(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2021037641
(22)【出願日】2021-03-09
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 高徳
(72)【発明者】
【氏名】碧山 隆英
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-197463(JP,A)
【文献】特開2003-296679(JP,A)
【文献】特開2013-008268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料証明書が発行される製品の製造企業から製品を仕入れる企業において利用される、制御部を備える業務支援装置であって、
製品の仕入を識別するための仕入識別データ、製品を識別するための製品識別データ、製造を識別するための製造識別データ、および所定の単位で示される製品の仕入数量を管理する仕入データと、
製品識別データ、製造識別データ、および材料証明書がデータ化された証明書データを識別するための証明書データ識別データを管理する在庫データと、
製品識別データおよび製品の属性データを紐付けて管理する製品マスタと、
製品の出荷を識別するための出荷識別データ、製品識別データ、製造識別データ、前記所定の単位で示される製品の出荷数量、および製造企業を識別するための製造企業識別データを管理する出荷データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
製造企業から提出された材料証明書の証明書データを取り込む取込手段と、
前記取込手段で取り込んだ証明書データに割り当てられた証明書データ識別データ、前記仕入データ内の製造識別データ、前記仕入データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データ、前記仕入データ内の仕入数量、製造企業識別データ、および当該証明書データを含む証明書データ管理データを生成し、当該生成した証明書データ管理データを所定の記憶領域に格納する登録手段と、
前記所定の記憶領域にアクセスして、前記出荷データ内の製造識別データ、仕入数量、および製造企業識別データならびに前記出荷データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データを含む証明書データ管理データを検索し、当該検索した証明書データ管理データ内の証明書データを出力する検索手段と、
を備えること、
を特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記取込手段と前記登録手段は、前記仕入データの登録または照会を行う際に動作するものであること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記検索手段は、出荷処理を行う際に動作するものであること、
を特徴とする請求項1または2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記属性データは、製品の品種を識別するための品種識別データ、製品の品名を識別するための品名識別データ、および製品のサイズに関するサイズデータを含むこと、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の業務支援装置。
【請求項5】
製品が鋼材である場合、前記属性データは、製品の鋼種を識別するための鋼種識別データをさらに含むこと、
を特徴とする請求項4に記載の業務支援装置。
【請求項6】
前記所定の単位は、長さを表すものであること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の業務支援装置。
【請求項7】
製品が鋼材である場合、前記材料証明書は、ミルシートであり、前記証明書データ識別データは、ミルシート番号であり、前記製造識別データは、チャージ番号であること、
を特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の業務支援装置。
【請求項8】
材料証明書が発行される製品の製造企業から製品を仕入れる企業において利用される、制御部を備える情報処理装置で実行される業務支援方法であって、
前記
情報処理装置は、
製品の仕入を識別するための仕入識別データ、製品を識別するための製品識別データ、製造を識別するための製造識別データ、および所定の単位で示される製品の仕入数量を管理する仕入データと、
製品識別データ、製造識別データ、および材料証明書がデータ化された証明書データを識別するための証明書データ識別データを管理する在庫データと、
製品識別データおよび製品の属性データを紐付けて管理する製品マスタと、
製品の出荷を識別するための出荷識別データ、製品識別データ、製造識別データ、前記所定の単位で示される製品の出荷数量、および製造企業を識別するための製造企業識別データを管理する出荷データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
製造企業から提出された材料証明書の証明書データを取り込む取込ステップと、
前記取込ステップで取り込んだ証明書データに割り当てられた証明書データ識別データ、前記仕入データ内の製造識別データ、前記仕入データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データ、前記仕入データ内の仕入数量、製造企業識別データ、および当該証明書データを含む証明書データ管理データを生成し、当該生成した証明書データ管理データを所定の記憶領域に格納する登録ステップと、
前記所定の記憶領域にアクセスして、前記出荷データ内の製造識別データ、仕入数量、および製造企業識別データならびに前記出荷データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データを含む証明書データ管理データを検索し、当該検索した証明書データ管理データ内の証明書データを出力する検索ステップと、
を含むこと、
を特徴とする業務支援方法。
【請求項9】
材料証明書が発行される製品の製造企業から製品を仕入れる企業において利用される、制御部を備える情報処理装置に実行させるための業務支援プログラムであって、
前記
情報処理装置は、
製品の仕入を識別するための仕入識別データ、製品を識別するための製品識別データ、製造を識別するための製造識別データ、および所定の単位で示される製品の仕入数量を管理する仕入データと、
製品識別データ、製造識別データ、および材料証明書がデータ化された証明書データを識別するための証明書データ識別データを管理する在庫データと、
製品識別データおよび製品の属性データを紐付けて管理する製品マスタと、
製品の出荷を識別するための出荷識別データ、製品識別データ、製造識別データ、前記所定の単位で示される製品の出荷数量、および製造企業を識別するための製造企業識別データを管理する出荷データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部に実行させるための、
製造企業から提出された材料証明書の証明書データを取り込む取込ステップと、
前記取込ステップで取り込んだ証明書データに割り当てられた証明書データ識別データ、前記仕入データ内の製造識別データ、前記仕入データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データ、前記仕入データ内の仕入数量、製造企業識別データ、および当該証明書データを含む証明書データ管理データを生成し、当該生成した証明書データ管理データを所定の記憶領域に格納する登録ステップと、
前記所定の記憶領域にアクセスして、前記出荷データ内の製造識別データ、仕入数量、および製造企業識別データならびに前記出荷データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データを含む証明書データ管理データを検索し、当該検索した証明書データ管理データ内の証明書データを出力する検索ステップと、
を含むこと、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ミルシートは、鉄鋼メーカーが発行する。そして、発行されたミルシートは、鉄鋼メーカーから卸業者に提出され、さらには卸業者から需要家に提出される。ミルシートは、納品された鋼材の品質を証明するために必要な書類であり、鉄鋼業界に携わる企業にとって管理必須の資料である。
【0003】
なお、特許文献1には、鉄鋼などの製品を製造する1次企業(鉄鋼メーカー)の目線で開発されたミルシート検索システム等について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、鉄鋼メーカーから鋼材を仕入れる卸業者にとって、チャージ番号ごとに存在する膨大な数のミルシートをメーカーごとに保管する業務や、鋼材を出荷するタイミングで当該出荷する鋼材に対応するミルシートを保管されている膨大な数のミルシートから選別し納入先の需要家に提出する業務は、とても手間の掛かるものであり、業務効率化の観点で改善の余地が残されていた。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、例えばミルシートなどの材料証明書が発行される製品の製造企業から製品を仕入れる企業における業務効率化を図ることができる業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、材料証明書が発行される製品の製造企業から製品を仕入れる企業において利用される、制御部を備える業務支援装置であって、製品の仕入を識別するための仕入識別データ、製品を識別するための製品識別データ、製造を識別するための製造識別データ、および所定の単位で示される製品の仕入数量を管理する仕入データと、製品識別データ、製造識別データ、および材料証明書がデータ化された証明書データを識別するための証明書データ識別データを管理する在庫データと、製品識別データおよび製品の属性データを紐付けて管理する製品マスタと、製品の出荷を識別するための出荷識別データ、製品識別データ、製造識別データ、前記所定の単位で示される製品の出荷数量、および製造企業を識別するための製造企業識別データを管理する出荷データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、製造企業から提出された材料証明書の証明書データを取り込む取込手段と、前記取込手段で取り込んだ証明書データに割り当てられた証明書データ識別データ、前記仕入データ内の製造識別データ、前記仕入データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データ、前記仕入データ内の仕入数量、製造企業識別データ、および当該証明書データを含む証明書データ管理データを生成し、当該生成した証明書データ管理データを所定の記憶領域に格納する登録手段と、前記所定の記憶領域にアクセスして、前記出荷データ内の製造識別データ、仕入数量、および製造企業識別データならびに前記出荷データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データを含む証明書データ管理データを検索し、当該検索した証明書データ管理データ内の証明書データを出力する検索手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
なお、本発明に係る業務支援装置において、前記取込手段と前記登録手段は、前記仕入データの登録または照会を行う際に動作するものでもよい。
【0009】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記検索手段は、出荷処理を行う際に動作するものでもよい。
【0010】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記属性データは、製品の品種を識別するための品種識別データ、製品の品名を識別するための品名識別データ、および製品のサイズに関するサイズデータを含んでもよい。
【0011】
また、本発明に係る業務支援装置において、製品が鋼材である場合、前記属性データは、製品の鋼種を識別するための鋼種識別データをさらに含んでもよい。
【0012】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記所定の単位は、長さを表すものでもよい。
【0013】
また、本発明に係る業務支援装置において、製品が鋼材である場合、前記材料証明書は、ミルシートであり、前記証明書データ識別データは、ミルシート番号であり、前記製造識別データは、チャージ番号でもよい。
【0014】
また、本発明に係る業務支援方法は、材料証明書が発行される製品の製造企業から製品を仕入れる企業において利用される、制御部を備える情報処理装置で実行される業務支援方法であって、前記報処理装置は、製品の仕入を識別するための仕入識別データ、製品を識別するための製品識別データ、製造を識別するための製造識別データ、および所定の単位で示される製品の仕入数量を管理する仕入データと、製品識別データ、製造識別データ、および材料証明書がデータ化された証明書データを識別するための証明書データ識別データを管理する在庫データと、製品識別データおよび製品の属性データを紐付けて管理する製品マスタと、製品の出荷を識別するための出荷識別データ、製品識別データ、製造識別データ、前記所定の単位で示される製品の出荷数量、および製造企業を識別するための製造企業識別データを管理する出荷データと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、製造企業から提出された材料証明書の証明書データを取り込む取込ステップと、前記取込ステップで取り込んだ証明書データに割り当てられた証明書データ識別データ、前記仕入データ内の製造識別データ、前記仕入データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データ、前記仕入データ内の仕入数量、製造企業識別データ、および当該証明書データを含む証明書データ管理データを生成し、当該生成した証明書データ管理データを所定の記憶領域に格納する登録ステップと、前記所定の記憶領域にアクセスして、前記出荷データ内の製造識別データ、仕入数量、および製造企業識別データならびに前記出荷データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データを含む証明書データ管理データを検索し、当該検索した証明書データ管理データ内の証明書データを出力する検索ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る業務支援プログラムは、材料証明書が発行される製品の製造企業から製品を仕入れる企業において利用される、制御部を備える情報処理装置に実行させるための業務支援プログラムであって、前記報処理装置は、製品の仕入を識別するための仕入識別データ、製品を識別するための製品識別データ、製造を識別するための製造識別データ、および所定の単位で示される製品の仕入数量を管理する仕入データと、製品識別データ、製造識別データ、および材料証明書がデータ化された証明書データを識別するための証明書データ識別データを管理する在庫データと、製品識別データおよび製品の属性データを紐付けて管理する製品マスタと、製品の出荷を識別するための出荷識別データ、製品識別データ、製造識別データ、前記所定の単位で示される製品の出荷数量、および製造企業を識別するための製造企業識別データを管理する出荷データと、にアクセス可能であり、前記制御部に実行させるための、製造企業から提出された材料証明書の証明書データを取り込む取込ステップと、前記取込ステップで取り込んだ証明書データに割り当てられた証明書データ識別データ、前記仕入データ内の製造識別データ、前記仕入データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データ、前記仕入データ内の仕入数量、製造企業識別データ、および当該証明書データを含む証明書データ管理データを生成し、当該生成した証明書データ管理データを所定の記憶領域に格納する登録ステップと、前記所定の記憶領域にアクセスして、前記出荷データ内の製造識別データ、仕入数量、および製造企業識別データならびに前記出荷データ内の製品識別データに紐付く前記製品マスタ内の属性データを含む証明書データ管理データを検索し、当該検索した証明書データ管理データ内の証明書データを出力する検索ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、例えばミルシートなどの材料証明書が発行される製品の製造企業から製品を仕入れる企業における業務効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、業務支援装置100の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、鉄鋼メーカーでのミルシートの発行から得意先への発送までの業務フローの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、鉄鋼メーカーでのミルシートの発行から得意先への発送までの、鋼材の加工を伴う場合の業務フローの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、仕入入力画面MAおよびファイルアップロード画面MBの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、仕入照会画面MCの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、商品マスタ106a、メーカーマスタ106b、在庫データ106c、仕入データ106d、およびミルシートデータ106eの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、出荷処理とミルシートデータへの連携に係る処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0019】
[1.構成および処理の具体例]
本実施形態に係る業務支援装置100(本発明に係る業務支援装置を含む)の構成の一例および業務支援装置100で行われる処理の具体例について、
図1から
図7を参照して説明する。
図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0021】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114(本発明の出力部に相当)が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0025】
記憶部106は、商品マスタ106a、メーカーマスタ106b、在庫データ106c、仕入データ106d、ミルシートデータ106e、出荷データ106f、および受注データ106gなどのテーブルなどを格納する。
【0026】
商品マスタ106aは、本発明の製品マスタに相当する。商品CD(コード)は、本発明の製品識別データに相当する。品種コード、鋼種、サイズ、および品名は、概念的に本発明の属性データに含まれるものである。品種コードは、本発明の品種識別データに相当する。鋼種は、本発明の鋼種識別データに相当する。サイズは、本発明のサイズデータに相当する。品名は、本発明の品名識別データに相当する。
【0027】
在庫データ106cは、本発明の在庫データに相当する。チャージNO(チャージ番号)は、本発明の製造識別データに相当する。ミルシートNO(ミルシート番号)は、本発明の証明書データ識別データに相当する。
【0028】
仕入データ106dは、本発明の仕入データに相当する。仕入NO(仕入番号)は、本発明の仕入識別データに相当する。長さは、本発明の、所定の単位で示される製品の仕入数量に相当する。
【0029】
ミルシートデータ106eは、本発明の証明書データ管理データに相当する。メーカーCD(コード)は、本発明の製造企業識別データに相当する。ミルシートファイルデータは、本発明の証明書データに相当する。
【0030】
出荷データ106fは、本発明の出荷データに相当する。出荷NO(出荷番号)は、本発明の出荷識別データに相当する。出荷データ106fは、出荷業務または加工指示入力業務において生成される(
図2,3参照)。
【0031】
上述した各マスタおよび各データテーブルの具体例は、
図6,7を参照されたい。
【0032】
図1に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0033】
制御部102は、機能概念的に、仕入入力部102a、仕入照会部102b、取込部102c、登録部102d、加工指示入力部102e、受注入力部102f、および検索部102gなどを備える。
【0034】
仕入入力部102aは、
図4に示す仕入入力画面MAをモニタ114に表示させ、オペレータに仕入データを登録させる情報処理手段である。
【0035】
ミルシートファイルデータの登録を行う場合、オペレータは、登録したい仕入データを仕入入力画面MAに入力してから、キーボード112が有するファンクションキーF11を押下する。仕入入力部102aは、ファンクションキーF11が押下されると、
図4に示すファイルアップロード画面MBをモニタ114に表示させる。
【0036】
オペレータは、ファイルアップロード画面MB上でミルシートファイルデータが存在するファイルパスを指定し、キーボード112が有するファンクションキーF11を押下する。仕入入力部102aは、ファンクションキーF11が押下されると、仕入入力画面MAに入力された仕入データの仕入データ106dへの登録を行い、取込部102cと登録部102dを動作させてもよい。
【0037】
仕入照会部102bは、
図5に示す仕入照会画面MCをモニタ114に表示させ、オペレータに抽出条件を指定させ、指定された抽出条件を満たす仕入データを仕入データ106dから抽出して仕入照会画面MCに表示させる情報処理手段である。
【0038】
ミルシートファイルデータの登録を行う場合、オペレータは、仕入照会画面MCに表示された仕入データの中から所望のものを選択し、キーボード112が有するファンクションキーF11を押下する。仕入照会部102bは、ファンクションキーF11が押下されると、
図4に示すファイルアップロード画面MBをモニタ114に表示させる。
【0039】
オペレータは、ファイルアップロード画面MB上でミルシートファイルデータが存在するファイルパスを指定し、キーボード112が有するファンクションキーF11を押下する。仕入照会部102bは、ファンクションキーF11が押下されると、取込部102cと登録部102dを動作させてもよい。
【0040】
取込部102cは、ミルシートファイルデータを取り込む情報処理手段である。具体的には、取込部102cは、ファイルアップロード画面MB上で指定されたファイルパスの記憶領域からミルシートファイルデータを取り込む。
【0041】
登録部102dは、取込部102cで取り込んだミルシートファイルデータに割り当てられたミルシートNO、仕入データ106d内のチャージNO、仕入データ106d内の商品CDに紐付く商品マスタ106a内の品種コード・鋼種・サイズ・品名、仕入データ106d内の長さ、メーカーCD、および当該ミルシートファイルデータを含むミルシートデータ(その他データとして日付をさらに含んでもよい)を生成し、当該生成したミルシートデータをミルシートデータ106eに格納する情報処理手段である。
【0042】
上述したように、取込部102cと登録部102dは、仕入データの登録または照会を行う際に動作させてもよい。また、業務における、仕入入力部102a、仕入照会部102b、取込部102c、および登録部102dが行う各処理の位置付けについては、
図2,3を参照されたい。
【0043】
加工指示入力部102eは、加工指示入力画面(図示せず)をモニタ114に表示させ、オペレータに加工指示に関するデータを登録させる情報処理手段である。登録されたデータには、加工指示番号が割り当てられる。業務における加工指示入力部102eが行う処理の位置付けについては、
図3を参照されたい。
【0044】
受注入力部102fは、受注入力画面(図示せず)をモニタ114に表示させ、オペレータに受注に関するデータを登録させる情報処理手段である。登録された受注データ106gの一例は、
図7を参照されたい。業務における受注入力部102fが行う処理の位置付けは、
図3を参照されたい。
【0045】
検索部102gは、ミルシートデータ106eにアクセスして、出荷データ106f内のチャージNO、長さ、およびメーカーCDならびに出荷データ106f内の商品CDに紐付く商品マスタ106a内の品種コード・鋼種・サイズを含むミルシートデータを検索し、当該検索したミルシートデータ内のミルシートファイルデータを出力する情報処理手段である。検索部102gが行う処理の具体例については、
図7を参照されたい。検索部102gは、出荷処理を行う際に動作させてもよい(
図7参照)。業務における検索部102gが行う処理の位置付けは、
図2,3を参照されたい。ミルシートファイルデータは、所定のファイル形式で出力しもよい(
図2,3参照)。ミルシートファイルデータは、所定の出力態様で出力してもよい(
図2,3参照)。
【0046】
[2.本実施形態のまとめ]
ミルシートは鉄鋼メーカーが発行し卸業者に提出し、卸業者から需要家に提出する。ミルシートは納品した鋼材の品質を証明するために必要であり、鋼材業界に携わる企業には必須の管理資料である。鉄鋼メーカーから鋼材を仕入れた業者は、チャージNOごとに存在する膨大な量のミルシートをメーカーごとに保管し、出荷のタイミングで対象のミルシートを選別し納入先に提出しているが、この業務に対する人的コストが大きくなっている。本実施形態では、「ミルシートの保管」「ミルシートの選別」「ミルシートの提出」の部分を、システム化することで、業務の煩雑化の排除、作業品質の向上を図ることができる。本実施形態では、1)鉄鋼メーカーから送付されてきたミルシートのシステム保管を可能とし、2)出荷時、必要となるミルシートをシステムで照合して、PDFとしてデータを抽出し、抽出したミルシートのデータを納入先に対してメール送信することを可能とする。なお、メール送信エラーなどの原因により自動送信によるエラーが発生した場合は、手動でミルシートを抽出・送信を行ってもよい。本実施形態は、鉄鋼業界のみならず、化学・食品・機械等の様々な業界にも適用可能である。
【0047】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0050】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0051】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0052】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0053】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0054】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0055】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0056】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0057】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0058】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0059】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0060】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、鉄鋼、化学、食品、機械等様々な業界において有用である。
【符号の説明】
【0062】
100 業務支援装置(本発明に係る業務支援装置を含む)
102 制御部
102a 仕入入力部
102b 仕入照会部
102c 取込部
102d 登録部
102e 加工指示入力部
102f 受注入力部
102g 検索部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 商品マスタ
106b メーカーマスタ
106c 在庫データ
106d 仕入データ
106e ミルシートデータ
106f 出荷データ
106g 受注データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク