(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/18 20090101AFI20241004BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241004BHJP
【FI】
H04W16/18 110
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2019201110
(22)【出願日】2019-11-06
【審査請求日】2022-10-31
【審判番号】
【審判請求日】2024-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕二
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】圓道 浩史
【審判官】本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-253680(JP,A)
【文献】特開2018-195897(JP,A)
【文献】特開2018-201071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた中継無線通信装置と、
前記中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムであって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記中継無線通信装置から発せられている電波の強度を検出する電波検出手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記電波検出手段が検出した電波の強度を示す電波情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての前記中継無線通信装置から発せられる電波の所定の強度分布を示す電波分布情報のうち前記読取位置に対応する電波の強度と、前記端末装置から受信した前記電波情報が示す電波の強度と、の比較結果に基づいて、前記中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
複数の前記中継無線通信装置を備え、
前記通信手段は、複数の前記中継無線通信装置から選択された一の中継無線通信装置を介して前記情報処理装置と通信を行い、
前記電波検出手段は、前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記複数の中継無線通信装置の各々から発せられている電波の強度を検出し、
前記電波情報は、前記電波検出手段が検出した各前記電波の強度を示し、
前記電波分布情報は、前記複数の中継無線通信装置から各々発せられる電波の強度分布を示すことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、受信した前記電波情報が示す電波強度に応じて前記電波分布情報を修正した内容の修正電波分布情報を生成する情報生成手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記情報生成手段は、前記端末装置から二以上の前記電波情報を受信した場合に、相対的に新しい前記電波情報に基づいて前記修正電波分布情報を更新することを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記識別標識は、識別対象の物品の識別に用いられ、
前記識別標識情報は、前記読取手段により読み取られた前記識別標識に基づいて識別された前記物品に係る情報を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記識別標識は、識別対象の複数の物品の各々に付されており、
前記電波検出手段は、前記読取手段が前記複数の物品の各々の前記識別標識を読み取るごとに前記中継無線通信装置から発せられている電波の強度を検出し、
前記通信制御手段は、前記読取手段が前記複数の物品の各々の前記識別標識を読み取るごとに、前記識別標識情報及び前記電波情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させることを特徴とする請求項5に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記異常検出手段が前記異常を検出した場合に所定の報知動作を行う報知手段を備えることを特徴とする請求項1~
6のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントといった中継無線通信装置を介して、サーバ等の情報処理装置と、端末装置との間で通信を行う無線通信システムがある。このうち端末装置は、中継無線通信装置との間で無線通信を行う。
【0003】
このような無線通信システムでは、複数の中継無線通信装置を設け、各中継無線通信装置から発せられる電波の状況等に応じて端末装置が接続する中継無線通信装置を切り替えることで、所定の通信エリア内の任意の位置でいずれかの中継無線通信装置を介して情報処理装置と通信を行えるようにする技術がある(例えば特許文献1、2)。この技術では、無線通信システムの運用開始前に、複数の中継無線通信装置から発せられる電波の状況を調査するサイトサーベイが行われ、通信エリアの各位置に対して少なくとも1つの中継無線通信装置からの電波が届くように中継無線通信装置の位置や数などが調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-199447号公報
【文献】特開2005-184729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サイトサーベイの後に、通信エリア内で電波を遮る構造物の配置が変わったり、一部の中継無線通信装置が故障したりすることで、通信エリアのうち特定の領域で中継無線通信装置からの電波強度が低下する場合がある。電波強度が低下すると、通信が不調となって通信効率が低下したり、通信障害が発生したりする。このため、電波の分布に異常が生じているか否かを定期的に調査することが望ましいが、頻繁にサイトサーベイを行うと手間やコストが掛かる。
このように、上記従来の技術では、一旦サイトサーベイが終了すると、中継無線通信装置から発せられる電波の異常を簡易に検出することができないという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、電波の異常を簡易に検出することができる無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の無線通信システムは、
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた中継無線通信装置と、
前記中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムであって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記中継無線通信装置から発せられている電波の強度を検出する電波検出手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記電波検出手段が検出した電波の強度を示す電波情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての前記中継無線通信装置から発せられる電波の所定の強度分布を示す電波分布情報のうち前記読取位置に対応する電波の強度と、前記端末装置から受信した前記電波情報が示す電波の強度と、の比較結果に基づいて、前記中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電波の異常を簡易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報取得管理システムの構成を示す模式図である。
【
図2】通信エリアにおけるアクセスポイントの配置の例を示す図である。
【
図3】サーバの主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図5】通信エリアのサイトサーベイを説明する図である。
【
図6】
図5に示すサイトサーベイの結果に基づいて生成された基準電波強度データの内容例を示す図である。
【
図7】
図5のサイトサーベイの結果に基づいて生成された基準電波マップの内容例を示す図である。
【
図8】ハンディターミナルの主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図9】遮蔽物が置かれた通信エリアを示す図である。
【
図11】検出電波強度データの内容例を示す図である。
【
図13】修正された検出電波マップの内容例を示す図である。
【
図14】端末側棚卸処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図15】サーバ側棚卸処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図16】変形例に係る端末側棚卸処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図18】電波検出結果データの内容例を示す図である。
【
図19】規定アクセスポイントの特定方法を説明する図である。
【
図20】第2の実施形態に係るサーバの主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図21】規定アクセスポイントデータの内容例を示す図である。
【
図22】第2の実施形態に係る端末側棚卸処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図23】第2の実施形態に係るサーバ側棚卸処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の無線通信システム、情報処理装置、端末装置及びプログラムに係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の情報取得管理システムの構成を示す模式図である。
情報取得管理システム1(無線通信システム)は、サーバ10(情報処理装置)と、サーバ10と通信可能に設けられた第1のアクセスポイント20a(中継無線通信装置)及び第2のアクセスポイント20b(中継無線通信装置)と、第1のアクセスポイント20a又は第2のアクセスポイント20bとの無線通信(ここでは、無線LAN通信)を介してサーバ10と通信を行うハンディターミナル30(端末装置)と、を備える。以下では、第1のアクセスポイント20a及び第2のアクセスポイント20bのうち任意の1つを指す場合には「アクセスポイント20」と記す。
【0013】
アクセスポイント20は、無線LAN通信の中継器である。各アクセスポイント20は、当該アクセスポイント20から所定範囲内にあるハンディターミナル30との間で無線LAN通信を行う。ここで、所定範囲は、アクセスポイント20から発せられる(送信される)電波が、ハンディターミナル30により検出可能な下限値以上の強度で届く範囲である。
【0014】
サーバ10は、通信ネットワークNを介して第1のアクセスポイント20a及び第2のアクセスポイント20bと接続されており、ハンディターミナル30から第1のアクセスポイント20a又は第2のアクセスポイント20bを介して送信された情報を記憶して管理する。サーバ10は、複数設けられていてもよい。通信ネットワークNは、例えば、インターネットとすることができるが、LAN、WAN(Wide Area Network)等のネットワークであってもよい。
【0015】
情報取得管理システム1では、識別対象の物品としての商品等に付された、バーコード(識別標識)がハンディターミナル30により読み取られる。そして、読み取られたバーコード、及び当該バーコードにより識別された商品に係る情報(以下では、バーコード情報とも記す)が、ハンディターミナル30から、アクセスポイント20との無線通信を介してサーバ10に送信されて管理される。このバーコード情報は、「識別標識情報」に対応する。バーコード情報は、読み取られたバーコードを特定可能な内容を少なくとも含む。また、バーコード情報には、バーコードをデコードして得られる情報、当該情報に予め対応付けられている情報(例えば、バーコードをデコードして得られる商品コードに予め対応付けられている商品情報)、及びバーコードの読み取りに応じて計数された商品の数量に係る情報などが含まれていてもよい。バーコードは、1次元バーコードであってもよいし、2次元バーコードであってもよい。
【0016】
情報取得管理システム1は、例えば小売業における商品の棚卸や、流通販売業における倉庫の商品のピッキングなどに用いることができる。これらの場合には、アクセスポイント20は、小売業における店舗や、流通販売業における倉庫などの施設内に設置され、ハンディターミナル30は、当該施設内で使用される。他方で、サーバ10は、アクセスポイント20との間で通信ネットワークNを介した情報の送受信が可能であれば設置位置は特には限られず、上記の施設内に設置されていてもよいし、遠隔地に設置されていてもよい。
【0017】
情報取得管理システム1では、管理対象の商品が保管されている施設内における通信エリア2(
図2参照)に複数(本実施形態では、2つ)のアクセスポイント20が設置されており、通信エリア2内の各位置において、少なくとも1つのアクセスポイント20との無線通信が可能とされている。すなわち、通信エリア2のうち、一のアクセスポイント20との通信可能範囲外となる領域が、他の少なくとも一のアクセスポイント20の通信可能範囲によりカバーされるように、複数のアクセスポイント20が設置されている。よって、ハンディターミナル30は、通信エリア2内の位置に応じて通信接続対象のアクセスポイント20を切り替える(ローミングを行う)ことで、通信エリア2内の任意の位置でいずれかのアクセスポイント20を介してサーバ10に対して情報を送信することができる。
【0018】
図2は、通信エリア2におけるアクセスポイント20の配置の例を示す図である。
本実施形態では、X方向に長い矩形の通信エリア2のうち、-X方向側の端部近傍、かつY方向について略中央の位置P1に第1のアクセスポイント20aが配置され、+X方向側の端部近傍、かつY方向について略中央の位置P2に第2のアクセスポイント20bが配置されている。また、通信エリア2内の位置PB1、PB2、PB3に、それぞれバーコードB1が付された商品、バーコードB2が付された商品、バーコードB3が付された商品が配置されているものとする。詳しくは、X方向について、位置PB2、PB3は通信エリア2の略中央であり、位置PB1は位置P1と位置PB2、PB3との中間位置である。また、Y方向について、位置PB1は略中央であり、位置PB2は中央より+Y方向側、位置PB3は中央より-Y方向側である。
以下では、バーコードB1~B3のうち任意の1つを指す場合には、単に「バーコード」と記す。
【0019】
次に、サーバ10の構成について説明する。
図3は、サーバ10の主要な機能構成を示すブロック図である。
サーバ10は、CPU11(Central Processing Unit)と、RAM12(Random Access Memory)と、ROM13(Read Only Memory)と、記憶部14と、操作部15と、表示部16(報知手段)と、通信部17と、バス18などを備える。サーバ10の各部は、バス18を介して接続されている。
【0020】
CPU11は、記憶部14に記憶されているプログラム141に従って各種処理を行うことでサーバ10の各部を制御するプロセッサである。CPU11は、プログラム141を実行して各種処理を行うことで、読取位置特定手段、異常検出手段、情報生成手段として機能する。
【0021】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM12は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0022】
ROM13は、情報を読み出し可能な不揮発性の記憶部であり、各種設定データ等が格納されている。
【0023】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリといった、データの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備え、プログラム141や各種データを記憶する。記憶部14に記憶されるデータとしては、位置対応データ142(位置対応情報)、基準電波分布データ143(電波分布情報)、及び検出電波分布データ144(修正電波分布情報)が含まれる。このうち基準電波分布データ143は、基準電波強度データ1431及び基準電波マップ1432を含み、検出電波分布データ144は、検出電波強度データ1441及び検出電波マップ1442を含む。
【0024】
図4は、位置対応データ142の内容例を示す図である。
位置対応データ142は、バーコードと、当該バーコードの位置とが対応付けられているテーブルデータである。位置対応データ142を参照することで、各バーコードが配置されている位置を特定することができる。
【0025】
次に、基準電波分布データ143について説明する。
基準電波分布データ143は、アクセスポイント20から発せられる電波の所定の分布に応じた内容の情報を含む。基準電波分布データ143は、後述する電波の異常検出を行う際に参照される、予め登録されているリファレンス情報である。ここで、電波の所定の分布は、通信エリア2内のサイトサーベイを最後に行ったときの電波の分布である。
【0026】
図5は、通信エリア2のサイトサーベイを説明する図である。
サイトサーベイとは、通信エリア2の各位置において各アクセスポイント20から発せられる電波の強度等の状況を調査することをいう。サイトサーベイの結果、全てのアクセスポイント20と無線通信を行うことが困難な領域がある場合には、アクセスポイント20の位置や数を調整した上で再度サイトサーベイが行われる。
図5の例では、サイトサーベイによって特定された、第1のアクセスポイント20aからの電波強度が-40dBm、-60dBm、-80dBmとなる位置が実線で示されており、第2のアクセスポイント20bからの電波強度が-40dBm、-60dBm、-80dBmとなる位置が破線で示されている。また、サイトサーベイでは、バーコードが配置される位置PB1~PB3の各々について、各アクセスポイント20からの電波強度が特定され、その特定結果が基準電波強度データ1431として記憶部14に記憶される。
【0027】
図6は、
図5に示すサイトサーベイの結果に基づいて生成された基準電波強度データ1431の内容例を示す図である。
基準電波強度データ1431では、位置PB1~PB3の各々について、第1のアクセスポイント20aからの電波強度、及び第2のアクセスポイント20bからの電波強度がそれぞれ対応付けられて記憶されている。以下では、ある位置における第1のアクセスポイント20aからの電波強度Ia、及び第2のアクセスポイント20bからの電波強度Ibを、「(Ia,Ib)」と記す。
図6の例では、位置PB1における電波強度は(-40dBm,-100dBm)であり、位置PB2における電波強度は(-80dBm,-80dBm)であり、位置PB3における電波強度は(-80dBm,-80dBm)である。
【0028】
また、サイトサーベイの結果及び位置対応データ142に基づいて、基準電波マップ1432が生成されて記憶部14に記憶される。
【0029】
図7は、
図5のサイトサーベイの結果に基づいて生成された基準電波マップ1432の内容例を示す図である。
基準電波マップ1432は、通信エリア2における各アクセスポイント20からの電波強度の分布を示すデータである。詳しくは、基準電波マップ1432は、通信エリア2を所定の複数の単位領域に区分し、各単位領域に対して、当該単位領域における電波強度の代表値を対応付けたものである。単位領域の大きさは任意に定めることができ、形状が互いに異なっていてもよい。電波強度の代表値は、単位領域内で複数の電波強度が特定されている場合には、当該複数の電波強度の平均値、中央値、最大値又は最小値などとすることができる。また、各単位領域内で1つの電波強度が特定されている場合には、当該電波強度を代表値とすればよい。
【0030】
基準電波マップ1432は、第1のアクセスポイント20aからの電波の強度の分布を示す第1の基準電波マップ1432a(
図7(a))と、第2のアクセスポイント20bからの電波の強度の分布を示す第2の基準電波マップ1432b(
図7(b))と、を含む。
【0031】
図7(a)に示す第1の基準電波マップ1432aでは、通信エリア2が、第1のアクセスポイント20aからの電波の強度に応じて、X方向に隣接する領域R1a~R1dに区分されている。領域R1a~R1dの各々は、上述の単位領域であってもよいし、複数の単位領域を含んでいてもよい。このうち領域R1aの電波強度が最も高く、領域R1cの電波強度が最も低くなっている。詳しくは、領域R1aは、電波強度が-50dBm以上の領域であり、領域R1bは、電波強度が-70dBm以上、-50dBm未満の領域であり、領域R1cは、電波強度が-90dBm以上、-70dBm未満の領域であり、領域R1dは、電波強度が-90dBm未満の領域である。
図7(a)では、電波強度が高い領域ほど高濃度のドットが付されている。領域R1aには第1のアクセスポイント20aの位置P1が含まれており、領域R1bにはバーコードB1の位置PB1が含まれており、領域R1cにはバーコードB2、B3の位置PB2、PB3が含まれている。
【0032】
同様に、
図7(b)に示す第2の基準電波マップ1432bでは、通信エリア2が、第2のアクセスポイント20bからの電波の強度に応じて、X方向に隣接する領域R2a~R2dに区分されている。領域R2a~R2dの各々は、上述の単位領域であってもよいし、複数の単位領域を含んでいてもよい。このうち領域R2aの電波強度が最も高く、領域R2dの電波強度が最も低くなっている。詳しくは、領域R2aは、電波強度が-50dBm以上の領域であり、領域R2bは、電波強度が-70dBm以上、-50dBm未満の領域であり、領域R2cは、電波強度が-90dBm以上、-70dBm未満の領域であり、領域R2dは、電波強度が-90dBm未満の領域である。領域R2aには第2のアクセスポイント20bの位置P2が含まれており、領域R2cにはバーコードB2、B3の位置PB2、PB3が含まれており、領域R2dにはバーコードB1の位置PB1が含まれている。
【0033】
基準電波マップ1432は、
図7に示すような電波強度の分布を示す画像データであってもよいし、各単位領域に対して電波強度が対応付けられているテーブルデータであってもよい。テーブルデータとしては、例えば、
図6の基準電波強度データ1431を、バーコードが配置されていない位置(単位領域)も含むように拡張したものとすることができる。
【0034】
このように、基準電波分布データ143は、最後に行われたサイトサーベイにおける電波の強度分布を示す。これに対し、検出電波分布データ144は、サイトサーベイ後に検出された直近の電波の強度分布を示す。後述するように、サーバ10のCPU11は、ハンディターミナル30から受信したデータに基づいて、アクセスポイント20から発せられている電波の、ハンディターミナル30の位置における強度を特定することができる。検出電波分布データ144は、この特定された直近の電波強度を反映したデータである。
検出電波分布データ144に含まれる検出電波強度データ1441及び検出電波マップ1442は、それぞれ基準電波強度データ1431及び基準電波マップ1432と同一の形式のデータである。検出電波分布データ144の具体的な内容については、後述する。
【0035】
図3に示す操作部15は、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有し、ユーザ(操作者)からのキー操作入力及び位置操作入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0036】
表示部16は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどで構成され、各種処理の結果やステータスなどを表示する。
【0037】
通信部17は、LANボードやLANカード等により構成され、CPU11による制御下で、通信ネットワークN及びアクセスポイント20を介してハンディターミナル30との間でデータの送受信を行う。
【0038】
次に、ハンディターミナル30の構成について説明する。
図8は、ハンディターミナル30の主要な機能構成を示すブロック図である。
ハンディターミナル30は、CPU31と、RAM32と、ROM33と、記憶部34と、操作部35と、表示部36と、無線通信部37(通信手段、電波検出手段)と、バーコードスキャナ38(読取手段)と、バス39などを備える。ハンディターミナル30の各部は、バス39を介して接続されている。
【0039】
CPU31は、記憶部34に記憶されているプログラム341に従って各種処理を行うことでハンディターミナル30の各部を制御するプロセッサである。CPU31は、プログラム341を実行して各種処理を行うことで、通信制御手段及び接続対象選択手段として機能する。
【0040】
RAM32は、CPU31に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM32は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0041】
ROM33は、情報を読み出し可能な不揮発性の記憶部であり、各種設定データ等が格納されている。
【0042】
記憶部34は、HDD、SSD、フラッシュメモリといった、データの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備え、プログラム341や各種データを記憶する。記憶部34に記憶されるデータとしては、後述する棚卸の動作で使用される商品在庫データ342、及び無線通信部37による電波の検出結果の情報を含む電波検出結果データ343が含まれる。
【0043】
操作部35は、バーコードスキャンを実行させるためのトリガキー、カーソルキー、数字、文字などの入力キー、ファンクションキーなどを含む。操作部35は、ユーザによるこれらのキーに対する入力操作を操作信号に変換してCPU31に出力する。操作部35は、表示部36の画面に重ねられて配置されたタッチパネルによりユーザからの入力操作を受け付けるものであってもよい。
【0044】
表示部36は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどで構成され、ハンディターミナル30の各種処理の結果やステータスなどを表示する。
【0045】
無線通信部37は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、無線LANによる無線通信に係る通信規格に対応した通信制御を行う。無線通信部37は、CPU31による制御下で、予め通信接続対象として設定されている一のアクセスポイント20との無線通信を行い、アクセスポイント20及び通信ネットワークNを介してサーバ10との間でデータの送受信を行う。また、無線通信部37は、各アクセスポイント20から発せられる電波の強度を別個に検出する電波検出手段としても機能する。
【0046】
通信接続対象のアクセスポイント20の切り替え(ローミング)は、CPU31による制御下で、接続するアクセスポイント20に係るBSSID(通常、アクセスポイント20のMAC(Media Access Control)アドレス)及び使用チャンネルの設定が書き換えられることで行われる。
【0047】
バーコードスキャナ38は、所定の規則に従って生成されたバーコードを読み取って得られた信号をデコードし、CPU31に出力する。なお、信号のデコード処理の少なくとも一部はCPU31により行われてもよい。
本実施形態のバーコードスキャナ38は、レーザースキャナであり、レーザーダイオードからの出射光のバーコードでの反射光を受光して、検出された反射光の強度分布をデジタル信号に変換する。なお、バーコードスキャナ38は、レーザースキャナに限られず、例えば光学系及び撮像素子を有する撮像装置をバーコードスキャナ38として用いてもよい。この場合には、バーコードの撮像データをデコードすることで情報を取得することができる。
【0048】
次に、情報取得管理システム1における情報の取得及び管理に係る動作について説明する。本実施形態では、情報取得管理システム1を、店舗における商品の棚卸に用いる場合を例に挙げて、ハンディターミナル30の動作及びサーバ10の動作をそれぞれ説明する。
【0049】
情報取得管理システム1を用いて棚卸が行われる場合には、ハンディターミナル30において以下の動作が行われる。
まず、操作部35に対するユーザの入力操作に応じて、通信エリア2内の商品に付されたバーコードがバーコードスキャナ38により読み取られる。バーコードの読取結果から得られたバーコード情報は、無線通信部37によりアクセスポイント20を介してサーバ10に送信される。
【0050】
また、バーコードスキャナ38によるバーコードの読み取りが行われる場合には、各アクセスポイント20から発せられている電波の強度が、無線通信部37により検出される。ここでは、バーコードスキャナ38によるバーコードの読み取っているときの電波強度を検出することが望ましいが、電波強度の検出は、バーコードの読み取り前、又は読み取り後に行われてもよい。検出された電波の強度を示す電波情報は、電波検出結果データ343として記憶部34に記憶され、バーコード情報とともにサーバ10に送信される。この電波の検出、及び電波情報の送信は、自動的に、すなわちユーザからの指示に基づかずに行われる。
【0051】
一方、サーバ10がバーコード情報及び電波情報を受信すると、サーバ10において以下の動作が行われる。
まず、受信したバーコード情報が記憶部14に記憶され、棚卸情報として管理される。
【0052】
また、受信したバーコード情報が示すバーコードと、位置対応データ142と、に基づいて、ハンディターミナル30が当該バーコードを読み取ったときの位置である読取位置が特定される。詳しくは、位置対応データ142において読み取られたバーコードに対応付けられている位置が、読取位置として特定される。例えば、受信したバーコード情報が示すバーコードがバーコードB1である場合には、
図4の位置対応データ142においてバーコードB1に対応付けられている位置PB1が、読取位置として特定される。
【0053】
次に、予め登録されているリファレンス情報としての基準電波分布データ143のうち、特定された読取位置に対応する電波強度と、受信した電波情報が示す電波強度と、の比較結果に基づいて、アクセスポイント20から発せられている電波の異常が検出される。
受信した電波強度は、電波の分布に異常がなければ、基準電波分布データ143のうち読取位置に対応する電波強度(以下、「基準電波強度」と記す)と一致する。例えば、バーコードB1が読み取られ、位置PB1が読取位置であると特定された場合には、受信した電波情報が示す電波強度は、電波の分布に異常がなければ、
図6の基準電波強度データ1431において位置PB1に対応する基準電波強度(-40dBm,-100dBm)と一致する。
【0054】
しかしながら、サイトサーベイの後に、通信エリア2内で電波を遮る構造物の配置が変わったり、一部のアクセスポイント20が故障したりすると、受信した電波強度が基準電波強度と相違する(通常、小さくなる)場合がある。そこで、受信した電波強度と、基準電波強度との差分が所定の基準差以上である場合に、アクセスポイント20から発せられている電波の異常が検出される。基準差は、全ての単位領域で共通の値としてもよいし、単位領域における基準電波強度に応じた大きさ(例えば基準電波強度の20%、等)としてもよい。
【0055】
電波の異常が検出されると、当該異常を報知する警告画面が表示部16に表示される。警告画面は、電波に異常が生じていることを通知する内容を少なくとも含んでいれば、その内容は任意である。表示部16による警告画面の表示動作は、「報知動作」の一態様である。
【0056】
また、電波の異常が検出された場合には、受信した電波強度に基づいて検出電波分布データ144が生成されて記憶部14に記憶される。すなわち、受信した電波強度に基づいて基準電波強度データ1431を修正した内容の検出電波強度データ1441が生成され、受信した電波強度に基づいて基準電波マップ1432を修正した内容の検出電波マップ1442が生成され、検出電波分布データ144として記憶部14に記憶される。なお、既に検出電波分布データ144が生成されている場合には、検出電波分布データ144の内容が修正され、更新される。
【0057】
次に、以上に説明したハンディターミナル30及びサーバ10の動作を、具体例を用いて説明する。
ここでは、
図9に示すように、サイトサーベイの後に、第2のアクセスポイント20bの位置P2とバーコードB2の位置PB2との間に電波を遮蔽する遮蔽物Mが置かれた場合を例に挙げて説明する。遮蔽物Mが置かれたことにより、遮蔽物Mに対して位置P2側とは反対側の領域では、第2のアクセスポイント20bから発せられる電波の強度が弱くなる。他方で、第1のアクセスポイント20aから発せられる電波の強度は、遮蔽物Mの位置で元々無視できる程度に弱く、遮蔽物Mによる影響をほとんど受けないものとする。
【0058】
図9に示す状況下で、
図10の「読取結果1」に示すように、ハンディターミナル30によってバーコードB2が読み取られ、その後「読取結果2」に示すように、バーコードB3が読み取られた場合の動作を説明する。
【0059】
「読取結果1」のバーコードB2の読み取り時において検出された電波強度は(-80dBm,-100dBm)である。この電波強度を示す電波情報は、バーコードB2の読取結果に係るバーコード情報とともにサーバ10に送信される。サーバ10では、受信したバーコード情報及び位置対応データ142に基づき、バーコードB2の位置PB2が、ハンディターミナル30の読取位置として特定される。
【0060】
バーコードB2の読取時において検出された電波強度(-80dBm,-100dBm)は、
図6の基準電波強度データ1431において位置PB2に対応する基準電波強度(-80dBm,-80dBm)と比較して、第2のアクセスポイント20bの電波強度が20dBm低下している。この結果、第2のアクセスポイント20bから発せられている電波の分布に異常があると判定され、異常が検出される。電波の異常が検出されると、検出電波強度データ1441及び検出電波マップ1442が生成される。
【0061】
図11は、検出電波強度データ1441の内容例を示す図である。
図11に示すように、検出電波強度データ1441は、
図6の基準電波強度データ1431の位置PB2に対応する電波強度を、「読取結果1」で検出された電波強度(-80dBm,-100dBm)に修正したものに相当する。
【0062】
また、
図12は、検出電波マップ1442の内容例を示す図である。
図12は、検出電波マップ1442のうち第2のアクセスポイント20bの電波強度の分布を示す第2の検出電波マップ1442bを示す。「読取結果1」で受信した電波情報によれば、位置P2と位置PB2との間のいずれかの位置に遮蔽物Mがあることが推定される。しかしながら、この段階では、通信エリア2のうち遮蔽物Mが存在する範囲を特定することができない。すなわち、通信エリア2のうちX方向について位置P2と位置PB2との間の全体が、遮蔽物Mが存在する可能性のある推定領域Rxとされる。よって、この段階では、
図7(b)に示す第2の基準電波マップ1432bに対し、この推定領域Rxにおける電波強度を下方に修正した内容の第2の検出電波マップ1442bが生成される。具体的には、通信エリア2のうち第2のアクセスポイント20bより+X方向側が領域R2aとされ、通信エリア2のうち第2のアクセスポイント20bより-X方向側の全体が、電波強度が-90dBm未満であることを示す領域R2dとされる。
【0063】
その後、「読取結果2」のバーコードB3の読み取りが行われ、当該読み取り時において検出された電波強度が、
図10に示すように(-80dBm,-80dBm)であったものとする。この電波強度を示す電波情報は、バーコードB3の読取結果に係るバーコード情報とともにサーバ10に送信される。サーバ10では、受信したバーコード情報及び位置対応データ142に基づき、バーコードB3の位置PB3が、ハンディターミナル30の読取位置として特定される。
【0064】
バーコードB3の読取時において検出された電波強度(-80dBm,-80dBm)は、
図6の基準電波強度データ1431においてバーコードB3の位置PB3に対応する基準電波強度(-80dBm,-80dBm)と一致している。このため、
図11に示す検出電波強度データ1441は修正されない。
【0065】
一方、この電波強度の検出結果から、位置P2と位置PB3との間では正常に電波が分布していると判定される。すなわち、位置P2と位置PB3との間には遮蔽物Mが存在しないものと推定することができる。このことに基づいて、検出電波マップ1442のうち第2の検出電波マップ1442bが修正される。
【0066】
図13は、修正された検出電波マップ1442の内容例を示す図である。
図13に示すように、上記の推定結果に基づいて、位置P2と位置PB3との間の領域を含む、Y方向について-Y方向側の半分の領域における電波分布が、正常な分布、すなわち
図7(b)の第2の基準電波マップ1432bと同一の電波分布に修正される。他方で、Y方向について+Y方向側の半分の領域における電波分布は、
図12の内容のまま維持される。この結果、遮蔽物Mが存在する可能性のある推定領域Rxは、X方向について位置P2と位置PB2との間の領域のうち、Y方向について+Y方向側の半分の領域に絞り込まれる。
【0067】
このように、ハンディターミナル30によりバーコードが読み取られて電波情報がサーバ10に送信される毎に、読取位置における電波強度を特定することができる。また、特定された電波強度に基づいて検出電波強度データ1441及び検出電波マップ1442を更新することにより、簡易に直近の電波の分布状況を特定することができるとともに、電波の分布の異常の要因となっている領域を絞り込むことができる。また、上述した警告画面に検出電波マップ1442の内容を含ませてもよい。これにより、電波の分布の異常の要因となっている領域をユーザに通知することができる。
【0068】
次に、上記の棚卸に係る各種動作を実行するために、ハンディターミナル30において実行される端末側棚卸処理、及びサーバ10において実行されるサーバ側棚卸処理の制御手順について説明する。
【0069】
図14は、端末側棚卸処理のCPU31による制御手順を示すフローチャートである。
棚卸処理は、ハンディターミナル30においてユーザから操作部35に対して棚卸作業の開始を指示する所定の入力操作がなされた場合に開始される。
【0070】
端末側棚卸処理が開始されると、CPU31は、無線通信部37により各アクセスポイント20からの電波強度を取得させ、その地点において最も電波強度が高いアクセスポイント20を通信接続対象として設定して、通信接続を開始させる。なお、端末側棚卸処理の開始時点でいずれかのアクセスポイント20が通信接続対象として設定されており、当該アクセスポイント20との無線通信が可能な状態となっている場合には、ステップS101の処理は省略してもよい。
【0071】
CPU31は、操作部35に対してユーザからバーコードの読取指示がなされたか否かを判定する(ステップS102)。バーコードの読取指示がなされていないと判定された場合には(ステップS102で“NO”)、CPU31は、ステップS107~S109の処理を実行し、必要に応じてローミングを行う。すなわち、CPU11は、最後に通信接続対象のアクセスポイント20が設定されてから所定の待機時間が経過しているか否かを判定する(ステップS107)。所定の待機時間が経過していると判定された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU31は、無線通信部37からの信号に基づいて、通信接続対象として設定されているアクセスポイント20からの電波強度が所定の基準値以下であるか否かを判定する(ステップS108)。電波強度が基準値以下であると判定された場合には(ステップS108で“YES”)、CPU31は、電波強度が最も高いアクセスポイント20へのローミングを実行し(ステップS109)、処理をステップS102に戻す。ステップS109の処理は、ステップS101の処理と同様の処理とすることができる。ステップS107の処理で所定の待機時間が経過していないと判定された場合(ステップS107で“NO”)、又はステップS108の処理で電波強度が基準値より大きいと判定された場合には(ステップS108で“NO”)、CPU31は、ローミングを行わずに処理をステップS102に戻す。
【0072】
ステップS102の処理でバーコードの読取指示がなされたと判定された場合には(ステップS102で“YES”)、CPU31は、バーコードスキャナ38によりバーコードを読み取らせ、バーコード情報を取得する(ステップS103)。また、CPU31は、無線通信部37により各アクセスポイント20から発せられている電波の強度を検出させ、電波情報を取得し、電波検出結果データ343として記憶部34に記憶させる(ステップS104)。また、CPU31は、取得したバーコード情報及び電波情報を、無線通信部37によりアクセスポイント20を介してサーバ10に送信させる(ステップS105)。
【0073】
CPU31は、棚卸作業が完了したか否かを判定する(ステップS106)。ここでは、CPU31は、操作部35に対してユーザから棚卸作業の完了を指示する入力操作がなされた場合に、棚卸作業が完了したと判定する。棚卸作業が完了していないと判定された場合には(ステップS106で“NO”)、CPU31は、引き続きバーコードの読取指示を受け付けるために処理をステップS102に戻す。
棚卸作業が完了したと判定された場合には(ステップS106で“YES”)、CPU31は、端末側棚卸処理を終了させる。
【0074】
図15は、サーバ側棚卸処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
サーバ側棚卸処理が開始されると、CPU11は、ハンディターミナル30において棚卸作業が継続されているか否かを判定する(ステップS201)。棚卸作業が継続されていると判定された場合には(ステップS201で“YES”)、CPU11は、ハンディターミナル30からバーコード情報及び電波情報を受信したか否かを判定する(ステップS202)。バーコード情報及び電波情報を受信していないと判定された場合には(ステップS202で“NO”)、CPU11は、処理をステップS201に戻す。
【0075】
バーコード情報及び電波情報を受信したと判定された場合には(ステップS202で“YES”)、CPU11は、バーコード情報に基づいて棚卸に係る所定の処理を実行する(ステップS203)。ここでは、CPU11は、バーコード情報を記憶部14に記憶させ、当該バーコード情報に基づいて商品の棚卸に係る管理情報を更新する。
【0076】
CPU11は、受信したバーコード情報、及び位置対応データ142に基づいて、ハンディターミナル30がバーコードを読み取ったときの読取位置を特定する(ステップS204)。
【0077】
CPU11は、読取位置に対応する基準電波強度と、受信した電波情報が示す電波強度との差分が基準差以上であるか否かを判定する(ステップS205)。当該差分が基準差未満であると判定された場合には(ステップS205で“NO”)、CPU11は、読取位置における電波に異常がないと判定して処理をステップS201に戻す。
【0078】
上記差分が基準差以上であると判定された場合には(ステップS205で“YES”)、CPU11は、読取位置における電波に異常があると判定して、表示部36により所定の警告画面を表示させる(ステップS206)。
【0079】
CPU11は、受信した電波情報が示す電波強度に基づいて検出電波強度データ1441及び検出電波マップ1442を生成し、既に生成されている場合にはその内容を更新する(ステップS207)。ステップS207の処理が終了すると、CPU11は、処理をステップS201に戻す。
【0080】
ステップS201の処理において、棚卸作業が終了したと判定された場合には(ステップS201で“NO”)、CPU11は、サーバ側棚卸処理を終了させる。
【0081】
(変形例)
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。本変形例は、複数のバーコードの読取結果がまとめてサーバ10に送信される点で上記実施形態と異なる。以下では上記実施形態との相違点について説明する。
【0082】
図16は、変形例に係る端末側棚卸処理のCPU31による制御手順を示すフローチャートである。
図16のフローチャートは、
図14のフローチャートのステップS101、S105をそれぞれステップS101a、S105aに変更し、ステップS104の後にステップS110を追加したものに相当する。以下では、
図14のフローチャートとの相違点について説明する。
【0083】
ステップS101aでは、CPU31は、アクセスポイント20の選択、及び通信接続を開始させる処理に加え、サーバ10から棚卸設定情報を受信する処理を行う。この棚卸設定情報には、棚卸対象の商品、当該商品に対応するバーコード、及び当該商品の理論在庫数量の情報などが含まれる。受信された棚卸設定情報の内容は、記憶部34の商品在庫データ342に反映される。
【0084】
図17(a)は、商品在庫データ342の内容例を示す図である。
商品在庫データ342では、棚卸の対象となる商品ごとに、商品に付されたバーコード(「バーコードB1」~「バーコードB3」)、商品名(「商品b1」~「商品b3」)、理論在庫数量、及び実在庫数量の情報が含まれている。このうち理論在庫数量は、サーバ10において、商品の仕入れや販売などに応じて管理されている商品の理論上の在庫数量である。実在庫数量は、ハンディターミナル30を用いた現品確認によって計数される実際の商品の数量であり、ステップS101aの時点では、
図17(a)に示されるように、データが入力されていない状態となっている。
【0085】
ステップS102においてバーコードの読取指示がなされたと判定された場合には(ステップS102で“YES”)、CPU31は、バーコードを読み取らせるとともに、
図17(a)の商品在庫データ342における実在庫数量をカウントアップする(ステップS103)。
【0086】
次に、CPU11は、各アクセスポイント20から発せられている電波の強度を無線通信部37により検出させ、電波情報を取得し、電波検出結果データ343として記憶部34に記憶させる(ステップS104)。
【0087】
CPU31は、直近で読み取られたバーコードに対応する商品の実在庫数量の取得が完了したか否かを判定する(ステップS110)。ここでは、CPU31は、ユーザから当該商品の実在庫数量の情報をサーバ10に送信するための所定の入力操作がなされた場合に、実在庫数量の取得が完了したと判定する。実在庫数量の取得が完了したとの判定がなされない場合には(ステップS110で“NO”)、CPU31は、引き続きバーコードの読み取りに係る入力操作を受け付けるために処理をステップS102に戻す。
【0088】
ステップS102~S104、S110のループ処理が繰り返されるごとに、ステップS103において、商品在庫データ342における実在庫数量がカウントアップされる。
図17(b)は、全ての商品b1のバーコードB1の読み取りが終了した時点における商品在庫データ342の内容例を示す図である。この時点では、在庫数量が適切であれば、
図17(b)に示すように、商品b1についての実在庫数量が理論在庫数量と一致する結果となる。
【0089】
また、ステップS102~S104、S110のループ処理が繰り返されるごとに、ステップS104において、電波検出結果データ343に電波強度のデータが蓄積されていく。
図18は、電波検出結果データ343の内容例を示す図である。
電波検出結果データ343は、読取バーコード、読取時刻、第1のアクセスポイント20aの電波強度の検出値、第2のアクセスポイント20bの電波強度の検出値の項目を有している。ステップS104の処理が実行されるごとに、電波検出結果データ343においてデータ行が追加されていく。電波検出結果データ343における1つのデータ行が電波情報に相当する。よって、電波検出結果データ343は、複数の電波情報を含む。
【0090】
ステップS110の処理において、実在庫数量の取得が完了したと判定された場合には(ステップS110で“YES”)、CPU31は、取得したバーコード情報及び複数の電波情報を、無線通信部37によりアクセスポイント20を介してサーバ10に送信させる(ステップS105a)。ここで送信されるバーコード情報には、読み取られたバーコードに対応する商品の実在庫数量の情報が含まれる。また、送信される複数の電波情報は、電波検出結果データ343に含まれる情報である。ステップS105aの処理が終了すると、CPU31は、処理をステップS106に移行させる。
【0091】
バーコード情報及び電波情報を受信したサーバ10では、上記実施形態と同様、
図15のサーバ側棚卸処理が実行される。
本変形例のステップS205では、電波検出結果データ343に、同一の読取位置で取得された複数の電波情報が含まれる場合には、当該複数の電波情報に含まれる各アクセスポイント20の複数の電波強度の代表値が用いられる。代表値は、平均値、中央値、最大値又は最小値などとすることができる。本変形例では、このように同一の読取位置において取得された複数の電波強度の代表値を用いることで、電波強度の検出値の精度を高めることができる。
なお、代表値を用いる方法に代えて、複数の電波情報の各々を用いて電波の異常を検出してもよい。
【0092】
また、ステップS207では、受信した複数の電波情報のうち、相対的に新しい電波情報に基づいて検出電波強度データ1441及び検出電波マップ1442が生成又は更新される。例えば、
図18に示す例のように、15:00~15:01にかけて取得されたバーコードB1の読取時の電波情報と、15:23~15:24にかけて取得されたバーコードB2の読取時の電波情報とを一度に受信した場合には、まずバーコードB1の読取時の電波情報(電波強度の代表値)に基づいて検出電波強度データ1441及び検出電波マップ1442が生成され、次にバーコードB2の読取時の電波情報(電波強度の代表値)に基づいてその内容が更新される。
なお、代表値を用いずに、電波情報ごとに検出電波強度データ1441及び検出電波マップ1442を更新してもよい。
【0093】
また、上述した第1の実施形態においても、本変形例のように、ハンディターミナル30において商品在庫データ342を用いた棚卸作業の管理がなされてもよい。
【0094】
以上のように、第1の実施形態に係る情報取得管理システム1は、サーバ10と、サーバ10と通信可能に設けられたアクセスポイント20と、アクセスポイント20との無線通信を介してサーバ10と通信を行う無線通信部37を有するハンディターミナル30と、を備え、ハンディターミナル30は、バーコードを読み取る読取手段としてのバーコードスキャナ38と、CPU31とを有し、無線通信部37は、バーコードスキャナ38によるバーコードの読み取りが行われる場合に、アクセスポイント20から発せられている電波の強度を検出し(電波検出手段)、CPU31は、バーコードスキャナ38が読み取ったバーコードを示すバーコード情報、及び無線通信部37が検出した電波の強度を示す電波情報を、無線通信部37により、アクセスポイント20を介してサーバ10に送信させ(通信制御手段)、サーバ10は、CPU11を有し、CPU11は、バーコードと、当該バーコードの位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応データ142と、ハンディターミナル30から受信したバーコード情報と、に基づいて、バーコードスキャナ38がバーコードを読み取ったときのハンディターミナル30の位置である読取位置を特定し(読取位置特定手段)、予め登録されているリファレンス情報としてのアクセスポイント20から発せられる電波の所定の強度分布を示す基準電波分布データ143のうち読取位置に対応する基準電波強度と、ハンディターミナル30から受信した電波情報が示す電波強度と、の比較結果に基づいて、アクセスポイント20から発せられている電波の異常を検出する(異常検出手段)。
これによれば、ハンディターミナル30から送信されたバーコード情報に基づいてハンディターミナル30の読取位置を特定することができる。よって、GPS(Global Positioning System)装置等の位置取得手段を有しない簡素な構成のハンディターミナル30であっても読取位置を簡易に特定することができる。また、予め定められたバーコードの位置を読取位置として特定するため、バーコードが所定の位置から移動されていない限り、特定された読取位置にはほとんど誤差が生じない。よって、ハンディターミナル30の読取位置を高精度に特定することができる。
また、ハンディターミナル30から送信された電波情報に基づいて読取位置における電波の強度を特定することができる。さらに、ハンディターミナル30により異なる読取位置でバーコードの読み取りが行われるごと当該読取位置での電波強度が特定され、通信エリア2における複数の位置での電波強度を簡易に特定することができる。これらの電波強度と、基準電波分布データ143の基準電波強度とを比較することで、アクセスポイント20からの電波の異常を簡易に検出することができる。
【0095】
また、情報取得管理システム1は、複数のアクセスポイント20を備え、無線通信部37は、複数のアクセスポイント20から選択された一のアクセスポイント20を介してサーバ10と通信を行い、バーコードスキャナ38によるバーコードの読み取りが行われる場合に、複数のアクセスポイント20の各々から発せられている電波の強度を検出し、電波情報は、無線通信部37が検出した各電波の強度を示し、基準電波分布データ143は、複数のアクセスポイント20の各々から発せられる電波の強度分布を示す。これによれば、複数のアクセスポイント20から発せられる電波の異常を簡易に検出することができる。
【0096】
また、サーバ10のCPU11は、受信した電波情報が示す電波強度に応じて基準電波分布データ143を修正した内容の検出電波分布データ144を生成する(情報生成手段)。この検出電波分布データ144を参照することで、簡易に直近の電波の分布状況を特定することができるとともに、電波の分布の異常の要因となっている領域を絞り込むことができる。
【0097】
また、CPU11は、ハンディターミナル30から二以上の電波情報を受信した場合に、相対的に新しい電波情報に基づいて検出電波分布データ144を更新する(情報生成手段)。このように検出電波分布データ144を更新していくことで、実際の電波の分布状況に近いデータとすることができる。また、電波の分布の状況が変化している場合であっても、検出電波分布データ144を当該変化に応じた内容に更新していくことができる。また、変形例のように一度に二以上の電波情報を受信する場合において、電波情報の取得時刻に応じた順序で検出電波分布データ144に反映させていくことで、これらの二以上の電波情報を有効に活用することができる。
【0098】
また、バーコードは、識別対象の商品の識別に用いられ、バーコード情報は、バーコードスキャナ38により読み取られたバーコードに基づいて識別された商品に係る情報を含む。これによれば、ユーザは、棚卸などの、商品に係る情報の取得を目的とするバーコードの読み取りを実施するのみで、特段意識することなく、電波分布の異常の検出に必要な電波情報を収集することができる。
【0099】
また、バーコードは、識別対象の複数の商品の各々に付されており、無線通信部37は、バーコードスキャナ38が複数の商品の各々のバーコードを読み取るごとにアクセスポイント20から発せられている電波の強度を検出し、CPU31は、バーコードスキャナ38が複数の商品の各々のバーコードを読み取るごとに、バーコード情報及び電波情報を、無線通信部37により、アクセスポイント20を介してサーバ10に送信させる(通信制御手段)。これによれば、複数の商品のバーコードの読み取りに応じて、通信エリア2の複数の位置における電波強度を簡易に特定することができる。
【0100】
また、情報取得管理システム1は、CPU11が異常を検出した場合に所定の警告画面を表示する表示部16を備える。これによれば、電波の分布の異常の要因となっている領域をユーザに通知することができる。
【0101】
また、第1の実施形態に係るサーバ10は、CPU11を有し、CPU11は、バーコードと、当該バーコードの位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応データ142と、ハンディターミナル30から受信したバーコード情報と、に基づいて、バーコードスキャナ38がバーコードを読み取ったときのハンディターミナル30の位置である読取位置を特定し(読取位置特定手段)、予め登録されているリファレンス情報としてのアクセスポイント20から発せられる電波の所定の強度分布を示す基準電波分布データ143のうち読取位置に対応する基準電波強度と、ハンディターミナル30から受信した電波情報が示す電波強度と、の比較結果に基づいて、アクセスポイント20から発せられている電波の異常を検出する(異常検出手段)。情報取得管理システム1においてこのような構成のサーバ10を用いることで、アクセスポイント20からの電波の異常を簡易に検出することができる。
【0102】
また、第1の実施形態に係るハンディターミナル30は、アクセスポイント20との無線通信を介してサーバ10と通信を行う無線通信部37と、バーコードを読み取る読取手段としてのバーコードスキャナ38と、CPU31とを有し、無線通信部37は、バーコードスキャナ38によるバーコードの読み取りが行われる場合に、アクセスポイント20から発せられている電波の強度を検出し(電波検出手段)、CPU31は、バーコードスキャナ38が読み取ったバーコードを示すバーコード情報、及び無線通信部37が検出した電波の強度を示す電波情報を、無線通信部37により、アクセスポイント20を介してサーバ10に送信させる(通信制御手段)。情報取得管理システム1においてこのような構成のハンディターミナル30を用いることで、アクセスポイント20からの電波の異常を簡易に検出することができる。
【0103】
また、第1の実施形態に係るプログラム141は、サーバ10に設けられたコンピュータとしてのCPU11を、バーコードと、当該バーコードの位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応データ142と、ハンディターミナル30から受信したバーコード情報と、に基づいて、バーコードスキャナ38がバーコードを読み取ったときのハンディターミナル30の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段、予め登録されているリファレンス情報としてのアクセスポイント20から発せられる電波の所定の強度分布を示す基準電波分布データ143のうち読取位置に対応する基準電波強度と、ハンディターミナル30から受信した電波情報が示す電波強度と、の比較結果に基づいて、アクセスポイント20から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段、として機能させる。情報取得管理システム1のサーバ10をこのようなプログラム141に従って動作させることで、アクセスポイント20からの電波の異常を簡易に検出することができる。
【0104】
また、第1の実施形態に係るプログラム341は、ハンディターミナル30に設けられたコンピュータとしてのCPU31を、バーコードスキャナ38が読み取ったバーコードを示すバーコード情報、及び電波検出手段が検出した電波の強度を示す電波情報を、無線通信部37により、アクセスポイント20を介してサーバ10に送信させる通信制御手段として機能させる。情報取得管理システム1のサーバ10をこのようなプログラム141に従って動作させることで、アクセスポイント20からの電波の異常を簡易に検出することができる。
【0105】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、電波の強度を示す電波情報に代えて、接続中のアクセスポイント20の情報を用いる点で上記第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との相違点について説明する。
【0106】
第2の実施形態の情報取得管理システム1では、複数のアクセスポイント20から発せられる電波の所定の分布(サイトサーベイ時の分布)に応じて、各バーコードの位置における通常の接続対象のアクセスポイント20(以下、「規定アクセスポイント」と記す)が予め特定されている。各バーコードに対応付けられている規定アクセスポイントは、バーコードの位置において最も電波強度が高いアクセスポイント20とされている。
【0107】
図19は、規定アクセスポイントの特定方法を説明する図である。
図19では、横軸方向に、バーコードB4~B6の位置PB4~PB6が示されている。また、縦軸方向に、各位置における第1のアクセスポイント20a及び第2のアクセスポイント20bの電波強度の分布が、それぞれ破線により示されている。
図19の例では、バーコードB4の位置では、第1のアクセスポイント20aの電波強度が第2のアクセスポイント20bの電波強度より大きくなっている。よって、バーコードB4に対応する規定アクセスポイントは、第1のアクセスポイント20aと特定される。また、バーコードB5、B6の位置では、第2のアクセスポイント20bの電波強度が第1のアクセスポイント20aの電波強度より大きくなっている。よって、バーコードB5、B6に対応する規定アクセスポイントは、第2のアクセスポイント20bと特定される。
【0108】
図20は、第2の実施形態に係るサーバ10の主要な機能構成を示すブロック図である。
本実施形態のサーバ10の記憶部14には、基準電波分布データ143に代えて、各バーコードの位置における規定アクセスポイントを示す規定アクセスポイントデータ145が記憶されている。また、検出電波分布データ144に代えて、規定アクセスポイントデータ145を修正した内容の修正規定アクセスポイントデータ146が記憶されている。このうち規定アクセスポイントデータ145は、電波の異常検出を行う際に参照される、予め登録されているリファレンス情報である。
【0109】
図21は、規定アクセスポイントデータ145の内容例を示す図である。
規定アクセスポイントデータ145では、各バーコードの位置と、当該位置における規定アクセスポイントとが対応付けられている。
【0110】
本実施形態のハンディターミナル30は、バーコードを読み取る場合に、各アクセスポイント20からの電波の強度を検出し、電波強度が最も高いアクセスポイント20へローミングを行う。また、バーコードの読み取り後に、バーコード情報とともに、当該バーコードの読み取りに対応するローミングで選択されたアクセスポイント20を示すアクセスポイント情報を、サーバ10に送信する。このアクセスポイント情報が、「接続対象情報」に相当する。
【0111】
バーコード情報及びアクセスポイント情報を受信したサーバ10は、第1の実施形態と同様にバーコード情報及び位置対応データ142に基づいて読取位置を特定する。そして、受信したアクセスポイント情報が示すアクセスポイント20が、予め登録されているリファレンス情報としての規定アクセスポイントデータ145において読取位置に対応する規定アクセスポイントと異なる場合に、電波の異常を検出する。受信したアクセスポイント情報が示すアクセスポイント20が規定アクセスポイントと異なっている場合には、読取位置における各アクセスポイント20からの電波の強度の大小関係が、サイトサーベイ時の大小関係から変化している蓋然性が高いためである。
【0112】
図22は、第2の実施形態に係る端末側棚卸処理のCPU31による制御手順を示すフローチャートである。
図22のフローチャートは、
図14のフローチャートのステップS102の後にステップS111を追加し、ステップS104を削除し、ステップS105をステップS105bに変更したものに相当する。以下では、
図14のフローチャートとの相違点について説明する。
【0113】
本実施形態の端末側棚卸処理では、CPU31は、ステップS102の処理においてバーコードの読取指示がなされたと判定された場合には(ステップS102で“YES”)、各アクセスポイント20から発せられている電波の強度を無線通信部37により検出させ、電波強度が最も高いアクセスポイント20へのローミングを行う(ステップS111)。
【0114】
ステップS103におけるバーコードの読み取りが終了すると、CPU31は、取得したバーコード情報、及び接続中のアクセスポイント20を示すアクセスポイント情報を、無線通信部37によりアクセスポイント20を介してサーバ10に送信させる(ステップS105a)。
【0115】
なお、ステップS111におけるローミング処理を、ステップS103のバーコード読取処理の後に行ってもよい。
【0116】
図23は、第2の実施形態に係るサーバ側棚卸処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
図23のフローチャートは、
図15のフローチャートのステップS202、S205、S207をそれぞれステップS202a、S205a、S207aに変更したものに相当する。以下では、
図15のフローチャートとの相違点について説明する。
【0117】
ステップS202aでは、CPU11は、バーコード情報及びアクセスポイント情報を受信したか否かを判定する(ステップS202a)。
【0118】
また、ステップS204において読取位置が特定されると、CPU11は、規定アクセスポイントデータ145を参照し、受信したバーコード情報が示すアクセスポイント20が、読取位置に対応する規定アクセスポイントと異なるか否かを判定する。
受信したアクセスポイント情報が示すアクセスポイント20が規定アクセスポイントと一致していると判定された場合には(ステップS205aで“No”)、CPU11は、読取位置における電波に異常がないと判定して処理をステップS201に戻す。
受信したアクセスポイント情報が示すアクセスポイント20が規定アクセスポイントと異なると判定された場合には(ステップS205aで“YES”)、CPU11は、読取位置における電波に異常があると判定してステップS206、S207aの処理を実行する。
【0119】
このうちステップS207aでは、CPU11は、受信したアクセスポイント情報が示すアクセスポイントに基づいて修正規定アクセスポイントデータ146を生成し、既に生成されている場合にはその内容を更新する。すなわち、読取位置における規定アクセスポイントを、受信したアクセスポイント情報が示すアクセスポイントに変更した内容の修正規定アクセスポイントデータ146を生成し、又は修正規定アクセスポイントデータ146を当該内容に更新する。このような修正規定アクセスポイントデータ146によっても、第1の実施形態の検出電波マップ1442と同様に、簡易に直近の電波の分布状況を特定することができるとともに、電波の分布の異常の要因となっている領域を絞り込むことができる。また、第1の実施形態の変形例と同様に、ハンディターミナル30から二以上のアクセスポイント情報をまとめて受信した場合には、相対的に新しいアクセスポイント情報に基づいて修正規定アクセスポイントデータ146を更新する。
ステップS207の処理が終了すると、CPU11は、処理をステップS201に戻す。
【0120】
なお、第2の実施形態においても、記憶部14に基準電波分布データ143を記憶させておき、第1の実施形態と同様にハンディターミナル30から電波強度を示す電波情報を併せて受信し、当該電波情報に基づいて検出電波強度データ1441及び/又は検出電波マップ1442を生成又は更新してもよい。
【0121】
以上のように、第2の実施形態に係る情報取得管理システム1は、サーバ10と、サーバ10と通信可能に設けられた複数のアクセスポイント20と、複数のアクセスポイント20から選択された一のアクセスポイント20との無線通信を介してサーバ10と通信を行う無線通信部37を有するハンディターミナル30と、を備え、ハンディターミナル30は、バーコードを読み取る読取手段としてのバーコードスキャナ38と、CPU31とを有し、無線通信部37は、バーコードスキャナ38によるバーコードの読み取りが行われる場合に、アクセスポイント20から発せられている電波の強度を検出し(電波検出手段)、CPU31は、無線通信部37により検出された電波の状況に応じて、複数のアクセスポイント20のうち無線通信部37が無線通信を行うアクセスポイント20を選択し(接続対象選択手段)、バーコードスキャナ38が読み取ったバーコードを示すバーコード情報、及びバーコードスキャナ38によるバーコードの読み取りに対応して選択されたアクセスポイント20を示すアクセスポイント情報を、無線通信部37により、アクセスポイント20を介してサーバ10に送信させ(通信制御手段)、サーバ10は、CPU11を有し、CPU11は、バーコードと、当該バーコードの位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応データ142と、ハンディターミナル30から受信したバーコード情報と、に基づいて、バーコードスキャナ38がバーコードを読み取ったときのハンディターミナル30の位置である読取位置を特定し(読取位置特定手段)、予め登録されているリファレンス情報としての規定アクセスポイントデータ145と、ハンディターミナル30から受信したアクセスポイント情報と、の比較結果に基づいて、複数のアクセスポイント20から発せられている電波の異常を検出し(異常検出手段)、規定アクセスポイントデータ145は、複数のアクセスポイント20から発せられる電波の所定の分布に応じて特定される、各位置での通常の接続対象のアクセスポイント20を示し、CPU11は、アクセスポイント情報が示すアクセスポイント20と、規定アクセスポイント情報のうち読取位置に対応する通常の接続対象のアクセスポイント20と、が異なる場合に異常を検出する(異常検出手段)。
これによれば、ハンディターミナル30から受信したアクセスポイント情報が示すアクセスポイント20と、規定アクセスポイントデータ145が示す通常の接続対象のアクセスポイント20との異同を判別する簡易な処理で、アクセスポイント20からの電波の異常を検出することができる。
【0122】
また、無線通信部37は、複数のアクセスポイント20から各々発せられている電波の強度を検出し、CPU31は、複数のアクセスポイント20のうち、検出した電波の強度が最も高いアクセスポイント20を、無線通信部37が無線通信を行うアクセスポイント20として選択する(接続対象選択手段)。これによれば、アクセスポイント情報が示すアクセスポイント20の情報に、電波強度の情報が反映されるため、より適切に電波の異常を検出することができる。
【0123】
また、サーバ10のCPU11は、受信したアクセスポイント情報が示すアクセスポイント20に応じて規定アクセスポイントデータ145を修正した内容の修正規定アクセスポイントデータ146を生成する(情報生成手段)。この修正規定アクセスポイントデータ146を参照することで、簡易に直近の電波の分布状況を特定することができるとともに、電波の分布の異常の要因となっている領域を絞り込むことができる。
【0124】
また、CPU11は、ハンディターミナル30から二以上のアクセスポイント情報を受信した場合に、相対的に新しいアクセスポイント情報に基づいて修正規定アクセスポイントデータ146を更新する(情報生成手段)。このように修正規定アクセスポイントデータ146を更新していくことで、実際の電波の状況を反映したデータとすることができる。また、電波の分布の状況が変化している場合であっても、修正規定アクセスポイントデータ146を当該変化に応じた内容に更新していくことができる。また、一度に二以上のアクセスポイント情報を受信する場合において、アクセスポイント情報の取得時刻に応じた順序で修正規定アクセスポイントデータ146に反映させていくことで、これらの二以上のアクセスポイント情報を有効に活用することができる。
【0125】
また、バーコードは、識別対象の商品の識別に用いられ、バーコード情報は、バーコードスキャナ38により読み取られたバーコードに基づいて識別された商品に係る情報を含む。これによれば、ユーザは、棚卸などの、商品に係る情報の取得を目的とするバーコードの読み取りを実施するのみで、特段意識することなく、電波分布の異常の検出に必要な電波情報を収集することができる。
【0126】
また、バーコードは、識別対象の複数の商品の各々に付されており、CPU31は、バーコードスキャナ38が複数の商品の各々のバーコードを読み取るごとにローミングを行って無線通信部37が無線通信を行うアクセスポイント20を選択し(接続対象選択手段)、バーコードスキャナ38が複数の商品の各々のバーコードを読み取るごとに、バーコード情報及びアクセスポイント情報を、無線通信部37により、アクセスポイント20を介してサーバ10に送信させる(通信制御手段)。これによれば、複数の商品のバーコードの読み取りに応じて、通信エリア2の複数の位置における電波強度を簡易に特定することができる。
【0127】
また、第2の実施形態に係るサーバ10は、CPU11を有し、CPU11は、バーコードと、当該バーコードの位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応データ142と、ハンディターミナル30から受信したバーコード情報と、に基づいて、バーコードスキャナ38がバーコードを読み取ったときのハンディターミナル30の位置である読取位置を特定し(読取位置特定手段)、予め登録されているリファレンス情報としての規定アクセスポイントデータ145と、ハンディターミナル30から受信したアクセスポイント情報と、の比較結果に基づいて、複数のアクセスポイント20から発せられている電波の異常を検出し(異常検出手段)、規定アクセスポイントデータ145は、複数のアクセスポイント20から発せられる電波の所定の分布に応じて特定される、各位置での通常の接続対象のアクセスポイント20を示し、CPU11は、アクセスポイント情報が示すアクセスポイント20と、規定アクセスポイント情報のうち読取位置に対応する通常の接続対象のアクセスポイント20と、が異なる場合に異常を検出する(異常検出手段)。情報取得管理システム1においてこのような構成のサーバ10を用いることで、アクセスポイント20からの電波の異常を簡易に検出することができる。
【0128】
また、第2の実施形態に係るハンディターミナル30は、複数のアクセスポイント20から選択された一のアクセスポイント20との無線通信を介してサーバ10と通信を行う無線通信部37と、バーコードを読み取る読取手段としてのバーコードスキャナ38と、CPU31とを有し、無線通信部37は、バーコードスキャナ38によるバーコードの読み取りが行われる場合に、アクセスポイント20から発せられている電波の強度を検出し(電波検出手段)、CPU31は、無線通信部37により検出された電波の状況に応じて、複数のアクセスポイント20のうち無線通信部37が無線通信を行うアクセスポイント20を選択し(接続対象選択手段)、バーコードスキャナ38が読み取ったバーコードを示すバーコード情報、及びバーコードスキャナ38によるバーコードの読み取りに対応して選択されたアクセスポイント20を示すアクセスポイント情報を、無線通信部37により、アクセスポイント20を介してサーバ10に送信させる(通信制御手段)。情報取得管理システム1においてこのような構成のハンディターミナル30を用いることで、アクセスポイント20からの電波の異常を簡易に検出することができる。
【0129】
また、第2の実施形態に係るプログラム141は、サーバ10に設けられたコンピュータとしてのCPU11を、バーコードと、当該バーコードの位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応データ142と、ハンディターミナル30から受信したバーコード情報と、に基づいて、バーコードスキャナ38がバーコードを読み取ったときのハンディターミナル30の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段、予め登録されているリファレンス情報としての規定アクセスポイントデータ145と、ハンディターミナル30から受信したアクセスポイント情報と、の比較結果に基づいて、複数のアクセスポイント20から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段、として機能させ、規定アクセスポイントデータ145は、複数のアクセスポイント20から発せられる電波の所定の分布に応じて特定される、各位置での通常の接続対象のアクセスポイント20を示し、異常検出手段は、アクセスポイント情報が示すアクセスポイント20と、規定アクセスポイント情報のうち読取位置に対応する通常の接続対象のアクセスポイント20と、が異なる場合に異常を検出する。情報取得管理システム1のサーバ10をこのようなプログラム141に従って動作させることで、アクセスポイント20からの電波の異常を簡易に検出することができる。
【0130】
また、第2の実施形態に係るプログラム341は、ハンディターミナル30に設けられたコンピュータとしてのCPU31を、無線通信部37により検出された電波の状況に応じて、複数のアクセスポイント20のうち無線通信部37が無線通信を行うアクセスポイント20を選択する接続対象選択手段、バーコードスキャナ38が読み取ったバーコードを示すバーコード情報、及びバーコードスキャナ38によるバーコードの読み取りに対応して選択されたアクセスポイント20を示すアクセスポイント情報を、無線通信部37により、アクセスポイント20を介してサーバ10に送信させる通信制御手段、として機能させる。情報取得管理システム1のサーバ10をこのようなプログラム141に従って動作させることで、アクセスポイント20からの電波の異常を簡易に検出することができる。
【0131】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部14、34のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0132】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る無線通信システム、情報処理装置、端末装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上各実施形態では、無線通信システムとして情報取得管理システム1を例に挙げて説明したが、これに限られず、情報処理装置と端末装置とが中継無線通信装置を介して通信を行う任意の無線通信システムに本発明を適用することができる。
【0133】
また、第1の実施形態では、基準電波分布データ143が、基準電波強度データ1431及び基準電波マップ1432を含むものとして説明したが、これに限られない。例えば、検出電波マップ1442の生成及び更新をしない場合には、基準電波マップ1432は省略してもよい。また、基準電波マップ1432に基準電波強度データ1431の情報が含まれる場合には、基準電波強度データ1431を省略してもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、2つのアクセスポイント20を備える情報取得管理システム1を例に挙げて説明したが、アクセスポイント20の数は、施設の広さ等に応じて3つ以上としてもよい。また、単一のアクセスポイント20で通信エリア2をカバーできる場合には、アクセスポイント20は1つであってもよい。
【0135】
また、識別標識としてバーコードを例に挙げて説明したが、識別標識はこれに限られず、識別対象の識別に用いることができる任意の標識とすることができる。例えば、識別標識は、文字、図形、又はこれらの組み合わせなどであってもよく、商品の製造番号や商品コード等をそのまま識別標識として用いてもよい。
【0136】
また、バーコードは、商品等の物品の識別を主目的としたものに限られず、ハンディターミナル30の位置情報の取得のみを目的としたものであってもよい。したがって、バーコードは、商品等の物品に直接付されていなくてもよく、商品が陳列される棚や建物の壁などに付されていてもよい。
【0137】
また、上記実施形態では、報知手段として表示部16を例示し、報知動作として表示部16による警告画面の表示動作を例示したが、これに限られない。例えば、報知動作は、情報取得管理システム1を管理するユーザが使用している端末(通常、ハンディターミナル30とは別個の装置であるが、ハンディターミナル30であってもよい)に対して警告内容を含むメール又はメッセージを送信する動作であってもよい。この場合には、メール又はメッセージの送信処理を行うCPU11が報知手段に相当する。
【0138】
また、上記実施形態では、複数のアクセスポイント20を施設内の同一フロアに設ける例を挙げて説明したが、これに限られず、異なるフロアごとに設けられていてもよいし、異なる複数の施設に亘って複数設けられていてもよい。
【0139】
また、上記実施形態では、中継無線通信装置として無線LAN通信のアクセスポイント20を例示したが、これに限定する趣旨ではなく、情報処理装置と端末装置との通信を中継し、かつ通信端末との間で無線通信を行う任意の中継無線通信装置を用いることができる。
【0140】
また、上記実施形態における情報処理装置としてのサーバ10、及び端末装置としてのハンディターミナル30の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0141】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた中継無線通信装置と、
前記中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムであって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記中継無線通信装置から発せられている電波の強度を検出する電波検出手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記電波検出手段が検出した電波の強度を示す電波情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての前記中継無線通信装置から発せられる電波の所定の強度分布を示す電波分布情報のうち前記読取位置に対応する電波の強度と、前記端末装置から受信した前記電波情報が示す電波の強度と、の比較結果に基づいて、前記中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有することを特徴とする無線通信システム。
<請求項2>
複数の前記中継無線通信装置を備え、
前記通信手段は、複数の前記中継無線通信装置から選択された一の中継無線通信装置を介して前記情報処理装置と通信を行い、
前記電波検出手段は、前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記複数の中継無線通信装置の各々から発せられている電波の強度を検出し、
前記電波情報は、前記電波検出手段が検出した各前記電波の強度を示し、
前記電波分布情報は、前記複数の中継無線通信装置から各々発せられる電波の強度分布を示すことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
<請求項3>
前記情報処理装置は、受信した前記電波情報が示す電波強度に応じて前記電波分布情報を修正した内容の修正電波分布情報を生成する情報生成手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
<請求項4>
前記情報生成手段は、前記端末装置から二以上の前記電波情報を受信した場合に、相対的に新しい前記電波情報に基づいて前記修正電波分布情報を更新することを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
<請求項5>
前記識別標識は、識別対象の物品の識別に用いられ、
前記識別標識情報は、前記読取手段により読み取られた前記識別標識に基づいて識別された前記物品に係る情報を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の無線通信システム。
<請求項6>
前記識別標識は、識別対象の複数の物品の各々に付されており、
前記電波検出手段は、前記読取手段が前記複数の物品の各々の前記識別標識を読み取るごとに前記中継無線通信装置から発せられている電波の強度を検出し、
前記通信制御手段は、前記読取手段が前記複数の物品の各々の前記識別標識を読み取るごとに、前記識別標識情報及び前記電波情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させることを特徴とする請求項5に記載の無線通信システム。
<請求項7>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた複数の中継無線通信装置と、
前記複数の中継無線通信装置から選択された一の中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムであって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記複数の中継無線通信装置から各々発せられている電波を検出する電波検出手段と、
前記電波検出手段により検出された電波の状況に応じて、前記複数の中継無線通信装置のうち前記通信手段が無線通信を行う中継無線通信装置を選択する接続対象選択手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記読取手段による前記識別標識の読み取りに対応して前記接続対象選択手段により選択された前記中継無線通信装置を示す接続対象情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての規定接続対象情報と、前記端末装置から受信した前記接続対象情報と、の比較結果に基づいて、前記複数の中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有し、
前記規定接続対象情報は、前記複数の中継無線通信装置から発せられる電波の所定の分布に応じて特定される、各位置での通常の接続対象の中継無線通信装置を示し、
前記異常検出手段は、前記接続対象情報が示す中継無線通信装置と、前記規定接続対象情報のうち前記読取位置に対応する前記通常の接続対象の中継無線通信装置と、が異なる場合に前記異常を検出することを特徴とする無線通信システム。
<請求項8>
前記電波検出手段は、前記複数の中継無線通信装置から各々発せられている電波の強度を検出し、
前記接続対象選択手段は、前記複数の中継無線通信装置のうち、前記電波検出手段が検出した電波の強度が最も高い中継無線通信装置を、前記通信手段が無線通信を行う中継無線通信装置として選択することを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
<請求項9>
前記情報処理装置は、受信した前記接続対象情報が示す中継無線通信装置に応じて前記規定接続対象情報を修正した内容の修正規定接続対象情報を生成する情報生成手段を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の無線通信システム。
<請求項10>
前記情報生成手段は、前記端末装置から二以上の前記接続対象情報を受信した場合に、相対的に新しい前記接続対象情報に基づいて前記修正規定接続対象情報を更新することを特徴とする請求項9に記載の無線通信システム。
<請求項11>
前記識別標識は、識別対象の物品の識別に用いられ、
前記識別標識情報は、前記読取手段により読み取られた前記識別標識に基づいて識別された前記物品に係る情報を含むことを特徴とする請求項7~10のいずれか一項に記載の無線通信システム。
<請求項12>
前記識別標識は、識別対象の複数の物品の各々に付されており、
前記接続対象選択手段は、前記読取手段が前記複数の物品の各々の前記識別標識を読み取るごとに前記通信手段が無線通信を行う中継無線通信装置を選択し、
前記通信制御手段は、前記読取手段が前記複数の物品の各々の前記識別標識を読み取るごとに、前記識別標識情報及び前記接続対象情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させることを特徴とする請求項11に記載の無線通信システム。
<請求項13>
前記異常検出手段が前記異常を検出した場合に所定の報知動作を行う報知手段を備えることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の無線通信システム。
<請求項14>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた中継無線通信装置と、
前記中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムに用いられる情報処理装置であって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記中継無線通信装置から発せられている電波の強度を検出する電波検出手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記電波検出手段が検出した電波の強度を示す電波情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
当該情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての前記中継無線通信装置から発せられる電波の所定の強度分布を示す電波分布情報のうち前記読取位置に対応する電波の強度と、前記端末装置から受信した前記電波情報が示す電波の強度と、の比較結果に基づいて、前記中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
<請求項15>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた複数の中継無線通信装置と、
前記複数の中継無線通信装置から選択された一の中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムに用いられる情報処理装置であって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記複数の中継無線通信装置から各々発せられている電波を検出する電波検出手段と、
前記電波検出手段により検出された電波の状況に応じて、前記複数の中継無線通信装置のうち前記通信手段が無線通信を行う中継無線通信装置を選択する接続対象選択手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記読取手段による前記識別標識の読み取りに対応して前記接続対象選択手段により選択された前記中継無線通信装置を示す接続対象情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
当該情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての規定接続対象情報と、前記端末装置から受信した前記接続対象情報と、の比較結果に基づいて、前記複数の中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有し、
前記規定接続対象情報は、前記複数の中継無線通信装置から発せられる電波の所定の分布に応じて特定される、各位置での通常の接続対象の中継無線通信装置を示し、
前記異常検出手段は、前記接続対象情報が示す中継無線通信装置と、前記規定接続対象情報のうち前記読取位置に対応する前記通常の接続対象の中継無線通信装置と、が異なる場合に前記異常を検出することを特徴とする情報処理装置。
<請求項16>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた中継無線通信装置と、
前記中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムに用いられる端末装置であって、
当該端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記中継無線通信装置から発せられている電波の強度を検出する電波検出手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記電波検出手段が検出した電波の強度を示す電波情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての前記中継無線通信装置から発せられる電波の所定の強度分布を示す電波分布情報のうち前記読取位置に対応する電波の強度と、前記端末装置から受信した前記電波情報が示す電波の強度と、の比較結果に基づいて、前記中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
<請求項17>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた複数の中継無線通信装置と、
前記複数の中継無線通信装置から選択された一の中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムに用いられる端末装置であって、
当該端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記複数の中継無線通信装置から各々発せられている電波を検出する電波検出手段と、
前記電波検出手段により検出された電波の状況に応じて、前記複数の中継無線通信装置のうち前記通信手段が無線通信を行う中継無線通信装置を選択する接続対象選択手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記読取手段による前記識別標識の読み取りに対応して前記接続対象選択手段により選択された前記中継無線通信装置を示す接続対象情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての規定接続対象情報と、前記端末装置から受信した前記接続対象情報と、の比較結果に基づいて、前記複数の中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有し、
前記規定接続対象情報は、前記複数の中継無線通信装置から発せられる電波の所定の分布に応じて特定される、各位置での通常の接続対象の中継無線通信装置を示し、
前記異常検出手段は、前記接続対象情報が示す中継無線通信装置と、前記規定接続対象情報のうち前記読取位置に対応する前記通常の接続対象の中継無線通信装置と、が異なる場合に前記異常を検出する、
ことを特徴とする端末装置。
<請求項18>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた中継無線通信装置と、
前記中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムに用いられる情報処理装置のコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記中継無線通信装置から発せられている電波の強度を検出する電波検出手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記電波検出手段が検出した電波の強度を示す電波情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
当該プログラムは、前記コンピュータを、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段、
予め登録されているリファレンス情報としての前記中継無線通信装置から発せられる電波の所定の強度分布を示す電波分布情報のうち前記読取位置に対応する電波の強度と、前記端末装置から受信した前記電波情報が示す電波の強度と、の比較結果に基づいて、前記中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
<請求項19>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた複数の中継無線通信装置と、
前記複数の中継無線通信装置から選択された一の中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムに用いられる情報処理装置のコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記複数の中継無線通信装置から各々発せられている電波を検出する電波検出手段と、
前記電波検出手段により検出された電波の状況に応じて、前記複数の中継無線通信装置のうち前記通信手段が無線通信を行う中継無線通信装置を選択する接続対象選択手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記読取手段による前記識別標識の読み取りに対応して前記接続対象選択手段により選択された前記中継無線通信装置を示す接続対象情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段と、
を有し、
当該プログラムは、前記コンピュータを、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段、
予め登録されているリファレンス情報としての規定接続対象情報と、前記端末装置から受信した前記接続対象情報と、の比較結果に基づいて、前記複数の中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段、
として機能させ、
前記規定接続対象情報は、前記複数の中継無線通信装置から発せられる電波の所定の分布に応じて特定される、各位置での通常の接続対象の中継無線通信装置を示し、
前記異常検出手段は、前記接続対象情報が示す中継無線通信装置と、前記規定接続対象情報のうち前記読取位置に対応する前記通常の接続対象の中継無線通信装置と、が異なる場合に前記異常を検出することを特徴とするプログラム。
<請求項20>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた中継無線通信装置と、
前記中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムに用いられる端末装置のコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記中継無線通信装置から発せられている電波の強度を検出する電波検出手段と、
を有し、
当該プログラムは、前記コンピュータを、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記電波検出手段が検出した電波の強度を示す電波情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段として機能させ、
前記情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての前記中継無線通信装置から発せられる電波の所定の強度分布を示す電波分布情報のうち前記読取位置に対応する電波の強度と、前記端末装置から受信した前記電波情報が示す電波の強度と、の比較結果に基づいて、前記中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有することを特徴とするプログラム。
<請求項21>
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に設けられた複数の中継無線通信装置と、
前記複数の中継無線通信装置から選択された一の中継無線通信装置との無線通信を介して前記情報処理装置と通信を行う通信手段を有する端末装置と、
を備えた無線通信システムに用いられる端末装置のコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記端末装置は、
所定の識別標識を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記識別標識の読み取りが行われる場合に、前記複数の中継無線通信装置から各々発せられている電波を検出する電波検出手段と、
を有し、
当該プログラムは、前記コンピュータを、
前記電波検出手段により検出された電波の状況に応じて、前記複数の中継無線通信装置のうち前記通信手段が無線通信を行う中継無線通信装置を選択する接続対象選択手段、
前記読取手段が読み取った前記識別標識を示す識別標識情報、及び前記読取手段による前記識別標識の読み取りに対応して前記接続対象選択手段により選択された前記中継無線通信装置を示す接続対象情報を、前記通信手段により、前記中継無線通信装置を介して前記情報処理装置に送信させる通信制御手段、
として機能させ、
前記情報処理装置は、
前記識別標識と、当該識別標識の位置に係る情報と、が対応付けられている位置対応情報と、前記端末装置から受信した前記識別標識情報と、に基づいて、前記読取手段が前記識別標識を読み取ったときの前記端末装置の位置である読取位置を特定する読取位置特定手段と、
予め登録されているリファレンス情報としての規定接続対象情報と、前記端末装置から受信した前記接続対象情報と、の比較結果に基づいて、前記複数の中継無線通信装置から発せられている電波の異常を検出する異常検出手段と、
を有し、
前記規定接続対象情報は、前記複数の中継無線通信装置から発せられる電波の所定の分布に応じて特定される、各位置での通常の接続対象の中継無線通信装置を示し、
前記異常検出手段は、前記接続対象情報が示す中継無線通信装置と、前記規定接続対象情報のうち前記読取位置に対応する前記通常の接続対象の中継無線通信装置と、が異なる場合に前記異常を検出する、
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0142】
1 情報取得管理システム
2 通信エリア
10 サーバ(情報処理装置)
11 CPU(読取位置特定手段、異常検出手段、情報生成手段)
12 RAM
13 ROM
14 記憶部
141 プログラム
142 位置対応データ(位置対応情報)
143 基準電波分布データ(電波分布情報)
1431 基準電波強度データ
1432 基準電波マップ
1432a 第1の基準電波マップ
1432b 第2の基準電波マップ
144 検出電波分布データ(修正電波分布情報)
1441 検出電波強度データ
1442 検出電波マップ
1442b 第2の検出電波マップ
145 規定アクセスポイントデータ(規定接続対象情報)
146 修正規定アクセスポイントデータ(修正規定接続対象情報)
15 操作部
16 表示部(報知手段)
17 通信部
18 バス
20、20a、20b アクセスポイント(中継無線通信装置)
30 ハンディターミナル(端末装置)
31 CPU(通信制御手段、接続対象選択手段)
32 RAM
33 ROM
34 記憶部
341 プログラム
342 商品在庫データ
343 電波検出結果データ
35 操作部
36 表示部
37 無線通信部(通信手段、電波検出手段)
38 バーコードスキャナ(読取手段)
39 バス
B1~B6 バーコード(識別標識)
M 遮蔽物
N 通信ネットワーク