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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20241004BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A45D34/04 520C
A45D34/04 525A
B65D83/00 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021028756
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022129894
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】本間 友梨
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-527597(JP,A)
【文献】特表2017-538560(JP,A)
【文献】実開平01-011127(JP,U)
【文献】実開昭57-204081(JP,U)
【文献】特開平10-248635(JP,A)
【文献】米国特許第06533482(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液が収容された容器体と、
前記容器体から上方に向けて突出し、内容液を前記容器体内から吸い上げる棒状の第1含浸体と、
前記第1含浸体に上下動可能に外嵌された筒状の第2含浸体と、
前記第2含浸体を保持し、かつ前記容器体に対して周方向の回転移動が規制された状態で上下動可能に設けられた保持筒と、
前記保持筒に外装され、かつ前記容器体に対して上下方向の移動が規制された状態で周方向に回転可能に設けられた回転筒と、を備え、
前記保持筒の外周面、および前記回転筒の内周面には、周方向の相対回転に伴い互いに係合することで、前記保持筒を前記回転筒に対して上下動させる第1係合部、および第2係合部が各別に形成され、
前記回転筒に対する前記保持筒の上下動に伴い、前記第1含浸体の上端部が前記第2含浸体の上端面に対して出没し、
前記第1含浸体は、前記第2含浸体より硬質の材質で形成されている、塗布容器。
【請求項2】
前記容器体は、
上端部に位置し、前記保持筒、および前記回転筒を支持する筒状の口部材と、
前記口部材から下方に向けて延び、有底筒状に形成された容器本体と、を備え、
前記容器本体は、変形可能で、かつ変形した形状に保持可能に形成されている、請求項1に記載の塗布容器。
【請求項3】
前記第1含浸体は、前記口部材に保持され、
前記容器本体内に、変形可能に形成された第3含浸体が設けられ、
前記第3含浸体および前記第1含浸体は互いに当接している、請求項2に記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、容器体の内容液を被塗布部に塗布する塗布容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-67627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の塗布容器では、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を向上させることに改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を向上させることができる塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の塗布容器は、内容液が収容された容器体と、前記容器体から上方に向けて突出し、内容液を前記容器体内から吸い上げる棒状の第1含浸体と、前記第1含浸体に上下動可能に外嵌された筒状の第2含浸体と、前記第2含浸体を保持し、かつ前記容器体に対して周方向の回転移動が規制された状態で上下動可能に設けられた保持筒と、前記保持筒に外装され、かつ前記容器体に対して上下方向の移動が規制された状態で周方向に回転可能に設けられた回転筒と、を備え、前記保持筒の外周面、および前記回転筒の内周面には、周方向の相対回転に伴い互いに係合することで、前記保持筒を前記回転筒に対して上下動させる第1係合部、および第2係合部が各別に形成され、前記回転筒に対する前記保持筒の上下動に伴い、前記第1含浸体の上端部が前記第2含浸体の上端面に対して出没する。
【0007】
この発明によれば、第2含浸体を保持する保持筒の外周面、および回転筒の内周面に、第1係合部、および第2係合部が各別に形成され、回転筒に対する保持筒の上下動に伴い、第1含浸体の上端部が第2含浸体の上端面に対して出没する。これにより、例えば細線を引く等、細かく塗布したい場合には、第1含浸体の上端部を第2含浸体の上端面から上方に突出させ、第1含浸体の上端部により内容液を被塗布部に塗布することができ、例えば太線を引く等、広く塗布したい場合には、第1含浸体の上端部を第2含浸体の上端面から上方に突出させず、第2含浸体により内容液を被塗布部に塗布することができる。
したがって、細かく塗布する場合と、広く塗布する場合と、で、塗布する含浸体の太さを切り替えることが可能になり、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を向上させることができる。
第1含浸体に第2含浸体が外嵌されているので、第1含浸体の外周面、および第2含浸体の内周面が互いに当接することとなり、容器体の内容液を第1含浸体から第2含浸体に円滑に供給することができる。
【0008】
前記第1含浸体は、前記第2含浸体より硬質の材質で形成されてもよい。
【0009】
この場合、太さが細い第1含浸体が、第2含浸体より硬質の材質で形成されているので、第1含浸体により内容液を被塗布部に容易に細かく塗布することが可能になり、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を確実に向上させることができる。
【0010】
前記容器体は、上端部に位置し、前記保持筒、および前記回転筒を支持する筒状の口部材と、前記口部材から下方に向けて延び、有底筒状に形成された容器本体と、を備え、前記容器本体は、変形可能で、かつ変形した形状に保持可能に形成されてもよい。
【0011】
この場合、容器本体が、変形可能で、かつ変形した形状に保持可能に形成されているので、被塗布部の位置に合わせて、容器本体を、塗布しやすい形状に変形させ、その形状に保持することが可能になり、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を確実に向上させることができる。
上端部に位置し、保持筒、および回転筒を支持する口部材が、容器本体と別体となっているので、口部材を硬質の材質で形成することが可能になり、容器体に対する保持筒および回転筒の位置が不安定になるのを防ぐことができる。
【0012】
前記第1含浸体は、前記口部材に保持され、前記容器本体内に、変形可能に形成された第3含浸体が設けられ、前記第3含浸体および前記第1含浸体は互いに当接してもよい。
【0013】
この場合、容器本体内に設けられ、かつ内容液に浸漬される第3含浸体に、第1含浸体が当接しているので、内容液を第1含浸体に円滑に供給することができる。
第3含浸体が変形可能に形成されているので、容器本体の変形に第3含浸体を追従させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態の塗布容器の一部拡大縦断面図である。
図2図1において、キャップを外し、第1含浸体の上端部を第2含浸体の上端面から上方に突出させた状態を示す図である。
図3図1において、キャップを外し、容器本体を変形させた状態を示す図である。
図4図1において、キャップを外し、容器本体を変形させた状態を示す図である。
図5】第2実施形態の塗布容器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、第1実施形態の塗布容器1について説明する。
塗布容器1は、図1に示されるように、容器体11、第1含浸体12、第2含浸体13、保持筒14、および回転筒15を備えている。
容器体11は有底筒状に形成され、第1含浸体12は棒状に形成され、第2含浸体13は筒状に形成されている。
容器体11、第1含浸体12、第2含浸体13、保持筒14、および回転筒15は、共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。上下方向から見て、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0017】
容器体11は、口部材21および容器本体22を有している。なお、口部材21および容器本体22は、一体に形成されてもよい。
【0018】
容器本体22は、有底筒状に形成されている。容器本体22内に、例えばアイライナー等の化粧料、または薬剤等が収容される。容器本体22は、口部材21から下方に向けて延びている。容器本体22は、変形可能で、かつ変形した形状に保持可能に形成されている。容器本体22は、例えば形状記憶ポリマー等の合成樹脂材料で一体に形成されている。
口部材21は、筒状に形成されている。口部材21は、実質的に変形しない硬質の合成樹脂材料で形成されている。口部材21は、容器体11の上端部を構成している。
【0019】
口部材21における上下方向の中間部に、径方向の内側に向けて突出し、全周にわたって連続して延びる保持フランジ部21aが形成されている。
口部材21のうち、保持フランジ部21aより下方に位置する下部内に、容器本体22の上端部が嵌合されている。口部材21のうち、保持フランジ部21aより上方に位置する上部に、保持筒14、および回転筒15が支持されている。口部材21の上部内に、保持筒14が上下動可能に挿入されている。口部材21の上端開口縁に、上方に向けて突出した支持筒21bが形成されている。支持筒21b内に、回転筒15が周方向に回転可能に挿入されている。支持筒21bは、口部材21の上端開口縁における外周部に設けられている。
【0020】
第1含浸体12は、容器体11から上方に向けて突出し、内容液を容器体11内から吸い上げる。なお、第1含浸体12は筒状に形成されてもよい。
第1含浸体12のうち、下部の外径は、上部の外径より大きくなっている。第1含浸体12は、口部材21に保持されている。第1含浸体12の下部が、口部材21の下部内に突出した状態で、保持フランジ部21a内に嵌合されている。第1含浸体12の上端部は、保持筒14、および回転筒15より上方に位置している。
第1含浸体12は、第2含浸体13より硬質の材質で形成されている。第1含浸体12は、例えば、内容液中に浸漬した状態で内容液を吸収可能な多孔質体等となっている。第1含浸体12は、例えばフェルト、若しくはアクリル繊維等で形成されている。
【0021】
第2含浸体13は、第1含浸体12に上下動可能に外嵌されている。第2含浸体13は、変形可能な軟材質で形成されている。第2含浸体13は、例えば、内容液を含浸可能なゴム材料、樹脂材料、若しくは不織布等で形成されている。第2含浸体13のうち、保持筒14、および回転筒15に対して上方に位置する上部の外径は、下方に位置する下部の外径より大きくなっている。第2含浸体13の上端面は、径方向うちの一方向から他方向に向かうに従い下方に向けて延びる傾斜面となっている。第1含浸体12の上端部は、第2含浸体13の上端面に対して下方、若しくは上下方向の同等の位置に位置している。第2含浸体13の下端部は、図2に示されるように、第2含浸体13および保持筒14が下降端位置に位置した状態で、第1含浸体12の下部より上方に位置する。
【0022】
保持筒14は、第2含浸体13を保持し、かつ容器体11に対して周方向の回転移動が規制された状態で上下動可能に設けられている。
保持筒14の上部内に、第2含浸体13の下部が嵌合されて固定されている。保持筒14の下端部は、回転筒15の下端部より下方に位置し、口部材21の上部内に挿入されている。図2に示されるように、保持筒14が下降端位置に位置した状態で、保持筒14内に、第1含浸体12の下部が進入する。保持筒14の下端部の外周面と口部材21の上部の内周面との間に、周方向で互い係合する回り止め部23が設けられている。回り止め部23は、保持筒14の下端部の外周面、および口部材21の上部の内周面のうちのいずれか一方に形成された凸部が、いずれか他方に形成された凹部に、周方向の移動が規制された状態で上下動可能に嵌合されて構成されている。
【0023】
回転筒15は、保持筒14に外装され、かつ容器体11に対して上下方向の移動が規制された状態で周方向に回転可能に設けられている。
回転筒15の下端部が、支持筒21b内に、上下方向の移動が規制された状態で周方向に回転可能に嵌合されている。回転筒15の上部の外周面は、上方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びている。回転筒15は有頂筒状に形成され、その頂壁は環状に形成され、頂壁の内側から第2含浸体13の上部が上方に向けて突出している。回転筒15の頂壁の下面に、保持筒14の上端開口縁が当接、若しくは近接している。
【0024】
保持筒14の外周面、および回転筒15の内周面には、周方向の相対回転に伴い互いに係合することで、保持筒14を回転筒15に対して上下動させる第1係合部24、および第2係合部25が各別に形成されている。
【0025】
保持筒14の外周面に形成された第1係合部24は、容器軸O回りに周回しつつ上下方向に延びる螺旋溝となっている。回転筒15の内周面に形成された第2係合部25は、径方向の内側に向けて突出した突起となっている。第2係合部25は、周方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0026】
保持筒14および回転筒15の周方向の相対回転に伴い、第2係合部25が第1係合部24に沿って相対移動することで、保持筒14が回転筒15に対して上下動し、第1含浸体12の上端部が第2含浸体13の上端面に対して出没する。
保持筒14の上下動に伴い、第2含浸体13の上部が、回転筒15の頂壁の内側を通過する際、図2に示されるように、第2含浸体13の上部は、径方向に圧縮変形させられた状態で回転筒15の頂壁の内周面に摺接する。
保持筒14が回転筒15に対して下降すると、図2に示されるように、保持筒14の上端開口縁が、回転筒15の頂壁の下面から下方に離れ、第1含浸体12に対して第2含浸体13が下降し、第1含浸体12の上端部が、第2含浸体13の上端面から突出する。
【0027】
容器本体22内に、変形可能に形成された第3含浸体26が設けられている。
第3含浸体26は、上下方向に延びる棒状に形成されている。第3含浸体26は、容器軸Oと同軸に配設されている。第3含浸体26は、容器本体22の内容液中に浸漬されている。第3含浸体26は、容器本体22に対して固定されている。第3含浸体26は、第2含浸体13と同じ材質で形成されている。なお、第3含浸体26および第2含浸体13を互いに異なる材質で形成してもよい。
第3含浸体26および第1含浸体12は互いに当接している。第3含浸体26の上端面が、第1含浸体12の下端面に当接している。第1含浸体12の下端部は、第3含浸体26の上端面にめり込んでいる。
【0028】
容器体11の上端部に、キャップ27が着脱可能に装着されている。
キャップ27は、容器体11の上端部に着脱可能に装着された外キャップ27aと、外キャップ27aの内側に設けられた内キャップ27bおよび付勢部材27cと、を備えている。
【0029】
外キャップ27aは、有頂筒状に形成されている。外キャップ27aの下端部内に、口部材21の上端部が着脱可能に嵌合されている。
内キャップ27bは、有頂筒状に形成されている。内キャップ27bの下端部内に、回転筒15の上部が着脱可能に嵌合されている。
付勢部材27cは、外キャップ27aの頂壁の下面と、内キャップ27bの頂壁の上面と、の間に設けられ、内キャップ27bを外キャップ27aに対して下方に付勢している。これにより、内キャップ27bの下端部の内周面と、回転筒15の上部の外周面と、の間のシールが確保される。
【0030】
外キャップ27aの内周面において、内キャップ27bの下端開口縁より下方に位置する部分に、径方向の内側に向けて突出した抜け止め突起27dが形成されている。キャップ27を容器体11から外したときに、内キャップ27bの下端開口縁が、抜け止め突起27dに係止されることで、内キャップ27bが外キャップ27aから下方に離脱することが規制される。
【0031】
以上説明したように、本実施形態による塗布容器1によれば、第2含浸体13を保持する保持筒14の外周面、および回転筒15の内周面に、第1係合部24、および第2係合部25が各別に形成され、回転筒15に対する保持筒14の上下動に伴い、第1含浸体12の上端部が第2含浸体13の上端面に対して出没する。
これにより、例えば細線を引く等、細かく塗布したい場合には、第1含浸体12の上端部を第2含浸体13の上端面から上方に突出させ、第1含浸体12の上端部により内容液を被塗布部に塗布することができ、例えば太線を引く等、広く塗布したい場合には、第1含浸体12の上端部を第2含浸体13の上端面から上方に突出させず、第2含浸体13により内容液を被塗布部に塗布することができる。
したがって、細かく塗布する場合と、広く塗布する場合と、で、塗布する含浸体の太さを切り替えることが可能になり、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を向上させることができる。
【0032】
第1含浸体12に第2含浸体13が外嵌されているので、第1含浸体12の外周面、および第2含浸体13の内周面が互いに当接することとなり、容器体11の内容液を第1含浸体12から第2含浸体13に円滑に供給することができる。
【0033】
太さが細い第1含浸体12が、第2含浸体13より硬質の材質で形成されているので、第1含浸体12により内容液を被塗布部に容易に細かく塗布することが可能になり、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を確実に向上させることができる。
【0034】
容器本体22が、変形可能で、かつ変形した形状に保持可能に形成されているので、被塗布部の位置に合わせて、容器本体22を、塗布しやすい形状に変形させ、その形状に保持することが可能になり、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を確実に向上させることができる。
例えば、図3に示されるように、容器本体22のうち、上部のみを屈曲させたり、図4に示されるように、容器本体22における上下方向の中間部を湾曲させて、容器本体22をフック状に変形させ、容器本体22を指に絡ませたりすること等が可能になる。
【0035】
上端部に位置し、保持筒14、および回転筒15を支持する口部材21が、容器本体22と別体となっているので、口部材21を硬質の材質で形成することが可能になり、容器体11に対する保持筒14および回転筒15の位置が不安定になるのを防ぐことができる。
【0036】
容器本体22内に設けられ、かつ内容液に浸漬される第3含浸体26に、第1含浸体12が当接しているので、内容液を第1含浸体12に円滑に供給することができる。
第3含浸体26が変形可能に形成されているので、容器本体22の変形に第3含浸体26を追従させることができる。
【0037】
次に、第2実施形態に係る塗布容器2を、図5を参照しながら説明する。
なお、第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0038】
本実施形態では、容器本体32が、変形可能な軟材質で有底筒状に形成された本体筒32aと、本体筒32aの内周面に取付けられた変形可能な芯金32bと、を備えるとともに、変形可能で、かつ変形した形状に保持可能に形成されている。
本体筒32aは、例えば低密度ポリエチレン、若しくはエラストマー等の合成樹脂材料で形成されている。芯金32bは、変形可能で、かつ変形した形状に保持可能な、例えばアルミニウム合金等の金属材料で形成されている。芯金32bは、上下方向に延びる棒状に形成されている。芯金32bは、本体筒32a内における上下方向の全長にわたって連続して設けられている。
【0039】
以上説明したように、本実施形態による塗布容器2によれば、内容液を被塗布部に塗布する際の操作性を確実に向上させること等ができる。
【0040】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0041】
第2含浸体13は、例えば、上下方向に延びる棒体に、上下方向に延びる貫通孔を後加工で形成することで得てもよいし、第2含浸体13を形成する材質が特に軟らかい場合には、シート体を丸めることで得てもよい。
第3含浸体26を設けなくてもよい。
容器本体22、32は、実質的に変形しない硬質の材料で形成されてもよい。
第1含浸体12および第2含浸体13を同じ材質で形成してもよい。
【0042】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1、2 塗布容器
11 容器体
12 第1含浸体
13 第2含浸体
14 保持筒
15 回転筒
21 口部材
22、32 容器本体
24 第1係合部
25 第2係合部
26 第3含浸体
図1
図2
図3
図4
図5