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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】サーバ装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021017707
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022120661
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 智史
(72)【発明者】
【氏名】金澤 肇
(72)【発明者】
【氏名】横手 聡
(72)【発明者】
【氏名】谷 博一
(72)【発明者】
【氏名】坂路 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】原尻 達矢
(72)【発明者】
【氏名】岡本 純一
(72)【発明者】
【氏名】及川 涼太
(72)【発明者】
【氏名】伊勢山 遥
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-503916(JP,A)
【文献】特開2019-128916(JP,A)
【文献】特開2016-200865(JP,A)
【文献】特開2016-009229(JP,A)
【文献】特開2020-077052(JP,A)
【文献】特表2005-507106(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0180826(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗での取引毎に生成された、前記店舗を識別可能な店舗識別子と、前記店舗で購入された商品の内訳を示す内訳情報と、前記商品の決済に使用されたクレジットカード番号の少なくとも一部を示す番号情報とを含む購買情報を記憶する記憶装置から、前記番号情報が同一の購買情報を抽出する第1抽出手段と、
前記店舗識別子に対応する店舗の住所に基づいて、前記第1抽出手段が抽出した前記購買情報の中から、同一のエリアに存在する店舗の購買情報を抽出する第2抽出手段と、
前記第2抽出手段が抽出した前記購買情報を同一のユーザに係る購買情報として、当該ユーザを識別するユーザ識別子に関連付けて記憶する記憶手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記第2抽出手段が抽出した前記購買情報に含まれる内訳情報に基づいて、前記ユーザのユーザ属性を推定する推定手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記推定手段で推定されたユーザ属性を、前記ユーザ識別子に関連付けて記憶する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記推定手段は、商品と当該商品を購入するユーザ層のユーザ属性とを関連付けた設定情報に基づいて、前記ユーザのユーザ属性を推定する、請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記番号情報とともに、当該番号情報を利用するユーザの住所を示す情報を含んだユーザ情報を外部装置から取得する取得手段と、
前記記憶手段が記憶した前記ユーザ識別子の中から、前記取得手段が取得した前記ユーザ情報に含まれる前記番号情報及び前記住所の条件に該当する前記ユーザ識別子を特定する特定手段と、
を更に備え、
前記記憶手段は、前記特定手段が特定した前記ユーザ識別子に関連付けて、前記ユーザ情報に含まれる情報の一部又は全てを記憶する、請求項1~3の何れか一項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
複数の店舗の各々から前記購買情報を収集する収集手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記収集手段が収集した前記購買情報を前記記憶装置に記憶する、請求項1~4の何れか一項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
サーバ装置のコンピュータを、
店舗での取引毎に生成された、前記店舗を識別可能な店舗識別子と、前記店舗で購入された商品の内訳を示す内訳情報と、前記商品の決済に使用されたクレジットカード番号の少なくとも一部を示す番号情報とを含む購買情報を記憶する記憶装置から、前記番号情報が同一の購買情報を抽出する第1抽出手段と、
前記店舗識別子に対応する店舗の住所に基づいて、前記第1抽出手段が抽出した前記購買情報の中から、同一のエリアに存在する店舗の購買情報を抽出する第2抽出手段と、
前記第2抽出手段が抽出した前記購買情報を同一のユーザに係る購買情報として、当該ユーザを識別するユーザ識別子に関連付けて記憶する記憶手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバ装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店を経営する企業等では、ビックデータとしてユーザの購買情報を収集し、購買傾向等を分析することが行われている。但し、ユーザを特定可能な情報を収集していないケースもあり、この場合、収集したデータのみでは個人を特定した分析を行うことができないという問題がある。
【0003】
一方で、従来、クレジットカード番号に基づいてユーザを特定することで、ユーザが個人情報を提供することなく商品を購入することができ、店舗が提供するサービスを享受することが可能な技術が提案されている。
【0004】
ところで、小売店で収集可能なクレジットカード番号は、セキュリティの制約上、一部がマスクされた状態でしか保持することが認められていない。そのため、異なるユーザのクレジットカード番号が重複する可能性があり、クレジットカード会社の協力なくユーザを特定することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、個人を特定する情報が取引時に得られない場合であっても、当該取引に係る購買情報をユーザ別に管理することが可能なサーバ装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のサーバ装置は、第1抽出手段と、第2抽出手段と、記憶手段とを備える。第1抽出手段は、店舗での取引毎に生成された、前記店舗を識別可能な店舗識別子と、前記店舗で購入された商品の内訳を示す内訳情報と、前記商品の決済に使用されたクレジットカード番号の少なくとも一部を示す番号情報とを含む購買情報を記憶する記憶装置から、前記番号情報が同一の購買情報を抽出する。第2抽出手段は、前記店舗識別子に対応する店舗の住所に基づいて、前記第1抽出手段が抽出した前記購買情報の中から、同一のエリアに存在する店舗の購買情報を抽出する。記憶手段は、前記第2抽出手段が抽出した前記購買情報を同一のユーザに係る購買情報として、当該ユーザを識別するユーザ識別子に関連付けて記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係るデータ収集システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る店舗情報管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る購買情報管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係るPANマスク情報の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る商品購入層管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係るユーザ管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係るサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る第2抽出部の動作を説明するための図である。
図10図10は、第1の実施形態に係るユーザ属性推定部の動作を説明するための図である。
図11図11は、第1の実施形態のサーバ装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、第2の実施形態に係るサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図13図13は、第2実施形態に係るユーザ特定部の動作を説明するための図である。
図14図14は、第2の実施形態のサーバ装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るデータ収集システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、データ収集システム1は、店舗端末10と、カード会社20と、サーバ装置30とを有する。店舗端末10、カード会社20及びサーバ装置30は、インターネットや携帯電話回線網等のネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0010】
店舗端末10は、店舗SPの各々に設けられたPOS端末やPC(Personal Computer)等の端末装置である。なお、店舗SPの店舗数や、店舗SPに設けられる店舗端末10の台数は特に問わないものとする。また、店舗SPは、例えば一の企業が運営するチェーン店やフランチャイズ店等であってもよい。
【0011】
店舗端末10は、図示しないプロセッサの制御の下、自己の店舗SPに係る各種の処理を実行する。具体的には、店舗端末10は、店舗SPに来店したユーザ(消費者)が購入する商品の決済処理を実行する。
【0012】
商品の決済方法としては、現金による決済方法の他、クレジットカードを用いたクレジット決済が挙げられる。店舗端末10は、クレジット決済が指定された場合、ユーザのクレジットカード番号や商品の購入金額等を含んだクレジット決済に係る情報(以下、決済用情報ともいう)を、カード会社20に送信することで決済処理を実行する。そして、店舗端末10は、決済処理の内容を示した購買情報を生成し、サーバ装置30に送信する。購買情報については後述する。
【0013】
なお、購買情報の送信タイミングは特に問わないものとする。例えば、店舗端末10は、取引毎に購買情報を送信してもよいし、予め設定された日時に、それまでに生成した購買情報を一度に送信してもよい。また、店舗端末10は、サーバ装置30からの要求に応じて購買情報を送信する形態としてもよい。
【0014】
カード会社20は、クレジット決済サービスを提供するカード会社の情報処理装置(例えば、与信サーバ等)である。なお、以降の説明において、カード会社20は、サーバ装置30とは物理的に異なるサーバと読み替えてもよい。カード会社20は、店舗端末10から送信された決済用情報等に基づいて与信や決済処理を実行し、その決済結果を店舗端末10に返信する。例えば、カード会社20は、決済処理が可能な場合には、決済結果として決済可能な旨や決済処理が完了したことを通知する。また、カード会社20は、残高不足等の理由により決済処理が不可能と判断した場合には、決済結果として決済処理ができない旨を通知する。なお、カード会社20は、カード会社(カード発行会社等)毎に設けられるものとする。
【0015】
サーバ装置30は、本実施形態に係るサーバ装置の一例である。なお、本実施形態では、サーバ装置30が単体の装置によって実現される例を説明するが、これに限らず、例えばクラウド・コンピューティング等の技術により、複数台の装置によって実現されてもよい。
【0016】
サーバ装置30は、店舗SP(店舗端末10)の各々から購買情報を収集(取得)する。また、サーバ装置30は、収集した購買情報を後述する購買情報管理テーブル372に記憶し管理する。サーバ装置30に記憶された購買情報は、例えばビックデータ分析に利用される。
【0017】
次に、上述したサーバ装置30の構成について説明する。
【0018】
図2は、サーバ装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、サーバ装置30は、CPU31、ROM(Read Only Memory)32、及びRAM(Random Access Memory)33等のコンピュータ構成を備える。
【0019】
CPU31は、プロセッサの一例であり、サーバ装置30の各部を統括的に制御する。ROM32は、各種プログラムを記憶する。RAM33は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0020】
また、サーバ装置30は、表示部34と、操作部35と、通信部36と、記憶部37とを備える。
【0021】
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスである。表示部34は、CPU31の制御に従って各種の情報や画面を表示する。操作部35は、キーボードやマウス等の入力デバイスを有し、操作内容に応じた信号をCPU31に出力する。
【0022】
通信部36は、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースである。通信部36は、ネットワークNを介して店舗端末10やカード会社20等の外部装置と通信を行う。
【0023】
記憶部37は、記憶装置の一例である。記憶部37は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部37は、CPU31が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。CPU31は、ROM32や記憶部37に記憶されRAM33に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0024】
また、記憶部37は、店舗情報管理テーブル371と、購買情報管理テーブル372と、商品購入層管理テーブル373と、ユーザ管理テーブル374とを記憶する。
【0025】
店舗情報管理テーブル371は、店舗SPの各々に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。店舗情報管理テーブル371は、例えば図3に示すデータ構成を有する。
【0026】
図3は、店舗情報管理テーブル371のデータ構成の一例を示す図である。図3に示すように、店舗情報管理テーブル371は、各店舗SPの店舗IDに関連付けて、店舗名、郵便番号、及び住所等を記憶する。
【0027】
店舗IDは、店舗識別子の一例であり、店舗SPの各々を識別するための識別情報である。店舗名は、店舗IDに対応する店舗SPの店名や屋号を示す情報である。郵便番号は、店舗IDに対応する店舗SPの郵便番号である。また、住所は、店舗IDに対応する店舗SPの住所を示す情報である。ここで、郵便番号及び住所は、店舗SPが存在する地域(エリア)を特定する際に使用される。
【0028】
なお、店舗情報管理テーブル371のデータ構成は、図3の例に限らないものとする。例えば、店舗情報管理テーブル371は、店舗IDに関連付けて電話番号を記憶してもよい。この場合、電話番号に含まれる市外局番等を店舗SPの存在エリアを特定するための情報に用いてもよい。また、店舗SPの各々が存在するエリアを包含するマップデータを、記憶部37に記憶する構成としてもよい。
【0029】
購買情報管理テーブル372は、店舗SP(店舗端末10)の各々で生成された購買情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。購買情報管理テーブル372は、例えば図4に示すデータ構成を有する。
【0030】
図4は、購買情報管理テーブル372のデータ構成の一例を示す図である。図4に示すように、購買情報管理テーブル372は、購買情報の構成要素となる、店舗IDと、取引IDと、取引日時と、PAN(Primary Account Number)マスク情報と、仕向先コードと、購入金額と、購入商品とを関連付けて記憶する。
【0031】
ここで、店舗IDは、購買情報を生成した店舗SPの店舗IDを示す情報である。取引IDは、購買情報の生成に係る取引を識別するための識別子(取引番号等)である。取引日時は、取引IDに対応する取引が行われた日時を示す情報である。
【0032】
PANマスク情報は、番号情報の一例である。PANマスク情報は、取引IDに対応する取引の際に入力されたクレジットカード番号(PANともいう)の一部を示す文字列である。例えば、PANマスク情報は、図5に示すように、16桁等のクレジットカード番号を示す文字列(数列)のうち、一部の数値がマスクされたものとなっている。
【0033】
図5は、PANマスク情報の一例を示す図である。図5に示すように、PANマスク情報は、16桁等の規定桁数の数列で構成されるクレジットカード番号のうち、所定桁数の数値が識別不可能なマスク文字(図中MS)で表される。
【0034】
ここで、クレジットカード番号のマスク化は、セキュリティ上の要請によるものである。例えば、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)規格では、一般的には図5に示すように最初の6桁及び最後の4桁の番号等、一部の番号の保持しか認められていない。そのため、本来ユニークであるはずのクレジットカード番号は、マスク文字MSによるマスク化により個人を特定することができない状態となっている。つまり、PANマスク情報の状態では、複数のユーザ同士で重複する可能性がある。
【0035】
図4に戻り、仕向先コードは、取引IDに対応する取引において、決済用情報(クレジットカード番号)の送信先となったカード会社20(カード発行会社等)を識別するための識別子である。購入金額は、取引IDに対応する取引で購入された商品の合計金額を示す情報である。購入商品は、取引IDに対応する取引で購入された商品の内訳を示す内訳情報の一例である。なお、内訳情報は、購入商品の他に、当該購入商品に対応付けられた部門情報、または当該購入商品を特定する補足情報(メーカー企業の情報、生産地等)などであってもよい。
【0036】
なお、購買情報管理テーブル372のデータ構成は、図4の例に限らないものとする。例えば、購買情報管理テーブル372は、取引IDに対応する取引の決済処理を実行した店舗端末10の端末識別子等を記憶してもよい。
【0037】
商品購入層管理テーブル373は、商品の種別と、当該商品を購入するユーザ層の属性とを関連付けたデータテーブルである。商品購入層管理テーブル373は、例えば図6に示すデータ構成を有する。
【0038】
図6は、商品購入層管理テーブル373のデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、商品購入層管理テーブル373は、商品IDに関連付けて、品名、分類、及びユーザ層等を記憶する。
【0039】
商品IDは、店舗SPで販売される商品を識別するための識別子である。商品IDは、例えば、JANコード等を用いることができる。品名は、商品IDに対応する商品の商品名を示す情報である。分類は、商品IDに対応する商品の分類を示す情報である。ユーザ層には、商品IDに対応する商品を購入することが想定されるユーザの属性が格納される。図6では、ユーザの属性として、性別、年齢層を設定した例を示している。
【0040】
例えば、ある店舗SPでの商品の購買傾向の分析結果等から、ある商品を高確率で購入するユーザの性別や年齢層が導出された場合、その商品の商品IDとユーザ属性とを関連付けて、商品購入層管理テーブル373に登録される。また、ある商品が特定のユーザ層をターゲットにしたものである場合(例えば、男性用化粧品、女児用玩具等)、その商品の商品IDとユーザ属性とを関連付けて、商品購入層管理テーブル373に登録される。
【0041】
なお、商品購入層管理テーブル373のデータ構成は、図6の例に限らないものとする。例えば、同一の商品又は類似する商品について、複数の店舗SPで異なる商品IDを付している場合、これら複数の商品IDに関連付けて、同一の品名や分類、ユーザ層を関連付ける形態としてもよい。
【0042】
ユーザ管理テーブル374は、後述する処理で同一人物と推定したユーザに関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。ユーザ管理テーブル374は、例えば図7に示すデータ構成を有する。
【0043】
図7は、ユーザ管理テーブル374のデータ構成の一例を示す図である。図7に示すように、ユーザ管理テーブル374は、ユーザIDに関連付けて、PANマスク情報、住所、ユーザ属性、及び取引ID等を記憶する。
【0044】
ユーザIDは、後述する処理で同一人物と推定したユーザを識別する識別子である。PANマスク情報は、ユーザIDに対応するユーザのPANマスク情報である。なお、上述したようにPANマスク情報はユニークな情報ではないため、異なるユーザID同士で重複する可能性がある。
【0045】
住所は、ユーザIDに対応するユーザの住所を示す情報である。ユーザ属性は、ユーザIDに対応するユーザのユーザ属性を示す情報である。ここで、住所及びユーザ属性は、後述する処理で推定される推定値である。また、取引IDは、ユーザIDに対応するユーザの購買情報に含まれた取引IDを示す情報である。かかる取引IDにより、ユーザIDと購買情報とが関連付けて記憶される。
【0046】
なお、ユーザ管理テーブル374のデータ構成は、図6の例に限らないものとする。例えば、ユーザ管理テーブル374は、ユーザIDに関連付けて、推定に使用した購買情報のデータ数や、推定結果の信頼度を示す情報等を関連付けて記憶してもよい。
【0047】
次に、図8を参照して、サーバ装置30の機能構成について説明する。
【0048】
図8は、サーバ装置30の機能構成の一例を示す図である。図8に示すように、サーバ装置30は、購買情報収集部311と、第1抽出部312と、第2抽出部313と、ユーザ属性推定部314と、記憶制御部315とを機能部として備える。
【0049】
サーバ装置30が備える機能部の一部又は全ては、サーバ装置30のプロセッサ(例えばCPU31)とメモリ(例えばROM32、記憶部37)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、サーバ装置30の機能部の一部又は全ては、サーバ装置30に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0050】
購買情報収集部311は、収集手段の一例である。購買情報収集部311は、店舗SP(店舗端末10)の各々から購買情報を収集(取得)する。また、購買情報収集部311は、収集した購買情報を店舗情報管理テーブル371に登録する。
【0051】
なお、購買情報の収集方法は特に問わないものとする。例えば、購買情報収集部311は、店舗SP(店舗端末10)から送信される購買情報を受信する形態としてもよいし、予め設定された日時に、購買情報の送信を店舗SP(店舗端末10)に要求する形態としてもよい。
【0052】
第1抽出部312は、第1抽出手段の一例である。第1抽出部312は、購買情報管理テーブル372に記憶された購買情報から、PANマスク情報が同一の購買情報を抽出する。具体的には、第1抽出部312は、購買情報の各々に含まれたPANマスク情報を参照し、同一のPANマスク情報が含まれた購買情報を抽出する。
【0053】
なお、第1抽出部312が、購買情報を抽出するタイミングは特に問わないものとする。例えば、第1抽出部312は、購買情報管理テーブル372に新たな購買情報が登録される毎に、既存の購買情報とのPANマスク情報の重複チェックを行うことで、購買情報の抽出を行う形態ともよい。また、例えば、第1抽出部312は、予め定められたタイミング(例えば1月に1回等)で、購買情報の抽出を行う形態としてもよい。
【0054】
第2抽出部313は、第2抽出手段の一例である。第2抽出部313は、店舗情報管理テーブル371に記憶された店舗SPの住所等に基づいて、第1抽出部312が抽出した購買情報の中から、同一のエリアに存在する店舗SPの購買情報を抽出する。具体的には、第2抽出部313は、第1抽出部312が抽出した購買情報の各々に含まれる店舗IDに基づき、当該店舗IDに対応する店舗SPの住所や郵便番号を店舗情報管理テーブル371から特定する。次いで、第2抽出部313は、購買情報の各々について特定した住所や郵便番号を比較し、同一のエリアに係る購買情報を、それぞれ抽出する。以下、図9を参照して、第2抽出部313の動作について説明する。
【0055】
図9は、第2抽出部313の動作を説明するための図である。図中左方に示す3つの購買情報Da、Db、Dzは、第1抽出部312により抽出された購買情報の一例である。購買情報Da、Db、Dzの各々には、それぞれ異なる店舗IDが含まれるとともに、同一のPANマスク情報が含まれている。
【0056】
図9の場合、第2抽出部313は、店舗情報管理テーブル371を参照し、購買情報Da、Db、Dzの各々に含まれた店舗IDに対応する住所(又は郵便番号)を特定する。ここで、特定された住所が、購買情報Da、Db、Dzの下方に示す情報であったとすると、第2抽出部313は、購買情報Daと購買情報Dbとが同一のエリアに係る購買情報と判定する。なお、同一エリアの判定方法は特に問わず、種々の判定基準を設定することが可能である。例えば、市又は区の単位まで一致する場合に同一エリアと判定するように設定してもよいし、郵便番号が同じ場合に同一エリアと判定するように設定してもよい。
【0057】
さらに、第2抽出部313は、購買情報Daと購買情報Dbとが、同一のユーザの取引に係る購買情報であると推定し、当該ユーザを識別するユーザIDを付与する。図9では、購買情報Daと購買情報Dbに係る仮想のユーザUaに対し、ユーザID“123456890”が付与された例を示している。
【0058】
なお、後述する記憶制御部315は、ユーザUaのユーザIDに関連付けて、購買情報Da及び購買情報Dbの取引IDをユーザ管理テーブル374に登録する。また、記憶制御部315は、購買情報Da及び購買情報Dbから、ユーザUaのPANマスク情報及び住所を抽出し、ユーザUaのユーザIDに関連付けてユーザ管理テーブル374に登録する。
【0059】
また、第2抽出部313は、購買情報Dzについても、購買情報Da及びDbとは区分した状態で抽出を行う。そして、第2抽出部313は、購買情報DzがユーザUaとは別の仮想のユーザUbの取引に係る購買情報であると推定し、当該ユーザUbを識別するユーザIDを付与する。図9では、購買情報Dzに係る仮想のユーザUbに対し、ユーザID“2010304050”が付与された例を示している。
【0060】
また、後述する記憶制御部315は、この場合も同様に、ユーザUbのユーザIDに関連付けて、購買情報Dzの取引IDをユーザ管理テーブル374に登録する。また、記憶制御部315は、購買情報Dzから、ユーザUbのPANマスク情報及び住所を抽出し、ユーザUbのユーザIDに関連付けてユーザ管理テーブル374に登録する。
【0061】
なお、上記の例では、同一エリアに係る購買情報を、同一ユーザの取引に係る購買情報としたが、更なる絞り込み条件として、購買情報に含まれる取引日時が所定の条件を満たす場合に、同一ユーザの取引に係る購買情報と判定するようにしてもよい。例えば、第2抽出部313は、同一エリアで且つ取引日時が相違する購買情報を抽出するようにしてもよい。
【0062】
また、ユーザ管理テーブル374に登録するユーザの住所は、同一エリアの判定基準と同様の精度とすることが好ましい。また、既存のユーザIDが購買情報に関連付けられている場合、そのユーザIDを引き継ぐ形態としてもよいし、新たなユーザIDに更新する形態としてもよい。
【0063】
図8に戻り、ユーザ属性推定部314は、推定手段の一例である。ユーザ属性推定部314は、商品購入層管理テーブル373に基づいて、第2抽出部313で抽出された購買情報に係るユーザのユーザ属性を推定する。具体的には、ユーザ属性推定部314は、商品購入層管理テーブル373を参照し、購買情報に含まれた購入商品に対応するユーザ層のユーザ属性を特定する。そして、ユーザ属性推定部314は、特定したユーザ属性の中から、購買情報に係るユーザのユーザ属性を推定する。以下、図10を参照して、ユーザ属性推定部314の動作について説明する。
【0064】
図10は、ユーザ属性推定部314の動作を説明するための図である。図中左方に示す2つの購買情報Da、Dbは、第2抽出部313により抽出された購買情報の一例である。なお、図10では、図9で説明した購買情報Da、Dbに含まれる購入商品の内訳を示している。
【0065】
ユーザ属性推定部314は、購買情報Daに含まれた購入商品、商品A~商品Dの各々について、商品購入層管理テーブル373を参照し、対応する商品の分類、ユーザ属性(性別、年齢層)を読み出す。また、ユーザ属性推定部314は、購買情報Dbに含まれた購入商品、商品E~商品Jの各々についても同様に、商品購入層管理テーブル373を参照し、対応する商品の分類、ユーザ属性を特定する。図10では、商品購入層管理テーブル373から特定したユーザ属性を、購買情報Da、Dbの右方に示している。なお、ユーザ属性を問わない商品については、無属性を示す「なし」を示している。
【0066】
ユーザ属性推定部314は、購買情報Da、Dbに含まれた購入商品の各々についてユーザ属性を特定すると、それらユーザ属性の中から、購買情報Da、Dbに係るユーザID(ユーザUa)のユーザ属性を推定する。
【0067】
例えば、ユーザ属性推定部314は、特定したユーザ属性の全てを、ユーザUaのユーザ属性と推定してもよい。また、ユーザ属性推定部314は、ユーザ属性の出現頻度や出現数に基づき、ユーザUaのユーザ属性を推定してもよい。一例として、出現頻度や出現数が閾値を上回ったユーザ属性を、ユーザUaのユーザ属性と推定してもよい。また、ユーザ属性推定部314は、購入商品の分類のうち、予め定められた分類(例えば、衣料品等)のユーザ属性に基づき、ユーザUaのユーザ属性を推定してもよい。
【0068】
図10では、図中右方に示すように、ユーザUaのユーザ属性として、性別“男性”、年齢層“大人”が推定されたとともに、家族構成として子供(男児)がいることが推定された例を示している。後述する記憶制御部315は、ユーザ属性推定部314がユーザ属性を推定すると、購買情報Da、Dbに係るユーザUaのユーザIDに関連付けて、推定されたユーザ属性をユーザ管理テーブル374に登録する。
【0069】
図8に戻り、記憶制御部315は、記憶手段の一例である。記憶制御部315は、第2抽出部313が抽出した購買情報を、同一のユーザに係る購買情報として、当該ユーザのユーザIDに関連付けて記憶する。また、記憶制御部315は、ユーザ属性推定部314が購買情報から推定したユーザ属性を、当該購買情報に係るユーザのユーザIDに関連付けて記憶する。
【0070】
具体的には、記憶制御部315は、第2抽出部313が付与したユーザIDに関連付けて、当該ユーザIDのユーザに係る購買情報の取引IDとユーザ属性とを、ユーザ管理テーブル374に登録(記憶)する。これにより、ユーザ管理テーブル374には、仮想的なユーザのユーザID毎に、当該ユーザの取引と推定された購買情報の取引IDと、当該購買情報から推定されたユーザ属性とが関連付けて記憶される。
【0071】
以下、図11を参照して、サーバ装置30の動作例について説明する。
【0072】
図11は、サーバ装置30が行う処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、購買情報収集部311により収集された購買情報が購買情報管理テーブル372に記憶されているものとする。
【0073】
まず、第1抽出部312は、購買情報管理テーブル372から、同一のPANマスク情報を含んだ購買情報を抽出する(ステップS11)。次いで、第2抽出部313は、店舗情報管理テーブル371を参照し、ステップS11で抽出された購買情報に含まれる店舗IDの住所等を特定すると、当該購買情報の中から同一のエリアに存在する店舗SPの購買情報を、同一のユーザに係る購買情報として更に抽出する(ステップS12)。
【0074】
続いて、第2抽出部313は、ステップS12で抽出された購買情報に含まれる購入商品に基づいて、当該購買情報に係るユーザのユーザ属性を推定する(ステップS13)。そして、記憶制御部315は、ユーザIDに関連付けて、ステップS12で抽出された購買情報の取引IDと、ステップS13で推定されたユーザ属性とをユーザ管理テーブル374に記憶し(ステップS14)、本処理を終了する。
【0075】
以上のように、本実施形態のサーバ装置30は、店舗SPでの取引毎に生成された購買情報を記憶する購買情報管理テーブル372から、PANマスク情報が同一の購買情報を抽出する。また、サーバ装置30は、店舗情報管理テーブル371に記憶された店舗SPの住所に基づいて、抽出した購買情報の中から、同一のエリアに存在する店舗SPの購買情報を更に抽出する。そして、サーバ装置30は、抽出した購買情報を同一のユーザに係る購買情報として、当該ユーザを識別するユーザIDに関連付けて記憶する。
【0076】
これにより、サーバ装置30では、個人を特定することができない状態で無作為に収集した購買情報であっても、当該購買情報に含まれる情報を組み合わせることで、同一のユーザが行った取引の購買情報を推定し、ユーザIDに関連付けて記憶することができる。したがって、サーバ装置30は、個人を特定する情報が取引時に得られない場合であっても、当該取引に係る購買情報をユーザ別に管理することができる。
【0077】
また、サーバ装置30は、抽出した購買情報に含まれる購入商品の内訳に基づいて、ユーザのユーザ属性を推定し、推定したユーザ属性を該当するユーザIDに関連付けて記憶する。これにより、サーバ装置30は、購買情報をユーザ別に管理することができるとともに、当該購買情報に係る取引を行ったユーザのユーザ属性を関連付けて管理することができるため、ビックデータ解析等を行う際の利便性を向上させることができる。
【0078】
また、サーバ装置30は、商品と当該商品を購入するユーザ層のユーザ属性とを関連付けた商品購入層管理テーブル373に基づきユーザ属性を推定する。これにより、サーバ装置30は、購買情報に含まれる購入商品の内訳から、ユーザ属性を効率的且つ精度よく推定することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、サーバ装置30の記憶部37が、店舗情報管理テーブル371、購買情報管理テーブル372、商品購入層管理テーブル373、及びユーザ管理テーブル374を保持する形態としたが、この形態に限らないものとする。例えば、サーバ装置30がアクセス可能なデータベースサーバ等の外部装置が、店舗情報管理テーブル371、購買情報管理テーブル372、商品購入層管理テーブル373、及びユーザ管理テーブル374の何れか又は全てを保持する形態としてもよい。また、店舗情報管理テーブル371、購買情報管理テーブル372、商品購入層管理テーブル373、及びユーザ管理テーブル374の何れか又は全ては、クラウドストレージ等の形態で保持される形態としてもよい。
【0080】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、無作為に収集した購買情報から、同一のユーザが行ったと推定される取引の購買情報を抽出し、そのユーザにユーザID及びユーザ属性と関連付けて記憶する形態を説明した。
【0081】
一方で、ユーザはクレジットカードを発行する際に、自己の個人情報をクレジットカード会社(例えばカード会社20)に登録している。そのため、クレジットカード会社には、クレジットカード番号がユーザの個人情報とともにユーザ情報として管理されていることが一般的である。但し、クレジットカード会社から提供されるクレジットカード番号は、上述したセキュリティ上の要請により一部がマスク化されたPANマスク情報の状態で提供されることが想定される。
【0082】
そこで、本実施形態では、カード会社20からユーザ情報が提供された場合に、当該ユーザ情報を用いて、ユーザ管理テーブル374に記憶された情報を補完することが可能なサーバ装置30について説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成と同様の構成については、同一の符号を付与し説明を省略する。
【0083】
図12は、本実施形態に係るサーバ装置40の機能構成の一例を示す図である。なお、サーバ装置40は、上述したサーバ装置30に代わるサーバ装置であり、サーバ装置30と同様のハードウェア構成を有している。
【0084】
図12に示すように、サーバ装置40は、購買情報収集部311、第1抽出部312、第2抽出部313、及びユーザ属性推定部314に加え、ユーザ情報取得部411と、ユーザ特定部412と、記憶制御部413とを備える。
【0085】
サーバ装置40の機能部の一部又は全ては、サーバ装置40のプロセッサ(例えばCPU31)とメモリ(例えばROM32、記憶部37)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、サーバ装置40の機能部の一部又は全ては、サーバ装置40に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0086】
ユーザ情報取得部411は、取得手段の一例である。ユーザ情報取得部411は、カード会社20からユーザ情報を取得する。ここで、カード会社20から提供されるユーザ情報には、該当するユーザのPANマスク情報の他、住所や性別、生年月日等の個人情報が含まれるものとする。
【0087】
なお、ユーザ情報の取得方法は特に問わないものとする。例えば、ユーザ情報取得部411は、カード会社20から提供される購買情報を受信する形態としてもよいし、予め設定された日時に、ユーザ情報の送信をカード会社20に要求する形態としてもよい。
【0088】
ユーザ特定部412は、特定手段の一例である。ユーザ特定部412は、ユーザ管理テーブル374に登録されたユーザIDに対応するユーザの中から、ユーザ情報取得部411が取得したユーザ情報に対応するユーザを特定する。具体的には、ユーザ特定部412は、ユーザ管理テーブル374に登録されたユーザIDの中から、ユーザ情報に含まれるPANマスク情報及び住所の条件に該当するユーザIDを特定する。
【0089】
記憶制御部413は、記憶手段の一例である。記憶制御部413は、ユーザ特定部412が特定したユーザIDに関連付けて、対応するユーザのユーザ情報に含まれた一部又は全ての情報をユーザ管理テーブル374に登録(記憶)する。
【0090】
以下、図13を参照して、ユーザ特定部412の動作について説明する。
【0091】
図13は、ユーザ特定部412の動作を説明するための図である。図中右方に示すデータUDは、ユーザ情報取得部411が取得したユーザ情報の一例である。データUDは、ユーザXに係るユーザ情報UDX、ユーザYに係るユーザ情報UDY、ユーザZに係るユーザ情報UDZを含む。また、ユーザ情報UDX~UDZの各々は、該当するユーザのPANマスク情報、住所、性別、生年月日等を有する。
【0092】
ユーザ特定部412は、ユーザ情報UDX~UDZの各々に含まれるPANマスク情報及び住所を検索キーとし、当該検索キーの条件に該当するユーザIDをユーザ管理テーブル374から検索する。具体的には、ユーザ特定部412は、ユーザ情報UDX~UDZの各々に含まれるPANマスク情報と完全一致し、且つユーザ情報UDX~UDZの各々に含まれる住所と一部一致又は完全一致するユーザIDをユーザ管理テーブル374から検索する。なお、住所の一致判定については、ユーザ管理テーブル374に記憶された住所と同レベルの精度(例えば、市又は区のレベル)で一致判定を行えばよい。
【0093】
ここで、例えば、ユーザ情報UDXの条件が、ユーザ管理テーブル374に記憶された、仮想のユーザUaのユーザID“123456890”の条件に該当すると、ユーザ特定部412は、ユーザXとユーザUaとが同一ユーザと判断(特定)する。また、例えば、ユーザ情報UDZの条件が、ユーザ管理テーブル374に記憶された、仮想のユーザUbのユーザID“2010304050”の条件に該当すると、ユーザ特定部412は、ユーザZとユーザUbとが同一ユーザと判断する。また、ユーザ情報UDYの条件が、何れのユーザIDの条件とも合致しなかった場合には、ユーザ特定部412は、該当するユーザなしと判断する。
【0094】
なお、記憶制御部413は、ユーザ特定部412が特定したユーザIDに関連付けて、該当するユーザのユーザ情報に含まれた一部又は全ての情報をユーザ管理テーブル374に登録(記憶)する処理を実行する。例えば、記憶制御部413は、ユーザ情報に含まれたユーザ管理テーブル374に存在しない新たな情報(要素)を抽出し、抽出した要素をユーザIDに関連付けて記憶する。
【0095】
ここで、図13では、ユーザ情報に含まれた生年月日を、ユーザ管理テーブル374に記憶した状態を示している。なお、ユーザ情報に含まれた住所が、ユーザ管理テーブル374に記憶された住所よりも詳細である場合には、ユーザ管理テーブル374に記憶された住所をユーザ情報に含まれた住所で更新する形態としてもよい。
【0096】
これにより、サーバ装置40では、カード会社20から提供されるユーザ情報を用いて、ユーザ管理テーブル374に記憶された情報を補完することができる。
【0097】
なお、上記の例では、ユーザ情報に含まれたPANマスク情報とともに、住所を用いてユーザを特定したが、これに限らず、ユーザ情報に含まれる他の情報を用いてユーザを特定してもよい。例えば、PANマスク情報とともに、住所と性別とを用いてユーザを測定してもよいし、住所の代わりに性別を用いてユーザを特定してもよい。
【0098】
以下、図14を参照して、サーバ装置40の動作例について説明する。
【0099】
図14は、サーバ装置40が行う処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、図11の処理で推定された仮想ユーザのユーザIDが、ユーザ管理テーブル374に記憶されているものとする。
【0100】
まず、ユーザ情報取得部411は、カード会社20から提供されるユーザ情報を取得する(ステップS21)。
【0101】
続いて、ユーザ特定部412は、ユーザ情報に含まれたPANマスク情報及び住所に基づき、当該ユーザ情報の条件に該当するユーザIDをユーザ管理テーブル374から検索する(ステップS22)。次いで、ユーザ特定部412は、条件に該当するユーザIDが存在するか否かを判定する(ステップS23)。
【0102】
ユーザ情報の条件に該当するユーザIDが存在しない場合(ステップS23;No)、ユーザ特定部412は、本処理を終了する。一方、ユーザ情報の条件に該当するユーザIDが存在した場合(ステップS23;Yes)、ユーザ特定部412は、ユーザを特定したと判断し、ステップS24に処理を進める。
【0103】
続いて、記憶制御部413は、ユーザ情報に含まれる情報を、ユーザ特定部412が特定したユーザIDに関連付けてユーザ管理テーブル374に記憶し(ステップS24)、本処理を終了する。
【0104】
これにより、サーバ装置40では、第1の実施形態の手法で購買情報に基づき区分した各ユーザに関する情報を、クレジットカード会社から提供されるユーザ情報を用いて補完することができる。
【0105】
なお、上述した各実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0106】
さらに、上述した各実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0107】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1 データ収集システム
10 店舗端末
20 カード会社
30、40 サーバ装置
311 購買情報収集部
312 第1抽出部
313 第2抽出部
314 ユーザ属性推定部
315 記憶制御部
411 ユーザ情報取得部
412 ユーザ特定部
413 記憶制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【文献】特開2018-49537号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14