(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】再封可能容器
(51)【国際特許分類】
B65D 75/26 20060101AFI20241004BHJP
B65D 75/12 20060101ALI20241004BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20241004BHJP
B65D 35/08 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B65D75/26
B65D75/12
B65D77/04 F
B65D35/08
(21)【出願番号】P 2021100514
(22)【出願日】2021-06-16
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100145089
【氏名又は名称】野村 恭子
(72)【発明者】
【氏名】富岡 恭史
(72)【発明者】
【氏名】永野 陽子
(72)【発明者】
【氏名】大澤 梓
(72)【発明者】
【氏名】山本 光
(72)【発明者】
【氏名】蛭名 亮太
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-175328(JP,A)
【文献】特開2018-030606(JP,A)
【文献】特開2006-315385(JP,A)
【文献】特開平01-070374(JP,A)
【文献】実開昭57-167046(JP,U)
【文献】米国特許第04858780(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/12-75/26
B65D 65/40
B65D 77/04-77/30
B65D 35/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合フィルムから形成された再封可能な容器であって、
前記複合フィルムが、基材層、粘着層、及びヒートシール層を、この順で含み、
前記ヒートシール層同士が、ヒートシールされて接合部を形成しており、それによって前記容器の開封時には、前記接合部における前記粘着層と前記ヒートシール層とが層間剥離して、前記ヒートシール層が前記粘着層に再封可能な状態で露出し、
前記接合部は、面状にヒートシールされた面状シール部と、前記面状シール部の中に線状にヒートシールされた線状シール部と、を備
え、
前記線状シール部の両側には、前記基材層を構成する材料によるリブが形成されており、
前記リブは、再封時のガイドとなり、
前記線状シール部は、前記面状シール部を横断するように設けられている、
再封可能容器。
【請求項2】
前記複合フィルムの厚みは、150μm以上である、請求項1に記載の再封可能容器。
【請求項3】
前記容器は、チューブ容器であり、
前記面状シール部は、チューブ末端に扁平状に設けられている、請求項1
又は2に記載の再封可能容器。
【請求項4】
二重構造チューブであって、
前記二重構造チューブは、内袋と外袋を有し、かつ一端に口部を有し、
前記内袋は、前記外袋より薄肉な樹脂製の袋体であり、かつ内容物を充填可能であり、
前記外袋は、請求項
3に記載のチューブ容器であり、
前記外袋と前記内袋は、口部において分離可能に係合している、
二重構造チューブ。
【請求項5】
前記内容物は、練り歯磨きである、請求項
4に記載の二重構造チューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再封可能容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一度では消費しきれない食品や医薬品等の包装手段として、再封機能を有する各種の包装体が用いられている。かかる包装体のためには、ジッパー等の付属物を取り付けることなく、包装体そのものに再封機能を付与することのできる、多層フィルムを用いた封止が提案されている。
【0003】
再封を可能とする包装材料としては、例えば、基層、基層に隣接した粘着接着剤層、及び粘着接着剤層を覆っている表皮層(ヒートシール層)からなる柔軟包装材料が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された柔軟包装材料は、包装機で自身に対してシールされてシール部を形成することで内容物を密封することができ、開封の際にはシール部を手で容易に引き離すことができる。このときに、粘着接着剤層とヒートシール層とが層間剥離して、ヒートシール層が粘着接着剤層に再封可能な状態で露出するので、手の圧力のみで、シール領域においてパッケージを再封することができる。
【0005】
なお、特許文献2では、練り歯磨き等の日用品などに使用されるチューブ容器、特に内容物を無駄なく使い切ることができるチューブ容器に関して、内袋と外袋からなり一端に口部を有する二重構造のチューブ容器であって、外袋が筒状の胴部と、筒状の胴部の一端の周縁に外周部が融着された肩部と、肩部の中央に起立する口部とを有するプラスチック樹脂を主体とするラミネートチューブが提案されている。内袋は外袋より薄肉なプラスチック樹脂製の袋体であって内容物が充填され、外袋と内袋は口部において分離可能に係合しており、口部と反対側の外袋の端部は内袋から離隔して偏平状にヒートシールされ、ヒートシールされた部位の少なくとも一方の側端部に切込みが設けられていることを特徴とするチューブ容器となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表平4-502588号公報
【文献】特開2018-30606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された柔軟包装材料の再封の際には、粘着接着剤層とヒートシール層とを原状復帰させるように同じ場所に位置決めして再封しないと、再封後の密着強度が弱くなり、再封機能が不安定になっていた。
【0008】
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、再封時の密着の安定性の高い再封可能容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。そして、基材層、粘着層、及びヒートシール層をこの順で含む複合フィルムから、再封可能な容器を形成するにあたり、ヒートシール層同士をヒートシールして接合部を形成するときに、第1段階として面状にヒートシールして面状シール部を形成し、第2段階として面状シール部の中に線状にヒートシールした線状シール部を形成すれば、再封時の密着の安定性の高い再封可能容器が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0010】
《態様1》
複合フィルムから形成された再封可能な容器であって、
前記複合フィルムが、基材層、粘着層、及びヒートシール層を、この順で含み、
前記ヒートシール層同士が、ヒートシールされて接合部を形成しており、それによって前記容器の開封時には、前記接合部における前記粘着層と前記ヒートシール層とが層間剥離して、前記ヒートシール層が前記粘着層に再封可能な状態で露出し、
前記接合部は、面状にヒートシールされた面状シール部と、前記面状シール部の中に線状にヒートシールされた線状シール部と、を備える、
再封可能容器。
《態様2》
前記複合フィルムの厚みは、150μm以上である、態様1に記載の再封可能容器。
《態様3》
前記線状シール部の両側には、前記基材層を構成する材料によるリブが形成されており、前記リブは、再封時のガイドとなる、態様1又は2に記載の再封可能容器。
《態様4》
前記線状シール部は、前記面状シール部を横断するように設けられている、態様1~3のいずれか一態様に記載の再封可能容器。
《態様5》
前記容器は、チューブ容器であり、
前記面状シール部は、チューブ末端に扁平状に設けられている、態様1~4のいずれか一態様に記載の再封可能容器。
《態様6》
二重構造チューブであって、
前記二重構造チューブは、内袋と外袋を有し、かつ一端に口部を有し、
前記内袋は、前記外袋より薄肉な樹脂製の袋体であり、かつ内容物を充填可能であり、
前記外袋は、態様5に記載のチューブ容器であり、
前記外袋と前記内袋は、口部において分離可能に係合している、
二重構造チューブ。
《態様7》
前記内容物は、練り歯磨きである、態様6に記載の二重構造チューブ。
【発明の効果】
【0011】
本発明の再封可能容器は、ヒートシール層同士がヒートシールされて形成される接合部に、線状シールが施されていることで、線状シールによる凹凸形状が形成されており、この凹凸形状を再封の際の位置決めに利用することができる。これにより、本発明の再封可能容器は、開封前の原状に復帰させる位置で再封することが容易となり、再封時の密着安定性を高めることができる。
【0012】
また、本発明の再封可能容器は、ヒートシール層同士がヒートシールされて形成される接合部に、線状シールによる凹凸形状を有することで、接合部に薄肉部と厚肉部を有することとなる。これにより、容器を開封するために接合部を剥離する際に、薄肉部が折れ曲がりながら剥離されるため、接合部の剥離強度が高くなり、容器の密封性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係る再封可能容器の接合部を説明するための図である。
【
図2】一実施形態に係る再封可能容器の接合部の断面写真である。
【
図3】実施例1で作製した接合部を剥離したときの写真である。
【
図4】比較例1で作製した接合部を剥離したときの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
《再封可能容器》
本発明の再封可能容器は、複合フィルムから形成されたものであり、本発明で用いられる複合フィルムは、少なくとも、基材層、粘着層、及びヒートシール層をこの順で含む。
【0015】
本発明の再封可能容器は、複合フィルムのヒートシール層同士がヒートシールされて接合部を形成しており、それによって容器の開封時には、接合部における粘着層とヒートシール層とが層間剥離して、ヒートシール層が粘着層に再封可能な状態で露出する。再封時には、露出したヒートシール層と粘着層とを対向させて、手の圧力等で押圧することで、容器を再封することができる。
【0016】
<接合部>
本発明の再封可能容器は、ヒートシール層同士がヒートシールされて形成された接合部を有し、この接合部が特定の構造を有していることを特徴とする。具体的には、接合部は、面状にヒートシールされた面状シール部と、面状シール部の中に線状にヒートシールされた線状シール部と、を備える。
【0017】
以下に、図面を参照しながら、本発明の再封可能容器の接合部について説明する。
図1は、一実施形態に係る本発明の再封可能容器の接合部を説明するための図である。
【0018】
図1(a)は、一実施形態に係る本発明の再封可能容器10の正面図、
図1(b)は再封可能容器10の背面図、
図1(c)は再封可能容器10の左側面図、
図1(d)は再封可能容器10の上面図を示す。
【0019】
図1に示される本発明の一実施形態に係る再封可能容器10の接合部は、面状にヒートシールされた面状シール部1と、面状シール部1の中に線状にヒートシールされた線状シール部2と、を備える。
【0020】
再封可能容器10は、複合フィルムのヒートシール層同士がヒートシールされてチューブを形成し、その後に、第1段階として、チューブ末端を扁平状に面状にヒートシールすることで面状シール部1を形成し、第2段階として、面状シール部1の略中央部に線状のヒートシールを施して、線状シール部2を形成したものである。
【0021】
再封可能容器10において線状シール部2は、扁平状の面状シール部1を横断するように設けられている。そして、
図1(c)の左側面図に示されているように、面状シール部1の中に線状シール部2を作製することで、線状シール部2が形成された面状シール部1の中の領域は、凹凸形状を備える。
【0022】
本発明の再封可能容器は、線状シールによる凹凸形状を備えており、この凹凸形状を再封の際の位置決めに利用することができる。すなわち、再封時に、露出したヒートシール層と粘着層とを対向させて、手の圧力等で再封するにあたり、凹凸形状を手掛かりとして位置決めすることができるため、開封前の原状に復帰させる位置で再封することが容易となり、再封時の密着安定性を高めることができる。
【0023】
本発明の再封可能容器において、線状シール部の形成位置は特に限定されるものではない。例えば、線状シール部は面状シール部を横断するように設けられていてもよい。面状シール部を横断するように線状シール部が存在すれば、再封時の位置決めがより容易となるとともに、再封時の密着性を高めることができる。
【0024】
更に、本発明の再封可能容器は、線状シール部の両側に、再封可能容器を構成する複合フィルムの基材層の材料によるリブが形成されていてもよい。リブは、線状シールを形成する際の圧力によって、基材層を構成する樹脂が線状シール部の両側に移動することで形成される。
【0025】
線状シール部の両側に形成されたリブは、再封時のガイドとして使用することができ、開封前の原状に復帰させる位置で再封することがより容易となる。
【0026】
また、線状シール部の両側に形成されたリブは、基材層を構成する樹脂が線状シール部の両側に移動することで形成されるため、接合部に薄肉部と厚肉部を有することとなる。すなわち、線状シール部は薄肉となり、その両側の面状シール部は厚肉となる。これにより、容器を開封するために接合部を剥離する際に、線状シール部である薄肉部が折れ曲がりながら剥離され、その結果、接合部の剥離強度が高くなり、容器の密封性を高めることができる。
【0027】
<再封可能容器の形状>
本発明の再封可能容器の形状は、複合フィルムのヒートシール層同士が面状にヒートシールされた面状シール部と、面状シール部の中に線状にヒートシールされた線状シール部と、を備える接合部を形成でき、且つ接合部を開封及び再封することのできる形状であれば、特に限定されるものではない。
【0028】
本発明の再封可能容器の形状は、例えば、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋等の包装袋や、チューブ容器等であってよい。
【0029】
中でもチューブ容器は、一般に総厚みが大きいため、接合部における線状シール部の凹凸形状をより大きく発現させることができる。その結果、本発明の効果をより享受することができる。
【0030】
本発明の再封可能容器がチューブ容器である場合には、面状シール部は、チューブ末端に扁平状に設けられていてもよい。これにより、チューブ末端を開封及び再封することが可能となり、内容物の消費の後にチューブ末端を開封し、内容物を再充填した後にチューブ末端を再封して、容器を再利用することができる。
【0031】
(二重構造チューブ)
本発明の再封可能容器は、二重構造チューブの外袋であってもよい。二重構造チューブは、例えば、内袋と外袋を有し、かつ一端に口部を有し、内袋は、外袋より薄肉な樹脂製の袋体であり、かつ内容物を充填可能であり、外袋は、本発明の再封可能容器であるチューブ容器であり、外袋と内袋は、口部において分離可能に係合しているものであってよい。
【0032】
上記の構成の二重構造チューブは、口部及び胴部を有しており、胴部の、口部と反対側の端部に、接合部を有することができる。そして、本発明の再封可能容器であるチューブ容器は、二重構造チューブの外袋となっており、外袋の中に、内容物が充填された内袋が収納されて、外袋と内袋とは、口部において分離可能に係合している。
【0033】
二重構造チューブの胴部の、口部と反対側の外袋の端部には、接合部を有することができ、二重構造チューブは、接合部により開封可能な状態で封止されている。外袋の接合部を開封することにより、内容物が減少した内袋を取り出し、内容物が充填された内袋を再度収納して、口部において内袋と外袋とを嵌合した後に、外袋の端部の接合部を再封することで二重構造チューブを封止し、再利用に付することができる。
【0034】
(内容物)
本発明の再封可能容器に充填される内容物は、特に限定されるものではない。内容物は、本発明の再封可能容器に直接的に収納される場合であっても、また、上記した二重構造チューブのように、内袋等に収納されて間接的に収容されていてもよい。
【0035】
直接的に収納する場合の内容物としては、例えば、即席麺、チルド食品、冷凍食品等の加熱式食品、又はスナック菓子、グミキャンディー等の非加熱式食品が挙げられる。間接的に収納する場合の内容物としては、例えば、練り歯磨き等が挙げられる。
【0036】
<再封可能容器の製造方法>
本発明の再封可能容器の製造方法は、特に限定されるものではない。少なくとも1箇所に、複合フィルムのヒートシール層同士が面状にヒートシールされた面状シール部と、面状シール部の中に線状にヒートシールされた線状シール部と、を備える接合部を形成できる方法であればよい。
【0037】
例えば、シール等によって少なくとも2方がシールされた筒状物を形成し、その末端を面状シールして面状シール部を形成した後に、面状シール部の中に線状シールを実施して線状シール部を形成してもよい。
【0038】
第1段階で実施する面状シールの方法は、面状にヒートシールできる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、幅を有するヒートシールバーを備えるヒートシーラーを用いて、必要な温度及び必要な圧力を適用して、面状シール部を形成することができる。
【0039】
面状シールの大きさについても、特に制限はなく、再封可能容器の用途に応じて、適宜設定することができる。例えば、5mm~25mm幅で、容器の端部を封止するように面状シール部を形成してもよい。
【0040】
第2段階で実施する線状シールの方法についても、線状にヒートシールできる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、線シールバーを備えるヒートシーラーを用いて、必要な温度及び必要な圧力を適用することにより、線状シール部を形成することができる。
【0041】
線状シールの大きさについても、特に制限はなく、再封可能容器の用途に応じて、適宜設定することができる。例えば、容器の端部を封止するように形成した面状シールの中に、1.0mm~2.0mm幅で、面状シール部を横断するように線状シールしてもよい。
【0042】
<複合フィルム>
本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムは、基材層、粘着層、及びヒートシール層を、この順で含むものであれば、特に限定されるものではない。基材層、粘着層、及びヒートシール層を、必須の構成として含んでいれば、これら以外の層を任意に備えていてもよい。
【0043】
本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムを構成する、それぞれの層の厚み等は、複合フィルムの用途等に応じて、適宜決定することができる。
【0044】
なお、本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルム全体の厚みは、150μm以上であってもよい。厚みが150μm以上であれば、接合部における線状シール部の凹凸形状をより大きく発現させることができ、本発明の効果をより享受することができる。
【0045】
複合フィルムの厚みは、175μm以上、200μm以上、225μm以上、又は250μm以上であってもよい。
【0046】
本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムの各層は、例えば、以下の構成とすることができる。
【0047】
(基材層)
基材層は、本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムにおいて、必須の構成層である。基材層は、単層であっても、複層からなる積層体となっていてもよい。
【0048】
本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムの基材層は、例えば包装袋やチューブ等の構造体を形成したときに、構造体の外層となる場合がある。この場合には、基材層は、最内層となるヒートシール層を熱融着して構造体を形成する時の保護層となりうる。また、内容物の表示等のための印刷を施すための印刷層ともなりうる。
【0049】
基材層が単層である場合には、基材層は、樹脂、特に保護層となり、印刷が可能となる樹脂からなる樹脂層であってよい。基材層となる樹脂層を形成する材料としては、一般的に用いられている樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等のポリオレフィン、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。
【0050】
なお、上記の樹脂は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
【0051】
基材層が樹脂層である場合には、予め成形された樹脂フィルムを適用してもよい。基材層となる樹脂フィルムは、上記の樹脂等から形成されたフィルムであればよく、未延伸であっても、一軸又は二軸延伸が施されていてもよい。中では、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
【0052】
更に、基材層となる樹脂フィルムには、その表面を粗面化させる粗面化処理が施されていてもよい。表面が粗面化されていることにより、隣接する層とのアンカー効果が生じ、密着性を向上させることができる。
【0053】
基材層が2層以上の積層体である場合には、上記した単層である場合の層に加えて、他の層が備えられるようにする。他の層としては、例えば、バリア性を付与するためのバリア層、強度を補強するための補強層、あるいは、層と層との間を接着するための接着層等が挙げられる。また、積層体となる基材層には、2層以上の同種の層が設けられていてもよい。
【0054】
{バリア層}
基材層を構成するバリア層は、複合フィルムにバリア性を付与するための層である。
【0055】
バリア層としては、例えば、酸素や水蒸気等のガスを遮断する機能を発現する、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン(NY)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はポリアクリロニトリル(PAN)等からなる樹脂層が挙げられる。
【0056】
なお、上記の樹脂は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
【0057】
あるいは、例えば、無機物蒸着膜層、金属箔層、有機物コート層等であってもよい。
【0058】
バリア層となる無機物蒸着膜層としては、例えば、シリカ蒸着膜、アルミニウム蒸着膜、アルミナ蒸着膜、シリカ・アルミナ蒸着膜等を挙げることができる。
【0059】
バリア層となる金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、チタン箔等の金属箔や、アルミニウム合金箔、ステンレス箔等の合金箔を挙げることができる。
【0060】
バリア層となる有機物コート層としては、塩化ビニリデンコート層、ポリフッ化ビニリデンコート層等のバリアコート層であってもよい。
【0061】
バリア層として無機物蒸着膜層又は有機物コート層を存在させる場合には、バリア層の厚さは、100nm以上、200nm以上、300nm以上、500nm以上、700nm以上、又は1μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であることが、複合フィルムを包装材等として用いる場合の取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
【0062】
バリア層として金属箔を存在させ場合には、バリア層の厚さは、5μm以上、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましい。また、100μm以下、80μm以下、60μm以下、55μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、又は35μm以下であることが、複合フィルムを包装材等として用いる場合の取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
【0063】
{補強層}
基材層を構成する補強層は、複合フィルムの強度を補強するための層である。補強層の材料としては、例えば、コート紙、アート紙等の紙、合成紙、不織布等が挙げられる。補強層となる紙等が基材層の外部に面する場合には、その表面に、グラビア印刷、フレキソ印刷等の印刷がなされていてもよい。
【0064】
{接着層}
基材層を構成する接着層は、層と層との間に存在し、層と層とを接着するための層である。接着層としては、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマーからなる層等が挙げられる。
【0065】
また接着層は、接着剤からなる層であってもよい。例えば、ドライラミネート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等であってよい。
【0066】
<粘着層>
粘着層は、本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムにおいて必須の構成層であり、隣接する基材層と、ヒートシール層との間に配置され、これらを互いに接着させるものである。
【0067】
本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムは、ヒートシール層同士をヒートシールして接合部を形成して再封可能容器を形成したときに、容器の開封時には、接合部における粘着層とヒートシール層とが層間剥離して、ヒートシール層が粘着層に再封可能な状態で露出させる。
【0068】
粘着層の厚さは、5μm以下であることが好ましい。5μm以下であれば、ヒートシール層同士をヒートシールして再封可能容器を作製し、当該容器を開封したときに、粘着層とヒートシール層との間の層間剥離を、より容易に行うことができる。
【0069】
粘着層の厚さは、4μm以下、又は3μm以下であってもよく、1μm以上、1.5μm以上、又は2μm以上であることが、十分な再封性を得る観点から好ましい。
【0070】
また、粘着層は、4.0g/m2以下の量で存在することが、粘着層とヒートシール層との間の層間剥離を良好に生じさせるとともに、良好な再封性を実現する観点から好ましい。粘着層の量は、3.8g/m2以下、又は3.5g/m2以下であってもよく、0.1g/m2以上、0.3g/m2以上、又は0.5g/m2以上であってもよい。
【0071】
本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムにおいて、粘着層の材料は、特に限定されるものではない。再封可能容器の内容物に対して、開封及び再封が適度に可能となる材料を用いればよい。
【0072】
粘着層の材料としては、例えば、熱可塑性エラストマーが挙げられる。熱可塑性エラストマーは、高温で流動化して成形が可能であり、常温ではゴム弾性を示す材料である。本発明に適用できる熱可塑性エラストマーは、特に限定されるものではないが、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマーや、スチレン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
【0073】
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン-プロピレン共重合体(EPM)、エチレン-ブテン共重合体(EBM)、エチレン-オクテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)等が挙げられる。
【0074】
また、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)のマトリクスに、オレフィン系ゴム(EPM、EPDM等)を分散させたブレンド型のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることも可能である。
【0075】
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン-エチレン・ブテン共重合体(SEB)、スチレン-エチレン・プロピレン共重合体(SEP)、スチレン-エチレン・ブテン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン-ブタジエン・ブチレン-スチレン共重合体(部分水添スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体;SBBS)、部分水添スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、部分水添スチレン-イソプレン・ブタジエン-スチレン共重合体等を挙げることができる。
【0076】
なお、本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムにおいて、粘着層を構成する熱可塑性エラストマーは、1種単独であっても、2種以上の熱可塑性エラストマーを組み合わせて用いてもよい。
【0077】
本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムにおいて、粘着層を構成する熱可塑性エラストマーとしては、常温又は高温領域においてゴム弾性を示すことから、スチレン系熱可塑性エラストマーであってもよい。
【0078】
更には、粘着付与剤との相溶性が良好であることから、スチレン系熱可塑性エラストマーの中でも、スチレン-ブタジエン・ブチレン-スチレン共重合体であってもよい。
【0079】
粘着層に熱可塑性エラストマーを用いる場合には、その含有率は、粘着層の質量全体に対して、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、又は60質量%以上であってよく、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、又は55質量%以下であってよい。
【0080】
粘着層に熱可塑性エラストマーを用いる場合には、熱可塑性エラストマーとともに、その他の成分が用いられていてもよい。その他の成分としては、例えば、ポリテルペン、ロジンエステル等が挙げられる。
【0081】
粘着層として、熱可塑性エラストマーとともに用いられるポリテルペンは、分子構造中にイソプレンを基本骨格として持つ有機化合物である。
【0082】
適用できるポリテルペンは、特に限定されるものではなく、「ポリテルペン」として商業的に入手可能なものを用いることができる。例えば、クレイトン社から市販されている、Sylvares(登録商標) TRA25、同TRB115、同TR1115T、同TR7115、同TRM1115、同TR7125、同TRB125、同TR1135、同TR90、同TR105等を挙げることができる。
【0083】
粘着層にポリテルペンを用いる場合には、その含有率は、粘着層の質量全体に対して、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、又は45質量%以上であってよく、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、又は55質量%以下であってよい。
【0084】
粘着層として、熱可塑性エラストマーとともに用いられるロジンエステルは、ロジンをエステル化した化合物である。
【0085】
エステル化されるロジンの主成分となる樹脂酸(各種異性体)の種類は、特に限定されるものではなく、共役二重結合を有する共役樹脂酸であっても、非共役樹脂酸であっても、またこれらの混合物であってもよい。
【0086】
共役樹脂酸としては、例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸等が挙げられる。また、非共役樹脂酸としては、例えば、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸等が挙げられる。
【0087】
ロジンエステルの形態は、特に限定されるものではなく、例えば、ロジンまたは重合ロジンと多価アルコールとのエステル、水素添加ロジンのエステル、更にはエステルにマレイン酸を付加して得られるマレイン酸変性ロジンエステル等であってもよい。
【0088】
「ロジンエステル」として商業的に入手可能なものを用いることができ、例えば、ハリマ化成社製のハリタックシリーズや、荒川化学工業社製のエルテルガムシリーズ、ペンセル(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
【0089】
粘着層におけるロジンエステルの含有率は、粘着層の質量全体に対して、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、又は45質量%以上であってよく、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、又は55質量%以下であってよい。
【0090】
本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムにおいて、粘着層には、必要に応じて、機能性等を付与するための樹脂等や添加剤等が配合されていてもよい。
【0091】
粘着層の作製方法は、特に限定されるものではない。例えば、粘着層を形成する材料と溶媒とを含む組成物を調製し、積層対象となる層の表面に塗工することで、作製することができる。また、塗工手段としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルク印刷、ドライラミネーターによる塗工等が挙げられる。
【0092】
<ヒートシール層>
ヒートシール層は、本発明の再封可能容器を形成するための複合フィルムにおいて必須の構成層である。ヒートシール層は、複合フィルムを用いて再封可能容器を形成する際に、ヒートシールに用いられる。このため、ヒートシール層は、複合フィルムの最内層となるように配置する。
【0093】
ヒートシール層を構成する材料としては、ヒートシールが可能であり、再封可能容器に十分なシール強度を付与できるものであれば、特に限定されるものではない。公知の材料を適用することができ、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。
【0094】
例えば、再封可能容器として、内容物が直接充填される包装袋等を形成する場合には、ヒートシール層は内容物を充填するための空間を形成する層となる。このため、耐内容物性を付与したい場合には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を用いることが好ましい。
【0095】
ヒートシール層は、上記の材料から予め成形されたフィルムを用いて形成してもよいし、基材層、熱軟化性接着樹脂層、及び必要に応じてその他の層が積層された積層体の表面に、ヒートシール層を形成するための材料を溶融して押出し、冷却固化させて形成してもよい。
【0096】
また、ヒートシール層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
【0097】
更に、ヒートシール層は、単層であっても、複層からなる構成であっていてもよい。
【0098】
ヒートシール層の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば1μm以上、2μm以上、又は3μm以上であってよい。この厚さは、10μm未満、7μm以下、6μm以下、又は5μm以下であることが、開封時の層間剥離をより容易とする観点から好ましい。
【実施例】
【0099】
実施例及び比較例等により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0100】
<材料>
実施例及び比較例においては、層を構成する材料として、以下を準備した。
【0101】
(1)基材層
[LLDPE/LDPE(厚み:50μm)/EMAA(厚み:55μm)/AL/EMAA(厚み:30μm)/PET/Ny]の7層構成の厚み285μmの積層体を準備した。用いたフィルム、箔、樹脂を、以下に示す。なお、LDPE層は、低密度ポリエチレンを押し出して、厚み50μmとなる層を形成した。また、接着層となるEMAA層は、エチレン-メタクリル酸共重合体を押し出して、厚み55μm、30μmとなる層を、それぞれ形成した。
・LLDPEフィルム(厚み:80μm)
・LDPE[樹脂]:低密度ポリエチレン
・EMAA[樹脂]:エチレン-メタクリル酸共重合体
・アルミニウム箔(厚み:20μm)
・PETフィルム(厚み:25μm)
・Nyフィルム(厚み:25μm)
【0102】
(2)粘着層
熱可塑性エラストマーとポリテルペンとの質量比1:1の組成物
熱可塑性エラストマー
・スチレン-ブタジエン・ブチレン-スチレン共重合体:SBBS(N515、旭化成株式会社)
・ポリテルペン(Sylvares(登録商標)TRB115、クレイトン社)
【0103】
(3)ヒートシール層
・CPP#30:無延伸PPフィルム(厚み:30μm)
【0104】
《実施例1》
<複合フィルムの作製>
基材層となる積層体のNyフィルムと、ヒートシール層となるCPPフィルムとを、粘着層となる熱可塑性エラストマーとポリテルペンとの組成物によって接着して、複合フィルムを作製した。なお、粘着層を形成するための組成物の塗工量は、5g/m2(厚み:5μm)とした。得られた複合フィルムの厚みは、320μmであった。
【0105】
<接合部の作製>
(面状シール部の作製)
複合フィルムから25mm×25mmの大きさのサンプル片2枚を切り出した。サンプツ片のヒートシール層を対向させて配置した後、ヒートシールバー(両面加熱:金/金)を用いて、シール幅10mmの面状シールを実施することで、面状シールを作製した。面状シールの条件は、圧力1.5kgf/cm2、時間1秒、温度180℃とした。
【0106】
(線状シール部の作製)
面状シール部の中央あたりに、線シールバー(片面加熱:金/ゴム)を用いて、シール幅1.5mmの線シールを実施することで、線状シール部を作製した。線状シールの条件は、圧力4.0kgf/cm2、時間4秒、温度180℃とした。
【0107】
実施例1で得られた接合部の断面写真を、
図2に示す。
図2においては、第1の複合フィルム4と第2の複合フィルム5のヒートシール層同士がヒートシールされて、ヒートシール界面6を境界として接合部が形成されている。接合部は、面状シール部1と、面状シール部1の中に形成された線状シール部2により構成されており、線状シール部2により全体に凹凸が形成されている。更に、線状シール部2の両側には、基材層の材料である樹脂が線状シールによって移動することで、リブ3が形成されている。
【0108】
実施例1で形成された接合部は、粘着層とヒートシール層とを層間剥離させることで、2枚に剥離することが可能である。その後は、線状シールにより形成された凹凸及びリブをガイドとして位置決めすることで、現状復帰に近い位置で再度2枚を貼付し、一体化することが可能となる。
【0109】
《比較例1》
線状シール部を作製しなかった以外は、実施例1と同様にして、接合部を作製した。
【0110】
《評価》
<剥離状況の観察>
実施例1及び比較例1で作製した接合部について、粘着層とヒートシール層とを層間剥離させたときの剥離状態を観察した。
図3は、実施例1で作製した接合部(線状シールあり)を剥離したときの写真であり、
図4は、比較例1で作製した接合部(線状シールなし)を剥離したときの写真である。
【0111】
<再封時の位置合わせ>
実施例1及び比較例1で作製した接合部について、粘着層とヒートシール層とを層間剥離させてヒートシール層を露出させた。その後、剥離面を対向させて位置合わせして、ローラー(0.5Kg)を2往復させることで再密着させた。
【0112】
再密着させた再の位置合わせについて、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
〇:現状復帰されていた
△:現状復帰されているか不確実
×:現状復帰されていない
【0113】
<再封剥離強度の測定>
上記で再密着させた接合部について、引張試験機(型番VGS05E、東洋精機製作所)を用いて、引張速度300mm/min、チャック間距離50mmの条件で、90°剥離させたときの、剥離長さ10mmにおける最大剥離強度を算出した。結果を表1に示す。
【0114】
【0115】
<考察>
線状シール部を備える実施例1の接合部は、
図3の写真に示されるように、剥離の際に線状シール部にて折れ曲がり、剥離角度が大きくなる。一方で、線状シール部を備えない比較例1の接合部は、
図4の写真に示されるように、剥離の際になだらかに曲がって剥がれていく。これにより、線状シール部が存在することで、剥離の角度が大きくなり、その結果、剥離強度が大きくなることが予想される。
【符号の説明】
【0116】
1 面状シール部
2 線状シール部
3 リブ
4 第1の複合フィルム
5 第2の複合フィルム
6 ヒートシール界面
10 再封可能容器