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特許7565864太陽電池装置および排水部材付き太陽電池モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】太陽電池装置および排水部材付き太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/10 20140101AFI20241004BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20241004BHJP
   H02S 20/10 20140101ALI20241004BHJP
【FI】
H02S40/10
H02S20/23 B
H02S20/10 T
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021089255
(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公開番号】P2022181988
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 恵司
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/168440(WO,A1)
【文献】特開2006-332286(JP,A)
【文献】特開2006-120959(JP,A)
【文献】特開2015-060888(JP,A)
【文献】特開2018-007535(JP,A)
【文献】実開平04-130457(JP,U)
【文献】特開2002-094100(JP,A)
【文献】特開2018-186667(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0147362(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104362948(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H02S 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールを支持している支持部と、前記太陽電池モジュールを前記支持部に固定している固定部と、を備え、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルを含み、
該太陽電池パネルの受光面は、該受光面に沿って第1方向に進むにつれて下方に進むように水平に対して傾斜しており、
前記固定部は、前記第1方向とは逆の第2方向に延びており且つ前記太陽電池モジュールの前記受光面側の第1面のうちの前記第1方向の端に沿った第1端部領域を押圧している状態で位置していることで前記支持部との間で前記太陽電池モジュールを挟持している第1部分、を含む固定部材、を有し、
該固定部材は、第1領域と第2領域とを含む第1間隙、を有し、
前記第1面の法線に沿った該第1面に向かう第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第1領域は、前記第1部分のうちの前記第2方向の先端から前記第1面における前記第1方向の縁部上まで延びており且つ前記第1面を露出させるように位置しており、前記第2領域は、前記縁部上で前記第1領域に接続しており且つ前記太陽電池モジュールよりも前記第1方向の領域が見えるように前記第1部分を貫通している状態で位置しているか、もしくは前記縁部上で前記第1領域に接続しており且つ前記固定部材の前記第1方向の端縁部まで延びるように位置しており、
前記太陽電池モジュールは、前記太陽電池パネルの端部に沿って位置しているフレーム、を含み、
該フレームは、前記太陽電池パネルの前記端部に嵌合している嵌合部、を含み、
該嵌合部は、前記太陽電池パネルの端面に沿って位置している第1板状部分と、該第1板状部分から前記受光面に沿って突出するように位置している第2板状部分と、前記第1板状部分から前記太陽電池パネルの前記受光面とは逆の裏面に沿って突出するように位置している第3板状部分と、を含み、
前記第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第1領域は、前記第1面の一部を構成している前記第2板状部分を露出させるように位置している、太陽電池装置。
【請求項2】
太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールを支持している支持部と、前記太陽電池モジュールを前記支持部に固定している固定部と、を備え、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルを含み、
該太陽電池パネルの受光面は、該受光面に沿って第1方向に進むにつれて下方に進むように水平に対して傾斜しており、
前記固定部は、前記太陽電池モジュールを前記支持部に固定しており、前記太陽電池モジュールの前記受光面側の第1面のうちの前記第1方向の端に沿った第1端部領域に接する面を有する第1部分を含む固定部材を有し、
該固定部材は、第1領域と第2領域とを含む第1間隙、を有し、
前記第1面の法線に沿った該第1面に向かう第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第1領域は、前記第1部分のうちの前記第1方向とは逆の第2方向の先端から前記第1面における前記第1方向の縁部上まで延びており且つ前記第1面を露出させるように位置しており、前記第2領域は、前記縁部上で前記第1領域に接続しており且つ前記太陽電池モジュールよりも前記第1方向の領域が見えるように前記第1部分を貫通している状態で位置しているか、もしくは前記縁部上で前記第1領域に接続しており且つ前記固定部材の前記第1方向の端縁部まで延びるように位置しており、
前記太陽電池モジュールは、前記太陽電池パネルの端部に沿って位置しているフレーム、を含み、
該フレームは、前記太陽電池パネルの前記端部に嵌合している嵌合部、を含み、
該嵌合部は、前記太陽電池パネルの端面に沿って位置している第1板状部分と、該第1板状部分から前記受光面に沿って突出するように位置している第2板状部分と、前記第1板状部分から前記太陽電池パネルの前記受光面とは逆の裏面に沿って突出するように位置している第3板状部分と、を含み、
前記第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第1領域は、前記第1面の一部を構成している前記第2板状部分を露出させるように位置している、太陽電池装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の太陽電池装置であって、
前記第2板状部分は、前記第1板状部分とは逆側の先端部分に向かって前記受光面に近づくように厚さが小さくなっている傾斜部分、を含み、
前記第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第1部分は、前記傾斜部分の少なくとも一部を覆うように位置している、太陽電池装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の太陽電池装置であって、
前記受光面のうちの少なくとも前記第2板状部分に沿った領域には、撥水性の膜が位置している、太陽電池装置。
【請求項5】
請求項から請求項4の何れか1つの請求項に記載の太陽電池装置であって、
前記フレームは、前記第2板状部分のうちの前記第1板状部分とは逆側の先端部分から前記第1板状部分の前記第1方向の端縁部まで位置している第2間隙、を有し、
前記第3方向に前記固定部材および前記フレームを平面視したときに、前記第1間隙の少なくとも一部は、前記第2間隙の少なくとも一部と重なるように位置している、太陽電池装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか1つの請求項に記載の太陽電池装置であって、
前記固定部材は、前記第1部分から前記太陽電池モジュールの端面に沿って前記第3方向へ突出するように位置している突出部分、を含み、
前記第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第2領域は、前記第1部分のうちの前記第1方向において前記突出部分よりも前記太陽電池モジュールから離れた部分に至るまで位置しているか、または前記突出部分まで位置している、太陽電池装置。
【請求項7】
太陽電池モジュールと、排水部材と、を備え、
前記太陽電池モジュールは、受光面を有する太陽電池パネルを含み、
前記排水部材は、前記太陽電池モジュールの受光面側の第1面のうちの第1方向の端に沿った第2端部領域に接しており且つ前記第1方向とは逆の第2方向に延びるように位置している第2部分、を含むとともに、第3間隙、を有し、
該第3間隙は、第3領域と、第4領域と、を含み、
前記第1面の法線に沿った該第1面に向かう第3方向に前記排水部材を平面視したときに、前記第3領域は、前記第2部分のうちの前記第2方向の先端から前記第1面における前記第1方向の縁部上まで延びており且つ前記第1面を露出させるように位置しており、前記第4領域は、前記縁部上で前記第3領域に接続しており且つ前記太陽電池モジュールよりも前記第1方向の領域が見えるように前記第2部分を貫通している状態で位置しているか、もしくは前記縁部上で前記第3領域に接続しており且つ前記排水部材の前記第1方向の端縁部まで延びるように位置しており、
前記太陽電池モジュールは、前記太陽電池パネルの端部に沿って位置しているフレーム、を含み、
該フレームは、前記太陽電池パネルの前記端部に嵌合している嵌合部、を含み、
該嵌合部は、前記太陽電池パネルの端面に沿って位置している第1板状部分と、該第1板状部分から前記受光面に沿って突出するように位置している第2板状部分と、前記第1板状部分から前記太陽電池パネルの前記受光面とは逆の裏面に沿って突出するように位置している第3板状部分と、を含み、
前記第3方向に前記排水部材を平面視したときに、前記第3領域は、少なくとも前記第1面の一部を構成している前記第2板状部分を露出させるように位置している、排水部材付き太陽電池モジュール。
【請求項8】
請求項に記載の排水部材付き太陽電池モジュールであって、
前記第2板状部分は、前記第1板状部分とは逆側の先端部分に向かって前記受光面に近づくように厚さが小さくなっている傾斜部分、を含み、
前記第3方向に前記排水部材を平面視したときに、前記第2部分は、前記傾斜部分の少なくとも一部を覆うように位置している、排水部材付き太陽電池モジュール。
【請求項9】
請求項または請求項に記載の排水部材付き太陽電池モジュールであって、
前記受光面のうちの少なくとも前記第2板状部分に沿った領域には、撥水性の膜が位置している、排水部材付き太陽電池モジュール。
【請求項10】
請求項から請求項の何れか1つの請求項に記載の排水部材付き太陽電池モジュールであって、
前記フレームは、前記第2板状部分のうちの前記第1板状部分とは逆側の先端部分から前記第1板状部分の前記第1方向の端縁部まで位置している第4間隙、を有し、
前記第3方向に前記排水部材および前記フレームを平面視したときに、前記第3間隙の少なくとも一部は、前記第4間隙の少なくとも一部と重なるように位置している、排水部材付き太陽電池モジュール。
【請求項11】
請求項7から請求項10の何れか1つの請求項に記載の排水部材付き太陽電池モジュールと、
該排水部材付き太陽電池モジュールを支持している支持部と、
前記排水部材付き太陽電池モジュールを前記支持部に固定している固定部と、を備えている、太陽電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽電池装置および排水部材付き太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池装置には、例えば、住宅の屋根またはビルの屋上などの設置場所に、固定手段で太陽電池モジュールを固定したものがある(例えば、特許文献1の記載を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-94453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽電池装置および太陽電池モジュールについては、太陽電池モジュールの受光面を汚れにくくする点で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
太陽電池装置および排水部材付き太陽電池モジュールが開示される。
【0006】
太陽電池装置の一態様は、太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールを支持している支持部と、前記太陽電池モジュールを前記支持部に固定している固定部と、を備えている。前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルを含む。該太陽電池パネルの受光面は、該受光面に沿って第1方向に進むにつれて下方に進むように水平に対して傾斜している。前記固定部は、第1部分を含む固定部材を有する。前記第1部分は、前記第1方向とは逆の第2方向に延びており且つ前記太陽電池モジュールの前記受光面側の第1面のうちの前記第1方向の端に沿った第1端部領域を押圧している状態で位置していることで前記支持部との間で前記太陽電池モジュールを挟持している。前記固定部材は、第1領域と第2領域とを含む第1間隙、を有する。前記第1面の法線に沿った該第1面に向かう第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第1領域は、前記第1部分のうちの前記第2方向の先端から前記第1面における前記第1方向の縁部上まで延びており且つ前記第1面を露出させるように位置している。前記第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第2領域は、前記縁部上で前記第1領域に接続しており且つ前記太陽電池モジュールよりも前記第1方向の領域が見えるように前記第1部分を貫通している状態で位置しているか、または前記縁部上で前記第1領域に接続しており且つ前記固定部材の前記第1方向の端縁部まで延びるように位置している。前記太陽電池モジュールは、前記太陽電池パネルの端部に沿って位置しているフレーム、を含む。該フレームは、前記太陽電池パネルの前記端部に嵌合している嵌合部、を含む。該嵌合部は、前記太陽電池パネルの端面に沿って位置している第1板状部分と、該第1板状部分から前記受光面に沿って突出するように位置している第2板状部分と、前記第1板状部分から前記太陽電池パネルの前記受光面とは逆の裏面に沿って突出するように位置している第3板状部分と、を含む。前記第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第1領域は、前記第1面の一部を構成している前記第2板状部分を露出させるように位置している。
太陽電池装置の一態様は、太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールを支持している支持部と、前記太陽電池モジュールを前記支持部に固定している固定部と、を備えている。前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルを含む。該太陽電池パネルの受光面は、該受光面に沿って第1方向に進むにつれて下方に進むように水平に対して傾斜している。前記固定部は、前記太陽電池モジュールを前記支持部に固定しており、第1部分を含む、固定部材を有する。前記第1部分は、前記太陽電池モジュールの前記受光面側の第1面のうちの前記第1方向の端に沿った第1端部領域に接する面を有する。前記固定部材は、第1領域と第2領域とを含む第1間隙、を有する。前記第1面の法線に沿った該第1面に向かう第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第1領域は、前記第1部分のうちの前記第1方向とは逆の第2方向の先端から前記第1面における前記第1方向の縁部上まで延びており且つ前記第1面を露出させるように位置している。前記第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第2領域は、前記縁部上で前記第1領域に接続しており且つ前記太陽電池モジュールよりも前記第1方向の領域が見えるように前記第1部分を貫通している状態で位置しているか、または前記縁部上で前記第1領域に接続しており且つ前記固定部材の前記第1方向の端縁部まで延びるように位置している。前記太陽電池モジュールは、前記太陽電池パネルの端部に沿って位置しているフレーム、を含む。該フレームは、前記太陽電池パネルの前記端部に嵌合している嵌合部、を含む。該嵌合部は、前記太陽電池パネルの端面に沿って位置している第1板状部分と、該第1板状部分から前記受光面に沿って突出するように位置している第2板状部分と、前記第1板状部分から前記太陽電池パネルの前記受光面とは逆の裏面に沿って突出するように位置している第3板状部分と、を含む。前記第3方向に前記固定部材を平面視したときに、前記第1領域は、前記第1面の一部を構成している前記第2板状部分を露出させるように位置している。
【0007】
排水部材付き太陽電池モジュールの一態様は、太陽電池モジュールと、排水部材と、を備えている。前記太陽電池モジュールは、受光面を有する太陽電池パネルを含む。前記排水部材は、第2部分、を含むとともに、第3間隙、を有する。前記第2部分は、前記太陽電池モジュールの受光面側の第1面のうちの第1方向の端に沿った第2端部領域に接しており且つ前記第1方向とは逆の第2方向に延びるように位置している。前記第3間隙は、第3領域と、第4領域と、を含む。前記第1面の法線に沿った該第1面に向かう第3方向に前記排水部材を平面視したときに、前記第3領域は、前記第2部分のうちの前記第2方向の先端から前記第1面における前記第1方向の縁部上まで延びており且つ前記第1面を露出させるように位置している。前記第3方向に前記排水部材を平面視したときに、前記第4領域は、前記縁部上で前記第3領域に接続しており且つ前記太陽電池モジュールよりも前記第1方向の領域が見えるように前記第2部分を貫通している状態で位置しているか、または前記縁部上で前記第3領域に接続しており且つ前記排水部材の前記第1方向の端縁部まで延びるように位置している。前記太陽電池モジュールは、前記太陽電池パネルの端部に沿って位置しているフレーム、を含む。該フレームは、前記太陽電池パネルの前記端部に嵌合している嵌合部、を含む。該嵌合部は、前記太陽電池パネルの端面に沿って位置している第1板状部分と、該第1板状部分から前記受光面に沿って突出するように位置している第2板状部分と、前記第1板状部分から前記太陽電池パネルの前記受光面とは逆の裏面に沿って突出するように位置している第3板状部分と、を含む。前記第3方向に前記排水部材を平面視したときに、前記第3領域は、少なくとも前記第1面の一部を構成している前記第2板状部分を露出させるように位置している。

【0008】
太陽電池装置の一態様は、上記一態様の排水部材付き太陽電池モジュールと、該排水部材付き太陽電池モジュールを支持している支持部と、前記排水部材付き太陽電池モジュールを前記支持部に固定している固定部と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
例えば、太陽電池モジュールの受光面が汚れにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態に係る太陽電池装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2図2は、図1の太陽電池装置のII部の構成の一例を示す拡大図である。
図3図3は、図1の太陽電池装置のII部をIII-III線に沿って仮想的に切断した構成を示す斜視図である。
図4図4は、図1の太陽電池装置のII部の構成の一例を示す平面図である。
図5図5は、図1の太陽電池装置のII部における受光面上からの排水態様の一例を示す図である。
図6図6は、図5のVI-VI線に沿った箇所における水面の高さの変化の一例を模式的に示す図である。
図7図7は、図1の太陽電池装置のII部のIII-III線に沿った仮想的な断面の一例を示す断面図である。
図8図8は、図1の太陽電池装置のII部のIII-III線に沿った仮想的な断面の一例を示す断面図である。
図9図9は、第1実施形態の一具体例に係る太陽電池装置を示す斜視図である。
図10図10は、第1実施形態の一具体例に係る太陽電池装置における第1固定部材を示す斜視図である。
図11図11は、第1実施形態の一具体例に係る太陽電池装置におけるフレームの断面を示す図である。
図12図12は、一具体例に係る太陽電池装置のII部の第1タイミングにおける受光面上からの着色水の排水状態を模式的に示す図である。
図13図13は、一具体例に係る太陽電池装置のII部の第2タイミングにおける受光面上からの着色水の排水状態を模式的に示す図である。
図14図14は、一具体例に係る太陽電池装置のII部の第3タイミングにおける受光面上からの着色水の排水状態を模式的に示す図である。
図15図15は、一具体例に係る太陽電池装置のII部の第4タイミングにおける受光面上からの着色水の排水状態を模式的に示す図である。
図16図16は、第2実施形態に係る太陽電池装置における図1のII部のIII-III線に沿った仮想的な断面に対応する断面の一例を示す断面図である。
図17図17は、第3実施形態に係る太陽電池装置における図1のII部に対応する部分の構成の一例を示す平面図である。
図18図18は、第4実施形態に係る太陽電池装置における図1のII部に対応する部分における太陽電池モジュールの構成の一例を示す斜視図である。
図19図19は、第4実施形態に係る太陽電池装置における図1のII部に対応する部分の構成の一例を示す平面図である。
図20図20は、第5実施形態に係る太陽電池装置における図1のII部に対応する部分の構成の一例を示す平面図である。
図21図21は、第6実施形態に係る太陽電池装置における図1のII部に対応する部分の構成の一例を示す斜視図である。
図22図22は、第6実施形態に係る太陽電池装置における図1のII部に対応する部分の構成の一例を示す平面図である。
図23図23は、第7実施形態に係る太陽電池装置における図1のII部に対応する部分の構成の一例を示す斜視図である。
図24図24は、第8実施形態に係る太陽電池装置の外観の一例を示す斜視図である。
図25図25は、図24の太陽電池装置のXXV部の構成の一例を示す拡大図である。
図26図26は、図24の太陽電池装置のXXV部の構成の一例を示す平面図である。
図27図27は、図24の太陽電池装置のXXV部の構成の一変形例を示す平面図である。
図28図28は、図26の太陽電池装置のXXVIII-XXVIII線に沿った仮想的な断面の一例を示す断面図である。
図29図29は、図24の太陽電池装置のXXV部の構成の一変形例を示す平面図である。
図30図30は、図24の太陽電池装置のXXV部の構成の一変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
太陽電池装置には、例えば、住宅の屋根またはビルの屋上などの設置場所に、固定手段で太陽電池モジュールを固定したものがある。
【0012】
太陽電池モジュールとしては、例えば、板状の太陽電池パネルの端部に沿ってフレームが配されたものが一般的である。また、フレームとしては、例えば、太陽電池パネルの端部が嵌合される嵌合部と、この嵌合部から下垂する平坦な側壁部と、この側壁部の下端からこの側壁部に直交するように延びるフランジ部と、を有し、略コ字状(略C字状ともいう)の断面形状を有するものが市場における主流となっている。
【0013】
このような太陽電池モジュールを有する太陽電池装置では、例えば、太陽電池パネルとフレームとの段差に雨水が溜まる場合がある。そして、太陽電池モジュールの受光面上で雨水が乾燥すると、雨水に含まれている砂塵および泥などが受光面に付着して、太陽電池モジュールの受光面が汚れ得る。その結果、例えば、太陽電池モジュールにおける発電効率が低下し得る。
【0014】
ここで、例えば、太陽電池モジュールの受光面の水平に対する傾斜角度が小さな場合には、太陽電池モジュールの受光面上に雨水が溜まりやすく、太陽電池モジュールの受光面が汚れやすい。また、例えば、フレームを有していないタイプ(フレームレスタイプともいう)の太陽電池モジュールを有する太陽電池装置であっても、太陽電池モジュールの受光面の水平に対する傾斜角度が小さければ、太陽電池モジュールの受光面上において雨水が溜まりやすく、太陽電池モジュールの受光面が汚れやすい場合がある。
【0015】
このため、例えば、太陽電池装置および太陽電池モジュールについては、太陽電池モジュールの受光面を汚れにくくする点で、改善の余地がある。
【0016】
そこで、本開示の発明者は、太陽電池装置および太陽電池モジュールについて、太陽電池モジュールの受光面を汚れにくくすることができる技術を創出した。
【0017】
これについて、以下、各種実施形態を図面に基づいて説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものである。図1から図30には、右手系のXYZ座標系が付されている。このXYZ座標系では、太陽電池パネル21の受光面21uに沿った一方向が+X方向とされ、+X方向に直交する受光面21uに沿った方向が+Y方向とされ、+X方向と+Y方向との両方に直交する受光面の法線方向が+Z方向とされている。
【0018】
<1.第1実施形態>
第1実施形態に係る太陽電池装置1について、図1から図8を参照しつつ説明する。
【0019】
<1-1.太陽電池装置の構成>
図1で示されるように、太陽電池装置1は、例えば、設置対象物9に対して固定されている。設置対象物9としては、例えば、建築物の屋根もしくは建造物の外壁などが採用される。設置対象物9は、例えば、建築物、建造物もしくは地面などに設置された架台であってもよい。太陽電池装置1は、例えば、太陽電池モジュール2と、支持部3と、固定部4と、を備えている。
【0020】
<1-1-1.太陽電池モジュール>
太陽電池モジュール2は、例えば、図1から図4で示されるように、太陽電池パネル21と、フレーム22と、を含む。太陽電池モジュール2は、上方を向いている第1の面(第1面とも上面ともいう)2uと、下方を向いている第2の面(第2面とも下面ともいう)2bと、を有する。
【0021】
<<太陽電池パネル>>
太陽電池パネル21は、例えば、受光面21uを有する。受光面21uは、例えば、太陽電池パネル21のうちの光電変換に用いるための光を主として受光する役割を有する。受光面21uは、例えば、上方もしくは斜め上方を向いており、太陽光などを受光することができる。第1実施形態では、例えば、受光面21uは、平坦な面である。受光面21uは、例えば、仮想的な水平な面(水平面ともいう)に対して傾斜している。受光面21uは、例えば、受光面21uに沿って第1の方向(第1方向ともいう)D1に進むにつれて高さが低くなるように水平に対して傾斜している。換言すれば、受光面21uは、例えば、受光面21uに沿って第1方向D1に進むにつれて下方に進むように水平に対して傾斜している。別の観点から言えば、受光面21uは、例えば、受光面21uに沿って第1方向D1とは逆の第2方向D2に進むにつれて上方に進むように水平に対して傾斜している。第1実施形態では、第1方向D1は、-X方向であり、第2方向D2は、+X方向である。受光面21uは、XY平面に沿った平坦な面である。ここでは、受光面21uと仮想的な水平面とは、例えば、互いに交差し、Y軸に沿った仮想的な回転軸を中心に回転させた関係を有する。仮想的な水平面に対して受光面21uが傾斜している角度(傾斜角度ともいう)は、例えば、1度以上の任意の角度に設定される。例えば、設置対象物9が屋根である場合には、傾斜角度は、屋根の傾斜によって設定され得る。設置対象物9が架台である場合には、例えば、傾斜角度は、架台によって設定されてもよい。仮想的な水平面に対する受光面21uの傾斜角度は、例えば、ダイヤル式角度勾配測定器などで測定され得る。
【0022】
また、太陽電池パネル21は、例えば、受光面21uとは逆の裏面21bを有する。換言すれば、太陽電池パネル21は、例えば、上面としての受光面21uと、下面としての裏面21bと、を有する板状の形状を有している。例えば、受光面21uおよび裏面21bのそれぞれは、XY平面に沿って位置している。受光面21uは、例えば、+Z方向を向いている。裏面21bは、例えば、-Z方向を向いている。XY平面は、仮想的な水平面に対して傾斜している。より具体的には、例えば、受光面21uおよび裏面21bのそれぞれは、矩形状の略平坦な面である。受光面21uおよび裏面21bのそれぞれは、例えば、第1の一対の2辺と、第2の一対の2辺と、を有する。第1の一対の2辺のそれぞれは、例えば、X方向に沿って延びるように位置している。第2の一対の2辺のそれぞれは、例えば、Y方向に沿って延びるように位置している。太陽電池パネル21は、例えば、複数の端面21eを有する。複数の端面21eは、例えば、-X方向を向いた第1の端面21e1と、+X方向を向いた第2の端面と、+Y方向を向いた第3の端面と、-Y方向を向いた第4の端面と、を有する。
【0023】
太陽電池パネル21は、例えば、上面としての受光面21u側から順に、第1保護層と、第1封止層と、光電変換部と、第2封止層と、第2保護層と、端子ボックスと、を備えている。
【0024】
第1保護層は、例えば、光電変換部の受光面21u側に位置している。ここでは、例えば、第1保護層の光電変換部とは逆側の表面が受光面21uを構成している。第1保護層は、例えば、光電変換部の保護と封止とを行う役割を有する。第1保護層は、例えば、特定範囲の波長の光に対する透光性を有する。特定範囲の波長は、例えば、光電変換部が光電変換し得る光の波長を含む。特定範囲の波長に、太陽光のうちの照射強度の高い光の波長が含まれていれば、太陽電池モジュール2の光電変換効率が向上し得る。第1保護層の素材には、例えば、ガラスまたはアクリルもしくはポリカーボネートなどの樹脂が採用されれば、透光性を有する第1保護層が実現され得る。ガラスには、例えば、厚さが2ミリメートル(mm)から5mm程度の白板ガラス、強化ガラスもしくは熱線反射ガラスなどの光透過率の高い材料が採用される。第1保護層は、例えば、板状であってもよいし、フィルム状であってもよい。
【0025】
第1封止層は、例えば、第1保護層と光電変換部との間に位置している。第2封止層は、例えば、光電変換部と第2保護層との間に位置している。換言すれば、第1封止層と第2封止層とが、例えば、光電変換部を覆うように、第1保護層と第2保護層との間に充填された状態にある。第1封止層および第2封止層は、例えば、光電変換部を保持する役割と、光電変換部を封止する役割と、を有する。第1封止層および第2封止層は、例えば、第1保護層と同様に透光性を有する。第1封止層および第2封止層の素材には、例えば、熱硬化性樹脂などが採用される。熱硬化性樹脂は、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)もしくはポリビニルブチラール(PVB)を主成分として含む。熱硬化性樹脂は、架橋剤を含有していてもよい。ここで、主成分とは、含有される比率(含有率ともいう)が最も大きい(高い)成分のことを意味する。
【0026】
光電変換部は、例えば、2次元的にならんでいる複数の太陽電池素子を含む。例えば、光電変換部は、複数の太陽電池ストリングと、これらの複数の太陽電池ストリングのうちの相互に隣り合う太陽電池ストリングの間をそれぞれ電気的に接続している配線材と、を含む。各太陽電池ストリングは、例えば、複数の太陽電池素子と、これらの複数の太陽電池素子のうちの相互に隣り合う太陽電池素子の間をそれぞれ電気的に接続している複数の配線材と、を有する。
【0027】
第2保護層は、例えば、光電変換部の裏面21b側に位置している。ここでは、例えば、第2保護層の光電変換部とは逆側の表面が裏面21bを構成している。第2保護層は、例えば、光電変換部の保護と封止とを行う役割を有する。第2保護層は、例えば、透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。第2保護層には、例えば、柔軟性を有するシート状の部材(シート部材ともいう)もしくは板状の部材などが適用される。シート部材の素材には、例えば、樹脂が適用される。板状の部材の素材、形状および厚さには、例えば、第1保護層の素材、形状および厚さと同様なものが適用される。
【0028】
端子ボックスは、例えば、光電変換部で得られた出力を外部に取り出すことができる。端子ボックスは、例えば、裏面21b上に位置している。端子ボックスは、例えば、シリコンシーラントなどの樹脂が用いられて、裏面21bに固定される。端子ボックスは、例えば、箱体と、端子板と、ケーブルと、を有する。箱体の素材には、例えば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)もしくはポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO樹脂)などが適用される。端子板は、箱体内に位置しており、光電変換部から引き出された配線材が接続されている。ケーブルは、箱体の外部へ電力を導出することができる。
【0029】
<<フレーム>>
フレーム22は、例えば、太陽電池パネル21の端部に沿って位置している。フレーム22は、例えば、太陽電池パネル21を保持するとともに、太陽電池パネル21の外縁部を補強する機能を有する。フレーム22は、太陽電池パネル21の複数の端面21eに沿った複数の部材(フレーム部材ともいう)が連結された構成を有する。例えば、太陽電池パネル21の複数の端面21eのそれぞれに沿って1つのフレーム部材が位置している構成が考えられる。各フレーム部材は、例えば、アルミニウム合金の押し出し成形などで作製され得る。
【0030】
フレーム22は、例えば、太陽電池パネル21の端部に嵌合している部分(嵌合部ともいう)221を含む。嵌合部221は、例えば、第1板状部分221aと、第2板状部分221bと、第3板状部分221cと、を含む。第1板状部分221aは、例えば、太陽電池パネル21の端面21eに沿って位置している。第2板状部分221bは、例えば、第1板状部分221aから受光面21uに沿って突出するように位置している。第3板状部分221cは、例えば、第1板状部分221aから太陽電池パネル21の裏面21bに沿って突出するように位置している。例えば、太陽電池パネル21の第1の端面21e1に沿って位置しているフレーム部材では、第1板状部分221aは、YZ平面に沿った形状を有し、第2板状部分221bは、XY平面に沿った形状を有し、第3板状部分221cは、XY平面に沿った形状を有する。ここでは、例えば、第2板状部分221bと、第1板状部分221aと、第3板状部分221cとが、横向きのU字状(コ字状ともいう)の嵌合部221を構成している。嵌合部221の溝状の部分においては、嵌合部221と太陽電池パネル21の端部との微小な隙間に、例えば、ブチル樹脂などの封止材が充填された状態にある。
【0031】
第1実施形態では、フレーム22は、例えば、側壁部222と、フランジ部223と、を含む。側壁部222は、例えば、嵌合部221から下垂するように位置している板状の部分である。側壁部222は、例えば、第1板状部分221aと一体の板状の部分を構成してもよい。フランジ部223は、例えば、側壁部222の下端から太陽電池パネル21の裏面21bに対向するとともに側壁部222に垂直である方向に突出するように位置している板状の部分である。例えば、太陽電池パネル21の第1の端面21e1に沿って位置しているフレーム部材では、側壁部222は、YZ平面に沿った形状を有する。フランジ部223は、例えば、XY平面に沿った形状を有する。
【0032】
<1-1-2.支持部>
支持部3は、例えば、太陽電池モジュール2を支持している。支持部3は、例えば、太陽電池モジュール2を直接支持していてもよいし、他の部材などを介して太陽電池モジュール2を間接的に支持していてもよい。例えば、設置対象物9が屋根である場合には、支持部3には、屋根上に固定された台座などが適用され得る。例えば、設置対象物9が架台である場合には、支持部3には、架台に固定されたレール部材などが適用され得る。
【0033】
第1実施形態では、支持部3は、複数の台座30を含む。図1で示されるように、複数の台座30は、例えば、4つの台座30を含む。各台座30は、例えば、締結部材もしくは接着剤などを用いて設置対象物9に固定され得る。例えば、4つの台座30は、同様な構成を有する。
【0034】
図2および図3で示されるように、例えば、各台座30には、X方向に貫通する中空部分3spを有する角筒状の部材が適用される。台座30は、例えば、底部31と、一対の側部32と、上部33と、を有する。
【0035】
底部31は、例えば、XY平面に沿った板状の部分である。より具体的には、底部31は、例えば、矩形状の表裏面を有し、X方向に沿った長手方向を有する。矩形状の表裏面のそれぞれは,例えば、第3の一対の2辺と、第4の一対の2辺と、を有する。第3の一対の2辺のそれぞれは、X方向に沿って延びるように位置している。第4の一対の2辺のそれぞれは、Y方向に沿って延びるように位置している。底部31は、例えば、設置対象物9に固定されている。例えば、底部31が有するZ方向にそれぞれ貫通している複数の貫通孔31hに挿通させた木ネジなどの締結部材によって、設置対象物9に底部31を締結させることで、設置対象物9に底部31が固定され得る。
【0036】
一対の側部32は、例えば、第1側部321と、第2側部322と、を含む。第1側部321および第2側部322のそれぞれは、XZ平面に沿った板状の部分である。より具体的には、第1側部321および第2側部322のそれぞれは、例えば、矩形状の表裏面を有し、X方向に沿った長手方向を有する。矩形状の表裏面のそれぞれは、例えば、第5の一対の2辺と、第6の一対の2辺と、を有する。第5の一対の2辺のそれぞれは、X方向に沿って延びるように位置している。第6の一対の2辺のそれぞれは、Z方向に沿って延びるように位置している。第1側部321は、例えば、底部31の-Y方向の端部から上方に向けて突出するように位置している。第2側部322は、例えば、底部31の+Y方向の端部から上方に向けて突出するように位置している。
【0037】
上部33は、例えば、底部31に対向するとともに一対の側部32のそれぞれの上端部から突出するように位置しているフランジ状の部分である。上部33は、例えば、Y方向においてスリット部3slを挟んで位置しているXY平面に沿った一対の板状の部分を有する。
【0038】
<1-1-3.固定部>
固定部4は、例えば、太陽電池モジュール2を支持部3に固定している。第1実施形態では、固定部4は、例えば、複数の固定部材40を含む。各固定部材40は、例えば、太陽電池モジュール2を支持部3に固定している部材(クランプ部材ともいう)である。図1で示されるように、複数の固定部材40は、例えば、4つの固定部材40を含む。各固定部材40は、例えば、ボルトおよびナットなどの締結部材によって、太陽電池モジュール2を台座30に固定している。各固定部材40は、例えば、アルミニウム合金などの金属で構成された金属製の部材(金具ともいう)であってもよいし、樹脂製の部材であってもよい。各固定部材40は、例えば、アルミニウム合金の押し出し成形、もしくは樹脂成形などで作製され得る。4つの固定部材40は、例えば、2つの第1固定部材40aと、2つの第2固定部材40bと、を含む。2つの第1固定部材40aは、同様な構成を有する。2つの第2固定部材40bは、同様な構成を有する。
【0039】
<<第1固定部材>>
図1で示されるように、第1固定部材40aは、例えば、太陽電池モジュール2の第1方向D1(ここでは-X方向)の端部側において、太陽電池モジュール2を支持部3に固定している。図2から図4で示されるように、第1固定部材40aは、例えば、少なくとも第1部分としての押圧部分41を含む。第1実施形態では、第1固定部材40aは、例えば、連結部分42と、ベース部分43と、を含む。また、第1実施形態では、第1固定部材40aは、例えば、突出部分44を含む。ここでは、例えば、第1固定部材40aは、押圧部分41と、連結部分42と、ベース部分43と、突出部分44と、が一体となった部材である。
【0040】
押圧部分41は、例えば、第1方向D1(ここでは-X方向)とは逆の第2方向D2(ここでは+X方向)に延びるように位置している。そして、押圧部分41は、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u側の第1面2uのうち、第1方向D1(ここでは-X方向)の端に沿った領域(第1端部領域ともいう)2uaを押圧している状態で位置している。これにより、例えば、押圧部分41は、支持部3との間で太陽電池モジュール2を挟持している状態にある。また、例えば、押圧部分41のうちの第1端部領域2ua側の面は、第1端部領域2uaに沿って位置しているとともに、第1端部領域2uaに接している状態にある。ここでは、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u側の第1面2uには、太陽電池パネル21の受光面21uおよびフレーム22の上方を向いた面(フレーム上面ともいう)22uが含まれる。第1実施形形態では、例えば、押圧部分41は、XY平面に沿った板状の部分である。より具体的には、例えば、押圧部分41は、X方向に沿って延びるように位置している一対の2つの側面と、Y方向に沿って延びるように位置している1つの先端(第1先端ともいう)41feと、を有する矩形状の上下面を持つ板状の部分である。第1端部領域2uaは、例えば、第1面2uのうちの第1方向D1の端に沿って位置しているフレーム上面22uに含まれる領域である。より具体的には、例えば、第1端部領域2uaは、フレーム22の第1方向D1(ここでは-X方向)の端に沿って位置している第1板状部分221a上の領域である。押圧部分41は、例えば、第1面2uの法線に沿った第1面2uに向かう方向(第3方向ともいう)D3に向けて、第1端部領域2uaを押下している。第1実施形態では、第3方向D3は、-Z方向である。押圧部分41のY方向における幅は、例えば、10mm程度から100mm程度とされる。押圧部分41のZ方向における厚さは、例えば、1mm程度から10mm程度とされる。
【0041】
連結部分42は、例えば、押圧部分41とベース部分43とを連結するように位置している部分である。連結部分42は、例えば、押圧部分41から台座30に向けて延びるように位置している。より具体的には、例えば、連結部分42は、押圧部分41のうちの第1方向D1(ここでは-X方向)の端から台座30上まで延びるように位置している。第1実施形態では、例えば、連結部分42は、YZ平面に沿った板状の部分である。換言すれば、例えば、連結部分42は、押圧部分41のうちの第1方向D1(ここでは-X方向)の端から第3方向D3(ここでは-Z方向)に垂下するように位置している。連結部分42のY方向における幅は、例えば、10mm程度から100mm程度とされる。連結部分42のX方向における厚さは、例えば、1mm程度から10mm程度とされる。
【0042】
ベース部分43は、例えば、台座30上に配置されている部分である。ベース部分43は、例えば、連結部分42から台座30に沿って位置している。第1実施形態では、例えば、ベース部分43は、XY平面に沿った板状の部分である。換言すれば、例えば、ベース部分43は、連結部分42のうちの第3方向D3(ここでは-Z方向)の端から第1方向D1(ここでは-Z方向)に突出するように位置している。ここでは、例えば、押圧部分41と、連結部分42と、ベース部分43とは、一枚の板が、1段の段差部を成すような形状を有する。ベース部分43のY方向における幅は、例えば、10mm程度から100mm程度とされる。ベース部分43のZ方向における厚さは、例えば、1mm程度から10mm程度とされる。
【0043】
突出部分44は、例えば、押圧部分41から太陽電池モジュール2の端面2eに沿って第3方向D3(ここでは-Z方向)へ突出するように位置している。第1実施形態では、例えば、太陽電池モジュール2の端面2eは、フレーム22の外周面22eによって構成されている。突出部分44は、例えば、太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eに当接するように位置している。ここで、太陽電池モジュール2の端面2eは、例えば、太陽電池モジュール2のうちの第1方向D1(ここでは-X方向)に位置している端面である。第1実施形態では、例えば、太陽電池モジュール2の端面2eは、フレーム22の外周面22eのうちの第1方向D1(ここでは-X方向)の端面である。突出部分44のY方向における幅は、例えば、10mm程度から100mm程度とされる。突出部分44のX方向における厚さは、例えば、1mm程度から10mm程度とされる。
【0044】
第1実施形態では、例えば、図3で示されるように、押圧部分41の貫通孔41hに挿通しているボルトB1の雄ネジ部が、台座30のスリット部3slを介して、台座30の中空部分3sp内に配置された部材(留め具ともいう)5の雌ネジ部5hに嵌合している状態にある。ボルトB1の頭部と押圧部分41との間には、例えば、ワッシャーなどの環状の座金Ws1が配されていてもよい。ボルトB1、留め具5および座金Ws1は、例えば、ステンレス鋼などの金属などによって構成され得る。
【0045】
上記構成を有する第1固定部材40aを用いれば、例えば、次のような手順で、台座30に対して太陽電池モジュール2が固定され得る。例えば、まず、台座30の上部33上に太陽電池モジュール2を載置する。次に、例えば、押圧部分41の貫通孔41hに挿通しているボルトB1の雄ネジ部が留め具5の雌ネジ部5hに嵌合しており、ベース部分43と留め具5との間隔が台座30の上部33の厚さよりも大きい状態で、第1固定部材40a、留め具5およびボルトB1を、第2方向D2(ここでは+X方向)に移動させる。このとき、例えば、台座30のスリット部3slにボルトB1が挿通し、台座30の上部33上にベース部分43が位置し、台座30の中空部分3sp内に留め具5が位置している状態とされる。次に、例えば、第1固定部材40a、留め具5およびボルトB1を、第2方向D2(ここでは+X方向)にさらに移動させ、押圧部分41が太陽電池モジュール2の第1端部領域2ua上に位置し、突出部分44が太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eに当接している状態とされる。この状態で、例えば、ボルトB1の頭部と留め具5との間隔が短くなるようにボルトB1が回転されることで、押圧部分41が、太陽電池モジュール2の第1端部領域2uaを押圧している状態となる。これにより、例えば、台座30に対して太陽電池モジュール2が固定され得る。
【0046】
また、第1固定部材40aは、例えば、第1の間隙(第1間隙ともいう)4sを有する。第1間隙4sには、例えば、細長い間隙が適用される。第1間隙4sは、例えば、第1固定部材40aが有するスリット状の部分によって形成されている。第1実施形態では、例えば、第1固定部材40aのうちの押圧部分41が、第1間隙4sを有する。より具体的には、例えば、押圧部分41は、この押圧部分41を第3方向D3(ここでは-Z方向)に貫通している第1間隙4sを有する。第1間隙4sは、例えば、第1の領域(第1領域ともいう)4s1と、第2の領域(第2領域ともいう)4s2と、を含む。ここでは、例えば、第1間隙4sは、太陽電池モジュール2上の第1領域4s1から太陽電池モジュール2上よりも外側の第2領域4s2まで続いている。
【0047】
ここで、例えば、図4で示されるように、第1面2uの法線に沿った該第1面2uに向かう第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aを平面視した場合を想定する。この場合には、第1領域4s1は、例えば、押圧部分41のうちの第2方向D2(ここでは+X方向)の第1先端41feから第1面2uにおける第1方向D1(ここでは-X方向)の縁部2ue上まで延びつつ、第1面2uを露出させるように位置している。第1実施形態では、第1領域4s1は、例えば、第1面2uの一部を構成しているフレーム22の第2板状部分221bを露出させるように位置している。ここでは、例えば、第1領域4s1は、第2方向D2(ここでは+X方向)に開放されており、第3方向D3(ここでは-Z方向)に押圧部分41を貫通するように位置している。また、第2領域4s2は、縁部2ue上で第1領域4s1に接続しており且つ太陽電池モジュール2よりも第1方向D1(ここでは-X方向)の領域が見えるように押圧部分41を貫通している状態で位置している。換言すれば、例えば、第2領域4s2の下方には、太陽電池モジュール2が位置していない。ここでは、例えば、第2領域4s2は、第2方向D2(ここでは+X方向)において第1領域4s1に接続されており、第3方向D3(ここでは-Z方向)に押圧部分41を貫通するように位置している。
【0048】
第1実施形態では、第1間隙4sは、例えば、第1方向D1(ここでは-X方向)に直線状に延びるように位置している。第1間隙4sのY方向における幅は、例えば、1mm程度から10mm程度とされる。第1間隙4sは、例えば、第1固定部材40aがアルミニウム合金の押し出し成形、もしくは樹脂成形などで作製される際に形成されてもよいし、金型を用いた切り落とし加工、もしくは切削加工などによって形成されてもよい。
【0049】
<<第2固定部材>>
図1で示されるように、第2固定部材40bは、例えば、太陽電池モジュール2の第2方向D2(ここでは+X方向)の端部側において、太陽電池モジュール2を支持部3に固定している。第2固定部材40bは、例えば、第1固定部材40aと同様な構成を有する。第1実施形態では、例えば、第2固定部材40bは、第1間隙4sを除いて、第1固定部材40aと同様な構成を有する。また、例えば、第1固定部材40aと、第2固定部材40bとは、YZ平面を基準として面対称の関係を有する。
【0050】
<1-2.第1面上からの排水>
例えば、図5および図6で示されるように、太陽電池モジュール2の第1面2u上に水W0が配される場合を想定する。図5および図6では、水W0に砂地状のハッチングが付されている。この場合には、例えば、太陽電池パネル21の受光面21uとフレーム22との間に形成される段差部2sに水が溜まりやすい。また、例えば、仮想的な水平面に対して受光面21uが傾斜している角度(傾斜角度)が小さければ、図5の細い二点鎖線の矢印で示されるように、太陽電池モジュール2の第1面2u上から端面2eとしてのフレーム22の外周面22eを介して水W0が流れ落ちることもあるが、太陽電池モジュール2の第1面2u上に水W0がとどまりやすい傾向がある。
【0051】
これに対して、第1実施形態では、例えば、第1固定部材40aにおける第1間隙4sの存在によって、毛細管現象などの作用で、第1面2u上からの水W0の排水が促進され得る。毛細管現象は、一般的に、例えば、細い管を水面に立てたときに、管内の水位が管外の水面よりも高くなる現象であることが知られている。そして、同様な現象は、狭い隙間を形成している対向している2面の間においても生じ得る。そして、毛細管現象は、例えば、水の表面張力、被濡れ素材の濡れやすさとしての水の被濡れ素材への付着力、および水同士が引き合う力としての凝集力によって生じ得る。
【0052】
例えば、第1固定部材40aに第1間隙4sが存在していれば、図6で示されるように、太陽電池モジュール2の第1面2u上のうち、第1固定部材40aの第1間隙4sを形成している対向する2つの内壁面Sw1の間の溝状の部分(水路部分ともいう)Gr1では、他の部分よりも、毛細管現象によって水位が大きく上昇し得る。他の部分には、例えば、フレーム上面22u上のうち、第1固定部材40aから離れた部分、第1固定部材40aの+Y方向および-Y方向の端面Sw2に近接した部分などが含まれる。
【0053】
また、例えば、水同士は、凝集力によって引き合い、水が連続して存在している状態を保持しようとする。ここで、第1実施形態では、例えば、第1間隙4sによって形成される水路部分Gr1は、太陽電池モジュール2上の第1領域4s1から太陽電池モジュール2上よりも外側の第2領域4s2まで続いている。このため、例えば、太陽電池モジュール2の第1面2u上の水W0は、第1領域4s1から第2領域4s2に至るまで導かれ、第2領域4s2において重力によって落下し得る。そして、例えば、水路部分Gr1において、太陽電池モジュール2上から第1領域4s1および第2領域4s2を経て重力によって落下する水W0の流れF0が一旦生じると、その水W0の流れF0が、水W0の凝集力によって維持され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上で乾燥する水W0の量が減少し、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0054】
第1実施形態では、例えば、太陽電池パネル21の受光面21uとフレーム22との間に形成される段差部2sにおいて、水W0が丸味を帯びて溜まりやすい。このような場合であっても、例えば、水路部分Gr1において、太陽電池モジュール2上から第1領域4s1および第2領域4s2を経て重力によって落下する水W0の流れF0が一旦生じると、その水W0の流れF0が、水W0の凝集力によって維持され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。また、例えば、仮に太陽電池モジュール2上の水W0の水位が低くなっても、水W0の付着力による影響が及び且つ水W0の凝集力による水の連続性が維持される範囲内で、太陽電池モジュール2上から第1間隙4sを経由した排水が継続され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上で乾燥する水W0の量が減少し、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0055】
また、例えば、第1固定部材40aの第1間隙4sは上方に向けて開放されており、雨水が自然落下の運動エネルギーを有する状態で第1間隙4s内に衝突しやすい。これにより、例えば、仮に第1間隙4s内に砂塵および泥などの汚れが存在していても、第1間隙4s内の砂塵および泥などの汚れが雨水によって洗い流されやすい。その結果、例えば、第1間隙4sが汚れで詰まることで第1間隙4sによる排水の促進が阻害される不具合が生じにくい。
【0056】
また、例えば、第1固定部材40aの第1間隙4sは上方に向けて開放されており、太陽電池装置1の外部から第1間隙4s内の視認が容易である。これにより、例えば、流水およびブラッシングなどによる第1間隙4sの清掃も容易であり、太陽電池装置1のメンテナンスが容易となり得る。
【0057】
ここで、例えば、図7で示されるように、フレーム22において、第2板状部分221bは、第1板状部分221aとは逆側の第2板状部分221bの先端部分Ef1側の端部に傾斜部分Sl1を有していてもよい。傾斜部分Sl1には、例えば、先端部分Ef1に向かって受光面21uに近づくように厚さが小さくなっている部分が適用される。そして、例えば、図4で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aを平面視したときに、第1部分としての押圧部分41が、傾斜部分Sl1の少なくとも一部を覆うように位置していてもよい。
【0058】
このような構成が採用されれば、例えば、図8で示されるように、傾斜部分Sl1によって、第1間隙4sとフレーム22とが接する角部C1に存在する微細な隙間に毛細管現象で水W0が引き込まれて生じる水膜に、段差部2sに溜まった水W0が接触しやすくなる。これにより、例えば、段差部2sに溜まった水W0が、水の凝集力によって第1間隙4sに引き込まれやすくなり、段差部2sから第1領域4s1および第2領域4s2を経て重力によって落下する水の流れが生じやすくなる。このため、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上で乾燥する水W0の量が減少し、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0059】
また、ここで、例えば、図4および図7で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aを平面視したときに、第2領域4s2が、突出部分44まで位置していてもよい。ここでは、例えば、突出部分44の第3方向D3(ここでは-Z方向)の上端から下端までスリット状に第2領域4s2が延びている態様が考えられる。このような構成が採用されれば、例えば、太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eに突出部分44を当接させた状態で、第1固定部材40aによって太陽電池モジュール2を支持部3に固定することで、第2領域4s2の重力方向の開口部分が太陽電池モジュール2によって塞がれにくくなる。これにより、例えば、第1固定部材40aの第1間隙4sによって形成される太陽電池モジュール2上からの排水経路が塞がらないように、太陽電池モジュール2を支持部3に固定する作業を容易に実行することができる。また、例えば、図8で示されるように、第2領域4s2が突出部分44にまで位置していることで、突出部分44における第2領域4s2と太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eとが接する角部C2に存在する微細な隙間に毛細管現象で水が引き込まれて水膜が生じる。これにより、例えば、この水膜に第1領域4s1に流れ込んだ水W0が接触することで、水の凝集力によって突出部分44における第2領域4s2へ水が引き込まれやすくなり、受光面21u上から第1領域4s1および第2領域4s2を経て重力によって落下する水の流れがさらに生じやすくなる。このため、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上で乾燥する水W0の量が減少し、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0060】
<1-3.第1面上からの排水態様の一具体例>
ここで、第1実施形態に係る太陽電池装置1を用いて太陽電池モジュール2の上面としての第1面2u上からの排水態様について観察した結果の一例について説明する。また、第1実施形態に係る太陽電池装置1を基礎として第1固定部材40aに第1間隙4sを設けなかった一参考例に係る太陽電池装置を用いて太陽電池モジュール2の上面としての第1面2u上からの排水態様について観察した結果の一例を参考例として説明する。
【0061】
<1-3-1.一具体例に係る太陽電池装置>
ここでは、第1実施形態に係る太陽電池装置1として、図9から図11で示されるような構成を有する一具体例に係る太陽電池装置1を用いた。
【0062】
具体的には、図9で示されるように、第1方向D1(ここでは-X方向)における長さL1が990mmであり、Y方向における幅W1が1680mmである太陽電池モジュール2を用いた。太陽電池パネル21の受光面21uを平坦なガラスの表面とした。仮想的な水平面に対して受光面21uが傾斜している角度(傾斜角度)θを2度とした。フレーム22の第1方向D1(ここでは-X方向)の端部に位置する2箇所を2つの第1固定部材40aによって2つの台座30に固定し、フレーム22の第2方向D2(ここでは+X方向)の端部に位置する2箇所を2つの第2固定部材40bによって2つの台座30に固定することで、太陽電池モジュール2を支持部3に固定した。2つの第1固定部材40aのY方向にける間隔G1を1280mmとした。2つの第2固定部材40bのY方向における間隔を1280mmとした。フレーム22の素材は、アルミニウム合金であった。フレーム22の表面は、アルマイト処理が施された上にアクリル系塗料によるクリアコートが形成された状態を有していた。
【0063】
図10で示されるように、第1固定部材40aのY方向における幅W2を80mmとした。第1固定部材40aの厚さT1を3.5mmとした。押圧部分41のうちの突出部分44よりも第2方向D2(ここでは+X方向)に突出している部分の長さL3aを10mmとした。押圧部分41のY方向における中央に、突出部分44にまで存在している第1間隙4sを設けた。第1間隙4sの第1方向D1(ここでは-X方向)における長さL3を14mmとした。第1間隙4sのY方向における幅W3を4.5mmとした。第2固定部材40bを、第1固定部材40aにおいて第1間隙4sが存在していない構成および寸法を有する部材とした。第1固定部材40aおよび第2固定部材40bの各素材は、アルミニウム合金であった。第1固定部材40aおよび第2固定部材40bの表面は、端面以外の部分には、アルマイト処理が施された上にアクリル系塗料によるクリアコートが形成された状態を有していた。
【0064】
図11で示されるように、フレーム上面22uの平坦な部分の第2方向D2(ここでは+X方向)における長さL4aを7mmとした。第2板状部分221bの先端部分Ef1側に位置している傾斜部分Sl1の第2方向D2(ここでは+X方向)における長さL4bを3mmとした。このため、フレーム上面22uの第2方向D2(ここでは+X方向)における長さL4を10mmとした。第2板状部分221bのうち、平坦なフレーム上面22uを構成している部分の第3方向D3(ここでは-Z方向)における厚さT2を1.6mmとし、先端部分Ef1の第3方向D3(ここでは-Z方向)における厚さT3を1mmとした。第2板状部分221bの第3方向D3(-Z方向)を向いた面(下面)と、太陽電池パネル21の受光面21uとの間には、0.1mm程度の厚さのブチル樹脂が介在していた。
【0065】
また、第1固定部材40aの突出部分44は、太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eに当接しており、第1固定部材40aの押圧部分41の第3方向D3(-Z方向)を向いた面(下面)は、フレーム上面22uの平坦な部分に当接していた。このため、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aを平面視したときに、第2方向D2(ここでは+X方向)における、押圧部分41の第1先端41feの位置と第2板状部分221bの先端部分Ef1の位置とが略一致するように、押圧部分41が第2板状部分221bを覆っていた。このため、第1間隙4sのうち、第1領域4s1の第1方向D1(ここでは-X方向)における長さが10mmであり、第2領域4s2の第1方向D1(ここでは-X方向)における長さが4mmであった。
【0066】
<1-3-2.一参考例に係る太陽電池装置>
一参考例に係る太陽電池装置としては、上述した一具体例に係る太陽電池装置1を基礎として第1固定部材40aの代わりに第1間隙4sを有していない第2固定部材40bが採用された構成を有する太陽電池装置を用いた。
【0067】
<1-3-3.排水態様の観察条件>
図9で示されるように、一具体例に係る太陽電池装置1を屋外に設置して、受光面21u上のうちの1つの第1固定部材40aから第2方向D2(ここでは+X方向)に約750mm進んだ箇所(被供給箇所ともいう)P1に、500ミリリットル(ml)の着色水を緩やかに供給した。ここでは、この着色水を供給し始めた時点(供給開始時点ともいう)からの時間の経過を計測しつつ、受光面21u上から着色水が排水される様子を観察した。
【0068】
より具体的には、着色水として、白色の水彩用の絵具で着色された水を用いた。受光面21uのうちの被供給箇所P1の直上に10センチメートル(cm)離れた位置からビーカーを第1方向D1(ここでは-X方向)に向けて傾けることで、500mlの着色水を約5秒間かけて被供給箇所P1に注いだ。このとき、受光面21u上において、着色水は、被供給箇所P1を中心として略円形に広がりつつ、1つの第1固定部材40aと被供給箇所P1とを第1方向D1(ここでは-X方向)に沿って結ぶ仮想線を中心としたY方向に200mm程度の幅を有するとともに、受光面21uの傾斜方向としての第1方向(ここでは-X方向)に向かう緩やかな流れを形成した。そして、着色水の流れの幅は、フレーム上面22uにおいて最大となり、着色水は、2つの第1固定部材40aの中間時点の近傍まで到達した。
【0069】
一参考例に係る太陽電池装置も屋外に設置して、一具体例に係る太陽電池装置1を対象とした場合と同様な条件で、被供給箇所P1に、500mlの着色水を緩やかに供給し、この着色水を供給し始めた時点からの時間の経過を計測しつつ、受光面21u上から着色水が排水される様子を観察した。ここでは、被供給箇所P1は、受光面21u上のうちの1つの第1固定部材40aの代わりに用いられた第2固定部材40bから第2方向D2(ここでは+X方向)に約750mm進んだ箇所とされた。
【0070】
一具体例に係る太陽電池装置1および一参考例に係る太陽電池装置の何れを用いた排水態様の観察も、天候が晴れ、気温が21℃、湿度が59%および風速が毎秒2メートル(m)以下といった環境下で行われた。
【0071】
<1-3-4.一具体例に係る太陽電池装置における排水態様の観察結果>
図12から図15には、第1から第4タイミングにおける一具体例に係る太陽電池装置1の受光面21u上からの着色水Wc0の排水状態が模式的に示されている。図12から図15では、着色水Wc0に砂地状のハッチングが付されている。
【0072】
≪供給開始時点から0~50秒後≫
被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から50秒後までの期間においては、まず、受光面21u上において、着色水Wc0が、被供給箇所P1から第1方向D1に向かって穏やかに流れた。次に、太陽電池パネル21の受光面21uとフレーム22との間に形成された段差部2sに貯留され得る容量を超える着色水Wc0が、太陽電池モジュール2の上面としての第1面2uにおける第1方向D1の端部から流れ落ちた。この際には、第1固定部材40aの第1間隙4sが成す水路部分Gr1を経て重力によって流れ落ちる着色水Wc0の流れF0も見られた。次に、図12で示されるように、太陽電池モジュール2の上面としての第1面2uにおける第1方向D1の端部において、表面張力によって着色水Wc0が盛り上がった状態となり、着色水Wc0がほとんど流れ落ちない状態となった。この際には、第1固定部材40aの第1間隙4sが成す水路部分Gr1を経て重力によって流れ落ちる着色水Wc0の流れF0も継続的に見られた。また、太陽電池モジュール2の上面としての第1面2uにおける第1方向D1の端部の所々において着色水Wc0が流れ落ちる細い流れF1がときどき見られた。
【0073】
≪供給開始時点から50~100秒後≫
被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から50秒後から100秒後までの期間においては、図13で示されるように、受光面21u上のうちの段差部2sの近傍における着色水Wc0の水深が、フレーム22の先端部分Ef1の厚さT3と略一致しているように見える状態となった。この際には、第1固定部材40aの第1間隙4sが成す水路部分Gr1を経て重力によって流れ落ちる着色水Wc0の流れF0が継続的に見られた。一方、太陽電池モジュール2の上面としての第1面2uにおける第1方向D1の端部の所々において着色水Wc0が流れ落ちる細い流れF1は、見られなくなった。ここでは、フレーム22の外周面22eを目視したときに、着色水Wc0によって濡れている部分に光の反射の揺らぎがあれば、着色水Wc0の流れが生じているものと判断した。一方、フレーム22の端面2eを目視したときに、着色水Wc0によって濡れている部分に光の反射の揺らぎがなければ、着色水Wc0の流れが生じていないものと判断した。
【0074】
≪供給開始時点から100~120秒後≫
被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から100秒後から120秒後までの期間においては、図14で示されるように、第1固定部材40aの第1間隙4sが成す水路部分Gr1を経て重力によって流れ落ちる着色水Wc0の流れF0も継続的に見られた。そして、受光面21u上のうちの第1固定部材40aの周囲において、着色水Wc0の水深が明らかに低くなり始める様子が見られた。換言すれば、受光面21u上において、着色水Wc0は、第1固定部材40aの周囲に生じた薄い水膜Wc1と、水膜Wc1の周囲に位置している水膜Wc1よりも厚い水膜Wc2と、を有している状態となった。この薄い水膜Wc1が生じる要因としては、受光面21u上のうちの第1固定部材40aの周囲では、着色水Wc0が第1固定部材40aの第1間隙4sが成す水路部分Gr1を経て排水されても、受光面21uに対する着色水Wc0の付着力および着色水Wc0の粘性によって、着色水Wc0が直ちに供給されにくくなることが要因として考えられた。ここで、薄い水膜Wc1のY方向における幅は、最大で40cm程度まで拡大する様子が見られた。
【0075】
≪供給開始時点から120~165秒後≫
被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から120秒後から165秒後までの期間においては、受光面21u上のうちの第1固定部材40aの周囲において、着色水Wc0が存在しておらず、受光面21uが露出している部分(露出部分ともいう)Ex1が生じ始める様子が見られた。そして、受光面21u上のうちの第1固定部材40aの周囲において、受光面21uの露出部分Ex1が徐々に拡大する様子が見られた。この際には、図15で示されるように、第1固定部材40aの第1間隙4sが成す水路部分Gr1を経て重力によって流れ落ちる着色水Wc0の流れF0も継続的に見られた。ここでは、フレーム22と受光面21uとの段差部2sに沿った部分に薄い水膜の筋が連続的に残っており、その薄い水膜の筋に沿って着色水Wc0が少しずつ移動することで、流れF0が継続的に生じたものと推察された。そして、この流れF0による受光面21u上からの着色水Wc0の排水、受光面21u上における着色水Wc0の乾燥、および着色水Wc0の凝集力によって、受光面21u上のうちの第1固定部材40aの周囲において受光面21uの露出部分Ex1が徐々に拡大したものと推察された。
【0076】
≪供給開始時点から165秒後以降≫
被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から165秒後よりも以降の期間においては、受光面21u上のうちの第1固定部材40aの周囲において、受光面21uの露出部分Ex1が徐々に拡大する様子が見られた。ただし、受光面21uの露出部分Ex1が拡大する速度が徐々に減少する様子が見られ、受光面21u上のうちの第1固定部材40aから離れた部分において、着色水Wc0が残留した状態に至る様子が見られた。
【0077】
<1-3-5.一参考例に係る太陽電池装置における排水態様の観察結果>
≪供給開始時点から0~50秒後≫
被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から50秒後までの期間においては、流れF0を除いて、上述した一具体例に係る太陽電池装置1を対象とした場合と同様な着色水Wc0の流れおよび状態が見られた。具体的には、まず、受光面21u上において、着色水Wc0が、被供給箇所P1から第1方向D1に向かって穏やかに流れた。次に、太陽電池パネル21の受光面21uとフレーム22との間に形成される段差部2sに貯留され得る容量を超える着色水Wc0が、太陽電池モジュール2の上面としての第1面2uにおける第1方向D1の端部から流れ落ちた。次に、太陽電池モジュール2の上面としての第1面2uにおける第1方向D1の端部において、表面張力によって着色水Wc0が盛り上がった状態となり、着色水Wc0がほとんど流れ落ちない状態となった。また、太陽電池モジュール2の上面としての第1面2uにおける第1方向D1の端部の所々において着色水Wc0が流れ落ちる細い流れF1がときどき見られた。
【0078】
≪供給開始時点から270秒後≫
被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から270秒後には、受光面21u上のうちの段差部2sの近傍における着色水Wc0の水深が、フレーム22の先端部分Ef1の厚さT3と略一致しているように見える状態となった。
【0079】
≪供給開始時点から360秒後≫
被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から360秒後には、受光面21u上のうちの段差部2sの近傍における着色水Wc0の水深が、フレーム22の先端部分Ef1の厚さT3と略一致しているままの状態で、受光面21uのうち、フレーム22の先端部分Ef1から第2方向D2に200mm程度離れた領域において、受光面21uが露出している部分が生じ始める様子が見られた。ここでは、受光面21u上のうちの段差部2sの第2方向D2に溜まっている着色水Wc0において、水に作用する重力もしくは水の凝集力によって着色水Wc0が第1方向D1に少しずつ移動することで、受光面21uが露出している部分が生じたものと推察された。ここでは、フレーム22の外周面22eを目視したときに、着色水Wc0によって濡れている部分に光の反射の揺らぎがなければ、着色水Wc0の流れが生じていないものと判断した。
【0080】
≪供給開始時点から360秒後以降≫
被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から360秒後よりも以降の期間においては、受光面21u上における着色水Wc0に、目立った動きが見られなかった。このため、それ以降は、受光面21u上の着色水Wc0は、蒸発による乾燥によって徐々に消失していくものと推察された。
【0081】
<1-3-6.排水態様の比較>
上述したように、一具体例に係る太陽電池装置1においては、被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から165秒後までの期間において、受光面21u上のうちの第1固定部材40aの周囲において、着色水Wc0の排水によって、受光面21uの露出部分Ex1が生じ始めて、露出部分Ex1が拡大していく様子が見られた。
【0082】
一方、一参考例に係る太陽電池装置においては、被供給箇所P1への着色水Wc0の供給開始時点から360秒が経過しても、第1方向D1に第1固定部材40aの代わりに配置された第2固定部材40bの周囲を含めて、受光面21u上のうちの段差部2sの第2方向D2に着色水Wc0が滞留している様子が見られた。
【0083】
換言すれば、一具体例に係る太陽電池装置1においては、一参考例に係る太陽電池装置よりも、受光面21u上からの着色水Wc0の排水が明らかに促進される様子が見られた。
【0084】
このため、一参考例に係る太陽電池装置では、一具体例に係る太陽電池装置1よりも、受光面21u上において多くの着色水Wc0が長時間滞留しやすく、多くの着色水Wc0が乾燥で消失していくものと推察された。ここで、仮に、着色水Wc0が、砂塵もしくは泥などを含有する雨水であれば、受光面21u上で雨水が乾燥することで、受光面21uに汚れが生じるものと推察された。これに対して、一具体例に係る太陽電池装置1では、一参考例に係る太陽電池装置よりも、受光面21u上からの排水が明らかに促進されるため、受光面21u上で乾燥する雨水の量が減少し、受光面21uに汚れが生じにくくなるものと推察された。
【0085】
<1-4.第1実施形態のまとめ>
第1実施形態に係る太陽電池装置1では、例えば、第1固定部材40aにおける第1間隙4sの存在によって、毛細管現象などの作用によって、第1面2u上からの排水が促進され得る。ここでは、例えば、第1間隙4sによって形成される水路部分Gr1は、太陽電池モジュール2上の第1領域4s1から太陽電池モジュール2上よりも外側の第2領域4s2まで続いているため、太陽電池モジュール2の第1面2u上の水は、第1領域4s1から第2領域4s2に至るまで導かれ、第2領域4s2において重力によって落下し得る。そして、例えば、水路部分Gr1において、太陽電池モジュール2上から第1領域4s1および第2領域4s2を経て重力によって落下する水W0の流れF0が一旦生じると、その水W0の流れF0が、水W0の凝集力によって維持され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上で乾燥する水W0の量が減少し、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0086】
また、第1実施形態に係る太陽電池装置1では、例えば、第1固定部材40aの第1間隙4sは上方に向けて開放されている。このため、雨水が自然落下の運動エネルギーを有する状態で第1間隙4s内に衝突しやすい。これにより、例えば、仮に第1間隙4s内に砂塵および泥などの汚れが存在していても、第1間隙4s内の砂塵および泥などの汚れが雨水によって洗い流されやすい。その結果、例えば、第1間隙4sが汚れで詰まることで第1間隙4sによる排水の促進が阻害される不具合が生じにくい。
【0087】
また、第1実施形態に係る太陽電池装置1では、例えば、第1固定部材40aの第1間隙4sは上方に向けて開放されているため、太陽電池装置1の外部から第1間隙4s内の視認が容易である。これにより、例えば、流水およびブラッシングなどによる第1間隙4sの清掃も容易であり、太陽電池装置1のメンテナンスが容易となり得る。
【0088】
<2.他の実施形態>
本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更および改良などが可能である。
【0089】
<2-1.第2実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、図16で示されるように、受光面21uのうちの少なくとも第2板状部分221bに沿った領域には、撥水性の膜(撥水膜ともいう)21fが位置していてもよい。撥水膜21fとしては、例えば、膜に対する水滴の接触角が70度以上である膜が採用される。撥水膜21fの素材には、例えば、フッ素樹脂もしくはシリコン樹脂などの撥水性および透光性を有する樹脂(撥水性樹脂ともいう)などが適用される。例えば、太陽電池パネル21の透光性を有する第1保護層上に撥水性樹脂を含有する原料液をスプレー法などで塗布した後に乾燥させることで、撥水膜21fが形成され得る。ここでは、撥水膜21fは、例えば、受光面21uの全面にわたって位置していてもよいし、受光面21uのうちの端部近傍の一部に位置していてもよい。
【0090】
例えば、受光面21uに撥水膜21fが存在していれば、図16で示されるように、太陽電池パネル21とフレーム22との段差部2sにおいて、溜まった水W0における受光面21uに対する接触角が大きくなり、溜まった水W0の水位が高くなり得る。これにより、例えば、第1間隙4sとフレーム22とが接する角部C1に存在する微細な隙間に毛細管現象で水が引き込まれて生じる水膜に、段差部2sに溜まった水W0が接触しやすくなる。これにより、例えば、段差部2sに溜まった水W0が、水の凝集力によって第1間隙4sに引き込まれやすくなり、段差部2sから第1領域4s1および第2領域4s2を経て重力によって落下する水の流れF0が生じやすくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0091】
<2-2.第3実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図17で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aを平面視したときに、第2領域4s2が、突出部分44まで位置していなくてもよい。この場合には、例えば、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aを平面視したときに、第2領域4s2が、押圧部分41のうちの第1方向D1(ここでは-X方向)において突出部分44よりも太陽電池モジュール2から離れた部分にまで位置している態様が考えられる。このような構成が採用されても、例えば、太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eに突出部分44を当接させた状態で、第1固定部材40aによって太陽電池モジュール2を支持部3に固定することで、第2領域4s2の重力方向の開口部分が太陽電池モジュール2によって塞がれにくくなる。これにより、例えば、第1固定部材40aの第1間隙4sによって形成される太陽電池モジュール2上からの排水経路が塞がらないように、太陽電池モジュール2を支持部3に固定する作業を容易に実行することができる。
【0092】
<2-3.第4実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図18および図19で示されるように、フレーム22は、第2板状部分221bのうちの第1板状部分221aとは逆側の先端部分Ef1から第1板状部分221aの第1方向D1(ここでは-X方向)の端縁部まで位置している第2の間隙(第2間隙ともいう)22sを有していてもよい。第2間隙22sには、例えば、細長い間隙が適用される。第2間隙22sは、例えば、フレーム22が有するスリット状の部分によって形成され得る。この場合には、例えば、図19で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aおよびフレーム22を平面視したときに、第1間隙4sの少なくとも一部が、第2間隙22sの少なくとも一部と重なるように位置していてもよい。ここでは、例えば、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aおよびフレーム22を平面視したときに、第2間隙22sのうちの第1間隙4sと重なるように位置している部分が、先端部分Ef1からフレーム22の外周面22eに至るまで位置している態様が考えられる。ここでは、例えば、第1間隙4sのY方向における幅と、第2間隙22sのY方向における幅とは、略同一であってもよいし、何れが大きくてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、水路部分Gr1が、第1間隙4sおよび第2間隙22sによって形成され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上からの排水がさらに促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0093】
<2-4.第5実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図20で示されるように、フレーム22において、第2板状部分221bは、第1板状部分221aとは逆側の第2板状部分221bの先端部分Ef1側に傾斜部分Sl1を有していなくてもよい。また、例えば、図20で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aおよびフレーム22を平面視したときに、押圧部分41は、第2方向D2(ここでは+X方向)において、フレーム22の外周面22e側から先端部分Ef1に至る途中まで延びるように位置していてもよい。また、例えば、押圧部分41は、第2方向D2(ここでは+X方向)においてフレーム上面22uのうちのフレーム22の外周面22e側から先端部分Ef1に至る途中までの第1端部領域2uaを押圧している状態で位置していてもよい。
【0094】
<2-5.第6実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図21および図22で示されるように、第1固定部材40aは、突出部分としての突出部分44を有していなくてもよい。ここで、例えば、図22で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aを平面視した場合を想定する。この場合には、第1領域4s1は、例えば、上記各実施形態と同様に、押圧部分41のうちの第2方向D2(ここでは+X方向)の第1先端41feから第1面2uにおける第1方向D1(ここでは-X方向)の縁部2ue上まで延びつつ、第1面2uを露出させるように位置している。より具体的には、第1領域4s1は、例えば、第1面2uの一部を構成しているフレーム22の第2板状部分221bを露出させるように位置している。また、第2領域4s2は、例えば、縁部2ue上で第1領域4s1に接続しており且つ第1固定部材40aの第1方向D1(ここでは-X方向)の端縁部(第1端縁部ともいう)40eまで延びるように位置している。このため、例えば、第2領域4s2の下方には、太陽電池モジュール2が位置していない。換言すれば、第1間隙4sは、太陽電池モジュール2上の第1領域4s1から太陽電池モジュール2上よりも外側の第2領域4s2まで続いている。
【0095】
このような構成が採用されても、上記各実施形態と同様に、例えば、第1固定部材40aにおける第1間隙4sの存在によって、毛細管現象などの作用によって、第1面2u上からの排水が促進され得る。ここでも、例えば、第1間隙4sによって形成される水路部分Gr1は、太陽電池モジュール2上の第1領域4s1から太陽電池モジュール2上よりも外側の第2領域4s2まで続くため、太陽電池モジュール2の第1面2u上の水は、第1領域4s1から第2領域4s2に至るまで導かれ、第2領域4s2において重力によって落下し得る。そして、例えば、水路部分Gr1において、太陽電池モジュール2上から第1領域4s1および第2領域4s2を経て重力によって落下する水の流れが一旦生じると、その水の流れが、水の凝集力によって維持され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上で乾燥する水の量が減少し、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0096】
また、ここでも、例えば、第1固定部材40aの第1間隙4sは上方に向けて開放されている。このため、雨水が自然落下の運動エネルギーを有する状態で第1間隙4s内に衝突しやすい。これにより、例えば、仮に第1間隙4s内に砂塵および泥などの汚れが存在していても、第1間隙4s内の砂塵および泥などの汚れが雨水によって洗い流されやすい。その結果、例えば、第1間隙4sが汚れで詰まることで第1間隙4sによる排水の促進が阻害される不具合が生じにくい。
【0097】
また、ここでも、例えば、第1固定部材40aの第1間隙4sは上方に向けて開放されているため、太陽電池装置1の外部から第1間隙4s内の視認が容易である。これにより、例えば、流水およびブラッシングなどによる第1間隙4sの清掃も容易であり、太陽電池装置1のメンテナンスが容易となり得る。
【0098】
ここで、第1間隙4sは、例えば、押圧部分41の第1先端41feから連結部分42の途中まで延びているL字状の形状を有する。換言すれば、例えば、第2領域4s2は、第1領域4s1よりも下方まで延びるように位置している。図21および図22の例では、第1領域4s1は、第1方向D1(ここでは-X方向)に直線状に延びるように位置しており、第2領域4s2は、第1領域4s1から第3方向D3(ここでは-Z方向)に直線状に延びるように位置している。例えば、連結部分42は、押圧部分41から太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eに沿って延びるように位置している。例えば、連結部分42は、太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eに当接するように位置している。例えば、台座30に沿って位置しているベース部分43に、ボルトB1が挿通している貫通孔41hが位置していてもよい。この場合には、例えば、座金Ws1は、ボルトB1の頭部とベース部分43との間に配されている。そして、例えば、台座30に対して太陽電池モジュール2が固定される際には、ボルトB1の頭部と留め具5との間隔が短くなるようにボルトB1が回転されることで、台座30に対してベース部分43が当接し、押圧部分41が、太陽電池モジュール2の第1端部領域2uaを押圧している状態となる。
【0099】
<2-6.第7実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図23で示されるように、太陽電池モジュール2は、例えば、太陽電池パネル21の端部に沿って位置しているフレーム22を有していないタイプ(フレームレスタイプともいう)の太陽電池モジュールであってもよい。この場合には、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u側の第1面2uは、太陽電池パネル21の受光面21uによって構成されている。例えば、第1端部領域2uaは、太陽電池パネル21の第1方向D1(ここでは-X方向)の端に沿って位置している受光面21u上の領域である。例えば、太陽電池モジュール2の端面2eは、太陽電池パネル21の端面21eによって構成されている。
【0100】
このような構成が採用されれば、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21uの水平に対する傾斜角度が小さく、受光面21u上に雨水が溜まりやすい場合であっても、第1固定部材40aにおける第1間隙4sの存在によって、受光面21u上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0101】
<2-7.第8実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図24から図26で示されるように、第1間隙4sと同様な機能を有する第3間隙7sを有する部材(排水部材ともいう)7が、太陽電池モジュール2に取り付けられてもよい。この場合には、例えば、図24で示されるように、太陽電池モジュール2と排水部材7とが排水部材7が付加された太陽電池モジュール(排水部材付き太陽電池モジュールともいう)20を構成している。換言すれば、排水部材付き太陽電池モジュール20は、例えば、太陽電池モジュール2と、排水部材7と、を備えている。ここでは、例えば、排水部材7は、例えば、太陽電池モジュール2の第1方向D1(ここでは-X方向)の端部側の部分に取り付けられている。
【0102】
ここでは、太陽電池装置1は、例えば、排水部材付き太陽電池モジュール20と、支持部3と、固定部4と、を備えている。支持部3は、例えば、排水部材付き太陽電池モジュール20を支持しており、固定部4は、例えば、排水部材付き太陽電池モジュール20を支持部3に固定している。
【0103】
図25および図26で示されるように、排水部材7は、例えば、少なくとも第2部分としての上面を構成する部分(上面構成部分ともいう)71を含む。第8実施形態では、排水部材7は、例えば、被固定部分72を含む。ここでは、排水部材7は、例えば、上面構成部分71と、被固定部分72と、が一体となった部材である。
【0104】
上面構成部分71は、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u側の第1面2uのうち、第1方向D1(ここでは-X方向)の端に沿った領域(第2端部領域ともいう)2ubに接している。そして、上面構成部分71は、例えば、第2方向D2(ここでは+X方向)に延びるように位置している。ここでは、例えば、上面構成部分71の第2端部領域2ub側の面は、第2端部領域2ubに沿って位置しているとともに、第2端部領域2ubに接している。例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u側の第1面2uには、太陽電池パネル21の受光面21uおよびフレーム22の上方を向いたフレーム上面22uが含まれる。第8実施形形態では、例えば、上面構成部分71は、XY平面に沿った板状の部分である。より具体的には、例えば、上面構成部分71は、X方向に沿って延びるように位置している一対の2つの側面と、Y方向に沿って延びるように位置している1つの先端(第2先端ともいう)71feと、を有する矩形状の上下面を持つ板状の部分である。第2端部領域2ubは、例えば、第1面2uのうちの第1方向D1の端に沿って位置しているフレーム上面22uに含まれる領域である。より具体的には、例えば、第2端部領域2ubは、フレーム22の第1方向D1(ここでは-X方向)の端に沿って位置している第1板状部分221a上の領域である。上面構成部分71のY方向における幅は、例えば、10mm程度から100mm程度とされる。上面構成部分71のZ方向における厚さは、例えば、1mm程度から10mm程度とされる。
【0105】
被固定部分72は、例えば、太陽電池モジュール2に固定されている部分である。例えば、被固定部分72を第2方向D2(ここでは+X方向)に貫通する貫通孔と、フレーム22の側壁部222を第2方向D2(ここでは+X方向)に貫通する貫通孔と、に挿通されているボルトB2と、このボルトB2の雄ネジ部に嵌合しているナットなどの雌ネジを有する部材と、によって、フレーム22に被固定部分72が固定されている態様が考えられる。被固定部分72は、例えば、上面構成部分71から第3方向D3(ここでは-Z方向)に向けて延びるように位置している。より具体的には、例えば、被固定部分72は、上面構成部分71のうちの第1方向D1(ここでは-X方向)の端から太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eに沿って第3方向D3(ここでは-Z方向)に向けて延びるように位置している。例えば、被固定部分72は、太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eに当接するように位置している。第8実施形態では、例えば、被固定部分72は、YZ平面に沿った板状の部分である。換言すれば、例えば、被固定部分72は、上面構成部分71のうちの第1方向D1(ここでは-X方向)の端から第3方向D3(ここでは-Z方向)に垂下するように位置している。被固定部分72のY方向における幅は、例えば、10mm程度から100mm程度とされる。被固定部分72のX方向における厚さは、例えば、1mm程度から10mm程度とされる。
【0106】
また、排水部材7は、例えば、第3の間隙としての第3間隙7sを有する。第3間隙7sには、例えば、細長い間隙が適用される。第3間隙7sは、例えば、排水部材7が有するスリット状の部分によって形成されている。第3間隙7sは、例えば、第3の領域(第3領域ともいう)7s3と、第4の領域(第4領域ともいう)7s4と、を含む。第8実施形態では、例えば、排水部材7のうちの上面構成部分71から被固定部分72にかけて第3間隙7sが位置している。
【0107】
ここで、例えば、図26で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に排水部材7を平面視した場合を想定する。この場合には、第3領域7s3は、例えば、上面構成部分71のうちの第2方向D2(ここでは+X方向)の第2先端71feから第1面2uにおける第1方向D1(ここでは-X方向)の縁部2ue上まで延びつつ、第1面2uを露出させるように位置している。第8実施形態では、第3領域7s3は、例えば、第1面2uの一部を構成しているフレーム22の第2板状部分221bを露出させるように位置している。ここでは、例えば、第3領域7s3は、第2方向D2(ここでは+X方向)に開放されており、第3方向D3(ここでは-Z方向)に上面構成部分71を貫通するように位置している。換言すれば、例えば、上面構成部分71は、この上面構成部分71を第3方向D3(ここでは-Z方向)に貫通するように位置している第3領域7s3を有する。また、第4領域7s4は、縁部2ue上で第1領域4s1に接続しており且つ排水部材7の第1方向D1(ここでは-X方向)の端縁部(第2端縁部ともいう)7eまで延びるように位置している。このため、例えば、第4領域7s4の下方には、太陽電池モジュール2が位置していない。換言すれば、第3間隙7sは、太陽電池モジュール2上の第3領域7s3から太陽電池モジュール2上よりも外側の第4領域7s4まで続いている。
【0108】
第3間隙7sは、例えば、第1方向D1(ここでは-X方向)に直線状に延びるように位置している。第3間隙7sのY方向における幅は、例えば、1mm程度から10mm程度とされる。排水部材7は、例えば、アルミニウム合金などの金属で構成された金属製の部材であってもよいし、樹脂製の部材であってもよい。排水部材7は、例えば、アルミニウム合金の押し出し成形、もしくは樹脂成形などで作製され得る。第3間隙7sは、例えば、排水部材7がアルミニウム合金の押し出し成形、もしくは樹脂成形などで作製される際に形成されてもよいし、金型を用いた切り落とし加工、もしくは切削加工などによって形成されてもよい。
【0109】
第8実施形態では、例えば、排水部材7における第3間隙7sの存在によって、毛細管現象などの作用によって、第1面2u上からの排水が促進され得る。ここでは、例えば、第3間隙7sによって、太陽電池モジュール2上の第3領域7s3から太陽電池モジュール2上よりも外側の第4領域7s4まで続いている水路部分が形成され得る。このため、例えば、太陽電池モジュール2の第1面2u上の水は、第3領域7s3から第4領域7s4に至るまで導かれ、第4領域7s4において重力によって落下し得る。そして、例えば、上記水路部分において、太陽電池モジュール2上から第3領域7s3および第4領域7s4を経て重力によって落下する水の流れが一旦生じると、その水の流れが、水の凝集力によって維持され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上で乾燥する水の量が減少し、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0110】
また、例えば、排水部材7の第3間隙7sは上方に向けて開放されている。このため、雨水が自然落下の運動エネルギーを有する状態で第3間隙7s内に衝突しやすい。これにより、例えば、仮に第3間隙7s内に砂塵および泥などの汚れが存在していても、第3間隙7s内の砂塵および泥などの汚れが雨水によって洗い流されやすい。その結果、例えば、第3間隙7sが汚れで詰まることで第3間隙7sによる排水の促進が阻害される不具合が生じにくい。
【0111】
また、例えば、排水部材7の第3間隙7sは上方に向けて開放されているため、太陽電池装置1の外部から第3間隙7s内の視認が容易である。これにより、例えば、流水およびブラッシングなどによる第3間隙7sの清掃も容易であり、太陽電池装置1のメンテナンスが容易となり得る。
【0112】
第8実施形態では、第3間隙7sは、例えば、上面構成部分71の第2先端71feから被固定部分72の途中まで延びているL字状の形状を有する。換言すれば、例えば、第4領域7s4は、第3領域7s3よりも下方まで延びるように位置している。図25および図26の例では、第3領域7s3は、第1方向D1(ここでは-X方向)に直線状に延びるように位置しており、第4領域7s4は、第3領域7s3から第3方向D3(ここでは-Z方向)に直線状に延びるように位置している。ここでは、例えば、被固定部分72は、この被固定部分72を第2方向D2(ここでは+X方向)に貫通するように位置している第4領域7s4を有する。
【0113】
ここで、例えば、図27で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に排水部材7を平面視したときに、上面構成部分71が、太陽電池モジュール2よりも第1方向D1(ここでは-X方向)に延びるように位置している場合を想定する。ここでは、例えば、太陽電池モジュール2の端面2eとしてのフレーム22の外周面22eと、被固定部分72と、がスペーサーなどの部材Sp1を介して離間している態様が考えられる。この場合に、例えば、第3方向D3(ここでは-Z方向)に排水部材7を平面視したときに、第4領域7s4は、第1面2uの縁部2ue上で第3領域7s3に接続しているとともに、太陽電池モジュール2よりも第1方向D1(ここでは-X方向)の領域が見えるように第2部分としての上面構成部分71を貫通している状態で位置していてもよい。このような構成が採用されても、例えば、第4領域7s4の下方には、太陽電池モジュール2が位置していない。ここでは、例えば、第4領域7s4は、第2方向D2(ここでは+X方向)において第3領域7s3に接続されており、第3方向D3(ここでは-Z方向)に上面構成部分71を貫通するように位置している。
【0114】
このような構成が採用されても、例えば、排水部材7における第3間隙7sの存在によって、毛細管現象などの作用によって、第1面2u上からの排水が促進され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上で乾燥する水の量が減少し、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。また、例えば、排水部材7の第3間隙7sは上方に向けて開放されているため、第3間隙7sが汚れで詰まることで第3間隙7sによる排水の促進が阻害される不具合が生じにくい。また、例えば、排水部材7の第3間隙7sは上方に向けて開放されているため、流水およびブラッシングなどによる第3間隙7sの清掃も容易であり、太陽電池装置1のメンテナンスが容易となり得る。
【0115】
また、ここで、例えば、図28で示されるように、フレーム22において、第2板状部分221bは、第1板状部分221aとは逆側の第2板状部分221bの先端部分Ef1側に傾斜部分Sl1を有していてもよい。傾斜部分Sl1には、例えば、先端部分Ef1に向かって受光面21uに近づくように厚さが小さくなっている部分が適用される。そして、例えば、図26で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に排水部材7を平面視したときに、第2部分としての上面構成部分71が、傾斜部分Sl1の少なくとも一部を覆うように位置していてもよい。
【0116】
このような構成が採用されれば、例えば、図28で示されるように、傾斜部分Sl1によって、第3間隙7sとフレーム22とが接する角部C3に存在する微細な隙間に毛細管現象で水が引き込まれて生じる水膜に、段差部2sに溜まった水が接触しやすくなる。これにより、例えば、段差部2sに溜まった水が、水の凝集力によって第3間隙7sに引き込まれやすくなり、段差部2sから第3領域7s3および第4領域7s4を経て重力によって落下する水の流れが生じやすくなる。このため、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上で乾燥する水の量が減少し、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0117】
また、ここで、例えば、図28で示されるように、受光面21uのうちの少なくとも第2板状部分221bに沿った領域には、撥水性の膜(撥水膜)21fが位置していてもよい。ここでは、撥水膜21fは、例えば、受光面21uの全面にわたって位置していてもよいし、受光面21uのうちの端部近傍の一部に位置していてもよい。例えば、受光面21uに撥水膜21fが存在していれば、太陽電池パネル21とフレーム22との段差部2sにおいて、溜まった水における受光面21uに対する接触角が大きくなり、溜まった水の水位が高くなり得る。これにより、例えば、第3間隙7sとフレーム22とが接する角部C3に存在する微細な隙間に毛細管現象で水が引き込まれて生じる水膜に、段差部2sに溜まった水が接触しやすくなる。これにより、例えば、段差部2sに溜まった水が、水の凝集力によって第3間隙7sに引き込まれやすくなり、段差部2sから第3領域7s3および第4領域7s4を経て重力によって落下する水の流れが生じやすくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール2上からの排水が促進され、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0118】
また、ここで、例えば、図29で示されるように、フレーム22は、第2板状部分221bのうちの第1板状部分221aとは逆側の先端部分Ef1から第1板状部分221aの第1方向D1(ここでは-X方向)の端縁部まで位置している第4の間隙(第4間隙ともいう)22tを有していてもよい。第4間隙22tには、例えば、細長い間隙が適用される。第4間隙22tは、例えば、フレーム22が有するスリット状の部分によって形成され得る。この場合には、例えば、図29で示されるように、第3方向D3(ここでは-Z方向)に排水部材7およびフレーム22を平面視したときに、第3間隙7sの少なくとも一部が、第4間隙22tの少なくとも一部と重なるように位置していてもよい。ここでは、例えば、第3方向D3(ここでは-Z方向)に排水部材7およびフレーム22を平面視したときに、第4間隙22tのうちの第3間隙7sと重なるように位置している部分が、先端部分Ef1からフレーム22の外周面22eに至るまで位置している態様が考えられる。ここでは、例えば、第3間隙7sのY方向における幅と、第4間隙22tのY方向における幅とは、略同一であってもよいし、何れが大きくてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、第3間隙7sおよび第4間隙22tによって溝状の水路部分が形成され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u上からの排水がさらに促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0119】
また、ここで、例えば、図30で示されるように、太陽電池モジュール2は、例えば、フレーム22を有していないタイプ(フレームレスタイプ)の太陽電池モジュールであってもよい。この場合には、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21u側の第1面2uは、太陽電池パネル21の受光面21uによって構成されている。例えば、第2端部領域2ubは、太陽電池パネル21の第1方向D1(ここでは-X方向)の端に沿って位置している受光面21u上の領域である。例えば、太陽電池モジュール2の端面2eは、太陽電池パネル21の端面21eによって構成されている。ここでは、例えば、接着などの方法で、太陽電池モジュール2に排水部材7が取り付けられる態様が考えられる。
【0120】
このような構成が採用されれば、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21uの水平に対する傾斜角度が小さく、受光面21u上に雨水が溜まりやすい場合であっても、排水部材7における第3間隙7sの存在によって、受光面21u上からの排水が促進され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール2の受光面21uが汚れにくくなる。
【0121】
<3.その他>
上記各実施形態では、例えば、押圧部分41を含む部材と、連結部分42およびベース部分43を含む1つ以上の部材と、が締結部材などで連結された構成が採用されてもよい。換言すれば、例えば、第1固定部材40aは、少なくとも押圧部分41を含み、連結部分42およびベース部分43を含んでいなくてもよい。
【0122】
上記各実施形態では、例えば、第1間隙4sは、第1方向D1に直線状に延びておらず、第1方向D1に沿ったXZ平面に対して交差している仮想面に沿って直線状に延びていてもよい。また、例えば、第3方向D3(ここでは-Z方向)に第1固定部材40aを平面視したときに、第1間隙4sは、湾曲していている部分を有していてもよいし、蛇行している部分を有していてもよいし、折れ曲がっている部分を有していてもよい。
【0123】
上記第4実施形態では、例えば、第2間隙22sは、第1方向D1に直線状に延びておらず、第1方向D1に沿ったXZ平面に対して交差している仮想面に沿って直線状に延びていてもよい。また、例えば、第3方向D3(ここでは-Z方向)にフレーム22を平面視したときに、第2間隙22sは、湾曲していている部分を有していてもよいし、蛇行している部分を有していてもよいし、折れ曲がっている部分を有していてもよい。
【0124】
上記各実施形態では、例えば、複数の固定部材40が、2つの第1固定部材40aを含むことなく、1つの第1固定部材40aを含んでいてもよいし、3つ以上の第1固定部材40aを含んでいてもよい。換言すれば、例えば、複数の固定部材40は、少なくとも1つの第1固定部材40aを含んでいてもよい。
【0125】
上記各実施形態では、例えば、第1固定部材40aは、2つ以上の第1間隙4sを有していてもよい。ここで、例えば、第1固定部材40aにおける第1部分としての押圧部分41は、複数の第1間隙4sを有する櫛歯状の構成を有していてもよい。
【0126】
上記第8実施形態では、例えば、上面構成部分71を含む部材と、被固定部分72を含む部材と、が締結部材などで連結された構成が採用されてもよい。換言すれば、例えば、排水部材7は、少なくとも上面構成部分71を含み、被固定部分72を含んでいなくてもよい。
【0127】
上記第8実施形態では、例えば、第3間隙7sは、第1方向D1に直線状に延びておらず、第1方向D1に沿ったXZ平面に対して交差している仮想面に沿って直線状に延びていてもよい。また、例えば、第3方向D3(ここでは-Z方向)に排水部材7を平面視したときに、第3間隙7sは、湾曲していている部分を有していてもよいし、蛇行している部分を有していてもよいし、折れ曲がっている部分を有していてもよい。
【0128】
上記第8実施形態では、例えば、第4間隙22tは、第1方向D1に直線状に延びておらず、第1方向D1に沿ったXZ平面に対して交差している仮想面に沿って直線状に延びていてもよい。また、例えば、第3方向D3(ここでは-Z方向)にフレーム22を平面視したときに、第4間隙22tは、湾曲していている部分を有していてもよいし、蛇行している部分を有していてもよいし、折れ曲がっている部分を有していてもよい。
【0129】
上記第8実施形態では、例えば、第1固定部材40aの代わりに、第2固定部材40bが用いられてもよい。
【0130】
上記第8実施形態では、例えば、排水部材7は、2つ以上の第3間隙7sを有していてもよい。ここで、例えば、排水部材7における第2部分としての上面構成部分71は、複数の第3間隙7sを有する櫛歯状の構成を有していてもよい。
【0131】
上記第8実施形態では、例えば、排水部材付き太陽電池モジュール20が、固定部4によって支持部3に固定されることで、太陽電池装置1が製作され得る。この場合には、例えば、排水部材付き太陽電池モジュール20は、受光面21u上からの排水が促進されることで受光面21uが汚れにくくなる太陽電池装置1の作製に適しているものと言える。固定部4によって支持部3に固定される前の排水部材付き太陽電池モジュール20においては、受光面21uに沿った第1方向D1は、水平に対して傾斜していなくてもよい。
【0132】
上記各実施形態では、例えば、太陽電池装置1は、2つ以上の太陽電池モジュール2を有していてもよい。ここでは、例えば、設置対象物9のサイズに応じて、太陽電池モジュール2の数が適宜設定され得る。
【0133】
上記各実施形態では、例えば、屋根材などの設置対象物9に対して、太陽電池モジュール2を固定部4によって直接固定してもよい。この場合には、例えば、屋根材などの設置対象物9が太陽電池モジュール2を支持している支持部となり得る。
【0134】
上記各実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0135】
1 太陽電池装置
2 太陽電池モジュール
20 排水部材付き太陽電池モジュール
21 太陽電池パネル
21f 撥水膜
21u 受光面
22 フレーム
221 嵌合部
221a 第1板状部分
221b 第2板状部分
221c 第3板状部分
22e 外周面
22s 第2間隙
22t 第4間隙
22u フレーム上面
2e 端面
2u 第1面
2ua 第1端部領域
2ub 第2端部領域
2ue 縁部
3 支持部
30 台座
4 固定部
40 固定部材
40a 第1固定部材
40b 第2固定部材
40e 第1端縁部
41 押圧部分(第1部分)
41fe 第1先端
44 突出部分
4s 第1間隙
4s1 第1領域
4s2 第2領域
7 排水部材
71 上面構成部分(第2部分)
71fe 第2先端
7e 第2端縁部
7s 第3間隙
7s3 第3領域
7s4 第4領域
9 設置対象物
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
Ef1 先端部分
Gr1 水路部分
Sl1 傾斜部分
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