(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】認証システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2021041496
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼溝 将輝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
(72)【発明者】
【氏名】長江 悠介
(72)【発明者】
【氏名】中島 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】前田 和茂
(72)【発明者】
【氏名】玉井 淳基
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 福郎
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-123120(JP,A)
【文献】特開2018-163447(JP,A)
【文献】特開2016-015544(JP,A)
【文献】特開2006-099415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅設備機器の利用を認証コードに基づいて許諾する認証システムであって、
サーバに設けられ、前記住宅設備機器と前記住宅設備機器の管理者が有する管理者端末とに、前記認証コードを送信する第1認証コード送信部と、
前記住宅設備機器に設けられ、前記第1認証コード送信部から送信された前記認証コードを、前記住宅設備機器を利用する利用者に表示しない状態で記憶する第1認証コード記憶部と、
前記管理者端末に設けられ、前記第1認証コード送信部から送信された前記認証コードを記憶する第2認証コード記憶部と、
前記管理者端末に設けられ、前記第2認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードを前記利用者が有する利用者端末に送信する第2認証コード送信部と、
前記住宅設備機器に設けられ、前記利用者端末から前記認証コードを取得する認証コード取得部と、
前記住宅設備機器に設けられ、前記認証コード取得部により取得された前記認証コードが、前記第1認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードと一致しているか否かを判定する判定部と、
前記住宅設備機器に設けられ、前記判定部により、前記認証コード取得部により取得された前記認証コードが、前記第1認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードと一致していると判定された場合に、前記利用者による前記住宅設備機器の利用を許諾する利用許諾部と、
を備える認証システム。
【請求項2】
前記認証コードは、前記管理者端末からの指示に応じて前記サーバで発行される請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記認証コードは、前記住宅設備機器からの指示に応じて前記サーバで発行される請求項1に記載の認証システム。
【請求項4】
住宅設備機器の利用を認証コードに基づいて許諾する認証システムであって、
前記住宅設備機器に設けられ、前記認証コードを、前記住宅設備機器を利用する利用者に表示しない状態で記憶する第1認証コード記憶部と、
前記住宅設備機器に設けられ、サーバに前記認証コードを送信する住宅設備機器側認証コード送信部と、
前記サーバに設けられ、前記住宅設備機器の管理者が有する管理者端末に、前記住宅設備機器側認証コード送信部からの前記認証コードを送信する第1認証コード送信部と、
前記管理者端末に設けられ、前記第1認証コード送信部から送信された前記認証コードを記憶する第2認証コード記憶部と、
前記管理者端末に設けられ、前記第2認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードを前記利用者が有する利用者端末に送信する第2認証コード送信部と、
前記住宅設備機器に設けられ、前記利用者端末から前記認証コードを取得する認証コード取得部と、
前記住宅設備機器に設けられ、前記認証コード取得部により取得された前記認証コードが、前記第1認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードと一致しているか否かを判定する判定部と、
前記住宅設備機器に設けられ、前記判定部により、前記認証コード取得部により取得された前記認証コードが、前記第1認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードと一致していると判定された場合に、前記利用者による前記住宅設備機器の利用を許諾する利用許諾部と、
を備える認証システム。
【請求項5】
前記認証コードは、前記住宅設備機器が受け付けた指示に応じて前記住宅設備機器で発行される請求項4に記載の認証システム。
【請求項6】
前記住宅設備機器が複数備えられ、
前記認証コードは、前記複数の住宅設備機器の夫々毎に設定される請求項1から5のいずれか一項に記載の認証システム。
【請求項7】
前記住宅設備機器に設けられ、前記認証コードに応じて前記住宅設備機器の利用状況を計測する計測部と、
前記計測部により計測された前記利用状況に応じて前記住宅設備機器の利用料を算定する利用料算定部と、を備える請求項1から6のいずれか一項に記載の認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅設備機器の利用を認証コードに基づいて許諾する認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、観光客の増大に伴い、一般の住戸を宿泊施設として利用する民泊が盛んとなっている。また、家族以外の複数の人で1戸の住戸に居住するルームシェアの利用も増大している。このような民泊やルームシェア(以下「民泊等」とする)では、給湯器によるお湯の利用やガスコンロの利用については、代表者(民泊にあっては例えば物件運営オーナーであり、ルームシェアにあっては例えば居住者の一人)が、ガスや水道の契約を行っている。例えば、民泊にあっては、民泊の利用者によるガスや水道の利用量によらず、宿泊代として一定金額しか請求できないことが実情である。また、ルームシェアにおいても、各人のガスや水道の利用量を特定することができないことから、各人の利用料を算定できない。また、例えば民泊の利用者がお湯を出しっ放しにした場合や、ガスコンロ等において火の付けっぱなし等にした場合には、誰によるものであるかを特定することが容易ではない。
【0003】
そこで、特許文献1に記載されるような、住宅設備機器のリモコンやガスコンロの本体に無線LAN(Local Area Network)モジュールやBLUETOOTH(登録商標)モジュールを組み込んでスマートフォン等の携帯端末から操作や利用状況を示す情報を取得する技術が検討されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無線LANやBLUETOOTH等の通信を用いて携帯端末と住宅設備機器とをペアリングし、携帯端末から住宅設備機器の操作や情報を取得する技術では、携帯端末が住宅設備機器の無線LANやBLUETOOTHの通信範囲にいるだけで、容易に接続が行えてしまうため、不特定の者が住宅設備機器のリモコンやガスコンロの操作を行える可能性がある。このため、特許文献1に記載の技術にあっては、携帯端末と住宅設備機器とのペアリングを可能とする認証コードが第三者に漏れないように扱う必要があり、改善の余地があった。
【0006】
そこで、住宅設備機器を利用する際に用いられる認証コードを簡便に扱うことが可能な認証システムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る認証システムの特徴構成は、住宅設備機器の利用を認証コードに基づいて許諾する認証システムであって、サーバに設けられ、前記住宅設備機器と前記住宅設備機器の管理者が有する管理者端末とに、前記認証コードを送信する第1認証コード送信部と、前記住宅設備機器に設けられ、前記第1認証コード送信部から送信された前記認証コードを、前記住宅設備機器を利用する利用者に表示しない状態で記憶する第1認証コード記憶部と、前記管理者端末に設けられ、前記第1認証コード送信部から送信された前記認証コードを記憶する第2認証コード記憶部と、前記管理者端末に設けられ、前記第2認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードを前記利用者が有する利用者端末に送信する第2認証コード送信部と、前記住宅設備機器に設けられ、前記利用者端末から前記認証コードを取得する認証コード取得部と、前記住宅設備機器に設けられ、前記認証コード取得部により取得された前記認証コードが、前記第1認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードと一致しているか否かを判定する判定部と、前記住宅設備機器に設けられ、前記判定部により、前記認証コード取得部により取得された前記認証コードが、前記第1認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードと一致していると判定された場合に、前記利用者による前記住宅設備機器の利用を許諾する利用許諾部と、を備えている点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、住宅設備機器において、サーバから受け取った認証コードと、利用者端末が取得した認証コードとが一致していなければ、住宅設備機器を使用できないようにすることができる。また、認証コードは、住宅設備機器で第三者が見ることができないように管理されているため、例えば住宅設備機器から認証コードを不正に取得して使用することを防止できる。したがって、適切な方法で認証コードを取得しなければ住宅設備機器を利用できないようにすることが可能となる。このように本認証システムによれば、認証コードの扱いを簡便にできると共に、利用者に対しても住宅設備機器の利用許諾を行い易くすることが可能となる。
【0009】
また、前記認証コードは、前記管理者端末からの指示に応じて前記サーバで発行されると好適である。
【0010】
このような構成とすれば、住宅設備機器の管理者が希望するタイミングで認証コードを発行することができる。また、認証コードはサーバで発行されるので、管理者が認証コードを検討する手間を避けることができる。
【0011】
あるいは、前記認証コードは、前記住宅設備機器からの指示に応じて前記サーバで発行されても良い。
【0012】
このような構成であれば、例えば住宅設備機器の利用者が希望するタイミング(例えば利用開始したいタイミング)で認証コードを発行することができる。また、認証コードはサーバで発行されるので、利用者が認証コードを検討する手間を避けることができる。
【0013】
また、本発明に係る認証システムの特徴構成は、住宅設備機器の利用を認証コードに基づいて許諾する認証システムであって、前記住宅設備機器に設けられ、前記認証コードを、前記住宅設備機器を利用する利用者に表示しない状態で記憶する第1認証コード記憶部と、前記住宅設備機器に設けられ、サーバに前記認証コードを送信する住宅設備機器側認証コード送信部と、前記サーバに設けられ、前記住宅設備機器の管理者が有する管理者端末に、前記住宅設備機器側認証コード送信部からの前記認証コードを送信する第1認証コード送信部と、前記管理者端末に設けられ、前記第1認証コード送信部から送信された前記認証コードを記憶する第2認証コード記憶部と、前記管理者端末に設けられ、前記第2認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードを前記利用者が有する利用者端末に送信する第2認証コード送信部と、前記住宅設備機器に設けられ、前記利用者端末から前記認証コードを取得する認証コード取得部と、前記住宅設備機器に設けられ、前記認証コード取得部により取得された前記認証コードが、前記第1認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードと一致しているか否かを判定する判定部と、前記住宅設備機器に設けられ、前記判定部により、前記認証コード取得部により取得された前記認証コードが、前記第1認証コード記憶部に記憶されている前記認証コードと一致していると判定された場合に、前記利用者による前記住宅設備機器の利用を許諾する利用許諾部と、を備えている点にある。
【0014】
このような特徴構成とすれば、住宅設備機器で認証コードを発行することができる。この場合であっても、上述した認証システムと同様に、認証コードの扱いを簡便にできると共に、利用者に対しても住宅設備機器の利用許諾を行い易くすることが可能となる。
【0015】
また、前記認証コードは、前記住宅設備機器が受け付けた指示に応じて前記住宅設備機器で発行されると好適である。
【0016】
このような構成とすれば、利用者が住宅設備機器を操作することで認証コードを発行することが可能となる。
【0017】
また、前記住宅設備機器が複数備えられ、前記認証コードは、前記複数の住宅設備機器の夫々毎に設定されると好適である。
【0018】
このような構成とすれば、住宅設備機器が複数ある場合であっても、住宅設備機器ごとに利用を許諾することが可能となる。
【0019】
また、前記認証システムは、前記住宅設備機器に設けられ、前記認証コードに応じて前記住宅設備機器の利用状況を計測する計測部と、前記計測部により計測された前記利用状況に応じて前記住宅設備機器の利用料を算定する利用料算定部と、を備えると好適である。
【0020】
このような構成とすれば、認証コードと住宅設備機器の利用料とを関連付けて管理できるので、利用者による住宅設備機器の利用料を算定し、請求することが可能となる。また、例えば1台の住宅設備機器に対して、複数の認証コードを発行可能に構成することで、利用者毎に認証コードを発行し、利用者毎の利用料を算定して請求することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第2の実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.第1の実施形態
本発明に係る認証システムは、住宅設備機器の利用を認証コードに基づいて許諾する機能を備えている。以下、本実施形態の認証システム1について説明する。
【0023】
図1は、本実施形態の認証システム1の構成を模式的に示したブロック図である。
図1に示されるように、認証システム1は、管理者端末2、サーバ3、住宅設備機器4、利用者端末5を含んで構成される。管理者端末2とは、住宅設備機器4を管理する者である管理者が有する端末であって、具体的には住宅設備機器4又は住宅設備機器4が設けられる建物のオーナーが有するコンピュータが相当する。サーバ3とは、利用者に対する住宅設備機器4の利用許諾に用いられる認証コードの発行処理を行うコンピュータが相当する。住宅設備機器4とは、ガス機器、水道機器、電化製品等のような建物(
図1の例では「宿泊施設」)に設けられている設備が相当する。本実施形態では、住宅設備機器4として宿泊施設に設けられているガス機器を例に挙げて説明する。利用者端末5とは、利用者が有するコンピュータやスマートフォンが相当する。管理者端末2、サーバ3、住宅設備機器4、及び利用者端末5は、夫々ネットワークを介して互いに通信可能に構成されている。このため、管理者端末2、サーバ3、及び住宅設備機器4は、互いに離間して設けられていても良い。
【0024】
本実施形態では、管理者端末2には、発行指示部21、第2認証コード記憶部22、及び第2認証コード送信部23が設けられ、サーバ3には、発行部31、及び第1認証コード送信部32が設けられている。また、住宅設備機器4には、第1認証コード記憶部41、認証コード取得部42、判定部43、及び利用許諾部44が設けられ、利用者端末5には、第3認証コード記憶部51が設けられている。
【0025】
本実施形態では、認証コードは、管理者端末2からの指示に応じてサーバ3で発行される。認証コードとは、住宅設備機器4を利用しようとしている者が、当該住宅設備機器4の利用を許諾された者であるか否かの判定に用いられるものであって、例えば電子キーが相当する。このような認証コードは、例えば英数字や記号などから構成することが可能である。住宅設備機器4の管理者が認証コードを発行する意図を持った場合、発行指示部21に、サーバ3に対して認証コードを発行するよう指示させる。したがって、発行指示部21は、住宅設備機器4の管理者の指示に応じて、サーバ3に対して認証コードの発行を指示する(#1)。
【0026】
発行部31は、発行指示部21からの指示に基づいて認証コードを発行する(#2)。この認証コードは、上述したように、例えば英数字や記号などから構成することが可能であって、これらをランダムで複数個配列して構成することが可能である。発行部31により発行された認証コードは、第1認証コード送信部32に伝達される。
【0027】
第1認証コード送信部32は、住宅設備機器4と管理者端末2とに、認証コードを送信する。第1認証コード送信部32は、認証コードをそのまま送信するように構成しても良いし、所定の暗号キーにより暗号化して送信しても良い。暗号キーにより暗号化して送信する場合には、第1認証コード送信部32から認証コードを取得した住宅設備機器4及び管理者端末2において、当該所定の暗号キーにより認証コードを復号すると良い。
図1では、第1認証コード送信部32が管理者端末2に認証コードを送信する処理を#3を付して示し、第1認証コード送信部32が住宅設備機器4に認証コードを送信する処理を#4を付して示しているが、夫々の処理(#3及び#4)は、同時に行っても良いし、同時に行わなくても良い。
【0028】
第2認証コード記憶部22は、第1認証コード送信部32から送信された認証コードを記憶する(#5)。この時、認証コードは例えば管理者端末2の表示装置に表示することにより管理者が確認できるように構成しても良いし、管理者端末2の表示装置に表示しないようにして管理者が確認できないように構成しても良い。また、上述したように第1認証コード送信部32から認証コードが所定の暗号キーにより暗号化して送信されてきた場合には、当該所定の暗号キーにより認証コードを復号した後、第2認証コード記憶部22に記憶するよう構成すると良い。
【0029】
第1認証コード記憶部41は、第1認証コード送信部32から送信された認証コードを、住宅設備機器4を利用する利用者に表示しない状態で記憶する(#6)。利用者に表示しない状態とは、住宅設備機器4の利用者が認証コードを見ることができない状態を意味する。また、第1認証コード送信部32から第1認証コード記憶部41に記憶されるまでの間も利用者に認証コードを見せないようにすると良い。なお、第1認証コード送信部32から第1認証コード記憶部41に、認証コードが所定の暗号キーにより暗号化して送信されてきた場合には、当該所定の暗号キーにより認証コードを復号した後、第1認証コード記憶部41に記憶するよう構成すると良い。
【0030】
第2認証コード送信部23は、第2認証コード記憶部22に記憶されている認証コードを利用者が有する利用者端末5に送信する(#7)。第2認証コード送信部23は、第2認証コード記憶部22から認証コードを取得し、取得した認証コードを利用者端末5に送信する。この時、第2認証コード送信部23は、利用者端末5からの認証コードの要求指示に応じて利用者端末5に送信するように構成しても良いし、第2認証コード記憶部22に記憶された場合に、利用者端末5からの認証コードの要求指示の有無にかかわらず、利用者端末5に送信するように構成しても良い。
【0031】
第3認証コード記憶部51は、第2認証コード送信部23から送信されてきた認証コードを記憶する(#8)。第3認証コード記憶部51に記憶された認証コードは、利用者端末5の表示装置に表示することにより、利用者が見ることができるように構成しても良い。
【0032】
第3認証コード記憶部51に認証コードが記憶されると、利用者端末5と住宅設備機器4とのペアリングが行われる。ペアリングは、利用者端末5と住宅設備機器4とが互いに通信を行うことができるようにするための処理であって、本実施形態では利用者による利用者端末5の操作に応じて行われる。また、ペアリングは、例えば、無線や有線のLAN(Local Area Network)やBLUETOOTH(登録商標)のような近距離無線通信を利用して行うことが可能である。なお、ペアリングは、第3認証コード記憶部51に認証コードが記憶される前に、予め行っていても良い。
【0033】
上述したペアリングが完了し、利用者が住宅設備機器4を利用したい場合には、利用者が利用者端末5を操作して利用者端末5から住宅設備機器4に認証コードが送信される(#9)。この認証コードの送信は、利用者が第3認証コード記憶部51に記憶されている認証コードを参照して、所定の送信画面に入力することで行っても良いし、利用者が送信ボタンを押下することで、自動的に第3認証コード記憶部51に記憶されている認証コードを送信するように構成しても良い。
【0034】
認証コード取得部42は、利用者端末5から認証コードを取得する。上述したように、住宅設備機器4には、利用者端末5から第3認証コード記憶部51に記憶されていた認証コードが伝達される。認証コード取得部42は、このような利用者端末5から伝達されてきた認証コードを取得する。認証コード取得部42により取得された認証コードは判定部43に伝達される。
【0035】
判定部43は、認証コード取得部42により取得された認証コードが、第1認証コード記憶部41に記憶されている認証コードと一致しているか否かを判定する(#10)。認証コード取得部42により取得された認証コードとは、利用者端末5から伝達されてきた認証コードであって、この認証コードは管理者端末2から利用者端末5に伝達されてきた認証コードである。第1認証コード記憶部41に記憶されている認証コードとは、発行指示部21の指示に応じてサーバ3から住宅設備機器4に送信されてきた認証コードである。したがって、判定部43は、利用者端末5から伝達されてきた認証コードと、発行指示部21の指示に応じてサーバ3から住宅設備機器4に送信されてきた認証コードとが一致しているか否かを判定する。判定部43の判定結果は、利用許諾部44に伝達される。
【0036】
利用許諾部44は、判定部43により、認証コード取得部42により取得された認証コードが、第1認証コード記憶部41に記憶されている認証コードと一致していると判定された場合に、利用者による住宅設備機器4の利用を許諾する(#11)。上述したように、認証コード取得部42により取得された認証コードが、第1認証コード記憶部41に記憶されている認証コードと一致しているか否かが、判定部43により判定され、この判定結果は利用許諾部44に伝達される。利用許諾部44は、認証コード取得部42により取得された認証コードが、第1認証コード記憶部41に記憶されている認証コードと一致しているとする判定結果である場合には利用者による住宅設備機器4の利用を許諾し、認証コード取得部42により取得された認証コードが、第1認証コード記憶部41に記憶されている認証コードと一致していないとする判定結果である場合には利用者による住宅設備機器4の利用を許諾しない。利用許諾部44により利用者による住宅設備機器4の利用を許諾された場合には、当該利用者は住宅設備機器4が利用可能となり、利用許諾部44により利用者による住宅設備機器4の利用を許諾されない場合には、当該利用者は住宅設備機器4が利用できない状態が継続される。
【0037】
以上のように構成することで、認証システム1によれば住宅設備機器4の周囲に不特定多数の人がいる場合であっても、認証コードによって住宅設備機器4の利用者を特定の者に限定することが可能となる。また、認証コードを有しない人には、住宅設備機器4の利用を制限することが可能となる。
【0038】
2.第2の実施形態
上記実施形態では、認証システム1は、利用者端末5から取得された認証コードが、サーバ3から伝達された認証コードと一致していると判定された場合に、利用者による住宅設備機器4の利用を許諾することにより、認証コードに応じて住宅設備機器4の利用者を特定の者に限定するように構成されているとして説明した。認証システム1は、許諾された利用者による住宅設備機器4の利用料を算定するように構成することも可能である。
【0039】
図2は、第2の実施形態に係る認証システム1の構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、本実施形態の認証システム1は、上述した第1の実施形態に係るブロック図に対して、住宅設備機器4に計測部45及び利用料算定部46が設けられている点で第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態に係る認証システム1と異なる点について説明し、第1の実施形態と同様である場合には説明を省略する。
【0040】
計測部45は、認証コードに応じて住宅設備機器4の利用状況を計測する。「認証コードに応じて」とは、「認証コードと関連付けられた状態で」という意味である。よって、住宅設備機器4を、単一の認証コードを有する利用者が利用する場合には、計測部45は当該利用者による住宅設備機器4の利用状況を計測し、住宅設備機器4を、互いに異なる複数の認証コードを有する複数の利用者が利用する場合には、計測部45は当該利用者毎に住宅設備機器4の利用状況を計測する。すなわち、計測部45は、認証コード毎に、住宅設備機器4の利用状況を計測する。したがって、この場合には、認証コードは1台の住宅設備機器4において、互いに異なる複数の認証コードを発行するように構成すると良い。住宅設備機器4の利用状況とは、住宅設備機器4がガス機器である場合には、ガス機器の利用時間やガスの利用量が相当する。また、住宅設備機器4が水道である場合には、水道の利用時間や利用量が相当する。更に、住宅設備機器4が電化製品である場合には、電化製品の利用時間や電力使用量が相当する。計測部45は、利用者による住宅設備機器4の利用状況を計測し、利用料算定部46に計測結果を伝達する。
【0041】
利用料算定部46は、計測部45により計測された利用状況に応じて住宅設備機器4の利用料を算定する。計測部45により計測された利用状況とは、計測部45により、認証コード毎に関連付けして計測された住宅設備機器4の利用状況である。利用料算定部46は、このような利用状況に応じて、認証コード毎に住宅設備機器4の利用料を算定する。これにより、住宅設備機器4の管理者が利用者による住宅設備機器4の利用料を把握することが可能となる。したがって、例えば利用料に応じた料金を容易に請求することが可能となる。
【0042】
3.その他の実施形態
上記実施形態では、認証コードは、管理者端末2からの指示に応じてサーバ3で発行されるとして説明したが、認証コードは、住宅設備機器4からの指示に応じてサーバ3で発行されるように構成することも可能である。この場合には、例えば利用者が住宅設備機器4を利用するタイミングで住宅設備機器4に設けられた発行ボタンを押下することで発行するように構成することが可能である。また、この場合にも、発行部31が認証コードを発行し、第1認証コード送信部32が管理者端末2及び住宅設備機器4に認証コードを送信するように構成すると良い。
【0043】
上記実施形態では、住宅設備機器4が一台である場合の例を挙げて説明したが、住宅設備機器4が複数台であっても良い。この場合、認証コードは、複数の住宅設備機器4の夫々毎に設定されると好適である。
【0044】
上記実施形態では、サーバ3において認証コードが発行される場合の例を挙げて説明した。認証コードは、住宅設備機器4が発行するように構成することも可能である。この場合、例えば認証コードは、利用者が住宅設備機器4に対して発行指示を行った場合に(例えば「認証コード発行ボタン」が押下された場合に)、住宅設備機器4が発行指示を受け付けたとして、当該この指示に応じて発行するように構成することが可能である。このような認証システム1は以下のように構成することが可能である。
【0045】
認証システム1は、住宅設備機器4において、認証コードが発行された場合に、住宅設備機器4に設けられ、認証コードを、住宅設備機器4を利用する利用者に表示しない状態で記憶する第1認証コード記憶部41と、住宅設備機器4に設けられ、第1認証コード記憶部41に記憶された認証コードをサーバ3に送信する住宅設備機器側認証コード送信部と、サーバ3に設けられ、住宅設備機器側認証コード送信部からの認証コードを住宅設備機器4の管理者が有する管理者端末2に送信する第1認証コード送信部32と、管理者端末2に設けられ、第1認証コード送信部32から送信された認証コードを記憶する第2認証コード記憶部22と、管理者端末2に設けられ、第2認証コード記憶部22に記憶されている認証コードを利用者が有する利用者端末5に送信する第2認証コード送信部23と、住宅設備機器4に設けられ、利用者端末5から認証コードを取得する認証コード取得部42と、住宅設備機器4に設けられ、認証コード取得部42により取得された認証コードが、第1認証コード記憶部41に記憶されている認証コードと一致しているか否かを判定する判定部43と、住宅設備機器4に設けられ、判定部43により、認証コード取得部42により取得された認証コードが、第1認証コード記憶部41に記憶されている認証コードと一致していると判定された場合に、利用者による住宅設備機器4の利用を許諾する利用許諾部44と、を備えるように構成できる。
【0046】
このような認証システム1であっても、上記実施形態の認証システム1と同様に、住宅設備機器4を利用する際に用いられる認証コードを簡便に扱うことが可能である。
【0047】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、住宅設備機器の利用を認証コードに基づいて許諾する認証システムに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1:認証システム
2:管理者端末
3:サーバ
4:住宅設備機器
5:利用者端末
22:第2認証コード記憶部
23:第2認証コード送信部
32:第1認証コード送信部
41:第1認証コード記憶部
42:認証コード取得部
43:判定部
44:利用許諾部
45:計測部
46:利用料算定部