(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20241004BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20241004BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20241004BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G09F9/00 346D
G02F1/1333
H04N5/64 541D
H04N5/66 Z
(21)【出願番号】P 2020204880
(22)【出願日】2020-12-10
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】松岡 聡
(72)【発明者】
【氏名】大橋 衛
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-088038(JP,A)
【文献】実開昭58-079913(JP,U)
【文献】国際公開第2004/093036(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0197718(US,A1)
【文献】実開昭61-038987(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第109244683(CN,A)
【文献】特開2001-117094(JP,A)
【文献】特開2013-051661(JP,A)
【文献】中国実用新案第211063228(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/1333
H04N 5/64
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルを駆動する駆動回路と、
前記駆動回路が設けられる金属部材と、
前記駆動回路と電気的に接続され、前記金属部材の表面に沿うように配される配線と、
前記表面と前記配線との間に介在するとともに、前記表面と前記配線との間隔が所定距離以上になるように前記配線を保持する絶縁部材と、を備え
、
前記配線及び前記絶縁部材は、それぞれ複数存在し、
前記複数の絶縁部材は、前記配線毎に色分けされており、前記複数の配線の経路と重畳する金属部材の表面の部分に貼り付けられることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記絶縁部材における前記配線の幅方向に沿った幅は、前記配線の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記絶縁部材は、前記配線の幅方向に互いに対向して配置される第1部材及び第2部材から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記絶縁部材は、前記配線の幅方向に延伸する第1部分と、前記第1部分と接続され、かつ、前記表面から前記配線に向かう方向に延伸するとともに、前記配線の幅よりも大きい距離だけ互いに離間して配置される一対の第2部分と、を有し、
前記一対の第2部分は、前記配線における前記配線の幅方向への移動を規制することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記絶縁部材は、前記一対の第2部分における前記表面側とは反対側の端部から、他方の前記第2部分に向かって延伸する一対の第3部分を有し、
前記一対の第3部分は、前記配線における前記表面から離れる方向への移動を規制することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記絶縁部材は、前記配線が曲がる箇所と、前記表面と前記配線との間隔が他の部分に比べて狭い箇所と、に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディスプレイ本体と外部機器とを接続する信号ケーブルの一部を、フェライトコアを備えた保持部材であるクランパーで保持するプラズマディスプレイ装置が開示されている。特許文献1に開示のプラズマディスプレイ装置では、高価なフェライトコア付き信号ケーブルを使用せずとも信号ケーブルから放射される不要輻射を抑制することができ、一般的な信号ケーブルを用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示のプラズマディスプレイ装置では、一般的な信号ケーブルを用いているため、フェライトコアを備えたクランパーを設置している場所以外で、信号ケーブルに予期せぬ電圧がかかり電流が流れることがある。信号ケーブルに予期せぬ電圧がかかり電流が流れると、信号ケーブルと電気的に接続される表示駆動回路ブロックによって駆動されるパネルが表示する映像にノイズが生じる。
【0005】
信号ケーブルに予期せぬ電圧がかかる原因として、ディスプレイ本体の構成部品であるシャーシまたはバックカバー等の金属部材に帯電した静電気がある。静電気が帯電している金属部材に信号ケーブルが接触又は接近すると、金属部材から信号ケーブルに向かって静電気が放電され、信号ケーブルに予期せぬ電圧がかかる。帯電した導電性の物体が、他の導電性の物体に接触又は接近することで放電が発生する現象は、ESD(Electro Static Discharge)と呼ばれる。
【0006】
本発明の一態様は、表示パネルが表示する映像にノイズが生じることを簡単な構成で防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを駆動する駆動回路と、前記駆動回路が設けられる金属部材と、前記駆動回路と電気的に接続され、前記金属部材の表面に沿うように配される配線と、前記表面と前記配線との間に介在するとともに、前記表面と前記配線との間隔が所定距離以上になるように前記配線を保持する絶縁部材と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、表示パネルが表示する映像にノイズが生じることを簡単な構成で防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1に係る表示装置を背面側から見た分解斜視図である。
【
図2】
図1に示す表示装置が備えるバックライトシャーシの表面の構成を示す断面図である。
【
図3】
図2に示すバックライトシャーシの表面に設けられる絶縁部材の構成を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態2に係る表示装置が備える絶縁部材の構成を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態3に係る表示装置が備えるバックライトシャーシの表面の構成を示す平面図である。
【
図6】
図5に示すバックライトシャーシの表面の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
(表示装置1の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る表示装置1を背面側から見た分解斜視図である。
図1に示すように、表示装置1は、フロントキャビネット10と、ベゼル11と、液晶パネル12と、シート保持枠13と、光学シート群14と、反射シート15と、LED基板16と、バックライトシャーシ17と、バックキャビネット18と、を備える。表示装置1は、例えば、チューナを有するテレビジョン受像機に用いられる。
【0011】
図1において、フロントキャビネット10からバックキャビネット18に向かう方向をZ方向、液晶パネル12の長手方向をX方向、液晶パネル12の短手方向をY方向とする。また、表示装置1においてフロントキャビネット10が存在する側を正面と称し、バックキャビネット18が存在する側を背面と称する。
【0012】
フロントキャビネット10は、表示装置1におけるフロントキャビネット10以外の部材の外枠を正面側から覆う筐体である。バックキャビネット18は、表示装置1におけるバックキャビネット18以外の部材を背面側から覆う筐体である。バックキャビネット18は、金属製の金属部材であってもよく、樹脂製の樹脂部材であってもよい。なお、後述する駆動回路21,22及び絶縁部材30がバックキャビネット18の表面に設けられる場合、バックキャビネット18は金属部材である。フロントキャビネット10とバックキャビネット18との間に、ベゼル11、液晶パネル12、シート保持枠13、光学シート群14、反射シート15、LED基板16及びバックライトシャーシ17が収容されている。
【0013】
ベゼル11は、液晶パネル12の表示面側に液晶パネル12の周囲を覆うように配置され、シート保持枠13は、液晶パネル12の背面側に配置される。液晶パネル12は、ベゼル11とシート保持枠13とで支持され、映像を表示する表示パネルである。光学シート群14は、LED基板16に設けられる図示しない複数のLED(Light Emitting Diode)素子から出射される光の光量のムラを抑制するとともに、LED素子から出射される光を調光して液晶パネル12に向けて出射する。
【0014】
反射シート15には、LED素子挿入孔151が形成されている。LED素子挿入孔151には、LED基板16に設けられるLED素子が挿入される。反射シート15は、LED素子から出射される光を反射することにより、LED素子から光学シート群14に向けて出射される光量を増やすためのものである。LED基板16は、反射シート15の背面側に設置されるバックライトシャーシ17の正面側に固定される。
【0015】
バックライトシャーシ17は、LED基板16を保持するシャーシである。バックライトシャーシ17には、ベゼル11及びシート保持枠13により、液晶パネル12、光学シート群14及び反射シート15が保持される。バックライトシャーシ17は、金属製の金属部材である。
【0016】
(バックライトシャーシ17の背面の構成)
図2は、
図1に示す表示装置1が備えるバックライトシャーシ17の表面171の構成を示す断面図である。バックライトシャーシ17の表面171は、バックライトシャーシ17の背面である。表示装置1は、
図2に示す駆動回路21,22と、絶縁部材30と、配線40と、を備える。
【0017】
図2に示すように、バックライトシャーシ17の表面171には、駆動回路21,22及び絶縁部材30が設けられている。駆動回路21,22は、液晶パネル12を駆動する。配線40は、駆動回路21,22と電気的に接続され、表面171に沿うように配される。つまり、駆動回路21,22は、配線40で互いに電気的に接続されている。説明の便宜上、
図2には2つの駆動回路21,22を示しているが、表面171には3つ以上の駆動回路が設けられていることが一般的である。
【0018】
絶縁部材30は、表面171と配線40との間に介在するとともに、表面171と配線40との間隔が所定距離以上になるように配線40を保持する。コストを低減するために、絶縁部材30は、表面171と配線40との間に部分的に介在していることが好ましい。この場合、表面171と配線70との間に間隔を維持可能にし、かつ、表面171からの静電気に起因して配線70に電圧がかかることを防ぐためには、表面171と配線40との間隔は、好ましくは約10mm以上である。また、該間隔は、さらに好ましくは約10mm以上約20mm以下である。
【0019】
なお、絶縁部材30は、表面171と配線40との間に全体的に介在していてもよい。この場合、表面171と配線70との間に間隔を維持可能にし、かつ、表面171からの静電気に起因して配線70に電圧がかかることを防ぐことを考慮しても、表面171と配線40との間隔は、約10mm以下であってもよい。
【0020】
絶縁部材30は、弾性を有する材料として例えば樹脂であることが好ましい。絶縁部材30は、両面テープまたは接着剤等で表面171に貼り付けられる。なお、絶縁部材30は、表面171ではなく配線40に貼り付けられてもよい。
【0021】
ここでは、駆動回路21,22及び絶縁部材30が、バックライトシャーシ17の表面171に設けられる構成について説明したが、駆動回路21,22及び絶縁部材30は、バックキャビネット18の表面に設けられてもよい。該表面は、バックキャビネット18の正面である。この場合、上記で説明した表面171は、バックキャビネット18の表面に言い換えられる。
【0022】
(絶縁部材30の詳細な構成)
図3は、
図2に示すバックライトシャーシ17の表面171に設けられる絶縁部材の構成を示す斜視図である。
図3の符号101は、
図2に示す絶縁部材30の構成を示し、
図3の符号102は、絶縁部材30の変形例である絶縁部材30Aの構成を示す。
図3の符号101に示すように、絶縁部材30は配線40の幅方向、つまり、X方向に延伸する。
【0023】
配線40は、絶縁部材30の上に配置される。また、絶縁部材30における配線40の幅方向に沿った幅W1は、配線40の幅W2よりも大きい。これにより、配線40の位置が移動した場合であっても、バックライトシャーシ17と配線40とが接触することを防ぐことができる。
【0024】
図3の符号102に示すように、絶縁部材30Aは、配線40の幅方向に互いに対向して配置される第1部材31A及び第2部材32Aから構成される。つまり、絶縁部材30Aは、配線40の幅方向に第1部材31A及び第2部材32Aに分割されている。
【0025】
第1部材31A及び第2部材32Aを配線40または表面171に設けることにより、幅W2が異なる配線40に対して絶縁部材30Aを用いることができる。また、配線40を第1部材31A及び第2部材32Aで挟みこむようにして、バックライトシャーシ17と配線40との間に空間が形成される状態を維持することができる。
【0026】
また、絶縁部材30Aは、一対の第1部分33A及び一対の第2部分34Aを有する。一対の第1部分33Aは、配線40の幅方向に延伸する。一対の第2部分34Aは、第1部分33Aと接続され、かつ、表面171から配線40に向かう方向に延伸するとともに、配線40の幅W2よりも大きい距離D1だけ互いに離間して配置される。一対の第2部分34Aは、配線40における配線40の幅方向への移動を規制する。表面171から配線40に向かう方向はZ方向である。絶縁部材30Aの第1部材31A及び第2部材32Aはそれぞれ、第1部分33A及び第2部分34Aを有することにより、L字形状となっている。
【0027】
配線40における配線40の幅方向への移動が規制されるため、配線40が絶縁部材30上の位置から移動することを防ぎ、バックライトシャーシ17と配線40とが接触することを防ぐことができる。
【0028】
以上により、表示装置1では、絶縁部材30によってバックライトシャーシ17と配線40とが接触することを防ぐことができるため、バックライトシャーシ17が静電気を帯びた場合に、配線40に予期せぬ電圧がかかることを防ぐことができる。このため、配線40と電気的に接続される駆動回路21,22によって駆動される液晶パネル12が表示する映像にノイズが生じることを防ぐことができる。
【0029】
液晶パネル12が表示する映像にノイズが生じる場合、所望の映像を表示することができず、配線40に電流が流れ過ぎて、映像が一瞬白色になる現象が起こる。また、一般的に配線40に被覆されている絶縁体は数ミリ程度であるため、バックライトシャーシ17からの静電気を防ぐことができない。しかし、このような場合であっても、表示装置1では、上記現象が起こることを防ぐことができる。
【0030】
さらに、表示装置1では、絶縁部材30によってバックライトシャーシ17と配線40とが接触することを防ぐことにより、ESDが発生することを防ぐとともに、EMI(Electro Magnetic Interference)が発生することも防ぐことができる。
【0031】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図4は、本発明の実施形態2に係る表示装置が備える絶縁部材の構成を示す斜視図である。
図4の符号201は、絶縁部材30Bの構成を示す。
図4の符号202及び符号203はそれぞれ、絶縁部材30Bの変形例を示す。
【0032】
図4の符号201に示すように、絶縁部材30Bは、第1部材31B及び第2部材32Bから構成される。また、絶縁部材30Bは、一対の第1部分33Bと、一対の第2部分34Bと、一対の第3部分35Bと、を有する。第1部分33B及び第2部分34Bはそれぞれ、
図3の符号102に示す第1部分33A及び第2部分34Aと同様の構造である。
【0033】
一対の第3部分35Bは、一対の第2部分34Bにおける表面171側とは反対側の端部から、他方の第2部分34Bに向かって延伸する。具体的には、第1部材31Bの第3部分35Bは、第2部材32Bの第2部分34Bに向かって延伸し、第2部材32Bの第3部分35Bは、第1部材31Bの第2部分34Bに向かって延伸する。つまり、第1部材31B及び第2部材32Bのそれぞれの第3部分35Bが互いに近づくように延伸する。
【0034】
一対の第3部分35Bは、配線40における表面171から離れる方向への移動を規制する。配線40における表面171から離れる方向はZ方向である。配線40における表面171から離れる方向への移動が規制されるため、配線40が絶縁部材30Bから外れることを防ぎ、バックライトシャーシ17と配線40とが接触することを防ぐことができる。
【0035】
駆動回路21,22の配置、配線40の形状または地震等が原因となり、絶縁部材30Bから配線40が外れようとする場合に、第3部分35Bが配線40を係止するため、配線40が絶縁部材30Bから外れることを防ぐことができる。
【0036】
図4の符号202に示すように、一対の第3部分35Bの先端の形状は、一対の第3部分35Bが互いに近づくにつれて先細りするテーパ形状であってもよい。また、該先端の形状は尖った形状となっている。
図4の符号203に示すように、一対の第3部分35Bの先端の形状は、一対の第3部分35Bが互いに近づくにつれて先細りするとともに、該先端が丸みを帯びた形状であってもよい。
【0037】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図5は、本発明の実施形態3に係る表示装置が備えるバックライトシャーシ17の表面171の構成を示す平面図である。
図6は、
図5に示すバックライトシャーシ17の表面171の変形例を示す平面図である。本実施形態では、配線40及び絶縁部材は、それぞれ複数存在する。
【0038】
図5に示すように、バックライトシャーシ17の表面171には、駆動回路23A~23I及び絶縁部材50A~50Hが設けられている。駆動回路23A~23Iは、液晶パネル12を駆動する。複数の絶縁部材50A~50Hは、絶縁部材30と同様の機能を有するが、配線40毎に色分けされている絶縁シートである。つまり、絶縁部材50A~50Hは、互いに異なる色の表面を有する。これにより、複数の絶縁部材50A~50Hに対して複数の配線40を容易に配置することができる。
【0039】
駆動回路23Aと駆動回路23Iとの間の配線40の経路と重畳する表面171の部分には、絶縁部材50Aが貼り付けられる。同様に、駆動回路23B~23Hと駆動回路23Iとの間の配線40の経路と重畳する表面171の部分には、それぞれ絶縁部材50B~50Hが貼り付けられる。絶縁部材50A~50Hの上に配線40がそれぞれ配置される。
【0040】
配線40として曲がりにくいものが用いられる場合、配線40を両面テープまたは接着剤等で絶縁部材50A等に貼り付けることにより、配線40が曲がった状態が維持されるようにしてもよい。
【0041】
図6に示すように、配線40の経路と重畳する表面171の部分のうち一部に絶縁部材51が貼り付けられていてもよい。この場合、絶縁部材51は、配線40が曲がる箇所と、表面171と配線40との間隔が他の部分に比べて狭い箇所と、に配置されている。これにより、バックライトシャーシ17と配線40とが接触することを効率的に防ぐことができる。
【0042】
図6において、配線40が曲がる箇所は、表面171のうち位置P1である。また、位置P1以外において、表面171と配線40との間隔が他の部分に比べて狭い箇所にも絶縁部材51が配置されている。このように、絶縁部材51が配線40の経路の一部に配置されることにより、用いられる絶縁部材51の量を低減するとともに、絶縁部材51が占める面積を小さくすることができる。これにより、表示装置の製造コストを低減することができ、また、絶縁部材51の貼り付け作業を減らすことができるため、表示装置の製造作業の作業効率を向上することができる。
【0043】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを駆動する駆動回路と、前記駆動回路が設けられる金属部材と、前記駆動回路と電気的に接続され、前記金属部材の表面に沿うように配される配線と、前記表面と前記配線との間に介在するとともに、前記表面と前記配線との間隔が所定距離以上になるように前記配線を保持する絶縁部材と、を備える構成である。
【0044】
本発明の態様2に係る表示装置は、上記の態様1において、前記絶縁部材における前記配線の幅方向に沿った幅は、前記配線の幅よりも大きい構成としてもよい。
【0045】
本発明の態様3に係る表示装置は、上記の態様1又は2において、前記絶縁部材は、前記配線の幅方向に互いに対向して配置される第1部材及び第2部材から構成される構成としてもよい。
【0046】
本発明の態様4に係る表示装置は、上記の態様1から3のいずれかにおいて、前記絶縁部材は、前記配線の幅方向に延伸する第1部分と、前記第1部分と接続され、かつ、前記表面から前記配線に向かう方向に延伸するとともに、前記配線の幅よりも大きい距離だけ互いに離間して配置される一対の第2部分と、を有し、前記一対の第2部分は、前記配線における前記配線の幅方向への移動を規制する構成としてもよい。
【0047】
本発明の態様5に係る表示装置は、上記の態様4において、前記絶縁部材は、前記一対の第2部分における前記表面側とは反対側の端部から、他方の前記第2部分に向かって延伸する一対の第3部分を有し、前記一対の第3部分は、前記配線における前記表面から離れる方向への移動を規制する構成としてもよい。
【0048】
本発明の態様6に係る表示装置は、上記の態様1から5のいずれかにおいて、前記絶縁部材は、前記配線が曲がる箇所と、前記表面と前記配線との間隔が他の部分に比べて狭い箇所と、に配置されている構成としてもよい。
【0049】
本発明の態様7に係る表示装置は、上記の態様1から6のいずれかにおいて、前記配線及び前記絶縁部材は、それぞれ複数存在し、前記複数の絶縁部材は、前記配線毎に色分けされている構成としてもよい。
【0050】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 表示装置
12 液晶パネル(表示パネル)
30、30A、30B、50A~50H 絶縁部材
17 バックライトシャーシ(金属部材)
18 バックキャビネット(金属部材)
21、22、23A~23I 駆動回路
31A、31B 第1部材
32A、32B 第2部材
33A、33B 第1部分
34A、34B 第2部分
35B 第3部分
40 配線
171 バックライトシャーシの表面
D1 距離
W1 絶縁部材の幅
W2 配線の幅