(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2021058408
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】空閑 寛之
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-057128(JP,A)
【文献】特開2019-219864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部を備える仕訳作成装置であって、
前記記憶部は、
所定の日付に前払いされた費用を基に所定の計上パターンに従って算出された金額および当該所定の計上パターンに準じた計上日が格納され且つ当該所定の日付を支払日とする一つまたは複数の支払データで構成される支払データ群
を格納し、
前記制御部は、
前記支払データ群を参照して、支払日が属する年月から一定期間後の年月以降の計上日に紐付く金額を集計し、集計した金額、所定の借方科目、および所定の貸方科目を基に支払仕訳を作成する支払仕訳作成手段と、
所定の計上日から前記一定期間後の日付を計上日とする前記支払データを基に、前記支払仕訳に対する当該所定の計上日での振替仕訳を作成する振替仕訳作成手段と、
を備えること、
を特徴とする仕訳作成装置。
【請求項2】
前記支払データは、前記振替仕訳の作成有無を示す長短振替フラグを更に含み、
振替仕訳作成手段は、前記支払データが、長短振替対象であり、且つ前記長短振替フラグが、前記振替仕訳が未作成であることを示す場合、前記振替仕訳を作成すること、
を特徴とする請求項1に記載の仕訳作成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記所定の日付に前払いされた費用を基に、前記所定の計上日での仕入仕訳を作成する仕入仕訳作成手段を更に備えること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の仕訳作成装置。
【請求項4】
前記所定の計上パターンは、前記所定の日付を含む月の翌月から費用計上するパターン、前記所定の日付を含む月から所定の月、経過してから費用計上するパターン、または、前記所定の日付を含む月から所定の年、経過してから費用計上するパターンであること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の仕訳作成装置。
【請求項5】
前記所定の借方科目は、長期前払費用であり、前記所定の貸方科目は、前払費用であること、
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の仕訳作成装置。
【請求項6】
前記所定の計上日は、ユーザにより指定された日付であること、
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の仕訳作成装置。
【請求項7】
前記一定期間後は、1年後であること、
を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の仕訳作成装置。
【請求項8】
所定の日付に前払いされた費用を基に所定の計上パターンに従って算出された金額および当該所定の計上パターンに準じた計上日が格納され且つ当該所定の日付を支払日とする一つまたは複数の支払データで構成される支払データ群を格納する記憶部を備える仕訳作成装置の仕訳作成方法であって、
前記支払データ群を参照して、支払日が属する年月から一定期間後の年月以降の計上日に紐付く金額を集計し、集計した金額、所定の借方科目、および所定の貸方科目を基に支払仕訳を作成するステップと、
所定の計上日から前記一定期間後の日付を計上日とする前記支払データを基に、前記支払仕訳に対する当該所定の計上日での振替仕訳を作成するステップと、
を含むことを特徴とする仕訳作成方法。
【請求項9】
所定の日付に前払いされた費用を基に所定の計上パターンに従って算出された金額および当該所定の計上パターンに準じた計上日が格納され且つ当該所定の日付を支払日とする一つまたは複数の支払データで構成される支払データ群を格納する記憶部を備えるコンピュータに、
前記支払データ群を参照して、支払日が属する年月から一定期間後の年月以降の計上日に紐付く金額を集計し、集計した金額、所定の借方科目、および所定の貸方科目を基に支払仕訳を作成するステップと、
所定の計上日から前記一定期間後の日付を計上日とする前記支払データを基に、前記支払仕訳に対する当該所定の計上日での振替仕訳を作成するステップと、
を実行させるための仕訳作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば長短振替が必要な不動産業界などでは、表計算ソフトなどで、長短振替の対象となる取引を管理して直接仕訳を入力するか、当該対象がシステム管理だとしてもいくつかの手順を踏む必要があり、その確認作業なども大変という状況である。毎月の作業は大変なため、長短振替が必要な対象の取引を、四半期(Quarter)毎に振替えている企業なども多い。ただし対象の取引を管理すること自体が表計算ソフトによる管理のため、作業ミスなどが発生している。また、四半期決算期に、長短振替の作業が集中することで決算作業の遅延に繋がるという課題もある。
【0003】
特許文献1には、ある費用を一括して取崩合計金額として前払いした場合に取崩合計金額を各月で割った金額が毎月計上される仕訳を作成することについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、契約の支払データから、長短振替仕訳を自動生成することができなかった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、契約の支払データから、長短振替仕訳を自動生成できるようにする仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る仕訳作成装置は、制御部と記憶部を備える仕訳作成装置であって、前記記憶部は、所定の日付に前払いされた費用を基に所定の計上パターンに従って算出された金額および当該所定の計上パターンに準じた計上日が格納され且つ当該所定の日付を支払日とする一つまたは複数の支払データで構成される支払データ群を格納し、前記制御部は、前記支払データ群を参照して、支払日が属する年月から一定期間後の年月以降の計上日に紐付く金額を集計し、集計した金額、所定の借方科目、および所定の貸方科目を基に支払仕訳を作成する支払仕訳作成手段と、所定の計上日から前記一定期間後の日付を計上日とする前記支払データを基に、前記支払仕訳に対する当該所定の計上日での振替仕訳を作成する振替仕訳作成手段と、を備えること、を特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係る前記仕訳作成装置において、前記支払データは、前記振替仕訳の作成有無を示す長短振替フラグを更に含み、振替仕訳作成手段は、前記支払データが、長短振替対象であり、且つ前記長短振替フラグが、前記振替仕訳が未作成であることを示す場合、前記振替仕訳を作成すること、を特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係る前記仕訳作成装置において、前記制御部は、前記所定の日付に前払いされた費用を基に、前記所定の計上日での仕入仕訳を作成する仕入仕訳作成手段を更に備えること、を特徴とするものである。
【0010】
また、本発明に係る前記仕訳作成装置において、前記所定の計上パターンは、前記所定の日付を含む月の翌月から費用計上するパターン、前記所定の日付を含む月から所定の月、経過してから費用計上するパターン、または、前記所定の日付を含む月から所定の年、経過してから費用計上するパターンであること、を特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る前記仕訳作成装置において、前記所定の借方科目は、長期前払費用であり、前記所定の貸方科目は、前払費用であること、を特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係る前記仕訳作成装置において、前記所定の計上日は、ユーザにより指定された日付であること、を特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係る前記仕訳作成装置において、前記一定期間後は、1年後であること、を特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係る仕訳作成方法は、所定の日付に前払いされた費用を基に所定の計上パターンに従って算出された金額および当該所定の計上パターンに準じた計上日が格納され且つ当該所定の日付を支払日とする一つまたは複数の支払データで構成される支払データ群を格納する記憶部を備える仕訳作成装置の仕訳作成方法であって、前記支払データ群を参照して、支払日が属する年月から一定期間後の年月以降の計上日に紐付く金額を集計し、集計した金額、所定の借方科目、および所定の貸方科目を基に支払仕訳を作成するステップと、所定の計上日から前記一定期間後の日付を計上日とする前記支払データを基に、前記支払仕訳に対する当該所定の計上日での振替仕訳を作成するステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明に係る仕訳作成プログラムは、所定の日付に前払いされた費用を基に所定の計上パターンに従って算出された金額および当該所定の計上パターンに準じた計上日が格納され且つ当該所定の日付を支払日とする一つまたは複数の支払データで構成される支払データ群を格納する記憶部を備えるコンピュータに、前記支払データ群を参照して、支払日が属する年月から一定期間後の年月以降の計上日に紐付く金額を集計し、集計した金額、所定の借方科目、および所定の貸方科目を基に支払仕訳を作成するステップと、所定の計上日から前記一定期間後の日付を計上日とする前記支払データを基に、前記支払仕訳に対する当該所定の計上日での振替仕訳を作成するステップと、を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、契約の支払データから、長短振替仕訳を自動生成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態の全体フローを説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態の管理項目マスタの設定例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態の仕入、支払および長短振替と、日付および仕訳との関係を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態の仕訳作成装置の構成の例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態の会計データ作成画面の例(支払計上の作成時)を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態の支払仕訳の例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態の支払仕訳の例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態の会計データ作成画面の例(長短振替計上の作成時)を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態の長短振替仕訳の例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上および長短振替計上の作成時)を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態の長短振替仕訳の例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上および長短振替計上の作成時)を示す図である。
【
図19】
図19は、実施形態の長短振替仕訳の例を示す図である。
【
図20】
図20は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図22】
図22は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上の作成時)を示す図である。
【
図24】
図24は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図25】
図25は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図26】
図26は、実施形態の会計データ作成画面の例(支払計上の作成時)を示す図である。
【
図29】
図29は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図30】
図30は、実施形態の会計データ作成画面の例(長短振替計上の作成時)を示す図である。
【
図31】
図31は、実施形態の長短振替仕訳の例を示す図である。
【
図32】
図32は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図33】
図33は、実施形態の会計データ作成画面の例(長短振替計上の作成時)を示す図である。
【
図34】
図34は、実施形態の長短振替仕訳の例を示す図である。
【
図35】
図35は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図36】
図36は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図37】
図37は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上および長短振替計上の作成時)を示す図である。
【
図39】
図39は、実施形態の長短振替仕訳の例を示す図である。
【
図40】
図40は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図41】
図41は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上および長短振替計上の作成時)を示す図である。
【
図43】
図43は、実施形態の長短振替仕訳の例を示す図である。
【
図44】
図44は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図45】
図45は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図46】
図46は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上の作成時)を示す図である。
【
図48】
図48は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図49】
図49は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図50】
図50は、実施形態の会計データ作成画面の例(支払計上の作成時)を示す図である。
【
図53】
図53は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図54】
図54は、実施形態の会計データ作成画面の例(長短振替計上の作成時)を示す図である。
【
図55】
図55は、実施形態の長短振替仕訳の例を示す図である。
【
図56】
図56は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【
図57】
図57は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上の作成時)を示す図である。
【
図59】
図59は、実施形態の支払データの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0019】
[1.全体フロー]
図1は、実施形態の全体フローを説明するための図である。実施形態の仕訳作成装置100は、契約登録時の支払データから、会計データ作成時に長短振替仕訳を自動生成する。
【0020】
実施形態の長短振替とは、固定負債(長期前払費用)および流動負債(前払費用)の管理のことを指す。例えば、不動産業界では保有(管理)物件の火災保険料等を数年分前払いすることが多く、その長期前払費用の管理及び振替のことを長短振替という。地震保険料、物件のエントランスフロアに置いている雑誌や新聞紙の購読料なども、長短振替の対象になる。また、他の例では、借入金およびリース債務なども、長短振替の対象になる。
【0021】
図2は、実施形態の管理項目マスタ1aの設定例を示す図である。実施形態の管理項目マスタ1aは、管理項目コード、管理項目名、仕入勘定科目コード、仕入勘定科目名、前払勘定科目コード、前払勘定科目名、長期前払費用勘定科目コード、長期前払費用勘定科目名および長短振替対象FLGを含む。
【0022】
管理項目コードは、管理項目を識別する情報である。管理項目名は、管理項目の名称である。仕入勘定科目コードは、仕入勘定科目を識別する情報である。仕入勘定科目名は、仕入勘定科目の名称である。前払勘定科目コードは、前払勘定科目を識別する情報である。前払勘定科目名は、前払勘定科目の名称である。長期前払費用勘定科目コードは、長期前払費用勘定科目を識別する情報である。長期前払費用勘定科目名は、長期前払費用勘定科目の名称である。長短振替対象FLGは、長短振替対象であるかを示す情報である(1:対象、NULL:非対称)。
【0023】
実施形態の説明では、火災保険料の場合を例にして、仕訳作成装置100の動作について説明する。
【0024】
図3は、実施形態の仕入、支払および長短振替と、日付および仕訳との関係を示す図である。
図3は、例えば、仕入の場合、計上日≦支払日であれば、計上日の日付で、仕入科目/未払科目の仕訳が作成されることを示す。
【0025】
[2.構成]
図2は、実施形態の仕訳作成装置100の構成の例を示すブロック図である。
【0026】
仕訳作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、仕訳作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0027】
仕訳作成装置100は、記憶部1と制御部2と通信インターフェース部3と入出力インターフェース部4と、を備えている。仕訳作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
記憶部1には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどのデータが格納される。記憶部1には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部1として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0029】
また、記憶部1には、上述の管理項目マスタ1a、支払データ1bおよび仕訳データ1cなどが格納されている。支払データ1bは、契約登録時に作成されるデータである(後述の
図5参照)。仕訳データ1cは、後述の支払仕訳、振替仕訳および仕入仕訳などを含む。
【0030】
制御部2は、記憶制御部2a、支払仕訳作成部2b、仕入仕訳作成部2cおよび振替仕訳作成部2dを備える。
【0031】
記憶制御部2aは、記憶部1に記憶されたデータの読み出し制御および書き込み制御を行う。
【0032】
支払仕訳作成部2bは、支払仕訳を作成する。仕入仕訳作成部2cは、仕入仕訳を作成する。振替仕訳作成部2dは、振替仕訳を作成する。支払仕訳作成部2b、仕入仕訳作成部2cおよび振替仕訳作成部2dの処理の詳細は後述する。
【0033】
通信インターフェース部3は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、仕訳作成装置100をネットワーク200に通信可能に接続する。通信インターフェース部3は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク200は、仕訳作成装置100と他の装置とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0034】
入出力インターフェース部4には、入力装置110および出力装置120が接続されている。出力装置120には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置110には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0035】
なお、実施形態の仕訳作成装置100を、サーバ装置として動作させ、ネットワーク200を介して、他の装置と、入力情報および出力情報を送受信できるようにしてもよい。
【0036】
[3.振替仕訳作成処理のパターン1]
2年分の火災保険料を一括で前払いし、翌月から費用計上するパターン1について説明する。パターン1の振替仕訳作成処理は、以下の処理(1)~(6)により行われる。
【0037】
(1) 記憶制御部2aが、契約登録時に作成された支払データ1bを記憶部1から読み出す。
図5は、実施形態の支払データ1bの例を示す図である。実施形態の支払データ1bは、No、管理項目、支払日、計上日、金額、契約番号、管理項目行番号、支払仕訳FLG、仕入仕訳FLGおよび長短振替FLGを含む。Noは、支払データ1bに含まれるデータを識別する番号を示す。管理項目は、実施形態の説明では、全て「火災保険料」である。支払日は、金額の支払が行われた日を示す。計上日は、金額の計上が行われた日を示す。金額は、当該管理項目の金額を示す。契約番号は、当該管理項目に係る契約の番号を示す。管理項目行番号は、当該管理項目の行の番号を示す。管理項目行番号は、当該管理項目のデータが複数の行で管理される場合に、行毎にデータを識別するために使用される。
【0038】
支払仕訳FLGは、支払仕訳処理の実行有無を示す(未:未実行、済:実行済み)。仕入仕訳FLGは、仕入仕訳処理の実行有無を示す(未:未実行、済:実行済み)。長短振替FLGは、長短振替処理の必要可否および実行有無を示す(‐:対象外、未:未実行、済:実行済み)。
【0039】
(2) 支払仕訳作成部2bが、2019/5/31に2年分の火災保険料を一括で支払を実施し、支払事象で支払計上を作成する。
図6は、実施形態の会計データ作成画面の例(支払計上の作成時)を示す図である。
図7は、実施形態の支払仕訳の例を示す図である。作成元明細の1~24は、契約登録時に作成された支払データ1b(
図5参照)のNoを示す。支払仕訳作成部2bは、
図6の会計データ作成画面で入力された日付で、
図7の支払仕訳を作成する。
【0040】
また、支払仕訳作成部2bが、
図7の支払仕訳作成時に、同一契約、同一管理項目行から作成されている支払データ1bのうち、伝票日付の2019/05/31の年月(=2019/05)からみて、12ヶ月以降(=2020/05以降)の計上日を持つデータの金額を集計し、伝票日付は
図7の支払仕訳と同一の日付、金額は集計した金額で支払仕訳を作成する。振替仕訳の借方は長期前払費用に設定されている科目、貸方は仕入に設定されている科目で作成される。結果、
図8の支払仕訳が作成される。
【0041】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図9に示す。
図9では、Noが1~24の支払仕訳FLGが、未→済に更新されている。
【0042】
(3) 2019/5/31に仕入事象での費用計上は計上日2019/5/31の明細がないため作成されない。振替仕訳作成部2dが、長短振替事象で長短振替計上を作成する。
図10は、実施形態の会計データ作成画面の例(長短振替計上の作成時)を示す図である。振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が、
図10の会計データ作成画面で指定された日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。結果、
図11の長短振替仕訳が作成される。
【0043】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図12に示す。
図12では、Noが12の長短振替FLGが、未→済に更新されている。
【0044】
(4) 仕入仕訳作成部2cが、2019/6/30に仕入事象で費用計上する。また、振替仕訳作成部2dが、長短振替事象で長短振替計上を作成する。
図13は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上および長短振替計上の作成時)を示す図である。
図14は、実施形態の仕入仕訳の例を示す図である。
図14は、仕入仕訳作成部2cにより作成される。
【0045】
図14とは別に、振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が会計データ作成画面で指定した日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。結果、
図15の長短振替仕訳が作成される。
【0046】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図16に示す。
図16では、Noが1の仕入仕訳FLGが、未→済に更新され、Noが13の長短振替FLGが、未→済に更新されている。
【0047】
(5) 仕入仕訳作成部2cが、2019/7/31に仕入事象で費用計上する。また、振替仕訳作成部2dが、長短振替事象で長短振替計上を作成する。
図17は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上および長短振替計上の作成時)を示す図である。
図18は、実施形態の仕入仕訳の例を示す図である。
図18は、仕入仕訳作成部2cにより作成される。
【0048】
図18とは別に、振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が会計データ作成画面で指定した日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。結果、
図19の長短振替仕訳が作成される。
【0049】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図20に示す。
図20では、Noが2の仕入仕訳FLGが、未→済に更新され、Noが14の長短振替FLGが、未→済に更新されている。
【0050】
以降、2020/5/31までの処理は同様の流れとなる。2020/5/31までの処理後の支払データ1bの状態を
図21に示す。
図21では、Noが1~12までの仕入仕訳FLGが、済になり、Noが12~24までの長短振替FLGが、済になる。
【0051】
(6) 仕入仕訳作成部2cが、2020/6/30に仕入事象で費用計上する。長短振替事象での長短振替計上は1年後の明細がないため、作成されない。
図22は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上の作成時)を示す図である。
図23は、実施形態の仕入仕訳の例を示す図である。
図23は、仕入仕訳作成部2cにより作成される。
【0052】
図23とは別に、振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が会計データ作成画面で指定した日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。ただし、パターン1の例では2021/6/30の計上日の明細は存在しないため、振替仕訳は作成されない。
【0053】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図24に示す。
図24では、Noが13の仕入仕訳FLGが、未→済に更新されている。以降、2021/5/31までの処理は同様の流れとなる。
【0054】
[4.振替仕訳作成処理のパターン2]
費用計上が遅れてスタートするパターン2について説明する。パターン2では、パターン1の例より、3ヶ月遅れて費用計上がはじまる。パターン2の振替仕訳作成処理は、以下の処理(1)~(7)により行われる。
【0055】
(1) 記憶制御部2aが、契約登録時に作成された支払データ1bを記憶部1から読み出す。
図25は、実施形態の支払データ1bの例を示す図である。
【0056】
(2) 支払仕訳作成部2bが、2019/5/31に2年分の火災保険料を一括で支払を実施し、支払事象で支払計上を作成する。
図26は、実施形態の会計データ作成画面の例(支払計上の作成時)を示す図である。
図27は、実施形態の支払仕訳の例を示す図である。作成元明細の1~24は、契約登録時に作成された支払データ1b(
図25参照)のNoを示す。支払仕訳作成部2bは、
図26の会計データ作成画面で入力された日付で、
図27の支払仕訳を作成する。
【0057】
また、支払仕訳作成部2bが、
図27の支払仕訳作成時に、同一契約、同一管理項目行から作成されている支払データ1bのうち、伝票日付の2019/05/31の年月(=2019/05)からみて、12ヶ月以降(=2020/05以降)の計上日を持つデータの金額を集計し、伝票日付は
図27の支払仕訳と同一の日付、金額は集計した金額で支払仕訳を作成する。振替仕訳の借方は長期前払費用に設定されている科目、貸方は仕入に設定されている科目で作成される。結果、
図28の支払仕訳が作成される。
【0058】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図29に示す。
図29では、Noが1~24の支払仕訳FLGが、未→済に更新されている。
【0059】
(3) 2019/5/31に仕入事象での費用計上は計上日2019/5/31の明細がないため作成されない。振替仕訳作成部2dが、長短振替事象で長短振替計上を作成する。
図30は、実施形態の会計データ作成画面の例(長短振替計上の作成時)を示す図である。振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が、
図10の会計データ作成画面で指定された日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。結果、
図31の長短振替仕訳が作成される。
【0060】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図32に示す。
図32では、Noが9の長短振替FLGが、未→済に更新されている。
【0061】
(4) 2019/6/30に仕入事象での費用計上は計上日2019/6/30の明細がないため作成されない。振替仕訳作成部2dが、長短振替事象で長短振替計上を作成する。
図33は、実施形態の会計データ作成画面の例(長短振替計上の作成時)を示す図である。
【0062】
振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が会計データ作成画面で指定した日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。結果、
図34の長短振替仕訳が作成される。
【0063】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図35に示す。
図35では、Noが10の長短振替FLGが、未→済に更新されている。
【0064】
以降、2019/8/31までの処理は同様の流れとなる。2019/8/31までの処理後の支払データ1bの状態を
図36に示す。
図36では、Noが1~8までの仕入仕訳FLGが、済になり、Noが9~12までの長短振替FLGが、済になる。
【0065】
(5) 仕入仕訳作成部2cが、2019/9/30に仕入事象で費用計上する。また、振替仕訳作成部2dが、長短振替事象で長短振替計上を作成する。
図37は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上および長短振替計上の作成時)を示す図である。
図38は、実施形態の仕入仕訳の例を示す図である。
図38は、仕入仕訳作成部2cにより作成される。
【0066】
図38とは別に、振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が会計データ作成画面で指定した日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。結果、
図39の長短振替仕訳が作成される。
【0067】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図40に示す。
図40では、Noが1の仕入仕訳FLGが、未→済に更新され、Noが13の長短振替FLGが、未→済に更新されている。
【0068】
(6) 仕入仕訳作成部2cが、2019/10/31に仕入事象で費用計上する。また、振替仕訳作成部2dが、長短振替事象で長短振替計上を作成する。
図41は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上および長短振替計上の作成時)を示す図である。
図42は、実施形態の仕入仕訳の例を示す図である。
図42は、仕入仕訳作成部2cにより作成される。
【0069】
図42とは別に、振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が会計データ作成画面で指定した日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。結果、
図43の長短振替仕訳が作成される。
【0070】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図44に示す。
図44では、Noが2の仕入仕訳FLGが、未→済に更新され、Noが14の長短振替FLGが、未→済に更新されている。
【0071】
以降、2020/8/31までの処理は同様の流れとなる。2020/8/31までの処理後の支払データ1bの状態を
図45に示す。
図45では、Noが1~12までの仕入仕訳FLGが、済になり、Noが9~24までの長短振替FLGが、済になる。
【0072】
(7) 仕入仕訳作成部2cが、2020/9/30に仕入事象で費用計上する。長短振替事象での長短振替計上は1年後の明細がないため、作成されない。
図46は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上の作成時)を示す図である。
図47は、実施形態の仕入仕訳の例を示す図である。
図47は、仕入仕訳作成部2cにより作成される。
【0073】
図47とは別に、振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が会計データ作成画面で指定した日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。ただし、パターン2の例では2021/9/30の計上日の明細は存在しないため、振替仕訳は作成されない。
【0074】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図48に示す。
図48では、Noが13の仕入仕訳FLGが、未→済に更新されている。以降、2021/8/31までの処理は同様の流れとなる。
【0075】
[5.振替仕訳作成処理のパターン3]
費用計上が数年後に一括で計上されるパターン3について説明する。パターン2の振替仕訳作成処理は、以下の処理(1)~(4)により行われる。
【0076】
(1) 記憶制御部2aが、契約登録時に作成された支払データ1bを記憶部1から読み出す。
図49は、実施形態の支払データ1bの例を示す図である。
【0077】
(2) 支払仕訳作成部2bが、2019/5/31に2年分の火災保険料を一括で支払を実施し、支払事象で支払計上を作成する。
図50は、実施形態の会計データ作成画面の例(支払計上の作成時)を示す図である。
図51は、実施形態の支払仕訳の例を示す図である。作成元明細の1は、契約登録時に作成された支払データ1b(
図49参照)のNoを示す。支払仕訳作成部2bは、
図50の会計データ作成画面で入力された日付で、
図51の支払仕訳を作成する。
【0078】
また、支払仕訳作成部2bが、
図51の支払仕訳作成時に、同一契約、同一管理項目行から作成されている支払データ1bのうち、伝票日付の2019/05/31の年月(=2019/05)からみて、12ヶ月以降(=2020/05以降)の計上日を持つデータの金額を集計し、伝票日付は
図51の支払仕訳と同一の日付、金額は集計した金額で支払仕訳を作成する。振替仕訳の借方は長期前払費用に設定されている科目、貸方は仕入に設定されている科目で作成される。結果、
図52の支払仕訳が作成される。
【0079】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図53に示す。
図53では、Noが1の支払仕訳FLGが、未→済に更新されている。
【0080】
(3) 2020/6/30に仕入事象での費用計上は計上日2020/6/30の明細がないため作成されない。振替仕訳作成部2dが、長短振替事象で長短振替計上を作成する。
図54は、実施形態の会計データ作成画面の例(長短振替計上の作成時)を示す図である。振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が、
図10の会計データ作成画面で指定された日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。結果、
図55の長短振替仕訳が作成される。
【0081】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図56に示す。
図56では、Noが1の長短振替FLGが、未→済に更新されている。
【0082】
(4) 仕入仕訳作成部2cが、2021/6/30に仕入事象で費用計上する。長短振替事象での長短振替計上は1年後の明細がないため、作成されない。
図57は、実施形態の会計データ作成画面の例(費用計上の作成時)を示す図である。
図58は、実施形態の仕入仕訳の例を示す図である。
図58は、仕入仕訳作成部2cにより作成される。
【0083】
図58とは別に、振替仕訳作成部2dが、支払データ1bのうち、伝票日付が会計データ作成画面で指定した日付の+1年後にあたる期間内に計上日を持つデータを参照し、当該データが取得できた場合は、伝票日付は会計データ作成で指定した日付(TO)の月末、金額は取得したデータで振替仕訳を作成する(契約から作成されており、かつ管理項目の長短振替対象FLG=1のものという前提)。仕訳の借方は仕入に設定されている科目、貸方は長期前払費用に設定されている科目で作成される。ただし、パターン2の例では2021/6/30の計上日の明細は存在しないため、振替仕訳は作成されない。
【0084】
契約登録時に作成される支払データ1bのこの時点での状態を
図59に示す。
図59では、Noが1の仕入仕訳FLGが、未→済に更新されている。
【0085】
以上説明したように、実施形態の仕訳作成装置によれば、契約の支払データから、長短振替仕訳を自動生成できる。従来は、長短振替は、四半期(Quarter)毎の振替処理というイメージがあったが、本実施形態では、毎月自動で計上できるのであれば、伝票数も平準化でき、確認作業の負荷も軽減できるという点に着目した。本実施形態の仕訳作成装置は、例えば、契約から先の費用計上の明細も、会計情報システムなどの契約管理機能などを利用して、数十年分作成しておける点と、ワンイヤールールの観点とに基づき、長短振替の自動計上の判断をする。実施形態の仕訳作成装置によれば、毎月計上の上述のパターン1、費用計上が遅れる上述のパターン2、および、数年後に一括で計上する上述のパターン3など、様々な実運用に対応可能である。
【0086】
[6.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0088】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0089】
[7.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0090】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0091】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0092】
また、仕訳作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0093】
例えば、仕訳作成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて仕訳作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0094】
また、このコンピュータプログラムは、仕訳作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0095】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0096】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0097】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0098】
また、仕訳作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、仕訳作成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0099】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、長短振替が必要な業界などにおいて特に有用である。
【符号の説明】
【0101】
100 仕訳作成装置
1 記憶部
1a 管理項目マスタ
1b 支払データ
1c 仕訳データ
2 制御部
2a 記憶制御部
2b 支払仕訳作成部
2c 仕入仕訳作成部
2d 振替仕訳作成部
3 通信インターフェース部
4 入出力インターフェース部
110 入力装置
120 出力装置
200 ネットワーク