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特許7565726分析コード別収支管理システム、分析コード別収支管理方法、及び分析コード別収支管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】分析コード別収支管理システム、分析コード別収支管理方法、及び分析コード別収支管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20241004BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q40/12
G06Q10/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020146361
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022041261
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】永井 英晴
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-036107(JP,A)
【文献】特開2017-182792(JP,A)
【文献】特開2013-156954(JP,A)
【文献】特開2019-021118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた分析コード別収支管理システムであって、
前記制御部は、
取引先、商品、又は費目毎に、1又は複数の分析コードの初期値を関連付けて登録したマスタにアクセス可能に構成されており、
取引情報を入力する際に、分析コードを入力する取引情報入力手段と、
入力される取引情報に基づいて、科目及び分析コードを軸にした収益分析データを生成する管理会計データ作成手段と、
を備え、
前記取引情報は、売上番号、科目、取引先、商品、金額を含む売上データと、仕入番号、科目、取引先、商品、金額を含む仕入データと、経費番号、科目、費目、金額を含む経費データと、を含み、
前記取引情報入力手段は、入力画面上でのオペレータの操作に応じて、前記取引情報の各データについて、前記マスタを参照して、それぞれの取引先、商品、費目をキーとして、分析コードの初期値を取得して設定することを特徴とする分析コード別収支管理システム。
【請求項2】
前記分析コードは、事業、分析の種類、企業グループ、商品分類、及び自社他社品のうちの少なくとも1つの分類を示すことを特徴とする請求項1に記載の分析コード別収支管理システム。
【請求項3】
マスタにより、分析コードの種類毎に入力を必須にするか任意にするかを設定可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分析コード別収支管理システム。
【請求項4】
マスタにより、分析コードの種類毎にマスタ管理するか否かを設定可能であることを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の分析コード別収支管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、
入力される取引情報に基づいて仕訳データを作成する仕訳連携手段を備えたことを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の分析コード別収支管理システム。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置が実行する分析コード別収支管理方法であって、
前記制御部は、
取引先、商品、又は費目毎に、1又は複数の分析コードの初期値を関連付けて登録したマスタにアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
取引情報を入力する際に、分析コードを入力する取引情報入力工程と、
入力される取引情報に基づいて、科目及び分析コードを軸にした収益分析データを生成する管理会計データ作成工程と、
を含み、
前記取引情報は、売上番号、科目、取引先、商品、金額を含む売上データと、仕入番号、科目、取引先、商品、金額を含む仕入データと、経費番号、科目、費目、金額を含む経費データと、を含み、
前記取引情報入力工程では、入力画面上でのオペレータの操作に応じて、前記取引情報の各データについて、前記マスタを参照して、それぞれの取引先、商品、費目をキーとして、分析コードの初期値を取得して設定することを特徴とする分析コード別収支管理方法。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるための分析コード別収支管理プログラムであって、
前記制御部は、
取引先、商品、又は費目毎に、1又は複数の分析コードの初期値を関連付けて登録したマスタにアクセス可能に構成されており、
前記制御部に、
取引情報を入力する際に、分析コードを入力する取引情報入力工程と、
入力される取引情報に基づいて、科目及び分析コードを軸にした収益分析データを生成する管理会計データ作成工程と、
を実行させるための分析コード別収支管理プログラムであり、
前記取引情報は、売上番号、科目、取引先、商品、金額を含む売上データと、仕入番号、科目、取引先、商品、金額を含む仕入データと、経費番号、科目、費目、金額を含む経費データと、を含み、
前記取引情報入力工程では、入力画面上でのオペレータの操作に応じて、前記取引情報の各データについて、前記マスタを参照して、それぞれの取引先、商品、費目をキーとして、分析コードの初期値を取得して設定することを特徴とする分析コード別収支管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析コード別収支管理システム、分析コード別収支管理方法、及び分析コード別収支管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業では、利益創出のため管理会計上の収益分析を行っている。例えば、収益分析を行うシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-17185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、売上・仕入・経費などの取引情報を入力する際に分析コードを入力し、分析コードを使用して収益分析することに関しては何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、売上・仕入・経費などの取引情報を入力する際に分析コードを入力し、分析コードを使用して収益分析することで、収益分析のための情報の整理の負荷を低減することが可能な分析コード別収支管理システム、分析コード別収支管理方法、及び分析コード別収支管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた分析コード別収支管理システムであって、前記制御部は、取引情報を入力する際に、分析コードを入力する取引情報入力手段と、入力される取引情報に基づいて、科目及び分析コードを軸にした収益分析データを生成する管理会計データ作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記取引情報は、売上データ、仕入データ、及び経費データを含むことにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記分析コードは、事業、分析の種類、企業グループ、商品分類、及び自社他社品のうちの少なくとも1つの分類を示すことにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記取引情報入力手段は、マスタにより分析コードの初期値を設定することにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、マスタにより、分析コードの種類毎に入力を必須にするか任意にするかを設定可能であることにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、マスタにより、分析コードの種類毎にマスタ管理するか否かを設定可能であることにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、入力される取引情報に基づいて仕訳データを作成する仕訳連携手段を備えることにしてもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される分析コード別収支管理方法であって、前記制御部において実行される、取引情報を入力する際に、分析コードを入力する取引情報入力工程と、入力される取引情報に基づいて、科目及び分析コードを軸にした収益分析データを生成する管理会計データ作成工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される分析コード別収支管理プログラムであって、前記制御部において、
取引情報を入力する際に、分析コードを入力する取引情報入力工程と、入力される取引情報に基づいて、科目及び分析コードを軸にした収益分析データを生成する管理会計データ作成工程と、を実行させるための分析コード別収支管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、売上・仕入・経費などの取引情報を入力する際に分析コードを入力し、分析コードを使用して収益分析することで、収益分析のための情報の整理の負荷を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施の形態に係る分析コード別収支管理システムの処理イメージを示す図である。
図2図2は、本実施の形態に係る分析コード別収支管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、分析コードマスタの構成例を示す図である。
図4図4は、取引先マスタ(売先)の構成例を示す図である。
図5図5は、取引先マスタ(買先)の構成例を示す図である。
図6図6は、商品マスタの構成例を示す図である。
図7図7は、費目マスタの構成例を示す図である。
図8図8は、売上入力画面のイメージの一例を示す図である。
図9図9は、取引情報入力処理で入力される取引情報(売上データ、仕入データ、経費データ)の例を示す図である。
図10図10は、仕訳連携処理で作成される仕訳データの例を示す図である。
図11図11は、管理会計データ作成処理で作成される収益分析データ(セグメント別集計表)の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
企業では、利益創出のため管理会計上の収益分析を行っている。しかしながら、従来の機能では、販売システムに入力されている情報と、経営層が確認したい分析の粒度が合わず、情報の整理に時間と手作業が発生し、経営判断が遅れていた。
【0019】
そこで、本実施の形態では、売上・仕入・経費などの取引情報を入力する際に分析コードを入力し、分析コードを使用して収益分析することで、収益分析のための情報の整理の負荷を低減している。
【0020】
具体的には、本実施の形態では、(1)販売システムにおける売上・仕入・経費などの取引情報をシステムに入力する際に、分析情報が入力可能となった。
【0021】
(2)入力した情報は、管理会計に連携することで、科目・分析コードの軸で収益確認が可能となった。
【0022】
(3)経営層が確認を行いたい分析情報は顧客毎に様々であるため、汎用的に使用できるように以下のように工夫している。(I)分析コードの種類毎にマスタ管理するか否かを選択可能としている。(II)分析情報を入力する際に分析コードの入力を必須にするか任意にするか否かを選択可能としている。(III)分析コードの初期値を取引先・商品のマスタに保持し、取引情報の入力者は分析コードを意識せずに入力が可能となっている。
【0023】
図1は、本実施の形態に係る分析コード別収支管理システムの処理イメージを示す図である。販売部門では、各入力画面で販売システムに取引情報を入力する際に、分析コードを入力する(取引情報入力処理S1)。各入力画面にて、取引の明細毎に分析情報が入力可能となっている。仕訳連携処理S2により分析コードが付加された取引情報の仕訳データが作成される。管理会計データ作成処理S3により、科目及び分析コードを軸にした収益分析データを生成する。
【0024】
入力した取引情報を販売システム→財務会計システム→管理会計システムに連携することで科目+分析コードの軸で実績確認が可能となっている。管理会計ではセグメントが付与されていない情報をルールに基づき配賦することが可能となっている。
【0025】
収益分析する際のセグメントの種類は顧客ごとに様々だが、取引先や商品に紐づく情報での分析を求められることが多い。例えば、取引先は、事業(一次産業、医療など)、地域(国内、欧米、北欧など)、企業グループ(〇〇G、△△G)などである。商品は、商品分類(電線、建材、雑貨など)、自社他社品(自社、他社など)などである。その他として、ABC分析など取引先にも商品にも紐づかない分析軸もある。
【0026】
管理会計で見たい分析軸は顧客ごとに様々であるため、販売システム上の分析コードの制御は汎用的に設定できるようになっている。販売システム上の分析コードの制御ポイントは、以下のようになっている。(1)分析コードの種類は複数ある(例えば、5個まで設定可能)。(2)分析コードはマスタ管理可能(コードと名称管理可能)である。なお、マスタ管理せずに入力時に都度入力してもよい。(3)各入力画面で、対象となるマスタより初期値の表示が可能となっている。例えば、分析1~3は、取引先で指定した値を初期表示し、分析4~5は、商品で指定した値を初期表示する。なお、入力時に初期値からの変更は可能となっている。(4)入力必須・任意の制御が可能となっている(入力漏れの防止が可能)。
【0027】
[2.構成]
本実施形態に係る分析コード別収支管理システム(装置)100の構成の一例について、図2を参照して説明する。図2は、分析コード別収支管理システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
分析コード別収支管理システム100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、分析コード別収支管理システム100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0029】
分析コード別収支管理システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。分析コード別収支管理システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0030】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、分析コード別収支管理システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、分析コード別収支管理システム100と、販売部門端末400・・・、財務部門端末500・・・、経営層端末・・・やサーバ200とを通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0031】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。また、「出力」とは、出力装置114で出力すること等をいい、例えば、モニタ114への表示出力やプリンタ114での印刷出力することの他、外部にデータを送信することを含む。
【0032】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0033】
記憶部106は、分析コードマスタ106aと、取引先マスタ(売先)106bと、取引先マスタ(買先)106cと、商品マスタ106dと、費目マスタ106eと、データファイル106fと、を備えている。図3は、分析コードマスタ106aの構成例を示す図である。図4は、取引先マスタ(売先)106bの構成例を示す図である。図5は、取引先マスタ(買先)106cの構成例を示す図である。図6は、商品マスタ106dの構成例を示す図である。図7は費目マスタ106eの構成例を示す図である。
【0034】
分析コードマスタ106aは、図3に示すように、分析コード分類、分析コード分類名、必須/任意、マスタ管理、分析コード、分析コード名を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。分析コードは、事業、分析の種類、企業グループ、商品分類、及び自社他社品等の分類を示すものである。このように、分析コードマスタ106aは、分析コードの種類毎に入力を必須にするか任意にするかを設定可能に構成されている。また、分析コードマスタ106aは、分析コードの種類毎にマスタ管理するか否かを設定可能に構成されている。
【0035】
図3に示す例では、1行目は、分析コード分類「分析コード1」、分析コード分類名「事業」、必須/任意「必須」、マスタ管理「あり」、分析コード「1001」、分析コード名「一次産業」、分析コード「1002」、分析コード名「医療」、2行目は、分析コード分類「分析コード2」、分析コード分類名「ABC分析」、必須/任意「必須」、マスタ管理「あり」、分析コード「A」、分析コード名「A」、分析コード「B」、分析コード名「B」、3行目は、分析コード分類「分析コード3」、分析コード分類名「企業グループ」、必須/任意「任意」、マスタ管理「あり」、分析コード「3001」、分析コード名「〇〇G」、分析コード「3002」、分析コード名「△△G」となっている。4行目は、分析コード分類「分析コード4」、分析コード分類名「商品分類」、必須/任意「必須」、マスタ管理「あり」、分析コード「4001」、分析コード名「電線」、分析コード「4002」、分析コード名「建材」、分析コード「4003」、分析コード名「雑貨」、5行目は、分析コード分類「分析コード5」、分析コード分類名「自社他社品」、必須/任意「必須」、マスタ管理「なし」となっている。
【0036】
取引先マスタ(売先)106bは、図4に示すように、取引先コード、取引先名、分析コード1、分析コード2、分析コード3を関連づけ登録したテーブル等で構成することができる。
【0037】
図4に示す例では、1行目は、取引先コード「T001」、取引先名「〇〇電気」、分析コード1「一次産業」、分析コード2「なし」、分析コード3「〇〇G」、2行目は、取引先コード「T002」、取引先名「△△工業」、分析コード1「一次産業」、分析コード2「なし」、分析コード3「△△G」、3行目は、取引先コード「T003」、取引先名「〇〇産業」、分析コード1「医療」、分析コード2「なし」、分析コード3「〇〇G」となっている。
【0038】
取引先マスタ(買先)106cは、図5に示すように、取引先コード、取引先名、分析コード1、分析コード2、分析コード3のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0039】
図5に示す例では、1行目は、取引先コード「K001」、取引先名「□□商事」、分析コード1「なし」、分析コード2「なし」、分析コード3「〇〇G」、2行目は、取引先コード「K002」、取引先名「◇◇工業」、分析コード1「一次産業」、分析コード2「なし」、分析コード3「なし」、3行目は、取引先コード「K003」、取引先名「〇〇産業」、分析コード1「なし」、分析コード2「なし」、分析コード3「なし」となっている。
【0040】
商品マスタ106dは、図6に示すように、商品コード、商品名、分析コード4、分析コード5のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0041】
図6に示す例では、1行目は、商品コード「S001」、商品名「電線1001」、分析コード4「電線」、分析コード5「自社」、2行目は、商品コード「S002」、商品名「電線2002」、分析コード4「電線」、分析コード5「他社」、3行目は、商品コード「S003」、商品名「建材3001」、分析コード4「建材」、分析コード5「自社」となっている。
【0042】
費目マスタ106eは、図7に示すように、費目コード、費目名、分析コード4、分析コード5のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0043】
図7に示す例では、1行目は、費目コード「H001」、費目名「水道光熱費」、分析コード4「なし」、分析コード5「なし」、2行目は、費目コード「H002」、費目名「運送費」、分析コード4「建材」、分析コード5「なし」、3行目は、費目コード「H003」、費目名「立替諸掛」、分析コード4「雑貨」、分析コード5「なし」となっている。
【0044】
データファイル106fは、取引情報(例えば、売上データ、仕入データ、経費データ等)や仕訳データ等の各種データを格納するためのファイルである。売上データは、伝票番号、科目、分析コード1、分析コード2、分析コード3、分析コード4、分析コード5、金額のデータを含んでいてもよい。仕入データは、伝票番号、科目、分析コード1、分析コード2、分析コード3、分析コード4、分析コード5、金額のデータを含んでいてもよい。
【0045】
経費データは、伝票番号、科目、分析コード1、分析コード2、分析コード3、分析コード4、分析コード5、金額のデータを含んでいてもよい。仕訳データは、仕訳番号、販売時の番号、勘定科目、分析コード1、分析コード2、分析コード3、分析コード4、分析コード5、金額のデータを含んでいてもよい。
【0046】
制御部102は、分析コード別収支管理システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、取引情報入力部102aと、仕訳連携部102bと、管理会計データ作成部102cと、照会部102dと、マスタメンテ部102eと、画面表示制御部102fと、を備えている。
【0047】
取引情報入力部102aは、例えば、販売部門端末400からのリクエストに応じて、販売部門端末400に入力画面を提供し、入力画面上での販売部門端末400の操作に応じて、取引情報(例えば、売上データ、仕入データ、経費データ等)と共に分析コードを入力して、分析コードを含む取引情報をデータファイル106fに格納する。
【0048】
取引情報入力部102aは、取引情報についてマスタにより分析コードの初期値を設定する。具体的には、売上データについては、分析コード1~3を取引先マスタ(売先)106bで初期セットし、分析コード4,5を商品マスタ106dで初期セットする。仕入データについては、分析コード1~3を取引先マスタ(買先)106cで初期セットし、分析コード4,5を商品マスタ106dで初期セットする。経費データについては、分析コード1~3を取引先マスタ(買先)106cで初期セットし、分析コード4,5を、費目マスタ106eで初期セットする。
【0049】
仕訳連携部102bは、データファイル106fに格納されている取引情報に基づいて仕訳データを作成して、データファイル106fに格納する。
【0050】
管理会計データ作成部102cは、データファイル106fに格納されている仕訳データ(取引情報)に基づいて科目及び分析コードを軸にした収益分析データを生成して、データファイル106fに格納する。
【0051】
照会部102dは、例えば、経営層端末600からのリクエストに応じて、経営層端末600に照会画面を提供し、照会画面上での経営層端末600の操作に応じて、データファイル106fに格納した収益分析データを表示させる。
【0052】
マスタメンテ部102eは、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面(不図示)上でのオペレータの操作に応じて、分析コードマスタ106a、取引先マスタ(売先)106b、取引先マスタ(買先)106c、商品マスタ106d、及び費目マスタ106eに対して、データの入力・追加・変更等の編集を行う。
【0053】
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0054】
[3.具体例]
図2図11を参照して、本実施の形態における分析コード別収支管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明する。図9図11は、本実施の形態における分析コード別収支管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【0055】
(取引情報入力処理S1)
図9及び図10を参照して、取引情報入力処理S1を説明する。取引情報入力部102aは、取引情報入力処理S1を実行して、販売部門端末400からのリクエストに応じて、販売部門端末400に入力画面(例えば、売上入力画面、仕入入力画面、経費入力画面等)を提供し、入力画面上での販売部門端末400の操作に応じて、取引情報(例えば、売上データ、仕入データ、経費データ等)と共に分析コードを入力して、分析コードを含む取引情報をデータファイル106fに格納する。
【0056】
図8は、売上入力画面のイメージの例を示す図である。図8に示す売上入力画面は、売上番号、売上日、取引先(売先)、商品、数量、単価、金額の売上伝票の入力欄と、分析コード入力画面を表示するための分析コードボタンを備えている。売上入力画面で不図示の登録ボタンを押すと、設定された分析コードを含む売上データがデータファイル106fに登録される。
【0057】
分析コードボタンを押すと分析コード画面が表示される。分析コード画面では、取引先(売先)をキーとして、取引先マスタ(売先)106bから分析コード1,2,3のデータが読み出されて初期表示され、また、商品をキーとして、商品マスタ106dから分析コード4,5のデータが読み出されて初期表示される。分析コード1~5が入力可能となっている。分析コードに応じた名称が表示される。分析コード5は分析コードマスタ106aでマスタ管理していないため名称表示されない。分析コード2は取引先マスタ(売先)106bでデータが設定されていないので初期表示データはない。分析コードマスタ106aの入力必須項目は、ブランクのままでは登録不可であるので、分析コードマスタ106aの設定により分析コード1,2,4,5は、ブランクのままで登録不可、分析コード3はブランクで登録可能となっている。
【0058】
図8に示す例では、売上番号「UR001」、売上日「2020/4/1」、取引先(売先)「T001 〇〇電気」、商品「S001 電線1001」、数量「20本」、単価「5円」、金額「100円」が入力されている。
【0059】
分析コードボタンを押すと、取引先(売先)「T001 〇〇電気」をキーとして、取引先マスタ(売先)106bから分析コード1「1001:一次産業」、分析コード2「なし」,分析コード3「3001:〇〇G」のデータが読み出されて表示され、また、商品「S001:電線1001」をキーとして、商品マスタ106dから分析コード4「4001:電線」,分析コード5「自社」のデータが読み出されて表示される。そして、分析コード2が「A」、分析コード5が「その他」にオペレータにより変更されている。
【0060】
図9は、取引情報入力処理S1で入力される取引情報(売上データ、仕入データ、経費データ)の例を示している。売上入力により売上データを入力する。売上データについては、分析コード1~3は、取引先マスタ(売先)106bで初期セットされ、分析コード4,5は、商品マスタ106dで初期セットされる。
【0061】
図9に示す売上データの例では、1行目は、伝票番号「UR001」、科目「売上」、分析コード1「一次産業」、分析コード2「A」、分析コード3「〇〇G」、分析コード4「電線」、分析コード5「自社」、金額「100」、2行目は、伝票番号「UR002」、科目「売上」、分析コード1「医療」、分析コード2「B」、分析コード3「△△G」、分析コード4「建材」、分析コード4「自社」、金額「200」、3行目は、伝票番号「UR003」、科目「売上」、分析コード1「医療」、分析コード2「B」、分析コード3「その他」、分析コード4「雑貨」、分析コード5「他社」、金額「300」となっている。
【0062】
仕入入力により仕入データを入力する。仕入データについては、分析コード1~3は、取引先マスタ(買先)106cで初期セットされ、分析コード4,5は、商品マスタ106d初期セットされる。
【0063】
図9に示す仕入データの例では、1行目は、伝票番号「SR001」、科目「仕入」、分析コード1「なし」、分析コード2「なし」、分析コード3「なし」、分析コード4「電線」、分析コード5「自社」、金額「40」、1行目は、伝票番号「SR002」、科目「仕入」、分析コード1「なし」、分析コード2「なし」、分析コード3「〇〇G」、分析コード4「建材」、分析コード5「自社」、金額「50」、3行目は、伝票番号「SR003」、科目「仕入」、分析コード1「一次産業」、分析コード2「B」、分析コード3「なし」、分析コード4「雑貨」、分析コード5「他社」、金額「30」となっている。仕入は、取引先(売先)のセグメントをセットしない(できない)ことが多い。なお、直送取引は売先が特定できるためセットできる。
【0064】
経費入力により経費データを入力する。経費データについては、分析コード1~3は、取引先マスタ(買先)106cで初期セットされ、分析コード4,5は、費目マスタ106eで初期セットされる。
【0065】
図9に示す経費データの例では、1行目は、伝票番号「KE001」、科目「費用」、分析コード1「なし」、分析コード2「なし」、分析コード3「なし」、分析コード4「なし」、分析コード5「なし」、金額「10」、2行目は、伝票番号「KE002」、科目「費用」、分析コード1「なし」、分析コード2「なし」、分析コード3「△△G」、分析コード4「建材」、分析コード5「なし」、金額「20」、3行目は、伝票番号「KE003」、科目「費用」、分析コード1「一次産業」、分析コード2「C」、分析コード3「なし」、分析コード4「なし」、分析コード5「なし」、金額「30」となっている。経費は、取引先(売先)・商品のセグメントをセットしない(できない)ことが多い。なお、直接経費の場合はセットできる場合がある。
【0066】
(仕訳連携処理S2)
図10を参照して、仕訳連携処理S2を説明する。仕訳連携部102bは、仕訳連携処理S2を実行して、取引情報に基づいて仕訳データを作成する。図10は、仕訳連携処理S2で作成される仕訳データの例を示している。
【0067】
図10に示す仕訳データの例では、1行目は、仕訳番号「SI001」、販売時の番号「UR001」、科目「売掛/売上」、分析コード1「一次産業」、分析コード2「A」、分析コード3「〇〇G」、分析コード4「電線」、分析コード5「自社」、金額「100」、2行目は、仕訳番号「SI002」、販売時の番号「UR002」、科目「売掛/売上」、分析コード1「医療」、分析コード2「B」、分析コード3「△△G」、分析コード4「建材」、分析コード4「自社」、金額「200」、3行目は、仕訳番号「SI003」、販売時の番号「UR003」、科目「売掛/売上」、分析コード1「医療」、分析コード2「B」、分析コード3「その他」、分析コード4「雑貨」、分析コード5「他社」、金額「300」となっている。元帳など分析コード日計表などで実績の確認が可能となっている。
【0068】
(管理会計データ作成処理S3)
図11を参照して、管理会計データ作成処理S3を説明する。管理会計データ作成部102cは、管理会計データ作成処理S3を実行して、仕訳データに基づいて科目及び分析コードを軸にした収益分析データ(セグメント別集計表)を作成する。図11は、管理会計データ作成処理S3で作成される収益分析データ(セグメント別集計表)の例を示している。
【0069】
分析コード1によるセグメント別集計表は、売上は、一次産業「100」、医療「500」、なし「0」、原価は、一次産業「30」、医療「0」、なし「90」、売上総利益は、一次産業「70」、医療「500」、なし「-90」、販管費は、一次産業「30」、医療「0」、なし「30」、営業利益は、一次産業「40」、医療「500」、なし「-120」となっている。
【0070】
分析コード4によるセグメント別集計表は、売上は、電線「100」、建材「200」、雑貨「300」、なし「0」、原価は、電線「40」、建材「50」、雑貨「60」、なし「0」、売上総利益は、電線「60」、建材「150」、雑貨「240」、なし「0」、販管費は、電線「0」、建材「20」、雑貨「0」、なし「40」、営業利益は、電線「60」、建材「130」、雑貨「240」、なし「-40」となっている。
【0071】
セグメント別集計表は、売上高(財務会計情報)や人数などの非会計の情報(外部から取込)元に配賦して、修正してもよい。
【0072】
例えば、上記の分析コード1によるセグメント別集計表の場合は、売上高で配賦を行い、一次産業:医療=100円:500円であるので、原価90円を一次産業15円、医療75円に配賦し、版管費30円を一次産業5円、医療25円に配賦してもよい。
【0073】
例えば、上記の分析コード4によるセグメント別集計表の場合は、人数で配賦を行い、
例えば、電線:建材:雑貨=3人:2入:3人の場合は、版管費40円を電線15円、建材10円、雑貨15円に配賦してもよい。
【0074】
以上説明したように、本実施の形態によれば、取引情報を入力する際に、分析コードを入力する取引情報入力部102aと、入力される取引情報に基づいて、科目及び分析コードを軸にした収益分析データを生成する管理会計データ作成部102cと、を備えているので、売上・仕入・経費などの取引情報を入力する際に分析コードを入力し、分析コードを使用して収益分析することで、収益分析のための情報の整理の負荷を低減することが可能となる。
【0075】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0076】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0077】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0078】
また、分析コード別収支管理システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0079】
例えば、分析コード別収支管理システム100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて分析コード別収支管理システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0080】
また、このコンピュータプログラムは、分析コード別収支管理システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0081】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0082】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0083】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0084】
また、分析コード別収支管理システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、分析コード別収支管理システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0085】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0086】
100 分析コード別収支管理システム
102 制御部
102a 取引情報入力部
102b 仕訳連携部
102c 管理会計データ作成部
102d 照会部
102e マスタメンテ部
102f 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 分析コードマスタ
106b 取引先マスタ(売先)
106c 取引先マスタ(買先)
106d 商品マスタ
106e 費目マスタ
106f データファイル
200 サーバ
300 ネットワーク
400 販売部門端末
500 財務部門端末
600 経営層端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11