(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】腫瘍浸潤リンパ球の有益な投与を決定するシステム及び方法並びにその使用方法、並びに腫瘍浸潤リンパ球の有益な投与及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20241004BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20241004BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20241004BHJP
G01N 33/15 20060101ALI20241004BHJP
G01N 27/62 20210101ALI20241004BHJP
G16H 50/50 20180101ALI20241004BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20241004BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241004BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20241004BHJP
【FI】
G16H50/20
G01N33/68 ZNA
G01N33/50 Z
G01N33/15 Z
G01N27/62 V
G16H50/50
A61K35/17
A61P35/00
C07K16/28
(21)【出願番号】P 2020532647
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(86)【国際出願番号】 US2018065745
(87)【国際公開番号】W WO2019118873
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-12-09
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519006377
【氏名又は名称】アイオバンス バイオセラピューティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファーディス,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ローダー,ハインリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ローダー,ジョアナ
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/054031(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/089553(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0244133(US,A1)
【文献】国際公開第2016/053338(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/154065(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/040789(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/013129(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0285817(US,A1)
【文献】国際公開第2017/075451(WO,A1)
【文献】特表2011-523473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
G01N 33/68
G01N 33/50
G01N 33/15
G01N 27/62
G16H 50/50
A61K 35/17
A61P 35/00
C07K 16/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために前記対象実体をスクリーニングするシステムであって、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサによってアドレス指定可能なメモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される少なくとも1つのプログラムを格納するメモリとを含み、前記少なくとも1つのプログラムは、
A)第1の時点において前記対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;
B)前記対象実体の前記第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより前記対象実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること
であって、前記第1の階層訓練済みモデルパネルは、各訓練実体が病態を有する複数の訓練実体に相当する訓練セットであって、各個別の訓練実体について、(i)前記個別の訓練実体の試料からのコンピュータ可読分析用シグネチャ、及び、(ii)腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することが前記病態に及ぼした効果と、を含む訓練セットを入手し、前記訓練セットを使用して1つ以上のモデルを訓練することにより形成される、入手すること、;及び
C)前記第1の訓練済みモデル出力値に基づいて前記対象実体をtime-to-eventクラスの列挙されたセット中のtime-to-eventクラスで分類することであって、前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、前記対象実体が前記第1の特性を有する異なる可能性に関連し、前記第1の特性は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することの、前記対象実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む、分類すること
のための命令を含む、システム。
【請求項2】
前記取得することA)は、スペクトロメータを使用して、前記試料の選択されたm/zの値を取得することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記取得することA)は、スペクトロメータを使用して、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットにわたる前記試料の選択されたm/zの積分値を取得し、それにより前記第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、表16から選択される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記スペクトロメータは、ポジティブイオンモードで実行されるマススペクトロメータである、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記取得することA)は、スペクトロメータを使用して、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる前記試料の積分m/z値を取得し、それにより前記第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成することを含み、
前記第1の階層訓練済みモデルパネルは、複数の第1の主分類器を含み;及び
前記
対象実体の前記第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを前記第1の階層訓練済みモデルパネルに前記入力することは、
(i)前記複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器に前記第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを供給し、それにより複数の第1の成分出力値中の前記個別の第1の主分類器の対応する第1の成分出力値を入手すること、及び
(ii)前記複数の第1の成分出力値を組み合わせて、前記
対象実体についての前記第1の訓練済みモデル出力値を形成すること
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプログラムは、
前記組み合わせること(ii)の前に前記複数の第1の成分出力値中のそれぞれの第1の成分出力値にカットオフ閾値を適用すること
のための命令を更に含み、及び
前記複数の第1の成分出力値を組み合わせて、前記対象実体についての前記第1の訓練済みモデル出力値を前記形成すること(ii)は、前記対象実体についての前記第1の訓練済みモデル出力値を形成するための、前記複数の第1の成分出力値にわたる重みなし投票を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器は、複数の小分類器のロジスティック式を含み、及び
前記複数の小分類器中の各個別の小分類器は、前記個別の小分類器に対応する前記m/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを用いて前記ロジスティック式に寄与する、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、前記第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、前記個別の小分類器に対応する前記m/z範囲の複数の所定のサブセットの前記一意のサブセットを適用することにより、前記ロジスティック式に寄与し、及び
前記異なるテストセットは、第1の複数のテスト実体と、前記第1の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)前記個別のテスト実体からのテスト試料からの前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各m/zサブセットにわたる測定値、及び(ii)前記個別のテスト実体についての前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記最近傍分析は、k最近傍分析であり、ここで、kは、正の整数である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器は、異なる複数の小分類器の異なるロジスティック式を含み、及び
前記複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器についての前記異なる複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、複数のテストセット中の異なるテストセットであって、前記個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、前記個別の小分類器に対応する前記m/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、前記対応するロジスティック式に寄与し、及び
前記個別の第1の主分類器に関連する前記異なるテストセットは、個別の複数のテスト実体と、前記個別の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる前記個別に複数のテスト実体中の個別のテスト実体からのテスト試料の積分m/z測定値、及び(ii)前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のテストセット中の各個別のテストセット間に部分的重複がある、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中のm/z範囲のそれぞれの所定のサブセットは、表21の列1に提供されるm/z値を中心とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも10個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも40個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項16】
前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも80個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項17】
前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも120個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項18】
前記取得することA)は、
第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる前記試料の積分m/z値を取得し、それにより前記第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成すること、及び
第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる前記試料の積分m/z値を取得し、それにより第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成すること
を含み、及び
前記分類することC)は、
前記第1の訓練済みモデル出力値が第1の値範囲内にあるとき、前記対象実体を前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の第1のtime-to-eventクラスで分類すること;及び
前記第1の訓練済みモデル出力値が第2の値範囲内にあるとき、フォローアップ手順を実施すること
を含み、前記フォローアップ手順は、
i)前記対象実体の前記第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを第2の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより前記
対象実体についての第2の訓練済みモデル出力値を入手すること;及び
ii)前記第2の訓練済みモデル出力値に基づいて前記対象実体を前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中のtime-to-eventクラスで分類すること
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の階層訓練済みモデルパネルは、複数の第1の主分類器を含み;及び
前記対象実体の前記第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを前記第1の階層訓練済みモデルパネルに前記入力することは、
(i)前記複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器に前記第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを供給し、それにより複数の第1の成分出力値中の前記個別の第1の主分類器の対応する第1の成分出力値を入手すること、及び
(ii)前記複数の第1の成分出力値を組み合わせて、前記
対象実体についての前記第1の訓練済みモデル出力値を形成すること
を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の階層訓練済みモデルパネルは、複数の第2の主分類器を含み;及び
前記対象実体の前記第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを前記第2の階層訓練済みモデルパネルに前記入力することは、
(i)前記複数の第2の主分類器中の各個別の第2の主分類器に前記第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを供給し、それにより複数の第2の成分出力値中の前記個別の第2の主分類器の対応する第2の成分出力値を入手すること、及び
(ii)前記複数の第2の成分出力値を組み合わせて、前記
対象実体についての前記第2の訓練済みモデル出力値を形成すること
を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプログラムは、
前記複数の第2の成分出力値を前記組み合わせること(ii)の前に前記複数の第2の成分出力値中のそれぞれの第2の成分出力値にカットオフ閾値を適用すること
のための命令を更に含み、及び
前記複数の第2の成分出力値を組み合わせて、前記
対象実体についての前記第2の訓練済みモデル出力値を前記形成すること(ii)は、前記
対象実体についての前記第2の訓練済みモデル出力値を形成するための、前記複数の第2の成分出力値にわたる重みなし投票を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器は
、第1の複数の小分類器の第1のロジスティック式を含み、
前記第1の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、前記個別の小分類器に対応する前記m/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを使用して前記第1のロジスティック式に寄与し、
前記複数の第2の主分類器中の個別の第2の主分類器は、前記第2の複数の小分類器の第2のロジスティック式を含み、及び
前記第2の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、前記個別の小分類器に対応する前記m/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを使用して前記第2のロジスティック式に寄与する、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、前記第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、前記個別の小分類器に対応する前記m/z範囲の複数の所定のサブセットの前記一意のサブセットを適用することにより、前記第1のロジスティック式に寄与し、
前記異なるテストセットは、第1の複数のテスト実体と、前記第1の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける前記個別のテスト実体からのテスト試料の選択されたm/zについての測定値、及び(ii)前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含み、
前記第2の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、前記第2の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、前記個別の小分類器に対応する前記m/z範囲の複数の所定のサブセットの前記一意のサブセットを適用することにより、前記第2のロジスティック式に寄与し、
前記異なるテストセットは、第2の複数のテスト実体と、前記第2の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける前記個別のテスト実体からのテスト試料の前記選択されたm/zについての測定値、及び(ii)前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記最近傍分析は、k最近傍分析であり、ここで、kは、正の整数である、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器は、異なる複数の小分類器の異なるロジスティック式を含み、及び
前記複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器についての前記異なる複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第1の複数のテストセット中の異なるテストセットであって、前記個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、前記個別の小分類器に対応する前記m/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、前記第1のロジスティック式に寄与し、
前記個別の第1の主分類器に関連する前記異なるテストセットは、個別の複数のテスト実体と、前記複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける前記個別に複数のテスト実体中の個別のテスト実体からのテスト試料の前記選択されたm/zについての測定値、及び(ii)前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含み、
前記複数の第2の主分類器中の各個別の第2の主分類器は、異なる複数の小分類器の異なるロジスティック式を含み、及び
前記複数の第2の主分類器中の個別の第2の主分類器についての前記異なる複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第2の複数のテストセット中の異なるテストセットであって、前記個別の第2の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、前記個別の小分類器に対応する前記m/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、前記第2のロジスティック式に寄与し、
前記個別の第2の主分類器に関連する前記異なるテストセットは、個別の複数のテスト実体と、前記個別の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける前記個別に複数のテスト実体中の個別のテスト実体からのテスト試料の前記選択されたm/zについての測定値、及び(ii)前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中のm/z範囲のそれぞれの所定のサブセットは、表21の列1に提供されるm/z値を中心とし、及び
前記第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中のm/z範囲のそれぞれの所定のサブセットは、表21の列2に提供されるm/z値を中心とする、請求項18~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも10個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、及び
前記第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも4個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも40個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、及び
前記第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも8個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも80個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、及び
前記第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも12個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも120個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、及び
前記第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも16個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする、請求項26に記載のシステム。
【請求項31】
前記取得することA)は、電気泳動又はクロマトグラフィーにより、前記試料の特性値を導き出すことを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記time-to-eventクラスの列挙されたセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)からなる、請求項1~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記time-to-eventクラスの列挙されたセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
good、late又はplus (+)クラスについての前記識別可能な効果は、前記第1の時点で始まる第1のエピックにわたる前記
対象実体の無増悪生存であり、及び
前記第1のエピックは、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月及び60ヵ月超からなる群から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記good、late又はplus (+)クラスについての前記識別可能な効果は、所定の閾値レベルを上回る可能性で起こる、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記所定の閾値レベルは、50パーセント、60パーセント、70パーセント、80パーセント又は90パーセントである、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記TIL集団を前記提供することは、前記病態に対する前記TIL集団による
療法を前記病態に対する別の療法
と同時
に提供することを更に含む、請求項1~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記time-to-eventクラスの列挙されたセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)からなり、及び
前記訓練セットは、前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の各クラスについて異なる複数の訓練実体を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項39】
前記time-to-eventクラスの列挙されたセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)を含み、及び
前記訓練セットは、前記time-to-eventクラスの列挙されたセット中の各クラスについて異なる複数の訓練実体を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項40】
前記訓練セットは、
TILを提供されたことがあり且つ第1の期間にわたって病態増悪を有さなかった
訓練実体の第1のサブセット、
TILを提供されたことがあり且つ第2の期間にわたって病態増悪を有さなかった
訓練実体の第2のサブセット、及び
TILを提供されたことがあり且つ第3の期間にわたって病態増悪を有さなかった
訓練実体の第3のサブセット
を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1の期間、前記第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年及び5年超からなる群から選択される、請求項
40に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1の期間、前記第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月及び60ヵ月超からなる群から選択される、請求項
40に記載のシステム。
【請求項43】
前記対象実体は、ヒトであり、及び前記
対象実体の前記試料は、前記
対象実体からの血清試料又は血漿試料である、請求項1~
42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前
記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群又は急性期タンパク質機能群と相関又は逆相関する、請求項3に記載のシステム。
【請求項45】
前
記m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関する、請求項3に記載のシステム。
【請求項46】
前記病態は、癌である、請求項1~
45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項47】
前記病態は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される、請求項1~
45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記病態は、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER
+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR
+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2
+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER
+/PR
+/HER2
+)、トリプルネガティブ乳癌(ER
-/PR
-/HER2
-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される、請求項1~
45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1の階層訓練済みモデルパネルは、単一のサポートベクターマシンからなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項50】
前記第1の階層訓練済みモデルパネルは、複数のサポートベクターマシンからなる、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
[0001] 本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することの、ある実体に関連する病態に対する効果、例えば腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することの、癌を有する対象に対する効果を決定及び予測するシステム及び方法を提供する。本システム及び方法は、実体の試料からコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること、コンピュータ可読分析用シグネチャを階層訓練済みモデルパネルに入力することにより、実体についての訓練済みモデル出力値を入手すること、及び訓練済みモデル出力値に基づいて実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することであって、time-to-eventクラスの各々は、実体にTIL集団を提供することの異なる効果に関連する、分類することに依存する。本発明は、治療上有効なTIL集団を患者に投与することにより、患者の癌を治療する方法も提供し、患者は、同時に、TILを投与されたことのある他の癌患者との比較でTILの投与から利益を受ける可能性が高いと決定される。かかる治療方法は、患者から腫瘍断片を入手すること、腫瘍断片を1つ以上の細胞培養培地と接触させ、それにより腫瘍中に存在するTIL集団の1回以上の拡大培養を実施すること、及び1つ以上の後続のTIL集団を作製することを含む。本発明は、本明細書に記載されるタンパク質又はタンパク質群など、様々な生物学的マーカーの増加又は低下した発現レベルを呈する患者の癌を治療する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
[0002] 腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の自家養子移入を用いた大型難治性癌の治療は、予後不良の患者に対する強力な治療手法に相当する。Gattinoni, et al., Nat. Rev. Immunol. 2006, 6, 383-393。TILは、T細胞が優勢であり、IL-2ベースのTIL拡大培養と、それに続く「迅速拡大培養法」(REP)が、その速さ及び効率からTIL拡大培養に好ましい方法となっている。Dudley, et al., Science 2002, 298, 850-54;Dudley, et al., J. Clin. Oncol. 2005, 23, 2346-57;Dudley, et al., J. Clin. Oncol. 2008, 26, 5233-39;Riddell, et al., Science 1992, 257, 238-41;Dudley, et al., J. Immunother. 2003, 26, 332-42。黒色腫におけるTIL療法への奏効を改善し、TIL療法を他の腫瘍型に拡大する幾つもの手法が研究されているが、成功が限られており、この領域は、依然として難題である。Goff, et al., J. Clin. Oncol. 2016, 34, 2389-97;Dudley, et al., J. Clin. Oncol. 2008, 26, 5233-39;Rosenberg, et al., Clin. Cancer Res. 2011, 17, 4550-57。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
[0003] 本開示の一態様は、癌患者が、T細胞集団の単独又は別の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する方法を提供し、この方法は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ、T細胞を投与されたことのある他の癌患者群からの試料のクラスラベル付き分析用シグネチャの訓練セットとその分析用シグネチャを比較するステップ及び試料をクラスラベルで分類するステップを含む。一部のかかる実施形態において、クラスラベルは、患者が、T細胞の単独又は他の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する。一部のかかる実施形態において、T細胞を投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、完全奏効、部分奏効、無奏効、安定した病勢又は増悪する病勢を達成している。一部の実施形態において、T細胞を投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって疾患増悪を有していない。一部の実施形態において、T細胞を投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存を達成している。例えば、一部の実施形態において、クラスラベルは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)又はminus (-)である。一部の実施形態において、クラスラベルgood、late又はplus (+)は、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間に関連する。一部のかかる実施形態において、例えば、試料がgood、late又はplus (+)に分類された患者は、T細胞集団の投与から利益を受ける可能性が高い。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法、電気泳動法又はクロマトグラフィー法によって入手される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法によって入手され、且つ選択された質量スペクトル特徴量の既定のm/z範囲にわたる積分値を含む。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群又は急性期タンパク質機能群と相関又は逆相関する。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関する。
【0004】
[0004] 本開示の一態様は、癌患者が、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団の単独又は別の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する方法を提供し、この方法は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ、TILを投与されたことのある他の癌患者群からの試料のクラスラベル付き分析用シグネチャの訓練セットとその分析用シグネチャを比較するステップ及び試料をクラスラベルで分類するステップを含む。一部のかかる実施形態において、クラスラベルは、患者が、TILの単独又は他の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する。一部のかかる実施形態において、TILを投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、完全奏効、部分奏効、無奏効、安定した病勢又は増悪する病勢を達成している。一部の実施形態において、TILを投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって疾患増悪を有していない。一部の実施形態において、TILを投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存を達成している。例えば、一部の実施形態において、クラスラベルは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)又はminus (-)である。一部の実施形態において、クラスラベルgood、late又はplus (+)は、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間に関連する。一部のかかる実施形態において、例えば、試料がgood、late又はplus (+)に分類された患者は、TIL集団の投与から利益を受ける可能性が高い。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法、電気泳動法又はクロマトグラフィー法によって入手される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法によって入手され、且つ選択された質量スペクトル特徴量の既定のm/z範囲にわたる積分値を含む。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群又は急性期タンパク質機能群と相関又は逆相関する。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関する。
【0005】
[0005] 一実施形態において、本発明は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングするシステムに関し、このシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによってアドレス指定可能なメモリであって、少なくとも1つのプロセッサによって実行される少なくとも1つのプログラムを格納するメモリとを含み、少なくとも1つのプログラムは、A)第1の時点において対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;B)対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することのための命令を含み、ここで、列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連し、ここで、第1の特性は、T細胞集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一実施形態において、取得することは、スペクトロメータを使用して、試料の選択されたm/zの値を取得することを含む。一実施形態において、取得することは、スペクトロメータを使用して、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットにわたる試料の選択されたm/zの積分値を取得し、それにより第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成することを含む。一実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、表16から選択される。一実施形態において、スペクトロメータは、ポジティブイオンモードで実行されるマススペクトロメータである。
【0006】
[0006] 一実施形態において、本発明は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングするシステムに関し、このシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによってアドレス指定可能なメモリであって、少なくとも1つのプロセッサによって実行される少なくとも1つのプログラムを格納するメモリとを含み、少なくとも1つのプログラムは、A)第1の時点において対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;B)対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することのための命令を含み、ここで、列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連し、ここで、第1の特性は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。一実施形態において、取得することは、スペクトロメータを使用して、試料の選択されたm/zの値を取得することを含む。一実施形態において、取得することは、スペクトロメータを使用して、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットにわたる試料の選択されたm/zの積分値を取得し、それにより第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成することを含む。一実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、表16から選択される。一実施形態において、スペクトロメータは、ポジティブイオンモードで実行されるマススペクトロメータである。
【0007】
[0007] 一部の実施形態において、取得することA)は、スペクトロメータを使用して、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる試料の積分m/z値を取得し、それにより第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成することを含み、第1の階層訓練済みモデルパネルは、複数の第1の主分類器を含み;及び実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力することは、(i)複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器に第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを供給し、それにより複数の第1の成分出力値中の個別の第1の主分類器の対応する第1の成分出力値を入手すること、及び(ii)複数の第1の成分出力値を組み合わせて、実体についての第1の訓練済みモデル出力値を形成することを含む。
【0008】
[0008] 一部の実施形態において、少なくとも1つのプログラムは、組み合わせること(ii)の前に複数の第1の成分出力値中のそれぞれの第1の成分出力値にカットオフ閾値を適用することのための命令を更に含み、複数の第1の成分出力値を組み合わせて、対象実体についての第1の訓練済みモデル出力値を形成すること(ii)は、対象実体についての第1の訓練済みモデル出力値を形成するための、複数の第1の成分出力値にわたる重みなし投票を含む。
【0009】
[0009] 一実施形態において、複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器は、複数の小分類器のロジスティック式を含み、複数の小分類器中の各個別の小分類器は、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを使用してロジスティック式に寄与する。一実施形態において、複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、ロジスティック式に寄与し、異なるテストセットは、第1の複数のテスト実体と、第1の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)個別のテスト実体からのテスト試料からのm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各m/zサブセットにわたる測定値、及び(ii)個別のテスト実体についての列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む。一実施形態において、最近傍分析は、k最近傍分析であり、ここで、kは、正の整数である。一実施形態において、複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器は、異なる複数の小分類器の異なるロジスティック式を含み、複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器についての異なる複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、複数のテストセット中の異なるテストセットであって、個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、対応するロジスティック式に寄与し、個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットは、個別の複数のテスト実体と、個別の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる個別に複数のテスト実体中の個別のテスト実体からのテスト試料の積分m/z測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む。一実施形態において、複数のテストセット中の各個別のテストセット間に部分的重複がある。
【0010】
[0010] 一実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中のm/z範囲のそれぞれの所定のサブセットは、表21の列1に提供されるm/z値を中心とする。一実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも10個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも40個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも80個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも120個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。
【0011】
[0011] 一部の実施形態において、取得することA)は、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる試料の積分m/z値を取得し、それにより第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成すること、及び第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる試料の積分m/z値を取得し、それにより第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成することを含み、及び分類することC)は、第1の訓練済みモデル出力値が第1の値範囲内にあるとき、対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中の第1のtime-to-eventクラスで分類すること;及び第1の訓練済みモデル出力値が第2の値範囲内にあるとき、フォローアップ手順を実施することを含み;ここで、フォローアップ手順は、i)対象実体の第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを第2の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第2の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びii)第2の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することを含む。一実施形態において、第1の階層訓練済みモデルパネルは、複数の第1の主分類器を含み;及び対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力することは、(i)複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器に第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを供給し、それにより複数の第1の成分出力値中の個別の第1の主分類器の対応する第1の成分出力値を入手すること、及び(ii)複数の第1の成分出力値を組み合わせて、実体についての第1の訓練済みモデル出力値を形成することを含む。一実施形態において、第2の階層訓練済みモデルパネルは、複数の第2の主分類器を含み;及び対象実体の第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを第2の階層訓練済みモデルパネルに入力することは、(i)複数の第2の主分類器中の各個別の第2の主分類器に第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを供給し、それにより複数の第2の成分出力値中の個別の第2の主分類器の対応する第2の成分出力値を入手すること、及び(ii)複数の第2の成分出力値を組み合わせて、実体についての第2の訓練済みモデル出力値を形成することを含む。一実施形態において、少なくとも1つのプログラムは、複数の第2の成分出力値を組み合わせること(ii)の前に複数の第2の成分出力値中のそれぞれの第2の成分出力値にカットオフ閾値を適用することのための命令を更に含み、及び複数の第2の成分出力値を組み合わせて、実体についての第2の訓練済みモデル出力値を形成すること(ii)は、実体についての第2の訓練済みモデル出力値を形成するための、複数の第2の成分出力値にわたる重みなし投票を含む。一実施形態において、複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器は、第1の複数の小分類器の第1のロジスティック式を含み、第1の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを使用して第1のロジスティック式に寄与し、複数の第2の主分類器中の個別の第2の主分類器は、第2の複数の小分類器の第2のロジスティック式を含み、第2の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを使用して第2のロジスティック式に寄与する。一実施形態において、第1の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、第1のロジスティック式に寄与し、異なるテストセットは、第1の複数のテスト実体と、第1の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける個別のテスト実体からのテスト試料の選択されたm/zについての測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含み、第2の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第2の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、第2のロジスティック式に寄与し、異なるテストセットは、第2の複数のテスト実体と、第2の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける個別のテスト実体からのテスト試料の選択されたm/zについての測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む。一実施形態において、最近傍分析は、k最近傍分析であり、ここで、kは、正の整数である。
【0012】
[0012] 一部の実施形態において、複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器は、異なる複数の小分類器の異なるロジスティック式を含み、及び複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器についての異なる複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第1の複数のテストセット中の異なるテストセットであって、個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、第1のロジスティック式に寄与し、個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットは、個別の複数のテスト実体と、複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける個別に複数のテスト実体中の個別のテスト実体からのテスト試料の選択されたm/zについての測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含み、複数の第2の主分類器中の各個別の第2の主分類器は、異なる複数の小分類器の異なるロジスティック式を含み、複数の第2の主分類器中の個別の第2の主分類器についての異なる複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第2の複数のテストセット中の異なるテストセットであって、個別の第2の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、第2のロジスティック式に寄与し、個別の第2の主分類器に関連する異なるテストセットは、個別の複数のテスト実体と、個別の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける個別に複数のテスト実体中の個別のテスト実体からのテスト試料の選択されたm/zについての測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む。
【0013】
[0013] 一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中のm/z範囲のそれぞれの所定のサブセットは、表21の列1に提供されるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中のm/z範囲のそれぞれの所定のサブセットは、表21の列2に提供されるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも10個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも4個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも40個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも8個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも80個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも12個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも120個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも16個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする。
【0014】
[0014] 一部の実施形態において、取得することA)は、電気泳動又はクロマトグラフィーにより、試料の特性値を導き出すことを含む。一部の実施形態において、列挙型クラスセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)からなる。一部の実施形態において、列挙型クラスセットには、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)が含まれる。一部の実施形態において、good、late又はplus (+)クラスについての識別可能な効果は、第1の時点で始まる第1のエピック(epic)にわたる実体の無増悪生存であり、第1のエピックは、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月及び60ヵ月超からなる群から選択される。一部の実施形態において、good、late又はplus (+)クラスについての識別可能な効果は、所定の閾値レベルを上回る可能性で起こる。一部の実施形態において、所定の閾値レベルは、50パーセント、60パーセント、70パーセント、80パーセント又は90パーセントである。一部の実施形態において、T細胞集団を提供することは、病態に対するT細胞集団による別の療法を同時提供することを更に含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一部の実施形態において、TIL集団を提供することは、病態に対するTIL集団による別の療法を同時提供することを更に含む。
【0015】
[0015] 一部の実施形態において、少なくとも1つのプログラムは、入力することB)の前に1つ以上のモデルを訓練して、それにより第1の階層訓練済みモデルを形成することのための命令を更に含む。一実施形態において、訓練することは、複数の訓練実体に相当する訓練セットを入手することであって、複数の訓練実体中の各訓練実体は、病態を有し、及び各個別の訓練実体について、訓練セットは、(i)個別の訓練実体の試料からのコンピュータ可読分析用シグネチャ、及び(ii)TIL集団を提供することの病態に対する効果を含む、入手することと、訓練セットを使用して1つ以上のモデルを訓練して、それにより第1の階層訓練済みモデルパネルを形成することとを含む。一実施形態において、列挙型クラスセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)からなり、訓練セットは、列挙型クラスセット中の各クラスについて異なる複数の訓練実体を含む。一実施形態において、列挙型クラスセットには、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)が含まれ、訓練セットは、列挙型クラスセット中の各クラスについて異なる複数の訓練実体を含む。
【0016】
[0016] 一部の実施形態において、訓練セットは、T細胞を提供されたことがあり且つ第1の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第1のサブセットと、T細胞を提供されたことがあり且つ第2の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第2のサブセットと、T細胞を提供されたことがあり且つ第3の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第3のサブセットとを含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一実施形態において、第1の期間、第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年及び5年超からなる群から選択される。一実施形態において、第1の期間、第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月及び60ヵ月超からなる群から選択される。
【0017】
[0017] 一部の実施形態において、訓練セットは、TILを提供されたことがあり且つ第1の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第1のサブセットと、TILを提供されたことがあり且つ第2の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第2のサブセットと、TILを提供されたことがあり且つ第3の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第3のサブセットとを含む。一実施形態において、第1の期間、第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年及び5年超からなる群から選択される。一実施形態において、第1の期間、第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月及び60ヵ月超からなる群から選択される。
【0018】
[0018] 一部の実施形態において、対象実体は、ヒトであり、及び実体の試料は、実体からの血清試料又は血漿試料である。一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群又は急性期タンパク質機能群と相関又は逆相関する。一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関する。一部の実施形態において、病態は、癌である。一部の実施形態において、病態は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、病態は、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、第1の階層訓練済みモデルパネルは、単一のサポートベクターマシンからなる。一部の実施形態において、第1の階層訓練済みモデルパネルは、複数のサポートベクターマシンからなる。
【0019】
[0019] 一部の実施形態において、本発明は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする方法に関し、方法は、A)第1の時点において対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;B)対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することを含み、ここで、列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連し、ここで、第1の特性は、T細胞集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0020】
[0020] 一部の実施形態において、本発明は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする方法に関し、方法は、A)第1の時点において対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;B)対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することを含み、ここで、列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連し、ここで、第1の特性は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。
【0021】
[0021] 一実施形態において、本発明は、癌患者が、T細胞集団の単独又は別の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する方法を提供し、この方法は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び分析用シグネチャが、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関することを決定するステップを含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0022】
[0022] 一実施形態において、本発明は、癌患者が、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団の単独又は別の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する方法を提供し、この方法は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び分析用シグネチャが、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関することを決定するステップを含む。
【0023】
[0023] 一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法、電気泳動法又はクロマトグラフィー法によって入手される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法によって入手され、且つ選択された質量スペクトル特徴量の既定のm/z範囲にわたる積分強度値を含む。一部の実施形態において、質量スペクトルm/z範囲は、表16に掲載される1つ以上の範囲である。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、表22に掲載される1つ以上の特徴量である。一部の実施形態において、質量分析は、ポジティブイオンモードで実行される。
【0024】
[0024] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法に関し、ここで、患者は、T細胞を投与されたことのある他の癌患者群との比較でT細胞の投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、患者から第1のT細胞集団を入手するステップ;集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一部の実施形態において、第2のT細胞集団は、第1のT細胞集団より少なくとも5倍数が多い。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、本方法は、第2の細胞培養培地中で第2のT細胞集団の迅速拡大培養を実施して第3のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のT細胞集団は、第2のT細胞集団より少なくとも50倍数が多い。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、本方法は、第3のT細胞集団を回収することを更に含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のT細胞集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0025】
[0025] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法に関し、ここで、患者は、TILを投与されたことのある他の癌患者群との比較でTILの投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、患者から、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を入手するステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;第3のTIL集団を回収するステップ;及び患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与するステップを含む。
【0026】
[0026] 一部の実施形態において、T細胞の有益な投与の可能性は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手すること;T細胞を投与されたことのある他の癌患者群からの試料の分析用シグネチャであって、クラスラベルgood、intermediate、bad、late、early、plus (+)又はminus (-)が付与されている分析用シグネチャの訓練セットとその分析用シグネチャを比較すること;及び患者試料をクラスラベルgood、late又はplus (+)で分類することを含む、血清ベースの分析的アッセイによって決定される。一部の実施形態において、T細胞を投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、完全奏効、部分奏効、無奏効、安定した病勢又は増悪する病勢を達成している。一部の実施形態において、T細胞を投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって疾患増悪を有していない。一部の実施形態において、T細胞を投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間を達成している。一部の実施形態において、クラスラベルgood、late又はplus (+)は、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間に関連する。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0027】
[0027] 一部の実施形態において、TILの有益な投与の可能性は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手すること;TILを投与されたことのある他の癌患者群からの試料の分析用シグネチャであって、クラスラベルgood、intermediate、bad、late、early、plus (+)又はminus (-)が付与されている分析用シグネチャの訓練セットとその分析用シグネチャを比較すること;及び患者試料をクラスラベルgood、late又はplus (+)で分類することを含む、血清ベースの分析的アッセイによって決定される。一部の実施形態において、TILを投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、完全奏効、部分奏効、無奏効、安定した病勢又は増悪する病勢を達成している。一部の実施形態において、TILを投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって疾患増悪を有していない。一部の実施形態において、TILを投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間を達成している。一部の実施形態において、クラスラベルgood、late又はplus (+)は、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間に関連する。
【0028】
[0028] 一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法、電気泳動法又はクロマトグラフィー法によって入手される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法によって入手され、及び分析用シグネチャは、選択された質量スペクトル特徴量の既定のm/z範囲にわたる積分強度値を含む。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関する。
【0029】
[0029] 一部の実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法に関し、ここで、患者は、T細胞の投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、第1のT細胞集団を入手するステップ;集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一部の実施形態において、第2のT細胞集団は、第1のT細胞集団より少なくとも5倍数が多い。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、本方法は、第2の細胞培養培地中で第2のT細胞集団の迅速拡大培養を実施して第3のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のT細胞集団は、第2のT細胞集団より少なくとも50倍数が多い。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、本方法は、第3のT細胞集団を回収することを更に含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のT細胞集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0030】
[0030] 一部の実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法に関し、ここで、患者は、TILの投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を入手するステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;第3のTIL集団を回収するステップ;及び患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与するステップを含む。
【0031】
[0031] 一部の実施形態において、T細胞の有益な投与の可能性は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び分析用シグネチャが、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関することを決定するステップを含む、血清ベースの分析的方法によって決定される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0032】
[0032] 一部の実施形態において、TILの有益な投与の可能性は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び分析用シグネチャが、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関することを決定するステップを含む、血清ベースの分析的方法によって決定される。
【0033】
[0033] 一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法、電気泳動法又はクロマトグラフィー法によって入手される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法によって入手され、及び分析用シグネチャは、選択された質量スペクトル特徴量の既定のm/z範囲にわたる積分強度値を含む。一部の実施形態において、質量スペクトルm/z範囲は、表16に掲載される1つ以上の範囲である。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、表22に掲載される1つ以上の特徴量である。一部の実施形態において、質量分析は、ポジティブイオンモードで実行される。一部の実施形態において、初期拡大培養は、21日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、初期拡大培養は、11日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、7日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、IL-2は、第1の細胞培養培地中に1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地中において、IL-2は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在し、及びOKT-3抗体は、約30ng/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、初期拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。
【0034】
[0034] 一部の実施形態において、本方法は、患者に第3のT細胞集団を投与する前に患者を骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンは、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与ステップと、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与ステップを含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0035】
[0035] 一部の実施形態において、本方法は、患者に第3のTIL集団を投与する前に患者を骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンは、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与ステップと、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与ステップを含む。
【0036】
[0036] 一部の実施形態において、本方法は、患者への第3のT細胞集団の投与の翌日から開始して患者を高用量IL-2レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、高用量IL-2レジメンは、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体を更に含む。一部の実施形態において、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体は、600,000又は720,000IU/kgの用量において、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0037】
[0037] 一部の実施形態において、本方法は、患者への第3のTIL集団の投与の翌日から開始して患者を高用量IL-2レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、高用量IL-2レジメンは、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体を更に含む。一部の実施形態において、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体は、600,000又は720,000IU/kgの用量において、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される。
【0038】
[0038] 一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。
【0039】
[0039] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の増加又は低下した発現レベルを呈し、この方法は、第1のT細胞集団を入手するステップ;及び集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、第2のT細胞集団は、第1のT細胞集団より少なくとも5倍数が多い。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、本方法は、第2の細胞培養培地中で第2のT細胞集団の迅速拡大培養を実施して第3のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のT細胞集団は、第2のT細胞集団より少なくとも50倍数が多い。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、本方法は、第3のT細胞集団を回収することを更に含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のT細胞集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌、肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、タンパク質発現レベルは、健常対象と比較したときに増加又は低下する。一部の実施形態において、タンパク質発現レベルは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は約100%だけ増加又は低下する。
【0040】
[0040] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の増加又は低下した発現レベルを呈し、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を入手するステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;第3のTIL集団を回収するステップ;及び患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与するステップを含む。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌、肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、タンパク質発現レベルは、健常対象と比較したときに増加又は低下する。一部の実施形態において、タンパク質発現レベルは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は約100%だけ増加又は低下する。
【0041】
[0041] 一部の実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法に関し、ここで、異なる癌患者と比較して、この患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の類似の発現レベルを呈し、この方法は、第1のT細胞集団を入手するステップ;及び集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、第2のT細胞集団は、第1のT細胞集団より少なくとも5倍数が多い。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、本方法は、第2の細胞培養培地中で第2のT細胞集団の迅速拡大培養を実施して第3のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のT細胞集団は、第2のT細胞集団より少なくとも50倍数が多い。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、本方法は、第3のT細胞集団を回収することを更に含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のT細胞集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、異なる癌患者は、以前にT細胞集団で治療されたことがある。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一部の実施形態において、他の癌患者は、治療後完全奏効、部分奏効又は安定した病勢を達成している。一部の実施形態において、他の癌患者は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって治療後疾患無増悪を達成している。一部の実施形態において、他の癌患者は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の治療後無増悪生存期間を達成している。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌、肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、タンパク質発現類似性レベルは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は約100%である。
【0042】
[0042] 一部の実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法に関し、ここで、異なる癌患者と比較して、この患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の類似の発現レベルを呈し、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を入手するステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;第3のTIL集団を回収するステップ;及び患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与するステップを含み、ここで、異なる癌患者は、以前にTIL集団で治療されたことがある。一部の実施形態において、他の癌患者は、治療後完全奏効、部分奏効又は安定した病勢を達成している。一部の実施形態において、他の癌患者は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって治療後疾患無増悪を達成している。一部の実施形態において、他の癌患者は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の治療後無増悪生存期間を達成している。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌、肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、タンパク質発現類似性レベルは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は約100%である。
【0043】
[0043] 一部の実施形態において、初期拡大培養は、21日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、初期拡大培養は、11日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、7日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、IL-2は、第1の細胞培養培地中に1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地中において、IL-2は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在し、及びOKT-3抗体は、約30ng/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、初期拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。
【0044】
[0044] 一部の実施形態において、本方法は、患者に第3のT細胞集団を投与する前に患者を骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一部の実施形態において、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンは、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与ステップと、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与ステップを含む。
【0045】
[0045] 一部の実施形態において、本方法は、患者に第3のTIL集団を投与する前に患者を骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンは、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与ステップと、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与ステップを含む。
【0046】
[0046] 一部の実施形態において、本方法は、患者への第3のT細胞集団の投与の翌日から開始して患者を高用量IL-2レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一部の実施形態において、高用量IL-2レジメンは、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体を更に含む。一部の実施形態において、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体は、600,000又は720,000IU/kgの用量において、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される。
【0047】
[0047] 一部の実施形態において、本方法は、患者への第3のTIL集団の投与の翌日から開始して患者を高用量IL-2レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、高用量IL-2レジメンは、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体を更に含む。一部の実施形態において、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体は、600,000又は720,000IU/kgの用量において、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される。
【0048】
図面の簡単な説明
[0048] 前述の概要及び以下の発明の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むときに更に良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】[0049]分析コホートについての無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤープロットを示す。
【
図2】[0050]分析コホートについてのBDX008分類別のPFSのカプラン・マイヤープロットを示す。
【
図3】[0051]85人の患者の分析コホートについてのIL2テスト分類別のPFSのカプラン・マイヤープロットを示す。
【
図4】[0052]奏効群別のビン規格化スカラー分布を示す。
【
図5】[0053]データセットに定義された特徴量の一例を示す。
【
図6A】[0054]補正前のバッチ補正プロットを示す。
【
図6B】[0054]補正前のバッチ補正プロットを示す。
【
図6C】[0054]補正前のバッチ補正プロットを示す。
【
図7A】[0055]補正後のバッチ補正プロットを示す。
【
図7B】[0055]補正後のバッチ補正プロットを示す。
【
図7C】[0055]補正後のバッチ補正プロットを示す。
【
図8】[0056]奏効群別のPIC規格化スカラー分布を示す。
【
図9】[0057]diagnostic cortexを示す。
【
図10】[0058]質量スペクトル特徴量及びテスト分類を生物学的機能と関連付けるための遺伝子(タンパク質)セットエンリッチメント解析手法を示す。
【
図12】[0060]分類器1分類別のPFSのカプラン・マイヤープロットを示す。
【
図13】[0061]分類器2についての分類スキーマを示す。
【
図14】[0062]分類器2分類別のPFSのカプラン・マイヤープロットを示す。
【
図15】[0063]
図15(a):急性炎症、
図15(b):補体、
図15(c):急性反応及び
図15(d):急性期についてのタンパク質インデックスiの関数としての移動和RSを示す。
【
図16】[0064]TIL拡大培養及び治療プロセスを示す。ステップ1は、10個のG-Rex 10フラスコに4個の腫瘍断片を加えることを指す。ステップ2において、約40×10
6個以上のTILが入手される。ステップ3において、REPのために36個のG-Rex 100フラスコへの分割が行われる。ステップ4で遠心によってTILが回収される。ステップ5で約43日の総処理時間後に新鮮なTIL産物が入手され、この時点で患者にTILを注入し得る。
【
図17】[0065]TILと共に用いられる治療プロトコルを示す。初めに手術及び腫瘍切除が行われ、リンパ球枯渇化学療法は、本明細書の他の部分に記載されるとおりの化学療法による骨髄非破壊的リンパ球枯渇を指す。
【
図18】[0066]本開示のある実施形態に係る、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする発見システムの例示的システムトポロジーを示す。
【
図19】[0067]本開示のある実施形態に係る、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする発見システムを示す。
【
図20】[0068]本開示のある実施形態に係る、例示的データ構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
配列表の簡単な説明
[0069] 配列番号1は、ムロモナブの重鎖のアミノ酸配列である。
[0070] 配列番号2は、ムロモナブの軽鎖のアミノ酸配列である。
[0071] 配列番号3は、組換えヒトIL-2タンパク質のアミノ酸配列である。
[0072] 配列番号4は、アルデスロイキンのアミノ酸配列である。
[0073] 配列番号5は、組換えヒトIL-4タンパク質のアミノ酸配列である。
[0074] 配列番号6は、組換えヒトIL-7タンパク質のアミノ酸配列である。
[0075] 配列番号7は、組換えヒトIL-15タンパク質のアミノ酸配列である。
[0076] 配列番号8は、組換えヒトIL-21タンパク質のアミノ酸配列である。
【0051】
発明の詳細な説明
[0077] 本発明は、癌患者へのT細胞、例えば腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の有益な投与を決定することに関し、これは、かかる有益な投与を決定するシステム及び方法並びにかかる投与から利益を受ける可能性の高い癌患者へのTILの投与を含む治療方法を含む。本方法は、治療前に取得された癌患者の血清又は血漿試料の質量スペクトルの使用及び質量スペクトルにクラスラベルを割り当てる分類器として構成された汎用コンピュータを含む。クラスラベルは、「late」又は均等なラベル、例えば「good」若しくは「early」又は均等なラベル、例えば「bad」の形態をとることができ、ここで、クラスラベル「late」又は「good」は、その患者が、クラスラベル「early」又は「bad」を有する患者のクラスのメンバーである患者と比較して、TIL療法に比較的高い有益性がある可能性の高い患者のクラスのメンバーであることを示す。クラスラベルに用いられる詳細な呼称は、特に重要でない。黒色腫患者についての予測的検査には抗体薬が有益であり、関連する分類器開発方法については、例えば、国際公開第2017/011439号(この内容は全体として本明細書に援用される)に記載されている。無増悪生存期間及び/又は全生存期間は、TIL療法の有益性を評価する際の指標となる。従って、ラベルlate及びearly又はgood及びbadの意味を考えるとき、late又はgoodラベルに関連する「比較的高い有益性」とは、late又はgoodラベルを割り当てられる試料の患者が、early又はbadクラスラベルの患者と比べて有意に高い、即ち長い無増悪及び/又は全生存期間を有する可能性が高いことを意味する。
【0052】
定義
[0078] 特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。本明細書において言及される全ての特許及び刊行物は、全体として参照により援用される。
【0053】
[0079] 用語「共投与」、「共投与している」、「~と併用して投与される」、「~と併用して投与している」、「同時の」及び「並行した」は、本明細書で使用されるとき、両方の医薬品有効成分及び/又はその代謝産物が対象に同じ時点で存在するような対象への2つ以上の医薬品有効成分の投与を包含する。共投与には、別個の組成物での同時投与、別個の組成物での異なる時点における投与又は2つ以上の医薬品有効成分が存在する組成物での投与が含まれる。別個の組成物での同時投与及び両方の薬剤が存在する組成物での投与が好ましい。
【0054】
[0080] 用語「インビボ」は、哺乳類対象の体内で起こる事象を指す。
【0055】
[0081] 用語「エキソビボ」は、哺乳類対象の体外で人工環境下において起こる事象を指す。
【0056】
[0082] 用語「インビトロ」は、試験系で起こる事象を指す。インビトロアッセイは、生細胞又は死細胞を利用し得る細胞ベースのアッセイを包含し、またインタクトな細胞を利用しない無細胞アッセイも包含し得る。
【0057】
[0083] 用語「迅速拡大培養」は、1週間の期間で少なくとも約3倍(又は4倍、5倍、6倍、7倍、8倍又は9倍)、より好ましくは1週間の期間で少なくとも約10倍(又は20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍又は90倍)又は最も好ましくは1週間の期間で少なくとも約100倍の抗原特異的TIL数の増加を意味する。幾つもの迅速拡大培養プロトコルが本明細書に記載される。
【0058】
[0084] 用語「断片化している」、「断片」及び「断片化された」は、腫瘍の破壊プロセスを記載するために本明細書で使用されるとき、腫瘍組織を押しつぶす、スライスする、分割する及び細切するなど、機械的断片化方法及び腫瘍組織の物理的構造を破壊する任意の他の方法を含む。
【0059】
[0085] 用語「末梢血単核球」及び「PBMC」は、リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)及び単球を含めた、円形の核を有する末梢血細胞を指す。好ましくは、末梢血単核球は、照射された同種異系末梢血単核球である。
【0060】
[0086] 用語「抗CD3抗体」は、抗体又はその変異体、例えばモノクローナル抗体であって、成熟T細胞のT細胞抗原受容体におけるCD3受容体に対するヒト、ヒト化、キメラ又はマウス抗体を含むものを指す。抗CD3抗体には、ムロモナブとしても知られるOKT-3が含まれる。他の抗CD3抗体には、例えば、オテリキシズマブ、テプリズマブ及びビジリズマブが含まれる。
【0061】
[0087] 用語「OKT-3」(本明細書では「OKT3」とも称される)は、成熟T細胞のT細胞抗原受容体におけるCD3受容体に対する、ヒト、ヒト化、キメラ若しくはマウス抗体を含めたモノクローナル抗体又はそのバイオシミラー若しくは変異体を指し、OKT-3(30ng/mL、MACS GMP CD3 pure、Miltenyi Biotech, Inc.、San Diego, CA, USA)及びムロモナブ又はその変異体、保存的アミノ酸置換、グリコフォーム若しくはバイオシミラーなど、市販されている形態が含まれる。ムロモナブの重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列を表1に提供する(配列番号1及び配列番号2)。OKT-3の産生能を有するハイブリドーマが米国培養細胞系統保存機関に寄託されており、ATCC受託番号CRL 8001が付与されている。OKT-3の産生能を有するハイブリドーマは、欧州認証細胞培養株保存機関(ECACC)にも寄託されており、カタログ番号86022706が付与されている。
【0062】
【0063】
[0088] 用語「IL-2」(本明細書では「IL2」とも称される)は、インターロイキン-2として知られるT細胞成長因子を指し、そのヒト及び哺乳類形態、保存的アミノ酸置換、グリコフォーム、バイオシミラー及び変異体を含め、あらゆる形態のIL-2が含まれる。IL-2については、例えば、Nelson, J. Immunol. 2004, 172, 3983-88及びMalek, Annu. Rev. Immunol. 2008, 26, 453-79(これらの開示は、参照により本明細書に援用される)に記載される。本発明での使用に好適な組換えヒトIL-2のアミノ酸配列を表2に提供する(配列番号3)。例えば、用語IL-2には、ヒトの組換え形態のIL-2、例えばアルデスロイキン(PROLEUKIN、1つの使い捨てバイアル当たり2200万IUで複数の供給業者から市販されている)並びにCellGenix, Inc.、Portsmouth, NH, USA(CELLGRO GMP)又はProSpec-Tany TechnoGene Ltd.、East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-209-b)によって商業的に供給されている組換えIL-2の形態及び他の販売業者からの他の市販の均等物が包含される。アルデスロイキン(des-アラニル-1,セリン-125ヒトIL-2)は、分子量が約15kDaの非グリコシル化ヒト組換え形態のIL-2である。本発明での使用に好適なアルデスロイキンのアミノ酸配列を表2に提供する(配列番号4)。用語IL-2には、Nektar Therapeutics、South San Francisco, CA, USAから入手可能なペグ化IL2プロドラッグNKTR-214を含め、本明細書に記載されるとおりの、ペグ化形態のIL-2も包含される。本発明での使用に好適なNKTR-214及びペグ化IL-2が米国特許出願公開第2014/0328791 A1号及び国際公開第2012/065086 A1号(これらの開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されている。本発明での使用に好適な別の形態のコンジュゲート型IL-2が米国特許第4,766,106号、同第5,206,344号、同第5,089,261号及び同第4902,502号(これらの開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されている。本発明での使用に好適なIL-2の製剤が米国特許第6,706,289号(この開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されている。
【0064】
【0065】
[0089] 用語「IL-4」(本明細書では「IL4」とも称される)は、インターロイキン4として知られるサイトカインを指し、これは、Th2 T細胞によって産生され、且つ好酸球、好塩基球及びマスト細胞によって産生される。IL-4は、ナイーブヘルパーT細胞(Th0細胞)のTh2 T細胞への分化を調節する。Steinke and Borish, Respir. Res. 2001, 2, 66-70。IL-4によって活性化されると、続いて、Th2 T細胞は、ポジティブフィードバックループで更なるIL-4を産生する。IL-4は、B細胞増殖及びクラスII MHC発現も刺激し、B細胞からのIgE及びIgG1発現へのクラススイッチも誘導する。本発明での使用に好適な組換えヒトIL-4は、ProSpec-Tany TechnoGene Ltd.、East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-211)及びThermoFisher Scientific, Inc.、Waltham, MA, USA(ヒトIL-4組換えタンパク質、カタログ番号Gibco CTP0043)を含め、複数の供給業者から市販されている。本発明での使用に好適な組換えヒトIL-4のアミノ酸配列を表2に提供する(配列番号5)。
【0066】
[0090] 用語「IL-7」(本明細書では「IL7」とも称される)は、インターロイキン7として知られるグリコシル化組織由来サイトカインを指し、これは、間質及び上皮細胞並びに樹状細胞から入手し得る。Fry and Mackall, Blood 2002, 99, 3892-904。IL-7は、T細胞の発達を刺激することができる。IL-7は、IL-7受容体αと共通γ鎖受容体とからなるヘテロ二量体のIL-7受容体に結合し、それは、胸腺内でのT細胞発達及び末梢内での生存にとって重要な一連のシグナルとなる。本発明での使用に好適な組換えヒトIL-7は、ProSpec-Tany TechnoGene Ltd.、East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-254)及びThermoFisher Scientific, Inc.、Waltham, MA, USA(ヒトIL-7組換えタンパク質、カタログ番号Gibco PHC0071)を含め、複数の供給業者から市販されている。本発明での使用に好適な組換えヒトIL-7のアミノ酸配列を表2に提供する(配列番号6)。
【0067】
[0091] 用語「IL-15」(本明細書では「IL15」とも称される)は、インターロイキン-15として知られるT細胞成長因子を指し、そのヒト及び哺乳類形態、保存的アミノ酸置換、グリコフォーム、バイオシミラー及び変異体を含め、あらゆる形態のIL-15が含まれる。IL-15については、例えば、Fehniger and Caligiuri, Blood 2001, 97, 14-32(この開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されている。IL-15は、β及びγシグナル伝達受容体サブユニットをIL-2と共有している。組換えヒトIL-15は、分子質量が12.8kDaの、114アミノ酸(及びN末端メチオニン)を含む単一の非グリコシル化ポリペプチド鎖である。組換えヒトIL-15は、ProSpec-Tany TechnoGene Ltd.、East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-230-b)及びThermoFisher Scientific, Inc.、Waltham, MA, USA(ヒトIL-15組換えタンパク質、カタログ番号34-8159-82)を含め、複数の供給業者から市販されている。本発明での使用に好適な組換えヒトIL-15のアミノ酸配列を表2に提供する(配列番号7)。
【0068】
[0092] 用語「IL-21」(本明細書では「IL21」とも称される)は、インターロイキン-21として知られるプレイオトロピックサイトカインタンパク質を指し、そのヒト及び哺乳類形態、保存的アミノ酸置換、グリコフォーム、バイオシミラー及び変異体を含め、あらゆる形態のIL-21が含まれる。IL-21については、例えば、Spolski and Leonard, Nat. Rev. Drug. Disc. 2014, 13, 379-95(この開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されている。IL-21は、主としてナチュラルキラーT細胞及び活性化ヒトCD4+T細胞によって産生される。組換えヒトIL-21は、分子質量が15.4kDaの、132アミノ酸を含む単一の非グリコシル化ポリペプチド鎖である。組換えヒトIL-21は、ProSpec-Tany TechnoGene Ltd.、East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-408-b)及びThermoFisher Scientific, Inc.、Waltham, MA, USA(ヒトIL-21組換えタンパク質、カタログ番号14-8219-80)を含め、複数の供給業者から市販されている。本発明での使用に好適な組換えヒトIL-21のアミノ酸配列を表2に提供する(配列番号8)。
【0069】
[0093] 用語「抗体」及びその複数形「抗体」は、全免疫グロブリン及びその任意の抗原結合断片(「抗原結合部分」)又は単鎖を指す。「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互に連結された少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質又はその抗原結合部分を更に指す。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと省略する)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2及びCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと省略する)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLを含む。抗体のVH及びVL領域は、相補性決定領域(CDR)又は超可変領域(HVR)と称され、且つフレームワーク領域(FR)と称される一層高度に保存された領域が散在し得る超可変性領域に更に細分され得る。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で並んだ3つのCDR及び4つのFRを含む。重鎖及び軽鎖の可変領域は、1つ又は複数の抗原エピトープと相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1成分(Clq)を含め、宿主組織又は因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
【0070】
[0094] 用語「抗原」は、免疫応答を誘導する物質を指す。一部の実施形態において、抗原は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子によって提示された場合に抗体又はTCRによる結合を受ける能力を有する分子である。用語「抗原」は、本明細書で使用されるとき、T細胞エピトープも包含する。抗原は、加えて、免疫系によって認識される能力を有する。一部の実施形態において、抗原は、Bリンパ球及び/又はTリンパ球の活性化につながる体液性免疫応答又は細胞性免疫応答を誘導する能力を有する。ある場合には、そのために抗原がTh細胞エピトープを含むか又はそれに連結されている必要があることもある。抗原は、1つ以上のエピトープ(例えば、B-及びT-エピトープ)も有し得る。一部の実施形態において、抗原は、好ましくは、その対応する抗体又はTCRと典型的には高度に特異的且つ選択的に反応し、他の抗原によって誘導され得る他の多数の抗体又はTCRとは反応しないであろう。
【0071】
[0095] 用語「モノクローナル抗体」、「mAb」、「モノクローナル抗体組成物」又はこれらの複数形は、単一の分子組成の抗体分子の製剤を指す。モノクローナル抗体組成物は特定のエピトープに対する単一の結合特異性及び親和性を示す。特定の受容体に特異的なモノクローナル抗体は、試験対象に好適な抗原を注入し、次に所望の配列又は機能的特性を有する抗体を発現するハイブリドーマを単離する、当該技術分野における知識及び技能を用いて作製され得る。モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、そのモノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合する能力を有するオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)容易に単離され、シーケンシングされる。ハイブリドーマ細胞は、かかるDNAの好ましい供給源としての役割を果たす。単離後、DNAは、発現ベクターに置かれ得、次に、それは、本来免疫グロブリンタンパク質を発現しない大腸菌(E. coli)細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又は骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクトされ、組換え宿主細胞におけるモノクローナル抗体の合成が達成される。抗体の組換え産生については、以下に更に詳細に記載する。
【0072】
[0096] 抗体の「抗原結合部分」又は「抗原結合断片」(又は単に「抗体部分」又は「断片」)という用語は、本明細書で使用されるとき、抗原に特異的に結合する能力を保持している抗体の1つ以上の断片を指す。完全長抗体の断片によって抗体の抗原結合機能が果たされ得ることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語の範囲内に包含される結合断片の例としては、(i)VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片;(iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのVL及びVHドメインからなるFv断片、(v)VH又はVLドメインからなり得るドメイン抗体(dAb)断片(Ward, et al., Nature, 1989, 341, 544-546);及び(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。更に、Fv断片の2つのドメイン、VL及びVHは、別個の遺伝子によってコードされるが、それらを組換え方法を用いて合成リンカーによってつなぎ合わせて、VL及びVH領域が対をなして、単鎖Fv(scFv)として知られる一価分子を形成する単一のタンパク質鎖として作られることを可能にできる;例えば、Bird, et al., Science 1988, 242, 423-426;及びHuston, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1988, 85, 5879-5883を参照されたい)。かかるscFv抗体も、抗体の「抗原結合部分」又は「抗原結合断片」という用語の範囲内に包含されることが意図される。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来技術を用いて得られ、断片は、インタクトな抗体と同様に有用性に関してスクリーニングされる。
【0073】
[0097] 用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用されるとき、フレームワーク及びCDRの両方の領域が、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を含むことが意図される。更に、抗体が定常領域を含む場合、その定常領域もヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでランダム若しくは部位特異的突然変異誘発又はインビボで体細胞突然変異により導入される突然変異)を含み得る。用語「ヒト抗体」には、明細書で使用されるとき、マウスなどの別の哺乳類種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体は含まれないことが意図される。
【0074】
[0098] 用語「ヒトモノクローナル抗体」は、フレームワーク及びCDRの両方の領域が、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する単一結合特異性を呈する抗体を指す。ある実施形態において、ヒトモノクローナル抗体は、不死化細胞に融合したヒト重鎖トランス遺伝子及び軽鎖トランス遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物、例えばトランスジェニックマウスから得られたB細胞を含むハイブリドーマによって産生される。
【0075】
[0099] 用語「組換えヒト抗体」は、本明細書で使用されるとき、(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子にとってトランスジェニック又はトランス染色体の動物(マウスなど)又はそれから調製されたハイブリドーマ(以下に更に記載する)から単離された抗体、(b)ヒト抗体を発現するように形質転換された宿主細胞、例えばトランスフェクトーマから単離された抗体、(c)組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリから単離された抗体、及び(d)他のDNA配列へのヒト免疫グロブリン遺伝子配列のスプライシングが関わる任意の他の手段によって調製されるか、発現するか、作成されるか、又は単離された抗体など、組換え手段によって調製されるか、発現するか、作成されるか、又は単離されるあらゆるヒト抗体を含む。かかる組換えヒト抗体は、フレームワーク及びCDR領域がヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する。しかしながら、特定の実施形態において、かかる組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(又はヒトIg配列にとってトランスジェニックの動物が使用される場合、インビボ体細胞突然変異誘発)に供することができ、従って組換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系列VH及びVL配列に由来し且つそれに関係しながらも、天然ではインビボのヒト抗体生殖細胞系列レパートリー中に存在しないこともある配列である。
【0076】
[00100] 本明細書で使用されるとき、「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgM又はIgG1)を指す。
【0077】
[00101] 語句「抗原を認識する抗体」及び「抗原に特異的な抗体」は、本明細書では用語「抗原に特異的に結合する抗体」と同義的に使用される。
【0078】
[00102] 用語「ヒト抗体誘導体」は、その抗体と別の医薬品有効成分又は抗体とのコンジュゲートを含め、任意の修飾された形態のヒト抗体を指す。用語「コンジュゲート」、「抗体-薬物コンジュゲート」、「ADC」又は「イムノコンジュゲート」は、当該技術分野で利用可能な方法を用いて、本明細書に記載される抗体にコンジュゲートすることのできる別の治療用部分にコンジュゲートした抗体又はその断片を指す。
【0079】
[00103] 用語1つの「ヒト化抗体」、複数の「ヒト化抗体」及び「ヒト化」は、マウスなどの別の哺乳類種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を指すことが意図される。ヒトフレームワーク配列内には、更なるフレームワーク領域修飾が行われ得る。ヒト化形態の非ヒト(例えば、マウス)抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含むキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、所望の特異性、親和性及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の15超可変領域からの残基によってレシピエントの超可変領域からの残基が置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。一部の例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基に置き換えられる。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体に見られない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体性能を更に精緻化するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、超可変ループの全て又は実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、且つFR領域の全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになる。ヒト化抗体は、任意選択でまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのFcの少なくとも一部分も含むことになる。更なる詳細については、Jones, et al., Nature 1986, 321, 522-525;Riechmann, et al., Nature 1988, 332, 323-329;及びPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 1992, 2, 593-596を参照されたい。本明細書に記載される抗体は、エフェクター機能及び/又はFcR結合の改善(例えば、低下)を付与することが公知の任意のFc変異体を利用するようにも修飾され得る。Fc変異体としては、例えば、国際公開第1988/07089 A1号、同第1996/14339 A1号、同第1998/05787 A1号、同第1998/23289 A1号、同第1999/51642 A1号、同第99/58572 A1号、同第2000/09560 A2号、同第2000/32767 A1号、同第2000/42072 A2号、同第2002/44215 A2号、同第2002/060919 A2号、同第2003/074569 A2号、同第2004/016750 A2号、同第2004/029207 A2号、同第2004/035752 A2号、同第2004/063351 A2号、同第2004/074455 A2号、同第2004/099249 A2号、同第2005/040217 A2号、同第2005/070963 A1号、同第2005/077981 A2号、同第2005/092925 A2号、同第2005/123780 A2号、同第2006/019447 A1号、同第2006/047350 A2号及び同第2006/085967 A2号;及び米国特許第5,648,260号;同第5,739,277号;同第5,834,250号;同第5,869,046号;同第6,096,871号;同第6,121,022号;同第6,194,551号;同第6,242,195号;同第6,277,375号;同第6,528,624号;同第6,538,124号;同第6,737,056号;同第6,821,505号;同第6,998,253号;及び同第7,083,784号に開示されるアミノ酸置換のいずれか1つを挙げることができ;これらの開示は、本明細書に参照により援用される。
【0080】
[00104] 用語「キメラ抗体」は、可変領域配列がマウス抗体に由来し、且つ定常領域配列がヒト抗体に由来する抗体など、可変領域配列が1つの種に由来し、且つ定常領域配列が別の種に由来する抗体を指すことが意図される。
【0081】
[00105] 「ダイアボディ」は、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体断片である。こうした断片は、重鎖可変ドメイン(VH)が軽鎖可変ドメイン(VL)に同じポリペプチド鎖で接続したもの(VH-VL又はVL-VH)を含む。同じ鎖上の2つのドメイン間での対合を許容しないほど短いリンカーを使用することにより、ドメインは、強制的に別の鎖の相補ドメインと対合して2つの抗原結合部位を作り出す。ダイアボディについては、例えば、欧州特許第404,097号、国際公開第93/11161号;及びBolliger, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1993, 90, 6444-6448に更に詳細に記載されている。
【0082】
[00106] 用語「グリコシル化」は、抗体の修飾誘導体を指す。非グリコシル化(aglycoslated)抗体は、グリコシル化を欠いている。グリコシル化は、例えば、抗原に対する抗体の親和性が増加するように改変することができる。かかる炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内の1つ以上のグリコシル化部位を改変することにより達成し得る。例えば、1つ以上の可変領域フレームワークグリコシル化部位の除去をもたらし、それによりその部位におけるグリコシル化を除去する1つ以上のアミノ酸置換を設けることができる。非グリコシル化は、米国特許第5,714,350号及び同第6,350,861号に記載されるとおり、抗原に対する抗体の親和性を増加させ得る。加えて又は代わりに、フコシル残基の量が少ない低フコシル化抗体又は二分GlcNac構造が増加した抗体など、改変されたタイプのグリコシル化を有する抗体を作製することができる。かかる改変グリコシル化パターンは、抗体の能力を増加させることが実証されている。かかる炭水化物修飾は、例えば、改変グリコシル化機構を有する宿主細胞において抗体を発現させることにより達成され得る。改変グリコシル化機構を有する細胞は、当該技術分野において記載されており、本発明の組換え抗体を発現して、それにより改変グリコシル化を有する抗体を産生する宿主細胞として使用することができる。例えば、細胞株Ms704、Ms705及びMs709は、フコシルトランスフェラーゼ遺伝子FUT8(α(1,6)フコシルトランスフェラーゼ)を欠き、従ってMs704、Ms705及びMs709細胞株で発現する抗体は、その炭水化物上にフコースを欠く。Ms704、Ms705及びMs709 FUT8-/-細胞株は、2つの置換ベクターを使用したCHO/DG44細胞におけるFUT8遺伝子の標的破壊により作成された(例えば、米国特許出願公開第2004/0110704号又はYamane-Ohnuki, et al., Biotechnol. Bioeng., 2004, 87, 614-622を参照されたい)。別の例として、欧州特許第1,176,195号は、フコシルトランスフェラーゼをコードするFUT8遺伝子の機能が破壊された細胞株であって、そこで発現する抗体がα1,6結合関連酵素の減少又は消失によって低フコシル化を呈する細胞株について記載しており、また抗体のFc領域に結合するN-アセチルグルコサミンへのフコースの付加に関して低酵素活性であるか、又はその酵素活性を有しない細胞株、例えばラット骨髄腫細胞株YB2/0(ATCC CRL 1662)についても記載している。国際公開第03/035835号は、フコースをAsn(297)結合炭水化物に結合させる能力が低下しているため、同様にその宿主細胞で発現する抗体の低フコシル化をもたらす変異CHO細胞株のLec 13細胞について記載している(Shields, et al., J. Biol. Chem. 2002, 277, 26733-26740も参照されたい。国際公開第99/54342号は、糖タンパク質修飾グリコシルトランスフェラーゼ(例えば、β(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII))を発現するように操作された細胞株であって、そこで発現する抗体が二分GlcNac構造の増加を呈し、それが抗体のADCC活性の増加をもたらすような操作された細胞株について記載している(Umana, et al., Nat. Biotech. 1999, 17, 176-180も参照されたい)。代わりに、抗体のフコース残基がフコシダーゼ酵素を使用した切断により除かれ得る。例えば、Tarentino, et al., Biochem. 1975, 14, 5516-5523に記載されるとおり、フコシダーゼα-L-フコシダーゼは、抗体からフコシル残基を取り除く。
【0083】
[00107] 「ペグ化」は、1つ以上のPEG基が抗体又は抗体断片に結合するようになる条件下でポリエチレングリコール(PEG)、例えばPEGの反応性エステル又はアルデヒド誘導体などと典型的に反応する修飾された抗体又はその断片を指す。ペグ化により、例えば抗体の生物学的(例えば、血清)半減期が増加し得る。好ましくは、ペグ化は、反応性PEG分子(又は類似の反応性水溶性ポリマー)とのアシル化反応又はアルキル化反応で行われる。本明細書で使用されるとき、用語「ポリエチレングリコール」は、モノ(C1~C10)アルコキシ-若しくはアリールオキシ-ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール-マレイミドなど、他のタンパク質の誘導体化に用いられている形態のPEGのいずれかを包含することが意図される。ペグ化される抗体は、非グリコシル化抗体であり得る。ペグ化方法は、例えば、欧州特許第0154316号及び同第0401384号並びに米国特許第5,824,778号(これらの各々の開示は、本明細書に参照により援用される)に記載されるとおり、当該技術分野において公知であり、本発明の抗体に適用することができる。
【0084】
[00108] 用語「融合タンパク質」又は「融合ポリペプチド」は、2つ以上の個別のタンパク質の特性を組み合わせるタンパク質を指す。かかるタンパク質は、直接又はアミノ酸リンカーを介して共有結合的に連結された少なくとも2つの異種ポリペプチドを有する。融合タンパク質を形成するポリペプチドは、典型的にはC末端がN末端に連結されるが、またC末端がC末端に、N末端がN末端に、又はN末端がC末端に連結され得る。融合タンパク質のポリペプチドは、任意の順序であり得、構成ポリペプチドのいずれか一方又は両方の2つ以上を含み得る。この用語には、融合タンパク質を構成する抗原の保存的に修飾された変異体、多型変異体、対立遺伝子、突然変異体、部分配列、種間相同体及び免疫原性断片が包含される。本開示の融合タンパク質は、構成成分抗原又はその免疫原性断片の追加的なコピーも含み得る。融合タンパク質は、一体に連結された1つ以上の結合ドメインを含有し、IgG FcドメインなどのFcドメインに更に連結され得る。融合タンパク質が更に一体に連結されることによりモノクローナル抗体を模倣し、6つ以上の結合ドメインを提供し得る。融合タンパク質は、当該技術分野において公知のとおりの組換え方法によって作製され得る。融合タンパク質の調製は、当該技術分野において公知であり、例えば国際公開第1995/027735 A1号、同第2005/103077 A1号、同第2008/025516 A1号、同第2009/007120 A1号、同第2010/003766 A1号、同第2010/010051 A1号、同第2010/078966 A1号、米国特許出願公開第2015/0125419 A1号及び同第2016/0272695 A1号並びに米国特許第8,921,519号(これらの各々の開示は、本明細書に参照により援用される)に記載されている。
【0085】
[00109] 用語「異種」は、核酸又はタンパク質の一部分に関連して使用されるとき、その核酸又はタンパク質が、自然中では互いに同じ関係で見出されない2つ以上の部分配列を含むことを示す。例えば、核酸は、典型的には組換え産生されて、新規の機能性核酸を作り出すように編成された無関係の遺伝子からの2つ以上の配列、例えばある供給源からのプロモーターと別の供給源からのコード領域又は異なる供給源からのコード領域を有する。同様に、異種タンパク質とは、そのタンパク質が、自然中では互いに同じ関係で見出されない2つ以上の部分配列(例えば、融合タンパク質)を含むことを示す。
【0086】
[00110] 用語「保存的アミノ酸置換」は、抗体又は融合タンパク質による抗原への結合を無効にしないアミノ酸配列修飾を意味する。保存的アミノ酸置換としては、あるクラスのアミノ酸における同じクラスのアミノ酸による置換が挙げられ、ここで、クラスは、共通の物理化学的アミノ酸側鎖特性及び例えば標準デイホフ(Dayhoff)頻度交換行列又はBLOSUM行列によって決定されるとおりの、天然に見られる相同タンパク質における高い置換頻度によって定義される。6つの一般的なアミノ酸側鎖クラスが分類されており、クラスI(Cys);クラスII(Ser、Thr、Pro、Ala、Gly);クラスIII(Asn、Asp、Gln、Glu);クラスIV(His、Arg、Lys);クラスV(Ile、Leu、Val、Met);及びクラスVI(Phe、Tyr、Trp)が含まれる。例えば、AspをAsn、Gln又はGluなどの別のクラスIII残基に代える置換は、保存的置換である。従って、抗体中の予測非必須アミノ酸残基が好ましくは同じクラスの別のアミノ酸残基に置き換えられる。抗原結合を消失させることのないアミノ酸保存的置換を同定する方法は、当該技術分野において周知である(例えば、Brummell, et al., Biochemistry 1993, 32, 1180-1187;Kobayashi, et al., Protein Eng. 1999, 12, 879-884 (1999);及びBurks, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1997, 94, 412-417を参照されたい。
【0087】
[00111] 2つ以上の核酸又はポリペプチドに関連して、用語「配列同一性」、「パーセント同一性」及び「配列パーセント同一性」(又はこれらの同義語、例えば「99%同一」)は、いかなる保存的アミノ酸置換も配列同一性の一部として考慮せず、対応が最大となるように比較及びアラインメント(必要に応じてギャップを導入する)したときに同じであるか、又は同じであるヌクレオチド若しくはアミノ酸残基を特定の割合のみ有する2つ以上の配列又は部分配列を指す。パーセント同一性は、配列比較ソフトウェア又はアルゴリズムを用いるか、又は目視検査によって測定することができる。アミノ酸又はヌクレオチド配列のアラインメントを達成するために使用し得る様々なアルゴリズム及びソフトウェアが当該技術分野において公知である。パーセント配列同一性の決定に好適なプログラムとしては、例えば、米国政府の国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)BLASTウェブサイトから利用可能なBLASTプログラムスイートが挙げられる。2つの配列間の比較は、BLASTN又はBLASTPのいずれかのアルゴリズムを用いて行うことができる。BLASTNは、核酸配列の比較に使用される一方、BLASTPは、アミノ酸配列の比較に使用される。ALIGN、ALIGN-2(Genentech、South San Francisco, California)又はDNASTARから利用可能なMegAlignは、配列のアラインメントに使用し得る更なる公的に利用可能なソフトウェアプログラムである。当業者は、特定のアラインメントソフトウェアによるアラインメントを最大化するための適切なパラメータを決定することができる。特定の実施形態では、アラインメントソフトウェアのデフォルトパラメータが使用される。
【0088】
[00112] 本明細書で使用されるとき、用語「変異体」は、限定はされないが、参照抗体のアミノ酸配列の範囲内の又はそれに隣接する特定の位置における1つ以上の置換、欠失及び/又は付加の点で参照抗体のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を含む抗体又は融合タンパク質を包含する。変異体は、参照抗体のアミノ酸配列と比較して、そのアミノ酸配列に1つ以上の保存的置換を含み得る。保存的置換には、例えば、同様の荷電又は非荷電アミノ酸の置換が関わり得る。変異体は、参照抗体の抗原に特異的に結合する能力を保持している。用語の変異体には、ペグ化された抗体又はタンパク質も含まれる。
【0089】
[00113] 核酸配列は、黙示的に、その保存的に修飾された変異体(例えば、縮重コドン置換)及び相補配列を、明示的に指示される配列と同様に包含する。具体的には、縮重コドン置換は、1つ以上の選択された(又は全ての)コドンの3番目の位置が混合塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換された配列を生成することにより実現され得る。Batzer, et al., Nucleic Acid Res. 1991, 19, 5081;Ohtsuka, et al., J. Biol. Chem. 1985, 260, 2605-2608;Rossolini, et al., Mol. Cell. Probes 1994, 8, 91-98。核酸という用語は、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドと同義的に用いられる。
【0090】
[00114] 用語「バイオシミラー」は、臨床的に不活性な成分に軽微な違いがあるにも関わらず、米国で許可されている先発バイオ製剤と高度に類似し、且つそれに関して製剤の安全性、純度及び効力の点でそのバイオ製剤と先発製剤との間に臨床的に有意味な違いがない、モノクローナル抗体又はタンパク質を含めたバイオ製剤を意味する。更に、後発バイオ医薬品又は「バイオシミラー」医薬品は、欧州医薬品庁によって使用が既に認可されている別のバイオ医薬品に類似したバイオ医薬品である。用語「バイオシミラー」は、他の国及び地域の規制機関によっても同義的に使用される。バイオ製剤又はバイオ医薬品は、細菌又は酵母などの生物学的供給源によって作られるか又はそれに由来する医薬品である。これは、ヒトインスリン又はエリスロポエチンなどの比較的小さい分子又はモノクローナル抗体などの複合的な分子からなり得る。例えば、先発IL-2タンパク質がアルデスロイキン(PROLEUKIN)である場合、アルデスロイキンに準じて医薬品規制当局により承認されるタンパク質は、アルデスロイキンと「バイオシミラー」であるか、又はアルデスロイキンの「そのバイオシミラー」である。欧州では、後発バイオ医薬品又は「バイオシミラー」医薬品は、欧州医薬品庁(EMA)によって使用が既に認可されている別のバイオ医薬品に類似したバイオ医薬品である。欧州における後発バイオ適用についての関連する法的根拠は、規則(EC)第726/2004号の第6条及び指令2001/83/ECの第10条(4)(その後の改正を含む)であり、従って欧州では、バイオシミラーは、規則(EC)第726/2004号の第6条及び指令2001/83/ECの第10条(4)に基づいて認可を受けるか、認可が承認されるか、又は認可申請の対象となり得る。既に認可を受けている元のバイオ医薬品製剤は、欧州では「先発医薬品製剤」と称され得る。ある製剤がバイオシミラーと見なされるための要件の一部が、後発バイオ医薬品製剤に関するCHMPガイドライン(CHMP Guideline on Similar Biological Medicinal Products)に概説されている。加えて、モノクローナル抗体バイオシミラーに関するガイドラインを含め、製剤固有のガイドラインがEMAによって製剤毎に提供されており、そのウェブサイトに公開されている。本明細書に記載されるとおりのバイオシミラーは、品質特性、生物学的活性、作用機序、安全性プロファイル及び/又は有効性の点で先発医薬品製剤に類似したものであり得る。加えて、バイオシミラーは、先発医薬品製剤と同じ病態の治療に使用されるか又はそれへの使用が意図されるものであり得る。従って、本明細書に記載されるとおりのバイオシミラーは、先発医薬品製剤に類似した又は高度に類似した品質特性を有すると見なされ得る。代わりに又は加えて、本明細書に記載されるとおりのバイオシミラーは、先発医薬品製剤に類似した又は高度に類似した生物学的活性を有すると見なされ得る。代わりに又は加えて、本明細書に記載されるとおりのバイオシミラーは、先発医薬品製剤に類似した又は高度に類似した安全性プロファイルを有すると見なされ得る。代わりに又は加えて、本明細書に記載されるとおりのバイオシミラーは、先発医薬品製剤に類似した又は高度に類似した有効性を有すると見なされ得る。本明細書に記載されるとおり、欧州におけるバイオシミラーは、EMAによって認可済みの先発医薬品製剤と比較される。しかしながら、一部の例では、バイオシミラーは、欧州経済地域外においてある種の試験で認可を受けたバイオ医薬品製剤(非EEA認可「対照薬」)と比較され得る。かかる試験には、例えば、ある種の臨床試験及びインビボ非臨床試験が含まれる。本明細書で使用されるとき、用語「バイオシミラー」は、非EEA認可対照薬と比較済みの又はそれと比較され得るバイオ医薬品製剤にも関する。ある種のバイオシミラーは、抗体、抗体断片(例えば、抗原結合部分)及び融合タンパク質などのタンパク質である。タンパク質バイオシミラーは、ポリペプチドの機能に有意な影響を及ぼさない軽微なアミノ酸構造の修飾(例えば、アミノ酸の欠失、付加及び/又は置換を含む)を有するアミノ酸配列を有し得る。バイオシミラーは、その先発医薬品製剤のアミノ酸配列と97%以上、例えば97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。バイオシミラーは、先発医薬品製剤の翻訳後修飾と異なる1つ以上の翻訳後修飾、例えば、限定はされないが、グリコシル化、酸化、アミド分解及び/又はトランケーションを含み得るが、但し、その差異が医薬品製剤の安全性及び/又は有効性に変化をもたらさないものとする。バイオシミラーは、先発医薬品製剤と同一の又は異なるグリコシル化パターンを有し得る。特に、限定的ではないが、バイオシミラーは、先発医薬品製剤に関連する安全性についての懸念がその差異によって対処される又は対処されるように意図される場合、異なるグリコシル化パターンを有し得る。加えて、バイオシミラーは、例えば、その強度、医薬品形態、製剤化、賦形剤及び/又は体裁の点で先発医薬品製剤から逸脱し得るが、但し、医薬品製剤の安全性及び有効性が損なわれないものとする。バイオシミラーは、例えば、薬物動態学的(PK)及び/又は薬力学的(PD)プロファイルの点で先発医薬品製剤と比較して差異を含み得るが、なおも認可を受けるか又は認可に好適であると考えるのに十分に先発医薬品製剤に類似していると見なされる。ある種の状況では、バイオシミラーは、先発医薬品製剤と比較して異なる結合特性を呈し、ここで、この異なる結合特性は、EMAなどの規制当局により後発バイオ製剤としての認可を妨げるものではないと見なされる。用語「バイオシミラー」は、他の国及び地域の規制機関によっても同義的に使用される。
【0091】
[00115] 用語「血液学的悪性腫瘍」は、限定はされないが、血液、骨髄、リンパ節及びリンパ系の組織を含め、哺乳類における造血及びリンパ系組織の癌及び腫瘍を指す。血液学的悪性腫瘍は「液性腫瘍」とも称される。血液学的悪性腫瘍としては、限定はされないが、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性リンパ腫(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMoL)、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫が挙げられる。用語「B細胞血液学的悪性腫瘍」は、B細胞を冒す血液学的悪性腫瘍を指す。
【0092】
[00116] 用語「固形腫瘍」は、通常嚢胞又は液体範囲を含まない異常な組織塊を指す。固形腫瘍は、良性又は悪性であり得る。用語「固形腫瘍癌」は、悪性、新生物性又は癌性の固形腫瘍を指す。固形腫瘍癌としては、限定はされないが、肺癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、直腸癌及び膀胱癌など、肉腫、癌腫及びリンパ腫が挙げられる。固形腫瘍の組織構造は、実質(癌細胞)と、癌細胞が分散するところであって、支持微小環境をもたらし得る支持間質細胞とを含む相互依存的組織コンパートメントを含む。
【0093】
[00117] 用語「微小環境」は、本明細書で使用されるとき、固形腫瘍又は血液学的腫瘍の微小環境全体又は微小環境内の個々の細胞サブセットを指し得る。腫瘍微小環境は、本明細書で使用されるとき、Swartz, et al., Cancer Res., 2012, 72, 2473に記載されるとおり、「新生物形質転換を促進し、腫瘍成長及び浸潤を支援し、腫瘍を宿主免疫から保護し、治療抵抗性を助長し、且つ顕性転移が発育するためのニッチを提供する細胞、可溶性因子、シグナル伝達分子、細胞外マトリックス及び機械的キュー」の複合混合物を指す。腫瘍は、T細胞によって認識されるはずの抗原を発現するが、微小環境による免疫抑制のため、免疫系による腫瘍クリアランスは、稀である。
【0094】
[00118] 用語「有効量」又は「治療有効量」は、限定はされないが、疾患治療を含めた、意図した適用を達成するのに十分な本明細書に記載されるとおりの化合物又は化合物の併用の量を指す。治療有効量は、意図される適用(インビトロ又はインビボ)又は治療下の対象及び疾患病態(例えば、対象の体重、年齢及び性別)、疾患病態の重症度又は投与方法に応じて異なり得る。この用語は、標的細胞において特定の応答(例えば、血小板粘着及び/又は細胞遊走の低減)を生じさせるであろう用量にも適用される。具体的な用量は、選択した詳細な化合物、従うべき投与レジメン、その化合物が他の化合物と併用して投与されるかどうか、投与タイミング、その投与先の組織及び化合物を運ぶ物理的デリバリーシステムに応じて異なることになる。
【0095】
[00119] 「治療効果」は、本明細書においてその用語が使用されるとき、治療上の有益性及び/又は予防上の有益性を包含する。予防効果としては、疾患若しくは病態の出現を遅延させるか若しくは消失させること、疾患若しくは病態の症状の発生を遅延させるか若しくは消失させること、疾患若しくは病態の進行を減速させるか、止めるか若しくは逆転させること又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0096】
[00120] 用語「QD」、「qd」又は「q.d.」は、quaque die、1日1回又は毎日1回を意味する。用語「BID」、「bid」又は「b.i.d.」は、bis in die、1日2回又は毎日2回を意味する。用語「TID」、「tid」又は「t.i.d.」は、ter in die、1日3回又は毎日3回を意味する。用語「QID」、「qid」又は「q.i.d.」は、quater in die、1日4回又は毎日4回を意味する。
【0097】
[00121] 誤解を避けるために言えば、本明細書では、本発明の詳細な態様、実施形態又は例と併せて記載される詳細な特徴(例えば、整数、特性、値、使用、疾患、式、化合物又は基)は、それと適合しない場合を除き、本明細書に記載される任意の他の態様、実施形態又は例に適用可能であるものと理解されるべきであることが意図される。従って、かかる特徴は、適切な場合、本明細書に定義される定義、クレーム又は実施形態のいずれかと併せて使用され得る。本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)に開示される全ての特徴及び/又はそのように開示される任意の方法又はプロセスの全てのステップは、特徴及び/又はステップの少なくとも一部が相互排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わされ得る。本発明は、いかなる開示される実施形態のいかなる詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)に開示される特徴の任意の新規の1つ若しくは新規の組み合わせ又はそのように開示される任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組み合わせにまで及ぶ。
【0098】
[00122] 用語「約」及び「近似的に」は、ある値の統計的に意味のある範囲内にあることを意味する。かかる範囲は、所与の値又は範囲のあるオーダー内、好ましくは50%以内、より好ましくは20%以内、より好ましくはなおも10%以内及び更により好ましくは5%以内であり得る。用語「約」又は「近似的に」に包含される許容可能な変動は、研究下の詳細な系に依存し、当業者は、容易に理解することができる。更に、本明細書で使用されるとき、用語「約」及び「近似的に」は、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状並びに他の数量及び特性が正確にそのものでなく且つ正確にそのものでなくてもよく、必要に応じて、公差、変換係数、丸め、測定誤差など、及び当業者に公知の他の要因を反映して、近似的であり得、及び/又はより大きいか若しくは小さいことができることを意味する。一般に、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状又は他の数量若しくは特性は、そのように明示されるか否かに関わらず、「約」又は「近似的」である。極めて異なるサイズ、形状及び寸法の実施形態が記載の構成を用い得ることが注記される。
【0099】
[00123] 移行句「含む」、「から本質的になる」及び「からなる」は、出願当初及び補正後の形態の添付の特許請求の範囲において使用されるとき、存在する場合、どのような記載されていない追加のクレーム要素又はステップが特許請求の範囲から除外されるかに関して特許請求の範囲を定義する。用語「含む」は、包含的又はオープンエンド形式であることが意図され、いかなる記載されていない追加の要素、方法、ステップ又は材料も除外しない。用語「~からなる」は、そのクレームに指定されるもの以外のいかなる要素、ステップ又は材料も除外し、後者の例では、指定される1つ又は複数の材料に通常付随する不純物も除外する。用語「から本質的になる」は、クレームの範囲を指定の要素、ステップ又は材料及び特許請求される発明の基本的な新規の1つ又は複数の特徴に実質的に影響しないものに限定する。本発明を具体化する本明細書に記載される全ての組成物、方法及びキットは、代替的実施形態では、移行句「含む」、「から本質的になる」及び「からなる」のいずれかによってより具体的に定義され得る。
【0100】
TILの有益な投与を決定するシステム及び方法
[00124] 本明細書に記載されるとおり、病態を有する対象実体にTIL集団を提供することは、病態に対する識別可能な効果につながり得るが、但し、対象実体が第1の特性を有することを条件とする。かかる対象実体が実際にかかる特性を備えているかどうかを決定することは、対象実体にTIL集団を提供することが正当化されるか否かを決定する際の関心事であり得、なぜなら、第1の特性がなければ、それが正当化されないことになるためである。かかる第1の特性が存在するかどうかを決定するため、対象実体をtime-to-eventクラスに分類することができる。一部の実施形態において、time-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する一定の可能性に関連する。
【0101】
[00125] 一部の実施形態において、対象実体は、癌を有する患者、例えば哺乳類又はより具体的にはヒトであり得る。一部の実施形態において、対象実体に関連する病態は、疾患又は障害、例えば癌である。一部の実施形態において、第1の特性は、対象実体がT細胞の投与に対し、例えばその病態に対する識別可能な効果を呈することにより、特定の方式で奏効を示す能力である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一部の実施形態において、第1の特性は、対象実体がTILの投与に対し、例えばその病態に対する識別可能な効果を呈することにより、特定の方式で奏効を示す能力である。一部の実施形態において、病態に対する識別可能な効果は、病態の寛解、例えば癌の寛解、完全寛解又は部分寛解など、又はある期間にわたる病態の増悪の欠如、例えば癌の増悪の欠如である。一部の実施形態において、事象は、対象実体の状態の変化、例えば病態の新たな増悪である。一部の実施形態において、識別可能な効果は、完全奏効、部分奏効、無奏効、安定した病勢又は増悪する病勢である。
【0102】
[00126] 対象実体の第1の特性は、対象実体の試料、例えばヒトからの生体試料から決定することができる。一部の実施形態において、対象の第1の特性は、過去にT細胞を提供されたことのある他の実体であって、その実体に対するT細胞を提供することの識別可能な効果又はその欠如が既知の実体の試料とその対象実体の試料を比較することにより決定され得る。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。一部の実施形態において、対象の第1の特性は、過去にTILを提供されたことのある他の実体であって、その実体に対するTILを提供することの識別可能な効果又はその欠如が既知の実体の試料とその対象実体の試料を比較することにより決定され得る。こうした他の実体の試料は、time-to-eventクラスの構築に用いることができる。一部の実施形態において、こうした他の実体の試料は、TILを提供することの前に収集された。一部の実施形態において、他の実体は、転移性黒色腫などの病態を有した。
【0103】
[00127] 一部の実施形態において、比較前に、対象実体の試料及び他の実体の試料を両方とも使用して分析用シグネチャが生成される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、1つ以上の特徴量を含む。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、電気泳動又はクロマトグラフィーデータから導き出される。本明細書に記載されるとおり、一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量スペクトルデータから導き出される。一部の実施形態において、質量スペクトルデータは、MALDI質量スペクトル、例えばMALDI-TOFデータから導き出される。一部の実施形態において、分析用シグネチャには、質量スペクトルデータからの選択されたm/z値が含まれる。本明細書に記載される様々な質量スペクトル処理技法を通じて、質量スペクトルデータから分析用シグネチャの1つ以上の特徴量が導き出される。一部の実施形態において、特徴量は、スペクトルの中でスペクトルピークの強度及び形状が変化する特定のm/z領域に現れる。一部の実施形態において、かかる特徴量は、一定のm/z範囲によって定義される。一部の実施形態において、m/z範囲は、m/z範囲左端を含む。一部の実施形態において、m/z範囲は、m/z範囲中心を含む。一部の実施形態において、m/z範囲は、m/z範囲右端を含む。一部の実施形態において、特徴量には、値が割り当てられる。一部の実施形態において、特定のスペクトルの特徴量値は、特徴量定義のm/zスパン内のスペクトル下面積である。一部の実施形態において、特徴量定義は、表16に記載される範囲による。
【0104】
[00128] 一実施形態において、本発明は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングするシステムを提供し、このシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによってアドレス指定可能なメモリであって、少なくとも1つのプロセッサによって実行される少なくとも1つのプログラムを格納するメモリとを含み、少なくとも1つのプログラムは、A)第1の時点において対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;B)対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することのための命令を含み、ここで、列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連し、ここで、第1の特性は、T細胞集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0105】
[00129] 一実施形態において、本発明は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする方法を提供し、この方法は、A)第1の時点において対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;B)対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することを含み、ここで、列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連し、ここで、第1の特性は、T細胞集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0106】
[00130] 一実施形態において、本発明は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングするシステムを提供し、このシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによってアドレス指定可能なメモリであって、少なくとも1つのプロセッサによって実行される少なくとも1つのプログラムを格納するメモリとを含み、少なくとも1つのプログラムは、A)第1の時点において対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;B)対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することのための命令を含み、ここで、列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連し、ここで、第1の特性は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。
【0107】
[00131] 一実施形態において、本発明は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする方法を提供し、この方法は、A)第1の時点において対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;B)対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することを含み、ここで、列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連し、ここで、第1の特性は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。
【0108】
[00132] 本開示に係る、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングするシステム48の詳細な説明を
図18~
図20と併せて記載する。このように、
図18~
図20は、まとめて、本開示に係るシステムのトポロジーを示す。このトポロジーには、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする発見システム(「発見システム250」)(
図18及び
図19)、1つ以上のデータ収集装置200、血液由来試料を入手するための装置102及びかかる試料からコンピュータ可読分析用シグネチャを入手するための装置104がある(
図18)。本開示全体を通じて、データ収集装置200と発見システム250とは、単に明確にするために、別個の装置として言及されることになる。即ち、データ収集装置200の開示される機能と発見システム250の開示される機能とは、
図18に示すとおり、別個の装置に収められる。しかしながら、実際上、一部の実施形態では、1つ以上のデータ収集装置200の開示される機能と発見システム250の開示される機能とが単一の装置に収められることが理解されるであろう。同様に、一部の実施形態では、データ収集装置200と血液由来試料を入手するための装置102及び/又はかかる試料からコンピュータ可読分析用シグネチャを入手するための装置104とが同じ装置である。
【0109】
[00133]
図18を参照すると、発見システム250は、対象実体をスクリーニングして、それが第1の特性を有するかどうかを決定する。これを行うため、発見システム250と電気的に連通しているデータ収集装置200は、A)第1の時点で対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得し、対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力して、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手し、且つC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類する。列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連する。更に、第1の特性は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。一部の実施形態において、第1の特性は、T細胞集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0110】
[00134] 一部の実施形態において、データ収集装置200は、かかるデータを1つ又は複数の装置102及び1つ又は複数の装置104から直接受け取る。例えば、一部の実施形態において、データ収集装置200は、このデータを無線周波数信号によって無線で受け取る。一部の実施形態において、かかる信号は、802.11(WiFi)、Bluetooth、ZigBeeに準拠したものであるか、又はRFID通信による。一部の実施形態において、データ収集装置200は、かかるデータを直接受け取り、データを分析し、分析したデータを発見システム250に渡す。
【0111】
[00135] 一部の実施形態において、データ収集装置200及び/又は発見システム250はは装置102及び/又は装置104に近接しておらず、及び/又は直接的な無線伝送能力を有さないか、又はかかる無線伝送能力がデータの取得目的に使用されない。かかる実施形態では、装置102及び装置104からの第1のコンピュータ可読分析用シグネチャ(及び/又は第2のコンピュータ可読分析用シグネチャ)の測定値をデータ収集装置200及び/又は発見システム250に通信するため通信ネットワーク106が使用され得る。
【0112】
[00136] ネットワーク106の例としては、限定はされないが、ワールドワイドウェブ(WWW)、イントラネット及び/又は無線ネットワーク、例えば携帯電話ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)及び/又はメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)及び他の無線通信による装置が挙げられる。無線通信は、任意選択で、限定はされないが、広域移動通信システム(GSM)、拡張データGSM環境(EDGE)、高速ダウンリンクパケット接続(HSDPA)、高速アップリンクパケット接続(HSUPA)、エボリューションデータオンリー(EV-DO)、HSPA、HSPA+、デュアルセルHSPA(DC-HSPDA)、ロングタームエボリューション(LTE)、近距離無線通信(NFC)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Bluetooth、Wireless Fidelity(Wi-Fi)(例えば、IEEE 802.11a、IEEE 802.11ac、IEEE 802.11ax、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g及び/又はIEEE 802.11n)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、Wi-MAX、電子メール用プロトコル(例えば、インターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP)及び/又はポストオフィスプロトコル(POP))、インスタントメッセージング(例えば、拡張可能なメッセージング及びプレゼンスプロトコル(XMPP)、インスタントメッセージ及びプレゼンスレバレッジ拡張用セッション初期化プロトコル(SIMPLE)、インスタントメッセージング及びプレゼンスサービス(IMPS))及び/又はショートメッセージサービス(SMS)又は本開示の出願日時点で依然として開発されていない通信プロトコルを含めた任意の他の好適な通信プロトコルを含め、複数の通信規格、プロトコル及び技術のいずれかを用いる。
【0113】
[00137] 当然ながら、システム48の他のトポロジーが可能である。例えば、通信ネットワーク106に依存するのでなく、1つ以上の装置102及び1つ以上の装置104は、情報を無線でデータ収集装置200及び/又は発見システム250に直接送り得る。更に、データ収集装置200及び/又は発見システム250は、携帯用電子装置、サーバコンピュータを構成し得るか、又は実際にはネットワークとして一体に接続された幾つかのコンピュータを構成し得るか、又はクラウドコンピューティングのコンテクストにおける仮想マシンであり得る。このように、
図18に示される例示的トポロジーは、単に本開示の実施形態の特徴を当業者が容易に理解する方式で説明するために供されるに過ぎない。
【0114】
[00138]
図19を参照すると、典型的な実施形態において、発見システム250は、1つ以上のコンピュータを含む。
図19における図解の目的上、発見システム250は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする機能の全てを含む単一のコンピュータとして表される。しかしながら、本開示がそのように限定されるわけではない。一部の実施形態において、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする機能は、幾つものネットワーク化されたコンピュータにわたって広がり、及び/又は数個のネットワーク化されたコンピュータの各々にあり、及び/又は通信ネットワーク106を通じてアクセス可能なリモートロケーションにある1つ以上の仮想マシンにホスティングされる。当業者は、幅広い種々のコンピュータトポロジーの任意のものが本願に用いられ、かかるトポロジーの全てが本開示の範囲内にあることを理解するであろう。
【0115】
[00139] 前述のことを念頭に置いて
図19を見ると、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする例示的発見システム250は、1つ以上の処理装置(CPU)274、ネットワーク又は他の通信インタフェース284、メモリ192(例えば、ランダムアクセスメモリ)、任意選択で1つ以上の制御器288によってアクセスされる1つ以上の磁気ディスク記憶装置及び/又は永続的装置290、前述の構成要素を相互接続する1つ以上の通信バス213、ディスプレイ282と入力280(例えば、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン)とを含むユーザインタフェース278及び前述の構成要素に電力を供給する電源276を含む。一部の実施形態において、メモリ192中のデータは、キャッシングなどの公知のコンピューティング技法を用いて不揮発性メモリ290とシームレスに共有される。一部の実施形態において、メモリ192及び/又はメモリ290は、1つ又は複数の中央処理装置274に対してリモートに位置する大容量記憶装置を含む。換言すれば、メモリ192及び/又はメモリ290に格納される一部のデータは、実際には、発見システム250にとって外部の、しかしネットワークインタフェース284を用いてインターネット、イントラネット又は他の形態のネットワーク若しくは電子ケーブル(
図19に要素106として図示される)を介して発見システム250が電子的にアクセスすることのできるコンピュータにホスティングされ得る。
【0116】
[00140] 一部の実施形態において、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする発見システム250のメモリ192は、
・様々な基本システムサービスを処理するためのプロシージャを含むオペレーティングシステム202;
・対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングするスクリーニングモジュール204;
・複数の訓練実体中の各訓練実体208についての分析用シグネチャ210及び各個別の分析用シグネチャについて、(i)対応する訓練実体からの試料から質量分析によって入手されるm/zスペクトルの異なる独立したサブセット範囲にわたる1つ以上の積分m/z 211、及び(ii)訓練実体208のtime-to-eventクラス212を含む訓練セット206;
・複数のテスト実体中の各テスト実体214についての分析用シグネチャ216及び各個別の分析用シグネチャ216について、(i)対応するテスト実体からの試料から質量分析によって入手されるm/zスペクトルの異なる独立したサブセット範囲にわたる1つ以上の積分m/z 218、及び(ii)テスト実体214のtime-to-eventクラス219を含むテストセット213;
・対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するための対象実体のスクリーニングのための第1の階層訓練済みモデルパネル218;
・対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するための対象実体のスクリーニングのための任意選択の第2の階層訓練済みモデルパネル220;及び
・対象実体についての分析用シグネチャを含む対象実体についてのデータ222
を格納する。
【0117】
[00141] 一部の実施形態において、スクリーニングモジュール204は、任意のブラウザ(電話、タブレット、ラップトップ/デスクトップ)内でアクセス可能である。一部の実施形態において、スクリーニングモジュール204は、ネイティブの装置フレームワーク上で動き、Android又はiOSなどのオペレーティングシステム202を動かす発見システム250上へのダウンロードに利用可能である。
【0118】
[00142] 一部の実施形態において、訓練セット206は、
図9において言及される訓練セットである。一部の実施形態において、テストセット213は、
図9において言及されるテストセットである。
【0119】
[00143] 一部の実施形態において、第1の階層訓練済みモデルパネルは、単一のサポートベクターマシンからなる。一部の実施形態において、第1の階層訓練済みモデルパネルは、複数のサポートベクターマシンからなる。
【0120】
[00144] 一部の実施形態において、対象実体は、哺乳類など、生きている実体である。一部の実施形態において、対象実体は、動物、例えば農業動物又はペットなどの伴侶動物である。一部の実施形態において、対象実体は、ヒトである。一部の実施形態において、対象実体は、疾患又は障害を有する患者である。一部の実施形態において、対象実体は、女性である。一部の実施形態において、対象実体は、男性である。一部の実施形態において、対象実体は、白人又はコーカサス人である。一部の実施形態において、対象実体は、黒人又はアフリカ系アメリカ人である。一部の実施形態において、対象実体は、アジア人である。一部の実施形態において、対象実体は、多人種である。一部の実施形態において、疾患又は障害は、本明細書に記載される癌である。
【0121】
[00145] 一部の実施形態において、対象実体は、任意の年齢であり得る。一部の実施形態において、対象実体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約3歳~約10歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約5歳~約15歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約7歳~約18歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約12歳~約20歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約16歳~約25歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約20歳~約35歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約33歳~約45歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約40歳~約55歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約48歳~約65歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約50歳~約70歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約60歳~約80歳である。一部の実施形態において、対象実体は、約70歳~約90歳である。一部の実施形態において、対象実体は、85歳超である。
【0122】
[00146] 一部の実施形態において、対象実体は、約1歳、約2歳、約3歳、約4歳、約5歳、約6歳、約7歳、約8歳、約9歳、約10歳、約11歳、約12歳、約13歳、約14歳、約15歳、約16歳、約17歳、約18歳、約19歳、約20歳、約21歳、約22歳、約23歳、約24歳、約25歳、約26歳、約27歳、約28歳、約29歳、約30歳、約31歳、約32歳、約33歳、約34歳、約35歳、約36歳、約37歳、約38歳、約39歳、約40歳、約41歳、約42歳、約43歳、約44歳、約45歳、約46歳、約47歳、約48歳、約49歳、約50歳、約51歳、約52歳、約53歳、約54歳、約55歳、約56歳、約57歳、約58歳、約59歳、約60歳、約61歳、約62歳、約63歳、約64歳、約65歳、約66歳、約67歳、約68歳、約69歳、約70歳、約71歳、約72歳、約73歳、約74歳、約75歳、約76歳、約77歳、約78歳、約79歳、約80歳、約81歳、約82歳、約83歳、約84歳、約85歳、約86歳、約87歳、約88歳、約89歳、約90歳、約91歳、約92歳、約93歳、約94歳、約95歳、約96歳、約97歳、約98歳、約99歳又は約100歳である。
【0123】
[00147] 一部の実施形態において、実体の試料は、実体の組織又は体液の任意の試料である。一部の実施形態において、実体の試料は、実体からの血液試料又はリンパ試料である。一部の実施形態において、実体の試料は、実体からの血清試料又は血漿試料である。一部の実施形態において、実体の試料は、腫瘍試料、例えば癌腫瘍試料である。一部の実施形態において、試料は、治療前試料、治療後試料又は治療中に入手された試料である。
【0124】
[00148] 一部の実施形態において、病態は、疾患又は障害である。一部の実施形態において、病態は、癌である。一部の実施形態において、病態は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、病態は、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。
【0125】
[00149] 一部の実施形態において、取得することは、スペクトロメータを使用して、試料の選択されたm/zの値を取得することを含む。一部の実施形態において、取得することは、スペクトロメータを使用して、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットにわたる試料の選択されたm/zの積分値を取得し、それにより第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成することを含む。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、表16から選択される。一部の実施形態において、取得することは、ポジティブイオンモードで実行されるマススペクトロメータを使用して、試料の選択されたm/zの値を取得することを含む。
【0126】
[00150] 一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群又は急性期タンパク質機能群と相関又は逆相関する。一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各サブセットは、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関する。
【0127】
[00151] 一部の実施形態において、取得することA)は、スペクトロメータを使用して、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる試料の積分m/z値を取得し、それにより第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成することを含み、第1の階層訓練済みモデルパネルは、複数の第1の主分類器を含み;及び実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力することは、(i)複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器に第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを供給し、それにより複数の第1の成分出力値中の個別の第1の主分類器の対応する第1の成分出力値を入手すること、及び(ii)複数の第1の成分出力値を組み合わせて、実体についての第1の訓練済みモデル出力値を形成することを含む。一部の実施形態において、少なくとも1つのプログラムは、組み合わせること(ii)の前に複数の第1の成分出力値中のそれぞれの第1の成分出力値にカットオフ閾値を適用することのための命令を更に含み、複数の第1の成分出力値を組み合わせて、対象実体についての第1の訓練済みモデル出力値を形成すること(ii)は、対象実体についての第1の訓練済みモデル出力値を形成するための、複数の第1の成分出力値にわたる重みなし投票を含む。一部の実施形態において、複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器は、複数の小分類器のロジスティック式を含み、複数の小分類器中の各個別の小分類器は、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを使用してロジスティック式に寄与する。一部の実施形態において、複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、ロジスティック式に寄与し、及び異なるテストセットは、第1の複数のテスト実体と、第1の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)個別のテスト実体からのテスト試料からのm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各m/zサブセットにわたる測定値、及び(ii)個別のテスト実体についての列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む。一部の実施形態において、最近傍分析は、k最近傍分析であり、ここで、kは、正の整数である。
【0128】
[00152] 一部の実施形態において、複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器は、異なる複数の小分類器の異なるロジスティック式を含み、複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器についての異なる複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、複数のテストセット中の異なるテストセットであって、個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、対応するロジスティック式に寄与し、個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットは、個別の複数のテスト実体と、個別の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる個別に複数のテスト実体中の個別のテスト実体からのテスト試料の積分m/z測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む。一部の実施形態において、複数のテストセット中の各個別のテストセット間に部分的重複がある。
【0129】
[00153] 一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中のm/z範囲のそれぞれの所定のサブセットは、表21の列1に提供されるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも10個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも15個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも20個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも25個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも30個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも35個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも40個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも45個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも50個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも55個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも60個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも65個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも70個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも75個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも80個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも85個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも90個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも95個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも100個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも105個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも110個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも115個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも120個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも125個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも130個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも135個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも140個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも145個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも150個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とする。
【0130】
[00154] 一実施形態において、本発明は、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングするシステムを提供し、このシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによってアドレス指定可能なメモリであって、少なくとも1つのプロセッサによって実行される少なくとも1つのプログラムを格納するメモリとを含み、少なくとも1つのプログラムは、A)第1の時点において対象実体の試料から第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを取得すること;B)対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第1の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びC)第1の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することのための命令を含み、ここで、列挙型time-to-eventクラスセット中の各個別のtime-to-eventクラスは、対象実体が第1の特性を有する異なる可能性に関連し、ここで、第1の特性は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含み;ここで、取得することA)は、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる試料の積分m/z値を取得し、それにより第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成すること、及び第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにわたる試料の積分m/z値を取得し、それにより第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを形成することを含み、分類することC)は、第1の訓練済みモデル出力値が第1の値範囲内にあるとき、対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中の第1のtime-to-eventクラスで分類すること;及び第1の訓練済みモデル出力値が第2の値範囲内にあるとき、フォローアップ手順を実施することを含み;ここで、フォローアップ手順は、i)対象実体の第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを第2の階層訓練済みモデルパネルに入力し、それにより実体についての第2の訓練済みモデル出力値を入手すること;及びii)第2の訓練済みモデル出力値に基づいて対象実体を列挙型time-to-eventクラスセット中のtime-to-eventクラスで分類することを含む。他の実施形態において、第1の特性は、T細胞集団を提供することの、第1の実体に関連する病態に対する識別可能な効果を含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0131】
[00155] 一部の実施形態において、第1の階層訓練済みモデルパネルは、複数の第1の主分類器を含み;及び対象実体の第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを第1の階層訓練済みモデルパネルに入力することは、(i)複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器に第1のコンピュータ可読分析用シグネチャを供給し、それにより複数の第1の成分出力値中の個別の第1の主分類器の対応する第1の成分出力値を入手すること、及び(ii)複数の第1の成分出力値を組み合わせて、実体についての第1の訓練済みモデル出力値を形成することを含む。一部の実施形態において、第2の階層訓練済みモデルパネルは、複数の第2の主分類器を含み;及び対象実体の第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを第2の階層訓練済みモデルパネルに入力することは、(i)複数の第2の主分類器中の各個別の第2の主分類器に第2のコンピュータ可読分析用シグネチャを供給し、それにより複数の第2の成分出力値中の個別の第2の主分類器の対応する第2の成分出力値を入手すること、及び(ii)複数の第2の成分出力値を組み合わせて、実体についての第2の訓練済みモデル出力値を形成することを含む。一部の実施形態において、少なくとも1つのプログラムは、複数の第2の成分出力値を組み合わせること(ii)の前に複数の第2の成分出力値中のそれぞれの第2の成分出力値にカットオフ閾値を適用することのための命令を更に含み、複数の第2の成分出力値を組み合わせて、実体についての第2の訓練済みモデル出力値を形成すること(ii)は、実体についての第2の訓練済みモデル出力値を形成するための、複数の第2の成分出力値にわたる重みなし投票を含む。一部の実施形態において、複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器は、第1の複数の小分類器の第1のロジスティック式を含み、第1の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを使用して第1のロジスティック式に寄与し、複数の第2の主分類器中の個別の第2の主分類器は、第2の複数の小分類器の第2のロジスティック式を含み、第2の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを使用して第2のロジスティック式に寄与する。一部の実施形態において、第1の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、第1のロジスティック式に寄与し、異なるテストセットは、第1の複数のテスト実体と、第1の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける個別のテスト実体からのテスト試料の選択されたm/zについての測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含み、第2の複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第2の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、第2のロジスティック式に寄与し、異なるテストセットは、第2の複数のテスト実体と、第2の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける個別のテスト実体からのテスト試料の選択されたm/zについての測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む。一部の実施形態において、最近傍分析は、k最近傍分析であり、ここで、kは、正の整数である。一部の実施形態において、複数の第1の主分類器中の各個別の第1の主分類器は、異なる複数の小分類器の異なるロジスティック式を含み、複数の第1の主分類器中の個別の第1の主分類器についての異なる複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第1の複数のテストセット中の異なるテストセットであって、個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、第1のロジスティック式に寄与し、個別の第1の主分類器に関連する異なるテストセットは、個別の複数のテスト実体と、複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける個別に複数のテスト実体中の個別のテスト実体からのテスト試料の選択されたm/zについての測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含み、複数の第2の主分類器中の各個別の第2の主分類器は、異なる複数の小分類器の異なるロジスティック式を含み、複数の第2の主分類器中の個別の第2の主分類器についての異なる複数の小分類器中の各個別の小分類器は、最近傍分析を用いて、第2の複数のテストセット中の異なるテストセットであって、個別の第2の主分類器に関連する異なるテストセットに対して、その個別の小分類器に対応するm/z範囲の複数の所定のサブセットの一意のサブセットを適用することにより、第2のロジスティック式に寄与し、個別の第2の主分類器に関連する異なるテストセットは、個別の複数のテスト実体と、個別の複数のテスト実体中の各個別のテスト実体について、(i)m/z範囲の複数の所定のサブセット中の各個別のサブセットにおける個別に複数のテスト実体中の個別のテスト実体からのテスト試料の選択されたm/zについての測定値、及び(ii)列挙型time-to-eventクラスセット中の指定のtime-to-eventクラスとを含む。
【0132】
[00156] 一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中のm/z範囲のそれぞれの所定のサブセットは、表21の列1に提供されるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中のm/z範囲のそれぞれの所定のサブセットは、表21の列2に提供されるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも10個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも4個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも40個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも8個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、第1のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも80個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも12個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする。一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも120個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも16個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする。
【0133】
[00157] 一部の実施形態において、m/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、147、148、149又は150個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列1に提供される異なるm/z値を中心とし、第2のm/z範囲の複数の所定のサブセット中の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40個のm/z範囲の所定のサブセットは、表21の列2に提供される異なるm/z値を中心とする。
【0134】
[00158] 一部の実施形態において、取得することA)は、電気泳動又はクロマトグラフィーにより、試料の特性値を導き出すことを含む。一部の実施形態において、列挙型クラスセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)からなる。一部の実施形態において、列挙型クラスセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)を含む。一部の実施形態において、good、late又はplus (+)クラスについての識別可能な効果は、第1の時点で始まる第1のエピックにわたる実体の無増悪生存であり、第1のエピックは、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月及び60ヵ月超からなる群から選択される。一部の実施形態において、第1のエピックは、約1ヵ月、約2ヵ月、約3ヵ月、約4ヵ月、約5ヵ月、約6ヵ月、約7ヵ月、約8ヵ月、約9ヵ月、約10ヵ月、約11ヵ月、約12ヵ月、約13ヵ月、約14ヵ月、約15ヵ月、約16ヵ月、約17ヵ月、約18ヵ月、約19ヵ月、約20ヵ月、約21ヵ月、約22ヵ月、約23ヵ月、約24ヵ月、約25ヵ月、約26ヵ月、約27ヵ月、約28ヵ月、約29ヵ月、約30ヵ月、約31ヵ月、約32ヵ月、約33ヵ月、約34ヵ月、約35ヵ月、約36ヵ月、約37ヵ月、約38ヵ月、約39ヵ月、約40ヵ月、約41ヵ月、約42ヵ月、約43ヵ月、約44ヵ月、約45ヵ月、約46ヵ月、約47ヵ月、約48ヵ月、約49ヵ月、約50ヵ月、約51ヵ月、約52ヵ月、約53ヵ月、約54ヵ月、約55ヵ月、約56ヵ月、約57ヵ月、約58ヵ月、約59ヵ月、約60ヵ月、約61ヵ月、約62ヵ月、約63ヵ月、約64ヵ月、約65ヵ月、約66ヵ月、約67ヵ月、約68ヵ月、約69ヵ月、約70ヵ月、約71ヵ月、約72ヵ月、約73ヵ月、約74ヵ月、約75ヵ月、約76ヵ月、約77ヵ月、約78ヵ月、約79ヵ月、約80ヵ月、約81ヵ月、約82ヵ月、約83ヵ月、約84ヵ月、約85ヵ月、約86ヵ月、約87ヵ月、約88ヵ月、約89ヵ月、約90ヵ月、約91ヵ月、約92ヵ月、約93ヵ月、約94ヵ月、約95ヵ月、約96ヵ月、約97ヵ月、約98ヵ月、約99ヵ月、約100ヵ月、約101ヵ月、約102ヵ月、約103ヵ月、約104ヵ月、約105ヵ月、約106ヵ月、約107ヵ月、約108ヵ月、約109ヵ月、約110ヵ月、約111ヵ月、約112ヵ月、約113ヵ月、約114ヵ月、約115ヵ月、約116ヵ月、約117ヵ月、約118ヵ月、約119ヵ月又は約120ヵ月である。一部の実施形態において、good、late又はplus (+)クラスについての識別可能な効果は、所定の閾値レベルを上回る可能性で起こる。一部の実施形態において、所定の閾値レベルは、50パーセント、60パーセント、70パーセント、80パーセント又は90パーセントである。一部の実施形態において、TIL集団を提供することは、病態に対するTIL集団による別の療法を同時提供することを更に含む。一部の実施形態において、T細胞集団を提供することは、病態に対するT細胞集団による別の療法を同時提供することを更に含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0135】
[00159] 一部の実施形態において、少なくとも1つのプログラムは、入力することB)の前に1つ以上のモデルを訓練して、それにより第1の階層訓練済みモデルを形成することのための命令を更に含む。一部の実施形態において、訓練することは、複数の訓練実体に相当する訓練セットを入手することであって、複数の訓練実体中の各訓練実体は、病態を有し、及び各個別の訓練実体について、訓練セットは、(i)個別の訓練実体の試料からのコンピュータ可読分析用シグネチャ、及び(ii)TIL集団を提供することの病態に対する効果を含む、入手することと、訓練セットを使用して1つ以上のモデルを訓練して、それにより第1の階層訓練済みモデルパネルを形成することとを含む。一部の実施形態において、列挙型クラスセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)からなり、訓練セットは、列挙型クラスセット中の各クラスについて異なる複数の訓練実体を含む。一部の実施形態において、列挙型クラスセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)を含み、及び訓練セットは、列挙型クラスセット中の各クラスについて異なる複数の訓練実体を含む。一部の実施形態において、訓練セットは、TILを提供されたことがあり且つ第1の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第1のサブセットと、TILを提供されたことがあり且つ第2の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第2のサブセットと、TILを提供されたことがあり且つ第3の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第3のサブセットとを含む。一部の実施形態において、第1の期間、第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年及び5年超からなる群から選択される。一部の実施形態において、第1の期間、第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月及び60ヵ月超からなる群から選択される。
【0136】
[00160] 一部の実施形態において、少なくとも1つのプログラムは、入力することB)の前に1つ以上のモデルを訓練して、それにより第1の階層訓練済みモデルを形成することのための命令を更に含む。一部の実施形態において、訓練することは、複数の訓練実体に相当する訓練セットを入手することであって、複数の訓練実体中の各訓練実体は、病態を有し、及び各個別の訓練実体について、訓練セットは、(i)個別の訓練実体の試料からのコンピュータ可読分析用シグネチャ、及び(ii)T細胞集団を提供することの病態に対する効果を含む、入手することと、訓練セットを使用して1つ以上のモデルを訓練して、それにより第1の階層訓練済みモデルパネルを形成することとを含む。一部の実施形態において、列挙型クラスセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)からなり、訓練セットは、列挙型クラスセット中の各クラスについて異なる複数の訓練実体を含む。一部の実施形態において、列挙型クラスセットは、good、intermediate、bad、late、early、plus (+)及びminus (-)を含み、及び訓練セットは、列挙型クラスセット中の各クラスについて異なる複数の訓練実体を含む。一部の実施形態において、訓練セットは、T細胞を提供されたことがあり且つ第1の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第1のサブセットと、T細胞を提供されたことがあり且つ第2の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第2のサブセットと、T細胞を提供されたことがあり且つ第3の期間にわたって病態増悪を有さなかった実体の第3のサブセットとを含む。一部の実施形態において、第1の期間、第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年及び5年超からなる群から選択される。一部の実施形態において、第1の期間、第2の期間及び第3の期間は、それぞれ独立に、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月及び60ヵ月超からなる群から選択される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0137】
[00161]
図20を参照すると、一部の実施形態において、対象実体222は、第1の複数のm/zサブセット範囲中の各個別のm/zサブセット範囲にわたる個別の積分m/z値304を含む第1のコンピュータ可読分析用シグネチャ302を有する。例えば、一部の実施形態において、第1のコンピュータ可読分析用シグネチャ302は、表21の列1に提供される各m/z値についての異なるm/z範囲サブセットを含む。かかる実施形態において、表21の列1に提供される個別のm/z値は、m/z範囲サブセットについての中心値であり、範囲の大きさは表16に提供される。例えば、表21の第1列に掲載される特徴量「3125」について、対象実体からの試料の質量スペクトログラフは、表16に指定されるとおり(エントリ番号3:3118.81、3124.60、3130.38)、3118.81(m/z)~3130.38(m/z)で積分され、それによって対応するサブセットm/z範囲にわたる対象実体からの対象試料の積分m/z値304が求められる。ここで、対応するサブセットm/z範囲が「特徴量」に相当し、対応するサブセットm/z範囲にわたる対象実体からの対象試料の積分m/z値がこの「特徴量」についての「特徴量値」に相当する。
【0138】
[00162]
図20を参照すると、一部の実施形態において、対象実体222は、第2の複数のm/zサブセット範囲中の各個別のm/zサブセット範囲にわたる個別の積分m/z値308を含む第2のコンピュータ可読分析用シグネチャ306を有する。例えば、一部の実施形態において、第2のコンピュータ可読分析用シグネチャ302は、表21の列2に提供される各m/z値についての異なるm/z範囲サブセットを含む。かかる実施形態において、表21の列2に提供される個別のm/z値は、m/z範囲サブセットについての中心値であり、範囲の大きさは表16に提供される。例えば、表21の第2列に掲載される特徴量「3611」について、対象実体からの試料の質量スペクトログラフは、表16に指定されるとおり(エントリ番号26:3603.78、3610.56、3617.35)、約3603.78m/z~約3617.35m/zで積分され、それによって対応するサブセットm/z範囲にわたる対象実体からの対象試料の積分m/z値308が求められる。ここで、対応するサブセットm/z範囲が「特徴量」に相当し、対応するサブセットm/z範囲にわたる対象実体からの対象試料の積分m/z値がこの「特徴量」についての「特徴量値」に相当する。
【0139】
[00163]
図20を参照すると、一部の実施形態において、主分類器310は、単一の分類器である。一部の代替的実施形態において、主分類器310は、複数の小分類器312の複合体である。かかる実施形態において、各小分類器312は、入力として、選択された数のm/z範囲314(サブセット)を含む。例えば、一部の実施形態において、各m/z範囲314は、第1のコンピュータ可読分析用シグネチャのサブセット範囲304の1又は2個に対応する。一部の実施形態において、所与の小分類器314についての各m/z範囲314は、第1のコンピュータ可読分析用シグネチャのサブセット範囲304の3、4、5、6、7、8、9又は10個に対応する。一部の実施形態において、各小分類器は、入力として、10個未満のm/z範囲、9個未満のm/z範囲、8個未満のm/z範囲、7個未満のm/z範囲、6個未満のm/z範囲、5個未満のm/z範囲、4個未満のm/z範囲、3個未満のm/z範囲又は2個未満のm/z範囲を含む。一部の実施形態において、各小分類器は、入力として、表16から選択される10個未満のm/z範囲、9個未満のm/z範囲、8個未満のm/z範囲、7個未満のm/z範囲、6個未満のm/z範囲、5個未満のm/z範囲、4個未満のm/z範囲、3個未満のm/z範囲又は2個未満のm/z範囲を含む。一部の実施形態において、各主分類器は、訓練セット206の異なるサブセットを使用して訓練される。
【0140】
[00164] 一部の実施形態において、各主分類器310は、テストセット213に対する最近傍分析である。即ち、対象実体222からの分析用シグネチャにおける選択された積分m/zサブセット範囲が第1の階層訓練済みモデルパネル218及び/又は第2の階層訓練済みモデルパネル220に入力として供され、最近傍分析を用いることにより、テストセット212中で対象実体222と最も類似性の高い実体が決定される。次に、これらの最も類似性の高いテスト実体のtime-to-eventクラスが投票され、組み合わされて、対象実体222についての第1の階層訓練済みモデルパネル218及び/又は第2の階層訓練済みモデルパネル220によってコールされるtime-to-eventクラスを形成する。
【0141】
[00165] 一部の実施形態において、各主分類器310は、テストセット213に対する最近傍分析パネルである。かかる実施形態において、パネル中の各最近傍分析は、小分類器314である。かかる実施形態において、対象実体222からの分析用シグネチャ302/306における選択された積分m/zサブセット範囲314が各小分類器312に入力として供され、各小分類器314によって最近傍分析が用いられることにより、テストセット213中で対象実体222と最も類似性の高い実体が決定される。次に、これらの最も類似性の高いテスト実体のtime-to-eventクラスが投票され、組み合わされて、対象実体222についての各個別の主分類器310によってコールされるtime-to-eventクラスを形成する。
【0142】
[00166] 一部の実施形態において、第1の訓練済みモデルパネル218及び/又は第2の訓練済みモデルパネル218は、人工ニューラルネットワークである。一部の実施形態において、第1の訓練済みモデルパネル218及び/又は第2の訓練済みモデルパネル218は、線形回帰、非線形回帰、ロジスティック回帰、多変量データ解析、回帰木を用いた分類、潜在変数への部分最小二乗射影、ニューラルネットワーク計算、ベイズモデル計算、一般加法モデル計算、サポートベクターマシンの使用又はブースティング若しくは適応ブースティングを含むモデリングである。例えば、Duda et al., 2001, Pattern Classification, Second Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York;Hastie, 2003, The Elements of Statistical Learning, Springer, New York;及びAgresti 1996, An Introduction to Categorical Data Analysis, John Wiley & Sons, New York(これらの各々は、本明細書によってかかる目的のため参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
【0143】
[00167] 一部の実施形態において、第1の訓練済みモデルパネル218及び/又は第2の訓練済みモデルパネル218は、複数の小分類器312を含み、各個別の小分類器は、人工ニューラルネットワークである。一部の実施形態において、第1の訓練済みモデルパネル218及び/又は第2の訓練済みモデルパネル218は、複数の小分類器312を含み、各個別の小分類器は、線形回帰、非線形回帰、ロジスティック回帰、多変量データ解析、回帰木を用いた分類、潜在変数への部分最小二乗射影、ニューラルネットワーク計算、ベイズモデル計算、一般加法モデル計算、サポートベクターマシンの使用又はブースティング若しくは適応ブースティングを含むモデリングである。例えば、Duda et al., 2001, Pattern Classification, Second Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York;Hastie, 2003, The Elements of Statistical Learning, Springer, New York;及びAgresti 1996, An Introduction to Categorical Data Analysis, John Wiley & Sons, New York(これらの各々は、本明細書によってかかる目的のため参照により本明細書に援用される)を参照されたい。かかる実施形態では、小分類器が組み合わされて、個別の第1の訓練済みモデルパネル218及び/又は第2の訓練済みモデルパネル218についての最終値を形成する。
【0144】
[00168] 一部の実施形態において、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする発見システム250の上記に特定されるデータ要素又はモジュールの1つ以上は、先述のメモリ装置の1つ以上に格納され、上記に記載される機能を実施することに関する命令の組に対応する。上記に特定されるデータ、モジュール又はプログラム(例えば、命令の組)が個別のソフトウェアプログラム、プロシージャ又はモジュールとして実装される必要はなく、従ってこれらのモジュールの様々なサブセットが組み合わされるか又は他の方法で様々な実装に再編成され得る。一部の実施形態において、メモリ192及び/又は290は、任意選択で、上記に特定されるモジュール及びデータ構造のサブセットを格納する。更に、一部の実施形態において、メモリ192及び/又は290は、上記に記載されない追加的なモジュール及びデータ構造を格納する。
【0145】
[00169] 一部の実施形態において、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする発見システム250は、スマートフォン(例えば、iPHONE)、ラップトップ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ又は他の形態の電子デバイス(例えば、ゲーム用コンソール)である。一部の実施形態において、発見システム250は、モバイルでない。一部の実施形態において、発見システム250は、モバイルである。
【0146】
[00170] 一部の実施形態において、発見システム250は、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ又は他の形態又は有線若しくは無線ネットワーク化された装置である。一部の実施形態において、発見システム250は、
図18又は
図19に図示される発見システム250に見られるあらゆる回路、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素を有する。簡潔且つ明確にするため、発見システム250の可能な構成要素の限られた数個のみを示し、それにより発見システム250にインストールされる追加的なソフトウェアモジュールを一層強調している。
【0147】
[00171] 対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングするシステム48の詳細が開示されたところで、対象実体が第1の特性を有するかどうかを決定するために対象実体をスクリーニングする方法の態様に関する詳細を以下に開示する。
【0148】
[00172] 一部の実施形態において、装置104は、マススペクトロメータである。一部の実施形態において、参照実体210の分析用シグネチャ210、テスト実体214の分析用シグネチャ216及び/又は対象実体の分析用シグネチャ302又は306は、マススペクトロメータを使用して取得される。一部の実施形態において、参照実体210の分析用シグネチャ210、テスト実体214の分析用シグネチャ216及び/又は対象実体の分析用シグネチャ302又は306は、ポジティブイオンモードで実行されるマススペクトロメータを使用して取得される。一部の実施形態において、参照実体210の分析用シグネチャ210、テスト実体214の分析用シグネチャ216及び/又は対象実体の分析用シグネチャ302又は306は、Deep-MALDI TOF質量分析を用いて決定される。
【0149】
Deep-MALDI TOF質量分析
[00173] Deep-MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)は、MALDI-TOF(飛行時間型)マススペクトロメータ計測器を使用して生体試料、例えば血清又は他の血液ベース試料を分析する方法を指す。この方法については、米国特許第9,279,798号(全体として本明細書に援用される)に更に詳細に記載される。この方法には、MALDI-TOF試料プレート上の試料スポットに試料を加えるステップ、試料スポットに多数の、例えば20,000を超えるレーザーショットを照射するステップ及び質量スペクトルデータを収集するステップが含まれる。任意の数のレーザーショットを使用することができ、例えば少なくとも50,000、少なくとも75,000、少なくとも100,000、少なくとも200,000又は少なくとも500,000ショットが試料に照射される。多数のレーザーショットを用いると、得られる質量スペクトルのノイズレベルの低減につながり、従来のMALDI技法と比較して試料から多量の追加的なスペクトル情報を入手することができる。更に、少ないショット数で可視化されるピークほど良好に定義され、異なる試料間の信頼性の高い比較が可能となる。
【0150】
[00174] 従来のMALDI技法では、単一のMALDIスポットから20,000を超えるショットを入手することは、典型的に困難である。例えば、MALDI試料スポットからの何十万ものショットを用いることに伴う問題の1つは、共通のスポット調製において、結合スペクトル中のシグナルに実質的に寄与するのに十分なイオン電流を生じるのがスポット内の一部のショット位置のみであることである。しかしながらdeep-MALDIでは、自動ラスター走査などの特殊な手順により、単一のスポットに対して従来のMALDI技法よりも多くのショットを広大に実施する能力がもたらされる。レーザーショットについてMALDIプレート上の所与のスポット内における高イオン収量位置を目視で選択する手動での作業が用いられ得るが、レーザーショット位置を選択する作業の自動化も可能であり、ハイスループットでの実施に好ましい。ほとんどのランダムに選択された位置が高イオン電流を生じるような方法によるMALDIスポットの品質の向上も、用いることのできる手法である。
【0151】
[00175] 取得の自動化には、ラスター方式でのスポットのレーザー走査の最適な移動パターンを定義すること、及び1つ以上のスポットから多数のショット、例えば750,000、1,000,000、2,000,000又は3,000,000ショットが得られるようなスポット内での個別のX/Y座標位置における複数のラスター走査についての指定順序の生成が含まれ得る。幾つかの試料スポットの各々につき250,000ショットから取得されるスペクトルを1,000,000ショットスペクトルに組み合わせることができる。同じ試料が入った複数のスポットで収集される数十万ショット~数百万ショットを合わせて平均化することにより、1つのスペクトルを作り出すことができる。更なる自動化方法には、試料スポットの非連続X/Yラスター走査に関するラスターファイルの生成、スポットをサブスポットのグリッド(例えば、3×3又は5×5グリッド)に分割すること、及びサブスポットの個別のX/Y座標位置におけるラスター走査に関するラスターファイルを生成すること、及び画像解析技法を用いてスペクトル取得(複数のショット)のための比較的高濃度の試料材料が含まれる目的の範囲及び/又はタンパク質濃度が比較的低い範囲を特定すること、及びタンパク質濃度が比較的高い範囲でスペクトル取得を実施することが含まれる。
【0152】
[00176] 別のdeep-MALDI技法は、単一のスポット内に試料/マトリックスの一様で均一な結晶が生じるように、MALDIプレートに試料を加える作業(「スポッティング」)を最適化することに関する。この作業により、自動化された方法を用いたMALDIプレート上の単一のスポットからの数十万ショットの入手が促進される。
【0153】
[00177] Deep-MALDIには、バイオマーカー創製、試験開発、物質検査、既存の試験のバリデーション及び例えばバイオマーカー創製努力における仮説生成を含め、多くの適用性がある。Deep-MALDIによれば、従来技法と比較して複合試料中の更に多くのタンパク質の量をハイスループット方式で再現性よく定量化するその能力により、質量分析研究における「ダイリュートアンドシュート」法の可能性も高まる。
【0154】
Diagnostic Cortex
[00178] Diagnostic Cortexは、多数の試料の分類用データを入手することを含む、試料の各々についてのデータが多数の物理的測定特徴量値及びクラスラベルからなる分類器生成方法及びシステムを指す。これらの方法及びその適用については、米国特許第7,736,905号、同第8,914,238号、同第8,718,996号、同第7,858,389号、同第7,858,390号及び同第9,477,906号並びに米国特許出願公開第2011/0208433号及び同第2013/0344111号(全体として本明細書に援用される)に更に詳細に記載されている。個々の小分類器は、試料からの特徴量の組を用いて生成される。小分類器の性能がテストされ、性能閾値を満たすものが残される。次に、試料の分類ラベルに対する残された/フィルタリングされた小分類器の組の正則化アンサンブル訓練を行うことにより、例えばフィルタリングされた小分類器の一部の少数をランダムに選択して(ドロップアウト正則化)、かかる選択された小分類器に対してロジスティック訓練を行うことにより、主分類器が生成される。この試料の組がテストセットと訓練セットとにランダムに分けられる。小分類器の生成、フィルタリング及び主分類器の生成ステップは、試料の組をテストセットと訓練セットとに分ける異なるリアライゼーションについて繰り返され、それにより複数の主分類器が生成される。最終分類器は、主分類器の1つ又は2つ以上の組み合わせから定義される。
【0155】
[00179] 大規模な訓練データセットが利用可能な場合の分類器の開発に焦点を置く標準的な機械学習適用、即ちビッグデータチャレンジと対照的に、バイオ-ライフサイエンスでは問題設定が異なる。典型的には、問題は、臨床試験から典型的に発生する利用可能な試料の数(n)が多くの場合に限られており、通常、各試料の属性(測定値)の数(p)が試料数を上回ることである。多くのインスタンスから情報を入手するよりむしろ、これらのディープデータ問題では、個々のインスタンスの深層的な記述から情報を得ることが試みられる。Diagnostic Cortexに関与する方法は、この洞察を利用するものであり、p>>nである場合の問題に特に有用である。
【0156】
[00180] 分類器の生成方法は、複数の試料(例えば、血液、組織又は他の種類の生体試料)から分類のための物理的測定データを入手するステップを含む。試料の各々についての分類用データは、多数の特徴量値(例えば、質量分析データにおける特定のm/Z範囲の積分強度値、蛍光強度測定値であって、mRNA転写物、タンパク質又は遺伝子発現レベルに関連するもの)及び関連するクラス又は群ラベルからなる。クラス又は群ラベルは様々な形態をとり得るもので、これは分類器の生成において繰り返し定義されることができ、一部の実施形態では、何らかの診断的又は治療的意味又は属性を有し得る。更なるステップとしては、試料からの特徴量値セットを用いて、予め選択された特徴量セットサイズ(s、整数)に至るまでの多数の個々の小分類器を構築するステップが含まれる。例えば、個々の特徴量(s=1)及び/又は特徴量ペア(s=2)について小分類器が構築される。例えば、初期特徴量セットが100個の特徴量を含む場合、小分類器の数は、s=1であれば100となり、s=2であれば4950=100×99/2となる。小分類器は、k最近傍法などの分類アルゴリズムを実行し、ここでは、試料インスタンスの特徴量又は特徴量ペアの値が訓練セット中の同じ1つ又は複数の特徴量の値と比較され、特徴量空間における最近傍(例えば、k=5)が特定されて、多数決によって各小分類器により試料インスタンスにクラスラベルが割り当てられる。k最近傍法の代替として、他の教師あり分類法、例えばツリーベースの分類、線形判別式、サポートベクターマシン等が用いられ得る。より大きいsの値を用いることができ、可能な特徴量の組み合わせの数が増加して計算リソース要件が高くなり得ることが理解されるであろう。更なるステップには、個々の小分類器の性能をテストして、多数の生体試料中の少なくとも一部(例えば、訓練セット、開発セット全体の中のサブセット)を分類するステップ及び分類の正確さ若しくは予測力又は任意の好適な他の性能メトリックが既定の閾値を超える小分類器のみを残し、それによりフィルタリングされた(剪定された)小分類器セットを求めるステップが含まれる。他のステップは、フィルタリングされた小分類器を、正則化結合方法を用いて組み合わせて、主分類器を生成することを含む。この正則化結合方法は、一部の実施形態では、試料のクラスラベルに対するフィルタリング済み小分類器セットのロジスティック訓練を繰り返し実行する形態をとり得、これは、フィルタリング済み小分類器セットからエクストリームドロップアウト(ドロップアウト正則化と称される技法)を実行する結果としてフィルタリング済み小分類器の一部の少数をランダムに選択し、かかる選択された小分類器に対してロジスティック訓練を実行することにより行うことができる。更なるステップには、試料をテストセットと訓練セットとにランダムに分けるステップ及び試料セットをテストセットと訓練セットとに分ける異なるリアライゼーションについて、プログラム化されたコンピュータで前出のステップを繰り返して、それにより、試料セットを訓練セットとテストセットとに分ける各リアライゼーションにつき1つの、複数の主分類器を生成するステップが含まれる。こうした方法は、複数の主分類器の1つ又は2つ以上の組み合わせから最終分類器を定義することも含み、最終分類器は、典型的又は代表的な性能を有する複数の主分類器からの単一の主分類器の選択によるか、全ての主分類器の多数決によるか、修正多数決によるか、重み付き多数決によるか、又は他の方法を含め、種々の方法で定義することができる。
【0157】
個別化された癌治療におけるT細胞及びTIL
[00181] 一実施形態において、本発明は、癌患者が、T細胞集団の単独又は別の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する方法を提供し、この方法は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び患者がかかる投与から利益を受ける可能性と相関又は逆相関する生物学的マーカーと分析用シグネチャが相関又は逆相関することを決定するステップを含む。一部の実施形態において、かかる可能性は、同様のT細胞投与が有益となったか又は有益とならなかったかのいずれかである1つ以上の患者集団を基準とすることにより決定される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0158】
[00182] 一実施形態において、本発明は、癌患者が、T細胞集団の単独又は別の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する方法を提供し、この方法は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び分析用シグネチャが、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関することを決定するステップを含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0159】
[00183] 一実施形態において、本発明は、癌患者が、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団の単独又は別の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する方法を提供し、この方法は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び患者がかかる投与から利益を受ける可能性と相関又は逆相関する生物学的マーカーと分析用シグネチャが相関又は逆相関することを決定するステップを含む。一部の実施形態において、かかる可能性は、同様のTIL投与が有益となったか又は有益とならなかったかのいずれかである1つ以上の患者集団を基準とすることにより決定される。
【0160】
[00184] 一実施形態において、本発明は、癌患者が、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団の単独又は別の抗癌療法との併用のいずれかでの投与から利益を受ける可能性が高いかどうかを予測する方法を提供し、この方法は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び分析用シグネチャが、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関することを決定するステップを含む。
【0161】
[00185] 一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法、電気泳動法又はクロマトグラフィー法によって入手される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法によって入手され、且つ選択された質量スペクトル特徴量の既定のm/z範囲にわたる積分強度値を含む。一部の実施形態において、質量スペクトルm/z範囲は、表16に掲載される1つ以上の範囲である。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、表22に掲載される1つ以上の特徴量である。一部の実施形態において、質量分析は、ポジティブイオンモードで実行される。
【0162】
[00186] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、T細胞を投与されたことのある他の癌患者群との比較でT細胞の投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、第1のT細胞集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、T細胞を投与されたことのある他の癌患者群との比較でT細胞の投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、T細胞集団を入手するステップ;集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者から第1のT細胞集団を受け取ることを含む。一部の実施形態において、第2のT細胞集団は、第1のT細胞集団より少なくとも5倍数が多い。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、本方法は、第2の細胞培養培地中で第2のT細胞集団の迅速拡大培養を実施して第3のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のT細胞集団より少なくとも50倍数が多い。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、本方法は、第3のTIL集団を回収すること;及び患者に治療上有効な分量の第3のT細胞集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、T細胞の有益な投与の可能性は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手すること;T細胞を投与されたことのある他の癌患者群からの試料の分析用シグネチャであって、クラスラベルgood、intermediate、bad、late、early、plus (+)又はminus (-)が付与されている分析用シグネチャの訓練セットとその分析用シグネチャを比較すること;及び患者試料をクラスラベルgood、late又はplus (+)で分類することを含む、血清ベースの分析的アッセイによって決定される。一部の実施形態において、T細胞を投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、完全奏効、部分奏効、無奏効、安定した病勢又は増悪する病勢を達成している。一部の実施形態において、T細胞を投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって疾患増悪を有していない。一部の実施形態において、T細胞を投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間を達成している。一部の実施形態において、クラスラベルgood、late又はplus (+)は、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間に関連する。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0163】
[00187] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、TILを投与されたことのある他の癌患者群との比較でTILの投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、患者から、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を入手するステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び第3のTIL集団を回収するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含む。一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、TILを投与されたことのある他の癌患者群との比較でTILの投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を受け取るステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び第3のTIL集団を回収するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、TILの有益な投与の可能性は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手すること;TILを投与されたことのある他の癌患者群からの試料の分析用シグネチャであって、クラスラベルgood、intermediate、bad、late、early、plus (+)又はminus (-)が付与されている分析用シグネチャの訓練セットとその分析用シグネチャを比較すること;及び患者試料をクラスラベルgood、late又はplus (+)で分類することを含む、血清ベースの分析的アッセイによって決定される。一部の実施形態において、TILを投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、完全奏効、部分奏効、無奏効、安定した病勢又は増悪する病勢を達成している。一部の実施形態において、TILを投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって疾患増悪を有していない。一部の実施形態において、TILを投与されたことのある他の癌患者のサブ群は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間を達成している。一部の実施形態において、クラスラベルgood、late又はplus (+)は、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の無増悪生存期間に関連する。
【0164】
[00188] 一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法、電気泳動法又はクロマトグラフィー法によって入手される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法によって入手され、及び分析用シグネチャは、選択された質量スペクトル特徴量の既定のm/z範囲にわたる積分強度値を含む。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関する。
【0165】
[00189] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、T細胞の投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、T細胞集団を入手するステップ;集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、T細胞の投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、T細胞集団を受け取るステップ;集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一部の実施形態において、第2のT細胞集団は、第1のT細胞集団より少なくとも5倍数が多い。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、本方法は、第2の細胞培養培地中で第2のT細胞集団の迅速拡大培養を実施して第3のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のT細胞集団は、第2のT細胞集団より少なくとも50倍数が多い。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、本方法は、第3のT細胞集団を回収すること及び患者に治療上有効な分量の第3のT細胞集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、T細胞の有益な投与の可能性は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び分析用シグネチャが、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関することを決定するステップを含む、血清ベースの分析的方法によって決定される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法、電気泳動法又はクロマトグラフィー法によって入手される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法によって入手され、及び分析用シグネチャは、選択された質量スペクトル特徴量の既定のm/z範囲にわたる積分強度値を含む。一部の実施形態において、質量スペクトルm/z範囲は、表16に掲載される1つ以上の範囲である。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、表22に掲載される1つ以上の特徴量である。一部の実施形態において、質量分析は、ポジティブイオンモードで実行される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0166】
[00190] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、TILの投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を入手するステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び第3のTIL集団を回収するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含む。一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、TILの投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を受け取るステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び第3のTIL集団を回収するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、TILの有益な投与の可能性は、患者からの血液由来試料の分析用シグネチャを入手するステップ;及び分析用シグネチャが、補体系タンパク質機能群、急性炎症タンパク質機能群、急性反応タンパク質機能群若しくは急性期タンパク質機能群;又はα1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルと相関又は逆相関することを決定するステップを含む、血清ベースの分析的方法によって決定される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法、電気泳動法又はクロマトグラフィー法によって入手される。一部の実施形態において、分析用シグネチャは、質量分析法によって入手され、及び分析用シグネチャは、選択された質量スペクトル特徴量の既定のm/z範囲にわたる積分強度値を含む。一部の実施形態において、質量スペクトルm/z範囲は、表16に掲載される1つ以上の範囲である。一部の実施形態において、質量スペクトル特徴量は、表22に掲載される1つ以上の特徴量である。一部の実施形態において、質量分析は、ポジティブイオンモードで実行される。
【0167】
[00191] 本明細書に記載されるとおり、様々なT細胞及び/又はTIL拡大培養方法を用いることができる。一部の実施形態において、初期拡大培養は、21日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、初期拡大培養は、11日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、7日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、IL-2は、第1の細胞培養培地中に1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地中において、IL-2は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在し、及びOKT-3抗体は、約30ng/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、初期拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。
【0168】
[00192] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、T細胞の投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、治療上有効なT細胞集団並びに更なる治療法、方法ステップ又は薬剤を患者に投与することを含む。一部の実施形態において、ここに提供される治療方法は、患者に第3のT細胞集団を投与する前に患者を骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンは、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与ステップと、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与ステップを含む。一部の実施形態において、ここに提供される治療方法は、患者への第3のT細胞集団の投与の翌日から開始して患者を高用量IL-2レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、高用量IL-2レジメンは、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体を更に含む。一部の実施形態において、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体は、600,000又は720,000IU/kgの用量において、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0169】
[00193] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、TILの投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、治療上有効なTIL集団及び更なる治療法、方法ステップ又は薬剤を患者に投与することを含む。一部の実施形態において、ここに提供される治療方法は、患者に第3のTIL集団を投与する前に患者を骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンは、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与ステップと、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与ステップを含む。一部の実施形態において、ここに提供される治療方法は、患者への第3のTIL集団の投与の翌日から開始して患者を高用量IL-2レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、高用量IL-2レジメンは、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体を更に含む。一部の実施形態において、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体は、600,000又は720,000IU/kgの用量において、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される。
【0170】
[00194] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、T細胞の投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、治療上有効なT細胞集団を患者に投与することを含む。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0171】
[00195] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、TILの投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、治療上有効なTIL集団を患者に投与することを含む。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。
【0172】
[00196] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の増加又は低下した発現レベルを呈し、この方法は、第1のT細胞集団を入手するステップ;集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の増加又は低下した発現レベルを呈し、この方法は、第1のT細胞集団を受け取るステップ;集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一部の実施形態において、第2のT細胞集団は、第1のT細胞集団より少なくとも5倍数が多い。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、本方法は、第2の細胞培養培地中で第2のT細胞集団の迅速拡大培養を実施して第3のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のT細胞集団は、第2のT細胞集団より少なくとも50倍数が多い。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、本方法は、第3のT細胞集団を回収すること及び患者に治療上有効な分量の第3のT細胞集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌、肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、タンパク質発現レベルは、健常対象と比較したときに増加又は低下する。一部の実施形態において、タンパク質発現レベルは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は約100%だけ増加又は低下する。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0173】
[00197] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、異なる癌患者と比較して、この患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の類似の発現レベルを呈し、この方法は、第1のT細胞集団を入手するステップ;集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、異なる癌患者と比較して、この患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の類似の発現レベルを呈し、この方法は、第1のT細胞集団を受け取るステップ;集団を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;及び第1の細胞培養培地中で第1のT細胞集団の初期拡大培養を実施して第2のT細胞集団を入手するステップを含む。一部の実施形態において、第2のT細胞集団は、第1のT細胞集団より少なくとも5倍数が多い。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、本方法は、第2の細胞培養培地中で第2のT細胞集団の迅速拡大培養を実施して第3のT細胞集団を入手することを更に含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のT細胞集団は、第2のT細胞集団より少なくとも50倍数が多い。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含む。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、本方法は、第3のT細胞集団を回収すること;及び患者に治療上有効な分量の第3のT細胞集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、異なる癌患者は、以前にT細胞集団で治療されたことがある。一部の実施形態において、他の癌患者は、治療後完全奏効、部分奏効又は安定した病勢を達成している。一部の実施形態において、他の癌患者は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって治療後疾患無増悪を達成している。一部の実施形態において、他の癌患者は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の治療後無増悪生存期間を達成している。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌、肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、タンパク質発現類似性レベルは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は約100%である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0174】
[00198] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の増加又は低下した発現レベルを呈し、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を入手するステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び第3のTIL集団を回収するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含む。一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の増加又は低下した発現レベルを呈し、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を受け取るステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び第3のTIL集団を回収するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含む。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌、肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、タンパク質発現レベルは、健常対象と比較したときに増加又は低下する。一部の実施形態において、タンパク質発現レベルは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は約100%だけ増加又は低下する。
【0175】
[00199] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、異なる癌患者と比較して、この患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の類似の発現レベルを呈し、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を入手するステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び第3のTIL集団を回収するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含み、ここで、異なる癌患者は、以前にTIL集団で治療されたことがある。一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、異なる癌患者と比較して、この患者は、α1-アンチトリプシン、C反応性タンパク質、フィブリノゲンγ鎖二量体、インターα-トリプシンインヒビター重鎖H4、インターロイキン-27、トロポミオシンβ鎖、血清アミロイドP、サイクリン依存性キナーゼ5:活性化因子p35複合体、Tリンパ球活性化抗原CD80、マンノース結合タンパク質C、α-S1-カゼイン、カルレティキュリン、ハプトグロビン、リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1、微小管結合タンパク質τ、補体C1q、インターロイキン-6受容体α鎖、真核生物翻訳開始因子4A-III、インテグリンα-IIb:β3複合体、α2抗プラスミン、アポリポタンパク質E、C反応性タンパク質、補体C3b、補体C3b不活性化、補体C4b、補体C9、補体C3aアナフィラトキシン、補体B因子、C1エステラーゼインヒビター、補体C1r、補体C3、血清アミロイドP、補体C2、補体I因子、ミトコンドリア補体C1q亜成分結合タンパク質、補体C5a、補体C8、補体C1s、補体C5b,6複合体、ATP依存性DNAヘリカーゼII 70kDaサブユニット、マンナン結合レクチンセリンペプチダーゼ1、補体C6、P-セレクチン、フィコリン-3、コラーゲンα-1(VIII)鎖、リポ多糖結合タンパク質、D-ダイマー、血清アミロイドA及びトランスフェリンからなる群から選択されるタンパク質の類似の発現レベルを呈し、この方法は、第1のTIL集団を含む腫瘍断片を受け取るステップ;腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く;第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び第3のTIL集団を回収するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含み、ここで、異なる癌患者は、以前にTIL集団で治療されたことがある。一部の実施形態において、他の癌患者は、治療後完全奏効、部分奏効又は安定した病勢を達成している。一部の実施形態において、他の癌患者は、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年又は5年超にわたって治療後疾患無増悪を達成している。一部の実施形態において、他の癌患者は、6ヵ月未満、約6ヵ月、約12ヵ月、約18ヵ月、約24ヵ月、約30ヵ月、約36ヵ月、約42ヵ月、約48ヵ月、約54ヵ月、約60ヵ月、最長60ヵ月又は60ヵ月超の治療後無増悪生存期間を達成している。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌、肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、タンパク質発現類似性レベルは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は約100%である。
【0176】
[00200] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、T細胞の投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、治療上有効なT細胞集団を患者に投与することを含み、ここで、T細胞は、初期拡大培養及び/又は迅速拡大培養など、1つ以上の拡大培養ステップを含む方法であって、本明細書に記載されるとおりの様々な培養培地を含む方法を通じて入手されたものである。一部の実施形態において、初期拡大培養は、21日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、初期拡大培養は、11日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、7日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、IL-2は、第1の細胞培養培地中に1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地中において、IL-2は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在し、及びOKT-3抗体は、約30ng/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、初期拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0177】
[00201] 一実施形態において、本発明は、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、TILの投与から利益を受ける可能性が高く、この方法は、治療上有効なTIL集団を患者に投与することを含み、ここで、TILは、初期拡大培養及び/又は迅速拡大培養など、1つ以上の拡大培養ステップを含む方法であって、本明細書に記載されるとおりの様々な培養培地を含む方法を通じて入手されたものである。一部の実施形態において、初期拡大培養は、21日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、初期拡大培養は、11日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、7日以下の期間にわたって実施される。一部の実施形態において、IL-2は、第1の細胞培養培地中に1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地中において、IL-2は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度で存在し、及びOKT-3抗体は、約30ng/mLの初期濃度で存在する。一部の実施形態において、初期拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、迅速拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、第1の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-4、IL-7、IL-15、IL-21及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインを更に含む。
【0178】
[00202] 一実施形態において、本発明は、T細胞集団を患者に投与することを含む、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、この方法は、患者にT細胞集団を投与する前に患者を骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンは、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与ステップと、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与ステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者へのT細胞集団の投与の翌日から開始して患者を高用量IL-2レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、高用量IL-2レジメンは、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体を更に含む。一部の実施形態において、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体は、600,000又は720,000IU/kgの用量において、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0179】
[00203] 一実施形態において、本発明は、TIL集団を患者に投与することを含む、癌関連腫瘍を有する患者の癌を治療する方法を提供し、この方法は、患者にTIL集団を投与する前に患者を骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンは、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与ステップと、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与ステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、患者へのTIL集団の投与の翌日から開始して患者を高用量IL-2レジメンで治療するステップを更に含む。一部の実施形態において、高用量IL-2レジメンは、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体を更に含む。一部の実施形態において、アルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体は、600,000又は720,000IU/kgの用量において、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される。
【0180】
T細胞及び/又は腫瘍浸潤リンパ球の拡大培養方法
[00204] ある実施形態において、本発明は、プレ迅速拡大培養(プレREP)プロセスと迅速拡大培養プロセス(REP)とを含むT細胞集団の拡大培養プロセスを提供し、ここで、拡大培養に使用される細胞培養培地は、100IU/mL~10,000IU/mL、200IU/mL~5,000IU/mL、300IU/mL~4,800IU/mL、400IU/mL~4,600IU/mL、500IU/mL~4,400IU/mL、600IU/mL~4,200IU/mL、700IU/mL~4,000IU/mL、800IU/mL~3,800IU/mL、900IU/mL~3,600IU/mL、1,000IU/mL~3,400IU/mL、1,100IU/mL~3,200IU/mL、1,200IU/mL~3,000IU/mL、1,300IU/mL~2,800IU/mL、1,400IU/mL~2,600IU/mL、1,500IU/mL~2,400IU/mL、1,600IU/mL~2,200IU/mL、1,700IU/mL~2,000IU/mL、5,500IU/mL~9,500IU/mL、6,000IU/mL~9,000IU/mL、6500IU/mL~8,500IU/mL、7,000IU/mL~8,000IU/mL及び7,500IU/mL~8,000IU/mLからなる群から選択される濃度のIL-2を含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0181】
[00205] ある実施形態において、本発明は、プレ迅速拡大培養(プレREP)プロセスと迅速拡大培養プロセス(REP)とを含むTIL集団の拡大培養プロセスを提供し、ここで、拡大培養に使用される細胞培養培地は、100IU/mL~10,000IU/mL、200IU/mL~5,000IU/mL、300IU/mL~4,800IU/mL、400IU/mL~4,600IU/mL、500IU/mL~4,400IU/mL、600IU/mL~4,200IU/mL、700IU/mL~4,000IU/mL、800IU/mL~3,800IU/mL、900IU/mL~3,600IU/mL、1,000IU/mL~3,400IU/mL、1,100IU/mL~3,200IU/mL、1,200IU/mL~3,000IU/mL、1,300IU/mL~2,800IU/mL、1,400IU/mL~2,600IU/mL、1,500IU/mL~2,400IU/mL、1,600IU/mL~2,200IU/mL、1,700IU/mL~2,000IU/mL、5,500IU/mL~9,500IU/mL、6,000IU/mL~9,000IU/mL、6500IU/mL~8,500IU/mL、7,000IU/mL~8,000IU/mL及び7,500IU/mL~8,000IU/mLからなる群から選択される濃度のIL-2を含む。
【0182】
[00206] ある実施形態において、本発明は、プレ迅速拡大培養(プレREP)プロセスと迅速拡大培養プロセス(REP)とを含むT細胞集団の拡大培養プロセスを提供し、ここで、拡大培養に使用される細胞培養培地は、約100IU/mL、約200IU/mL、約300IU/mL、約400IU/mL、約100IU/mL、約100IU/mL、約100IU/mL、約100IU/mL、約100IU/mL、約500IU/mL、約600IU/mL、約700IU/mL、約800IU/mL、約900IU/mL、約1,000IU/mL、約1,100IU/mL、約1,200IU/mL、約1,300IU/mL、約1,400IU/mL、約1,500IU/mL、約1,600IU/mL、約1,700IU/mL、約1,800IU/mL、約1,900IU/mL、約2,000IU/mL、約2,100IU/mL、約2,200IU/mL、約2,300IU/mL、約2,400IU/mL、約2,500IU/mL、約2,600IU/mL、約2,700IU/mL、約2,800IU/mL、約2,900IU/mL、約3,000IU/mL、約3,100IU/mL、約3,200IU/mL、約3,300IU/mL、約3,400IU/mL、約3,500IU/mL、約3,600IU/mL、約3,700IU/mL、約3,800IU/mL、約3,900IU/mL、約4,000IU/mL、約4,100IU/mL、約4,200IU/mL、約4,300IU/mL、約4,400IU/mL、約4,500IU/mL、約4,600IU/mL、約4,700IU/mL、約4,800IU/mL、約4,900IU/mL、約5,000IU/mL、約5,100IU/mL、約5,200IU/mL、約5,300IU/mL、約5,400IU/mL、約5,500IU/mL、約5,600IU/mL、約5,700IU/mL、約5,800IU/mL、約5,900IU/mL、約6,000IU/mL、約6,500IU/mL、約7,000IU/mL、約7,500IU/mL、約8,000IU/mL、約8,500IU/mL、約9,000IU/mL、約9,500IU/mL及び約10,000IU/mLからなる群から選択される濃度のIL-2を含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0183】
[00207] ある実施形態において、本発明は、プレ迅速拡大培養(プレREP)プロセスと迅速拡大培養プロセス(REP)とを含むTIL集団の拡大培養プロセスを提供し、ここで、拡大培養に使用される細胞培養培地は、約100IU/mL、約200IU/mL、約300IU/mL、約400IU/mL、約100IU/mL、約100IU/mL、約100IU/mL、約100IU/mL、約100IU/mL、約500IU/mL、約600IU/mL、約700IU/mL、約800IU/mL、約900IU/mL、約1,000IU/mL、約1,100IU/mL、約1,200IU/mL、約1,300IU/mL、約1,400IU/mL、約1,500IU/mL、約1,600IU/mL、約1,700IU/mL、約1,800IU/mL、約1,900IU/mL、約2,000IU/mL、約2,100IU/mL、約2,200IU/mL、約2,300IU/mL、約2,400IU/mL、約2,500IU/mL、約2,600IU/mL、約2,700IU/mL、約2,800IU/mL、約2,900IU/mL、約3,000IU/mL、約3,100IU/mL、約3,200IU/mL、約3,300IU/mL、約3,400IU/mL、約3,500IU/mL、約3,600IU/mL、約3,700IU/mL、約3,800IU/mL、約3,900IU/mL、約4,000IU/mL、約4,100IU/mL、約4,200IU/mL、約4,300IU/mL、約4,400IU/mL、約4,500IU/mL、約4,600IU/mL、約4,700IU/mL、約4,800IU/mL、約4,900IU/mL、約5,000IU/mL、約5,100IU/mL、約5,200IU/mL、約5,300IU/mL、約5,400IU/mL、約5,500IU/mL、約5,600IU/mL、約5,700IU/mL、約5,800IU/mL、約5,900IU/mL、約6,000IU/mL、約6,500IU/mL、約7,000IU/mL、約7,500IU/mL、約8,000IU/mL、約8,500IU/mL、約9,000IU/mL、約9,500IU/mL及び約10,000IU/mLからなる群から選択される濃度のIL-2を含む。
【0184】
[00208] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団を拡大培養するためのプレREPプロセスを提供し、このプロセスは、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2を含む細胞培養培地とT細胞集団を接触させるステップを含み、ここで、T細胞集団は、CD8+CD28+、CD8+CD27+、CD8+CD27+CD28+、CCR7+及びこれらの組み合わせからなる群から選択される表現型を有するT細胞を含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0185】
[00209] ある実施形態において、本発明は、TIL集団を拡大培養するためのプレREPプロセスを提供し、このプロセスは、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2を含む細胞培養培地とTIL集団を接触させるステップを含み、ここで、TIL集団は、CD8+CD28+、CD8+CD27+、CD8+CD27+CD28+、CCR7+及びこれらの組み合わせからなる群から選択される表現型を有するT細胞を含む。
【0186】
[00210] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団を拡大培養するプレREPプロセスを提供し、このプロセスは、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2を含む細胞培養培地とT細胞集団を接触させるステップを含み、ここで、T細胞集団は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、25日、30日、35日及び40日からなる群から選択される期間にわたって拡大培養される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0187】
[00211] ある実施形態において、本発明は、TIL集団を拡大培養するプレREPプロセスを提供し、このプロセスは、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2を含む細胞培養培地とTIL集団を接触させるステップを含み、ここで、TIL集団は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、25日、30日、35日及び40日からなる群から選択される期間にわたって拡大培養される。
【0188】
[00212] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団を拡大培養するプレREPプロセスを提供し、このプロセスは、T細胞集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2を含み、ここで、TIL集団は、1日未満、2日未満、3日未満、4日未満、5日未満、6日未満、7日未満、8日未満、9日未満、10日未満、11日未満、12日未満、13日未満、14日未満、15日未満、16日未満、17日未満、18日未満、19日未満、20日未満、21日未満、25日未満、30日未満、35日未満及び40日未満からなる群から選択される期間にわたって拡大培養される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0189】
[00213] ある実施形態において、本発明は、TIL集団を拡大培養するプレREPプロセスを提供し、このプロセスは、TIL集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2を含み、ここで、TIL集団は、1日未満、2日未満、3日未満、4日未満、5日未満、6日未満、7日未満、8日未満、9日未満、10日未満、11日未満、12日未満、13日未満、14日未満、15日未満、16日未満、17日未満、18日未満、19日未満、20日未満、21日未満、25日未満、30日未満、35日未満及び40日未満からなる群から選択される期間にわたって拡大培養される。
【0190】
[00214] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団の拡大培養方法を提供し、この方法は、T細胞集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2と約30ng/mLの初期濃度のOKT-3抗体とを含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0191】
[00215] ある実施形態において、本発明は、TIL集団の拡大培養方法を提供し、この方法は、TIL集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2と約30ng/mLの初期濃度のOKT-3抗体とを含む。
【0192】
[00216] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団を拡大培養するためのREPプロセスを提供し、このプロセスは、T細胞集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、約6000IU/mLの初期濃度のIL-2と約30ng/mLの初期濃度のOKT-3抗体とを含む。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0193】
[00217] ある実施形態において、本発明は、TIL集団を拡大培養するためのREPプロセスを提供し、このプロセスは、TIL集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、約6000IU/mLの初期濃度のIL-2と約30ng/mLの初期濃度のOKT-3抗体とを含む。
【0194】
[00218] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、T細胞集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、T細胞集団は、細胞培養培地中において7日の期間で少なくとも50倍に拡大する。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0195】
[00219] ある実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、TIL集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、TIL集団は、細胞培養培地中において7日の期間で少なくとも50倍に拡大する。
【0196】
[00220] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、T細胞集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、T細胞集団は、細胞培養培地中において7日の期間で少なくとも50倍に拡大し、ここで、拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0197】
[00221] ある実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、TIL集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、TIL集団は、細胞培養培地中において7日の期間で少なくとも50倍に拡大し、ここで、拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。
【0198】
[00222] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、T細胞集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、T細胞集団は、細胞培養培地中において7日の期間で少なくとも50倍に拡大し、ここで、拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施され、ここで、ガス透過性容器は、ガス透過性バッグ又はガス透過性フラスコである。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0199】
[00223] ある実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、TIL集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、TIL集団は、細胞培養培地中において7日の期間で少なくとも50倍に拡大し、ここで、拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施され、ここで、ガス透過性容器は、ガス透過性バッグ又はガス透過性フラスコである。
【0200】
[00224] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、T細胞集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2と約30ng/mLの初期濃度のOKT-3抗体とを含み、ここで、T細胞集団は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、25日、30日、35日及び40日からなる群から選択される期間にわたって迅速拡大培養される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0201】
[00225] ある実施形態において、本発明は、TIL集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、TIL集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2と約30ng/mLの初期濃度のOKT-3抗体とを含み、ここで、TIL集団は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、25日、30日、35日及び40日からなる群から選択される期間にわたって迅速拡大培養される。
【0202】
[00226] ある実施形態において、本発明は、T細胞集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、T細胞集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2と約30ng/mLの初期濃度のOKT-3抗体とを含み、ここで、T細胞集団は、1日未満、2日未満、3日未満、4日未満、5日未満、6日未満、7日未満、8日未満、9日未満、10日未満、11日未満、12日未満、13日未満、14日未満、15日未満、16日未満、17日未満、18日未満、19日未満、20日未満、21日未満、25日未満、30日未満、35日未満及び40日未満からなる群から選択される期間にわたって迅速拡大培養される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0203】
[00227] ある実施形態において、本発明は、TIL集団を拡大培養するREPプロセスを提供し、このプロセスは、TIL集団を細胞培養培地と接触させるステップを含み、ここで、細胞培養培地は、1000IU/mL~6000IU/mLの初期濃度のIL-2と約30ng/mLの初期濃度のOKT-3抗体とを含み、ここで、TIL集団は、1日未満、2日未満、3日未満、4日未満、5日未満、6日未満、7日未満、8日未満、9日未満、10日未満、11日未満、12日未満、13日未満、14日未満、15日未満、16日未満、17日未満、18日未満、19日未満、20日未満、21日未満、25日未満、30日未満、35日未満及び40日未満からなる群から選択される期間にわたって迅速拡大培養される。
【0204】
[00228] ある実施形態において、REPは、任意の好適な方法によってガス透過性容器内で実施することができる。例えば、T細胞又はTILは、インターロイキン-2(IL-2)又はインターロイキン-15(IL-15)の存在下で非特異的T細胞受容体刺激剤を用いて迅速拡大培養することができる。非特異的T細胞受容体刺激剤としては、例えば、約30ng/mLの、モノクローナル抗CD3抗体であるOKT-3(Ortho-McNeil、Raritan, NJ又はMiltenyi Biotech、Auburn, CAから市販されている)を挙げることができる。T細胞又はTILは、任意選択で300IU/mL IL-2又はIL-15などのT細胞成長因子の存在下において、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)結合ペプチド、例えば0.3μM MART-1:26-35(27L)又はgpl 00:209-217(210M)など、任意選択でベクターから発現させることのできる、1つ又は複数のエピトープなど、その抗原性部分を含めた癌の1つ以上の抗原によってインビトロでT細胞又はTILを更に刺激することにより迅速拡大培養され得る。他の好適な抗原としては、例えば、NY-ESO-1、TRP-1、TRP-2、チロシナーゼ癌抗原、MAGE-A3、SSX-2及びVEGFR2又はその抗原性部分を挙げることができる。T細胞又はTILは、HLA-A2発現抗原提示細胞にパルスした癌の同じ1つ又は複数の抗原による再刺激によっても迅速拡大培養され得る。代わりに、T細胞又はTILは、例えば、照射自己リンパ球によるか、又は照射HLA-A2+同種リンパ球及びIL-2によって更に再刺激することができる。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0205】
[00229] ある実施形態において、T細胞又はTILの拡大培養方法は、約5000mL~約25000mLの細胞培養培地、約5000mL~約10000mLの細胞培養培地又は約5800mL~約8700mLの細胞培養培地を使用することを含み得る。ある実施形態において、T細胞又はTILの拡大培養方法は、約1000mL~約2000mLの細胞培地、約2000mL~約3000mLの細胞培養培地、約3000mL~約4000mLの細胞培養培地、約4000mL~約5000mLの細胞培養培地、約5000mL~約6000mLの細胞培養培地、約6000mL~約7000mLの細胞培養培地、約7000mL~約8000mLの細胞培養培地、約8000mL~約9000mLの細胞培養培地、約9000mL~約10000mLの細胞培養培地、約10000mL~約15000mLの細胞培養培地、約15000mL~約20000mLの細胞培養培地又は約20000mL~約25000mLの細胞培養培地を使用することを含み得る。ある実施形態において、T細胞又はTILの数の拡大には、1種類の細胞培養培地のみが使用される。任意の好適な細胞培養培地、例えばAIM-V細胞培地(L-グルタミン、50μM硫酸ストレプトマイシン及び10μM硫酸ゲンタマイシン)細胞培養培地(Invitrogen、Carlsbad CA)を使用し得る。この点に関して、本発明の方法では、有利には、T細胞又はTILの数の拡大に必要な培地の量及び培地の種類の数が減少する。ある実施形態において、T細胞又はTILの数の拡大は、3日毎又は4日毎より高くない頻度で細胞をフィードすることを含み得る。ガス透過性容器内で細胞の数を拡大すると、細胞の拡大培養に必要なフィーディング頻度が減少することにより細胞の数の拡大に必要な手順が簡便になる。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0206】
[00230] ある実施形態において、迅速拡大培養は、ガス透過性容器を使用して実施される。かかる実施形態は、細胞集団が約5×105細胞/cm2から10×106~30×106細胞/cm2へと拡大することを可能にする。ある実施形態において、この拡大培養は、フィーディングなしに行われる。ある実施形態において、この拡大培養は、培地がガス透過性フラスコ内に約10cmの高さで存在する限りフィーディングなしに行われる。ある実施形態において、これにはフィーディングはないが、1つ以上のサイトカインの添加がある。ある実施形態において、サイトカインは、サイトカインを培地と混合する必要が一切なしにボーラスとして添加することができる。かかる容器、装置及び方法は、当該技術分野において公知であり、TILの拡大培養に用いられており、米国特許出願公開第2014/0377739 A1号、国際公開第2014/210036 A1号、米国特許出願公開第2013/0115617 A1号、国際公開第2013/188427 A1号、米国特許出願公開第2011/0136228 A1号、米国特許第8,809,050号、国際公開第2011/072088 A2号、米国特許出願公開第2016/0208216 A1号、米国特許出願公開第2012/0244133 A1号、国際公開第2012/129201 A1号、米国特許出願公開第2013/0102075 A1号、米国特許第8,956,860号、国際公開第2013/173835 A1号及び米国特許出願公開第2015/0175966 A1号(これらの開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されるものが含まれる。かかるプロセスは、Jin, et al., J. Immunotherapy 2012, 35, 283-292(この開示は、参照により本明細書に援用される)にも記載されている。
【0207】
[00231] ある実施形態において、ガス透過性容器は、G-Rex 10フラスコ(Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USA)である。ある実施形態において、ガス透過性容器は、10cm2のガス透過性培養表面を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、40mLの細胞培養培地容量を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、2回の培地交換後に1~3億個のT細胞又はTILを提供する。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0208】
[00232] ある実施形態において、ガス透過性容器は、G-Rex 100フラスコ(Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USA)である。ある実施形態において、ガス透過性容器は、100cm2のガス透過性培養表面を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、450mLの細胞培養培地容量を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、2回の培地交換後に10~30億個のT細胞又はTILを提供する。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0209】
[00233] ある実施形態において、ガス透過性容器は、G-Rex 100Mフラスコ(Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USA)である。ある実施形態において、ガス透過性容器は、100cm2のガス透過性培養表面を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、1000mLの細胞培養培地容量を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、培地交換なしに10~30億個のT細胞又はTILを提供する。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0210】
[00234] ある実施形態において、ガス透過性容器は、G-Rex 100Lフラスコ(Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USA)である。ある実施形態において、ガス透過性容器は、100cm2のガス透過性培養表面を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、2000mLの細胞培養培地容量を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、培地交換なしに10~30億個のT細胞又はTILを提供する。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0211】
[00235] ある実施形態において、ガス透過性容器は、G-Rex 24ウェルプレート(Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USA)である。ある実施形態において、ガス透過性容器は、ウェルを備えたプレートを含み、ここで、各ウェルは、2cm2のガス透過性培養表面を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、ウェルを備えたプレートを含み、ここで、各ウェルは、8mLの細胞培養培地容量を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、2回の培地交換後に1ウェル当たり2000~6000万個の細胞を提供する。
【0212】
[00236] ある実施形態において、ガス透過性容器は、G-Rex 6ウェルプレート(Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USA)である。ある実施形態において、ガス透過性容器は、ウェルを備えたプレートを含み、ここで、各ウェルは、10cm2のガス透過性培養表面を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、ウェルを備えたプレートを含み、ここで、各ウェルは、40mLの細胞培養培地容量を含む。ある実施形態において、ガス透過性容器は、2回の培地交換後に1ウェル当たり1~3億個の細胞を提供する。
【0213】
[00237] ある実施形態において、第1及び/又は第2のガス透過性容器内の細胞培地は、ろ過されていない。ろ過されていない細胞培地を使用すると、細胞数の拡大に必要な手順が簡便になり得る。ある実施形態において、第1及び/又は第2のガス透過性容器内の細胞培地は、β-メルカプトエタノール(BME)を含まない。
【0214】
[00238] ある実施形態において、哺乳類から腫瘍組織試料を入手すること;細胞培地が中に入った第1のガス透過性容器内で腫瘍組織試料を培養すること;腫瘍組織試料からT細胞を入手すること;細胞培地が入った第2のガス透過性容器内でT細胞数を約14~約42日間、例えば約28日間の継続期間にわたって拡大することを含む本方法の継続期間である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0215】
[00239] ある実施形態において、哺乳類から腫瘍組織試料を入手すること;細胞培地が中に入った第1のガス透過性容器内で腫瘍組織試料を培養すること;腫瘍組織試料からTILを入手すること;細胞培地が入った第2のガス透過性容器内でTIL数を約14~約42日間、例えば約28日間の継続期間にわたって拡大することを含む本方法の継続期間である。
【0216】
[00240] ある実施形態において、細胞培養培地は、IL-2を含む。好ましい実施形態において、細胞培養培地は、約3000IU/mLのIL-2を含む。ある実施形態において、細胞培養培地は、約1000IU/mL、約1500IU/mL、約2000IU/mL、約2500IU/mL、約3000IU/mL、約3500IU/mL、約4000IU/mL、約4500IU/mL、約5000IU/mL、約5500IU/mL、約6000IU/mL、約6500IU/mL、約7000IU/mL、約7500IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。ある実施形態において、細胞培養培地は、1000~2000IU/mL、2000~3000IU/mL、3000~4000IU/mL、4000~5000IU/mL、5000~6000IU/mL、6000~7000IU/mL、7000~8000IU/mL又は8000IU/mLの間のIL-2を含む。
【0217】
[00241] ある実施形態において、細胞培養培地は、OKT-3抗体を含む。好ましい実施形態において、細胞培養培地は、約30ng/mLのOKT-3抗体を含む。ある実施形態において、細胞培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL及び約1μg/mLのOKT-3抗体を含む。ある実施形態において、細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mL、1ng/mL~5ng/mL、5ng/mL~10ng/mL、10ng/mL~20ng/mL、20ng/mL~30ng/mL、30ng/mL~40ng/mL、40ng/mL~50ng/mL及び50ng/mL~100ng/mLのOKT-3抗体を含む。
【0218】
[00242] ある実施形態において、T細胞又はTILは、ガス透過性容器内で拡大培養される。ガス透過性容器は、米国特許出願公開第2005/0106717 A1号(この開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されるものを含め、当該技術分野において公知の方法、組成物及び装置を用いたPBMCを使用したTILの拡大培養に用いられている。ある実施形態において、T細胞又はTILは、ガス透過性バッグ内で拡大培養される。ある実施形態において、T細胞又はTILは、Xuri Cell Expansion System W25(GE Healthcare)など、ガス透過性バッグ内でT細胞又はTILを拡大培養する細胞拡大培養システムを使用して拡大培養される。ある実施形態において、T細胞又はTILは、Xuri Cell Expansion System W5(GE Healthcare)としても知られるWAVE Bioreactor Systemなど、ガス透過性バッグ内でT細胞又はTILを拡大培養する細胞拡大培養システムを使用して拡大培養される。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、約1L、約2L、約3L、約4L、約5L、約6L、約7L、約8L、約9L、約10L、約11L、約12L、約13L、約14L、約15L、約16L、約17L、約18L、約19L、約20L、約25L及び約30Lからなる群から選択される容積を有するガス透過性細胞バッグを含む。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、50~150mL、150~250mL、250~350mL、350~450mL、450~550mL、550~650mL、650~750mL、750~850mL、850~950mL及び950~1050mLからなる群から選択される容積範囲を有するガス透過性細胞バッグを含む。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、1L~2L、2L~3L、3L~4L、4L~5L、5L~6L、6L~7L、7L~8L、8L~9L、9L~10L、10L~11L、11L~12L、12L~13L、13L~14L、14L~15L、15L~16L、16L~17L、17L~18L、18L~19L及び19L~20Lからなる群から選択される容積範囲を有するガス透過性細胞バッグを含む。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、0.5L~5L、5L~10L、10L~15L、15L~20L、20L~25L及び25L~30Lからなる群から選択される容積範囲を有するガス透過性細胞バッグを含む。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、約21日、約22日、約23日、約24日、約25日、約26日、約27日及び約28日の揺動時間を利用する。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、30分~1時間、1時間~12時間、12時間~1日、1日~7日、7日~14日、14日~21日及び21日~28日の揺動時間を利用する。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、約2回揺動/分、約5回揺動/分、約10回揺動/分、約20回揺動/分、約30回揺動/分及び約40回揺動/分の揺動速度を利用する。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、2回揺動/分~5回揺動/分、5回揺動/分~10回揺動/分、10回揺動/分~20回揺動/分、20回揺動/分~30回揺動/分及び30回揺動/分~40回揺動/分の揺動速度を利用する。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、約2°、約3°、約4°、約5°、約6°、約7°、約8°、約9°、約10°、約11°及び約12°の揺動角度を利用する。ある実施形態において、細胞拡大培養システムは、2°~3°、3°~4°、4°~5°、5°~6°、6°~7°、7°~8°、8°~9°、9°~10°、10°~11°及び11°~12°の揺動角度を利用する。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0219】
[00243] ある実施形態において、T細胞又はTILの拡大培養方法は、優れた腫瘍応答性に関してT細胞又はTILを選択するステップを更に含む。当該技術分野において公知の任意の選択方法を用いることができる。例えば、優れた腫瘍応答性に関するT細胞又はTILの選択には、米国特許出願公開第2016/0010058 A1号(この開示は、参照により本明細書に援用される)に記載される方法が用いられ得る。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0220】
[00244] ある実施形態において、本発明は、TIL集団の拡大培養方法を提供し、この方法は、Jin, et al., J. Immunotherapy 2012, 35, 283-292(この開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されるとおりのステップを含む。例えば、腫瘍又はその一部を酵素培地に置き、約1分間機械的に解離し得る。次に、この混合物を37℃5%CO2で30分間インキュベートし、次に再び約1分間機械的に破壊し得る。37℃5%CO2で30分間インキュベートした後、腫瘍又はその一部を3度目に約1分間機械的に破壊し得る。3度目の機械的破壊後に大型の組織片が存在する場合、37℃5%CO2での更に30分間のインキュベーションを伴い又は伴わず、1回又は2回の更なる機械的解離を試料に適用し得る。最終回のインキュベーションの終了時、細胞懸濁液に多数の赤血球又は死細胞が含まれる場合、Ficollを使用した密度勾配分離を実施して、そうした細胞を除去し得る。TIL培養は、24ウェルプレート(Costar24ウェル細胞培養クラスター、平底;Corning Incorporated、Corning, NY)で開始した。各ウェルには、IL-2(6000IU/mL;Chiron Corp.、Emeryville, CA)を含む2mLの完全培地(CM)中1×106個の腫瘍消化物細胞又は約1~8mm3サイズの腫瘍断片1個を播種し得る。CMは、10%ヒトAB血清、25mMヘペス及び10mg/mLゲンタマイシンを補足したGlutaMAX含有ロズウェルパーク記念研究所(RPMI)1640緩衝液を含む。培養は、10cm2ガス透過性シリコン底を有する40mL容量のガス透過性フラスコ(G-Rex 10;Wilson Wolf Manufacturing、New Brightonで開始し得、各フラスコには、10~40mLのIL-2含有CM中10~40×106個の腫瘍消化物生細胞又は5~30個の腫瘍断片をロードし得る。G-Rex 10及び24ウェルプレートを加湿インキュベーターにおいて37℃5%CO2でインキュベートし得、培養開始から5日後、培地の半分を取り出して新鮮なCM及びIL-2を補充し得、5日目以降、2~3日毎に培地の半分を交換し得る。本明細書の他の部分に記載されるとおり、T-175フラスコ及びガス透過性バッグ又はガス透過性G-Rexフラスコを使用してTILの迅速拡大培養プロトコル(REP)を実施し得る。T-175フラスコにおけるREPについて、各フラスコ内の150mLの培地中に1×106個のTILを懸濁し得る。3000IU/mLのIL-2及び30ng/mLの抗CD3抗体(OKT-3)を補足したCM及びAIM-V培地の1対1混合物(50/50培地)中においてTILを培養し得る。T-175フラスコは、37℃5%CO2でインキュベートし得る。5日目に、3000IU/mLのIL-2を含有する50/50培地を使用して培地の半分を交換し得る。7日目に、2つのT-175フラスコからの細胞を3Lバッグに合わせ得、その300mLのTIL懸濁液に5%ヒトAB血清及び3000IU/mLのIL-2を含有する300mLのAIM-Vを加え得る。毎日又は2日毎に各バッグの細胞数をカウントし得、新鮮培地を加えて細胞数を0.5~2.0×106細胞/mLに保ち得る。100cm2ガス透過性シリコン底を有する500mL容量フラスコ(例えば、G-Rex 100、Wilson Wolf Manufacturing、本明細書の他の部分に記載されるとおり)におけるREPについて、3000IU/mLのIL-2及び30ng/mLの抗CD3抗体(OKT-3)を補足した400mLの50/50培地中において、5×106又は10×106個のTILを培養し得る。G-Rex 100フラスコは、37℃5%CO2でインキュベートし得る。5日目に、250mLの上清を取り出して遠心ボトルに入れ、1500rpm(491g)で10分間遠心し得る。得られたTILペレットは、3000IU/mLのIL-2を含有する150mLの新鮮50/50培地に再懸濁し、G-Rex 100フラスコに戻し加え得る。G-Rex 100フラスコ内でTILを連続的に拡大培養する場合、7日目に各フラスコ中に存在する300mLの培地に各G-Rex 100のTILを懸濁し得、この細胞懸濁液を3つの100mLアリコートに分割して、それらを3つのG-Rex 100フラスコの播種に使用し得る。次に、5%ヒトAB血清及び3000IU/mLのIL-2を含有する約150mLのAIM-Vを各フラスコに加え得る。次に、G-Rex 100フラスコを37℃5%CO2でインキュベートし得、4日後、各G-Rex 100フラスコに3000IU/mLのIL-2を含有する150mLのAIM-Vを加え得る。この後、培養14日目に細胞を回収することによりREPが完了し得る。一部の実施形態において、本方法は、任意のT細胞の拡大培養に用いることができる。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0221】
[00245] ある実施形態において、拡大培養又は癌治療の方法は、患者腫瘍試料からT細胞又はTILを入手するステップを含む。患者腫瘍試料は、当該技術分野において公知の方法を用いて入手され得る。例えば、T細胞又はTILは、酵素的腫瘍消化物及び鋭的剥離からの腫瘍断片(約1~約8mm3サイズ)から培養され得る。かかる腫瘍消化物は、酵素培地(例えば、ロズウェルパーク記念研究所(RPMI)1640緩衝液、2mMグルタミン酸塩、10mcg/mLゲンタマイシン、30単位/mLのDNアーゼ及び1.0mg/mLのコラゲナーゼ)中でのインキュベーションと、それに続く機械的解離(例えば、組織解離装置を用いる)によって作製され得る。腫瘍消化物は、腫瘍を酵素培地中に置き、腫瘍を約1分間機械的に解離した後、続いて37℃5%CO2で30分間インキュベートし、続いてごく小さい組織片のみが存在するまで前述の条件下で機械的解離及びインキュベーションのサイクルを繰り返すことにより作製され得る。このプロセスの終了時、細胞懸濁液に多数の赤血球又は死細胞が含まれる場合、FICOLL分枝状親水性多糖を使用した密度勾配分離を実施して、そうした細胞を除去し得る。米国特許出願公開第2012/0244133 A1号(この開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されるものなど、当該技術分野において公知の代替的な方法を用い得る。前述の方法のいずれも、T細胞若しくはTILの拡大培養方法又は癌の治療方法に関して本明細書に記載される任意の実施形態において用いることができる。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0222】
[00246] ある実施形態において、T細胞又はTILの迅速拡大培養プロセスは、先述のとおりT-175フラスコ及びガス透過性バッグ(Tran, et al., J. Immunother. 2008, 31, 742-51;Dudley, et al., J. Immunother. 2003, 26, 332-42)又はガス透過性培養ウェア(G-Rexフラスコ、Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USAから市販されている)を使用して実施し得る。T-175フラスコ内でのT細胞又はTIL迅速拡大培養について、150mLの培地に懸濁された1×106個のTILを各T-175フラスコに加え得る。3000IU(国際単位)/mLのIL-2及び30ng/mlの抗CD3抗体(例えば、OKT-3)を補足したCMとAIM-V培地との1対1混合物中でT細胞又はTILを培養し得る。T-175フラスコを37℃5%CO2でインキュベートし得る。5日目に、3000IU/mLのIL-2を含有する50/50培地を使用して培地の半分を交換し得る。7日目に、2つのT-175フラスコからの細胞を3Lバッグに合わせ得、その300mlのTIL懸濁液に5%ヒトAB血清及び3000IU/mLのIL-2を含有する300mLのAIM Vを加えた。各バッグの細胞数を毎日又は2日毎にカウントし、新鮮培地を加えて細胞数を0.5~2.0×106細胞/mLに保った。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0223】
[00247] ある実施形態において、100cm2ガス透過性シリコン底の500mL容量ガス透過性フラスコ(G-Rex 100、Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USAから市販されている)におけるT細胞又はTIL迅速拡大培養について、5%ヒトAB血清、3000IU/mLのIL-2及び30ng/mLの抗CD3(OKT-3)を補足した400mLの50/50培地中で5×106又は10×106個のTILを培養し得る。G-Rex 100フラスコは、37℃5%CO2でインキュベートし得る。5日目に、250mLの上清を取り出して遠心ボトルに入れ、1500rpm(毎分回転数;491×g)で10分間遠心し得る。T細胞又はTILペレットを、5%ヒトAB血清、3000IU/mLのIL-2を含有する150mLの新鮮培地に再懸濁し、元のG-Rex 100フラスコに戻し加え得る。G-Rex 100フラスコ内でT細胞又はTILを連続的に拡大培養する場合、7日目に各フラスコ中に存在する300mLの培地に各G-Rex 100フラスコのT細胞又はTILを懸濁し得、この細胞懸濁液を3つの100mLアリコートに分割して、それらを3つのG-Rex 100フラスコの播種に使用し得る。次に、5%ヒトAB血清及び3000IU/mLのIL-2を含有する150mLのAIM-Vを各フラスコに加え得る。G-Rex 100フラスコは、37℃5%CO2でインキュベートし得、4日後、各G-Rex 100フラスコに3000IU/mLのIL-2を含有する150mLのAIM-Vを加え得る。培養14日目に細胞を回収し得る。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0224】
[00248] ある実施形態において、T細胞又はTILは、以下のとおり調製され得る。2mMグルタミン(Mediatech, Inc. Manassas, VA)、100U/mLペニシリン(Invitrogen Life Technologies)、100μg/mLストレプトマイシン(Invitrogen Life Technologies)、5%熱失活ヒトAB血清(Valley Biomedical, Inc. Winchester, VA)及び600IU/mL rhIL-2(Chiron、Emeryville, CA)を補足したAIM-V培地(Invitrogen Life Technologies、Carlsbad, CA)を含む完全培地(CM)中で2mm3腫瘍断片を培養する。固形腫瘍の酵素消化のため、腫瘍標本をRPMI-1640中にダイシングし、洗浄し、15~22℃において800rpmで5分間遠心し、酵素消化緩衝液(RPMI-1640中0.2mg/mLコラゲナーゼ及び30単位/mlのDNアーゼ)に再懸濁した後、続いて室温で一晩回転させる。断片から樹立したT細胞又はTILは、CM中で3~4週間成長させて、新鮮に拡大培養し得るか、又は10%ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する熱失活HAB血清中に凍結保存して、試験時まで-180℃で保管し得る。採取腹水から得られた腫瘍関連リンパ球(TAL)を3×106細胞/ウェルで24ウェルプレートのCM中に播種し得る。ほぼ隔日で低倍率倒立顕微鏡を使用してT細胞又はTIL成長を調べ得る。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0225】
[00249] 一部の実施形態において、TILの拡大培養について記載される本発明の方法は、T細胞の拡大培養にも適用し得る。一部の実施形態において、TILの拡大培養について記載される本発明の方法は、CD8+T細胞の拡大培養にも適用し得る。一部の実施形態において、TILの拡大培養について記載される本発明の方法は、CD4+T細胞の拡大培養にも適用し得る。一部の実施形態において、TILの拡大培養について記載される本発明の方法は、キメラ抗原受容体(CAR-T)を形質導入されたT細胞の拡大培養にも適用し得る。一部の実施形態において、TILの拡大培養について記載される本発明の方法は、修飾T細胞受容体(TCR)を含むT細胞の拡大培養にも適用し得る。CAR-T細胞は、当該技術分野において、例えば米国特許第7,070,995号;同第7,446,190号;同第8,399,645号;同第8,916,381号;及び同第9,328,156号(これらの開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されるとおり、CD19を含めた任意の好適な抗原に対して標的化し得る。修飾TCR細胞は、当該技術分野において、例えば米国特許第8,367,804号及び同第7,569,664号(これらの開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されるとおり、NY-ESO-1、TRP-1、TRP-2、チロシナーゼ癌抗原、MAGE-A3、SSX-2及びVEGFR2を含めた任意の好適な抗原又はその抗原性部分に対して標的化し得る。
【0226】
TILの医薬組成物、投薬量及び投与レジメン
[00250] ある実施形態において、本開示の方法を使用して拡大培養されたT細胞又はTILは、医薬組成物として患者に投与される。ある実施形態において、医薬組成物は、滅菌緩衝液中のT細胞又はTILの懸濁液である。本開示の方法を使用して拡大培養されたT細胞又はTILは、当該技術分野において公知のとおりの任意の好適な経路によって投与され得る。好ましくは、T細胞又はTILは、単回動脈内又は静脈内注入として投与され、これは、好ましくは、約30~60分間継続される。他の好適な投与経路としては、腹腔内、髄腔内及びリンパ内投与が挙げられる。任意の好適な用量のT細胞又はTILを投与することができる。好ましくは、約2.3×1010~約13.7×1010 T細胞又はTILが投与され、特に癌が黒色腫である場合、平均約7.8×1010 T細胞又はTILである。ある実施形態において、約1.2×1010~約4.3×1010のT細胞又はTILが投与される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0227】
[00251] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるT細胞又はTILの数は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012、1×1013、2×1013、3×1013、4×1013、5×1013、6×1013、7×1013、8×1013及び9×1013である。ある実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるT細胞又はTILの数は、1×106~5×106、5×106~1×107、1×107~5×107、5×107~1×108、1×108~5×108、5×108~1×109、1×109~5×109、5×109~1×1010、1×1010~5×1010、5×1010~1×1011、5×1011~1×1012、1×1012~5×1012及び5×1012~1×1013の範囲である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0228】
[00252] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるT細胞又はTILの濃度は、例えば、医薬組成物の100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%又は0.0001%w/w、w/v又はv/v未満である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0229】
[00253] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるT細胞又はTILの濃度は、医薬組成物の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%又は0.0001%w/w、w/v又はv/v超である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0230】
[00254] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるT細胞又はTILの濃度は、医薬組成物の約0.0001%~約50%、約0.001%~約40%、約0.01%~約30%、約0.02%~約29%、約0.03%~約28%、約0.04%~約27%、約0.05%~約26%、約0.06%~約25%、約0.07%~約24%、約0.08%~約23%、約0.09%~約22%、約0.1%~約21%、約0.2%~約20%、約0.3%~約19%、約0.4%~約18%、約0.5%~約17%、約0.6%~約16%、約0.7%~約15%、約0.8%~約14%、約0.9%~約12%又は約1%~約10%w/w、w/v又はv/vの範囲である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0231】
[00255] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるT細胞又はTILの濃度は、医薬組成物の約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.02%~約4.5%、約0.03%~約4%、約0.04%~約3.5%、約0.05%~約3%、約0.06%~約2.5%、約0.07%~約2%、約0.08%~約1.5%、約0.09%~約1%、約0.1%~約0.9%w/w、w/v又はv/vの範囲である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0232】
[00256] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるT細胞又はTILの量は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g又は0.0001g以下である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0233】
[00257] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるT細胞又はTILの量は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g又は10g超である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0234】
[00258] 本発明の医薬組成物中に提供されるT細胞又はTILは、広い投薬量範囲にわたって有効である。正確な投薬量は、投与経路、化合物の投与形態、治療対象の性別及び年齢、治療対象の体重並びに主治医の意向及び経験に依存することになる。臨床的に確立されたT細胞又はTILの投薬量も適宜用いられ得る。T細胞又はTILの投薬量など、本明細書の方法を用いて投与される医薬組成物の量は、治療下のヒト又は哺乳類、障害又は病態の重症度、投与速度、医薬品有効成分の性質及び処方医師の裁量に依存することになる。一部の実施形態において、T細胞又はTILは、単回用量で投与され得る。かかる投与は、注射、例えば静脈内注射により得る。一部の実施形態において、T細胞又はTILは、複数回用量で投与され得る。投与は、年1回、2回、3回、4回、5回、6回又は6回超であり得る。投与は、月1回、2週間に1回、週1回又は隔日1回であり得る。T細胞又はTILの投与は、必要な限り継続され得る。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0235】
[00259] 一部の実施形態において、T細胞又はTILの有効投薬量は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012、1×1013、2×1013、3×1013、4×1013、5×1013、6×1013、7×1013、8×1013及び9×1013である。一部の実施形態において、T細胞又はTILの有効投薬量は、1×106~5×106、5×106~1×107、1×107~5×107、5×107~1×108、1×108~5×108、5×108~1×109、1×109~5×109、5×109~1×1010、1×1010~5×1010、5×1010~1×1011、5×1011~1×1012、1×1012~5×1012及び5×1012~1×1013の範囲である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0236】
[00260] 一部の実施形態において、T細胞又はTILの有効投薬量は、約0.01mg/kg~約4.3mg/kg、約0.15mg/kg~約3.6mg/kg、約0.3mg/kg~約3.2mg/kg、約0.35mg/kg~約2.85mg/kg、約0.15mg/kg~約2.85mg/kg、約0.3mg~約2.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1.7mg/kg、約0.15mg/kg~約1.3mg/kg、約0.3mg/kg~約1.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1mg/kg、約0.55mg/kg~約0.85mg/kg、約0.65mg/kg~約0.8mg/kg、約0.7mg/kg~約0.75mg/kg、約0.7mg/kg~約2.15mg/kg、約0.85mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約1.85mg/kg、約1.15mg/kg~約1.7mg/kg、約1.3mg/kg mg~約1.6mg/kg、約1.35mg/kg~約1.5mg/kg、約2.15mg/kg~約3.6mg/kg、約2.3mg/kg~約3.4mg/kg、約2.4mg/kg~約3.3mg/kg、約2.6mg/kg~約3.15mg/kg、約2.7mg/kg~約3mg/kg、約2.8mg/kg~約3mg/kg又は約2.85mg/kg~約2.95mg/kgの範囲である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0237】
[00261] 一部の実施形態において、T細胞又はTILの有効投薬量は、約1mg~約500mg、約10mg~約300mg、約20mg~約250mg、約25mg~約200mg、約1mg~約50mg、約5mg~約45mg、約10mg~約40mg、約15mg~約35mg、約20mg~約30mg、約23mg~約28mg、約50mg~約150mg、約60mg~約140mg、約70mg~約130mg、約80mg~約120mg、約90mg~約110mg又は約95mg~約105mg、約98mg~約102mg、約150mg~約250mg、約160mg~約240mg、約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、約195mg~約205mg又は約198~約207mgの範囲である。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0238】
[00262] 有効量のT細胞又はTILは、鼻腔内及び経皮経路、動脈内注射によること、静脈内、腹腔内、非経口的、筋肉内、皮下、局所、移植又は腫瘍への直接注射によること又は吸入によることを含め、同様の有用性を有する薬剤について一般に認められている任意の投与方式により、単回用量又は複数回用量のいずれかで投与され得る。
【0239】
[00263] 好ましい実施形態において、本発明は、T細胞又はTIL及びこれらの組み合わせと、腫瘍内注射又は静脈内注入を含めた注射に好適な医薬賦形剤とを含有する注射用医薬組成物を提供する。本組成物中の薬剤の成分及び量は、本明細書に記載されるとおりである。
【0240】
[00264] 一部の実施形態において、T細胞又はTILは、単回用量で投与される。かかる投与は、注射、例えば静脈内注射により得る。
【0241】
[00265] 一部の実施形態において、T細胞又はTILは、複数回用量で投与される。好ましい実施形態において、T細胞又はTILは、複数回用量で投与される。TILの投与は、月1回、2週間に1回、週1回又は隔日1回であり得る。
【0242】
[00266] 注射による投与のために本発明の組成物を配合し得る形態としては、水性又は油性懸濁液又はエマルションであって、ゴマ油、トウモロコシ油、綿実油又はピーナッツ油含有のもの並びにエリキシル剤、マンニトール、デキストロース又は滅菌水溶液及び同様の医薬媒体が挙げられる。
【0243】
[00267] 生理食塩水中の水溶液も従来注射のために使用されている。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール(及びこれらの好適な混合物)、シクロデキストリン誘導体及び植物油も利用し得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には必要な粒度の維持のため及び界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物作用の防止は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸及びチメロサールによってもたらすことができる。
【0244】
[00268] 滅菌注射用溶液は、適切な媒体中に必要な量のT細胞又はTILを適宜上記に列挙されるとおりの種々の他の成分と共に配合し、続いてろ過滅菌することにより調製される。概して、分散液は、基礎分散媒及び上記に列挙されるものからの他の必要な成分を含有する滅菌媒体中に様々な滅菌活性成分を配合することにより調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、特定の望ましい調製方法は、活性成分+任意の追加的な所望の成分の粉末を予め滅菌ろ過されたその溶液から生じさせる真空乾燥法及び凍結乾燥法である。
【0245】
他の医薬組成物
[00269] 医薬組成物は、本明細書に記載される組成物と、舌下、頬側、直腸、骨内、眼内、鼻腔内、硬膜上又は脊髄内投与に好適な1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とからも調製され得る。かかる医薬組成物の調製は、当該技術分野において周知である。例えば、Anderson, et al., eds., Handbook of Clinical Drug Data, Tenth Edition, McGraw-Hill, 2002;及びPratt and Taylor, eds., Principles of Drug Action, Third Edition, Churchill Livingston, N.Y., 1990(これらの各々は、参照により全体として本明細書に援用される)を参照されたい。
【0246】
[00270] T細胞又はTILの投与は、作用部位への送達を可能にする任意の方法によって達成することができる。これらの方法としては、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、血管内、腹腔内又は注入を含む)、局所(例えば、経皮的塗布)、直腸投与、カテーテル若しくはステントによる局所送達を介すること又は吸入によること、脂肪内(intraadiposally)又は髄腔内が挙げられる。
【0247】
[00271] 本発明は、キットも提供する。キットは、好適なパッケージング中にある単独での又は組み合わせでの即時投与可能なT細胞又はTIL並びに使用説明書、臨床試験の考察及び副作用一覧を含み得る文書資料を含む。かかるキットは、組成物の活性及び/又は利点を指示又は確立し、及び/又は用量設定、投与、副作用、薬物相互作用又は医療提供者に有用な他の情報を記載する参考科学文献、添付文書資料、臨床試験結果及び/又はこれらの要約などの情報も含み得る。かかる情報は、様々な試験、例えばインビボモデルが関わる実験動物を使用した試験及びヒト臨床試験に基づく試験の結果に基づき得る。キットは、別の医薬品有効成分を更に含み得る。選択された実施形態において、T細胞又はTIL及び別の医薬品有効成分は、キット内で別個の容器に別個の組成物として提供される。選択された実施形態において、T細胞又はTILは、キットにある容器内に単一の組成物として提供される。好適なパッケージング及び使用のための追加的な物品(例えば、液体調製物のための計量カップ、曝気を最小限に抑えるためのフォイル包装材など)は、当該技術分野において公知であり、キットに含まれ得る。本明細書に記載されるキットは、医師、看護師、薬剤師、処方薬剤管理者などを含めた医療提供者に提供され、販売され、及び/又は宣伝され得る。キットはまた、選択された実施形態では消費者に直接販売され得る。
【0248】
[00272] 上記に記載されるキットは、好ましくは、本明細書に記載される疾患及び病態の治療における使用のためのものである。好ましい実施形態において、キットは、癌の治療における使用のためのものである。好ましい実施形態において、キットは、固形腫瘍癌の治療における使用のためのものである。好ましい実施形態において、本発明のキットは、本明細書に記載される任意の癌を含め、癌の治療における使用のためのものである。
【0249】
癌の治療方法
[00273] T細胞又はTIL(及びその集団)の組成物及び併用は、過剰増殖性障害の治療方法において使用することができる。好ましい実施形態において、これは、癌の治療における使用のためのものである。好ましい実施形態において、本発明は、癌の治療方法を提供し、ここで、癌は、血液学的悪性腫瘍又は固形腫瘍である。好ましい実施形態において、本発明は、癌の治療方法を提供し、ここで、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される。好ましい実施形態において、本発明は、癌の治療方法を提供し、ここで、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)又はトリプルネガティブ乳癌、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。好ましい実施形態において、本発明は、T細胞又はTILによる癌の治療方法を提供し、ここで、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される。好ましい実施形態において、本発明は、T細胞又はTILによる癌の治療方法を提供し、ここで、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0250】
[00274] 一部の実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団で癌を治療する方法を提供し、この方法は、
(a)患者から腫瘍を切除するステップであって、腫瘍は、第1のTIL集団を含む、ステップ;
(b)腫瘍を断片化して腫瘍断片を入手するステップ;
(c)腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;
(d)第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;
(e)第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;
(f)第3のTIL集団を回収するステップ;及び
(g)癌を有する患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与するステップ
を含み;ここで、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される。
【0251】
[00275] 一部の実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団で癌を治療する方法を提供し、この方法は、
(a)患者から腫瘍又は腫瘍断片を受け取るステップであって、腫瘍又は腫瘍断片は、第1のTIL集団を含む、ステップ;
(b)任意選択で腫瘍を断片化して腫瘍断片を入手するステップ;
(c)腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;
(d)第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;
(e)第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び
(f)第3のTIL集団を回収するステップ
を含み;ここで、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、結腸直腸癌及び肉腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、本方法は、癌を有する患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含む。
【0252】
[00276] 一部の実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団で癌を治療する方法を提供し、この方法は、
(a)患者から腫瘍を切除するステップであって、腫瘍は、第1のTIL集団を含む、ステップ;
(b)腫瘍を断片化して腫瘍断片を入手するステップ;
(c)腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;
(d)第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;
(e)第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;
(f)第3のTIL集団を回収するステップ;及び
(g)癌を有する患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与するステップ
を含み;ここで、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。
【0253】
[00277] 一部の実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団で癌を治療する方法を提供し、この方法は、
(a)患者から腫瘍又は腫瘍断片を受け取るステップであって、腫瘍又は腫瘍断片は、第1のTIL集団を含む、ステップ;
(b)任意選択で腫瘍を断片化して腫瘍断片を入手するステップ;
(c)腫瘍断片を第1の細胞培養培地と接触させるステップ;
(d)第1の細胞培養培地中で第1のTIL集団の初期拡大培養を実施して第2のTIL集団を入手するステップであって、第2のTIL集団は、第1のTIL集団より少なくとも5倍数が多く、第1の細胞培養培地は、IL-2を含む、ステップ;
(e)第2の細胞培養培地中で第2のTIL集団の迅速拡大培養を実施して第3のTIL集団を入手するステップであって、迅速拡大培養の開始から7日後、第3のTIL集団は、第2のTIL集団より少なくとも50倍数が多く;第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3(抗CD3抗体)及び照射同種末梢血単核球(PBMC)を含み;迅速拡大培養は、14日以下の期間にわたって実施される、ステップ;及び
(f)第3のTIL集団を回収するステップ
を含み;ここで、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌、プロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)乳癌、トリプルポジティブ乳癌(ER+/PR+/HER2+)、トリプルネガティブ乳癌(ER-/PR-/HER2-)、二重抵抗性黒色腫及びぶどう膜(眼)黒色腫からなる群から選択される。一部の実施形態において、本方法は、癌を有する患者に治療上有効な分量の第3のTIL集団を投与することを更に含む。
【0254】
[00278] 適応される疾患又は障害の治療、予防及び/又は管理における本明細書に記載される方法、化合物及び化合物の併用の有効性は、当該技術分野において公知の様々な動物モデルを用いて試験することができる。膵癌治療の有効性を決定するためのモデルについては、Herreros-Villanueva, et al., World J. Gastroenterol. 2012, 18, 1286-1294に記載されている。乳癌治療の有効性を決定するためのモデルについては、例えば、Fantozzi, Breast Cancer Res. 2006, 8, 212に記載されている。卵巣癌治療の有効性を決定するためのモデルについては、例えば、Mullany, et al., Endocrinology 2012, 153, 1585-92;及びFong, et al., J. Ovarian Res. 2009, 2, 12に記載されている。黒色腫治療の有効性を決定するためのモデルについては、例えば、Damsky, et al., Pigment Cell & Melanoma Res. 2010, 23, 853-859に記載されている。肺癌治療の有効性を決定するためのモデルについては、例えば、Meuwissen, et al., Genes & Development, 2005, 19, 643-664に記載されている。肺癌治療の有効性を決定するためのモデルについては、例えば、Kim, Clin. Exp. Otorhinolaryngol. 2009, 2, 55-60;及びSano, Head Neck Oncol. 2009, 1, 32に記載されている。CT26モデルを含め、結腸直腸癌治療の有効性を決定するためのモデルについては、Castle, et al., BMC Genomics, 2013, 15, 190;Endo, et al., Cancer Gene Therapy, 2002, 9, 142-148;Roth, et al., Adv. Immunol. 1994, 57, 281-351;Fearon, et al., Cancer Res. 1988, 48, 2975-2980に記載されている。
【0255】
化学療法による骨髄非破壊的リンパ球枯渇
[00279] ある実施形態において、本発明は、T細胞又はTIL集団で癌を治療する方法を提供し、ここで、患者は、T細胞又はTILの注入前に骨髄非破壊的化学療法で前治療される。ある実施形態において、骨髄非破壊的化学療法は、1つ以上の化学療法剤である。ある実施形態において、骨髄非破壊的化学療法は、2日間(T細胞又はTIL注入前27日目及び26日目)のシクロホスファミド60mg/kg/日及び5日間(TIL注入前27~23日目)のフルダラビン25mg/m2/日である。ある実施形態において、骨髄非破壊的化学療法及び本開示に係るT細胞又はTIL注入(0日目)後、患者は、生理学的忍容量まで8時間毎に静脈内に720,000IU/kgのIL-2の静脈内注入を受ける。一部の実施形態において、T細胞には、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、ナチュラルキラーT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、Tヘルパー細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、細胞傷害性T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、γδT細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、同種T細胞が含まれる。一部の実施形態において、T細胞には、自家T細胞が含まれる。
【0256】
[00280] 実験的知見から、腫瘍特異的Tリンパ球の養子移入前のリンパ球枯渇は、調節性T細胞及び免疫系の競合エレメント(「サイトカインシンク」)の除去により、治療有効性の増強において重要な役割を果たすことが指摘される。従って、本発明の一部の実施形態は、本発明のT細胞又はTILの導入前に患者に対してリンパ球枯渇ステップ(ときに「免疫抑制コンディショニング」とも称される)を利用する。
【0257】
[00281] 一般に、リンパ球枯渇は、フルダラビン又はシクロホスファミド(その活性型はマホスファミドと称される)及びこれらの併用の投与を用いて実現される。かかる方法については、Gassner, et al., Cancer Immunol. Immunother. 2011, 60, 75-85、Muranski, et al., Nat. Clin. Pract. Oncol., 2006, 3, 668-681、Dudley, et al., J. Clin. Oncol. 2008, 26, 5233-5239及びDudley, et al., J. Clin. Oncol. 2005, 23, 2346-2357(これらは、全て本明細書において全体として参照により援用される)に記載されている。
【0258】
[00282] 一部の実施形態において、フルダラビンは、0.5μg/mL~10μg/mLフルダラビンの濃度で投与される。一部の実施形態において、フルダラビンは、1μg/mLフルダラビンの濃度で投与される。一部の実施形態において、フルダラビン治療は、1日、2日、3日、4日、5日、6日又は7日間又はそれ以上投与される。一部の実施形態において、フルダラビンは、10mg/kg/日、15mg/kg/日、20mg/kg/日、25mg/kg/日、30mg/kg/日、35mg/kg/日、40mg/kg/日又は45mg/kg/日の投薬量で投与される。一部の実施形態において、フルダラビン治療は、35mg/kg/日で2~7日間投与される。一部の実施形態において、フルダラビン治療は、35mg/kg/日で4~5日間投与される。一部の実施形態において、フルダラビン治療は、25mg/kg/日で4~5日間投与される。
【0259】
[00283] 一部の実施形態において、活性型のシクロホスファミドであるマホスファミドは、シクロホスファミドの投与によって0.5μg/mL~10μg/mLの濃度で得られる。一部の実施形態において、活性型のシクロホスファミドであるマホスファミドは、シクロホスファミドの投与によって1μg/mLの濃度で得られる。一部の実施形態において、シクロホスファミド治療は、1日、2日、3日、4日、5日、6日又は7日間又はそれ以上投与される。一部の実施形態において、シクロホスファミドは、100mg/m2/日、150mg/m2/日、175mg/m2/日、200mg/m2/日、225mg/m2/日、250mg/m2/日、275mg/m2/日又は300mg/m2/日の投薬量で投与される。一部の実施形態において、シクロホスファミドは、静脈内に(即ちi.v.)投与される。一部の実施形態において、シクロホスファミド治療は、35mg/kg/日で2~7日間投与される。一部の実施形態において、シクロホスファミド治療は、250mg/m2/日で4~5日間にわたってi.v.投与される。一部の実施形態において、シクロホスファミド治療は、250mg/m2/日で4日間にわたってi.v.投与される。
【0260】
[00284] 一部の実施形態において、リンパ球枯渇は、患者にフルダラビン及びシクロホスファミドを一緒に投与することにより実施される。一部の実施形態において、4日間にわたり、フルダラビンは、25mg/m2/日でi.v.投与され、シクロホスファミドは、250mg/m2/日でi.v.投与される。
【0261】
[00285] ある実施形態において、リンパ球枯渇は、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与と、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与によって実施される。
【実施例】
【0262】
実施例
[00286] ここで、以下の実施例を参照して、本明細書に包含される実施形態を説明する。これらの実施例は、あくまでも例示を目的として提供されるものであり、本明細書に包含される開示がこれらの実施例に限定されると解釈されることがあっては決してならず、むしろ本明細書に提供される教示の結果として明らかになるあらゆる変形形態を包含すると解釈されなければならない。
【0263】
実施例1:BDX008及びIL2免疫療法テスト
[00287] 養子細胞移入療法は、転移性黒色腫患者において持続性のある完全退縮につながり得るが(Goff et al., J Clin Oncol, 2016, Jul 10, 34(20):2389)、それは、治療を受ける患者の少数に過ぎない。選択された患者集団の中で持続性のある奏効率の亢進がもたらされるように、かかる療法が奏効する可能性が最も高い又はその可能性が極めて低い患者を同定可能であることは、興味深い。
【0264】
[00288] 異なる強度のリンパ球枯渇後における腫瘍浸潤リンパ球の養子移入の前向き研究において、転移性黒色腫患者から採取した治療前血清試料が提供された。これらの試料に対し、本明細書においてそれぞれBDX008テスト及びIL2テストと称される2つのBiodesix免疫療法テストを実施し、療法に持続的有益性がある可能性が最も高い患者を同定可能な新規テストを作り出すことを目標に新規分類器開発を行った。BDX008テストは、試料をBDX008-又はBDX008+に分類する。BDX008+は、より一般的には、BDX008-よりも長い無増悪生存期間に関連する。IL2テストは、試料をIL2テストEarly(予後不良群)又はIL2テストLate(予後良好群)に分類する。換言すれば、IL2テストlateは、より一般的には、IL2テストearlyよりも長い無増悪生存期間に関連する。
【0265】
[00289] 試料:試料の目録に90例の試料が含まれた。1例の試料(NV12_SP_2108_002)は、欠測であり、4例の試料は、目視検査で溶血が認められた(HARV_SP_0612_001、HARV_SP_0657_002、NV12_SP_0706_001及びNV12_SP_2186_001)。残りの85例の試料をスペクトル取得のために調製し、deep MALDIスペクトルを取得した。85人の患者の分析コホートのベースライン臨床特性を含めた、試料を分析に利用可能な85人の患者のコホートのベースライン臨床特性を表1に要約する。
【0266】
【0267】
[00290] このコホートの療法に対する奏効を表2に要約し、無増悪生存期間(PFS)を
図1に示す(CR:完全奏効;PR:部分奏効;NR:無奏効;SD:安定した病勢;PD:増悪する病勢)。
【0268】
【0269】
[00291] 質量スペクトル取得に好適な85例の試料にBDX008テストを適用した。29例(34%)がBDX008-に分類され、56例(66%)がBDX008+に分類された。試料別のBDX008分類を表3に提供する(既存のテスト分類及びバッチ割り当て;試料別の質量スペクトルが収集されたバッチ、BDX008及びIL2テスト分類)。
図2は、BDX008分類別のPFSのカプラン・マイヤープロットを示し、BDX008分類別の奏効を表4に要約する。BDX008分類別のベースライン特性を表5に要約する(分析コホートのベースライン臨床特性)。
【0270】
【0271】
【0272】
【0273】
【0274】
【0275】
[00292] 質量スペクトル取得に好適な85例の試料にIL2テストを適用した。59例(69%)がIL2テストEarly(予後不良群)に分類され、26例(31%)がIL2テストLate(予後良好群)に分類された。試料別のIL2テスト分類を表3に提供する。
図3は、IL2テスト分類別のPFSのカプラン・マイヤープロットを示し、IL2テスト分類別の奏効を表6に要約する。IL2テスト分類別のベースライン臨床特性を表7に要約する。
【0276】
【0277】
【0278】
実施例2:新規分類器開発
試料調製
[00293] 試料を解凍し、3μLアリコートの各試料及び品質管理用血清(5人の健常患者の血清から入手されたプール試料、ProMedDxから購入、「SerumP3」)をVeriStrat(登録商標)血清カード(Therapak)にスポッティングした。カードを周囲温度で1時間乾燥させた後、6mm皮膚生検パンチ(Acuderm)で全血清スポットをくり抜いた。0.45μmナイロン膜(VWR)を備えた遠心フィルタに各パンチを入れた。パンチが入った遠心フィルタに100μLのHPLCグレード水(JT Baker)を加えた。パンチを穏やかに10分間ボルテックスし、次に14,000rcfで2分間スピンダウンした。フロースルーを取り出し、2回目の抽出ラウンドのため再びパンチに移した。2回目の抽出ラウンドについて、パンチは穏やかに3分間ボルテックスし、次に14,000rcfで2分間スピンダウンした。次にMALDI分析のため各試料から20マイクロリットルのろ液を0.5mLエッペンドルフチューブに移した。
【0279】
[00294] 続く試料調製ステップは、全て特注設計の温湿度制御チャンバ(Coy Laboratory)において行った。温度は30℃に設定し、相対湿度は10%に設定した。
【0280】
[00295] 等容積の新鮮に調製したマトリックス(1mLの50%アセトニトリル:50%水+0.1%TFA当たり25mgのシナピン酸)を各20μL血清抽出物に加え、混合物を30秒間ボルテックスした。最初の3アリコート(3×2μL)の試料:マトリックス混合物はチューブキャップに廃棄した。次に8アリコートの2μL試料:マトリックス混合物をステンレス鋼MALDI標的プレート(SimulTOF)にスポッティングした。チャンバ内でMALDI標的を乾燥させた後、MALDIマススペクトロメータに入れた。
【0281】
[00296] この試料の組をMALDI分析のため2バッチで処理した。各バッチランの始まり(2つの調製物)及び終わり(2つの調製物)にQC試料を加えた。バッチ別ランの試料の分布は表3に示す。
【0282】
[00297] 質量スペクトルの生成に好適な85例の試料全てについて、試料調製及びスペクトル取得プロセス全体を2回繰り返し、最初のラン、最初のランと2回目のランとの間及び2回目のランの直後にマススペクトロメータ適格性確認ランを行った。試料はラン毎にバッチ及びMALDIプレートスポットについて個別に無作為化した。
【0283】
[00298] マススペクトロメータ適格性確認:試料からのスペクトル取得前及び取得後に計測器適格性確認手順を行い、本プロジェクトの質量分析に関するデータ収集にわたって予想性能が維持されることを確実にした。手順は以下に定義する。
【0284】
[00299] 試料セット:RuO40試料セットは、十分に特徴付けられた40例のヒト血清試料で構成される。「ゴールドスタンダード」又はベースラインランは、deep MALDI試料調製及び取得手順を用いてST100マススペクトロメータで取得した。データは、いかなる「テスト」であれ無関係に、確立された処理方法を用いて処理し、且つ目的のm/z範囲を網羅し且つ特徴量強度範囲を網羅するように選択した90例の質量スペクトル特徴量について、予想値の特徴量テーブルを作成した。
【0285】
[00300] 一致分析:計測器性能を評価するため、RuO40試料セットに対して一致分析を実施する。端的には、試料を調製し、スペクトルを取得する。次に、バックグラウンド減算、規格化、アラインメント及びバッチ補正(対ゴールドスタンダード)を含む確立された処理方法を用いてデータを処理することにより、特徴量値テーブルを求める。これらの90個の特徴量を、ゴールドスタンダードランで収集された値と比較する。90個全ての特徴量について一致プロットを作成し、線形回帰を実施する。「傾き」を用いて要約統計量(本質的に残差平方和)を計算する。一致分析が適合判定となるには、要約統計量が確立されたメトリックの要件を満たさなければならない(要約統計量>0.96)。加えて、一致分析の前提条件として処理に含まれる全ての品質管理尺度について、スペクトルが適合判定とならなければならない。
【0286】
[00301] 全ての適格性確認ランに関する計測器適格性確認メトリック:表8及び表9に要約するとおり。
【0287】
【0288】
【0289】
スペクトル取得
[00302] MALDI-TOFマススペクトロメータ(SimulTOF 100 s/n: LinearBipolar 11.1024.01、製造元Virgin Instruments、Marlborough, MA, USA)を使用してMALDIスペクトルを入手した。この計測器はポジティブイオンモードで動作するように設定され、0.5kHzのレーザー繰り返し率で動作する349nmダイオード励起周波数三倍化Nd:YLFレーザーを用いてイオンを生成した。テスト試料の各ランの直前に、マススペクトロメータを機械適格性確認手順にかけて適合判定を得ることにより、十分なマススペクトロメータ性能であることを確認した(表8及び表9を参照されたい)。外部キャリブレーションは、QC血清スペクトルにおける以下のピーク:m/z=3317Da、4155Da、6635Da、9430Da、13888Da、15876Da及び28098Daを用いて実施した。テスト試料の2回目のランの後、マススペクトロメータを再び機械適格性確認にかけて適合判定を得た。
【0290】
[00303] 各MALDIスポットからのスペクトルは、ステージが0.25mm/秒の速度で動いている間にそのスポットにわたって連続的にレーザーが発射されるに従い「ハードウェア平均化」される800ショットスペクトルとして収集された。0.01Vの最小強度閾値を用いて任意の「フラットな線」のスペクトルを破棄した。この閾値を上回る強度の800ショットスペクトル全てを更なる処理なしに取得した。
【0291】
スペクトル処理
[00304] 新規分類器開発のため、スペクトル処理パラメータを具体的に定義した。
【0292】
[00305] ラスタースペクトル処理-アラインメント及びフィルタリング:800ショットの全てのラスタースペクトルを、アラインメントワークフローを通じて処理することにより、スペクトル中の突出したピークが43個のアラインメント点の組にアラインメントされた(表10を参照されたい)。ノイズを平滑化するフィルタを適用し、バックグラウンドを差し引いてピークを同定した。同定されたピークを所与として、フィルタリング後のスペクトル(バックグラウンド減算なし)をアラインメントした。追加的なフィルタリングパラメータにより、平均スペクトルのアセンブルに用いられるラスタープールに含まれるためにはラスタースペクトルが少なくとも20ピークを有し、且つ少なくとも5個のアラインメント点を使用する必要があるものとした。
【0293】
【0294】
[00306] ラスター平均化:アラインメントし、且つフィルタリングしたラスタースペクトルのプールから平均を出した。無作為に選択した500個のラスタースペクトルを平均化することにより、400,000ショットの各試料についての最終的な分析スペクトルを出した。
【0295】
平均スペクトル処理
[00307] 負荷範囲:スペクトルは、典型的には3~75kDaのm/z範囲で収集されるが、30kDaを上回る特徴量は分解能が不足し、特徴量値レベルで再現性がないことが分かっているため、スペクトル処理の範囲は、特徴量生成を含め、3~30kDaに限られる。
【0296】
[00308] バックグラウンド推定及び減算:IL2テスト及びBDX008の前処理に使用される標準的な2ウィンドウ法よりも優れているバックグラウンド推定法を同定した予備的分析に続き、Eilersのバックグラウンド推定法を実施した。選択のパラメータが、目的のm/zにわたって、全てのピーク強度を通じて且つ合理的にピーククラスター(2ウィンドウ法と比べた改善が最良に観察されるところ)の十分に範囲内でバックグラウンドを管理した。
【0297】
【0298】
[00309] ビニング法による規格化:ビニング法を用いて目的の臨床群を比較することにより、目的の群を区別するのに望ましい特性を有する規格化ウィンドウが選択されないことを確実にした。ウィンドウ又はビンが、スペクトル中の類似の挙動領域を捕捉する。例えば、単一ピークを個々に判定するよりむしろ、単一ビンの中にはピーククラスターが入っている。初期規格化ビン定義については、表12を参照することができる。目的のm/z範囲を制限して、規格化ビニング分析において30kDaより大きい規格化ビンは除外した。2つ目のステップとして、バッチ毎にテスト試料と並行してスポッティングされる、品質管理として且つバッチ補正のために供される参照試料の多くのレプリケートを用いて規格化ウィンドウを縮小することにより、本質的に不安定なビンを取り除いた。これを行うため、本発明者らは、40バッチで収集された160の参照レプリケートについて全てのビンのCVを判定した。0.18のCVカットオフを適用した。CVが0.18より大きいビンは、閾値を超えたものとしてそれ以上規格化に考慮しなかった。これにより規格化ビンは77ビンから58ビンに減った。縮小したビンセットについては、表13を参照することができる。
【0299】
【0300】
【0301】
【0302】
【0303】
【0304】
[00310] 規格化ウィンドウを更に剪定するため、奏効カテゴリ依存を用いてCV及び一変量p値を判定した。開発セット中の試料(n=85)を使用して、完全奏効を達成した患者からの試料(CR、n=18)を他の全ての患者スペクトル(部分奏効、無奏効、安定した病勢又は増悪する病勢)と比較することにより、ビンの各々について一変量p値を計算した。この手法を用いて、臨床群CRを他と区別するのに重要であり得る規格化ウィンドウを取り除いた。0.20のp値カットオフ(p値が0.20を下回るビンは棄却した)及び0.25のCVカットオフ(0.25を上回るビンは棄却した)を適用した。規格化ウィンドウのリストは11ビンに減った。これは表14を参照することができる。
【0305】
【0306】
[00311] 得られた規格化スカラーを奏効群間で比較することにより、ウィンドウの組み合わせに臨床群との有意な関連性がないことを確実にした。
図4のプロットは、規格化スカラーの分布に目的の臨床群との関連性がないことを実証している。
【0307】
[00312] 平均スペクトルアラインメント:平均スペクトルのピークアラインメントは、典型的には極めて良好である;しかしながら、微調整アラインメントステップを実施して、スペクトル中のピーク位置の僅かな差に対応した。26個のアラインメント点の組を特定し、800ppmのキャリブレーション許容誤差を用いて分析スペクトルに適用した(表15)。目的のキャリブレーション範囲は3~32kDaに制限した。
【0308】
【0309】
[00313] 各臨床群(CR又はその他によって定義される)からのスペクトルを比較することにより、特徴量定義を選択した。試料調製手順中に起こるペプチド修飾に対する感受性が高まり得る幾つかの特徴量が特定された。これらは、ピークの強度及び形状が変化するスペクトルの特異的m/z領域に現れ、プレート上で試料がスポッティングされた位置に依存し得る。これらのm/z領域は、特徴量選択から除外した。最終的な418個の特徴量定義の組をスペクトルに適用した。これらは表16に掲載する。記載される方法を用いて定義される特徴量の一例を
図5に表示し、ここで、参照スペクトルは、青色で示し、テスト試料のバッチ1からのスペクトルは、赤色で示す。青緑色で強調表示した各領域が、個別の特徴量定義を表す。特定のスペクトルについての特徴量値は、特徴量定義のm/zスパン内のスペクトル下面積である。
【0310】
【0311】
【0312】
【0313】
【0314】
【0315】
【0316】
【0317】
【0318】
【0319】
【0320】
分析スペクトルのバッチ補正
[00314] 特徴量削減:418個の特徴量の中の52個のサブセットを使用して、バッチ補正におけるベースライン参照及びバッチ補正に使用される補正関数の計算に用いる個々の参照スペクトルを選択した。全ての更なるバッチについての参照選択では、418個全ての特徴量を使用した。サブセットの選択基準は、約1kDaの各m/z間隔につき3個の特徴量のみがなければならないこと、及びそれらが、そのkDa間隔内の強度範囲を代表するものでなければならない(即ち高い、中程度及び低い強度を表す)ことであった。バッチ補正に安定した特徴量が用いられることを確実にするため、160レプリケート参照スペクトルを使用して特徴量に関するCVを計算した。各約1kDa間隔について、特徴量をCV及び強度によって順位付けした。各特徴量の目視検査を順位付けされたCV及び強度の要求量と組み合わせて用いて、52個の特徴量のサブセットを選択した。
【0321】
[00315] 参照スペクトル分析:テスト試料の各バッチの始まり(1,2)及び終わり(3,4)に、参照試料、SerumP3の2つの調製物をプレーティングした。これらの試料の目的は、計測器性能の僅かな変化(例えば、検出器の経年)に起因するバッチ毎のばらつきが補正され得るよう確実にすることである。以下の節は、バッチ補正手順について記載する。バッチ補正を実施するためには、1つのスペクトルをそのバッチの参照として供しなければならず、これは、調製物のうち、バッチの始まりからの1つ及び終わりからの1つからのスペクトルの平均である。初めにこの対の選択手順について記載する。
【0322】
[00316] 参照試料を上記に記載したとおり前処理した。52個の特徴量を用いて可能な組み合わせ(1-3、1-4、2-3、2-4)を判定した。以下の関数を用いてレプリケートの各可能な組み合わせを比較した:
A = min (abs (1-ftrval1/ftrval2), abs (1-ftrval2/ftrval1))
式中、ftrval1(ftrval2)は、レプリケート対の第1(第2)のレプリケートについての特徴量の値である。この数量Aは、対のレプリケートがどの程度類似しているかの尺度を与える。各特徴量についてAが報告される。この値が0.5より大きい場合、特徴量は不一致又は「Bad」であると決定される。各可能な組み合わせについてBad特徴量の集計が報告される。Aの値が0.1未満である場合、特徴量は一致していると決定され、「Good」として報告される。各可能な組み合わせについてGood特徴量の集計が報告される。各可能な組み合わせからのBad及びGood特徴量の集計を用いて、本発明者らはBad/Good比を計算した。最も低い比の組み合わせが最も類似性の高い組み合わせとして報告され、参照スペクトルのいずれかに任意の系統的な又は局所的な外れ値挙動が含まれる可能性が低いものであった。最後に、0.2未満の比が見られない場合、そのバッチは不適合とする。表17は、各バッチについて最も類似性が高いことが分かった組み合わせを報告する。
【0323】
【0324】
[00317] バッチ補正:ラン1バッチ1をベースラインバッチとして使用して、他の全てのバッチを補正した。参照スペクトルを用いて、以下の手順によりバッチの各々について補正係数を求めた。各バッチj()の範囲内で、(m/z)
iを中心とする各i番目の特徴量について、比
【数1】
及び平均振幅
【数2】
が定義され、式中、
【数3】
は、補正されているバッチにおける特徴量iの平均参照スペクトル振幅であり、
【数4】
は、バッチ1における特徴量iの参照スペクトル振幅(参照標準)である。2つのバッチ間の振幅比は、従属関係
【数5】
に従うと仮定される。
【0325】
[00318] バッチ毎に、残差平方和
【数6】
を最小にすることにより且つ参照試料の実験データを用いて、連続フィットを作成する。SerumP3参照試料を使用して補正関数を計算する。パラメータ推定でのバイアスを回避するため、外れ値点を含まないような手段を取った。異なるバッチについて得られた係数a
0、a
1、b
0、b
1及びc
0の値を表18に掲載する。参照スペクトルの各バッチについてのフィットの作成に使用した点のr^ij対(m/z)
i平面における射影を、フィットそれ自体によって定義される表面と共に、
図6A、
図6B及び
図6Cに示す。
【0326】
【0327】
[00319] 各バッチについて最終的なフィット、
【数7】
が決定されると、次のステップは、全ての試料について、全418個の特徴量((m/z)で振幅A)を
【数8】
に従い補正することである。この補正後、参照スペクトルについて計算される補正済みの
【数9】
特徴量値は、
図6A、
図6B及び
図6Cに示されるとおり、r=1によって定義される水平線の辺りにある。補正後係数を計算して品質管理閾値と比較する。これらの係数については表19を、且つ対応するプロットについては
図7A、
図7B及び
図7Cを参照することができる。
【0328】
【0329】
[00320] 部分イオン電流(PIC)規格化:データセットを調べて、最終的な規格化ウィンドウとして使用する固有の安定性領域を見つけ出した。初めに、元の奏効群(CR対その他)を比較するp値を計算した。p値が0.10未満の特徴量を除外した結果、271個の特徴量(418個中)をPIC分析に使用することになった。PIC分析の結果として、PIC規格化に39個の特徴量が選択された。これについては表20に掲載する。
【0330】
【0331】
[00321] 規格化のため、各スペクトルについて挙げられる特徴量からの特徴量値を合計することにより規格化スカラーを計算した。次に全ての特徴量値を試料毎の規格化スカラーで除すことにより、新規分類器開発に使用する最終的なテーブルを求めた。規格化スカラーを臨床群別に再び調べることにより、組み合わせた特徴量、即ち規格化スカラーそれ自体が臨床群と相関しないことを確認した。
図8のプロットは、群別のスカラーの分布を示す。上記に挙げたPIC規格化特徴量を用いて、分析コホートにおける全85例の試料が含まれる最終的な特徴量テーブルを作成した。
【0332】
DIAGNOSTIC CORTEX(商標)
[00322]
図9に概略的に示されるDiagnostic Cortexプラットフォームを使用して新規分類器開発を行った。
【0333】
[00323] クラスラベルの定義:分類器開発のため探索した一部の予備的手法では、奏効カテゴリなど、十分に定義されたクラスラベルを利用したが、これらは良好な性能の分類器の作成では不成功に終わったことが分かった。本発明の目的上用いられる手法は、全て分類器訓練にtime-to-eventデータを使用する。この状況では、クラスラベルは自明でなく、
図9に示されるとおり、diagnostic cortexは分類器を作成すると同時に反復法を用いてクラスラベルを精緻化する。クラスラベルについて初期推量が行われる。典型的にはPFS又はOSのいずれかで試料がソートされ、time-to-eventアウトカムが最も低い試料の半分に「Early」クラスラベル(早期死亡又は増悪、即ち不良なアウトカム)が割り当てられ、一方、残りの半分に「Late」クラスラベル(死亡又は増悪遅延、即ち良好なアウトカム)が割り当てられる。本明細書に開示される分類器にはPFSが使用される。次にアウトカムデータ及びこれらのクラスラベルを用いて分類器が構築される。次にこの分類器を使用して、開発セット試料についての分類を生成することができ、次にこれらが分類器構築ステップの2順目の反復の新規クラスラベルとして使用される。このプロセスは収束まで反復される。
【0334】
[00324] 小分類器の作成及びフィルタリング:開発セット試料を複数の異なるランダムリアライゼーションで訓練セット及びテストセットに分割する。625回のリアライゼーションを用いた。diagnostic cortexプラットフォームは、訓練クラスが同じ数の試料を有するとき最良に動く。従って、クラスが異なる数のメンバーを有する場合、それらは異なる比でテストと訓練とに分割される。
【0335】
[00325] その参照セットとして訓練セットを使用する多くのk最近傍(kNN)小分類器(mC)が、特徴量のサブセットを使用して構築される。本明細書に記載される分類器は、全てk=9を使用する。本明細書に記載される分類器は、単一特徴量及び特徴量対を有するmCのみを使用する。
【0336】
[00326] 特定の性能特性を有する最終分類器を標的とするため、mCは以下のとおりフィルタリングされる。各mCがその訓練セットに適用され、訓練セットの得られた分類から性能メトリックが計算される。これらの性能メトリックに関する閾値を満たすmCのみがフィルタリングで適合判定となり、このプロセスに更に使用される。フィルタリングで不適合となるmCは破棄される。本報告に載せる分類器は、全てハザード比に基づくフィルタリングを使用した。ハザード比フィルタリングのため、mCがその訓練セットに適用される。次に、Earlyと分類された群とLateと分類されたその他との間で指定のアウトカム(ここではPFS)のハザード比が計算される。mCがフィルタリングで適合判定となるためには、ハザード比が指定の限界内になければならない。
【0337】
[00327] ドロップアウトを伴うロジスティック回帰を用いた小分類器の組み合わせ:mCのフィルタリングが完了すると、訓練セットクラスラベルで訓練されるロジスティック回帰を用いてmCが組み合わされ、1つの主分類器(MC)とされる。過適合を回避する助けとなるように、エクストリームドロップアウトを用いて回帰が正則化され、ロジスティック回帰反復の各々に含めるため少数のmCのみが無作為に選択される。ドロップアウト反復回数は、フィルタリングで適合判定となるmCの典型的な数に基づいて選択され、各mCがドロップアウトプロセスの中に複数回含まれる可能性が高いことが確実にされる。本報告に載せる分類器は、ドロップアウト反復毎に10個の無作為に選択されたmCに残り、10,000又は100,000のいずれかのドロップアウト反復を用いた。
【0338】
[00328] 訓練/テスト分割:複数の訓練/テスト分割を用いると、単一の、分類器作成に特に有利な又は困難な訓練セットの選択が回避され、分類が特別に容易な又は困難な可能性のあるテストセットに対するテスト過程からの性能評価におけるバイアスが回避される。
【0339】
[00329] 各MCを定義するロジスティック回帰の出力は、2つの訓練クラス(Early又はLate)の一方である確率である。この出力に閾値を適用すると、各MCについて2値ラベル(Early又はLate)が作製される。本明細書に提示される全ての分類器について、0.5のカットオフ閾値を使用した。全体的な最終分類を作製するため、全てのMCにわたって多数決を行った(「アンサンブル平均」)。開発セット中の試料を分類するとき、これは、試料が訓練セットにないMCのみを多数決に取り入れるように修正される(「アウトオブバッグ多数決」)。
【0340】
[00330] また、MC確率を直接平均化して試料についての1つの平均確率を求めることも可能である。開発セットで作業するとき、この手法は、所与の試料が訓練セットに含まれないMCにわたって平均化するように調整される(「アウトオブバッグ」推定)。次にこれらの平均確率は、カットオフを適用することにより2値分類に変換することができる。平均化した確率に0.5のカットオフを適用することは、個々のMC確率に0.5のカットオフを使用し、次にMCで多数決を実施するのと極めて類似した分類となる。しかしながら、本明細書に示す結果をもたらすのに、この手法は用いられなかった。
【0341】
開発された分類器及びその性能
[00331] 分類器1/設計:この分類器は2つのサブ分類器の階層結合からなり、サブ分類器の各々は、それぞれ補体及び急性反応タンパク質機能群に関連すると同定されている質量スペクトル特徴量のサブセットを用いて開発される。これは、遺伝子セットエンリッチメント解析(GSEA)の原理を用いて行った。
【0342】
[00332] 遺伝子セットエンリッチメント解析(GSEA)は、遺伝子発現解析研究において、カテゴリ型クラス情報又は何らかの連続型変数の値のいずれかも既知である幾つもの生体試料について多数の遺伝子の発現値が利用可能なときによく用いられる方法である[Mootha et al., Nat Genet. 2003; 34(3):267-73;Subramanian et al., Proc Natl Acad Sci USA 2005; 102(43): 15545-50]。この手法は、試料の遺伝子発現と、その遺伝子の生物学的機能に依存する関連するカテゴリ型又は連続型変数との相関パターンを調べる。この手法は遺伝子発現研究で用いるために開発されたが、タンパク質発現データにも同様に良好に適用することができ、これは、本明細書でそれを考察することに関連する。
【0343】
[00333] 一般的手法は、測定されたタンパク質のリスト全体をカテゴリ型ラベル又は連続型変数とのその相関に従い高いものから低いものへと順位付けすることである。測定されたタンパク質の母集団からのタンパク質のサブセットが、例えばUniProt又はGeneOntology/AmiGO2などの周知のデータベースを用いて、その生物学的機能に基づいて定義される。次にこの方法は、全ての測定されたタンパク質の順位付けされたリストの中での順位の関数として各サブセット中におけるそのタンパク質の過剰又は不足を調べる。本明細書で実現されるこの方法は、Subramanianの手法に従う。多重比較について補正は行わない。
【0344】
[00334] 49例の血清試料のコホートが、対応するタンパク質発現データ及びdeep MALDIスペクトルと共に利用可能である。タンパク質発現データは、血清試料にSomaLogicの1129タンパク質パネルをランすることにより得られるものである。このスペクトル;データに対して任意の質量スペクトル特徴量値又はテスト分類を生成することができ、タンパク質発現データと相関付け得る。調査では、特定の生物学的過程に関してタンパク質データベースに問い合わせた結果と、1129個の測定済みのタンパク質のリストとの共通部分として定義される29組の異なるタンパク質セットを使用した。タンパク質セットは、一般に免疫系及び癌治療有効性において役割を果たすと予想される機能並びに対照として、関連性がないと予想される他の機能が含まれるように選択された。タンパク質セットの一部の間には重複があり、これはその構築に用いられる同様の生物学的キーワードから予想され得るとおりである。
【0345】
[00335] 質量スペクトル特徴量をタンパク質機能群と関連付けるためのGSEA方法:この適用については、タンパク質発現データと質量スペクトル特徴量値との相関が調べられ、即ちGSEAに用いられる連続変数は質量スペクトル特徴量値である。418個の質量スペクトル特徴量の各々にGSEA方法を適用した。特定のタンパク質機能セットについてGSEAがp<0.05の特徴量は、その生物学的機能と関連性があると指定した。これは
図10に概略的に示す。このようにして、テストしたタンパク質機能セットの各々と関連性のある418個の質量スペクトル特徴量のサブセットが生成された。例えば、37個の質量スペクトル特徴量が急性反応と関連性があり、142個が補体活性化と関連性があると決定された。これらの特徴量サブセットを分類器1の作成に使用した。
【0346】
[00336] テスト分類をタンパク質機能群と関連付けるためのGSEA方法:この適用については、49例の試料コホートから取得されたdeep MALDIスペクトルに開発されたテスト(分類器2)が適用されてテスト分類が生成され、次にはそれがタンパク質発現データと相関付けられる。この方法を用いて、どの生物学的機能がテスト分類と関連するかを評価した。
【0347】
[00337] 分析コホートの85例の試料中83例を開発セットとして使用して、第1のサブ分類器を設計した。奏効に関して判定不能な2患者からのスペクトルは、このサブ分類器の訓練に含めなかった。補体活性化に関連する且つm/z<25kDaの142個の質量スペクトル特徴量のサブセットをDiagnostic Cortexプラットフォームで使用して、患者をより良好なPFSとより不良なPFSとの2群に層別化可能な分類器を作成した。特徴量除外は用いず、即ちクラスラベル及び第1のサブ分類器の精緻化ステップ毎に、補体に関連する142個全ての質量スペクトル特徴量を使用した。分析コホートの29例の試料がパフォーマンス不良群に割り当てられ、これらには「Early」分類が与えられた。パフォーマンス良好群に割り当てられた残りの56例の試料を第2のサブ分類器の開発セットとして使用した。このサブ分類器を、急性反応(AR)と関連性があると同定済みであった37個の質量スペクトル特徴量のサブセットで訓練した。ここでも、第2の分類器は、特徴量除外を用いず、患者をより良好なPFS群又はより不良なPFS群に十分に層別化した。アウトカム良好群の試料には「Late」分類が割り当てられ、アウトカム不良群の試料には「Early」分類が割り当てられた。第1のサブ分類器及び第2のサブ分類器の作成に使用した特徴量サブセットを表21に示す。一部の実施形態では、表21に示す各個別の特徴量について、個別の特徴量の特徴量値の計算には、表16に示す対応するm/z範囲を使用した。例えば、サブ分類器1に関する表21に掲載される特徴量「3125」について、この特徴量の特徴量値を求めるため、対象実体からの試料の質量スペクトログラフは、表16に指定されるとおり3118.81(m/z)~3130.38(m/z)の間で積分された(エントリ番号3:3118.81、3124.60、3130.38)。次にこの特徴量値が、対象実体を分類するため、本明細書で考察するとおりのパターン分類技法に使用された。
【0348】
【0349】
【0350】
【0351】
【0352】
【0353】
[00338] 第1のサブ分類器(補体に関連する質量スペクトル(MS)特徴量に基づく)によってパフォーマンス不良群に属すると分類された試料には「Bad」の最終分類が与えられた。第1のサブ分類器によってパフォーマンス良好群に割り当てられたものには、第2のサブ分類器(急性反応に関するMS特徴量に基づく)が「Late」の分類を与えた場合には「Good」の分類が与えられ、第2のサブ分類器が「Early」の分類を与えた場合には「Intermediate」の分類が与えられた。
【0354】
[00339] 結果:開発された分類器は、29個のBad分類(34%)、24個のIntermediate分類(28%)及び32個のGood分類(38%)を割り当てた。試料別の分類を表22に提供する。テスト分類別のベースライン特性を表23に要約し、同様にテスト分類によって分割した療法に対する奏効を表24に示す。テスト分類によって分割したPFSのカプラン・マイヤープロットを
図11に示し、性能の概要を表25に提示する。
【0355】
【0356】
【0357】
【0358】
【0359】
【0360】
【0361】
[00340] 再現性:全85例の分析試料の再ランを実施した。これは、2回目の機械適格性確認ラン後に完全に独立した試料調製並びにスペクトル取得及び処理で行った。生成されたスペクトルを分析し、分類を初回ランのものと比較することにより、このテストの再現性を判定した。表26は、2回のラン間でのテスト分類の一致を示す。全体的な一致は76/85=89%である。
【0362】
【0363】
[00341] 分類器2/設計:この分類器は、分類器1の2つのサブ分類器と、以前開発されたテスト(「IS13」)からの既存の第3のサブ分類器との組み合わせからなる。この既に存在するテストは、予後不良群で免疫療法に持続的有益性がある患者を同定することを目標として黒色腫試料を用いて構築されたもので、EarlyEarly又はEarlyLate(免疫療法でより不良又はより良好なアウトカム)の分類を割り当てる。
【0364】
[00342] 第1のサブ分類器(補体MS特徴量に基づく)によってパフォーマンス不良群に属すると分類された試料には、「Bad」の最終分類が与えられた。第1及び第2のサブ分類器の両方によってパフォーマンス良好群に割り当てられた試料には、「Good」の分類が与えられた。第1のサブ分類器によってパフォーマンス良好群に割り当てられ、且つ第2のサブ分類器によってパフォーマンス不良群に割り当てられた残りの試料の分類は、第3のサブ分類器によって与えられる分類に基づいた:その分類がEarlyEarlyの場合、最終分類はBadであり、その分類がEarlyLateの場合、最終分類はGoodであった。この分類割当て手順は、
図13に要約する。
【0365】
[00343] 結果:分類器2は44個のBad分類(52%)及び41個のGood分類(48%)を割り当てた。試料別の分類を表22に掲載する。テスト分類別のベースライン特性を表27に要約し、同様にテスト分類別に分割した療法に対する奏効を表28に示す。テスト分類別に分割したPFSのカプラン・マイヤープロットを
図14に示し、性能の概要を表29に提示する。
【0366】
【0367】
【0368】
【0369】
[00344] 再現性:全85例の分析試料の再ランを実施した。これは、2回目の機械適格性確認ラン後に完全に独立した試料調製並びにスペクトル取得及び処理で行った。生成されたスペクトルを分析し、分類を初回ランのものと比較することにより、このテストの再現性を判定した。表30は、2回のラン間でのテスト分類の一致を示す。全体的な一致は78/85=92%である。
【0370】
【0371】
タンパク質機能群との関係
[00345] 遺伝子セットエンリッチメント解析から着想を得た方法であるタンパク質セットエンリッチメント解析(PSEA)を用いて、テスト分類(分類器2)とタンパク質機能群との関連性を調べた。これを行うため、49例の試料の独立したセットを使用し、ここでは、deep MALDIスペクトル対及びタンパク質パネル(Somalogic、Boulder, CO)結果が利用可能であった。49例の試料のうち、35例がBad及び14例がGoodに分類された。
【0372】
[00346] テストした29個の異なるタンパク質機能群についての結果を表31に示す。多重比較についてP値は補正していない。α=0.05の有意水準で、急性炎症、補体、急性反応及び急性期とのテスト分類の関連性が認められた。加えて、α=0.10の有意水準で、解糖過程及び細胞外マトリックスとのテスト分類の関連性が認められた。
【0373】
【0374】
[00347] 急性炎症、補体、急性反応及び急性期について、PSEAの間に生じた移動和、RS(i)のプロットを
図15に示し[Subramanian et al., Proc Natl Acad Sci USA 2005; 102(43): 15545]、タンパク質セット(意味のある生物学的機能と関連性がある)のうち、RSプロットの「リーディングエッジ」を含むサブセット、即ちタンパク質セットのうち、RSのx軸からのその最大偏差に至るまでの増加に寄与するサブセットを調べる手法が示唆される。分類器ラベル(Bad及びGood)と高度に相関しているか、又は高度に逆相関しているかのいずれかであるセットからの両方のタンパク質が含まれた。リーディングエッジ上に含まれるタンパク質に加えて、最大偏差におけるタンパク質の相関が見られ、絶対相関はより高いが異符号であるタンパク質も「拡張リーディングエッジ」セットに含まれる。
図15及び表32~表35に示す4つのタンパク質セットについて、拡張リーディングエッジセットを挙げる。表32~表35に提供される相関は、1が完全相関に相当し、-1が完全逆相関に相当し、且つ0が無相関に相当するようにスケーリングしたバージョンの順位和統計量である。
【0375】
【0376】
【0377】
【0378】
【0379】
結論
[00348] BDX008テスト及びIL2テストは両方とも、養子細胞移入療法を受けている患者を、無増悪生存期間がより良好及びより不良の2群に層別化することが可能であった。BDX008は、特にアウトカムが不良の(7%の2年PFS)患者の約3分の1の群を特定した。IL2テストは、特にアウトカムが良好な(49%の4年PFS)患者の約3分の1の群を特定した。
【0380】
[00349] 新規分類器開発は、養子細胞移入適用に特別に合わせて作られた2つの新規テストをもたらすことが可能であった。分類器1は、分析コホートをアウトカム不良、中間及び良好の3群に分割した。38%の患者が含まれるパフォーマンス最良群は、4年PFSが52%、奏効率(CR+PR)が75%であった。分類器2は、分類器1を既存のBiodesix分類器と統合することにより、アウトカムがより良好及びより不良の2つのほぼ等しいサイズの群に患者を層別化した。パフォーマンス良好群は4年PFSが50%、奏効率が71%であり、4年を超えて安定した病勢を経験した2患者も含まれた。これらの新規テストの検証は、独立した患者コホートにおいて実施することができる。
【0381】
[00350] 付録:養子細胞移入前に採取した16例の血漿試料についてテスト分類を提供する(表36)。
【0382】
【配列表】