(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ファンカバー及び電気機器
(51)【国際特許分類】
H05K 5/03 20060101AFI20241004BHJP
H02B 1/28 20060101ALI20241004BHJP
H05K 5/02 20060101ALN20241004BHJP
H05K 7/20 20060101ALN20241004BHJP
【FI】
H05K5/03 A
H02B1/28 E
H05K5/02 L
H05K7/20 G
(21)【出願番号】P 2021080860
(22)【出願日】2021-05-12
【審査請求日】2024-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 徳佳
(72)【発明者】
【氏名】時川 大佑
(72)【発明者】
【氏名】永田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】平光 章太郎
(72)【発明者】
【氏名】山谷 崇浩
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-047532(JP,A)
【文献】特開2013-222882(JP,A)
【文献】特開2013-221708(JP,A)
【文献】特開2010-096439(JP,A)
【文献】特開2013-021046(JP,A)
【文献】特表2016-521916(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0037727(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0305179(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02;
5/03;
7/20
H02B 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンカバーであって、
枠体と、
複数の第1ルーバとを備え、
前記枠体は、前記ファンカバーの前面側を向いている第1面と、前記第1面の反対面であり、かつ前記ファンカバーの背面側を向いている第2面とを有し、
前記第1面及び前記第2面の法線は、前記ファンカバーの厚さ方向である第1方向に沿っており、
前記枠体には、前記枠体を前記第1方向に沿って貫通している開口が形成されており、
前記複数の第1ルーバは、前記開口を閉塞するように、前記第1方向に直交している第2方向に沿って並んで前記枠体に接続されており、
前記複数の第1ルーバの各々は、前記第2方向における一方側から前記第2方向における他方側に向かうにつれて前記ファンカバーの前面側から前記ファンカバーの背面側へ向かうように傾斜しており、かつ前記第1方向及び前記第2方向に直交している第3方向における一方側から前記第3方向における他方側に向かうにつれて前記ファンカバーの前面側から前記ファンカバーの背面側へ向かうように傾斜しており、
前記複数の第1ルーバの各々は、第1本体部と、前記第1本体部の前記第2方向における一方側の端に連なっている第1先端部とを有し、
前記第1先端部は、前記第3方向において、第1端と、前記第1端の反対側の端である第2端とを含み、
前記第2端は、前記第1端よりも前記第2方向における一方側にあり、かつ前記第1端よりも前記第3方向における他方側にあり、
前記第1先端部は、前記第2端が前記第1面上に達するように延在しており、
前記第1先端部の前記第2方向に対する傾斜角度は、前記第1本体部の前記第2方向に対する傾斜角度よりも大きい、ファンカバー。
【請求項2】
前記第1先端部は、前記第1端が前記第1面上に達するように延在している、請求項1に記載のファンカバー。
【請求項3】
支柱と、
複数の第2ルーバをさらに備え、
前記支柱は、前記開口を横切るように前記第2方向に沿って延在しており、
前記複数の第2ルーバは、前記開口を閉塞するように、前記第1方向に直交している第2方向に沿って並んで前記枠体に接続されており、
前記複数の第2ルーバの各々は、前記第2方向における一方側から前記第2方向における他方側に向かうにつれて前記ファンカバーの前面側から前記ファンカバーの背面側へ向かうように傾斜しており、かつ前記第3方向における他方側から前記第3方向における一方側に向かうにつれて前記ファンカバーの前面側から前記ファンカバーの背面側へ向かうように傾斜しており、
前記複数の第2ルーバの各々は、第2本体部と、前記第2本体部の前記第2方向における一方側の端に連なっている第2先端部とを有し、
前記第2先端部は、前記第3方向において、第3端と、前記第3端の反対側の端である第4端とを含み、
前記第4端は、前記第3端よりも前記第2方向における一方側にあり、かつ前記第3端よりも前記第3方向における一方側にあり、
前記第2先端部は、前記第4端が前記第1面上に達するように延在しており、
前記第2先端部の前記第2方向に対する傾斜角度は、前記第2本体部の前記第2方向に対する傾斜角度よりも大きく、
前記第1先端部は、前記第1端において前記支柱に接続されており、
前記第2先端部は、前記第3端において前記支柱に接続されている、請求項1に記載のファンカバー。
【請求項4】
前記複数の第1ルーバのうちの隣り合う2つの一方の前記第1先端部の前記第2方向における一方側の端は、前記複数の第1ルーバのうちの隣り合う2つの他方の前記第1本体部の前記第2方向における他方側の端と前記第2方向における位置が一致しており、
前記複数の第2ルーバのうちの隣り合う2つの一方の前記第2先端部の前記第2方向における一方側の端は、前記複数の第2ルーバのうちの隣り合う2つの他方の前記第2本体部の前記第2方向における他方側の端と前記第2方向における位置が一致している、請求項3に記載のファンカバー。
【請求項5】
前記複数の第1ルーバのうちの少なくとも1つの前記第1先端部は、前記第2端が前記第1面の外周縁に達するように延在している、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のファンカバー。
【請求項6】
前記第1面には、第1溝が形成されており、
前記第1溝は、前記複数の第1ルーバのうちの1つの前記第1先端部の前記第1面上にある部分に前記第2方向における他方側から接している、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のファンカバー。
【請求項7】
前記第1面には、前記第1面から前記第1方向に沿って立ち上がっており、かつ前記開口を取り囲んでいるリブが形成されており、
前記リブには、前記リブの内周側から前記リブの外周側に向かう方向に沿って前記リブを貫通している切り欠きが形成されており、
前記複数の第1ルーバのうちの1つの前記第1先端部の前記第1面上にある部分は、前記切り欠きを通過している、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のファンカバー。
【請求項8】
前記枠体の角部には、前記第1方向に沿って前記枠体を貫通している貫通穴が形成されており、
前記第2面には、前記開口を取り囲んでいる第2溝が形成されており、
前記第2溝の外周側に連なっている前記第2面の部分の前記第1方向における位置は、前記貫通穴の周囲にある前記第2面の部分の前記第1方向における位置と一致している、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のファンカバー。
【請求項9】
電気機器であって、
筐体と、
複数のファンカバーとを備え、
前記複数のファンカバーの各々は、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の前記ファンカバーであり、
前記複数のファンカバーは、鉛直方向に沿って並べて前記筐体に取り付けられている、電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ファンカバー及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2013-222882号公報(特許文献1)には、ルーバ板が記載されている。特許文献1に記載のルーバ板は、板壁と、ルーバ壁とを有している。板壁には、板壁を厚さ方向に貫通している開口が形成されている。ルーバ壁は、開口の上端縁から前方に延在した上で、開口を覆うように下方に延在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のルーバ板では、ルーバ壁に付着した水滴(雨滴等)が、ルーバ壁の下端のどの位置からも落下しうる。そのため、特許文献1に記載のルーバ板では、ルーバ壁に付着した水滴の排出位置を制御することができない。
【0005】
本開示は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本開示は、ルーバに付着した水滴をファンカバーの外側へと排出することが可能なファンカバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のファンカバーは、枠体と、複数の第1ルーバとを備える。枠体は、ファンカバーの前面側を向いている第1面と、第1面の反対面であり、かつファンカバーの背面側を向いている第2面とを有する。第1面及び第2面の法線は、ファンカバーの厚さ方向である第1方向に沿っている。枠体には、枠体を第1方向に沿って貫通している開口が形成されている。複数の第1ルーバは、開口を閉塞するように、第1方向に直交している第2方向に沿って並んで枠体に接続されている。複数の第1ルーバの各々は、第2方向における一方側から第2方向における他方側に向かうにつれてファンカバーの前面側からファンカバーの背面側へ向かうように傾斜しており、かつ第1方向及び第2方向に直交している第3方向における一方側から第3方向における他方側に向かうにつれてファンカバーの前面側からファンカバーの背面側へ向かうように傾斜している。複数の第1ルーバの各々は、第1本体部と、第1本体部の第2方向における一方側の端に連なっている第1先端部とを有する。第1先端部は、第3方向において、第1端と、第1端の反対側の端である第2端とを含む。第2端は、第1端よりも第2方向における一方側にあり、かつ第1端よりも第3方向における他方側にある。第1先端部は、第2端が第1面上に達するように延在している。第1先端部の第2方向に対する傾斜角度は、第1本体部の第2方向に対する傾斜角度よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本開示のファンカバーによると、ルーバに付着した水滴をファンカバーの外側に排出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図1中のIII-IIIにおける断面図である。
【
図6】第2端32b近傍におけるファンカバー100の拡大図である。
【
図7】ファンカバー100の効果を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1に係るファンカバー(「ファンカバー100」とする)を説明する。
【0011】
(ファンカバー100の構成)
以下に、ファンカバー100の構成を説明する。
【0012】
図1は、ファンカバー100の正面図である。
図2は、
図1中のII-IIにおける断面図である。
図3は、
図1中のIII-IIIにおける断面図である。
図4は、ファンカバー100の正面斜視図である。
図5は、ファンカバー100の背面斜視図である。
図1~
図5に示されるように、ファンカバー100は、枠体10と、支柱20と、複数のルーバ30と、複数のルーバ40とを有している。ファンカバー100は、例えば、樹脂成形により形成されている。
【0013】
枠体10は、板状であり、第1面10aと第2面10bとを有している。第1面10a及び第2面10bの法線は、第1方向DR1に沿っている。第2面10bは、第1面10aの反対面である。第1面10aはファンカバー100の前面側を向いており、第2面10bはファンカバー100の背面側を向いている。枠体10の外形は、平面視において、矩形状である。但し、この矩形は、角部が丸まっていてもよい。
【0014】
枠体10には、開口11が形成されている。開口11は、第1方向DR1に沿って枠体10を貫通している。平面視において、開口11は、例えば、八角形状になっている。但し、開口11の平面形状は、これに限られない。開口11は、平面視において、例えば、多角形状又は円形状であってもよい。
【0015】
枠体10には、複数の貫通穴12が形成されている。貫通穴12は、第1方向DR1に沿って枠体10を貫通している。平面視において、貫通穴12は、例えば、平面視において円形状である。平面視において、貫通穴12は、枠体10の角部に形成されている。より具体的には、4つの貫通穴12が、平面視における枠体10の4つの角部のそれぞれに形成されている。
【0016】
第2面10bには、溝13が形成されている。溝13は、平面視において、開口11を取り囲むように形成されている。溝13には、防水パッキンが挿入される。溝13の外周側に連なっている第2面10bの部分10baの第1方向DR1における位置は、貫通穴12の周囲にある第2面10bの部分の第1方向DR1における位置は、一致している。このことを別の観点から言えば、溝13の外周側に連なっている第2面10bの部分10baと貫通穴12の周囲にある第2面10bの部分とは、面一になっている。
【0017】
第2面10bには、リブ14が形成されている。リブ14は、平面視において、開口11を取り囲んでいる。リブ14は、溝13の内周側をなしている。リブ14の先端面の第1方向DR1における位置は、貫通穴12の周囲にある第2面10bの部分よりも、第1方向DR1において突出した位置にある。
【0018】
支柱20は、開口11を横切るように、第2方向DR2に沿って延在している。第2方向DR2は、第1方向DR1に直交している。第2方向DR2は、ファンカバー100が電気機器に取り付けられた状態で、鉛直方向に対応する。ファンカバー100の前面側の支柱20の端面は、第1方向DR1において、第1面10aよりも突出した位置にある。支柱20の第2方向DR2における両端は、第1面10a上にある。
【0019】
支柱20は、側壁21と、側壁22とを有している。側壁21及び側壁22は、平面視において第2方向DR2に沿って延在しており、かつ第3方向DR3において間隔を空けて互いに対向している。第3方向DR3は、第1方向DR1及び第2方向DR2に直交している方向である。支柱20は、さらに、リブ23を有している。リブ23は、第2方向DR2に沿って延在し、かつ側壁21及び側壁22とを有している。但し、支柱20は、中実に形成されてもよい。
【0020】
複数のルーバ30は、開口11を閉塞するように、第2方向DR2に沿って並んで枠体10に接続されている。隣り合う2つのルーバ30の間の間隔は、例えば、一定である。隣り合う2つのルーバ30の間の間隔は、第2方向DR2に沿って変化していてもよい。例えば、隣り合う2つのルーバ30の間の間隔は、第2方向DR2における一方側(
図1中における下側に対応)で狭くなっているとともに、第2方向DR2における他方側(
図1中における上側に対応)で広くなっていてもよい。
【0021】
ルーバ30は、第2方向DR2における一方側から第2方向DR2における他方側に向かうにつれてファンカバー100の前面側からファンカバー100の背面側に向かうように傾斜している。また、ルーバ30は、第3方向DR3における一方側(
図1中における左側に対応)から第3方向DR3における他方側(
図1中における右側に対応)に向かうにつれてファンカバー100の前面側からファンカバー100の背面側に向かうように傾斜している。
【0022】
ルーバ30は、本体部31と、先端部32とを有している。先端部32は、本体部31の第2方向DR2における一方側の端に連なっている。先端部32は、第1端32aと、第2端32bとを有している。第2端32bは、第1端32aの反対側の端である。第2端32bは、第1端32aよりも第2方向DR2における一方側にあり、第1端32aよりも第3方向DR3における他方側にある。先端部32は、第1端32aにおいて支柱20に接続され、かつ第2端32bが第1面10a上にあるように延在している。
【0023】
複数のルーバ30のうちの少なくとも1つの先端部32は、第2端32bが第1面10aの外周縁に達するように延在していることが好ましい。先端部32は、例えば、先端部32の延長線上に貫通穴12がある場合に、第2端32bが第1面10aの外周縁に達するように延在されない。
【0024】
隣り合う2つのルーバ30のうちの一方を、ルーバ30aとする。隣り合う2つのルーバ30のうちの他方を、ルーバ30bとする。ルーバ30bの本体部31の第2方向DR2における他方側の端は、好ましくは、ルーバ30aの先端部32の第2方向DR2における一方側の端と第2方向DR2における位置が一致している。ルーバ30bの本体部31の第2方向DR2における他方側の端部は、第1方向DR1に沿って見た際に、ルーバ30aの先端部32の第2方向DR2における一方側の端部と重なっていてもよい。
【0025】
先端部32の第2方向DR2に対する傾斜角度は、第3方向DR3に直交している断面視において、本体部31の第2方向DR2に対する傾斜角度よりも大きくなっている。このことを別の観点から言えば、先端部32の第2方向DR2に対する傾斜は、本体部31の第2方向DR2に対する傾斜よりも緩やかになっている。
【0026】
複数のルーバ40は、開口11を閉塞するように、第2方向DR2に沿って並んで枠体10に接続されている。隣り合う2つのルーバ40の間の間隔は、例えば、一定である。隣り合う2つのルーバ40の間の間隔は、第2方向DR2に沿って変化していてもよい。例えば、隣り合う2つのルーバ40の間の間隔は、第2方向DR2における一方側で狭くなっているとともに、第2方向DR2における他方側で広くなっていてもよい。
【0027】
ルーバ40は、第2方向DR2における一方側から第2方向DR2における他方側に向かうにつれてファンカバー100の前面側からファンカバー100の背面側に向かうように傾斜している。また、ルーバ40は、第3方向DR3における他方側から第3方向DR3における一方側に向かうにつれてファンカバー100の前面側からファンカバー100の背面側に向かうように傾斜している。
【0028】
ルーバ40は、本体部41と、先端部42とを有している。先端部42は、本体部41の第2方向DR2における一方側の端に連なっている。先端部42は、第3端42aと、第4端42bとを有している。第4端42bは、第3端42aの反対側の端である。第4端42bは、第3端42aよりも第2方向DR2における一方側にあり、第3端42aよりも第3方向DR3における一方側にある。先端部42は、第3端42aにおいて支柱20に接続され、かつ第4端42bが第1面10a上にあるように延在している。
【0029】
複数のルーバ40のうちの少なくとも1つの先端部42は、第4端42bが第1面10aの外周縁に達するように延在していることが好ましい。先端部42は、例えば、先端部42の延長線上に貫通穴12がある場合に、第4端42bが第1面10aの外周縁に達するように延在されない。
【0030】
隣り合う2つのルーバ40のうちの一方を、ルーバ40aとする。隣り合う2つのルーバ40のうちの他方を、ルーバ40bとする。ルーバ40bの本体部41の第2方向DR2における他方側の端は、好ましくは、ルーバ40aの先端部42の第2方向DR2における一方側の端と第2方向DR2における位置が一致している。ルーバ40bの本体部41の第2方向DR2における他方側の端部は、第1方向DR1に沿って見た際に、ルーバ40aの先端部42の第2方向DR2における一方側の端部と重なっていてもよい。
【0031】
先端部42の第2方向DR2に対する傾斜角度は、第3方向DR3に直交している断面視において、本体部41の第2方向DR2に対する傾斜角度よりも大きくなっている。このことを別の観点から言えば、先端部42の第2方向DR2に対する傾斜は、本体部41の第2方向DR2に対する傾斜よりも緩やかになっている。
【0032】
複数のルーバ30及び複数のルーバ40は、例えば、支柱20に関して対称になっている。但し、複数のルーバ30及び複数のルーバ40は、例えば、支柱20に関して非対称になっていてもよい。
図6は、第2端32b近傍におけるファンカバー100の拡大図である。
図6に示されるように、先端部32は、第2端32bにおいて面取りが行われていてもよい。図示されていないが、先端部42も、第4端42bにおいて同様に面取りが行われていてもよい。
【0033】
(ファンカバー100の効果)
以下に、ファンカバー100の効果を説明する。
【0034】
ルーバ30は、第2方向DR2における一方側から第2方向DR2における他方側に向かうにつれてファンカバー100の前面側からファンカバー100の背面側に向かうように傾斜している。そのため、本体部31に付着した雨滴等の水滴は、重力の作用により、本体部31の第2方向DR2における一方側の端に連なっている先端部32へと向かう。
【0035】
先端部32の第2方向DR2に対する傾斜は、本体部31の第2方向DR2に対する傾斜よりも緩やかになっている。そのため、先端部32に達した水滴は、先端部32から落下しにくい。
【0036】
また、ルーバ30が第3方向DR3における一方側から第3方向DR3における他方側に向かうにつれてファンカバー100の前面側からファンカバー100の背面側に向かうように傾斜しているため、先端部32に達した水滴は、重力の作用により、第2端32b側へと向かう。そして、先端部32は第2端32bが第1面10aに達するように延在しているため、先端部32に達した水滴は、ファンカバー100の外側から落下する。このことは、本体部41に付着した水滴に関しても、同様である。
【0037】
第2端32bが第1面10aの外周縁に達するように先端部32が延在しているとともに、第4端42bが第1面10aの害周縁に達するように延在している場合には、水滴をファンカバー100の外側からさらに落下させやすくなる。
【0038】
ファンカバー100は、貫通穴12にねじを挿通するとともに、当該ねじを電気機器の筐体に設けられているねじ穴に螺合ことにより、当該筐体に取り付けられる。この際、溝13内に配置されている防水パッキンが過度に圧縮されることを防止する必要がある。ファンカバー100では、溝13の外周側に連なっている第2面10bの部分10baと貫通穴12の周囲にある第2面10bの部分とが面一になっているため、溝13内に配置されている防水パッキンが過度に圧縮されることが抑制される。
【0039】
支柱20が側壁21及び側壁22を有している場合、支柱20が中実に形成されている場合と比較して、支柱20の実質的な肉厚が減少する。そのため、この場合には、ファンカバー100を樹脂成形する際の支柱20の収縮量を小さくすることができる。ファンカバー100が支柱20を有している場合、支柱20を成形する金型の部分を通して樹脂をその他の部分(例えば、ルーバ30及びルーバ40を成形する金型の部分)に供給することができるため、樹脂成形の効率を高めることができる。
【0040】
図7は、ファンカバー100の効果を説明するための模式図である。ルーバ30bの本体部31の第2方向DR2における他方側の端がルーバ30aの先端部32の第2方向DR2における一方側の端と第2方向DR2における位置が一致しているとともに、ルーバ40bの本体部41の第2方向DR2における他方側の端がルーバ40aの先端部42の第2方向DR2における一方側の端と第2方向DR2における位置が一致している場合、
図7に示されるように、ファンカバー100を樹脂成形する金型を
図6中の点線に沿って分割すれば、金型のスライド構造が不要となる。また、この場合には、ルーバ30aとルーバ30bとの間及びルーバ40aとルーバ40bとの間に空気が通りやすくなるため、ファンカバー100からの放熱性高めることができる。
【0041】
他方で、ルーバ30bの本体部31の第2方向DR2における他方側の端部が第1方向DR1に沿って見た際にルーバ30aの先端部32の第2方向DR2における一方側の端部と重なっているとともに、ルーバ40bの本体部41の第2方向DR2における他方側の端部が第1方向DR1に沿って見た際にルーバ40aの先端部42の第2方向DR2における一方側の端部と重なっている場合には、雨滴等がファンカバー100の取り付けられている電気機器の筐体の内部に入りにくくなる。
【0042】
(変形例)
上記においては、ファンカバー100をねじにより電気機器の筐体に取り付ける例を説明したが、ファンカバー100は、スナップフィット等の嵌合を用いて電気機器の筐体に取り付けられてもよい。
【0043】
実施の形態2.
以下に、実施の形態2に係るファンカバー(「ファンカバー100A」とする)を説明する。ここでは、ファンカバー100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0044】
(ファンカバー100Aの構成)
以下に、ファンカバー100Aの構成を説明する。
【0045】
図8は、ファンカバー100Aの平面図である。
図8に示されるように、ファンカバー100Aは、枠体10と、複数のルーバ30とを有している。この点に関して、ファンカバー100Aの構成は、ファンカバー100の構成と共通している。
【0046】
ファンカバー100Aは、支柱20及び複数のルーバ40を有していない。ファンカバー100Aでは、第1端32aが第1面10a上にあるように、先端部32が延在している。好ましくは、ファンカバー100Aでは、複数のルーバ30のうちの少なくとも1つの先端部32が、第1端32aが第1面10aの外周縁に達するように延在している。これらの点に関して、ファンカバー100Aの構成は、ファンカバー100の構成と異なっている。
【0047】
(ファンカバー100Aの効果)
以下に、ファンカバー100Aの効果を説明する。
【0048】
ファンカバー100Aは、ファンカバー100と同様に複数のルーバ30を有しているため、本体部31に付着した雨滴等の水滴が先端部32へと向かい、第2端32bからファンカバー100Aの外側へと排出される。
【0049】
実施の形態3.
実施の形態3に係るファンカバー(「ファンカバー100B」とする)を説明する。ここでは、ファンカバー100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0050】
(ファンカバー100Bの構成)
以下に、ファンカバー100Bの構成を説明する。
【0051】
図9は、ファンカバー100Bの平面図である。
図9に示されるように、ファンカバー100Bは、枠体10と、支柱20と、複数のルーバ30と、複数のルーバ40とを有している。この点に関して、ファンカバー100Bの構成は、ファンカバー100の構成と共通している。
【0052】
ファンカバー100Bでは、第1面10aに、複数の溝15及び溝16が形成されている。溝15は、第1面10a上にある先端部32の部分に第2方向DR2における他方側から接している。溝15は、先端部32とともに、第1面10aの外周縁に達するように延在していることが好ましい。溝16は、第1面10a上にある先端部42の部分に第2方向DR2における他方側から接している。溝16は、先端部42とともに、第1面10aの外周縁に達するように延在していることが好ましい。これらの点に関して、ファンカバー100Bの構成は、ファンカバー100の構成と異なっている。
【0053】
(ファンカバー100Bの効果)
以下に、ファンカバー100Bの効果を説明する。
【0054】
ファンカバー100Bでは、第1面10aにある先端部32の部分に第2方向DR2における他方側から接するように溝15が形成されているとともに、第1面10aにある先端部42の部分に第2方向DR2における他方側から接するように溝16が形成されている。そのため、ファンカバー100Bでは、ルーバ30に付着した水滴が溝15を通ってファンカバー100Bの外側から落下しやすく、ルーバ40に付着した水滴が溝16を通ってファンカバー100Bの外側から落下しやすい。
【0055】
実施の形態4.
実施の形態4に係るファンカバー(「ファンカバー100C」とする)を説明する。ここでは、ファンカバー100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0056】
(ファンカバー100Cの構成)
以下に、ファンカバー100Cの構成を説明する。
【0057】
図10は、ファンカバー100Cの平面図である。
図10に示されるように、ファンカバー100Cは、枠体10と、支柱20と、複数のルーバ30と、複数のルーバ40とを有している。この点に関して、ファンカバー100Cの構成は、ファンカバー100の構成と共通している。
【0058】
ファンカバー100Bでは、第1面10aにリブ17が形成されている。リブ17は、第1面10aから第1方向DR1に沿って立ち上がっている。リブ17は、平面視において、開口11を取り囲んでいる。リブ17には、複数の切り欠き17a及び複数の切り欠き17bが形成されている。切り欠き17a及び切り欠き17bは、リブ17の内周側からリブ17の外周側に向かう方向に沿って、リブ17を貫通している。
【0059】
先端部32及び先端部42は、それぞれ、切り欠き17a及び切り欠き17bを通過している。なお、リブ17は、第2方向DR2における他方側から先端部32に接続していないが、第2方向DR2における一方側から先端部32に接続していてもよい。また、リブ17は、第2方向DR2における他方側から先端部42に接続していないが、第2方向DR2における一方側から先端部42に接続していてもよい。支柱20は、第2方向DR2における両端において、リブ17に接続されていてもよい。これらの点に関して、ファンカバー100Cの構成は、ファンカバー100の構成と異なっている。
【0060】
(ファンカバー100Cの効果)
以下に、ファンカバー100Cの効果を説明する。
【0061】
ファンカバー100Cでは、第1面10aにリブ17が形成されているため、ファンカバー100Cの剛性が高められている。また、ファンカバー100Cでは、先端部32及び先端部42がそれぞれ切り欠き17a及び切り欠き17bを通過しているため、リブ17は、水滴が先端部32上及び先端部42上を移動してファンカバー100Cの外側から排出されることの妨げにはならない。このように、ファンカバー100Cによると、剛性を向上させつつ、ファンカバー100Cの外側から水滴を落下させることができる。
【0062】
実施の形態5.
実施の形態5に係る電気機器(「電気機器200」とする)を説明する。
【0063】
(電気機器200の構成)
以下に、電気機器200の構成を説明する。
【0064】
図11は、電気機器200の側面図である。
図11に示されるように、電気機器200は、筐体210を有している。図示されていないが、筐体210の内部には、サーボアンプ、インバータ等が配置されている。但し、筐体210の内部に配置されている装置は、これらに限られない。
【0065】
筐体210の側壁には、複数のファンカバー100が取り付けられている。なお、電気機器200では、ファンカバー100に代えて、ファンカバー100A、ファンカバー100B又はファンカバー100Cが用いられてもよい。ファンカバー100は、第2方向DR2における一方側が鉛直下方に一致するとともに、第2方向DR2における他方側が鉛直上方に一致するように、筐体210の側壁に取り付けられている。複数のファンカバー100は、鉛直方向に沿って並んでいる。
【0066】
(電気機器200の効果)
以下に、電気機器200の効果を説明する。
【0067】
ファンカバー100のうちの1つをファンカバー100aとし、ファンカバー100aの鉛直下方にあるファンカバー100のうちの他の1つをファンカバー100bとする。ファンカバー100aの複数のルーバ30及び複数のルーバ40に付着した水滴は、ファンカバー100bの外側に落下する。そのため、ファンカバー100aの複数のルーバ30及び複数のルーバ40に付着した水滴は、ファンカバー100bに付着しがたい。
【0068】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であり、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の基本的な範囲は、上記の実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
10 枠体、10a 第1面、10b 第2面、11 開口、12 貫通穴、13 溝、14 リブ、15,16 溝、17 リブ、17a,17b 切り欠き、20 支柱、21,22 側壁、23 リブ、30,30a,30b ルーバ、31 本体部、32 先端部、32a 第1端、32b 第2端、40,40a,40b ルーバ、41 本体部、42 先端部、42a 第3端、42b 第4端、100,100A,100B,100C,100a,100b ファンカバー、200 電気機器、210 筐体、DR1 第1方向、DR2 第2方向、DR3 第3方向。