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特許7565943剤形中のコーティングポリマーの総量を決定するための分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】剤形中のコーティングポリマーの総量を決定するための分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/88 20060101AFI20241004BHJP
   A61K 9/34 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20241004BHJP
   G01N 30/86 20060101ALI20241004BHJP
   G01N 30/06 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G01N30/88 P
A61K9/34
A61K9/48
A61K47/36
A61K47/42
G01N30/86 J
G01N30/88 J
G01N30/88 N
G01N30/06 C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021559556
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 US2020026990
(87)【国際公開番号】W WO2020210185
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】62/831,104
(32)【優先日】2019-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520355792
【氏名又は名称】アール.ピー.シェーラー テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ,ウィリアム,デレク
(72)【発明者】
【氏名】コーミエ,ライアン,スコット
(72)【発明者】
【氏名】スクル,カルナカル
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-516926(JP,A)
【文献】国際公開第2011/024049(WO,A2)
【文献】特表2015-510899(JP,A)
【文献】Marie P. Kautsky,Steroid Analysis by HPLC: Recent Applications,Vol.16,1981年,pp.221-225
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剤形中のコーティングポリマーの総量を決定する方法であって、
前記剤形の1種または複数の他の構成成分から前記コーティングポリマーを分離することによって試料を調製するステップ、および
前記試料を分析するステップ
を含み、
前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分が、前記コーティングポリマーの分子量範囲と重複する分子量範囲を有し、
前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分が、ゼラチン、カラギーナン、デンプン、ペクチン、またはそれらの組合せを含み、
分離するステップが、希釈剤中で前記コーティングポリマーを選択的に溶解する前記希釈剤と前記剤形を混合することを含み、前記希釈剤がジメチルホルムアミド(DMF)であり、前記希釈剤が、前記コーティングポリマーを溶解することができるが、前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分を溶解することができない、方法。
【請求項2】
分離するステップが、前記希釈剤中の前記剤形の混合物を超音波処理することをさらに含み、追加であるいは代わりに、前記希釈剤中の前記剤形の混合物を遠心分離することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記剤形が錠剤またはカプセル剤またはソフトゲルカプセル剤である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記試料を分析するステップが、前記試料をサイズ排除カラム、ゲル浸透カラム、または濾過カラムに流すことを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記剤形中の前記コーティングポリマーが第1の分子量範囲を有し、前記サイズ排除カラム、前記ゲル浸透カラム、または前記濾過カラムが第2の分子量範囲に対応する分離範囲を有し、前記第1の分子量範囲が前記第2の分子量範囲より大きい、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記試料を分析するステップが、前記剤形中のコーティングポリマーの総量を定量化することを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
剤形中のコーティングポリマーの総量を定量化するためのシステムであって、
コーティングポリマーおよび1種または複数の他の構成成分を含む剤形、
前記コーティングポリマーを選択的に溶解することができるが、前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分を溶解できない希釈剤、ならびに
コーティングポリマーのその総量を定量化させる試料を調製するためのおよび/または前記試料を分析するための、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)機、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)機、または追加であるいは代わりに、サイズ排除カラム、ゲル浸透カラム、または濾過カラムを含む1つまたは複数の分析ツール
を含み、
前記剤形が、錠剤またはカプセル剤またはソフトゲルカプセル剤であり、
前記1種または複数の他の構成成分が、ゼラチン、カラギーナン、デンプン、ペクチン、またはそれらの組合せを含み、
前記希釈剤が、ジメチルホルムアミド(DMF)である、システム。
【請求項8】
前記剤形中の前記コーティングポリマーが第1の分子量範囲を有し、前記サイズ排除カラム、前記ゲル浸透カラム、または前記濾過カラムが第2の分子量範囲に対応する分離範囲を有し、前記第1の分子量範囲が前記第2の分子量範囲より大きい、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
超音波処理機、遠心分離機、プロセッサー、またはディスプレイのうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項またはに記載のシステム。
【請求項10】
剤形中のコーティングポリマーの総量を定量化するためのキットであって、
前記コーティングポリマーを選択的に溶解することができるが、前記剤形の1種または複数の他の構成成分を溶解できない希釈剤、
コーティングポリマーのその総量を定量化させる試料を調製するためのおよび/または前記試料を分析するための1つまたは複数の分析ツール、ならびに
コーティングポリマーのその総量を定量化させる試料を調製するためのおよび/または前記試料を分析するための説明書
を含み、
前記希釈剤がジメチルホルムアミド(DMF)であり、
前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分が、ゼラチン、カラギーナン、デンプン、ペクチン、またはそれらの組合せを含む、キット。
【請求項11】
前記1つまたは複数の分析ツールが、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)機、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)機、サイズ排除カラム、ゲル浸透カラム、濾過カラム、超音波処理機、遠心分離機、プロセッサー、またはディスプレイのうちの1つまたは複数を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記1つまたは複数の分析ツールが、第2の分子量範囲に対応する分離範囲を有するサイズ排除カラム、ゲル浸透カラム、または濾過カラムを含み、前記剤形中の前記コーティングポリマーが第1の分子量範囲を有し、前記第1の分子量範囲が前記第2の分子量範囲より大きい、請求項11に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は2019年4月8日に出願された米国仮特許出願第62/831,104号の優先権を主張し、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般的に、剤形中のポリマーの定量化に関する。とりわけ本発明は、剤形中のポリマー、例えばコーティングポリマーの総量を決定するための方法、システム、およびキットに関する。
【背景技術】
【0003】
サイズ排除クロマトグラフィーおよび同様の方法は、分子をその対応する分子量に基づいて分離および同定するために固定相を利用する。試料が広範囲の分子量を有する構成成分を含有する場合、全ての構成成分を分離および同定し、各構成成分を個々に定量化するために、複数のサイズ排除カラムが使用され得る。
【0004】
試料が多分散ポリマーまたは重複する分子量を有する複数の構成成分を含む場合、試料中の各構成成分を定量化するための従来の方法は困難であることがわかるであろう。多分散ポリマーまたは重複する分子量を有する別の構成成分の存在は、複数の頂点を有する1つまたは複数のブロードなピーク(ベースライン分離を有するものもあれば有しないものもある)を生じさせ得る。そのようなデータは、正確に統合し、定量化することが難しい可能性がある。
【0005】
ソフトゲルカプセル剤コーティング中のポリマーの総量およびソフトゲルカプセル剤中のコーティングの総量を定量化する1つの方法は、コーティング後のカプセル剤の重量をコーティング前のカプセル剤の重量と比較する、カプセル剤重量についての「ビフォーアフター」法であり得る。しかし、コーティングされたばかりのソフトゲルカプセル剤は、水を即座に蒸発させ、それによってコーティングされたカプセル剤の重量が変わる、動的系である。複数の可変因子がカプセル剤の重量変動に寄与する場合(例えば、できたてのコーティングおよび水の蒸発)、各可変因子の寄与を正確に決定することは困難であり得る。
【0006】
剤形中の選択された構成成分(例えばコーティングポリマー)の総量を正確かつ確実に定量化する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明のある特定の実施形態の目的は、剤形中のポリマーの総量を正確に、確実に、かつ効率的に決定することである。
【0008】
本発明のある特定の実施形態の別の目的は、選択されたポリマーの総量の正確な定量化に障害をもたらし得る1種または複数の他の剤形構成成分から、定量化しようとする選択されたポリマーを分離することである。
【0009】
本発明のある特定の実施形態のさらなる目的は、選択された多分散ポリマーの溶出が単一のピークで表され得る高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)法を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記の目的および他の目的は、一部の実施形態において、剤形中のポリマーの総量を決定するための方法、剤形中のポリマーの総量を定量化するための試料を調製するための方法、剤形中のポリマーの総量を定量化するためのシステム、および/または剤形中のポリマーの総量を定量化するためのキットを対象とする本発明によって達成され得る。
【0011】
一実施形態では、剤形中のポリマー(例えばコーティングポリマー)の総量を決定するための方法は、剤形中の1種または複数の他の構成成分からのポリマー(例えばコーティングポリマー)の分離に供された試料を分析するステップを含むことができ、剤形の1種または複数の他の構成成分は、ポリマー(例えばコーティングポリマー)の分子量範囲と重複する分子量範囲を有する。
【0012】
ある特定の実施形態では、剤形中のポリマー(例えばコーティングポリマー)の総量を決定するための方法は、試料を調製するステップおよび試料を分析するステップを含み得る。そのような実施形態では、試料を調製するステップは、剤形の1種または複数の他の構成成分からポリマー(例えばコーティングポリマー)を分離することを含み得る。剤形の1種または複数の他の構成成分は、ポリマー(例えばコーティングポリマー)の分子量範囲と重複する分子量範囲を有し得る。
【0013】
ある特定の実施形態では、剤形中のポリマー(例えばコーティングポリマー)の総量の定量化のための試料を調製するための方法は、剤形中の1種または複数の他の構成成分からポリマーを分離するステップを含み得る。剤形の1種または複数の他の構成成分は、ポリマー(例えばコーティングポリマー)の分子量範囲と重複する分子量範囲を有し得る。
【0014】
一部の実施形態では、剤形中のポリマー(例えばコーティングポリマー)の総量を定量化するためのシステムは、剤形、希釈剤、および1つまたは複数の分析ツールを含み得る。剤形は、コーティングポリマーおよび1種または複数の構成成分を含み得る。希釈剤は、定量化されるポリマー(例えばコーティングポリマー)を選択的に溶解することができるが、1種または複数の他の構成成分を溶解できない種類であり得る。1つまたは複数の分析ツールは、ポリマーのその総量を定量化させる試料を調製するためにおよび/または試料を分析するために使用される種類(例えば、バイアル、ピペット、HPLC機、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)機、ゲル浸透またはサイズ排除または濾過カラム、超音波処理機、プロセッサー、コンピューター、ディスプレイ、遠心分離機など)であり得る。システム中の1つまたは複数の分析ツールは、システム(人によるまたはよらない)を使用して、本明細書に開示される方法ステップのいずれかを自動的に(アルゴリズムに応答して)および/または手動で(人によって)行うことができるように、互いに作動可能に連結され得る。
【0015】
一部の実施形態では、剤形中のポリマー(例えばコーティングポリマー)の総量を定量化するためのキットは、希釈剤、1つまたは複数の分析ツール、および説明書を含み得る。希釈剤は、定量化されるポリマー(例えばコーティングポリマー)を選択的に溶解することができるが、1種または複数の他の構成成分を溶解できない種類であり得る。1つまたは複数の分析ツールは、ポリマーのその総量を定量化させる試料を調製するためにおよび/または試料を分析するために使用される種類(例えば、バイアル、ピペット、HPLC機、UPLC機、ゲル浸透またはサイズ排除または濾過カラム、超音波処理機、プロセッサー、コンピューター、ディスプレイ、遠心分離機など)であり得る。説明書は、ポリマー(例えばコーティングポリマー)のその総量を定量化させる試料を調製するためのおよび/または試料を分析するための手引きを提供し得る。
【0016】
多種多様なポリマーが、本明細書に開示される方法、システム、およびキットに従って定量化され得る。ある特定の実施形態では、剤形のシェルを分析することができ、そのシェルに使用されているコーティングポリマーを含有する試料を調製し、分析してシェル中のコーティングポリマーの総量を定量化することができる。他の実施形態では、剤形の充填剤を分析することができ、充填剤中の選択されたポリマーを含有する試料を調製し、分析して充填剤中のポリマーの総量を定量化することができる。さらに他の実施形態では、剤形全体を分析することができ、剤形に由来するある特定のポリマーを含有する試料を調製し、分析して剤形中のそのある特定のポリマーの総量を定量化することができる。本明細書では単数形のある特定のポリマーまたは選択されたポリマーに言及することがあるが、ある特定の実施形態では、1種より多くのポリマーを定量化できることが理解されるべきである。
【0017】
本明細書に開示される剤形は固体または液体であり得、限定なしに、錠剤、カプセル剤(例えばソフトゲルカプセル剤)、ビーズ剤、カプレット剤、ペレット剤、顆粒剤、液剤などを含み得る。
【0018】
本開示は、剤形中のポリマーの総量を定量化することを対象とする方法、システム、およびキットについて書かれているが、同じ方法を医薬分野外の配合物にも適用することができる。例えば、本明細書に開示される方法は、潤滑油組成物、プラスチック配合物、パーソナルケア配合物などにおける特定のポリマーの総量を定量化するために使用され得る。
【0019】
さらに本開示は、製剤(例えば剤形)中のポリマーの総量を定量化することを対象とするように書かれているが、同じ実施形態を、目的の構成成分が多分散であるためおよび/または目的の構成成分が製剤中の別の構成成分の分子量範囲と重複する分子量範囲を有するため定量化することが難しい製剤中の任意の構成成分の総量の定量化にも適用することができる。
【0020】
本開示の上記および他の特徴、それらの性質、ならびに様々な利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮するとより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来のゲル浸透またはサイズ排除クロマトグラフィーで達成される剤形構成成分分離を示す。
図2】本明細書に開示される実施形態に従う方法で達成される剤形構成成分分離を示す。
図3】標準の例示的なクロマトグラムを示す。
図4】本明細書に開示される実施形態に従って分析された試料の例示的なクロマトグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
定義
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈がそうでないことを明らかに示していない限り複数の参照物を含む。したがって、例えば「1つのポリマー」への言及は、単一のポリマーおよび2つ以上の同一のまたは異なるポリマーの混合物などを含む。
【0023】
本明細書で使用される場合、測定される量に関連する用語「約」は、測定を行い、測定の目的および測定装置の精度にふさわしいレベルの配慮を働かせるときに当業者によって予測されるその測定された量の通常の変動を指す。ある特定の実施形態では、用語「約」は、列挙された数字±10%を含み、したがって「約10」は9~11を含む。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「活性剤」、「活性成分」、「活性医薬成分」、「API」、および「薬物」は、その目的のために政府機関によって承認されていようがいまいが、治療、予防、または他の意図される効果をもたらすことが意図される任意の物質を指す。特定の薬剤に関するこれらの用語は、全ての薬学的に活性な薬剤、その全ての薬学的に許容される塩、錯体、立体異性体、結晶形態、共結晶、エーテル、エステル、水和物、溶媒和物、およびそれらの混合物であって、形態が薬学的に活性であるものを含む。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「立体異性体」は、空間におけるそれらの原子の配向だけが異なる、個々の分子の全ての異性体の一般用語である。それは、鏡像異性体および互いに鏡像でない、1つまたは複数のキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレオマー)を含む。
【0026】
用語「鏡像異性体」または「鏡像異性の」は、その鏡像に重ね合わせられない、したがって光学的に活性な分子を指し、鏡像異性体は偏光面を1つの方向にある特定の角度回転させ、その鏡像は偏光面を同じ角度だが反対の方向に回転させる。
【0027】
用語「キラル中心」は、4種の異なる基が結合している炭素原子を指す。
【0028】
「薬学的に許容される塩」は、これらに限定されないが、無機酸塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など;有機酸塩、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩など;スルホン酸塩、例えば、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩など;アミノ酸塩、例えば、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩など;金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩など;アルカリ土類金属、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩など;および有機アミン塩、例えば、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩などを含む。
【0029】
用語「多分散」は様々なサイズの分子を指す。例えば「多分散ポリマー」は、広範な分子量を有するポリマーを指す。
【0030】
用語「コーティングポリマー」は、剤形のコーティングまたはシェルに使用されるポリマーを指す。
【0031】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に特に示されていない限り、その範囲に入る各々の個別の値に個々に言及する簡略法として機能することが意図されているだけであり、各々の個別の値は、本明細書に個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に特に示されていない限りまたは文脈により明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で行われ得る。本明細書に示される、ありとあらゆる例または例示的な言葉(例えば「など」)の使用は、ある特定の物質および方法を明確にすることが意図されているだけであり、範囲に限定をもたらさない。本明細書中の言葉は、任意の特許請求されていない要素が、開示されている物質および方法の実践に必須であると示されていると解釈されるべきでない。
【0032】
本発明は、剤形中のポリマーの総量を正確に、確実に、かつ効率的に決定するための方法、システム、およびキットを対象とする。決定は、選択されたポリマーの正確な定量化を妨害し得る1種または複数の剤形構成成分から、定量化しようとする選択されたポリマーを分離することによって行われ得る。
【0033】
本明細書に開示される方法、システム、およびキットは、多種多様なポリマーに適用することができる。一実施形態では、剤形シェル由来のコーティングポリマーは、剤形シェル自体の分析の一部として定量化され得る。別の実施形態では、剤形充填剤由来の充填剤ポリマーは、剤形充填剤自体の分析の一部として定量化され得る。さらなる実施形態では、剤形(全体として)中に存在する選択されたポリマーは、剤形全体の分析の一部として定量化され得る。
【0034】
本開示の一部の実施形態は、容易に利用可能である分析ツール、例えば、高圧液体クロマトグラフィー機(HPLC)、ゲル浸透カラム、サイズ排除カラム、濾過カラム、超音波処理機、遠心分離機、それらの組合せなどを用いて実施され得る。
【0035】
既存の方法と本明細書に開示される本発明の方法の差異は、図に関する以下の説明に照らしてより良く理解され得る。図の説明は、単なる例示であり、非限定的であるとみなされるべきである。
【0036】
図1は従来のゲル浸透またはサイズ排除クロマトグラフィー法で達成される剤形構成成分分離を示す。図1は剤形(例えばソフトゲルカプセル剤)のシェル中のコーティングポリマー110を定量化する試みを表している。例示的なソフトゲルカプセル剤のシェルは、ソフトゲル成分(例えば、ゼラチン120および添加物130)および1種または複数の他のコーティング構成成分140をさらに含み得る。
【0037】
既存の分析方法は、ポリマー/分子(例えばコーティング構成成分)をその対応する分子量に基づいて分離および同定するために、固定相を含むゲル浸透カラムまたはサイズ排除カラム100を利用し得る。この原理に基づいて、図1、セクション150に示されるように、大きい分子(すなわち、より大きい分子量を有するコーティング構成成分)は最初に溶出することができ、より小さい分子(すなわち、より小さい分子量を有するコーティング構成成分)は引き続いて溶出することができる。
【0038】
コーティングポリマー110は多分散であり得るので、分析されている試料中の多分散コーティングポリマーおよび1種または複数の他の構成成分を正確かつ確実に分離、同定、および定量化するために複数のゲル浸透カラムまたはサイズ排除カラムが必要であり得る。多分散ポリマーは、長時間にわたり溶出し、複数の頂点を有する非常にブロードなピークとして、または複数のピーク(ベースライン分離を有するものもあれば有しないものもある)としてクロマトグラムに現れる可能性もある。そのようなクロマトグラムは統合するのが困難であり得、コーティングポリマーを正確に定量化することが難しくなる。
【0039】
さらに、ゼラチン120も多分散であり得、コーティングポリマー110の分子量範囲と重複する分子量範囲を有し得るので、コーティングポリマー110およびゼラチン120は共溶出し得る。したがって、ゼラチンはコーティングポリマーの正確な定量化を妨げ得る。
【0040】
本明細書に開示される本発明の方法は、1)コーティングポリマー(例えばコーティングポリマー)の量の正確な定量化に障害をもたらし得る1種または複数の剤形構成成分を除去し、2)より定量化しやすい方法でポリマーを溶出させるために、試料調製およびカラム選択の組合せを使用する。
【0041】
図2は本明細書に開示される実施形態に従う方法で達成される剤形構成成分分離を示す。図1および2で表されている例では、ゼラチン120の分子量範囲はコーティングポリマー110の少なくとも一部の分子量範囲と重複している。本明細書に開示される方法は、定量化されるポリマーの分子量範囲と重複する分子量範囲を有する1種または複数の他の剤形構成成分から、定量化しようとするポリマーを分離する手法をとり得る。
【0042】
ある特定の実施形態では、開示される方法は、コーティングポリマーの正確な定量化を妨げ得る1種または複数の構成成分(例えばゼラチン)からコーティングポリマーを分離することによって、試料(試料中のポリマーの総量の定量化のための)を調製するステップを含む。剤形中の1種または複数の構成成分からコーティングポリマーを分離するステップは、希釈剤中でコーティングポリマーを選択的に溶解する希釈剤と剤形を混合することを含み得る。本明細書で使用されるフレーズ「選択的に溶解する希釈剤」は、両方が溶解した場合に目的の成分/分析物の定量化を妨げ得る成分(例えば、ゼラチン、カラギーナン、デンプン、ペクチン、それらの組合せなど)を溶解することなく目的の成分/分析物(例えばコーティングポリマー)を溶解するその能力ゆえに選択された特定の溶媒(例えばジメチルホルムアミド(DMF))を指す。使用され得る例示的な希釈剤は、限定なしに、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、酢酸エチル、100%エタノール、メタノール、塩化メチレン、メチルt-ブチルエーテル、ニトロメタン、ペンタン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレンのうちの1つまたは複数を含む。
【0043】
ある特定の実施形態では、コーティングポリマーを選択的に溶解するが、1種または複数の他の構成成分を溶解しない希釈剤と剤形を混合したら、1種または複数の不溶性の他の構成成分から、溶解したコーティングポリマーを分離するために追加のステップを行うことができる。例えば、希釈剤中の剤形は、固体部分から液体部分を分離するために、超音波処理および/もしくは遠心分離され得るか、ならびに/または他のステップに供され得る(図2、セクション210に示されるように)。液体部分は、ポリマーの総量を定量化するためにさらに分析され得る試料を形成する。
【0044】
試料を分析するステップは、試料をサイズ排除カラムまたはゲル浸透カラムまたは濾過カラムに流して、選択的希釈剤中に溶解した他の成分から目的のポリマー(例えばコーティングポリマー)をさらに分離することを含み得る(図2、セクション220に示されるように)。
【0045】
試料がゲル浸透カラムまたはサイズ排除カラムまたは濾過カラムを流れる場合、目的のポリマーの分子量範囲は、カラムを選択するときに考慮されるべきである。特に、カラムの定格分離範囲(分子量に関する)は、ポリマーの分子量範囲の下端より小さくあるべきである。例えば、多分散ポリマーの分子量が約55kDaから約75kDaの範囲である場合(本明細書では「第1の分子量範囲」とも称され得る)、カラムの最大分子量分離は約55kDa未満であるべきである(本明細書では「第2の分子量範囲」とも称され得る)。本明細書に開示される方法では、第1の分子量範囲(すなわち、目的の多分散ポリマーの)は、第2の分子量範囲(すなわち、カラムの)より大きくてよい。そのようなカラム選択は、HPLCランの開始時に単一のピークで溶出する多分散ポリマーをもたらす。本質的に、多分散ポリマーの全分子量範囲は、ポリマーの総量を定量化するために使用され得る単一のピークで組み合わされ得る。
【0046】
試料を分析するステップは、剤形中、シェル中、コーティング中、充填剤中、または試料中の目的のポリマーの総量を定量化することをさらに含み得る。試料がHPLCサイズ排除またはゲル浸透または濾過カラムを流れる場合、定量化はクロマトグラムにより行われ得る(例えば、クロマトグラム中のピークを統合することによって)。
【0047】
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法ステップは、1人で、数人で行われてもよく、または自動化され、1つもしくは複数の分析ツールで行われてもよい。例えば一実施形態では、試料を調製するステップは、1つまたは複数の分析ツール(例えば、超音波処理機および遠心分離機)を利用して、1人または複数人で行われてもよく、試料を分析するステップは、部分的に1つまたは複数の分析ツール(例えば、HPLC/UPLC機およびサイズ排除/ゲル浸透/濾過カラム)で行われ、部分的に1人もしくは複数人で、または溶出した成分の量を定量化するように構成されたプロセッサーによって(例えば、前記溶出した成分に対応するクロマトグラムピークを統合することによって)行われてもよい。
【0048】
本明細書に開示される方法の利点は、これらに限定されないが、1)単一の溶出ピークに基づく選択された剤形構成成分(例えばコーティングポリマー)の正確かつ確実な定量化;2)目的のポリマーはHPLCランの最初に溶出する排除体積の一部として溶出するので、結果がより早いこと;3)選択された剤形構成成分の総量の定量化を妨げ得る1種または複数の他の剤形構成成分(例えば、ゼラチンおよび/またはカラギーナン)から、選択された剤形構成成分(例えばコーティングポリマー)を分離することにより(例えば選択的溶解により)特異性の懸念が取り除かれること;4)剤形調製の様々な段階で(例えば、カプセル剤コーティングプロセスの硬化ステップ中)、選択された剤形構成成分の総量を正確かつ確実に測定できること;5)一貫した測定値を繰り返しもたらすその能力により、検証方法になる可能性があること;および6)商業規模まで拡張可能であることを含む。
【0049】
一部の実施形態では、この開示は、選択された剤形構成成分(例えばコーティングポリマー)の総量を定量化するためのシステムを対象とし得る。システムは剤形(例えば、コーティングポリマーおよび1種または複数の他の構成成分を含むもの)、希釈剤(例えば、選択された剤形構成成分を選択的に溶解することができるが、他の剤形構成成分の1種または複数を溶解できない種類)、および1つまたは複数の分析ツール(例えば、試料を調製するためまたは試料を選択された剤形構成成分のその総量について分析するために使用され得る種類)を含み得る。
【0050】
本明細書に開示されるシステムの一部であり得る例示的な分析ツールは、限定なしに、HPLC機、UPLC機、サイズ排除カラム、ゲル浸透カラム、濾過カラム、超音波処理機、遠心分離機、プロセッサー、コンピューター、ディスプレイ、およびそれらの任意の組合せを含む。本明細書に開示されるシステムを形成し得る分析ツールの任意の組合せは、動作可能に連結され得る。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の分析ツールは別々であってもよく、1人が様々な分析ツールを、本明細書に開示される方法を実施するのに適切と思われる順序で、手動で利用することができる。他の実施形態では、1つまたは複数の分析ツールは、特定の剤形構成成分の総量を定量化するための方法が自動化され、プログラムされたアルゴリズムに応答して方法を実行できるように、動作可能に連結され得る。
【0051】
一部の実施形態では、この開示は、選択された剤形構成成分(例えばコーティングポリマー)の総量を定量化するためのキットを対象とし得る。キットは、希釈剤(例えば、選択された剤形構成成分を選択的に溶解することができるが、他の剤形構成成分の1種または複数を溶解できない種類)、1つまたは複数の分析ツール(例えば、試料を調製するためまたは試料を選択された剤形構成成分のその総量について分析するために使用され得る種類)、ならびに選択された剤形構成成分のその総量を定量化させる試料を調製するためのおよび/または試料を分析するための説明書を含み得る。
【0052】
一部の実施形態では、キットは、定量化される選択された剤形構成成分に応じてカスタマイズされ得る。例えば、適切な希釈剤および/または適切なサイズ排除/ゲル浸透/濾過カラムは、キットに含まれ得る。
【0053】
本明細書に開示される方法、システム、およびキットで分析され得る剤形は、固体または液体であり得る。一部の実施形態では、剤形は、錠剤、カプセル剤、ビーズ剤、カプレット剤、ペレット剤、顆粒剤、液剤およびそれらの組合せからなる群から選択され得る。一実施形態では、剤形は錠剤またはカプセル剤であり得る。一実施形態では、剤形はソフトゲルカプセル剤またはoptishellカプセル剤であり得る。本明細書に開示される固体剤形は様々な形状(例えば、円形、卵形、楕円形、球形、または非標準形)およびサイズを有し得る。
【0054】
本明細書に開示される剤形は、シェルを含むか、ならびに/または即時放出コーティング、保護コーティング、腸溶もしくは遅延放出コーティング、持続放出コーティング、バリアコーティング、遮湿コーティング、およびそれらの組合せを含むがこれらに限定されない1つまたは複数のコーティングでコーティングされ得る。剤形上の1つまたは複数のコーティングは、剤形からの活性成分の制御放出をもたらすか、剤形を他の成分との相互作用から保護するか、または特定の放出プロファイルで剤形から1種もしくは複数の活性成分を送達するのに有用であり得る。
【0055】
カプセル剤(例えばソフトゼラチンカプセル剤)のシェルは、液体、流体、ペーストまたは他の充填物質のカプセル化に典型的に使用される、可塑化されたゼラチン、カラギーナン、デンプン、ペクチン、または他の機能的な高分子物質(例えば、多糖類(例えば、プルラン、アルテマン(alteman)、デキストラン、デンプン)、ポリビニルアルコール、キトサン、ポリ乳酸、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、アルギン酸、アラビアゴム、グアーガム、ホエータンパク質、ダイズタンパク質、ゼイン、カゼイン、それらの組合せ、それらの官能化ポリマーおよびコポリマー)から形成され得る。
【0056】
カプセル剤形の液体充填剤または半固体充填剤(存在する場合)は、カプセルシェルと適合する1種または複数の液体または半固体を含み得る。液体充填剤または半固体充填剤は、親水性または親油性に広く分類され得る流体の1つまたは複数の組合せを含み得る。
【0057】
親油性液体充填剤または半固体充填剤は、溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、自己乳化系、ゲル、およびカプセル製剤の分野の専門家に公知の他の液体または半固体であり得る、活性成分、1つの活性成分または複数の活性成分の調製物の油形態であり得る。
【0058】
有用な油の例は、オメガ-3脂肪酸トリグリセリド(例えば、アルファ-リノレン酸、エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸)、エチルエステエル、植物油、鉱油または他の食用油を含む。植物油は、ヒマシ油、ヤシ油、ラッカセイ油、パーム核油、キャノーラ油、アボカド油、メマツヨイグサ油、米糠油、ルリヂサ油、ヒマワリ油、ダイズ油、パーム油、トウモロコシ油、およびサフラワー油を含み得る。
【0059】
親水性液体充填剤または半固体充填剤は、典型的にはPEGと一般的に称されるポリエチレングリコールをベースとし、より少ない量のグリセロール、プロピレングリコールおよび水を含み得る。より低い程度で使用される他の親水性物質は、これらに限定されないが、メトキシポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、プロピレンカーボネート、n-メチル-2-ピロリドン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、ベンジルアルコールおよびエチルアルコールを含む。
【0060】
充填物質は、カプセル封入の分野で公知の賦形剤、例えば、分散剤、界面活性剤、可塑剤、香味剤、乳白剤、保存剤、脆化阻害剤、着色剤、染料および顔料、ならびに崩壊剤も含み得る。
【0061】
カプセル剤のシェルに使用され得る典型的な即時放出コーティングフィルムは、様々な医薬固体経口剤形で使用されているような水アルコールフィルムコーティングまたはセルロースフィルムコーティング系である。典型的なコーティング系は、水性、アルコールもしくは有機溶媒ベース、またはヒドロキシ-プロピル-メチルセルロースおよび誘導体、ならびにポリビニルアルコールおよび誘導体を含有する組合せであり得る。
【0062】
カプセル化される固体封入物として使用され得るフィルムコーティング剤形(例えば、錠剤、ビーズ剤、カプセル剤)の例は、限定なしに、アモキシシリン、アジスロマイシン、アテノロール、アムロジピン、アセクロフェナク、アミトリプチリン、アンピシリンHCl、シプロフロキサシン、セファドロキシルHCl、セレコキシブ、シメチジン、カルシウム錠剤、セチリジンHCl、クラリスロマイシン、リン酸クロロキン、エリスロマイシンエストレート、エリスロマイシンストリエート(Erythromycin striate)、エナラプリルマレイン酸塩、エレクトロンジブ(Elctronxib)、鉄、フマル酸塩、ファモチジン、フルペンチキソール、フルオキセチン、フェロジピン、ガチフロキサシン、グリクラジド、イブプロフェン、インダパミド、ケトロラク、ケトプロフェン、レボフィクセイション(Levofixation)、レボセチリジン、ロサルタン、カリウム、レバミゾール、メトホルミン、メチルドパ、メトラ+テトラゾール、メトロニダゾール、メチル(Methyl)、コンブラマイン(Comblamine)、メフェナム酸、メトロプロロール、ニフェジピン、ノルフロキサシン、ニフェジピン、ノルフロキサシン、ノルフロックス+チニダゾール、オフロキサシン、オフロキサシン+オルニダゾール、オランザピン、オルニダゾール、オフロキサシン+オルニダゾール、パラセタモール、プラバスタチン、プロメタジン、キニーネ、硫酸塩、プリマキン、ラミプリル、チニダゾール、チィリ(Tiri)+ドキシサイクリン、チィリ(Tiri)+テトラサイクリン、バルデコキシブ、ベラパミル、ハーブおよび栄養補助食品を含む。
【0063】
カプセル剤のシェルに使用され得る典型的な保護コーティングは、これらに限定されないが、ポリマー、抗酸化剤、キレート剤、着色剤または染料を含み得る。
【0064】
カプセル剤のシェルに使用され得る典型的な腸溶コーティングは、これらに限定されないが、以下の認知されているコーティング剤のうちの1つまたは複数を含む:メチルアクリレート-メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー(例えば、Kollicoat(登録商標)MAE30D、EUDRAGIT(登録商標)L30D)、セルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(ヒプロメロースアセテートスクシネート)、ポリビニルアセテート(必要に応じてポリビニルピロリドンおよびラウリル硫酸ナトリウムで安定化されているもの、例えばKollicoat(登録商標)SR30D)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、メチルメタクリレート-メタクリル酸コポリマー、アルギン酸ナトリウム/アルギン酸およびステアリン酸、メタクリル酸アンモニウムコポリマー(例えば、EUDRAGIT(登録商標)RS30D、EUDRAGIT(登録商標)RL30D)、アクリレートコポリマー(例えば、EUDRAGIT(登録商標)NE30D)。
【0065】
腸溶コーティングされた剤形(例えば、錠剤、ビーズ剤、カプセル剤)の例は、アスピリンとクロピドグレルの組合せ、アスピリン、ビサコジル、ジクロフェナク-ナトリウム、ドキシルアミンコハク酸塩、エソメプラゾール、ニンニク錠剤、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ペントキシフィリン、パンクレアチン、ラベプラゾール、セラチオペプチダーゼ、およびバルプロ酸ナトリウムを含む。
【0066】
持続放出カプセル剤は、フィルムコーティングされ得るか、腸溶コーティングされ得るか、またはポリマーマトリックスで製剤化され得る。持続放出フィルムコーティングは、これらに限定されないが、非水溶性物質、例えば、ワックスまたはワックス様物質、脂肪族アルコール、シェラック、ゼイン、硬化植物油、非水溶性セルロース、アクリル酸および/またはメタクリル酸のポリマー、および当技術分野で公知の任意の他の徐々に消化可能または分散可能な固体を含み得る。
【0067】
持続放出剤形の例は、限定なしに、アセタゾラミドペレット、アミノフィリン、アミトリプチリンペレット、カプトプリル、ジクロフェナクナトリウム、ジルチアゼム、グリクラジド、鉄、レボドパ、炭酸リチウム、メトホルミン、メチルドパ、ニフェジピン、サルブタモール硫酸塩、テオフィリン、ベラパミルHCL、ビタミンサプリメント、ミネラルサプリメント、および亜鉛を伴うビタミンを含む。
【0068】
遮湿コーティングは、防湿バリアを感湿性または吸湿性薬物に付与する。そのようなコーティングは、例えばカプセル化プロセス(それが加工助剤として水を利用する場合)から生じる湿気からカプセル剤を保護するために、カプセル剤に塗布され得る。
【0069】
遮湿コーティングを組み込む剤形の例は、これらに限定されないが、アミトリプチリンHCl、アモキシシリンとクラブラン酸の組合せ、アトルバスタチンとカルシウムの組合せ、カルシウム錠剤、クロピドグレル、エタンブトール、グルコサミンとコンドロイチンの組合せ、特定のハーブ製品、マルチビタミン、プロトンポンプ阻害剤、ラニチジンHCl、リファンピシンおよび他の感湿性薬物を含む。
【0070】
本発明は当技術分野で公知の任意の活性成分の使用を企図する。活性成分または医薬の特定の組合せを選択することは、十分に当業者の知識の範囲内である。一部の実施形態では、活性成分は、これらに限定されないが以下を含み得る:API、栄養補助食品、栄養サプリメント、治療物質、および機能的賦形剤。
【0071】
適切なAPIは、これらに限定されないが以下を含み得る:鎮痛薬、抗炎症剤、駆虫薬、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗凝固薬、抗認知症剤、抗鬱薬、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗真菌剤、抗痛風剤、抗高血圧剤、抗マラリア薬、抗片頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗新生物剤、免疫抑制薬、抗原虫剤、解熱薬、抗甲状腺剤、鎮咳薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、神経遮断薬、神経保護剤、ベータ-遮断薬、強心剤、細胞接着阻害剤、コルチコステロイド、サイトカイン受容体活性モジュレーター、利尿薬、抗パーキンソン病剤、胃腸剤、ヒスタミンH-受容体アンタゴニスト、HMG-CoA還元酵素阻害剤、角質溶解薬、脂質調節剤、筋弛緩薬、硝酸薬および他の抗狭心症剤、非ステロイド抗喘息剤、栄養剤、オピオイド鎮痛薬、性ホルモン、刺激薬、および抗勃起機能障害剤。
【0072】
適切な栄養補助食品は、これらに限定されないが、5-ヒドロキシトリプトファン、アセチルL-カルニチン、アルファリポ酸、アルファ-ケトグルタル酸、ミツバチ製品、塩酸ベタイン、ウシ軟骨、カフェイン、ミリストレイン酸セチル、炭、キトサン、コリン、コンドロイチン硫酸、コエンザイムQ10、コラーゲン、初乳、クレアチン、シアノコバラミン(ビタミン812)、ジメチルアミノエタノール、フマル酸、ゲルマニウムセスキオキシド、腺生成物、グルコサミンHCl、グルコサミン硫酸塩、ヒドロキシメチルブチレート、免疫グロブリン、乳酸、L-カルニチン、肝臓生成物、リンゴ酸、無水マルトース、マンノース(d-マンノース)、メチルスルホニルメタン、フィトステロール、ピコリン酸、ピルビン酸、紅色酵母抽出物、S-アデノシルメチオニン、セレン酵母、サメ軟骨、テオブロミン、硫酸バナジル、および酵母を含み得る。
【0073】
適切な栄養サプリメントは、ビタミン、ミネラル、繊維、脂肪酸、アミノ酸、ハーブサプリメントまたはそれらの組合せを含み得る。
【0074】
適切なビタミンは、これらに限定されないが以下を含み得る:アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンB、ビオチン、脂溶性ビタミン、葉酸、ヒドロキシクエン酸、イノシトール、ミネラルアスコルビン酸塩、混合トコフェロール、ナイアシン(ビタミンB3)、オロト酸、パラ-アミノ安息香酸、パントテン酸塩、パントテン酸(ビタミンB5)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、リボフラビン(ビタミンB2)、合成ビタミン、チアミン(ビタミンB1)、トコトリエノール、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミン油および油溶性ビタミン。
【0075】
適切なハーブサプリメントは、これらに限定されないが以下を含み得る:アルニカ、ビルベリー、ブラックコホシュ、キャッツクロー、カモミール、エキナセア、メマツヨイグサ油、コロハ、アマニン、ナツシロギク、ニンニク、ショウガの根、イチョウ(ginkgo biloba)、チョウセンニンジン、アキノキリンソウ、サンザシ、カバカバ、カンゾウ、オオアザミ、オオバコ、インドジャボク、センナ、ダイズ、セイヨウオトギ、ノコギリパルメット、ウコン、カノコソウ。ミネラルは、これらに限定されないが以下を含み得る:ホウ素、カルシウム、キレート化ミネラル、塩化物、クロム、コーティングされたミネラル、コバルト、銅、ドロマイト、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、ミネラルプレミックス、ミネラル製品、モリブデン、リン、カリウム、セレン、ナトリウム、バナジウム、リンゴ酸、ピルビン酸塩、亜鉛、および他のミネラル。
【実施例
【0076】
以下の実施例は、本発明の理解を補助するために示され、当然ここに記載され、特許請求される本発明を特に限定すると解釈されるべきでない。当業者の範囲内にある、現在公知であるかまたは後に開発される全ての均等物の置換、および配合の変更または実験設計のわずかな変更を含む本発明のそのような変形は、本明細書に組み込まれる本発明の範囲内にあると考えられるべきである。
【0077】
[実施例1]
【0078】
【表1】
【0079】
表1は、ソフトゲルカプセル剤のシェル中のコーティングポリマーの総量を定量化するための、本明細書に開示される実施形態に従う方法の例示的な実施を表している。方法はHPLC機および屈折率検出器を40℃で利用する。
【0080】
この実施例では、定量化されたポリマーは、約700kDaの分子量を有するEudragit(登録商標)NE30Dであった。
【0081】
従来の方法は複数のサイズ排除またはゲル浸透カラムを使用し得るが、ここで例示する本発明の方法は、Eudragit(登録商標)NE30Dの分子量範囲が分離することなくカラムから排除される単一の非混合床カラムを使用する(Phenomenex Phenogel 10e4Å、10μ、7.8×300mm)。本発明の方法における選択されたカラムは、約500kDaの分子量カットオフを有する。したがって、500kDaより大きい分子量を有する任意のポリマー(例えば、700kDaの分子量を有するEudragit(登録商標)NE30D)は、カラムに留まらず、分離することなくすぐに溶出する(第1のクロマトグラムピークに表されるように)。
【0082】
Eudragit(登録商標)NE30Dポリマーを選択的に溶解し、ゼラチンを溶解しない、例示する本発明の方法で使用される希釈剤は、ジメチルホルムアミド(DMF)であった。
【0083】
例示する本発明の方法に適切なカラムおよび希釈剤を選択したら、試料調製を開始することができる。他のソフトゲルカプセル剤構成成分(例えばゼラチン)は溶解しないが、コーティング中のポリマー(例えばEudragit(登録商標)NE30D)が溶媒中に十分に溶解するまで、剤形(例えばソフトゲルカプセル剤)を選択された希釈剤(例えばDMF)と撹拌することができる。溶媒中の剤形は表に記載されているようにさらに処理し(例えば、超音波処理、回転、逆さにする、遠心分離など)、最終試料に到達することができる。最終試料をHPLC機器に注入し、選択された剤形構成成分を分析し、定量化することができる。HPLC法のパラメーター(例えば、流速、移動相、カラム温度、検出器温度など)は、最適なクロマトグラムピーク形状に到達するように変更し、最適化することができる。
【0084】
選択された剤形構成成分(コーティングポリマー)の総量およびソフトゲルカプセル剤上のコーティングの総量は、得られたクロマトグラムから算出することができる。
【0085】
[実施例2]
【0086】
【表2】
【0087】
表2は、ソフトゲルカプセル剤のシェル中のコーティングポリマーの総量を定量化するための、本明細書に開示される実施形態に従う方法の例示的な実施を表している。方法はHPLC機および屈折率検出器を40℃で利用する。
【0088】
この実施例では、定量化されたポリマーは、ソフトゲルイブプロフェンカプセル剤をコーティングしているKollicoat(登録商標)SR30Dであった。
【0089】
この実施例で使用した標準は、メスフラスコに直接添加し、希釈剤(DMF)で体積を調整したKollicoat SR30D試料であった。
【0090】
従来の方法は、複数のサイズ排除またはゲル浸透カラムを使用し得るが、ここで例示する本発明の方法は、Kollicoat SR30Dの分子量範囲が分離することなくカラムから排出される単一の非混合床カラムを使用する。本発明の方法における選択されたカラムは、図3における標準の第1のクロマトグラムピークおよび図4におけるソフトゲル試料の第1のクロマトグラムピークに表されるように、Kollicoat SR30Dがカラムに留まらず、分離することなくすぐに溶出するような分子量カットオフを有する。
【0091】
Kollicoat SR30Dポリマーを選択的に溶解する、例示する本発明の方法で使用した希釈剤は、ジメチルホルムアミド(DMF)であった。
【0092】
例示する本発明の方法に適切なカラムおよび希釈剤を選択したら、試料調製を開始することができる。他のソフトゲルカプセル剤構成成分(例えばゼラチン)は溶解しないが、コーティング中のポリマー(例えばKollicoat SR30D)が溶媒中に十分に溶解するまで、剤形(例えばソフトゲルカプセル剤)を選択された希釈剤(例えばDMF)と撹拌することができる。最終試料は、HPLC機器に注入し、選択された剤形構成成分を分析し、定量化することができる。HPLC法のパラメーター(例えば、流速、移動相、カラム温度、検出器温度など)は、最適なクロマトグラムピーク形状に到達するように変更し、最適化することができる。
【0093】
選択された剤形構成成分(コーティングポリマー)の総量およびソフトゲルカプセル剤上のコーティングの総量は、得られたクロマトグラムから算出することができる。以下の表3は、本明細書に記載の方法を使用して分析されたソフトゲル試料中のコーティングポリマー(Kollicoat SR30D)の総量を表している。
【0094】
【表3】
【0095】
説明を簡単にするために、この開示の方法の実施形態は、一連の行為として表され、記載されている。しかし、この開示に従う行為は、様々な順序でおよび/または同時に行うことができ、本明細書に示されておらず、記載されていない他の行為とともに行うことができる。さらに、開示された主題に従う方法を実施するために、全ての例示された行為が必要とされるわけではないことがある。加えて、方法は代替的に、状態図または事象によって、一連の相互に関連した状態として表され得ることを当業者は理解し、認識するであろう。
【0096】
これまでの記載において、本発明の完全な理解をもたらすために、多数の特定の詳細、例えば、特定の物質、寸法、プロセス、パラメーターなどが示されている。特定の特徴、構造、物質、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。単語「例」または「例示的な」は、例、事例、または実例として役立つことを意味するために本明細書で使用される。本明細書で「例」または「例示的な」と記載される任意の態様または設計は、他の態様または設計より好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されるべきでない。むしろ、単語「例」または「例示的な」の使用は、明確な様式で概念を示すことが意図されている。この出願で使用される場合、用語「または」は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を意味することが意図されている。つまり、特に指定されていない限りまたは文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを含む」は、自然な包括的置換のいずれかを意味することが意図されている。つまり、XがAを含む;XがBを含む;またはXがAおよびBの両方を含む場合、「XはAまたはBを含む」は前述の事例のいずれにおいても満たされる。「1つの実施形態」、「ある特定の実施形態」、または「一実施形態」へのこの明細書全体の言及は、その実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体の様々な場所でのフレーズ「1つの実施形態」、「ある特定の実施形態」、または「一実施形態」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0097】
本発明は、その特定の例示的な実施形態を参照して記載されてきた。したがって本明細書および図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。本明細書に示され、記載されたものに加えて、本発明の様々な改変は、当業者に明らかになり、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図されている。
本発明は、以下の態様をも含むものである。
<1>
剤形中のコーティングポリマーの総量を決定するための方法であって、
前記剤形中の1種または複数の他の構成成分からの前記コーティングポリマーの分離に供された試料を分析するステップを含み、前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分が、前記コーティングポリマーの分子量範囲と重複する分子量範囲を有する、方法。
<2>
剤形中のコーティングポリマーの総量を決定する方法であって、
前記剤形の1種または複数の他の構成成分から前記コーティングポリマーを分離することによって試料を調製するステップ、および
前記試料を分析するステップ
を含み、前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分が、前記コーティングポリマーの分子量範囲と重複する分子量範囲を有する、方法。
<3>
剤形中のコーティングポリマーの総量の定量化のための試料を調製する方法であって、
剤形中の1種または複数の他の構成成分からコーティングポリマーを分離するステップ
を含み、前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分が、前記コーティングポリマーの分子量範囲と重複する分子量範囲を有する、方法。
<4>
分離するステップが、希釈剤中で前記コーティングポリマーを選択的に溶解する前記希釈剤と前記剤形を混合することを含む、上記2~3のいずれかに記載の方法。
<5>
前記希釈剤が、前記コーティングポリマーを溶解することができるが、前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分を溶解することができない、上記4に記載の方法。
<6>
前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分が、ゼラチン、カラギーナン、デンプン、ペクチン、またはそれらの組合せを含む、上記1~5のいずれかに記載の方法。
<7>
前記希釈剤がジメチルホルムアミド(DMF)である、上記4~6のいずれかに記載の方法。
<8>
分離するステップが、前記希釈剤中の前記剤形の混合物を超音波処理することをさらに含む、上記4~7のいずれかに記載の方法。
<9>
分離するステップが、前記希釈剤中の前記剤形の混合物を遠心分離することをさらに含む、上記4~8のいずれかに記載の方法。
<10>
前記剤形が錠剤またはカプセル剤である、上記1~9のいずれかに記載の方法。
<11>
前記剤形がソフトゲルカプセル剤である、上記10に記載の方法。
<12>
前記試料を分析するステップが、前記試料をサイズ排除、ゲル浸透、または濾過カラムに流すことを含む、上記1~2および4~11に記載の方法。
<13>
前記剤形中の前記コーティングポリマーが第1の分子量範囲を有し、前記サイズ排除、前記ゲル浸透、または前記濾過カラムが第2の分子量範囲に対応する分離範囲を有し、前記第1の分子量範囲が前記第2の分子量範囲より大きい、上記12に記載の方法。
<14>
前記試料を分析するステップが、前記剤形中のコーティングポリマーの総量を定量化することを含む、上記1~2および4~12のいずれかに記載の方法。
<15>
剤形中のコーティングポリマーの総量を定量化するためのシステムであって、
コーティングポリマーおよび1種または複数の他の構成成分を含む剤形、
前記コーティングポリマーを選択的に溶解することができるが、前記剤形の前記1種または複数の他の構成成分を溶解できない希釈剤、ならびに
コーティングポリマーのその総量を定量化させる試料を調製するためのおよび/または前記試料を分析するための1つまたは複数の分析ツール
を含むシステム。
<16>
前記1種または複数の他の構成成分が、ゼラチン、カラギーナン、デンプン、ペクチン、またはそれらの組合せを含む、上記15に記載のシステム。
<17>
前記希釈剤がジメチルホルムアミド(DMF)である、上記15~16のいずれかに記載のシステム。
<18>
前記剤形が錠剤またはカプセル剤である、上記15~17のいずれかに記載のシステム。
<19>
前記剤形がソフトゲルカプセル剤である、上記18に記載のシステム。
<20>
前記1つまたは複数の分析ツールが、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)機または超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)機を含む、上記15~19のいずれかに記載のシステム。
<21>
前記1つまたは複数の分析ツールが、サイズ排除、ゲル浸透カラム、または濾過カラムを含む、上記15~20のいずれかに記載のシステム。
<22>
前記剤形中の前記コーティングポリマーが第1の分子量範囲を有し、前記サイズ排除、前記ゲル浸透、または前記濾過カラムが第2の分子量範囲に対応する分離範囲を有し、前記第1の分子量範囲が前記第2の分子量範囲より大きい、上記21に記載のシステム。
<23>
超音波処理機、遠心分離機、プロセッサー、ディスプレイのうちの1つまたは複数をさらに含む、上記15~22のいずれかに記載のシステム。
<24>
剤形中のコーティングポリマーの総量を定量化するためのキットであって、
前記コーティングポリマーを選択的に溶解することができるが、前記剤形の1種または複数の他の構成成分を溶解できない希釈剤、
コーティングポリマーのその総量を定量化させる試料を調製するためのおよび/または前記試料を分析するための1つまたは複数の分析ツール、ならびに
コーティングポリマーのその総量を定量化させる試料を調製するためのおよび/または前記試料を分析するための説明書
を含むキット。
<25>
前記1種または複数の他の構成成分が、ゼラチン、カラギーナン、デンプン、ペクチン、またはそれらの組合せを含む、上記24に記載のキット。
<26>
前記希釈剤がジメチルホルムアミド(DMF)である、上記24~25のいずれかに記載のキット。
<27>
前記剤形が錠剤またはカプセル剤である、上記24~26のいずれかに記載のキット。
<28>
前記剤形がソフトゲルカプセル剤である、上記27に記載のキット。
<29>
前記1つまたは複数の分析ツールが、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)機、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)機、サイズ排除またはゲル浸透または濾過カラム、超音波処理機、遠心分離機、プロセッサー、ディスプレイのうちの1つまたは複数を含む、上記24~28のいずれかに記載のキット。
<30>
前記1つまたは複数の分析ツールが、第2の分子量範囲に対応する分離範囲を有するサイズ排除、ゲル浸透、または濾過カラムを含み、前記剤形中の前記コーティングポリマーが第1の分子量範囲を有し、前記第1の分子量範囲が前記第2の分子量範囲より大きい、上記29に記載のキット。
【符号の説明】
【0098】
100 ゲル浸透カラムまたはサイズ排除カラム
110 コーティングポリマー
120 ゼラチン
130 添加物
140 他のコーティング構成成分
150 セクション
210 セクション
220 セクション
図1
図2
図3
図4