(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】読取精度を向上させるための複数のテストシナリオからのデータの予測分析
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q10/087
(21)【出願番号】P 2020523279
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(86)【国際出願番号】 US2018057237
(87)【国際公開番号】W WO2019084103
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-06
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】フォースター イアン
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】安井 雅史
【審判官】月野 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-539510(JP,A)
【文献】特開2011-2902(JP,A)
【文献】特開2008-84331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の環境を監視する第1のRFIDリーダーシステムであって、
複数のRFID読取可能タグと通信を試み、正常に通信できた前記RFID読取可能タグに関するデータを生成するように構成された第1のRFIDリーダーと、
前記第1のRFIDリーダーから前記データを受信し、前記データに少なくとも部分的に基づいて命令を生成し、前記命令を送信するようにプログラムされた第1のホストと、
を含む、前記第1のRFIDリーダーシステムと、
前記第1の環境よりも前記複数のRFID読取可能タグとの通信が容易でない環境であって前記第1の環境とは異なる第2の環境を監視する、前記第1のRFIDリーダーシステムより下流の第2のRFIDリーダーシステムであって、
前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みるように構成された第2のRFIDリーダーと、
前記第1のホストから前記命令を受信し、前記第2のRFIDリーダーが所定の時間内に正常に通信する前記複数のRFID読取可能タグの数を増加させるように、前記命令に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のRFID読取可能タグと通信しようと試みる前記第2のRFIDリーダーの動作を変更するようにプログラムされた第2のホストと、
を含む第2のRFIDリーダーシステムと、
を有
し、
前記第2のホストは、
前記第2のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグと正常に通信したかどうかを検討し、
前記第2のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグと正常に通信したかどうかに少なくとも部分的に基づいて第2のデータを生成し、
前記第2のデータを前記第1のホストに送信するようにさらにプログラムされており、前記第1のホストによって生成され前記第2のホストに送信される後続の命令は、前記第2のデータに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のRFID読取可能タグとその後の通信を試みる前記第2のRFIDリーダーの動作をさらに変更する、
在庫管理システム。
【請求項2】
前記命令は、前記第2のRFIDリーダーシステムが前記複数のRFID読取可能タグのうちの少なくとも1つと通信しようと試みる回数を増加させるように、前記第2のRFIDリーダーの動作を変更する、請求項1に記載の在庫管理システム。
【請求項3】
前記命令は、前記複数のRFID読取可能タグのうちの少なくとも1つと通信しようと試みる際に前記第2のRFIDリーダーが動作する周波数、前記第2のRFIDリーダーが動作する電力、前記第2のRFIDリーダーのアンテナを向ける方向、及び前記第2のRFIDリーダーによって監視される環境の範囲の少なくとも1つを変更する、請求項1に記載の在庫管理システム。
【請求項4】
前記第2のホストは、前記第2のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグとは正常に通信していない場合にのみ前記第2のデータを前記第1のホストに送信するようにさらにプログラムされている、請求項
1に記載の在庫管理システム。
【請求項5】
前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みるように構成された第3のRFIDリーダーと、
前記第1のホストから前記命令を受信し、前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる前記第3のRFIDリーダーの動作を変更し、
前記第3のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグと正常に通信したかどうかを検討し、
前記第3のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグと正常に通信したかどうかに少なくとも部分的に基づいて第3のデータを生成し、
前記第1のホストに前記第3のデータを送信するようにプログラムされた第3のホストと、
を含む、前記第1のRFIDリーダーシステムより下流の第3のRFIDリーダーシステムをさらに備え、
前記第1のホストによって生成され前記第2のホストおよび前記第3のホストに送信される後続の命令は、前記第2のデータ及び前記第3のデータに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のRFID読取可能タグとその後の通信を試みる前記第2のRFIDリーダーおよび第3のRFIDリーダーの動作をさらに変更し、
前記後続の命令は、前記第2のデータ及び前記第3のデータのうちの一方のデータよりも、前記第2のデータ及び前記第3のデータのうちの他方のデータに基づいている、
請求項
1に記載の在庫管理システム。
【請求項6】
前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みるように構成された第3のRFIDリーダーと、
前記第3のRFIDリーダーに関連付けられた第3のホストと、を含む、前記第1のRFIDリーダーシステムより下流の第3のRFIDリーダーシステムをさらに有し、
前記第1のホストによって生成された前記後続の命令は、前記第3のホストに送信されて前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる第3の環境における前記第3のRFIDリーダーの動作を変更し、
第2のRFIDリーダー及び前記第3のRFIDリーダーによる前記複数のRFID読取可能タグと通信する試みは順次に行われる、
請求項
1に記載の在庫管理システム。
【請求項7】
前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みるように構成された第3のRFIDリーダーと、
前記第3のRFIDリーダーに関連付けられた第3のホストと、含む、前記第1のRFIDリーダーシステムより下流の第3のRFIDリーダーシステムをさらに有し、
前記第1のホストは、第2の命令を生成し、前記第2の命令を前記第3のホストに送信して、前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる第3の環境における前記第3のRFIDリーダーの動作を変更するように構成され、
前記命令と前記第2の命令とは異なる、請求項
1に記載の在庫管理システム。
【請求項8】
複数のRFID読取可能タグを提供するステップと、
第1のホストにより、第1の環境を監視し前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる第1のRFIDリーダーを動作させるステップと、
前記第1のRFIDリーダーにより、前記第1のRFIDリーダーによって正常に通信されたRFID読取可能タグに関するデータを生成するステップと、
前記第1のホストにより、前記第1のRFIDリーダーから前記データを受信するステップと、
前記第1のホストにより、前記データに少なくとも部分的に基づく命令を生成するステップと、
前記第1のホストにより、前記命令を送信するステップと、
前記第1のホストより下流の第2のホストにより、前記第1の環境よりも前記複数のRFID読取可能タグとの通信が容易でない環境であって前記第1の環境とは異なる第2の環境を監視し、前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる第2のRFIDリーダーを動作させるステップと、
前記第2のホストにより、前記第1のホストから前記命令を受信するステップと、
前記第2のホストにより、前記第2のRFIDリーダーが所定の時間内に正常に通信する前記複数のRFID読取可能タグの数を増加させるように、前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる前記第2のRFIDリーダーの動作を、前記命令に少なくとも部分的に基づいて変更するステップと、
前記第2のホストにより、前記第2の環境において前記第2のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグと正常に通信したかどうかを検討するステップと、
前記第2のホストにより、前記第2のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグと正常に通信したかどうかに少なくとも部分的に基づいて第2のデータを生成するステップと、
前記第2のホストにより、前記第2のデータを後続の命令の生成に組み込むことにより、前記第2の環境において前記複数のRFID読取可能タグとその後の通信を試みる前記第2のRFIDリーダーの動作をさらに変更するステップと、
を有する在庫管理方法。
【請求項9】
前記命令は、前記第2のRFIDリーダーが前記複数のRFID読取可能タグのうちの少なくとも1つと通信しようと試みる回数を増加させるように、前記第2のRFIDリーダーの動作を変更し、
前記命令は、前記第2の環境において前記複数のRFID読取可能タグのうちの少なくとも1つと通信しようと試みる際に前記第2のRFIDリーダーが動作する周波数、前記第2のRFIDリーダーが動作する電力、前記第2のRFIDリーダーのアンテナを向ける方向、及び前記第2のRFIDリーダーによって監視される環境の範囲の少なくとも1つを変更する、
請求項
8に記載の在庫管理方法。
【請求項10】
前記第2のホストにより、前記第2のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグとは正常に通信していない場合にのみ前記第2のデータを生成するステップ、
をさらに有する請求項
8に記載の在庫管理方法。
【請求項11】
前記第1のホストより下流の第3のホストにより、第3の環境において前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる第3のRFIDリーダーを動作させるステップであって、前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる前記第3のRFIDリーダーの動作は、前記命令に少なくとも部分的に基づいて変更されるステップと、
前記第3のホストにより、前記第3のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグと正常に通信したかどうかを検討するステップと、
前記第3のホストにより、前記第3のRFIDリーダーがすべての前記複数のRFID読取可能タグと正常に通信したかどうかに基づいて第3のデータを生成するステップと、
前記第1のホストにより、前記第3のデータを後続の命令の生成に組み込むことにより、前記複数のRFID読取可能タグとその後の通信を試みる前記第2のRFIDリーダーおよび前記第3のRFIDリーダーの動作をさらに変更するステップと、をさらに有し、
前記後続の命令は、前記第2のデータ及び前記第3のデータのうちの一方のデータよりも、前記第2のデータ及び前記第3のデータのうちの他方のデータに基づいている、
請求項
8に記載の在庫管理方法。
【請求項12】
前記第1のホストより下流の第3のホストにより、第3の環境において前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる第3のRFIDリーダーを動作させるステップをさらに含み、
前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる前記第3のRFIDリーダーの動作は、少なくとも部分的に前記後続の命令に基づいて変更され、
前記第2のRFIDリーダーおよび前記第3のRFIDリーダーによる前記複数のRFID読取可能タグと通信する試みは順次に行われる、
請求項
8に記載の在庫管理方法。
【請求項13】
前記第1のホストより下流の第3のホストにより、第3の環境において前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みるように構成された第3のRFIDリーダーを提供するステップと、
前記第1のホストにより、前記複数のRFID読取可能タグと通信を試みる前記第3のRFIDリーダーの動作を変更する第2の命令を生成するステップと、をさらに有し、
前記命令と前記第2の命令とは異なる、
請求項
8に記載の在庫管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2017年10月24日に出願された米国仮特許出願第62/576,175号の優先権及び利益を主張するものであり、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本主題は、無線周波数識別(RFID)技術に基づく在庫管理システムおよび方法に関する。より詳細には、本主題は、第2のRFIDリーダーシステムの性能を改善するための第1のRFIDリーダーシステムの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な目的のために、RFID技術をあるエリア(例えば、店舗または他の小売環境内)で採用することが知られている。一例では、RFIDリーダーは、店舗のPOSロケーションまたはチェックアウトカウンターに関連付けられており、購入される商品に関連付けられたタグを検出して、商品の価格を登録する。別の例では、RFID読取可能タグまたはトランスポンダーが、店舗または保管場所の各商品に取り付けられている。タグはRFIDリーダーを使用してスキャンされ、商品在庫の適切な総数が維持される。さらに別の例では、RFID技術がセキュリティ対策として使用されている。典型的なRFIDベースの店舗用セキュリティシステムでは、1つ以上のRFIDリーダーが出口に隣接して設置され、ガードタグが(多くの場合、下げ札またはラベルによって)店舗内で販売される個々の商品に関連付けられている。顧客が商品を購入すると、レジ係は、それに関連付けられたガードタグを取り外すか、そうでなければ無効化する。ガードタグが取り外されていないか、または無効化されていない場合(例えば、顧客が代金を支払わずに店舗から商品を持ち出そうとした場合)、読取フィールドのRFIDリーダーは、顧客が店舗から出ようとしているときに、ガードタグを感知する。ガードタグを感知すると、読取フィールドは、アラームまたは他の警報を開始させ、それにより、アイテムが盗難される可能性があることを店舗の担当者に警告する。
【0004】
上述したシステムは普及しており、在庫を追跡し、店舗の人員に盗難の可能性を警告するために有用であるが、RFIDリーダーが、その範囲内のRFID読取可能タグのすべてと通信することが困難な状況があり得る。特定のRFID読取可能タグと通信できないことは、そのRFID読取可能タグ自体及びRFIDリーダーの範囲内の他のRFID読取可能タグの特性、RFID読取可能タグ同士の近接性、RFIDリーダーによって監視される環境、およびRFID読取可能タグが関連付けられる在庫の誘電特性及び金属特性を含む、多くの要因のいずれかの結果であり得る。従って、その範囲内にある全てのRFIDタグと通信することがより可能なRFIDリーダーを備えた在庫管理システムを提供することが有利である。
【発明の概要】
【0005】
本主題のいくつかの態様があり、これらの態様は、以下に記載され、請求される装置およびシステムにおいて別々にまたは一緒に具現化され得る。これらの態様は、単独でまたは本明細書に記載された主題の他の態様と組み合わせて採用することができる。これらの態様を一緒に記載することは、これらの態様を別々に使用することや、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載されるように、これらの態様を別々に、または異なる組み合わせで請求することの排除を意図するものではない。
【0006】
一態様において、在庫管理システムは、複数のRFID読取可能タグとの通信を試み、RFIDリーダーが正常に通信したRFID読取可能タグに関するデータを生成するように構成されたRFIDリーダーを有する第1のRFIDリーダーシステムを含む。第1のRFIDリーダーシステムのホストは、RFIDリーダーからデータを受信し、そのデータに少なくとも部分的に基づいて命令を生成し、その命令を送信するようにプログラムされている。命令は、第2のRFIDリーダーシステムのホストによって受信され、このホストは、第2のRFIDリーダーシステムのRFIDリーダーが複数のRFID読取可能タグと通信しようとしているときに、命令を使用してそのRFIDリーダーの動作を変更する。第2のRFIDリーダーシステムのRFIDリーダーの動作に対する変更は、所定の時間内により多くのRFID読取可能タグと通信することを可能にすることなどによって、その動作を改善することを意図している。
【0007】
別の側面では、在庫を管理するための方法が提供される。この方法は、複数のRFID読取可能タグを提供するステップと、複数のRFID読取可能タグとの通信を試みるように第1のRFIDリーダーを動作させるステップとを含む。データは、第1のRFIDリーダーによって正常に通信されたRFID読取可能タグに関して生成され、命令は、少なくとも部分的にそのデータに基づいて生成される。第2のRFIDリーダーは、複数のRFID可読タグとの通信を試みるように動作され、複数のRFID可読タグとの通信を試みる際の第2のRFIDリーダーの動作は、少なくとも部分的に命令に基づいて変更される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一態様による在庫管理システムによって実行される方法の概略図である。
【
図2】
図1の方法およびシステムの変形例の概略図である。
【
図3】
図2の方法およびシステムの変形例の概略図である。
【
図4】本開示の一態様による在庫管理システムによって実行される方法の別実施形態の概略図である。
【
図5】本開示による在庫管理システムによって実行されるデータおよび命令の例示的交換の概略図である。
【
図6】オーバーヘッドRFIDリーダーシステムを有する、本開示による在庫管理システムの概略図である。
【
図7】ハンドヘルドRFIDリーダーシステムを有する、本開示による在庫管理システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されているが、開示された実施形態は本発明の単なる例示であり、様々な形態で実施できることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された特定の詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、また、実質的にあらゆる適切な方法で本発明を様々に採用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0010】
図1は、RFIDリーダーの性能を向上させるために、本開示による在庫管理システムによって実行される動作を示す。
図1の動作を実行する在庫管理システムは、第1の(または上流の)RFIDリーダーシステムおよび第2の(または下流の)RFIDリーダーシステムを含み、それぞれがホストおよびRFIDリーダーを含むが、在庫管理システムが3つ以上のRFIDリーダーシステムを含むことは、本開示の範囲内である。各RFIDリーダーは、環境にRF信号を放射し、環境内のRFID読取可能タグからのリターンRF信号を受信することにより、複数のRFID読取可能タグ(例えば、それぞれが商品の異なる部分に関連付けられ、そのSKUおよび/または価格、または他の情報など、関連付けられた商品の部分に関する情報を含む商品タグ)と通信を試みる。2つのRFIDリーダーシステムによって監視される環境は異なっており(環境は同じように構成されていてもよいが)、RFIDリーダーは、異なるタイミングでRFID読取可能タグと通信しようと試みてもよい。
【0011】
2つのRFIDリーダーシステムのホストは、同一の構成であってもよく、または異なる構成であってもよく、新規な設計または従来の設計のいずれかに従って提供されてもよい。一つの例示的な実施形態では、ホストはプログラム可能なコンピューターであるが、各ホストが、関連するRFIDリーダー(複数可)および在庫管理システムの他のホストの少なくとも一つと通信可能であることを条件に、他の構成であってもよい。各ホストは、好ましくは、関連するRFIDリーダー(関連するRFIDリーダーが正常に通信することができたRFID読取可能タグに関するデータを有する)からデータを受信し、関連するRFIDリーダーに動作を指示する命令を提供し、他のホスト(複数可)に命令を送信し、および/または他のホストから命令を受信するようにプログラムされているが、ホストが追加の機能を含むことは本開示の範囲内である。
【0012】
図1のシナリオでは、第1のRFIDリーダーシステムは、“読取シナリオ1”として10で示された複数のRFID読取可能タグとの通信を試みる。典型的には、第1のRFIDリーダーシステムは、第1のRFIDリーダーシステムのRFIDリーダーが、典型的にはRFID読取可能タグの全てとの通信に成功するように、RFID読取可能タグが容易に通信される環境を監視する。例えば、第1のRFIDリーダーシステムによって監視される環境は、例えば、コンベア上の箱又は他のレセプタクルに含まれる複数のRFID読取可能タグと通信するトンネルリーダーを備える第1のRFIDリーダーシステムなど、RFID読取可能タグが製造され、及び/又はそれらの関連商品に取り付けられる製造施設の場所であり得る。
【0013】
RFIDリーダーは、通信に成功したRFID読取可能タグ(理想的には、すべてのRFID読取可能タグ)に関するデータを生成し、そのデータを関連付けられたホストに送信する。第1のRFIDリーダーシステムのホストは、
図1の12で“処理アルゴリズム”として示されているように、第1のRFIDリーダーからのデータに少なくとも部分的に基づいて命令を生成するための処理アルゴリズムを採用する。第1のホストによって生成された命令は、第2のRFIDリーダーシステムのホストに送信され、第2のRFIDリーダーシステムは、それらを受信し、命令を使用して、関連するRFIDリーダーの動作を変更し、
図1の14で“読取シナリオ2”として示された第2のRFIDリーダーシステムによって実行される監視を伴う。一実施形態では、「読取シナリオ1」と「読取シナリオ2」との間で、第1のRFIDリーダーシステムによって監視されていたRFID読取可能タグは、第1のRFIDリーダーシステムによって監視される環境から第2のRFIDリーダーシステムによって監視される環境に移動された。従って、同一のRFID読取可能タグが、両方のRFIDリーダーシステムによって監視される。別の実施形態では、第2のRFIDリーダーシステムは、代わりに、第1のRFIDリーダーシステムによって監視されるものと同じタイプであってもよい、異なるRFID読取可能タグを監視するタスクを有する。
【0014】
第2のRFIDリーダーシステムは、第1のRFIDリーダーによって監視される環境よりもRFID読取可能タグとの通信が容易でない環境を監視する。例えば、第2のRFIDリーダーシステムによって監視される環境は、RFID読取可能タグに関連付けられた商品が顧客の検討および購入のために陳列される店舗ショールームまたは類似の場所であってもよい。したがって、同一または類似のRFID読取可能タグが両方の環境で監視されてもよいが、第2の環境のいくつかの側面(例えば、環境自体の特性、第2のRFIDリーダーシステムの構成、RFID可読タグに関連付けられた商品の誘電特性および金属特性、および/またはRFID可読タグが環境全体に分散している方法などであってもよい)は、第2のRFIDリーダーシステムがRFID読取可能タグのすべてと正常に通信することをより困難にしている。したがって、第1のホストによって生成され、第2のホストに送信される命令は、第2のRFIDリーダーシステムによって実行される監視を改善することを意図している。特に、第1のホストは、第2のRFIDリーダーが指示のない状態で動作する場合よりも、第2のRFIDリーダーがより多くのRFID読取可能タグと正常に通信できるようにすることを意図した命令を第2のホストに提供する。したがって、第1のホストは、命令を作成する際に、第2のRFIDリーダーが通信することが困難な可能性がある特定のRFID読取可能タグを特定し、そのような通信困難なRFID読取可能タグと通信する可能性を高めるために第2のRFIDリーダーによって実行される特定の動作、および/またはそのようなRFID読取可能タグと通信する可能性を高める特定の動作を含むように第2のRFIDリーダーの動作を変更するために第2のホストによって実行されるのがよい情報を、命令内に含めることができる。
【0015】
したがって、第1のホストによって生成される命令は、特定のRFID読取可能タグとの通信における診断または予測された困難の性質に依存してもよい。例えば、第1のホストは、各RFID読取可能タグを、後方散乱、それが読み取る空間内の点、読み取り数、読み取り頻度などのさまざまな特性に関連付けることができる。これらの特性のうちの1つ以上は、命令の生成に考慮されると、例えば、読み取り困難なRFID読取可能タグに送信される信号を変更することによって、および/または第2のRFIDリーダーがそのRFID読取可能タグと通信を試みる回数を増加することによって、第2のRFIDリーダーに、特定の読取困難なRFID読取可能タグと通信を試みるアプローチを変更させる。このようにして、在庫管理システムは、“読取シナリオ2”において正常に通信されるRFID読取可能タグ(および、特定の例では、読取困難なRFID読取可能タグ)の数を増加させるという目標を達成する。
【0016】
正常に通信されたRFID読取可能なタグの数を増加させることは、本開示による在庫管理システムの典型的な目標となるが、第2のRFIDリーダーの動作は、任意の他の目標を達成するように変更されてもよいことを理解されたい。例えば、空間識別を有する「読取シナリオ2」のRFIDリーダーシステムの場合、第2のRFIDリーダーの動作は、所定の領域での読み取りを増加させるように変更されてもよい。
【0017】
図1は、本開示による在庫管理システムおよび方法の最も基本的なバージョンを例示しているが、改善および/または追加の機能性のために、多数の変更のいずれもなされてよいことを理解されたい。例えば、
図2は、
図1のシステム/方法が適応型システム/方法ではないのとは対照的に、適応型システム/方法と呼ばれるものを例示している。
図2において、第2のRFIDリーダーシステムからのフィードバックは、第1のホストによって生成される後続の命令を修正するために使用され、それにより、(第1のホストからの修正された命令を使用して)RFID読取可能タグと通信するための第2のRFIDリーダーによる後続の試みが、第2のRFIDリーダーによって正常に通信されるRFID読取可能タグの数を増加させる傾向があるようにする。
【0018】
特に、第2のホストは、RFID読取可能タグと通信を試みる際の第2のRFIDリーダーの動作を評価するようにプログラムされている。
図2の16に「目標達成?」として示されているように、第2のホストは、第2のRFIDリーダーによって識別されたRFID読取可能タグを第1のRFIDリーダーによって識別されたRFID読取可能タグと比較することによって、第2のRFIDリーダーがすべてのRFID読取可能タグと正常に通信したかどうかを検討する。第2のホストが、第2のRFIDリーダーがすべてのRFID読取可能タグと正常に通信したことを発見した場合、第2のホストは、第1のホストから第2のホストに送信された最初の命令または最新の命令に従って、第2のRFIDリーダーが動作を継続することを許可するのがよい。一方、
図2の18に示されているように、第2のホストが、第2のRFIDリーダーが全てのRFID読取可能タグと正常に通信していないことを発見した場合、第2のホストは、第2のデータを生成して第1のホストに送信するのがよい。
【0019】
その後、第1のホストは、後続の命令を生成して第2のホストに送信し、後続の命令は、第2のデータに少なくとも部分的に基づいて、第2のRFIDリーダーの動作をさらに変更して、RFID読取可能タグ(最初に監視されたのと同じRFID読取可能タグであってもよいし、異なるRFID読取可能タグであってもよい)と通信する後続の試みにおける性能をさらに向上させるようにする。代替的に、第1のホストが後続の命令を生成するのではなく、第2のホスト自体が、第2のデータを使用して第1のホストからの最初のまたは最新の命令を変更して、第2のRFIDリーダーの動作をさらに変更する後続の命令を生成することも、本開示の範囲内である。第2のホストによって実行される第2のRFIDリーダーに送信される命令の変更は、第1のホストを考慮に入れることなく第2のホストが第2のRFIDリーダーシステムの機能を改善するように動作することから、「遺伝的」テストと呼ばれることがある。
【0020】
図3は、
図2のシステム/方法の変形例を示す。
図3のシステムでは、
図2と同様に、第1のホストが第2のホストに命令を生成して送信し、第2のホストが第2のRFIDリーダーの性能を評価し、後続の命令を生成するために使用される第2のデータを生成する。第2のホストに命令を送信することに加えて、命令は、第3のRFIDリーダーシステムの一部である第3のホストにも、関連する第3のRFIDリーダーと共に送信される。第3のホストおよび第3のRFIDリーダーは、本開示のホストおよびRFIDリーダーの前述の説明に従って構成されてもよい。第2および第3のRFIDリーダーシステムは、同一または異なる構成であってもよく、第2および第3のRFIDリーダーシステムによって監視される環境は、同一または異なる構成であってもよい。
【0021】
第3のRFIDリーダーシステムは、
図2のシステム/方法の前述の説明に従って動作し、第3のホストが命令を受信し、
図3の20に「読取シナリオ3」として示されているように、命令に少なくとも部分的に基づいて第3のRFIDリーダーの動作を変更する。第3のRFIDリーダーは、その環境に存在するRFID読取可能タグと通信しようとし、第3のホストは、
図3の22に「S3達成?」として示されるように、RFID読取可能タグと通信を試みる際の第3のRFIDリーダーの動作を評価する。第3のホストが、第3のRFIDリーダーがRFID読取可能タグの全てと正常に通信したことを発見した場合、第1のホストから第3のホストに送信された最初の命令または直近の命令に従って、第3のRFIDリーダーが動作を継続することを許可するのがよい。一方、第3のホストが、第3のRFIDリーダーがRFID読取可能タグの全てと正常に通信していないことを発見した場合、第3のホストは、24で示されるように、第3のデータを生成して第1のホストに送信するのがよい。
【0022】
次いで、第1のホストは、後続の命令を生成して第2および/または第3のホストに送信し、後続の命令は、第2のデータ(第2のホストから受信した場合)および/または第3のデータ(第3のホストから受信した場合)に少なくとも部分的に基づいており、第2および/または第3のRFIDリーダーの動作をさらに変更して、RFID読取可能なタグと通信する後続の試みにおける性能をさらに向上させる。第1のホストが第2および第3のホストからデータを受信してもよいが、第1のホストによって生成された後続の命令は、他のホストよりも下流のホストの一方からのデータにより多くの重みを与えてもよい。例えば、第2の環境の監視が第3の環境の監視よりも在庫管理システムのオペレーターにとってより重要である場合、第1のホストは、後続の命令を生成する際に、第3のホストから受信したフィードバック(すなわち、第3のデータ)よりも、第2のホストから受信したフィードバック(すなわち、第2のデータ)により多くの重みを与えるようにプログラムされるのがよい。さらに、
図3は、第1のRFIDリーダーシステムから命令を受信する2つのRFIDリーダーシステムを例示しているが、2つ以上の下流のRFIDリーダーシステムが上流のRFIDリーダーシステムから命令を受信してもよく、下流のRFIDリーダーシステムのそれぞれのホストが、適宜、上流のRFIDリーダーシステムのホストにフィードバックデータを提供してもよいことを理解されたい。
【0023】
図3は、同じ命令を受信し、並列にまたは同時に動作する一対の下流のRFIDリーダーシステムを例示しているが、
図4のように、2つの下流のRFIDリーダーシステムが異なる命令を受信し、および/または順次に動作することは、本開示の範囲内である。
図4のシステム/方法では、第1および第2のRFIDリーダーシステムは、概ね
図2のシステム/方法に従って動作する。ただし、後続の命令が第2のホストに送信されるのではなく、後続の命令が代わりにRFIDリーダーシステムの第3のホストに送信され、このホストは、本開示のホストおよびRFIDリーダーの前述の説明に従って構成されるのがよい。第2および第3のRFIDリーダーシステムは、同一または異なる構成であってもよく、第2および第3のRFIDリーダーシステムによって監視される環境は、同一または異なる構成のどちらであってもよい。
【0024】
第3のRFIDリーダーシステムは、
図1の第2のRFIDリーダーシステムの前述の説明に従って動作し、第3のホストは、後続の命令を受信し、
図4の26に「シナリオ3」として示されているように、命令に少なくとも部分的に基づいて第3のRFIDリーダーの動作を変更する。
図3は、第1のホストから異なる命令を受信して(任意に)動作する2つの下流のRFIDリーダーシステムのみを示しているが、在庫管理システム/方法は、第1のホストから異なる命令を受信して(任意に)順次動作する3つ以上の下流のRFIDリーダーシステムを含んでもよいことを理解されたい。例えば、第3のホストは、第3のRFIDリーダーの動作を評価し、第3のデータを第1のホストに送信するようにプログラムされてもよい。次に、第1のホストは、第3のデータに少なくとも部分的に基づいて更なる命令を生成し、さらなる命令(他の下流のRFIDリーダーシステムのホストに送信される命令とは異なるものであってもよい)を第4のRFIDリーダーシステムのホストに送信してもよく、第4のRFIDリーダーシステムは本明細書に記載されている下流のRFIDリーダーシステムのいずれかと同様に構成されてもよい。第4のRFIDリーダーシステムのホストは、さらなる命令に少なくとも部分的に基づいて、関連する第4のRFIDリーダーの動作を変更し、任意選択的に第5のホストのための追加の命令を生成するためのフィードバックを第1のホストに提供し、以下同様である。
【0025】
上述したように、第1のホストは、下流のRFIDリーダーシステムの1つ以上の命令を生成する際に、下流のRFIDリーダーシステムの多数のホストのいずれからでもデータを受信することができる。
図5は、命令を生成するために第1のホスト30によって実行されるアルゴリズム28が、入力として、多数のソースS1、S2、S3、S4、S5、およびS6からデータを受信するような構成を例示しており、ソースのうちのいくつかまたはすべては、下流のRFIDリーダーシステムのホストであってもよく、またはそのうちのいくつかまたはすべては、何らかの他の性質のデータソースであってもよい。例示的なデータソースは、生産テストシステム、プリンタエンコードシステム、トンネル読取システム、ポータル読取システム、オーバーヘッド読取システム、ハンドヘルド読取システム、販売時点での読取システム、および店舗出口での読取システムを含む。第1のホスト30は、様々なデータソースS1~S6から受信したデータに同じ重みを与えてもよいし、異なる重みを与えてもよい。
【0026】
(
図5の配置において、または本開示に従う他の在庫管理システム/方法において)下流ホストおよび/またはそれ自体の関連するRFIDリーダーから第1のホスト30に送信されるデータは、所定のRFID読取可能タグの読取数、所定のRFID読取可能タグが読み取られた電力、所定のRFID読取可能タグの後方散乱、および監視されている環境における所定のRFID読取可能タグの位置を含んでもよい。データはまた、読取パラメータが発生する周波数(特に、調整可能な周波数を有するRFIDリーダーシステムの場合)、アンテナに対する読取パラメータ(トンネルなどの複数のアンテナを有するRFIDリーダーシステムの場合)、読取パラメータが達成された動作電力、および読取パラメータが発生した二次元または三次元の位置(特に、走査またはマルチアンテナシステムの場合)を含んでもよい。他のタイプのデータもまた、本開示の範囲から逸脱することなく、命令を生成するために採用されてもよく、および/または代替的に採用されてもよい。
【0027】
前記(または他の情報)のうちの1つ以上は、アルゴリズム28のための入力として使用される要因であってもよく、読取性を高めるために特別な処理を必要とするRFID読取可能タグのグループまたは個々のRFID読み取り可能タグに指示され得る命令を生成するのがよい。(
図5の構成において、または本開示に従う他の在庫管理システム/方法において)下流のRFIDリーダーシステムのホストに発行される命令は、例えば、関連するRFIDリーダーが動作する周波数、関連するRFIDリーダーが動作する電力、関連するRFIDリーダーのアンテナを向ける方向、RFIDリーダーによって監視される環境の範囲、および/または関連するRFIDリーダーが所定のRFID読取可能タグと通信を試みる回数などに対する変更(該当する場合)を含み得る。命令は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のおよび/または追加の変更を含んでもよい。
【0028】
図6は、一般的に32で示されるように、本開示による例示的な在庫管理システムを示す。
図6の実施形態では、第1のRFIDリーダーシステム(一般に34で示されている)は、第1のホスト36と第1のRFIDリーダー38とを含み、第1のRFIDリーダー38は、コンベア44に沿って移動するコンテナ42内のRFID読取可能タグと通信するために使用される一対のアンテナ40を含むものとして示されている。したがって、コンベア44またはその一部は、第1のRFIDリーダーシステム34によって監視されている環境である。上述したように、RFIDリーダー38は、正常に通信した各RFID読取可能タグに関連するデータセットを生成し、それは、最適なアンテナ、周波数、全体的な読み取り数、後方散乱、コンベア44に沿った位置などをマトリクス内に含むことができる。データは、第1のホスト36によって処理され、ホスト36は、第2のRFIDリーダーシステム(一般的には46で示される)用の命令セットを生成するためのアルゴリズムを適用する。
【0029】
第2のRFIDリーダーシステム46は、オーバーヘッドRFIDリーダーシステムとして図示されており、顧客の検討および購入のために陳列されている商品48に複数のRFID読取可能タグが関連付けられている小売店のフロアスペースの全部または一部を含む環境を監視する。第2のRFIDリーダーシステム46は、第2のホスト50と、複数のアンテナ54を含むように示されている第2のRFIDリーダー52とを含む。第2のホスト50は、ローカル接続(例えば、第1の環境が店舗の奥の部屋に配置され、第2の環境が同じ店舗の前の部屋に配置されている場合)、またはインターネットなどを介した長距離接続(例えば、2つの環境が共同で配置されていない場合、これは異なる国に配置されていることを含んでもよい)を含み得る任意の適切な通信形式によって、第1のホスト36からの命令を受信する。第2のホスト50は、第1のホスト36からの命令を使用して、その環境内のRFID読取可能タグと通信しようとしている第2のRFIDリーダー52の動作を変更する。その意図は、本明細書に記載された原理に従って、第2のRFIDリーダー52が正常に通信することができるRFID読取可能タグの数を増加させる命令のためである。
【0030】
図7は、一般的に56で示されるように、本開示による在庫管理システムの別の例示的な実施形態を示す。
図7の実施形態では、第1のRFIDリーダーシステム(一般的に58で示される)は、第1のホスト60と第1のRFIDリーダー62とを含み、第1のRFIDリーダー62は、製造試験の一部として複数のRFID読取可能タグと通信を試みるインライン試験システムとして構成されている。上述したように、RFIDリーダー62は、正常に通信した各RFID読取可能タグに関連するデータセットを生成し、このデータは、第2のRFIDリーダーシステム64用の命令セットを生成するために第1のホスト60によって処理される。
【0031】
第2のRFIDリーダーシステム64は、ハンドヘルドRFIDリーダーシステムとして図示されている。第2のRFIDリーダーシステム64は、ハンドヘルドデバイスに組み込まれた第2のホストと第2のRFIDリーダーとを含み、環境を監視するためにオペレーター66(例えば、店舗の従業員)によって携帯され得る。図示された実施形態では、ハンドヘルド装置は、顧客の検討および購入のために陳列されている商品「A」、「B」、および「C」に複数のRFID読取可能タグが関連付けられている小売店のフロアスペースの全部または一部を監視するために使用される。
【0032】
第2のホストは、第1のホスト58から命令を受信し、第1のホスト58からの命令を使用して、第2のRFIDリーダーがその環境内のRFID読取可能タグと通信を試みる際の第2のRFIDリーダーの動作を変更する。その意図は、本明細書に記載された原理に従って、第2のRFIDリーダーが正常に通信することができるRFID読取可能タグの数を増加させることである。オペレーター66は、典型的には、商品「A」、「B」、「C」が環境内のどこに位置しているかを知っており、それゆえ関連するRFID読取可能タグはその環境内に存在するので、典型的には、環境内に存在するRFID読取可能タグは見つけて読み取るために信頼され得るが、第2のRFIDリーダーの動作を変更することは、オペレーターの努力を補完することができる。例えば、命令は、第2のRFIDリーダーが、特別な処理を必要とするRFID読取可能タグと同じ製品タイプに関連付けられたRFID読取可能タグと通信しているときに認識するように、第2のRFIDリーダーの動作を変更するのがよい。読み取り困難なタグの近傍にあることを認識すると、第2のRFIDリーダーの動作は、その後、その特定のRFID読取可能タグと正常に通信する可能性を高めるように、その特定のRFID読取可能タグに関連付けられた命令に従ってさらに変更されるのがよい。
【0033】
本開示による在庫管理システム/方法の性能は、下流のRFIDリーダーシステムのためのすべての可能な設定に関して、第1のRFIDリーダーシステムによって測定されたすべてのパラメータを考慮し、相関関係を探すことによって、最適化されるかまたは少なくとも改善され得る。データを収集するために、例えば
図6のオーバーヘッドシステム上で複数の設定を実行することは、初期開始点に基づいており、相関処理は、典型的には、店舗が閉店している夜間などの「デッドタイム」において実行される。相関結果は、第1のホストによって採用されるアルゴリズムを適応させることができると共に、第1のRFIDリーダーシステムによって収集されるデータを変更することもできる。例えば、第1のRFIDリーダーシステムによって測定されたRFID読取可能タグからの後方散乱が、下流のRFIDリーダーシステムの性能の品質に弱く関連していることが示され、第1のRFIDリーダーシステムによる後方散乱の測定にさらに時間がかかる場合、第1のRFIDリーダーシステムは、後方散乱データのさらなる収集を中止するのがよい。
【0034】
上述の実施形態は、本主題の原理の適用例のいくつかを例示していることが理解されるであろう。本願に個別に開示または特許を請求されている特徴の組み合わせを含む、特許請求の範囲に記載された主題の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの変更がなされ得る。これらの理由により、本主題の範囲は、上記の説明に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に記載されるものであり、特許請求の範囲は、本願において個別に開示または特許を請求する特徴の組み合わせを含めて、本願の特徴に向けられ得ることが理解される。