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特許7565957回収ボイラーから出るスメルト・フローの自動監視
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】回収ボイラーから出るスメルト・フローの自動監視
(51)【国際特許分類】
   D21C 11/12 20060101AFI20241004BHJP
   G01F 1/002 20220101ALI20241004BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20241004BHJP
   F23G 5/50 20060101ALI20241004BHJP
   F23G 7/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
D21C11/12
G01F1/002
G01F1/00 J
F23G5/50 N
F23G7/04 601E
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021577233
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 FI2020050455
(87)【国際公開番号】W WO2020260761
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】20195579
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】520102646
【氏名又は名称】アンドリッツ オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラッパライネン、ヘイッキ
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-049112(JP,A)
【文献】特開平02-191785(JP,A)
【文献】特開平06-322685(JP,A)
【文献】特表2008-519231(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0139468(US,A1)
【文献】特開平07-055653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00-1/38
D21C1/00-11/14
D21D1/00-99/00
D21F1/00-13/12
D21G1/00-9/00
D21H11/00-27/42
D21J1/00-7/00
F23G5/00
5/40-5/42
5/50
G01F1/00-1/30
1/34-1/54
3/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収ボイラー(110)から出るスメルト・フローの自動監視のための方法(300)であって、
デジタル画像フレームを含む、少なくとも1つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスを、プロセッサ(202)を用いて読み取るステップ(301)であって、各デジタル画像フレームが、前記回収ボイラー(110)から出る前記スメルト・フローの少なくとも一部を表す検査中の少なくとも1つの領域を含む、ステップ(301)と、
前記検査中の少なくとも1つの領域において、色情報に基づいて区別可能な少なくとも1つの領域を、前記プロセッサ(202)を用いて識別するステップ(302)と、
前記プロセッサ(202)を用いて識別された前記少なくとも1つの区別可能な領域に基づいて前記スメルト・フローの少なくとも1つの監視されるフロー特性を決定するステップ(303)と
を含み、
検査中の第1の領域が、既知の断面寸法をもつスメルト・スパウト(117)中を流れる前記スメルト・フローを表し、第1の区別可能な領域が前記スメルト・フローの表面の縁部を含み、
検査中の第2の領域が、前記スメルト・スパウト(117)から流れ出る前記スメルト・フローを表し、前記スメルト・フローを液滴に粉砕するために蒸気ジェットが前記スメルト・フローに向けられ、第3の区別可能な領域が前記液滴のうちの少なくともいくつかを含み、前記監視されるフロー特性が、前記液滴のうちの前記少なくともいくつかの液滴分布特性をさらに含むことを特徴とする方法(300)。
【請求項2】
記監視されるフロー特性が、以下、すなわち、前記スメルト・スパウト(117)の底部に対するスメルト・フロー幅又はスメルト・フロー高さのうちの少なくとも1つを含み、前記スメルト・フローの前記幅及び/又は前記高さが、前記スメルト・フローの前記表面の識別された縁部に基づいて前記プロセッサ(202)を用いて決定される、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項3】
前記監視されるフロー特性が、前記スメルト・スパウト(117)の前記断面寸法と前記スメルト・フローの前記決定された幅及び/又は高さとに基づいて、前記プロセッサ(202)を用いて決定された前記スメルト・フローの断面表面積をさらに含む、請求項2に記載の方法(300)。
【請求項4】
第2の区別可能な領域が、前記スメルト・フローの流れ方向に移動する領域を含み、前記監視されるフロー特性が、前記ビデオ・シーケンスの少なくとも2つの画像フレーム間の前記第2の区別可能な領域のロケーションの変化に基づいて、前記プロセッサ(202)を用いて決定される、前記スメルト・フローの流速をさらに含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項5】
前記監視されるフロー特性が、前記プロセッサ(202)を用いて決定された前記スメルト・フローの前記断面表面積と流速とに基づいて決定される、前記スメルト・フローの体積流量をさらに含む、請求項4に記載の方法(300)。
【請求項6】
前記監視されるフロー特性が、スメルト・フロー密度と前記決定された体積流量とに基づいて、前記プロセッサ(202)を用いて決定される、前記スメルト・フローの質量流量をさらに含む、請求項5に記載の方法(300)。
【請求項7】
スメルト・フローの異なる観測ポイントから撮像された、少なくとも2つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスが、前記プロセッサ(202)を用いて読み取られ(301)、前記異なる観測ポイントにおける前記監視されるフロー特性の値が得られ、前記監視されるフロー特性のこのようにして得られた値が、前記プロセッサ(202)を使用して比較される(304)、請求項1からまでのいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項8】
前記スメルト・フローの前記流れ方向に移動する前記領域が、前記スメルト・フローの形状、組成及び/又は温度における偏差により区別可能な領域を含む、請求項4からまでのいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項9】
前記スメルト・フローの前記幅及び/又は高さが、前記検査中の第1の領域のピクセル数による寸法に基づいて決定される、請求項2からまでのいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項10】
前記スメルト・フローの前記決定された少なくとも1つの監視されるフロー特性が、前記回収ボイラー(110)を制御するために使用される、請求項1からまでのいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項11】
1つ又は複数のプロセッサ(202)によって実行され、コンピュータ・デバイス(200)に、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法を実行させるコマンドのグループを含む少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータ・プログラム製品。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサ(202)と、
コンピュータ・プログラム・コード(205)を含む少なくとも1つのメモリ(204)と
を備えるコンピュータ・デバイス(200)であって、前記少なくとも1つのメモリ(204)及びコンピュータ・プログラム・コード(205)が、少なくとも1つのプロセッサ(202)を用いて、前記コンピュータ・デバイス(200)に、
デジタル画像フレームを含む、少なくとも1つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスを読み取ることであって、各デジタル画像フレームが、回収ボイラー(110)から出るスメルト・フローの少なくとも一部を表す検査中の少なくとも1つの領域を含む、読み取ることと、
前記検査中の少なくとも1つの領域において、色情報に基づいて区別可能な少なくとも1つの領域を識別することと、
前記識別された少なくとも1つの区別可能な領域に基づいて前記スメルト・フローの少なくとも1つの監視されるフロー特性を決定することと
を行わせるように構成され
前記検査中の第1の領域が、既知の断面寸法をもつスメルト・スパウト(117)中を流れるスメルト・フローを表し、第1の区別可能な領域が前記スメルト・フローの表面の縁部を含み、
検査中の第2の領域が、前記スメルト・スパウト(117)から流れ出る前記スメルト・フローを表し、前記スメルト・フローを液滴に粉砕するために蒸気ジェットが前記スメルト・フローに向けられ、第3の区別可能な領域が、前記液滴のうちの少なくともいくつかを含み、前記監視されるフロー特性が、前記液滴のうちの前記少なくともいくつかの液滴分布特性をさらに含む、ことを特徴とする、コンピュータ・デバイス(200)。
【請求項13】
記監視されるフロー特性が、以下、すなわち、スメルト・スパウト(117)の底部に対するスメルト・フロー幅又はスメルト・フロー高さのうちの少なくとも1つを含み、その前記幅及び/又は高さが、前記スメルト・フローの前記表面の識別された縁部に基づいて決定される、請求項12に記載のコンピュータ・デバイス(200)。
【請求項14】
前記監視されるフロー特性が、前記スメルト・スパウト(117)の断面寸法と前記スメルト・フローの前記決定された幅及び/又は高さとに基づいて決定された前記スメルト・フローの断面表面積をさらに含む、請求項12に記載のコンピュータ・デバイス(200)。
【請求項15】
第2の区別可能な領域が、前記スメルト・フローの流れ方向に移動する領域を含み、前記監視されるフロー特性が、ビデオ・シーケンスの少なくとも2つの画像フレーム間の前記第2の区別可能な領域のロケーションの変化に基づいて、前記プロセッサ(202)を用いて決定される、前記スメルト・フローの流速をさらに含む、請求項12から14までのいずれか一項に記載のコンピュータ・デバイス(200)。
【請求項16】
前記監視されるフロー特性が、前記スメルト・フローの前記決定された断面表面積及び流速に基づいて決定される、前記スメルト・フローの体積流量をさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ・デバイス(200)。
【請求項17】
前記監視されるフロー特性が、スメルト・フロー密度と前記決定された体積流量とに基づいて決定される、前記スメルト・フローの質量流量をさらに含む、請求項16に記載のコンピュータ・デバイス(200)。
【請求項18】
少なくとも1つのメモリ(204)及びコンピュータ・プログラム・コード(205)が、少なくとも1つのプロセッサ(202)を用いて前記コンピュータ・デバイス(200)に、
スメルト・フローの異なる観測ポイントから撮像された、少なくとも2つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスを読み取り、前記異なる観測ポイントにおける前記監視されるフロー特性の値を得ることと、
前記監視されるフロー特性のこのようにして得られた値を比較することと
を行わせるようにさらに構成された、請求項12から17までのいずれか一項に記載のコンピュータ・デバイス(200)。
【請求項19】
前記スメルト・フローの前記流れ方向に移動する前記領域が、前記スメルト・フローの形状、組成及び/又は温度における偏差により区別可能な領域を含む、請求項15から18までのいずれか一項に記載のコンピュータ・デバイス(200)。
【請求項20】
前記スメルト・フローの前記幅及び/又は高さが、前記検査中の第1の領域のピクセル数による寸法に基づいて決定される、請求項13から19までのいずれか一項に記載のコンピュータ・デバイス(200)。
【請求項21】
前記スメルト・フローの前記少なくとも1つの監視されるフロー特性が、前記回収ボイラー(110)を制御するために使用される、請求項12から20までのいずれか一項に記載のコンピュータ・デバイス(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光情報に基づく、回収ボイラー(recovery boiler)から出るスメルト・フロー(smelt flow)の自動監視に関する。
【背景技術】
【0002】
回収ボイラーは、化学物質回収と、蒸気及び電気エネルギーとしてプロセス中に生成される燃焼熱の回収という、2つの主要な機能を有する。スメルト・スパウトを通して回収ボイラー炉の底部から流れ出る化学物質スメルトは、硫化ナトリウム、炭酸ナトリウム及び硫酸ナトリウムを含む。
【0003】
回収ボイラーから出るスメルト・フローは、たとえば、スメルトを除去するスメルト・スパウトの領域に監視カメラを向けることによって監視され、オペレータは、スメルト・フロー及びその中の変化を監視するためにカメラによって生成された画像を使用することが可能であった。この画像情報を、たとえば、詰まりと清浄化の必要性とを検出するために使用することが可能であった。さらに、カメラによって生成された画像中で、分解タンク中のスメルト爆発を引き起こす、急激なスメルト流入(influx)を検出することが可能であった。また、米国特許第10012616B2号において提示されているように、分解タンク中のアコースティック・エミッションに基づいて、観測によってスメルト流入を検出することが可能であった。
【0004】
たとえば、分解タンクから出る緑液の濃度及び量を監視することによって、スメルト・フローの量を観測することが可能であった。この定量的データは、長期間にわたって集積され、すべてのスメルト・スパウトを通って流れたスメルトの総量を含む。
【0005】
従来技術は、回収ボイラーから出るスメルト・フローをリアルタイムで定量的に監視することを可能にしなかった。最も大きい回収ボイラーは、10個を超えるスメルト・スパウトを有し得、燃焼条件に基づくそれらの流量に差があり得る。
【0006】
しかしながら、回収ボイラーの燃焼イベントのスパウト固有のスメルト・フローの差と変化とを検出することは、最適な化学物質回収及び発電の最適化、並びに回収ボイラー設備の構造を損傷し、危険であるスメルト流入の予測を助けるので、明らかに必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第10012616B2号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴によれば、回収ボイラーから出るスメルト・フローの自動監視のための方法が提示される。本方法は、
デジタル画像フレームを含む、少なくとも1つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスを、プロセッサを用いて読み取るステップであって、各デジタル画像フレームが、回収ボイラーから出るスメルト・フローの少なくとも一部を表す検査中の少なくとも1つの領域を含む、ステップと、
検査中の少なくとも1つの領域において、色情報及び/又は強度情報に基づいて区別可能な少なくとも1つの領域を、プロセッサを用いて識別するステップと、
プロセッサを用いて識別された少なくとも1つの区別可能な領域に基づいて、スメルト・フローの少なくとも1つの監視されるフロー特性を決定するステップと
を含む。
【0009】
本発明の第2の特徴によれば、1つ又は複数のプロセッサによって実行され、コンピュータ・デバイスに第1の特徴による方法を実行させるコマンドのグループを含む、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータ・プログラム製品が提示される。
【0010】
本発明の第3の特徴によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリとを備えるコンピュータ・デバイスであって、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータ・プログラム・コードが、少なくとも1つのプロセッサを用いてコンピュータ・デバイスに、
デジタル画像フレームを含む、少なくとも1つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスを読み取ることであって、各デジタル画像フレームが、回収ボイラーから出るスメルト・フローの少なくとも一部を表す検査中の少なくとも1つの領域を含む、読み取ることと、
検査中の少なくとも1つの領域において、色情報及び/又は強度情報に基づいて区別可能な少なくとも1つの領域を識別することと、
特定された少なくとも1つの区別可能な領域に基づいて、スメルト・フローの少なくとも1つの監視されるフロー特性を決定することと
を行わせるように構成されている、コンピュータ・デバイスが提示される。
【0011】
発明の一実施例では、第1の検査中の領域は、既知の断面寸法をもつスメルト・スパウト中を流れるスメルト・フローを表し、第1の区別可能な領域はスメルト・フローの表面の縁部を含み、監視されるフロー特性は、以下、すなわち、スメルト・スパウトの底部に対するスメルト・フロー幅又はスメルト・フロー高さのうちの少なくとも1つを含み、スメルト・フローの幅及び/又は高さは、プロセッサを用いて識別されたスメルト・フローの表面の縁部に基づいて決定される。
【0012】
本発明の一実施例では、監視されるフロー特性は、スメルト・スパウトの断面寸法とスメルト・フローの決定された幅及び/又は高さとに基づいて、プロセッサを用いて決定されたスメルト・フローの断面表面積をさらに含む。
【0013】
本発明の一実施例では、第2の区別可能な領域は、スメルト・フローの流れ方向に移動する領域を含み、監視されるフロー特性は、ビデオ・シーケンスの少なくとも2つの画像フレーム間の第2の区別可能な領域のロケーションの変化に基づいて、プロセッサを用いて決定される、スメルト・フローの流速をさらに含む。
【0014】
本発明の一実施例では、監視されるフロー特性は、プロセッサを用いて決定されたスメルト・フローの断面表面積及び流速に基づいて決定される、スメルト・フローの体積流量(volume flow)をさらに含む。
【0015】
本発明の一実施例では、監視されるフロー特性は、スメルト・フロー密度と決定された体積流量とに基づいて、プロセッサを用いて決定される、スメルト・フローの質量流量(mass flow)をさらに含む。
【0016】
本発明の一実施例では、検査中の第2の領域は、スメルト・スパウトから流れ出るスメルト・フローを表し、スメルト・フローを液滴に粉砕するために蒸気ジェットがスメルト・フローに向けられ、第3の区別可能な領域は前記液滴のうちの少なくともいくつかを含み、監視されるフロー特性は、液滴のうちの前記少なくともいくつかの液滴分布特性をさらに含む。
【0017】
本発明の一実施例では、スメルト・フローの異なる観測ポイントから撮像された、少なくとも2つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスが、プロセッサを用いて読み取られ、前記異なる観測ポイントにおける監視されるフロー特性の値が得られ、監視されるフロー特性のこのようにして得られた値は、プロセッサを使用して比較される。
【0018】
本発明の一実施例では、スメルト・フローの流れ方向に移動する領域は、スメルト・フローの形状、組成及び/又は温度における偏差により区別可能な領域を含む。
【0019】
本発明の一実施例では、スメルト・フローの幅及び/又は高さは、検査中の第1の領域のピクセル数による(pixel-numbered)寸法に基づいて決定される。
【0020】
本発明の一実施例では、スメルト・フローの決定された少なくとも1つの監視されるフロー特性は、回収ボイラーを制御するために使用される。
【0021】
本発明による解決策を用いると、回収ボイラーから出るスメルト・フローが自動的に監視され得る。本発明による少なくともいくつかの解決策は、回収ボイラーの燃焼イベントのスパウト固有のスメルト・フローの差と変化とを検出し、それによって最適な化学物質回収及び発電の最適化、並びに回収ボイラー設備の構造を損傷し、危険であるスメルト流入の予測を助けることを可能にする。
【0022】
以下で、添付の図面を参照することによって、添付の例示的な実施例を用いて本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】本発明によるシステムを概略的に表す図である。
図1B】本発明による回収ボイラーを概略的に表す図である。
図2】本発明によるデバイスを概略的に表す図である。
図3】本発明による方法を概略的に説明する図である。
図4A】本発明によるV字形スメルト・スパウトの断面図である。
図4B】本発明によるU字形スメルト・スパウトの断面図である。
図5】本発明によるビデオ・シーケンスのデジタル画像フレームを概略的に表す図である。
図6】本発明によるビデオ・カメラ配置を概略的に表す図である。
図7A】本発明に従って得られるスメルト・フローの監視されるフロー特性を示す図である。
図7B】本発明に従って得られるスメルト・フローの監視されるフロー特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面は、等価な要素を参照するために全体にわたって同じ参照番号を使用する。
【0025】
以下は、それの例が添付の図面において説明される、本発明の実施例の詳細な説明である。以下の詳細な説明は、添付の図面とともに、例について説明するためのものであり、与えられた例を実装するか、又はそれらを利用するための唯一の方法を表すものではない。以下では、例を組み合わせ、使用するために例示的な活動及び一連のステップ/動作を強調する。同じ又は等価な活動及びステップ/動作は、しかしながら、他の例によっても達成され得る。
【0026】
図1Aは、例として、本発明によるシステム100の構成要素を示し、そのシステム100において、本発明の異なる実施例が実装され得る。図1Aの例は、回収ボイラー110と、回収ボイラー110から出るスメルト・フローのデジタル画像フレームを含むビデオ・シーケンスを生成するための器械120と、回収ボイラー110から出るスメルト・フローの自動監視のためのコンピュータ・デバイス200と、さらなるプロセス130のための器械とを提示する。
【0027】
回収ボイラー110は、化学物質回収機器として、並びにパルプ工場(pulp mill)において高圧蒸気及びエネルギーを生成するための好適なユニットとして働く2つの能力をもつ、黒液(black liquor)を燃焼させるために設計された蒸気ボイラーである。回収ボイラー110について、図1Bに関してより詳細に説明する。
【0028】
ビデオ・シーケンスを生成するための器械120は、たとえば、人間オペレータがそれを用いて制御ルームからのスメルト・フローを監視する、監視カメラなど、任意の好適なビデオ・カメラを含み得る。本発明は別個の専用ビデオ・カメラを必要としないので、既存のすでに設置されているビデオ・カメラが使用され得る。一例では、カメラは可視領域カラー・ビデオ・カメラである。
【0029】
図6は、本発明によるビデオ・カメラ配置600を側面から概略的に提示する。図6において、スメルト・フロー602が、スメルト・スパウト601から流れ出た後に、最終的に分解タンク(図6に図示せず)中に行き着くように、(たとえば、図1Bのスメルト・スパウト117に対応する)スメルト・スパウト601は、下方に傾斜した状態に置かれる。図6はまた、蒸気ノズル606を示し、蒸気ノズル606を用いて、蒸気ジェットが、それを液滴603に粉砕するためにスメルト・フロー602に向けられる。さらに、図6は、それが撮像する領域がスメルト・スパウト601中を流れるスメルト・フローと、スメルト・スパウト601から流れ出るスメルト・フローとを同時に包含するようにスメルト・スパウト601の上方に設置された、第1のビデオ・カメラ604を提示する。以下で説明するように、1つのビデオ・カメラ604は代替的に2つのビデオ・カメラと置き換えられ得、2つのビデオ・カメラのうちの一方は、スメルト・スパウト601中を流れるスメルト・フローを撮像し、他方は、スメルト・スパウト601から流れ出るスメルト・フローを撮像する。さらに、図6は、それが撮像する領域が、蒸気ブロワ(steam blower)606によって引き起こされる液滴形成603を包含するように配置された、第2のビデオ・カメラ605を提示する。
【0030】
図4Aは、本発明による(たとえば、図1Bのスメルト・スパウト117及び/又は図6のスメルト・スパウト601に対応する)V字形スメルト・スパウト410の断面図を提示する。スメルト・スパウトの上面は図4A中の直線411で表され、直線412は、スメルト・スパウト410中を流れるスメルト・フローの上面を表す。表面413は、以下で図2に関して説明するように、スメルト・フローの監視されるフロー特性として決定される、スメルト・スパウト410中のスメルト・フローの断面積を表す。
【0031】
図4Bは、今度は、本発明による(たとえば、図1Bのスメルト・スパウト117及び/又は図6のスメルト・スパウト601に対応する)U字形スメルト・スパウト420の断面図を提示する。スメルト・スパウトの上面は図4B中の直線421で表され、直線422は、スメルト・スパウト420中を流れるスメルト・フローの上面を表す。表面423は、以下で図2に関して説明するように、スメルト・フローの監視されるフロー特性として決定される、スメルト・スパウト420中のスメルト・フローの断面表面積を表す。
【0032】
回収ボイラーから出るスメルト・フローの自動監視のためのコンピュータ・デバイス200について、図2の説明において、より詳細に説明する。
【0033】
さらなる処理140のための器械は、たとえば、様々なさらなる処理手段を実装するか又は開始するために使用され得る、ワークステーション・コンピュータ、サーバ・コンピュータ、データベース及び/又は通信接続などを含み得る。前記さらなる処理手段は、たとえば、スメルト・スパウトを清浄化するためのコマンドを、スメルト・スパウトを清浄化する自動デバイスに与えること、たとえば、スメルト流入を防ぐために変化を防ぐための、及び/又は燃料噴射及び/又は空気噴射を調整するための調整を行うこと、及び/又は横方向に平衡した燃焼イベントを達成するために、異なるスメルト・スパウトから流れる流量の差に基づいて回収ボイラーの燃焼室中の局所的状態を調整することを含み得る。
【0034】
図1Bは、本発明による回収ボイラー110を概略的に表す。図1Bの回収ボイラー110は、たとえば、矩形底部111と、4つの壁112~112(それらのうち、後壁112及び前壁112図1Bに示されている)と、炉113と、ブルノーズ(bullnose)114と、伝熱セクション115とを備える。炉113の底部セクションは、空気口(air vent)116とスメルト・スパウト117とを有する。伝熱セクション115は、たとえば、エコノマイザ(economiser)115Aと、調理配管115Bと、過熱器115Cとを備える。
【0035】
さらに、図1Bは、黒液から過剰水を蒸発させるために使用される蒸発器151、及び蒸発の後に回収ボイラー110に黒液を注入するために使用される液(liquor)インジェクタ152を示す。言い換えれば、液インジェクタ152を用いて、適正な液滴サイズと補正位置合わせとによって、回収ボイラー110の底部111に好ましい種類のマウンドを形成することが求められる。
【0036】
回収ボイラー110の炉113の壁112~112は、一般に、一様な調理配管を形成するように一緒に気密的に接合された、垂直パイプ(図1Bに図示せず)から製造される。パイプ内を流れる水は、炉113中で解放された熱エネルギーによって蒸発させられ、最終的に、サイクル中に生成された飽和した水と蒸気の混合物が蒸気ドラム(図1Bに図示せず)に導かれ、そこで蒸気と水が分離され、蒸気は過熱のために過熱器115Cに導かれる。回収ボイラー110が動作中であるとき、それの底部111はスメルトの層で完全に覆われ、ボイラーの底部に無機材料とコークスとを含む制御されたマウンドを形成することが求められる。酸素低状態における黒液の有機物の燃え尽きと化学的還元とがマウンド中で起こる。スメルト・スパウト117は、ボイラー底部111からのスメルトを分解タンク(dissolving tank)(図1Bに図示せず)に搬送するために使用される。
【0037】
回収ボイラー110に供給される燃焼用空気のために、回収ボイラー110は、通常、空気口116との1次、2次及び3次の、3つの空気レベルを有する。それらはすべて、黒液燃焼ために必要とされる燃焼用空気供給に影響を及ぼす。図1Bからはずれて、スメルト・スパウト及び空気口は端壁112、112よりも広いので、それらは一般に前壁及び/又は後壁112、112上に位置する。
【0038】
過熱器115Cは、通常、過熱器115Cを直接の熱放射から保護し、煙道ガス流を過熱器115Cに導く、回収ボイラー110の上部にある突出部、すなわちブルノーズ114によって保護される。過熱器115Cの後に、燃焼中に生成された煙道ガスは調理配管115Bに搬送され、そこで煙道ガスの熱が蒸気生成のために使用される。煙道ガスは、通常、かなりの量の灰を含んでおり、定期的な蒸気すす吹き出し(sootblowing)によって、灰を伝熱面から分離することが求められる。煙道ガス・チャネル灰ホッパー(ash hopper)及び電気フィルタから分離されたこの灰は回収され、回収された灰は、黒液と混合され、化学物質回収のためにボイラー炉113に注入される。
【0039】
回収ボイラー110は、通常、垂直煙道ガス・チャネル中に位置する、2つの給水予熱器(feedwater preheater)、又はエコノマイザ115Aを有する。給水予熱器115Aは、給水が調理配管115Bに供給される前に、給水を加熱する。予熱器115Aは、回収ボイラー110の性能係数(coefficient of performance)を改善し、その煙道ガスを給水の温度近くまで冷却する。煙道ガス・フロー中のエコノマイザ115Aはまた、それらを開放に保つために定期的な蒸気すす吹き出しを必要とする。
【0040】
図2は、一実施例によるコンピュータ・デバイス200のブロック図である。
【0041】
コンピュータ・デバイス200は、少なくとも1つのプロセッサ202と、コンピュータ・プログラム・コード205を含む少なくとも1つのメモリ204とを備える。コンピュータ・デバイス200はまた、入出力モジュール206及び/又は通信インターフェース208を備え得る。
【0042】
図2のコンピュータ・デバイス200は、ただ1つのプロセッサ202を含むものとして提示されているが、コンピュータ・デバイス200はいくつかのプロセッサを含み得る。一実施例では、コマンド205(たとえば、オペレーティング・システム及び/又は異なるアプリケーション)はメモリ204に保存され得る。さらに、プロセッサ202は、保存されたコマンドを実行し得る。一実施例では、プロセッサ202は、マルチコア・プロセッサ、シングルコア・プロセッサ、或いは1つ又は複数のマルチコア・プロセッサと1つ又は複数のマルチコア・プロセッサとの組合せとして実装され得る。プロセッサ202は、たとえば、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、DSP(デジタル信号プロセッサ)、DSPをもつ又はもたない処理回路、又はASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、マイクロコントローラ・ユニット、ハードウェア・アクセラレータなどを含む様々な他の処理デバイスなど、1つ又は複数の異なる処理デバイスとして実装され得る。一実施例では、プロセッサ202は、ハードコーディングされた機能を実行するように構成され得る。一実施例では、プロセッサ202は、ソフトウェア・コマンドのエグゼキュータ(executor)として実装されており、プロセッサ202は、コマンドが実行されたときに、この説明において説明されるアルゴリズム及び/又は動作を実行するようにコマンドを用いて構成され得る。
【0043】
メモリ204は、1つ又は複数の揮発性メモリ・デバイス、1つ又は複数の不揮発性メモリ・デバイス、及び/或いは1つ若しくは複数の揮発性メモリ・デバイス又は1つ若しくは複数の不揮発性メモリ・デバイスとの組合せとして実装され得る。メモリ204は、たとえば、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去可能PROM)、フラッシュROM、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)など、半導体メモリとして実装され得る。
【0044】
入出力モジュール206は、入力及び/又は出力の編成を支援するように構成されている。入出力モジュール206は、プロセッサ202及びメモリ204と通信するように構成されている。入出力モジュール206の例は、限定はしないが、入力インターフェース及び/又は出力インターフェースを含む。入力インターフェースの例は、限定はしないが、キーボード、タッチ・スクリーン、マイクロフォンなどを含む。出力インターフェースの例は、限定はしないが、スピーカーと、LEDディスプレイ、TFTディスプレイ、液晶ディスプレイ又はAMOLEDディスプレイなど、ディスプレイとを含む。
【0045】
通信インターフェース208は、コンピュータ・デバイス200が他のデバイスと通信することを可能にし得る。一実施例では、プロセッサ202、メモリ204、入出力モジュール206及び通信インターフェース208など、コンピュータ・デバイス200の異なる構成要素は、集中型回路210を介して互いに通信するように構成されている。集中型回路210は、たとえば、マザーボードなど、プレス回路板を含み得る。
【0046】
本明細書において記載し、説明するコンピュータ・デバイス200は、本発明の実施例から恩恵を受け得るデバイスの例にすぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。コンピュータ・デバイス200は、図2に提示されているものとは異なる数の構成要素を含み得ることに留意されたい。コンピュータ・デバイス200は、好適な通信リンクによって通信するいくつかの物理ユニットに分割され得る。
【0047】
前記少なくとも1つのメモリ204及びコンピュータ・プログラム・コード205は、少なくとも1つのプロセッサ202を用いて、コンピュータ・デバイス200に、デジタル画像フレームを含む少なくとも1つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスを読み取らせるように構成されており、各デジタル画像フレームが、回収ボイラー110から出るスメルト・フローの少なくとも一部を表す検査中の少なくとも1つの領域を含む。本明細書において、「固定的に撮像されたビデオ・シーケンス」という用語は、ビデオを撮像するために使用されるビデオ・カメラが撮像中に固定されており、したがってビデオ・シーケンス中でキャプチャされる唯一の動きは撮像のターゲットの動きであることを意味する。ビデオ・シーケンスは実質的にリアルタイムであり得る。
【0048】
検査中の領域は、たとえば、スメルト・スパウト117中を流れるスメルト・フローの上方の領域を含み得、検査中の別の領域は、たとえば、スメルト・スパウト117の後のスメルト・フローの上方の領域を含み得る。一例では、ビデオ・カメラは、検査中のこれらの領域の両方を包含するように位置決めされる。この場合、スメルト・スパウト117の上方のカメラによって撮影される画像は、スメルト・スパウト117中を流れるスメルト・フローの幅、及び/又はスメルト・スパウト117の後のスメルト・フローの幅を示し得る。別の例では、2つのビデオ・カメラが使用され、一方は、スメルト・スパウト117中を流れるスメルト・フローにおける領域を撮像するためのものであり、他方は、スメルト・スパウト117の後のスメルト・フローにおける領域を撮像するためのものである。
【0049】
図5は、本発明による、ビデオ・シーケンスのデジタル画像フレーム500を概略的に表す。画像フレーム500は、(たとえば、スメルト・スパウト117、410、420、及び/又は601に対応する)スメルト・スパウト501と、スメルト・スパウト501中を流れるスメルト・フロー502と、スメルト・スパウト501から流れ出るスメルト・フロー503とを包含する。一点鎖線504はスメルト・フローの中心線を表す。図5の例は、スメルト・スパウト501中を流れるスメルト・フロー502の上方の領域を包含する、検査中の領域505を提示する。さらに、図5の例は、スメルト・スパウト501から流れ出るスメルト・フロー503の上方の領域を包含する検査中の領域506を提示する。
【0050】
前記少なくとも1つのメモリ204及びコンピュータ・プログラム・コード205は、少なくとも1つのプロセッサ202を用いて、コンピュータ・デバイス200に、前記検査中の少なくとも1つの領域において、色情報及び/又は強度情報に基づいて区別可能な少なくとも1つの領域を識別させるようにさらに構成されている。
【0051】
前記少なくとも1つのメモリ204及びコンピュータ・プログラム・コード205は、少なくとも1つのプロセッサ202を用いて、コンピュータ・デバイス200に、識別された少なくとも1つの区別可能な領域に基づいてスメルト・フローの少なくとも1つの監視されるフロー特性を決定させるようにさらに構成されている。一例では、このフロー特性は定量的変数である。一例では、このフロー特性は、スメルトの流量、サイズ(幅又は液滴サイズなど)及び/又はその中の変化を示す特性である。一例では、決定された監視されるフロー特性は、後で使用するために保存され得、随意にタイムスタンプされ得る。
【0052】
本発明の一実施例では、検査中の第1の領域は、既知の断面寸法をもつスメルト・スパウト117中を流れるスメルト・フローを表し、第1の区別可能な領域はスメルト・フローの表面の縁部を含み、監視されるフロー特性は、以下、すなわち、スメルト・スパウト117の底部に対するスメルト・フロー幅又はスメルト・フロー高さのうちの少なくとも1つを含み、スメルト・フローの幅及び/又は高さは、スメルト・フローの表面の識別された縁部に基づいて決定される。スメルト・フローの幅及び/又は高さは、たとえば、検査中の第1の領域のピクセル数による寸法に基づいて決定され得る。この実施例では、監視されるフロー特性は、スメルト・スパウト117の断面寸法に基づいて決定された、スメルト・フローの断面表面積と、決定されたスメルト・フローの幅及び/又は高さとをさらに含み得る。
【0053】
一実施例では、第2の区別可能な領域は、スメルト・フローの流れ方向に移動する領域を含み、監視されるフロー特性は、ビデオ・シーケンスの2つ又はそれ以上の画像フレーム間の第2の区別可能な領域のロケーションの変化に基づいて決定される、スメルト・フローの流速をさらに含む。スメルト・フローの流れ方向に移動する領域は、たとえば、スメルト・フローの組成及び/又は温度に関して区別可能な領域を含み得る。スメルト・フローの組成により区別可能な領域の一例は不純物粒子であり、不純物粒子は、たとえば、それの周囲よりも暗い又は黒い領域として、赤い色調のスメルト・フローから区別可能であり得る。スメルト・フローの温度により区別可能な領域の一例は、スメルト・フローの通常よりも熱いセクションであり、そのセクションは、たとえば、それの周囲よりも明るい領域として、赤い色調のスメルト・フローから区別可能であり得る。スメルト・フローの形状により区別可能な領域の一例は、たとえば外形として目立つ、波又は隆起である。
【0054】
一実施例では、監視されるフロー特性は、スメルト・フローの決定された断面表面積と流速とに基づいて決定された、スメルト・フローの体積流量をさらに含む。この実施例では、監視されるフロー特性は、スメルト・フロー密度と決定された体積流量とに基づいて決定された、スメルト・フローの質量流量をさらに含み得る。
【0055】
一例では、スメルト・スパウトにおける体積流量、又は流量は、以下のように計算され得る。
q=v×A、
ここで、qは、単位時間当たりの体積の単位(たとえばリットル毎秒)としての流れるスメルトの量であり、vは、流れるスメルトの速度(メートル毎秒)であり、Aは、流れるスメルトの断面表面積(たとえば平方メートル)である。
【0056】
一例では、質量流量は以下のように計算され得る。
【数1】

ここで
【数2】

は質量流量であり、ρはスメルト密度であり、qは、単位時間当たりの体積の単位(たとえばリットル毎秒)としての流れるスメルトの量である。
【0057】
一実施例では、検査中の第2の領域は、スメルト・スパウト117から流れ出るスメルト・フローを表し、スメルト・フローを液滴に粉砕するために、たとえば、蒸気ジェットがスメルト・フローに向けられ、第3の区別可能な領域は、前記液滴のうちの少なくともいくつかを含み、監視されるフロー特性は、液滴サイズ(たとえば最小及び/又は最大サイズ)及び/又は液滴分布(たとえばメジアン及び/又は平均値)など、液滴のうちの前記少なくともいくつかの液滴分布に影響を及ぼす液滴分布特性をさらに含む。液滴分布特性は、たとえば、蒸気の吹き出しを調整し、最適化し、それによって蒸気を保存するために使用され得る。液滴サイズ監視は、たとえば、粉砕されないままである大きすぎるスメルト・ランプ(lump)がないことを検査するために使用され得る。平均よりも1又は数マグニチュード大きい液滴サイズはまた、スメルト流入を予示又は示し得る。
【0058】
一実施例では、前記少なくとも1つのメモリ204及びコンピュータ・プログラム・コード205は、少なくとも1つのプロセッサ202を用いて、コンピュータ・デバイス200に、異なるスメルト・フロー観測ポイントにおいて撮像された、少なくとも2つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスを読み取らせ、異なる観測ポイントにおける監視されるフロー特性の値を得、監視されるフロー特性のこのようにして得られた値を比較するように、さらに構成され得る。
【0059】
一実施例では、スメルト・フローの決定された少なくとも1つの監視されるフロー特性は、回収ボイラー110を制御するために使用される。制御手段は、たとえば、スメルト・スパウトを清浄化するためのコマンドを、スメルト・スパウトを清浄化する自動デバイスに与えること、たとえば、スメルト流入を防ぐために変化を防ぐための、及び/又は燃料噴射及び/又は空気噴射を調整するための調整を行うこと、及び/又は横方向に平衡した燃焼イベントを達成するために、異なるスメルト・スパウトから流れる流量の差に基づいて回収ボイラーの燃焼室中の局所的状態を調整することを含み得る。
【0060】
一実施例では、撮像されたビデオ・シーケンスは、破壊的(disruptive)イベントの前及び後に(たとえば、30秒間)保存される。そのようなケースでは、オペレータは、たとえば分析目的のために、前記ビデオ・シーケンスを後で(必要な場合スロー・モーションで)閲覧することができる。
【0061】
スメルト・スパウト117の断面がわかっているとき、スメルト・フローの断面表面積を推定するために、撮像されたものにおいて観測されたスメルト・フロー幅が使用され得る。スメルト・フローの断面表面積は、特にスメルト・フロー温度が一定のままである場合、単位時間当たりのスメルト・フローの体積に比例すると仮定され得る。特定の間隔で撮影された解像可能なアイテムの画像間のロケーション差に基づいて、スメルト・スパウト117中のフローとともに移動する、粒子或いは他の色領域及び/又は強度領域など、前記アイテムについての速度情報が得られるとき、スメルト・フローの流量に関するより一層正確な情報が得られ得る。この場合、幅情報又は較正を通じて行われた評価に基づく相対情報に基づく情報の代わりに、絶対流量情報が得られ得る。
【0062】
スメルト・スパウト117の後のフロー幅の観測は、スメルト・フローの相対量及び変化の指示を与えるが、その観測は絶対流量情報を与えない。この観測ポイントを用いると、安定したフローの場合、スメルト・スパウト117のスメルト・フローから観測されるスメルト・フロー幅情報は強い相関を有するので、これらのいくつかの幅情報が信頼できるかどうかについての基準情報が得られ得る。これらの幅の比が正常からずれたとき、たとえば、スメルト・スパウト117が明らかに清浄化を必要としていると結論することができる。この理由で、スメルト・スパウト117を清浄化する自動化機器は、ここで、そのような指示に基づいて、スメルト・スパウト117を清浄化するためのコマンドを与えられ得る。
【0063】
スメルト・フローの大きい(たとえば、30%超の)瞬間偏差は、いずれかの観測ポイントから観測され得る。他のしきい値も使用され得、それらのうちのいくつかがあり得、正常として指定されたフローと比較した、たとえば、25%、50%、100%及び/又は200%など(を下回る及び/又は上回る)の変化が別個に報告され得、たとえばスメルト流入を防ぐため及び/又は燃料噴射及び/又は空気噴射を調整するためにそのような変化を防ぐための調整手段の基礎として使用され得る。フローは、たとえば燃料噴射の量に比例する、又は最大能力動作状況において見つけられるフローから、デフォルトで正常として決定され得る。工場の主目的は化学物質回収サイクルを維持することであるので、通常、回収ボイラー110は、標準電力において連続的に使用され、電力は、たとえば電気の需要に応じて、実質的に変更されない。
【0064】
異なるスメルト・スパウト117から流れるフロー量間の差は式で表され得、平衡した燃焼イベントを達成するために、これらの式に基づいて、回収ボイラー110の燃焼室中の状態が調整され得る。流速の差及び/又はスメルト色の変化は、たとえば、燃焼室及び/又は回収ボイラー110の底部111におけるスメルトの間の局所的温度差を示し得る。燃焼状態はまた、最大にされることが求められる塩回収又は還元の達成されるパーセンテージに影響を及ぼす。局所的なより弱い還元パーセンテージは、スパウト固有のフローの差として示し得る。
【0065】
スパウト中のスメルト・フロー幅は、たとえば、検査中の極めて狭い線状領域として、又は大きい領域を包含する検査中の領域として観測され得る。検査中の領域が大きい(たとえば、スパウトの方向に100mm又は200mmの長さを示している)場合、たとえば、平均中心線を決定し、それを幅情報として使用することによって、スメルトの縁部における局所的な瞬間偏差が個々の画像からフィルタ処理されて除かれ得る。この縁部線が長手方向直線から著しくずれる場合、それはフロー特性偏差としても考えられ得、偏差指示がそれのために作成され得る。また、画像からスメルトにおけるピクセルの数を計算することが可能であり、ピクセルの数は、検査中の領域におけるスメルトの表面積を計算するために使用され得る。検査中の領域の表面積及び長さがわかっているとき、それらは、スメルト・フローの平均幅を計算するために使用され得る。検査中の領域は偏っていることがあり、その場合、対称的なスメルト・スパウトの他方の側の領域のみが検査され、他方の側は対称的であるとみなされる。この場合、スメルトの縁部とスパウトの中心線との間の幅に2を乗算すると、幅情報が得られ得る。
【0066】
溶融塩は極めて区別可能に明るく赤く光るので、スメルト・フローの縁部は、たとえば、色又は強度のしきい値に基づいてピクセル特定的に示され得る。スメルトの色及び強度はスメルトの温度にも依存する。スメルト・スパウト117はまた、たとえば、ビデオ・カメラとは異なる方向からレーザー光を用いて、線状に照らされ得、それにより、スパウト及びスメルトの形状プロファイルが光線の角形状として強調される。
【0067】
一例では、ビデオ・シーケンスの画像フレームから測定された測定データが画像からピクセルの数として得られ、したがって、カメラとターゲットとの間の距離が測定された値に影響を及ぼす。ピクセルのこれらの数は、たとえば作動中に、物理的測定長に一致するように較正され得る。V字形のスメルト・スパウト117からの測定情報は、たとえば、スメルト・スパウト117の中心線の上方又はそれの延長線の上方に配置されたカメラを用いて確実に得られる。スメルト・スパウト117が、たとえば、U字形である場合、カメラは、好ましくは、中心線の一方の側に位置し、それにより、スメルト・スパウト117中のスメルト・フローの高さの変化のより正確な観測が可能になる。この場合、スメルト・フローの縁部は、スメルト高さが対称的であると仮定して、中心線の一方の側でのみ監視され得る。その側から撮像された画像は、たとえば、スメルト・スパウト117の後のスメルト・フローの垂直幅情報を与えることができる。また、たとえばV字形のスメルト・スパウト117に関連して、これのために第2のカメラが使用され得る。スメルト・スパウト117における、及びスメルト・スパウト117の後のフローにおけるなど、異なる測定ポイントにおいて、スメルト・スパウト117の異なる長手方向、垂直方向及び横方向の配置及びアラインメントを用いて、2つ又はそれ以上のカメラが使用され得る。遮蔽物は、撮像を検査中の領域のみに限定するために使用され得るので、異なるターゲットにおける異なるカメラの使用はまた、カメラの汚染に対するより良い遮蔽を容易にする。
【0068】
スメルト・スパウト117の後の検査中の領域中に観測可能なフローがなければならないことが、流量測定のための条件として設定され得る。スメルト・スパウト117から出るフローがない場合、状況は、遮断、或いは燃焼イベントが、たとえば始動中又は停止中に、一時的にスメルトを生成していないとして解釈され得る。適切な時間期間における燃料噴射値及び他の燃焼パラメータに関する、回収ボイラー110の動作状況によって与えられる指示が、燃焼がスメルト・スパウト117中に溶融塩を生成しているはずであることを示唆する場合、観測されたフローの不足に関して、たとえば、警報がオペレータに送られ、及び/又は障害指示がボイラー制御システムに送られ得る。
【0069】
次に、スメルト・フローの流速を決定することに関連する本発明の例示的な一実施例についてより詳細に説明する。この例示的な実施例のステップのうちのいくつかは随意である。この例示的な実施例はARPS(適応十字パターン探索(Adaptive Rood Pattern Search))アルゴリズムを使用する。
【0070】
2つの連続したビデオ画像フレーム又はそれらの間の特定の時間期間で得られた2つのビデオ画像フレームから同じ測定領域又は検査中の領域が選択される。第1のビデオ画像フレームにおいて、測定領域が正方形ブロックに分割され、ブロック・サイズはn×nピクセルのパラメータとして与えられる。ブロックについて、垂直方向はスパウト中のフロー方向である。
【0071】
各ブロックについて、同じ検査中の領域中の後のビデオ画像フレーム中で新しいロケーションが求められる。ブロックの新しいロケーションはコスト関数を用いて求められる、すなわち、ブロックを画像上で水平方向及び垂直方向に(十字形に、これが「十字」の由来である)移動させることによって、ブロックは第2のビデオ画像フレーム中にフィットさせられる。各ポイントにおいて、コスト関数についてブロック間の誤差が差として計算される。たとえば、平均絶対差(Mean Absolute Difference)関数はコスト関数として使用され得る。ブロックの新しいロケーションは、ブロックについて最も低い可能なコスト又は最良の等価性が得られる、画像中のポイントに基づいて決定される。同様の比較はまた、計算の正確さを改善するために3つ以上の画像フレームに基づいて行われ得る。
【0072】
次の段階では、半主要点(half-cardinal point)に対するブロックの等価性を求めることによって、コスト関数の値が規定される。半主要点の検査では、検査されるブロックの仮定される動きはそれに近いブロックと並行して進み得るという仮定に基づいて、前のブロックの見つけられたロケーションによって、ステップ長及び方向が決定される。誤差は、前のポイントにおいて計算されたように計算される。
【0073】
各ブロックの新しい見つけられたロケーションは、前のコスト関数の最小値によって生成された水平変位及び垂直変位である。変位はベクトルに保存される。1つのベクトルは水平方向の動きを有し、別のベクトルは垂直方向の動きを有する。ビデオ画像フレーム間のすべてのブロックの動きはベクトルにコンパイルされる。
【0074】
最後に、0速度が垂直動き方向から削除され、平均が計算される。水平動き方向は考慮に入れられない。国際単位系すなわちSI系の単位でのビデオ画像フレーム間の時間とピクセル・サイズとがわかっているとき、変位は流速を与え、したがって速度=(ピクセルにおける平均変位)×ピクセル・サイズ/ビデオ画像フレーム間の時間である。この例では、ピクセル・サイズの単位はm(メートル)であり、ビデオ画像フレーム間の時間の単位はs(秒)である。
【0075】
評価において、動きが見つからないブロックは、動きの方向からフィルタ処理され得、動きの発散が検査され得る。動き(変位)の発散が低すぎる場合、信頼できる変位は観測されなかった。しかしながら、発散が極めて高い場合、動きはよりランダムであり、信頼できる速度が計算され得ない。これらの場合、たとえば、警告が与えられ得る。
【0076】
この例におけるフローの測定は、下方を目指す垂直方向の動きに関係し、したがってこの動き方向がフィルタ処理において検査され得る。
【0077】
図7A図7Bは、本発明によって得られた、スメルト・フローのいくつかの監視されるフロー特性を示す。ダイヤグラム710は、時間(秒)の関数として、スメルト・スパウト中のスメルト・フローの幅をミリメートルで表す。ダイヤグラム720は、スメルト・スパウト中のスメルト・フローの体積流量をリットル毎秒で表す。ダイヤグラム730は、スメルト・スパウト中のスメルト・フローの流速をメートル毎秒で表す。図7A図7Bの例では、平均流速が0.53m/sであり、平均体積流量が0.88l/sであり、平均スメルト・フロー幅が52mmである。図7A図7Bから明らかであるように、これらの監視されるフロー特性は大きく変動し得る。
【0078】
図3は、例示的な一実施例による回収ボイラーの1つ又は複数の煙道ガスの相対的粒子グループ・セクションを決定するための方法300の例示的なフロー・チャートを示す。
【0079】
動作301は、デジタル画像フレームを含む少なくとも1つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスを、プロセッサを用いて読み取るステップであって、各デジタル画像フレームが、回収ボイラーから出る前記スメルト・フローの少なくとも一部を表す検査中の少なくとも1つの領域を含む、ステップを伴う。
【0080】
動作302は、前記検査中の少なくとも1つの領域において、色情報及び/又は強度情報に基づいて区別可能な少なくとも1つの領域を、プロセッサを用いて識別するステップを伴う。
【0081】
動作303は、プロセッサを用いて識別された少なくとも1つの区別可能な領域に基づいて、スメルト・フローの少なくとも1つの監視されるフロー特性を決定するステップを伴う。
【0082】
随意の動作304では、スメルト・フローの異なる観測ポイントから撮像された、少なくとも2つの固定的に撮像されたビデオ・シーケンスが、プロセッサを用いて読み取られ、前記異なる観測ポイントにおける監視されるフロー特性の値が得られ、監視されるフロー特性のこのようにして得られた値は、プロセッサを使用して比較される。
【0083】
随意の動作305では、必要な場合、(たとえば、人間オペレータに)警報を与えるために、プロセッサが使用される。たとえば、動作304の比較の結果が、あらかじめ指定されたあるしきい値を超えたときに、警報が与えられ得る。
【0084】
方法300は、図2のデバイス200を用いて実行され得る。方法300の追加の特徴は、デバイス200の動作及びパラメータの直接的結果であり、したがってそれらはここでは繰り返さない。方法300は、1つ又は複数のコンピュータ・プログラムを用いて実行され得る。
【0085】
例示的な実施例は、たとえば、例示的な実施例のプロセスを動作させることが可能である任意の好適なコンピュータ・デバイスなどを含み得る。例示的な実施例のデバイス及びサブシステムは、任意の好適なプロトコルを使用して互いに通信することができ、それらは、1つ又は複数のプログラムされたコンピュータ・システム又はデバイスを使用して実装され得る。
【0086】
インターネット接続、任意の好適なフォーマットにおける電気通信(音声、モデムなど)、ワイヤレス通信媒体などを含む、1つ又は複数の接続機構が、例示的な実施例を用いて使用され得る。通信ネットワーク又は接続は、たとえば、1つ又は複数の衛星通信ネットワーク、無線通信ネットワーク、セルラー通信ネットワーク、3G通信ネットワーク、4G通信ネットワーク、5G通信ネットワーク、一般的な交換電話網、パッケージ・データ・ネットワーク、インターネット、イントラネット、又はこれらの組合せを含み得る。
【0087】
当業者が理解するように、例示的な実施例を実装するために使用される特定の機器の多くの変形が可能であるので、例示的な実施例は例にすぎないことを理解されたい。たとえば、例示的な実施例の1つ又は複数の構成要素の機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実装され得る。
【0088】
例示的な実施例は、この記述において説明される異なるプロセスに関する情報を保存することができる。この情報は、ハードディスク、光ディスク、磁気光ディスク、RAMメモリなど、1つ又は複数のメモリに保存され得る。本発明の例示的な実施例を実装するために使用される情報は1つ又は複数のデータベースに保存され得る。データベースは、ここで記載される1つ又は複数のメモリ又は記憶媒体中に含まれるデータ構造(たとえば、データ記録、テーブル、ボード、フィールド、グラフ、ツリー又はリスト)を使用して編成され得る。例示的な実施例に関して、説明したプロセスは、例示的な実施例のデバイス及びサブシステムのプロセスによって収集された及び/又は生成されたデータを1つ又は複数のデータベースに保存するための適切なデータ構造を含み得る。
【0089】
例示的な実施例は、当業者が理解するように、本発明の例示的な実施例の教示に従ってプログラムされた1つ又は複数の汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、DSPプロセッサ、マイクロコントローラなどを使用して全体的に又は部分的に実装され得る。平均的なプログラマーは、ソフトウェアの当業者が理解するように、例示的な実施例の教示に基づいて適切なソフトウェアを容易に生成することができる。さらに、例示的な実施例は、エレクトロニクスの当業者が理解するように、特定用途向け集積回路を使用するか、又は適切なネットワークの従来の構成要素回路を組み合わせて実装され得る。したがって、例示的な実施例はハードウェア及び/又はソフトウェアのいかなる特定の組合せにも限定されない。
【0090】
任意のコンピュータ可読媒体又はそれらの組合せに保存されると、本発明の例示的な実施例は、例示的な実施例の構成要素を制御すること、例示的な実施例の構成要素を動作させること、例示的な実施例の構成要素と人間ユーザとの間の対話を可能にすることなどのためのソフトウェアを含み得る。そのようなソフトウェアは、限定はしないが、デバイス・ドライバ、ファームウェア、オペレーティング・システム、ソフトウェア開発ツール、アプリケーション・ソフトウェアなどを含み得る。これらのコンピュータ可読媒体は、本発明の実装において(処理が分散される場合)全体的に又は部分的にプロセスを実行するための、本発明の実施例のコンピュータ・プログラム製品を含み得る。本発明の例示的な実施例のコンピュータ・コード・デバイスは、限定はしないが、コマンド・スクリプト、解釈可能なプログラム、ダイナミック・リンク・ライブラリ、Java(登録商標)クラス及びアプレット、完全に実行可能プログラムなどを含む、任意の好適な解釈可能な又は実行可能なコード機構を含み得る。さらに、本発明の例示的な実施例の処理の一部は、性能、信頼性、コストなどを改善するために分散され得る。
【0091】
上述のように、例示的な実施例の構成要素は、本発明の教示に従ってプログラムされたコマンド、並びにこの記述中で説明したデータ構造、テーブル、データ記録及び/又は他のデータを記憶するためのコンピュータ可読媒体又はメモリを含み得る。コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されるべきコマンドを編成することに関与する任意の好適な媒体を含み得る。そのような媒体は、限定はしないが、不揮発性又は永久記憶媒体、揮発性又は非永久記憶媒体などを含む、いくつかの形態を有し得る。不揮発性記憶媒体は光ディスク又は磁気ディスクなどを含み得る。揮発性記憶媒体はダイナミック・メモリなどを含み得る。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、フロッピー(登録商標)・ディスク、ハード・ドライブ、又はコンピュータによって読み取られ得る任意の他の媒体を含み得る。
【0092】
本発明は、上記で説明した例示的な実施例のみに関係するように限定されず、特許請求の範囲によって指定された本発明のアイデアの構想内で、多くの変形が可能である。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C