(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】缶体製造装置および缶体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B23K 37/053 20060101AFI20241004BHJP
B23K 9/00 20060101ALI20241004BHJP
B23K 9/028 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B23K37/053 D
B23K9/00 501L
B23K9/028 N
(21)【出願番号】P 2020205806
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 一貴
(72)【発明者】
【氏名】薮中 文春
(72)【発明者】
【氏名】松井 謙太郎
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-228718(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143771(WO,A1)
【文献】特開平08-215839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 37/053
B23K 9/00
B23K 9/028
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半円筒部および前記第1半円筒部に向かい合う第2半円筒部を有する胴体と、前記胴体の
長手方向端で接合された第1鏡板とを含む缶体を製造するための缶体製造装置であって、
前記胴体の前記第1半円筒部に沿った半円形状を有する把持部と、
前記胴体
の長手方向端および前記第1鏡板を挿入可能であり、かつ前記第1鏡板を保持可能である第1矯正治具とを備え、
前記第1矯正治具の内周は、前記胴体の前記第2半円筒部に沿った形状を有しており、
前記胴体の長手方向端に対向する前記第1矯正治具の先端部は、先端に近づくに従い前記内周の内径が大きくなるような第1のテーパ部を有し、
前記把持部は、前記胴体の前記第1半円筒部を吸着することで前記胴体を把持するように構成されており、かつ、前記
胴体の
長手方向端を前記第1矯正治具の前記内周に接触した状態で前記胴体を前記第1鏡板に突き合わせるように構成されている、缶体製造装置。
【請求項2】
前記把持部は、前記胴体の径方向に沿って前記胴体を挟み込むように配置された第1端部および第2端部を有し、
前記第1端部および前記第2端部は、前記第1端部および前記第2端部が前記胴体を挟み込む方向に沿った前記第1端部と前記第2端部との間隔を先端に向かって広げるように構成されている、請求項1に記載の缶体製造装置。
【請求項3】
振動部をさらに備え、
前記振動部は、前記胴体を振動させるように構成されている、請求項1または2に記載の缶体製造装置。
【請求項4】
前記缶体は、前記第1鏡板とで前記胴体を挟み込むように配置された第2鏡板をさらに含み、
前記把持部に対して前記第1矯正治具とは反対側において前記第2鏡板を支持するように構成された第2矯正治具をさらに備え、
前記第2矯正治具の内周は、前記胴体の前記第2半円筒部に沿った形状を有しており、 前記胴体の長手方向の他端に対向する前記第2矯正治具の先端部は、先端に近づくに従い前記内周の内径が大きくなるような第2のテーパ部を有し、
前記第1矯正治具および前記第2矯正治具は、
前記第1矯正治具の内周および前記第2矯正治具の内周で前記第1鏡板および前記第2鏡板が前記胴体の
長手方向端および他端に接触した状態において前記缶体を挟み込むことで前記缶体を加圧するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の缶体製造装置。
【請求項5】
前記第1矯正治具および前記第2矯正治具は、前記缶体を第1加圧力で加圧する状態と前記缶体を第2加圧力で加圧する状態とを切り換え可能に構成されており、
前記第2加圧力は、前記第1加圧力よりも大きい、請求項4に記載の缶体製造装置。
【請求項6】
第1半円筒部および前記第1半円筒部に向かい合う第2半円筒部を有する胴体と、前記胴体
の長手方向端に接合された第1鏡板とを含む缶体を製造するための缶体の製造方法であって、
前記第1半円筒部が前記第1半円筒部に沿った半円形状を有する把持部に吸着されることで把持される工程と、
前記缶体の前記第1鏡板を保持しかつ前記第2半円筒部に沿った形状である内周を有
し、前記胴体の長手方向端に対向する先端部が、先端に近づくに従い前記内周の内径が大きくなるような第1のテーパ部を有する第1矯正治具
を用いて、前記第1のテーパ部に前記胴体
の長手方向端が挿入されることで、前記胴体
の長手方向端が前記第1矯正治具の前記内周に接触した状態で前記胴体が前記第1鏡板に突き合わせられる工程とを備えた、缶体の製造方法。
【請求項7】
前記胴体は、振動部によって振動させられた状態で、前記第1鏡板に突き合わせられる、請求項6に記載の缶体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、缶体製造装置および缶体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年普及している貯湯式給湯器は、加熱された湯を貯えるための大容量の金属製の貯湯タンクを備えている。貯湯タンクは、一般的には、胴体と、胴体の両端に溶接(周溶接)された鏡板とを備えている。胴体は、筒状の部材である。また、鏡板は、お椀状の部材である。胴体と鏡板との周溶接について、従来から様々な形状の継手および缶体製造装置等の観点から溶接方法が検討されている。缶体の長寿命化のためには、胴体と鏡板との間に隙間が設けられない、いわゆる突き合わせ継手を溶接することが望ましい。一般的に、薄板の突き合わせ溶接では、継手間の隙間および板厚方向の変位を厳密に管理する必要がある。なお、上記の変位とは、胴体と鏡板との目違い、すなわち2枚の板(胴体の板および鏡板の板)の厚さ方向の変位のことである。例えば、特開平8-224693号公報(特許文献1)には、第一部材および第二部材によって胴体を挟み込む周溶接装置(缶体製造装置)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載された缶体製造装置(周溶接装置)では、複数の把持部(第一部材および第二部材)によって胴体(胴部)を挟み込むことのみによっては胴体の端部の開口形状の歪みを十分に矯正することができない。このため、複数の把持部によって胴体を挟み込む際に、複数の把持部同士を螺着するための螺着手段ならびに複数の把持部同士を付勢するための付勢手段を取り付ける必要がある。また、溶接の前には、螺着手段および付勢手段を取り外す必要がある。すなわち、追加の治具を用いる必要がある。したがって、上記文献に記載された缶体製造装置では、胴体の開口形状の歪みを矯正しようとすると、作業時間が増加する。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、胴体の開口形状の歪みを十分に矯正でき、かつ作業時間の増加を抑制することができる缶体製造装置および缶体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の缶体製造装置は、缶体を製造するための缶体製造装置である。缶体は、胴体と、第1鏡板とを含んでいる。胴体は、第1半円筒部および第2半円筒部を有している。第2半円筒部は、第1半円筒部に向かい合っている。第1鏡板は、胴体に接合されている。缶体製造装置は、把持部と、第1矯正治具とを備えている。把持部は、胴体の第1半円筒部に沿った半円形状を有している。第1矯正治具は、胴体および第1鏡板を挿入可能である。第1矯正治具は、第1鏡板を保持可能である。第1矯正治具の内周は、胴体の第2半円筒部に沿った形状を有している。把持部は、胴体の第1半円筒部を吸着することで胴体を把持するように構成されている。把持部は、第2半円筒部が第1矯正治具の内周に接触した状態で胴体を第1鏡板に突き合わせるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の缶体製造装置によれば、把持部は、胴体の第1半円筒部を吸着することで胴体を把持するように構成されている。このため、第1半円筒部の開口形状の歪みを矯正することができる。また、把持部は、第2半円筒部が第1矯正治具の内周に接触した状態で胴体を第1鏡板に突き合わせるように構成されている。このため、第2半円筒部の開口形状の歪みを矯正することができる。したがって、胴体の開口形状の歪みを十分に矯正することができる。また、把持部は、胴体の第1半円筒部を吸着することで胴体を把持するように構成されている。このため、複数の把持部同士を固定するための追加の治具を用いなくてもよい。したがって、作業時間の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る缶体製造装置の構成を概略的に示す側面図である。
【
図3】実施の形態1に係る缶体製造装置が缶体を把持した様子を概略的に示す端面図である。
【
図4】実施の形態1に係る缶体製造装置の支持部に缶体の胴体が支持され、かつ第1矯正治具に第1鏡板が保持され、かつ第2矯正治具に第2鏡板が保持された様子を概略的に示す側面図である。
【
図5】実施の形態1に係る缶体製造装置の支持部に缶体の胴体が支持され、かつ第1矯正治具に第1鏡板が保持され、かつ第2矯正治具に第2鏡板が保持された様子を概略的に示す断面図である。
【
図6】実施の形態1に係る缶体製造装置の第1矯正治具および第2矯正治具に缶体の胴体が挿入された様子を概略的に示す断面図である。
【
図7】実施の形態1に係る缶体製造装置の第1矯正治具および第2矯正治具が缶体の胴体から離れるように移動した様子を概略的に示す断面図である。
【
図8】実施の形態1に係る缶体製造装置の第1矯正治具の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図9】実施の形態1に係る缶体製造装置の第2矯正治具の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図10】実施の形態1に係る缶体製造装置の溶接機が缶体の上方に配置された様子を概略的に示す断面図である。
【
図12】実施の形態1に係る缶体製造装置の把持部の他の構成を概略的に示す拡大図である。
【
図13】実施の形態1に係る缶体の製造方法の構成を概略的に示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態1に係る缶体製造装置の把持部が缶体の歪んだ胴体を把持しようとする様子を概略的に示す端面図である。
【
図15】実施の形態1に係る缶体製造装置の把持部が缶体の胴体を把持することで胴体を矯正した様子を概略的に示す端面図である。
【
図16】実施の形態2に係る缶体製造装置の構成を概略的に示す側面図である。
【
図17】
図16のXVII-XVII線に沿った端面図である。
【
図18】実施の形態2に係る缶体製造装置の構成を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下では、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
【0010】
実施の形態1.
図1~
図12を用いて、実施の形態1に係る缶体製造装置100の構成を説明する。
図1に示されるように、缶体製造装置100は、缶体Vを製造するための缶体製造装置100である。
【0011】
缶体Vは、胴体Bと、第1鏡板H1と、第2鏡板H2とを含んでいる。第1鏡板H1は、胴体Bに接合されている。第2鏡板H2は、第1鏡板H1とで胴体Bを挟み込むように配置されている。胴体Bは、第1半円筒部B1および第2半円筒部B2を有している。第1半円筒部B1および第2半円筒部B2の各々は、半円筒形である。第1半円筒部B1および第2半円筒部B2は、一体として円筒形を構成している。第2半円筒部B2は、第1半円筒部B1に向かい合っている。本実施の形態において、第1半円筒部B1は、第2半円筒部B2よりも上側に配置されている。
図1では、第1鏡板H1および第2鏡板H2の外形は、破線によって示されている。第1半円筒部B1と第2半円筒部B2との境界は、二点鎖線によって示されている。
【0012】
缶体Vは、例えば、貯湯式給湯器の金属製貯湯タンクに用いられる。胴体B、第1鏡板H1および第2鏡板H2の外径は、例えば、300mm以上700mm以下である。缶体Vの材料は、例えば、フェライト系ステンレス材である。缶体Vの板厚は、例えば、0.5mm以上1.5mm以下である。第1鏡板H1および第2鏡板H2が缶体Vを挟み込んでいる方向における缶体Vの全長は、例えば、500mm以上2000mm以下である。
【0013】
本実施の形態において、第1方向DR1は、第1鏡板H1および第2鏡板H2が胴体Bを挟み込んでいる方向である。第2方向DR2は、重力方向である。第3方向DR3は、第1方向DR1および第2方向DR2に直交する方向である。
【0014】
缶体製造装置100は、把持部3と、第1矯正治具51と、第2矯正治具52とを含んでいる。本実施の形態において、缶体製造装置100は、ベース部1、支持部2、保持ユニット4、加圧ユニット6、回転駆動部71、第1シャフト72、ギヤ73、モータ74、回転従動部75、スライドレール76、第2シャフト77、溶接機8および制御部CUをさらに含んでいる。
【0015】
ベース部1には、支持部2、保持ユニット4、加圧ユニット6、回転駆動部71およびスライドレール76が配置されている。
【0016】
支持部2は、缶体Vを支持するように構成されている。具体的には、支持部2は、胴体Bの第2半円筒部B2を支持するように構成されている。本実施の形態において、支持部2は、第1支持部分21および第2支持部分22を含んでいる。第1支持部分21および第2支持部分22は、第1方向DR1に沿って間隔を開けて配置されている。
【0017】
把持部3は、支持部2に支持された缶体Vを把持するように構成されている。具体的には、把持部3は、支持部2に支持された胴体Bの第1半円筒部B1を把持するように構成されている。本実施の形態において、把持部3は、第1把持部分31および第2把持部分32を含んでいる。第1把持部分31および第2把持部分32は、胴体Bの長手方向(第1方向DR1)に沿って配置されている。第1把持部分31は、胴体Bの第1方向DR1に沿った中心よりも第1鏡板H1側において胴体Bを把持するように構成されている。第2把持部分32は、胴体Bの第1方向DR1に沿った中心よりも第2鏡板H2側において胴体Bを把持するように構成されている。
【0018】
図2および
図3に示されるように、把持部3は、胴体Bの第1半円筒部B1を吸着することで胴体Bを把持するように構成されている。本実施の形態において、把持部3は、第2方向DR2に沿って上側から胴体Bの第1半円筒部B1を吸着することで胴体Bを把持するように構成されている。
【0019】
把持部3は、後述されるように複数の真空パッドによる真空吸着によって第1半円筒部B1を吸着してもよいし、複数の電磁石の電磁力によって第1半円筒部B1を吸着してもよい。把持部3が第1半円筒部B1を吸着するための構成は、これらに限られず、適宜に決められてもよい。また、把持部3が胴体Bの第1半円筒部B1を吸着する方向は、第2方向DR2に沿った上側には限られず、適宜に決められてもよい。
【0020】
把持部3は、胴体Bの第1半円筒部B1に沿った半円形状を有している。把持部3は、半円部35を含んでいる。半円部35は、胴体Bに向かって開口している。半円部35は、胴体Bの第1半円筒部B1に沿った半円形状を有している。半円部35の内周の直径(内径)は、胴体Bの外径と等しい。本実施の形態において、半円部35が胴体Bに取り付けられた状態において、半円部35が胴体Bの中心に対して開口している角度は、180度である。
【0021】
把持部3は、第1延長部36および第2延長部37を含んでいてもよい。第1延長部36および第2延長部37の各々は、半円部35の両端にそれぞれ接続されている。第1延長部36および第2延長部37は、半円部35の両端から第2方向DR2に沿ってそれぞれ伸びている。本実施の形態において、第1延長部36と第2延長部37との間隔は、胴体Bと等しい。
【0022】
把持部3は、第1端部E1および第2端部E2を有している。本実施の形態において、第1端部E1および第2端部E2は、第1端部E1および第2端部E2が胴体Bを挟み込む方向に沿った第1端部E1と第2端部E2との間隔を先端に向かって広げるように構成されている。すなわち、把持部3には、テーパ形状を有している。本実施の形態において、第1端部E1は、第1延長部36に接続されている。第2端部E2は、第2延長部37に接続されている。支持部2には、胴体Bを支持するためのV字形状の凹部が設けられている。側面視において、胴体Bは、凹部の2点によって支持される。
【0023】
把持部3は、保持ユニット4によって第2方向DR2に沿って移動するように構成されている。
図4に示されるように、保持ユニット4は、2つの接続板41と、2つの高さ位置調整ステージ42と、2つの水平位置調整ステージ43と、高さ位置駆動部44と、水平位置駆動部45と、フレーム46と、接続部分47とを含んでいる。
【0024】
把持部3の第1把持部分31および第2把持部分32の各々は、2つの接続板41の各々によって2つの高さ位置調整ステージ42の各々にそれぞれ連結されている。把持部3は、接続板41に対して着脱可能に構成されている。また、把持部3は、交換可能に構成されている。このため、接続板41に接続されている第1の把持部3を、第1の把持部3の内径とは異なる内径を有する第2の把持部3に交換することができる。これにより、缶体製造装置100は、第1の把持部3で把持可能な第1の胴体Bと、第1の胴体Bの外径とは異なる外径を有しかつ第2の把持部3で把持可能な第2の胴体Bとに対応することができる。
【0025】
2つの高さ位置調整ステージ42の各々は、2つの水平位置調整ステージ43の各々に連結されている。2つの各々水平位置調整ステージ43は、接続部分47によって高さ位置駆動部44に連結されている。高さ位置駆動部44は、2つの水平位置調整ステージ43の各々を第2方向DR2(高さ方向)に沿って移動させるように構成されている。高さ位置駆動部44は、水平位置駆動部45に連結されている。水平位置駆動部45は、高さ位置駆動部44を第1方向DR1に沿って移動させるように構成されている。水平位置駆動部45は、フレーム46に連結されている。フレーム46は、ベース部1に固定されている。フレーム46は、例えば、門形に構成されている。
【0026】
把持部3の位置は、高さ位置駆動部44および水平位置駆動部45の各々が第2方向DR2および第1方向DR1の各々に沿ってそれぞれ移動することによって、調整される。
【0027】
第1把持部分31および第2把持部分32の各々は、高さ位置駆動部44が2つの水平位置調整ステージ43の各々を第2方向DR2に沿って移動させることで、移動するように構成されている。第1把持部分31および第2把持部分32は、水平位置駆動部45が高さ位置駆動部44を第1方向DR1に沿って移動させることで、第1方向DR1に沿って移動するように構成されている。第1把持部分31および第2把持部分32は、互いに近付くまたは遠ざかるように移動するように構成されている。これにより、把持部3の第1把持部分31および第2把持部分32の位置は、第1方向DR1および第2方向DR2の各々に沿って自在に調整される。また、第1把持部分31および第2把持部分32は、第1把持部分31および第2把持部分32の第1方向DR1に沿った間隔が維持された状態で、第1方向DR1および第2方向DR2の各々に沿って移動することが出来る。
【0028】
図5に示されるように、缶体Vの第1半円筒部B1および第2半円筒部B2は、筒状部C0、第1接続部C11、第2接続部C12、第1大径部C21および第2大径部C22を含んでいる。筒状部C0は、円筒形状を有している。筒状部C0は、第1接続部C11によって第1大径部C21に接続されている。筒状部C0は、第2接続部C12によって第2大径部C22に接続されている。第1大径部C21および第2大径部C22の外径は、筒状部C0よりも大きい。
【0029】
第1鏡板H1は、第1起立部H11と、第1筒状部H12と、第1カップ部H13とを含んでいる。第1起立部H11は、第1筒状部H12から立ち上がるように構成されている。第1起立部H11の外径は、第1筒状部H12の外径よりも大きい。第1カップ部H13は、第1起立部H11とで第1筒状部H12を挟み込んでいる。第1カップ部H13は、缶体Vの先端として構成されている。
【0030】
第2鏡板H2は、第2起立部H21と、第2筒状部H22と、第2カップ部H23とを含んでいる。第2起立部H21は、第2筒状部H22から立ち上がるように構成されている。第2起立部H21の外径は、第2筒状部H22の外径よりも大きい。第2カップ部H23は、第2起立部H21とで第2筒状部H22を挟み込んでいる。第2カップ部H23は、缶体Vの先端として構成されている。
【0031】
第1矯正治具51および第2矯正治具52は、第1方向DR1に沿って把持部3を挟み込むように配置されている。
図5では、第1矯正治具51の後述される第1底板511と第1カップ部H13とは離れて配置されている。これにより、第1起立部H11および第1筒状部H12が第1矯正リング512に十分に接触する前に第1カップ部H13が第1底板511に接触することを抑制することができる。よって、第1起立部H11および第1筒状部H12と第1矯正リング512とを十分に接触させることができる。第1底板511と第1カップ部H13との間隔Sは、例えば、1mm以上2mm以下である。第2矯正治具52の後述される第2底板521と第2カップ部H23とは離れて配置されている。第2底板521と第2カップ部H23との間隔は、例えば、1mm以上2mm以下である。
【0032】
図5および
図6に示されるように、第1矯正治具51および第2矯正治具52は、第1方向DR1に沿って移動可能である。これにより、第1矯正治具51および第2矯正治具52は、第1鏡板H1および第2鏡板H2が胴体Bを挟み込むように第1鏡板H1および第2鏡板H2を移動させるように構成されている。
【0033】
第1矯正治具51および第2矯正治具52は、第1鏡板H1および第2鏡板H2が胴体Bに接触した状態において缶体Vを挟み込むことで缶体Vを加圧するように構成されている。第1矯正治具51および第2矯正治具52は、缶体Vを第1加圧力で加圧する状態と缶体Vを第2加圧力で加圧する状態とを切り換え可能に構成されている。第1加圧力は、例えば、196N以上294N以下である。第2加圧力は、第1加圧力よりも大きい。第2加圧力は、例えば、980Nである。
【0034】
第1矯正治具51は、胴体Bおよび第1鏡板H1を挿入可能である。第1矯正治具51は、第1鏡板H1を保持可能である。第1矯正治具51は、第1矯正治具51に挿入された第1鏡板H1を保持可能である。なお、第1矯正治具51が第1鏡板H1を保持するための詳細な構成は、後述される。
【0035】
第1矯正治具51の内周は、胴体Bの第2半円筒部B2に沿った形状を有している。本実施の形態において、第1矯正治具51の内周は、円筒の内壁として構成されている。第1矯正治具51の内周の直径(内径)は、胴体Bの外径以上である。本実施の形態において、第1矯正治具51の内周の直径(内径)は、胴体Bの外径よりも大きい。
【0036】
把持部3は、第2半円筒部B2が第1矯正治具51の内周に接触した状態で胴体Bを第1鏡板H1に突き合わせるように構成されている。把持部3は、第2半円筒部B2が第1矯正治具51の内周に沿うように矯正された状態で胴体Bを第1鏡板H1に突き合わせるように構成されている。第2半円筒部B2が第1矯正治具51の内周に接触した状態において、第1半円筒部B1は第1矯正治具51の内周から離れて配置されている。
【0037】
第1矯正治具51は、第1底板511と、第1矯正リング512と、第1環状部513と、第1周壁部514と、第1テーパ部515と、第1支持板516と、第1シリンダ517と、第1ガイド518と、第1圧縮ばね519とを有している。
【0038】
第1底板511は、第1鏡板H1の第1カップ部H13の底面を受けるように構成されている。第1底板511は、第1底板511の接触面において第1カップ部H13に接触するように構成されている。接触面は、第1カップ部H13の形状に沿った形状を有している。接触面は、第1カップ部H13の加圧のための十分な面積を有している。接触面が第1カップ部H13に接触した状態において第1矯正治具51および第2矯正治具52が近付くことで、第1鏡板H1、第2鏡板H2および胴体Bが加圧される。
【0039】
第1矯正リング512は、第1鏡板H1の第1筒状部H12および第1カップ部H13を挿入可能に構成されている。第1矯正リング512は、筒状である。第1矯正リング512は、第1鏡板H1の第1起立部H11を係止するように構成されている。第1矯正リング512は、第1鏡板H1の第1起立部H11の背面および第1筒状部H12の側面に接触するように構成されている。具体的には、第1矯正リング512は、第1矯正リング512の先端面が第1鏡板H1の第1起立部H11の背面に接触するように構成されている。第1矯正リング512の先端面は、胴体Bの第1接続部C11とで第1鏡板H1の第1起立部H11を挟み込むように構成されている。第1矯正リング512の先端面は、缶体Vの長手方向(第1方向DR1)に直交するように構成されている。これにより、胴体Bと第1鏡板H1との接合部である第1接続部C11および第1起立部H11の平面度が向上する。なお、本実施の形態において、平面度とは、缶体Vの長手方向(第1方向DR1)に直交する平面方向に沿う度合いのことである。平面度が高いほど、缶体Vの長手方向(第1方向DR1)に対する角度が90度に近い。なお、第1接続部C11および第1起立部H11の平面度は、胴体Bと第1鏡板H1との接合のために重要である。また、第1矯正リング512は、第1矯正リング512の側面が第1鏡板H1の第1筒状部H12の側面に接触するように構成されている。第1矯正リング512の中心軸は、缶体Vの中心軸と一致している。
【0040】
第1環状部513は、第1矯正リング512を取り囲んでいる。第1環状部513は、胴体Bが第1鏡板H1に突き合わせられた状態において、第1大径部C21の先端と接触しないように構成されている。
【0041】
第1周壁部514は、第1環状部513を取り囲んでいる。第1周壁部514は、筒状である。第1周壁部514は、第1環状部513によって第1矯正リング512に接続されている。第1周壁部514の内径は、胴体Bの第1大径部C21よりも大きい。このため、第1周壁部514は、胴体Bを挿入可能に構成されている。
【0042】
第1テーパ部515は、第1周壁部514に対して第1底板511とは反対側において第1周壁部514に接続されている。第1テーパ部515は、第1テーパ部515の内径が第1テーパ部515の根元側から先端側に向かって大きくなるように構成されている。このため、胴体Bの第1大径部C21は、第1テーパ部515に挿入されやすい。第1テーパ部515は、胴体Bの第1大径部C21を第1底板511に向かって案内するように構成されている。
【0043】
第1矯正リング512、第1環状部513および第1周壁部514は、第1支持板516に接続されている。また、第1ガイド518および第1シリンダ517は、第1支持板516に接続されている。第1矯正リング512、第1環状部513および第1周壁部514は、第1ガイド518および第1シリンダ517とで第1支持板516を挟み込んでいる。
【0044】
第1シリンダ517は、第1底板511に固定されている。
図7に示されるように、第1シリンダ517は、第1方向DR1に沿って第1支持板516を移動させるように構成されている。これにより、第1支持板516に接続された第1矯正リング512、第1環状部513および第1周壁部514は、第1方向DR1に沿って移動可能である。具体的には、第1シリンダ517は、第1方向DR1に沿って第1支持板516が第2矯正治具52から遠ざかるように移動させるように構成されている。第1シリンダ517は、制御部CU(
図1参照)の信号によって制御可能である。第1ガイド518は、第1底板511に固定されている。
【0045】
第1圧縮ばね519は、第1ガイド518を取り囲んでいる。第1圧縮ばね519のばね力によって、第1支持板516には、胴体Bに近付く向きの力が作用する。第1圧縮ばね519の先端の第1方向DR1における位置は、移動していない状態の第1シリンダ517の先端の第1方向DR1における位置と同じである。
図8に示されるように、第1矯正治具51は、複数の第1シリンダ517を含んでいてもよい。なお、
図8では、説明の便宜上、第1圧縮ばね519が図示されていない。
【0046】
図6に示されるように、第2矯正治具52は、把持部3に対して第1矯正治具51とは反対側において第2鏡板H2を支持するように構成されている。第2矯正治具52は、第1矯正治具51と向かい合うように配置されている。第2矯正治具52は、第1矯正治具51と向かい合うように配置されている点を除いて、第1矯正治具51と同じ構成を有していることが望ましい。第2矯正治具52は、第2矯正治具52に挿入された第2鏡板H2を保持可能である。なお、第2矯正治具52が第2鏡板H2を保持するための詳細な構成は、後述される。
【0047】
第2矯正治具52の内周は、胴体Bの第2半円筒部B2に沿った形状を有している。本実施の形態において、第2矯正治具52の内周は、円筒の内壁として構成されている。第2矯正治具52の内周の直径(内径)は、胴体Bの外径以上である。本実施の形態において、第2矯正治具52の内周の直径(内径)は、胴体Bの外径よりも大きい。
【0048】
把持部3は、第2半円筒部B2が第2矯正治具52の内周に接触した状態で胴体Bを第2鏡板H2に突き合わせるように構成されている。把持部3は、第2半円筒部B2が第2矯正治具52の内周に沿うように矯正された状態で胴体Bを第2鏡板H2に突き合わせるように構成されている。第2半円筒部B2が第2矯正治具52の内周に接触した状態において、第1半円筒部B1は第2矯正治具52の内周から離れて配置されている。
【0049】
第2矯正治具52は、第2底板521と、第2矯正リング522と、第2環状部523と、第2周壁部524と、第2テーパ部525と、第2支持板526と、第2シリンダ527と、第2ガイド528と、第2圧縮ばね529とを有している。
【0050】
第2底板521は、第2鏡板H2の第2カップ部H23の底面を受けるように構成されている。第2底板521は、第2底板521の接触面において第2カップ部H23に接触するように構成されている。接触面は、第2カップ部H23の形状に沿った形状を有している。接触面は、第2カップ部H23の加圧のための十分な面積を有している。接触面が第2カップ部H23に接触した状態において第1矯正治具51および第2矯正治具52が近付くことで、第1鏡板H1、第2鏡板H2および胴体Bが加圧される。
【0051】
第2矯正リング522は、第2鏡板H2の第2筒状部H22および第2カップ部H23を挿入可能に構成されている。第2矯正リング522は、筒状である。第2矯正リング522は、第2鏡板H2の第2起立部H21を係止するように構成されている。第2矯正リング522は、第2鏡板H2の第2起立部H21の背面および第2筒状部H22の側面に接触するように構成されている。具体的には、第2矯正リング522は、第2矯正リング522の先端面が第2鏡面の第2起立部H21の背面に接触するように構成されている。第2矯正リング522の先端面は、胴体Bの第2接続部C12とで第2鏡板H2の第2起立部H21を挟み込むように構成されている。第2矯正リング522の先端面は、缶体Vの長手方向(第1方向DR1)に対して直交するように構成されている。これにより、胴体Bと第2鏡板H2との接合部である第2接続部C12および第2起立部H21の平面度が向上する。なお、第2接続部C12および第2起立部H21の平面度は、胴体Bと第2鏡板H2との接合のために重要である。また、第2矯正リング522は、第2矯正リング522の側面が第2鏡板H2の第2筒状部H22の側面に接触するように構成されている。第2矯正リング522の中心軸は、缶体Vの中心軸と一致している。
【0052】
第2環状部523は、第2矯正リング522を取り囲んでいる。第2環状部523は、胴体Bが第2鏡板H2に突き合わせられた状態において、第2大径部C22の先端と接触しないように構成されている。
【0053】
第2周壁部524は、第2環状部523を取り囲んでいる。第2周壁部524は、筒状である。第2周壁部524は、第2環状部523によって第2矯正リング522に接続されている。第2周壁部524の内径は、胴体Bの第2大径部C22よりも大きい。このため、第2周壁部524は、胴体Bを挿入可能に構成されている。
【0054】
第2テーパ部525は、第2周壁部524に対して第2底板521とは反対側において第2周壁部524に接続されている。第2テーパ部525は、第2テーパ部525の内径が第2テーパ部525の根元側から先端側に向かって大きくなるように構成されている。このため、胴体Bの第2大径部C22は、第2テーパ部525に挿入されやすい。第2テーパ部525は、胴体Bの第2大径部C22を第2底板521に向かって案内するように構成されている。
【0055】
第2矯正リング522、第2環状部523および第2周壁部524は、第2支持板526に接続されている。また、第2ガイド528および第2シリンダ527は、第2支持板526に接続されている。第2矯正リング522、第2環状部523および第2周壁部524は、第2ガイド528および第2シリンダ527とで第2支持板526を挟み込んでいる。
【0056】
第2シリンダ527は、第2底板521に固定されている。
図7に示されるように、第2シリンダ527は、第1方向DR1に沿って第2支持板526を移動させるように構成されている。これにより、第2支持板526に接続された第2矯正リング522、第2環状部523および第2周壁部524は、第1方向DR1に沿って移動可能である。具体的には、第2シリンダ527は、第1方向DR1に沿って第2支持板526が第2矯正治具52から遠ざかるように移動させるように構成されている。第2シリンダ527は、制御部CU(
図1参照)の信号によって制御可能である。第2ガイド528は、第2底板521に固定されている。
【0057】
第2圧縮ばね529は、第2ガイド528を取り囲んでいる。第2圧縮ばね529のばね力によって、第2支持板526には、胴体Bに近付く向きの力が作用する。第2圧縮ばね529の先端の第1方向DR1における位置は、移動していない状態の第2シリンダ527の先端の第1方向DR1における位置と同じである。
図9に示されるように、第2矯正治具52は、複数の第2シリンダ527を含んでいてもよい。なお、
図9では、説明の便宜上、第2圧縮ばね529が図示されていない。
【0058】
図1、
図4および
図7に示されるように、加圧ユニット6は、第2矯正治具52を第1方向DR1に沿って移動させるように構成されている。加圧ユニット6は、第2矯正治具52を第1方向DR1に沿って第1矯正治具51に向かって移動させることで、第1矯正治具51および第2矯正治具52に挟み込まれた缶体Vを加圧するように構成されている。加圧ユニット6は、回転従動部75および第2シャフト77を介して第2矯正治具52に連結されている。加圧ユニット6は、例えば、サーボモータ等の駆動機構を含んでいる。制御部CUは、加圧ユニット6による加圧を制御するように構成されている。具体的には、制御部CUは、サーボモータ等の負荷トルクおよび第2矯正治具52の位置に応じて加圧を制御するように構成されている。
【0059】
図1に示されるように、回転駆動部71および回転従動部75は、第1矯正治具51および第2矯正治具52を挟み込むように配置されている。回転駆動部71は、第1矯正治具51に対して支持部2とは反対側に配置されている。回転従動部75は、第2矯正治具52に対して支持部2とは反対側に配置されている。
【0060】
回転駆動部71は、第1シャフト72によって第1矯正治具51に連結されている。回転駆動部71は、ギヤ73によってモータ74に連結されている。モータ74は、回転駆動部71を回転させるように構成されている。回転駆動部71の回転が第1シャフト72によって第1矯正治具51に伝わることで、第1矯正治具51および缶体Vが回転する。
【0061】
回転従動部75は、回転駆動部71が回転することで回転するように構成されている。回転駆動部71、回転従動部75および缶体Vは、回転駆動部71の回転軸、回転従動部75の回転軸および缶体Vの中心軸が同一直線上に配置されるように配置されていることが望ましい。
【0062】
回転従動部75は、第2シャフト77によって第2矯正治具52に連結されている。回転従動部75は、加圧ユニット6に連結されている。
【0063】
図10に示されるように、溶接機8は、第1鏡板H1および第2鏡板H2を胴体Bに溶接するように構成されている。溶接機8は、第1鏡板H1および第2鏡板H2を胴体Bに例えば、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接によって溶接するように構成されている。溶接機8は、第1鏡板H1が第1矯正治具51から露出した状態において、胴体Bおよび第1鏡板H1を溶接するように構成されている。溶接機8は、第2鏡板H2が第2矯正治具52から露出した状態において、胴体Bおよび第2鏡板H2を溶接するように構成されている。
【0064】
溶接機8の溶接トーチ81は、胴体Bの第1大径部C21および第2大径部C22の上方に配置されている。溶接機8は、缶体Vが回転駆動部71によって回転している状態で、第1鏡板H1および第2鏡板H2を胴体Bの全周にわたって溶接するように構成されている。
【0065】
図2、
図3および
図11に示されるように、本実施の形態において、把持部3は、複数の真空パッド38による真空吸着によって胴体Bを把持するように構成されている。複数の真空パッド38は、半円部35の周方向に沿って半円部35に埋め込まれている。複数の真空パッド38の各々は、互いに間隔を空けて配置されている。複数の真空パッド38の各々の先端は、半円部35の内部に埋め込まれていてもよいし、半円部35から突出していてもよい。複数の真空パッド38の各々の先端が半円部35から突出している場合には、真空パッド38が半円部35の径方向の外向きに圧縮される。これにより、胴体Bが半円部35に沿って変形する。半円部35の内壁面ISは、半円形を有している。
【0066】
胴体Bが磁性を有している場合には、
図12に示されるように、把持部3は、複数の電磁石39の電磁力によって胴体Bを把持するように構成されていてもよい。また、複数の真空パッド38と複数の電磁石39とが組み合わせられていてもよい。
【0067】
複数の電磁石39が用いられる場合には、複数の電磁石39の各々の先端は、半円部35の内部に埋め込まれていてもよいし、半円部35の内部に埋め込まれていてもよい。望ましくは、複数の電磁石39の各々の先端は、半円部35の内周よりも0.1mm内側の位置に配置されている。
【0068】
次に、
図1~
図15を用いて、実施の形態1に係る缶体製造装置100の動作を説明する。
【0069】
缶体の製造方法は、缶体Vを製造するための缶体の製造方法である。
図13に示されるように、缶体の製造方法は、把持される工程S101と、胴体Bが第1鏡板H1に突き合わせられる工程S102とを含んでいる。
【0070】
把持される工程S101(
図13参照)において、
図4に示されるように、第1鏡板H1および第2鏡板H2の各々が第1矯正治具51および第2矯正治具52の各々にそれぞれ挿入される。第1底板511と第1カップ部H13が例えば1mmの間隔を空けるように、第1鏡板H1が配置される。また、第1起立部H11および第1筒状部H12が第1矯正リング512に隙間なく接触するように、第1鏡板H1が配置される。第2底板521と第2カップ部H23が例えば1mmの間隔を空けるように、第2鏡板H2が配置される。また、第2起立部H21および第2筒状部H22が第2矯正リング522に隙間なく接触するように、第2鏡板H2が配置される。
【0071】
続いて、胴体Bが支持部2に支持される。具体的には、胴体Bの第2半円筒部B2が支持部2に支持される。
図14に示されるように、支持部2に支持された胴体Bは、重力によってたわむ。これにより、側面視において、胴体Bは、円形から楕円形に変形する。胴体Bの変形は、胴体Bが薄い板厚を有する材料によって形成されていることによって生じる。また、胴体Bの変形は、胴体Bの全周が拘束されていないことによって生じる。なお、
図14では、変形していない状態の胴体Bの外形は、二点鎖線によって図示されている。
【0072】
続いて、
図3に示されるように、把持部3が支持部2に支持された胴体Bの上方から降下することで胴体Bに接近する。把持部3は、保持ユニット4の高さ位置駆動部44(
図1参照)によって移動する。
図14および
図15に示されるように、把持部3の第1延長部36および第2延長部37の間にたわんだ胴体Bの第1半円筒部B1が挿入されるように、把持部3が降下する。胴体Bが把持部3に挿入されるにしたがって、胴体Bのたわみが矯正される。把持部3の降下は、第1半円筒部B1が半円部35に接触した位置において、止まる。
【0073】
続いて、第1半円筒部B1が把持部3に吸着されることで把持される。具体的には、
図3に示されるように、把持部3の真空パッド38(
図11参照)が第1半円筒部B1を吸着する。胴体Bの第1半円筒部B1は、半円部35に沿うように矯正される。すなわち、胴体Bの第1半円筒部B1は、半円部35に沿うように変形する。また、把持部3の高さ位置が高さ位置駆動部44によって調整される。すなわち、把持部3が高さ位置駆動部44によって持ち上げられる。以上より、胴体Bの第2半円筒部B2を支持している支持部2による拘束および胴体Bの第1半円筒部B1を支持している把持部3による拘束によって、側面視における胴体Bの形状は円形に近付く。
【0074】
なお、把持部3と胴体Bとがずれている場合には、高さ位置調整ステージ42および水平位置調整ステージ43によって把持部3の位置をあらかじめ調整してもよい。これにより、把持部3は、胴体Bを正確に把持することができる。
【0075】
続いて、
図4~
図6に示されるように、胴体Bは、水平位置駆動部45によって第1方向DR1に沿って第1矯正治具51側に移動する。これにより、第1矯正治具51に支持された第1鏡板H1の第1起立部H11に胴体Bの第1接続部C11が接触する。なお、この状態において、第2半円筒部B2の拘束は支持部2の2点のみによる拘束であるため、不十分である。このため、第2半円筒部B2は下側に膨れるようにたわんでいることがある。
【0076】
突き合わせられる工程S102において、第1矯正治具51に胴体Bが挿入されることで、胴体Bの第2半円筒部B2が第1矯正治具51の内周に接触した状態で胴体Bが第1鏡板H1に突き合わせられる。具体的には、胴体Bが第1鏡板H1に突き合わせられる際に、胴体Bは第1矯正治具51の第1テーパ部515に沿って挿入される。これにより、第2半円筒部B2が第1周壁部514に沿うように変形するため、第2半円筒部B2の形状はさらに円形に近付く。また、第1起立部H11と第1接続部C11とが全周にわたって接触する。
【0077】
続いて、加圧ユニット6が作動することで第2矯正治具52が第1方向DR1に沿って胴体Bに向かって移動する。第2矯正治具52は、第2矯正治具52によって保持された第2鏡板H2を胴体Bに突き合わせる。胴体Bが第2鏡板H2に突き合わせられる際に、胴体Bは第2矯正治具52の第2テーパ部525に沿って挿入される。これにより、第2半円筒部B2が第2周壁部524に沿うように変形するため、第2半円筒部B2の形状はさらに円形に近付く。また、第2起立部H21と第2接続部C12とが全周にわたって接触する。また、第1起立部H11と第1接続部C11との平面度および第2起立部H21と第2接続部C12との平面度が向上する。平面度の向上は、後工程における、例えば、溶接による接合が行われる場合に重要である。
【0078】
続いて、把持部3は、吸着を止める。
図4および
図10に示されるように、吸着を止めた把持部3が高さ位置駆動部44によって上昇することで、把持部3が胴体Bから取り外される。胴体Bから取り外された把持部3は、水平位置駆動部45によって第1矯正治具51および第2矯正治具52の上方から退避する。これにより、把持部3によって溶接機8の配置が妨げられることを抑制することができる。
【0079】
続いて、加圧ユニット6が作動する。これにより、第1矯正治具51および第2矯正治具52は、第1鏡板H1および第2鏡板H2が胴体Bに接触した状態において缶体Vを挟み込むことで缶体Vを加圧する。第1矯正治具51および第2矯正治具52は、第1加圧力で缶体Vを加圧する。第1加圧力による加圧では、胴体Bの第1接続部C11および第2接続部C12は変形しない。第1矯正治具51および第2矯正治具52による加圧は、制御部CU(
図1参照)によって測定および制御される。第1矯正治具51および第2矯正治具52による加圧力が第1加圧力に達していない場合には、正常な突き合わせが行われていない可能性がある。このため、第1矯正治具51、第2矯正治具52および胴体Bの位置が操作員によって修正されてから、次の工程が実施される。また、次の工程の前に、第1矯正治具51、第2矯正治具52および胴体Bの組立作業がやり直されてもよい。
【0080】
第1加圧力が第1鏡板H1および第2鏡板H2に正常に作用していることが確認されてから、第1矯正リング512および第2矯正リング522が互いに離れるように移動する。すなわち、第1矯正リング512および第2矯正リング522が胴体Bから離れるように移動する。これにより、第1大径部C21および第2大径部C22の上方に溶接機8が配置可能な空間が形成される。なお、この状態において、缶体Vは第1底板511および第2底板521によって第1加圧力で加圧されているため、缶体V、第1鏡板H1および第2鏡板H2は変形しない。
【0081】
また、支持部2が胴体Bから離れるように下降する。なお、胴体Bが第1矯正治具51および第2矯正治具52によって加圧されているため、支持部2が胴体Bから離れた際にも胴体Bは落下しない。
【0082】
続いて、加圧ユニット6が作動する。第1矯正治具51および第2矯正治具52は、第2加圧力で缶体Vを加圧する。これにより、第1接続部C11と第1起立部H11とが密着する。また、第2接続部C12と第2起立部H21とが密着する。すなわち、缶体Vの継手が密着する。なお、第2加圧力では、缶体Vは変形しない。缶体Vが変形しないまま、缶体Vに負荷される加圧力が増加する。
【0083】
以上より、缶体Vの加圧が完了する。
【0084】
続いて、
図10に示されるように、溶接機8が加圧された缶体Vの上方に移動する。溶接機8は、胴体Bと第1鏡板H1および第2鏡板H2とを溶接する。具体的には、溶接機8は、胴体Bの第1大径部C21と第1鏡板H1とを溶接する。また、溶接機8は、胴体Bの第2大径部C22と第2鏡板H2とを溶接する。これにより、缶体Vの溶接が完了する。
【0085】
続いて、把持部3が胴体Bの上方に移動する。高さ位置駆動部44によって把持部3が胴体Bに接触するまで降下する。把持部3は、胴体Bを吸着することで把持する。なお、胴体Bは、第1鏡板H1および第2鏡板H2と溶接されることで一体化されている。続いて、図示されないが、加圧ユニット6が作動することで第2矯正治具52が退避する。胴体Bを把持した把持部3は、高さ位置駆動部44および水平位置駆動部45によって、支持部2の上方まで搬送される。支持部2が上昇することで、支持部2は支持部2の上方に搬送された胴体Bを支持する。把持部3は、胴体Bの吸着を停止する。これにより、缶体Vは、把持部3から取り外される。把持部3は、高さ位置駆動部44および水平位置駆動部45によって支持部2の上方から離れるように移動する。
【0086】
以上より、缶体Vの製造が完了する。
【0087】
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
【0088】
本実施の形態に係る缶体製造装置100によれば、
図2および
図3に示されるように、把持部3は、胴体Bの第1半円筒部B1を吸着することで胴体Bを把持するように構成されている。また、把持部3は、胴体Bの第1半円筒部B1に沿った半円形状を有している。このため、第1半円筒部B1が第1矯正治具51に接触することで、第1半円筒部B1の開口形状の歪みを矯正することができる。また、把持部3は、第2半円筒部B2が第1矯正治具51の内周に接触した状態で胴体Bを第1鏡板H1に突き合わせるように構成されている。また、
図5に示されるように、第1矯正治具51の内周は、胴体Bの第2半円筒部B2に沿った形状を有している。このため、第2半円筒部B2が第1矯正治具51に接触することで、第2半円筒部B2の開口形状の歪みを矯正することができる。したがって、胴体Bの開口形状の歪みを十分に矯正することができる。
【0089】
図3に示されるように、把持部3は、胴体Bの第1半円筒部B1を吸着することで胴体Bを把持するように構成されている。このため、胴体Bは複数の把持部3によって挟み込まれるように把持されなくてもよい。さらに、複数の把持部3を固定するための追加の治具を用いなくてもよい。したがって、作業時間の増加を抑制することができる。
【0090】
図3に示されるように、第1端部E1および第2端部E2は、第1端部E1および第2端部E2が胴体Bを挟み込む方向に沿った第1端部E1と第2端部E2との間隔を先端に向かって広げるように構成されている。このため、第1端部E1と第2端部E2との間に缶体Vの胴体Bを容易に挿入することができる。したがって、作業時間の増大をさらに抑制することができる。
【0091】
図10に示されるように、第1矯正治具51および第2矯正治具52は、第1鏡板H1および第2鏡板H2が胴体Bに接触した状態において缶体Vを挟み込むことで缶体Vを加圧するように構成されている。このため、第1鏡板H1および第2鏡板H2は、支持部2および把持部3から離れた状態の缶体Vを保持することができる。よって、支持部2および把持部3によって溶接機8の配置位置が制限されることを抑制することができる。したがって、溶接条件が制限されることを抑制することができる。
【0092】
図6に示されるように、第1矯正治具51および第2矯正治具52は、第1鏡板H1および第2鏡板H2が胴体Bに接触した状態において缶体Vを挟み込むことで缶体Vを加圧するように構成されている。このため、第1鏡板H1、第2鏡板H2および胴体Bが一体化した状態で溶接等の作業を実施することができる。よって、胴体Bを保持するための治具の取付およびねじ止め等の固定作業を行う必要がない。したがって、工程の省力化および作業の効率化をすることができる。また、溶接時に胴体Bを拘束するため工具および機器等が不要である。このため、溶接の熱が胴体Bから胴体Bを拘束するための工具および機器等に放散することがない。よって、溶接の熱が胴体Bから放散することで溶接における胴体Bの熱量が低下することを抑制することができる。したがって、溶接の品質が向上する。
【0093】
図7に示されるように、第1矯正治具51および第2矯正治具52は、缶体Vを第1加圧力で加圧する状態と缶体Vを第2加圧力で加圧する状態とを切り換え可能に構成されている。第2加圧力は、第1加圧力よりも大きい。このため、第1加圧力で缶体Vを加圧した後に、第2加圧力で缶体Vを加圧することができる。第1加圧力での加圧の際に嵌め合わせが正常に行われなかった場合には、第1加圧力は弱い加圧力のため、胴体Bの開口形状を変形させることなく、缶体Vの位置を修正または缶体Vの組立のやり直しをすることができる。よって、第1加圧力によって缶体Vが嵌め合わせられたことを確認した後に、第2加圧力によって缶体Vを加圧することができる。したがって、缶体Vの確実な嵌め合わせと強固な嵌め合わせとを両立することができる。
【0094】
本実施の形態に係る缶体の製造方法によれば、
図2および
図3に示されるように、第1半円筒部B1が把持部3に吸着されることで把持される。また、把持部3は、胴体Bの第1半円筒部B1に沿った半円形状を有している。このため、第1半円筒部B1が第1矯正治具51に接触することで、第1半円筒部B1の開口形状の歪みを矯正することができる。
図5に示されるように、第1矯正治具51に胴体Bが挿入されることで、胴体Bの第2半円筒部B2が第1矯正治具51の内周に接触した状態で胴体Bが第1鏡板H1に突き合わせられる。また、第1矯正治具51の内周は、胴体Bの第2半円筒部B2に沿った形状を有している。このため、第2半円筒部B2が第1矯正治具51に接触することで、第2半円筒部B2の開口形状の歪みを矯正することができる。したがって、胴体Bの開口形状の歪みを十分に矯正することができる。
【0095】
図2および
図3に示されるように、第1半円筒部B1が把持部3に吸着されることで把持される。このため、胴体Bは複数の把持部3によって挟み込まれるように把持されなくてもよい。さらに、複数の把持部3を固定するための追加の治具を用いなくてもよい。したがって、作業時間の増加を抑制することができる。
【0096】
実施の形態2.
次に、
図16~
図18を用いて、実施の形態2に係る缶体製造装置100の構成を説明する。実施の形態2は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0097】
図16に示されるように、本実施の形態に係る缶体製造装置100は、振動部9をさらに含んでいる。振動部9は、胴体Bを振動させるように構成されている。本実施の形態において、缶体製造装置100は、4つの振動部9を含んでいる。4つの振動部9は、第1方向DR1に沿って胴体Bの中央の両側に配置されている。また、
図17に示されるように、4つの振動部9は、第3方向DR3に沿って胴体Bを挟み込むように配置されている。
【0098】
図16に示されるように、本実施の形態において、振動部9は、吸着パッド91と、振動源92と、第1ステージ93と、第2ステージ94とを含んでいる。吸着パッド91は、胴体Bに吸着するように構成されている。吸着パッド91は、真空エジェクタ等の図示されない負圧発生器に接続されている。図示されない負圧発生器が起動することで、吸着パッド91は胴体Bに真空吸着によって吸着するように構成されている。振動源92は、吸着パッド91に接続されている。振動源92は、例えば、振動モータまたは空気式のバイブレータ等である。第1ステージ93は、第1方向DR1に沿って移動可能である。第2ステージ94は、第3方向DR3に沿って移動可能である。
【0099】
振動部9は、保持ユニット4の水平駆動部の移動と同期して移動するように構成されている。このため、振動部9が胴体Bに固定された状態でも胴体Bと振動部9とがずれることを抑制することができる。よって、胴体Bから吸着パッド91が外れることを抑制することができる。
【0100】
なお、
図16および
図17では、振動部9は、胴体Bの側面に配置されているが、胴体Bに接触するのであれば、どの位置に配置されていてもよい。
【0101】
次に、
図16および
図17を用いて、実施の形態2に係る缶体の製造方法を説明する。なお、実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0102】
まず、
図16および
図17に示されるように、把持部3が胴体Bを把持する。続いて、振動部9の吸着パッド91は、把持部3に把持された胴体Bを挟み込むように胴体Bに接触する。振動部9の振動源92は、胴体Bを振動させる。振動源92による振動によって、胴体Bは微小に変形する。胴体Bは、振動部9によって振動させられた状態で、第1鏡板H1に突き合わせられる。具体的には、第1大径部C21(
図6参照)に第1起立部H11(
図6参照)が挿入される。本実施の形態では、第1大径部C21(
図6参照)が微小に変形している状態で第1大径部C21(
図6参照)に第1起立部H11(
図6参照)が挿入される。なお、把持部3および振動部9の第1方向DR1に沿った移動量は、水平位置駆動部45と第1ステージ93が同期しているため、同じである。第1大径部C21(
図6参照)に第1起立部H11(
図6参照)が挿入された後、振動部9による振動は停止する。
【0103】
続いて、振動部9の振動源92は、胴体Bを振動させる。胴体Bは、振動部9によって振動させられた状態で、第2鏡板H2に突き合わせられる。具体的には、第2大径部C22(
図6参照)に第2起立部H21(
図6参照)が挿入される。第2大径部C22(
図6参照)に第2起立部H21(
図6参照)が挿入された後、振動部9による振動は停止する。
【0104】
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
【0105】
本実施の形態に係る缶体製造装置100によれば、
図16に示されるように、振動部9は、胴体Bを振動させるように構成されている。これにより、胴体Bの第1大径部C21に第1鏡板H1の第1起立部H11が挿入される際に、胴体Bを微小に変形させることができる。
【0106】
仮に、胴体Bおよび第1鏡板H1の直径寸法にばらつきがある場合には、
図18に示されるように、第1大径部C21の先端と第1起立部H11の先端とが接触することで第1大径部C21に第1起立部H11が挿入されないことがある。
【0107】
これに対して、本実施の形態では、第1大径部C21と第1起立部H11とが接触した場合でも、胴体Bが微小に変形することによって、第1大径部C21に第1起立部H11が挿入される。また、第1大径部C21の先端と第1起立部H11の先端とが接触することを抑制することができる。したがって、第1大径部C21に第1起立部H11を容易に挿入することができる。すなわち、胴体Bと第1鏡板H1との確実な突き合わせを行うことができる。また、同様に胴体Bと第2鏡板H2との確実な突き合わせを行うことができる。これにより、缶体Vの製造の生産性が向上する。
【0108】
本実施の形態に係る缶体の製造方法によれば、
図16に示されるように、胴体Bは、振動部9によって振動させられた状態で、第1鏡板H1に突き合わせられる。これにより、胴体Bと第1鏡板H1との確実な突き合わせを行うことができる。また、同様に胴体Bと第2鏡板H2との確実な突き合わせを行うことができる。したがって、缶体Vの製造の生産性が向上する。
【0109】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0110】
3 把持部、51 第1矯正治具、52 第2矯正治具、100 缶体製造装置、B 胴体、B1 第1半円筒部、B2 第2半円筒部、E1 第1端部、E2 第2端部、H1 第1鏡板、H2 第2鏡板、V 缶体。