が開始される。温度が上昇している作動油がステアリングシリンダ13に供給されるので、操舵装置26の操舵応答性の低下が抑制される。
【0089】
[制御方法]
図7は、本実施形態に係る無人車両2の制御方法の一例を示すフローチャートである。管理装置3において、走行コースデータ生成部3Hは、走行コースデータを生成する。管理送信部3Bは、生成された走行コースデータを、通信システム4を介して無人車両2の制御装置30に送信する(ステップSA11)。
【0090】
制御装置30において、走行コースデータ取得部36は、走行コースデータを取得する。走行指令部37は、走行コースデータに基づいて、走行コースCrに従って無人車両2が走行するように、走行装置21を制御する。
【0091】
無人車両2の走行において、作動油の温度が温度センサ17により検出される。作動油の温度は、温度データ取得部33に取得される。判定部34は、作動油の温度に基づいて、作動油の加温要求を出力するか否かを判定する(ステップSB11)。
【0092】
ステップSB11において、作動油の加温要求を出力しないと判定された場合、無人車両2は、走行コースデータに基づいて、走行を継続する。ステップSB11において、作動油の加温要求を出力すると判定された場合、車両送信部31は、加温要求を管理装置3に送信する(ステップSB12)。
【0093】
稼働状況データ取得部3Gは、他車両の稼働状況データを取得する(ステップSA12)。
【0094】
表示制御部3Dは、加温要求を出力した無人車両2を示す加温要求車両データ、及び他車両の稼働状況データを表示装置41に表示させる(ステップSA13)。
【0095】
管理者は、表示装置41を見て、作動油の加温が必要であると認識した場合、他車両の稼働状況データに基づいて、加温処理のために無人車両2を停車させる特定位置を決定する。管理者は、他の無人車両2の走行が妨げられないように、特定位置を決定する(ステップSA14)。
【0096】
管理者は、入力装置42を操作して、決定した特定位置を管理装置3に入力する。入力装置42が操作されることにより生成された入力データは、入力データ取得部3Fに取得される走行コースデータ生成部3Hは、無人車両2を作業現場の特定位置に移動するように、走行コースデータを変更する(ステップSA15)。
【0097】
走行コースデータ生成部3Hは、変更後の走行コースデータを、管理送信部3Bを介して無人車両2の制御装置30に送信する(ステップSA16)。
【0098】
走行コースデータ取得部36は、変更後の走行コースデータを取得する。走行指令部37は、無人車両2が変更後の走行コースデータに従って走行するように、無人車両2の走行を制御する。無人車両2は、変更後の走行コースデータに従って、特定位置に走行した後、特定位置に停車する(ステップSB13)。
【0099】
管理者は、表示装置41を見て、無人車両2が特定位置で停車したことを確認した後、加温指令が出力されるように、入力装置42を操作する。入力装置42が操作されることにより生成された入力データは、入力データ取得部3Fに取得される(ステップSA17)。
【0100】
加温指令部3Cは、入力データに基づいて、加温指令を出力する。加温指令部3Cは、管理送信部3Bを介して、加温指令を制御装置30に送信する(ステップSA18)。
【0101】
加温処理部35は、車両受信部32を介して加温指令を受信する。
【0102】
加温処理部35は、無人車両2が特定位置に停車した状態で、加温処理を実行する。加温処理部35は、
図5及び
図6を参照して説明した加温処理を実行する(ステップSB14)。
【0103】
加温処理が実行されることにより、作動油の温度が上昇する。判定部34は、温度センサ17により検出された作動油の温度に基づいて、加温処理を終了するか否かを判定する(ステップSB15)。
【0104】
判定部34は、作動油の温度が予め定められている規定温度まで上昇したと判定したとき、加温処理を終了すると判定する。
【0105】
加温処理の終了を示す加温処理終了データが車両送信部31から管理装置3に送信される。走行コースデータ生成部3Hは、特定位置に停車している無人車両2を走行路HLに復帰させるための走行コースデータを生成する。走行コースデータ生成部3Hは、無人車両2を走行路HLに復帰させるための走行コースデータを、管理送信部3Bを介して制御装置30に送信する(ステップSA19)。
【0106】
加温処理が終了した後、走行制御部39は、無人車両2の走行を再開する(ステップSB16)。走行指令部37は、無人車両2を走行路HLに復帰させるための走行コースデータに基づいて、無人車両2を走行させる。温度が上昇している作動油がステアリングシリンダ13に供給されるので、操舵装置26の操舵応答性の低下が抑制される。
【0107】
なお、作業現場において、停車している無人車両2が存在する。例えば積込場LPAの入口又は駐機場において、停車している無人車両2が存在する。停車している無人車両2において、作動油の温度が温度センサ17により検出される。作動油の温度は、温度データ取得部33に取得される。判定部34は、作動油の温度に基づいて、作動油の加温要求を出力するか否かを判定する。作動油の加温要求を出力すると判定された場合、車両送信部31は、加温要求を管理装置3に送信する。
【0108】
表示制御部3Dは、加温要求を出力した無人車両2を示す加温要求車両データを表示装置41に表示させる。管理者は、表示装置41を見て、停車中の無人車両2の作動油の加温が必要であると認識した場合、加温指令が出力されるように、入力装置42を操作する。入力装置42が操作されることにより生成された入力データは、入力データ取得部3Fに取得される。加温指令部3Cは、入力データに基づいて、加温指令を出力する。加温指令部3Cは、管理送信部3Bを介して、加温指令を制御装置30に送信する。停車中の無人車両2の加温処理部35は、車両受信部32を介して加温指令を受信する。加温処理部35は、加温処理を実行する。
【0109】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、管理装置3から送信される加温指令に基づいて、作動油の加温処理が実行される。これにより、例えば管理者は、任意のタイミングで任意の無人車両2の加温処理を実行することができる。
【0110】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0111】
図8は、本実施形態に係る無人車両2の制御方法の一例を示すフローチャートである。管理装置3において、走行コースデータ生成部3Hは、走行コースデータを生成する。管理送信部3Bは、生成された走行コースデータを、通信システム4を介して無人車両2の制御装置30に送信する(ステップSA21)。
【0112】
制御装置30において、走行コースデータ取得部36は、走行コースデータを取得する。走行指令部37は、走行コースデータに基づいて、走行コースCrに従って無人車両2が走行するように、走行装置21を制御する。
【0113】
無人車両2の走行において、作動油の温度が温度センサ17により検出される。作動油の温度データは、温度データ取得部33に取得される。判定部34は、作動油の温度データに基づいて、作動油の加温要求を出力するか否かを判定する(ステップSB21)。
【0114】
ステップSB21において、作動油の加温要求を出力しないと判定された場合、無人車両2は、走行コースデータに基づいて、走行を継続する。ステップSB21において、作動油の加温要求を出力すると判定された場合、車両送信部31は、加温要求を管理装置3に送信する(ステップSB22)。
【0115】
表示制御部3Dは、加温要求を出力した無人車両2を示す加温要求車両データを表示装置41に表示させる(ステップSA22)。
【0116】
管理者は、表示装置41を見て、作動油の加温が必要であると認識した場合、加温指令が出力されるように、入力装置42を操作する。入力装置42が操作されることにより生成された入力データは、入力データ取得部3Fに取得される(ステップSA23)。
【0117】
加温指令部3Cは、入力データに基づいて、加温指令を出力する。加温指令部3Cは、管理送信部3Bを介して、加温指令を制御装置30に送信する(ステップSA24)。
【0118】
加温処理部35は、車両受信部32を介して加温指令を受信する。
【0119】
稼働状況データ取得部3Gは、他車両の稼働状況データを取得する(ステップSA25)。
【0120】
特定位置決定部3Jは、他車両の稼働状況データに基づいて、加温処理を実行させる特定位置を決定する。特定位置決定部3Jは、他の無人車両2の走行が妨げられないように、特定位置を決定する(ステップSA26)。
【0121】
走行コースデータ生成部3Hは、加温指令部3Cから加温指令が出力されるときに、無人車両2を作業現場の特定位置に移動した後に停車するように、走行コースデータを変更する。走行コースデータ生成部3Hは、変更後の走行コースデータを、管理送信部3Bを介して無人車両2の制御装置30に送信する(ステップSA27)。
【0122】
走行コースデータ取得部36は、変更後の走行コースデータを取得する。走行指令部37は、無人車両2が変更後の走行コースデータに従って走行するように、無人車両2の走行を制御する。無人車両2は、変更後の走行コースデータに従って、特定位置に走行し、停車する(ステップSB23)。
【0123】
加温処理部35は、無人車両2が特定位置に停車した状態で、加温処理を実行する。加温処理部35は、
図5及び
図6を参照して説明した加温処理を実行する(ステップSB24)。
【0124】
加温処理が実行されることにより、作動油の温度が上昇する。判定部34は、温度センサ17により検出された作動油の温度に基づいて、加温処理を終了するか否かを判定する(ステップSB25)。
【0125】
判定部34は、作動油の温度が予め定められている規定温度まで上昇したと判定したとき、加温処理を終了すると判定する。
【0126】
加温処理の終了を示す加温処理終了データが車両送信部31から管理装置3に送信される。走行コースデータ生成部3Hは、特定位置に停車している無人車両2を走行路HLに復帰させるための走行コースデータを生成する。走行コースデータ生成部3Hは、無人車両2を走行路HLに復帰させるための走行コースデータを、管理送信部3Bを介して制御装置30に送信する(ステップSA28)。
【0127】
加温処理が終了した後、走行制御部39は、無人車両2の走行を再開する(ステップSB26)。走行指令部37は、無人車両2を走行路HLに復帰させるための走行コースデータに基づいて、無人車両2を走行させる。温度が上昇している作動油がステアリングシリンダ13に供給されるので、操舵装置26の操舵応答性の低下が抑制される。
【0128】
以上説明したように、本実施形態によれば、特定位置が管理装置3により決定される。管理装置3から送信される加温指令に基づいて、作動油の加温処理が実行される。これにより、任意のタイミングで任意の無人車両2の加温処理が実行される。温度が上昇している作動油がステアリングシリンダ13に供給されるので、操舵装置26の操舵応答性の低下が抑制される。
【0129】
なお、本実施形態においては、加温要求を出力した無人車両2を示す加温要求車両データが表示装置41に表示され、管理者は、表示装置41を確認して、加温指令が出力されるように入力装置42を操作することとした。表示装置41に加温要求車両データが表示されなくてもよい。例えば、無人車両2の作動油の温度又は待機時間が表示されるだけでもよい。管理者は、表示装置41に表示された作動油の温度又は待機時間を確認して、作動油の加温が必要であると認識した場合、加温指令が出力されるように入力装置42を操作してもよい。
【0130】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0131】
図9は、本実施形態に係る無人車両2の制御方法の一例を示すフローチャートである。管理送信部3Bは、走行コースデータを、通信システム4を介して無人車両2の制御装置30に送信する(ステップSA31)。
【0132】
走行指令部37は、走行コースデータに基づいて、走行コースCrに従って無人車両2が走行するように、走行装置21を制御する。
【0133】
判定部34は、作動油の温度に基づいて、作動油の加温要求を出力するか否かを判定する(ステップSB31)。
【0134】
ステップSB31において、作動油の加温要求を出力すると判定された場合、車両送信部31は、加温要求を管理装置3に送信する(ステップSB32)。
【0135】
表示制御部3Dは、加温要求を出力した無人車両2を示す加温要求車両データを表示装置41に表示させる(ステップSA32)。
【0136】
管理者は、表示装置41を見て、作動油の加温が必要であると認識した場合、加温指令が出力されるように、入力装置42を操作する。入力装置42が操作されることにより生成された入力データは、入力データ取得部3Fに取得される(ステップSA33)。
【0137】
加温指令部3Cは、入力データに基づいて、加温指令を出力する。加温指令部3Cは、管理送信部3Bを介して、加温指令を制御装置30に送信する(ステップSA34)。
【0138】
加温処理部35は、車両受信部32を介して加温指令を受信する。
【0139】
稼働状況データ取得部3Gは、他車両の稼働状況データを取得する(ステップSA35)。
【0140】
特定位置決定部3Jは、他車両の稼働状況データに基づいて、加温処理を実行させる特定位置を決定する(ステップSA36)。
【0141】
走行コースデータ生成部3Hは、加温指令部3Cから加温指令が出力されるときに、無人車両2を作業現場の特定位置に移動した後に停車するように、走行コースデータを変更する。走行コースデータ生成部3Hは、変更後の走行コースデータを、管理送信部3Bを介して無人車両2の制御装置30に送信する(ステップSA37)。
【0142】
走行コースデータ取得部36は、変更後の走行コースデータを取得する。走行指令部37は、無人車両2が変更後の走行コースデータに従って走行するように、無人車両2の走行を制御する。無人車両2は、変更後の走行コースデータに従って、特定位置に走行し、停車する(ステップSB33)。
【0143】
加温処理部35は、無人車両2が特定位置に停車した状態で、
図5及び
図6を参照して説明した加温処理を実行する(ステップSB34)。
【0144】
加温キャンセル部3Iは、他車両の稼働状況データに基づいて、加温処理のために停車中の無人車両2の走行を再開させると判定した場合、加温停止指令を出力する(ステップSA38)。
【0145】
走行コースデータ生成部3Hは、特定位置に停車している無人車両2を走行路HLに復帰させるための走行コースデータを生成して、管理送信部3Bを介して制御装置30に送信する(ステップSA39)。
【0146】
走行指令部37は、加温停止指令に基づいて、無人車両2の走行を再開させる。走行指令部37は、無人車両2を走行路HLに復帰させるための走行コースデータに基づいて、無人車両2の走行を再開させる(ステップSB35)。
【0147】
以上説明したように、本実施形態によれば、加温キャンセル部3Iにより、必要に応じて、無人車両2の加温処理を中断させることができる。例えば、他の無人車両2が障害物の存在のために停車してしまった場合、作業現場の生産性の低下抑制の観点から、加温処理している無人車両2の加温処理を中断させ、その無人車両2の走行を再開させることが好ましい状況が発生する可能性がある。本実施形態によれば、加温キャンセル部3Iにより、必要に応じて、無人車両2の加温処理を中断させることができるので、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【0148】
<コンピュータシステム>
図10は、コンピュータシステム1000の一例を示すブロック図である。上述の管理装置3及び制御装置30のそれぞれは、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の管理装置3の機能及び制御装置30の機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0149】
<その他の実施形態>
上述の実施形態においては、作動油データとして作動油の温度が温度センサ17により検出され、作動油の温度に基づいて、作動油の加温要求が出力されることとした。油圧回路16及び油圧アクチュエータ(13,14)において作動油の流通が停止している状態が継続されると、作動油の温度が低下する。そのため、作動油データとして作動油の流通が停止している時間を示す待機時間に基づいて、作動油の加温要求が出力されてもよい。判定部34は、作動油の流通が停止している待機時間に基づいて、作動油の加温要求を出力するか否かを判定する。判定部34は、予め定められた時間閾値と作動油の流通が停止している時間とを比較して、作動油の流通が停止している時間が時間閾値以下であると判定したとき、作動油の加温要求を出力してもよい。
【0150】
上述の実施形態において、作業現場においては複数の無人車両2が稼働する。管理装置3は、複数の無人車両2のそれぞれの稼働状況(配車状況)を取得することができる。例えば積込場LPAにおいて先行の無人車両2に対する積込作業が実行されている場合、次に積込作業が実行される無人車両2は、積込場LPAの入口に停車して待機する場合がある。管理装置3は、積込場LPAの入口において停車している無人車両2から加温要求が出力された場合、積込場LPAの入口において加温処理が実行されるように、次の無人車両2の制御装置30に加温指令を出力してもよい。管理装置3は、積込場LPAの入口で複数台の無人車両2が待機している状況を把握することができる。管理装置3は、積込場LPAの入口における無人車両2の待機時間が長いと予測した場合、加温処理を実行してもよい。
【0151】
なお、上述の実施形態において、無人車両2の制御装置30の機能の少なくとも一部が管理装置3に設けられてもよいし、管理装置3の機能の少なくとも一部が制御装置30に設けられてもよい。
【0152】
なお、上述の実施形態においては、走行コースデータが管理装置3において生成され、無人車両2は管理装置3から送信された走行コースデータに従って走行することとした。無人車両2の制御装置30が走行コースデータを生成してもよい。すなわち、制御装置30が走行コースデータ生成部3Hを有してもよい。また、管理装置3及び制御装置30のそれぞれが走行コースデータ生成部3Hを有してもよい。
【0153】
なお、上述の実施形態においては、無人車両2が運搬車両の一種であるダンプトラックであることとした。無人車両2は、例えば油圧ショベル又はブルドーザのような作業機を備える作業機械でもよい。
【符号の説明】
【0154】
1…管制システム、2…無人車両、3…管理装置、3A…管理受信部、3B…管理送信部、3C…加温指令部、3D…表示制御部、3E…管理判定部、3F…入力データ取得部、3G…稼働状況データ取得部、3H…走行コースデータ生成部、3I…加温キャンセル部、3J…特定位置決定部、4…通信システム、5…管制施設、6…無線通信機、7…積込機、8…破砕機、10…油圧システム、11…油圧ポンプ、12…バルブ装置、13…ステアリングシリンダ(第1油圧アクチュエータ)、13B…ボトム室、13H…ヘッド室、13L…ステアリングシリンダ、13R…ステアリングシリンダ、14…ホイストシリンダ(第2油圧アクチュエータ)、14B…ボトム室、14H…ヘッド室、15…作動油タンク、16…油圧回路、16A…流路、16B…流路、16Bb…流路、16Bh…流路、16C…流路、16Cb…流路、16Ch…流路、16D…流路、16Da…流路、16Db…流路、17…温度センサ、17A…温度センサ、17B…温度センサ、18…操舵角センサ、21…走行装置、22…車両本体、23…ダンプボディ、24…駆動装置、25…ブレーキ装置、26…操舵装置、27…車輪、27F…前輪、27R…後輪、28…位置検出装置、29…無線通信機、30…制御装置、31…車両送信部、32…車両受信部、33…温度データ取得部、34…判定部、35…加温処理部、36…走行コースデータ取得部、37…走行指令部、41…表示装置、42…入力装置、121…流量調整弁、122…リリーフ弁、131…シリンダチューブ、132…ピストン、133…ロッド、141…シリンダチューブ、142…ピストン、143…ロッド、Cr…走行コース、Cr1…走行コース、Cr2…走行コース、HL…走行路、PA…作業場、DPA…排土場、LPA…積込場。