IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通テン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図1
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図2
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図3
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図4
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図5
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図6
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図7
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図8
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図9
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図10
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図11
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図12
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図13
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図14
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図15
  • 特許-判定装置、判定システムおよび判定方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】判定装置、判定システムおよび判定方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20241004BHJP
   G09B 19/16 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B19/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020185380
(22)【出願日】2020-11-05
(65)【公開番号】P2022074938
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 徹洋
(72)【発明者】
【氏名】村下 君孝
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-023566(JP,A)
【文献】特開2018-124791(JP,A)
【文献】特開2014-228725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-9/56、17/00-19/26
G09B 23/00-29/14
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タスク実行者によって実行される車両の運転タスクの状況を観測し、
前記タスク実行者のメンタルの状況を観測し、
観測された前記運転タスクの状況、および、観測された前記メンタルの状況に基づいて、前記タスク実行者の前記運転タスクに関する習熟度を判定し、
前記習熟度の判定結果に応じて、地図上にタスク実行地点と、タスク種別と、習熟度との情報を表示するマップ情報を生成する、
コントローラを備えた判定装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記運転タスクの実行前に提供されるプレコンテンツに対する前記タスク実行者の反応に基づいて、前記メンタルの状況の観測処理に対するキャリブレーション処理を実行する、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記プレコンテンツに対する前記タスク実行者の反応に基づいて前記タスク実行者の体調を推定し、推定した前記体調に応じて前記タスク実行者に対するリコメンド処理を実行する、
請求項に記載の判定装置。
【請求項4】
時系列のバイタルデータからメンタルの状況を出力する機械学習によって生成された学習モデルを備え、
前記コントローラは、
前記タスク実行者の前記バイタルデータを前記学習モデルに入力し、前記学習モデルの出力を前記メンタルの状況とする、
請求項1、2または3に記載の判定装置。
【請求項5】
判定装置とカーナビゲーション装置とを含む判定システムであって、
前記判定装置は、
タスク実行者によって実行される車両の運転タスクの状況を観測し、
前記タスク実行者のメンタルの状況を観測し、
観測された前記運転タスクの状況、および、観測された前記メンタルの状況に基づいて、前記タスク実行者の前記運転タスクに関する習熟度を判定し、
前記習熟度の判定結果に応じて、地図上にタスク実行地点と、タスク種別と、習熟度との情報を表示するマップ情報を生成し、
前記カーナビゲーション装置は、
前記マップ情報に基づき地図上にタスク実行地点と、タスク種別と、習熟度との情報を表示する、
判定システム。
【請求項6】
タスク実行者によって実行される車両の運転タスクの状況を観測
前記タスク実行者のメンタルの状況を観測
測された前記運転タスクの状況、および、観測された前記メンタルの状況に基づいて、前記タスク実行者の前記運転タスクに関する習熟度を判定し、
前記習熟度の判定結果に応じて、地図上にタスク実行地点と、タスク種別と、習熟度との情報を表示するマップ情報を生成する、
ントローラが実行する判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、判定装置、判定システムおよび判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場における作業者や、オンライン学習の受講者といった、所定のタスクを実行するタスク実行者の習熟度を判定する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-086322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術には、タスク実行者の習熟度を精度よく判定するうえで、更なる改善の余地がある。
【0005】
たとえば、従来技術は、タスク実行者のタスク実行スピードや、アウトプットの品質、例として正解率や正解との一致度等に基づいて習熟度を判定する。しかし、かかる判定方法によれば、実際は習熟度が低いにも関わらず、偶々タスクが成功した場合にも、習熟度が高いと判定してしまうおそれがある。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、タスク実行者の習熟度を精度よく判定することができる判定装置、判定システムおよび判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る判定装置は、コントローラを備える。前記コントローラは、タスク実行者によって実行される車両の運転タスクの状況を観測し、前記タスク実行者のメンタルの状況を観測し、観測された前記運転タスクの状況、および、観測された前記メンタルの状況に基づいて、前記タスク実行者の前記運転タスクに関する習熟度を判定し、前記習熟度の判定結果に応じて、地図上にタスク実行地点と、タスク種別と、習熟度との情報を表示するマップ情報を生成する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、タスク実行者の習熟度を精度よく判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る判定方法の概要説明図である。
図2図2は、タスクの例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る判定システムの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、バイタルデータの例を示す図である。
図5図5は、タスク提供部の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、メンタル状況観測部の構成例を示すブロック図である。
図7図7は、プレコンテンツに基づくスケール調整処理の説明図(その1)である。
図8図8は、プレコンテンツに基づくスケール調整処理の説明図(その2)である。
図9図9は、プレコンテンツに基づくリコメンド処理の説明図である。
図10図10は、リコメンドの例を示す図(その1)である。
図11図11は、リコメンドの例を示す図(その2)である。
図12図12は、判定結果の活用例を示す図(その1)である。
図13図13は、判定結果の活用例を示す図(その2)である。
図14図14は、判定結果の活用例を示す図(その3)である。
図15図15は、実施形態に係る判定装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図16図16は、変形例に係る判定システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する判定装置、判定システムおよび判定方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
まず、実施形態に係る判定方法の概要について、図1および図2を用いて説明する。図1は、実施形態に係る判定方法の概要説明図である。また、図2は、タスクの例を示す図である。
【0012】
たとえば、従来技術は、タスク実行者のタスク実行スピードや、アウトプットの品質等に基づいて習熟度を判定する。しかし、かかる判定方法によれば、実際は習熟度が低いにも関わらず、偶々タスクが成功した場合にも、習熟度が高いと判定してしまうおそれがある。
【0013】
通常、習熟度は、タスク実行時におけるタスク実行者のメンタルが反映される。実際に習熟度が高い場合、タスク実行時におけるタスク実行者のメンタルは、冷静である傾向が強い。言い換えれば、メンタル強度が高い傾向にある。逆に、習熟度が低い場合、タスク実行時におけるタスク実行者のメンタルは、冷静でない傾向が強い。言い換えれば、メンタル強度が低い傾向にある。
【0014】
そこで、実施形態に係る判定方法では、かかるタスク実行者のメンタル面に着目することとした。具体的には、実施形態に係る判定方法では、タスク実行者によって実行されるタスクの状況を観測するとともに、タスク実行者のメンタルの状況を観測することとした。そして、観測されたタスクの状況、および、観測されたメンタルの状況に基づいて、タスク実行者の習熟度を判定することとした。
【0015】
より具体的には、図1に示すように、実施形態に係る判定方法では、判定装置10が、まずタスク実行者Uに対し、タスクを提供する(ステップS1)。ここで、図2に示すように、「タスク」は、たとえばPC(Personal Computer)スキル、語学などの技能検定である。また、eスポーツ、eラーニング、プレゼンテーション、運転、オンライン面接、スポーツなどである。以下の説明では、これらのうちのいくつかを、適宜例に挙げて説明する。
【0016】
図1の説明に戻る。そして、実施形態に係る判定方法では、判定装置10が、タスク実行者Uが実行するタスクの状況を観測するとともに(ステップS2)、タスク実行者Uのメンタルの状況を観測する(ステップS3)。
【0017】
メンタルの状況は、たとえば後述するセンサ部2によって取得されるタスク実行者Uのバイタルデータなどに基づいて観測される。
【0018】
そして、判定装置10は、観測したタスクの状況およびメンタルの状況に基づいてタスク実行者Uの習熟度を判定する(ステップS4)。たとえば、判定装置10は、図1に示すように、タスクの状況が「○」、すなわち成功に見える場合であっても、メンタルの状況が「×」、すなわちメンタル強度が弱い場合は、偶々タスクが成功したと見なす。そして、判定装置10は、かかる場合について判定結果を「×」、すなわち習熟度は低いと判定する。
【0019】
なお、判定装置10は、タスクの状況およびメンタルの状況がともに「○」である場合は無論、判定結果を「○」とする。また、判定装置10は、少なくともタスクの状況が「×」、すなわち失敗である場合は、判定結果を「×」とする。
【0020】
このように、外見上のタスクの状況だけでなく、タスク実行者Uのメンタルの状況を加味した判断を行うことによって、タスク実行者Uの実際の習熟度を伴う実質的なタスクの成否を判定することが可能となる。
【0021】
上述したように、実施形態に係る判定方法では、タスク実行者によって実行されるタスクの状況を観測するとともに、タスク実行者のメンタルの状況を観測することとした。そして、観測されたタスクの状況、および、観測されたメンタルの状況に基づいて、タスク実行者の習熟度を判定することとした。
【0022】
したがって、実施形態に係る判定方法によれば、タスク実行者の習熟度を精度よく判定することができる。
【0023】
以下、実施形態に係る判定方法を適用した判定装置10を含む判定システム1の構成例について、より具体的に説明する。
【0024】
図3は、実施形態に係る判定システム1の構成例を示すブロック図である。なお、図3では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0025】
換言すれば、図3に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0026】
また、図3を用いた説明では、既に説明済みの構成要素については、説明を簡略するか、説明を省略する場合がある。
【0027】
図3に示すように、実施形態に係る判定システム1は、センサ部2と、判定装置10とを含む。センサ部2は、バイタルセンサ2aと、カメラ2bと、マイク2cとを含む。
【0028】
バイタルセンサ2aは、タスク実行者Uのバイタルデータを取得するセンサである。ここで、図4は、バイタルデータの例を示す図である。図4に示すように、バイタルデータは、たとえば脳波、心拍、筋電、視線、NIRS(near‐infrared spectroscopy)脳計測、体温、発汗、呼吸などに関するデータを含む。
【0029】
バイタルセンサ2aは、たとえばタスク実行者Uに装着、または、タスク実行者Uの近傍に設けられ、これらバイタルデータを判定装置10へ出力する。
【0030】
図3の説明に戻る。カメラ2bは、たとえばタスク実行者Uの近傍に設けられ、タスク実行者Uを被写体として撮像し、撮像データを判定装置10へ出力する。マイク2cは、たとえばタスク実行者Uの近傍に設けられ、タスク実行者Uの発する音声を集音し、音声データを判定装置10へ出力する。
【0031】
なお、センサ部2の構成要素は、図3に示したバイタルセンサ2a、カメラ2b、マイク2cに限られるものではなく、タスク実行者Uのメンタルの状況を観測するのに資するものであれば、いずれでもよい。たとえば、タスク実行者Uのタイプミス等を取得するものであってもよい。
【0032】
判定装置10は、記憶部11と、制御部12とを備える。記憶部11は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、図3の例では、タスク情報11aと、履歴情報11bと、相関モデル11cとを記憶する。
【0033】
タスク情報11aは、後述するタスク提供部12aによってタスク実行者Uへ提供されるタスクに関する情報であり、たとえばタスクを構成する各種のプログラム等を含む。
【0034】
履歴情報11bは、過去のタスク実行時に観測されたタスク実行者Uのメンタルの状況の履歴に関する情報である。履歴情報11bは、たとえば過去のタスク実行時に観測されたバイタルデータから算出された、人間の喜怒哀楽といった感情の程度を示す感情値や、かかる感情値の特性(値域や振幅等)などを含む。
【0035】
相関モデル11cは、センサ部2によって取得されるセンシングデータとタスク実行者Uのメンタルの状況との関係を示す、事前作成されたモデルである。相関モデル11cは、たとえば機械学習によって、タスク実行者Uの時系列のバイタルデータからタスク実行者Uのメンタルの状況を示すメンタル強度を出力する学習モデルとして生成される。機械学習のアルゴリズムとしては、たとえばディープラーニング等を用いることができる。
【0036】
なお、タスクごとや個人ごとにメンタルの負荷は異なるため、相関モデル11cは、タスクごとやタスク実行者Uごとに設けられていてもよい。また、相関モデル11cは、タスク実行者Uのたとえば経験年数ごとのように、層別に設けられていてもよい。
【0037】
制御部12は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、判定装置10内部の記憶デバイスに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0038】
制御部12は、タスク提供部12aと、タスク状況観測部12bと、メンタル状況観測部12cと、判定部12dと、生成部12eとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0039】
タスク提供部12aは、たとえばタスク実行者Uが利用する端末装置に対し、タスク実行者Uに実行させるタスクを提供する。また、タスク提供部12aは、本番のタスクを実行させる前に、予めタスク実行者Uの感情値の特性や体調を把握するための短時間のプレコンテンツを提供することができる。なお、以下の説明で「把握」と言った場合、「推定」と言い換えてもよい。
【0040】
図5は、タスク提供部12aの構成例を示すブロック図である。タスク提供部12aは、プレコンテンツ提供部12aaと、本タスク提供部12abとを有する。プレコンテンツ提供部12aaは、タスク実行者Uが利用する端末装置に対し、前述のプレコンテンツを提供する。
【0041】
プレコンテンツは、たとえば、喜怒哀楽といった代表的な人間の感情を喚起することができるように予め用意された短時間の動画コンテンツやゲーム等である。
【0042】
そして、後述するメンタル状況観測部12cは、かかるプレコンテンツの提供を受けたタスク実行者Uの反応、たとえばバイタルデータに基づいて、タスク実行者Uの感情値の特性や体調を把握する。
【0043】
そして、メンタル状況観測部12cは、把握した感情値の特性や体調に基づき、タスク実行者Uの個人差または体調差を解消するためのスケール調整処理を実行する。かかる点については、図7および図8を用いた説明で後述する。
【0044】
本タスク提供部12abは、タスク実行者Uが利用する端末装置に対し、本番のタスクを提供する。また、本タスク提供部12abは、かかる本番のタスクの提供に際し、メンタル状況観測部12cによって把握されたタスク実行者Uのたとえば体調に基づいて、タスク実行者Uに対する所定のリコメンド処理を実行することができる。かかる点については、図9図11を用いた説明で後述する。
【0045】
図3の説明に戻る。また、タスク提供部12aは、提供したタスクに対するタスク実行者Uの応答を逐次取得し、タスク状況観測部12bへ出力する。
【0046】
タスク状況観測部12bは、タスク提供部12aから出力されるタスク実行者Uの応答に基づいて、タスクの状況を観測する。また、タスク状況観測部12bは、観測した観測結果を判定部12dへ出力する。
【0047】
メンタル状況観測部12cは、センサ部2によって取得されるセンシングデータに基づいて、タスク実行者Uのメンタルの状況を観測する。具体的には、メンタル状況観測部12cは、たとえばバイタルセンサ2aによって取得されたバイタルデータを相関モデル11cへ入力することによってタスク実行者Uのメンタル強度を算出する。
【0048】
なお、ここで、必ずしも相関モデル11cを用いる必要はなく、たとえば古典的な信号処理による評価指標などを利用してもよい。また、たとえばバイタルデータとして脳波を用いる場合には、α波とβ波のパワースペクトルの比率に対する閾値処理を実行するようにしてもよい。また、たとえば心拍を用いる場合には、RRI(R-R Interval)の揺らぎに対する閾値処理を実行するようにしてもよい。
【0049】
また、メンタル状況観測部12cは、カメラ2bによって取得された撮像データを画像解析することによって、たとえば、集中状態や緊張状態を示すタスク実行者Uの挙動を検出し、かかる挙動に基づいてメンタル強度を算出することもできる。
【0050】
また、メンタル状況観測部12cは、マイク2cによって取得された音声データを音声解析することによって、たとえば、集中状態や緊張状態を示すタスク実行者Uの言動を検出し、かかる言動に基づいてメンタル強度を算出することもできる。
【0051】
また、メンタル状況観測部12cは、前述のプレコンテンツに対するタスク実行者Uの反応に基づいて、タスク実行者Uの感情値の特性や体調を把握し、前述のスケール調整処理を実行する。
【0052】
図6は、メンタル状況観測部12cの構成例を示すブロック図である。メンタル状況観測部12cは、特性把握部12caと、感情値算出部12cbと、スケール調整部12ccと、メンタル強度算出部12cdとを有する。
【0053】
特性把握部12caは、プレコンテンツに対するタスク実行者Uの反応に基づいて、タスク実行者Uの感情値の特性や体調を把握する。感情値算出部12cbは、本番のタスク実行時にセンサ部2によって取得されたバイタルデータに基づいて、本番のタスク実行時におけるタスク実行者Uの感情値を算出する。
【0054】
スケール調整部12ccは、特性把握部12caによって把握された感情値の特性に基づいて、感情値算出部12cbによって算出された感情値に対するスケール調整処理を実行する。メンタル強度算出部12cdは、スケール調整処理を経た感情値のデータを相関モデル11cへ入力することによってタスク実行者Uのメンタル強度を算出する。
【0055】
ここで、スケール調整処理について、図7および図8を用いて説明する。図7は、プレコンテンツに基づくスケール調整処理の説明図(その1)である。また、図8は、プレコンテンツに基づくスケール調整処理の説明図(その2)である。
【0056】
図7に示すように、プレコンテンツ提供部12aaによってタスク実行者Uへプレコンテンツが提供されると、センサ部2は、かかるプレコンテンツ視聴時のタスク実行者Uのバイタルデータを取得し、特性把握部12caへ出力する。
【0057】
そして、特性把握部12caは、かかるバイタルデータおよび/または履歴情報11bに基づき、タスク実行者Uの感情値の特性を推定し、スケール調整部12ccへ出力する。そして、スケール調整部12ccは、かかる感情値の特性に基づいてスケール調整処理を実行する。
【0058】
ここで、図8に示すように、「Aさん」は、「悲しい」~「楽しい」の感情変動が、値域「0」~「5」の間で振幅する感情値の特性を有していたものとする。一方、「Bさん」は、同じく「悲しい」~「楽しい」の感情変動が、値域「50」~「100」の間で振幅する感情値の特性を有していたものとする。
【0059】
かかる場合に、図中に「×」印で示す場合のように、一律なスケール調整により「Aさん」および「Bさん」の感情変動をマッピングしてしまうと、感情値の特性の個人差により、メンタルの状況を正しく推定することができない。
【0060】
そこで、スケール調整部12ccは、図中に「○」印で示す場合のように、感情変動が同一の基準で比較可能となるように、たとえば「悲しい」や「楽しい」といった各感情を各次元とする特徴量空間へマッピングするスケール調整処理を実行する。
【0061】
これにより、感情値の特性の個人差を解消することができる。したがって、スケール調整処理は、メンタル状況観測部12cが実行するメンタル状況観測処理のキャリブレーションを実現するキャリブレーション処理とも言うことができる。
【0062】
なお、特性把握部12caは、プレコンテンツに対するタスク実行者Uの反応に基づいて、タスク実行者Uの感情値の特性だけでなく、体調も把握できる点については既に述べた。かかる体調に基づいては、本タスク提供部12abが、本番のタスクの提供に際し、タスク実行者Uに対する所定のリコメンド処理を実行することができる。
【0063】
ここで、かかるリコメンド処理について、図9図11を用いて説明する。図9は、プレコンテンツに基づくリコメンド処理の説明図である。また、図10は、リコメンドの例を示す図(その1)である。また、図11は、リコメンドの例を示す図(その2)である。
【0064】
図9に示すように、プレコンテンツ提供部12aaによってタスク実行者Uへプレコンテンツが提供されると、センサ部2は、かかるプレコンテンツ視聴時のタスク実行者Uのバイタルデータを取得し、特性把握部12caへ出力する。
【0065】
そして、特性把握部12caは、かかるバイタルデータおよび/または履歴情報11bに基づき、タスク実行者Uの体調を推定し、本タスク提供部12abへ出力する。そして、本タスク提供部12abは、かかる体調に基づいてリコメンド処理を実行する。
【0066】
たとえば、特性把握部12caは、タスク実行者Uの体調不良を検出したものとする。すると、かかる場合、本タスク提供部12abは、図10に示すように、タスク実行者Uが利用する端末装置へ、たとえば「体調不良が検出されました。このままタスクを実行しますか?」のメッセージと、タスクの実行または中止を選択可能なチェックボックスを出力する。
【0067】
そして、タスク実行者Uが、タスクの実行または中止を選択し、たとえば図中に示す「確認」ボタンを押下すると、本タスク提供部12abはタスク実行者Uの選択結果に応じ、タスクを実行または中止させる。これにより、体調不良のままタスクを継続することにより、正しく習熟度が判定できなくなる機会を低減させることができる。
【0068】
また、図11に示すように、本タスク提供部12abは、たとえばeスポーツであれば、タスク実行者Uの体調に応じ、ゲームの種類をリコメンドすることができる。また、チームゲームであれば、かかるチームゲームでの役割をリコメンドすることができる。
【0069】
また、eスポーツに限らないが、同図に示すように、タスクにおいて再生される動画の種類をリコメンドするようにしてもよい。また、音量や、視野角、色味等を含む動画再生パターンをリコメンドするようにしてもよい。これにより、タスク実行者Uの体調に応じて負荷を軽減しつつタスクを提供することができ、体調による影響で正しく習熟度が判定されなくなる機会を低減させることができる。
【0070】
図3の説明に戻る。また、メンタル状況観測部12cは、観測した観測結果、すなわち算出したメンタル強度を判定部12dへ出力する。
【0071】
判定部12dは、タスク状況観測部12bによって観測されたタスクの状況、および、メンタル状況観測部12cによって観測されたメンタルの状況に基づいて、タスク実行者の習熟度を判定する。たとえば、判定部12dは、図1を用いて既に説明したように、タスクの状況が「○」であっても、メンタルの状況が「×」、すなわちメンタル強度が弱いならば、判定結果を「×」、すなわち習熟度は低いと判定する。
【0072】
また、判定部12dは、タスクの状況およびメンタルの状況がともに「○」である場合は無論、判定結果を「○」、すなわち習熟度は高いと判定する。また、判定部12dは、少なくともタスクの状況が「×」である場合は、判定結果を「×」、すなわち習熟度は低いと判定する。
【0073】
なお、判定部12dによる判定結果はかかる場合に限られない。その他の例については、図12図14を用いた説明で後述する。
【0074】
また、判定部12dは、判定した判定結果を生成部12eへ出力する。生成部12eは、判定部12dの判定結果に基づいて各種の情報を生成し、必要に応じてタスク提供部12aへフィードバックする。
【0075】
たとえば、生成部12eは、判定部12dの判定結果に応じて、次回のタスクのレベルを決定し、次回のタスクを生成する。また、たとえば、生成部12eは、判定部12dの判定結果に応じて、タスク実行者Uへ付与する刺激を生成する。また、たとえば、生成部12eは、判定部12dの判定結果に応じて、タスク実行者Uが苦手なタスクをタスク実行者Uへ明示するマップ情報を生成する。
【0076】
こうした判定部12dの判定結果の活用例について、図12図14を用いて説明する。図12は、判定結果の活用例を示す図(その1)である。また、図13は、判定結果の活用例を示す図(その2)である。また、図14は、判定結果の活用例を示す図(その3)である。
【0077】
図12に示す例は、たとえばeラーニング向けである。図12に示すように、たとえば、生成部12eは、判定部12dの判定結果に応じて、次回のタスクのレベルを決定し、次回のタスクを生成する。
【0078】
かかる場合、具体的には、判定部12dは、タスクの状況が「○」であり、メンタルの状況が「○」である場合、タスク実行者Uは直近のタスクに関しては十分に習熟度が高いとして判定結果を「○」とする。そして、生成部12eは、かかる判定結果に基づき、次回のタスクについては、難易度を上昇させたタスクを生成し、タスク提供部12aに提供させる。
【0079】
また、タスクの状況が「○」であり、メンタルの状況が「×」である場合、判定部12dは、タスク実行者Uは直近のタスクに関しては偶々成功した可能性があるため、習熟度は中程度であるとして判定結果を「△」とする。そして、生成部12eは、かかる判定結果に基づき、次回のタスクについては、難易度を維持したタスクを生成し、タスク提供部12aに提供させる。
【0080】
なお、過去の判定結果を記憶しておき、同種のタスクで所定回数(図12の例では5回)連続して、タスクの状況が「○」であり、メンタルの状況が「×」である場合は、判定部12dは、メンタルの状況が「×」でもタスクの状況が「○」になるほど習熟していると判定する。そして、生成部12eは、かかる判定結果に基づき、次回のタスクについては、難易度を上昇させたタスクを生成し、タスク提供部12aに提供させる。
【0081】
また、少なくともタスクの状況が「×」である場合、メンタルの状況を問わず、判定部12dは、タスク実行者Uは直近のタスクに関しては習熟度が低いとして判定結果を「×」とする。そして、生成部12eは、かかる判定結果に基づき、次回のタスクについては、難易度を下降させたタスクを生成し、タスク提供部12aに提供させる。
【0082】
これにより、たとえばeラーニングの場面において、タスク実行者Uである受講者の理解度に応じて、適切な次回のタスクを適宜受講者へ提供することが可能となる。
【0083】
次に、図13に示す例は、たとえばプレゼンテーション向けである。図13に示すように、たとえば、生成部12eは、判定部12dの判定結果に応じて、タスク実行者Uへ付与する刺激を生成する。
【0084】
かかる場合、具体的には、判定部12dは、少なくともメンタルの状況が「○」である場合、タスク実行者Uに対しては、メンタルサポートは不要であるとして判定結果を「○」とする。そして、生成部12eは、かかる判定結果に基づき、特にはタスク実行者Uへ付与する刺激を生成しない。
【0085】
一方、判定部12dは、少なくともメンタルの状況が「×」である場合、タスク実行者Uに対しては、メンタルサポートが必要であるとして判定結果を「×」とする。そして、生成部12eは、かかる判定結果に基づき、タスク実行者Uへ付与する刺激を生成する。刺激は、同図に示すように、匂いや、音楽、照明などである。すなわち、生成部12eは、これら刺激を提示する発香装置や、音響装置、照明装置といった刺激提示デバイスを制御する制御信号を生成する。
【0086】
これにより、たとえばプレゼンテーションの場面において、タスク実行者Uである発表者のメンタルの状況に応じて、適切な刺激、たとえば発表者を落ち着かせるような刺激を適宜発表者へ提供することが可能となる。
【0087】
次に、図14に示す例は、たとえば車両の運転向けである。図14に示すように、たとえば、生成部12eは、判定部12dの判定結果に応じて、タスク実行者Uが苦手なタスクを明示する地図情報を生成する。
【0088】
かかる場合、具体的には、判定部12dは、タスクの状況が「○」であり、メンタルの状況が「○」である場合、タスク実行者Uは該当のタスクに関しては十分に習熟度が高く得意であるとして判定結果を「○」とする。そして、生成部12eは、かかる判定結果に基づき、得意なタスクについては地図情報に明示しない。
【0089】
また、タスクの状況が「○」であり、メンタルの状況が「×」である場合、判定部12dは、タスク実行者Uは該当のタスクに関しては偶々成功したが苦手な可能性があるため、判定結果を「△」とする。そして、生成部12eは、かかる苦手な可能性があるタスクとその該当地点とを地図情報に明示する(図中の「車庫入れ」参照)。
【0090】
また、少なくともタスクの状況が「×」である場合、メンタルの状況を問わず、判定部12dは、タスク実行者Uは該当のタスクに関しては習熟度が低く苦手であるとして判定結果を「×」とする。そして、生成部12eは、かかる判定結果に基づき、かかる苦手なタスクとその該当地点とを明示した地図情報を生成する(図中の「縦列駐車」または「クランク」参照)。
【0091】
なお、図14に示す地図情報は、タスク実行者Uが実際に実行したタスクの該当地点だけでなく、その該当地点に類似する地点についても、苦手な可能性のあるまたは苦手である推測地点として明示するようにしてもよい。
【0092】
かかる地図情報をたとえばカーナビゲーション画面に表示することにより、車両の運転の場面において、タスク実行者Uである運転者の運転技能の習熟度に応じて、苦手な可能性のある地点または苦手な地点を本人に認識させ、注意を払わせることが可能となる。
【0093】
なお、図14を用いた説明では、生成部12eが生成するマップ情報として文字通り「地図情報」を例に挙げたが、これに限られるものではなく、マップ情報は、たとえばレーダーチャートといった、習熟度の判定結果をマッピングして明示可能な情報であればいずれでもよい。
【0094】
次に、実施形態に係る判定装置10が実行する処理手順について、図15を用いて説明する。図15は、実施形態に係る判定装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0095】
図15に示すように、まず、タスク提供部12aが、たとえばタスク実行者Uが利用する端末装置に対し、タスク実行者Uに実行させるタスクを提供する(ステップS101)。
【0096】
そして、タスク状況観測部12bが、タスク実行者Uが実行するタスクの状況を観測するとともに(ステップS102)、メンタル状況観測部12cが、タスク実行者Uのメンタルの状況を観測する(ステップS103)。
【0097】
そして、判定部12dが、タスク状況観測部12bによって観測されたタスクの状況、および、メンタル状況観測部12cによって観測されたメンタルの状況に基づいて、タスク実行者Uの習熟度を判定し(ステップS104)、処理を終了する。
【0098】
なお、これまでは、図3に示すように、判定装置10が一体で、タスク提供機能、タスク状況観測機能、メンタル状況観測機能、判定機能、生成機能を有する構成例について説明した。しかし、既に述べたように、図3に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0099】
そこで、たとえば、タスク提供機能および生成機能をそれぞれ物理的に分散して構成するようにしてもよい。かかる変形例について、図16を用いて説明する。図16は、変形例に係る判定システム1Aの構成例を示すブロック図である。
【0100】
なお、図16図3に対応しているため、ここでは図3と異なる点について主に説明する。図16に示すように、変形例に係る判定システム1Aは、センサ部2と、判定装置10Aと、タスク提供装置20と、生成装置30とを含む。
【0101】
判定装置10Aは、図3の判定装置10から、タスク情報11aと、タスク提供部12aと、生成部12eとを外部に分散させた構成となる。
【0102】
タスク提供装置20は、タスク提供機能に特化した装置であり、図3の判定装置10から、タスク情報11aと、タスク提供部12aとが分散して構成され、判定装置10Aの判定結果および生成装置30の生成結果に基づいて、タスク実行者Uへタスクを提供する。タスク提供装置20はたとえば、eスポーツマシンや、eラーニングマシン、カーナビゲーション装置などである。タスク提供装置20は、判定装置10Aの判定結果を利用する「利用装置」の一例に相当する。
【0103】
生成装置30は、生成機能に特化した装置であり、図3の判定装置10から、生成部12eが分散して構成され、判定装置10Aの判定結果に基づいて各種の情報を生成し、必要に応じてタスク提供装置20へフィードバックする。また、生成装置30は、図示略の刺激提示デバイスを制御する制御信号を生成した場合、かかる制御信号を刺激提示デバイスへ出力する。生成装置30もまた、判定装置10Aの判定結果を利用する「利用装置」の一例に相当する。
【0104】
また、図16に示したように、図3における各構成要素の各機能を分散させるのではなく、統合するようにしてもよい。たとえば、図3の生成部12eを判定部12dに統合し、判定部13dが自身の判定結果に基づく各種の情報の生成機能を有することとしてもよい。
【0105】
上述してきたように、実施形態に係る判定装置10,10Aは、タスク状況観測部12b(「第1の観測部」の一例に相当)と、メンタル状況観測部12c(「第2の観測部」の一例に相当)と、判定部12dとを備える。タスク状況観測部12bは、タスク実行者Uによって実行されるタスクの状況を観測する。メンタル状況観測部12cは、タスク実行者Uのメンタルの状況を観測する。判定部12dは、タスク状況観測部12bによって観測されたタスクの状況、および、メンタル状況観測部12cによって観測されたメンタルの状況に基づいて、タスク実行者Uの習熟度を判定する。
【0106】
したがって、実施形態に係る判定装置10,10Aによれば、タスク実行者の習熟度を精度よく判定することができる。
【0107】
また、判定部12dは、習熟度の判定結果に応じて、タスク実行者Uに対し次回に実行させるタスクのレベルを決定する。
【0108】
したがって、実施形態に係る判定装置10,10Aによれば、たとえばeラーニングの場面において、タスク実行者Uである受講者の理解度に応じて、適切な次回のタスクを適宜受講者へ提供することが可能となる。
【0109】
また、判定部12dは、習熟度の判定結果に応じて、タスク実行者Uが少なくとも苦手である可能性のあるタスクに関するマップ情報を生成する。
【0110】
したがって、実施形態に係る判定装置10,10Aによれば、たとえば車両の運転の場面において、タスク実行者Uである運転者の運転技能の習熟度に応じて、少なくとも苦手である可能性のある地点を本人に認識させ、注意を払わせることが可能となる。
【0111】
また、メンタル状況観測部12cは、タスク実行者Uがタスクを実行する前に予め提供されるプレコンテンツに対するタスク実行者Uの反応に基づいて、タスク実行者Uのメンタルの状況に関する特性を推定し、かかる特性に基づいてタスク実行者Uの個人差を解消するためのキャリブレーション処理を実行する。
【0112】
したがって、実施形態に係る判定装置10,10Aによれば、タスク実行者Uの個人差による影響を除きつつ、習熟度を精度よく判定することが可能となる。
【0113】
また、メンタル状況観測部12cはさらに、プレコンテンツに対するタスク実行者Uの反応に基づいてタスク実行者Uの体調を推定し、タスク実行者Uがタスクを実行する際に、体調に応じたタスク実行者Uに対する所定のリコメンド処理を実行させる。
【0114】
したがって、実施形態に係る判定装置10,10Aによれば、たとえばタスク実行者Uが体調不良のままタスクを継続することにより、正しく習熟度が判定できなくなる機会を低減させることができる。
【0115】
また、変形例に係る判定システム1Aは、判定装置10Aと、タスク提供装置20および生成装置30(「利用装置」の一例に相当)とを備える。タスク提供装置20および生成装置30は、判定装置10Aの判定結果を利用する。
【0116】
したがって、変形例に係る判定システム1Aによれば、タスク実行者Uの習熟度を判定する判定システムを、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、判定装置10Aによって精度よく判定された習熟度を反映して生成された各種の情報を用いつつ、タスク実行者Uに、習熟度向上のために適切なタスクを提供することが可能となる。
【0117】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0118】
1,1A 判定システム
2 センサ部
2a バイタルセンサ
2b カメラ
2c マイク
10,10A 判定装置
11 記憶部
11a タスク情報
11b 履歴情報
11c 相関モデル
12 制御部
12a タスク提供部
12aa プレコンテンツ提供部
12ab 本タスク提供部
12b タスク状況観測部
12c メンタル状況観測部
12ca 特性把握部
12cb 感情値算出部
12cc スケール調整部
12cd メンタル強度算出部
12d 判定部
12e 生成部
20 タスク提供装置
30 生成装置
U タスク実行者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16