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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/298 20210101AFI20241004BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/519 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/209
H01M50/249
H01M50/51
H01M50/507
H01M50/569
H01M50/519
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021187139
(22)【出願日】2021-11-17
(65)【公開番号】P2023074270
(43)【公開日】2023-05-29
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 剛頌
(72)【発明者】
【氏名】武田 隆秀
(72)【発明者】
【氏名】土田 靖
(72)【発明者】
【氏名】小林 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】越智 誠
(72)【発明者】
【氏名】野坂 実央
(72)【発明者】
【氏名】小池 将樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄三
(72)【発明者】
【氏名】櫻本 誠一
(72)【発明者】
【氏名】池田 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 康資
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-502471(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0026321(US,A1)
【文献】特表2015-508552(JP,A)
【文献】特開2010-225449(JP,A)
【文献】特開2011-210711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/298
H01M 50/209
H01M 50/249
H01M 50/51
H01M 50/507
H01M 50/569
H01M 50/519
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に積層され電気的に接続された複数の電池セルと、
複数の前記電池セルを互いに電気的に接続するための複数のバスバーと、
電気的に接続された2個以上の前記電池セルを1組として、それぞれの組に1本接続される複数の電圧検出線と、
を備え、
前記電池セルは、前記電池セルの前記積層方向に対して交差する方向に電池セル長手方向を有する直方体形状を有し、前記電圧検出線は、前記電池セルの長手方向の中央部を通過するように配設されている、
電池モジュール。
【請求項2】
当該電池モジュールの前記電池セルが積層される方向を電池モジュール長手方向とし、前記電池モジュール長手方向に対して短手方向を幅方向とした場合に、前記電圧検出線は、いずれも、前記幅方向に対して一方の同じ側において、前記電池セルに接続されている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
2以上の前記電池セルを組として一つの保持部材に収納された電池セルユニットが複数積層され、
積層方向に隣接する前記電池セルユニットの外部の前記電池セルを互いに電気的に接続し、前記幅方向の一方側に配置される第1バスバーと、
前記電池セルユニットの内部同士の前記電池セルを互いに電気的に接続し、前記幅方向の他方側に配置される第2バスバーと、
を含み、
前記電圧検出線は、前記第1バスバー側の前記電池セルに接続されている、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
複数の前記電池セルは、全て直列に配置されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記電池セルは、リチウムイオン電池である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記電池セルは、8000W/L以上の出力密度を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールにおいて、2列の電極列の両側にセル間を接続するバスバーを有し、この接続部材に電圧検出用の電圧検出線が設けられる。このような構造は、たとえば特開2015-88426号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-88426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接続部材(バスバー)が設けられる領域においては、電圧検出線が占める領域が多く、省スペース化を図る上で課題となっている。さらに、セルの数に比例して電圧検出線も多くなるために、電圧検出をセル配置する接続点数も多くなり、接続作業も繁雑となる。
【0005】
本技術の目的は、電圧検出線の線数を減少させることにより、接続部材(バスバー)部の省スペース化(小型化)や、作業性向上による生産性向上、低コスト化を可能とする、電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係る電池モジュールは、所定方向に積層され電気的に接続された複数の電池セルと、複数の上記電池セルを互いに電気的に接続するための複数のバスバーと、電気的に接続された2個以上の上記電池セルを1組として、それぞれの組に1本接続される複数の電圧検出線と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、電気的に接続された2個以上の電池セルを1組として、それぞれの組に1本接続される複数の電圧検出線を設けることで、電圧検出線の線数を減少させることにより、バスバーの小型化や、作業性向上による生産性向上、低コスト化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1の電池モジュールを示す斜視図である。
図2図1中の電池モジュールの内部構造を示す斜視図である。
図3図1中の電池モジュールを構成する電池セルユニットを示す斜視図である。
図4図3中の電池セルユニットを構成する電池セルを示す斜視図である。
図5】実施の形態1の複数の電池セル同士の接続構造を示す分解組み立て図である。
図6】実施の形態1の電圧検出線の配線構造を示す部分拡大図である。
図7】実施の形態1の他の電圧検出線の配線構造を示す斜視図である。
図8】他の実施の形態の電圧検出線の電圧検出端子のバスバーへの第1の接続パターンを示す模式図である。
図9】他の実施の形態の電圧検出線の電圧検出端子のバスバーへの第2の接続パターンを示す模式図である。
図10】他の実施の形態の電圧検出線の電圧検出端子のバスバーへの第3の接続パターンを示す模式図である。
図11】他の実施の形態の電圧検出線の電圧検出端子のバスバーへの第4の接続パターンを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の各実施の形態について説明する。同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
以下に説明する各実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。
【0011】
本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0012】
各実施の形態に係るモジュール電池は、典型的には車載用のリチウムイオン二次電池である。ただし、本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池など他の電池を含み得る。
【0013】
(実施の形態1:電池モジュール100)
図1は、本実施の形態における電池モジュール100を示す斜視図である。図2は、図1中の電池モジュール100の内部構造を示す斜視図である。図3は、図1中の電池モジュール100を構成する電池セルユニット21を示す斜視図である。
【0014】
図1から図3を参照して、電池モジュール100は、ハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)または電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)などの車両の駆動用電源として用いられる。
【0015】
本明細書においては、電池モジュール100の構造を説明する便宜上、後述する複数の電池セル11の積層方向に平行に延びる軸を「Y軸」といい、その「Y軸」を基準に、Y軸に直交する方向に延びる軸を「X軸」といい、Y軸と、X軸とに直交する方向に延びる軸を「Z軸」という。図1の紙面の右斜め上方向が「+Y軸方向」であり、左斜め下方向が「-Y軸方向」である。図1の紙面の右斜め下方向が「+X軸方向」であり、左斜め上方向が「-X軸方向」である。図1の紙面の上方向が「+Z軸方向」であり、下方向が「-Z軸方向」である。
【0016】
典型的には、電池モジュール100の形態に対して、Y軸方向が「長手方向」となり、X軸方向が短手方向としての「幅方向」となり、Z軸方向が「高さ方向」となる。また、電池モジュール100は、+Z軸方向が上方向に対応し、-Z軸方向が下方向に対応する姿勢により車両に搭載される。
【0017】
電池モジュール100の全体構造について説明する。図1に示されるように、電池モジュール100は、複数の電池セルユニット21(21A,21B,21C,21D,21E,21F)と、拘束部材41とを有する。
【0018】
複数の電池セルユニット21は、Y軸方向に積層されている。複数の電池セルユニット21は、拘束部材41によって一体に保持されている。電池セルユニット21A、電池セルユニット21B、電池セルユニット21C、電池セルユニット21D、電池セルユニット21Eおよび電池セルユニット21Fは、挙げた順に、Y軸方向のマイナス側からプラス側に並んでいる。なお、電池モジュール100に備わる電池セルユニット21の数は、2以上であれば、特に限定されない。
【0019】
拘束部材41は、複数の電池セルユニット21に対してY軸方向に沿った拘束力を付与している。拘束部材41は、一対のエンドプレート42(42P,42Q)と、一対の第1拘束バンド43と、第2拘束バンド(不図示)とを有する。
【0020】
一対のエンドプレート42は、それぞれ、Y軸方向に積層される複数の電池セルユニット21の両側に配置されている。エンドプレート42Pは、Y軸方向において、電池セルユニット21Aと対向して配置されている。エンドプレート42Qは、Y軸方向において、電池セルユニット21Fと対向して配置されている。エンドプレート42は、Y軸方向が厚み方向となるプレート材からなる。
【0021】
一対の第1拘束バンド43は、X軸方向において、複数の電池セルユニット21の両側に配置されている。第2拘束バンド(不図示)は、Z軸方向において、複数の電池セル11と対向する位置に設けられている。第1拘束バンド43および第2拘束バンドの各バンドは、Y軸方向に延びている。-Y軸方向における第1拘束バンド43および第2拘束バンドの各バンドの端部は、エンドプレート42Pに接続されている。+Y軸方向における第1拘束バンド43および第2拘束バンドの各バンドの端部は、エンドプレート42Qに接続されている。
【0022】
第1拘束バンド43には、複数の開口部44が設けられている。複数の開口部44は、Y軸方向において、互いに間隔を開けて設けられている。開口部44は、X軸方向において、第1拘束バンド43を貫通する貫通孔からなる。開口部44は、後述するケース体31に設けられた通気口32を露出させるように設けられている。
【0023】
電池モジュール100は、一対の総端子91(91p,91q)と、複数の電圧検出線92と、排気ダクト93とをさらに有する。
【0024】
一対の総端子91は、それぞれ、Y軸方向に積層される複数の電池セルユニット21の両側に配置されている。総端子91pは、Z軸方向に見て、エンドプレート42Pと重なる位置に設けられている。総端子91qは、Z軸方向に見て、エンドプレート42Qと重なる位置に設けられている。総端子91は、後述するバスバー50に接続されている。総端子91は、電池モジュール100と、電池モジュール100の外部に配置されるケーブル等の配線とを接続するための端子である。
【0025】
電圧検出線92は、Z軸方向において、複数の電池セルユニット21と対向する位置に設けられている。電圧検出線92は、複数の電池セルユニット21を挟んで、第2拘束バンド(不図示)の反対側に配置されている。電圧検出線92は、X軸方向における電池セルユニット21の中央部を通って、Y軸方向に延びている。電圧検出線92は、たとえば、フレキシブルプリント基板からなる。本実施の形態では、電圧検出線92は、後述する排気ダクト93の上側に配設されている。
【0026】
複数の電圧検出線92は、その先端部分に電圧検出線92から延出する電圧検出端子94を含み、この電圧検出端子94が、後述する選択されたバスバー50にそれぞれ電気的に接続されている。電圧検出端子94の他端は、電池電圧監視用の制御ユニット(不図示)に接続される。
【0027】
排気ダクト93は、Y軸方向に延びている。排気ダクト93は、Z軸方向に見て、電圧検出線92と重なる位置で延びている。排気ダクト93は、Z軸方向において、複数の電池セルユニット21と、電圧検出線92との間に配置されている。
【0028】
図2および図3に示されるように、電池セルユニット21は、複数の電池セル11と、保持部材30とを有する。
【0029】
電池セルユニット21は、4個の電池セル11(11a,11b,11c,11d)を有する。電池セルユニット21は、偶数個の電池セル11を有する。なお、各電池セルユニット21に備わる電池セル11の数は、2以上であれば、特に限定されない。
【0030】
電池セルユニット21A、電池セルユニット21B、電池セルユニット21C、電池セルユニット21D、電池セルユニット21Eおよび電池セルユニット21Fの各電池セルユニット21において、複数の電池セル11は、Y軸方向に連続して並んでいる。電池セル11a、電池セル11b、電池セル11cおよび電池セル11dは、挙げた順に、Y軸方向のマイナス側からプラス側に並んでいる。
【0031】
各電池セルユニット21における複数の電池セル11の積層方向と、複数の電池セルユニット21の積層方向とは、同一方向である。
【0032】
保持部材30は、複数の電池セル11(11a,11b,11c,11d)を一体に保持している。保持部材30は、ケース体31を有する。ケース体31は、直方体形状の外観を有する。複数の電池セル11は、ケース体31に収容されている。
【0033】
ケース体31には、複数の通気口32が設けられている。複数の通気口32は、X軸方向に直交するケース体31の両側面に設けられている。通気口32は、X軸方向において、ケース体31を貫通する貫通孔からなる。通気口32は、Y軸方向に隣り合う電池セル11間の隙間に冷却風を導入するための通路として設けられている。
【0034】
図4は、図3中の電池セルユニット21を構成する電池セル11を示す斜視図である。図5は、複数の電池セル11同士の接続構造を示す分解組み立て図である。
【0035】
図4および図5を参照して、電池セル11は、リチウムイオン電池である。電池セル11は、8000W/L以上の出力密度を有する。電池セル11は、角形であり、直方体形状の薄板形状を有する。複数の電池セル11は、Y軸方向が電池セル11の厚み方向となるように積層されている。
【0036】
電池セル11は、外装体12を有する。外装体12は、直方体形状の筐体からなり、電池セル11の外観をなしている。外装体12には、電極体および電解液が収容されている。
【0037】
外装体12は、第1側面13と、第2側面14と、第3側面15とを有する。第1側面13および第2側面14の各側面は、Y軸方向に直交する平面からなる。第1側面13および第2側面14は、Y軸方向において、互いに反対側を向いている。第1側面13および第2側面14の各側面は、外装体12が有する複数の側面のうちで最も大きい面積を有する。第1側面13および第2側面14の各側面は、Y軸方向に見て、矩形形状を有する。第1側面13および第2側面14の各側面は、Y軸方向に見て、X軸方向が長手方向となり、Z軸方向が短手方向となる矩形形状を有する。第3側面15は、Z軸方向に直交する平面からなる。第3側面15は、+Z軸方向を向いている。
【0038】
電池セル11は、ガス排出弁17をさらに有する。ガス排出弁17は、第3側面15に設けられている。ガス排出弁17は、外装体12の内部で発生したガスにより外装体12の内圧が所定値以上となった場合に、そのガスを外装体12の外部に排出する。ガス排出弁17からのガスは、図1中の排気ダクト93を流れて、電池モジュール100の外部に排出される。
【0039】
電池セル11は、正極端子16Pおよび負極端子16Nが対となった電極端子16をさらに有する。電極端子16は、金属からなる。電極端子16は、第3側面15に設けられている。正極端子16Pおよび負極端子16Nは、X軸方向において、互いに離れて設けられている。正極端子16Pおよび負極端子16Nは、X軸方向において、電圧検出線92および排気ダクト93の両側にそれぞれ設けられている。
【0040】
複数の電池セル11は、Y軸方向に隣り合う電池セル11,11の間において、第1側面13同士が向かい合わせとなり、第2側面14同士が向かい合わせとなるように積層されている。これにより、複数の電池セル11が積層されるY軸方向において、正極端子16Pと負極端子16Nとが、交互に並んでいる。
【0041】
なお、電池セルユニット21に備わる電池セル11の数が、奇数個である場合、Y軸方向に隣り合う電池セルユニット21間において、電池セルユニット21の姿勢がZ軸を中心に180°反転されるとよい。
【0042】
続いて、電極端子16の接続構造について説明する。図1から図5を参照して、電池モジュール100は、複数のバスバー50をさらに有する。バスバー50は、導電体からなる。複数のバスバー50は、電池モジュール100に備わる複数の電池セル11を互いに電気的に接続するために設けられている。
【0043】
バスバー50は、Y軸方向に延びている。バスバー50は、Y軸方向に延びる両端において、Y軸方向に隣り合う電池セル11,11にそれぞれ接続されている。バスバー50は、Y軸方向に隣り合う電池セル11,11の間において、Y軸方向に並ぶ正極端子16Pと負極端子16Qとを接続するように設けられている。複数の電池セル11は、複数のバスバー50によって、互いに電気的に直列に接続されている。
【0044】
図5を参照して、複数のバスバー50は、複数の第1バスバー51と、複数の第2バスバー52とを含む。第1バスバー51は、第1バスバー分割体61および第2バスバー分割体62とが、ボルト、溶接等の接合手段を用いて接合されている。
【0045】
第1バスバー51は、複数の電池セルユニット21のうちの第1電池セルユニットと、複数の電池セルユニット21のうちの、Y軸方向において第1電池セルユニットと隣り合う第2電池セルユニットとの間において、Y軸方向に隣り合う電池セル11同士を電気的に接続している。つまり、第1バスバー51は、積層方向に隣接する電池セルユニット21の外部の電池セル11を互いに電気的に接続する。第1バスバー51は、幅方向の一方側に配置されている。
【0046】
図5に示される範囲で説明すると、電池セルユニット21Bが、第1電池セルユニットに対応し、電池セルユニット21Cが、第2電池セルユニットに対応している。第1バスバー51は、電池セルユニット21Bおよび電池セルユニット21Cの間において、電池セルユニット21Bにおける電池セル11dの負極端子16Nと、電池セルユニット21Cにおける電池セル11aの正極端子16Pとを接続している。他の電池セルユニット間でも同様である。
【0047】
第2バスバー52は、各電池セルユニット21において、Y軸方向に隣り合う電池セル11,11同士を電気的に接続している。つまり、第2バスバー52は、電池セルユニット21の内部同士の電池セル11を互いに電気的に接続する。
【0048】
図5に示される範囲で説明すれば、第2バスバー52は、電池セルユニット21Bにおいて、電池セル11bの負極端子16Nと、電池セル11cの正極端子16Pとを接続している。この第2バスバー52は、第1バスバー分割体61と第2バスバー分割体62との間に位置し、幅方向の一方側に配置されている。他の電池セルユニット間でも同様である。
【0049】
さらに、他の第2バスバー52は、電池セル11aの負極端子16Nと、電池セル11bの正極端子16Pとを接続し、電池セル11cの負極端子16Nと、電池セル11dの正極端子16Pとを接続している。この第2バスバー52は、幅方向の他方側に配置されている。他の電池セルユニット間でも同様である。
【0050】
なお、本実施の形態では、電池セルユニット21に、4つの電池セル11を設けた場合について説明しているが、たとえば、一つの電池セルユニットに2つの電池セル11を設けた場合には、幅方向の一方端側には、第1バスバー51が配置され、幅方向の他方端側には、第2バスバー52が配置されることとなる。
【0051】
次に、図6を参照して、電圧検出線92の電池セル11への接続について説明する。図6は、電圧検出線の配線構造を示す部分拡大図であり、電池セルユニット21Bのみを取り出した部分拡大図である。他の電池セルユニットにおいても同様である。
【0052】
図6に示される範囲で説明すれば、本実施の形態では、電気的に接続された2個以上の電池セル11を1組として、それぞれの組に1本の電圧検出線92が接続されている。本実施の形態では、2個の電池セルを1組とし、電池セルユニット21Bには、2本の電圧検出線92が接続されている。
【0053】
具体的には、電圧検出線92は、その先端から延出する電圧検出端子94を含み、この電圧検出端子94が、電池セルユニット21Bにおける電池セル11aの正極端子16Pに接続された第1バスバー分割体61に電気的に接続されている。また、他の電圧検出線92の電圧検出端子94が電池セルユニット21Bにおける電池セル11cの正極端子16Pに接続された第2バスバー52に電気的に接続されている。他の電池セルユニットにおいても同様である。
【0054】
このように、本実施の形態では、2個の電池セル11毎に電池電圧を検出する構成としていることから、電池セル11の幅方向において、同じ側である一方端側にのみ電圧検出線92を引き出すことを可能としている。その結果、電圧検出線92の密を避け、省電線化を図ることを可能としている。また、バスバーの一方側に電圧検出端子94を接続すれば良いため、バスバーの小型を図ることも可能となる。
【0055】
なお、本実施の形態では、複数の電圧検出線92が束ねられた帯状のフレキシブルプリント基板を排気ダクト93の上に設置した場合について図示しているが、排気ダクト93から見て一方端側(第1バスバー51が位置する側)にずれて設置することも可能である。
【0056】
図7に、電圧検出線92の他の設置状態を示す。図7は、他の電圧検出線の配線構造を示す斜視図である。図7に示す電池モジュール100Aは、電圧検出線92が、排気ダクト93から見て他方端側(第2バスバー52が位置する側)にずれて設置した状態を示した図である。この位置に電圧検出線92を設置した場合には、電圧検出線92の電圧検出端子94は、他方端側に位置する第2バスバー52に接続されることとなる。この接続関係につい後述する。
【0057】
(他の実施の形態)
図8図11を参照して、電圧検出線92の電圧検出端子94のバスバーへの接続パターンについて説明する。図8図11は、電圧検出線92の電圧検出端子94のバスバーへの第1~第4の接続パターンを示す模式図である。
【0058】
図8に示す電圧検出線92の電圧検出端子94のバスバーへの接続パターンは、上記実施の形態1の図6で示した接続パターンである。電圧検出端子が、電池セル11の幅方向の一方端側に配置されている。具体的には、電圧検出端子が、電池セルユニット21Bにおける電池セル11aの正極端子16Pに接続された第1バスバー分割体61に電気的に接続されている。また、他の電圧検出線92の電圧検出端子94が電池セルユニット21Bにおける電池セル11cの正極端子16Pに接続された第2バスバー52に電気的に接続されている。他の電池セルユニットにおいても同様である。
【0059】
図9に示す電圧検出線92の電圧検出端子94のバスバーへの接続パターンは、電圧検出端子が、電池セル11の幅方向の他方端側に配置されている。具体的には、電圧検出端子が、電池セルユニット21Bにおける電池セル11bの正極端子16Pに接続された第2バスバー52に電気的に接続されている。また、他の電圧検出線92の電圧検出端子94が電池セルユニット21Bにおける電池セル11dの正極端子16Pに接続された第2バスバー52に電気的に接続されている。他の電池セルユニットにおいても同様である。この接続パターンは、図7に示す電圧検出端子94の配置に対応する。
【0060】
図8および図9に示す接続パターンは、2個の電池セル11を1組としたものであるが、1つの電池セルユニットに含まれる4個の電池セル11を1組としてもよい。
【0061】
図10に示す電圧検出線92の電圧検出端子94のバスバーへの接続パターンは、電圧検出端子が、電池セル11の幅方向の一方端側に配置されている。具体的には、電圧検出端子が、電池セルユニット21Bにおける電池セル11aの正極端子16Pに接続された第1バスバー分割体61に電気的に接続されている。他の電池セルユニットにおいても同様である。
【0062】
図11に示す電圧検出線92の電圧検出端子94のバスバーへの接続パターンは、電圧検出端子が、電池セル11の幅方向の他方端側に配置されている。具体的には、電圧検出端子が、電池セルユニット21Bにおける電池セル11bの正極端子16Pに接続された第2バスバー52に電気的に接続されている。他の電池セルユニットにおいても同様である。
【0063】
以上のように、電気的に接続された2個以上の電池セルを1組として、それぞれの組に1本接続される複数の電圧検出線を設けることで、電圧検出線の線数を減少させることにより、バスバーの小型化や、作業性向上による生産性向上、低コスト化を可能とする。
【0064】
以上、本技術の各実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0065】
11,11a,11b,11c,11d 電池セル、12 外装体、13 第1側面、14 第2側面、15 第3側面、16 電極端子、16N,16Q 負極端子、16P 正極端子、17 ガス排出弁、21,21A,21B,21C,21D,21E,21F 電池セルユニット、30 保持部材、31 ケース体、32 通気口、41 拘束部材、42,42P,42Q エンドプレート、43 第1拘束バンド、44 開口部、50 バスバー、51 第1バスバー、52 第2バスバー、61 第1バスバー分割体、62 第2バスバー分割体、91,91p,91q 総端子、92 電圧検出線、93 排気ダクト、94 電圧検出端子、100,100A 電池モジュール。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11