IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オービックの特許一覧

特許7565722有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラム
<>
  • 特許-有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラム 図1
  • 特許-有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラム 図2
  • 特許-有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラム 図3
  • 特許-有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラム 図4
  • 特許-有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラム 図5
  • 特許-有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241004BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q50/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020130919
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022027115
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】長岡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-063484(JP,A)
【文献】国際公開第2011/092839(WO,A1)
【文献】特開2001-126004(JP,A)
【文献】JEITA/ECALGA VII 業務モデル編(SCM) 2010年度版 初版 ,第1版,社団法人電子情報技術産業協会ECセンター,2010年07月01日,VII-34~VII-63、VII-385~VII-388
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備え、製造会社に対して材料を有償で支給し、当該製造会社が当該材料を加工した製品を再度買い戻す取引である有償支給取引を管理するための有償支給取引管理装置であって、
前記制御部は、
材料の支給時に、支給日、有償支給番号、品目、支給数、支給単価、支給金額、現在庫数を含む有償支給データを入力して記憶部に登録する有償支給データ入力手段と、
加工品の買戻時に、加工番号、品目、払出数を含む加工払出データを入力して前記記憶部に登録する加工払出データ入力手段と、
前記記憶部に登録した前記有償支給データ及び前記加工払出データに基づいて、有償支給番号、加工番号、品目、消込を行う消込数量、消込数量×支給単価で算出される消込有償支給本体金額を含む有償支給消込データを入力して前記記憶部に登録する有償支給消込データ処理手段と、
回収予定日、有償支給番号、回収予定金額、数量、単価、入金消込済金額を含む回収予定データを入力して前記記憶部に登録する回収予定データ処理手段と、
支払予定日、加工番号、支払予定金額、数量、単価、加工番号をキーとして前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額を集計した金額である支払消込済金額を含む支払予定データを入力して記憶部に登録する支払予定データ処理手段と、
前記記憶部に登録した前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額について、同一レコードの有償支給番号と加工番号をそれぞれキーとして、当該有償支給番号をキーとした前記記憶部に登録した前記回収予定データの回収予定金額と、当該加工番号をキーとした前記記憶部に登録した前記支払予定データの支払予定金額と、を相殺する相殺手段と、
を備えたことを特徴とする有償支給取引管理装置。
【請求項2】
前記有償支給消込データ処理手段は、前記記憶部に登録した有償支給データを前記記憶部に登録した有償支給消込データにより日付順による先入先出しで消込を行うことを特徴とする請求項1に記載の有償支給取引管理装置。
【請求項3】
前記有償支給消込データ処理手段は、前記記憶部に登録した前記有償支給データの現在庫数を、当該現在庫数-前記有償支給消込データの消込数量により更新することを特徴とする請求項1又は2に記載の有償支給取引管理装置。
【請求項4】
前記相殺手段は、オペレータにより指定される相殺基準日に基づいて、前記記憶部に登録した前記回収予定データの回収予定金額を、前記記憶部に登録した有償支給消込データの消込有償支給本体金額で相殺し、前記記憶部に登録した前記回収予定データの入金消込済金額を更新し、前記記憶部に登録した前記支払予定データの支払消込済金額を更新することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の有償支給取引管理装置。
【請求項5】
制御部を備えた情報処理装置が実行する、製造会社に対して材料を有償で支給し、当該製造会社が当該材料を加工した製品を再度買い戻す取引である有償支給取引を管理するための有償支給取引管理方法であって、
前記制御部において実行される、
材料の支給時に、支給日、有償支給番号、品目、支給数、支給単価、支給金額、現在庫数を含む有償支給データを入力して記憶部に登録する有償支給データ入力工程と、
加工品の買戻時に、加工番号、品目、払出数を含む加工払出データを入力して前記記憶部に登録する加工払出データ入力工程と、
前記記憶部に登録した前記有償支給データ及び前記加工払出データに基づいて、有償支給番号、加工番号、品目、消込を行う消込数量、消込数量×支給単価で算出される消込有償支給本体金額を含む有償支給消込データを入力して前記記憶部に登録する有償支給消込データ処理工程と、
回収予定日、有償支給番号、回収予定金額、数量、単価、入金消込済金額を含む回収予定データを入力して前記記憶部に登録する回収予定データ処理工程と、
支払予定日、加工番号、支払予定金額、数量、単価、加工番号をキーとして前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額を集計した金額である支払消込済金額を含む支払予定データを入力して記憶部に登録する支払予定データ処理工程と、
前記記憶部に登録した前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額について、同一レコードの有償支給番号と加工番号をそれぞれキーとして、当該有償支給番号をキーとした前記記憶部に登録した前記回収予定データの回収予定金額と、当該加工番号をキーとした前記記憶部に登録した前記支払予定データの支払予定金額と、を相殺する相殺工程と、
を含むことを特徴とする有償支給取引管理方法。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるための、製造会社に対して材料を有償で支給し、当該製造会社が当該材料を加工した製品を再度買い戻す取引である有償支給取引を管理する有償支給取引管理プログラムであって、
前記制御部に、
材料の支給時に、支給日、有償支給番号、品目、支給数、支給単価、支給金額、現在庫数を含む有償支給データを入力して記憶部に登録する有償支給データ入力工程と、
加工品の買戻時に、加工番号、品目、払出数を含む加工払出データを入力して前記記憶部に登録する加工払出データ入力工程と、
前記記憶部に登録した前記有償支給データ及び前記加工払出データに基づいて、有償支給番号、加工番号、品目、消込を行う消込数量、消込数量×支給単価で算出される消込有償支給本体金額を含む有償支給消込データを入力して前記記憶部に登録する有償支給消込データ処理工程と、
回収予定日、有償支給番号、回収予定金額、数量、単価、入金消込済金額を含む回収予定データを入力して前記記憶部に登録する回収予定データ処理工程と、
支払予定日、加工番号、支払予定金額、数量、単価、加工番号をキーとして前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額を集計した金額である支払消込済金額を含む支払予定データを入力して記憶部に登録する支払予定データ処理工程と、
前記記憶部に登録した前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額について、同一レコードの有償支給番号と加工番号をそれぞれキーとして、当該有償支給番号をキーとした前記記憶部に登録した前記回収予定データの回収予定金額と、当該加工番号をキーとした前記記憶部に登録した前記支払予定データの支払予定金額と、を相殺する相殺工程と、
を実行させるための有償支給取引管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、外注先に対して材料や半製品などを有償で支給し、加工後に再度買い戻すという取引があり、この取引を有償支給取引という。主に自動車業界などに多い取引である。
かかる有償支給取引を行うシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-288493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、有償支給取引において、支給時の伝票と買戻時の伝票を紐づけることにより、正確な値かつ自動で相殺処理を行うことで、担当者の作業負担を低減させることに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、有償支給取引において、支給時の伝票と買戻時の伝票を紐づけることにより、正確な値かつ自動で相殺処理を行うことで、担当者の作業負担を低減させることが可能な有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた有償支給取引管理装置であって、前記制御部は、材料の支給時に、支給日、有償支給番号、品目、支給数、支給単価、支給金額、現在庫数を含む有償支給データを入力する有償支給データ入力手段と、加工品の買戻時に、加工番号、品目、払出数を含む加工払出データを入力する加工払出データ入力手段と、有償支給番号、加工番号、品目、消込数量、消込数量×支給単価で算出される消込有償支給本体金額を含む有償支給消込データを入力する有償支給消込データ処理手段と、回収予定日、有償支給番号、回収予定金額、数量、単価、入金消込済金額を含む回収予定データを入力する回収予定データ処理手段と、支払予定日、加工番号、支払予定金額、数量、単価、支払消込済金額を含む支払予定データを入力する支払予定データ処理手段と、前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額について、有償支給番号及び加工番号をそれぞれキーとして、回収予定データの回収予定金額と支払予定データの支払予定額を相殺する相殺手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記有償支給消込データ処理手段は、有償支給データを有償支給消込データで先入先出により消込を行うことにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記有償支給消込データ処理手段は、有償支給データの現在庫数を、現在庫数-消込数量により更新することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記相殺手段は、指定される相殺基準日に基づいて、回収予定データの回収予定金額を、有償支給消込データの消込有償支給本体金額で相殺し、回収予定データの入金消込済金額を更新し、支払予定データの支払消込済金額を更新することにしてもよい。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される有償支給取引管理方法であって、前記制御部で実行される、材料の支給時に、支給日、有償支給番号、品目、支給数、支給単価、支給金額、現在庫数を含む有償支給データを入力する有償支給データ入力工程と、加工品の買戻時に、加工番号、品目、払出数を含む加工払出データを入力する加工データ入力工程と、有償支給番号、加工番号、品目、消込数量、消込数量×支給単価で算出される消込有償支給本体金額を含む有償支給消込データを入力する有償支給消込データ処理工程と、回収予定日、有償支給番号、回収予定金額、数量、単価、入金消込済金額を含む回収予定データを入力する回収予定データ処理工程と、支払予定日、加工番号、支払予定金額、数量、単価、支払消込済金額を含む支払予定データを入力する支払予定データ処理工程と、前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額について、有償支給番号及び加工番号をそれぞれキーとして、回収予定データの回収予定金額と支払予定データの支払予定額を相殺する相殺工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための有償支給取引プログラムであって、前記制御部において、材料の支給時に、支給日、有償支給番号、品目、支給数、支給単価、支給金額、現在庫数を含む有償支給データを入力する有償支給データ入力工程と、加工品の買戻時に、加工番号、品目、払出数を含む加工払出データを入力する加工データ入力工程と、有償支給番号、加工番号、品目、消込数量、消込数量×支給単価で算出される消込有償支給本体金額を含む有償支給消込データを入力する有償支給消込データ処理工程と、回収予定日、有償支給番号、回収予定金額、数量、単価、入金消込済金額を含む回収予定データを入力する回収予定データ処理工程と、支払予定日、加工番号、支払予定金額、数量、単価、支払消込済金額を含む支払予定データを入力する支払予定データ処理工程と、前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額について、有償支給番号及び加工番号をそれぞれキーとして、回収予定データの回収予定金額と支払予定データの支払予定額を相殺する相殺工程と、を実行させるための有償支給取引管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、有償支給取引において、支給時の伝票と買戻時の伝票を紐づけることにより、正確な値かつ自動での相殺を実現することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施の形態に係る有償支給取引管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施の形態における有償支給取引管理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図3図3は、本実施の形態における有償支給取引管理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図4図4は、本実施の形態における有償支給取引管理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図5図5は、本実施の形態における有償支給取引管理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図6図6は、本実施の形態における有償支給取引管理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る有償支給取引管理装置、有償支給取引管理方法、及び有償支給取引管理プログラムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
例えば、外注先に対して材料や半製品などを有償で支給し、加工後に再度買い戻すという取引があり、この取引を有償支給取引という。主に自動車業界などに多い取引である。
しかしながら、かかる有償支給取引で相殺処理を行う場合は、未収入金(売掛金)と買戻時の買掛金の突合せ、都度、消費された支給材の確認や伝票を別途管理して相殺を行うため、担当者の作業負担が大きかった。
【0016】
そこで、本実施の形態では、有償支給取引において、支給時の伝票と買戻時の伝票を紐づけることにより、正確な値かつ自動で相殺処理を行うことで、担当者の作業負担を低減する。本実施の形態では、自動判定を先入先出で実施するため、消費された支給材や伝票の妥当性を向上させることができる。
【0017】
[2.構成]
本実施の形態に係る有償支給取引管理装置100の構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施の形態に係る有償支給取引管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態に係る有償支給取引管理装置100は、例えば、自動車業界等の有償支給取引を行う会社等において好適に使用することができる。
【0018】
有償支給取引管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、有償支給取引管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
有償支給取引管理装置100は、図3に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。有償支給取引管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、有償支給取引管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、有償支給取引管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバに格納されてもよい。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。また、ユーザが出力装置(モニタ)114の画面に表示して、入力装置112で操作することを、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。また、記憶部106は、データファイル106a等を格納する。
【0023】
データファイル106fは、有償支給データ、加工受入データ、加工払出データ、有償支給消込データ、回収予定データ、支払予定データ等の各種データを格納するためのファイルである。有償支給データ、加工受入データ、加工払出データ、有償支給消込データ、回収予定データ、及び支払予定データを「伝票データ」とも称する。
【0024】
有償支給データは、支給日、有償支給番号(伝票番号)、品目、支給数、支給単価、支給金額、現在庫数等のデータを含んでいてもよい(図3(A)参照)。
【0025】
加工受入データは、加工日、加工番号(伝票番号)、品目、受入数量、買戻単価、買戻金額(仕入金額)等のデータを含んでいてもよい(3(B)参照)。
【0026】
加工払出データは、加工日、加工番号(伝票番号)、行番号、品目、払出数のデータを含んでいてもよい(図3(C)参照)。
【0027】
有償支給消込データは、有償支給番号、加工番号(伝票番号)、行番号、品目、消込数量、消込有償支給本体金額等のデータを含んでいてもよい(図3(D)参照)。消込有償支給本体金額は、支給単価×消込数量で算出する。
【0028】
制御部102は、有償支給取引管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、有償支給データ処理部102aと、加工データ処理部102bと、有償支給消込データ処理部102cと、回収予定データ処理部102dと、支払予定データ処理部102eと、相殺処理部102fと、画面表示制御部102gと、を備えている。
【0029】
有償支給データ処理部102aは、製造会社に対する材料の支給時に、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、支給日、有償支給番号、品目、支給数、支給単価、支給金額、現在庫数を含む有償支給データを入力して、データファイル106aに登録する。
【0030】
加工データ処理部102bは、製造会社から支給した材料で製造した商品(加工品又は製品ともいう)の買戻時に、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、加工日、加工番号、行番号、品目、受入数量、買戻単価、買戻金額を含む加工受入データや加工日、加工番号、行番号、品目、払出数を含む加工払出データを入力して、データファイル106aに格納する。
【0031】
有償支給消込データ処理部102cは、製造会社から支給した材料で製造した商品(加工品)の買戻時に、有償支給データ及び加工払出データに基づいて、有償支給番号、加工番号、品目、消込数量、消込有償支給本体金額を含む有償支給消込データを作成して、データファイル106aに格納する。有償支給消込データ処理部102cは、有償支給データを有償支給消込データで消込を行い、有償支給データの現在庫数を、現在庫数-消込数量により更新する。
【0032】
回収予定データ処理部102dは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、回収予定日、有償支給番号、回収予定金額、数量、単価、入金消込済金額を含む回収予定データを入力して、データファイル106aに格納する。
【0033】
支払予定データ処理部102eは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、支払予定日、加工番号、支払予定金額、数量、単価、支払消込済金額を含む支払予定データを入力して、データファイル106aに格納する。
【0034】
相殺処理部102fは、有償支給消込データの消込有償支給本体金額について、有償支給番号及び加工番号をそれぞれキーとして、回収予定データの回収予定金額と支払予定データの支払予定額を相殺する。
【0035】
相殺処理部102fは、指定される相殺基準日に基づいて、回収予定データの回収予定金額を、有償支給消込データの消込有償支給本体金額で相殺し、回収予定データの入金消込済金額を更新し、支払予定データの支払消込済金額を更新してもよい。差益残高-消込交付材料差損益金額により更新する。
【0036】
画面表示制御部102gは、モニタ114に表示する各種表示画面(例えば、入力画面や自動相殺画面等)の表示及びその入力の受付を制御する。
【0037】
[3.処理の具体例]
図1図6を参照して、本実施の形態における有償支給取引管理装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。図2図6は、サンプルデータを示す図である。以下の説明では、金額の単位を全て「円」とし、その表記を省略する場合がある。
【0038】
図2は、有償支給取引の例を示す図であり、1月~3月までの取引の例(概略の伝票データの例)を示している。ここでは、先入先出で消込を行う例を説明する。
【0039】
図2では、取引の日付、伝票番号、取引種別、品目、数量(個)、単価、金額のデータの例が示されている。日付「1/1」に仕入が行われており、伝票番号「S01」、取引種別「仕入」、品目「原材料」、数量「10」、単価「@100(仕入単価)」、仕入金額「¥1,000」となっている。日付「1/2」に、有償支給が行われており、伝票番号「Y01」、取引種別「有償支給」、品目「原材料」、数量「10」、単価「@250(支給単価)」、支給金額「¥2,500」となっており、日付「1/31」に、商品(加工品)の買戻が行われており、伝票番号「K01」、取引種別「加工実績」、品目「加工品」、数量「8」、単価「@500(買戻単価)」、買戻金額「¥4,000」となっている。ここで、原材料について、8個の消込が行われる。
【0040】
日付「2/1」に、仕入が行われており、伝票番号「S02」、取引種別「仕入」、品目「原材料」、数量「10」、単価「@120(仕入単価)」、仕入金額「¥1,200」となっている。日付「2/2」に、有償支給が行われており、伝票番号「Y02」、取引種別「有償支給」、品目「原材料」、数量「10」、単価「@250(支給単価)、支給金額「¥2,500」となっている。日付「2/28」に、伝票番号「K02」、取引種別「加工実績」、品目「加工品」、数量「8」、単価「@500(買戻単価)」、買戻金額「¥4,000」となっている。ここで、原材料について、8個の消込が行われる。
【0041】
つぎに、上記取引を詳細に説明する。
【0042】
図3及び図4を参照して、1月の取引について説明する。図3及び図4は、1月の取引を説明するための図である。
【0043】
支給時には、図3(A)に示すような有償支給データが作成される。図3(A)に示す有償支給データは、支給日「1/2」、有償支給番号「Y01」、品目「原材料」、支給数「10」、支給単価「250」、支給金額「2500」、現在庫数「10」となっている。支給伝票毎に、現在庫数を管理する。
【0044】
買戻時には、図3(B)に示すような加工受入データが作成される。図3(B)に示す加工受入データは、加工日「1/31」、加工番号「K01」、品目「原材料」、受入数量「8」、買戻単価「500」、買戻金額「400」となっている。また、図3(C)に示すような加工払出データが作成される。図3(C)に示す加工払出データは、加工番号「K01」、行番号「1」、品目「原材料」、払出数「8」となっている。
【0045】
有償支給データ及び加工払出データに基づいて、図3(C)に示すような有償支給消込データが作成される。図3(D)に示す有償支給消込データは、有償支給番号「Y01」、伝票番号「K01」、行番号「1」、品目「原材料」、消込数量「8」、消込有償支給本体金額「2000」となっている。
【0046】
ここで、消込数量「8」は、加工払出データの「払出数」となる。消込有償支給本体金額「2000」=支給単価「250」×消込数量「8」となる。
【0047】
有償支給データに対して、有償支給消込データで消込を行い、図4(A)に示すように、有償支給データの現在庫数「10」を、現在庫数「10」-消込数量「8」により、「2」に更新する。
【0048】
図3(D)に示すような、回収予定データが作成される。図3(D)に示す回収予定データは、回収予定日「3/31」、有償支給番号「Y01」、取引「有償支給」、回収予定金額「2500」、数量「10」、単価「250」、入金消込済金額「0」となっている。
【0049】
また、図3(E)に示すような、支払予定データが作成される。図3(E)に示す支払予定データは、支払予定日「3/31」、加工番号「K01」、取引「加工」、支払予定金額「4000」、数量「8」、単価「500」、支払消込済金額「0」となっている。
【0050】
図4(A)は、自動相殺処理画面の一例を示す図である。自動相殺処理画面はオペレータが相殺基準日を入力するための欄を備えている。相殺処理部102fは、回収予定データの回収予定日と支払予定データの支払予定日が指定される相殺基準日のものについて相殺を行う。図4(A)に示す例では、相殺基準日「3/31」が入力されているので、相殺基準日「3/31」を基準にして、図4(D)に示す回収予定データの回収予定日「3/31」と支払予定データの支払予定日「3/31」について相殺を行う。
【0051】
有償支給消込データの消込有償支給本体金額「2000」について、回収予定データの回収予定金額と支払予定データの支払予定額の相殺を行う。
【0052】
図4(B)に示す回収予定データに対して、有償支給消込データの有償支給番号「Y01」で集計を行い、有償支給番号「Y01」の入金消込済金額を「0」から「2000」に更新する。
【0053】
また、図4(C)に示す回収予定データに対して、有償支給消込データの加工番号「K01」で集計を行い、加工番号「K01」の入金消込済金額を「0」から「2000」に更新する。
【0054】
図5及び図6を参照して、2月の取引について説明する。図5及び図6は、2月の取引を説明するための図である。
【0055】
支給時に、図5(A)に示すように、有償支給データの2行目に、支給日「2/2」、有償支給番号「Y02」、品目「原材料」、支給数「10」、支給単価「250」、支給金額「2500」、現在庫数「10」のデータを追加する。
【0056】
買戻時に、図5(B)に示すように、加工払出データの2行目に、加工日「2/28」、加工番号「K02」、行番号「1」、品目「原材料」、払出数「8」を追加する。
【0057】
この払出数「8」については、有償支給データの支給日の早いデータから消込を行うために、図5(C)に示すように、有償支給消込データの2行目、3行目において、有償支給番号「Y01」について、消込数量を「2」、有償支給番号「Y02」について、消込数量を「6」を設定する。
【0058】
具体的には、有償支給消込データの2行目には、有償支給番号「Y01」、伝票番号「K02」、行番号「1」、品目「原材料」、消込数量「2」、消込有償支給本体金額「500」を追加する。ここで、消込有償支給本体金額「500」=支給単価「250」×消込数量「2」となる。
【0059】
3行目に、有償支給番号「Y02」、伝票番号「K02」、行番号「1」、品目「原材料」、消込数量「6」、消込有償支給本体金額「1500」を追加する。ここで、消込有償支給本体金額「1500」=支給単価「250」×消込数量「6」となっている。
【0060】
図5(A)に示すように、有償支給データの1行目の有償支給番号「Y01」について、有償支給消込データの2行目の有償支給番号「Y01」で消込を行い、現在庫数「2」を、現在庫数「2」-消込数量「2」により、「0」に更新する。
【0061】
有償支給データの2行目の有償支給番号「Y02」について、有償支給消込データの3行目の有償支給番号「Y02」で消込を行い、現在庫数「10」を、現在庫数「10」-消込数量「6」により、「4」に更新する。
【0062】
図5(D)に示すように、回収予定データの2行目には、回収予定日「4/30」、有償支給番号「Y02」、取引「有償支給」、回収予定金額「2500」、数量「10」、単価「250」、入金消込済金額「0」が追加される。
【0063】
図5(E)に示すように、支払予定データの2行目には、支払予定日「4/30」、加工番号「K02」、取引「加工」、支払予定金額「4000」、数量「8」、単価「500」、支払消込済金額「0」が追加される。
【0064】
図6(A)に示す自動相殺処理画面の例では、相殺基準日「4/30」が入力されているので、相殺基準日「4/30」を基準として、回収予定データの回収予定金額と支払予定データの支払予定金額について相殺を行う。
【0065】
図6(D)に示すように、有償支給消込データの消込有償支給本体金額「500」+「1500」=「2000」について、回収予定データの回収予定金額と支払予定データの支払予定額の相殺を行う。
【0066】
図6(B)に示す回収予定データに対して、有償支給消込データの有償支給番号「Y01」で集計を行い、有償支給番号「Y01」の入金消込済金額を「2000」から「2500」に更新し、また、有償支給消込データの有償支給番号「Y02」で集計を行い、有償支給番号「Y02」の入金消込済金額を「0」から「1500」に更新する。
【0067】
また、図6(C)に示す回収予定データに対して、有償支給消込データの加工番号「K02」で集計を行い(500+1500=2000)、加工番号「K02」の入金消込済金額を「0」から「2000」に更新する。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態によれば、制御部を備えた有償支給取引管理装置であって、前記制御部は、材料の支給時に、支給日、有償支給番号、品目、支給数、支給単価、支給金額、現在庫数を含む有償支給データを入力する有償支給データ処理部102aと、加工品の買戻時に、加工番号、品目、払出数を含む加工払出データを入力する加工データ処理部102bと、有償支給番号、加工番号、品目、消込数量、消込数量×支給単価で算出される消込有償支給本体金額を含む有償支給消込データを入力する有償支給消込データ処理部102cと、回収予定日、有償支給番号、回収予定金額、数量、単価、入金消込済金額を含む回収予定データを入力する回収予定データ処理部102dと、支払予定日、加工番号、支払予定金額、数量、単価、支払消込済金額を含む支払予定データを入力する支払予定データ処理部102eと、前記有償支給消込データの消込有償支給本体金額について、有償支給番号及び加工番号をそれぞれキーとして、回収予定データの回収予定金額と支払予定データの支払予定額を相殺する相殺処理部102fと、を備えているので、有償支給取引において、支給時の伝票と買戻時の伝票を紐づけることにより、正確な値かつ自動で相殺処理を行うことで、担当者の作業負担を低減させることが可能となる。
【0069】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0070】
例えば、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0071】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0072】
また、有償支給取引管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0073】
例えば、有償支給取引管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて有償支給取引管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0074】
また、このコンピュータプログラムは、有償支給取引管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0075】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0076】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0077】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0078】
また、有償支給取引管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、有償支給取引管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0079】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0080】
100 有償支給取引管理装置
102 制御部
102a 有償支給データ処理部
102b 加工データ処理部
102c 有償支給消込データ処理部
102d 回収予定データ処理部
102e 支払予定データ処理部
102f 相殺処理部
102g 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6