(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】逆流防止マス
(51)【国際特許分類】
E03F 5/10 20060101AFI20241004BHJP
E03F 7/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
E03F5/10 Z
E03F7/04
(21)【出願番号】P 2021089522
(22)【出願日】2021-05-27
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】P 2020120795
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000108719
【氏名又は名称】タキロンシーアイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】胸永 政利
(72)【発明者】
【氏名】真山 淳哉
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 啓二郎
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0008588(US,A1)
【文献】特開2019-070235(JP,A)
【文献】特開2015-218532(JP,A)
【文献】特開2001-056063(JP,A)
【文献】特開平09-189042(JP,A)
【文献】特開平10-195969(JP,A)
【文献】特開2004-204601(JP,A)
【文献】実公昭46-024836(JP,Y1)
【文献】米国特許第05123444(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0015319(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-0552492(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/10
E03F 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内排水設備と下水管とを接続する排水管路に設けられ、当該排水管路を逆流する排水の上流側への侵入を防止する逆流防止マスであって、
排水マス本体と、
前記排水マス本体の側壁に設けられた排水の流入管部及び流出管部と、
前記排水マス本体内に設けられ、前記流入管部の下流側開口を閉鎖可能に構成された弁体を有する逆流防止弁と
を備え、
前記逆流防止弁の前記弁体は、無排水時には自重によって前記流入管部の前記下流側開口を閉塞し、
前記流入管部の下流側管底は、前記流入管部の上流側管底よりも下方に位置
し、
前記流入管部は、下流側に前記排水マス本体の内側から取り付けられた弁管を少なくとも含み、
前記弁管の下流側の端面に、前記弁体と当接可能な弁座面が設けられる、
逆流防止マス。
【請求項2】
前記排水マス本体の底部は、前記流入管部の前記下流側管底よりも下方に位置する、
請求項1に記載の逆流防止マス。
【請求項3】
前記流入管部における前記下流側管底と前記上流側管底との高低差は、前記流入管部に上流側から接続される配管の内径の23%以上である、
請求項1又は2に記載の逆流防止マス。
【請求項4】
前記流入管部は、上流側に配置され且つ管底が水平又は略水平な第1水平管部と、前記第1水平管部よりも下流側に配置され且つ管底が下流側に下方向に傾斜する傾斜管部とを少なくとも含む、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の逆流防止マス。
【請求項5】
前記第1水平管部と前記傾斜管部とは、一体成形され、
前記流入管部は、前記排水マス本体に挿通され、
前記流入管部の下流側の端面に、前記弁体と当接可能な弁座面が設けられる、
請求項
4に記載の逆流防止マス。
【請求項6】
前記流入管部は、前記傾斜管部よりも下流側に配置されると共に前記排水マス本体と接続され且つ管底が水平又は略水平な第2水平管部をさらに含む、
請求項
4又は
5に記載の逆流防止マス。
【請求項7】
前記第1水平管部の管軸の延長線は、前記傾斜管部の内壁面と交差することなく前記流入管部の前記下流側開口を通過する、
請求項
4~
6のいずれか1項に記載の逆流防止マス。
【請求項8】
前記流入管部の下流側は、前記排水マス本体の内部に挿通され、
前記弁体は、無排水時には前記流入管部の前記下流側開口を垂直に塞ぎ、
前記流入管部における前記下流側開口の周縁部に、排水の逆流時に前記弁体と当接可能に構成された弁座面が設けられる、
請求項1~
7のいずれか1項に記載の逆流防止マス。
【請求項9】
前記弁座面は、前記流入管部の内周面から端面に亘って、下流方向に末広がり状に設けられる、
請求項
8に記載の逆流防止マス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレ等の屋内排水設備と下水管とを接続する排水管路に設けられ、排水管路を逆流する排水の上流側への侵入を防止する逆流防止マスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、トイレ等の屋内排水設備から排出される排水は、地中に埋設された排水管路を経由して下水道本管(以下、単に下水管という)へ排出される。また、排水管路中のゴミ等の汚物の除去や点検を行うために、通常、排水管路における下水管との接続箇所よりも上流側に排水マスが設置される。
【0003】
ところが、台風等で大量の雨水が短時間に下水管内に流入すると、下水管の排水能力を超えてあふれ出た排水が排水マスを通って排水管路を逆流し、排水管路に接続されている屋内排水設備から、逆流した排水が建屋内に噴き出したり、或いは、排水によって圧送された空気により封水が建屋内に噴き出すという問題が生じる。
【0004】
それに対して、下水管から逆流した排水が排水マスを通って屋内排水設備から噴き出すことを防止するために、特許文献1には、排水マス内部の流入側開口部に逆流防止弁を取り付けた逆流防止マスが開示されている。
【0005】
特許文献1に記載の逆流防止マスでは、逆流防止弁の弁体が上部から下部へ向かうにつれて上流側から下流側へ向けて傾斜するように流入側開口部に回動可能に取り付けられる。このため、逆流防止弁の弁体は、通常、自重により流入側開口部を塞いでいる。これにより、排水が屋内排水設備から排水マスへ流入する時は、弁体は排水の流れによって持ち上げられて流入側開口部を開放する。一方、排水が下水管から排水マスへ逆流する時は、弁体は、自重及び排水の流れによって流入側開口部を塞ぐため、排水が排水マスを通って上流側の排水管路へ逆流することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年の節水型トイレの普及などに伴い、屋内排水設備における通常時の排水量は大幅に減少している。ところが、特許文献1に記載の逆流防止マスの場合、通常状態では弁体が自重により排水マスの流入側開口部を塞いでいるので、排水量が減少してしまうと、弁体が開きにくくなって弁体の周りにゴミなどの汚物がたまって流れを詰まらせてしまうという問題が生じる。
【0008】
前記に鑑み、本開示は、排水管路を逆流する排水の上流側への侵入を防止する逆流防止マスにおいて、排水量が少ない場合でも汚物などによる排水詰まりが生じることを抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本開示に係る第1の態様は、屋内排水設備と下水管とを接続する排水管路に設けられ、当該排水管路を逆流する排水の上流側への侵入を防止する逆流防止マスであって、排水マス本体と、前記排水マス本体の側壁に設けられた排水の流入管部及び流出管部と、前記排水マス本体内に設けられ、前記流入管部の下流側開口を閉鎖可能に構成された弁体を有する逆流防止弁とを備え、前記流入管部の下流側管底は、前記流入管部の上流側管底よりも下方に位置する、逆流防止マスである。
【0010】
第1の態様によると、排水マス本体の側壁に設けられた排水の流入管部において、下流側管底が上流側管底よりも下方に位置する。このため、排水が流入管部の上流側から下流側へ流れる際に排水の流速が増大するので、流入管部の下流側開口を塞ぐ逆流防止弁の弁体が、排水の流れによって開きやすくなる。従って、排水量が少ない場合でも、逆流防止マスにおいて汚物などによる排水詰まりが生じることを抑制することができる。
【0011】
本開示に係る第2の態様は、第1の態様において、前記排水マス本体の底部は、前記流入管部の前記下流側管底よりも下方に位置する、逆流防止マスである。
【0012】
第2の態様によると、排水マス本体内における逆流防止弁の弁体の下流側に汚物などがたまって、弁体の開放を阻害する事態を回避できるので、汚物などによる排水詰まりが生じることをより一層抑制することができる。
【0013】
本開示に係る第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記流入管部における前記下流側管底と前記上流側管底との高低差は、前記流入管部に上流側から接続される配管の内径の23%以上である、逆流防止マスである。
【0014】
第3の態様によると、排水が流入管部の上流側から下流側へ流れる際に排水の流速を十分に増大させることができる。このため、逆流防止弁の弁体が排水の流れによってさらに開きやすくなるので、汚物などによる排水詰まりが生じることをより一層抑制することができる。
【0015】
本開示に係る第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、前記流入管部は、下流側に前記排水マス本体の内側から取り付けられた弁管を少なくとも含み、前記弁管の下流側の端面に、前記弁体と当接可能な弁座面が設けられる、逆流防止マスである。
【0016】
第4の態様によると、弁体により開閉される弁管を排水マス本体の内側から取り付けるので、弁体を弁管と一体に取り付けることが可能となり、逆流防止マスの組み立てが容易になる。
【0017】
本開示に係る第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、前記流入管部は、上流側に配置され且つ管底が水平又は略水平な第1水平管部と、前記第1水平管部よりも下流側に配置され且つ管底が下流側に下方向に傾斜する傾斜管部とを少なくとも含む、逆流防止マスである。
【0018】
第5の態様によると、逆流防止マスの流入管部に上流側から接続される配管の流れ勾配が小さい場合にも、当該配管を流入管部の第1水平管部に容易に接続することができる。
【0019】
本開示に係る第6の態様は、第5の態様において、前記第1水平管部と前記傾斜管部とは、一体成形され、前記流入管部は、前記排水マス本体に挿通され、前記流入管部の下流側の端面に、前記弁体と当接可能な弁座面が設けられる、逆流防止マスである。
【0020】
第6の態様によると、逆流防止マスの構成部品数を低減できるので、逆流防止マスの組み立てが容易になる。
【0021】
本開示に係る第7の態様は、第5又は第6の態様において、前記流入管部は、前記傾斜管部よりも下流側に配置されると共に前記排水マス本体と接続され且つ管底が水平又は略水平な第2水平管部をさらに含む、逆流防止マスである。
【0022】
第7の態様によると、排水マス本体の側壁に流入管部の第2水平管部を容易に取り付けることができる。
【0023】
本開示に係る第8の態様は、第5~第7の態様のいずれか1つにおいて、前記第1水平管部の管軸の延長線は、前記傾斜管部の内壁面と交差することなく前記流入管部の前記下流側開口を通過する、逆流防止マスである。
【0024】
第8の態様によると、排水が流入管部の上流側から下流側へ流れる際に傾斜管部の管頂付近に衝突して排水の流速が減少する事態を回避できるので、逆流防止弁の弁体が、排水の流れによって開きやすい状態を実現できる。
【0025】
本開示に係る第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、前記流入管部の下流側は、前記排水マス本体の内部に挿通され、前記弁体は、無排水時には前記流入管部の前記下流側開口を垂直に塞ぎ、前記流入管部における前記下流側開口の周縁部に、排水の逆流時に前記弁体と当接可能に構成された弁座面が設けられる、逆流防止マスである。
【0026】
第9の態様によると、流入管部の構成が簡易になって逆流防止マスの組み立てが容易になる。また、排水時における弁体の開閉が容易になると共に、排水の逆流が生じた際に上流側へ空気が圧送される事態を阻止して排水管路に封水破壊が生じることを抑制できる。
【0027】
本開示に係る第10の態様は、第9の態様において、前記弁座面は、前記流入管部の内周面から端面に亘って、下流方向に末広がり状に設けられる、逆流防止マスである。
【0028】
第10の態様によると、排水の逆流が生じた際に、より弱い力(水圧)でも弁体による止水効果を確実に得ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本開示によると、排水管路を逆流する排水の上流側への侵入を防止する逆流防止マスにおいて、排水量が少ない場合でも汚物などによる排水詰まりが生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、実施形態に係る逆流防止マスが設けられる排水管路の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る逆流防止マスの縦断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す逆流防止マスにおける排水マス本体と流入管部との接続箇所及びその近傍を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る逆流防止マスにおいて、流入管部における下流側管底と上流側管底との高低差、及び、排水マス本体の底部と流入管部の下流側管底との高低差を示す断面図である。
【
図5】
図5は、変形例に係る逆流防止マスの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施形態)
以下、本開示の一実施形態に係る逆流防止マスについて、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
【0032】
<排水管路の構成例>
本実施形態の逆流防止マス10は、例えば
図1に示すように、トイレ等の屋内排水設備2と下水管(図示省略)とを接続する排水管路1に設けられ、排水管路1を逆流する排水の上流側への侵入を防止する。排水管路1における屋内排水設備2と逆流防止マス10との間には、排水管路1中のゴミ等の汚物の除去や点検を行うために、例えば、他の排水マス3A、3B、3Cが設けられていてもよい。排水管路1を構成する配管は、例えば、内径107mmの塩化ビニル管VU100であり、当該配管には、下流に向かって、例えば1/200程度の流れ勾配が設けられていてもよい。
【0033】
<逆流防止マスの構成例>
図2及び
図3に示すように、逆流防止マス10は、排水マス本体11と、排水マス本体11の側壁に設けられた排水の流入管部12及び流出管部13と、排水マス本体11内に設けられた逆流防止弁14とを備える。逆流防止マス10は、例えば、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂で構成してもよい。
【0034】
排水マス本体11の上部には、高さ調整用のアジャスターや蓋(図示省略)を挿入するための開口部11aが設けられる。開口部11aは、例えば、直径50~300mm程度の円形形状を有する。開口部11aにアジャスターや蓋を挿入することによって、逆流防止マス10を地表に臨ませて逆流防止マス10の点検やメンテナンスが可能となる。
【0035】
排水マス本体11の側壁には、開口部11bが設けられ、当該開口部11bを通じて流入管部12の下流側が排水マス本体11の内部に挿通され、これにより、排水マス本体11と流入管部12とは接続される。すなわち、本実施形態では、排水マス本体11と流入管部12とは別体として構成され、流入管部12は、排水マス本体11の外側から内側に向けて挿通される。
【0036】
流入管部12は、上流側に配置された第1水平管部121と、水平管部121よりも下流側に配置された傾斜管部122と、傾斜管部122よりも下流側に配置された第2水平管部123とを含む。第1水平管部121、傾斜管部122及び第2水平管部123は、一体成形されていてもよい。第1水平管部121及び第2水平管部123のぞれぞれの管底(管内壁の底部)は、水平又は略水平である。傾斜管部122の管底は、下流側に下方向に傾斜する。従って、傾斜管部122及び第2水平管部123の各管底は、第1水平管部121の管底よりも下方に位置する。言い換えると、流入管部12の下流側管底は、流入管部12の上流側管底よりも下方に位置する。
【0037】
流入管部12(第1水平管部121)の上流側開口12aには、図示は省略しているが、排水管路1を構成する配管(屋内排水設備2側の上流配管)が接続される。具体的には、当該上流配管の外径は、第1水平管部121の内径と略等しく、当該上流配管の下流側端部は、第1水平管部121に挿入される。第1水平管部121における傾斜管部122との境界には、管内周に沿って段差121aが設けられる。傾斜管部122の内周面は、傾斜管部122の管軸から見て外側に向かって膨出する曲面を有してもよい。この曲面により、排水の流れを円滑にすることができる。傾斜管部122及び第2水平管部123の各内径は、第1水平管部121に挿入される上流配管の内径と略等しくてもよい。第1水平管部121に挿入された上流配管の先端は段差121aと当接し、それによって、当該上流配管の挿入方向の位置決めが行われる。
【0038】
第2水平管部123の外径は、排水マス本体11の開口部11bの径と略等しく、第2水平管部123は、開口部11bから排水マス本体11の内部に挿入される。すなわち、流入管部12(第2水平管部123)の下流側開口12bは、排水マス本体11の開口部11bよりも、排水マス本体11の内部側に位置する。第2水平管部123における傾斜管部122との境界には、管外周に沿って突出部123aが設けられる。第2水平管部123を排水マス本体11内に挿入した際に、排水マス本体11における開口部11b周囲の側壁に第2水平管部123の突出部123aが当接し、それによって、第2水平管部123の挿入方向の位置決めが行われる。
【0039】
排水マス本体11における開口部11b周囲の側壁には、排水マス本体11の外側方に突出する突出部11cを設けてもよい。この場合、排水マス本体11の突出部11cを開口部11bを囲むように円筒状に配置すると共に突出部11cの先端面を平面状に面一にしてもよい。このようにすると、排水マス本体11の突出部11cの先端面と、第2水平管部123の突出部123aの側面(下流側)とを面接触させることができるので、パッキン等を用いることなく、流入管部12と排水マス本体11とを良好に接続できる。
【0040】
本実施形態では、第2水平管部123の下流側開口12bを通過した汚物などを排水と共に下流側へ流しやすくするために、排水マス本体11の底部を、第2水平管部123の管底、つまり流入管部12の下流側管底よりもさらに下方に位置させてもよい。この場合、第2水平管部123の下流側開口12bの下端から排水マス本体11の底部へと下流側に下方向に傾斜する傾斜部を、排水マス本体11に設けてもよい。また、当該傾斜部に接続し且つ第2水平管部123を支持する水平部、及び、当該水平部を支持し且つ排水マス本体11の開口部11bの下方に位置する支持部をそれぞれ、排水マス本体11に設けてもよい。
【0041】
傾斜管部122の傾斜は、第1水平管部121の管底と第2水平管部123の管底との高低差が、上流配管(流入管部12に上流側から接続される配管)の内径の23%以上になるように、設定してもよい。また、傾斜管部122の傾斜は、第1水平管部121の管軸(中心軸)の延長線(
図2の破線)が、傾斜管部122の内壁面と交差することなく流入管部12の下流側開口12bを通過するように、設定してもよい。言い換えると、第1水平管部121の管底と第2水平管部123の管底との高低差を、傾斜管部122の内径(上流配管の内径)の50%未満に設定してもよい。
【0042】
流出管部13は、排水マス本体11と一体成形されていてもよい。排水マス本体11の底部と流出管部13の管底とは、略同じ高さに位置していてもよい。流出管部13の開口(下流側開口)には、図示は省略しているが、排水管路1を構成する配管(下水管側の下流配管)が接続される。具体的には、当該下流配管の外径は、流出管部13の開口側の内径と略等しく、当該下流配管の上流側端部は、流出管部13に挿入される。流出管部13の内部には、管内周に沿って段差13aが設けられ、段差13aよりも上流側の流出管部13の内径は、流出管部13の開口側の内径つまり下流配管の外径よりも小さくなっている。これにより、流出管部13に挿入される下流配管の先端が段差13aと当接し、それによって、当該下流配管の挿入方向の位置決めが行われる。
【0043】
逆流防止弁14は、流入管部12の下流側開口12bを閉鎖可能に構成された略円盤状の弁体141を有する。逆流防止弁14は、弁体141を回動自在に支持する支持部142と、支持部142における弁体141の反対側に設けられた回転軸143と、回転軸143を軸支する軸受け部材15とをさらに有する。排水マス本体11の内壁における開口部11bの上側には、第2水平管部123の外周頂部に沿って排水マス本体11の内部方向に延びる延設部111が設けられ、軸受け部材15は、延設部111上に接着、ビス止め又は溶着などの方法により固定される。また、軸受け部材15は、延設部111に嵌装されるなどして、取り外し可能に固定されてもよい。取り外し可能にすることで、軸受け部材15が破損した際に、容易に交換可能になる。軸受け部材15に軸支される回転軸143は、弁体141の重心位置よりも上流側に配置される。延設部111は、排水マス本体11と一体成形されていてもよい。
【0044】
流入管部12(第2水平管部123)の下流側開口12bの開口面は実質的に鉛直面であり、弁体141は、無排水時には、この鉛直面に沿って下流側開口12bを実質的に垂直に塞ぐ。すなわち、下流側開口12bを閉塞するときの弁体141の円盤形状が鉛直面となす角度は、実質的に0°である。流入管部12の下流側の端面、つまり、流入管部12における下流側開口12bの周縁部には、弁体141と当接可能な弁座面12cが設けられる。弁座面12cは、排水の逆流時に弁体141と当接可能に構成される。弁座面12cは、流入管部12(第2水平管部123)の内周面から端面に亘って、下流方向に末広がり状に設けられてもよい。すなわち、弁座面12cは、テーパ面(傾斜面)であってもよい。弁体141の外周面には、流入管部12の弁座面12cに密着可能な環状のパッキン16が設けられる。
【0045】
尚、本実施形態において、排水マス本体11の底部には、例えば断面半円状のインバート部11dが設けられてもよい。インバート部11dの底部と流出管部13の管底とは、略同じ高さに位置してもよい。インバート部11dは、排水マス本体11の底部から第2水平管部123の下流側開口12bまでの傾斜部に延長して設けてもよい。このようにすると、インバート11dによって流入管部12と流出管部13とが接続されるので、排水中の汚物等が停留することを抑制することができる。
【0046】
<逆流防止マスの動作例>
無排水時においては、逆流防止弁14の弁体141は、流入管部12の弁座面12cに接触して、流入管部12の下流側開口12bを閉塞している。弁体141が下流側開口12bを閉塞しているときに、屋内排水設備2から排水が流出すると、排水管路1を通って流入管部12に流入した排水は、流入管部12の弁座面12cに接触している弁体141を水圧で押し開く。これにより、流入管部12から排水マス本体11へ排水が流入し、当該排水は流出管部13を通って逆流防止マス10から流出する。また、弁体141の重心が回転軸143よりも下流側に位置するため、流入管部12を排水が流れ去ると、弁体141は自重によって下流側開口12bを再び閉塞する。
【0047】
一方、大雨等によって下水管の排水能力を超えてあふれ出た排水が排水管路1を逆流しても、逆流防止弁14の弁体141によって流入管部12の下流側開口12bが閉塞されているため、逆流防止弁14よりも上流側の排水管路1に排水が浸入することはない。従って、逆流した排水や、この排水によって圧送された空気が屋内排水設備2から噴き出すことを防止できる。
【0048】
<実施形態の効果>
以上に説明した本実施形態の逆流防止マス10によると、排水マス本体11の側壁に設けられた排水の流入管部12において、下流側管底が上流側管底よりも下方に位置する。このため、排水が流入管部12の上流側から下流側へ流れる際に排水の流速が増大するので、流入管部12の下流側開口12bを塞ぐ逆流防止弁14の弁体141が、排水の流れによって開きやすくなる。従って、排水量が少ない場合でも、逆流防止マス10において汚物などによる排水詰まりが生じることを抑制することができる。特に、流入管部12に上流側から接続される配管の流れ勾配が小さく、当該配管内での排水の流速が小さい場合、本実施形態の逆流防止マス10は有用である。
【0049】
また、本実施形態の逆流防止マス10において、排水マス本体11の底部は、流入管部12の下流側管底よりも下方に位置してもよい。このようにすると、排水マス本体11内における逆流防止弁14の弁体141の下流側に汚物などがたまって、弁体141の開放を阻害する事態を回避できる。従って、逆流防止マス10において汚物などによる排水詰まりが生じることをより一層抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態の逆流防止マス10において、流入管部12における下流側管底と上流側管底との高低差は、流入管部12に上流側から接続される配管の内径の23%以上であってもよい。このようにすると、排水が流入管部12の上流側から下流側へ流れる際に排水の流速を十分に増大させることができるため、逆流防止弁14の弁体141が排水の流れによってさらに開きやすくなる。従って、逆流防止マス10において汚物などによる排水詰まりが生じることをより一層抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態の逆流防止マス10において、流入管部12は、上流側に配置され且つ管底が水平又は略水平な第1水平管部121と、第1水平管部121よりも下流側に配置され且つ管底が下流側に下方向に傾斜する傾斜管部122とを含んでいてもよい。このようにすると、流入管部12に上流側から接続される配管を流入管部12の第1水平管部121に容易に接続することができる。
【0052】
また、本実施形態の逆流防止マス10において、流入管部12は、傾斜管部122よりも下流側に配置されると共に排水マス本体11と接続され且つ管底が水平又は略水平な第2水平管部123をさらに含んでもよい。このようにすると、排水マス本体11の側壁に流入管部12の第2水平管部123を容易に取り付けることができる。
【0053】
また、本実施形態の逆流防止マス10において、第1水平管部121の管軸の延長線は、傾斜管部122の内壁面と交差することなく流入管部12の下流側開口12bを通過してもよい。このようにすると、排水が流入管部12の上流側から下流側へ流れる際に傾斜管部122の管頂(管内壁の頂部)付近に衝突して排水の流速が減少する事態を回避できる。従って、逆流防止弁14の弁体141が、排水の流れによって開きやすい状態を実現できる。
【0054】
また、本実施形態の逆流防止マス10において、第1水平管部121と傾斜管部122と第2水平管部123とは、一体成形されていてもよい。このようにすると、逆流防止マス10の構成部品数を低減できるので、逆流防止マス10の組み立てが容易になる。
【0055】
また、本実施形態の逆流防止マス10において、流入管部12の下流側は、排水マス本体11の内部に挿通されてもよい。このようにすると、流入管部12の構成が簡易になって逆流防止マス11の組み立てが容易になる。具体的には、流入管部12の下流側端部を排水マス本体11内に挿通させずに排水マス本体11の円筒状側壁に直接接触させようとすると、流入管部12における排水マス本体11との接続部を複雑な形状に成形しなければならない。それに対して、本実施形態では、前述のように、パッキン等を用いることなく、流入管部12と排水マス本体11とを良好に接続できる。
【0056】
また、本実施形態の逆流防止マス10において、弁体141は、無排水時には流入管部12の下流側開口12bを実質的に垂直に塞ぎ、流入管部12における下流側開口12の周縁部に、排水の逆流時に弁体141と当接可能に構成された弁座面12cが設けられてもよい。このようにすると、排水時における弁体141の開閉が容易になると共に、排水の逆流が生じた際に上流側へ空気が圧送される事態を阻止して排水管路に封水破壊が生じることを抑制できる。この場合、弁座面が、流入管部12の内周面から端面に亘って、下流方向に末広がり状に設けられると、排水の逆流が生じた際に、より弱い力(水圧)でも弁体141による止水効果を確実に得ることができる。
【0057】
<実施例>
以下、実施例について説明する。本実施例では、逆流防止マス10における「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」及び「排水マス本体11の底部と流入管部12の下流側管底との高低差」の組み合わせを変えながら、逆流防止マス10の掃流性試験を行った。
【0058】
具体的には、
図4に示すように、逆流防止マス10において、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」として、0mm、10mm、20mm、30mmの4パターンを設定し、「排水マス本体11の底部と流入管部12の下流側管底との高低差」として、0mm、10mm、20mm、30mm、40mmの5パターンを設定した。尚、
図4において、
図2に示す逆流防止マス10と同じ構成要素には同じ符号を付している。また、第1水平管部121に挿入される上流配管(図示省略)によって、第1水平管部121の実質的な管底(流入管部12の実質的な上流側管底)は、上流配管の肉厚分高くなるが、
図4に示す寸法は、この肉厚分を考慮したものである。
【0059】
掃流性試験では、
図1に示す排水管路1において、屋内排水設備2である節水型トイレから、流下物(疑似汚物等)を排水と共に流し、逆流防止マス10を通過できるかどうかで掃流性を評価した。
【0060】
排水管路1は、延長距離1800mmの塩化ビニル管VU75からなる屋内配管と、延長距離11700mmの塩化ビニル管VU100からなる屋外配管とで構成した。逆流防止マス10及び他の排水マス3A、3B、3Cは、排水管路1の屋外配管部分に配置した。具体的には、排水マス3Aは、屋内配管と屋外配管との接続箇所から下流側に1300mmの地点に配置し、排水マス3Bは、排水マス3Aから下流側に4400mmの地点に配置し、排水マス3Cは、排水マス3Bから下流側に1500mmの地点に配置し、逆流防止マス10は、排水マス3Cから下流側に4500mmの地点に配置した。また、屋内配管の流れ勾配は1/100とし、屋内配管と屋外配管との間に500mmの落差を設け、屋外配管のうち排水マス3Cまでの流れ勾配を2/100とし、排水マス3Cから逆流防止マス10までの流れ勾配を1/200とした。
【0061】
また、掃流性試験では、原則、節水型トイレの大排水を1回行い、流下物が逆流防止マス10まで到達せずに途中で滞留した場合、流下物が滞留した場所が排水マス3Bよりも上流側であれば、節水型トイレの大排水を1回追加で行い、流下物が滞留した場所が排水マス3B又はそれよりも下流側であれば、流下物が逆流防止マス10に到達するまで節水型トイレの小排水を追加で行った。流下物としては、PVA(ポリビニルアルコール)スポンジ製疑似汚物(φ25、長さ80mm、比重約1.05)(以下、PVA疑似汚物という)と、シングルトイレットペーパー(90cm3回折りを1枚の単位とする)とを用い、「通常」の量として、PVA疑似汚物の1/2カット品4個及びシングルトイレットペーパー2枚を流下し、「大量」の量として、PVA疑似汚物の1/2カット品6個、PVA疑似汚物の1/4カット品8個及びシングルトイレットペーパー8枚を流下した。
【0062】
逆流防止マス10における「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」及び「排水マス本体11の底部と流入管部12の下流側管底との高低差」の色々な組み合わせに対する掃流性試験結果を「(流下物が逆流防止弁14の弁体141を通過した回数)/(試験回数)」で表した結果を下記表1に示す。
【0063】
【0064】
表1に示すように、流入管部12において下流側管底を上流側管底よりも下方に位置させることによって、逆流防止マス10の掃流性は向上する。また、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」が同じである場合、排水マス本体11の底部を流入管部12の下流側管底よりも下方に位置させることによって、逆流防止マス10の掃流性はさらに向上する。特に、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」を25mm程度以上、より好ましくは30mm以上とすることによって、「大量」の流下物に対しても十分な掃流性を得ることができる。本実施例では、流入管部12に上流側から接続される配管(塩化ビニル管VU100)の内径は107mmであるので、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」が、流入管部12に上流側から接続される配管の内径の23%程度以上とすることにより、特に優れた掃流性が得られることが分かる。
【0065】
以上のように、流入管部12に上流側から接続される配管の流れ勾配(本実施例では1/200)が小さいと、当該配管内での排水の流速が小さくなり、流下物の滞留が生じやすくなるが、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」によって逆流防止マス10の掃流性を向上させることができる。
【0066】
尚、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」を、流入管部12に上流側から接続される配管の外径の50%程度以下にすると、流入管部12として汎用サイズの継手を使用できるので、コスト面のメリットが生じる。また、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」を、流入管部12に上流側から接続される配管の外径の100%程度以下にすると、逆流防止マス10を地中に埋設する深さが増大することを抑制できるので、施工性が向上するというメリットが生じる。
【0067】
本実施例では、以上に説明した掃流性試験とは別に、排水管路1に少量の水を流した場合に、当該水が逆流防止弁14の弁体141の上流側に滞留するかどうか(弁体141を押し開けられるかどうか)を評価する滞留性試験を行った。具体的には、排水マス3Bから100ccの水を流し、弁体141の手前で滞留せずに100ccの水全量が流入管部12の下流側開口12bを通過可能かを評価した。尚、滞留性試験は、通常排水後に弁体141が自然に閉まった状態、及び、排水の逆流後を模擬して人の手で弁体141を押さえて閉めた状態の2パターンについてそれぞれ3回実施した。
【0068】
滞留性試験の結果、通常排水では、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」が10mm、20mm、30mmのいずれの場合も100ccの水全量が流入管部12の下流側開口12bを通過した。一方、排水の逆流後を模擬した場合、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」が20mm以上であれば、100ccの水全量が流入管部12の下流側開口12bを通過した。
【0069】
また、少量の水の場合、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」により与えられた排水の速度によって弁体141が開くのではなく、弁体141の手前で少量の水が一時的に滞留し、それにより生じた水頭圧によって弁体141が開いて水が通過していく様子が確認された。このことから、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」は、弁体141に十分な水頭圧を与えられるだけの水深が生じる高低差であればよいことが判明した。また、少量の水の滞留を防止するためには、「流入管部12の下流側管底と上流側管底との高低差」の大きさ自体よりも、流入管部12において下流側開口12bの手前の水平管部(第2水平管部123)の長さをできるだけ短くすることが有効であることが判明した。
【0070】
(その他の実施形態)
前記実施形態(実施例を含む。以下同じ。)では、直列に構成された排水管路1に逆流防止マス10を設けた。しかし、これに限定されず、例えば排水ヘッダー等を用いて並列に構成された複数の配管を含む排水管路に逆流防止マス10を設けてもよい。
【0071】
また、前記実施形態では、排水マス本体11の側壁に排水の流入管部12及び流出管部13を1つずつ設けた。しかし、これに限定されず、排水マス本体11の側壁に複数の流入管部12を設けてもよいし、複数の流出管部13を設けてもよい。
【0072】
また、前記実施形態では、流入管部12は、第1水平管部121と、傾斜管部122と、第2水平管部123とから構成された。しかし、流入管部12において下流側管底が上流側管底よりも下方に位置していれば、言い換えると、流入管部12において下流側開口12bの下端が上流側開口12aの下端よりも下方に位置していれば、流入管部12の構成は特に限定されない。例えば、第1水平管部及び/又は第2水平管部123を設けなくてもよい。或いは、傾斜管部122の途中に第3水平管部を設けてもよい。
【0073】
また、前記実施形態では、流入管部12と排水マス本体11とを別体とし、流入管部12の下流側を排水マス本体11の内部に挿通したが、これに代えて、流入管部12の下流側端部を排水マス本体11の側壁に取り付けてよいし、或いは、流入管部12と排水マス本体11とを一体成形してもよい。
【0074】
逆流防止マス10の一変形例の縦断面図を
図5に示す。尚、
図5において、
図2に示す逆流防止マス10と同じ構成要素には同じ符号を付している。
図5に示す変形例が、
図2に示す逆流防止マス10と異なる点は、流入管部12が、下流側に排水マス本体11の内側から取り付けられた弁管124を有し、弁管124の下流側の端面に、弁体141と当接可能な弁座面12cが設けられることである。本変形例によると、弁体141により開閉される弁管124を排水マス本体11の内側から取り付けるので、弁体141を弁管124と一体に取り付けることが可能となり、逆流防止マスの組み立てが容易になる。
【0075】
図5に示す変形例では、
図2に示す逆流防止マス10と比べて第2水平管部123を上流側に配置し、当該第2水平管部123に弁管124を下流側から水平に接続し、弁管124を第2水平管部123の一部として構成してもよい。排水マス本体11における開口部11b周囲の内側壁に、排水マス本体11の内側に延びる延設部111を設け、当該延設部111によって、弁管124を支持してもよい。弁管124は、円筒状の延設部111に挿入された状態で延設部111に接着されてもよい。逆流防止弁14(軸受け部材15)は、弁管124の頂部に取り付けてもよい。弁体141の外周面に凹部141aを設け、凹部141aにパッキン16として、例えばVパッキンを取り付けてもよい。このようにすると、弁座面12cがテーパ面(傾斜面)であるため、弁座面12cに対するパッキン16の密着性が向上し、排水の逆流時における弁体141による止水効果がさらに増大する。
【0076】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。さらに、以上に述べた「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【符号の説明】
【0077】
1 排水管路
2 屋内排水設備
3A、3B、3C 排水マス
10 逆流防止マス
11 排水マス本体
11a、11b 開口部
11c 突出部
11d インバート部
111 延設部
12 流入管部
12a 上流側開口
12b 下流側開口
12c 弁座面
121 第1水平管部
121a 段差
122 傾斜管部
123 第2水平管部
123a 突出部
124 弁管
13 流出管部
13a 段差
14 逆流防止弁
141 弁体
141a 凹部
142 支持部
143 回転軸
15 軸受け部材
16 パッキン