IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タレスの特許一覧

特許7565942特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置
<>
  • 特許-特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置 図1
  • 特許-特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置 図2
  • 特許-特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置 図3
  • 特許-特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置 図4
  • 特許-特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置 図5
  • 特許-特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置 図6
  • 特許-特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置 図7
  • 特許-特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置 図8
  • 特許-特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】特にインターリーブレーダモードの実施のための偏極の動的変更によるレーダ送受信のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/30 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
G01S13/30
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021558949
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2020059783
(87)【国際公開番号】W WO2020201579
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】1903614
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポレ,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】コルニク,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ガレック,パトリック
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-186321(JP,A)
【文献】特開平11-142504(JP,A)
【文献】特開2014-106042(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0363713(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0145413(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/42
13/00 - 13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
短パルスの送信による短距離動作モードと変調された長パルスの送信による動作の長距離モードとを実施する、レーダ送受信装置によって行われるレーダ送受信方法であって、送信される前記短パルス及び長パルスは時間的にインターリーブされる、レーダ送受信方法において、
前記短パルス及び長パルスは、レーダ送受信装置によって別個の偏極を有する波形の形式で送信され、
各送信波の前記偏極は、その値が当該パルスの前記短距離又は長距離性質に従って変わる位相シフトθをそれらの間に有する2つの信号をパルス毎に2つの同一場所配置放射源により同時に送信することにより得られる、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記短パルスに関して、レーダ送受信装置によって送信される前記2つの信号はその値が前記送信波の垂直偏極を誘起する位相シフトθを有し、
前記長パルスに関して、送信される前記2つの信号はその値が前記送信波の水平偏極を誘起する位相シフトを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
パルスの送信に続く後方散乱高周波信号が前記放射源のそれぞれにより拾われ、
所与の値の位相シフトθ’が、その同じ放射源により受信される高周波信号へレーダ送受信装置によって適用される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
レーダ送受信装置によって適用される前記位相シフトθ’は前記位相シフトθに等しい、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法を実施することができるレーダ送受信装置において、前記装置は、
-2つの同期無線周波数(RF)送信信号を生成する動作であって、前記信号は制御可能な所与の値の位相シフトθをそれらの間に有し、前記信号は制御可能でもある振幅を有する、生成する動作;
-それぞれが所与の偏極軸を有する2つの放射源により生成された送信RF信号の1つにそれぞれが対応する2つの無線周波数波を放射する動作;
-前記放射源のそれぞれにより拾われる後方散乱高周波信号の受信を処理する動作、及び
-それぞれが前記放射源の1つにより拾われそして所与の位相シフトθ’が適用される前記後方散乱高周波信号に対応する2つの無線周波数(RF)受信信号を送出する動作、を行うように構成されることを特徴とする装置。
【請求項6】
放射素子(52)、及び
第1の伝送経路(54)及び第1の受信経路(56)からなる第1の送受信モジュール並びに第2の伝送経路(55)及び第2の受信経路(57)からなる第2の送受信モジュールを取り込む電子回路(51,61)を含むことを特徴とする請求項5に記載の装置であって、
前記2つの送受信モジュールは同一構造を有し;
各送受信モジュールは関連するモジュールの前記送信経路及び前記受信経路を前記放射素子(52)へ交互に接続することを可能にするスイッチ(515、516)を含む、装置。
【請求項7】
前記放射素子(52)は、2つの直角軸上にパッチの中心に対しペアで対照的に配置される4つの接続点を含む通常の形式を有するほぼ平坦なパッチアンテナにより形成され、
2つの対称的な接続点は前記アンテナの接続ポートを形成する、ことを特徴とする請求項5及び6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記放射素子(52)は四角形式のパッチアンテナである、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の送受信モジュールはそれぞれ、一対の電源線(525、526)により前記放射素子52へ接続され,
前記アンテナパッチ(52)上に対称的に配置された前記接続点は、スイッチ(515、516)を介し同じ送受信モジュールの入力/出力へリンクされる、ことを特徴とする請求項7及び8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記2つの送受信モジュールの前記第1の送信経路及び第2の送信経路(54、55)の前記入力は入力(53)により前記電子回路(51)へリンクされた波形生成器(531)により送出される同じRF信号により駆動されるように構成され、
前記入力において制御可能移相器回路(512)を含む前記第2の送受信モジュールの前記送信経路(55)は前記2つの送信経路間に所与の位相シフトθを導入することを可能にする、ことを特徴とする請求項5乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記送受信モジュールの前記第1及び第2の受信経路(56、57)の前記出力は、加算器回路(514)により加算され、次に前記電子回路(51)の共通出力(58)により同じ受信機(532)へリンクされ、
前記第2の送受信モジュールの前記受信経路(57)はその出力に、前記2つの送信経路(54,55)間に導入される前記位相シフトに等しい所与の位相シフトθを前記2つの受信経路間に導入することを可能にする制御可能移相器回路(513)を含む、ことを特徴とする請求項5乃至10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記電子回路(61)は、前記位相シフトθに対し責任がある前記移相器(512、513)の命令を独立に生成するように構成された制御モジュール(62)を含み、
前記モジュールは主に、メモリ(621)と、前記メモリの位置(623)の循環アドレス指定を適用するように構成されたアドレス生成器(622)とを含む、ことを特徴とする請求項5乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記電子回路(51)は同じ位相シフトφを前記波形生成器(531)により送出される前記RF信号(534)へ及び前記2つの受信経路(56、57)により送出される前記信号へ適用するように構成された制御可能移相器(59、511)含む、ことを特徴とする請求項11及び12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記送受信モジュールの前記第1及び第2の受信経路(56、57)の前記出力は前記2つの受信経路からの前記信号間に位相シフトθ’を適用するように構成された同じデジタル受信機(93)の2つの別個の受信経路へ前記電子回路(51,61)の2つの出力(96、97)によりリンクされる、ことを特徴とする請求項5乃至10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記受信経路(56、57)のそれぞれは制御可能移相器(91、92)を含み、
前記移相器のそれぞれは、前記波形生成器(531)により送出される前記RF信号(534)へ適用される前記位相シフトに等しい同じ位相シフトφを対応受信経路へ適用するように構成される、ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
波形生成器(531)、パッチアンテナ(52)のアレイ、及び受信機(532)を含むレーダ監視システムにおいて、
前記システムは請求項6乃至15のいずれか一項に記載の一組の送受信装置を含み、
前記波形生成器(531)及び前記受信機(532)は送受信装置を介し前記アレイの前記パッチアンテナ(52)のそれぞれへリンクされる、ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線周波数検出及び測位システムの一般的分野に関する。
【0002】
本発明は特に、レーダ(特にはパルス圧縮を有する長パルスレーダ)装置の使用の分野及び時間的にインターリーブされた送信を有する動作モードのこのようなレーダ上での実施に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、航空機海上巡回及び偵察レーダからの送信は水平偏極(HH)を有する。海上偵察レーダの機能は特に、図1により示されるように所与の距離にわたり輸送機下に延びる空間の領域を探索することである。
【0004】
これを行うために、海上偵察レーダは、知られているように、準瞬間的切り換え時間でもって2つの異なる方向に向くことを許容する能動的電子走査アンテナにより送信される双パルス(bi-pulse)タイプの波形を使用する。このようなハードウエア構成は特に、電子ビーム迎角機敏性を活用することにより広大な距離範囲をカバーすることを可能にする。
【0005】
図2により示される双パルスタイプの波形の送信の文脈では、パルス長LI1の所謂短パルス(IC)が送信される第1のビーム11(回帰周期TR1を有する)は近距離地帯を照射し、一方、パルス長LI2の所謂長パルス(IL)が送信される第2のビーム12(回帰周期TR2を有する)は近距離地帯に隣接する遠距離地帯を照射する。併せて、時間的にインターリーブされた2つの送信21、22は知られているように不感帯無しに連続距離範囲をカバーすることを可能にする。
【0006】
用語「長パルス」及び「短パルス」は各送信されたパターンを構成するパルスのそれぞれの期間を反映する。長パルスの送信時間に対応する不感帯を備えることができるためには短パルスの繰り返し周期(PRI)の期間が長パルスの期間より長いことが特に必須である。
【0007】
しかし、このような動作モードは、また知られているように、当該パルス(n番目トレースのエコーIC)に先行した短パルス21の反射(遠距離帯内に在る物体による)から生じるエコー23の出現を生じるという欠点を、長パルス22の送信に続く受信のリスニングの期間中に提示する。
【0008】
「n番目トレース」と呼ばれるこれらのエコーは、長パルス22からのエコーと混じり、そして当該地帯内の干渉信号の出現を引き起こすことによりその動作に影響を及ぼす。現在設計される双パルス動作に固有のこれらの干渉は結局、削除されるために検出される必要がある。この役割は通常、n番目トレースのエコーを削除することに進むことを多少なりとも成功裡に試みる様々な既知のアルゴリズムを実施する信号処理手段へ受信後に割り振られる。この目的を達成するために、例えばwobulation方法が採用される。
【0009】
インターリーブ動作モードの実施の欠点を制限するために、異なるカバレッジと動作段階のそれぞれ(短パルス(IC)を使用する近距離地帯動作段階又は長パルス(IL)を使用する遠距離地帯動作段階)とを関連付けることもまた知られた慣習である。
【0010】
したがって、短パルスの送信及び対応エコーの受信(近距離地帯動作)に関し、当該レーダ(無線周波数検出システム)のアンテナは通常、強い近距離地帯振幅を有する地上反響エコーの受信を制限するために、判断された仰角に従って向けられる。
【0011】
他方で、長パルスの送信及び対応エコーの受信(遠距離地帯動作)に関し、当該レーダ(無線周波数検出システム)のアンテナは通常、水平線に近い低仰角に従って向けられ、送信された無線周波数波がより遠い地帯へ到達することを可能にする。
【0012】
その結果、遠距離地帯動作モードに関して、地上反響エコーは有利には、受信機が非活性になった時点で長パルス自体の送信時に最も発生するので、無視され得る。
【0013】
他方で、低カバレッジへの切り替えのために、遠距離地帯動作モードの実施中に発生する地面による短パルスの反響エコーもまた受信機により受信される。
【0014】
これらのエコーは、特に受信時の長パルスの圧縮の動作を妨害する可能性が高く、その結果、圧縮利得の一部が失われ得る。
【0015】
したがって、既知技術を実施することにより、現在のシステムは先に説明したように、時間的インターリーブ(デュアルカバレッジ(近距離地帯カバレッジ及び遠距離地帯の両方)を保証するために必要であるインターリーブ)の使用の望ましくない影響から完全に免れることはできない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の1つの目的は、検出システムが、短パルスに続いて長パルスを含む波形を送信することによりその環境の近距離地帯及び遠距離地帯をカバーすることを可能にするデュアル動作モードを採用する(この動作モードが遠距離地帯のカバレッジに期待される検出性能に影響を与えること無く)ことを可能にする解決策を提案することである。
【0017】
この目的を達成するために、本発明の主題は、短パルスの送信を有する短距離動作モード及び変調された長パルスの送信を有する長距離動作モードを実施するレーダ送受信方法であり、送信される短パルス及び長パルスが時間的にインターリーブされる、レーダ送受信方法において、前記方法は、短パルス及び長パルスが、別個の偏極を有する波形として送信されることを特徴とする。
【0018】
様々な実施形態によると、本発明による方法は、それぞれが単独で又は他の特徴と組み合わせで考えられることができる様々な特徴を有し得る。
【0019】
したがって、本発明の1つの特徴によると、各送信波の偏極は、その値が当該パルスの短距離又は長距離性質に従って変わる位相シフトθを有する2つの信号をパルス毎に2つの同一場所配置(colocated)放射源により同時に送信することにより得られる。
【0020】
別の特徴によると、短パルスの場合、送信される2つの信号は、その値が送信波の垂直偏極を誘起する位相シフトθを有し、長パルスの場合、送信される2つの信号は、その値が送信波の水平偏極を誘起する位相シフトを有する。
【0021】
別の特徴によると、パルスの送信に続く後方散乱高周波信号が放射源のそれぞれにより拾われるので、所与の値の位相シフトθ’が、その同じ放射源により受信された高周波信号へ適用される。
【0022】
別の特徴によると、位相シフトθ’は位相シフトθに等しい。
【0023】
本発明の別の主題はこのような方法を実施することができるレーダ送受信装置であり、前記装置は、以下の動作を行うように構成される:
-2つの同期無線周波数(RF)送信信号を生成する動作であって、前記信号は制御可能な所与の値の位相シフトθをそれらの間に有し、前記信号は制御可能でもある振幅を有する、生成する動作;
-2つの無線周波数波を放射する動作であって、それぞれは2つの放射源(2つの放射素子)により生成される送信RF信号の1つに対応し、これらの放射源はそれぞれ所与の偏極軸を有する、放射する動作;
-放射源のそれぞれにより拾われる後方散乱高周波信号の受信を処理する動作、及び
-それぞれが放射源の1つにより拾われそして所与の位相シフトθ’が適用される後方散乱高周波信号に対応する2つの無線周波数(RF)受信信号を送出する動作。
【0024】
様々な手立てによると、それぞれは単独で又は組み合わせて考えられることができるので、本発明による装置は様々な特徴を有し得る。
【0025】
したがって、第1の特徴によると、本装置は、放射素子と、第1の送信経路及び第1の受信経路からなる第1の送受信モジュール並びに第2の送信経路及び第2の受信経路からなる第2の送受信モジュールを取り込む電子回路とを含み、2つの送受信モジュールは同一構造を有し;各送受信モジュールは当該モジュールの送信経路及び受信経路を放射素子へ交互に接続することを可能にするスイッチを含む。
【0026】
別の特徴によると、放射素子は、2つの直角軸に沿ってパッチの中心に対しペアで対照的に配置される4つの接続点を含む通常の形式を有するほぼ平坦なパッチアンテナにより形成され、2つの対称的な接続点はアンテナの接続ポートを形成する。
【0027】
一実施形態によると、この放射素子は四角形式のパッチアンテナである。
【0028】
別の特徴によると、第1及び第2の送受信モジュールはそれぞれ一対の電源線により放射素子へ接続され、アンテナパッチ上に対称的に配置される接続点は、スイッチを介し同じ送受信モジュールの入力/出力へリンクされる。
【0029】
別の特徴によると、2つの送受信モジュールの第1の送信経路及び第2の送信経路の入力は、入力により電子回路へリンクされる波形生成器により送出される同じRF信号により駆動されるように構成され、入力において制御可能移相器回路を含む第2の送受信モジュールの送信経路は、2つの送信経路間に所与の位相シフトθを導入することを可能にする。
【0030】
一実施形態によると、電子回路は、位相シフトθに対し責任がある移相器の命令を独立に生成するように構成された制御モジュールを含み、前記モジュールは主に、メモリと、メモリの位置の循環アドレス指定を適用するように構成されたアドレス生成器とを含む。
【0031】
第1の実施形態によると、送受信モジュールの第1及び第2の受信経路の出力は、加算器回路により加算され、次に電子回路の共通出力により同じ受信機へリンクされ、第2の送受信モジュールの受信経路はその出力に、2つの送信経路間に導入される位相シフトに等しい所与の位相シフトθを2つの受信経路間に導入することを可能にする制御可能移相器回路を含む。
【0032】
一特徴によると、電子回路は、同じ位相シフトφを波形生成器により送出されるRF信号へ及び2つの受信経路により送出される信号へ適用するように構成された制御可能移相器を含む。
【0033】
別の実施形態によると、送受信モジュールの第1及び第2の受信経路の出力は、2つの受信経路からの信号間に位相シフトθ’を適用するように構成された同じデジタル受信機の2つの別個の受信経路へ電子回路の2つの出力によりリンクされる。
【0034】
一特徴によると、受信経路のそれぞれは、制御可能移相器を含み、制御可能移相器のそれぞれは、波形生成器により送出されるRF信号へ適用される位相シフトに等しい同じ位相シフトφを対応受信経路へ適用するように構成される。
【0035】
本発明のさらに別の主題は、波形生成器、パッチアンテナのアレイ、及び受信機を含むレーダ監視システムであり、前記システムは本発明による一組の送受信装置を含み、波形生成器及び受信機は送受信装置を介しアレイのパッチアンテナのそれぞれへリンクされる。
【0036】
本発明の特徴及び利点は、添付図に基づく以下の説明からより良く理解されることになる。
【0037】
添付図面は本発明を示す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本明細書の前文において述べられた本発明が解決策を提供する技術的問題をハイライトする概略図を提示する。
図2】本明細書の前文において述べられた本発明が解決策を提供する技術的問題をハイライトする概略図を提示する。
図3】本発明の動作の一般的原理の図解をタイミング図の形式で提示する。
図4】本発明の動作の一般的原理の図解をタイミング図の形式で提示する。
図5】本発明による方法の実施を可能にする送受信装置(本出願人により以前に出願された仏国特許出願第1501644号明細書において開示された装置)の構造のブロック図を提示する。
図6】本発明による送受信装置の構造のブロック図を提示する。
図7】位相制御モジュールの構造並びに本装置の送信経路及び受信経路内のその測位を詳述する図6の送受信装置の構造の部分的ブロック図を提示する。
図8】受信経路の代替実施態様を示す図6の送受信装置の構造の部分的ブロック図を提示する。
図9】電気ケーブルの有無の検出に適した本発明による装置の実施のタイミング図の形式の図解を提示する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
添付図では同じ機能的又は構造的要素は好適には同じ参照符号を担うということに注意すべきである。
【0040】
先に述べたように、本発明の目的の1つは、特には不感帯を削除するために双パルスモードで動作するレーダ探知システムの文脈において、前記短パルスに続く長パルスが起源であるエコーの受信の段階中に受信される短パルスが起源であるn番目トレースエコーの存在から生じる問題に対処することである。
【0041】
これを行うために、本発明による方法は、図3及び図4により示されるように、送信されたパルスが短パルス21又は長パルス22に依存して送信される電磁波の偏極を区別することにその本質がある。偏極のこの修正は、当該パルスが短パルス又は長パルスに従ってその値が変わる位相シフトを有する2つの信号を2つの同一場所配置放射源によりパルス毎に同時に送信することにより行われる。2つの送信された信号に対応する放射電波を空中で再合成することにより、本発明による方法は、2つの放射源により放射される信号の相対的位相に依存する所与の偏極に従って偏極されるその結果波形を生成することを可能にする。
【0042】
好適的には、短距離動作では、垂直偏極P1が、Brewster入射のおかげで多重反射の影響を最小化するように使用され、そして、長距離動作では、水平偏極P2が、特にレーダ射程を有利に増加するために干渉縞を生成するように使用される。
【0043】
本発明による方法の実施は、以下の動作を行うように構成された装置を使用することにより行われる:
-それらの間に制御可能な所与の値の位相シフトを有する2つの同期無線周波数(RF)送信信号を生成する動作。このようにして、デジタル位相シフト制御に依存するピッチ間隔(例えば3度ピッチ間隔だけの離散化)を有する一組の偏極をプログラムすることが可能である。
-その振幅もまた制御可能な2つの送信信号を生成する動作;
-それぞれが所与の偏極軸を有する2つの放射源(すなわち2つの放射素子)によりそれぞれが送信RF信号の1つに対応する2つの無線周波数波を放射する動作;
-放射源のそれぞれにより拾われる後方散乱高周波信号の受信を処理しそしてそれぞれが高周波信号に対応する2つの無線周波数(RF)受信信号を送出する動作;送信時に導入される位相シフトに等しい相対的位相シフトが受信RF信号へ適用される。
【0044】
本発明によると、本装置は、送信される波形に対応するRF信号(例えばレーダの波形生成器により合成される)を受信するようにそして受信されたRF信号から生成される2つのRF送信信号を2つの放射源へ送出するように構成され、前記RF送信信号は所与の位相シフトだけ互いに対して位相シフトされる。
【0045】
この装置はまた、拾われる高周波信号に対応するRF受信信号をレーダの受信機へ送信するように構成される。
【0046】
図5は本発明による方法を実施することができる送受信装置の実施形態の理論構造を示す。本出願人により2015年7月31日に出願された仏国特許出願第1501644号明細書のどこかで詳細に説明されるこの理論構造は、本発明の文脈内でこの構造へ導入される特定要素を明確に提示することを可能にするように本明細書において引用される。
【0047】
図5により示されるこの理論構造は、放射素子52と、送信経路54及び受信経路56からなる第1の送受信モジュール並びに送信経路55及び受信経路57からなる第2の送受信モジュールを取り込む電子回路51とを含む。2つの送受信モジュールは同一構造を有する。
【0048】
各送受信モジュールは、当該モジュールの送信経路及び受信経路を放射素子52へ交互に接続することを可能にするスイッチ515又は516をそれぞれ含む。
【0049】
さらに、2つの送受信モジュールの送信経路54、55の入力は、入力53により電子回路51へリンクされるレーダ531の波形生成器により送出される同じRF信号534により駆動されるように構成される。しかし、第2の送受信モジュールの送信経路55は、2つの送信経路間に所与の位相シフトθを導入することを可能にする制御可能移相器512を入力において含む。
【0050】
同様に、2つの受信経路56、57は、放射素子52により送出される高周波信号の和に対応するRF受信信号535をレーダ受信機532へ送出するレーダ受信機532へリンクされる共通受信経路58を形成するために加算器回路514により加算される。しかし、第2の送受信モジュールの受信経路57は、加算前に、2つの送信経路間に導入される位相シフトに等しい所与の位相シフトθを2つの受信経路間に導入することを可能にする制御可能移相器回路513その出力において含む。
【0051】
第1及び第2の送受信モジュールの機能は主として、レーダの波形生成器により送信される信号を、第1のモジュールの電子回路の入力/出力521~522及び第2のモジュールの入力/出力523~524それぞれを介し放射素子52へ差分形式で送信されように意図された高周波信号(又はRF送信信号)へ変換することである。
【0052】
図5に概略的に表される放射素子52は、通常の形式(例えば四角形式)を有するほぼ平坦な「パッチ」アンテナであって2つの直角軸上にパッチの中心に対しペアで対照的に配置される4つの接続点(ポート)(2つの対称的接続点の各グループがアンテナの接続ポートを形成する)を含むアンテナからなる。上述の特許出願が詳述するように、このようなアンテナは、2つの別個の直角偏極軸に沿って励起RF信号を放射することを可能にする。
【0053】
図5が示すように、第1及び第2の送受信モジュールはそれぞれ、一対の電源線525、526により放射素子52へそれぞれ接続される。対称的に配置されたポートは、スイッチ515又は516を介し同じ送受信モジュールの入力/出力へリンクされる。
【0054】
電子回路51はまた、制御モジュール533(例えば、レーダ装置内の送受信を管理することに責任があるコンピュータ)が適切な命令をこれらの入力へ適用することによりそれを駆動することを可能にする制御入力を含む。したがって、電子回路51は以下のものを含む:
-2つの送受信モジュールの送信経路54、55への適用の前に、位相シフトφを波形生成器531により送出された信号へ適用するように構成された制御可能移相器回路59の制御と、この同じ位相シフトφをこれらの同じモジュールの受信経路56、57からRF受信信号へ適用するように構成された制御可能移相器回路511の制御とに専用化された入力517;
-所与の位相シフトθを波形生成器531により送出された信号へ第2の送受信モジュールの送信経路55において適用するように構成された制御可能移相器回路512の制御と;この同じ位相シフトθをこの同じモジュールの受信経路57からRF受信信号へ適用するように構成された制御可能移相器回路513の制御とに専用化された入力518;
-電子回路51のスイッチ515、516の入力/出力521~524を入力又は出力モードへ交互に設定することを可能にする切り替え回路515、516の制御に専用化された入力519。
【0055】
機能的観点から、制御可能移相器59、511の実装は、同じ位相シフトφを2つの送受信モジュールにより放射素子52へ送出される信号と放射素子52により拾われる高周波信号に対応するRF受信信号とへ適用することを可能にする。この機能性は有利には、図5に表されるように、アレイ内の複数の装置の放射素子52を関連付けることによりマルチソースアンテナを生成することを可能にし、各装置はアンテナが向く方向に応じた位相シフトφを割り当てられる。
【0056】
このような構造では、各装置は、同じ信号発生器により生成された信号を受信し、そしてそれを差分形式で放射素子52へ送信する前にアレイ内の装置の位置に応じた位相シフトφを前記信号へ適用する。
【0057】
逆に、各装置は、放射素子52により差分形式で送出された信号を受信し、そしてこの信号を非差分RF信号へ変換し、そして非差分RF信号を受信機へ送信する前にアレイ内の装置の位置に応じた位相シフトφを非差分RF信号へ適用する。
【0058】
さらに、制御可能移相器512、513の実装は有利には、放射素子52の電源線525、526上の電子回路51により送出された信号が、放射素子52により送出された高周波信号に対応するRF受信信号と全く同様にそれらの間に所与の値θの位相シフトを有するように、相補的位相シフトθを第2の送受信モジュールの送信経路55及び受信経路56へ適用することを可能にする。
【0059】
したがって、上述の仏国特許出願に詳述されるように、制御可能移相器512、513の実装は有利には、2つの高周波信号を放射することを可能にし、空中でのその再合成は、その性質が第2の送信受信モジュールにより送出されたRF送信信号へ適用される相補的位相シフトθの値に応じる偏極を有する信号を生成する。
【0060】
逆に、この実施形態は、位相シフトθにより判断される所与の極性を有する受信された高周波信号に対応するRF受信信号だけを受信時に認識することを可能にする。
【0061】
先に述べたように、様々な移相器へ適用される位相シフト命令は原則として、送受信装置が取り込まれるレーダ機器の送受信管理システム内に機能的又は物理的に一体化される制御モジュール533により送受信装置へ送出される。これらの命令は制御バスを介し移相器へ送信され、位相シフト命令の値は値の2つの変更間で一定に維持される。
【0062】
さて、特に送信経路54、55間及び受信経路56、57間の相対的位相シフトθを保証する移相器512、513に関して、チャージする値の2つの変化間の時間経過は短いと判明し得そしてこれらの変化率が高いと判明し得、その結果、これらの値を運ぶ制御バスは、環境により後方散乱された高周波信号の受信の段階中に、持続された電気的活動を呈示し得、そして受信経路上の干渉信号の出現を誘発し得る。これは移相器59、511にも当てはまり得る。
【0063】
その結果、移相器(特に移相器512、513)の命令が制御モジュール533により直接送出される図5に提示される理論構造は、位相シフト命令値の変化率が低いままである及び/又はこれらの変化が後方散乱エコーの受信の段階外に発生し得るシステムにより良く適しているように思える。
【0064】
本発明による方法の文脈では、位相シフトの値θは最低限でも、短距離処理作業及び長距離処理作業の交番と歩調を合わして変化するようされる。その結果、移相器512、513へ適用される位相シフト命令の値θは頻繁に変化する可能性が高く、この変動は、制御モジュール533が移相器512、513のそれぞれを制御する制御バス上でのデータの頻繁な交換を誘発する。
【0065】
これが、本発明の文脈では上述の仏国特許出願に記載されそして図5により示される装置の理論構造の機能的適応化が想定される理由である。
【0066】
図6及び図7に示すこの機能的適応化は、メモリ621及びアドレス生成器622を主として含む制御モジュール62を介し移相器512、513を制御することにその本質がある。したがって、デジタルデータがその受信モードでの動作の段階中に制御モジュール533と装置61との間で移行すること無く、所望動作モード(双パルスモード)により必要とされる位相変更シーケンスを直接管理することができる送受信装置61が得られる。
【0067】
本発明によると、アドレス生成器622は、メモリ621の循環アドレス指定(各記憶場所623が連続してアドレス指定される)を定期的に行うように構成される。有利には、使用されるアドレス生成器612は、記憶場所の循環読み出しを一定順序で(アドレスの昇順又は降順で、又は可変順番で、そうでなければアドレスの昇順そして次に降順で)行うために、当該動作モードに従ってプログラムされ得る。
【0068】
機能的観点から、メモリ621は様々なタイプのものであり得る。メモリ621は、移相器512、513へ順に送信されるように意図された様々な位相シフト命令値を含む予めプログラムされたメモリで構成され得る。
【0069】
代替的に、メモリ621は、その内容が例えばコントローラ533によりロードされる再プログラム可能メモリで構成され得る。次に、メモリ621は、コントローラ533にメモリ621への書き込みモードアクセスを許容するR/W命令入力63を提供される。
【0070】
また、データは「循環アドレス指定を適用することにより、送信経路55及び受信経路57へ適用される位相シフトθの周期的変動を誘起する位相シフト命令値の所与のシーケンスを再生することが可能である」やり方でメモリ621内に配置される。
【0071】
また機能的観点から、メモリ621のサイズは、位相シフト命令が取り得る異なる値の数と所与の命令が維持されなければならいない時間とに応じて判断される。
【0072】
したがって、図7が示すように、アドレス生成器622が一定クロックHのペースにはまれば、所与の位相命令はいくつかの連続記憶場所(場所の数は適切に定義されたクロックの周期Hの期間へ命令が適用されなければならない時間の割合に応じたものである)内に書き込まれることができるようになる。
【0073】
したがって、メモリ621及びループモードアドレス指定(循環アドレス指定)の提供は、変動するデジタルデータを装置の受信経路56、57の近傍で動作中に循環させる必要無く、移相器512、513へ適用される位相命令の値の変化を可変且つ高速率に従って生成することを可能にする。信号の受信に影響を与える可能性が高い干渉の生成はこのようにして有利に回避される。
【0074】
図3及び図4のタイミング図により示される動作構成では、メモリ621は例えば、短パルス21の連続送信と長パルス22の連続送信との交番の比率で、移相器512、513へ適用される位相命令θを変更するようにプログラムされることができることになる。
【0075】
同様に、図8のタイミング図により示される動作構成では、メモリ621は例えば、短パルス21の連続送信と長パルス22の連続送信との比率で、移相器512、513へ適用される位相命令θを変更するようにプログラムされることができることになる。そして長パルス22に関しては、長パルスを構成するRF送信信号へ適用される位相変動の比率で;長パルスを構成するRF送信信号は、その偏極が長パルスの送信の時間中に変動する高周波信号を構成するように、一組の値から選択される値を交番に取る相対的位相シフトθを例えば割り当てられる。
【0076】
図9は代替実施態様(図6及び図7により示される送受信装置61の変形実施形態)を概略的に提示する。
【0077】
デジタルレーダ受信機93に関連する送受信装置により特に適したこの変形実施形態によると、本発明による装置の2つの受信経路56、57は再合成されなく、放射素子52により拾われた高周波信号からのRF受信信号96、97は2つの別個のチャネル94、95により受信機93へ送信され、受信機93は2つの経路の別個の処理を行うように構成される。
【0078】
この変形実施形態では、位相シフト命令φは2つの移相器91、92により2つの経路へ別々に適用される。2つの受信経路間の位相シフトの適用はこの場合、受信機93へ移されそしてデジタル的に処理される。
【0079】
この変形実施形態は有利には、受信経路56、57のそれぞれに対応する信号間に、これにしたがって受信信号が解析されることが望ましい偏極の方向に応じた様々な値を取り得る位相シフトθ’をデジタル的に適用することを可能にする。θ’はθと同一であっても異なってもよい。
【0080】
したがって、各送受信モジュール61において、受信信号へ適用される相対的位相とその相対的振幅とに受信レベルにおいて作用することにより様々な偏極方向に従って放射素子52により拾われる後方散乱信号を同時に解析することが可能である。
【0081】
この変形実施形態はまた有利には、放射源のアレイを形成する複数の送受信装置61からなるマルチソースアンテナの文脈において、マルチソースアンテナ全体により受信される信号を様々な偏極方向に同時に解析することを可能にする。これを行うために、一方では様々な装置のすべての第1の受信経路そして他方では様々な装置のすべての第2の受信経路の別々の加算を行うことと結果として得られる信号へ先に説明されたものと同一な位相的処理を適用することで十分である。
【0082】
この変形実施形態はまた有利には、パルスの偏極をピッチ間隔により変更すること又は航空機システム(特にはヘリコプター)内のケーブルの検出に最も好ましい偏極を線型に探索することを可能にし;すべての偏極の走査がケーブルの最適偏極を発見することを可能にする。すべての偏極は受信時にデジタル的に計算されるということが理解される。したがって、ケーブル上の信号の反射はケーブルの幾何学形状(ケーブルの束の断面及び方向)に依存するので、送信時に走査することによりすべての偏極を使用することができる可能性は、適切な場合に想定され得る既知の解決策(せいぜいパルスからパルスへ切替えることにより偏極の変更だけを許容する解決策)より提示されるものと比較して改善される検出能力から恩恵を受けることを可能にする。
【0083】
本方法はまた、アンテナを2つ(一方はHにおける受信のためのもの、他方はVにおける受信のためのもの)に分割することが可能ではないようにレーダの全出力を信号に集中させることが必要である「スポットSAR」を行おうとする際に特に有用である恩恵を2つの偏極から同時に受けることを可能にする。本提案方法は、利得低減無しに受信時に同時に2つの偏極を有すること又はアンテナのビームの拡大を可能にする。
【0084】
所与のアプリケーションのための最適偏極(換言すれば、適切な場合に想定され得る既知の解決策により提示されるものと比較して改善される検出能力から恩恵を受けることを可能にする偏極)を細かく調べることによる探索は特に、発見型判断処理を使用することにより行われ得る。
【0085】
このような処理は、当初、判断された極性を無作為に割り当てられたパルスを送信することと、次に第2の段階において、偏極の現在の選択のための受信の品質の評価を行うこととにその本質がある。この選択は、誤警報の比率と検出確率とを測定することにより、標的の距離及びタイプに応じて評価される。保持された判断基準が最適に満たされなければ、新しい偏極値を生み出す新しいドローがなされる。次に、最良の結果を与える偏極はさらに、当該文脈に従って再使用されることができるために格納され得る。
【0086】
したがって、所与の距離、標的のタイプ及びクラッタのタイプについて最適と思われる一組の偏極が有利にはデータベース内に格納されることができるようになる。次に、格納された一組の偏極は、同様な環境においてそれ自体適用されることができるようになる、又は、リアルタイムで取得される受信品質を最適化することを可能にする偏極の区分的且つ無作為的変更を実施する洗練化処理の開始基準として使用され得、格納されたデータの洗練化は、データベースを豊かにするとともに強化することを可能にする。
【0087】
偏極の適正になされた選択はまた、標的とクラッタ間のコントラストを改善することを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9