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特許7565934マルチシャワーヘッド式化学蒸着反応装置、方法および生成物
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  • 特許-マルチシャワーヘッド式化学蒸着反応装置、方法および生成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】マルチシャワーヘッド式化学蒸着反応装置、方法および生成物
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/44 20060101AFI20241004BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20241004BHJP
   C23C 26/00 20060101ALN20241004BHJP
【FI】
C23C16/44 B
H01B13/00 565D
C23C26/00 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021549499
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020019632
(87)【国際公開番号】W WO2020176462
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】62/809,986
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バート,ラジャラム
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,ダグラス ルウェリン
(72)【発明者】
【氏名】クラディアス,ニコラオス パンテリス
(72)【発明者】
【氏名】ラングストランド,ジョン アラン
(72)【発明者】
【氏名】ラオ,アビジット
(72)【発明者】
【氏名】シャシダール,ナガラジャ
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-534157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0033638(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0273262(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/44
C23C 26/00
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のシャワーヘッドを有する化学蒸着反応装置において、
槽壁により囲まれた反応装置槽であって、該槽は長さと幅を有し、該長さは該幅より大きく、該槽壁は、テープを、該テープ上の蒸着中に受け渡しするための、長さ方向に前記槽の互いに反対の端部に入口および出口シールポートを有する、反応装置槽と、
前記テープを支持するための前記槽内にある支持板であって、該支持板は長さと幅を有し、該長さは該幅より大きい、支持板と、
前記槽内に位置付けられた前駆体シャワーヘッドであって、該前駆体シャワーヘッドは長さと幅を有し、該長さは該幅より大きく、該前駆体シャワーヘッドは前記支持板の上に位置付けられており、該前駆体シャワーヘッドの長さ寸法は、該支持板の長さ寸法と平行である、前駆体シャワーヘッドと、
前記前駆体シャワーヘッドの両側に位置付けられている第1と第2のガスカーテンシャワーヘッドであって、該第1と第2のガスカーテンシャワーヘッドの各々は、長さと幅を有し、該長さは該幅より長く、該ガスカーテンシャワーヘッドの長さ寸法は、前記前駆体シャワーヘッドの長さ寸法と平行に揃えられている、ガスカーテンシャワーヘッドと、
前記槽の幅の第1の側に位置付けられた1つ以上の第1の照明光源および該槽の幅の第2の側に位置付けられた1つ以上の第2の照明光源であって、蒸着中に、前記テープの上面を、それぞれの前記カーテンシャワーヘッドの下および前記前駆体シャワーヘッドの下で、該上面に照明のビームを照らすことによって、照明できるように、位置付けられ、揃えられている第1と第2の照明光源と、
を備え
前記1つ以上の第1の照明光源が前記槽の前記第1の側にある1つ以上の第1の凹部内に位置付けられ、前記1つ以上の第2の照明光源が該槽の前記第2の側にある1つ以上の第2の凹部内に位置付けられている、反応装置。
【請求項2】
前記1つ以上の第1の凹部および前記1つ以上の第2の凹部に、それぞれの凹部の内部と連通するそれぞれのガスポートが設けられている、請求項1記載の反応装置。
【請求項3】
前記支持板が、前記テープと該支持板との間にパージガス流を供給するための、該テープの下に位置付けられた1つ以上のスロットまたはポートを含む、請求項1または2記載の反応装置。
【請求項4】
前記前駆体シャワーヘッドが10mmより幅広い、請求項1から3いずれか1項記載の反応装置。
【請求項5】
前記前駆体シャワーヘッドが、前記ガスカーテンシャワーヘッドよりも前記上面と一致する平面に近く位置付けられている、請求項1から4いずれか1項記載の反応装置。
【請求項6】
前記前駆体シャワーヘッドが、前記上面から0.8~2cm以内に位置付けられている、請求項1から5いずれか1項記載の反応装置。
【請求項7】
前記前駆体シャワーヘッドが、前記上面から0.8~1.2cm以内に位置付けられている、請求項1から5いずれか1項記載の反応装置。
【請求項8】
前記前駆体シャワーヘッドが、1つ以上の多孔質ミキサ・分配板を含む、請求項1から7いずれか1項記載の反応装置。
【請求項9】
前記前駆体シャワーヘッドが、第1の細孔径を有する第1のミキサ・分配板および第2の細孔径を有する第2のミキサ・分配板を含む、少なくとも2つの多孔質ミキサ・分配板を含み、該第2のミキサ・分配板が該第1のミキサ・分配板と前記支持板との間に位置付けられ、前記第1の細孔径が前記第2の細孔径より大きい、請求項8記載の反応装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容がここに全て引用される、2019年2月25日に出願された、米国仮特許出願第62/809986号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、高温超伝導体(HTS)テープまたはワイヤの製造に特に有用な、多数のシャワーヘッドを有するマルチシャワーヘッド式金属有機化学蒸着(MOCVD)反応装置と、HTSテープまたはワイヤを製造する方法と、開示された反応装置および方法を使用して製造できるHTSテープまたはワイヤとに関する。
【背景技術】
【0003】
第二世代の高温超伝導体(HTS)テープまたはワイヤは、きめのある金属テープ(典型的にハステロイ(登録商標)またはステンレス鋼)上に堆積した希土類-バリウム-銅酸化物(REBCO)層からなる。これらは、パルスレーザ蒸着(PLD)および反応性同時蒸着(RCE)などの物理蒸着法により、有機金属蒸着(MOD)などの溶液法により、そして、金属有機化学蒸着(MOCVD)により、堆積されてきた。商業用途を成功させるために、均一な性質を有する-類似の通電容量の銅ケーブルに匹敵する費用での-キロメートル規模の長さのHTSテープが必要とされている。現在まで、製造設備もプロセスも、この必要性を満たすほど十分には成功していない。
【0004】
REBCO層の結晶品質を改善するために、それゆえ、HTSテープの性能を改善するために、光励起MOCVDの使用が提案されてきた。それに加え、光励起により、良好な性能を維持しつつ、成長速度の増加が可能であろうと示唆されてきた。しかしながら、キロメートルの長さのHTSテープを製造するために光励起を使用できるプロセスまたは反応装置の設計は、これまでない。それに加え、または代替案として、例えば、10cm×100cmの蒸着区域など、大きい蒸着区域に亘り、速い成長速度、均一な堆積および高い反応装置効率が得られる、光励起を行う反応装置は、実証されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、キロメートルの長さのHTSテープを製造するために、光励起を使用できる、および/または大きい蒸着区域に亘り均一な堆積および高い反応装置効率が得られる、プロセスおよび/または反応装置を確立することが、望ましいであろう。特に、これらの特性が、あるプロセスおよび/または反応装置で一緒に達成できれば、妥当な費用で、良好な品質を有する、キロメートルの長さのHTSテープを製造できるという点で、HTSテープの商業生産の成功が達成できると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のいくつかの態様によれば、多数のシャワーヘッドを有する化学蒸着反応装置が提供される。この反応装置は、槽壁により囲まれた反応装置槽を備え、この槽は長さと幅を有し、その長さはその幅より大きい。その槽壁は、テープを、そのテープ上の蒸着中に受け渡しするための、長さ方向に槽の互いに反対の端部に入口および出口シールポートを有する。その槽は、そのテープを支持するための支持板を収容している。その支持板は長さと幅を有し、その長さはその幅より大きい。
【0007】
その槽内に前駆体シャワーヘッドが位置付けられており、その前駆体シャワーヘッドは長さと幅を有し、その長さはその幅より大きい。その前駆体シャワーヘッドは支持板の上に位置付けられており、その前駆体シャワーヘッドの長さ寸法は、支持板の長さ寸法と平行である。第1と第2のガスカーテンシャワーヘッドが、前駆体シャワーヘッドの両側に、槽内に位置付けられている。第1と第2のガスカーテンシャワーヘッドの各々は、長さと幅を有し、その長さはその幅より長い。このガスカーテンシャワーヘッドは、ガスカーテンシャワーヘッドの長さ寸法が、前駆体シャワーヘッドの長さ寸法と平行に揃えられるように、位置付けられている。
【0008】
前記反応装置は、槽の幅の第1の側に位置付けられた1つ以上の第1の照明光源および槽の幅の第2の側に位置付けられた1つ以上の第2の照明光源をさらに備える。これらの照明光源は、蒸着中に、そのテープの上面を、それぞれのカーテンシャワーヘッドの下および前駆体シャワーヘッドの下で、その上面に照明のビームを照らすことによって、照明できるように、位置付けられ、揃えられている。
【0009】
本開示の他の態様によれば、キロメートルの長さの高温超伝導体テープを形成する方法が提供される。この方法は、供給ロールからのきめのあるテープを、槽壁を有する反応装置槽に通して、巻き取りロールに供給する工程;そのテープの上面に面する槽内に位置付けられた細長い前駆体シャワーヘッドから高温超伝導体前駆体を流す工程であって、その前駆体シャワーヘッドは、テープの中心線に沿った方向に細長くなっている工程;前駆体シャワーヘッドの両側の、槽内に位置付けられた第1と第2の細長いガスカーテンシャワーヘッドからガスを流す工程であって、その第1と第2の細長いガスカーテンシャワーヘッドは、テープの中心線に平行な方向に細長くなっている工程;および反応装置の互いに反対の端部にある1つ以上の第1と1つ以上の第2の照明光源からの照明でテープの上面を照明する工程であって、その照明光源は、カーテンシャワーヘッドのそれぞれの下、および前駆体シャワーヘッドの下を通じて、テープの上面に照明を通すように位置付けられている工程を有してなる。
【0010】
追加の特徴および利点が、以下の詳細な説明に述べられており、その説明から当業者に容易に明白となるか、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載された実施の形態を実施することによって、認識されるであろう。
【0011】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、例示に過ぎず、本開示および特許請求の範囲の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供することが意図されているのが理解されよう。
【0012】
添付図面は、本開示の原理のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、1つ以上の実施の形態を示しており、説明と共に、例として、本開示の原理および作動を説明する働きをする。本明細書および図面に開示された本開示の様々な特徴は、任意と全ての組合せで使用できることが理解されよう。非限定例として、本開示の様々な特徴は、以下の実施の形態にしたがって、互いに組み合わされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下は、添付図面における図の簡単な説明である。それらの図は、必ずしも、一定の縮尺で描かれておらず、図の特定の特徴および特定の視野は、明瞭さおよび簡潔さのために、尺度または図式で誇張されて描かれることがある。
図1】本開示の少なくとも1つの例による、反応装置の断面平面図
図2】本開示の代わりのまたは任意の特徴など、1つ以上の代わりの実施の形態の1つ以上を示す、図1に示された線II-IIに沿ってとられた断面概略図
図3】本開示の1つ以上の実施の形態による、図1に示された線III-IIIに沿ってとられた断面概略図
図4】1つ以上の代わりの実施の形態のさらなる1つ以上の特徴を示す、図3のものに対応する断面概略図
【発明を実施するための形態】
【0014】
追加の特徴および利点が、以下の詳細な説明に述べられており、その説明から当業者に明白となるか、特許請求の範囲および添付図面と共に、以下の説明に記載されたように、実施の形態を実施することによって、認識されるであろう。
【0015】
ここに用いられているように、「および/または」という用語は、2つ以上の項目のリストに使用されている場合、列挙された項目のいずれか1つをそれ自体で用いても、列挙された項目の2つ以上のいずれの組合せを用いても差し支えないことを意味する。例えば、組成物が、成分A、B、および/またはCを含有していると記載されている場合、その組成物は、Aのみ;Bのみ;Cのみ;AとBを組合せで;AとCを組合せで;BとCを組合せで;またはA、B、およびCを組合せで含有し得る。
【0016】
この文書において、第1と第2、上部と底部などの関係語は、ある実体または作用を、別の実体または作用から、そのような実体または作用の間のどのような実際のそのような関係または順序も必ずしも必要とせずに、または暗示せずに、区別するためだけに使用される。
【0017】
本開示の改変が、当業者および本開示を行うまたは使用するものに想起されるであろう。したがって、図面に示され、先に記載された実施の形態は、説明目的にすぎず、本開示の範囲を限定する意図はなく、その範囲は、均等論を含む特許法の原則にしたがって解釈されるような、以下の特許請求の範囲によって定義されることが理解されよう。
【0018】
本開示の目的に関して、「連結された」(その形態の全てで:連結する、連結、連結されたなど)という用語は、広く、直接的または間接的に互いへの2つの構成部材の結合を意味する。そのような結合は、事実上静止していても、事実上可動性であってもよい。そのような結合は、2つの構成部材および互いに1つの単一体として一体成形された中間部材により、またはその2つの構成部材により、達成されることがある。そのような結合は、特に明記のない限り、事実上永久的であっても、もしくは事実上取り外し可能または解放可能であってもよい。
【0019】
ここに用いられているように、「約」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要はないが、必要に応じて、許容差、変換係数、丸め、測定誤差など、並びに当業者に公知の他の要因を反映して、近似および/またはそれより大きいか小さいことがあることを意味する。範囲の値または端点を記載する上で「約」という用語が使用される場合、その開示は、言及されている特定の値または端点を含むと理解すべきである。明細書における範囲の数値または端点に「約」が付いていようとなかろうと、範囲の数値または端点は、2つの実施の形態:「約」により修飾されているもの、および「約」により修飾されていないものを含む意図がある。範囲の各々の端点は、他の端点に関してと、他の端点と関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0020】
ここに用いられている「実質的」、「実質的に」という用語、およびその変種は、記載された特徴が、ある値または記載と等しいまたはほぼ等しいことを述べる意図がある。例えば、「実質的に平らな」表面は、平らであるか、またはほぼ平らな表面を示す意図がある。さらに、「実質的」は、2つの値が等しいまたはほぼ等しいことを示す意図がある。いくつかの実施の形態において、「実質的」は、互いの約5%以内、または互いの約2%以内など、互いの約10%以内の値を意味することがある。
【0021】
ここに用いられている方向を示す用語-例えば、上、下、右、左、前、後ろ、上部、底部-は、描かれた図面に関してのみ用いられ、絶対的な向きを暗示する意図はない。
【0022】
ここに用いられているように、名詞は、「少なくとも1つ」の対象を指し、そうではないと明白に示されていない限り、「ただ1つ」に限定されるべきではない。それゆえ、「成分」に対する言及は、文脈がそうではないと明白に示していない限り、そのような成分を2つ以上有する実施の形態を含む。
【0023】
金属テープ上にYBCO層を蒸着させる蒸着方法が、数多く存在する。これらの例としては、パルスレーザ蒸着(PLD)、反応性同時蒸着(RCE)、金属有機蒸着(MOD)、および金属有機化学蒸着(MOCVD)が挙げられる。リール・ツー・リール法において金属テープ上にYBCOを蒸着するために、MOCVDが使用されてきた。これらのテープは、12mm幅であり、妥当な時間で十分に厚い層を得るために、何回も通過させられる。蒸着速度が遅いので、マルチプルパスが使用される。より速い蒸着速度では、結晶品質が低下してしまい、所望の性能(臨界電流、臨界温度、磁場性能など)を得ることができない。より速い蒸着速度で良好な品質の層を得るために、光励起支援蒸着が使用されてきたが、金属有機前駆体の不十分な利用率、およびYBCO厚の不十分な均一性に遭遇してきた。
【0024】
一般に、本開示は、高温超伝導体(HTS)テープまたはワイヤの製造に特に適した、多数のシャワーヘッドを有する金属有機化学蒸着(MOCVD)反応装置、およびHTSテープまたはワイヤを製造する方法に関する。
【0025】
一貫した高品質の光励起金属有機化学蒸着による、キロメートルの長さのきめのある金属テープ上へのYBCOなどの高温超伝導体層のリール・ツー・リール蒸着法を可能にする反応装置が開示されている。この反応装置は、光励起が認識できるほど減衰せずに、長期間に亘り作動でき、キロメートル規模のテープまたはワイヤの製造を可能にする。
【0026】
図1および3を参照すると、反応装置10は、多数のシャワーヘッド40、50、60を備え、処理されているときに、きめのある金属テープ20の上面22の位置に比較的近く配置された前駆体シャワーヘッド40は、金属テープ20の上面22の上に前駆体の均一な流れを提供し、第1と第2のガスカーテンシャワーヘッド50、60は、テープ20の両側にある、前駆体シャワーヘッド40の両側にガスカーテン(不活性またはそうではなく非反応性のガスカーテン)を提供する。このガスカーテンは、光源または放射源72、82上の、あるいは窓71、81(それを通じて、この光源または放射源は、きめのある金属テープ20の上面に光または放射を提供する)上の堆積を防ぐのに役立つ。光源72、82または窓71、81は、例えば、石英窓、または光学素子を有する発光ダイオード(LED)を備えることができ、その光学素子は、LEDからの光の全てまたは多くを、シャワーヘッド40、50、60とテープ20との間(特に、前駆体シャワーヘッド40とテープ20との間)の狭い間隙に通すことを可能にするように構造化されている。
【0027】
1つの実施の形態によれば、第1組72の発光ダイオードは、図3に示されるように、テープ20の半分に光を照らし、第2組82の発光ダイオードが残り半分に光を照らし、ここで、LED76、86からの放射は、鏡78、88により反射されて、それぞれのビーム73、83(平行または集束)を形成し、各ビームは、実際に、テープ20の上面22の半分を照らす。あるいは、図1および4に示されるような、反応装置10およびビーム73、83は、ビーム73、83が、両側から、テープ20の上面22の全てまたはほとんどを照らすように、構造化されることがある。
【0028】
通路(図示せず)などの加熱機構が、反応装置壁および反応装置の他の部分に設けられて、全ての反応装置壁および内部部品の表面(LEDまたは窓を除く)を、前駆体または反応副生成物の凝縮を防ぐのに十分に高いが、それらを分解するほどは高くはない温度(例えば、300から400℃の範囲、または約350℃)に維持するように、熱伝達流体の流れなどによって、反応装置の部品および壁の加熱を可能にする。
【0029】
図2を参照すると、テープ20と接触し、定電流源94に接続された2つの導電性ローラ90、92の間でテープ20に電流を流すことなど、テープ20に電流を流すことによって、テープ20を蒸着温度に加熱することができる。あるいは、または加えて、テープ20を加熱するために、テープ20の下面21に面して、テープ20の下に位置付けられたタングステンハロゲンランプ120が使用されることがある。反応装置10は、外囲器31を備えることがある。存在する場合には、この外囲器31内の圧力は、反応装置の筐体30内におけるよりも高く、その圧力は、差動排気により維持される。テープ20は、1つ以上の差動排気される入口管および出口管16、18(各々の1つが示されている)を通じて、反応装置の筐体30に出入りする。(同様に、テープ20は、図の1つ以上に示されるように、差動排気された管を通じて、外囲器31に出入りする)。
【0030】
再び図1~3を参照して、特に、図3内の特徴に重点を置いて、望ましくは、0.1から20cm、または1から15cm、または5から15cm、または8から12cmの範囲にある幅にサイズが指定された、テープまたはワイヤ20が、図3の紙面から出るように、または図2におけるように、供給リール12から巻き取りリール14まで、図1に矢印Aで示されたように右に動く。リール12、14は、大気圧または低真空(例えば、低真空)であり得る。反応装置10と、リール12、14が維持される圧力との間に、いくつかの差動排気の段階があり得る。図3に示された反応装置10の実施の形態について、テープ20は、図2に示されたような、定電流源94から電流を通すことによって加熱される(すなわち、これも図2に示された随意的なまたは代わりのランプ120を用いずに)。
【0031】
25から1000cm、または50から500cm、または60から300cm、または70から250cm、または80から150cmの範囲内、または約100cmの長さを有する蒸着区域に沿った多数の地点42で、密集した(中央)前駆体シャワーヘッド40によって、搬送ガス中の前駆体が供給される。前駆体シャワーヘッド40は、きめのあるテープ20の近く(1~2cm)に位置付けられる。前駆体シャワーヘッド40は、十分な圧力差およびテープ20の上面の前駆体の均一な分布を与えるように、2つの多孔板(ガス流中に連続して配置され、混合板およびシャワーヘッドとして機能する)を有する。2つの追加のシャワーヘッド50、60が、前駆体または反応副生成物が、LEDまたはLED光が反応装置10に入るのに通る窓に到達するのを防ぐ不活性ガスカーテンを作り出す。それに加え、LEDまたは窓は、パージされた凹部80内に配置されて、前駆体または反応副生成物が光源に到達するのをさらに阻害する。両側にある排気マニホルド(図3に示されている)は、絞り弁を使用して、反応装置を所望の圧力に維持する真空ポンプ(図示せず)に接続されている。全ての反応装置壁および内部部品の表面(LEDを除く)は、前駆体または反応副生成物の凝縮を防ぐのに十分に高いが、それらを分解するほど高くはない温度(例えば、350℃)に維持される。テープ20の温度は、テープの底面または上面(図2には、上面モニタリングが示されている)を感知する1つ以上の高温計によって、モニタされ、制御される。
【0032】
前駆体シャワーヘッド40は、停滞点流動(stagnant point flow)を生じて、10cm幅の金属(「ハステロイ」、ステンレス鋼など)テープ20上に均一なYBCO層を得ると同時に、高い前駆体の利用率を達成する。テープ20は、それより狭くても、広くても差し支えなく、その場合、より狭いまたはより広い前駆体シャワーヘッド40が必要である。前駆体シャワーヘッド40の長さは、この設計では、100cmが望ましいが、蒸着区域の所望の長さに応じて、それより短くても長くても差し支えない。光励起は、385~405nm(例えば、波長は、それより短くまたは長く調整できる)で発光する発光ダイオード(LED)によって与えられることが望ましい。反応装置の一方の側にあるLEDからの光のビームが、テープの片側に向けられる。テープの加熱は、テープに電流を通すことにより、またはテープの下方に配置されたタングステンハロゲンランプにより、行うことができる。テープ20が、それに電流を流すことによって加熱されている、反応装置10の概略図が、図2に示されている。
【0033】
図1および3から分かるように、前駆体シャワーヘッド40の両側に配置された、2つのカーテンシャワーヘッド50、60に、不活性またはそうではなく非反応性ガスのガスカーテンを提供させることにより、LED上の堆積はすっかり最小にされる、または完全に避けられさえする。それに加え、窓またはLEDおよび関連する光学素子72、82は、それらの上に前駆体または反応副生成物が堆積するのをさらに防ぐために、ガスでパージされた凹部80内に配置されている。例えば、図2に示されるように、1つの実施の形態によれば、光源72、82は、LED76、86のアレイであることがあり、放物面反射鏡78、88が、コリメート光ビーム73、83を、全て蒸着区域に沿ってテープ20の実質的に半分(それぞれの半分)に向ける。全ての反応装置の壁およびシャワーヘッドは、前駆体または反応副生成物がそれらの上に堆積するのを防ぎ、それによって、運転が終わる毎に、反応装置を洗浄する必要をなくすために、約350℃に加熱される。このことは、粒子がテープ上に落下する可能性も大幅に低下させる。LEDが水冷されることが望ましい。光源72、82が窓の形態にある実施の形態において、反応装置槽の外部にLEDおよび光学素子を有することも可能であり、光は、UV透過性窓71、81を通じて取り込まれる。光学素子を使用することにより、LED光線は、テープの半分を照らすのにちょうど十分な高さに生じさせることができるが、必要に応じて、テープの5~10cmの長さを照らすのに横方向に扇状に広げることもできる。
【0034】
このテープの温度は、放射率補正高温計により、またはテープの上面(図2)または底面(図3)に向けられた、図2および3に示されたような1つ以上のそのような高温計Pにより、モニタされる。この高温計のポートは、高温計上の前駆体または反応副生成物のどのような堆積も防ぐために、ガスによりパージされる。排気マニホールドEMが、反応装置10の両側の排気ポート100、110を介して槽30、および適切な真空ポンプ(矢印VPで示された流れの方向と位置)に接続されており、これが、反応装置10を所望の圧力に維持する。主要シャワーヘッドとテープとの間の間隔は、望ましくは約1~2cmであり、好ましくは約1cmである。この比較的小さい間隔により、グラスホフ数は間隔の三乗に比例するので、グラスホフ数が小さいことが確実になる。十分に低いグラスホフ数により、浮力誘起対流が避けられる。使用される結果としての停滞点流動形状により、均一な堆積が確実になる。何故ならば、境界層、およびその境界層の上の前駆体の濃度は、テープ20の幅に亘り一定であるからである。
【0035】
テープ20は、供給および巻き取りリール12、14を大気圧にできるように、差動排気された槽/外囲器31(図2)を通じて反応装置に入れられることが望ましい。望ましくは水冷された、高導電性円筒電極90、92を通じて、電流がテープに供給され、引き出される。いくつかの実施の形態において、電極90、92は、接地および/または反応装置の構成部材/部品の残りから電気的に分離された状態に作られる。その電極の表面は、良好な接触を確実にするために、高度に研磨されている。接触抵抗のばらつきが問題とならないように、定電流源94から電流が供給される。主要すなわち前駆体シャワーヘッド40は、シャワーヘッド40からの均一な流れを確実にするために、2つの多孔板44、46を有する。最も外側のシャワーヘッド板46は、直径が約0.6~1mm(好ましくは、0.8mm)の細孔を有し、それらの長さは、約0.5から1cmである。細孔の密度は、平方cm当たり15~20である。内側のシャワーヘッド板44は、直径が1~2mmであり、長さが0.5から1cmであり、密度が平方cm当たり4から20である細孔を有する。ガスは、内側のシャワーヘッド板44の上にガスをできるだけ均一に分配させるように、シャワーヘッド40に沿った多数のポート42でマニホールド(図示せず)を介して、主要シャワーヘッドに供給される。ガスカーテン(望ましくは、不活性ガスまたはArガスカーテン)を提供する2つの外側すなわちカーテンシャワーヘッド50、60は、前駆体シャワーヘッド40における内側のシャワーヘッド板46のものと似た細孔径、長さおよび密度を有する板54、64を有する。ガス、望ましくはArは、それぞれの多孔板54、64の上にガスを均一に分配させるように、それぞれのシャワーヘッド50、60に沿った多数のポート52、62でマニホールド(図示せず)を介して、これらの外側シャワーヘッド50、60に供給される。板32(支持板)が、反応装置槽30を2つの部分に分離する。テープと板32(支持板)との間の間隔は、テープ20の底部とそのエッジで約1mmであることが望ましい。支持板32内の1つ以上のスロットまたは孔33により、ガス(不活性パージガス)をテープ20の下に均一に供給できる。この流れにより、どの前駆体または反応副生成物がテープ20の底面に堆積するのも、または反応装置槽30の底部に入るのも防ぐ。いくつかの実施の形態において、支持板は、テープと間隔が開いた関係(例えば、非接触)に作られ、支持板は、支持板を通じて作られ、テープの下面に向けられた1つ以上のガスパージラインを支持するように作られる。いくつかの実施の形態において、テープは、電流により直接加熱される(すなわち、支持板との直接接触)、またはハロゲンランプにより加熱される(すなわち。支持板との直接接触はない)。直接接触がない構成において、支持板は、ガスパージを、テープの背面に向けられるように作られる。サセプタを使用する加熱の実施の形態について、サセプタは、その中の支持板とも称され、この場合、サセプタ/支持板の両側に追加の熱的に分離された「支持板」があり得る。電流加熱の場合に、その支持板が支持板として使用されると、テープの長さに沿って一定間隔で作られた/配置された追加の断熱材料があるであろう。モデル化により、堆積の均一性は約1.7%であり、反応装置の効率は40%であることが示された。
【0036】
テープ20は、図2にも示されるように、テープ20の下に配置されたタングステンハロゲンランプを使用して、それに代えてまたはそれに加えて、加熱することができる。ランプ照射でテープ20の底面を照らせるように、板32の中央部(点線37、38により描かれた中央部36など)に、溶融石英窓が使用されることがある。1つ以上のスロットまたは孔33(複数ある場合、蒸着区域に沿って均一に間隔が開けられている)により、テープ20と石英窓との間の空間をパージすることができる。不活性パージガスは、前駆体および反応副生成物がテープ20と石英窓との間の空間に入らせないことによって、その窓上の堆積を防ぐ。
【0037】
一群のランプ120が、テープ20の上面または底面をモニタする、放射率の補正された高温計Pからフィードバックを得る1つのPID制御装置により制御されることが望ましい。放射率の補正された光高温計は、その下にある特定の群のランプにフィードバックを与えるために、蒸着区域の長さに沿って配置されている。マルチゾーン加熱区域は、テープに沿った温度プロファイルを調整することを可能にする。高温計Pは、テープの上面または底面の温度をモニタするように位置付けることができる。高温計が上面をモニタする場合、一端で溶融石英窓により封止されている、直径の狭いパージポートが、図2に示されるように、シャワーヘッド内に製造される。高温計が、テープの背面(図3)をモニタするためにテープの下に配置されている場合、高温計の管の先端は、ランプの照射が遮断されないように、テープから十分遠くに離されるべきである。また、高温計の管の内面は、反射光が、内壁に沿った多数の反射により高温計に至るまで伝搬できないように、粗いべきである。
【0038】
前記テープは、テープと接触するように配置された電気加熱サセプタ(加熱器)で加熱することもできる。そのサセプタおよびテープの経路は、サセプタとテープとの間に良好な接触を維持するために湾曲している必要はない。いくつかの実施の形態において、曲線の半径は、約20から50m、好ましくは25mである。いくつかの実施の形態において、テープとシャワーヘッドとの間に一定の高さを維持するために、シャワーヘッドも湾曲すべきである。
【0039】
前記テープは、テープを下から加熱するタングステンハロゲンランプなど、方法の組合せを使用して加熱されることがあり、また図2に示されるように、電流の通過により加熱されることもある。
【0040】
透過型ガラス円柱レンズの直線配列またはChromasens(独国、コンスタンツ所在)から市販されているものなど、線形反射型コリメータのいずれかを使用して、LEDの直線配列からの光は、それゆえ、一次元に平行にして、図4(幅について)および図1(長さと幅について)におけるビーム73、83の図から分かるように、テープの全長および全幅を照射することができる。これは、槽の両側にあるLEDを使用することによって行える。槽の両側からの直線のまたは(わずかに)集束したビーム73、83は、完全に重複して、良好な適用範囲および均一性を促進することができる(望ましくはそうする)。透過型レンズの直接配列は、レンズの配列または単一の長い円柱ガラスレンズが、追加の代わりの態様として、蒸着槽の両側において透明窓71、81を置き換えることもできるであろうようなものである。
【0041】
機能できる円柱レンズの1つの実施の形態は、焦点距離が10mmであり、直径が12.5mmである、N-BK7から作られた、K&S Optics(米国、ニューヨーク州、グリーン群所在)社製の100-200円柱平凸レンズである。このレンズは、LEDから約10mm離して配置して、LEDからの光の半分超を捕捉し、それを約10mm幅の直線ビームに視準することができる。
【0042】
代わりのレンズに、類似の集束特徴を有する、Thorlabs(米国、ニュージャージー州、ニュートン所在)社から得られるLJ1878L2-Aがある。このThorlabsのレンズには、1つの利点、すなわち、蒸着槽にとってもっとも関心のある波長を包含する350から700nmの波長範囲の反射防止コーティングがある。
【0043】
線形反射の実施の形態では、例えば、Chromasens社からの反射器タイプCまたはタイプDと類似の反射器を使用することができる。その反射器の特定の形態の詳細は、光照射の均一性と効率との間で適切なトレードオフを行えるように、蒸着槽の最終形態に合わせて調整することができる。
【0044】
金属コーティングの選択は、反射素子にとって重要である。500nmより短い波長について、一般に、アルミニウムが低損失の選択肢である。それより長い波長では、銀および金が好まれる。500nmより長い波長と短い波長の両方を含む幅広い波長範囲に亘り、1種類の材料を使用する必要がある場合、一般に、その均一に低い損失のために、アルミニウムが好ましい。
【0045】
LED波長の選択:反応および蒸着過程を最適化するために選択される多様な波長を有するLEDのアレイを構築することが可能である。このYCBO反応装置について、UVから可視まで、一連の波長を使用することができる。1つの実施の形態は、LEDアレイの長さに沿って繰り返される3波長のLEDの群を有し、その群の365、385および405nmのLEDは、近UVおよび最短青波長範囲に完全スペクトル範囲を提供する。レーザのような他の種類の光源に、同じ種類の波長多様性スキームを作成することができる。
【0046】
説明目的のために例示の実施の形態および実施例を述べてきたが、先の記載は、本開示の範囲および付随の特許請求の範囲を決して限定する意図はない。したがって、本開示の精神および様々な原理から実質的に逸脱せずに、先に記載された実施の形態および実施例に改変および変更を行ってよい。そのような改変および変更の全ては、本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲により保護されることが意図されている。
【0047】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0048】
実施形態1
多数のシャワーヘッドを有する化学蒸着反応装置において、
槽壁により囲まれた反応装置槽であって、該槽は長さと幅を有し、該長さは該幅より大きく、該槽壁は、テープを、該テープ上の蒸着中に受け渡しするための、長さ方向に前記槽の互いに反対の端部に入口および出口シールポートを有する、反応装置槽と、
前記テープを支持するための前記槽内にある支持板であって、該支持板は長さと幅を有し、該長さは該幅より大きい、支持板と、
前記槽内に位置付けられた前駆体シャワーヘッドであって、該前駆体シャワーヘッドは長さと幅を有し、該長さは該幅より大きく、該前駆体シャワーヘッドは前記支持板の上に位置付けられており、該前駆体シャワーヘッドの長さ寸法は、該支持板の長さ寸法と平行である、前駆体シャワーヘッドと、
前記前駆体シャワーヘッドの両側に位置付けられている第1と第2のガスカーテンシャワーヘッドであって、該第1と第2のガスカーテンシャワーヘッドの各々は、長さと幅を有し、該長さは該幅より長く、該ガスカーテンシャワーヘッドの長さ寸法は、前記前駆体シャワーヘッドの長さ寸法と平行に揃えられている、ガスカーテンシャワーヘッドと、
前記槽の幅の第1の側に位置付けられた1つ以上の第1の照明光源および該槽の幅の第2の側に位置付けられた1つ以上の第2の照明光源であって、蒸着中に、前記テープの上面を、それぞれの前記カーテンシャワーヘッドの下および前記前駆体シャワーヘッドの下で、該上面に照明のビームを照らすことによって、照明できるように、位置付けられ、揃えられている第1と第2の照明光源と、
を備えた反応装置。
【0049】
実施形態2
前記1つ以上の第1の照明光源が前記槽の前記第1の側にある1つ以上の第1の凹部内に位置付けられ、前記1つ以上の第2の照明光源が該槽の前記第2の側にある1つ以上の第2の凹部内に位置付けられている、実施形態1に記載の反応装置。
【0050】
実施形態3
前記1つ以上の第1の凹部および前記1つ以上の第2の凹部に、それぞれの凹部の内部と連通するそれぞれのガスポートが設けられている、実施形態2に記載の反応装置。
【0051】
実施形態4
前記支持板が、前記テープと該支持板との間にパージガス流を供給するための、該テープの下に位置付けられた1つ以上のスロットまたはポートを含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の反応装置。
【0052】
実施形態5
前記前駆体シャワーヘッドが10mmより幅広い、実施形態1から4のいずれか1つに記載の反応装置。
【0053】
実施形態6
前記前駆体シャワーヘッドが、前記ガスカーテンシャワーヘッドよりも前記上面と一致する平面に近く位置付けられている、実施形態1から5のいずれか1つに記載の反応装置。
【0054】
実施形態7
前記前駆体シャワーヘッドが、前記上面から0.8~2cm以内に位置付けられている、実施形態1から6のいずれか1つに記載の反応装置。
【0055】
実施形態8
前記前駆体シャワーヘッドが、前記上面から0.8~1.2cm以内に位置付けられている、実施形態1から6のいずれか1つに記載の反応装置。
【0056】
実施形態9
前記前駆体シャワーヘッドが、1つ以上の多孔質ミキサ・分配板を含む、実施形態1から8のいずれか1つに記載の反応装置。
【0057】
実施形態10
前記前駆体シャワーヘッドが、第1の細孔径を有する第1のミキサ・分配板および第2の細孔径を有する第2のミキサ・分配板を含む、少なくとも2つの多孔質ミキサ・分配板を含み、該第2のミキサ・分配板が該第1のミキサ・分配板と前記支持板との間に位置付けられ、前記第1の細孔径が前記第2の細孔径より大きい、実施形態9に記載の反応装置。
【0058】
実施形態11
前記テープに接触して、該テープに沿って電流を流すことによって、該デーブを加熱するように位置付けられた第1と第2の導電性プラテンまたはローラをさらに含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載の反応装置。
【0059】
実施形態12
前記第1と第2の導電性プラテンまたはローラに接続された定電流源をさらに含む、実施形態11に記載の反応装置。
【0060】
実施形態13
前記テープを加熱するために前記支持板の下に位置付けられた放射源をさらに含む、実施形態1から12のいずれか1つに記載の反応装置。
【0061】
実施形態14
前記テープの温度を感知するように位置付けられた1つ以上の温度センサをさらに含む、実施形態1から13のいずれか1つに記載の反応装置。
【0062】
実施形態15
前記1つ以上の温度センサが、前記上面に面するように位置付けられた1つ以上の高温計を含む、実施形態14に記載の反応装置。
【0063】
実施形態16
前記1つ以上の温度センサが、前記テープの下面に面するように位置付けられた1つ以上の高温計を含む、実施形態14に記載の反応装置。
【0064】
実施形態17
キロメートルの長さの高温超伝導体テープを形成する方法において、
供給ロールからのきめのあるテープを、槽壁を有する反応装置槽に通して、巻き取りロールに供給する工程、
前記テープの上面に面する前記槽内に位置付けられた細長い前駆体シャワーヘッドから高温超伝導体前駆体を流す工程であって、該前駆体シャワーヘッドは、該テープの中心線に沿った方向に細長くなっている工程、
前記前駆体シャワーヘッドの両側の、前記槽内に位置付けられた第1と第2の細長いガスカーテンシャワーヘッドからガスを流す工程であって、該第1と第2の細長いガスカーテンシャワーヘッドは、前記テープの中心線に平行な方向に細長くなっている工程、および
1つ以上の第1の照明光源と1つ以上の第2の照明光源からの照明で前記テープの上面を照明する工程であって、該照明光源は、前記カーテンシャワーヘッドのそれぞれの下、および前記前駆体シャワーヘッドの下を通じて、該テープの上面に照明を通すように位置付けられている工程、
を有してなる方法。
【0065】
実施形態18
前記テープを供給する工程が、該テープを連続的に供給する、実施形態17に記載の方法。
【符号の説明】
【0066】
10 反応装置
16 入口管
18 出口管
20 テープ
30 筐体
31 外囲器
32 支持板
33 スロット、孔
40 前駆体シャワーヘッド
50、60 ガスカーテンシャワーヘッド
52、62 ポート
71、81 窓
72、82 光源
73、83 ビーム
80 凹部
90、92 導電性ローラ
94 定電流源
120 ハロゲンランプ
図1
図2
図3
図4