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特許7565709衛生管理システム、及び衛生管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】衛生管理システム、及び衛生管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241004BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/10
G05B19/418 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020093360
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021189667
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】523488941
【氏名又は名称】ネオジェン フード セーフティー ユーエス ホールドコ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NEOGEN FOOD SAFETY US HOLDCO CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 匠子
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/183635(WO,A1)
【文献】特開2012-100548(JP,A)
【文献】特開2017-201992(JP,A)
【文献】特開2020-046952(JP,A)
【文献】特開2003-203157(JP,A)
【文献】特開2000-305990(JP,A)
【文献】特開2014-026375(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0074248(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0238448(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物質の検査を行う複数の施設によって用いられる衛生管理システムであって、
前記施設の施設情報及び技量情報を受信する施設技量情報受信部と、
前記施設情報及び前記技量情報の合否を判定する施設技量情報判定部と、
前記施設技量情報判定部によって合格と判定された前記施設に、他の前記施設の衛生管理情報の閲覧、及び/又は、他の前記施設による閲覧を可能とする権限を付与する権限付与部と、
を備える衛生管理システム。
【請求項2】
前記施設情報は、ISO17025の認証情報を含む、
請求項1に記載の衛生管理システム。
【請求項3】
前記技量情報は、外部精度管理のレベルを含む、
請求項1又は2に記載の衛生管理システム。
【請求項4】
前記権限付与部が前記権限を付与してから一定期間経過後に、前記施設情報及び前記技量情報の更新を前記施設に要求する施設技量情報更新部を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の衛生管理システム
【請求項5】
検査対象物質の検査を行う複数の施設によって用いられる衛生管理プログラムであって、
コンピュータに、
前記施設の施設情報及び技量情報を前記施設から受信するステップと、
前記施設情報及び技量情報から前記施設の合否を判定するステップと、
前記合否を前記施設に送信するステップと、
前記合否を判定するステップにおいて合格と判定した前記施設に、他の前記施設の衛生管理情報の閲覧、及び/又は、他の前記施設による閲覧を可能とする権限を付与するステップと、
実行させるための衛生管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「他のフィルム型培地と識別するための識別情報が標準で設けられていない汎用品のフィルム型培地のデータ管理をするために、当該フィルム型培地に貼り付けるための、他の培地と識別するための培地IDと、作業情報の少なくとも一部が作業者に可読可能に形成された可読情報と、を有する培地ラベルを発行することができるようになっている衛生管理システム」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-026472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
衛生管理システムは、菌等の検査を行う複数の施設によって用いられる。このような菌等の検査対象物質の検査を行う施設では、衛生管理システムのデータベースに情報を蓄積していくことによって施設内において衛生管理を行うことは可能である。しかしながら、データベースに蓄積される情報は当該情報を記憶した施設が見るものであり、情報の共用化が図られていないのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態に係る衛生管理システムは、検査対象物質の検査を行う複数の施設によって用いられる衛生管理システムであって、施設の施設情報及び技量情報を受信する施設技量情報受信部と、施設情報及び技量情報の合否を判定する施設技量情報判定部と、施設技量情報判定部によって合格と判定された施設に、他の施設の衛生管理情報の閲覧、及び/又は、他の施設による閲覧を可能とする権限を付与する権限付与部と、を備える。
【0006】
この形態の衛生管理システムでは、施設技量情報受信部が施設の施設情報及び技量情報を受信し、施設技量情報判定部が施設情報及び技量情報の合否を判定する。衛生管理システムでは、施設情報及び技量情報の合否判定の結果、合格と判定された施設には、他の施設の衛生管理情報を閲覧可能とする権限、及び/又は、他の施設による閲覧を可能とする権限が権限付与部によって付与される。従って、施設情報及び技量情報から合否を判定して合格と判定した施設に当該権限を付与することにより、所定の条件を満たす施設に対しては、他の施設との情報共用を許容することができる。よって、データベースの信頼性を担保しつつ、データの共用化を図ることができ、衛生管理システムの有用性を向上させることができる。
【0007】
施設情報は、ISO17025の認証情報を含んでもよい。
【0008】
技量情報は、外部精度管理のレベルを含んでもよい。
【0009】
別の形態に係る衛生管理システムは、権限付与部が権限を付与してから一定期間経過後に、施設情報及び技量情報の更新を施設に要求する施設技量情報更新部を備えてもよい。
【0010】
本開示の別の形態に係る衛生管理システムは、検査対象物質の検査を行う複数の施設によって用いられる衛生管理システムであって、複数の施設における検査対象物質の衛生管理情報を記憶する記憶部と、衛生管理情報を検索するための検索キーワードを施設から受信するキーワード受信部と、記憶部から検索キーワードに合致する衛生管理情報を抽出する衛生管理情報抽出部と、衛生管理情報抽出部によって抽出された衛生管理情報を施設に送信する衛生管理情報送信部と、を備える。
【0011】
この形態の衛生管理システムでは、記憶部が複数の施設の衛生管理情報を記憶しており、衛生管理情報抽出部が検索キーワードに合致する衛生管理情報を記憶部から抽出する。そして、抽出された衛生管理情報は衛生管理情報送信部によって施設に送信される。従って、前述した衛生管理システムと同様、他の施設の衛生管理情報を施設に送信することができるので、当該施設は他の施設の衛生管理情報を閲覧することができる。その結果、衛生管理情報の共用化を図ると共に衛生管理システムの有用性を向上させることができる。
【0012】
衛生管理情報抽出部は、検査によって得られる検査対象物質の数の情報を抽出してもよい。
【0013】
衛生管理情報抽出部は、検査によって得られる検査対象物質の画像データを抽出してもよい。
【0014】
衛生管理情報抽出部は、検査対象物質の検査内容を抽出してもよい。
【0015】
本開示の一形態に係る衛生管理方法は、検査対象物質の検査を行う複数の施設によって用いられる衛生管理方法であって、施設が施設の施設情報及び技量情報を送信する工程と、施設情報及び技量情報の合否の判定結果を受信する工程と、受信する工程において合格の判定結果を受信した施設が他の施設の衛生管理情報を閲覧する工程と、を備える。
【0016】
本開示の別の形態に係る衛生管理方法は、検査対象物質の検査を行う複数の施設によって用いられる衛生管理方法であって、施設の施設情報及び技量情報を施設から受信する工程と、施設情報及び技量情報から施設の合否を判定する工程と、合否を施設に送信する工程と、合否を判定する工程において合格と判定した施設に、他の施設の衛生管理情報の閲覧、及び/又は、他の施設による閲覧を可能とする権限を付与する工程と、を備える。
【0017】
本開示の一形態に係る衛生管理プログラムは、検査対象物質の検査を行う複数の施設によって用いられる衛生管理プログラムであって、施設の施設情報及び技量情報を施設から受信するステップと、施設情報及び技量情報から施設の合否を判定するステップと、合否を施設に送信するステップと、合否を判定するステップにおいて合格と判定した施設に、他の施設の衛生管理情報の閲覧、及び/又は、他の施設による閲覧を可能とする権限を付与するステップと、を備える。
【0018】
これらの形態の衛生管理方法及び衛生管理プログラムでは、複数の施設のそれぞれの施設情報及び技量情報の送受信を行い、施設情報及び技量情報から施設の合否が判定される。そして、判定された合否の結果が施設に通知されると共に、合格と判定された施設には他の施設の衛生管理情報の閲覧、及び/又は、他の施設による閲覧を可能とする権限が付与される。従って、合格と判定された施設については、例えば、他の施設の衛生管理情報への閲覧をさせる代わりに他の施設の衛生管理情報を閲覧することができる。よって、データベースの信頼性を担保しつつ衛生管理情報の共用化を図ることで、衛生管理システムの有用性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、衛生管理システムの有用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】衛生管理システムの機能構成の例を示す図である。
図2】衛生管理システムに用いられるサーバ又は端末のハードウェア構成の例を示す図である。
図3】衛生管理システムのデータ構成の例を示す図である。
図4図3のデータ構成のマスタデータの詳細の例を示す図である。
図5図4の検査データマスタの内容の例を示す図である。
図6】衛生管理方法の工程の例を示すフロー図である。
図7図6の「会員登録フロー」の工程の例を示すフロー図である。
図8図7の「会員資格判定」の工程の例を示すシーケンス図である。
図9図8の「基本情報の登録」の画面の例を示す図である。
図10図8の「施設情報及び技量情報の登録」の画面の例を示す図である。
図11図7の「自社データの提供を承認」の画面の例を示す図である。
図12図6の「情報更新フロー」の工程の例を示すフロー図である。
図13図6の「ロットデータの作成」から「報告書の作成」の工程の詳細の例を示すフロー図である。
図14図13の「識別コードの出力」の例を示す図である。
図15図14の識別コードに含まれる情報を説明するための図である。
図16図13の培地として用いられる例示的なプレートを示す斜視図である。
図17図16のプレートに識別コードが対応付けられた態様の例を示す図である。
図18図16のプレートを読み取る例示的なリーダーを示す斜視図である。
図19図18のリーダーを介して入力された検査対象物質の数の例である菌数(コロニー数)を表示する画面の例を示す図である。
図20図18のリーダーを介して入力された菌数を含む菌数データファイルの例を示す図である。
図21図13の「判定」工程で表示される検査結果確認画面の例を示す図である。
図22】衛生管理システムが実行する「データ検索フロー」の工程の例を示すフロー図である。
図23図22の「検索キーワードの入力」工程で表示される画面の例を示す図である。
図24図22の「検索結果の表示」工程で表示される画面の例を示す図である(図23で「検査内容」を選択した場合)。
図25図22の「検索結果の表示」工程で表示される画面の例を示す図である(図23で「画像」を選択した場合)
図26図22の「検索結果の表示」工程で表示される画面の例を示す図である(図23で「菌数」を選択した場合)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムの実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易のため、一部を簡略化又は誇張している場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。更に、衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムにおいて用いられる画面のレイアウト等は、後述する例に限られず適宜変更可能である。
【0022】
本実施形態に係る衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムは、一例として、食品の衛生管理を行うシステム、方法、及びプログラムである。食品を含む衛生管理の業界では、施設内で菌等の検査対象物質の検査が行われるが、検査の方法及び基準等の情報は、施設によって様々である。衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムで用いられる上記の方法及び基準等の情報は、複数の施設間で共用されていないという現状がある。このため、例えば、自施設の検査方法や基準を決めるとき、又は、自施設で得た結果の妥当性を確認するときに、他の施設の情報を閲覧して参考にすることができていない。一方で、単に複数施設で情報共用化を図ると、信頼性の低い情報が混在したり集積したりすることで、データベースの信頼性が低下する懸念がある。
【0023】
本実施形態に係る衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムでは、例えば、一部の施設に他の施設の衛生管理情報を閲覧可能とすることにより、衛生管理情報の共用化を実現できると共に、データベースの信頼性を担保することが可能である。すなわち、一部の施設に他の施設との衛生管理情報の共用を可能とすることにより、データベースの信頼性を保ちつつ、他の施設の衛生管理情報を参考とすることができ、衛生管理システムの有用性の向上に寄与する。
【0024】
本開示において、「衛生管理情報」は、検査対象物質の検査に関する情報を示している。例えば、「衛生管理情報」は、検査対象物質の検査基準、検査対象、検査内容、検査結果及び検査方法の少なくともいずれかを含んでいる。「検査対象物質」は、病原菌及び衛生指標菌を含む様々な菌、並びにアレルゲン(タンパク質等)等を含んでおり、本実施形態では「検査対象物質」が衛生指標菌である例について説明する。
【0025】
「検体」とは、検査される対象物を示しており、例えば、検査対象物質の一種である菌の数(菌数)が測定される測定対象物を含んでいる。「衛生管理」とは、検体に含まれうる病原菌、アレルゲン又は食品衛生菌等の検査対象物質の数、又は有無を測定して、検体の衛生状態を管理することを示しており、例えば、食品衛生管理及び環境衛生管理を含んでいる。
【0026】
本開示において、「施設」とは、検査対象物質の検査を行う施設を示しており、例えば、検査を行う会社、及び検査を行う検査室を含んでいる。一つの会社が複数の「施設」を所有することもある。「施設情報」とは、検査を行う施設の情報を示しており、例えば、施設が検査を行うのに十分な設備を備えているか等の設備情報を含んでいる。「技量情報」とは、施設において検査を行う検査員の技量の情報を示している。
【0027】
実施形態に係る衛生管理システム1は、例えば、検査対象物質の検査のための衛生管理を行うために用いられるコンピュータシステムである。検査対象物質の種類は何ら限定されない。衛生管理システム1として機能する機器の種類及び構成は限定されない。例えば、衛生管理システム1は、単体のコンピュータで構成されてもよく、例えば、タブレット端末、高機能携帯電話機(スマートフォン)、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ等の携帯端末であってもよいし、据置型のパーソナルコンピュータであってもよい。あるいは、衛生管理システム1は複数のコンピュータによって構成される分散処理システムであってもよいし、クライアント-サーバシステム、又はクラウドシステムであってもよい。
【0028】
本実施形態に係る衛生管理プログラムは、例えば、メインモジュール、データ取得モジュール、画像解析モジュール、判定モジュール、及び出力モジュールを含む。メインモジュールは、衛生管理システム1の機能を統括的に管理するモジュールである。データ取得モジュール、画像解析モジュール、判定モジュール、及び出力モジュールを実行することで、衛生管理システム1の各機能的構成要素が機能する。衛生管理プログラムは、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、若しくは半導体メモリ等の有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。また、衛生管理プログラムは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0029】
図1は、例示的な衛生管理システム1の機能構成を示す図である。衛生管理システム1は、例えば、サーバ20を備える。例示的なサーバ20は複数の施設(一例として検査員)の端末10のそれぞれと通信可能とされている。本開示において、「検査員」とは、検体を検査する人を示している。「端末」は、パーソナルコンピュータ等の情報端末及び携帯端末を含んでおり、携帯端末は、ノートパソコン、タブレット又は携帯電話等、携帯可能な端末を含んでいる。
【0030】
サーバ20は、機能的構成要素として、記憶部21、表示制御部22、識別コード出力部23、入力部24、合否判定部25、承認要求部26、検査内容出力部27、改ざん判定部28、施設技量情報受信部29、施設技量情報判定部30、施設技量情報更新部31、権限付与部32、キーワード受信部33、衛生管理情報抽出部34、及び衛生管理情報送信部35を備える。
【0031】
記憶部21は、端末10からサーバ20が受信した情報、及びサーバ20の内部において生成された情報を記憶する。記憶部21は、複数の施設の衛生管理情報をデータベース化して記憶する。表示制御部22は、端末10において表示される画面を制御する。識別コード出力部23は、後述する識別コードC(図14参照)を出力する。入力部24は、検査された菌数(検査対象物質の数)が入力される。
【0032】
合否判定部25は菌数の合否を判定する。合否判定部25は、例えば、入力部24に入力された菌数と、識別コードCに出力された閾値とを比較して菌数の合否を判定する。合否判定部25は、入力部24に入力された菌数が閾値以上である場合に不合格と判定し、入力部24に入力された菌数が閾値以上でない場合に合格と判定してもよい。承認要求部26は合否が判定された検体を出荷する承認を求める機能である。検査内容出力部27は、検査内容を出力する機能であって、例えば、菌数を検査する検体のリストを出力する。改ざん判定部28は、後述する菌数データファイルが改ざんされていないかどうかを判定する。
【0033】
施設技量情報受信部29は、施設情報及び技量情報を受信する。施設技量情報受信部29は、施設の設備情報を受信する機能要素であってもよいし、施設の検査員の技量情報を受信する機能要素であってもよい。施設情報は、例えば、施設の検査設備の情報を示しており、検査設備の衛生度又は充実度を含んでいてもよい。施設情報は、施設が正確な検査結果を出す能力を有するかどうかを示す指標であってもよい。施設情報は、ISO17025の認証情報であってもよい。ISO17025は、試験所又は校正機関の正確さを認定するためのマネジメントシステムであり、ISO17025の認証情報を取得することにより、QMS(品質マネジメントシステム)への適合性が保証されると共に試験施設又は校正施設としての技術的能力に関する適合性も保証される。
【0034】
技量情報は、外部精度管理のレベルであってもよい。「外部精度管理」は、検査の技能を示す技能試験等を示している。「外部精度管理」としては、例えば、食品分析の試験所間比較(技能試験)プログラム、微生物試験の試験所間比較(技能試験)プログラム、遺伝子組換え食品の定性・定量分析の試験所間比較(技能試験)プログラム、又は油脂分析の試験所間比較(技能試験)プログラムが挙げられる。施設技量情報受信部29は、例えば、上記の技能試験のレベル(試験結果、例えば、Zスコア)を施設から受信し、当該受信したレベルが施設の合否判定に用いられる。
【0035】
施設技量情報判定部30は、施設技量情報受信部29が受信した施設情報及び技量情報を判定する機能要素である。施設技量情報判定部30による判定結果は記憶部21に記憶される。施設技量情報判定部30は、施設情報及び技量情報の合否を施設ごとに判定する。施設技量情報判定部30は、例えば、施設情報の合否、及び技量情報の合否を判定する。一例として、施設技量情報判定部30は、ISO17025認証情報を取得している施設であって、外部精度管理のレベルが一定値以上である施設を合格と判定し、それ以外の施設を不合格と判定する。
【0036】
施設技量情報更新部31は、記憶部21に記憶されている施設の施設情報及び技量情報を定期的に更新する機能要素である。施設技量情報更新部31は、前回記憶部21に施設情報及び技量情報が記憶されてから一定期間経過後に、当該施設に施設情報及び技量情報の更新を要求する。
【0037】
権限付与部32は、施設に当該施設とは異なる他の施設との衛生管理情報の共用権限を付与する機能要素である。権限付与部32は、施設技量情報判定部30によって合格と判定された施設に、他の施設の衛生管理情報の閲覧、及び/又は、他の施設による閲覧を可能とする権限を付与する。「他の施設の衛生管理情報の閲覧、及び/又は、他の施設による閲覧を可能とする権限」とは、例えば、他の施設に対して自施設の衛生管理情報の閲覧を可能にすると共に(可能にする代わりに)、自施設が他の施設の衛生管理情報の閲覧を可能となる権限を示している。このように、権限付与部32は、他の施設の衛生管理情報を閲覧可能、及び/又は、他の施設による衛生管理情報の閲覧を可能とする。例えば、権限付与部32は、他の施設に当該施設の衛生管理情報を閲覧させることと引換に、当該施設に対して他の施設の衛生管理情報の閲覧を可能とする。このような権限付与が、施設相互の利益の点で好ましい。以下の記述及び図面では、このように相互閲覧の権限を付与する場合を例に説明する。以降では、この「相互閲覧の権限」を単に「権限」と記載することもある。なお、権限付与部32は、他の施設の衛生管理情報を閲覧可能とするものの、例えば、その衛生管理情報がどの施設のものであるかについては閲覧可能としない。すなわち、権限付与部32は、衛生管理情報の出所を明示しない。
【0038】
キーワード受信部33は、他の施設の衛生管理情報を検索するための検索キーワードを受信する機能要素である。キーワード受信部33は、衛生管理情報を検索するための検索キーワードを施設(例えば端末10)から受信する。キーワード受信部33が受信する検索キーワードは、例えば、検査対象物質の検査基準、検査対象、検査内容、及び検査方法の少なくともいずれかに関する文字列を含んでいてもよい。
【0039】
衛生管理情報抽出部34は、キーワード受信部33が受信した検索キーワードを用いて記憶部21に記憶されている衛生管理情報を抽出する機能要素である。衛生管理情報抽出部34は、記憶部21から検索キーワードに合致する衛生管理情報を抽出する。衛生管理情報抽出部34は、例えば、検索キーワードに紐付く複数の衛生管理情報を記憶部21から抽出する。
【0040】
衛生管理情報送信部35は、衛生管理情報抽出部34によって抽出された衛生管理情報を送信する機能要素である。すなわち、衛生管理情報送信部35は、衛生管理情報抽出部34によって抽出された衛生管理情報を施設(一例として端末10)に送信する。衛生管理情報送信部35は、衛生管理情報を1つの施設に送信してもよいし、衛生管理情報を複数の施設に送信してもよい。
【0041】
図2は、衛生管理システム1(例えば端末10及びサーバ20)のハードウェア構成の例を示す図である。一例として、サーバ20の前述した各機能要素は、当該ハードウェア構成によって実現される。例えば、サーバ20は、プロセッサ41、主記憶部42、補助記憶部43、通信モジュール44、ディスプレイ45、及び入力インタフェース46を含む。プロセッサ41は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを実行する演算装置である。主記憶部42は、例えば、ROM又はRAMで構成され、ロードされたプログラム又は演算結果等を一時的に記憶する。補助記憶部43はフラッシュメモリ又はハードディスク等で構成され、プログラム又はデータを永続的に記憶する。
【0042】
通信モジュール44は無線通信モジュール又はネットワークカードで構成され、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。ディスプレイ45はタッチパネル又はモニタで構成され、ユーザが視認できるようにデータ又は情報を表示する装置である。入力インタフェース46はタッチパネル又はマウス等で構成され、ユーザによるデータ又は指示の入力を受け付ける装置である。
【0043】
例えば、サーバ20の前述した各機能要素は、プロセッサ41又は主記憶部42に所定のソフトウェア(例えば前述した衛生管理プログラム)を読み込ませてそのソフトウェアを実行することによって実現される。プロセッサ41はそのソフトウェアに従って通信モジュール44、ディスプレイ45又は入力インタフェース46を動作させ、主記憶部42又は補助記憶部43におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。データベース化されたデータ等は、主記憶部42又は補助記憶部43に格納される。
【0044】
前述したように、サーバ20は、1台のコンピュータによって構成されていてもよいし、複数台のコンピュータによって構成されていてもよい。例えば、複数台のコンピュータで構成される場合には、複数のコンピュータがインターネット又はイントラネット等の通信ネットワークを介して互いに接続されることによって、論理的に1つのサーバ20が構築される。
【0045】
図3は、記憶部21に記憶されるデータの構成を示す図である。図3に示されるように、記憶部21には、会員データD1、マスタデータD2、ロットデータD3、及び測定データD4が格納される。本実施形態において、「会員」とは「施設」の一種を示している。会員データD1は、例えば、会員情報の最新登録日D11、会社名D12、施設名D13、検査員数D14、1回の検査あたりの検体数D15、施設情報D16、技量情報D17、及び他者データ閲覧可否D18を含む。
【0046】
施設情報D16は、例えば、ISO17025の取得有無のデータを含んでおり、一例として、取得有無D161、取得範囲D162、及び取得年月日D163を含む。技量情報D17は、例えば、外部精度管理の実施会社D171、実施年月日D172、検査員の合格率D173、及び検査員ごとのZスコアD174、D175を含む。検査員の合格率D173は、施設の全ての検査員の数に対する外部精度管理試験の合格者の数の割合を示している。他者データ閲覧可否D18は、施設が他者データ閲覧可能会員であるか又は他者データ閲覧不能会員であるかを示している。「他者データ閲覧可能会員」は他の施設の衛生管理情報を閲覧可能な施設を示しており、「他者データ閲覧不能会員」は他の施設の衛生管理情報を閲覧不能な施設を示している。
【0047】
ロットデータD3は、例えば、検体の検査日D31、当日IDD32、生産日D33、ロットD34、及び備考D35を含む。測定データD4は、菌数D41(検査対象物質の数)、画像D42(画像データ)、画像生成日時D43、及び判定D44(検体に対する合否結果の判定)を含む。
【0048】
図4は、マスタデータD2の詳細を示す図である。図4に示されるように、マスタデータD2は、名称マスタD21、検体マスタD22、菌種培地マスタD23、検査規格セットマスタD24、及び検査データマスタD25を含む。
【0049】
名称マスタD21は、例えば、培地D211(一例として培地の種類)、菌種D212(一例として「一般生菌」等の検査対象物質の種別)、生産工場拠点D213、ラインD214、検体-大カテゴリD215、検体-小カテゴリD216、菌種D217、及び検査時間D218を含む。
【0050】
検体マスタD22は、検体名D221(一例として「冷凍からあげ」等の食品名)、検体IDD222、検体-大カテゴリD223、検体-小カテゴリD224、含まれる原材料D225、及び加熱の有無D226を含む。
【0051】
菌種培地マスタD23は、菌種D231、培地D232、及び適正測定範囲D233を含む。「適正測定範囲」とは、例えば、後述するプレートによって検出される菌数の採否を決定するための数値の範囲である。
【0052】
例えば、「検査規格セット」は、「ルーチン検査」等の検査内容を示している。検査規格セットマスタD24は、検査規格セット名D241、検査法D242、検体採取量D243、希釈水の種類D244、希釈倍率D245、N数D246(例えば後述するプレートの枚数)、閾値D247、出荷承認項目D248、及び備考D249を含む。
【0053】
図5は、検査データマスタD25のデータ項目の具体例を示している。検査データマスタD25は、検体マスタD22と菌種培地マスタD23と検査規格セットマスタD24の情報を含む。図5に示されるように、例えば、検査データマスタD25は、検体名D221、検体IDD222、検体-大カテゴリD223、検体-小カテゴリD224、含まれる原材料D225、加熱の有無D226、検査規格セット名D241、検査法D242、菌種D231、培地D232、適正測定範囲D233、検体採取量D243、希釈水の種類D244、希釈倍率D245、N数D246、閾値D247、及び出荷承認項目D248を含む。
【0054】
図6は、実施形態に係る衛生管理システム1、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムによって実行される検体の菌数の算出、及び菌数の判定を行う例示的なフロー図を示している。本実施形態に係る衛生管理システム1、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムでは、例えば、後述するステップS11~S21において手書きによる作業を不要とすることが可能であり、検体の検査の効率化を可能としている。一例として、以降の各ステップは、衛生管理システム1のサーバ20によって実行される。
【0055】
まず、施設が初期登録の対象施設であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において、施設が初期登録対象施設である場合(施設が初めて登録する施設である場合)にはステップS12に移行し、施設が初期登録対象施設でないと判定した場合にはステップS13に移行する。
【0056】
ステップS12では、例えば図7及び図8に示される会員登録フローが実行される。会員登録フローでは、まず、会員資格判定を行う(ステップS26)。図8に示されるように、会員資格判定では、例えば、サーバ20から端末10(顧客エッジ)に登録用URLの通知を行う(ステップS31)。
【0057】
端末10において登録用URLがタップされると、図9に例示される基本情報登録画面E1が端末10に表示される。基本情報登録画面E1において、例えば、会社名、施設名、検査員数、及び(1回の検査あたりの)検体数が入力されて登録ボタンが押されると、基本情報の登録が行われる(ステップS32)。
【0058】
次に、図10に例示される施設情報及び技量情報の登録画面E2が端末10に表示される。登録画面E2は、施設情報入力部E21と、技量情報入力部E22とを含む。施設情報入力部E21は、例えばISO17025の取得有無E21b、取得範囲E21c、及び取得年月日E21dを項目として含んでいる。技量情報入力部E22は、例えば外部精度管理の実施会社E22b、実施年月日E22c、検査員の合格率E22d、及び検査員ごとのZスコアE22f,E22gを項目として含んでいる。
【0059】
登録画面E2において、施設情報入力部E21のそれぞれの項目、及び技量情報入力部E22のそれぞれの項目にデータが入力されて登録ボタンが押されると、施設情報及び技量情報がサーバ20に送信される(施設情報及び技量情報を送信する工程)。送信された施設情報及び技量情報を施設技量情報受信部29が受信し(施設から受信する工程、施設から受信するステップ)、施設情報及び技量情報の登録が行われる(ステップS33)。
【0060】
続いて、図8に示されるように、例えばISO17025の取得有無の判定(ステップS34)、検査員の外部精度管理試験の合格率が規定以上かどうかの判定(ステップS35)、及び各検査員の外部精度管理試験のZスコアが規定以上かどうかの判定(ステップS36)を施設技量情報判定部30が行う。
【0061】
そして、施設技量情報判定部30は、端末10で各種登録を行った施設が閲覧可能会員であるか又は閲覧不能会員であるかを判定する(施設の合否を判定する工程、施設の合否を判定するステップ、ステップS37)。すなわち、施設技量情報判定部30は、当該施設が閲覧可能会員に値するか否かについての合否を判定する。例えば、施設技量情報判定部30は、ステップS34においてISO17025を取得済、ステップS35において合格率が規定以上、且つステップS36においてZスコアが規定以上、と判定した場合に当該施設が閲覧可能会員であると判定する。
【0062】
施設技量情報判定部30は、例えば、ステップS34においてISO17025を取得済でない、ステップS35において合格率が規定以上でない、又はステップS36においてZスコアが規定以上でない、と判定した場合に当該施設が閲覧不能会員であると判定する。以上の判定が行われた後に、施設技量情報判定部30による合否の判定結果を端末10に通知する(合否を施設に送信する工程、合否を施設に送信するステップ、ステップS38)。端末10によって施設は合否の判定結果を受信する(判定結果を受信する工程)。そして、権限付与部32は、閲覧可能会員であると判定された施設に権限を付与して(閲覧可能とする工程、閲覧可能とするステップ)、会員資格判定の一連の工程が終了する。
【0063】
図7に示されるように、会員資格判定の結果、施設技量情報判定部30が資格ありと判定した場合、ステップS27に移行する。一方、会員資格判定の結果、施設技量情報判定部30が資格なしと判定した場合、ステップS28に移行する。
【0064】
ステップS27では、施設技量情報判定部30による判定結果を受信した施設が自社(当該施設)のデータの衛生管理システム1への提供を承認するか否かを判定する。このとき、図11に例示されるように、端末10においてデータ提供承認可否画面E3を表示する。データ提供承認可否画面E3は、当該施設に自社のデータ(衛生管理情報)を提供する旨の承認を求める画面に相当する。一例として、データ提供承認可否画面E3において「はい」ボタンが押されると自社のデータの提供を承認したこととなり、データ提供承認可否画面E3において「いいえ」ボタンが押されると自社のデータの提供を拒否したこととなる。
【0065】
当該施設が自社のデータの提供を拒否した場合(ステップS27においてNO)、当該施設を他者データ閲覧不能会員として登録する(ステップS28)。一方、当該施設が自社のデータの提供を承認した場合(ステップS27においてYES)、当該施設を他者データ閲覧可能会員として登録する(ステップS29)。以上のステップS28又はステップS29の工程を経て会員登録フローを終了する。
【0066】
図6に示されるように、会員登録フローが完了した後には、マスタデータD2の登録を行う(ステップS14)。このとき、例えば、基本情報登録画面E1において入力された内容を会員データD1における会員情報の最新登録日D11、会社名D12、施設名D13、検査員数D14、及び検体数D15に登録する。そして、登録画面E2において入力された内容を会員データD1における施設情報D16及び技量情報D17のそれぞれの項目に登録する。なお、マスタデータD2の登録は、会員登録フロー(ステップS12)の後ではなく、会員登録フローと共に行ってもよい。
【0067】
図6において、施設が初期登録対象施設でないと判定した場合(ステップS11においてNO)にはステップS13に移行し、当該施設が他者データ閲覧可能会員であるか否かを判定する。このとき、当該施設が他者データ閲覧可能会員であると判定した場合には情報更新フロー(ステップS15)に移行する。一方、当該施設が他者データ閲覧可能会員でないと判定した場合にはステップS16に移行する。
【0068】
ステップS15では、例えば図12に示される情報更新フローが実行される。情報更新フローでは、例えば一定期間(一例として半年又は1年)以内に施設情報及び技量情報が更新されているか否かを判定する(ステップS41)。このとき、一定期間以内に施設情報及び技量情報が更新されていると判定した場合には(ステップS41においてYES)、情報更新フローを終了する。一方、一定期間以内に施設情報及び技量情報が更新されていないと判定した場合には(ステップS41においてNO)、施設情報及び技量情報の更新のリマインドを当該施設(例えば端末10)に通知する(ステップS42)。
【0069】
ステップS42から所定期間(例えば1月又は2月)経過した後に、施設情報及び技量情報が更新されているか否かを判定する(ステップS43)。このとき、施設情報及び技量情報が更新されている場合には(ステップS43においてYES)、当該施設を他者データ閲覧可能会員として維持する(ステップS44)。一方、施設情報及び技量情報が更新されていない場合には(ステップS43においてNO)、当該施設を他者データ閲覧不能会員として登録し直す(ステップS45)。以上のステップS44又はステップS45の工程を経て情報更新フローを終了する。
【0070】
情報更新フローを終了した後には、例えば図13に示されるように、検査データマスタD25の読み込みを行う(ステップS51)。検査データマスタD25の読み込みでは、例えば、検体の検査項目の抽出を行う。なお、図13は、図6のフロー図の各工程を更に詳細に示すフロー図である。検査データマスタD25の読み込みの後には、ロットデータD3の作成を行う(ステップS16、ステップS52)。このとき、例えば端末10からロットデータD3の各項目が入力されてロットデータD3の各項目(検体の検査日D31、当日IDD32、生産日D33、ロットD34、及び備考D35)が登録される。
【0071】
ロットデータD3の作成の後には、例えば図14に示されるように、識別コード出力部23が識別コードCを出力する(ステップS17、ステップS53)。識別コードCは、例えば、識別コード表示画面E4として表示される。識別コード表示画面E4は、例えば、後述するプレートに対応付けられる識別コードCを含んでおり、識別コードCはプレートを識別する識別情報を含む。本実施形態において、識別コードCはバーコードである。但し、識別コードCは、バーコードに限られず、QRコード(登録商標)等、別の種類の識別コードであってもよい。
【0072】
図15は、識別コードCを拡大した図である。図14及び図15に示されるように、識別コードCは、例えば、プレートの識別情報である培地C1、希釈倍率C2、N数C3(,枚数)、個別IDC4、検査日C5、閾値C6、及び適正測定範囲C7を含んでいる。本実施形態において、「閾値」とは、取得した検体の菌数の合否を判定するための基準値を示しており、例えば、閾値以上の菌数の場合には不合格と判定され、閾値未満の菌数の場合には合格と判定される。「適正測定範囲」とは、例えば、プレートによって検出された菌数の採否を決定するための数値の範囲である。
【0073】
なお、識別コードCは、必ずしも、培地C1、希釈倍率C2、N数C3、個別IDC4、検査日C5、閾値C6、及び適正測定範囲C7の全てを含んでいなくてもよいし、他の情報を更に含んでいてもよい。更に、識別コードCに含まれる内容と共に、識別コードCの表現方法も適宜変更可能である。例えば、識別コードCに記載された数字に代えて、アルファベット等の文字が記載されていてもよく、識別コードCの数字をアルファベット等に変更して識別コードCの桁数を減らしてもよい。
【0074】
図14に示される各識別コードCは、例えば、所定の印刷媒体に設けられたシールとしてプリントアウトされてもよい。この場合、プリンタ等の印刷機に当該印刷媒体をセットして識別コード表示画面E4をプリントアウトすると、当該印刷媒体のシール部に識別コードCが印字された状態で当該印刷媒体がプリントアウトされる。プリントアウトされた印刷媒体から識別コードCが剥がされ、剥がされた識別コードCがプレートに貼り付けられてプレートにおける検体の培養待ちの状態となる(ステップS54)。
【0075】
図16は、識別コードCが貼り付けられる例示的なプレートFを示す斜視図である。本実施形態では、プレートFによって検体の菌数を算出する。なお、従来は寒天培地を用いて検査が行われていた。しかしながら、寒天培地ではなく、本実施形態のようにプレートFを用いて検査を行う場合、検査時間を大幅に短縮できる。そして、プレートFがフィルム状とされていることによって培養に必要なスペースを大幅に削減でき、菌(コロニーとも称される)の観察を容易に行うことができ、更に培養後の廃棄処理を容易に行うことができる。
【0076】
本実施形態において、「プレート」とは、検体の菌の培地を有するシート状部材であって、例えば、培地に希釈した検体を載せて検体の菌数を検査可能なツールである。例えば、プレートFは、検体が載せられる下部フィルムF1と、下部フィルムF1を覆う上部フィルムF2とを備える。一例として、下部フィルムF1はフォームダム、培地成分、粘着剤、及びプラスチック塗布紙を含んでおり、上部フィルムF2は冷水可溶性ゲル、指示薬入り粘着剤、及びプラスチックフィルムを含んでいる。例えば、下部フィルムF1の中央には検体(検液)が載せられて、上部フィルムF2が検体及び下部フィルムF1を覆う。そして、スプレッダー(不図示)を上部フィルムF2に載せて検体を広げると、一定時間経過後(例えば1分後)に検体がゲル化する。
【0077】
その後、所定時間培養すると、例えば図17及び図18に示されるように、検体の菌が点状に発色する。このように菌が発色したプレートFに識別コードCを貼り付けた後には、識別コードCが貼り付けられたプレートFをリーダーRに挿入する。リーダーRは、プレートFにおいて発色する菌の数をカウントすることによって菌数の読み取りを行う機器である。従来は、プレートFの菌数を手作業で数えており、非効率であった。しかしながら、リーダーRでは、プレートFを挿し込むことによって短時間(例えば4秒程度)で菌数をカウントすることが可能である。一例として、リーダーRでは、プレートFの菌数を自動的にカウントし、カウントした菌数をファイル形式で出力する。
【0078】
図18図19及び図20に示されるように、リーダーRにプレートFを挿入すると、例えば、リーダーRがプレートFの読み取りを行って、リーダーRに通信可能とされた端末10にインストールされたソフトウェアが菌数を測定する(ステップS18、ステップS55)。そして、端末10に菌数データ画面E5が出力されると共に菌数が算出され、算出された菌数を含む菌数データファイルE6が出力される(ステップS19、ステップS56)。
【0079】
菌数データ画面E5は、例えば、プレート画面E51、サンプルIDE52、培地E53、希釈倍率E54、コロニー数E55(菌数)、及び計算後のコロニー数E56を含む。例えば、菌数データファイルE6は、事前設定において菌数データファイルE6を出力することを選択している場合には、自動的に出力される。菌数データファイルE6は、検査員E61、サンプルIDE62、画像生成日時E63、培地E64、希釈倍率E65、識別コードテキストE66、コロニー数E67、及び計算後のコロニー数E68を含む。
【0080】
プレート画面E51は、例えば、プレートFと共に、コロニーの位置を強調表示する印E58を表示する。図19の例では、丸く表示されたコロニーを囲むように矩形状の印E58が表示されている。例えば、サンプルIDE52,E62及び識別コードテキストE66は、共に、プレートFを識別する識別情報を含んでおり、識別コードテキストE66はプレートFに貼り付けられた識別コードCのテキストデータを示していてもよい。コロニー数E55,E67はプレート画面E51に表示されたコロニーの数を示しており、計算後のコロニー数E56,E68はプレート画面E51に表示されたコロニーの数と希釈倍率との積を示す数値である。
【0081】
本実施形態では、一例として、菌数データファイルE6をマスタデータD2にアップロードする。すなわち、菌数データファイルE6をクラウド上(記憶部21)に記憶する(ステップS57)。その後、例えば改ざん判定部28が菌数データファイルE6の改ざんの有無を判定してもよい。なお、改ざん判定部28は省略されてもよい。一例として、改ざん判定部28はクラウド上にある識別コードCと読み取った識別コードCとが同一であるか否かを判定する(ステップS58)。
【0082】
例えば、クラウド上にある識別コードCと読み取った識別コードCとが同一であると改ざん判定部28が判定した場合には菌数の算出を行う(ステップS19、ステップS59)。一方、クラウド上にある識別コードCと読み取った識別コードCとが同一でないと改ざん判定部28が判定した場合にはアラートの出力を行う(ステップS60)。ステップS60では、例えば、菌数データファイルE6が改ざんされた旨のアラートが出力されてもよい。アラートの出力が行われた後には、一連の工程を終了してもよい。
【0083】
菌数の算出では、例えば図21に示される検査結果確認画面E7を表示する。検査結果確認画面E7は、例えば、端末10に表示される。検査結果確認画面E7は、一例として、検査結果表示部E71、検査日入力部E72、検体-大カテゴリ選択部E73、生産日入力部E74、生産工場選択部E75、判定結果選択部E76、及び検索ボタンE77を含む。判定結果選択部E76では、例えば、未判定、合格、不合格及び判定不可のいずれかが選択可能とされている。一例として、デフォルトでは、判定結果選択部E76において未判定、合格、不合格、及び判定不可の全てが選択されている。
【0084】
例えば、検査日入力部E72及び判定結果選択部E76が入力された状態で検索ボタンE77が押されると、検査日入力部E72に入力された検査日の検査結果が検査結果表示部E71に表示される。なお、検体-大カテゴリ選択部E73、生産日入力部E74、生産工場選択部E75、及び判定結果選択部E76のいずれかで条件を選択した場合には、例えば、選択した条件を満たす検査結果のみが検査結果表示部E71に表示される。
【0085】
検査結果表示部E71は、例えば、検査日、当日ID、検体名、選択ボタン、菌種培地情報、菌数、閾値、及び判定結果を表示する。検査結果表示部E71の検査日は、検査日入力部E72に入力された検査日と一致する。検査結果表示部E71の当日IDは、例えば、識別コードCの個別IDC4と一致するIDであり、検査日当日に割り振られたIDを示している。検査結果表示部E71の選択ボタンが押されると、例えば、検査結果の詳細画面が表示される。検査結果表示部E71の菌種培地情報は、例えば、前述した菌種培地マスタD23に記憶されている菌種D231及び培地D232を含む。
【0086】
検査結果表示部E71に表示される判定は、例えば、各希釈段階で得られる菌数である菌数データファイルE6のコロニー数E68を予め定めたルールに則って計算した菌数の値が合格か不合格かが表示される。検査結果表示部E71の菌数が合格か不合格かの判定は、例えば、前述した合否判定部25によって行われる(ステップS20、ステップS61)。例えば、合否判定部25は、菌数が閾値C6以上である場合に不合格と判定し、菌数が閾値C6以上でない場合に合格と判定する。
【0087】
以上のように菌数の判定を行った後には、検査報告書の作成を行う(ステップS21、ステップS62)。報告書の作成では、例えば、自動的に表示される検査報告書のフォーマットに対して入力を行うことによって報告書を作成する。このとき、データの解析及び蓄積を行ってもよく、例えば、検査された結果得られた測定データD4の各項目が更新される。具体例として、菌数が菌数D41に記憶され、プレート画面E51が測定データD4の画像D42に記憶され、プレート画面E51の生成日時が画像生成日時D43に記憶され、上記の菌数の判定結果が判定D44に記憶される。
【0088】
以上の検査、及び測定データD4の各項目の更新は、例えば、複数の施設のそれぞれにおいて行われる。次に、他者データ閲覧可能会員である施設が他の施設の衛生管理情報を閲覧するフローの各工程(閲覧する工程)の例について図22のフロー図を参照しながら説明する。図22のデータ検索フローは、例えば、前述した端末10によって行われる。
【0089】
例えば、端末10にインストールされたソフトウェアを起動すると、図23に例示される検索キーワードの入力画面E8が表示される。まず、入力画面E8に検索キーワードの入力を行う(ステップS71)。当該入力の具体例としては、入力画面E8の検体名E81、検体-大カテゴリE82、検体-小カテゴリE83、含まれる原材料E84、加熱の有無E85、菌種E86、及び培地E87の少なくともいずれかを入力する。
【0090】
そして、検索したい内容のチェックボックス群E88から検索したい内容をチェックする。チェックボックス群E88は、例えば、検査内容(菌種・培地等)、画像、及び菌数のチェックボックスを有し、これらのチェックボックスのうち検索したい内容にチェックを入れる。そして、検索開始ボタンE89を押すことによって検索キーワードの入力が完了する。
【0091】
検索キーワードの入力がなされると、キーワード受信部33が入力されたキーワードを受信する。そして、衛生管理情報抽出部34が入力されたキーワード(例えば、検体名E81、検体-大カテゴリE82、検体-小カテゴリE83、含まれる原材料E84、加熱の有無E85、菌種E86、及び培地E87の少なくともいずれか)に紐付く衛生管理情報をマスタデータD2又は測定データD4から抽出する(ステップS72)。
【0092】
そして、衛生管理情報抽出部34が抽出した衛生管理情報を衛生管理情報送信部35が端末10に送信し、例えば、端末10に衛生管理情報の検索結果が表示される(ステップS73)。図24は、表示される他の施設の衛生管理情報の一例である検査内容画面E9を示している。検査内容画面E9は、入力画面E8のチェックボックス群E88において検査内容(菌種・培地等)にチェックが入れられたときに表示される画面である。
【0093】
検査内容画面E9は、例えば、検索条件E91及び検索結果E92を含む。検索条件E91には、入力画面E8において入力された検体-大カテゴリE82、検体-小カテゴリE83、含まれる原材料E84、及び加熱の有無E85の少なくともいずれかが表示される。例えば、検索結果E92には、入力画面E8において入力された項目に紐付く、検査法、検体採取量、希釈水の種類、培地、希釈倍率、N数、及び閾値が菌種ごとに表示される。検索結果E92に表示されるデータは、菌種培地マスタD23の菌種D231に紐付く検査規格セットマスタD24の各情報に相当する。
【0094】
図25は、表示される他の施設の衛生管理情報の別の例である培養後の画像データE10を示している。画像データE10は、例えば、培養後の画像E101,E102,E103、及び検索条件E104,E105,E106を含む。検索条件E104,E105,E106には、入力画面E8において入力された検体名E81、検体-大カテゴリE82、検体-小カテゴリE83、含まれる原材料E84、加熱の有無E85、菌種E86、及び培地E87の少なくともいずれかが表示される。画像E101,E102,E103は、入力画面E8において入力された項目(例えば菌種)に紐付く画像である。画像E101,E102,E103は、例えば、測定データD4の画像D42に相当する。なお、画像データE10としては、画像E101,E102,E103と共に画像生成日時D43が表示されてもよい。
【0095】
図26は、表示される他の施設の衛生管理情報の更に別の例である最終菌数画面E11を示している。例えば、最終菌数画面E11は、検索条件E120、菌数E121、及び判定E122を含む。検索条件E120は、入力画面E8において入力された検体名E81、検体-大カテゴリE82、検体-小カテゴリE83、含まれる原材料E84、加熱の有無E85、菌種E86、及び培地E87の少なくともいずれかが表示される。菌数E121及び判定E122には、入力画面E8において入力された項目に紐付く菌数及び判定結果が表示される。例えば、菌数E121は測定データD4の菌数D41に相当し、判定E122は測定データD4の判定D44に相当する。
【0096】
以上のように、他者データ閲覧可能会員である施設は、他の施設の検査内容、画像データ、及び菌数と判定との関係(合格基準)を、検査内容画面E9、画像データE10及び最終菌数画面E11の少なくともいずれかを表示することによって閲覧できる。このように、他者データ閲覧可能会員である施設は、他の施設の衛生管理情報を表示可能であるが、例えば、衛生管理情報の出所を示す情報は表示されない。すなわち、他の施設の検査内容、画像データ、及び合格基準を表示するが、これらがどの施設からのものかについては表示しない。このように出所の情報を表示しないことによって、施設のプライバシーが確保される。
【0097】
次に、本実施形態に係る衛生管理システム1、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムの作用効果について説明する。実施形態に係る衛生管理システム1、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムでは、施設技量情報受信部29が施設の施設情報及び技量情報を受信し、施設技量情報判定部30が施設情報及び技量情報の合否を判定する。本実施形態に係る衛生管理システム1、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムでは、施設情報及び技量情報の合否判定の結果、合格と判定された施設に、他の施設の衛生管理情報を閲覧可能とする権限、及び/又は、他の施設による閲覧を可能とする権限が権限付与部32によって付与される。従って、施設情報及び技量情報から合否を判定して合格と判定した施設に当該権限を付与することにより、所定の条件を満たす施設に対しては、他の施設との情報共用を許容することができる。よって、データベースの信頼性を担保しつつ、データの共用化を図ることができ、衛生管理システムの有用性を向上させることができる。
【0098】
施設情報は、ISO17025の認証情報を含んでもよい。この場合、ISO17025の認証に基づいて施設を判定できる。従って、製品の検査、分析又は測定を高精度に行っている施設を合格と判定することができる。
【0099】
技量情報は、外部精度管理のレベルを含んでもよい。この場合、施設における検査の信頼性確保を目的とした外部精度管理のレベルを用いて施設の合否を判定する。従って、施設の合否をより高精度に判定できるので、データベースの情報の高品質化に寄与する。
【0100】
例示的な衛生管理システム1は、権限付与部32が権限を付与してから一定期間経過後に、施設情報及び技量情報の更新を施設に要求する施設技量情報更新部31を備えてもよい。この場合、施設技量情報更新部31が定期的に施設情報及び技量情報の更新を施設に要求する。従って、データベースのデータが高品質な状態を維持することができる。
【0101】
衛生管理情報抽出部34は、検査によって得られる検査対象物質の数(一例として菌数を含む最終菌数画面E11)の情報を抽出してもよい。この場合、抽出した検査対象物質の数を施設が閲覧可能となるので、他の施設が基準としている検査対象物質の数の情報を得ることができる。従って、得た数の情報を基に、検査結果の妥当性確認、及び基準の設定等を適切に行うことができる。
【0102】
衛生管理情報抽出部34は、検査によって得られる検査対象物質の画像データE10を抽出してもよい。この場合、検査対象物質の画像データE10を施設が閲覧可能となるので、他の施設の検査対象物質の画像データE10の情報を得ることができる。よって、他の施設における検査対象物質の情報を画像データE10として視覚的に把握することができる。
【0103】
衛生管理情報抽出部34は、検査対象物質の検査内容(例えば検査内容画面E9に示される情報)を抽出してもよい。この場合、他の施設の検査内容を閲覧することができるので、検査対象物質の検査に関する情報を更に共用化させることができる。
【0104】
以上、本開示に係る衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムの実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係る衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムは、前述した実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、衛生管理システムの各部の構成及び機能、並びに、衛生管理方法の各工程の内容及び順序は、上記の要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0105】
例えば、前述した実施形態では、施設情報がISO17025の認証情報であって、技量情報が外部精度管理のレベルである例について説明した。しかしながら、施設情報はISO17025の認証情報以外の情報であってもよいし、技量情報は外部精度管理のレベル以外の情報であってもよい。
【0106】
衛生管理プログラムについて、各ステップの内容及び順序は適宜変更可能である。また、少なくとも1つのプロセッサにより実行される衛生管理方法及び衛生管理プログラムの処理手順は上記実施形態での各例に限定されない。例えば、前述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、前述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正又は削除されてもよい。また、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0107】
前述の実施形態では、衛生管理システム1がサーバ20を備え、サーバ20が記憶部21、表示制御部22、識別コード出力部23、入力部24、合否判定部25、承認要求部26、検査内容出力部27、改ざん判定部28、施設技量情報受信部29、施設技量情報判定部30、施設技量情報更新部31、権限付与部32、キーワード受信部33、衛生管理情報抽出部34、及び衛生管理情報送信部35を有する例について説明した。しかしながら、記憶部21、表示制御部22、識別コード出力部23、入力部24、合否判定部25、承認要求部26、検査内容出力部27、改ざん判定部28、施設技量情報受信部29、施設技量情報判定部30、施設技量情報更新部31、権限付与部32、キーワード受信部33、衛生管理情報抽出部34、及び衛生管理情報送信部35のいずれかを省略することも可能である。
【0108】
前述の実施形態では、菌数を検出するプレートF、菌数の合否の判定基準となる菌の数を示す閾値C6、菌数が入力される入力部24、及び菌数の合否を判定する合否判定部25について例示した。しかしながら、プレートF、閾値C6、入力部24及び合否判定部25の少なくともいずれかに代えて、菌以外の検査対象物質(例えばアレルゲン)を検出するプレート、菌以外の検査対象物質の数を示す閾値、菌以外の検査対象物質の数が入力される入力部、及び菌以外の検査対象物質の合否を判定する合否判定部、を備えていてもよい。
【0109】
前述の実施形態では、食品を管理する食品衛生管理システムである衛生管理システム1、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムについて例示した。しかしながら、衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムが管理する対象は、食品に限られず適宜変更可能である。例えば、本開示に係る衛生管理システム、衛生管理方法、及び衛生管理プログラムは、環境を管理する環境衛生管理システムであってもよい。
【符号の説明】
【0110】
1…衛生管理システム、21…記憶部、29…施設技量情報受信部、30…施設技量情報判定部、31…施設技量情報更新部、32…権限付与部、33…キーワード受信部、34…衛生管理情報抽出部、35…衛生管理情報送信部、D16…施設情報、D17…技量情報、D42…画像(画像データ)、D44…判定(検体に対する合否結果の判定)、E10…画像データ、E122…判定。
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